JP2005232284A - オレフィン含有ワックス状原料油の異性化方法および潤滑油基油の製造方法 - Google Patents

オレフィン含有ワックス状原料油の異性化方法および潤滑油基油の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 異性化性能の高い異性化触媒を用いて、高い粘度指数と低い流動点を有する潤滑油基油を高収率で得るオレフィンの異性化方法、および得られた異性化油から前記潤滑油基油を製造する方法を提供すること。
【解決手段】 アルミナに、長径6.5〜7.5Åの細孔を有し、かつSiO/Alモル比が50以上である結晶性モレキュラーシーブを1〜80重量%混合した担体に、周期律表第8族金属及び6A族から選択される少なくとも1種の金属成分を担持させたことからなる異性化用触媒に、オレフィン含有ワックス状原料を水素加圧下に接触させることからなるオレフィン含有ワックス状原料の異性化方法、並びに得られた異性化油から軽質分を蒸留除去し、残留分を脱ロウすることからなる潤滑油基油の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、オレフィン含有ワックス状原料油、特にはエチレンの重合により得られるノルマルαオレフィンを含むワックス状原料油を水添異性化する方法、およびこの方法で得られた異性化油から高い粘度指数、特には130以上の粘度指数を有する潤滑油基油を製造する方法に関する。
高品質潤滑油は、最新式の機械および自動車の運転用には不可欠である。良好な潤滑特性を有する天然原油の供給は、現在の需要に対して残念ながら十分ではない。そのため通常および低品質原料の品質向上によって他の製品に転換できる潤滑油製造用の多数の方法が提案されている。例えば、フィツシャー・トロプシュ合成パラフィンやスラックワックスなどのワックス質パラフィンを異性化したり、選択的な水素化分解を行うことによって、粘度指数の高い潤滑油基油を製造することができ、このための方法あるいは触媒等について種々提案されている。このうち、高い粘度指数を有する潤滑油の製造方法として、スラックワックスを4〜15MPaの水素加圧下に、アルミナに、結晶性モレキュラーシーブを混合した担体に、水素化性能、異性化性能を有する金属成分を担持させたワックス異性化用触媒と接触させる方法が提案されている(特許文献1参照)。しかし、スラックワックスの供給量は今後予想される高品質潤滑油の需要に対して十分でないという問題点がある。またフィツシャー・トロプシュ合成パラフィンも、現状では工業的な潤滑油製造に十分な量が供給される状況に至っていない。
高品位潤滑油の製造の原料として、従来スラックワックスやフィツシャー・トロプシュ合成パラフィンなどのパラフィン系化合物が用いられてきた。
また一方、ノルマルαオレフィンやノルマル内部オレフィンなど(以下、ノルマルαオレフィンなどという)は、例えば、化学工業的にはエチレンの重合を行うことにより生成するが、鎖長の長いもの、特に炭素数が20以上のノルマルαオレフィンなどに関しては、自家燃料などに用いられる以外、現状有効な利用法が見出されていない。
特許第2901047号公報
本発明は、上記問題を解決するもので、簡便な方法で調製でき、異性化性能の高い異性化触媒を用いて、パラフィンの異性化とほぼ同様の条件で、ノルマルαオレフィンなどを含むオレフィン含有ワックス状原料油から、130以上という高い粘度指数と低い流動点を有する潤滑油基油を高収率で得ることができるオレフィン含有ワックス状原料油の異性化方法、及び前記潤滑油基油の製造方法を提供することを課題とする。
