JPH067926B2 - 潤滑油の接触脱ロウ方法 - Google Patents

潤滑油の接触脱ロウ方法

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JPH067926B2
JPH067926B2 JP60113025A JP11302585A JPH067926B2 JP H067926 B2 JPH067926 B2 JP H067926B2 JP 60113025 A JP60113025 A JP 60113025A JP 11302585 A JP11302585 A JP 11302585A JP H067926 B2 JPH067926 B2 JP H067926B2
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    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10GCRACKING HYDROCARBON OILS; PRODUCTION OF LIQUID HYDROCARBON MIXTURES, e.g. BY DESTRUCTIVE HYDROGENATION, OLIGOMERISATION, POLYMERISATION; RECOVERY OF HYDROCARBON OILS FROM OIL-SHALE, OIL-SAND, OR GASES; REFINING MIXTURES MAINLY CONSISTING OF HYDROCARBONS; REFORMING OF NAPHTHA; MINERAL WAXES
    • C10G45/00Refining of hydrocarbon oils using hydrogen or hydrogen-generating compounds
    • C10G45/58Refining of hydrocarbon oils using hydrogen or hydrogen-generating compounds to change the structural skeleton of some of the hydrocarbon content without cracking the other hydrocarbons present, e.g. lowering pour point; Selective hydrocracking of normal paraffins
    • C10G45/60Refining of hydrocarbon oils using hydrogen or hydrogen-generating compounds to change the structural skeleton of some of the hydrocarbon content without cracking the other hydrocarbons present, e.g. lowering pour point; Selective hydrocracking of normal paraffins characterised by the catalyst used
    • C10G45/64Refining of hydrocarbon oils using hydrogen or hydrogen-generating compounds to change the structural skeleton of some of the hydrocarbon content without cracking the other hydrocarbons present, e.g. lowering pour point; Selective hydrocracking of normal paraffins characterised by the catalyst used containing crystalline alumino-silicates, e.g. molecular sieves
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J29/00Catalysts comprising molecular sieves
    • B01J29/04Catalysts comprising molecular sieves having base-exchange properties, e.g. crystalline zeolites
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は特に石油蒸留区分の接触脱ロウから誘導される
高品質潤滑油の製造方法に関する。特に、本発明は高粘
度指数をもつ潤滑油を高収率で製造することを指向する
ものであり、また一夜曇り点の問題を低減するものであ
る。
[従来の技術] 種々の状況で効率的に作用する多様な潤滑油を得るため
に適当な原油の精製は非常に発達してきており、また複
雑な技術となっている。精製において包含される広範囲
にわたる原理が定性的に理解されているとしても、上述
の技術は実際の精製における経験にかなり頼ることが必
要な定量的に不確実なものによって妨害される。根底に
ある上述の定量的に不確実なものは潤滑油の分子構成の
複雑さである。
精製した潤滑油ストックはそれ自体で使用することがで
き、また異なる特性をもつ他の精製した潤滑油ストック
と混合することもできる。また、潤滑油として使用する
前に精製した潤滑油ストックを例えば酸化防止剤、極圧
剤及び粘度指数向上剤として作用する1種または2種以
上の添加剤と混合できる。
高級蒸留潤滑油ストックを製造するために現在使用して
いる方法は第1行程として所定の原油からの常圧蒸留塔
残さ油を減圧蒸留することにある。この工程は所望の沸
点範囲の1種または2種以上の粗製ストックを提供する
ものである。所定の沸点範囲の粗製ストックを製造した
後、芳香族炭化水素類に選択性があり、且つ所望でない
成分を除去するフルフラール、フェノール、フルフォラ
ンまたはクロレックスのような溶媒で抽出を行なう。次
