JP2005238722A - 積層フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ヒートシール性とイージーピール性を兼ね備え、かつ耐油性に優れたヒートシール層を備えた積層フィルムおよびその製造方法を提供することである。
【解決手段】 ポリエステル樹脂からなる基材フィルムの一方の面にポリウレタン系接着剤からなるアンカーコート層を設け、さらに、該アンカーコート層の上にエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂からなるヒートシール層を設けてなる積層フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ヒートシール性とイージーピール性を兼ね備え、かつ耐油性に優れたヒートシール層を備えた積層フィルムおよびその製造方法に関し、さらに詳しくは、油性のダスト吸着剤を含有するモップ類やクロス類、マット類などのダストコントロール用品の包装に適したフィルムに関するものである。
二軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルム(通称PETフィルムともいう)は機械的強度や寸法安定性、透明性、保香性、印刷適性等に優れることから、包装フィルムとして非常に多くの用途で用いられている。
通常、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを包装材料に用いる場合、ポリエチレンやポリプロピレンなどのヒートシールが可能なシーラント層を押出ラミネーションやドライラミネーションにより積層して、三方シール袋やピロー袋などの種々の形態の包装袋に製袋されるのが一般的である。
一方、一般家庭やオフィス、店舗等の事業所において使われる清掃用品には、従来の水拭き雑巾に替わって、最近はちりやほこりを吸着し、さらに抗菌性を有するダスト吸着剤をパイルやクロスなどの繊維製品に染みこませた、いわゆるダストコントロール用品が主流となっている。ダストコントロール用品の主な商品としては、化学雑巾と呼ばれるクロス類、床などのほこりを除去するモップ類、玄関等に置かれるマット類などがある。
これらダストコントロール用品の包装袋は、破袋させることなくヒートシール部分できれいに開封できることが要求され、そのためにヒートシール性とイージーピール性を兼ね備えることが要求されている。しかし、一般的なシーラント材であるポリエチレンをラミネーションしたヒートシール層では、ヒートシール強度が強くなりすぎるため、袋の開封時にフィルムが破れてしまうなどの問題が発生する。
また、ダストコントロール用品には、鉱物油などの油成分を主成分とするダスト吸着剤が含まれる(例えば、特許文献1参照)。このため、ダストコントロール用品の包装に用いられるフィルム、特に袋の最内層にあるヒートシール層には耐油性を有することが要求されている。ヒートシール層が耐油性に乏しい場合、鉱物油などがヒートシール層を浸透し、ヒートシール層とポリエチレンテレフタレートフィルムとの界面でデラミネーションを起こすなどの問題が発生する。
イージーピール性を兼ね備えたヒートシール層としては、エチレンと1−ブテンとの共重合体からなる樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献2参照)。また、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体樹脂からなるヒートシール層を二軸延伸ポリエステルフィルムに積層することでイージーピール性を有する積層フィルムが開示されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、ポリエチレンやエチレン−1−ブテン共重合体樹脂などのオレフィン系樹脂からなるヒートシール層は耐油性に乏しく、また、エチレン−(メタ)アクリレート系共重合体樹脂からなるヒートシール層も耐油性は満足のいくものではなかった。
耐油性に優れたヒートシール層として、親水性基を有する樹脂を鋭意検討した結果、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂を主成分とするヒートシール層が耐油性を満足することが判明したが、これらの樹脂はポリエチレンテレフタレートフィルムとの接着性が悪く、そのため剥離感も悪いという問題があった(例えば、特許文献3の比較例参照)。
特開2002−121544号公報(表1、表2、表3) 特開2002−146343号公報(表2) 特開2000−272058号公報(表1、表2、表3)
本発明の目的は、ヒートシール性とイージーピール性を兼ね備え、かつ耐油性に優れたヒートシール層を備えた積層フィルムおよびその製造方法を提供することである。
本発明は、上記問題点を解決するために、主として以下の構成を有する。すなわち、ポリエステル樹脂からなる基材フィルムの一方の面にポリウレタン系接着剤からなるアンカーコート層を設け、さらに、該アンカーコート層の上にエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂からなるヒートシール層を設けてなる積層フィルム、である。
