JPH05259720A - マイクロ波用共振器内蔵配線基板 - Google Patents

マイクロ波用共振器内蔵配線基板

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JPH05259720A
JPH05259720A JP4087943A JP8794392A JPH05259720A JP H05259720 A JPH05259720 A JP H05259720A JP 4087943 A JP4087943 A JP 4087943A JP 8794392 A JP8794392 A JP 8794392A JP H05259720 A JPH05259720 A JP H05259720A
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dielectric layer
dielectric
circuit
resonance
dielectric constant
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JP4087943A
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Takami Hirai
隆己 平井
Shinsuke Yano
信介 矢野
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NGK Insulators Ltd
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NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板内部にマイクロ波用の共振回路乃至はフ
ィルタを内蔵する誘電体回路基板において、回路製作上
の問題を回避しつつ、マイクロ波回路の小型化を実現す
る。 【構成】 比誘電率が10以下の誘電体材料からなる第
一の誘電体層30と、該第一の誘電体層の誘電体材料よ
りも大きな比誘電率を有する誘電体材料からなる第二の
誘電体層32とを一体的に設け、且つ該第二の誘電体層
内にトリプレート型のマイクロ波共振回路の共振線路3
4を設けて、共振器を構成する一方、前記第一の誘電体
層に、該共振回路を結合する回路や該共振回路を他のデ
バイスに接続するための伝送線路のうちの少なくとも一
部を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、マイクロ波用共振器内蔵配線基
板に係り、特に基板内部にマイクロ波用の共振回路乃至
はフィルタを内蔵してなる誘電体回路基板に関するもの
である。
【0002】
【背景技術】近年、自動車電話や携帯電話等のマイクロ
波を利用した通信機には、誘電体セラミックスを使った
マイクロ波誘電体共振器が使用されている。例えば、図
1には、従来のマイクロ波誘電体同軸型共振器を使用し
たマイクロ波デバイスが示されているが、そこにおい
て、同軸型共振器2は、誘電体セラミックスからなるブ
ロック4と、そのようなブロック4に設けられた貫通孔
6内に形成された中心導体8と、かかる誘電体セラミッ
クスのブロック4の外表面に設けられたアース導体10
とから構成されている。また、この同軸型共振器2は、
アルミナセラミックス等からなる基板12上に、各種の
受動若しくは能動部品(電子部品)14と共に配設さ
れ、更にそれら部品が導体パターン16によって接続さ
れる一方、抵抗18等が設けられて、目的とするマイク
ロ波デバイスとされている。そして、通信用のマイクロ
波回路には、このような共振器を使用したフィルタ、電
圧制御型発振器、ミキサー等のデバイスが、数多く使用
されているのである。
【0003】ところで、誘電体共振器の長さは、誘電率
の平方根に反比例するものであるところから、誘電体の
誘電率が大きい程、その長さは短くなり、小型化するこ
とが出来る。また、一方、デバイスを接続する伝送線路
やデバイス内部の回路でも、フィルタの結合回路のよう
な共振回路以外の部分は、寄生容量を抑えたり、電気長
を短くしたりするためや、小さな結合容量が必要な場合
や線路の特性インピーダンスを考えると、あまり大きな
誘電率は、線路の幅が細くなり過ぎたりするため、基板
の誘電率は、小さい方が良い場合が多い。このため、共
振回路を有する従来のマイクロ波回路やデバイスでは、
共振器には誘電率の大きな誘電体の同軸型共振器を使用
し、回路基板には、誘電率の小さな樹脂基板やアルミナ
基板が使用されることが多かった。
【0004】しかしながら、従来の同軸型共振器を使用
