JP2005236873A - アンテナおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】誘電体12、13によって被覆されている軸対称平面状放射導体11が絶縁性基板17の一方の面に、グランド導体18が基板17の内部または放射導体11が形成されていない他方の面に形成され、放射導体11を被覆している誘電体12、13の1MHzにおける比誘電率が8〜18であるアンテナ。誘電体12、13によって被覆されている放射導体11が基板17の一方の面に、グランド導体18が基板17の内部または放射導体11が形成されていない他方の面に形成され、グランド導体18の放射導体対称軸方向長さが35mm以下、1〜30GHzにおける比帯域幅が10%以上であるアンテナ。
【選択図】図1
Description
UWB伝送方式とは、非常に短いパルス幅(たとえば1nsec以下)を有するインパルス信号を所定の繰り返し周期で送信して情報伝送を行うものである。したがって、その占有する周波数帯域幅は携帯電話や無線LAN通信で通常使用される帯域幅に比べて非常に広くなり、占有帯域幅を中心周波数(たとえば1〜10GHz)で除した値はたとえばほぼ1となる。
UWB伝送方式はこのようにGHzオーダーという超広帯域幅という特長を有しているので、ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(無線PAN)における100Mbpsオーダーの超高速無線伝送を実現できる伝送方式として有望視されている。
このような近距離無線通信装置として、プリント基板上に異なる中心周波数を有する要素アンテナを複数形成することを特徴とする広帯域アンテナが提案されている(特許文献1参照)。前記要素アンテナは狭帯域ダイポール状パターンアンテナのように見える。
一方、無線PANではないが無線LANにおいてはこのような近距離無線通信装置として、ノート型コンピュータのカードスロットに着脱可能なPCカード型の無線LANカードが提案されている(特許文献2参照)。当該無線LANカードの大きさは、カードスロットに入る方向の長さ(以下、単に長さということがある。)が約85mm、カードスロットに入る幅(以下、単に幅ということがある。)が約57mm、と記載されている。
本発明は以上のような問題を解決できるアンテナおよびその製造方法の提供を目的とする。
本発明のアンテナBの1〜30GHzにおける比帯域幅(Δf)は10%以上である。10%未満ではUWB伝送方式での使用が困難になる。好ましくは35%以上、より好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上、最も好ましくは100%以上である。
本発明のアンテナAのΔfは、好ましくは10%以上、より好ましくは35%以上、さらに好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上、最も好ましくは100%以上である。
Δf=2×[(fH−fL)/(fH+fL)]×100。
図2は本発明のアンテナ1の平面図であり、図1は図2に示すアンテナ1の直線A−Bにおける断面図である。
絶縁性基板17は回路基板として使用できる材料からなる基板であり、通常、1MHz、1GHzまたは1MHz以上10GHz以下における比誘電率が3〜6であるような樹脂基板、たとえばFR4、BTレジン等の基板が使用され、その典型的な寸法は、厚み0.1〜2.0mm、幅20〜40mm、長さ20〜50mmである。
グランド導体18の放射導体軸方向長さ(後述)Lは、本発明のアンテナBにおいては35mm以下である。アンテナ素子10の大きさを8mm未満とすることは困難であるので、Lが35mm超では本発明のアンテナAをCFカード(長さ:42.8mm)に搭載することが困難になる。Lは、好ましくは30mm以下である。
本発明のアンテナAのLは、好ましくは35mm以下、より好ましくは30mm以下である。
グランド導体18は図1、2においては絶縁性基板17の底面に形成されるものとしたが、たとえば絶縁性基板17の内部に同基板表面に平行となるように形成されてもよい。その場合においてもグランド導体18の放射導体軸方向長さはLと同様に定められる。
