JP2005233031A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

内燃機関の可変動弁装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 構造が簡単で、機関弁の弁リフトの可変自由度が大きく、かつ、高圧ポンプが不要な内燃機関の可変動弁装置を提供する。
【解決手段】 弁ばね12により閉弁方向に付勢された排気弁7等の機関弁を開閉作動させる内燃機関の可変動弁装置に関する。弁駆動カム機構30と、該弁駆動カム機構30とは別に排気弁7等に作用し、排気弁7等の閉弁作動を、弁駆動カム機構30による閉弁作動よりも遅らせる開弁保持ピストン51を有する油圧式開弁保持機構50とを備え、開弁作動期間では弁駆動カム機構30により弁を作動させ、閉弁作動期間では、弁駆動カム機構30と油圧式開弁保持機構50とを択一的に作動させるようにしてある。前記開弁保持ピストンの作動を制御することにより、開弁保持機構選択時における機関弁の開弁保持高さ及び開弁保持期間を連続的に変更可能となっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、弁ばねにより閉弁方向に付勢された吸気用又は排気用の機関弁、すなわち吸気弁または排気弁を開閉作動させる内燃機関の可変動弁装置に関する。
吸気弁又は排気弁の開閉作動を可変とする可変動弁装置は、従来、以下のように各種開発されている。
(1)カム式+電磁アクチュエータ保持式
弁軸上端に設けられた弁ばね受けとシリンダヘッドの間に電磁アクチュエータを配置し、弁駆動カムにより開弁作動を行い、閉弁作動時には電磁アクチュエータにより所定の開弁状態を保持する構成である(特許文献1参照)。
(2)全カム式+全油圧式
開弁作動から閉弁作動までの全開閉行程を、カム式の動力伝達手段と油圧式動力伝達手段とを択一的に切り換えて行う構成である(特許文献2参照)。
特開昭63−289208号公報 特開平6−117210号公報
前者のカム式+電磁アクチュエータ保持式では、いわゆるロストモーション式となり、カムによるリフトが最大開弁範囲となり、電磁アクチュエータによる可変範囲はカムリフト範囲内に限定される。図15はカム式+電磁アクチュエータ保持式における弁リフトの変化を示しており、実線で示す曲線Y1がカムによるリフトとすると、電磁アクチュエータにより変更される弁リフトは、破線Y2、Y3で示すようにカムによる弁リフトY1内に制限され、Y1よりも広げることはできず、可変範囲が大幅に制限される。ちなみに、可変範囲を広げようとすれば、カムプロフィルを変更して、カム山を高くし、また、回転方向に長く形成しなければならず、カムの加工が複雑化する。
後者の全カム式+全油圧式では、全油圧式に切り換えて運転する場合、開弁開始時期から閉弁終了時期までの全期間を油圧で作動することになるが、開弁作動時には、弁ばねに抗して機関弁を作動させるため、作動油を高圧で使用しなければならず、機関の出力ロスが大きくなると共に、高圧用の複雑な油圧機器及び配管設備が必要となり、部品点数の増加及び部品コストの増加を招く。また、メンテナンスにも手間がかかる。
上記課題を解決するため、本願請求項1記載の発明は、弁ばねにより閉弁方向に付勢された吸気用又は排気用の機関弁を開閉作動させる内燃機関の可変動弁装置において、弁駆動カム機構と、該弁駆動カム機構とは別に機関弁に作用し、機関弁の閉弁作動を、弁駆動カム機構による閉弁作動よりも遅らせる開弁保持ピストンを有する油圧式開弁保持機構とを備え、開弁作動期間では弁駆動カム機構により機関弁を作動させ、閉弁作動期間では、弁駆動カム機構と油圧式開弁保持機構とを択一的に作動させるようにしてある。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記開弁保持ピストンの作動を制御することにより、開弁保持機構選択時における機関弁の開弁保持高さ及び開弁保持期間を連続的に変更可能となっている。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記開弁保持ピストンの作動を制御することにより、油圧式開弁保持機構選択時における機関弁の閉弁開始時期を変更可能となっている。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置において、弁駆動カム機構は、タペット、プッシュロッド及び弁腕を順に介して機関弁に連動連結しており、プッシュロッドは、弁腕に対してプッシュロッド移動方向に相対移動可能に連結すると共に、補助ばねにより弁駆動カムのカム面に押し付けられ、かつ、上記相対移動可能な連結部分には脱落防止機構を設けてある。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置において、油圧式開弁保持機構は、該油圧式開弁保持機構選択時における開弁保持状態を解除した時に、機関弁の着座速度を制限する着座緩衝機構を有している。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の内燃機関の可変動弁装置において、着座緩衝機構として、油圧室の作動油出口部に可変オリフィスを設けてある。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の内燃機関の可変動弁装置において、着座緩衝機構として、油圧室の作動油出口部に可変オリフィスを設け、電磁開閉弁を備えた作動油入口部を油圧室底部に開口し、開弁保持ピストンの下降動作終端において前記電磁開閉弁を開放するようにしてある。