したマイクロ波回路やデバイスの場合にあっては、同軸
型共振器が薄く出来ないため、小型薄型に構成し難く、
また誘電率の小さな回路基板と組み合わせる必要がある
ために、どうしてもデバイスやマイクロ波回路が大きく
なってしまう欠点があった。
【0005】また、同軸型共振器は、共振器を構成する
中心導体が誘電体セラミックスからなるブロックの貫通
孔内をメタライズ処理することによって形成されて、製
造されることとなるが、そのような中心導体が形成され
る貫通孔の存在のために、共振器を薄くしたり、小型化
するには限界があったのである。
【0006】このような同軸型共振器の欠点を改善する
ためには、図2に示されるような、トリプレート型の積
層構造、即ち共振回路の共振線路20を上下の誘電体層
22,24で挟み、更にそれら誘電体層22,24の外
側にアース導体26,28を設けてなる構造の採用が適
している。例えば、特公昭57−24964号公報に
は、このような構造の共振器を応用したフィルタの一例
が提案されている。このような構造によれば、上記同軸
型共振器の如き中心導体を形成するための貫通孔が必要
とされないため、共振器やフィルタを薄型に出来る利点
がある。しかしながら、この構造を採用しても、やは
り、マイクロ波回路やデバイスに応用した場合には、回
路基板に誘電率の小さな樹脂基板やアルミナ基板を使用
しなければならなかったのである。
【0007】また、本願出願人においても、特願平2−
196530号として、セラミック誘電体回路基板内部
にマイクロ波用の共振回路を内蔵し、伝送線路等と多層
構造としたマイクロ波用誘電体回路基板を提案した。し
かしながら、そこでは、回路基板が均一なセラミック組
成の誘電体基板にて構成されるものであるところから、
誘電率の大きなセラミック誘電体を使用して共振回路を
小さくし、小型化を図ると、前述のように、伝送線路や
結合回路には誘電率の小さい方が良い場合が多いために
問題を生じ、また伝送線路や結合回路に適するように誘
電率を小さくすると、共振回路は大きくなり、小型化が
出来ない、といった問題を内在するものであった。
【0008】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景にして為されたものであって、その課題とするところ
は、基板内部にマイクロ波用の共振回路乃至はフィルタ
を内蔵する誘電体回路基板において、回路製作上の問題
を回避しつつ、マイクロ波回路の有効な小型化を実現す
ることにある。
【0009】
【解決手段】そして、本発明は、かかる課題を解決する
ために、比誘電率が10以下の誘電体材料からなる第一
の誘電体層と、該第一の誘電体層の誘電体材料よりも大
きな比誘電率を有する誘電体材料からなる第二の誘電体
層とを一体的に設け、且つ該第二の誘電体層内にトリプ
レート型のマイクロ波共振回路の共振線路を設けて、共
振器を構成する一方、前記第一の誘電体層に、該共振回
路を結合する回路や該共振回路を他のデバイスに接続す
るための伝送線路のうちの少なくとも一部を形成したこ
とを特徴とするマイクロ波用共振器内蔵配線基板を、そ
の要旨とするものである。
【0010】
【具体的構成・作用】先ず、本発明の理解を容易にする
ために、本発明の具体例の一つを図3に示すが、そこに
おいて、本発明に従う配線基板は、誘電率の小さな第一
の誘電体層30と誘電率の大きな第二の誘電体層32か
らなる一体的な複合基板として形成されている。そし
て、共振線路34とその上下に位置するアース導体3
6,38からなるトリプレート型のマイクロ波共振回路
が、その共振線路34を第二の誘電体層32内に設ける
ことによって、かかる第二の誘電体層32に形成され、
1/4波長のストリップライン型共振器を構成している
のである。また、第一の誘電体層30上には、マイクロ
波回路を構成する各種デバイス(電子部品)を接続する
伝送線路たる表面導体40が設けられており、この表面
導体40に対して、スルーホール導体42により、共振
回路の共振線路34が接続せしめられているのである。
なお、図では、一つの共振回路(共振器)しか示されて
いないが、紙面に垂直な方向或いは上下方向に、複数の
共振回路(34,36,38)を配列せしめることも可
能であり、またそれら複数の共振回路によってフィルタ
を構成することも可能であるが、それら複数の共振回路
を相互に結合する結合回路も、有利には、少なくともそ
の一部が誘電率の小さな第一の誘電体層30に設けられ
ることとなる。尤も、容量(コンデンサ)による結合回
路等の場合にあっては、容量値の大きなコンデンサが必
要とされることがあり、その場合には、誘電率の大きな
第二の誘電体層32の内部に結合回路が形成されること
となる。