アンテナ素子10の放射導体軸方向長さは20mm以下であることが好ましい。20mm超では本発明のアンテナをCFカードに搭載できなくなるおそれがある。より好ましくは15mm以下である。
また、アンテナ素子10の放射導体軸方向に直交する方向の長さ、すなわちアンテナ素子10の幅は典型的には15mm以下である。
放射導体11の前記対称軸は通常、グランド導体18と露出部24の境界線に直交する。この対称軸の方向を以下、放射導体軸方向という。
このような平面パターンにおいて典型的には、前記円の直径は4〜9.5mm、前記原楕円の長軸半径は1〜7mm、短軸半径は0.2〜3mm、長軸半径/短軸半径は0.3〜35、平面パターンの放射導体軸方向長さに対する円直径の割合は0.5〜0.9である。
放射導体11の平面パターンはこのようなものに限定されず、前記円に替えて楕円としたものおよび/または前記半楕円に替えて台形もしくは矩形としたもの、単なる楕円、単なる円、等が例示される。
誘電体12、13のεeffが8未満ではΔfが小さくなる。好ましくは10以上である。18超でもΔfが小さくなる。好ましくは17以下である。
本発明のアンテナBにおいては誘電体12、13のεeffは8〜18であることが好ましい。より好ましくは10以上または17以下である。
ε12a、ε13aの少なくともいずれか一方は15〜30であり、ε13bは6〜10であることがより好ましい。
また、放射導体11のインピーダンスマッチングを行うために、給電線14の左右にその電位0とするべくアースパターン15、15がアンテナ素子10の絶縁性基板17と接触すべき面に形成される。アースパターン15、15は、いずれも図示しない接合パッドおよび絶縁性基板17内ビアを介してグランド導体18に接続される。
本発明におけるグリーンシートは無機分と有機分とからなる。無機分としては必須成分であるガラス粉末の他に任意成分としてセラミックス粉末等が、有機分としては必須成分である有機バインダの他に可塑剤等がそれぞれ例示される。
また、未焼成誘電体層12αおよび13αからなる下部グリーンシート層に孔を明けそこに通常は銀ペーストを充填してビア20となるべき導体ペースト充填孔を作製する。
また、アースパターン15となるべき導体ペーストパターンを下部グリーンシートの下面となる第1の低誘電率グリーンシートの面に形成する。
その他に、補助パターン、接合用ビア等となるべき導体ペーストパターン、導体ペースト充填孔等を形成する加工が行われる。
前記熱圧着は、グリーンシート層を典型的には80℃に5分間プレスして行われる。
前記バインダの分解除去は、熱圧着されたグリーンシート層を典型的には550℃に5時間保持して行われる。
前記焼成は典型的には950℃またはそれ以下の温度で行われる。950℃超では導体ペーストに銀ペーストを用いた場合銀が融解する。この場合、焼成温度は900℃以下が好ましく、典型的には800〜900℃、より典型的には830〜870℃である。
前記セラミックス粉末のD50は0.5〜15μmであることが好ましい。15μm超では緻密な焼成体が得にくくなる。より好ましくは10μm以下、特に好ましくは5μm以下である。典型的には1〜2μmである。
SiO2はガラスのネットワークフォーマであり、必須である。20%未満ではガラスが不安定になる。好ましくは25%以上である。75%超ではTGが高くなる。好ましくは65%以下、より好ましくは40%以下である。
B2O3、MgOおよびZnOはガラスの溶融温度またはTGを低下させる成分であり、いずれか1種以上を含有しなければならない。これら3成分の含有量の合計が3%未満ではガラスが得られにくくなる、またはTGが高くなる。好ましくは5%以上、より好ましくは15%以上である。60%超ではガラスが不安定になる。好ましくは45%以下である。
Y2O3、RE2O3、Nb2O5およびTa2O5はいずれも必須ではないが、εを高くするために合計で30%まで含有してもよい。30%超ではガラスが不安定になる。好ましくは20%以下である。
前記他の成分としては、P2O5、Li2O、Na2O、K2O等のガラス溶融温度を低下させる等を目的とする成分、CuO、CoO、Bi2O3、WO3等のガラス着色成分または結晶化制御成分などが例示される。