耐火性酸化物担体上に金属を担持した二元機能性触媒上でパラフィンの異性化を速やかに進行させるためには、金属の脱水素・水素化活性と担体の酸性度をともにバランスよく高めなければならないとされている。例えば、酸性度を高める目的で担体としてゼオライトを用いると分解反応が優先し、低い粘度指数の基油が低い収率でしか得られない。この分解活性を抑制するための方策として、特定の細孔径を有する結晶性モレキュラーシーブを用いて分子ふるい効果を利用して選択的な分解や異性化を行ったり、あるいは結晶性モレキュラーシーブのSiO/Al比を高めて酸性度を低くしたものを用いる方法などが知られている。また、脱水素・水素化活性を高める目的で、担持金属としては高い脱水素・水素化活性を有する貴金属、特に白金が好んで用いられてきた。これは結晶性モレキュラーシーブを主体とした場合には、金属の脱水素・水素化活性と担体酸性度とのバランスにおいて、白金等の貴金属成分が必須であり、ニッケルなどの卑金属の使用は制限することが好ましいとされているためである(例えば、ACS preprint 38 (4) 788, 1993参照)。
これに対し発明者は、結晶性モレキュラーシーブは、アルミナに少量添加しただけでも、その分子ふるい機能は充分発揮され、またその酸性度は、結晶性モレキュラーシーブの酸性度がそのまま担体の酸性度に反映されることを報告している(特許第2901047号公報参照)。しかも、特定の細孔径を有し、かつSiO/Al比を一定以上に高めて酸性度を低くした結晶性モレキュラーシーブをアルミナに添加した担体は、パラジウムや白金のような貴金属などの極めて高い水素化能を有する金属以外の、一般の水素化精製触媒で用いられるような8族卑金属、6A族金属を担持しても、脱水素・水素化活性と担体の酸性度とがうまくバランスして、ワックスの異性化が速やかに進行することを見いだした。
発明者は、特許第2901047号公報に示される高いパラフィン異性化性能及び優れた経済性を併せ持つ上記パラフィン異性化触媒に、炭素数20以上のノルマルαオレフィンなど、安価に入手可能なオレフィンを含有するワックス状原料油を水素加圧条件下で接触させることにより、オレフィンは、容易に水素化されて、パラフィンと同様の異性化挙動を示すことを見出し、さらに、こうして得られた異性油を精製して十分に低い流動点と粘度指数130以上の高品質な潤滑油を製造できることを見いだした。
本発明はかかる知見に基づきなされたもので、本発明は、アルミナに、長径6.5〜7.5Åの細孔を有し、かつSiO/Alモル比が50以上である結晶性モレキュラーシーブを1〜80重量%混合した担体に、周期律表第8族金属及び6A族から選択される少なくとも1種の金属成分を担持させたことからなる特許第2901047号公報に記載のワックス異性化用触媒にオレフィン含有ワックス状原料を4〜15MPaの水素加圧下に接触させることからなるオレフィン含有ワックス状原料油の異性化方法である。
なお、前記オレフィンは、炭素数20以上のノルマルαオレフィン、ノルマル内部オレフィン又はこれらの混合物を含むものであることが好ましく、分岐オレフィンを含むものであってもよい。また、オレフィン含有ワックス状原料油は、さらに、スラックワックスもしくはフィツシャー・トロプシュ合成パラフィンを含んでいてもよい。さらに、オレフィン含有ワックス状原料油を、周期律表第8族金属及び6A族から選択される少なくとも1種の金属成分を担持させたことからなる水素化精製用触媒と接触させることにより予め水素化したのち、異性化を行うことが好ましい。
また、本発明は、上記の異性化方法で得られた異性化生成物から軽質分を蒸留などの操作で分離し、その後得られた残留分を脱ロウすることによる、高い粘度指数と低い流動点を有する潤滑油基油の製造方法を提供する。
本発明によれば、炭素数が20以上のノルマルαオレフィンなどを含有するオレフィン含有原料油を簡便な方法で容易に異性化することができ、高い粘度指数と低い流動点を有する潤滑油基油を高収率で得ることができる。また、本発明によれば、有効に利用されていない炭素数が20以上のノルマルαオレフィンから潤滑油基油などを製造するものであるから、有効に利用されていない重質オレフィンの有効利用ないしは付加価値の向上を図ることができる。