【0011】このように、本発明にあっては、配線基板
を、誘電率の小さな第一の誘電体層30と誘電率の大き
な第二の誘電体層32からなる複合基板とし、所定のマ
イクロ波共振回路における少なくとも一部の伝送線路や
結合回路の部分(40)は、かかる誘電率の小さな第一
の誘電体層30の部分に形成するようにする一方、共振
回路(34)と、必要ならば一部の伝送線路や結合回路
の部分は、誘電率の大きな第二の誘電体層32に設ける
ようにしたのである。
【0012】ところで、かかる本発明に従う配線基板の
複合基板を与える誘電率の小さな第一の誘電体層30と
しては、伝送線路や結合回路が設けられ、その寄生容量
のことを考慮すると、比誘電率が10以下の誘電体材料
にて形成される誘電体層が用いられる。この比誘電率が
10を越えるようになると、寄生容量が大きくなり、回
路設計が困難となって、要求特性を充分に満たし得なく
なる。これに対し、共振回路にあっては、例えば1/4
波長や1/2波長のトリプレート型ストリップライン共
振器を使用した場合で代表されるように、その長さは周
波数の大きさに反比例するところから、周波数が高い
程、基板の小型化は可能である。このため、誘電体層の
誘電率が大きい程、基板の小型化は可能であるが、その
絶対値の要求レベルは周波数により異なり、周波数の高
い場合には、あまり誘電率の大きな基板を使用すると、
共振器の長さが短くなり過ぎて、取り扱いに不便な場合
も生じる。従って、その誘電率は、誘電率の小さな第一
の誘電体層よりも大きくて、共振器の小型化に効果があ
るものでなければならず、このため、第二の誘電体層3
2は、前記第一の誘電体層30の誘電体材料よりも大き
な比誘電率を有する誘電体材料にて形成されることとな
る。尤も、第一の誘電体層30の誘電体材料の比誘電率
の如何によっては、かかる第二の誘電体層32を構成す
る誘電体材料の比誘電率が10以下となる場合もあり得
るのである。
【0013】なお、かかる誘電率の小さな第一の誘電体
層30を与える、比誘電率が10以下の誘電体材料とし
ては、ガラス系若しくは非ガラス系のセラミック材料が
ある。それらのうち、ガラス系のセラミック材料は、比
誘電率が10以下の非結晶質若しくは結晶質ガラス粉末
と、必要に応じて添加されるTiO2 粉末等を原料とす
るものであり、またそのような原料粉末に、強度や熱膨
張係数等を調整するために、アルミナ、ムライト、コー
ジェライト、フォルステライト、クォーツ、石英ガラ
ス、ジルコン、ジルコニア、RE2 Ti2 7 (RE:
希土類金属)等の粉末を加えたものも用いられる。更
に、非ガラス系のセラミック材料としては、ホウ酸、ア
ルカリ土類金属の酸化物及び珪酸に、必要に応じてアル
ミナ等の金属酸化物やアルカリ金属の酸化物を構成成分
として用い、これらの成分の原材料と、必要に応じてT
iO2 原料粉末とを混合した後、仮焼し、粉砕したもの
等がある。なお、このようなセラミック誘電体材料中に
配合されるTiO2 は、それが粒子状態において存在す
ることにより、比誘電率の温度係数を調整し、その結
果、共振回路の共振周波数の温度係数を調整する作用を
有し、一般に、5重量%以上の割合で含有せしめられる
こととなる。また、比誘電率が10以下の誘電体材料と
しては、上記の如きセラミック誘電体材料だけでなく、
ポリイミド樹脂やエポキシ樹脂等の樹脂を用いることも
可能である。例えば、感光性のポリイミド樹脂やエポキ
シ樹脂を誘電体材料として使用すれば、フォトリソグラ
フィ技術により銅等の低抵抗薄膜導体をパターニングし
たり、樹脂誘電体にスルーホールを形成して、図3の如
き構造を実現することが出来る。
【0014】また、誘電率の大きな第二の誘電体層32
を与える誘電体材料は、前記第一の誘電体層30を構成
する誘電体材料よりも大きな比誘電率を有するものであ
ることが必要であり、一般に、セラミック誘電体材料が
用いられることとなるが、そのようなセラミック誘電体
材料としては、マイクロ波での誘電体損失や共振周波数
の温度特性が小さいものであることが望ましい。特に、
複数の共振回路を結合して構成されるフィルタを内蔵せ
しめる場合には、そのデバイスの性格上、形成された共
振回路の共振周波数の温度特性が±100ppm/℃以
下となるようなセラミック材料を用いることが望ましい
のである。このことから、第二の誘電体層32を構成す
る誘電体材料としては、コージェライト系ガラス粉末と
TiO2粉末/Nd2 Ti2 7 粉末との混合物を出発
原料とするものに代表されるガラスに、誘電率を大きく
したり、共振周波数の温度特性を調整するためのフィラ
ーを添加したガラス系のものや、BaO−TiO2 系、
BaO−TiO2 −ZnO系、BaO−TiO2 −RE