に溶媒精製からのラフィネートを例えばメチルエチルケ
トンとトルエンの混合物のような溶媒と混合することに
よって脱ロウを行なう。混合物をパラフィン質ロウ分の
結晶化を誘発するために冷却し、次にラフィネートから
結晶化したロウ分を除去する。充分な量のロウ分を除去
するとラフィネートについて所望の流動点が得られる。
ハイドロフィニッシング法または粘土パーコレイト法の
ような他の方法が窒素含量及び硫黄含量を低減する必要
があるか、または潤滑油ストックの色調を改善する必要
がある場合に使用できる。
粘度指数(V.I.)は種々の温度を受ける自動車エン
ジンまたは航空機エンジンに使用するための潤滑油区分
の品質のかなり重要なパラメーターである。この粘土指
数は温度による粘度の変化の度合を示すものである。高
粘度指数すなわち100は低温で粘稠となったり、高温
で希薄になる傾向にない油を示すものである。接触水素
化脱ロウの脱ロウのメカニズムは溶媒脱ロウのメカニズ
ムとは異なるものであり、若干異なる化学組成が得られ
る。接触脱ロウした生成物は一夜曇り(ONC)の形成
として知られている規格流動点以上の6℃(10゜F)で
12時間以上にわたって放置すると曇りを生ずる。この
ONC形成の程度は溶媒脱ロウ油よりかなり低いもので
ある。上述のONC形成が接触脱ロウ油の生成物品質に
影響を及ぼすものではないが、しかし、若干の市場分野
においてONCのいかなる増加も望ましくはないと考慮
されるために一夜曇り(ONC)の形成を低減すること
が有利である。
石油ストックを脱ロウするための接触技法はザ・オイル
・エンド・ガス・ジャーナル(The Oil and
Gas Journal)(1975年1月6日付)
の第69〜73頁に記載されている。また、米国特許第
368813号明細書を参照されたい。
米国再発行特許第28398号明細書はゼオライトZSM−
5含有触媒による接触脱ロウ方法を記載している。該方
法と接触ハイドロフィニッシング法との併用は米国特許
第3894938号明細書に記載されている。
米国特許第3755138号明細書は穏やかな溶媒脱ロウを行
ない潤滑油ストックから高品質ロウ分を取り除き、次に
接触脱ロウを行ない規定の流動点にすることからなる方
法を記載している。
米国特許第4054532号明細書はZSM−5タイプゼオラ
イト類を利用するフィシャー−トロプッシュ合成生成物
を含む水素化脱ロウ操作を指向するものである。
米国特許第3956102号明細書はZSM−5タイプゼオラ
イト触媒を利用する石油区分の水素化脱ロウを含む方法
に関するものである。
米国特許第4247388号明細書は特別な活性のZSM−5
タイプゼオライト類を利用する脱ロウ操作を記載してい
る。
米国特許第4222855号明細書はZSM−23及びZSM
−35を含むゼオライト類を利用する低流動点及び高
V.I.をもつ潤滑油を製造するための脱ロウ操作を記
載している。
米国特許第4372839号明細書は高ロウ分含有原油を2種
の異なるゼオライト類、例えばZSM−5及びZSM−
35と接触させることよりなる前記原油の脱ロウ方法を
記載している。
米国特許第4419220号明細書はゼオライトベータを利用
する脱ロウ方法を記載している。
[発明が解決しようとする問題点] 先行技術の触媒類はしばしば所望でない結果を生ずる。
例えば、ZSM−5が潤滑油ストックを脱ロウするため
に使用された場合、望ましくない高分子量の枝分れ鎖を
もつパラフィン類及び長いアルキル枝分れ鎖をもつナフ
テン質成分がZSM−5の気孔に自由に拡散することが
できないために上述のパラフィン類及びナフテン質成分
があとに残る。更に、以下に記載する例、特に例12に
おいて、ゼオライトベータは脱ロウした潤滑油ストック
を充分な収率で得るためには温度を上昇する必要がある
ことが示された。従って、若干の場合においてはゼオラ
イトベータは理想的な脱ロウ触媒ではない。
[問題点を解決するための手段] 従って、本発明は中気孔ゼオライト、制御指数(C.
I.)2以下及び水素化異性化活性をもつ結晶性シリケ
ート大気孔ゼオライトであるゼオライトベータ及び水素
化成分を含有する触媒を提供するにある。
他の実施態様において、本発明は上述の触媒を使用する
潤滑油脱ロウ方法を提供するにある。
[作用] 本発明方法は全原油、常圧蒸留残さ油、減圧蒸留塔残さ
油、プロパン脱れき残さ油、例えばブライストック、サ
イクル油、FCC塔残さ油、軽油、減圧軽油、脱れき残
さ油及び他の重質油のような比較的軽質な区分から高沸
点ストックまでの種々の範囲の装入原料を脱ロウするた
めに使用できる。装入原料は通常C10+装入原料であ
る。これはC10−のより軽質な油には多量のロウ質成分
が存在しないためである。しかし、所定の規格限度内に
流動点及び粘度を維持することが必要である軽油、灯油
類、ジェット燃料、潤滑油ストック、暖房油、フルフラ
ール抽出潤滑油ストック及び他の留出油区分のようなロ
ウ質留出油区分に本発明方法を用いることが特に有用で
ある。例えば潤滑油ストックは通常230℃(450゜
F)以上、より容易には315℃(600゜F)以上で沸
騰する。本発明の目的に関して、潤滑油はASTM D
−1160試験法により測定した時、315℃(600
゜F)またはそれ以上の沸点範囲をもつ炭化水素装入原料
の1部分である。
通常、水素化脱ロウ条件は温度230℃(450゜F)〜
400℃(750゜F)、圧力100〜21000kPa
(0〜3000psig)、好適には800〜7000kP
a(100〜1000psig)を包含する。液体時間空間
速度、すなわち時間当りの触媒の体積当りの装入原料の
体積は通常0.1〜10、好適には0.2〜4であり、
また水素/装入原料比は標準状態の液体装入原料の体積
当り標準状態のH90〜1400V/V[500〜8
000SCF/B(標準立法フィート/バレル)]、好
適には140〜700V/V(800〜4000SCF
/B)である。
本発明の接触脱ロウ方法は脱ロウするための装入原料を
上述の結晶性シリケートゼオライト触媒の固定床、スラ
リー床、望ましくは移動床と接触させることによって行
なわれる。
本発明方法に使用する触媒は中気孔ゼオライト及びC.
