JP2901047B2 - ワックス異性化用触媒およびワックスの異性化方法並びに潤滑基油の製造方法 - Google Patents

ワックス異性化用触媒およびワックスの異性化方法並びに潤滑基油の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワックス系炭化水素
油、特にはスラックワックスを異性化し、高い粘度指数
を有する潤滑基油を製造するのに適した触媒、およびそ
の触媒を用たワックスの異性化方法、さらには潤滑基油
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スラックワックスを異性化したり、選択
的な水素化分解を行うことによって、粘度指数の高い潤
滑基油を製造することができ、このための方法あるいは
触媒等について種々提案されている。このうち、高い粘
度指数を有する潤滑油の製造方法として、耐火性酸化
物、具体的にはアルミナを担体とし、これにニッケルお
よび/またはコバルトと、モリブデンおよび/またはタ
ングステンとリン酸化物を担持した触媒を用いる方法が
提案されている(特公昭54-2204号公報)。しか
し、この触媒を用いる方法では、異性化の反応率が低
く、低い潤滑基油収率しか得られないという欠点が有っ
た。
【0003】このため、反応率を高め、潤滑基油の収率
を向上させるため、種々の触媒を用いる方法が提案され
ている。
【0004】例えば、大気孔ゼオライト(ZSM-5、
22、23、35)あるいはアルファ値が20を越えな
い低酸性ゼオライト(骨格にホウ素を含むゼオライト
β)上に、パラジウム、白金等の水素化/脱水素成分を
担持した触媒(特開昭62-112691号公報、特開
平5-504597号公報、特開平4-226593号公
報)、中間的気孔孔径をもつシリコアルミノホスフェー
ト・モレキュラシーブに白金やパラジウムを担持した触
媒(特開昭62-25195号公報、特開平4-5033
71号公報)等が提示されている。
【0005】また、フッ素化された耐火金属酸化物担体
に白金等を担持した触媒(特開平1-223196号公
報)、テトラアンモニウムアルミネート等で処理した耐
火金属酸化物担体に白金等を担持した触媒(特開昭60-
133089号公報)が開示されている。
【0006】しかし、この種の触媒を用いて得られる潤
滑基油は、流動点あるいは粘度指数等の面で省燃費型モ
ーターオイルとして使用するにはいまだ十分ではない場
合もあり、さらにはこれらの触媒のほとんどは、硫黄、
窒素に対する耐性の低い貴金属が活性担持金属として使
用されており、原料中の硫黄、窒素分を厳密に制御しな
ければならないという欠点を有していた。従って、これ
ら貴金属が担持された触媒を用いてワックス等を異性化
して高い粘度指数を有する基油を製造するには、脱硫、
脱窒素のための別の反応器が必要となる。
【0007】さらに、ゼオライトやシリコアルミノホス
フェート・モレキュラシーブ等を用いた触媒は、アルミ
ナ担体触媒と比べ高価であるという欠点を有している。
また、耐火金属酸化物担体をフッ素やテトラアンモニウ
ムアルミネート等で処理したものは、触媒の製造工程が
複雑になり、またフッ素等有害な試薬を用いるため、製
造上の安全性確保等の問題もあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決するもので、本発明の目的は簡便な方法で調製で
き、硫黄、窒素に対する耐性が高く汎用性の高いワック
ス異性化触媒、およびその触媒を用いて、140以上と
いう高い粘度指数と低い流動点を有する潤滑基油を高収
率で得るワックスの異性化方法、並びに通常の潤滑油原
料の精製とスラックワックスからの高粘度指数の潤滑油
の製造とを交互に行うことができる潤滑基油の製造方法
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】耐火性酸化物担体上に金
属を担持した二元機能性触媒上で異性化を速やかに進行
させるためには、金属の脱水素・水素化活性と担体の酸
性度(表面積当たりの酸量)をともにバランスよく高め
なければならないとされている。例えば、酸性度を高め
る目的で担体としてゼオライトを用いると分解反応が優
先し、低い粘度指数の基油が低い収率でしか得られな
い。この分解活性を抑制するための方策として、特定の
細孔径を有する結晶性モレキュラーシーブを用いて分子
ふるい効果を利用して選択的な分解や異性化を行った
り、あるいは結晶性モレキュラーシーブのSiO/AlO
比を高めて酸性度を低くしたものを用いる方法などが
