JP2005235921A - 光学系の調整方法、結像光学系、露光装置、および露光方法 - Google Patents

光学系の調整方法、結像光学系、露光装置、および露光方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 一般のレンズ調整による補正が困難な収差の発生を良好に抑えて乾燥型結像光学系から液浸型結像光学系へ切り換えることのできる調整方法。
【解決手段】 像面に接する気体層を介して像を形成する乾燥型結像光学系を、像面に接する浸液層を介して像を形成する液浸型結像光学系に変える調整方法。乾燥型結像光学系中の最も像面側に配置された第1光学部材(P3a)の像面側の平面状の光学面と像面との平行度を測定する測定工程(S1)と、第1光学部材を液浸型結像光学系用の第2光学部材(P3)と交換する交換工程(S2)と、測定工程の測定結果を参照して、第2光学部材の像面側の平面状の光学面を像面に対してほぼ平行に位置決めする位置決め工程(S3)とを備えている。
【選択図】 図6

Description

本発明は、光学系の調整方法、結像光学系、露光装置、および露光方法に関し、特に半導体素子や液晶表示素子などをフォトリソグラフィ工程で製造する際に使用される露光装置に搭載される投影光学系に関するものである。
半導体素子等を製造するためのフォトリソグラフィ工程において、マスク(またはレチクル)のパターン像を、投影光学系を介して、フォトレジスト等が塗布されたウェハ(またはガラスプレート等)上に露光する露光装置が使用されている。そして、半導体素子等の集積度が向上するにつれて、露光装置の投影光学系に要求される解像力(解像度)が益々高まっている。
したがって、投影光学系の解像力に対する要求を満足するために、照明光(露光光)の波長λを短くするとともに投影光学系の像側開口数NAを大きくする必要がある。具体的には、投影光学系の解像度は、k・λ/NA(kはプロセス係数)で表される。また、像側開口数NAは、投影光学系と感光性基板(ウェハなど)との間の媒質(通常は空気などの気体)の屈折率をnとし、感光性基板への最大入射角をθとすると、n・sinθで表される。
この場合、最大入射角θを大きくすることにより像側開口数NAの増大を図ろうとすると、感光性基板への入射角および投影光学系からの射出角が大きくなり、光学面での反射損失が増大して、大きな実効的な像側開口数を確保することはできない。そこで、投影光学系と感光性基板との間の光路中に屈折率の高い液体のような媒質を満たすことにより像側開口数の増大を図る技術が知られている。
一般に、像面に接する浸液層を介して像を形成する液浸型結像光学系では、像面に接する気体層を介して像を形成する通常の乾燥型結像光学系よりも、焦点深度および解像力が向上する。また、露光装置において液浸型結像光学系(液浸型投影光学系)を用いる場合、乾燥型結像光学系を用いる場合よりも、レジスト反射率の低下を図ることができる。したがって、特に露光装置の場合、投影光学系を必要に応じて乾燥型から液浸型へ切り換えることができれば好都合である。
しかしながら、結像光学系の最も像側に配置される光学部材などの交換により乾燥型から液浸型への切り換えを行うと、後述するように、偏芯コマ収差、偏芯球面収差、偏芯歪曲収差、像面傾斜などの諸収差が発生し易い。ここで、偏芯コマ収差以外の収差、すなわち偏芯球面収差、偏芯歪曲収差、像面傾斜などの収差は、一般のレンズ調整(光学部材の位置または姿勢の調整)による補正が非常に困難である。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、一般のレンズ調整による補正が困難な収差の発生を良好に抑えて乾燥型結像光学系から液浸型結像光学系へ切り換えることのできる調整方法を提供することを目的とする。また、諸収差の発生を良好に抑えて乾燥型から液浸型へ切り換えられた結像光学系を用いて、高解像で良好な露光を行うことのできる露光装置および露光方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の第1形態では、像面に接する気体層を介して像を形成する乾燥型結像光学系を、像面に接する浸液層を介して像を形成する液浸型結像光学系に変える調整方法であって、
前記乾燥型結像光学系中の最も前記像面側に配置された第1光学部材の像面側の平面状の光学面と前記像面との平行度を測定する測定工程と、
前記第1光学部材を前記液浸型結像光学系用の第2光学部材と交換する交換工程と、
前記測定工程の測定結果を参照して、前記第2光学部材の前記像面側の平面状の光学面を前記像面に対してほぼ平行に位置決めする位置決め工程とを備えていることを特徴とする調整方法を提供する。
第1形態の好ましい態様によれば、前記第1光学部材および前記第2光学部材はともに平行平面板である。また、前記位置決め工程の後に前記液浸型結像光学系の収差を調整する収差調整工程をさらに備えていることが好ましい。この場合、前記収差調整工程は、前記液浸型結像光学系の偏芯コマ収差を補正する収差補正工程を含むことが好ましい。また、この場合、前記収差補正工程は、前記第2光学部材に隣接する第3光学部材を光軸に対して傾斜させる工程を含むことが好ましい。
