JP2005238362A - 軟質材加工用切削工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 使用時の動作が安定し、効率的に精度よくパッド表面を加工・調整する。
【解決手段】 軸線O回りに回転される略円板状をなす基材10の表面11に、台座12を上方に突出させて形成するとともに、この台座12の上面13に、切刃稜線17をを有する切刃凸部15を上方に突出させて形成する。基材10の表面11に、切刃凸部15よりも外周側に位置するようにして、切刃凸部15の切刃稜線17の高さHに対して20〜90%の高さhを有するガイド凸部18を上方に突出させて形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、多孔性の樹脂・ゴム・ポリウレタンラバーなどからなるパッド、例えば、半導体ウエハなどの研磨用パッドの表面を加工・調整するための工具に関するものである。
近年、半導体産業の進展とともに、金属、半導体、セラミックスなどの表面を高精度に仕上げる加工方法の必要性は高まっている。とくに、半導体ウエハは、集積度の向上とともにナノメーター(1/1000ミクロン)オーダーの表面仕上げが要求されてきており、このため、多孔性のパッド(研磨布)を用いたCMP研磨(ケミカルメカニカルポリッシュ)が一般的となっている。
半導体ウエハなどの研磨に用いられるパッドは、研磨時間が経過していくにつれ、目詰まりや圧縮変形を生じ、その表面状態が次第に変化していく。すると、研磨速度の低下や不均一研磨などの好ましくない現象が生じるので、パッドの表面を定期的に加工・調整して荒すことにより、パッドの表面状態を一定に保って、良好な研磨状態を維持する工夫が行われている。
このパッドを加工・調整するために用いられるパッドコンディショナーの一例として、特許文献1及び2に開示されているように、基材の表面に、上方に突出する複数の凸部が形成されたものがある。
このようなパッドコンディショナーは、その基材の表面を、軸線回りに回転させられているパッドの表面に対して一定の荷重で押し当てることにより、この基材がパッドの回転運動にともなって回転運動を行い、パッドの表面に圧入されている凸部によってパッドの表面を切削して加工・調整していくものである。
国際公開第01/26862号パンフレット(第2〜5図) 特開平10−44023号公報(第9図)
ところで、例えば特許文献1の第2〜5図、特許文献2の第9図に示されるようなパッドコンディショナーを用いた場合には、パッドを切削するためにパッドに深く圧入された凸部の切刃稜線に対して全荷重が集中するため、パッド切削能力は優れているものの、切刃稜線の負荷抵抗が大きくなりすぎ、パッドコンディショナーの振動などの不安定動作が生じてしまう。そのため、加工・調整後のパッドの表面プロファイルが不均一になり、また部分的に深い加工痕が残るなどの不具合が生じるのであった。これは、ウエハ研磨において平坦度の低下、スクラッチの発生を誘発する要因となる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、使用時の動作が安定し、効率的に精度よくパッド表面を加工・調整するための工具を提供することを目的とする。
上記の課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の軟質材加工用切削工具は、軸線回りに回転される略円板状をなす基材の表面に、切刃稜線を有する切刃凸部が上方に突出して形成され、かつ、この切刃凸部よりも外周側に位置するようにして、前記切刃凸部の切刃稜線の高さに対して20〜90%の高さを有するガイド凸部が上方に突出して形成されていることを特徴とするものである。
本発明の軟質材加工用切削工具では、被削材としてのパッドの表面に対して、切刃稜線を有する切刃凸部が接地するだけではなく、この切刃凸部よりも外周側に位置するように形成されたガイド凸部が接地することにより、本発明の切削工具がパッド表面に押しつけられて回転するときの回転動作を安定させることができる。しかも、ガイド凸部の高さは、切刃凸部の切刃稜線の高さに対して20〜90%の高さに設定されていることから、切刃凸部の切刃稜線に対する適度な荷重集中を損なうことがなく、切刃稜線によるパッド切削能力の低下を抑え、かつ、ガイド凸部のパッド表面への接地状態を安定させることができる。