請求項8記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置において、開弁保持ピストンは、油圧室から上方に突出するように配置されている。
請求項9記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置において、油圧室の作動油圧力が所定値以上になった時に開いて油圧室内の作動油を逃がす安全弁が設けられている。
請求項10記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置において、弁駆動カム機構とは別体の油圧式開弁保持機構は、弁駆動カム機構を備えた内燃機関の本体に対し、着脱可能に取り付けてある。
請求項11記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置において、油圧室の作動油出口部を他の機関弁用の油圧式開弁保持機構の油圧室の作動油入口部に連通し、油圧式開弁保持機構による開弁保持を開放した時に油圧室から排出される作動油を上記他の油圧式開弁保持機構の油圧室に供給するようにしてある。
請求項12記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置において、弁駆動カム機構のカム面により決定される機関弁の最大高さは、弁カーテン面積が弁シート部の流通断面積と略同じなる程度に抑制されている。
請求項13記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置において、油圧式開弁保持機構による開弁保持開始時期は、排気用の機関弁と機関ピストンが干渉しない弁高さに設定されている。
請求項14記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置において、弁駆動カム機構のカム面には、機関弁開閉用の通常のカム山の他に再啓開用のカム山を形成し、油圧式開弁保持機構により、前記再啓開の期間を可変としている。
請求項15記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置において、1つの気筒内の吸気用の機関弁と排気用の機関弁にそれぞれ弁駆動カム機構及び油圧式開弁保持機構を設け、共通の電磁開閉弁により、各油圧式開弁保持機構の作動油排出部を開閉するようにしてある。
請求項16記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置において、内燃機関は複数の気筒を有しており、共通の電磁開閉弁により、各気筒の油圧式開弁保持機構の作動油排出部を開閉するようにしてある。
請求項17記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置において、油圧式開弁保持機構は、閉弁速度を調整可能な閉弁速度調整機構を有している。
請求項18記載の発明は、請求項17記載の内燃機関の可変動弁装置において、閉弁速度調整機構は、開弁保持ピストンに形成された切欠きと、油圧室に開口する可変オリフィスとから構成され、開弁保持ピストンを回動することにより、切欠きが上記可変オリフィスの開口部を覆う面積を調節可能としている。
請求項19記載の発明は、請求項17記載の内燃機関の可変動弁装置において、開弁保持ピストンに形成される切欠きは、開弁保持ピストンの運動方向に複数形成してある。
請求項20記載の発明は、請求項19記載の内燃機関の可変動弁装置において、複数の切欠きは、弁保持解除後の閉弁作動時に、順次閉弁速度を遅くするように配置されている。
(1)吸気弁又は排気弁等の機関弁の開弁作動は常に弁駆動カム機構で行い、閉弁作動を、弁駆動カム機構又は開弁保持ピストンを有する油圧式開弁保持機構のいずれかを選択して行うので、たとえば開弁作動も油圧で行う全油圧式の可変動弁装置に比べ、油圧式開弁保持機構を駆動するために高圧ポンプを備える必要はなくなり、機械損失の少ない可変動弁装置を提供できる。
(2)機関弁の閉弁作動時には、弁駆動カム機構と油圧式開弁保持機構を択一的に使用するので、前記従来のカム式+電磁アクチュエータ式に比べ、油圧式開弁保持機構による作動範囲を、弁駆動カム機構による作動範囲より広く、かつ自由に設定することが可能となり、閉弁作動範囲の自由度が増加する。
(3)油圧式開弁保持機構として、機関弁を弁ばねに抗して開弁状態に保持する開弁保持ピストンを利用していると、開弁保持ピストンをたとえば弁腕等に当接可能に対向するように配置するだけで良く、油圧式開弁保持機構の組付け作業が簡単になる。
(4)前記開弁保持ピストンの作動を制御することにより、開弁保持機構選択時における機関弁の開弁保持高さ及び開弁保持期間を連続的に変更可能となっていると、機関弁の閉弁作動時の弁リフト特性を、所望の特性に簡単かつ自由に設定することができ、また、閉弁開始時期も簡単かつ自由に選択することができる。
(5)弁腕を備えたOHV型内燃機関において、プッシュロッドを、弁腕に対してプッシュロッド移動方向に相対移動可能に連結すると共に、補助ばねにより弁駆動カムのカム面に押し付け、かつ、上記相対移動可能な連結部分に脱落防止機構を設けてあると、閉弁作動時に油圧式開弁保持機構を選択した場合でも、弁駆動カム機構のプッシュロッドの動作を円滑な状態に維持できる。
(6)油圧式開弁保持機構選択時における開弁保持状態を解除した時に、弁の着座速度を制限する着座緩衝機構を備えていると、油圧式開弁保持機構選択時における弁の着座動作を、円滑に行うことができ、機関弁の着座衝撃及び騒音を防ぐことができる。