I.2以下及び水素化異性化活性をもつ大気孔結晶性シ
リケートゼオライト例えばゼオライトベータ並びに好適
には水素化成分をも含有するものである。特定の理論に
限定されることなく、正確な割合での中気孔ゼオライト
と大気孔ゼオライトの混合が優れた脱ロウ活性を提供
し、また選考技術の潤滑油脱ロウ触媒よりも高品質の潤
滑油を製造することができるものと思料する。
本発明の有用な新規なクラスのゼオライトの区分は中気
孔ゼオライトと呼称されるもので、n−ヘキサンを自由
に収着するような通常7Å以下の有効気孔寸法をもつゼ
オライトである。有効気孔寸法とは、中気孔ゼオライト
の気孔は7Å以下の寸法をもつ完全に円筒状の気孔と同
じように働くことを意味する。従って、中気孔ゼオライ
トは気孔の形状が7Å以下の寸法の有効気孔寸法のもの
として働く限り7Åを超える気孔をもつものもありう
る。更に、該ゼオライトの構造はより大きな分子に対す
る制御された進入を提供するものでなければならない。
上述のような制御された進入が存在するかどうかを既知
の結晶構造から判断することが時として可能である。例
えば、結晶中の気孔開口部がケイ素及びアルミニウム原
子の8員環のみからなる場合には、n−ヘキサンより大
きな断面積の分子による進入は排除され、ゼオライトは
望ましいタイプのものではない。10員環の気孔開口部
が好適であるが、しかし、若干の場合においても、環の
過度のしぼみまたは気孔の閉塞がこれらのゼオライトを
効果のないものにすることがある。
理論的に12員環は有利な転化操作となるに充分な制御
を提供するものではないが、しかし、TMAオフレタイ
トのしぼんだ12員環は若干制御された進入を示すこと
を記憶されたい。他の12員環構造は他の理由のために
使用できるものもあり、それ故、単に理論的な構造研究
からゼオライトの有用性を全て判断することはできな
い。
本発明に重要な他のクラスのゼオライト類、すなわち大
気孔ゼオライト類は業界において既知であり、中気孔ゼ
オライト類より大きい気孔寸法、すなわち装入原料中に
通常観察される大多数の成分を受け入れるために充分な
大きさの気孔をもつ。上述のゼオライトは7.5Å以上
の気孔寸法をもつと通常記載されており、例えばゼオラ
イトY、モルデナイト、ZSM−4、ZSM−20及び
ゼオライトベータと表示される。ゼオライトがその内部
構造に対する種々の寸法の分子の制御を提供する程度の
好都合な測定方法はゼオライトの制御指数(C.I.)
である。C.I.を測定する方法は米国特許第4016218
号明細書に完全に記載されている。
若干ではあるが代表的な物質の制御指数(C.I.)を
以下に記載する: 制御指数(C.I.)は操作(転化)の過酷度または結
合剤の存在または不在により幾分変化すると思われる。
同様にゼオライトの結晶寸法、吸収した汚染物の存在等
のような他の変数は制御指数に影響を及ぼすことがあ
る。それ故、ゼオライトの制御指数に関して1〜12の
範囲の1個以上の値を確立するような試験条件を選択す
ることができることを認識されたい。これはZSM−
5、ZSM−12、ZSM−34及びゼオライトベータ
のようなゼオライトについての制御指数の範囲を説明す
るものである。
ゼオライトZSM−4は米国特許第3923639号明細書
に、ゼオライトZSM−5は米国特許第3702886号及び
米国再発行特許第29949号明細書に、ゼオライトZSM
−11は米国特許第3709979号明細書に、ゼオライトZ
SM−12は米国特許第3832449号明細書に、ゼオライ
トZSM−20は米国特許第3972983号に、ゼオライト
ZSM−23は米国特許第4076342号明細書に、ゼオラ
イトZSM−34は米国特許第4086186号明細書に、ゼ
オライトZSM−35は米国特許第4016245号明細書
に、ゼオライトZSM−38は米国特許第4046859号明
細書に、ゼオライトZSM−48は米国特許第4397827
号明細書に、またゼオライトベータは米国特許第330806
9号及び米国再発行特許第28341号明細書にそれぞれ教示
されている。
また、本発明に有用な中気孔ゼオライト類は米国特許第
4401572号明細書に記載されている。
適当な大気孔ゼオライト類はゼオライトベータZSM−
4、ZSM−20、モルデナイト、TEMモルデナイ
ト、脱アルミニウムゼオライトY及び希土類金属置換ゼ
オライト(REY)を包含するものであるが、結晶性ア
