JP2005234571A - 高速なモデルに基づく光学的近接効果補正 - Google Patents

高速なモデルに基づく光学的近接効果補正 Download PDF

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Abstract

【課題】高速で高性能な投影光学系シミュレーション方法とシステムを提供する。
【解決手段】マスク透過関数とは独立した一般化した双1次カーネルを形成することによってこれらの影響を含め、次いで、分解を利用してこのカーネルを処理することによって、非スカラー効果を含む像を計算する。この一般化した双1次カーネルの支配的な固有関数を用いて、可能なポリゴン・セクタとのコンボリューションをあらかじめ計算し得る。次いで、マスク透過関数をポリゴン・セクタに分解し、適切なマスク・ポリゴン・セクタについてのあらかじめ計算したコンボリューションのコヒーレント和から重み付けした初期像を形成し得る。一般化した双1次カーネルの支配的な固有関数のすべてにわたる重み付けした初期像のインコヒーレント和から、ある点における像を形成し得る。その後、得られた像を用いて、MBOPC(モデルに基づく光学的近接効果補正)を実施し得る。
【選択図】図4

Description

本発明は、一般に、リソグラフィを必要とする製造プロセスに関し、詳細には、フォトマスクを設計し、マイクロエレクトロニクス技術による製造で用いるリソグラフィおよびエッチングのプロセスを最適化する方法に関する。
現在のIC(集積回路)は、利用可能なリソグラフィ機器では容易に解像されない構造体を含む。そのため、CD(クリティカルな構造体(critical feature)の寸法)を正しく印刷するには、マスク上に配置するICの形状に補償調整を加える必要がある。いわゆるMBOPC(モデルに基づく(model-based)光学的近接効果補正(opticalproximity correction))では、リソグラフィ・プロセスをシミュレーションすることによって、具体的には、ウェハ面における像をシミュレーションする手段を準備することによって適切な調整が決まる。究極的には、レジスト層内で形成される像(例えば、レジスト潜像(latentimage))を求めることが望まれるが、レジスト内の潜像の近似としてウェハ面における空間像(aerial image)がしばしば使用される。
一般に、従来方式の像シミュレーションは、スカラー部分コヒーレント像(scalarpartial coherent image)を形成するホプキンス(Hopkins)積分を用いて行われる。ここで、空間像強度Iを表現する式は、
Figure 2005234571
で与えられる。ただし、hは、(点像分布関数(point spread function)すなわちPSFとしても知られる)レンズのインパルス応答関数、jはコヒーレンス、mはマスクの透過関数、*は複素共役、
Figure 2005234571
は像の位置である。この積分は一般に、マスク全体に対して行われる。
Figure 2005234571
は、ホプキンス・カーネルとして知られている表現式である。これは、所与の系に対して一定の2D(2次元)関数である。
この4D(4次元)のホプキンス積分(式1)は、2D(2次元)コヒーレント像積分のインコヒーレント和として近似し得る。ホプキンス積分を計算するこの方法は、SOCS(コヒーレント系の和)手順(procedure)として知られている。SOCS手順では、部分コヒーレントなホプキンス積分に対する最適なn項近似は、
Figure 2005234571
になる。ただし、
Figure 2005234571
は、2D(2次元)コンボリューション演算を示し、λ
Figure 2005234571
はそれぞれ、ホプキンス・カーネルのk番目の固有値および固有関数を示す。ホプキンス・カーネルは、マーサー(Mercer)展開
Figure 2005234571
から導出される。この式は、得られたコヒーレント像の有限和によって、例えば線形コンボリューション(linear convolution)によって、部分コヒーレント結像問題を最適に近似し得ることを示唆している。一般に、光源(source)およびマスク・ポリゴンを(例えば、グリッドまたはセクタに)分解し、コヒーレントな(コンポーネント像または初期像(pre-image)とも称する)副像(sub-image)のインコヒーレント和として各フィールド(field)の像を計算する。こうすると、問題の像点
Figure 2005234571
における全強度は、すべてのコンポーネント像にわたる和になる。SOCS近似では、例えば、像行列を対角行列化して、固有値分解により最小階数(rank)の許容可能な近似行列を得ることによって、計算しなければならないコヒーレント副像の数が最小限に抑えられる。例えば、2Dコンボリューションの数nを約10とすると、大型の充填光源(large-fillsource)さえ十分に近似することができる。
通常、1つまたは複数の透過率のポリゴンからなる2値マスク設計パターンによって近似し得るマスク透過関数mは、グリッド・セルやセクタ分解など、様々な方法で表すことができ、点
Figure 2005234571
における像は、マスク透過関数mおよび固有関数φの重み付けコヒーレント・コンボリューションの有限インコヒーレント和によって表すことができる。各固有関数および可能なマスク・セクタとの各固有関数のコンボリューションはあらかじめ計算することができ、それによって、空間像Iを計算する高速な方法が提供される。この空間像を、レジスト潜像を十分に近似するものとみなすことが多い。レジストの影響を補償するために、以前の方法では、集中パラメータ・モデル(lumped parameter model)を適用することによって、あるいはレジストによるぼけを適用することによって、この空間像を後処理していた。しかし、MBOPC(モデルに基づく光学的近接効果補正)を次世代IC製品の100nm未満の寸法に拡張するに際して、この従来技術にはいくつかの制限がある。
例えば、レジスト内で干渉次数間の角度がかなり小さくなる約0.7未満のNA(開口数)の場合にはスカラー処理が適用可能であり、そのため、異なるビーム内の電場(electric field)は、これらのビームが干渉するときに、ほぼ垂直または反垂直(anti-perpendicular)な状態になる。このような状況下では、重ね合わせ(superposition)はほぼスカラーである。しかし、光リソグラフィを100nm未満の寸法に拡張するときには、少なくとも0.85のNA(開口数)を用いなければならない。その結果傾きが急になるところでは、標準のスカラー・ホプキンス積分は不正確になり、電場のベクトル特性を考慮しなければならない。これは、電場のグローバル直交座標(E、E、E)のそれぞれにおける独立像を計算し、次いで、これらの像を、照明偏光の許容される向きのそれぞれに対して加算し、マスクを照明する光源の異なる方向のそれぞれに対して再度加算することによって達成し得ることが知られている。しかし、この手順の計算効率は、MBOPCには十分ではない。
アダム(Adam)他(ケイ・アダム(K. Adam)、ワイ・グラニック(Y.Granik)、エイ・トレス(A. Torres)、エヌ・ビー・コブ(N.B. Cobb)、「ホプキンス結像方程式の適応ベクトル表現によるモデル化性能の向上(Improvedmodeling performance with an adapted vectorial formulation of Hopkins imagingequation)」、SPIE vol. 5040、第16回光マイクロ・リソグラフィ(Optical Microlithography XVI)、アンソニー・イェン(AnthonyYen)監修、(2003)、78〜91頁)、およびハーフェマン(Hafeman)他(SPIE vol. 5040、第16回光マイクロ・リソグラフィ(OpticalMicrolithography XVI)、アンソニー・イェン(Anthony Yen)監修、(2003)、700頁)は、被膜内でのEM(電磁)場のベクトル加算が含まれるようにスカラー・ホプキンス結像方程式を拡張することを開示している。しかし、アダム他およびハーフェマン他の手法は、場のz成分を無視しており、レンズの複屈折性、調整された光源偏光(tailoredsource)、あるいはレジストまたはマスクからのぼけなどの影響を考慮に入れていない。
像形成のスカラー処理では、照明の偏光を無視し、レンズおよびレジストの表面がもたらす部分偏光は無視し得ると仮定する。しかし、今後のリソグラフィ用のOPC(光学的近接効果補正)では、レンズ自体の偏光特性も考慮に入れなければならないであろう。NAが大きくなり、レンズの複雑さが増すと、出力ビームの偏光状態が、レンズ要素の表面で生じる偏光依存性累積反射損失によって変化する。これらの損失を抑える反射防止コーティングで実現可能な性能は、波長が短くなり深UV(紫外)の範囲に入るとますます悪くなる。来るべき157nm用レンズは、要素母材(substrate)中での空間的な分散の理由から、バルク母材の状態でさえ複屈折性のものとなろう。ビーム・スプリッタその他のコーティングに斜めに入射すると、光の偏光状態が歪むことになる。高NAのTM(横方向磁場)偏光で生じるコントラストの損失を最小限に抑えるために、光線間に意図的に偏光の較差を導入する光源(すなわち、偏光が調整された光源)にも関心が集まっている。露光像は、様々な界面間での偏光依存性多重反射のために、レジスト被膜スタックによっても影響を受ける。これらの反射を抑えるAR(反射防止)被膜は、高NAで角度範囲が広くなるとあまり効果がないことがある。レジストの最上面での屈折により、透過像に球面収差(sphericalaberration)が生じる。
最後に、次世代ICの最小構造体サイズは、フォトレジストの分解能に近づきつつあり、MBOPCを行う際にはこのことを考慮に入れなければならない。
あまり大きくないサイズのマスク区域全体にわたってこれらの現象をそれぞれモデル化する方法が知られている。すべての照明偏光および像面の偏光に対して、かつすべての光源点に対して加算することによって、ベクトル像を計算することができる。
レジストによるぼけ(resist blur)は、レジストの分解能が有限なために生じ得る。物理学の文献では、空間分散性媒質中の伝播が扱われており、現在、この解析が157nmのリソグラフィ・レンズに適用されている。有限なレジスト分解能は、周波数ドメインでは4Dホプキンス積分を周波数フィルタリングすることに等価であるレジスト・カーネルを用いて露光光学像をぼかすことによる近似的な方法で取り扱うことができる。レジスト中での露光後のぼけは、レジスト現像液の作用を受ける化学像(chemicalimage)で生じることが知られている。このレジストによるぼけは、光学像とぼけ関数とのコンボリューションによって、あるいは、それと等価には、変調伝達関数(modulationtransfer function)により像の空間周波数成分(frequency content)を減衰させることによって補償し得る(例えば、ジェイ・ガロファロ(J.Garofalo)他、「マスク補償によるASICゲート・レベルの線端後退(line-end shortening)の減少(Reduction of ASICGate-Level line-end shortening by Mask Compensation)」、SPIE v.2440、第8回光/レーザ・マイクロ・リソグラフィ(Optical/LaserMicrolithography VIII)、ティモシー・エイ・ブラナー(Timothy A. Brunner)監修、(SPIE, 1995)、171頁を参照されたい)。ホフナグル(Hoffnagle)他(「フォトレジストの空間分解能を測定する方法(Methodof measuring the spatial resolution of a photoresist)」、光学レター誌(Optics Letters)27、no.20、(2002)、1776頁)は、1対の干渉正弦波が得られるように露光したレジスト中のCD(最小線幅)の測定値から(この干渉パターンが示す光学的なコントラストは、本質的に100%である)、個々の空間周波数について、(実効レジストMTFとしても知られている)レジストの変調伝達関数を求めることができることを示している。このようにして推定された潜像のコントラストは、実質的に100%を下回ることがあり、この変調による損失は、構造体サイズがレジストの解像限界により近づくにつれ、定常的にいっそう重大になる。例えば、225nmのピッチでは、ホフナグル他が解析したUV2レジストでは、露光光学像における変調の約50%しか化学潜像に伝達されない。比較的粗い空間周波数でさえ、コントラストの損失がやや穏やかになり、比較的長い範囲の近接効果が生じ得る。
しかし、レジストによるぼけを補償するこのような方法は、レジストぼけ関数と連続的光学像との直接的な空間ドメイン・コンボリューションを行うことを伴う。取扱いが比較的簡単であり、かつ比較的高速に計算し得るマスク上に配置する種類のポリゴンに比べて、このコンボリューション処理は相対的に計算に時間がかかる。遺憾ながら、今後のMBOPCは、これらの影響を極めて迅速に計算する方法が見つからない限り、実用的なものにならないであろう。
MBOPCプロセスの他の態様(例えば、エッチング・シミュレーション、マスクの電磁的な影響のシミュレーション、ポリゴン・エッジの調整、ならびにリソグラフィに係わらない多くの問題)は、この考察では直接検討を行わないが、リソグラフィ・シミュレーションは、IC設計プロセス全体の1つの小さな側面でしかないことを念頭に置くことが重要である。複雑な階層編成(hierarchical organization)の認知されているデータ構造中にマスク・ポリゴンを記憶させなければならない。こうしたパターンは相当な労力の後で得られるものであり、回路およびデバイスの設計ソフトウェアを長時間連続して使用することを伴う。追加の処理ソフトウェアにより、OPC処理後の形状を、マスク描画で使用する形式(format)に変換する。このCAD(コンピュータ援用設計)プロセスの複雑さのために、(MBOPC用のツールを含めて)ソフトウェア設計ツール・パッケージ(suitsof software design tools)を利用して、設計プロセスの1つの段階から別の段階にチップ・データを移動する(mitigate)ときの問題を回避することが慣行になっている。改善されたMBOPC方法は、この設計フローと互換性がなければならない。リソグラフィ・シミュレーション用の改善された方法が、既存のOPCプログラムと互換性があることも望ましい。