本発明において、異性化触媒の担体に用いるアルミナとしては、触媒の担体として通常用いられるアルミナ、あるいはアルミナ水和物であればどのようなものでも特に支障はなく用いることができる。
また、担体にアルミナと共に用いられる結晶性モレキュラーシーブは、細孔長径が6.5〜7.5Åである結晶性モレキュラーシーブであることが必要である。細孔長径が6.5Åより小さいと、直鎖状のパラフィンやオレフィン及び分岐の程度の小さい枝分かれのパラフィンやオレフィンの分解のみが進行し、異性化反応が進行しない。この場合、パラフィン以外の成分が多量に含まれている、いわゆる含ろう油を、単に低流動点化させるためには適しているけれども、ワックスを原料とした場合には、引き続いて行われる脱ろう処理において、潤滑油基油の収率が著しく低くなる。一方、細孔長径が7.5Åより大きいと、直鎖状炭化水素に対して実質的に分子ふるい機能が失われ、低い潤滑油基油留分収率、低い粘度指数の基油しか得られない。
細孔長径が6.5〜7.5Åである結晶性モレキュラーシーブには、ゼオライトL、Y、Ω、モルデナイト、ゼオライト類似化合物であるシリコアルミノホスフェート・モレキュラーシーブ(SAPO)が挙げられ、これらはいずれも用いることができる。しかし、このうち、ゼオライトYは、細孔径が7.4Åの細孔を有しているが、そのチャネル構造に起因した2次的な分解があるのでワックス異性化にはあまり好ましくない。
また、この結晶性モレキュラーシーブは酸性度を低くしたものである必要があり、このためSiO/Alモル比を50以上としたものを用いる。SiO/Alモル比が50に満たないと、少量の添加であっても分解活性が高すぎて低い潤滑油基油留分収率、低い粘度指数の基油しか得られないか、またコーク等の堆積による触媒失活が激しく触媒寿命が短くなる。
結晶性モレキュラーシーブの形状は特に問わないが、100μm以下、好ましくは0.1〜50μmのメジアン径を有するものを使用することが好ましい。また、結晶性モレキュラーシーブのアルミナへの添加量は1〜80重量%とする。結晶性モレキュラーシーブの添加量が1重量%に満たない場合は、異性化活性が低く、また、80重量%を越える添加は、分解活性が高くなり、異性化選択性が低くなるためである。結晶性モレキュラーシーブの分子ふるい機能や、酸性度は少量の添加であっても、この量で充分発揮される。また、このように、アルミナへの結晶性モレキュラーシーブの添加量が比較的少量であることが水素化金属成分として第8族卑金属及び第6A族金属の使用を可能にする。
担持金属としては、一般の水素化精製触媒に用いられるような水素化金属成分である周期律表第8族金属及び第6A族金属、例えばニッケル、コバルト、モリブデン及びタングステン等のいずれか1種あるいは2種以上を組み合わせて用いる。これらの金属担持量は、触媒に対し、金属成分としての合計量で、好ましくは3〜30重量%、特には10〜20重量%の範囲で適宜選定するとよい。一般的に、触媒担体としてゼオライトのような結晶性モレキュラーシーブを用いる場合、その酸性度と水素化金属成分の脱水素・水素化活性能とをうまくバランスさせるには、高い水素化能を有する貴金属が必要であると考えられていた。しかし、結晶性モレキュラーシーブをアルミナに1〜80重量%の範囲で添加した担体では、モレキュラーシーブが適切な細孔構造と酸性度を有していれば、担体全体としての酸性度は適度に弱められ、その結果、卑金属であっても異性化が速やかに進行するのである。
なお、これらの金属成分に併せて、これ以外の元素、例えばリン等を担持してもよい。リン等の他の元素は1〜7重量%の範囲で適宜選定するとよい。
本発明の触媒は、以下のようにして調製できる。