知られている。また、脱水素・水素化活性を高める目的
で、担持金属としては高い脱水素・水素化活性を有する
貴金属、特に白金が好んで用いられてきた。これは結晶
性モレキュラーシーブを主体とした場合には、金属の脱
水素・水素化活性と担体酸性度とのバランスにおいて、
白金等の貴金属成分が必須であり、ニッケルなどの卑金
属の使用は制限することが好ましいとされているためで
ある(例えば、ACS preprint 38(4)788,1993参照)。
【0010】しかし、意外にも結晶性モレキュラーシー
ブはアルミナに少量添加しただけでも、その分子ふるい
機能は充分発揮され、またその酸性度は、結晶性モレキ
ュラーシーブの酸性度がそのまま担体の酸性度に反映さ
れることを見出した。しかも、特定の細孔径を有し、か
つSiO2/Al2O3比を一定以上に高めて酸性度を低くした結
晶性モレキュラーシーブをアルミナへ添加した担体は、
パラジウムや白金のような貴金属のような極めて高い水
素化能を有する金属以外の、一般の水素化精製触媒で用
いられるような8族卑金属、6A族金属を担持しても、
脱水素・水素化活性と担体の酸性度とがうまくバランス
して、ワックスの異性化が速やかに進行することを見い
だした。
【0011】本発明はかかる知見に基づきなされたもの
で、本発明はアルミナに、長径6.5〜7.5Åの細孔
を有し、かつSiO/AlOモル比が50以上である結
晶性モレキュラーシーブを1〜30重量%混合した担体
に、ニッケル、コバルト、モリブデン、タングステン
ら選択される少なくとも1種の金属成分を担持させたこ
とからなるワックス異性化用触媒、およびパラフィンを
50重量%以上含有するワックス系炭化水素油を水素加
圧下に前記のワックス異性化用触媒と接触させることか
らなるワックスの異性化方法、並びに前記ワックス異性
化触媒を充填した反応器に潤滑基油製造中間体とスラッ
クワックスとを交互に通油して、前記潤滑基油製造中間
体の水素化精製とスラックワックスの異性化とを交互に
行うことからなる潤滑基油の製造方法である。
【0012】上記本発明に用いられるアルミナにはアル
ミナ水和物を含むが、このアルミナとしては、触媒の担
体として通常用いられるアルミナ、あるいはアルミナ水
和物であればどのようなものでも特に支障はなく用いる
ことができる。
【0013】本発明に用いられる結晶性モレキュラーシ
ーブは、細孔長径が6.5〜7.5Åである結晶性モレキ
ュラーシーブであることが必要である。細孔長径が6.
5Åより小さいと、直鎖状パラフィン及び分岐の程度の
小さい枝分かれパラフィンの分解のみが進行し、異性化
反応が進行しない。この場合、パラフィン以外の成分が
多量含まれている、いわゆる含ろう油を、単に低流動点
化させるためには適しているけれども、ワックスを原料
とした場合には、引き続いて行われる脱ろう処理におい
て、潤滑基油の収率が著しく低くなる。一方、細孔長径
が7.5Åより大きいと、ワックスに対して実質的に分
子ふるい機能が失われ、低い潤滑基油留分収率、低い粘
度指数の基油しか得られない。
【0014】細孔長径が6.5〜7.5Åである結晶性モ
レキュラーシーブには、ゼオライトL、Y、Ω、モルデ
ナイト、ゼオライト類似化合物であるシリコアルミノホ
スフェート・モレキュラシーブ(SAPO)が挙げられ、これ
らはいずれも用いることができる。しかし、このうち、
ゼオライトYは、細孔径が7.4Åの細孔を有している
が、そのチャネル構造に起因した2次的な分解があるの
でワックス異性化にはあまり好ましくない。
【0015】また、この結晶性モレキュラーシーブは酸
性度を低くしたものである必要があり、このためSiO2/A
l2O3モル比を50以上としたものを用いる。SiO2/Al2O3
モル比が50に満たないと、少量の添加であっても分解
活性が高すぎて低い潤滑基油留分収率、低い粘度指数の
基油しか得られないか、またコーク等の堆積による触媒
失活が激しく触媒寿命が短かくなる。
【0016】結晶性モレキュラーシーブの形状は特に問
わないが、100μm以下、好ましくは0.1〜50μm
のメジアン径を有するものを使用することが好ましい。
また、結晶性モレキュラーシーブのアルミナへの添加量
は1〜30wt%とする。結晶性モレキュラーシーブの添
加量が1wt%に満たない場合は、異性化活性が低く、ま
た、30wt%を越える添加は、分解活性が高くなり、異
性化選択性が低くなるためである。結晶性モレキュラー
シーブの分子ふるい機能や、酸性度は少量の添加であっ
ても、この量で充分発揮される。また、このように、ア
ルミナへの結晶性モレキュラーシーブの添加量が比較的