(7)着座緩衝機構として、油圧室の作動油出口部に可変オリフィスを設けてあると、簡単な構成により、機関弁が着座するまでの速度を制限できる。
(8)着座緩衝機構として、油圧室の作動油出口部に可変オリフィスを設け、電磁開閉弁を備えた作動油入口部を油圧室底部に開口し、開弁保持ピストンの下降動作終端において前記電磁開閉弁を開放するようにしてあると、着座時の緩衝を行えると共に、作動油の温度等に変化に対して確実な閉弁状態を確保することができる。
(9)開弁保持ピストンを、油圧室から上方に突出するように配置してあると、内燃機関を非運転状態で長期間放置した場合に、たとえ油圧室の作動油が抜けても、開弁保持ピストンは機関弁等を閉じる方向に移動するので、次の使用時には確実に弁駆動カム機構により開弁し、始動することができる。また、前記のように油圧室から作動油が抜けた状態でさらに長期間放置された場合に、たとえ錆や作動油の劣化により開弁保持ピストンが膠着しても、期間の始動に差し障ることはない。また、油圧式開弁保持機構の作動油入口部の電磁開閉弁への通電が遮断されて場合でも、弁駆動カム機構により機械的に吸気弁等を作動させることは可能であり、機関の始動に支障をきたすことはない。
(10)油圧室に安全弁を設けてあると、たとえば機関弁と機関ピストンが干渉して油圧室に過大な圧力がかかった場合でも、速やかに油圧室より作動油を排出し、機関弁を機関ピストンと共に動かし、それにより機関の損傷を防ぐことができる。
(11)弁駆動カム機構とは別体の開弁保持機構を、弁駆動カム機構を備えた内燃機関の本体に対し、着脱可能に取り付けてあると、弁駆動カム機構のみを備えた従来の機関を少し改良するだけで、本発明の可変動弁装置付の内燃機関を製造することができる。また、弁駆動カム機構のみを有する内燃機関と、弁駆動カム機構と油圧式開弁保持機構とを併用する内燃機関との互換性を大幅に上げることができ、部品の共通化による製造及び部品管理コストを抑えることができる。
(12)油圧室の作動油出口部を他の機関弁用の油圧式開弁保持機構の油圧室の作動油入口部に連通し、油圧式開弁保持機構による開弁保持を開放した時に油圧室から排出される作動油を上記他の油圧式開弁保持機構の油圧室に供給するようにしてあると、弁駆動カムによらず、油圧室からの排出時の圧力で機関弁を微小開弁できる。
(13)弁駆動カム機構のカム面により決定される機関弁の最大高さを、弁カーテン面積が弁シート部の流通断面積と略同じなる程度に抑制していると、カムの高さを必要最小限に低くすることができ、弁駆動カム機構による動弁系をコンパクト化できると共に、弁駆動カムの設計が楽になる。
(14)油圧式開弁保持機構による開弁保持開始時期を、排気用の機関弁と機関ピストンが干渉しない弁高さに設定していると、油圧式開弁保持機構を選択した場合でも前記干渉により機関を損傷することはない。
(15)弁駆動カム機構のカム面に、機関弁開閉用の通常のカム山の他に再啓開用のカム山を形成し、油圧式開弁保持機構により、再啓開期間を可変としていると、弁駆動カム機構のカム形状を複雑化することなく、排気弁の再啓開の期間を自由に設定することができる。
(16)1つの気筒内の排気弁と吸気弁にそれぞれ弁駆動カム機構及び油圧式開弁保持機構を設け、共通の電磁開閉弁により、両油圧式開弁保持機構を開閉するようにしていると、部品コストを低減できると共にコンパクト化も達成できる。
(17)複数気筒の内燃機関において、各気筒の開弁保持機構の作動油排出部を開閉する電磁開閉弁を共用してあると、部品コストを低減できると共にコンパクト化も達成できる。
(18)開弁保持機構に閉弁速度調整機構を備えていると、開弁保持ピストンの下降速度を調整することにより、機関弁の閉弁速度を調整でき、より最適な弁リフト特性を得ることができる。
(19)閉弁速度調整機構は、開弁保持ピストンに形成された切欠きと、油圧室に開口する可変オリフィスとから構成され、開弁保持ピストンを回動することにより、切欠きが上記可変オリフィスの開口部を覆う面積を調節可能としていると、開弁保持ピストンを回動するという簡単な調整により、開弁保持ピストンの下降速度を調節でき、吸気弁等の着座速度を適正な速度に遅らせることができる。
(20)開弁保持ピストンに形成される切欠きを、開弁保持ピストンの運動方向に複数形成してあると、開弁保持ピストンの下降速度を複数段に制御でき、より適切な機関弁の閉動作を得ることができる。
(21)複数の切欠きを、開弁保持解除後の閉弁作動時に、順次閉弁速度を遅くするように配置されていると、開弁保持ピストンの下降速度を順次遅くなるように制御できるので、より適切な機関弁の閉動作を得ることができる。
[発明の第1の実施の形態]
(機関弁及び弁駆動用カム機構)
図1〜図5は、OHV型内燃機関に本発明の可変動弁装置を適用した例である。特許請求の範囲においては、排気用機関弁及び吸気用機関弁と表現しているが、いわゆる排気弁と吸気弁であるので、実施の形態においては、排気弁又は吸気弁と具体的に称して説明する。図1は、排気弁近傍の縦断面略図であり、この図1において、シリンダヘッド1内には排気通路2が形成され、該排気通路2の一端は排気ポート3として燃焼室5に開口している。排気ポート3には排気弁7が開閉可能に配置され、弁シート部8に着座可能となっている。
排気弁7の弁軸7aは、弁軸受胴9を介してシリンダヘッド1に摺動可能に支持されると共に、上方の弁腕室10内に突出している。弁軸7aの上端部には円板状のばね受け11が固定され、該ばね受け11と弁腕室10の底面との間には弁ばね12が縮設され、該弁ばね12の弾性力により排気弁7を上方に付勢し、弁シート部8に着座させている。