本発明によれば、ヒートシール層の樹脂とその厚みを規定することにより、耐油性に優れ、ヒートシール性とイージーピール性を兼ね備えた積層フィルムが得られるとともに、ヒートシール層の厚みをより薄くすることが可能となり、軽量・減容化した積層フィルムを提供することが可能となる。
本発明では、ポリエステル樹脂からなる基材フィルムにポリウレタン系接着剤からなるアンカーコート層を設けることで、耐油性に優れるエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂からなるヒートシール層の接着性を向上でき、その結果、良好な剥離感が得られ、ヒートシール性とイージーピール性を両立させることが可能となる。
本発明の積層フィルムを構成するヒートシール層は、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂を主成分とする。ここで、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂は、エチレンとアクリル酸とを共重合したエチレン−アクリル酸共重合体樹脂、および/またはエチレンとメタクリル酸とを共重合したエチレン−メタクリル酸共重合体樹脂が好適であるが、2成分系エチレン共重合体樹脂だけでなく、エチレンに対する共重合成分として少なくともアクリル酸またはメタクリル酸のどちらかが入っていれば、第3の共重合成分を含んだエチレン系三元共重合体樹脂であってもかまわない。好ましい第3の共重合成分は、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルが挙げられ、中でも炭素数が2〜6のエステルが好ましい。このようなエチレン系三元共重合体樹脂の代表的な例として、エチレン・メタクリル酸・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・メタクリル酸・アクリル酸ブチル共重合体、エチレン・メタクリル酸・アクリル酸ヘキシル共重合体などが挙げられる。第3の共重合成分の含有量は本発明の目的を損なわない範囲であれば特に限定されないが、好ましくは2〜30モル%である。
本発明の積層フィルムを構成するヒートシール層には、前記したエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂のいずれかを単体で用いるか、または2種以上を混合して用いてもかまわない。前記エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂中のアクリル酸ユニットおよび/またはメタクリル酸ユニットの総含量は2〜30モル%が好ましく、より好ましくは5〜20モル%である。これより少ないと耐油性に乏しくなり、さらにホットタック性なども悪くなる。また、逆にこれより多いとポリエステル樹脂との接着性やフィルムとの滑り性が悪くなるので好ましくない。
さらに、積層フィルムを構成するヒートシール層は、前記したエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂の単一樹脂に限定されるものではなく、本発明の効果を阻害しない範囲でエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−(メタ)アクリレート共重合体樹脂が混合されていてもよい。
本発明でエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂からなるヒートシール層を形成する方法は特に限定されるものではないが、ヒートシール層をより薄くでき、かつポリエステル樹脂からなる基材フィルムとの接着性が良好であることから、コーティングによる方法が好ましい。ここで、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂は溶液または水性エマルジョン、水性ディスパージョン等コーティングに適した性状であれば特に限定されないが、水性エマルジョンが好適に用いられる。
前記水性エマルジョンには、基材フィルムとの密着力および本発明の効果をを損なわない範囲内であれば、各種の添加剤が含まれていても良い。該各種の添加剤としては、公知の酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、乳化剤、消泡剤、界面活性剤等などが使用できる。また、同様に、無機または有機の粒子が含まれていても良い。例えば、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化珪素、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、アルミナ、硫酸バリウム、ジルコニア、リン酸カルシウム、架橋ポリスチレン系粒子、架橋ポリメチルメタクリレート系粒子などであり、中でも基材フィルムとコーティング層またはコーティング層同士のブロッキングを防止する目的で架橋ポリメチルメタクリレート系粒子が好ましく用いられる。
