JP5463837B2 - 内燃機関 - Google Patents

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本発明は、内燃機関に関し、更に詳しくは、吸排気用のバルブの開閉時期を流体圧により可変とする可変動弁機構を備える内燃機関において、吸排気用のバルブとピストンとの衝突を抑制または防止することが可能な内燃機関に関する。
近年、自動車用エンジンに対する排ガス規制強化や燃費改善の要求増大に伴って燃焼制御の高度化が進んでいる。燃焼制御を改善するための1つの方法として、吸排気用のバルブの開閉時期やリフト量をエンジンの回転数や負荷に応じて調整可能とする可変バルブタイミング(Variable Valve Timing:以下、VVTという)技術がある(例えば特許文献1参照)。
このVVT技術の基本動作は、吸気用のバルブの閉弁時期をピストンの下死点よりも遅角側に設定し、吸気用のバルブを遅閉じすることである(例えば特許文献2参照)。この吸気用のバルブの遅閉じ制御では、コントローラからドライバ回路を介して油圧駆動装置の駆動用ソレノイドに通電して油圧を解放し、油圧駆動装置の油圧ピストンによる吸排気用のバルブの抑止力を解除することにより、バルブスプリングの付勢力で吸排気用のバルブを閉じるようにしている。
しかしながら、このようなVVT技術においては、油圧駆動装置の制御室内の作動油を逃がす作動弁(弁自体、これを駆動する駆動用ソレノイドまたは通電経路等)が故障し作動弁が開弁不可能となった場合、制御室内の作動油を排出することができず、吸排気用のバルブを閉じることができなくなる結果、エンジンのピストンと吸排気用のバルブとが衝突して破損し、運転を継続することができなくなる、という問題がある。
特開2007−303438号公報 特開2004−052551号公報
本発明の目的は、吸排気用のバルブの開閉時期を流体圧により可変とする可変動弁機構部を備える内燃機関において、吸排気用のバルブとピストンとの衝突を抑制または防止することができる内燃機関を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の内燃機関は、クランクシャフトに連動して吸排気用のバルブを開閉する回転カムと、前記吸排気用のバルブの開閉時期を調整する流体圧駆動装置とを有する可変動弁機構部を備える内燃機関において、前記流体圧駆動装置は、流体圧制御室と、前記流体圧制御室に接続されたピストン挿入孔と、前記ピストン挿入孔内に、前記吸排気用のバルブに連結されて移動可能な状態で収容されたピストンと、前記流体圧制御室にそれぞれ第1経路および第2経路を通じて接続された作動流体タンクと、前記流体圧制御室と前記第1経路との間に介在されて前記作動流体タンクから前記流体圧制御室に供給される作動流体の流れと、異常発生時において前記流体圧制御室から前記作動流体タンクに排出される作動流体の流れを制御する第1作動流制御部と、前記流体圧制御室と前記第2経路との間に介在されて正常動作において前記流体圧制御室から前記作動流体タンクに排出する作動流体の流れを制御する第2作動流制御部とを備え、前記第1作動流制御部は、前記作動流体が、前記作動流体タンクから前記流体圧制御室に流れる場合に開き、その逆方向に流れる場合に閉じる第1作動弁機構部と、異常発生時において前記流体圧制御室の圧力が予め設定された圧力以上になると開き、前記流体圧制御室内の作動流体を前記作動流体タンクに戻す第2作動弁機構部とを備えると共に、前記第1作動弁機構部と前記第2作動弁機構部を同一ケース内に備えるものである。
また、上記の内燃機関において、前記第1作動弁機構部は、弁箱内に収容された第1弁体と、前記第1弁体を閉じる方向に付勢する第1弾性部材とを備え、前記第2作動弁機構部は、前記弁箱内に収容された第2弁体と、前記第2弁体を閉じる方向に前記予め設定された圧力で付勢する第2弾性部材とを備えているものである。
このように、第1作動弁機構部と第2作動弁機構部とを同一の弁箱内に設けたことにより、構成の共有化を図ることができるので、第1作動流制御部に第2作動弁機構部を設けたにもかかわらず、可変動弁機構部が複雑化することもないし、大型化することもない。