弁軸7aの上端面には両腕状の排気弁腕15の一端押え部15aが上方から当接している。排気弁腕15は、弁腕室10に設けられた弁腕軸17に揺動可能に支持されており、前述のように一端押え部15aは弁軸7aの上端に当接しており、排気弁腕15の他端部には、カム動力伝達用の第1のボルト20と、油圧式開弁保持機構50用の第2のボルト21が螺挿され、両ボルト20、21は弁腕15の下面から下方に一定量突出すると共に、それぞれロックナット22、23により突出量調節可能に固定されている。第1のボルト20は第2のボルト21よりも弁腕軸心O1寄りに位置している。すなわち、弁腕軸芯O1から第1のボルト20までの距離は弁腕軸心O1から第2のボルト21までの距離よりも短くなっている。
第1のボルト20は、プッシュロッド31及びタペット32を介して排気カム33に連結しており、上記第1のボルト20、プッシュロッド31、タペット32及び排気カム33等により、排気弁駆動カム機構30を構成している。排気カム33は弁腕軸17と平行なカム軸35に形成されており、周知のようにクランク軸の2回転により1回転するようにクランク軸に連結されている。タペット32は機関本体に形成された支持孔36に摺動可能に嵌合支持され、該タペット32内にプッシュロッド31の下端部が挿入されている。
図2は排気弁腕15の他端部近傍の拡大図であり、プッシュロッド31の上端部には、ばね受けつば38を有する継手部40が一体に固着されており、該継手部40の上端には第1のボルト20との連結部として凹部41が形成され、該凹部41内に、前記第1のボルト20の下端部がプッシュロッド移動方向移動可能に挿入され、凹部41の底面に当接している。継手部40の前記つば38とシリンダヘッド1に形成された環状段部43の間には、補助ばね45が縮設されており、この補助ばね45によりプッシュロッド31を下方に付勢し、図1のタペット32を常時排気カム33に当接させている。
(油圧式開弁保持機構)
図2において、排気弁腕15に螺着された前記第2のボルト21の下端には、シリンダヘッド1内に設けられた油圧式開弁保持機構50の開弁保持ピストン51の上端が当接可能に対向している。開弁保持ピストン51は、シリンダヘッド1に形成された油圧室52に概ね上下方向摺動可能に嵌合しており、油圧室52に作動油を供給することにより上方へ移動するようになっている。油圧室52には、油圧室52の下端側壁に形成された作動油入口66aと、油圧室52の下端から少し上方位置の側壁に形成された微小径の固定オリフィス54と、該固定オリフィス54より一定高さ上方に形成された可変オリフィス53が開口しており、作動油入口66aは開弁保持ピストン駆動用の電磁開閉弁55を介してオイルポンプ56に接続している。前記両オリフィス53、54は合流した後、作動油出口用電磁開閉弁59を介してオイルタンク58に接続している。
図3は油圧式開弁保持機構50の詳細断面図であり、油圧室52の底壁には安全弁60を有する排出口61が開口しており、油圧室52内の圧力が所定値以上になると、安全弁60が開き、排出口61から油圧室52内の作動油を逃がすようになっている。
前記駆動用電磁開閉弁55は駆動スプール63とソレノイド64等から構成されている。駆動スプール63は、スプール軸芯方向の中央に小径部63aを有すると共に上下に大径部63b、63cを有し、作動油入口通路66に形成された円筒孔67内に軸方向摺動可能に嵌合しており、円筒孔67の底面とスプール下端の間にはリターンばね68が介装されている。ソレノイド64が非通電時には中央小径部63aが作動油入口通路66に位置することにより、作動油入口通路66は開口状態となり、オイルポンプ56から油圧室52内へ作動油が供給され、ソレノイド64が通電した時には、リターンばね68に抗してスプール63が押し下げられ、上側大径部63bにより作動油入口通路66が塞がれるようになっている。
油圧室52の側壁に開口する前記2つのオリフィス53、54により、着座緩衝機構が構成されている。上側に形成された可変オリフィス53は、内径がたとえば5Φmmに設定され、開弁保持ピストン51の下降行程において、開弁保持ピストン51の外周面により次第に閉じられ、油圧室52に対する開口面積が減少するようになっている。下側に形成された固定オリフィス54は、内径がたとえば1Φmmと極めて小さくなっている。両オリフィス53、54が連通する作動油出口通路(作動油排出部)69に配置された前記作動油出口用電磁開閉弁59は、前記駆動用電磁開閉弁55と同様に、駆動スプール73とソレノイド74等から構成されている。駆動スプール73は、スプール軸芯方向の中央に小径部73aを有すると共に上下に大径部73b、73cを有し、作動油入口通路69に形成された円筒孔77内に軸方向摺動可能に嵌合しており、円筒孔77の底面とスプール73の下端の間にはリターンばね78が介装されている。ソレノイド74が非通電時には中央小径部73aが作動油出口通路69に位置することにより開口状態となり、油圧室52の作動油を両オリフィス53、54を介して逃がすことができるようになっている。ソレノイド74が通電すると、リターンばね78に抗してスプール73が押し下げられ、上側大径部73bにより作動油出口通路69を閉じるようになっている。
(油圧式閉弁保持機構の設定1及び作用1)
図5は排気弁の弁リフト特性を示す図であり、実線で示す曲線X1は弁駆動カム機構30(図1)による弁リフト特性を示しており、破線で示す曲線X2、X3は、前記図3の油圧式開弁保持機構50によって設定できる閉弁動作時の弁リフト特性の例を示している。