まず、アルミナと結晶性モレキュラーシーブとを混合、混練するが、これは混練前に両者を混合しても、アルミナを混練しながら結晶性モレキュラーシーブを添加、混合して用いても良い。この混合には、特別のことを行なう必要はなく、単に機械的に混合させるだけで良い。この混練においては、1〜5重量%硝酸溶液を解膠剤として使用することが好ましい。また、混練においては公知の何れの混練機も使用できる。混練後は、押出成形機等を用いて成形すると良い。この場合の形状は、シリンダー形、三つ葉形、球状等、使用する反応器を考慮して成形することが好ましく、1/16〜1/32インチの最大断面直径を有するようにすると良い。
次にこの成形物を50〜200℃の温度で、5〜24時間乾燥し、250〜800℃の温度、好ましくは400〜700℃の温度で、1〜2時間空気中で焼成する。このようにして得られた耐火性酸化物担体に、含浸法等により上記した金属成分を、例えば、アンモニウム塩又は硝酸塩等のかたちで吸着させ、50〜200℃の温度で、5〜24時間乾燥し、250〜700℃の温度、好ましくは400〜600℃の温度で、0.5〜2時間空気中で焼成する。こうして、耐火性酸化物担体に活性金属成分を担持した異性化触媒を調製することができ、オレフィン含有ワックス状原料油を異性化するために好適に用いられる。
オレフィン含有ワックス状原料油は、好ましくはオレフィンを50重量%以上含有する。オレフィンとしては、特にはその素性、種類等を問わないが、エチレンの重合により得られるノルマルαオレフィン、特にその中で炭素数20以上の炭素鎖長を有するものが好適に用いられる。また、特にα位に限定するものでなく、オレフィンとしては、α位以外に二重結合を有するノルマル内部オレフィンであってもよい。また、分岐状オレフィンを含んでいてもかまわない。
オレフィン含有ワックス状原料油は、上記オレフィン以外に、潤滑油製造工程の1つである溶剤脱ろう工程で得られるスラックワックスなどのパラフィン系炭化水素油を含有しても良く、ノルマルαオレフィンとスラックワックスを同時に効果的に異性化することができる。スラックワックス混合割合は、炭素数20以上のオレフィンが3重量%以上含有されれば、特に制限するものではない。
なおスラックワックスには、減圧中質、重質留分もしくは減圧残渣分の脱アスファルト処理油を、フルフラール溶剤抽出処理し、次いで水素化精製装置で処理するか、もしくは処理することなく、溶剤脱ろう装置にかけて得られるスラックワックスが好適に用いられる。これらの原料油は、各留分ごとに単独で処理しても良く、また他の留分のものと混合して用いても良い。
また、上記パラフィン系炭化水素油としては、スラックワックス以外に、フィツシャー・トロプシュ合成により得られるパラフィンでも良く、その鎖長分布、オレフィン含有ワックス状原料油における混合比にはスラックワックスの場合と同様に特に制限はない。
オレフィン含有ワックス状原料油は、実質的に炭素数20以上のオレフィン単独で用いられる場合であっても、パラフィン系炭化水素油と混合されて用いられる場合であっても、これらの炭化水素成分は、もともとエチレン重合、潤滑油の精製工程、あるいはフィツシャー・トロプシュ合成など、夾雑物のない原料を使用して、あるいは高度な精製を経て得られるものであるから、芳香族化合物、ナフテン化合物、いずれも1重量%以下で、また硫黄分、窒素分のいずれも10wtppm以下にすることができる。この様な異性化反応を阻害する物質が、原料に含まれないために、異性化反応条件をマイルドにすることができ、その結果触媒劣化を抑制することができる。
この異性化は、固定床、移動床、流動床の何れの方式でも行なうことができ、300〜400℃の温度、4〜15MPaの水素圧、500〜3000l/lの水素/ワックス比、0.2〜5.0hr−1の液空間速度(LHSV)の反応条件で行なうことが好ましい。