また、上記の内燃機関において、前記第2弁体は、前記第1弁体に接するように設けられたバルブシートとして形成されており、前記第2作動弁機構部は、前記第2弁体の開弁時に前記第1弁体の動作を制限する制限部材を備えているものである。
このように、第2弁体のバルブシートを第1弁体に接するように設けたことにより、第1作動弁機構部と第2作動弁機構部との構成をさらに共有化することができるので、第1作動流制御部を小型で簡単な構成にすることができる。
本発明の内燃機関によれば、流体圧駆動装置の第1作動流制御部に流体圧制御室内の作動流体を作動流体タンクに戻す第2作動弁機構を設けたことにより、流体圧駆動装置の作動流体排出用の第2作動流制御部が故障したとしても、流体圧制御室内の作動流体を作動流体タンクに戻すことができ、吸排気用のバルブを閉じることができるので、吸排気用のバルブとピストンとの衝突を抑制または防止することができる。したがって、流体圧式の可変動弁機構部を有する内燃機関の信頼性を向上させることができる。
本発明の実施の形態の内燃機関の要部断面図である。 図1の内燃機関の可変動弁機構部の一例の構成図である。 図2の可変動弁機構部の第1作動流制御部の拡大断面図である。 図3の第1作動流制御部の要部拡大断面図である。 図2の可変動弁機構部の動作時の構成図である。 図5に続く可変動弁機構部の動作時の構成図である。 図6に続く可変動弁機構部の動作時の構成図である。 異常発生時の図2の可変動弁機構部の動作時の構成図である。 異常発生時の図2の第1作動流制御部の要部拡大断面図である。 図9に続く異常発生時の図2の第1作動流制御部の要部拡大断面図である。
以下、本発明の実施の形態の内燃機関について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に、本実施の形態の内燃機関の要部断面図を示す。本実施の形態の内燃機関は、例えば、トラックのような自動車に搭載される直列4気筒のコモンレール式のディーゼルエンジン1として構成されている。なお、本発明はディーゼルエンジンに限定されず、ガソリンエンジン等に適用することもできる。
このディーゼルエンジン(以下、エンジンという)1は、シリンダ2内のピストン3の頂面に凹設されたキャビティ(燃焼室)4内において圧縮されて高温になった空気に燃料を供給して自己着火させ、この時の自己着火による燃焼で生じる膨張ガスによってピストン3を駆動させる構成を有している。なお、図1はピストン3が上死点にある状態を示している。
シリンダ2は、ピストン3の往復運動を誘導するとともに燃料ガスを収める円筒状の部品であり、その内部には、ピストン3が、その軸心Cをシリンダ2の軸心Cに設計上一致させた状態でシリンダ2の内周面のライナに沿って往復運動が可能なように設置されている。
このピストン3の下部は、コネクティングロッド(図示せず)を介してクランクシャフト(図示せず)に接続されている。このクランクシャフトにより、ピストン3の往復運動が回転運動に変換される。なお、符号2aは、シリンダ冷却用の冷却媒体が流れる冷却通路2aを示している。
このシリンダ2の上部のシリンダヘッド5には、燃料をキャビティ4内に直接噴射するためのインジェクタ6が、その軸心Cをシリンダ2の軸心Cに設計上一致させた状態でピストン3の頂面中央に対向する位置に設置されている。噴射角度θは、インジェクタ6から噴射された燃料の噴射軸Jと軸心Cとの成す角度であり、燃料噴射期間の全期間に亘って燃料がキャビティ4内に収まる角度に設定されている。
また、シリンダヘッド5においてインジェクタ6の左右には、吸気ポート7aおよび排気ポート7bが設置されている。吸気ポート7aは吸気管8aに接続され、排気ポート7bは排気管8bに接続されている。
また、吸気ポート7aには吸気用のバルブ9aの弁体が設置され、排気ポート7bには排気用のバルブ9bの弁体が設置されている。吸気用のバルブ9aは吸気ポート7aを開閉し、排気用のバルブ9bは排気ポート7bを開閉する。これらの吸排気用のバルブ9a,9bは、それぞれを駆動する可変動弁機構部15a,15bに機械的に接続されている。
次に、図2に、可変動弁機構部15a(15b)の一例の構成を示す。なお、図2では1個の可変動弁機構部15a(15b)およびバルブ9a(9b)を抜き出して示している。