少量であることが水素化金属成分として第8族卑金属及
び第6A族金属の使用を可能にする。
【0017】担持金属としては、一般の水素化精製触媒
に用いられるような水素化金属成分である周期律表第8
族卑金属及び第6A族金属、例えばニッケル、コバル
ト、モリブデン及びタングステン等のいずれか1種ある
いは2種以上を組み合わせて用いる。これらの金属担持
量は、触媒に対し、金属成分としての合計量で、好まし
くは3〜30重量%、特には10〜20重量%の範囲で
適宜選定するとよい。一般的に、触媒担体としてゼオラ
イトのような結晶性モレキュラーシーブを用いる場合、
その酸性度と水素化金属成分の脱水素・水素化活性能と
をうまくバランスさせるには、高い水素化能を有する貴
金属が必要であると考えられていた。しかし、結晶性モ
レキュラーシーブをアルミナに1〜30重量%と少量添
加した担体では、モレキュラーシーブが適切な細孔構造
と酸性度を有していれば、担体全体としての酸性度は適
度に弱められ、その結果、卑金属であっても異性化が速
やかに進行するのである。
【0018】なお、これらの金属成分に併せて、これ以
外の元素、例えばリン等を担持してもよい。リン等の他
の元素は1〜7重量%の範囲で適宜選定するとよい。
【0019】本発明の触媒は、以下のようにして調製で
きる。
【0020】まず、アルミナと結晶性モレキュラーシー
ブとを混合、混練するが、これは混練前に両者を混合し
ても、アルミナを混練しながら結晶性モレキュラーシー
ブを添加、混合して用いても良い。この混合には、特別
のことを行なう必要はなく、単に機械的に混合させるだ
けで良い。この混練においては、1〜5%硝酸溶液を解
膠剤として使用することが好ましい。また、混練におい
ては公知の何れの混練機を使用できる。混練後は、押出
成形機等を用いて成形すると良い。この場合の形状は、
シリンダー形、三つ葉形、球状等、使用する反応器を考
慮して成形することが好ましく、1/16〜1/32イン
チの最大断面直径を有するようにすると良い。
【0021】次にこの成形物を50〜200℃の温度
で、5〜24時間乾燥し、250〜800℃の温度、好
ましくは400〜700℃の温度で、1〜2時間空気中
で焼成する。このようにして得られた耐火性酸化物担体
に、含浸法等により上記した金属成分を担持し、50〜
200℃の温度で、5〜24時間乾燥し、250〜70
0℃の温度、好ましくは400〜600℃の温度で、
0.5〜2時間空気中で焼成する。
【0022】上記のようにして得られる本発明の触媒は
パラフィンを50重量%以上含有するワックス系炭化水
素油を原料として異性化するために好適に用いられる。
このパラフィンを50重量%以上含有するワックス系炭
化水素油としては、特にはその種類を問わないが、潤滑
油製造工程の1つである溶剤脱ろう工程で得られるスラ
ックワックス、すなわち、減圧中質、重質留分もしくは
減圧残渣分の脱アスファルト処理油を、フルフラール溶
剤抽出処理し、次いで水素化精製装置で処理するか、も
しくは処理することなく、溶剤脱ろう装置にかけて得ら
れるスラックワックスが好適に用いられる。これらのワ
ックスは、各留分ごとに単独で処理しても良く、また他
の留分のものと混合して用いても良い。
【0023】この異性化は、固定床、移動床、流動床の
何れの方式でも行なうことができ、300〜400℃の
温度、50〜150kg/cm2の水素圧、500〜3000
l/lの水素/ワックス比、0.2〜5.0hr-1の液空間速
度(LHSV)の反応条件で行なうことが好ましい。
【0024】高い粘度指数の潤滑基油を高い収率で得る
ためには、直鎖状のパラフィンの転化率が90%以上、
原料の初留点以下の沸点を有する軽質留分への転化率が
40重量%以下になるように反応条件を設定することが
好ましい。直鎖状のパラフィン転化率が90%に達しな
い場合、高い粘度指数は期待できるが、引き続き行う脱
ろう処理において潤滑基油の収率が低下し、また、当該
潤滑基油の流動点を十分に低くできない場合がある。ま
た、軽質分への転化が40重量%を越えると、潤滑基油
留分の収率が低い上、高い粘度指数が維持できず、好ま
しくない。
【0025】この異性化反応で得られた生成油には、潤
滑基油としては望ましくない軽質留分が含まれるので、
これを蒸留などにより分離する。この蒸留は減圧下で行
なうことが望ましく、沸点350℃以下の留分を除去
し、330〜370℃の初留点を有する残留分を得るよ
うにすると良い。
【0026】異性化生成物を蒸留した後、脱ろう装置に
かけることにより、潤滑基油とすることができる。この