なお、Li2O、Na2OまたはK2Oを含有する場合、これら成分の含有量合計は1%未満であることが好ましい。1%以上では誘電損失が大きくなる、または電気絶縁性が低下するおそれがある。誘電損失をより低下させたい、電気絶縁性を高くしたい等の場合にはこれらアルカリ金属酸化物は含有しないことが好ましい。
また、PbOは実質的に含有しないことが好ましい。
SiO2はガラスのネットワークフォーマであり、必須である。20%未満では安定なガラスが得られにくい。好ましくは25%以上、より好ましくは30%以上である。40%超ではTGが高くなりすぎる、またはεが小さくなるおそれがある。好ましくは38%以下、より好ましくは35%以下である。
また、B2O3+ZnOは15〜45%であることが好ましい。B2O3+ZnOが15%未満ではTGが高くなるおそれがある。45%超であると化学的耐久性が低下する。
CaOおよびSrOはいずれもガラスを安定化し、焼成体のtanδを低下する成分であり、単独または合計で1%以上が必要である。1%未満では焼成体のtanδが大きくなるおそれがある。好ましくは5%以上である。15%超では焼成体のεが低下する。好ましくは10%以下である。
前記無鉛ガラス粉末は本質的に上記成分からなるが本発明の目的を損なわない範囲でその他の成分を含有してもよい。他の成分を含有する場合、その含有量の合計は好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。なお、PbOは含有しない。
この好ましい組成について以下に説明する。
SiO2はガラスのネットワークフォーマであり、必須である。20%未満ではガラスが不安定になる。好ましくは25%以上である。75%超ではTGが高くなる。好ましくは65%以下、より好ましくは55%以下である。
Al2O3、CaO、SrO、BaO、TiO2、ZrO2およびSnO2はガラスを安定化する、または化学的耐久性を高くするための成分であり、いずれか1種以上を含有しなければならない。これら7成分の含有量の合計が5%未満ではガラスが不安定になる、または化学的耐久性が低くなる。好ましくは8%以上である。60%超ではガラスがかえって不安定になる。好ましくは40%以下である。
前記他の成分としては、MgO、P2O5、Li2O、Na2O、K2O等のガラス溶融温度を低下させる等を目的とする成分、CuO、CoO、Bi2O3、WO3、CeO2、Y2O3、La2O3、Nd2O3、Sm2O3等のガラス着色成分または結晶析出制御成分などが例示される。
また、PbOは実質的に含有しないことが好ましい。
前記1種以上のセラミックスの粉末のD50は1〜12μmであることが好ましい。1μm未満ではグリーンシート中に当該粉末を均一に分散させることが困難になる、または焼成体(誘電体層)の機械的強度が小さくなるおそれがある。より好ましくは1.5μm以上である。12μm超では緻密な焼成体を得ることが困難になる。より好ましくは10μm以下、特に好ましくは5μm以下、最も好ましくは3.5μm以下である。
SiO2はガラスのネットワークフォーマであり、必須である。20%未満では安定なガラスが得られ難い。好ましくは25%以上、より好ましくは30%以上である。40%超ではTGが高くなりすぎるおそれがある。好ましくは38%以下、より好ましくは35%以下である。
B2O3はガラスを安定化する成分であり、必須である。5%未満ではガラスが不安定となりやすい。好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上である。37%超ではガラス粉末の化学的耐久性が低下する。好ましくは30%以下、より好ましくは25%以下、さらに好ましくは22%以下である。
また、B2O3+ZnOが15〜45%であることが好ましい。B2O3+ZnOが15%未満ではTGが高くなるおそれがある。45%超であると化学的耐久性が低下する。
BaOはガラスを安定化する成分であり、必須である。5%未満では、効果が不十分となる。好ましくは10%以上、より好ましくは13%以上である。25%超ではガラスがかえって不安定になるおそれがある。
TiO2、ZrO2、SnO2はいずれも必須ではないが、ガラスの化学的耐久性を高める、結晶の析出を早める、析出量を増加させる等のために合計で5%まで含有してもよい。5%超ではεもしくはTGが高くなる、または焼成体緻密性が低下するおそれがある。
