JP2005233066A - 排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】運転条件にかかわらず常に高いNOx低減率を確保し得るようにした排気浄化装置を提供する。
【解決手段】排気管4の途中にNOx吸蔵還元触媒5を装備し且つ該NOx吸蔵還元触媒5の上流側に還元剤(軽油13)を添加してNOxを還元浄化するように構成した排気浄化装置に関し、NOx吸蔵還元触媒5に通電によるジュール熱で触媒床温度を上昇し得るよう電気ヒータ7を内蔵せしめる。
【選択図】図1
【解決手段】排気管4の途中にNOx吸蔵還元触媒5を装備し且つ該NOx吸蔵還元触媒5の上流側に還元剤(軽油13)を添加してNOxを還元浄化するように構成した排気浄化装置に関し、NOx吸蔵還元触媒5に通電によるジュール熱で触媒床温度を上昇し得るよう電気ヒータ7を内蔵せしめる。
【選択図】図1
Description
本発明は、排気浄化装置に関するものである。
従来より、排気管の途中に装備した排気浄化用触媒により排気浄化を図ることが行われており、この種の排気浄化用触媒としては、排気空燃比がリーンの時に排気ガス中のNOxを酸化して硝酸塩の状態で一時的に吸蔵し、排気ガス中のO2濃度が低下した時に未燃HCやCO等の介在によりNOxを分解放出して還元浄化する性質を備えたNOx吸蔵還元触媒が知られている。
この種のNOx吸蔵還元触媒としては、白金・バリウム・アルミナ触媒や、白金・カリウム・アルミナ触媒等が前述した如き性質を有するものとして既に知られている。
そして、NOx吸蔵還元触媒においては、NOxの吸蔵量が増大して飽和量に達してしまうと、それ以上のNOxを吸蔵できなくなるため、定期的にNOx吸蔵還元触媒に流入する排気ガスのO2濃度を低下させてNOxを分解放出させる必要がある。
例えば、ガソリン機関に使用した場合であれば、機関の運転空燃比を低下(機関をリッチ空燃比で運転)することにより、排気ガス中のO2濃度を低下し且つ排気ガス中の未燃HCやCO等の還元成分を増加してNOxの分解放出を促すことができるが、NOx吸蔵還元触媒をディーゼル機関の排気浄化装置として使用した場合には機関をリッチ空燃比で運転することが困難である。
このため、NOx吸蔵還元触媒の上流側で排気ガス中に燃料(HC)を添加することにより、この添加燃料を還元剤としてNOx吸蔵還元触媒上でO2と反応させることで排気ガス中のO2濃度を低下させる必要がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−356127号公報
しかしながら、このようにNOx吸蔵還元触媒の上流側で燃料添加を行う方式では、その添加燃料が蒸発して生じたHCの一部がNOx吸蔵還元触媒の表面上で排気ガス中のO2と反応(燃焼)し、NOx吸蔵還元触媒の周囲の雰囲気中におけるO2濃度がほぼ零となってからNOxの分解放出が開始されることになるため、NOx吸蔵還元触媒の表面上でHCがO2と反応(燃焼)するのに必要な燃焼温度(約220〜250℃)が得られない運転条件下(例えば渋滞の多い都市内での徐行運転等)では、NOx吸蔵還元触媒からNOxを効率良く分解放出させることができず、NOx吸蔵還元触媒の再生が効率良く進まないことで触媒の容積中に占めるNOx吸蔵サイトの回復割合が小さくなって吸蔵能力が落ちるという問題があった。
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、運転条件にかかわらず常に高いNOx低減率を確保し得るようにした排気浄化装置を提供することを目的としている。
本発明は、排気管の途中にNOx吸蔵還元触媒を装備し且つ該NOx吸蔵還元触媒の上流側に還元剤を添加してNOxを還元浄化するように構成した排気浄化装置であって、NOx吸蔵還元触媒に通電によるジュール熱で触媒床温度を上昇し得るよう電気ヒータを内蔵せしめたことを特徴とするものである。
而して、このようにすれば、NOx吸蔵還元触媒の表面上で還元剤がO2と反応(燃焼)するのに必要な燃焼温度(約220〜250℃)が得られない運転条件であっても、NOx吸蔵還元触媒に内蔵された電気ヒータに通電してジュール熱により発熱させれば、この発熱によりNOx吸蔵還元触媒の触媒床温度が反応に必要な温度まで強制的に昇温される結果、現状の運転条件にかかわらずNOx吸蔵還元触媒の表面上で還元剤がO2と反応(燃焼)するのに必要な燃焼温度が確実に得られる。