場合の脱ろうは一般に行なわれている溶剤脱ろうで良
く、例えば、メチルエチルケトン/トルエンの混合溶剤
(例えば1/1溶剤比)を用い、溶剤/脱ろう原料比2/
1〜4/1の範囲で、−20〜−30℃の温度の下で行
なうと良い。
【0027】上記触媒は、担持金属として一般の水素化
精製触媒に用いられるような水素化金属成分であるニッ
ケル、コバルト、モリブデン、タングステンから選択さ
れる少なくとも1種を用いているので、異性化ととも
に、脱硫、脱窒素等の水素化精製機能をも有している。
したがって、本触媒を用いて、鉱油の減圧蒸留留分等、
通常の潤滑基油の製造中間体を水素化精製することもで
きる。したがって、従来、異性化と水素化精製とは別々
の反応装置で行っていたが、この触媒を用いることによ
り1つの反応装置で、通常の潤滑基油製造中間体とワッ
クスとを交互に通すことにより水素化精製と異性化をそ
れぞれ交互に行うことができる。
【0028】上記の通常の潤滑基油製造中間体とは、一
般に潤滑基油製造工程で得られる中間体であり、典型的
には減圧蒸留留分や、減圧蒸留残分のプロパン脱アスフ
ァルト処理油、或いはこれらを、フルフラールを用いて
溶剤精製したラフィネートおよび/または溶剤脱ろうし
た油または接触脱ろうした油等、あるいはこれらの2種
以上の混合物等であり、硫黄分を0.5〜5wt%程度含
有しているものを用いることが好ましい。
【0029】この水素化精製は、50〜150kg/cm2
水素加圧下で、100〜2000l/lの水素/油比、0.
5〜5hr-1の液空間速度(LHSV)、250〜400℃の温
度の条件下に行うと良い。
【0030】また、上記水素化精製と異性化とを交互に
行う際には、反応器に供給される原料油種を切り替え、
その後条件を設定し直すか、条件を設定し直してから、
その後原料油種を切り替えるいずれの方法で行なっても
良い。水素化精製から異性化、或いは逆に異性化から水
素化精製への切り替えの初期においては、触媒の活性が
十分に発揮されないため目的の性状を有する潤滑基油を
得ることができないが、比較的短期間のうちに活性が復
活し、目的の性状を有する潤滑基油を得ることができる
ようになる。
【0031】尚、この水素化精製でも、異性化と同様に
副反応である分解反応による軽質留分への転化が起こ
り、この潤滑基油として望ましくない軽質留分を除去す
るため、減圧蒸留を行なう必要があるが、この蒸留につ
いても水素化精製及び異性化の両者において共通の精留
塔を使用できる。さらに、通常、この水素化精製後も異
性化後と同様脱ろう装置にかけられる場合があるが、こ
の脱ろう条件も両者においてさほど違いがないため共通
して使用できる。
【0032】また、この水素化精製においては用いられ
る潤滑基油製造中間体の種類にもよるが、一般には粘度
指数120以下の潤滑基油がえられる。
【0033】
【実施例】
(実施例1)触媒の調製 アルミナ粉1564gを混練機に入れ、3%濃度の硝酸
水溶液1 lを解膠剤として添加して30分間混練し、こ
れに市販のモルデナイト(ゼオライト細孔長径7.0
Å、SiO2/Al2O3のモル比=210)117.7gを添加
し、さらに30分間混練した。この混練物を1.4mmφ
の孔のダイスを有する押出成形機で円柱状に成形し、1
30℃で一晩乾燥した。乾燥物をロータリーキルンを用
いて600℃で1時間焼成し、触媒担体を得た。
【0034】この担体150gに、モリブデン酸アンモ
ニウム46.5g、硝酸ニッケル六水和物41.8g、リン
酸溶液19.6gを含む含浸液を用いてモリブデン、ニッ
ケル、リンを含浸した。これを130℃で一晩乾燥した
後、ロータリーキルンを用いて500℃で30分間焼成
して触媒Aを得た。
【0035】ワックスの異性化 上記で得た触媒Aを固定床流通式の反応容器に充填し、
この触媒を硫化した後、これに、減圧蒸留後の重質潤滑
留分を溶剤脱ろうすることによって得られた重質スラッ
クワックス(油分13重量%、密度0.84g/cm3、沸点
範囲330〜600℃)を流通させて異性化を行なっ
た。反応条件は、水素圧80kg/cm2、水素/ワックス比
1500l/l、LHSV0.5hr-1とし、温度は350〜38
0℃の間で変化させた。得られた生成油をガスクロマト
グラフィーにより分析し、その結果を表1に示した。な
お、直鎖状パラフィンの減少率をNP転化率、沸点が33
0℃より低い留分の生成率を分解率として表わした。
【0036】
【表1】
【0037】(比較例1〜3) 実施例1において、モルデナイトに代えてPQ Zeo
lite社製シリカライト(ゼオライト細孔長径5.6