可変動弁機構部15a(15b)は、回転カム16と、ロッカーアーム17と、バルブスプリング18と、油圧駆動装置(流体圧駆動装置)19とを備えている。なお、吸気側の可変動弁機構部15aのみに油圧駆動装置19を用い、排気側の可変動弁機構部15bは油圧駆動装置19を用いない従来技術の可変動弁機構部としても良い。
回転カム16は、ロッカーアーム17を介してバルブ9a(9b)を押圧することで、バルブ9a(9b)をバルブスプリング18の付勢力に抗して開弁方向(バルブ9a(9b)の弁体がバルブガイド20から離れる方向)に押し下げる部材である。なお、図2では、バルブ9a(9b)の弁体がバルブガイド20から離れており、バルブ9a(9b)が開いている状態が示されている。
回転カム16の外周一部には中心から径方向への距離が部分的に長いカム山(ノーズ)16nが形成されており、回転カム16の全体断面形状(カムシャフト21の延在方向に垂直な断面)は略卵形に形成されている。
このような回転カム16は、カムシャフト21の軸方向に沿ってバルブ数に対応した数だけ設けられている。このカムシャフト21は、軸受けに回転可能な状態で軸支されており、ギアまたはベルトを通じてクランクシャフトに接続されている。これにより、回転カム16はクランクシャフトに連動する。
ロッカーアーム17は、その長手方向一端に配置されたロッカーシャフト22に揺動可能な状態で軸支されており、回転カム16の回転に連動して揺動動作する。このロッカーアーム17の長手方向の他端側にはバルブ9a(9b)が接続されている。
バルブスプリング18は、バルブ9a(9b)を閉弁方向(バルブ9a(9b)の弁体がバルブガイド20に近づく方向)に付勢する部材であり、リテーナとシリンダヘッド5の一部との間においてバルブ9a(9b)のステム部を取り囲む位置に圧縮状態で設置されている。
上記した油圧駆動装置19は、吸排気用のバルブ9a(9b)の開閉時期およびリフト量を調整(変更)する装置であり、装置本体25と、油圧タンク(作動流体タンク)26とを備えている。
装置本体25の制御室(流体圧制御室)27は、ピストン挿入孔28に接続されている。このピストン挿入孔28には、油圧ピストン29が収容されている。この油圧ピストン29の一端面は制御室27に面している。一方、油圧ピストン29の他端はロッカーアーム17に接続されている。これにより、油圧ピストン29は、ロッカーアーム17(すなわち、バルブ9a(9b))の動きに連動してピストン挿入孔28内を上下動するようになっている。
また、制御室27は、第1作動流制御部30、流入口31aおよび流入管(第1経路、流入流出経路)32aを介して油圧タンク26に接続される経路と、第2作動流制御部33、流出口31bおよび流出管(第2経路、流出経路)32bを介して油圧タンク26に接続される経路とを備えている。
第1作動流制御部30は、作動油が油圧タンク26から制御室27に流れる場合は開き、その逆方向に流れる場合は閉じるチェック弁(逆止弁)としての機能を備えている。油圧駆動装置19の基本動作(正常動作)においては、第1作動流制御部30のチェック弁機能により、油圧タンク26の作動油を制御室27に供給することが可能になっている。
また、第1作動流制御部30は、油圧駆動装置19の第2作動流制御部33が故障する等の異常が発生し、制御室27の圧力が予め設定された圧力以上になると制御室27内の作動油を油圧タンク26に逃がす戻り弁としての機能も備えている。油圧駆動装置19の異常発生時においては、第1作動流制御部30の戻り弁機能により、制御室27の作動油を油圧タンク26に排出することが可能になっている。
一方、第2作動流制御部33は、制御室27内の作動油を油圧タンク26に排出する排出専用の制御部である。この第2作動流制御部33は、ポペット弁33aと、これを駆動する駆動用ソレノイド33bとを有して構成されており、その開閉動作がコントローラ(制御部)35によって電気的に制御される。油圧駆動装置19の基本動作(正常動作)においては、この第2作動流制御部33のポペット弁33aを開くことにより、制御室27内の作動油を油圧タンク26に排出することが可能になっている。
次に、上記した第1作動流制御部30の構成を図3および図4を参照しながら説明する。図3は図2の第1作動流制御部30の拡大断面図、図4は図3の第1作動流制御部30の要部拡大断面図を示している。