2 3 −Bi2 3 系、MgTiO3 系等のアルカリ土
類酸化物と酸化チタンを主成分とする、マイクロ波特性
の優れた組成系を基本組成にして、その焼成操作を低温
にて行ない得るようにするために、若干のZnO、Pb
O、SiO2 、B2 3 等のガラス系成分やガラス粉末
を添加したもの等がある。
【0015】さらに、本発明に従う配線基板は、主にマ
イクロ波での電磁波を扱うものであるところから、その
ような配線基板の回路(共振回路、結合回路)や伝送線
路の形成に用いられる導体には、低い抵抗を有するもの
が有利に用いられ、このため該導体には、低抵抗のAg
系、Au系、若しくはCu系の導体が使用されることと
なる。このような低抵抗のAg系若しくはCu系の導体
が用いられる時には、前記した誘電体材料としては、そ
れらAg系若しくはCu系の金属の融点(通常1100
℃以下)より低い温度で焼成され得るものが用いられる
こととなる。
【0016】そして、上記の如き2種の誘電体材料や導
体材料を用いて、図3に示される如き、誘電率の小さな
第一の誘電体層30と誘電率の大きな第二の誘電体層3
2からなる一体的な複合配線基板を作製するには、従来
と同様な手法が採用されることとなるが、一般に、その
ような誘電体材料からなる2種のグリーンシートを用
い、それぞれのグリーンシートに、上記導体材料のペー
ストを用いて所定パターンの導体を印刷等の手法によっ
て形成する一方、そのようなグリーンシートを積層して
一体化せしめ、そしてそれらグリーンシートや導体(ペ
ースト)を同時焼成することによって、目的とする配線
基板とすることが出来るのである。なお、この同時焼成
に際して、導体としてAg系、Au系、若しくはCu系
の低融点導体が用いられる時には、1100℃以下の焼
成温度が採用されることとなる。
【0017】また、このような同時焼成によって配線基
板を作製する手法の他にも、共振回路の共振線路34を
内蔵した、誘電率の大きな第二の誘電体層32をグリー
ンシート法による同時焼成により得た後、厚膜印刷法に
より、誘電率の小さな第一の誘電体層30や導体層(4
0)を積層して、目的とする複合配線基板を製造するこ
とも可能である。また、このような複合配線基板の表面
の導体(40)については、同時焼成により形成しても
良いが、また誘電体層(30,32)や内蔵導体(3
4,36)の同時焼成の後に別途形成することも出来
る。例えば、通常の厚膜用のAg系、Cu系、Au系等
の導体を用い、これを焼成によって後から形成しても良
いし、またメッキによる方法やスパッタ蒸着等による厚
膜法等によって形成することも出来る。更に、誘電率の
小さな第一の誘電体層30の形成に、ポリイミド等の樹
脂材料を用いた場合にあっては、誘電率の大きな第二の
誘電体層32をグリーンシート法により同時焼成して得
た後、フォトリソグラフィ技術を応用して、そのような
樹脂からなる第一の誘電体層30と導体層(40)を順
次積層して、目的とする配線基板が形成される。
【0018】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示し、本発明を更
に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、その
ような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるも
のでないことは、言うまでもないところである。また、
本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記の具体
的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおい
て、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改
良等を加え得るものであることが、理解されるべきであ
る。
【0019】実施例 1 誘電率の大きな第二の誘電体層を与えるセラミック誘電
体材料を得るために、先ず、MgO:19重量%、Al
2 3 :38重量%、SiO2 :38重量%及びB2
3 :5重量%になるように調製したガラス粉末:73重
量部と、市販のTiO2 粉末:17重量部と、Nd2
3 粉末及びTiO2 粉末を1200℃で仮焼した後、粉
砕して、得られたNd2 Ti2 7 粉末:10重量部と
を、よく混合した。次いで、このようにして得られた混
合粉末と、アクリル系有機バインダ、可塑剤、トルエン
及びアルコール系溶剤を、アルミナポット及びアルミナ
ボールを用いて充分に混合して、スラリーを調製し、更
にこのスラリーから、ドクターブレード法により、0.