たとえば曲線X2の弁リフト特性を得たい場合には、図1の弁駆動カム機構30による開弁作動と並行して、図2の駆動用電磁開閉弁55を開くことにより油圧室52に作動油を供給し、排気弁7が図5の最大開位置A1に至るのと同時あるいは続いて図3の開弁保持ピストン51も最大突出高さH1まで上方に突出させ、かつ、該高さH1において、駆動用電磁開閉弁55を閉じるように設定する。一方、作動油出口用電磁開閉弁59は、開弁保持ピストン51の上昇開始時から図5の位置A2に至るまで閉状態を維持し、位置A2で開くように設定する。
前記のように設定した場合、排気行程において、まず、図1の弁駆動カム機構30のプッシュロッド31により排気弁腕15の他端部が押し上げられ、これにより排気弁7は弁ばね12に抗して開弁作動し、着座位置A0から仮想線で示す最大開位置A1まで開く。すなわち、図5の曲線X1の開弁作動期間T1に示す弁リフト特性で開弁する。
排気弁全開後、図1のプッシュロッド31は下降し始めるが、開弁保持ピストン51は図3の最大高さH1に維持されており、これにより第2のボルト21を介して弁腕15を保持するため、図1の排気弁7は全開状態で保持される。すなわち図5の位置A1において、実線の曲線X1から破線の曲線X2に移行する。
排気弁全開状態のまま弁保持期間T2が終了すると、位置A2において、図3の作動油出口用電磁開閉弁59が開くことにより、油圧室52の作動油が両オリフィス53、54から排出され始め、開弁保持ピストン51は最大高さH1から下降し始める。
開弁保持ピストン51の下降行程において、開弁保持ピストン51の外周面により可変オリフィス53の開口部分を塞ぎ始めると、可変オリフィス53からの作動油排出量が減少することにより、開弁保持ピストン51の下降速度は遅くなり、これにより図1の排気弁7の閉弁速度も遅くなる。すなわち、排気弁7の着座速度が緩衝され始めることになる。可変オリフィス53が全閉状態となり、小さな固定オリフィス54のみから作動油が排出される状態になると、弁保持ピストン51の下降速度は最小限に抑えられ、排気弁7の着座速度が最も緩衝された状態となる。開弁保持ピストン51が油圧室52の底面に接近し、着座直前になると、極めて小さな内径の固定オリフィス54からのみ作動油が排出されるため、作動油の粘度が高い場合等には、着座速度が極端に遅くなり、着座が遅れる可能性もあるが、これと共に駆動用電磁開閉弁55を開き、油圧室52の残りの作動油を完全に排出することにより、排気弁7の確実な着座状態を確保することができる。
該実施の形態において、油圧式開弁保持機構50の開弁保持ピストン51を上昇させる場合には、排気弁7から弁腕15にかかる弁ばね12の力から切り離した状態で行われるので、ポンプ56から低圧の作動油を供給するだけで、十分に開弁保持ピストン51を上昇させることができ、高圧ポンプ等は必要ない。
(閉弁保持機構の設定2及び作用2)
前記図5の曲線X3の弁リフト特性を得たい場合には、図1の弁駆動カム機構30による開弁作動と並行して、図2の駆動用電磁開閉弁55を開くことにより油圧室52に作動油を供給し、図3の開弁保持ピストン51が高さH3まで上方に突出した時に、駆動用電磁開閉弁55を閉じるように設定する。一方、作動油出口用電磁開閉弁59は、上記開弁保持ピストン51の上昇開始時から図5の位置A4に至るまで閉状態を維持し、位置A4で開くように設定する。
前記のように設定した場合、排気行程において、まず、図1の弁駆動カム機構30のプッシュロッド31により排気弁腕15の他端部が押し上げられ、これにより排気弁7は弁ばね12に抗して開弁作動し、着座位置A0から仮想線で示す最大開位置A1まで開く。すなわち、図5の曲線X1の開弁作動期間T1に示す弁リフト特性で開弁する。
前記排気弁7の開弁作動中において、開弁保持ピストン51は図3の高さH3まで突出し、高さH3で保持される。
排気弁全開後、プッシュロッド31の下降と共に、弁ばね12の作用により排気弁7も閉弁し始めるが、図5の位置A3において、図3の弁腕15の第2のボルト20が高さH3の開弁保持ピストン51に当接し、これにより排気弁7は部分開弁状態に保持される。すなわち図5の位置A3において、実線の曲線X1から破線の曲線X3に移行する。
排気弁7が部分的に開いた状態のまま図5開弁保持期間T4が終了すると、位置A4において、図3の作動油出口用電磁開閉弁59が開くことにより、油圧室52の作動油が両オリフィス53、54から排出され始め、開弁保持ピストン51は高さH3から下降し始める。
その後の開弁保持ピストン51の下降は、前記設定1及び作用1の場合と同様であり、説明は省略する。
該実施の形態のように、油圧式開弁保持機構50により排気弁7の閉弁作動を遅らせる場合には、排気行程後期において機関ピストンが上昇してくるので、開弁保持開始時期及び開始位置(リフト量)は、可能な限り、機関ピストンと排気弁が干渉しない範囲で設定する。
また、油圧式開弁保持機構50により、自由に閉弁開始時期(図5の位置A1等)、開弁保持開始時期(図5の位置A1又はA3等)及び開弁保持期間(図5の期間T2、T4等)を設定できるので、弁駆動カム機構30による排気弁7の最大開位置(最大リフト量)は、必要最小限のリフト量に止めておくことができる。すなわち、図4において、最大開弁時の弁カーテン面積S1と弁シート部8の実質開口面積S2が概ね一致する程度に抑えておくことができる。ちなみに、弁カーテン部面積S1とは、弁全開時における弁傘部分と弁シート部8とをつなぐ円筒部分の面積であり、弁シート部面積S2とは、弁シート部8の内周端と弁軸7aとで囲まれるドーナツ状の面積であり、このように両面積S1、S2が概ね同一になるように最大リフト量を設定することにより、弁カーテン部から流入した排気ガスが、略無駄なく弁シート部8を通過して排気通路2に流入するようになる。すなわち、排気弁7の最大リフト量を無駄に高く設定する必要がなくなり、必要最小限に抑えることができ、これにより、カムのプロフィルの設計も容易になる。
