JP2005232488A - 気相成長装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 基板支持用凹部内での基板の自由な回転を防止するとともに、熱膨張による基板の反りやサセプタ、基板ホルダの損傷も防止することができる気相成長装置を提供する。
【解決手段】 加熱手段により加熱されるサセプタの上面に基板13を支持した基板ホルダ11を載置し、前記サセプタを回転させながら、該サセプタ及び前記基板ホルダを介して前記基板を加熱するとともに、基板上に気相原料を供給して薄膜を堆積させる気相成長装置において、前記基板ホルダの上面に前記基板の直径より大きな円形の基板保持凹部14を形成するとともに、該基板支持凹部の周壁に、前記基板の外周に設けられている切り落とし部15の切り落とし寸法に対応した突出量を有し、先端の基板当接部が円弧面となった基板回転防止用突起16を突設した。
【選択図】 図1
【解決手段】 加熱手段により加熱されるサセプタの上面に基板13を支持した基板ホルダ11を載置し、前記サセプタを回転させながら、該サセプタ及び前記基板ホルダを介して前記基板を加熱するとともに、基板上に気相原料を供給して薄膜を堆積させる気相成長装置において、前記基板ホルダの上面に前記基板の直径より大きな円形の基板保持凹部14を形成するとともに、該基板支持凹部の周壁に、前記基板の外周に設けられている切り落とし部15の切り落とし寸法に対応した突出量を有し、先端の基板当接部が円弧面となった基板回転防止用突起16を突設した。
【選択図】 図1
Description
本発明は、気相成長装置に関し、詳しくは、気相原料を供給して基板の表面に半導体薄膜を形成する気相成長装置におけるサセプタ、あるいは、サセプタ上への基板の搬送等を目的として使用される基板ホルダにおける基板支持構造に関する。
発光ダイオードやレーザダイオードの発光デバイスや電子デバイスに用いられる化合物半導体等の薄膜を製造するための気相成長装置として、フローチャンネル内に設けられるサセプタの上面に基板を支持し、膜質を平均化する目的で前記サセプタを回転させながら、サセプタを介して前記基板を加熱するとともに、基板上に気相原料を供給して薄膜を堆積させる気相成長装置が知られている。また、基板を搬送する手段として、サセプタの上面に載置される基板ホルダ(基板トレイ)を使用することがある。このような気相成長装置では、サセプタあるいは基板ホルダの上面に、サセプタの回転によって基板が移動することを防止するため、基板の外径よりも大きな内径を有し、基板の厚さに対応した深さの円形の基板支持凹部を形成している(例えば、特許文献1参照。)。
特開平6−310438号公報
通常、前記基板支持凹部の内径や深さは、サセプタや基板ホルダと基板との熱膨張率の違いや製作時の寸法公差を考慮して設定されるため、基板外周と凹部内周との間には隙間が発生することになる。このため、成膜中のサセプタの回転により、基板支持凹部内の基板がサセプタや基板ホルダに対して相対的に回転してしまい、膜質を平均化する目的が損なわれてしまうこともあった。
また、基板として、その外周部に結晶の方位を確認するための切り落とし部(オリエンタルフラット、略称:オリフラ)が設けられているものがある。このような切り落とし部を有する基板を従来の円形の凹部内にセットして気相成長を行うと、切り落とし部が位置した凹部底面にも反応生成物や分解生成物が堆積するため、次第に凹部底面に段差が発生してしまう。このような段差が発生した状態で凹部に対して基板が回転すると、基板の一部が段差に乗り上げ、基板底面と凹部底面とに隙間が発生して熱伝導が不均一となり、結果として薄膜に分布が生じる原因となる。
一方、基板の切り落とし部の形状に対応した形状の張り出し部を凹部に形成しておけば、凹部内での基板の回転を防止するとともに、凹部底面への反応生成物等の堆積は防止できるが、基板の熱膨張率がサセプタや基板ホルダの熱膨張率よりも大きいときには、基板外周と凹部内周との間に隙間を設けておかなければならないため、温度が上がりきる前に基板が凹部内で回転し、基板の切り落とし部の角が張り出し部に接触した状態になることがある。この状態で温度が更に上昇し、基板がより多く熱膨張すると、基板の切り落とし部の角に、凹部内周面から基板直径方向に向かう圧縮応力が発生し、これによって基板が反ったり、サセプタや基板ホルダが損傷したりするおそれもあった。