ルミナ、塩素化したアルミナ及びシリカ−アルミナは含
まれない。上述の物質のC.I.を以下に記載する:ゼオライト C.I. ZSM−4 0.5 ZSM−20 0.5 モルデナイト 0.5 TEAモルデナイト 0.4 脱アルミニウムゼオライトY 0.5 希土類金属置換ゼオライトY(REY)0.4 ゼオライトベータ 0.6〜1+ 本発明に好適な大気孔ゼオライト類は上述の表に示すよ
うにC.I.1以下をもつものである。更に、大気孔成
分は低ナトリウム超安定性Yモレキュラー・シーブ(U
SY)を包含する。USYは既知であり、米国特許第32
93192号及び同第3449070号明細書に記載されている。
非常に好ましい大気孔物質はゼオライトベータである。
ゼオライトベータは他の上述の大気孔ゼオライト類と同
じ構造をもつものではないことを記憶されたい。しか
し、上述の全てのゼオライト類は水素化異性化活性を提
供するものである。水素化異性化操作における大気孔触
媒すなわちゼオライトベータの使用は米国特許第441922
0号及び同第4428819号明細書に開示されている。
大気孔水素化異性化触媒は酸性成分及び水素化−脱水素
化成分(便宜上水素化成分と記載する)よりなり、該水
素化成分は周期表[例えばザ・チャート・オブ・ザ・フ
ィッシャー・サイエンティフック・カンパニー(the Car
t of the Fisher Scientific Company)、カタルグNo.5
−702−10に示されるようなIUPAC及び米国ナ
ショナル・ビューロー・オブ・スタンダーズ U.S.
National Bureau of Stndardsが承認した表]の第IB
族、第IIB族、第VA族、第VIA族または第VIIIA族の
1種または2種以上の金属である。好適な水素化成分は
周期表第VIII族の貴金属、特に白金であるが、しかし、
パラジウム、金、銀、レニウムまたはロジウムのような
他の貴金属もまた使用できる。白金−レニウム、白金、
パラジウム、白金−イリジウムまたは白金−イリジウム
−レニウムのような貴金属の組合せ並びに第VIIIA族の
金属類と非貴金属との組合せ、特にコルト、ニッケル、
バナジウム、タングステン、チタン及びモルブデンのよ
うな周期表第VI族との組合せ例えば白金−タングステ
ン、白金−ニッケルまたは白金−ニッケル−タングステ
ンに関心が寄せられている。卑金属水素化成分、特にニ
ッケル、コバルト、モリブデン、タングステン、銅また
は亜鉛もまた使用できる。コバルト−ニッケル、コバル
ト−モリブデン、ニッケル−タングステン、コバルト−
ニッケル−タングステンまたはコルト−ニッケル−チタ
ンもまた使用できる。
金属は含浸またはイオン交換のような適当な方法でゼオ
ライト中に配合することにより触媒へ配合できる。金属
はカチオン質錯化合物、アニオン質錯化合物または中性
錯化合物例えば Pt(NH3)4 2+として混合することができ、また上述のカチ
オン質錯化合物はゼオライト上でイオン交換するために
好都合であることが観察された。また、アニオン質錯化
合物はゼオライトへ金属を含浸するために有用である。
ゼオライトの酸性成分は多孔質結晶性ゼオライト類は好
適である。触媒に使用する結晶性ゼオライト類は酸素原
子を共有することによって架橋しているSiO四面体
の3次元格子よりなり、また該格子は格子中に他の原
子、特にAlO四面体の形態のアルミニウムを含有す
ることができる;また、ゼオライトは格子上の負電荷と
平衡を保つために充分なカチオン成分を含有する。勿
論、酸官能は塩基交換、スチーミング、またはシリカ/
アルミナモル比の制御を含む操作により変化させること
ができる。
異性化反応は触媒の比較的小程度の酸官能を必要とする
ものである。このため、ゼオライトは非常に高いシリカ
/アルミナモル比をもつことができる。これはシリカ/
アルミナモル比が触媒の酸部位密度と反比例の関係にあ
るためである。従って、50/1またはそれ以上のシリ
カ/アルミナモル比が好適であり、事実、シリカ/アル
ミナモル比が非常に高い例えば100/1、200/
1、500/1、1000/1またはそれ以上の場合さ
えある。ゼオライトが25000/1程度の非常に高い
シリカ/アルミナモル比の場合でさえ、該ゼオライトは
酸官能を保持することが知られており、この程度のシリ
カ/アルミナモル比またはそれ以上のゼオライトさえ使
用が意図されている。