(閉弁保持機構の設定3及び作用3)
前記図5の曲線X1の弁リフト特性を得たい場合には、油圧式開弁保持機構50の油圧室52の作動油を排出し、開弁保持ピストン51を図3の最低高さH0まで下降させた状態に維持し、機関を運転する。
機関運転中、油圧式開弁保持機構50が排気弁7の作動に関与することがないので、弁駆動カム機構30のみによる開弁作動及び閉弁作動が行われる。すなわち、返弁作動時においても、図5の実線で示す曲線X1に従った弁リフト特性となる。
[発明の第2の実施の形態]
図6は、機関弁の再啓開を行えるようにした内燃機関に本発明を適用した場合の弁リフト特性である。再啓開を行えるようにする前提として、図1において、カム33には、排気行程用の本来のカム山33aとは別に、仮想線で示すように再啓開用のカム山33bが形成される。
油圧式開弁保持機構50は、前記第1の実施の形態で説明したような本来の排気弁の弁リフト特性を変更する機能に加え、再啓開時において、図6に破線X7で示すように、最啓開期間T7を所望の長さだけ延ばせる機能を有する。すなわち、再啓開開始時に、図3の駆動用電磁開閉弁55を開いて所定量の作動油を油圧室52に供給し、弁駆動カム機構30により図6の再啓開の最大開度まで開いた位置A7で駆動用電磁開閉弁55を閉じ、所定期間T7の経過後に、作動油出口用電磁開閉弁59を開き、油圧室52から作動油を逃がし、再啓開を終了するように設定する。
このように、油圧式開弁保持機構50を利用して再啓開期間を任意に延長することにより、複雑な再啓開用のカム山を形成する必要がなくなる。すなわち、再啓開用のカム山33bとしては、再啓開の初期リフト(微小リフト)を行えるだけの極めてやせたカム山を形成するだけでよく、再啓開期間は油圧式開弁保持機構50により任意の長さに延長することができる。
[発明の第3の実施の形態]
図7は、1つの機関弁の油圧式開弁保持機構50の作動油出口通路69を、同じ気筒内の機関弁又は多気筒機関における他の気筒の機関弁の油圧式開弁保持機構50の作動油入口通路66に接続した例である。
図7の構成によると、一つの油圧式開弁保持機構50の開弁保持ピストン51の下降により発生する作動油圧を利用して、他の油圧式開弁保持機構50の開弁保持ピストン51を弁ばね12に抗して微小高さ上昇させることができ、弁駆動カムによらず、再啓開動作が可能となる。
なお、図7において、前記図3で説明した部品又は部材と同じ部品又は部材には同じ符号を付しており、それらの説明は省略する。
[発明の第4の実施の形態]
図8は、1つの気筒C1内の吸気弁腕95と排気弁腕15にそれぞれ油圧式開弁保持機構50を備えた内燃機関において、両油圧式開弁保持機構50、50の作動油出口通路69、69を、共通の電磁開閉弁59に接続した構成である。図8の構成によると、電磁開閉弁59の共通化により、部品コストの低減及びコンパクト化を図ることができる。各油圧式開弁保持機構50の構造は、前記図3で説明した構造と同様である。また、100は安全弁、101はチェック弁である。
なお、このように電磁開閉弁59を共通化した場合でも、吸気弁の閉弁作動時に該吸気弁用開弁保持機構50を作動させている間は、排気弁側の油圧式開弁保持機構50は下降した状態に保たれており、反対に排気弁の閉弁作動時に油圧式開弁保持機構50を作動させている間は、吸気弁側の油圧式開弁保持機構は下降した状態に保たれるので、共通の電磁開閉弁59を利用することによって、吸、排気弁の各作動に支障を来たすことはない。
[発明の第5の実施の形態]
図9は、多気筒機関において、各気筒C1、C2に配置された油圧式開弁保持機構50、50の作動油出口通路69、69を、共通の電磁開閉弁59に接続した例である。
図9の構造によると、電磁開閉弁59の共通化により、部品コストの低減及びコンパクト化を図ることができる。
[発明の第6の実施の形態]
図10は、開弁保持ピストン51に切欠き81、83を形成すると共に、開弁保持ピストン51を回動位置調節可能に構成することにより、可変オリフィス53の開口部を覆う面積を変更し、それにより開弁保持ピストン51の下降速度を任意に調節できるようにした構成である。
開弁保持ピストン51の下半部には半円形の第1の切欠き81を形成してあり、開弁保持ピストン51を図10の状態から図11のような状態まで回動することにより、可変オリフィス53の開口面積を所望の大きさに絞ることができるようになっている。
最終の環状切欠き83は、連通路84を介して第1の切欠き81部分に連通しており、開弁保持ピストン51の回動位置に拘わらず、開弁保持ピストン51が最下位置まで下降した時に可変オリフィス53を全開状態にするように構成されている。
図10〜図12のような切欠き81、83を有する開弁保持ピストン51を備えていると、内燃機関の使用条件等に応じて、開弁保持ピストン51の回動位置を調整することにより、閉弁速度を任意に調節でき、かつ、機関弁が着座した時点では、環状の最終切欠き83を介して油圧室52の作動油が完全に排出されるので、機関弁の確実な着座状態を確保することができる。
[発明の第7の実施の形態]
図13は、切欠きを有する開弁保持ピストン51の変形例であり、前記図10と同様な第1の切欠き81と最終の環状の切欠き83に加え、前記第1の切欠き81に続いて、円周方向の位置が異なる第2の切欠き82を形成した例である。