さらに、この場合、前記交換工程は、前記第1光学部材に隣接する第4光学部材を前記第3光学部材と交換する工程を含むことが好ましい。また、この場合、前記第3光学部材および前記第4光学部材はともに平行平面板であることが好ましい。また、第1形態では、前記測定工程では、オートコリメータを用いて前記第1光学部材の像面側の平面状の光学面と前記像面との平行度を測定する工程を含むことが好ましい。
本発明の第2形態では、第1形態の調整方法により製造されたことを特徴とする結像光学系を提供する。
本発明の第3形態では、マスクを照明するための照明系と、前記マスクに形成されたパターンの像を前記像面に設定された感光性基板上に形成するための第2形態の結像光学系とを備えていることを特徴とする露光装置を提供する。
本発明の第4形態では、所定のパターンが形成されたマスクを照明し、第2形態の結像光学系を介して前記マスクのパターンを前記像面に設定された感光性基板上に投影露光することを特徴とする露光方法を提供する。
本発明の調整方法では、一般のレンズ調整による補正が困難な収差の発生を良好に抑えて、乾燥型結像光学系から液浸型結像光学系へ切り換えることができる。液浸型への切り換えにより、結像光学系の焦点深度および解像力の向上を図ることができる。また、液浸型に切り換えられた結像光学系を露光装置および露光方法に用いる場合、レジスト反射率の低下を図ることができる。
したがって、本発明の露光装置および露光方法では、諸収差の発生を良好に抑えて乾燥型から液浸型へ切り換えられた結像光学系を用いて、高解像で良好な露光を行うことができ、ひいては良好なデバイスを製造することができる。
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。本実施形態では、露光装置の投影光学系(結像光学系)PLに対して本発明の調整方法を適用している。図1において、投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を、光軸AXに垂直な面内において図1の紙面に平行にY軸を、図1の紙面に垂直にX軸をそれぞれ設定している。
図示の露光装置は、紫外領域の照明光を供給するための光源100として、ArFエキシマレーザー光源を備えている。光源100から射出された光は、照明光学系ILを介して、所定のパターンが形成されたレチクルRを均一に照明する。なお、光源100と照明光学系ILとの間の光路はケーシング(不図示)で密封されており、光源100から照明光学系IL中の最もレチクル側の光学部材までの空間は、露光光の吸収率が低い気体であるヘリウムガスや窒素などの不活性ガスで置換されているか、あるいはほぼ真空状態に保持されている。
レチクルRは、レチクルホルダRHを介して、レチクルステージRS上においてXY平面に平行に保持されている。レチクルRには転写すべきパターンが形成されており、パターン領域全体のうちX方向に沿って長辺を有し且つY方向に沿って短辺を有する矩形状(スリット状)のパターン領域が照明される。レチクルステージRSは、図示を省略した駆動系の作用により、レチクル面(すなわちXY平面)に沿って二次元的に移動可能であり、その位置座標はレチクル移動鏡RMを用いた干渉計RIFによって計測され且つ位置制御されるように構成されている。
レチクルRに形成されたパターンからの光は、液浸型の投影光学系PLを介して、感光性基板であるウェハW上にレチクルパターン像を形成する。ウェハWは、ウェハテーブル(ウェハホルダ)WTを介して、ウェハステージWS上においてXY平面に平行に保持されている。そして、レチクルR上での矩形状の照明領域に光学的に対応するように、ウェハW上ではX方向に沿って長辺を有し且つY方向に沿って短辺を有する矩形状の静止露光領域(すなわち実効露光領域)にパターン像が形成される。
ウェハステージWSは、図示を省略した駆動系の作用によりウェハ面(すなわちXY平面)に沿って二次元的に移動可能であり、その位置座標はウェハ移動鏡WMを用いた干渉計WIFによって計測され且つ位置制御されるように構成されている。また、図示の露光装置では、投影光学系PLを構成する光学部材のうち最もレチクル側に配置された光学部材(具体的にはレンズL1)と最もウェハ側に配置された光学部材(具体的には平行平面板P3)との間で投影光学系PLの内部が気密状態を保つように構成され、投影光学系PLの内部の気体は窒素で置換されている。
さらに、照明光学系ILと投影光学系PLとの間の狭い光路には、レチクルRおよびレチクルステージRSなどが配置されているが、レチクルRおよびレチクルステージRSなどを密封包囲するケーシング(不図示)の内部に窒素が充填されている。また、投影光学系PLとウェハWとの間の狭い光路には、ウェハWおよびウェハステージWSなどが配置されているが、ウェハWおよびウェハステージWSなどを密封包囲するケーシング(不図示)の内部に窒素が充填されている。このように、光源100からウェハWまでの光路の全体に亘って、露光光がほとんど吸収されることのない雰囲気が形成されている。