2mm〜0.5mm厚みのグリーンテープAを作製し
た。このグリーンテープの作製に使用された材料を90
0℃で焼成して得られる焼結体の特性は、比誘電率=
9、無負荷Q=1500(3GHz)、共振周波数の温
度特性:τf=0ppm/℃であった。
【0020】一方、誘電率の小さな第一の誘電体層を与
えるセラミック誘電体材料を得るために、MgO:19
重量%、Al2 3 :38重量%、SiO2 :38重量
%及びB2 3 :5重量%なる組成のガラス粉末を用
い、このガラス粉末から、上記と同様にして、ドクター
ブレード手法により、0.2mm〜0.5mm厚みのグ
リーンテープBを作製した。ここで使用された材料を9
00℃で焼成して得られる焼結体の特性は、比誘電率=
6、無負荷Q=1500(3GHz)、共振周波数の温
度特性:τf=−50ppm/℃であった。
【0021】また、Ag系粉末、アクリル系有機バイン
ダ、及びテルピネオール系有機溶剤を、3本ローラを用
いた混練機により良く混練せしめ、印刷用の導体ペース
トを調製した。
【0022】次いで、この得られた導体ペーストを用い
て、前記2種のグリーンテープA,B上に、それぞれ所
定の導体配線パターンやアース導体層を印刷した。そし
て、これらの導体パターンが印刷されたグリーンテープ
A,Bを所定の順番で重ねた後、100℃の温度で、1
00kg/cm2 の圧力を加えて、積層一体化せしめ
た。なお、各導体層の接続は、グリーンテープにパンチ
ング等により形成したスルーホールに導体ペーストを充
填して、実現した。その後、かかる積層一体化物を、大
気雰囲気下に900℃×30分間の条件で焼成し、図3
に示される如き、内部にトリプレート型の1/4波長ス
トリップライン共振器を内蔵した、誘電率の大きな第二
の誘電体層32と、その上に一体的に形成された誘電率
の小さな第一の誘電体層30とを有し、かかる第一の誘
電体層30の表面に配線パターン40を有する複合回路
基板を得た。
【0023】かくして得られた複合回路基板において、
誘電率の大きな第二の誘電体層32の厚みは2mm、誘
電率の小さな第一の誘電体層30の厚みは0.5mmと
薄いものであり、また誘電率の大きな第二の誘電体層3
2に形成した3個の1/4波長のトリプレート型ストリ
ップライン共振器を、誘電率の小さな第一の誘電体層3
0の表面に形成した結合回路で結合した、マイクロ波用
3段フィルタの特性は、1800MHz帯で、帯域幅:
20MHz、挿入損失:3dB以下の特性を示した。
【0024】実施例 2 誘電率の小さな第一の誘電体層を与える誘電体材料とし
て、実施例1で作製したグリーンテープBを用いる一
方、誘電率の大きな第二の誘電体層を与える誘電体材料
として、BaO−TiO2 −Nd2 3 −Sm2 3
Bi2 3 系粉末:96重量%と、ZnO−SiO2
2 3 系ガラス粉末:2重量%と、Bi2 3 粉末:
2重量%からなる混合粉末を用いて、実施例1と同様に
して、ドクターブレード手法より、0.2mm〜0.5
mm厚みのグリーンテープCを作製した。なお、このグ
リーンテープCの作製に使用した材料を900℃で焼成
して得られる焼結体の特性は、比誘電率=80、無負荷
Q=800(3GHz)、共振周波数の温度特性:τf
=0ppm/℃であった。
【0025】次いで、このようにして得られたグリーン
テープA,Cを用い、それらグリーンテープ上に、実施
例1において調製された導体ペーストにて、所定の導体
パターンやアース導体層を印刷した。その後、それら導
体パターンが印刷されたグリーンテープA,Cを所定の
順番で重ねた後、100℃の温度で、100kg/cm
2 の圧力を加えて、積層一体化せしめた後、大気雰囲気
中で、900℃×60分の条件で焼成した。
【0026】このようにして得られた図3に示される如
きトリプレート型の1/4波長のストリップライン共振
器を内蔵した複合回路基板にあっては、その誘電率の大
きな第二の誘電体層の厚みは2mm、また誘電率の小さ
な第一の誘電体層の厚みは0.5mmと薄く、また誘電