SOCS方法により、スカラーAI(空間像)を計算するのに十分に高速で正確なアルゴリズムが得られる。このアルゴリズムの最終出力としてAIしか必要とされない場合には、実用的な要件を満足するにはスカラーAIで十分であり、実用的な要件以上のものが得られよう。しかし、レジストの現像ステップが存在するために、このAIからレジスト像を得るためにさらなる計算が必要である。
SOCS方法を用いて得られる像は、マスク・ポリゴンを構成するすべての可能な半無限(semi-finite)セクタの対応する像をあらかじめ記憶することによって計算する。したがって、マスクの多角形構造体の像を極めて迅速に計算し得る。
これらのあらかじめ記憶させたテーブルは、スカラー・ホプキンス積分にのみ基づくものである。レジストの分解能、ベクトル結像、レジスト薄膜効果、照明の偏光、およびレンズの複屈折性などの現象を考慮に入れるには、これらの現象があたかもコヒーレント像のインコヒーレント和から生じるかのように、これらの現象の影響を再現し得る新しいテーブルを取得する必要がある。
したがって、ベクトル電場、偏光の影響を含めて非スカラー効果(すなわち、「非ホプキンス」効果)をより正確に含み、かつ空間像またはレジスト像を含めて様々な像を計算するのに適用可能な効率のよい像シミュレーション方法が必要とされている。さらに、既存のコンピュータ・コードに、このコードを大きく再構築せずに組み込むことができる方法を実装することが望ましい。
米国特許出願第10/694,473号 米国特許出願第10/694,466号 ケイ・アダム(K. Adam)、ワイ・グラニック(Y. Granik)、エイ・トレス(A.Torres)、エヌ・ビー・コブ(N.B. Cobb)、「ホプキンス結像方程式の適応ベクトル表現によるモデル化性能の向上(Improved modelingperformance with an adapted vectorial formulation of Hopkins imaging equation)」、SPIEvol. 5040、第16回光マイクロ・リソグラフィ(Optical Microlithography XVI)、アンソニー・イェン(Anthony Yen)監修、(2003)、78〜91頁 ハーフェマン(Hafeman)他、SPIE vol. 5040、第16回光マイクロ・リソグラフィ(OpticalMicrolithography XVI)、アンソニー・イェン(Anthony Yen)監修、(2003)、700頁 ジェイ・ガロファロ(J. Garofalo)他、「マスク補償によるASICゲート・レベルの線端後退の減少(Reductionof ASIC Gate-Level line-end shortening by Mask Compensation)」、SPIE v.2440、第8回光/レーザ・マイクロ・リソグラフィ(Optical/LaserMicrolithography VIII)、ティモシー・エイ・ブラナー(Timothy A. Brunner)監修、(SPIE, 1995)、171頁 ホフナグル(Hoffnagle)他、「フォトレジストの空間分解能を測定する方法(Methodof measuring the spatial resolution of a photoresist)」、光学レター誌(Optics Letters)27、no.20、(2002)、1776頁 アール・エム・フォン・ビュノー(R.M. von Bunau)、ワイ・シー・パティ(Y.C.Pati)、ワイ・ティー・ウォン(Y.-T. Wang)、「放射対称光学系用の最適なコヒーレント分解(Optimal coherentdecompositions for radially symmetric optical systems)」、真空科学技術ジャーナル(J. Vac.Sci. Technol.) B15、no.6 (1997)、2412頁
したがって、従来技術の問題および欠陥を念頭に置くと、本発明の目的は、非スカラー(すなわち、「非ホプキンス」)効果を考慮に入れた高速な像計算方法を提供することである。
本発明の別の目的は、既存のコンピュータ・コードに、このコードを大きく再構築せずに組み込むことができる高速な非スカラー像計算方法を提供することである。
本発明の他の目的および利点は、部分的には明白であり、部分的には本明細書から明らかになるであろう。
本発明によれば、リソグラフィ像を計算するための、レンズの複屈折性、レジスト・スタックの影響、および調整された光源偏光などのベクトルの影響を考慮に入れ、かつマスクおよびレジストによるぼけの影響も含み得る効率のよい方法およびシステムが提供される。本発明によれば、一般化した双1次カーネル(generalized bilinear kernel)を形成することによってこれらの影響を含め、次いで、SOCS分解を用いてこのカーネルを処理して、このような非スカラー効果を含む像を迅速に計算することができる。光源強度分布
Figure 2005234571
が与えられる。光源は、強度分布
Figure 2005234571
によって特徴付けることができ、かつ独立した偏光mによって特徴付けることがある。これらの偏光はそれぞれ、偏光マップによって特徴付けられる。投影インパルス応答関数
Figure 2005234571
が与えられる。これは、好ましくは、レンズの複屈折性を含めてレンズのベクトル・インパルス応答関数を含むが、レジスト被膜スタック内でのベクトルの影響を含むように一般化することもできる。さらに、偏光が調整された光源の場合には、投影インパルス応答関数
Figure 2005234571
は、光源の偏光マップも含み得る。一般化した双1次カーネル
Figure 2005234571
が、光源強度分布
Figure 2005234571
と、ベクトル・インパルス応答関数
Figure 2005234571
との双1次自己相関を形成することによって形成される。一般化した双1次カーネルは、マスクによるぼけを含むように形成し得る。一般化した双1次カーネルにレジストによるぼけを含めることができるのは、例えば、レジスト・スタックの深さ全体にわたって平均化を実施し得る場合か、またはある範囲の焦点位置全体にわたって平均化を実施し得る場合か、あるいはその両方の場合である。好ましくは、この一般化した双1次カーネルのSOCS分解を実施する。一般化した双1次カーネルVは、マスク透過関数
Figure 2005234571
とは独立であるように形成する。本発明の別の態様では、次いで、一般化した双1次カーネルとマスク透過関数を組み合わせることによって、より具体的には、それらの双1次積分を実施することによって、点
Figure 2005234571
における像
Figure 2005234571
を計算する。その後、得られた像
Figure 2005234571
を用いて、MBOPC(モデルに基づく光学的近接効果補正)を実施し得る。
本発明の好ましい実施形態では、一般化した双1次カーネルのSOCS分解を実施し得る。まず、ROI(region of interest;対象領域)の積分ドメイン内の像面をグリッド化する。本発明によれば、可能な場合には、この系(system)の対称性に応じて、このROIの積分ドメインを折り畳む(fold)ことが好ましい。この折り畳んだROI積分ドメイン内で、GBK(generalizedbilinear kernel;一般化した双1次カーネル)を計算し、像面のグリッド点で表形式にする(tabulate)。この好ましい実施形態では、表形式にしたGBKの値をマッピングし直して縮小基底(reducedbasis)にし、次いで、この縮小基底においてGBKの固有関数を計算し、変換して元のグリッドに戻す。必要な場合には、例えばランチョス(Lanczos)法の場合と同様に、表形式にしたGBKの値に対して支配的な固有関数を反復して精緻化(refine)することができる。次いで、これらの支配的な固有関数と、可能なマスク・ポリゴン・セクタとのコンボリューションをあらかじめ計算する。
本発明の別の態様によれば、像の計算は、マスク透過関数を1組の適切な可能なポリゴン・セクタに分解するステップを含む。次いで、支配的な固有関数ごとに、支配的な固有関数と、ROI内のマスク・ポリゴン・セクタとのあらかじめ計算したコンボリューションからの寄与のコヒーレント和を形成することによって初期像を計算する。この初期像に、好ましくは固有関数の固有値によって、特により好ましくは固有値の平方根によって重み付けする。あるいは、これらの重みは実験的に決めることができる。最後に、すべての支配的な固有関数の重み付けした初期像のインコヒーレント和から、像
Figure 2005234571
を形成する。
本発明は、調整された光源偏光、レンズの複屈折性、およびレジスト・スタックによる偏光、ならびにマスクまたはレジストにおけるぼけを含めて、ベクトルの影響などの非スカラー効果を、像の計算に効率よく組み込むことができるという利点を有する。
本発明により、以下の利点が得られる。
1.丸め誤差(rounding error)を伴ってすでに計算された関数の導関数をとる結果生じ得る極めて大きな計算上の誤差が回避される。
2.レジスト像の計算の複素時間量(time complexity)を、空間像だけの計算の複素時間量に減らす。本発明によれば、ホプキンス・モデルのSOCS近似に従って空間像を形成するのに用いる双1次カーネルと同じまたは類似の形態を有する一般化した双1次カーネルが形成される。すなわち、本発明により、レジスト像計算の複素量が、空間像だけを得る複素量に減る。すなわち、計算量が、少なくとも10分の1程度に減る。
3.ベクトル電場、調整された光源偏光、レンズの複屈折性、デフォーカスの変動、レジスト・スタック、ならびにマスクおよびレジストからのぼけの影響を含めて、非スカラー効果が含まれるために像の精度が向上する。ただし、非スカラー効果の例は、これらに限定されるものではない。
新規と考えられる本発明の特徴および本発明を特徴づける要素は、添付の特許請求の範囲に詳細に述べられている。図は、単に説明を行うためのものであり、原寸に比例していない。ただし、本発明自体は、その構成および動作方法に関して、以下の詳細な説明を添付の図面と併せ読めば最もよく理解されよう。
以下の説明では、本発明が十分に理解されるように多くの特定の細部を述べることがある。ただし、このような特定の細部を用いずに本発明を実施し得ることが当業者には明らかであろう。他の例では、不必要な細部で本発明が不明瞭にならないように、周知の要素(feature)はブロック図の形式で示すことがある。
次に、図面を参照するが、図に示す要素は必ずしも原寸に比例して示されておらず、いくつかの図を通じて同じまたは類似の要素は、同じ参照数字で示す。
図1に、光リソグラフィで使用するケーラー(Kohler)投影系(projectionsystem)10の概略図を示す。エネルギー源100から、化学線エネルギー(actinic energy)が供給され(化学線エネルギーは、レジスト内で反応を起こさせる照射エネルギーである)、それがコンデンサ・レンズ110を介してパターン化されたマスクまたはレチクル(120)に投影される。光源100およびコンデンサ・レンズ110を合わせて、照明光源115と称することがある。次いで、マスク120から回折した光は、(入射瞳(pupil)129および出射瞳135を有する)投影レンズ130を通過し、その後、ウェハ140上に投影される。ウェハ140は一般に、レジスト層142およびその下にある基板144を含む。投影系10の分解能は、レンズの開口絞り(aperturestop)125によって制御される光の量に関係する。これを、図1に示すz方向に沿った光軸150に対する投影光の最大角度θで示す。ただし、2θは、レンズ130から各像点に収束する角度の範囲である。この投影系の開口数は、NA=nsinθで与えられる。ただし、nは、レンズを取り囲む媒質の屈折率(空気の場合には約1)である。以下、この考察では、マスク120と投影レンズ130の間の領域122を物体空間(objectspace)と称し、投影レンズ130とウェハ140の間の領域132を像空間(image smapce)と称する。
一般に、MBOPCプログラムによる各像の計算には、対象とする像点
Figure 2005234571
を中心とする小さな領域(いわゆる対象領域、すなわちROI)内に含まれるマスク形状しか含めない。例えば図2に、マスク・ポリゴン301を含むマスク・レイアウト300を示す。対象とする像点
Figure 2005234571
141は、このマスク・レイアウト上に(参照数字121で示す)対応する点
Figure 2005234571
を有する。像強度の計算では、この像点からある影響ゾーン内のマスク・ポリゴン301だけを考える。以下、この影響ゾーンを「対象領域」すなわちROI 310と称する。このROI 310の領域は、レンズの分解能よりもわずかに大きいものに過ぎない。例えば、90nmの構造体を転写するのに使用するレンズの場合、ROI 310の半径は、(1倍の尺度で)1μmとし得る。個々のROIのフィールドの値を求めるとき、ROIの境界付近の点における像強度は計算しない。通常、ROI 310の中心点121における強度の値しか求めないか、あるいは、ケイ・ライ(K. Lai)他、「効率的なポリゴン・ピンニング方法および複数のサンプリング点の同時計算を用いたセクタに基づくOPCエンジンの性能の向上(Improvementof performance in sector-based OPC engine utilizing efficient polygon pinningmethod and simultaneous computation of multiple sample points)」(米国特許出願第10/694,473号)に開示されているように、内部のいくつかの点で、これらの点がROIの境界から離れている場合に限り、強度の値を求めることがある。この仮定の下で、議論の都合上、周期的な境界条件が適用されると仮定し得る。ただし、セクタ・テーブルの実際の計算時にはこのような仮定を行う必要はない。