高い粘度指数の潤滑油基油を高い収率で得るためには、直鎖状のオレフィンおよびパラフィンの転化率が90重量%以上、原料の初留点以下の沸点を有する軽質留分への転化率が40重量%以下になるように反応条件を設定することが好ましい。直鎖状のオレフィンおよびパラフィンの転化率が90重量%に達しない場合、高い粘度指数は期待できるが、引き続き行う脱ろう処理において潤滑油基油の収率が低下し、また、当該潤滑油基油の流動点を十分に低くできない場合がある。また、軽質分への転化が40重量%を越えると、潤滑油基油留分の収率が低い上、高い粘度指数が維持できず、好ましくない。
この異性化反応で得られた生成油には、潤滑油基油としては望ましくない軽質留分が含まれるので、これを蒸留などにより分離する。この蒸留は減圧下で行なうことが望ましく、沸点350℃以下の留分を除去し、330〜370℃の初留点を有する残留分を得るようにすると良い。
異性化生成物を蒸留して得られ、好ましくは330〜370℃の初留点を有する残留分を脱ろう装置にかけることにより、低流動点、高粘度指数の潤滑油基油を得ることができる。この場合の脱ろうは一般に行なわれている溶剤脱ろうで良く、例えば、メチルエチルケトン/トルエンの混合溶剤(例えば1/1溶剤比)を用い、溶剤/脱ろう原料比2/1〜4/1の範囲で、−20〜−30℃の温度の下で行なうと良い。また、脱ろうは接触脱ろう法でも良く、例えば、50重量%のZSM−5と50重量%のアルミナからなる触媒が充填された反応器に、3MPaの水素圧力下、LHSV1.0hr−1、反応器温度300℃、水素/オイル比450nL/Lで通油して行うと良い。
また、上記異性化に際して、異性化触媒層の前段部に、水素化金属成分である周期律表第8族金属及び第6A族金属を用いた一般の水素化精製触媒を組み合わせ、オレフィン分子の二重結合をあらかじめ水素化することによって、異性化触媒上へのコーク等の堆積を減じ、劣化速度をよりマイルドにした異性化運転を行うことができる。
オレフィンを水素化異性化し、潤滑油を製造する方法としては、シリコアルミノホスフェートを含む触媒を用いて行う方法が提案されている(特許第3012318号公報)が、シリコアルミノホスフェートは細孔径が約5.3〜約6.5Åと小さいため、鎖状炭化水素の異性化反応に対して十分な拡散性を有するとは言い難く、また異性化反応に比して分解反応の起こる確率が高いという短所がある。さらに、一つの分岐を有するパラフィンもしくはオレフィンを更に異性化し、多分岐体を得る反応には、より細孔径の大きい反応場を用いることが有効であると考えられる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、該実施例によってなんら制限されるものではない。
触媒の調製
アルミナ粉1564gを混練機に入れ、3%濃度の硝酸水溶液1 lを解膠剤として添加して30分間混練し、これに市販のモルデナイト(ゼオライト細孔長径7.0Å、SiO/Alのモル比=210)117.7gを添加し、さらに30分間混練した。この混練物を1.4mmφの孔のダイスを有する押出成形機で円柱状に成形し、130℃で一晩乾燥した。乾燥物をロータリーキルンを用いて600℃で1時間焼成し、触媒担体を得た。
この担体150gに、モリブデン酸アンモニウム46.5g、硝酸ニッケル六水和物41.8g、リン酸溶液19.6gを含む含浸液を用いてモリブデン、ニッケル、リンを含浸した。これを130℃で一晩乾燥した後、ロータリーキルンを用いて500℃で30分間焼成して触媒Aを得た。
(参考例)
ワックスの異性化