前記他の成分としては、MgO、P2O5、Li2O、Na2O、K2O等のガラス溶融温度を低下させる等を目的とする成分、CuO、CoO、Bi2O3、WO3、CeO2、Y2O3、La2O3、Nd2O3、Sm2O3等のガラス着色成分または結晶析出促進成分などが例示される。
また、PbOは含有しない。
当該ガラスセラミックス組成物をたとえば900℃で焼成して得られる焼成体(誘電体)のε、tanδはそれぞれ5〜8、0.0010〜0.0030である。
SiO2はガラスのネットワークフォーマであり、必須である。35%未満では安定なガラスが得られにくい。好ましくは40%以上、より好ましくは42%以上、である。55%超ではTGが高くなりすぎるおそれがある。好ましくは52%以下である。
B2O3は必須ではないがガラスの溶融温度またはTGを低下させるために5%まで含有してもよい。5%超では焼成体のtanδが大きくなる、または化学的耐久性が低下するおそれがある。
ZnOは必須ではないが、TGを低下させる等のために10%まで含有してもよい。10%超ではガラスの化学的耐久性、特に耐酸性が低下する。好ましくは8%以下である。ZnOを含有する場合、その含有量は2%以上であることが好ましい。2%未満では効果が不十分となるおそれがある。好ましくは5%以上である。
Al2O3はガラスの安定性または化学的耐久性を高める成分であり、必須である。5%未満ではガラスが不安定となる。好ましくは6%以上である。20%超ではTGが高くなりすぎる。好ましくは10%以下、より好ましくは8.5%以下である。
TiO2、ZrO2、SnO2はいずれも必須ではないが、ガラスの化学的耐久性または焼成体の結晶化率を高める等のために合計で10%まで含有してもよい。10%超ではガラスの軟化点が高くなる、または焼成体の緻密性が低下するおそれがある。
たとえば、ガラス溶融温度を低下する等の目的でP2O5、Li2O、Na2O、K2Oなどの成分を、ガラスを着色する、結晶化率を高める等の目的でCuO、CoO、CeO2、Y2O3、La2O3、Nd2O3、Sm2O3、Bi2O3、WO3等の成分を含有することができる。Li2O、Na2O、K2Oのいずれかを含有する場合、これら成分の合計の含有量は1%未満であることが好ましい。
また、PbOを含有しない。
モル%表示組成が、SiO2 31.7%、B2O3 21.5%、ZnO 15.4%、Al2O3 6.5%、CaO 7.4%、BaO 14.7%、ZrO2 2.0%、SnO2 0.6%、であるガラス(TG=603℃)が得られるように原料を調合、混合し、この混合された原料を白金ルツボに入れて1550℃で60分間溶融後、溶融ガラスを流し出し冷却した。
得られたガラスをアルミナ製ボールミルで32時間粉砕してガラス粉末(D50=3.6μm)とした。なお、粉砕時の溶媒としてエチルアルコールを用いた。
焼成されて放射導体11となるべき銀ペーストパターンは図2の放射導体11のパターンと同様のものとした。すなわち、銀ペーストパターンは対称軸を1本有し、その対称軸はグリーンシート中心軸上に位置する。半楕円と重なる円の直径は8mm、その中心は長さ40mmの当該対称軸の、焼成後にアンテナ素子10となるべき部分の一端から焼成後に7.6mmの位置となる。当該円と重なる半楕円の長軸半径は6mm、短軸半径は1mm、その原楕円中心は前記対称軸の、焼成後にアンテナ素子10となるべき部分の一端から1.6mmの位置となる。
焼成されて給電線14となるべき銀ペーストパターンは、前記対称軸の一端から0.8mm離れた位置から同端から1.7mm離れた位置までの対称軸部分(長さ:0.9mm)に幅0.2mmの帯状に形成され、焼成されて放射導体11となるべき銀ペーストパターンと接続する。
給電パッドとなるべき銀ペーストパターンは対称軸(放射導体軸方向)方向長さが1.1mm、同方向に直交する方向の長さが1.4mmである長方形であり、その中心は前記ビア20となるべき銀ペースト充填孔の中心軸上に位置する。なお、給電パッドはビア20と接続される。