次いで、ROI 310をグレーティングの単位セルと解釈すると仮定する。この場合、グレーティング300のサイズは、ROI 310に比べて大きいが、投影レンズ130の尺度に対しては依然として微視的な大きさである。そのため、図3を参照して、単一の光源点111(ここでは、図1のエネルギー源100およびコンデンサ・レンズ110を合わせて照明光源115とみなす)からの照明中に生じるコヒーレント像成分を考えると、ROI 310から回折する複数のビームが物体空間122中で張る(図示しない)幅は、投影レンズ130に固有の尺度では極めて小さいものになる。このようなビームはそれぞれ、ケーラー照明下で入射瞳129に結像する。回折次数(diffracted order)が、入射瞳129から出射瞳135に伝播し、次いで(例えば、ウェハ140のところの)像面に至る際に、ROI 310から回折した複数のビームからなるこの小さな幅を、レンズ130によって結像する単一の光線として取り扱うことができる。
ベクトルおよび偏光の影響
図3を参照して、上記で説明した様々なリソグラフィによる影響を、マスク120上の点121から投影レンズ130を通って、(一般にレジスト層142内の)像面142上の点
Figure 2005234571
141に至る光線201で示す回折次数の伝播中にどのように補償し得るかを考える。光線201の経路および(開口絞り125の中心を通るが、局所的にマスクの点121および像面上の焦点
Figure 2005234571
141を通る光線である)局所的な光軸150’を含む面として、メリジオナル(meridional;経線)面220を定義することができる。まず、光源100が直線偏光または無偏光の状態であり、投影レンズ130が理想的な非偏光挙動を示す簡単な場合を考える。投影レンズ130が理想的であり、光源の偏光が固定され、かつ照明NAが小さい場合でさえ、伝播光線201に沿う偏光はある種の回転を受けることになる。というのは、光線が投影レンズ130内で方向を変えたときに、進行方向に対する直交性(transversality)が維持されなければならないからである。リソグラフィ・レンズは物体空間および像空間でともにテレセントリック(telecentric)なので、対象とする像点
Figure 2005234571
141は、(zに沿うとみなされる)局所的な光軸150’上にあるとみなすことができる。任意選択で、当技術分野では周知のように、特定の像位置に固有の収差の影響を、そのフィールド位置に該当する開口絞り内での収差を適用することによって考慮に入れることができる。
Figure 2005234571
の方向に伝播する光線の場合、この光線の偏光は、(s,p)基底と対比してたどることができる。ただし、この光線の偏光のp成分はメリジオナル面220内にあり、この光線の偏光のs成分はp成分に直交し、以下のように表される。
Figure 2005234571
ただし、像空間132内での光線の方向
Figure 2005234571
およびレジスト層142内での光線の方向
Figure 2005234571
は、倍率(正弦条件)を用いて物体空間122の方向
Figure 2005234571
から、かつレジストの屈折率(スネル(Snell)の法則)から求められる。以下の恒等式
Figure 2005234571
が成立していることに留意されたい。というのは、式5の光線の偏光の
Figure 2005234571
成分と、式6の
Figure 2005234571
成分の間の符号の変化は、単にレンズ130によって光線の方向が反転する(すなわち、倍率が負になる)ことを表しているからである。像空間132とレジスト層142の間に区別がつけられていることにも留意されたい。本発明では必要とされないが、好ましくは、マスクからウェハへの伝播は、偏光光線追跡(polarization ray tracing)を用いて取り扱い、レジスト・スタック内への伝播は、従来方式の平面波薄膜手法(planewave thin-film approach)を用いて取り扱う。
大面積のリソグラフィ・シミュレーションを実用的なものにするには、マスクの回折についての仮定を簡略化することが慣行になっている。これは、2つの推量を伴う。第1は、いわゆる薄膜マスク近似(thin mask approximation)であり、第2は、(空間的な不変性に起因する)投影レンズのインパルス応答関数は、照明方向に関しても不変であるという仮定である。本発明では、これら両方の推量を偏光光源の場合に拡張する必要がある。縮小率が大きいとき、すなわち、集められる次数の伝播角が比較的小さく、かつマスクの構造体が比較的大きい場合には、これら両方の推量の状況がある程度改善する。ただし、マスク側NAが小さいときでさえ、パターン化されたマスク内でのトポグラフィ(形状)の強い影響によって、これらの推量はいずれも有効とはならないことがある。
ベクトルの影響
マスク側NAが小さいときには、各光源点の(2D)偏光方向を指定する2Dマップによって光源の偏光分布を表すことは難しくない。ただし、マスク側NAが無視し得ないときには、2Dへの変形(reduction)はある程度恣意的なものになる。慣例により、光源マップについての座標方向をx’およびy’と称する(すなわち、光軸はzに沿うとみなす)。照明方向は、(グローバルな)xおよびyの方向余弦によって指定し、局所的なx’およびy’の座標方向を用いて、各光線に沿った照明偏光を指定する。例えば、局所的なx’軸が、光線およびグローバルy軸を含む面220に直交するように(次いで、局所的なy’軸が、x’軸および光線201に直交するように)定義することによって照明偏光を指定する。x’およびy’方向に沿った単位ベクトルは、次のように表すことができる。
Figure 2005234571
ただし、
Figure 2005234571
は、グローバル座標系の単位ベクトルであり、
Figure 2005234571
は、照明方向である。
無偏光または部分偏光の光源は、独立した偏光光源について計算したこの系のカーネルを独立に重ね合わせることによって取り扱う。
空間的な不変性(spatial invariance)の仮定(すなわち、それぞれの局所的な結像フィールド内でレンズのインパルス応答関数が一定であることによって投影レンズ130を特徴づけることができるという仮定)は、主に投影レンズ130に関与するものである。ただし、部分コヒーレント照明を取り扱うために、従来、マスクによる回折についての関連した仮定、すなわち、(マスク形状を透過する振幅が、照明傾斜位相(illuminationtilt phase)によってのみ変化する状態で)照明方向がある光源点から別の光源点に移動しても、同じ一定のレンズ・インパルス応答関数をマスク形状に適用することによってマスクによる回折を正しく取り扱うことができるという仮定がなされている。同様に、この取扱いでは、投影レンズが空間的に不変のインパルス応答を示すことが求められる。このインパルス応答が光源の方向に関して不変であることは、光源偏光が単一である場合でさえ、厳密には必要とされない。しかし、インパルス応答が、光源の方向に対する拘束依存性(constraineddependence)に従わない限り、本発明の事前計算段階がかなり長くなる。以下では、この依存性を一般化した光源不変性と称する。このような光源不変性の最も簡単なモデルは、従来、スカラー・ホプキンスによる取扱いでなされる仮定を自然に拡張したものである。すなわち、投影レンズは、(位相の傾きを除いて)照明方向には無関係な2つのベクトル・インパルス応答関数に左右されることがわかる。このベクトル応答はそれぞれ、2つの光源偏光方向x’またはy’の一方に沿った偏光に対応する。マスク側NAが無視し得ない場合、光線の方向が変化するときに照明光線の偏光が実際には完全に不変になり得ないとしても、マスク側NAは少なくとも4分の1に小さくなるので、照明光線の偏光は、光線の方向が変化してもほぼ不変になる。
光源の不変性を近似することが必要とされないより複雑なモデルを用いて、効率よくあらかじめ計算を行うことも可能である。例えば、光源115は、それぞれ1対の光源インパルス応答関数によって左右される独立した領域(例えば、4重極の各極)に分割することができる。本発明によれば、一般化した双1次カーネルを求めるための効率的な積分では、この領域内での光源の完全な方向不変性は必要とされず、応答が、照明方向および集光方向(すなわち回折方向)に分離可能な関数の和になるだけでよい。
本発明では、当技術分野で周知の薄膜マスク近似を用いる。この場合、回折光の振幅は、マスク・パターンのフーリエ変換として計算される(あるいは、いくつかの実施形態では、マスク・パターンのぼかしたバージョン(rendition)のフーリエ変換として計算される。一般に、この関数は線形でなければならない)。この薄膜マスク構成(framework)を拡張して、真のマスク・パターンの代わりに実効パターンを使用することによって、マスク・トポグラフィによる影響に対応し得ることが示されている。この実効パターンは、そのフーリエ変換が真の回折スペクトルをより厳密に再現するものである。上記に沿う簡単な手法は、クロムの幅をわずかに広げて各エッジをバイアスする(一方に偏らせる)ことである。
本発明の好ましい実施形態では、マスクによる回折の簡単なモデルとして理想的なレンズの例を考える。軸上の光源点が、z成分をもたない方向
Figure 2005234571
に沿って偏光していると考える。
Figure 2005234571
の方向は通常、所与の光線201のメリジオナル面220に直交する成分を有する。
Figure 2005234571
のメリジオナル面220に直交する投影を、この光線の偏光のs成分とし、まず、このs成分の振幅が、レンズ130を通過して伝搬する際に維持されると仮定する(これは、理想レンズに当てはまることであり、一般の場合については後で考察する)。この最初の簡単な方法では、電場のs振幅は、この投影ファクタにマスク回折パターンの通常のフーリエ成分を掛けたものに等しいとみなされる。この回折パターンは、(NAが比較的小さいために)(従来技術で行われるのと同様に)スカラーに基づいて計算される。理想レンズの場合、電場のs成分は、
Figure 2005234571
になる。ただし、
Figure 2005234571
は、下記の式13で与えられるスカラー次数振幅である。
Figure 2005234571
からs成分を数学的に減算しても、その残りは光線220に対して横方向にならず、したがって、真のp偏光成分を表さない。マスク120からの回折を(NAが比較的小さいと仮定して)近似的に取り扱っているので、まず、(適切なスカラー回折次数振幅
Figure 2005234571
を掛けた)この面内
Figure 2005234571
成分の大きさを見つけることによって、p成分の大きさを計算し得ると仮定する。当然のことながら、このp成分の方向は、横方向
Figure 2005234571
に沿うものとみなす。p成分の符号は、sign
Figure 2005234571
とする。
いくらかの代数計算を行った後で、p成分が次のように与えられることがわかる。
Figure 2005234571
ただし、
Figure 2005234571
とした。式11は、以下の恒等式に従うことに留意されたい。
Figure 2005234571
というのは、(物体空間122内での光線220の伝播方向である)
Figure 2005234571
のxおよびy成分と、(像空間132内での光線220の伝播方向である)
Figure 2005234571
のxおよびy成分は、倍率の比で変化するだけであり、それらは分子と分母で相殺されるからである。
本発明者らのモデルでは、光線220に沿った電場の強さにも、この光線の伝播方向
Figure 2005234571
におけるマスク120のスカラー回折効率
Figure 2005234571
を掛けることになる。このスカラー回折効率は、光源方向
Figure 2005234571
からの単位照明強度については、
Figure 2005234571
で与えられる。ただし、
Figure 2005234571
は、マスク透過率関数である。
理想レンズでは、s偏光およびp偏光は合成されず、光線の強度は、レンズ内で吸収されない。上記で論じたように、光線220を、マスク120から回折し、例えばマスク面内のROI 310によって境界づけられた断面(またはそれを何倍かしたもの、ここでは1とする)で切り取られた単一次数とすることができる。ウェハ面内で張られる断面積は、ROI×Mに等しい(Mは、リソグラフィ・システムの倍率であり、一般にM=−0.25である)。ただし、この面積(area)は斜めにしか張られず、すなわち、光線の方向から見ると縮小されており、したがって垂直方向の断面積は、γ’分の1に縮小されている。ただし、γ’は、像空間132内での伝播方向である
Figure 2005234571
のz成分を示す。このように集中させることにより、電場の強さが増す。したがって理想レンズでは、この光線(回折次数)に沿う電場は、物体と像の間の比
Figure 2005234571
だけ変化する。簡単にするために、定数ファクタMを無視し(suppress)、いわゆる傾角ファクタ(obliquityfactor)を、
Figure 2005234571
と定義する。明示的には述べないことが多いが、いわゆる「1倍」のウェハ・スケール座標でマスク面の量を記述するのが慣行であることにも留意されたい。以下ではこの慣行に従い、マスク・スケールおよびウェハ・スケールの積分ドメインをともに「ROI」と称する。
光線220のs成分は、レジストの入射面に対して横向きであり(レジストの入射面は、この光線およびレジスト表面の法線を含む面である)、そのため、sベクトル成分は、透過率τ(Δz)でレジスト142内を伝播する。ただし、τ(Δz)は、ウェハ被膜スタック142を貫通して深さΔzに至るsの透過係数である。標準の薄膜法を用いて、p成分についての透過係数τ(Δz)を計算することもできる。これらの標準的な方法によって計算した透過係数により、この場の接線(正接)成分(すなわち、レジスト・スタック142の界面に平行な成分)が得られ、その結果、p振幅の大きさの透過係数として、
Figure 2005234571
が定義される。簡単にするために、以下の式では、Δzの依存性を無視する。
レジスト層142の底面が反射防止処理されている場合、レジスト142内の電場
Figure 2005234571
は、量
Figure 2005234571
に比例することになる。すなわち、
Figure 2005234571
になる。ただし、
Figure 2005234571
は、
Figure 2005234571
と定義する。同様に、像空間中の電場は、
Figure 2005234571
で与えられることに留意されたい。ただし、レジスト(式16)および像空間(式18)内での傾角ファクタ(obliquity factor)
Figure 2005234571
はともに、式14で与えられる同じファクタで与えられる。