したがって、加工・調整後のパッドの表面は、切削工具の不安定動作に起因する凹凸や局所的な加工痕がなく、均一に平坦化された形状となり、ウエハ研磨における研磨均一性を向上させ、スクラッチの発生を抑えることができる。
また、本発明においては、前記基材の表面に、台座が上方に突出して形成されているとともにこの台座の上面に前記切刃凸部が上方に突出して形成されていることが好ましい。
このような構成とすると、被削材としてのパッドの表面に対して、切刃凸部が接地して圧入したときに、台座の上面における切刃凸部が形成された部分以外の領域が、切刃凸部の圧入によって生じた凹部状の変形領域の周囲を押さえつけて拘束することになるので、切刃凸部の切刃稜線をパッド表面に対して効率的に作用させることができる。
また、本発明においては、少なくとも前記切刃凸部の切刃稜線部分が、例えばビッカース硬さ13GPa以上の硬さを有する耐摩耗性材料で構成されていることが好ましく、このような構成とすると、切刃凸部の切刃稜線に対して耐摩耗性を与えることができるので、長期間に亘って切れ味を劣化させることなく安定したパッドの調整作用を呈することができる。
なお、少なくとも切刃凸部の切刃稜線部分だけではなく、ガイド凸部のパッド表面への接地部分(ガイド凸部の上面)も耐摩耗性材料で構成するようにすれば、このガイド凸部の接地部分にも耐摩耗性が与えられるので、切削工具の回転動作を安定させる効果を長期間に亘って良好に得ることができる。
ここで、少なくとも切刃凸部の切刃稜線部分(及びガイド凸部の接地部分)を耐摩耗性材料で構成するために、例えば、少なくとも前記切刃凸部の切刃稜線部分(及びガイド凸部の接地部分)が、気相合成ダイヤモンドでコーティングされているようにしてもよい。
このとき、気相合成ダイヤモンドのコーティング層の層厚は、0.5〜50μmの範囲に設定されていることが好ましく、この層厚が0.5μmより小さくなると、切刃稜線(及びガイド凸部の接地部分)に与えられる耐摩耗性が十分ではなく、寿命が低下してしまうおそれがあり、一方、コーティング層の層厚が50μmより大きくなると、コーティング層と下地との熱膨張係数差によりクラックが生じやすくなって脆くなるおそれがある。
さらに、このとき、気相合成ダイヤモンドのコーティング層は、切刃凸部の切刃稜線部分(及びガイド凸部の接地部分)だけに形成されているのでもよいが、切刃凸部やガイド凸部を含むように基材の表面の全面に亘って形成されていることが好ましく、このような構成とした場合には、たとえ溶出による汚染のおそれがある材料から基材を構成したとしても、この基材の表面の全面がコーティングされていることによって、溶出による汚染を防止することができ、しかも、切刃凸部やガイド凸部の強度をより向上させることが可能となる。
ここで、少なくとも切刃凸部の切刃稜線部分(及びガイド凸部の接地部分)を耐摩耗性材料で構成するため、例えば、少なくとも前記切刃凸部の切刃稜線部分(及びガイド凸部の接地部分)が、セラミックスで構成されているようにしてもよい。
このとき、上記のセラミックスは、切刃凸部の切刃稜線部分(及びガイド凸部の接地部分)だけを構成しているのでもよいが、切刃凸部やガイド凸部を含むように基材における少なくとも表面の全面を構成していることが好ましく、このような場合には、基材の溶出による汚染を防止することができ、しかも、切刃凸部やガイド凸部の強度をより向上させることが可能となる。
以下、本発明の実施形態を添付した図面を参照しながら説明する。
図1は本実施形態による軟質材加工用工具の平面図、図2は図1におけるA−A線断面図である。
本実施形態による軟質材加工用切削工具の基材10は、軸線Oを中心として、軸線O回りに回転(回転方向T)される略円板状をなすものであり、その表面11における中央領域を除いた径方向外周側の周縁領域には、上方に向けて突出する少なくとも1つの台座12が形成されており、本実施形態では、上方に向けて突出する複数の台座12が周方向で略等間隔に配置されるとともに放射状に配置されるように形成されている。
これら複数の台座12は、それぞれ同一形状の略正四角柱状を呈しており、略正四角形面状をなす上面13の全面が、基材10の表面11と略平行な平坦面とされるとともに、基材10の表面11からの高さH1が例えば0.25mmに設定されている。