上述したように、投影光学系PLによって規定されるレチクルR上の照明領域およびウェハW上の静止露光領域は、Y方向に沿って短辺を有する矩形状である。したがって、駆動系および干渉計(RIF、WIF)などを用いてレチクルRおよびウェハWの位置制御を行いながら、矩形状の露光領域および照明領域の短辺方向すなわちY方向に沿ってレチクルステージRSとウェハステージWSとを、ひいてはレチクルRとウェハWとをY方向に沿って同期的に移動(走査)させることにより、ウェハW上には静止露光領域の長辺に等しい幅を有し且つウェハWの走査量(移動量)に応じた長さを有するショット領域に対してレチクルパターンが走査露光される。
図2は、本実施形態の液浸型投影光学系のレンズ構成を概略的に示す図である。また、図3は、本実施形態の液浸型投影光学系の像側要部構成を概略的に示す図である。図2および図3を参照すると、本実施形態にかかる液浸型投影光学系(液浸型結像光学系)は、レチクル側から順に、平行平面板P1と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた平凹レンズL1と、レチクル側に凹面を向けた負メニスカスレンズL2と、レチクル側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL3と、レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズL4と、レチクル側に平面を向けた平凸レンズL5と、ウェハ側に平面を向けた平凸レンズL6と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL7と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL8と、レチクル側に凸面を向けた負メニスカスレンズL9と、レチクル側に凸面を向けた負メニスカスレンズL10と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた負メニスカスレンズL11と、両凹レンズL12と、レチクル側に非球面形状の凹面を向けた負メニスカスレンズL13と、両凸レンズL14と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた平凹レンズL15と、レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズL16と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL17と、開口絞りASと、両凹レンズL18と、両凸レンズL19と、レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズL20と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL21と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL23と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL24と、レチクル側に凸面を向けた平凸レンズL25と、平行平面板P2と、平行平面板P3とにより構成されている。なお、平行平面板P3とウェハWとの間の光路は、純水からなる浸液により満たされている。
本実施形態において、非球面は、光軸に垂直な方向の高さをyとし、非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸に沿った距離(サグ量)をzとし、頂点曲率半径をrとし、円錐係数をκとし、n次の非球面係数をCnとしたとき、以下の数式(a)で表される。以下の表(1)において、非球面形状に形成されたレンズ面には面番号の右側に*印を付している。
z=(y2/r)/[1+{1−(1+κ)・y2/r21/2
+C4・y4+C6・y6+C8・y8+C10・y10
+C12・y12+C14・y14 (a)
また、本実施形態において、液浸投影光学系を構成する光学部材(レンズ成分および平行平面板)は、石英(SiO2)または蛍石(CaF2)により形成されている。具体的には、正メニスカスレンズL24、平凸レンズL25、および平行平面板P3が蛍石により形成され、その他の光学部材は石英により形成されている。また、露光光であるArFエキシマレーザー光の発振中心波長は、193.306nmであり、この中心波長に対する石英の屈折率(窒素に対する相対屈折率)は1.5603261であり、蛍石の屈折率(窒素に対する相対屈折率)は1.5014548である。さらに、平行平面板P3とウェハWとの間に介在する浸液として、露光光に対して1.43664の屈折率(窒素に対する相対屈折率)を有する純水を用いている。