式5、式6、式7、式8、式10、式11、式12、および式15を用いることによって、いくらか代数計算を行った後で、屈折率整合基板を伴うレジスト層内で、
Figure 2005234571
となることがわかる。ただし、
Figure 2005234571
は、
Figure 2005234571
の、レジスト・スタック142内の局所的な光軸に横向きの投影であり、
Figure 2005234571
になる。この最後の形式は、直交成分からなるベクトルを表す。式19の右辺の第1項
Figure 2005234571
は本質的に、低NAで得られる標準的なほぼスカラーの結果であり、残りの項は、ベクトル補正と考えることができることに留意されたい。ただし、式19の第1項に現れるτのファクタは、高NAでかなりの角度依存性をもつことがある。式19の大括弧[ ]内の項は、
Figure 2005234571
がゼロになると1次になる。というのは、垂直(法線)入射では、
Figure 2005234571
、γ”→1になるからである。したがって、予想されるように、NAの下限では
Figure 2005234571
が得られる。
ビームの円錐角(beam cone angle)は、レジスト中よりも空気中でより大きくなり、そのため、空気中の像(いわゆる空間像)が示す高NAでのスカラー挙動からの逸脱が、レジスト像が示すものよりも大きくなる。そのため、ベクトル干渉が重大な影響を及ぼすNAにおいて空間像でレジスト像を近似する際には注意を要する。この注意を念頭に置いて、式19の特別な場合として、空間像空間132内での光線に沿う電場
Figure 2005234571
についての簡単な式が次のように得られることを指摘しておく。
Figure 2005234571
式19の
Figure 2005234571
は、ウェハ144上の被膜のスタック142、例えば、レジストの上下の反射防止層、または他のプロセスによる被膜あるいはその両方の場合を含むように一般化することができる。単一の透過率τでは一般的な被膜スタック142への伝達は決まらない。振幅uを有し、下向きに移動して透過する波に加えて、レジスト層142は一般に、振幅vを有し、基板144から反射して上向きに移動する波も含むことになる。これらの振幅について解くために、被膜スタック142を上部サブスタックおよび下部サブスタックに分割する。これらのサブスタックは、レジスト内で像を計算したい深さの面によって分離されている。標準の薄膜法を用いて、上向きに移動する振幅vおよび下向きに移動する振幅uをそれぞれ計算することができる。上向きおよび下向きに移動するs成分(それぞれvおよびu)ならびにp成分(それぞれvおよびu)について別々に計算を行わなければならない。従来、薄膜法では、場の接線成分についての伝達係数が得られる。というのは、これらの係数について解く式が、界面全体にわたる接線成分の連続性を表しているからである。下記の本発明者らによる式26により、これらの成分から電場が完全に回復される。
これらの場について解くために、まず、各層ごとに、
Figure 2005234571
と定義する標準の薄膜特性行列を計算する。ただし、β≡2πndcosθ/λ、nは薄膜の屈折率、dはこの層の被膜の厚さである。Yは、s偏光についてはY≡ncosθ、p偏光についてはY=n/cosθと定義する層アドミタンス(admittance)であり、θは、(スネルの法則から計算される)この被膜内の光線の角度である。これらの被膜行列を掛け合わせて、上部サブスタックに対してはサブスタック行列Mを、下部サブスタックに対してはMを形成し、全スタック行列をMTot≡Mとする。次いで、
Figure 2005234571
の4つの線形な式を、(補助変数ρTotおよびτTotを消去して)uおよびvについて解き、s偏光およびp偏光についてこの手順を繰り返す。次いで、レジスト142内の場が、
Figure 2005234571
から得られる。ただし、
Figure 2005234571
は、
Figure 2005234571
と定義するものであり、vについても同様に定義する。
非理想レンズの場合、像空間内の電場は、当技術分野では周知のように、偏光の光線追跡によって求めることができる。像空間の場
Figure 2005234571
と、物体空間の場
Figure 2005234571
の関係は、ジョーンズ(Jones)行列Jによる乗算として、次のように表し得る。
Figure 2005234571
ここで、ジョーンズ行列Jを用いてレンズの複屈折性を含めることができる。次いで、式24の一般化したバージョン
Figure 2005234571
の中で、式25を用いることができる。式25および式26では、式5、式6、および式7のs、p基底(basis)を用いて行列Jが計算されると仮定する。そのため、式26の
Figure 2005234571
を用いて得られる像空間の電場
Figure 2005234571
は、被膜スタックのベクトルの影響を含む。
(式10の)電場Eのs成分と(式11の)電場Eのp成分は、単一のコヒーレント照明偏光
Figure 2005234571
によって記述される。無偏光照明は、以下でさらに論じるように、最初に選択した直交する
Figure 2005234571
からのコヒーレントによる寄与のインコヒーレント和として取り扱うことができる。
カスタマイズした光源偏光
別の重要な一般化は、カスタマイズした偏光すなわち調整された偏光を有する光源についてのものである。例えば、NAが1に近づくか、あるいは1よりも大きくなると、接線方向に(すなわち、傾いた入射面に直交する方向に)軸外(off-axis)照明を偏光させることによって、ある種のlow−k1構造体の像質を高めることができる。形式的には、このようなカスタマイズした偏光分布は、投影された照明方向
Figure 2005234571
Figure 2005234571
(したがって、
Figure 2005234571
)関数を作成することによって取り扱うことができる。この投影された照明方向は、式19との類推によって、
Figure 2005234571
と定義される。こうすると、マスクによって回折される光の偏光を、より一般的なやり方で取り扱うこともできる。
一般化した双1次カーネルに基づくベクトル像
本発明によれば、次に、レジスト142中の点
Figure 2005234571
における一般化した双1次カーネルを含む全体的な像
Figure 2005234571
についての式が得られる。そのためには、レジスト142中の各位置
Figure 2005234571
における(各光源点からの、かつ独立な各照明偏光からの)全電場ベクトルを計算し、次いで、
Figure 2005234571
を計算し、その後、すべての光源点σおよびすべての独立な照明偏光
Figure 2005234571
にわたって加算する。(m=1からm=mMax(一般に、mMaxは1または2に等しい)までの範囲にわたって、独立な光源偏光を加算することにより、無偏光または部分偏光照明を補償することができる。)像の式
Figure 2005234571
が得られる。以下でさらに論じるように、本発明によれば、式28の像
Figure 2005234571
は、この時点では
Figure 2005234571
で与えられる一般化した双1次カーネル
Figure 2005234571
によって表されている。式29は、光源関数
Figure 2005234571
および(レジスト・スタックについての情報も含み得る)レンズのインパルス応答関数
Figure 2005234571
だけから決まり、マスク透過率関数
Figure 2005234571
から独立している。
式28の最終行では、マスク・パターン
Figure 2005234571
を、「1倍寸法」でマスクを記述する一般慣行に従って、縮小率R=1/Abs(M)が1であるかのように記述した。式28中の積分は、技術的には無限遠(infinity)に拡張すべきであるが、実際には、計算上の理由から、レンズの分解能、例えば±〜4λ/NAよりもわずかに大きい(ROI 310などの)ドメインに限定される。
Figure 2005234571
は、この系の、収差を受けたスカラー瞳を表し、これは、デフォーカス収差を含み得る。投影レンズを照明することによる生じる像面内の電場分布を表わすために、記号
Figure 2005234571
も導入した。これを、レンズのベクトル・インパルス応答と称し、
Figure 2005234571
と定義する。ただし、
Figure 2005234571
は、所与の光源偏光mに対する投影インパルス応答であり、レンズの複屈折性を含めることもできるし、ゼロとは異なるデフォーカス位置に対応するデフォーカス収差を含めることもできる。
Figure 2005234571
は、レジストの分解能が制限されることの影響を含まないが、一般に、レジスト・スタック内の多重反射の影響を含む。ただし、式26の像の場についてのより一般的な表現の代わりに、(式21の場合と同様に)空間像の場
Figure 2005234571
を用いる場合、式30の投影インパルス応答関数
Figure 2005234571
により、レジストの影響を受けることなく、このレンズの空間像インパルス応答が得られる。さらに、式21中の先頭の項
Figure 2005234571
だけを残す場合、式30中では、ベクトル干渉、レジスト被膜スタック、レンズの複屈折性、カスタマイズした光源偏光、および光源における可変部分偏光の度合いを含む一般化したインパルス応答ではなく、スカラー空間像インパルス応答が回復される。
式24または式26の
Figure 2005234571
からは、レジスト中の特定の深さにおける場しか得られないことに留意されたい。このことは、単一の固定した像面内で計算した像にOPCを適用する一般慣行に適合するが、多くの場合、レジストの深さ全体にわたって平均した露光像に基づいてOPCを行うことが好ましい可能性がある。この深さ方向の平均は、例えばΔz=0.15λ/NAで離間したいくつかの面にわたって平均することによって近似し得る。(同様な方法でレンズの焦点全体にわたって平均して、例えば、結像ビームに対するウェハの位置決めの変動を補償することができる。最新の走査型リソグラフィ機器では、この変動の一部はまさに累積されることになる。というのは、この変動は、結像フィールド全体にわたってウェハが走査されるときに生じるからである。)面の総数をWとすると、(式24または式26から)各レジスト面ごとに得られる特定の
Figure 2005234571
の値を示す指数としてwを用いて、式28の像強度
Figure 2005234571
についての式に表れる双1次項は、
Figure 2005234571
になる。この式から、レジストの深さ全体にわたって平均化されたレジスト内の像が得られる。式31では、複数の面内で場を計算することが必要とされるが、深さ方向に平均した像を実際に用いると、(用いるカーネルの総数が同じである限り)この事前計算が完了した後で追加の計算は必要とされない。双1次項中に
Figure 2005234571
が対で現れるとき、w全体にわたって1回だけ加算すべきであることにも留意されたい。
Figure 2005234571
または
Figure 2005234571
の各複製(copy)の指数は、同じ値のwとする。
簡単にするために、式28の像強度
Figure 2005234571
についての式中の内部積分を、
Figure 2005234571
および
Figure 2005234571
のx、y成分についての4D関数である記号Vを用いて示す。その結果、本発明によれば、式28の像強度
Figure 2005234571
は、以下に示すようにマスク・パターン全体にわたる二重コンボリューションになる。
Figure 2005234571
ただし、
Figure 2005234571
であり、これは、本発明によれば、マスク透過関数とは独立の一般化した双1次カーネルである。そのため、本発明によれば、式32の像強度
Figure 2005234571
は、スカラー・ホプキンス積分の一般化とみなすことができるが、さらに、ベクトル回折、レジスト被膜スタック、および調整された光源偏光の影響を含む。さらに、本発明によれば、これにより、SOCS法が一般化されることになり、それによって4Dホプキンス積分が、2Dコンボリューションの二乗の和に変形される。さらに、ICマスク・パターンのポリゴン形状を利用する場合には、例えば、ケイ・ライ(K. Lai)他(米国特許出願第10/694,466号)が述べているように、マスク・パターン全体にわたるコンボリューション積分を迅速に計算することができる。レジストの屈折率が1に等しい場合、式32の
Figure 2005234571
は、空間像に等価になることに留意されたい。
マスクによるぼけ
しかし、マスクの形状
Figure 2005234571
は、厳密には多角形にならない。というのは、マスク製作ツールの分解能が有限であり、それによってパターン中のコーナが丸くなるからである。大雑把に言えば、マスク定義におけるこの損失を、マスクぼけ関数
Figure 2005234571
とのコンボリューションによって近似することができる。ぼけたマスク・パターンをm’と示すと、この近似では、式32の像強度
Figure 2005234571
についての、マスクによるぼけを含む代替式が以下のように得られる。
Figure 2005234571
ただし、
Figure 2005234571
である。遺憾ながら、式34の場合と同様に、マスクによるぼけを含む像強度
Figure 2005234571
は、値を求めるのに式32よりもかなり多くの計算を必要とする。というのは、関数m’が、2値ポリゴンではなく、連続的に変化する関数だからである。
しかし、以下のように、マスクぼけ関数
Figure 2005234571
の影響を含めるように、式28の強度
Figure 2005234571
を一般化することができる。
式35のマスク形状mを、式34の強度
Figure 2005234571
に代入すると、
Figure 2005234571
が得られる。変数を、
Figure 2005234571
のように変更すると、
Figure 2005234571
が得られる。ただし、
Figure 2005234571
であり、ここで、
Figure 2005234571
は、マスクなしの一般化した双1次カーネルである(式33参照)。さらに変数を変更して式38および式39を変形することが好都合であり、それによって、
Figure 2005234571
が得られる。ただし、
Figure 2005234571