また、複数の台座12のそれぞれの上面13(平坦面)において、その周縁領域(台座12における上面13と周面(側面)とが交差してできる略正四角形状の交差稜線14を含むような周縁領域)のうちの少なくとも回転方向T前方側(略円板状をなす基材10の軸線Oから径方向外周側へ向かって延びる直線よりも前方側)及び後方側(略円板状をなす基材10の軸線Oから径方向外周側へ向かって延びる直線よりも後方側)の領域を除いた領域に、上方に突出する少なくとも1つの切刃凸部15が形成されており、本実施形態では、複数の台座12のそれぞれの上面13において、その周縁領域のうちの回転方向T前方側及び後方側だけでなく、周縁領域のうちの(基材10の)径方向内周側及び外周側の領域などを含む周縁領域すべてを除いた中央領域に、上方に突出する1つの切刃凸部15が形成されている。
なお、これら複数の切刃凸部15も、台座12と同様にそれぞれ同一形状の略正四角柱状を呈しているため、略正四角形面状をなす台座12の上面13は、実際には、その周縁領域のみから構成された略正四角リング面状をなしている。
このように、1つの台座12のそれぞれに対して、その上面13の中央領域に1つの切刃凸部15が上方に突出して形成されているため、これら台座12及び切刃凸部15は、外径の大きな略正四角柱状をなす台座12と外径の小さな略正四角柱状をなす切刃凸部15とが同軸に接続されたような2段突起状をなしており、基材10の表面11には、複数の台座12と同じ数だけ、複数の切刃凸部15が存在することになる。
また、切刃凸部15の略正四角形面状をなす上面16の全面が、基材10の表面11と略平行な平坦面とされるとともに、基材10の表面11からの高さHが例えば0.30mmに設定されており(台座12の上面13からの高さH2が例えば0.05mmに設定されており)、切刃凸部15における上面16(平坦面)と周面(側面)とが交差してできる略正四角形状の交差稜線が、この切刃凸部15の有する切刃稜線17となっている。
そして、基材10の表面11において、複数の台座12及び複数の切刃凸部15が形成されている径方向外周側の周縁領域よりもさらに径方向外周側の周縁領域に、上方に向けて突出する複数のガイド凸部18が周方向で略等間隔に配置されるように形成されている。
これら複数のガイド凸部18は、それぞれ同一形状の略四角柱状を呈しており、基材10の平面視において、幅方向を基材10の径方向に一致させるとともに、長さ方向を基材10の径方向に対して略直交する方向に一致させている。
ガイド凸部18の略四角形面状をなす上面19の全面は、基材10の表面11と略平行な平坦面とされるとともに、基材10の表面11からの高さhが切刃凸部15の上面16の高さH(基材10の表面11からの高さH)に対して20〜90%の範囲となるように設定されている。
つまり、ガイド凸部18の上面19(平坦面)の高さhは、切刃凸部15の切刃稜線19の高さH(基材10の表面11からの高さH)に対して20〜90%の範囲となるように設定されているのであり、本実施形態では、ガイド凸部18の上面19の高さhが例えば0.27mm(=切刃凸部15の切刃稜線19の高さHに対して90%)に設定されている。
このような複数の台座12及び複数の切刃凸部15と複数のガイド凸部18とが表面11に配置された基材10は、例えば、略円板状をなす基材の平坦な表面に対して切削加工等を施すことによって製造され、基材10の表面11に、この表面11と一体となった複数の台座12及び複数の切刃凸部15と複数のガイド凸部18とが形成されるのである。
そして、上述したような基材10において、その表面11と一体に形成された切刃凸部15における少なくとも切刃稜線17部分が、気相合成ダイヤモンド20によって、0.5〜50μmの層厚tでコーティングされており、本実施形態においては、複数の切刃凸部15及び複数の台座12と複数のガイド凸部18とを含む基材10の表面11の全面が、気相合成ダイヤモンド20でコーティングされ、そのコーティング層の層厚tは、例えば10μmとされている。
これにより、切刃凸部15における少なくとも切刃稜線17部分が、ビッカース硬さ13GPa以上の硬さを有する耐摩耗性材料で構成されることとなる。