なお、投影光学系PLの平行平面板P3とウェハWとの間の光路中に純水のような液体を満たし続けるには、たとえば国際公開番号WO99/49504号公報に開示された技術や、特開平10−303114号公報に開示された技術などを用いることができる。国際公開番号WO99/49504号公報に開示された技術では、液体供給装置から供給管および排出ノズルを介して所定の温度に調整された液体を境界レンズLb(本実施形態の平行平面板P3に対応)とウェハWとの間の光路を満たすように供給し、液体供給装置により回収管および流入ノズルを介してウェハW上から液体を回収する。
一方、特開平10−303114号公報に開示された技術では、液体を収容することができるようにウェハホルダテーブルWTを容器状に構成し、その内底部の中央において(液体中において)ウェハWを真空吸着により位置決め保持する。また、投影光学系PLの鏡筒先端部が液体中に達し、ひいては境界レンズLbのウェハ側の光学面が液体中に達するように構成する。
次の表(1)に、本実施形態にかかる液浸型投影光学系の諸元の値を掲げる。表(1)において、λは露光光の中心波長を、βは投影倍率を、NAは像側(ウェハ側)開口数を、Ymは最大像高を、LXは静止露光領域のX方向に沿った寸法(長辺の寸法)を、LYは静止露光領域のY方向に沿った寸法(短辺の寸法)をそれぞれ表している。また、面番号はレチクル側からの面の順序を、rは各面の曲率半径(非球面の場合には頂点曲率半径:mm)を、dは各面の軸上間隔すなわち面間隔(mm)を、nは中心波長に対する屈折率をそれぞれ示している。なお、表(1)における表記は、以降の表(2)においても同様である。
表(1)
(主要諸元)
λ=193.306nm
β=−1/4
NA=0.85
Ym=13.73mm
LX=26.0mm
LY=8.8mm

(光学部材諸元)
面番号 r d n 光学部材
(レチクル面) 50.1769
1 ∞ 8.0000 1.5603261 (P1)
2 ∞ 5.0000
3 ∞ 14.0000 1.5603261 (L1)
4* 217.19960 41.5008
5 -109.91797 27.9892 1.5603261 (L2)
6 -533.61788 1.0000
7* -1201.61978 36.1765 1.5603261 (L3)
8 -245.77847 1.0000
9 -1216.27339 31.0000 1.5603261 (L4)
10 -304.66433 1.0000
11 ∞ 33.5734 1.5603261 (L5)
12 -394.05151 1.0000
13 418.81873 33.0000 1.5603261 (L6)
14 ∞ 1.0000
15 208.52638 32.0000 1.5603261 (L7)
16 349.98100 56.5255
17 279.84803 28.0000 1.5603261 (L8)
18* 1954.07914 1.0000
19 397.31181 45.0000 1.5603261 (L9)
20 134.64746 11.2308
21 194.61592 28.0000 1.5603261 (L10)
22 128.40051 14.8421
23 289.46376 27.0000 1.5603261 (L11)
24* 176.14100 40.6524
25 -132.76956 14.0000 1.5603261 (L12)
26 237.71636 33.8751
27* -151.18278 17.2861 1.5603261 (L13)
28 -734.14434 1.4155
29 1056.26697 46.3136 1.5603261 (L14)
30 -209.97246 1.0000
31 ∞ 24.0000 1.5603261 (L15)
32* 1578.98061 16.2719
33 -2955.50000 43.4422 1.5603261 (L16)
34 -250.61857 1.0000
35 264.49672 47.1753 1.5603261 (L17)
36 1842.89140 20.4296
37 ∞ 25.3352 (AS)
38 -933.68251 30.0000 1.5603261 (L18)
39 283.69200 15.6656
40 438.52101 38.7262 1.5603261 (L19)
41 -2247.55693 17.4242
42 -749.10624 37.2389 1.5603261 (L20)
43 -285.45884 1.0000
44 256.33622 49.9904 1.5603261 (L21)
45 1549.17025 1.0000
46 186.62100 36.5000 1.5603261 (L22)
47 304.37994 1.0000
48 149.99100 51.9641 1.5603261 (L23)
49* 401.44843 1.4421
50 231.95253 41.9950 1.5014548 (L24)
51 298.54379 8.3436