アースパターン15、15となるべき銀ペーストパターンはいずれも対称軸方向長さが1.0mm、同方向に直交する方向の長さが2.5mmである長方形であって、両パターンの中心は前記対称軸をはさんで対称の位置にあって同対称軸からの距離は2.45mmである。また、両パターンの中心と前記給電パッドとなるべき銀ペーストパターンの中心とは同一線上に位置する。
得られた焼成体を、対称軸方向長さが12mm、同方向に直交する方向の長さが10mmとなるように精密切断機で切断しアンテナ素子10を得た。誘電体層12a、12b、13a、13bの厚みはいずれも0.3mm、アンテナ素子10の厚みは1.2mmであった。なお、誘電体12、13の1MHzにおける実効誘電率はいずれも15.2である。
グランド導体18の大きさは27mm×30mmであり、絶縁性基板17の長手方向27/40の領域に形成した。露出部24の大きさは13mm×30mmである。
信号線19は長さが27mm、幅が0.9mmであるマイクロストリップラインであり、絶縁性基板17の短辺の一つから直角に伸び、長辺からの距離は5.3mmとした。
なお、絶縁性基板17の上面にはアースパターン15、15と接触すべき接合パッド(図2では図示せず)が2個、同パッドとグランド導体18を電気的に接続するビア(図2では図示せず)が絶縁性基板17の内部に2個、それぞれ形成される。
次に、メタルマスクを用いて接合パッドを被覆するように鉛フリークリーム半田(千住金属社製M705)を印刷し、その上にアンテナパターン15、15が載り、信号線19の上に給電パッドが載るようにアンテナ素子10を置き、その後250℃に加熱して絶縁性基板17の上面にアンテナ素子10を固着(半田による溶着接合)させた。アンテナ素子10の周と絶縁性基板17の長辺、短辺との距離はいずれも1mmであった。
例1で得られたアンテナと以下の点で異なるが同様の構造すなわち図1、2で示される構造を有するアンテナについてFDTD法による電磁界シミュレーションでVSWRを計算した。結果を図4に示すが、これからΔf=112%であることがわかる。
誘電体層12a、13aのεは22.7であって例1と同じであるが、誘電体層12b、13bのεは6.6とした。
アンテナ素子10の大きさは12mm×12mmとした。
給電線14は、前記対称軸の一端から0.7mm離れた位置から同端から1.8mm離れた位置までの対称軸部分(長さ:0.9mm)に幅0.2mmの帯状に形成し、放射導体11と接続させた。
給電パッドは対称軸方向長さが1.0mm、同方向に直交する方向の長さが0.9mmである長方形であり、その中心はビア20の中心軸上に位置するものとした。
アースパターン15、15はいずれも対称軸方向長さが1.0mm、同方向に直交する方向の長さが0.7mmである長方形であって、両パターンの中心は前記対称軸をはさんで対称の位置にあって同対称軸からの距離は2.7mmとした。
グランド導体18の大きさは20mm×20mm、露出部24の大きさは12mm×20mmとした。
信号線19は、長さ20mm、幅0.9mmであるマイクロストリップラインであって絶縁性基板17の短辺の一つから直角に伸び、長辺からの距離は5.55mmとした。
例2のアンテナと以下の点で異なるアンテナについてFDTD法による電磁界シミュレーションでVSWRを計算した。結果を図4に示すが、これからΔf=97%であることがわかる。
例3が例2と異なる点は以下のとおりである。
例2は誘電体12、13がいずれも2層の誘電体層(12は12aと12b、13は13aと13b)からなるものであるが、例3の誘電体12、13はいずれも1層の誘電体層からなり、その誘電体層のεはいずれも22.7である。
例3のアンテナと以下の点で異なるアンテナについてFDTD法による電磁界シミュレーションでVSWRを計算した。結果を図4に示すが、これからΔf=93%であることがわかる。
例4が例3と異なる点は以下のとおりである。
例3の誘電体12、13のεはいずれも22.7であるが、例4の誘電体12、13のεはいずれも14.0である。
10:アンテナ素子
11:放射導体
12、13:誘電体
12a、12b、13a、13b:誘電体層
14:給電線
15:アースパターン
17:絶縁性基板
18:グランド導体
19:信号線
20:ビア
24:露出部
Claims (13)