このような気相合成ダイヤモンド20のコーティング層は、上記のような複数の台座12及び複数の切刃凸部15と複数のガイド凸部18とを有する基材10に対して、例えば、マイクロ波プラズマを利用する方法や熱フィラメントを利用する方法などの既存の方法を用いることにより、複数の台座12及び複数の切刃凸部15と複数のガイド凸部18とを含む表面11の全面に亘って形成される。
ここで、基材10を構成する材料に関しては、気相合成ダイヤモンド20によるコーティングのしやすさ、台座12、切刃凸部15やガイド凸部18の形成しやすさ、及び、実用に耐えるための機械的特性等の観点から、例えば、以下に示すようなものが挙げられる。
(1)
4a族、5a族、6a族のうちのいずれかの金属もしくはシリコンの炭化物、窒化物もしくは炭窒化物、
4a族、5a族、6a族のうちのいずれかの金属とシリコンとの炭化物、窒化物もしくは炭窒化物、
シリコン、
のうちのいずれか1種、または、これらの複合体。
(2)
4a族、5a族、6a族のうちのいずれかの金属もしくはシリコンの炭化物、窒化物もしくは炭窒化物のうちの少なくとも1種と、
鉄、ニッケルもしくはコバルトのうちの少なくとも1種との複合体よりなる超硬合金。
(3)
シリコンもしくはアルミニウムの窒化物もしくは酸化物のうちのいずれか1種、
または、これらの複合体。
上記のような構成とされた軟質材加工用切削工具は、基材10の裏面にSUSや樹脂等からなる板材が貼り付けられたり、基材10がSUS等の板材に形成された凹みに焼き嵌めされたりして組み付けられてから、実際の加工に用いられることになる。
そして、組み付けられた状態の軟質材加工用工具は、その基材10の表面11を、軸線回りに回転させられている多孔性の樹脂・ゴム・(独立気泡を有する)ポリウレタンラバーなどからなるパッドの表面に対して一定の荷重で押し当てることにより、基材10がパッドの回転運動にともなって軸線O回りの回転運動(回転方向T)を行い、パッド表面に接地して圧入している複数の切刃凸部15に形成された切刃稜線17で、被削材としてのパッド表面を切削する(実際には、切刃稜線17をコーティングしている気相合成ダイヤモンド20が、パッド表面を切削することになる)とともに、切刃稜線17にて生成される切屑が、切刃凸部15同士の間に位置する隙間や台座12同士の間に位置する隙間などを介して排出されていく。
このとき、本実施形態では、基材10の表面11において切刃凸部15が形成された領域よりも径方向外周側の領域に、この切刃凸部15の高さHに対して20〜90%の高さhを有するガイド凸部18が形成されていることから、パッドの表面に切刃凸部15の上面16が接地するだけではなく、ガイド凸部18の上面19もパッドの表面に接地することになる。
そのため、ガイド凸部18の上面19がパッド表面に接地した状態を維持したまま、基材10は軸線O回りの回転運動を行うので、本実施形態による軟質材加工用切削工具の回転動作の安定を図ることができる。
さらに、ガイド凸部18の上面19の高さh(基板10の表面11からの高さh)が、切刃凸部15の上面16(切刃稜線17)の高さH(基板10の表面11からの高さH)に対して20〜90%に設定されていることから、切刃凸部15をパッド表面に十分に圧入させることができて切刃稜線17に対する適度な荷重集中を損なうことがないので、切刃稜線17によるパッド切削能力の低下を抑えることができるのに加え、ガイド凸部18の上面19のパッド表面への接地状態を安定させることができる。
したがって、本実施形態による軟質材加工用切削工具によって加工・調整された後のパッドの表面は、切削工具の不安定動作に起因した凹凸や局所的な加工痕がなく、均一に平坦化された形状となり、ウエハ研磨における研磨均一性を向上させて、スクラッチの発生を抑えることができる。
ここで、ガイド凸部18の高さhが、切刃凸部15の切刃稜線17の高さHに対して20%よりも小さくなると、切刃凸部15の切刃稜線17に対して荷重が集中しすぎ、切刃稜線17の負荷抵抗が大きくなりすぎてしまうので、ガイド凸部18を設けて工具の回転動作を安定させる効果が薄れてしまう。