本発明に利用する結晶性シリケートゼオライト類のそれ
ぞれに結合する初期カチオン類は業界において良く知ら
れた技法に従って種々のカチオンにより置換することが
できる。代表的な置換カチオンは水素、アンモニウム、
アルキルアンモニウム、金属カチオン類及びそれらの混
合物を包含する。置換金属カチオン類に関して、希土類
金属類、マンガン並びに周期表第IIA及びB族の金属
類、例えば亜鉛、及び周期表第VIII族の金属類、例えば
ニッケル、白金及びパラジウムのカチオンを挙げること
ができる。
代表的なイオン交換技法はゼオライトと所望の置換カチ
オンの塩とを接触させることからなる。種々の塩が使用
できるが、塩化物類、硝酸塩類及び硫酸塩類が特に好適
である。
代表的なイオン交換技法は米国特許第3140249号、同第3
140251号及び同第3140253号明細書を含む種々の特許に
開示されている。
所望の置換カチオンの溶液と接触させ、次にゼオライト
を好適には水洗し、60℃〜320℃(150゜F〜60
0゜F)の範囲の温度で乾燥し、次に空気中または他の不
活性雰囲気中260℃〜800℃(500゜F〜1500
゜F)の範囲の温度で1〜48時間またはそれ以上の範囲
の時間にわたって焼成を行なう。選択性及び他の有利な
特性を改善した触媒はゼオライトを260℃〜649℃
(500゜F〜1200゜F)、好適には399℃〜538
℃(750゜F〜1000゜F)の範囲の加温下でスチーム
により処理することによって得ることができることを更
に見出した。上述の処理はスチーム100%の雰囲気ま
たはスチームとゼオライトに実質上不活性なガスからな
る雰囲気中で行なうことができる。
同様の処理はより低い温度及び加圧下、例えば177℃
〜371℃(350゜F〜700゜F)及び10〜200気
圧で行なうことができる。本発明方法に利用する結晶性
シリケートゼオライトはタングステン、バナジウム、亜
鉛、モリブデン、レニウム、ニッケル、コバルト、クロ
ム、マンガンまたは貴金属例えば白金またはパラジウム
のような1種または2種以上の水素化成分0.1〜25
重量%、特に貴金属について通常0.1〜5重量%、好
適には0.3〜1重量%を緊密に混合して使用すること
が望ましい。上述の成分はゼオライトへイオン交換を行
なうか、ゼオライト上に含浸するかまたはゼオライトと
物理的に緊密に混合することができる。上述の成分、例
えば白金の場合には白金イオン含有白金金属によりゼオ
ライトを処理することによってゼオライト中またはゼオ
ライト上に含浸することができる。従って、適当な白金
化合物は塩化白金酸、塩化白金及び白金アミン錯化合物
を含む種々の化合物を包含する。
有用な白金または他の金属類の化合物類は金属が化合物
中カチオンとして存在するか、または金属が化合物中ア
ニオンとして存在する化合物に大別することができる。
イオン状態の金属を含有する上述の両方のタイプの化合
物類が使用できる。白金がカチオンまたはカチオン質錯
化合物、例えばPt(NH3)4CL2の形態で存在する溶液が特
に有用である。
ゼオライトは使用前に少なくとも部分的に脱水すべきで
ある。これは空気または窒素のような不活性雰囲気中で
200℃〜600℃(392゜F〜1120゜F)の温度、
大気圧または減圧下で1〜48時間にわたって加熱する
ことによって行なうことができる。あた、脱水は単に減
圧することによって低温で行なうことができるが、しか
し、充分な量の脱水を行なうためにはより長い時間を必
要とする。
触媒を調製するための好適な方法はゼオライトをアルミ
ナ水和物のような無機酸化物と混合し、得られた複合体
を押出成形物へ成形し、押出成形物を乾燥し、窒素また
は空気のような雰囲気中で焼成することよりなる。次に
押出成形物をアンモニウムイオンのようなカチオンでイ
オン交換し、再焼成前に、周期表第VI族、第VII族また
は第VIII族の金属、例えば白金、モリブデン、ニッケル
及びコバルトのような水素化成分を添加する。水素化成
分の添加は含浸またはイオン交換により行なうことがで
きる。水素化成分を添加した後乾燥及び焼成して触媒の
調製を完了することができる。
本発明方法は上述の大気孔触媒のいずれかを混合した触
媒を利用することによって行なうことができるものであ
り、本発明の新規な触媒の調製方法及び使用方法は大気
孔触媒としてゼオライトベータを使用して例示できるこ
とを理解されたい。