本発明のフィルムに用いられる基材フィルムは、基材の耐熱性、強度、透明性、インキとの密着力が強く、印刷適性に優れているといった点からポリエステル樹脂であることが好ましい。ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、2,6−ポリエチレンナフタレート等を用いることができるが、なかでも、強度、透明性、表面平滑性といった点で、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
さらに、基材フィルムは単一樹脂に限られるものではなく、本発明の効果を阻害しない範囲で、イソフタル酸、セバシン酸、アジピン酸等をジカルボン酸成分とするポリエステル、1、4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール等をジオール成分とするポリエステルが混合されていてもよい。
前記基材フィルムには、ヒートシール層との密着力と本発明の効果を損なわない範囲内であれば、各種の添加剤、無機または有機の粒子が含まれていても良い。例えば、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化珪素、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、アルミナ、硫酸バリウム、ジルコニア、リン酸カルシウム、架橋ポリスチレン系粒子などである。
前記基材フィルムは、二軸延伸フィルムに限るものではないが、強度の点で二軸延伸フィルムとすることが好ましい。二軸延伸の方法としては、二方向同時に延伸する方法(同時二軸延伸法)、先に一方向(通常はフィルムが搬送される方向と同じ方向)に伸ばしてから、それと垂直な方向(幅方向)に伸ばす方法(逐次二軸延伸法)があるが、ポリエステル樹脂においては逐次二軸延伸法が好ましく用いられる。
前記基材フィルムの厚みは、腰の強さなどのフィルム強度から適宜最適な厚みのフィルムが用いられるが、10〜30μmの範囲のものが好ましく用いられ、さらに好ましくはは12〜20μmである。
かかる基材フィルムにはコロナ放電処理、火炎処理、あるいはプラズマ処理などの表面処理が施されていることが好ましく、中でもコロナ放電処理が好適に用いられる。これら表面処理は、基材フィルムの両面に施すことが好ましいが、片面だけに施されているだけでも良く、少なくとも印刷層形成面側に施されていることが印刷インキとの密着力を強くする点で好ましい。
さらに本発明においては、かかる基材フィルムのヒートシール層形成面側に、アンカーコート層を設けることが基材フィルムとヒートシール層との接着性、剥離感を向上でき好ましい。
かかるアンカーコート層としては、二液反応型のポリウレタン系接着剤や一液反応型のイソシアネート基を末端にもつプレポリマーポリウレタン接着剤が接着性がよく、耐熱性にも優れ、また、比較的低温での反応、硬化が可能であるため生産性もよく、好適に使用することができる。
前記二液反応型のポリウレタン系接着剤は、高分子末端に水酸基を有するポリオール成分とイソシアネート基を有するポリイソシアネート成分を主成分とし、水酸基とイソシアネート基の反応でウレタン結合を形成して硬化するものであり、そのポリオール成分としては、ポリエステルポリオール、ポリエステルポリウレタンポリオール、ポリエーテルポリウレタンポリオールなどを使用することができる。また、ポリイソシアネート成分としては、具体的には、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)、メタン・トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェートなどのイソシアネートモノマーや、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどイソシアネートモノマーをトリメチロールプロパンに付加したウレタンプレポリマー、ヘキサメチレンジイソシアネートビューレット、ヘキサメチレンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネートトリマーなどのイソシアネート変性体などを使用することができる。
また、前記一液反応型のイソシアネート基を末端にもつプレポリマーポリウレタン接着剤は、例えば、ポリエーテルポリオールとジイソシアネートを反応させて得られるポリエーテルポリウレタンポリイソシアネートや、ポリエステルポリオールとジイソシアネートを反応させて得られるポリエステルポリウレタンポリイソシアネートなどを使用することができる。
かかるポリウレタン系接着剤の性状は、酢酸エチルやメチルエチルケトン等の有機溶剤に溶解させた溶液、または水性エマルジョンまたは水性ディスパージョンが好ましく用いられるが、コーティングに適した性状であれば特に限定されない。
本発明の積層フィルムは、基材フィルムの非コロナ放電処理面にアンカーコート層を形成し、該層の上にヒートシール層を形成し、基材フィルムのもう一方の面(コロナ放電処理面)に印刷を施した構成とすることで、ダストコントロール用品の包装に好ましく用いられる。