逆に、ガイド凸部18の高さhが、切刃凸部15の切刃稜線17の高さHに対して90%より大きくなると、切刃凸部15をパッド表面に十分に圧入させることができなくなって、切刃稜線17に対する適度な荷重集中が損なわれてしまうので、切刃稜線17によるパッド切削能力の低下を生じさせる。
なお、本実施形態による軟質材加工用切削工具の動作安定性を重視した場合、ガイド凸部18の高さhは、切刃凸部15の切刃稜線17の高さHに対して70〜90%の範囲に設定しておくことがより好ましい。
また、本実施形態では、切刃凸部15が台座12の上面13から突出形成されているとともに、台座12も基材10の表面11から突出形成されていて、これら切刃凸部15及び台座12が2段突起状をなしている。
そのため、パッドの表面に対して切刃凸部15が接地して圧入したときには、この切刃凸部15の圧入によってパッド表面に生じた凹部状の変形領域の周囲すべてを、台座12の上面13における周縁領域によって押さえつけて拘束することができるので、切刃凸部15の切刃稜線17をパッド表面に対して効率的に作用させることが可能となっている。
さらに、切刃凸部15における切刃稜線17部分とガイド凸部18の上面19(ガイド凸部18の接地部分)とを含んで、基材10の表面11の全面が、気相合成ダイヤモンド20によって、その層厚tが0.5〜50μmの範囲となるようにコーティングされていることから、これら切刃稜線17及びガイド凸部18の接地部分に対して、十分な耐摩耗性を与えることができる。
これにより、長期間に亘って、切れ味を劣化させることなく安定したパッドの調整作用を維持していくこと、及び、切削工具の回転動作を安定させる効果を良好に得ることが可能となり、かつ、切刃凸部15及びガイド凸部18の強度をより向上させることができる。
ここで、この層厚tが、0.5μmより小さくなると、切刃稜線17及びガイド凸部18の接地部分に与えられる耐摩耗性が十分ではなくなり、一方、層厚tが、50μmより大きくなると、コーティング層と下地との熱膨張係数差によりクラックが生じやすくなって脆くなるおそれがある。
なお、この層厚tは、5〜30μmの範囲に設定することが好ましい。
また、例えば、半導体ウエハのCMP研磨中において、これと同時に、半導体ウエハ研磨用のパッド表面を加工、調整するような場合には、軟質材加工用工具の基材10を構成する材料が溶出することで、半導体ウエハの汚染につながるおそれがあるため、この基材10には、上述した基材10を構成する材料(1)〜(3)のうち、(1),(3)のような、溶出による汚染のおそれが比較的少ない材料を用いることが多い。
しかしながら、本実施形態による軟質材加工用工具では、その基材10の表面11の全面に亘って、気相合成ダイヤモンド20のコーティング層が形成されていることから、たとえ、(2)のような、溶出による汚染のおそれがある材料を用いて基材10を構成したとしても、そのような汚染の心配が生じることがない。
なお、本実施形態においては、少なくとも切刃凸部15における切刃稜線17部分を気相合成ダイヤモンド20でコーティングすることによって、この切刃稜線17部分が、ビッカース硬さ13GPa以上の硬さを有する材料で構成されるようになっているが、これに限定されることはなく、少なくとも切刃凸部15における切刃稜線17部分をセラミックスで構成する(好ましくは、複数の切刃凸部15と複数のガイド凸部18とが形成された基材10の表面11の全面を含んだ基材10全体をセラミックスで構成する)ことによって、この切刃稜線17部分が、ビッカース硬さ13GPa以上の硬さを有する耐摩耗性材料で構成されるようになっていてもよい。
このような場合であっても、上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。ここで、基材10を構成する材料であるセラミックスに関しては、台座12及び切刃凸部15やガイド凸部18の形成しやすさ、実用に耐えるための機械的特性、寿命(耐摩耗性)や化学的安定性等の観点から、例えば、SiC、SiNやアルミナなどが挙げられる。
また、本実施形態では、基材10の平面視において、ガイド凸部18が、その幅方向を基材10の径方向に一致させるとともに長さ方向を基材10の径方向に対して略直交する方向に一致させているが、例えば図3に示す変形例のように、ガイド凸部18が、その幅方向を基材10の径方向に対して所定角度傾斜させるようになっていてもよい。