図13の構造のように、円周方向の形成位置が異なる2段形式に第1、第2の切欠き81、82を形成していると、開弁保持ピストン51の下降行程において、第1の切欠き81で一定速度減速した後、第2の切欠き82により、可変オリフィス53を覆う面積を増加させることにより、さらに減速させることができる。
[発明の第8の実施の形態]
図14は切欠きを有する開弁保持ピストン51のさらに別の例であり、切欠き85の円周方向の端縁の形状を、開弁保持ピストン51の下端から上方に行くに従い、可変オリフィス53側に広がるように傾斜状(螺旋状)に形成してある。すなわち、開弁保持ピストン51が下降するに従い、減速量が大きくなるように構成されている。
[その他の実施の形態]
(1)本発明は、吸気弁又は排気弁のいずれの機関弁にも適用可能であることを念のために記しておく。
(2)前記各実施の形態では、OHV型内燃機関に適用した例を説明してあるが、OHC型内燃機関に適用することも可能である。
本発明による可変動弁装置を備えた内燃機関の第1の実施の形態であって、排気弁部分の縦断面図である。 図1の矢印II部分の拡大図である。 油圧式開弁保持機構の拡大縦断面図である。 全開状態の排気弁部分を示す縦断面図である。 本発明を適用した場合の排気弁の弁リフト特性線図である。 本発明を排気弁再啓開用に適用した場合の排気弁の弁リフト特性線図である。 本発明の別の実施の形態を示す油圧式開弁保持機構の縦断面図である。 本発明の別の実施の形態を示す作動油用配管略図である。 本発明の別の実施の形態を示す作動油用配管略図である。 本発明の別の実施の形態を示す開弁保持ピストン部分の拡大縦断面図である。 図10と同じ開弁保持ピストンであって、別の調整状態を示す拡大縦断面図である。 図10のXII-XII断面図である。 本発明の別の実施の形態を示す開弁保持ピストン部分の拡大縦断面図である。 本発明の別の実施の形態を示す開弁保持ピストン部分の拡大縦断面図である。 従来例によるリフト特性線図である。
符号の説明
1 シリンダヘッド
2 排気通路
7 排気弁(機関弁の一例)
12 弁ばね
15 弁腕
30 弁駆動カム機構
31 プッシュロッド
32 タペット
33 カム
50 油圧式開弁保持機構
51 開弁保持ピストン
52 油圧室
53 可変オリフィス(着座緩衝機構)
54 固定オリフィス(着座緩衝機構)
55 駆動用電磁開閉弁
56 オイルポンプ
59 開弁保持用電磁開閉弁
66 作動油入口通路〔作動油入口部)
69 作動油出口通路(作動油排出部)
81、82、83、85 切欠き(速度制御機構)
95 弁腕

Claims (20)

  1. 弁ばねにより閉弁方向に付勢された吸気用又は排気用の機関弁を開閉作動させる内燃機関の可変動弁装置において、
    弁駆動カム機構と、
    該弁駆動カム機構とは別に機関弁に作用し、機関弁の閉弁作動を、弁駆動カム機構による閉弁作動よりも遅らせる開弁保持ピストンを有する油圧式開弁保持機構とを備え、
    開弁作動期間では弁駆動カム機構により機関弁を作動させ、閉弁作動期間では、弁駆動カム機構と油圧式開弁保持機構とを択一的に作動させるようにしてあることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 請求項1記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記開弁保持ピストンの作動を制御することにより、開弁保持機構選択時における機関弁の開弁保持高さ及び開弁保持期間を連続的に変更可能となっていることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  3. 請求項1又は2記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記開弁保持ピストンの作動を制御することにより、油圧式開弁保持機構選択時における機関弁の閉弁開始時期を変更可能となっていることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    弁駆動カム機構は、タペット、プッシュロッド及び弁腕を順に介して機関弁に連動連結しており、
    プッシュロッドは、弁腕に対してプッシュロッド移動方向に相対移動可能に連結すると共に、補助ばねにより弁駆動カムのカム面に押し付けられ、かつ、上記相対移動可能な連結部分には脱落防止機構を設けてあることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  5. 請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    油圧式開弁保持機構は、該油圧式開弁保持機構選択時における開弁保持状態を解除した時に、機関弁の着座速度を制限する着座緩衝機構を有していることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  6. 請求項5記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    着座緩衝機構として、油圧室の作動油出口部に可変オリフィスを設けてあることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  7. 請求項6記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    着座緩衝機構として、油圧室の作動油出口部に可変オリフィスを設け、