52 2955.50000 19.7001 1.5014548 (L25)
53 ∞ 1.4973
54 ∞ 5.3034 1.5603261 (P2)
55 ∞ 9.0000
56 ∞ 20.0000 1.5014548 (P3)
57 ∞ 1.0000 1.43664
(ウェハ面)

(非球面データ)
4面
κ=0
4=−1.11177×10-7 6=3.34617×10-12
8=−1.47614×10-1610=5.15681×10-21
12=6.33673×10-2514=−5.58638×10-29

7面
κ=0
4=5.11762×10-9 6=−1.12469×10-13
8=−5.61978×10-1810=3.20538×10-22
12=8.50676×10-2714=−6.20641×10-31

18面
κ=0
4=6.16155×10-8 6=−1.22126×10-12
8=6.87394×10-1710=−2.37006×10-21
12=9.71494×10-2614=−7.93985×10-31

24面
κ=0
4=−9.27514×10-8 6=1.65812×10-12
8=−2.01936×10-1610=2.95850×10-21
12=−1.66415×10-2514=−1.49345×10-28

27面
κ=0
4=2.91400×10-8 6=1.30925×10-12
8=5.16398×10-1710=6.95562×10-21
12=−1.28730×10-2514=8.75291×10-29

32面
κ=0
4=4.07666×10-8 6=−2.97251×10-13
8=−7.59007×10-1810=2.17436×10-22
12=3.03501×10-2814=−6.82619×10-32

49面
κ=0
4=4.32617×10-9 6=1.09511×10-13
8=−1.83296×10-1710=8.42141×10-22
12=−2.99717×10-2614=7.81708×10-31
図3に示すように、本実施形態の液浸型投影光学系PLは、ウェハW側から順に、厚さ1.0mmの平行平面状の純水層(浸液層)、蛍石により形成された厚さ20.0mmの平行平面板P3、厚さ9.0mmの平行平面状の窒素層(気体層)、石英により形成された厚さ5.3034mmの平行平面板P2、厚さ1.4973mmの平行平面状の窒素層、および蛍石により形成された厚さ19.7001mmの平凸レンズL25を含んでいる。
図4は、本実施形態の液浸型投影光学系への切り換え前の乾燥型投影光学系の像側要部構成を概略的に示す図である。なお、平行平面板P1のレチクル側の平面から平行平面板(P2またはP2a)のレチクル側の平面までの構成は、液浸型と乾燥型とで共通である。換言すれば、液浸型と乾燥型とでは、レチクルRから平行平面板P1までの距離、平行平面板(P2またはP2a)の厚さ、平行平面板(P2またはP2a)と平行平面板(P3またはP3a)との間隔、および平行平面板(P3またはP3a)の厚さが異なる。次の表(2)に、本実施形態にかかる乾燥浸型投影光学系の諸元の値を掲げる。ただし、表(2)では、液浸型投影光学系との共通部分の表示を省略している。
表(2)
(主要諸元)
λ=193.306nm
β=−1/4
NA=0.85
Ym=13.73mm
LX=26.0mm
LY=8.8mm

(光学部材諸元)
面番号 r d n 光学部材
(レチクル面) 50.1829
1 ∞ 8.0000 1.5603261 (P1)
・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ ・
52 2955.50000 19.7001 1.5014548 (L25)
53 ∞ 1.4973
54 ∞ 4.0000 1.5603261 (P2a)
55 ∞ 8.0028
56 ∞ 22.2946 1.5014548 (P3a)
57 ∞ 1.0000 1.43664
(ウェハ面)
図4に示すように、本実施形態の液浸型投影光学系PLへの切り換え前の乾燥型投影光学系は、ウェハW側から順に、厚さ1.0mmの平行平面状の純水層(浸液層)、蛍石により形成された厚さ22.295mmの平行平面板P3a、厚さ8.003mmの平行平面状の窒素層(気体層)、石英により形成された厚さ4.0mmの平行平面板P2a、厚さ1.4973mmの平行平面状の窒素層、および蛍石により形成された厚さ19.7001mmの平凸レンズL25を含んでいる。
したがって、本実施形態では、図4に示す乾燥型投影光学系から図3に示す液浸型投影光学系PLへの切り換えに際して、蛍石により形成された厚さ22.295mmの平行平面板P3aを、同じく蛍石により形成された厚さ20.0mmの平行平面板P3と交換して所定の位置に位置決めする必要がある。また、石英により形成された厚さ4.0mmの平行平面板P2aを、同じく石英により形成された厚さ5.3034mmの平行平面板P2と交換して所定の位置に位置決めする必要がある。