率の大きな第二の誘電体層に形成した3個の1/4波長
のトリプレート型ストリップライン共振器を、誘電率の
小さな第一の誘電体層の表面に形成した結合回路で結合
した、マイクロ波用3段フィルタの特性は、900MH
z帯で帯域幅:20MHz、挿入損失:3dB以下の特
性を示すものであった。
【0027】実施例 3 誘電率の大きな第二の誘電体層を与える誘電体材料を得
るために、MgO:18重量%、Al2 3 :38重量
%、SiO2 :38重量%、B2 3 :5重量%及びM
gO:1重量%になるように作製したガラス粉末の73
重量部と、市販TiO2 粉末の17重量部と、Nd2
3 粉末及びTiO2 粉末を1200℃で仮焼した後、粉
砕して、得られたNd2 Ti2 7 粉末の10重量%と
を、よく混合せしめた。次いで、このようにして得られ
た混合粉末と、アクリル系有機バインダ、可塑剤、トル
エン及びアルコール系の溶剤を、アルミナポット及びア
ルミナボールを用いて充分に混合して、スラリーを調製
し、更にこのスラリーから、ドクターブレード法によ
り、0.2mm〜0.5mm厚みのグリーンテープDを
作製した。なお、ここで使用した材料を900℃で焼成
して得られる焼結体の特性は、比誘電率=9、無負荷Q
=1500(3GHz)、共振周波数の温度係数:τf
=0ppm/℃であった。
【0028】一方、誘電率の小さな第一の誘電体層を与
える誘電体材料を得るために、MgO:18重量%、A
2 3 :38重量%、SiO2 :38重量%、B2
3 :5重量%及びMnO:1重量%となるように作製し
たガラス粉末を用い、このガラス粉末から、上記と同様
にして、ドクターブレード手法により、0.2mm〜
0.5mm厚みのグリーンテープEを作製した。なお、
使用材料を900℃で焼成して得られる焼結体の特性
は、比誘電率=6、無負荷Q=1500(3GHz)で
あった。
【0029】一方、Cu粉末、アクリル系有機バイン
ダ、及びテルピネオール系有機溶剤を用い、実施例1と
同様にして、それらを、3本ローラを用いた混練機によ
りよく混練せしめ、印刷用の導体ペーストを調製した。
【0030】次いで、この導体ペーストを用いて、前記
グリーンテープD,E上に、所定の導体配線パターンや
アース導体層を印刷した。そして、それらの導体パター
ンが印刷されたグリーンテープD,Eを所定の順番で重
ねた後、100℃の温度で、100kg/cm2 の圧力
を加えて、積層一体化せしめ、更にその積層一体化物
を、窒素雰囲気中において、900℃×30分の条件で
焼成せしめ、図3に示される如き複合回路基板を得た。
なお、ここで得られた複合回路基板において、その誘電
率の小さな第一の誘電体層の表面に設けられる配線パタ
ーン(40)は、複合基板を焼成した後、市販の厚膜用
銅導体ペーストを用いて印刷し、900℃で焼成するこ
とにより、形成した。
【0031】かくして得られた複合回路基板において
は、誘電率の大きな第二の誘電体層の厚みは2mm、誘
電率の小さな第一の誘電体層の厚みは0.5mmと薄
く、また誘電率の大きな第二の誘電体層に形成した3個
の1/4波長のトリプレート型ストリップライン共振器
を、誘電率の小さな第一の誘電体層の表面に形成した結
合回路で結合したマイクロ波用3段フィルタの特性は、
1800MHz帯で帯域幅:20MHz、挿入損失:3
dB以下の特性を示した。
【0032】実施例 4 実施例3と同様にして、内部に1個のトリプレート型の
1/4波長ストリップライン共振器を内蔵した、電圧制
御型発振器(VCO)用の基板を作製し、その上に、所
定の受動若しくは能動部品(電子部品)を装着して、目
的とする電圧制御型発振器を構成した。図4には、その
ようにして形成された電圧制御型発振器の全体的な構成
が示されており、また図5には、基板に内蔵した共振回
路等の配線パターンが示されている。
【0033】それらの図において、基板は、本発明に従
う低誘電率の第一の誘電体層44と高誘電率の第二の誘
電体層46とから一体的に構成されてなり、図5に示さ
れる如く、そのような基板、具体的には、第二の誘電体