である。
式40では、式34で用いるぼけたマスク
Figure 2005234571
ではなく、公称上のポリゴン・マスク・パターン
Figure 2005234571
が結像されることに留意されたい。
このように、本発明によれば、式40の像強度
Figure 2005234571
は、式41の一般化した双1次カーネル
Figure 2005234571
を含む。この一般化した双1次カーネルは、マスク製作から生じるぼけを含み、一般化したベクトル・モデルを用いて、光学系によって(かつ、被膜スタック内での多重反射によって)生じるぼけを補償する(干渉するベクトル場によって生じ得る高NAにおけるコントラストの損失も補償する)。
ただし、レジストによるぼけは、レジストの分解能が有限であるために生じることがある。上記で論じたように、このレジストによるぼけは、光学像とぼけ関数とのコンボリューションによって、あるいはそれと等価には、変調伝達関数(modulation transfer function;MTF)により像の空間周波数成分を減衰させることによって補償し得る。しかし、このような方法は、レジストぼけ関数と像との直接的なコンボリューションを伴い、効率が悪い。
レジストによるぼけ
本発明によれば、例えば、2Dフーリエ変換(ハンケル(Hankel)変換)により、以下のようにレジストMTF(変調伝達関数)の測定値から実効レジストぼけ関数を求めることによって、レジストによるぼけの影響を像の中に効率よく含めることができる。
Figure 2005234571
ただし、
Figure 2005234571
は、レジストの露光応答、より具体的には、レジスト・スタック構造内のある面における露光応答であり、Jはベッセル(Bessel)関数である。レジストの露光応答は一般に、測定または推定するか、あるいはレジスト製造業者から提供される。リソグラフィに関係する像は、
Figure 2005234571
により光学像から求められる。遺憾ながら、この光学像
Figure 2005234571
は連続的に変化するものであり、それによって、OPCに必要とされる迅速な方法で式43を積分することが難しくなる。ただし、本発明によれば、式41に含まれる現象の拡張リストにレジストによるぼけが追加されるように改変された一般化した双1次結像カーネルV”を用いて、次のようにレジストの分解能を補償し得る。
Figure 2005234571
ただし、本発明による変形された一般化した双1次カーネル
Figure 2005234571
は、
Figure 2005234571
であり、この式は、レジスト・スタックの深さまたはある範囲の焦点位置、あるいはその両方の範囲全体にわたって平均したレジストによるぼけを含む。この一般化した双1次カーネルV”は、レジストぼけ関数g2Dと組み合わせた投影インパルス応答関数(projection impulse response function)
Figure 2005234571
も含む。一般化した双1次カーネルV”は、マスクによるぼけbおよびベクトル結像の影響も含む。レジストぼけ関数、マスクぼけ関数その他のレジスト・スタックによる影響のいずれか1つと組み合わせたものを、以下では露光応答と称する。Wが1の場合、式45は、単一のレジスト面におけるレジストによるぼけを表す。
Figure 2005234571
で与えられる式45の一般化した双1次カーネルの最後の項は、(スカラーまたはベクトル)投影インパルス応答、マスクによるぼけ、およびレジストによるぼけを含めて、リソグラフィ・サブシステムの双1次インパルス応答を表すことに留意されたい。さらに、本発明によれば、このサブシステムのインパルス応答は、(マスクによるぼけを伴わずに)レジストによるぼけを伴うスカラーまたはベクトルの投影インパルス応答、あるいは、(レジストによるぼけを伴わずに)マスクによるぼけを伴うスカラーまたはベクトルの投影インパルス応答を含み得る。
式45の一般化した双1次カーネルV”は通常、レンズの一般化したベクトル・インパルス応答
Figure 2005234571
(式30)を利用することになるが、その代わりにこのインパルス応答
Figure 2005234571
を、式21の電場の項
Figure 2005234571
、または式21の先頭の項
Figure 2005234571
を用いて計算して、空間像またはスカラー空間像にそれぞれ関与する一般化した双1次カーネルが得られることを上記で述べた。
任意選択で、マスクによるぼけ、レジストによるぼけ、深さ平均化、および焦点平均化を後で追加し得る。
TCC(Transmission Cross-CorrelationCoefficient;透過相互相関係数)
式45の一般化した双1次カーネル
Figure 2005234571
をフーリエ変換すると、TCC(透過相互相関係数)として知られているものの一般式が次のように得られる。
Figure 2005234571
ただし、大文字の各変数は、小文字の同じ記号で示す空間ドメイン量のフーリエ変換を示す。変数Hは、この規則の例外であり、Hを用いて、傾角ファクタ(obliquity factor)Oと組み合わせた円形のレンズの瞳P(例えば、スカラー投影インパルス応答関数のフーリエ変換に等しい円形のトップハット関数(tophatfunction))、またはより一般的には、存在し得る傾角ファクタおよびレンズのデフォーカスと組み合わせた収差を受けたスカラー瞳を示す。
レジストによるぼけモデルへの適用
式45の一般化した双1次カーネルV”は、レジスト・スタック内での多重反射によってもたらされる光学的な露光におけるぼけ、レジスト材料自体の分解能が有限であることの影響、および(深さ全体にわたって平均化した場合の)レジスト層内でのデフォーカスの影響、ならびにベクトル場を結像する有限NAレンズに固有な分解能の制限を含む。ただし、この一般化した双1次カーネルV”は、(露光されたレジストのパターンを現像するのに使用する化学物質である)現像液が、露光潜像と相互作用して現像された回路構造体を転写(印刷)する際に生じる動的な影響も、現像されたレジスト構造体を無機回路被膜に伝達(転写)する際に生じる類似の影響も含まない。レジストは、ハードによる制限(hard-limited)を強く受けるので、これらの動的な伝達の影響は小さい。例えば、レジストは、Γをレジスト・コントラストとするべき法則による非線形性によって特徴づけられる。このレジスト・コントラストΓは、一般に10よりも大きい。そのため、レジストの現像は、一次のオーダーでは(tofirst order)定数閾値モデルに従い、所与の構造体のエッジを指定したターゲット位置に転写するという目標は、その位置における強度が基準強度に等しくなるように要求することによってほぼ満足される。この基準強度は、特にクリティカルな構造体のエッジ強度として選択することが多い。というのは、最もクリティカルな構造体のエッジが公称位置に(atnominal)転写されるように現像プロセスを全体的に調整するからである。
しかし、実際には、レジスト・コントラストΓは無限大にはなり得ない。そのため、転写される構造体は通常、公称上の像の輪郭からわずかに離れるようにバイアス(bias)されることになる。これは、バイアスとして、あるいは等価には(バイアスが小さい場合)、エッジ強度の実効的変化として補償し得る。ブラナー−ファーガソン(Brunner-Ferguson)・モデルなど、ある種の現像モデルでは、このバイアス(または強度変化)は、公称エッジ位置における強度および強度勾配の関数としてモデル化され、これをf(I,∂I/∂x)と示す。(一般性を失わずに、水平の向きの構造体の右側エッジを考えると、像の勾配は、xに沿った正の導関数として表すことができる。)fを級数に展開する場合、そのエッジにおける実効強度について、
Figure 2005234571
が得られる。ただし、
Figure 2005234571
は、∂I/∂xの略式表現であり、
Figure 2005234571
は、基準構造体のエッジを指す。ここで、f(1)およびf(2)は、小さな補正係数を表す。
係数f(1)およびf(2)は、解析的に、あるいは、実験データに適合させることによって求めることができる。この実効強度は、異なるパラメータc、c、およびcに関して、
Figure 2005234571
と等価的に表し得る。強度Iに関する一般化した双1次カーネルVが、本発明による上記で説明した方法によって得られる場合、直接代入することによって、cおよびcが組み込まれるようにこの一般化した双1次カーネルVを直ちに変形することができる。
Figure 2005234571
に関するカーネルは、いくつかの方法で、例えば、Vの固有ベクトル展開式を微分することによって得ることができる。次いで、実効強度Ieffを、強度および強度勾配の別々の計算値から後で計算するのではなく、直接計算することができ、それによって実行時間が短くなる。本発明によれば、一般化した実効双1次カーネルが、次のように得られる。
Figure 2005234571
ただし、Lは、一般化した双1次カーネルV”の保持する固有関数Ψの数を表す。
Figure 2005234571
は、xに関するΨの部分導関数である。次いで、一般化した実効双1次カーネルVeffを対角化して1組の最終の固有関数にする。
同様に、他の実験的な項をVeffに追加し得る。エッジ近傍において、Iの挙動に対するΔIの一般的な汎関数(functional)依存性を仮定すると、この依存性を汎関数テイラー(Taylor)級数に展開し、1次カーネルΩを伴うIの積分の形を取る最低次数の線形項(すなわち、汎関数テイラー級数の1次項)を得ることができる。すなわち、
Figure 2005234571
となる。ただし、明示的な適合定数cを含めた(これはΩに吸収させることもできる)。Ωは、CDデータ、例えば、多くの異なる補助構造体の組合せを含むCDデータに対する適合度から求めることができる。適合処理中に、正則化項(regularizing term)を追加することができ、それによって、Ωの滑らかで単調な挙動が確保される。Ωが求まると、単に線形係数cを調整し直すことによって、この適合度を、後のデータに対して更新することができる。こうすると、
Figure 2005234571
が得られる。ただし、ΔVΩは、式45の一般化した双1次カーネル
Figure 2005234571
の中のレジストぼけ関数g2Dの代わりに、
Figure 2005234571
で与えられる補正された影響関数gΩを用いることによって得られる。(この影響関数を実験的に求めると、直接gΩが求まる可能性がある。)式52中の(1+c)およびcの項は、全ぼけ関数
Figure 2005234571
として合成することができることに留意されたい。多くの場合、gΩは、g2Dよりも長い範囲の関数である。そのため、形式的には、gをレジストぼけ関数の遠距離成分、あるいは、別の(しばしば密度のような(density-like))影響関数とみなすことができる。cおよびcにおける再調整が企図されない場合、(反復によって)式52のc勾配項中でVeff自体の固有関数が使われるようにする1回限りの適合処理を実施することが望ましい可能性がある。これは、適合するカーネルを後で適用することに対応していない既存のOPCソフトウェアに、表形式のカーネルを入力する場合に好都合である。一方、範囲が長いというgΩの特徴により、保持する固有ベクトルの数が多くならざるを得ない場合、c項を、主像の一般化した双1次カーネルV”とは別のままにし、OPCの計算を最も正確に行う必要がある場合にのみ、c項を強度に追加することが好まれることがある(例えば、プリント・スルー(print-through)または基本像の極性を確認するとき、あるいは、OPCの初期反復を実施するときにはc項を追加しない)。
SOCS分解の一般化
本発明によれば、一般化した双1次カーネルを用いて、SOCS分解を一般化することができる。一般化した双1次カーネル演算子V”の支配的な固有関数(あるいは、演算子T”の支配的な固有関数のフーリエ変換(その後、これらはフーリエ変換される))、およびそれらに関連する固有値を計算する。固有関数Ψおよび関連する固有値μは、次式を満足する。
Figure 2005234571
高速事前計算
式55は、行列固有分解(matrix eigendecomposition)法を用いてΨおよびμについて解くことができる。一般に、10個または20個の最も大きい固有値および関連する固有関数だけを計算するだけでよい。(これらを支配的な固有要素と称する。)これらの固有要素は、式55の積分を、グリッド・ステップを0.2λ/(NA(1+σMax))程度とするグリッド上での加算として近似することによって見つけることができる。ここで、σMaxは、用いられる中で最も斜めに入射する照明方向の傾きを示す。例えば0.4という下限をσMaxに設定することもできる。これは、実際に用いるσの最大値がこれよりもいくらか小さい、ほぼコヒーレントな(near-coherent)特定の露光プロセスにも当てはまる。したがって、一般化した双1次カーネルVを、行および列に沿ってステップ・アウトした(stepout)変数
Figure 2005234571
および
Figure 2005234571
を有する行列として近似し得る。(これらの変数はそれぞれ、実際には2次元であるが、それらに関連する2Dグリッドを解放(unwrapped)して、行列の軸に沿う分解された(unraveled)線形グリッドにする。)
可変グリッドの事前計算
行列のサイズは、可変グリッド・アルゴリズムを用いることによって、精度を犠牲にすることなく小さくし得る。このアルゴリズムでは、一般化した双1次カーネルが小さいか、またはゆっくりと変化するか、あるいはその両方の場合には比較的粗いグリッドを用いる。k番目の行または列におけるxおよびyのグリッド・サイズをΔxおよびΔyとする。次いで、グリッド処理し直した行列
Figure 2005234571
が、
Figure 2005234571
で与えられる改変された離散行列式
Figure 2005234571
の固有ベクトルΨ’(x,y)を計算すると、結像カーネルVの所望の固有ベクトルΨ(x,y)は、
Figure 2005234571
で与えられることになる。
縮小基底による事前計算
カーネル行列(式57)の支配的な固有ベクトルおよび固有値(式58)は、ランチョス(Lanzos)法などの標準的な方法で得ることができる。これらの標準的な方法では、支配的な度合いが最も低い固有要素の計算を回避することができ、それによって効率が向上する。