また、本発明においては、NOx吸蔵還元触媒に電気ヒータを内蔵させるにあたり、例えば、通電によりジュール熱を生じる可撓性発熱シートと、NOx吸蔵還元触媒の触媒成分を担持した可撓性担体シートとを相互間に通気流路を確保しつつ重ね合わせて二層構造物とし、その二層構造物を巻物状に巻いてNOx吸蔵還元触媒を形成し、前記可撓性発熱シートを電気ヒータとして通電し得るように構成することが可能である。
また、これ以外にも、NOx吸蔵還元触媒の触媒成分を担持する担体を、通電によりジュール熱を生じる材質により構成し、この担体を電気ヒータとして通電し得るように構成することも可能である。
更に、本発明をより具体的に実施するにあたっては、NOx吸蔵還元触媒の触媒床温度を検出する温度センサと、該温度センサからの検出信号に基づき前記NOx吸蔵還元触媒の触媒床温度が所定温度以下である条件下で当該温度を超えるまで電気ヒータに通電せしめる制御装置とを備えることが好ましい。
上記した本発明の排気浄化装置によれば、電気ヒータにより適宜にNOx吸蔵還元触媒を加熱して該NOx吸蔵還元触媒の表面上で還元剤がO2と反応(燃焼)するのに必要な燃焼温度を確実に得ることができるので、運転条件にかかわらず常に高いNOx低減率を確保することができ、NOx吸蔵還元触媒を用いた排気浄化装置の実用性を大幅に向上することができるという優れた効果を奏し得る。
以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1〜図4は本発明を実施する形態の一例を示すもので、図1に示す如く、本形態例の排気浄化装置においては、ディーゼルエンジン1から排気マニホールド2を介して排出される排気ガス3が流通する排気管4の途中に、フロースルー方式のハニカム構造を有するNOx吸蔵還元触媒5がケーシング6に抱持されて装備されており、このNOx吸蔵還元触媒5には、後で詳述する電気ヒータ7が内蔵されている。
更に、前記ケーシング6より上流側の排気管4に噴射ノズル8が貫通設置されていると共に、該噴射ノズル8と所要場所に設けた軽油タンク9との間が軽油供給管10により接続されており、該軽油供給管10の途中に装備した供給ポンプ11の駆動と軽油噴射弁12の開作動とにより軽油タンク9内の軽油13を還元剤として噴射ノズル8を介しケーシング6の入側に添加し得るようにしてある。
また、前記ディーゼルエンジン1には、その機関回転数を検出する回転センサ14が装備されており、該回転センサ14からの回転数信号14aと、アクセルセンサ15(アクセルペダルの踏み込み角度を検出するセンサ)からの負荷信号15aとが制御装置16に入力されるようになっている。
一方、制御装置16においては、前述した回転センサ14からの回転数信号14aと、アクセルセンサ15からの負荷信号15aとから判断される現在の運転状態に基づきNOxの発生量が推定されると共に、その推定されたNOxの発生量に見合う軽油13の添加量が更に算出され、必要量の軽油13の添加が実行されるように前記制御装置16から供給ポンプ11への駆動指令信号11aと軽油噴射弁12への開弁指令信号12aとが出力されるようになっている。
そして、図2及び図3に示す如く、前記電気ヒータ7を内蔵したNOx吸蔵還元触媒5は、ニクロム系のステンレス鋼等を材質として通電によりジュール熱を生じるようにした可撓性発熱シート7’と、可撓性のセラミックスシート等を材質としてNOx吸蔵還元触媒5の触媒成分を担持した可撓性担体シート17とを重ね合わせた二層構造物とし、その二層構造物を巻物状に巻いて構成されており、しかも、前記可撓性発熱シート7’を図3の如き波板状に形成しておくことで、可撓性発熱シート7’と可撓性担体シート17との間に、排気ガス3が通る通気流路18が確保されるようにしてある。
更に、前記可撓性発熱シート7’には、リレースイッチ19を介しバッテリ20が電気的に接続されており、このように可撓性発熱シート7’に対し通電し得るように構成することによって、該可撓性発熱シート7’が電気ヒータ7として機能するようにしてある。