上記で得た触媒Aを固定床流通式の反応容器に充填し、この触媒を硫化した後、これに、減圧蒸留後の重質潤滑油留分を溶剤脱ろうすることによって得られた重質スラックワックス(油分13重量%、密度0.84g/cm、沸点範囲330〜600℃)を流通させて異性化を行なった。反応条件は、水素圧8MPa、水素/ワックス比1500l/l、LHSV0.5hr-1とし、温度は350〜380℃の間で変化させた。得られた生成油をガスクロマトグラフィーにより分析し、その結果を表1に示した。なお、直鎖状パラフィンの減少率をNP転化率、沸点が330℃より低い留分の生成率を分解率として表わした。
Figure 2005232284
前記触媒Aを用い反応温度361℃で得られた生成物を、減圧下で蒸留して軽質分を除去し、初留点330℃を有する残留物を得た。次いで、この残留物を、メチルエチルケトン/トルエン(1/1溶剤比)の混合溶剤を用い、溶剤/脱ろう原料比4/1、温度−27℃の条件で脱ろうした。これで得られた潤滑油基油の収率とこの基油の性状を表2に示した。
Figure 2005232284
触媒Aを固定床流通式の反応容器に充填し、この触媒を硫化した後、これに、減圧蒸留後の重質潤滑油留分を溶剤脱ろうすることによって得られた重質スラックワックスに、エチレン重合から得られた重質ノルマルα−オレフィン(密度0.85g/cm、組成:ノルマルα−オレフィン76重量%、分岐状オレフィン21重量%、オレフィンの炭素数30〜50、平均炭素数35)を30重量%混合したオレフィン含有ワックス状原料油A(密度0.85g/cm、沸点範囲330〜600℃)を流通させて異性化を行なった。反応条件は、水素圧9MPa、水素/ワックス比1500l/l、LHSV0.5hr−1とし、温度は360〜390℃の間で変化させた。得られた生成油をガスクロマトグラフィーにより分析し、その結果を表3に示した。なお、直鎖状オレフィンおよび直鎖状パラフィンの減少率を直鎖転化率、沸点が330℃より低い留分の生成率を分解率として表わした。
Figure 2005232284
上記の触媒Aを用い反応温度360℃で得られた生成物を、減圧下で蒸留して軽質分を除去し、初留点330℃を有する残留物を得た。次いで、この残留物を、メチルエチルケトン/トルエン(1/1溶剤比)の混合溶剤を用い、溶剤/脱ろう原料比4/1、温度−27℃の条件で脱ろうした。これで得られた潤滑油基油の基油収率とこの基油の性状を表4に示した。
Figure 2005232284
表4は、異性化触媒Aを用いることにより、特にはオレフィン含有ワックス状原料油より、ワックス系炭化水素と同様に高い基油収率で粘度指数140以上の潤滑油基油を得ることができることを示している。

Claims (5)

  1. オレフィンを含有するワックス状原料油を、4〜15MPaの水素加圧下に、アルミナに、長径6.5〜7.5Åの細孔を有し、かつSiO/Alモル比が50以上である結晶性モレキュラーシーブを1〜80重量%混合した担体に、周期律表第8族金属及び6A族から選択される少なくとも1種の金属成分を担持させた異性化用触媒と接触させることよりなるオレフィン含有ワックス状原料油の異性化方法。
  2. オレフィン含有ワックス状原料油が、炭素数20以上のノルマル内部オレフィン、ノルマルαオレフィン、分枝状オレフィン又はこれらの混合物を含む請求項1記載の異性化方法。
  3. オレフィン含有ワックス状原料油が、スラックワックスもしくはフィツシャー・トロプシュ合成パラフィンを含む請求項1又は2記載の異性化方法。
  4. オレフィン含有ワックス状原料油を、周期律表第8族金属及び6A族から選択される少なくとも1種の金属成分を担持させたことからなる水素化精製用触媒と接触させることにより予め水素化したのち、異性化を行う請求項1〜3のいずれかに記載の異性化方法。
  5. 請求項1〜4の方法で異性化された生成物から軽質分を分離し、その後得られた残留分を脱ロウすることによる、潤滑油基油の製造方法。
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