層46内にCu系導体からなる所定パターンの共振回路
48が設けられている。また、かかる第二の誘電体層4
6内には、インダクタンス50も設けられている。そし
て、このような共振回路48やインダクタンス50を内
蔵した複合基板の第一の誘電体層44の表面には、図4
に示されるように、内蔵共振回路48の伝送線路たる配
線路52が、所定のパターンで設けられており、この配
線路52によって、各種受動若しくは能動部品54や抵
抗56等が接続せしめられて、目的とする電圧制御型発
振器が構成されているのである。
【0034】このような構成の電圧制御型発振器にあっ
ては、共振回路48が複合回路基板に内蔵されるもので
あるところから、従来の如き、同軸型共振器を用いる場
合に比して、その小型化を有利に達成することが出来る
と共に、共振回路48の伝送線路(52)が、誘電率の
小さな第一の誘電体層44上に形成されるものであると
ころから、寄生容量が大となる問題等も有利に回避し得
るのである。
【0035】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、共振回路に誘電率の大きな誘電体が用いられ
得るものであるところから、小型の共振回路が基板内部
に内蔵され得、基板表面には伝送線路や結合回路等の形
成が可能となるために、各種電子装置の小型化が有利に
達成され、また共振回路を基板内部に内蔵して、表面に
は、コンデンサ、抵抗、トランジスタ等の回路部品やア
ンプ等のデバイスが実装し得るところから、マイクロ波
回路の有効な小型化が達成さ得るのである。
【0036】従って、本発明においては、共振回路を内
蔵した小型の電圧制御型発振器やミキサー等が有利に実
現され、また複数のフィルタと電圧制御型発振器やミキ
サー等のデバイスからなるマイクロ波回路において、共
振回路やフィルタを基板内部に内蔵することが出来るた
め、基板表面にアンプ等のその他のデバイスや制御回路
が実装出来ることとなり、以て非常に小型なマイクロ波
回路モジュールが実現され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の同軸型共振器を用いたマイクロ波デバイ
スの一例を概略的に示す説明図である。
【図2】従来のトリプレート型共振器の一例を示す断面
説明図である。
【図3】本発明に従う、マイクロ波用共振器内蔵配線基
板の一例を示す断面説明図である。
【図4】実施例4において作製された、配線基板に共振
回路を内蔵せしめた電圧制御型発振器を示す説明図であ
る。
【図5】図4に示される電圧制御型発振器における基板
内に設けられた共振回路やインダクタンスを示す説明図
である。
【符号の説明】
2 同軸型共振器 4 ブロック 6 貫通孔 12 基板 16 導体パターン 18,56 抵抗 20,34 共振線路 22,24 誘電体層 26,28,36,38 アース導体 30,44 第一の誘電体層 32,46 第二の誘電体層 48 共振回路 50 インダクタンス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H03B 5/18 D 8124−5J H05K 3/46 Q 6921−4E

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 比誘電率が10以下の誘電体材料からな
    る第一の誘電体層と、該第一の誘電体層の誘電体材料よ
    りも大きな比誘電率を有する誘電体材料からなる第二の
    誘電体層とを一体的に設け、且つ該第二の誘電体層内に
    トリプレート型のマイクロ波共振回路の共振線路を設け
    て、共振器を構成する一方、前記第一の誘電体層に、該
    共振回路を結合する回路や該共振回路を他のデバイスに
    接続するための伝送線路のうちの少なくとも一部を形成
    したことを特徴とするマイクロ波用共振器内蔵配線基
    板。
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