一方、前記NOx吸蔵還元触媒5のケーシング6には、NOx吸蔵還元触媒5の入口排気温度を検出する温度センサ21と、NOx吸蔵還元触媒5の出口排気温度を検出する温度センサ22とが装備されており、これら各温度センサ21,22からの検出信号21a,22aが前記制御装置16に入力されるようになっている。
そして、制御装置16においては、前述した各温度センサ21,22からの検出信号21a,22aに基づきNOx吸蔵還元触媒5の入口排気温度と出口排気温度との温度差が求められ、更には、この温度差に基づきNOx吸蔵還元触媒5の触媒床温度が推定(間接的に検出)されると共に、その推定された触媒床温度が所定温度以下である条件下で当該温度を超えるまで電気ヒータ7への通電を実行させるべくリレースイッチ19への通電指令信号19aが出力されるようになっている。
ただし、ここに図示している例では、NOx吸蔵還元触媒5の内部に温度センサの検温部を差し込んで触媒床温度を直接検温することが技術的に難しいことから、NOx吸蔵還元触媒5の前後に温度センサ21,22を配置して間接的に触媒床温度を検出(推定)する形式を採用しているが、可能であればNOx吸蔵還元触媒5の内部に温度センサ21,22の検温部を差し込んで触媒床温度を直接検温するようにしても良い。
尚、図1中における23はターボチャージャ、24は吸気管、25はインタークーラ、26は電気ヒータ7とバッテリ20とを接続する電気コードを示す。
而して、このように排気浄化装置を構成すれば、NOx吸蔵還元触媒5の表面上でHCがO2と反応(燃焼)するのに必要な燃焼温度(約220〜250℃)が得られない運転条件であっても、各温度センサ21,22からの検出信号21a,22aに基づいて、制御装置16からリレースイッチ19への通電指令信号19aが出力され、NOx吸蔵還元触媒5に内蔵された電気ヒータ7が通電されてジュール熱により発熱するので、この発熱によりNOx吸蔵還元触媒5の触媒床温度が反応に必要な温度まで強制的に昇温されることになる。
この結果、現状の運転条件にかかわらずNOx吸蔵還元触媒5の表面上でHCがO2と反応(燃焼)するのに必要な燃焼温度が確実に得られるので、制御装置16からの駆動指令信号11aにより供給ポンプ11を駆動させると共に、開弁指令信号12aにより軽油噴射弁12を開作動させて、現在の運転状態から推定したNOxの発生量に見合う添加量の軽油13を噴射ノズル8から噴射させると、還元剤として添加した軽油13から生成されたHCがNOx吸蔵還元触媒5の表面上で排気ガス3中のO2と反応(燃焼)し、これによりNOx吸蔵還元触媒5の周囲の雰囲気中におけるO2濃度がほぼ零となってNOxの分解放出が開始され、そのままNOx吸蔵還元触媒5の表面上で残余のHCによりNOxが効率良くN2に還元処理されることになる。
従って、以上に述べた如き形態例によれば、NOx吸蔵還元触媒5に内蔵された電気ヒータ7により適宜にNOx吸蔵還元触媒5を加熱して、該NOx吸蔵還元触媒5の表面上でHCがO2と反応(燃焼)するのに必要な燃焼温度を確実に得ることができるので、運転条件にかかわらず常に高いNOx低減率を確保することができ、NOx吸蔵還元触媒5を用いた排気浄化装置の実用性を大幅に向上することができる。
事実、本発明者等が行った実験結果によれば、図4のグラフに示す如く、先に説明した本形態例の装置構成で電気ヒータ7による加熱支援を実施したケースXと、電気ヒータ7を内蔵させずにNOx吸蔵還元触媒5だけを装備したケースYとを比較したところ、ケースYよりもケースXの方が低負荷領域(排気温度の低い運転領域)から高いNOx低減率を得られることが実証されている。
図5は本発明の別の形態例を示すもので、ここに図示している例では、NOx吸蔵還元触媒5の触媒成分を担持する担体を、通電によりジュール熱を生じる炭化珪素等の材質により構成し、この担体を電気ヒータ7として機能させ得るよう電気コード26によりリレースイッチ19(図1参照)を介してバッテリ20(図1参照)と接続するようにしてある。
ここで、電気ヒータ7を成す担体そのものに通電を行うに際しては、この担体の軸心部と外周部に電極27,28を配設し、これら電極27,28に電流を流すようにすると良い。