ところで、乾燥型投影光学系から液浸型投影光学系PLへの切り換えに際して、最も像面側(ウェハ側)に配置された平行平面板P3の像面側の平面状の光学面と液浸型投影光学系PLの像面とが互いに平行に設定されない場合、この平行度誤差に起因して液浸型投影光学系PLの光学性能が低下する。これは、境界レンズとしての平行平面板P3の物体側(レチクル側)の光学面が窒素(気体)に接し、像面側の光学面が純水(液体)に接するため、窒素と純水との屈折率差によって収差が発生するためである。
具体的には、平行平面板P3の像面側の平面状の光学面と像面との間に平行度誤差が残存すると、図5に示すように、主光線51が像面52に達する位置Aと、上コマ光線53が像面52に達する位置Bと、下コマ光線54が像面52に達する位置Cとが一致しなくなる。その結果、液浸型投影光学系PLには、偏芯コマ収差、偏芯球面収差、偏芯歪曲収差、像面傾斜などの収差が発生することになる。なお、上コマ光線53および下コマ光線54は、物体面(レチクルR)上の1点からの光線のうち最大入射角度で像面に達する光線である。
ここで、主光線51が像面52に達する位置Aと上コマ光線53が像面52に達する位置Bとの距離をαとし、主光線51が像面52に達する位置Aと下コマ光線54が像面52に達する位置Cとの距離をβとすると、偏芯コマ収差量はα+βに対応し、偏芯球面収差量はα−βに対応する。そして、上コマ光線53が像面52に達する位置Bと下コマ光線54が像面52に達する位置Cとが一致しない場合、すなわちα≠βの場合、偏芯球面収差とともに、偏芯歪曲収差および像面傾斜が発生する。
ちなみに、乾燥型投影光学系の場合、平行平面板P3aの像面側の平面状の光学面と像面との間に平行度誤差が残存すると、上コマ光線53が像面に達する位置Bと下コマ光線54が像面に達する位置Cとは一致するが、主光線51が像面52に達する位置Aと位置BおよびCとが一致しなくなる。この場合、液浸型投影光学系PLの場合と同様に、偏芯コマ収差は発生する。しかしながら、α=βとなるので、液浸型投影光学系PLの場合とは異なり、偏芯球面収差、偏芯歪曲収差、および像面傾斜は発生しない。
一般に、偏芯コマ収差は、所定の光学部材の位置または姿勢を調整することにより、すなわちレンズ調整により補正が容易である。これに対し、偏芯コマ収差以外の収差、すなわち偏芯球面収差、偏芯歪曲収差、像面傾斜などの収差は、一般のレンズ調整による補正が非常に困難である。したがって、乾燥型投影光学系から液浸型投影光学系PLへの切り換えに際して、平行平面板P3の像面側の平面状の光学面と像面との間の平行度誤差をできるだけ小さく抑えることにより、偏芯球面収差、偏芯歪曲収差、および像面傾斜の発生を良好に抑えることが重要である。
図6は、乾燥型投影光学系から液浸型投影光学系への切り換えに適用される本実施形態の調整方法のフローチャートである。図6を参照すると、本実施形態の調整方法では、良好な収差状態に調整済みの乾燥型投影光学系において、最も像面側に配置された平行平面板P3aの像面側の平面状の光学面と像面との平行度を測定する(S1)。なお、測定工程S1では、たとえばオートコリメータを用いて、平行平面板P3aの像面側の平面状の光学面と像面との平行度、具体的には平行平面板P3aの像面側の平面状の光学面と像面とのなす角度を2秒程度の精度で測定することができる。
次いで、乾燥型投影光学系用の平行平面板P3aを液浸型投影光学系用の平行平面板P3と交換するとともに、乾燥型投影光学系用の平行平面板P2aを液浸型投影光学系用の平行平面板P2と交換する(S2)。さらに、交換工程S2の後に、測定工程S1の測定結果である平行度誤差(平行平面板P3aの像面側の平面状の光学面と像面とのなす角度に関する情報)を参照して、平行平面板P3の像面側の平面状の光学面を像面に対して平行に位置決めする(S3)。なお、位置決め工程S3では、平行平面板P2も所定の位置および姿勢に位置決めすることはいうまでもない。
こうして、位置決め工程S3では、平行平面板P3aの像面側の平面状の光学面と像面との平行度誤差を参照することにより、平行平面板P3の像面側の平面状の光学面を像面に対して平行に精度良く位置決めすることが容易になる。その結果、一般のレンズ調整による補正が困難な収差、すなわち偏芯球面収差、偏芯歪曲収差、像面傾斜などの発生を良好に抑えることができる。しかしながら、平行平面板P3と像面との平行度の調整により、偏芯コマ収差が発生することがある。
そこで、位置決め工程S3の後に、液浸型投影光学系PLの収差、特に偏芯コマ収差成分を適当な周知の方法にしたがって測定する(S4)。そして、液浸型投影光学系PLの収差を調整するために、たとえば平行平面板P3に隣接する平行平面板P2を光軸AXに対して傾斜(チルト)させて、平行平面板P3と像面との平行度の調整により発生した偏芯コマ収差を必要に応じて補正する(S5)。なお、収差調整工程すなわち収差補正工程S5では、複数のレンズ(パワーを有する透過光学部材)を光軸AXに対して偏芯(シフト)させることにより偏芯コマ収差を補正することもできる。こうして、必要に応じて実施された収差補正工程S5を経て、良好な収差状態に調整された液浸型投影光学系PLが得られる。