行列のサイズは、適切な縮小基底にマッピングし直すことによって、かなり小さくし得る。適切な縮小基底は、例えば、類似のシステム・パラメータの下で得られた以前に計算済みの固有ベクトルからの縮小基底ベクトル、あるいは粗いグリッドによる解から形成した縮小基底ベクトルなどの新しい縮小基底ベクトルによって元のカーネル行列の固有ベクトルが近似されるように得られることが好ましい。同様に、このような縮小基底の行列に対して固有解析を実施して、反復固有解アルゴリズム用の良好な開始解(starting solution)を得ることができる。そのために、この縮小基底の行列の固有ベクトルを変換して、元のグリッド基底に戻す。次いで、必要な場合には、ランチョス法などの方法によって、元のカーネル行列の固有ベクトルを反復して精緻化することがある。
カーネル行列(空間ドメイン内の一般化した双1次カーネルV、またはフーリエ・ドメイン内の一般化した双1次カーネルT)中の要素の総数は、ROIの4乗に比例し、これらの固有要素を計算するのに必要とされる時間は通常、これよりもさらに速く増加する(例えば、固有解析の計算時間は、要素の数の3/2乗に比例することがある)。ROIを通常よりも大きくしなければならない場合(例えば、離れた構造体からのフレアその他の相互作用を含めなければならないとき、あるいは、実効レジストぼけ関数が長く尾をひくとき)には、カーネルおよびその固有関数の計算に伴う事前計算を最小限に抑えることが特に望ましい。これは、例えばデータ・フィッティングなどで多くの異なる系のモデルを計算しなければならないときにも重要である。
事前計算への対称性の適用
本発明によれば、一般化した双1次カーネルの値の計算(evaluation)時間は、カーネルのエルミート(Hermitian)対称性を利用すると、すなわち、
Figure 2005234571
を利用してカーネルの値の計算の半分をなくすと、2分の1に短縮し得る。
ROIの境界を円形とみなすことは、多くの場合許容可能である。その場合、(カーネルの各変数において)正方形ドメインではなく円形ドメインを用いて、カーネルの値の計算時間および行列のサイズをともに、(π/4)分の1に減少させることができる。
通常、カーネルの値の計算時間および固有解析時間はともに、系の対称性を利用して大きく減少させることができる。例えば、投影レンズは、残余の不完全さを無視すれば、公称上回転対称であり(少なくとも、基になる設計形態の公称軸は、物理的なリソグラフィ・レンズ自体が軸外結像フィールドを利用するときでさえ、回転対称である)、通常、OPC補正を実施するときに残余の非対称性を含めることは望ましくない。というのは、収差に固有な補正では、機器に固有なマスクを使用することが必要とされ、この補正がチップ全体にわたって異なる場所で繰り返し行われるときには、単一の回路要素が複数のOPC解法を強制的に受けることにもなるからである。デフォーカスは、場合によってはこの規則の例外になる。すなわち、デフォーカスは、OPCを行う際に考慮に入れるべき1つの収差になることがあるが、デフォーカスでは回転対称性が保存される。
本発明では、対称でない系を取り扱うことができる(かつ、単一の平均化した4Dカーネルを使用することによって走査経路(scan path)全体にわたって平均した像を扱うことができる)が、対称性を利用すると事前計算はかなり高速になる。
系が対称であるためには、光源においても対称性が求められる。残余の光源非対称性はほとんどの場合、残余のレンズ対称性と同様に、OPCを行う際に意図的に無視されるが、公称上の(nominal)光源でさえ、レンズよりももともと対称性の度合いが低いことがよくある。(例えば、レンズが回転対称であっても、光源が双極子形状(dipoleshape)を有することがある。)ほぼすべての場合において、(公称上の)光源形状は、x軸およびy軸について少なくとも左右(bilateral)対称である。ほとんどの場合、光源は、45°、135°の対角線についても対称であり(というのは、これにより、垂直および水平の向きの構造体において釣り合いのとれた性能が得られるからであり)、主な例外は、双極子の光源である。場合によっては、光源形状も回転対称(例えば、ディスクまたは環状の光源)である。これらの形状対称性は、光源が無偏光のときには光源において全体として保存され、好ましくは、光源の偏光がより複雑な分布に意図的にカスタマイズされるときにも維持されるべきである。公称投影レンズ(デフォーカスを伴う場合でも)、ならびにレジスト・スタック内の等方性(isotropic)被膜、さらに等方性のマスクおよびレジストのぼけ関数は、これら慣行の光源対称性のいずれにもあずかることになる。そのため、系全体の対称性を一般に決めるのは、光源の対称性である。
事前計算における左右対称性の適用
OPCが対象とするほぼすべての場合において、系は、x軸およびy軸について左右対称を示す。ここでは、これを「双極子対称性」と称する。というのは、(おそらくは、リソグラフィで使用する公称光源のうち、最も対称性が低い)双極子光源でさえこの対称性に従うからである。双極子対称性を有する光源は、実際には4重の鏡面対称性を有することに留意されたい。すなわち、
式60
V(x’,y’;x”,y”)≡V(−x’,y’;−x”,y”)
V(x’,y’;x”,y”)≡V(x’,−y’;x”,−y”)
である。式60は、一般化した双1次カーネルVの固有関数において類似の対称性を要求する。これを理解するために、Ψ(x’,y’)がこのような固有関数である場合、式55に例えばΨ(−x’,y’)を直接代入した後で式60を適用すると、Ψ(−x’,y’)も、同じ固有値を有するVの固有関数になることが示されることに留意されたい。そのため、線形な組合せ
Figure 2005234571
を形成することによって、xに関して(同様にyに関しても)Vの固有関数が奇関数または偶関数のいずれかになることがわかり、また、μに関する2重(two-fold)の縮退(degeneracy)の場合には、関連する固有関数が、奇関数または偶関数のいずれかにしかならない副空間(subspace)固有基底関数にまたがることがわかる。
次いで、パラメータξによって、Ψが奇対称のときξ=−1になり、偶対称の場合にξ=+1になるように、xに沿ったΨの奇対称または偶対称を指定する。同様に、パラメータξを用いて、Ψのyに沿った対称性を指定する。式55の積分中の変数を適当に変更することによって、積分のドメインを、次のように正のx’、y’象限にマッピングし直すことができる。
Figure 2005234571
式61中の積分ドメインの面積は、式55中の積分ドメインの面積の4分の1であり、x”、y”に関する範囲の4分の1の広さ(すなわち、0<x”<ROI、0<y”<ROI)にわたって値を求めるだけでよい。というのは、他の(負の)象限では、対称性によって(ξ、ξに従って)Ψが求まるからである。そのため、式61を離散化させることによって得られる行列に含まれる要素の数は、単に式55を離散化させることによって得られるであろう数の16分の1であり、式61の行列の固有要素をはるかに迅速に(例えば、固有解法のスピードが要素の数の3/2乗に比例する場合には、64分の1の時間で)見つけることができる。ただし、式61は、(ξ、ξの4つの異なる組合せがあるので)4回解かなければならず、そのため、典型的な例では、固有解法の総時間は、このように系の左右対称性を利用すると、約16倍向上し得る。本発明の一般化した双1次カーネルVの値を求める点の数は4分の1だけでよいので、スピードも速くなる。ξとξの組合せごとに別々の(支配的な)固有解が得られた後でそれらを合成し、それを用いてVの支配的な固有要素が得られる。一般に、ξ、ξの異なる組合せにより、異なる固有値が得られることに留意されたい。
事前計算への4重極対称性の適用
x軸およびy軸についての対称性を有することに加えて、光源(および全体としての投影系)は、ほとんどの場合、±45°の対角線についての左右対称性も有する。ここでは、これを「4重極(quadrupole)対称性」と称する。というのは、標準の4重極光源形状がこれに従うからである。これは、各8分円の境界について、この系が8重の鏡面対称性を有することを示唆していることに留意されたい。このような系に対する一般化した双1次カーネルは、
式62
V(x’,y’;x”,y”)≡V(y’,x’;y”,x”)
の関係に従い、引き続き、式59および式60の双極子ならびにエルミート対称性に従う。双極子対称性に対して上記で行ったのといくらか同じやり方で、式62の対称性を利用し得るが、4重極の場合はより複雑である。式61を満足する固有関数の転置行列(transpose)Ψ(y’,x’)の代わりに、4重極対称カーネルを式61の演算子に代入し(すなわち、折り畳まれた双極子対称カーネルを、転置した(対角線について反転した)固有関数に適用し)、次いで、積分中の変数を、x’→y’、y’→x’に変更し(入れ替え)、その後、式62を適用する場合、(ξおよびξを適切に選択すると)Ψ(y’,x’)が、Ψ(x’,y’)と同じ固有値を有するVの固有関数になることがわかる。さらに、ξ=ξである場合、転置した固有関数は、Ψ(x’,y’)と同じ双極子対称性を有することになり、すなわち、同じ値のξおよびξの下で式61を満足することになる。そのため、まず、双極子対称性ξ=+1または−1に従う4つの固有関数のサブセットを求めることを考える。ただし、ξは、ξ≡ξ=ξによって定義する。4つの固有関数からなるこの組は、式61を、下記のように1つの8分円に対する積分に変形することによって得られる。
Figure 2005234571
ただし、ξ45は、+1または−1とし得る。離散グリッドに(すなわち、行列式に)変形することによって式63を解く場合、所与のξについての解は、(ξ45=+1およびξ45=−1の選択に対応する)2つの行列の選択についての固有解析を必要とする。それぞれの選択では、双極子対称性の場合からサイズが4分の1に小さくなっている。こうすると、解法時間が要素の数の3/2乗に比例する場合、双極子固有解析の対応する部分に比べて正味4倍のスピードの向上がもたらされる。必要とされるカーネルの値の計算は2分の1に減る。
残りの4重極対称固有関数は、ξ=−ξに関連するものであり(すなわち、これらは、反対の対称性、すなわち、x−y非対称の双極子対称性と名付けることができるものを有する解であり)、これらは式63で利用した種類の8分円の(octagonal)折畳み(folding)に従わない。これは、上記の式61にΨ(y’,x’)を代入することによって理解し得る。この場合、転置したΨは、Ψ(x’,y’)と同じ固有値を有するが、反対の双極子パラメータを有する(すなわち、ξ→ξ、ξ→ξとした)固有関数であることがわかる。そのため、このような固有要素を計算する際に4重極対称性を利用するために、まず、式61の折り畳まれた双極子対称性カーネルを用いて、反対の対称性の1つの組合せを解く(例えば、ξ=+1、ξ=−1を選択し、双極子としてこのケースを解く)。こうした後で、第1の組の転置行列をとる(例えば、Ψ(y’,x’))ことによって、残りのケース(例えば、ξ=+1、ξ=−1)についての固有関数が直ちに回復される。これは、双極子解法の対応するステップに比べて正味2倍のスピードの向上を示している。同様に、式62を利用すると、必要とされるカーネルの値の計算は半分だけでよい。
4重極対称性は、Ψ(x’,y’)が固有関数であるときはいつでもΨ(y’,x’)が固有関数になることを示唆しているが、これは、ξ=ξ=±1のときにはむしろ自明な結果である。というのは、このような場合には、式63の8分円の折畳み対称性は、Ψ(y’,x’)とΨ(x’,y’)が実際には(−1を掛ける範囲内で)同じ関数になることを示しているからである。しかし、残りの2つの双極子のケース(ξ=−ξ=+1およびξ=−ξ=−1)についての固有関数は、簡単な転置行列によって関連づけられているが、(同じ固有値を有する)別個の関数であり、そのため、これらのケースで得られる(等しい)固有値は、2重に縮退している。ξ=−ξのときには、Ψ(y’,x’)とΨ(x’,y’)の任意の線形な組合せも、同じ固有値を有する固有関数になる。
事前計算における回転対称性の適用
光学系が回転対称である場合、アール・エム・フォン・ビュノー(R.M. vonBunau)、ワイ・シー・パティ(Y.C. Pati)、ワイ・ティー・ウォン(Y.-T. Wang)、「放射対称光学系用の最適なコヒーレント分解(Optimalcoherent decompositions for radially symmetric optical systems)」、真空科学技術ジャーナル(J.Vac. Sci. Technol.) B15、no.6 (1997)、2412頁に開示されている方法の数値バージョンを用いて、固有要素を見つけることができる。以下、この文献をフォン・ビュノーと呼ぶ。(フォン・ビュノーは、ディスク状または環状の光源の場合の収束したホプキンス・カーネル(focusedHopkins kernel)の固有関数の解析的な式も見つけた。)おそらくは、現在用いられているリソグラフィ光源の大部分は、ディスク形状または環状であり、これらの光源は、無偏光または接線方向に偏光している場合(あるいは、スカラーとして取り扱う場合)には円対称になる。デフォーカス下では、回転対称性が保存される。等方性のマスクまたはレジストによるぼけの存在下でも、レジスト被膜スタックの等方性の層内でも同様である。回転対称性は連続な対称性であり、以下で示すように、これにより、固有問題の次元の数を1つ少なくすることができ、それによってかなりの時間が節約される(問題のサイズが大きくなるにつれ、ますますそうなる)。さらに、ここでは支配的な固有要素にしか注目していないので、対称性により導出された3Dカーネルの分解を、いくつかの2D問題の分解で置き換えることができるという意味で、次元の数を4から「2.5」に減らすことができる。実際の関心事の点では、この追加の時間的な節約は相当なものである。放射対称性により、高速ハンケル変換を用いてすべてのフーリエ変換が効率よく実行されることにも留意されたい。
このような節約を実現する方法を理解するために、無偏光光源の場合の式45の一般化した双1次カーネル
Figure 2005234571
を考える。この場合、mMaxは2であり、x方向およびy方向に偏光した照明下の相関のない像全体にわたって和が拡張される。そのため、式10の電場のs偏光成分および式11の電場のp成分についての理想レンズ・モデルの下で、本発明によれば、一般化した双1次カーネルV”は、
Figure 2005234571
になる。ただし、
Figure 2005234571
は、式2のホプキンス・カーネル中に現れるコヒーレンス関数であり、投影インパルス応答関数は、