本発明の積層フィルムの製造方法は、ポリエステル樹脂からなる基材フィルムの一方の面にポリウレタン系接着剤からなる溶液または水性エマルジョンをコーティングしてアンカーコート層を設け、さらに、該アンカーコート層の上にエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂からなる溶液または水性エマルジョンをコーティングしてヒートシール層を設ける方法が好ましく用いられる。以下に、本発明の積層フィルムの代表的製造方法について述べるが、本発明は下記に限定されるものではない。
片面若しくは両面にコロナ放電処理が施された基材フィルム(例えば、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム)のロールを用意する。両面にコロナ放電処理が施されている場合は、基材フィルムのどちらか一方の面に、コロナ放電処理が片面だけの場合は基材フィルムの非コロナ放電処理面にアンカーコート層を形成する。
アンカーコート層は基材フィルム製膜時のインライン工程でコーティングする方法もあるが、一般にコーターを用いてオフラインでコーティングするのが好ましい。さらに、アンカーコート層の上にヒートシール層を形成するが、これらは2ヘッドを有するコーターを用い、ワンパスでアンカーコート層とヒートシール層を形成することが経済的にも好ましい。
コーターヘッドはグラビアコート、リバースコート、スプレーコート、キスコート、コンマコート、ダイコート、ナイフコート、エアーナイフコートあるいはメタリングバーコートなどが挙げられるが、操作性が良く、広幅塗工、高速塗工、薄膜塗工ができる点からグラビアコートが好ましく用いられる。また、グラビアコートであればダイレクトグラビア、リバースグラビアのどちらでもかまわない。
アンカーコート層には前記したポリウレタン系接着剤が好ましく用いられ、中でも二液反応型のポリウレタン系接着剤を酢酸エチル等の有機溶剤で適宜希釈して濃度調整されたものが用いられる。ポリウレタン系接着剤溶液の濃度は使用するグラビア版によって決まる塗布量に応じて適宜決められる。夏場の多湿下でブラッシングが起こる場合には希釈溶媒にシクロヘキサノンやトルエンなどの高沸点成分を添加するのが好ましい。また、グラビアコートした後、なるべく早くオーブンに通して乾燥することもブラッシングを起こさない上で好ましい。
乾燥後のアンカーコート層の厚みは、ヒートシール層との密着力を損なわない範囲でできるだけ薄い方が好ましく、一般に0.1〜1μmが好ましく、さらには0.15〜0.6μmであることがより好ましい。
アンカーコート層を乾燥後、ヒートシール層のコーティングを行う。ヒートシール層には前記したエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂の水性エマルジョンが好適に用いられる。水性エマルジョンの固形分濃度は15〜45重量%が好ましく、これより低いと造膜性が悪くなり、逆に高いと粘性が高くなりすぎ、コーティングに適さなくなる。固形分濃度はこの範囲内で、使用するグラビア版によって決まる塗布量に応じて適宜決められる。
この水性エマルジョンにはブロッキング防止のために通常架橋ポリメチルメタクリレート粒子などの粒子を0.1〜10重量%の範囲で添加するのが好ましい。さらに、水性エマルジョンを高速でグラビアコーティングする場合にパン内で塗液が泡立つのを防止するために、消泡剤が好適に用いられる。消泡剤としてはヒートシール強度を低下させるものでなければ特に限定されるものでないが、アセチレングリコール系界面活性剤やシリコーン系界面活性剤が好適に用いられる。
グラビアコート後、オーブンで乾燥する。乾燥温度は用いた水性エマルジョンの最低造膜温度よりも高く、かつ樹脂基材の耐熱温度の範囲内に設定する必要があり、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの場合、最低造膜温度〜150℃の範囲が好適である。
乾燥後のヒートシール層の厚みは、ヒートシール強度と相関があり、厚みを厚くするとヒートシール強度の高いフィルムが得られ、逆に薄くするとヒートシール強度の低いフィルムとなる。従って、ヒートシール層の厚みは、要求されるヒートシール強度に応じて決めるのが好ましいが、フィルムにイージーピール性を付与する場合、厚みは0.6〜2μmが好ましく、さらには0.9〜1.6μmの範囲が好ましい。
オーブンで乾燥後、巻き取り、スリッターで所望の幅、長さにスリットする。スリットしたフィルムのコロナ放電処理面に印刷機で印刷を施し、製袋加工工程に供される。印刷方法は特に限定されるものでなく、一般的に基材フィルムの印刷に適用されている方法で印刷することが好ましく、特にグラビア印刷、フレキソ印刷など公知の方法が用いられる。
本発明のフィルムのヒートシール強度は、後述するヒートシール強度測定において150〜800g/15mmであり、特に充分なヒートシール性を有し、かつイージーピール性を兼ね備えるためには250〜600g/15mmであることが好ましい。
<特性の評価方法>
本発明にて用いた特性の評価方法は以下の通りである。
(1)ヒートシール強度測定