第1作動流制御部30は、チェック弁機構部(第1作動弁機構部)36と、戻り弁機構部(第2作動弁機構部)37とを同一のケース(弁箱)38内に備えている。
チェック弁機構部36は、作動油が図2に示した油圧タンク26から制御室27に流れる場合に開き、その逆方向に流れる場合に閉じるチェック弁(逆止弁)として機能する機構部である。
このチェック弁機構部36は、バルブ36aと、スプリング(第1弾性部材)36bとを備えている。バルブ36aは、弁体(第1弁体)36a1と、ステム部36a2とを一体的に備え、ケース38の径方向の中心に配置されている。弁体36a1の下面は制御室27に面している。スプリング36bは、弁体36a1を閉じる方向に付勢する部材であり、ステム部36a2の周囲を取り囲むように配置されている。
戻り弁機構部37は、上記第2作動流制御部33等が故障し、制御室27の作動油を油圧タンク26側に排出できず、制御室27内の圧力が予め設定された圧力以上になった場合に、自ずと開いて制御室27内の作動油を油圧タンク26に戻す戻り弁として機能する機構部である。
この戻り弁機構部37は、バルブシート(第2弁体)37aと、ストッパ(制限部材)37bと、スプリング(第2弾性部材)37cとを備えている。
バルブシート37aは、戻り弁機構部37の開閉弁であり、バルブ36aに接するようにバルブ36aの周囲に配置されている。ストッパ37bは、バルブシート37aの開弁時にバルブ36aが軸方向に動いてしまうのを制限する部材であり、バルブ36aのステム部36a2の端部側に設置されている。
スプリング37cは、バルブシート37aを閉じる方向に上記の予め設定された圧力で付勢する部材である。このスプリング37cは、例えば皿バネによって形成されており、バルブシート37aとストッパ37bとの間に介在されている。
ここで、通常、吸排気用のバルブ9a,9bを開弁したまま保持するための制御室27内の圧力は、例えば約15MPaである。また、ダンピング時の制御室27内の圧力は、例えば約80MPaまで急激に上昇する。このことから、本実施の形態のエンジン1では、制御室27内の圧力が、例えば100MPa程度の時を異常圧力と判定し、バルブシート37aを強制開弁するシステムを設計する。
ここで、図4に示す弁体36a1の直径R1を、例えば4.5mm、バルブシート37aの外周の直径R2を、例えば6.64mmとする。弁体36a1はストッパ37bにより動作を制限されることから制御室27から圧力を受ける。その弁体36a1の受圧面の面積Sは、S=((6.64mm)−(4.5mm))×π/4=18.7mmとなる。したがって、制御室27の内圧が100MPaで開弁すると仮定すると、スプリング取付荷重Fは、F=100×Smm=1870Nとなる。
このように比較的小さなスペースで大きな荷重を受けるため、スプリング37cとしては、例えばSAE A12.5の皿バネを3枚使用し、セット時の皿バネの歪み量を0.2mmとする。これにより、上記のスプリング取付荷重Fと同値の1870Nのセットフォースをスプリング37cに生じさせることができる。このスプリング37c(皿バネ)のストロークには0.1mm程度の余裕があり、これは異常発生時に、バルブシート37aのシフト量となる。
次に、このような可変動弁機構部15aの吸気用のバルブ9aの遅閉じ動作を図5〜図8を参照しながら説明する。
まず、正常動作を説明する。図5に示すように、通常通り回転カム16のカム山16nによりロッカーアーム17を押圧して吸気用のバルブ9aをバルブスプリング18の付勢力に抗して開弁する。その際、第2作動流制御部33のポペット弁33aが閉じているとともに、ロッカーアーム17に接続されている油圧ピストン29も同時に降下する。これにより、制御室27の圧力が負圧となり、第1作動流制御部30のチェック弁(バルブ36a)が自ずと開く。その結果、油圧タンク26の作動油が吸引され流入口31aを通じて制御室27に充填される。なお、この時、図3のバルブ36aの弁体36a1が下方に引っ張られ、弁体36a1とバルブシート37aとの間に隙間ができることにより、バルブ36aは開弁する。