以上のように、本実施形態では、一般のレンズ調整による補正が困難な収差、すなわち偏芯球面収差、偏芯歪曲収差、像面傾斜などの発生を良好に抑えて、乾燥型投影光学系から液浸型投影光学系PLへ切り換えることができる。液浸型への切り換えにより、投影光学系の焦点深度の向上を図るとともに、ウェハWにおけるレジスト反射率の低下を図ることができる。したがって、本実施形態の露光装置では、諸収差の発生を良好に抑えて乾燥型から液浸型へ切り換えられた投影光学系PLを用いて、深い焦点深度のもとで良好な露光を行うことができる。なお、本実施形態では、乾燥型から液浸型へ投影光学系を切り換えているが、液浸型の投影光学系PLを乾燥型の投影光学系に切り換えることも可能である。
なお、上述の実施形態では、投影光学系PLの内部、レチクルRおよびレチクルステージRSなどを密封包囲するケーシングの内部およびウェハWおよびウェハステージWSなどを密封包囲するケーシングの内部に窒素が充填されている。しかしながら、これに限定されることなく、投影光学系PLの内部および上記ケーシングの内部にヘリウムガスなどの不活性ガスが充填されているか、あるいはほぼ真空状態に保持されていてもよい。
上述の実施形態の露光装置では、照明装置によってレチクル(マスク)を照明し(照明工程)、投影光学系を用いてマスクに形成された転写用のパターンを感光性基板に露光する(露光工程)ことにより、マイクロデバイス(半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等)を製造することができる。以下、本実施形態の露光装置を用いて感光性基板としてのウェハ等に所定の回路パターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法の一例につき図7のフローチャートを参照して説明する。
先ず、図7のステップ301において、1ロットのウェハ上に金属膜が蒸着される。次のステップ302において、その1ロットのウェハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、ステップ303において、本実施形態の露光装置を用いて、マスク上のパターンの像がその投影光学系を介して、その1ロットのウェハ上の各ショット領域に順次露光転写される。その後、ステップ304において、その1ロットのウェハ上のフォトレジストの現像が行われた後、ステップ305において、その1ロットのウェハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各ウェハ上の各ショット領域に形成される。
その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述の半導体デバイス製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイスをスループット良く得ることができる。なお、ステップ301〜ステップ305では、ウェハ上に金属を蒸着し、その金属膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチングの各工程を行っているが、これらの工程に先立って、ウェハ上にシリコンの酸化膜を形成後、そのシリコンの酸化膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチング等の各工程を行っても良いことはいうまでもない。
また、本実施形態の露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、図8のフローチャートを参照して、このときの手法の一例につき説明する。図8において、パターン形成工程401では、本実施形態の露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィ工程が実行される。この光リソグラフィー工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルター形成工程402へ移行する。
次に、カラーフィルター形成工程402では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルターの組を複数水平走査線方向に配列されたりしたカラーフィルターを形成する。そして、カラーフィルター形成工程402の後に、セル組み立て工程403が実行される。セル組み立て工程403では、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板、およびカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルター等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。