2枚のフィルムのヒートシール層同士を重ね合わせ、ヒートシーラーを用いて、上側の熱板を金属平板、下側の熱板をシリコーンゴムとし、上側のみ130℃に加熱し、圧力1kg/cm2、加圧時間1秒の条件でヒートシールした。シール後、室温に冷えるまで静置したのち、MD方向に幅15mmの短冊状に切り取ったものを測定サンプルとした。サンプルをインストロン型万能試験機を用いて引張速度300mm/分でT型に剥離し、ヒートシール強度を測定した。測定は10個のサンプルについて行い、その平均値をヒートシール強度として求めた。
(2)耐油性評価
ヒートシーラーを用いて、(1)と同じシール条件で、縦20cm×横15cmの大きさの3方シール袋を作製した。この際に袋に約1gのダスト吸着剤を実包し、なるべく空気を残さないようにシールした。用いたダスト吸着剤は高度水素化精製基油(商品名「PUREX 30」、エッソ石油有限会社製)96.8重量%、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(エチレンオキシド3モル付加物) 1.0重量%、オレオイルザルコシン 2.0重量%、酸化防止剤として2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert.−ブチルフェノール) 0.2重量%の混合物を用いた。実包した袋を23℃、65%RHの条件で1週間保管し、その後袋を解体して、(1)と同様の方法でヒートシール強度を測定した。
(3)厚み測定
エレクトロニック・マイクロメーター(アンリツ製、K−107C形)を用い、アンカーコート層のコーティング前後、およびヒートシール層のコーティング前後のフィルムの厚みをそれぞれ50点測定し、各々コーティング前後の差の平均値をアンカーコート層厚み、ヒートシール層厚みとした。
(4)印刷適性評価
作製した積層フィルムのヒートシール層と反対面に、卓上グラビア印刷テスト機(RK Print-Coat Instruments Ltd.製、製品名 K印刷プルーファー)を用いてグラビア印刷を行った。版は#150のヘリオのベタを用い、印刷インキは白インキ(大日本インキ化学工業製、ユニビアNT R793白A)を希釈剤(大日本インキ化学工業製、ユニビアNT レジューサーNo.2)で粘度が16秒(ザーンカップ#3使用)になるように調整して用いた。印刷後にセロテープ剥離試験を行いインキと積層フィルムとの接着性を評価した。また、印刷時に印刷面の外観を観察してインキ転移性を評価した。
(実施例1)
基材フィルムとして市販の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、”ルミラー”P60、片面コロナ放電処理品、厚み16μm)の非コロナ放電処理面に、2ヘッドのダイレクトグラビアコーターにてアンカーコート層、ヒートシール層の順でコーティングを行った(塗工速度150m/分)。
まず、アンカーコート層として、二液反応型のポリウレタン系接着剤(三井武田ケミカル(株)製、主剤 ”タケラック”A−310、硬化剤 ”タケネート”A−3)を酢酸エチル65重量%とトルエン35重量%の混合溶媒にて希釈した溶液をダイレクトグラビアで塗布し、オーブン内に導き100℃で2.5秒間乾燥し、乾燥後の厚みが0.2μmのアンカーコート層を設けた。
次に、ヒートシール層として、市販のエチレン−メタクリル酸共重合体の水性エマルジョン(中央理化工業(株)製“アクアテックス”AC−3100)を水33重量%とイソプロピルアルコール67重量%の混合溶媒で固形分濃度30%に希釈し、そこへ市販の架橋ポリメチルメタクリレート粒子(綜研化学(株)製、MX−300)を溶液に対し1重量%添加し、さらに消泡剤としてアセチレングリコール系界面活性剤(エアープロダクツ社製、“サーフィノール”420)を溶液に対し0.2重量%添加した溶液を、該アンカーコート層表面にダイレクトグラビアで塗布し、オーブン内に導き130℃で5秒間乾燥し、乾燥後の厚みが1.3μmのヒートシール層を設け、ロール状に巻き取った。作製したフィルムは滑り性も良く、ブロッキングは観察されなかった。次に、作製したフィルムのヒートシール強度および耐油性評価後のヒートシール強度を表1に示す。ヒートシール性、イージーピール性、耐油性に優れたフィルムが得られた。さらに、ヒートシール層と反対面にあるコロナ放電処理面に印刷を施して、インキ接着性、転移性を評価した。いずれも良好であった。
(実施例2)
実施例1において、基材フィルム、アンカーコート層の材料は同じものを用い、ヒートシール層として市販のエチレン−アクリル酸共重合体とエチレン−メタクリル酸共重合体の混合物からなる水性エマルジョン(大日本インキ化学工業(株)製“ディックシール”W−482S)を水33重量%とイソプロピルアルコール67重量%の混合溶媒で固形分濃度24%に希釈し、そこへ市販の消泡剤としてシリコーン系消泡剤(大日本インキ化学工業(株)製、“ディックセーフGFラベル消泡剤”)を溶液に対し0.2重量%添加した溶液を用いた。実施例1と同様の方法でコーティングし、乾燥後の厚みが1.1μmのヒートシール層を設け、ロール状に巻き取った。作製したフィルムは滑り性も良く、ブロッキングは観察されなかった。次に、作製したフィルムのヒートシール強度および耐油性評価後のヒートシール強度を表1に示す。ヒートシール性、イージーピール性、耐油性に優れたフィルムが得られた。さらに、ヒートシール層と反対面にあるコロナ放電処理面に印刷を施して、インキ接着性、転移性を評価した。いずれも良好であった。