さらに、本実施形態では、ガイド凸部18の上面19の全面が平坦面とされているが、これに限定されることはなく、ガイド凸部18の上面19には平坦面が存在してさえいればよい。加えて、ガイド凸部18の上面19に存在する平坦面が、基材10の表面11と略平行ではなく、基材10の表面11に対して多少の傾斜を有するようなものであってもよい。
また、本実施形態では、正四角柱状の台座12及び正四角柱状の切刃凸部15を基板10の表面11に形成しているが、ガイド凸部18による切削工具動作の安定化及びパッド表面の均一平坦化の効果は、このような台座12及び切刃凸部15の形状の影響を受けることはない。
したがって、その形状は本実施形態で説明したような正四角柱状に限定されることはなく、例えば台座12及び切刃凸部15に対して多角柱状あるいは円柱状の形状を適用した場合であっても、ガイド凸部18により同様の効果を得ることができる。
以下、本発明の一例を用いて比較試験を行うことにより、本発明の有効性を検証した。
〈試験1〉
試験工具として、基材10の表面11に切刃凸部15(1段突起)だけが形成され、表面11の全面が気相合成ダイヤモンド20でコーティングされた軟質材加工用切削工具(従来例)と、基材10の表面11に切刃凸部15(1段突起)とガイド凸部18とが形成され、表面11の全面が気相合成ダイヤモンド20でコーティングされた軟質材加工用切削工具(比較例、実施例)とを用意した。
従来例、比較例及び実施例に共通して、略円板状をなす基材10の直径を4インチとし、一辺0.15mm・高さ0.3mmの略正四角柱状をなす切刃凸部15を放射状に120個配置した。ガイド凸部18は、比較例では幅1mm・長さ5mm・高さ0.04mmとし、実施例では幅1mm・長さ5mm・高さ0.225mmとして30個配置した。
比較例及び実施例において、ガイド凸部18の高さh、及び、ガイド凸部18の高さhと切刃凸部15の高さHとの比h/Hは以下の表1に示すようになる。
Figure 2005238362
また、試験条件としては、被削材としての使用パッドがIC1400、研磨スラリーがSS12、研磨加重が4kgf、研磨ウエハが酸化膜付きSiとした。
この条件で、従来例、比較例及び実施例について、パッド除去レート、ウエハ研磨レート及び研磨均一性を比較した。その結果を表2〜4に示すが、とくに表4に示されるように、本発明の一例である実施例はウエハ研磨における研磨均一性を向上させることができているのが分かる。
Figure 2005238362
Figure 2005238362
Figure 2005238362
〈試験2〉
試験工具として、基材10の表面11に切刃凸部15及び台座12(2段突起)だけが形成され、表面11の全面が気相合成ダイヤモンド20でコーティングされた軟質材加工用切削工具(従来例)と、基材10の表面11に切刃凸部15及び台座12(2段突起)とガイド凸部18とが形成され、表面11の全面が気相合成ダイヤモンド20でコーティングされた軟質材加工用切削工具(比較例、実施例1〜2)とを用意した。
従来例、比較例及び実施例1〜2に共通して、略円板状をなす基材10の直径を4インチとし、一辺0.8mm・高さ0.25mmの略正四角柱状をなす台座12と一辺0.15mm・高さ0.05mmの略正四角柱状をなす切刃凸部15とからなる2段突起を放射状に120個配置した。ガイド凸部18は、比較例では幅1mm・長さ5mm・高さ0.03mmとし、実施例1では幅1mm・長さ5mm・高さ0.15mmとし、実施例2では幅1mm・長さ5mm・高さ0.25mmとして30個配置した。
比較例及び実施例1〜2において、ガイド凸部18の高さh、及び、ガイド凸部18の高さhと切刃凸部15の高さHとの比h/Hは以下の表5に示すようになる。
Figure 2005238362
また、試験条件としては、被削材としての使用パッドがIC1400、研磨スラリーがSS12、研磨加重が4kgf、研磨ウエハが酸化膜付きSiとした。
この条件で、従来例、比較例及び実施例1〜2について、パッド除去レート、ウエハ研磨レート及び研磨均一性を比較した。その結果を表6〜8に示すが、とくに表8に示されるように、本発明の一例である実施例1〜2はウエハ研磨における研磨均一性を向上させることができているのが分かる。