そこで本発明は、基板支持用凹部内での基板の自由な回転を防止するとともに、熱膨張による基板の反りやサセプタ、基板ホルダの損傷も防止することができる気相成長装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の気相成長装置における第1の構成は、加熱手段により加熱されるサセプタの上面に基板を支持し、前記サセプタを回転させながら、該サセプタを介して前記基板を加熱するとともに、基板上に気相原料を供給して薄膜を堆積させる気相成長装置において、前記サセプタの上面に前記基板の直径より大きな直径を有する円形の基板保持凹部を形成するとともに、該基板支持凹部の周壁に、前記基板の外周に設けられている切り落とし部の切り落とし寸法に対応した突出量を有し、先端の基板当接部が円弧面となった基板回転防止用突起を突設したことを特徴としている。
また、本発明の気相成長装置の第2の構成は、加熱手段により加熱されるサセプタの上面に基板を支持した基板ホルダを載置し、前記サセプタを回転させながら、該サセプタ及び前記基板ホルダを介して前記基板を加熱するとともに、基板上に気相原料を供給して薄膜を堆積させる気相成長装置において、前記基板ホルダの上面に前記基板の直径より大きな円形の基板保持凹部を形成するとともに、該基板支持凹部の周壁に、前記基板の外周に設けられている切り落とし部の切り落とし寸法に対応した突出量を有し、先端の基板当接部が円弧面となった基板回転防止用突起を突設したことを特徴としている。
本発明の気相成長装置によれば、結晶の方位を確認するための切り落とし部を有する基板を凹部内にセットしたときに、基板回転防止用突起によって基板が凹部内で自由に回転することを防止することができる。また、基板の熱膨張を考慮して基板外周と凹部内周との間に隙間が設けられ、温度が上がりきる前に基板が凹部内で回転してしまう場合でも、その回転量は、基板回転防止用突起によって所定範囲内に抑えることができる。切り落とし部と基板回転防止用突起とが当接した状態で温度が更に上昇し、基板がより多く熱膨張しても、基板回転防止用突起が切り落とし部に対して斜めに当接する状態になるので、基板に加わる圧縮応力が基板の直径方向ではなくなり、基板を移動あるいは回転させる方向に作用するので、基板が反ったり、サセプタや基板ホルダが損傷したりするような応力は生じない。
図1乃至図4は、本発明の一形態例を示すもので、図1は基板を支持した基板ホルダの平面図、図2は図1のII−II断面図、図3は基板を支持した基板ホルダをサセプタ上に載置した状態を示す正面図、図4は基板に薄膜を堆積させる気相成長処理中の状態を示す断面正面図である。
気相成長装置に使用される基板ホルダ11は、サセプタ12の上面形状に対応した円盤状に形成されており、その上面には、基板13の直径に対応した直径、通常は基板13の直径よりも数mm大きな直径を有し、基板13の厚さと略同じ深さを有する基板保持凹部14が一箇所乃至複数箇所に形成されている。そして、この基板保持凹部14の周壁には、基板13の外周に設けられている切り落とし部15の切り落とし寸法Sに対応した突出量を有し、先端の基板当接部が円弧面となった基板回転防止用突起16が突設している。
基板保持凹部14の直径及び基板回転防止用突起16の突出量は、基板ホルダ11の膨張率と基板13の膨張率との違いや基板13の直径、製作時の寸法公差を考慮して設定されるものであって、通常は、基板ホルダ11及び基板13が所定温度に加熱される際に、熱膨張した基板13が基板保持凹部14の周壁や基板回転防止用突起16に強く圧接することがなく、かつ、気相成長処理中には、基板13の外周と基板保持凹部14の周壁との間の隙間ができるだけ小さくなるように設定される。また、基板回転防止用突起16の先端は、基板13の切り落とし部15の直線部分に当接する先端面部分が円弧面となっており、切り落とし部15に角で当接する場合に比べて摩擦抵抗が少なくなるようにしている。
このように形成した基板ホルダ11は、基板回転防止用突起16の位置に切り落とし部15を合わせて基板13を基板保持凹部14内にセットした状態でサセプタ12の上面に載置される。そして、図4に示すように、サセプタ支持軸21によってサセプタ12を所定の回転速度で回転させるとともに、サセプタ12の下方に設けたヒーター22によってサセプタ12を所定温度に加熱する。この状態でフローチャンネル23内に気相原料を供給することにより、基板13上に所定の薄膜を堆積させる。