本発明の触媒は通常中気孔ゼオライト(SiO/Al
モル比70)5〜60重量%、好適には20〜4
0重量%、大気孔ゼオライト、例えばNH型ゼオライ
トベータ(SiO/Alモル比30)5〜60
重量%、好適には20〜40重量%及びαアルミナ1水
和物結合剤0〜50重量%、好適には0〜40重量%を
混合することによって調製される。混合操作の間にH
PtClまたはPt(NH3)4(NO3)2を含有する充分量の水
を乾燥混合物へ徐々に添加する。混合操作を20分間ま
たは混合物は均一になるまで継続する。次に混合物を押
出成形し、110℃(230゜F)で約3時間にわたって
乾燥する。得られた押出成形物を粉砕し、直径0.59
5〜0.25mm(30/60メッシュ)の寸法にし、空
気中、540℃(1000゜F)で3時間焼成する。この
ようにして製造した触媒は0.1〜2重量%、好適には
0.3〜1重量%の均一に分散された白金を含有する。
白金以外の他の金属を触媒へ混合できることを理解され
たい。
[実施例] 以下に実施例(以下、特記しない限り単に「例」と記載
する)を挙げ、本発明を更に説明する。
例1〜9 例1〜9において、装入原料は以下に記載する諸特性を
もつ軽質ニュートラル潤滑油装入原料であった: 比重 0.8774 (API比重) (29.8) 流動点(℃/゜F ) 29/85 曇り点(℃/゜F ) 49/120 粘度KV(*)100℃ 5.341 硫黄含量 0.76重量% ASTM色調 1.0以下 (*)KVは動粘度を表す。
例1及び2(比較例) 例1及び2は上述の装入原料を未スチーム処理Ni−Z
SM−5触媒上に通した時の該触媒の効果を説明するも
のである。該触媒を固定床反応器に装填した。反応器温
度を所望の設定値に低下した後、装入原料を第1表に記
載する制御された操作条件で水素と共に該触媒上に通し
た。反応器から出る生成物流を加熱したトラップ、冷水
トラップ及びガス採取用耐圧容器に通した。ガス試料を
16成分について質量分析法により分析した。液体生
成物を0.1mmHg以下及び最高蒸留塔温度204℃(4
00゜F)の条件下で蒸留し、343℃(650゜F)区分
を単離した。若干の蒸留した試料を模擬蒸留塔に通して
処理した。軽質液体生成物類、すなわちコールドトラッ
プからの凝集物及び蒸留した試料からの塔頂油をガスク
ロマトグラフィーにより分析した。全物質収支は液体装
入原料+水素の合計を基準として算出した。結果を第1
表に記載する。
例3及び例4(比較例) 例3及び4は上述の装入原料におけるスチーム処理Ni
−ZSM−5触媒の効果を説明するものである。第2表
に記載する条件下で例1及び2の操作を行ない、得られ
た結果を第2表に併記する。
例5及び例6(比較例) 例5及び6は上述の装入原料における0.5%Pt−Z
SM−5触媒の効果を説明するものである。白金触媒は
反応器内で482℃(900゜F)の温度及び2900k
Pa(400psig)の水素の存在下で還元され、次に反
応器へ装入原料を導入した。第3表に記載した条件下例
1及び2の操作を行なった。結果を第3表に記載する。
例7〜9 例7〜9は上述の装入原料における0.44%Pt−Z
SM−5/ゼオライトベータ触媒の効果を説明するもの
である。触媒の組成を以下に記載する:成分 重量% NH型ZSM−5 32.5 NHゼオライトベータ 32.5 αアルミナ1水和物(結合剤) 35 白金 0.44 第4表に記載する条件下で例5及び例6の操作を行なっ
た。結果を第4表に併記する。
「NA」は適用できないの意味表す。
例1〜9の結果を未スチーム処理Ni−ZSM−5触
媒、Pt−ZSM−5触媒及びPt−ZSM−5/ゼオ
ライトベータ触媒(例1,5及び9)について流動点−
15℃(5゜F)のデータを基準として、またスチーム処
理Ni−ZSM−5(例3)について流動点−9℃(1
5゜F)のデータを基準として以下の第5表に要約する。
例1〜9の結果は以下のことを証明するものである: (1)343℃(650゜F)+の収率に関して、PtZS
M−5/ゼオライトベータはPt−ZSM−5、スチー
ム処理Ni−ZSM−5または未スチーム処理Ni−Z
SM−5を超える約5重量%の改善が得られた; (2)Pt−ZSM−5/ゼオライトベータ触媒を使用し
て脱ロウした生成物の粘度指数は約4*改善された; (3)未スチーム処理Ni−ZSM−5と比較して、Pt
−ZSM−5/ゼオライトベータ触媒またはPt−ZS