Å、SiO/AlOのモル比=250)、及び市販のゼ
オライトβを脱アルミしたゼオライトβ(ゼオライト細
孔長径7.6Å、SiO/AlOのモル比=141)を
それぞれ用いた他は実施例1と同一の方法で触媒B、C
を調製した。また、モルデナイトを加えることなくアル
ミナのみの担体を用いて実施例1と同一の方法で触媒D
を調製した。これらの触媒を硫化した後、反応温度を表
2に示したようにした以外は実施例1と同一の方法で異
性化実験を行なった。これらの結果を表2に示した。
【0038】
【表2】
【0039】本発明の触媒Aおよび比較触媒Bでは、高
いNP転化率、低い分解率を達成しているのに対し、他の
比較触媒Cは高いNP転化率であっても分解率が高く、潤
滑基油留分収率が低いといった欠点を有しており、ま
た、触媒Dは400℃の高温であるにもかかわらずNP転
化率が低いといった欠点を有している。
【0040】次に、本発明の触媒Aが、比較触媒Bに比
べて本質的にワックス異性化能に優れていることを次の
二つの例で示す。
【0041】(実施例2)実施例1の触媒Aを用い反応
温度361℃で得られた生成物を、減圧下で蒸留して軽
質分を除去し、初留点330℃を有する残留物を得た。
次いで、この残留物を、メチルエチルケトン/トルエン
(1/1溶剤比)の混合溶剤を用い、溶剤/脱ろう原料
比4/1、温度−27℃の条件で脱ろうした。これで得
られた潤滑基油の収率とこの基油の性状を表3に示し
た。
【0042】(比較例4)比較例1において、触媒Bを
用いた生成油を、実施例2と同一の方法で潤滑基油を得
た。脱ろう処理での油分収率と基油の性状を表3に示し
た。
【0043】
【表3】
【0044】表3は、本発明の触媒Aが本質的に優れた
ワックス異性化能を有することを示している。すなわ
ち、比較触媒Bは、表2で高いNP転化率、低い分解率を
達成していても、直鎖状パラフィンに対する分解反応が
優先して進行するため、異性化の程度を直接表わす脱ろ
う処理での油分収率が極めて低い生成物しか得られない
のに対し、本発明触媒Aより得られた生成物からは、高
い脱ろう油収率で粘度指数145の基油が得られてい
る。
【0045】
【発明の効果】本発明のワックス異性化触媒は、原料ワ
ックスの前処理をすることなく高い異性化率と低い分解
率を示すので高い粘度指数を有する潤滑基油を高収率で
得ることができると共に、汎用潤滑基油製造にも使用す
ることができるという格別の効果を奏するものである。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナに、長径6.5〜7.5Åの細
    孔を有し、かつSiO/AlOモル比が50以上である
    結晶性モレキュラーシーブを1〜30重量%混合した担
    体に、ニッケル、コバルト、モリブデン、タングステン
    から選択される少なくとも1種の金属成分を担持させた
    ことからなるワックス異性化用触媒。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の結晶性モレキュラーシ
    ーブが、ゼオライトL、ゼオライトΩ、モルデナイトま
    たはシリコアルミノホスフェート・モレキュラシーブか
    ら選ばれた少なくとも1つであることを特徴とするワッ
    クス異性化用触媒。
  3. 【請求項3】 パラフィンを50重量%以上含有するワ
    ックス系炭化水素油を水素加圧下に請求項1に記載のワ
    ックス異性化用触媒と接触させることを特徴とするワッ
    クスの異性化方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のワックス系炭化水素油
    がスラックワックスであることを特徴とするワックスの
    異性化方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のワックス異性化触媒を
    充填した反応器に潤滑基油製造中間体とスラックワック
    スとを交互に通油して、前記潤滑基油製造中間体の水素
    化精製とスラックワックスの異性化とを交互に行うこと
    を特徴とする潤滑基油の製造方法。
JP16334294A 1994-06-23 1994-06-23 ワックス異性化用触媒およびワックスの異性化方法並びに潤滑基油の製造方法 Expired - Fee Related JP2901047B2 (ja)

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