この気相成長処理において、サセプタ12の回転に伴って基板13が基板保持凹部14内で回転したとき、例えば、図1に示す状態から基板13が基板保持凹部14内で反時計回りに回転すると、図5の平面図に示すように、切り落とし部15の中央付近が基板回転防止用突起16の先端円弧面に当接するとともに、基板13における回転方向先端側の外周13aが基板保持凹部14の周壁に当接した状態になり、この状態でこれ以上の基板13の回転が抑えられる。一方、図6の平面図に示すように、基板13の切り落とし部15の形状に対応した形状の張り出し部31を形成した従来の基板保持凹部32では、切り落とし部15の端部(角部分)15aが張り出し部31に当接するとともに、この端部15aに対向した位置に近い基板13の外周13bが基板保持凹部14の周壁に当接した状態になって基板13の回転が抑えられる。
図5及び図6に示す状態で基板13が更に膨張すると、図6に示す従来形状の場合は、切り落とし部15の端部と基板13の外周13bとが直径方向に対峙した状態となっているので、基板13はそのままほとんど回転したり、移動したりせず、基板13には圧縮方向の応力が、基板保持凹部32には反力として拡大方向の応力が加わる状態となり、これらの応力によって基板13が反ったり、基板ホルダ11が損傷したりすることがあった。
一方、図5に示す本形態例のように、切り落とし部15が基板回転防止用突起16に当接し、回転方向先端側の外周13aが基板保持凹部14の周壁に当接した状態になっている場合は、基板回転防止用突起16に対向する部分には隙間13cが、回転方向先端側の外周13aに対向する部分には隙間13dがそれぞれ存在しているので、基板13が膨張しても、基板13がこれらの隙間13c,13d方向に移動、あるいは僅かに回転しながら移動することができる。これにより、基板13や基板保持凹部14に、基板13が反ったり、基板ホルダ11が損傷したりするような応力が加わることがなくなる。したがって、基板保持凹部14の周壁に基板回転防止用突起16を設けることにより、基板13の不必要な回転を抑えることができるとともに、基板13自体や基板ホルダ11に過度な応力が加わることがなくなり、これらの反りや破損を防止して成膜効率の向上や面内分布の向上を図ることができる。
図7及び図8は、本発明の他の形態例を示すもので、図7は基板を支持したサセプタの平面図、図8は図7のVIII−VIII断面図である。本形態例は、サセプタ12の上面に、前記形態例と同様の基板回転防止用突起41を突設した基板保持凹部42を形成した例を示している。このように、基板ホルダを使用しないときには、サセプタ12の上面に、基板13を支持するための基板保持凹部42と、基板13の回転防止を図るための基板回転防止用突起41とを直接形成しても、前記同様の作用効果が得られる。
また、図示は省略するが、上面が平面となったサセプタ12の上に、基板と同じ厚さを有し、基板を支持する部分を開口させるとともに、該開口の周壁から前記同様の基板回転防止用突起を突設させた基板支持板を載置し、この基板支持板で基板を支持するようにしても、前記同様の作用効果を得ることができる。
11…基板ホルダ、12…サセプタ、13…基板、13a…回転方向先端側の外周、13b…切り落とし部15の端部15aに対向した位置に近い基板13の外周、13c,13d…隙間、14…基板保持凹部、15…切り落とし部、15a…切り落とし部15の端部、16…基板回転防止用突起、21…サセプタ支持軸、22…ヒーター、23…フローチャンネル、31…張り出し部、32…基板保持凹部、41…基板回転防止用突起、42…基板保持凹部、S…切り落とし寸法
Claims (2)
- 加熱手段により加熱されるサセプタの上面に基板を支持し、前記サセプタを回転させながら、該サセプタを介して前記基板を加熱するとともに、基板上に気相原料を供給して薄膜を堆積させる気相成長装置において、前記サセプタの上面に前記基板の直径より大きな直径を有する円形の基板保持凹部を形成するとともに、該基板支持凹部の周壁に、前記基板の外周に設けられている切り落とし部の切り落とし寸法に対応した突出量を有し、先端の基板当接部が円弧面となった基板回転防止用突起を突設したことを特徴とする気相成長装置。
- 加熱手段により加熱されるサセプタの上面に基板を支持した基板ホルダを載置し、前記サセプタを回転させながら、該サセプタ及び前記基板ホルダを介して前記基板を加熱するとともに、基板上に気相原料を供給して薄膜を堆積させる気相成長装置において、前記基板ホルダの上面に前記基板の直径より大きな円形の基板保持凹部を形成するとともに、該基板支持凹部の周壁に、前記基板の外周に設けられている切り落とし部の切り落とし寸法に対応した突出量を有し、先端の基板当接部が円弧面となった基板回転防止用突起を突設したことを特徴とする気相成長装置。
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