M−5触媒は一夜曇り(ONC)性能がかなり改善され
た。上述の白金含有触媒からの生成物は明らかにONC
試験に合格するものであった。** 従って、本発明の触媒は粘度指数、潤滑油収率及び一夜
曇り性能において選考技術脱ロウ触媒より優れている。
従って、本発明の触媒は現在使用している脱ロウ触媒す
なわちスチーム処理Ni−ZSM−5よりなる活性であ
る。
*スチーム処理Ni−ZSM−5についてのデータは流
動点が2.8℃(5゜F)の減少ごとにV.I.値が1減
少するから−15℃(5゜F)の流動点へ修正することが
できる。従って、スチーム処理Ni−ZSM−5で処理
した生成物は−15℃(5゜F)の流動点で90.8の
V.I.をもつ。
**ONCは標準比濁器具により測定した。試料を−1
℃(30゜F)に少なくとも16時間保持した後に生じた
曇りを該器具で測定した。ONC値10以下をもつ生成
物が本試験に合格する。
例10〜20 以下の例において、使用した装入原料は以下の諸特性を
もつ軽質ニュートラル潤滑油装入原料であった: 軽質ニュートラル装入原料 比重 0.8774 API比重 29.8 流動点(℃/゜F) 29/85 曇り点(℃/゜F) 49/120以上 粘度KV100℃ 5.341 硫黄、重量% 0.76 塩基性窒素、ppm 45 水素、重量% 13.7 ASTM色調 L 1.0 例10〜12(比較例) 例10〜12は上述の軽質ニュートラル装入原料におけ
るスチーム未処理0.1%Pt−ゼオライトベータの効
果を説明するものである。第6表に記載した条件下で第
5及び6の操作を行なった。結果を第6表に併記する。
例13〜16(比較例) 例13〜16は上述の軽質ニュートラル装入原料におけ
る0.5%Pt−ゼオライトベータの効果を説明するも
のである。第7表に記載する条件下例5及び6の操作を
行なった。結果を第7表に併記する。
例17〜20 例17〜20は上述の軽質ニュートラル装入原料におけ
る未スチーム処理1.1%Ni−ZSM−5/ゼオライ
トベータの効果を説明するものである。第8表に記載す
る条件下例1及び2の操作を行なった。結果を第8表に
併記する。
例21〜25 例21〜25は上述の軽質ニュートラル装入原料におけ
る0.5%Pt−ZSM−11/ゼオライトベータの効
果を説明するものである。本例において、ZSM−11
はまず窒素雰囲気中538℃(1000゜F)で3時間に
わたり焼成してZSM−11構造中のテトラブチルアン
モニウム及び他の有機化合物類を分解した。次にZSM
−11をNHNOでイオン交換してZSM−11中
のNa含量を低減した。ゼオライトベータもまたZSM
−11と同様の方法で調製した。32.5部のNH
ZSM−11、32.5部のNH型ゼオライトベータ
及び35部のαアルミナ1水和物を混合して均一な混合
物を形成し、次にCO流中H2PtCl6で含浸した。最後
に、試料を0.25〜0.60mm(30/60メッシ
ュ)の寸法とし、538℃(1000゜F)で3時間空気
焼成して付活した。得られた試料を分析すると、0.4
9重量%のPt及び0.01重量%のNaを含有するこ
とが観察された。
実験は良好な温度制御を行なうためのら線状予熱器及び
3帯域炉を備えた内軽1.16mm(15/32インチ)
の固定床反応器中で行なった。白金複合触媒は反応器中
で482℃(900゜F)及び2900kPa(400ps
ig)の水素で1時間還元し、次に温度を260℃(50
0゜F)へ低下して装入原料の反応器へのポンプ輸送を開
始した。反応器を出る生成物流を加熱したトラップ、水
冷トラップ及びガス採取耐圧容器に通した。ガス状試料
を質量分析によりC16成分について分析した。液体生
成物を圧力0.1mmHg以下で、最大蒸留塔温度204℃
(400゜F)で蒸留して343℃(650゜F)+の区分
を単離した。液体生成物類(冷水トラップ中の凝集物及
び蒸留塔からの塔頂油)をガスクロマトグラフィー分析
装置にに送った。全物質収支は全液体装入原料+水素を
基準として算出した。新鮮な触媒を個々の実験に使用し
た。
実験条件及び結果を第9表に記載する。
例26〜29 例26〜29は上述の装入原料における0.5%Pt−
ZSM−23/ゼオライトベータの効果を説明するもの
である。ゼオライトベータ及びZSM−23を含有する
触媒複合体を32.5部のゼオライトベータ、32.5
部のZSM−23及び35部のαアルミナ1水和物を混