Figure 2005234571
である。したがって、1つの8分円全体の
Figure 2005234571
に対して、関数
Figure 2005234571
を形成し、次いで、対称性によって、
Figure 2005234571
のドメインの残りを埋める。FFTによってfとg2Dとのコンボリューションを行った後で、本発明によれば、一般化した対称な双1次カーネルV”を、極座標の3D関数として、次のように表すことができる。
Figure 2005234571
ただし、θ≡θ’−θ”である。
次いで、
Figure 2005234571
のm次の方位フーリエ成分(azimuthal Fourier component)を以下のようにvと示すと、
Figure 2005234571
となり、所与の値のmについての固有解析問題を、純粋な放射方向(各変数に関して1D)の問題に変形することができる。m番目の方位次数に関連する、V”のこれらの固有関数を計算するときに、j番目のこのような固有関数が、
Figure 2005234571
で与えられることがわかる。ただし、ψ’j,mは、vから得られる対称化した2D放射方向カーネルのj番目の固有関数を示し、すなわち、
Figure 2005234571
である。λj,mは、Ψj,mに関連する固有値である。これらの固有値は、m≠0のときに縮退することに留意されたい。この場合、式69で+mおよび−mについて定義した固有関数Ψj,mにより、副空間にまたがる1つの対が得られる。mについての妥当な値は約10である。
一般化した双1次カーネルのOPCへの適用
固有要素を計算した後で、従来方式のOPC方法で行う場合とほぼ同じやり方で、OPC断片点(fragmentation point)における本発明による像強度
Figure 2005234571
を計算することができる。これは、例えば、支配的な各固有関数Ψごとに1組のセクタ・コンボリューションCΨをあらかじめ記憶させることによって行うことができる(縦横の幾何形状(Manhattan geometry)に対しては、この組は、90°のコーナとのコンボリューションを示す単一のこのようなセクタ・コンボリューションを含むだけでよいが、他の幾何形状では、他のコーナ角度についての追加のコンボリューションを必要とする。)次いで、点
Figure 2005234571
における像強度を、M個の支配的な固有要素およびROIに取り囲まれたL個のコーナ全体にわたって加算することによって、次のように計算する。
Figure 2005234571
ただし、
Figure 2005234571
は、l番目のコーナの位置であり、δは、このコーナを含むポリゴンの周囲をたどるときにこのコーナが現れる順番に応じて+1または−1になる(ケイ・ライ他、米国特許出願第10/694,466号を参照されたい)。こうすると、(ホプキンス・モデルとともに使用するように設計されたソフトウェアを含めて)MBOPCソフトウェアが、このCΨのテーブルを用いることができる。
式71を、例えば、ポリゴンのエッジに直交する方向に、位置
Figure 2005234571
に関して微分するのは簡単であり、CΨの導関数のテーブルをあらかじめ記憶させることができる。すなわち、以下でさらに論じるように、像の傾きを伴うレジスト現像モデルも、本発明によって実現される高速な計算スピードを活用することができる。
この時点で、一般化した双1次カーネルV”についての式45および透過相互相関係数T”についての式47のいくつかの計算の態様を検討することが適当である。これらの値の計算は、
Figure 2005234571
が、
Figure 2005234571
および
Figure 2005234571
の両方に依存していることによって複雑になる。(もちろん、この値の計算は、本発明の事前計算ステップ中に行うだけでよく、この計算の結果、カーネルの固有関数が得られた後で、対象とするマスク形状に本発明を実際に適用するときには、式45の計算の負荷は発生しない。)偏光光源に関する式27に関する議論で述べたように、光源の偏光がカスタマイズされた(不均一な)状態では、
Figure 2005234571
Figure 2005234571
への依存性が生じる。最もよく知られている例は、おそらくは、TE(横方向電場)偏光中の(高NAにおける)クリティカルな空間周波数を結像するために偏光が接線方向に向けられる環状光源である。マスクとウェハの間で生じる、光線の偏光
Figure 2005234571
の偏光の変化は、回折方向
Figure 2005234571
にしか依存しないが、マスクから回折する偏光は、照明光線の偏光、したがって、
Figure 2005234571
にも依存することになる。χおよびχが、(上記で説明した光源偏光についての局所的な座標系における)照明光線のx’およびy’の偏光成分を示すものとすると、χおよびχにより、調整された、またはカスタマイズし得る光源の偏光分布のマップが得られる。次いで、薄膜マスク近似を用いて、マスクから回折した後の光線偏光のp成分についての式が、下記のように得られる。
Figure 2005234571
(s成分についても類似の式が当てはまる。)ここで、
Figure 2005234571
は、マスク・パターンのフーリエ成分であり、式13で与えられる。照明光線に沿う強度
Figure 2005234571
が別の項として取り出されるように選択して、χおよびχを単位ベクトルの成分とした。係数Dは、回折される偏光の照明偏光への依存性を表す。例えば、上記で論じた空間的な不変性についての一般化した仮定の下で、例えばx’方向に偏光した光源のケースでは、回折される偏光が照明光線方向からは独立しているとみなすことになる。この
Figure 2005234571
についての独立性を、(光源Sではなく、瞳Hを示すために)上付き文字(H)を追加することによって示す。式10および式11を導出するために上記で用いた特定のモデルをさらに適用すると、
Figure 2005234571
が得られる(式11参照)。(pの単位ベクトルもD(H)に吸収して、それをベクトル量とした。)
式45の一般化した双1次カーネルV”を含む積分の迅速な値の計算に、式73の簡単な空間的不変性モデルを無理に用いる必要はない。より一般的には、
Figure 2005234571
を(
Figure 2005234571
とともに)光源の各領域内で分離可能な形で記述し得ることを仮定するだけでよい。例えば、光源を合計J個の領域に分割し、それぞれを指数jで参照する場合、J個の各光源領域ごとに、
Figure 2005234571
になることが必要である。(D(H)またはD(S)のいずれかをベクトル量とし得る。)式25のレンズ・パラメータおよび式26の被膜スタック・パラメータがともに、照明方向とは独立していることに留意すると(かつ、様々な光線方向変数k”、k’と
Figure 2005234571
との簡単な幾何形状的対応を念頭に置くと)、光線方向への、
Figure 2005234571
におけるすべての依存性を、光源偏光に固有な(すなわち、所与の照明光線に沿った特定のx’およびy’成分に固有な)、かつ光源領域jに固有な、(
Figure 2005234571
で示す)一般化した係数Dに折り畳む(collapse)ことができる。こうすると、投影インパルス応答関数
Figure 2005234571
の式30が、
Figure 2005234571
になる。ただし、(指数jを通るものを除く)照明光線方向に依存しないインパルス応答成分
Figure 2005234571
を導入し、照明に依存する項D(S)およびSを組み合わせて、
Figure 2005234571
で示す単一のファクタにした。
式45の一般化した双1次カーネルは、
Figure 2005234571
になる。内積(dot product)を展開すると、一般化した双1次カーネル
Figure 2005234571
についての積分は、
Figure 2005234571
に関する双1次積分項の和に変形される。これらの双1次項の値を求めるのにいくつかの手法が利用可能である。例えば、一方法ではまず、レジストまたはマスクからのぼけがない予備的な場合(式33)を考える。ぼけがない場合には、Vは、下記の形式を有する項の和で与えられる。
Figure 2005234571
ただし、下付き文字eおよびfにより、この和の中の任意の項を指すことができる。光源積分の結果を示すコヒーレンス項Jを導入し、最終行では、ぼけを受けない項Vを、(Θで示す)その支配的な固有関数の双1次和で近似した。
レジストまたはマスクあるいはその両方によるぼけを加えると、(式76の)一般化した双1次カーネルV”(ただし、Vのダブル・プライムはぼけの存在を示す)についての式は、
Figure 2005234571
に関するぼけを受けない双1次項からなる(式77で与えられる)同じ組のぼけを受けたバージョンを含む。ぼけを加えると、これらの項は、
Figure 2005234571
の形をとる。式77から代入すると、この式は、
Figure 2005234571
になる。ただし、
Figure 2005234571
である。式79の一般化した双1次カーネルV”中の関数は滑らかに変化し、したがって、空間ドメイン内で数値積分するのが容易である。関与する積分の数は、通常のホプキンス・モデルにおけるスカラーTCCの計算に関与する数と同様である(ただし、当然のことながら、このようなe、fの組合せの多くは、最も一般的な場合について値を求めなければならない)。
V”を計算する別の手法は、周波数ドメインで積分を行う(式47のT”)ことである。これは、瞳Hの関数と光源Sの関数の境界の交わりが明示的に決められる場合には、(簡単なコンボリューションの場合を除き)空間ドメインの積分よりも容易なことがある。次いで、逆変換によって、空間ドメイン・カーネルV”を求めることができる。周波数ドメインにおける効率的な積分限界は、帯域制限された系の応答によって定義され、周波数ドメインにおける離散グリッドに対する積分によって暗黙のうちに生成される物体構造の周期的な繰返しにより、簡単な空間ドメインの切捨てにより再現されるよりも実際的なやり方で、除外された(すなわち、ROIの外側の)マスク構造が再現される(mimic)ことがある。
より好ましくは、組み合わせた方式を用いる別の手法である。式77のぼけのない固有関数Θn,e,fをフーリエ変換すると(このような変換を
Figure 2005234571
で示す)、式79の変換は、
Figure 2005234571
になり、これを、表形式にした後で逆変換して
Figure 2005234571
が得られる。固有関数も変換し得る。この手法の利点は、式77の中央の行が示すように、ぼけを受けないカーネルVを表形式にすると、積分による値の計算を繰返し行う必要がなくなることである。(一回限りのフーリエ変換が必要であるが、これらは表形式化ループに先立つものであり、FFT(高速フーリエ変換)によって迅速に実行し得る。)ぼけを受けないカーネルを計算し固有分解した後で、これを、FFTによって迅速に周波数ドメインに変換し得る。この場合も、ぼけの適用は、(積分ではなく)関数の値を求めるという簡単な事柄である。ただし、この手順は、2つの固有解析のステップを必要とする。
まとめると、本発明は、リソグラフィ像を計算するための、レンズの複屈折性、レジスト・スタックの影響、および調整された光源偏光などのベクトルの影響を考慮に入れ、かつマスクおよびレジストによるぼけの影響も含み得る効率のよい方法およびシステムを対象とする。本発明によれば、一般化した双1次カーネルを形成することによってこれらの影響を含め、次いで、SOCS分解を用いてこのカーネルを処理して、このような非スカラー効果を含む像を迅速に計算することができる。図4を参照すると、本発明による方法の好ましい実施形態には、光源強度分布
Figure 2005234571
を準備すること(ブロック510)が含まれている。この光源は、強度分布
Figure 2005234571
によって特徴づけることもできるし、それぞれ(式72を参照してχ、χなどによる)偏光マップによって特徴付けられる独立な偏光mによって特徴づけることもできる。投影インパルス応答関数
Figure 2005234571
が準備される(ブロック520)。この投影インパルス応答関数は、好ましくは、レンズの複屈折性を含むレンズのベクトル・インパルス応答関数(式30)を含むが、式31の場合と同様にレジスト被膜スタック内でのベクトルの影響が含まれるようにも一般化し得る。さらに、調整された偏光を伴う光源の場合には、投影インパルス応答関数
Figure 2005234571
は、例えば式75で示す光源の偏光マップ(χ,χ)も含み得る。光源強度分布
Figure 2005234571
と、ベクトル・インパルス応答関数
Figure 2005234571
との双1次自己相関を形成することによって、一般化した双1次カーネル
Figure 2005234571
を形成する(ブロック530)。一般化した双1次カーネルは、例えば式41に示すように、マスクによるぼけを含むように形成し得る。一般化した双1次カーネルには、例えば式45に示すように、レジストによるぼけを含めることができる。この場合、レジスト・スタックの深さまたはある範囲の焦点位置、あるいはその両方の範囲全体にわたって平均化を実施することがある。好ましくは、以下でさらに論じるように、一般化した双1次カーネルのSOCS分解を実施する(ブロック540)。一般化した双1次カーネルVは、ブロック550で準備されるマスク透過関数
Figure 2005234571
とは独立する(無関係となる)ように形成する。次いで、例えば、式28、式32、式40、または式44の場合と同様に、一般化した双1次カーネルとマスク透過関数を組み合わせることによって、より具体的には、それらの双1次積分を実施することによって、点
Figure 2005234571
における像
Figure 2005234571
を計算する(ブロック560)。その後、ブロック570で、得られた像
Figure 2005234571
を用いて、MBOPC(モデルに基づく光学的近接補正効果)を実施することができる。