而して、このような形式でNOx吸蔵還元触媒5に電気ヒータ7を内蔵させても、該電気ヒータ7により触媒床温度を支障なく上昇させることができるので、前述した図1〜図4の形態例の場合と同様に、運転条件にかかわらず常に高いNOx低減率を確保することができ、NOx吸蔵還元触媒5を用いた排気浄化装置の実用性を大幅に向上することができるという作用効果を奏し得る。
尚、本発明の排気浄化装置は、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、還元剤として添加される燃料には、一般的なディーゼルエンジン用燃料である軽油を用いる以外に、灯油等の異種燃料を用いても良いこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
3 排気ガス
4 排気管
5 NOx吸蔵還元触媒
7 電気ヒータ
8 噴射ノズル
13 軽油
16 制御装置
18 通気流路
19 リレースイッチ
19a 通電指令信号
20 バッテリ
21 温度センサ
21a 検出信号
22 温度センサ
22a 検出信号
26 電気コード
4 排気管
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26 電気コード
Claims (4)
- 排気管の途中にNOx吸蔵還元触媒を装備し且つ該NOx吸蔵還元触媒の上流側に還元剤を添加してNOxを還元浄化するように構成した排気浄化装置であって、NOx吸蔵還元触媒に通電によるジュール熱で触媒床温度を上昇し得るよう電気ヒータを内蔵せしめたことを特徴とする排気浄化装置。
- 通電によりジュール熱を生じる可撓性発熱シートと、NOx吸蔵還元触媒の触媒成分を担持した可撓性担体シートとを相互間に通気流路を確保しつつ重ね合わせて二層構造物とし、その二層構造物を巻物状に巻いてNOx吸蔵還元触媒を形成し、前記可撓性発熱シートを電気ヒータとして通電し得るように構成したことを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
- NOx吸蔵還元触媒の触媒成分を担持する担体を、通電によりジュール熱を生じる材質により構成し、この担体を電気ヒータとして通電し得るように構成したことを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
- NOx吸蔵還元触媒の触媒床温度を検出する温度センサと、該温度センサからの検出信号に基づき前記NOx吸蔵還元触媒の触媒床温度が所定温度以下である条件下で当該温度を超えるまで電気ヒータに通電せしめる制御装置とを備えたことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の排気浄化装置。
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Cited By (2)
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CN102536395A (zh) * | 2011-11-23 | 2012-07-04 | 潍柴动力股份有限公司 | 一种混合动力公交车及其发动机scr热管理系统 |
WO2022172804A1 (ja) | 2021-02-10 | 2022-08-18 | 株式会社キャタラー | 通電加熱式排ガス浄化触媒システムおよび排ガス浄化方法 |
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2004
- 2004-02-19 JP JP2004042674A patent/JP2005233066A/ja active Pending
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CN102536395A (zh) * | 2011-11-23 | 2012-07-04 | 潍柴动力股份有限公司 | 一种混合动力公交车及其发动机scr热管理系统 |
WO2022172804A1 (ja) | 2021-02-10 | 2022-08-18 | 株式会社キャタラー | 通電加熱式排ガス浄化触媒システムおよび排ガス浄化方法 |
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