続いて、図6に示すように、回転カム16がピーク位置を過ぎて通常通り吸気用のバルブ9aが閉弁動作を開始すると、バルブ9aがバルブスプリング18の付勢力によって閉弁方向に移動する。これにより、油圧ピストン29も上昇する。この際、第2作動流制御部33のポペット弁33aが閉じている状態で、油圧ピストン29が上昇することにより制御室27の作動油が圧縮されて、制御室27内の圧力が正圧となり上昇する。これにより、第1作動流制御部30のチェック弁(バルブ36a)が自ずと閉じ、制御室27の圧力が急激に上昇し、制御室27内の圧力と、バルブスプリング18の力とが釣り合ったところで油圧ピストン29が止まる。その結果、バルブ9aは開弁した状態を継続する。
その後、所望のバルブタイミングで、第2作動流制御部33のポペット弁33aの駆動用ソレノイド33bに通電してポペット弁33aを開弁することにより、図7に示すように、制御室27内の作動油を流出口31bから油圧タンク26に逃がす。これにより、制御室27内の圧力が下がり、バルブスプリング18の付勢力により油圧ピストン29および吸気用のバルブ9aが上昇し、吸気用のバルブ9aが閉じる。このようにして吸気用のバルブ9aの遅閉じ動作が行われる。
次に、異常動作を説明する。吸気用のバルブ9aの閉弁に際して、第2作動流制御部33に何らかの故障(ポペット弁33a自体の故障、駆動用ソレノイド33bの故障あるいは通電経路の断線不良等)があり、第2作動流制御部33のポペット弁33aが開弁しなかった場合、後述のように、図1に示したピストン3の上昇とともに油圧ピストン29も上昇し、制御室27内の圧力が上昇する。ここで、本実施の形態1のエンジン1では、制御室27内の圧力が予め設定された圧力以上になると、第1作動流制御部30の戻り弁機構部が作動し、図8に示すように、制御室27内の作動油が第1作動流制御部30、流入口31aおよび流入管32aを順に経て油圧タンク26に戻る。これにより、制御室27内の圧力は低下し、吸気用のバルブ9aを閉弁することができる。その結果、吸気用のバルブ9aとピストン3との衝突を抑制または防止することができる。
次に、上記のような異常発生時の油圧駆動装置19の動作について図9および図10を参照しながら詳細に説明する。なお、図9の矢印Pは制御室27内の圧力を示し、図10の矢印Fは作動油の流れを示し、矢印Uはバルブシート37aの上昇を示している。
吸気用のバルブ9aが遅閉じ動作に入ったときに、第2作動流制御部33が故障しており動作することができない場合、制御室27内の作動油を排出できないので閉弁することができない吸気用のバルブ9a(図1参照)の弁体に、上昇してきたピストン3(図1参照)が衝突する。
この時、ピストン3は、吸気用のバルブ9aに対して大きな慣性力を持っているため、吸気用のバルブ9aを押し上げるので、これに連動して油圧ピストン29も上昇する。このため、図9に示すように、制御室27内の圧力が上昇する。ここで、制御室27内の圧力が、図3に示したスプリング37cの設定圧力に到達するとスプリング37cが縮み、図10に示すように、バルブシート37aが上昇する。
この時、チェック弁機構部36のバルブ36aの弁体36a1は、ストッパ37b(図3参照)により留まる一方で、バルブシート37aのみが上昇するので、弁体36a1と、バルブシート37aとの間に隙間(作動油通路)が生じる。これにより、制御室27内の作動油は、その隙間を通じて流入管32aに流れ、油圧タンク26に流れる。その結果、制御室27内の圧力が低下するので、油圧ピストン29が上昇を開始し、吸気用のバルブ9aも閉弁を開始することができる。
このように本実施の形態のエンジン1によれば、油圧駆動装置19の作動流排出専用の第2作動流制御部33が故障したとしても、制御室27内の作動油を油圧タンク26に戻すことができ、吸排気用のバルブ9a,9bを閉じることができるので、吸排気用のバルブ9a,9bとピストン3との衝突を抑制または防止することができる。したがって、油圧式の可変動弁機構部15a,15bを有するエンジン1の信頼性を向上させることができる。
また、戻り弁機構部37とチェック弁機構部36とを独立して設けた場合、作動油の排出経路が増えるので、可変動弁機構部15a,15bの設計が複雑になる上、可変動弁機構部15a,15bのサイズが大型化し、コストの増大を招く。これに対して、本実施の形態1のエンジン1においては、第1作動流制御部30の同一ケース38内にチェック弁機構部36と戻り弁機構部37とを設けたことにより、構成の共有化を図ることができるので、第1作動流制御部30に戻り弁機構部37を設けたにもかかわらず、可変動弁機構部15a,15bが複雑化することもないし、大型化することもない。したがって、コストが大幅に増大することもない。