本発明の好ましい実施形態では、一般化した双1次カーネルのSOCS分解(ブロック540)を、図5に示すように実施し得る。まず、ROIの積分ドメイン内の像面をグリッド化する(ブロック541)。本発明によれば、可能な場合には、この系の対称性に応じて、このROIの積分ドメインを折り畳む(fold)(ブロック542)ことが好ましい。この折り畳んだROI積分ドメイン内で、GBK(一般化した双1次カーネル)を計算し、像面のグリッド点で表形式にする(ブロック543)。この好ましい実施形態では、表形式にしたGBKの値をマッピングし直して縮小基底にし(ブロック544)、次いで、この縮小基底においてGBKの固有関数を計算し、変換して元のグリッドに戻す(ブロック545)。必要な場合には、例えばランチョス法の場合と同様に、表形式にしたGBKの値に対して支配的な固有関数を反復して精緻化することができる(ブロック546)。次いで、これらの支配的な固有関数と、可能なマスク・ポリゴン・セクタとのコンボリューションをあらかじめ計算する(ブロック547)。
図6に、像を計算する(ブロック560)ための好ましい実施形態を示す。まず、ブロック550で準備されたマスク透過関数を、適切な1組の可能なポリゴン・セクタに分解する(ブロック561)。次いで、支配的な固有関数ごとに(ブロック562)、支配的な固有関数と、ROI内のマスク・ポリゴン・セクタとのあらかじめ計算したコンボリューションからの寄与のコヒーレント和を形成することによって初期像(pre-image)を計算する(ブロック563)。この初期像に、好ましくは固有関数の固有値によって、特により好ましくは固有値の平方根によって重み付けする。あるいは、これらの重みは実験的に決めることができる。最後に、すべての支配的な固有関数の重み付けした初期像のインコヒーレント和から、像
Figure 2005234571
を形成する(ブロック564)。
本発明は、SOCS分解などの技法を用いて、調整された光源偏光、レンズの複屈折性、およびレジスト・スタックによる偏光、ならびにマスクまたはレジストにおけるぼけを含めて、ベクトルの影響などの非スカラー効果を、像の計算に効率よく組み込むことができるという利点を有する。例えば、像の計算(ブロック560)は、図6に概略を示す方法などによって効率的に実施し得る。マスク・ポリゴンは、式71で示すように、例えばセクタとして分解することができる(ブロック561)。同様に、像面も、例えばグリッド化することによって分解することができる(ブロック541)。マスク透過関数とは無関係に、本発明の一般化した双1次カーネルのSOCS分解を実施し得る(ブロック540)。例えばランチョス法を用いることによって、支配的な固有関数および固有値を得ることができる。
集積回路設計の像を計算する本発明の方法は、上記で説明したプロセス・ステップおよび命令を、その他の点では従来型のプログラム・コードに組み込んだコンピュータ・プログラムまたはソフトウェアによって実行し、EDA(電子設計自動化)ツールまたはその他の点では従来型のプログラム記憶装置に記憶し得る。これらの命令は、上記で説明した方法を用いて、(レジスト・スタックによる影響およびぼけを含み得る)投影レンズのインパルス応答関数を準備することと、一般化した双1次カーネルを生成することと、ベクトルの影響を考慮に入れることと、一般化した双1次カーネルのSOCSに似た分解を実施することとを含む。本発明の方法を実施するこれらの命令は、モデルに基づくOPCを実施するプログラム・コードに組み込むことができる。図7に示すように、このプログラム・コードならびに必要とされる任意の入力情報は、EDAツールまたはコンピュータ440内の、半導体チップ、読出し専用メモリ、ディスケットまたはコンピュータ用ハード・ドライブなどの磁気媒体、あるいはCDまたはDVD ROMなどの光媒体などのプログラム記憶装置442に記憶させることができる。コンピュータ・システム440は、上記で説明したやり方で装置442内に記憶したプログラム・コードを読み出し、かつ実行するマイクロプロセッサ444を有する。
本発明による方法および本発明による方法を実施するシステムは、上記で論じた実施形態に限定されないことが当業者には理解されよう。したがって、本発明は、本発明および添付の特許請求の範囲の範囲および趣旨に含まれるこのようなすべての代替形態、改変形態、および変形形態を包含することを意図する。
リソグラフィ投影システムを示す図である。 本発明によるマスク・レイアウトおよびROI(影響領域)を示す図である。 投影系を通過する光線のベクトル伝播を示す図である。 本発明による方法を示す流れ図である。 本発明による方法を示す流れ図である。 本発明による方法を示す流れ図である。 本発明による方法を実施するように構成されたコンピュータ・システムを示す図である。
符号の説明
10 投影系
100 エネルギー源
110 コンデンサ・レンズ
111 光源点
115 照明光源
120 マスク、レチクル
121 像点に対応する点
122 物体空間
125 開口絞り
129 入射瞳
130 投影レンズ
132 像空間
135 出射瞳
140 ウェハ
141 像点
142 レジスト層、像面
144 下にある基板
150 光軸
150’ 局所的な光軸
201 光線
220 メリジオナル面
300 マスク・レイアウト、グレーティング
301 マスク・ポリゴン
310 対象領域、ROI
440 EDAツール、コンピュータ
442 プログラム記憶装置
444 マイクロプロセッサ

Claims (22)

  1. 照明光源および投影レンズを有する投影系を含む手段によって形成される像を求める方法であって、前記照明光源と前記投影レンズの間にマスクが配設され、
    光源強度分布を準備するステップと、
    前記投影レンズのインパルス応答を含む投影インパルス応答を準備するステップと、
    前記光源強度分布と前記投影インパルス応答との自己相関を含む一般化した双1次カーネルを形成するステップとを含む、方法。
  2. マスク透過関数を準備するステップと、
    前記像の表現式を準備するステップとをさらに含み、前記表現式が、前記一般化した双1次カーネルおよび前記マスク透過関数からなり、前記一般化した双1次カーネルが、前記マスク透過関数から独立している、請求項1に記載の方法。
  3. 前記像が空間像である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記像がレジスト像である、請求項2に記載の方法。
  5. 前記自己相関が、レジストぼけ関数をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  6. マスク透過関数を準備するステップと、
    レジスト像の表現式を準備するステップとをさらに含み、前記表現式が、前記一般化した双1次カーネルおよび前記マスク透過関数からなり、前記一般化した双1次カーネルが、前記マスク透過関数から独立している、請求項5に記載の方法。
  7. レジスト・スタック構造を準備するステップと、
    前記レジスト・スタック構造内のある面における露光応答を求めるステップとをさらに含み、
    投影インパルス応答を準備する前記ステップが、前記レジスト・スタック構造の前記面における前記露光応答をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記レジスト・スタック構造内の複数の面における露光応答を求めるステップをさらに含み、一般化した双1次カーネルを形成する前記ステップが、前記複数の面ごとの前記露光応答からなる一般化した平均双1次カーネルを形成するステップを含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記露光応答が、レジストぼけ関数をさらに含む、請求項7に記載の方法。
  10. 複数のデフォーカス位置における露光応答を求めるステップをさらに含み、一般化した双1次カーネルを形成する前記ステップが、前記複数のデフォーカス位置ごとの前記露光応答からなる一般化した平均双1次カーネルを形成するステップを含む、請求項7に記載の方法。
  11. 前記投影インパルス応答が、ゼロとは異なるレンズのデフォーカスを含む、請求項1に記載の方法。
  12. 照明の偏光分布を準備するステップをさらに含み、前記投影インパルス応答がベクトル・インパルス応答である、請求項1に記載の方法。
  13. 照明光源および投影レンズを有する投影系を含むリソグラフィ・プロセスによって形成される像を求める方法であって、前記照明光源と前記投影レンズの間にマスクが配設され、
    スカラー光源強度分布を準備するステップと、
    投影インパルス応答を準備するステップと、
    前記リソグラフィ・プロセスの、レジストぼけ関数を含む露光応答を準備するステップと、
    前記スカラー光源強度分布と、前記投影インパルス応答と前記露光応答の組合せとの自己相関を含む一般化した双1次カーネルを形成するステップとを含む、方法。
  14. 前記一般化した双1次カーネルの分解を形成するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  15. 前記一般化した双1次カーネルの分解を形成する前記ステップが、
    積分対象領域の第1グリッドを準備するステップと、
    前記対象領域のグリッド点で前記一般化した双1次カーネルの値を表形式にするステップと、
    前記一般化した双1次カーネルの前記表形式にした値をマッピングし直して縮小基底にするステップと、
    前記縮小基底において、前記一般化した双1次カーネルの支配的な固有関数を求めるステップと、
    前記一般化した双1次カーネルの前記支配的な固有関数を、前記第1グリッドに変換するステップと、
    前記変換した支配的な固有関数と1組のポリゴン・セクタとをコンボリューションして、前記変換した支配的な固有関数ごとにあらかじめ計算したセクタ・コンボリューションを形成するステップとをさらに含む、請求項14に記載の方法。
  16. 積分対象領域の前記第1グリッドを準備した後で、前記系の対称性に応じて前記対象領域を折り畳むステップをさらに含み、前記一般化した双1次カーネルの値を表形式にする前記ステップを、前記折り畳んだ対象領域内のグリッド点において実施する、請求項15に記載の方法。
  17. 前記固有関数を前記第1グリッドに変換する前記ステップの後で、前記一般化した双1次カーネルの前記表形式にした値に対して、前記変換した支配的な固有関数を反復して精緻化するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
  18. マスク透過関数を準備するステップと、
    前記マスク透過関数を、前記1組のポリゴン・セクタのサブセットに分解するステップと、
    前記変換した支配的な固有関数ごとに、前記あらかじめ計算したセクタ・コンボリューションのコヒーレント和を含む重み付けした初期像を形成するステップと、
    前記変換した支配的な固有関数のすべての前記重み付けした初期像の前記インコヒーレント和を含む前記像を形成するステップとをさらに含む、請求項15に記載の方法。
  19. コンピュータが使用可能な媒体を含むシステムであって、照明光源および投影レンズを有する投影系を含む手段によって形成される像をコンピュータ内で求めるコンピュータ可読プログラム・コード手段を有し、前記投影系は前記照明光源と前記投影レンズの間にマスクが配設され、前記システム中の前記コンピュータ可読プログラム・コード手段が、
    光源強度分布を準備するコンピュータ可読プログラム・コード手段と、
    投影インパルス応答を準備するコンピュータ可読プログラム・コード手段と、
    前記光源強度分布と前記投影インパルス応答との自己相関を含む一般化した双1次カーネルを形成するコンピュータ可読プログラム・コード手段とを含む、システム。
  20. コンピュータが使用可能な媒体を含むシステムであって、照明光源および投影レンズを有する投影系を含む手段によって形成される像をコンピュータ内で求めるコンピュータ可読プログラム・コード手段を有し、前記投影系は前記照明光源と前記投影レンズの間にマスクが配設され、前記システム中の前記コンピュータ可読プログラム・コード手段が、
    積分対象領域の第1グリッドを準備するコンピュータ可読プログラム・コード手段と、
    前記対象領域のグリッド点で前記一般化した双1次カーネルの値を表形式にするコンピュータ可読プログラム・コード手段と、
    前記一般化した双1次カーネルの前記表形式にした値をマッピングし直して縮小基底にするコンピュータ可読プログラム・コード手段と、
    前記縮小基底において、前記一般化した双1次カーネルの支配的な固有関数を求めるコンピュータ可読プログラム・コード手段と、
    前記一般化した双1次カーネルの前記支配的な固有関数を、前記第1グリッドに変換するコンピュータ可読プログラム・コード手段と、
    前記支配的な固有関数と1組の可能なポリゴン・セクタをコンボリューションして、前記支配的な固有関数ごとにあらかじめ計算したセクタ・コンボリューションを形成するコンピュータ可読プログラム・コード手段とを含む、システム。
  21. 機械可読プログラム記憶装置であって、照明光源および投影レンズを有し、前記照明光源と前記投影レンズの間にマスクが配設される、投影系を含む手段によって形成される像を求める方法ステップを実行する、前記機械によって実行可能な命令からなるプログラムを確実に記憶するプログラム記憶装置において、前記方法ステップが、
    光源強度分布を準備するステップと、
    投影インパルス応答を準備するステップと、
    前記光源強度分布と前記投影インパルス応答との自己相関を含む一般化した双1次カーネルを形成するステップとを含む、プログラム記憶装置。
  22. 機械可読プログラム記憶装置であって、照明光源および投影レンズを有し、前記照明光源と前記投影レンズの間にマスクが配設される、投影系を含む手段によって形成される像を求める方法ステップを実行する、前記機械によって実行可能な命令からなるプログラムを確実に記憶するプログラム記憶装置において、前記方法ステップが、
    積分対象領域の第1グリッドを準備するステップと、
    前記対象領域のグリッド点で前記一般化した双1次カーネルの値を表形式にするステップと、
    前記一般化した双1次カーネルの前記表形式にした値をマッピングし直して縮小基底にするステップと、
    前記縮小基底において、前記一般化した双1次カーネルの支配的な固有関数を求めるステップと、
    前記一般化した双1次カーネルの前記支配的な固有関数を、前記第1グリッドに変換するステップと、
    前記支配的な固有関数と1組の可能なポリゴン・セクタとをコンボリューションして、前記支配的な固有関数ごとにあらかじめ計算したセクタ・コンボリューションを形成するステップとを含む、プログラム記憶装置。
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