Figure 2005238362
Figure 2005238362
Figure 2005238362
〈試験3〉
試験工具として、SiC、SiN及びAlのうちのいずれかから構成された基材10の表面11に切刃凸部15及び台座12(2段突起)だけが形成された軟質材加工用切削工具(従来例1〜3)と、SiC、SiN及びAlのうちのいずれかから構成された基材10の表面11に切刃凸部15及び台座12(2段突起)とガイド凸部18とが形成された軟質材加工用切削工具(比較例1〜3、実施例1〜3)とを用意した。
従来例1〜3、比較例1〜3及び実施例1〜3に共通して、略円板状をなす基材10の直径を4インチとし、一辺0.8mm・高さ0.25mmの略正四角柱状をなす台座12と一辺0.15mm・高さ0.05mmの略正四角柱状をなす切刃凸部15とからなる2段突起を放射状に120個配置した。ガイド凸部18は、比較例1〜3では幅1mm・長さ5mm・高さ0.03mmとし、実施例1〜3では幅1mm・長さ5mm・高さ0.255mmとして30個配置した。
比較例1〜3及び実施例1〜3において、ガイド凸部18の高さh、及び、ガイド凸部18の高さhと切刃凸部15の高さHとの比h/Hは以下の表9に示すようになる。
Figure 2005238362
また、試験条件としては、被削材としての使用パッドがIC1400、研磨スラリーがSS12、研磨加重が4kgf、研磨ウエハが酸化膜付きSiとした。
この条件で、従来例1〜3、比較例1〜3及び実施例1〜3について、パッド除去レート、ウエハ研磨レート及び研磨均一性を比較した。その結果を表10〜12に示すが、とくに表12に示されるように、本発明の一例である実施例1〜3はウエハ研磨における研磨均一性を向上させることができているのが分かる。
Figure 2005238362
Figure 2005238362
Figure 2005238362
本発明の実施形態による軟質材加工用工具の平面図である。 図1におけるA−A線断面図である。 本発明の実施形態による軟質材加工用工具の変形例を示す平面図である。
符号の説明
10 基材
11 基材の表面
12 台座
13 台座の上面(平坦面)
14 台座の上面と周面との交差稜線
15 切刃凸部
16 切刃凸部の上面(平坦面)
17 切刃稜線
18 ガイド凸部
19 ガイド凸部の上面(平坦面)
20 気相合成ダイヤモンド
t 気相合成ダイヤモンドの層厚
T 基材の回転方向
O 基材の軸線

Claims (7)

  1. 軸線回りに回転される略円板状をなす基材の表面に、
    切刃稜線を有する切刃凸部が上方に突出して形成され、かつ、この切刃凸部よりも外周側に位置するようにして、前記切刃凸部の切刃稜線の高さに対して20〜90%の高さを有するガイド凸部が上方に突出して形成されていることを特徴とする軟質材加工用切削工具。
  2. 請求項1に記載の軟質材加工用切削工具において、
    前記基材の表面に、
    台座が上方に突出して形成されているとともにこの台座の上面に前記切刃凸部が上方に突出して形成されていることを特徴とする軟質材加工用切削工具。
  3. 請求項1または請求項2に記載の軟質材加工用切削工具において、
    少なくとも前記切刃凸部の切刃稜線部分が、耐摩耗性材料で構成されていることを特徴とする軟質材加工用切削工具。
  4. 請求項3に記載の軟質材加工用切削工具において、
    少なくとも前記切刃凸部の切刃稜線部分が、気相合成ダイヤモンドでコーティングされていることを特徴とする軟質材加工用切削工具。
  5. 請求項4に記載の軟質材加工用切削工具において、
    前記基材の表面の全面が、前記気相合成ダイヤモンドでコーティングされていることを特徴とする軟質材加工用切削工具。
  6. 請求項3に記載の軟質材加工用切削工具において、
    少なくとも前記切刃凸部の切刃稜線部分が、セラミックスで構成されていることを特徴とする軟質材加工用切削工具。
  7. 請求項6に記載の軟質材加工用切削切削工具において、
    前記基材の少なくとも表面の全面が、前記セラミックスで構成されていることを特徴とする軟質材加工用切削工具。
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