セル組み立て工程403では、例えば、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルターとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。その後、モジュール組み立て工程404にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する液晶表示素子をスループット良く得ることができる。
なお、上述の実施形態では、露光装置に搭載される投影光学系に対して本発明を適用しているが、これに限定されることなく、他の一般的な結像光学系に対して本発明を適用することもできる。また、上述の実施形態では、ArFエキシマレーザー光源を用いているが、これに限定されることなく、所定の波長光を供給する他の適当な光源を用いることもできる。
また、上述の実施形態では、マスクおよび基板を投影光学系に対して相対移動させながら基板の各露光領域に対してマスクパターンをスキャン露光するステップ・アンド・スキャン方式の露光装置に対して本発明を適用している。しかしながら、これに限定されることなく、マスクと基板とを静止させた状態でマスクのパターンを基板へ一括的に転写し、基板を順次ステップ移動させて各露光領域にマスクパターンを逐次露光するステップ・アンド・リピート方式の露光装置に対して本発明を適用することもできる。
本発明の実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。 本実施形態の液浸型投影光学系のレンズ構成を概略的に示す図である。 本実施形態の液浸型投影光学系の像側要部構成を概略的に示す図である。 本実施形態の液浸型投影光学系への切り換え前の乾燥型投影光学系の像側要部構成を概略的に示す図である。 乾燥型投影光学系から液浸型投影光学系への切り換えに際して発生する収差を説明する図である。 乾燥型投影光学系から液浸型投影光学系への切り換えに適用される本実施形態の調整方法のフローチャートである。 マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法のフローチャートである。 マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得る際の手法のフローチャートである。
符号の説明
100 レーザー光源
IL 照明光学系
R レチクル
RS レチクルステージ
PL 投影光学系
W ウェハ
WS ウェハステージ
Li レンズ成分
Pi 平行平面板
AS 開口絞り

Claims (11)

  1. 像面に接する気体層を介して像を形成する乾燥型結像光学系を、像面に接する浸液層を介して像を形成する液浸型結像光学系に変える調整方法であって、
    前記乾燥型結像光学系中の最も前記像面側に配置された第1光学部材の像面側の平面状の光学面と前記像面との平行度を測定する測定工程と、
    前記第1光学部材を前記液浸型結像光学系用の第2光学部材と交換する交換工程と、
    前記測定工程の測定結果を参照して、前記第2光学部材の前記像面側の平面状の光学面を前記像面に対してほぼ平行に位置決めする位置決め工程とを備えていることを特徴とする調整方法。
  2. 前記第1光学部材および前記第2光学部材はともに平行平面板であることを特徴とする請求項1に記載の調整方法。
  3. 前記位置決め工程の後に前記液浸型結像光学系の収差を調整する収差調整工程をさらに備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の調整方法。
  4. 前記収差調整工程は、前記液浸型結像光学系の偏芯コマ収差を補正する収差補正工程を含むことを特徴とする請求項3に記載の調整方法。
  5. 前記収差補正工程は、前記第2光学部材に隣接する第3光学部材を光軸に対して傾斜させる工程を含むことを特徴とする請求項4に記載の調整方法。
  6. 前記交換工程は、前記第1光学部材に隣接する第4光学部材を前記第3光学部材と交換する工程を含むことを特徴とする請求項5に記載の調整方法。
  7. 前記第3光学部材および前記第4光学部材はともに平行平面板であることを特徴とする請求項6に記載の調整方法。
  8. 前記測定工程では、オートコリメータを用いて前記第1光学部材の像面側の平面状の光学面と前記像面との平行度を測定する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の調整方法。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の調整方法により製造されたことを特徴とする結像光学系。
  10. マスクを照明するための照明系と、前記マスクに形成されたパターンの像を前記像面に設定された感光性基板上に形成するための請求項9に記載の結像光学系とを備えていることを特徴とする露光装置。
  11. 所定のパターンが形成されたマスクを照明し、請求項9に記載の結像光学系を介して前記マスクのパターンを前記像面に設定された感光性基板上に投影露光することを特徴とする露光方法。
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