特に、戻り弁機構部37のバルブシート37aをチェック弁機構部36のバルブ36aの弁体36a1に接するように設けたことにより、チェック弁機構部36と戻り弁機構部37との構成をさらに共有化することができるので、第1作動流制御部30を小型で簡単な構成にすることができる。
本発明の内燃機関は、流体圧駆動装置の第1作動流制御部に流体圧制御室内の作動流体を作動流体タンクに戻す第2作動弁機構を設けたことにより、流体圧駆動装置の作動流体排出用の第2作動流制御部が故障したとしても、流体圧制御室内の作動流体を作動流体タンクに戻して吸排気用のバルブを閉じることができ、吸排気用のバルブとピストンとの衝突を抑制または防止することができるので、自動車等の内燃機関に利用できる。
1 ディーゼルエンジン(内燃機関)
3 ピストン
4 キャビティ(燃焼室)
7a 吸気ポート
7b 排気ポート
9a 吸気用のバルブ
9b 排気用のバルブ
15a 可変動弁機構部
15b 可変動弁機構部
16 回転カム
17 ロッカーアーム
18 バルブスプリング
19 油圧駆動装置(流体圧駆動装置)
25 装置本体
26 油圧タンク(作動流体タンク)
27 制御室(流体圧制御室)
28 ピストン挿入孔
29 油圧ピストン
30 第1作動流制御部
31a 流入口
31b 流出口
32a 流入管(第1経路)
32b 流出管(第2経路)
33 第2作動流制御部
33a ポペット弁
33b 駆動用ソレノイド
35 コントローラ(制御部)
36 チェック弁機構部(第1作動弁機構部)
36a バルブ
36a1 弁体(第1弁体)
36a2 ステム部
36b スプリング(第1弾性部材)
37 戻り弁機構部(第2作動弁機構部)
37a バルブシート(第2弁体)
37b ストッパ(制限部材)
37c スプリング(第2弾性部材)
38 ケース(弁箱)

Claims (3)

  1. クランクシャフトに連動して吸排気用のバルブを開閉する回転カムと、前記吸排気用のバルブの開閉時期を調整する流体圧駆動装置とを有する可変動弁機構部を備える内燃機関において、
    前記流体圧駆動装置は、
    流体圧制御室と、
    前記流体圧制御室に接続されたピストン挿入孔と、
    前記ピストン挿入孔内に、前記吸排気用のバルブに連結されて移動可能な状態で収容されたピストンと、
    前記流体圧制御室にそれぞれ第1経路および第2経路を通じて接続された作動流体タンクと、
    前記流体圧制御室と前記第1経路との間に介在されて前記作動流体タンクから前記流体圧制御室に供給される作動流体の流れと、異常発生時において前記流体圧制御室から前記作動流体タンクに排出される作動流体の流れを制御する第1作動流制御部と、
    前記流体圧制御室と前記第2経路との間に介在されて正常動作において前記流体圧制御室から前記作動流体タンクに排出する作動流体の流れを制御する第2作動流制御部とを備え、
    前記第1作動流制御部は、
    前記作動流体が、前記作動流体タンクから前記流体圧制御室に流れる場合に開き、その逆方向に流れる場合に閉じる第1作動弁機構部と、
    異常発生時において前記流体圧制御室の圧力が予め設定された圧力以上になると開き、前記流体圧制御室内の作動流体を前記作動流体タンクに戻す第2作動弁機構部とを備えると共に、
    前記第1作動弁機構部と前記第2作動弁機構部を同一ケース内に備える内燃機関。
  2. 前記第1作動弁機構部は、弁箱内に収容された第1弁体と、前記第1弁体を閉じる方向に付勢する第1弾性部材とを備え、
    前記第2作動弁機構部は、前記弁箱内に収容された第2弁体と、前記第2弁体を閉じる方向に前記予め設定された圧力で付勢する第2弾性部材とを備えている請求項1記載の内燃機関。
  3. 前記第2弁体は、前記第1弁体に接するように設けられたバルブシートとして形成されており、
    前記第2作動弁機構部は、前記第2弁体の開弁時に前記第1弁体の動作を制限する制限部材を備えている請求項2記載の内燃機関。
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