    電磁開閉弁を備えた作動油入口部を油圧室底部に開口し、開弁保持ピストンの下降動作終端において前記電磁開閉弁を開放するようにしてあることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  8. 請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    開弁保持ピストンは、油圧室から上方に突出するように配置されていることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  9. 請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    油圧室の作動油圧力が所定値以上になった時に開いて油圧室内の作動油を逃がす安全弁が設けられていることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  10. 請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    弁駆動カム機構とは別体の油圧式開弁保持機構は、弁駆動カム機構を備えた内燃機関の本体に対し、着脱可能に取り付けてあることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  11. 請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    油圧室の作動油出口部を他の機関弁用の油圧式開弁保持機構の油圧室の作動油入口部に連通し、油圧式開弁保持機構による開弁保持を開放した時に油圧室から排出される作動油を上記他の油圧式開弁保持機構の油圧室に供給するようにしてあることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  12. 請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    弁駆動カム機構のカム面により決定される機関弁の最大高さは、弁カーテン面積が弁シート部の流通断面積と略同じなる程度に抑制されていることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  13. 請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    油圧式開弁保持機構による開弁保持開始時期は、排気用の機関弁と機関ピストンが干渉しない弁高さに設定されていることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  14. 請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    弁駆動カム機構のカム面には、機関弁開閉用の通常のカム山の他に再啓開用のカム山を形成し、
    油圧式開弁保持機構により、前記再啓開の期間を可変としたことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  15. 請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    1つの気筒内の吸気用の機関弁と排気用の機関弁にそれぞれ弁駆動カム機構及び油圧式開弁保持機構を設け、
    共通の電磁開閉弁により、各油圧式開弁保持機構の作動油排出部を開閉するようにしてあることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  16. 請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    内燃機関は複数の気筒を有しており、
    共通の電磁開閉弁により、各気筒の油圧式開弁保持機構の作動油排出部を開閉するようにしてあることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  17. 請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    油圧式開弁保持機構は、閉弁速度を調整可能な閉弁速度調整機構を有していることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  18. 請求項17記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    閉弁速度調整機構は、開弁保持ピストンに形成された切欠きと、油圧室に開口する可変オリフィスとから構成され、開弁保持ピストンを回動することにより、切欠きが上記可変オリフィスの開口部を覆う面積を調節可能としていることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  19. 請求項17記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    開弁保持ピストンに形成される切欠きは、開弁保持ピストンの運動方向に複数形成してあることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  20. 請求項19記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    複数の切欠きは、弁保持解除後の閉弁作動時に、順次閉弁速度を遅くするように配置されていることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
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