- 両面が誘電体によって被覆されている軸対称平面状放射導体が絶縁性基板の一方の面に、グランド導体が同基板の内部または前記放射導体が形成されていない他方の面にそれぞれ形成され、同放射導体の両面を被覆している誘電体の1MHzにおける比誘電率または実効誘電率が8〜18であるアンテナ。
- 軸対称平面状放射導体の両面を被覆している誘電体の少なくともいずれか一方が、1MHzにおける比誘電率が5〜40であって同比誘電率が互いに異なる2層以上の誘電体層からなり、隣接する誘電体層のうちの前記放射導体により近い誘電体層の比誘電率が同放射導体からより離れている誘電体層の比誘電率よりも大きい請求項1に記載のアンテナ。
- 両面が誘電体によって被覆されている軸対称平面状放射導体が絶縁性基板の一方の面に、グランド導体が同基板の内部または前記放射導体が形成されていない他方の面にそれぞれ形成され、グランド導体の前記放射導体対称軸方向長さが35mm以下であって1〜30GHzにおける比帯域幅が10%以上であるアンテナ。
- 軸対称平面状放射導体を被覆している誘電体の前記放射導体対称軸方向の長さが20mm以下である請求項3に記載のアンテナ。
- 放射導体対称軸に直交する方向のグランド導体長さが36mm以下である請求項3または4に記載のアンテナ。
- 軸対称平面状放射導体の両面を被覆している誘電体の1MHzにおける比誘電率または実効誘電率が8〜18である請求項3、4または5に記載のアンテナ。
- 軸対称平面状放射導体の両面を被覆している誘電体の少なくともいずれか一方が、1MHzにおける比誘電率が5〜40であって同比誘電率が互いに異なる2層以上の誘電体層からなり、隣接する誘電体層のうちの前記放射導体により近い誘電体層の比誘電率が同放射導体からより離れている誘電体層の比誘電率よりも大きい請求項6に記載のアンテナ。
- 軸対称平面状放射導体の両面を被覆している誘電体のいずれもが2層の誘電体層からなり、前記放射導体により近い誘電体層の1MHzにおける比誘電率が11〜35、同放射導体からより離れている誘電体層の1MHzにおける比誘電率が5〜15である請求項2または7に記載のアンテナ。
- 請求項8に記載のアンテナの製造方法であって、焼成されて比誘電率が11〜35の誘電体層となるべきガラス粉末含有高誘電率グリーンシートおよび焼成されて比誘電率が5〜15の誘電体層となるべきガラス粉末含有低誘電率グリーンシートを所要枚数作製し、焼成されて軸対称平面状放射導体となるべき導体ペーストパターンをこれらグリーンシート中の1枚についてその一方の表面に形成し、これらグリーンシートを積層後焼成して誘電体被覆軸対称平面状放射導体を作製し、当該誘電体被覆軸対称平面状放射導体を、内部または一方の面にグランド導体が形成されている絶縁性基板のグランド導体が形成されていない面に固着させることを特徴とするアンテナの製造方法。
- ガラス粉末含有高誘電率グリーンシートの無機分が質量百分率表示で30〜90%のガラス粉末および10〜70%のセラミックス粉末から本質的になり、ガラス粉末が下記酸化物基準のモル%表示で、SiO2 20〜75%、B2O3+MgO+ZnO 3〜60%、Al2O3+CaO+SrO+BaO+TiO2+ZrO2+SnO2 5〜60%、Y2O3+RE2O3+Nb2O5+Ta2O5 0〜30%、から本質的になる請求項9に記載のアンテナの製造方法。
- セラミックス粉末が、BaとTiを含みTi/Baのモル比が3.5〜5.5である複合酸化物の粉末を含有する請求項10に記載のアンテナの製造方法。
- ガラス粉末含有低誘電率グリーンシートの無機分が質量百分率表示で30〜90%のガラス粉末および10〜70%のセラミックス粉末から本質的になり、ガラス粉末が下記酸化物基準のモル%表示で、SiO2 20〜75%、B2O3+MgO+ZnO 3〜60%、Al2O3+CaO+SrO+BaO+TiO2+ZrO2+SnO2 5〜60%、から本質的になる請求項9、10または11に記載のアンテナの製造方法。
- セラミックス粉末が、アルミナ、ムライト、シリカ、フォルステライト、スピネルおよびコーディエライトからなる群から選ばれる1種以上のセラミックスの粉末である請求項12に記載のアンテナの製造方法。
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