(実施例3〜6)
実施例2において、基材フィルム、アンカーコート層、ヒートシール層の材料は同じものを用い、ヒートシール層のコーティングに用いたグラビア版のメッシュを変更した以外は実施例2と同様の方法により、乾燥後の厚みが0.7μm、0.9μm、1.4μm、2.0μmのヒートシール層を設けた。作製したフィルムのヒートシール強度および耐油性評価後のヒートシール強度を表1に示す。ヒートシール層厚みとヒートシール強度にはよい相関がみられ、この範囲内の厚みであれば、イージーピール性を兼ね備えたフィルムが得られることがわかった。さらに、ヒートシール層と反対面にあるコロナ放電処理面に印刷を施して、インキ接着性、転移性を評価した。いずれも良好であった。
(比較例1)
基材フィルムとして市販の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、”ルミラー”P60、片面コロナ放電処理品、厚み12μm)のコロナ放電処理面に、アンカーコート剤(日本曹達(株)製、T120/硬化剤、酢酸エチルで固形分3重量%に希釈)を乾燥後の厚みが0.15μmになるようにコーティングした。続いて、インラインでアンカーコート層上に、ヒートシール層として溶融押出したポリエチレン(住友化学工業(株)製、CE4009)を厚み20μmになるよう設けた。作製したフィルムのヒートシール強度および耐油性評価後のヒートシール強度を表1に示す。ヒートシール強度はイージーピールの範囲を超え、袋にした時にヒートシール部できれいに開封できない袋がみられた。また、耐油性も劣り、基材フィルムとヒートシール層の界面で剥離した。さらに、ヒートシール層と反対面にある非コロナ放電処理面に印刷を施して、インキ接着性、転移性を評価した。インキ接着性では一部にセロテープで剥離がみられ、印刷後の外観にも一部に転移性の悪い部分がみられた。
(比較例2)
基材フィルムとして市販の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、”ルミラー”P60、片面コロナ放電処理品、厚み16μm)の非コロナ放電処理面に、
ヒートシール層として、市販のエチレン−メタクリル酸共重合体の水性エマルジョン(中央理化工業(株)製“アクアテックス”AC−3100)を水33重量%とイソプロピルアルコール67重量%の混合溶媒で固形分濃度30%に希釈し、そこへ市販の架橋ポリメチルメタクリレート粒子(綜研化学(株)製、MX−300)を溶液に対し1重量%添加し、さらに消泡剤としてアセチレングリコール系界面活性剤(エアープロダクツ社製、“サーフィノール”420)を溶液に対し0.2重量%添加した溶液を、ダイレクトグラビアで塗布し、オーブン内に導き130℃で5秒間乾燥し、乾燥後の厚みが1.3μmのヒートシール層を設け、ロール状に巻き取った。作製したフィルムのヒートシール強度および耐油性評価後のヒートシール強度を表1に示す。アンカーコート層がないため、基材フィルムとヒートシール層との接着性が悪く、そのため十分なヒートシール強度が得られなかった。
Figure 2005238722
本発明は、ダストコントロール用品以外にも耐油性の要求されるサニタリー製品やトイレタリー製品、一般食品などの包装にも応用することができるが、これらに限られるものではない。

Claims (3)

  1. ポリエステル樹脂からなる基材フィルムの一方の面にポリウレタン系接着剤からなるアンカーコート層を設け、さらに、該アンカーコート層の上にエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂からなるヒートシール層を設けてなる積層フィルム。
  2. 前記基材フィルムの前記アンカーコート層と接する面と反対側の面がコロナ放電処理されており、該コロナ放電処理面に印刷層を設けてなる請求項1記載の積層フィルム。
  3. ポリエステル樹脂からなる基材フィルムの一方の面にポリウレタン系接着剤の溶液または水性エマルジョンをコーティングしてアンカーコート層を設け、さらに、該アンカーコート層の上にエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂の溶液または水性エマルジョンをコーティングしてヒートシール層を設ける積層フィルムの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010068916A (ja) * 2008-09-17 2010-04-02 Takara Celluloid:Kk 遊技機用化粧板
CN111925549A (zh) * 2020-07-23 2020-11-13 安徽嘉阳新材料科技有限公司 一种低温热封复合膜及其生产方法
JP7560020B1 (ja) 2023-05-10 2024-10-02 日本製紙株式会社 ヒートシール紙

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