合することによって調製した。水を添加しながら該混合
物を混合して固体含量を50%とした。30分後、混合
物を乾燥し、成形し、0.71〜1.41mm(14/2
5メッシュ)の寸法とした。次に試料をCO流中でH2
PtCl6溶液で含浸した。空気焼成[538℃(1000゜
F)で3時間]した最終試料を分析すると、0.53重
量%のPt及び0.02重量%のNaを含有することが
観察された。上述の試料をほぼ例21〜25と同様の操
作を使用して試験した。実験条件及び結果を第10表に
記載する。
上述の結果はPt−ZSM−5/ゼオライトベータ、N
i−ZSM−5/ゼオライトベータ、Pt−ZSM−1
1/ゼオライトベータ及びPt−ZSM−23/ゼオラ
イトベータは現在潤滑油の脱ロウに通常使用されている
触媒、すなわちスチーム処理Ni−ZSM−5より粘度
指数及び潤滑油収率の面で優れた触媒である。第1図及
び第2図はPt−ZSM−5/ゼオライトベータ及びN
i−ZSM−5/ゼオライトベータについての粘度指数
と潤滑油収率及び粘度指数と流動点の関係を記載したグ
ラフ図である。一般にPt−ZSM−5/ゼオライトベ
ータはスチーム処理Ni−ZSM−5より粘度指数値を
3〜5、また潤滑油収率を4〜6重量%改善した。いま
Ni−ZSM−5/ゼオライトベータはスチーム処理N
i−ZSM−5より粘度指数値を1〜2、また潤滑油収
率を2〜3重量%改善した。Pt−ZSM−5/ゼオラ
イトベータは−15℃〜7℃(5〜45゜F)の流動点範
囲で一定の潤滑油収率をもつものであった。Ni−ZS
M−5に関して、潤滑油の収率は一般に流動点の低下に
伴って減少した。
また、Pt−ZSM−5/ゼオライトベータは軽質ニュ
ートラル装入原料の一夜曇り(ONC)形成を低下させ
た。−15℃(5゜F)で、この触媒上で処理した生成物
はONC試験に合格するが、一方スチーム処理Ni−Z
SM−5触媒からの生成物は不合格であった。
更に、Pt−ZSM−5/ゼオライトベータ触媒及びN
i−ZSM−5/ゼオライトベータ触媒は標準スチーム
処理Ni−ZSM−5触媒より高い硫黄含量及び低い窒
素含量をもつ潤滑油ストックを製造した。潤滑油ストッ
クの品質は通常より高い硫黄含量及びより低い窒素含量
により向上する。
更に、Pt−ZSM−5/ゼオライトベータは脱ロウ生
成物のASTM色調を低減した。−15℃(5゜F)で、
潤滑油ストックのASTM色調はPt−ZSM−5/ゼ
オライトベータについてはL1.0であり、また未スチ
ーム処理Ni−ZSM−5については3.0である。P
t−ZSM−5/ゼオライトベータはまたスチーム処理
Ni−ZSM−5よりC35ガス状生成物が少なく、こ
れはPt複合触媒が所望でないクラッキング活性をあま
りもたないことを示すものである。試験を行なったゼオ
ライトベータ触媒(Pt0.1重量%及び0.5重量
%)に関して、第7表及び第8表の結果はより高いPt
含量、すなわち0.5重量%Pt含量ゼオライトベータ
が接触クラツッキング活性を僅かに増加することを示す
ものである。これは潤滑油ストックを0.5重量%Pt
含有ゼオライトベータ上で処理した場合に潤滑油の収率
が低下することによって示される。同じ流動点で、潤滑
油収率、比重及び粘度指数は0.1重量%及び0.5重
量%Pt含有ゼオライトベータ触媒に匹敵するものであ
る。しかし、Pt−ZSM−5/ゼオライトベータ触媒
と比較すると、Pt−ゼオライトベータは少なくとも1
11℃(200゜F)の脱ロウ活性の点で不利である。第
4表に示すように、304℃(508゜F)の反応器温度
でが未スチーム処理0.45%Pt−ZSM−5/ゼオ
ライトベータを用いると−15℃(5゜F)流動点生成物
を得るために必要である。しかし、427℃(800゜
F)の反応器温度が0.44%Pt−ゼオライトベータ
(第7表)について必要である。更に、427℃(80
0゜F)で、Pt−ゼオライトベータは粘度指数が80.
5にすぎない脱ロウ生成物を生じ、脱ロウ生成物の粘度
をかなり低下させる。またPt−ゼオライトベータから
の生成物潤滑油ストックはPt−ZSM−5/ゼオライ
トベータを用いて処理した潤滑油ストックのASTM色
調(L1.0−第9表)より暗いASTM色調(4.0
−第7表)をもつ。
Pt−ZSM−5、Pt−ZSM−5/ゼオライトベー
タ及びPt−ゼオライトベータについて、潤滑油収率と
反応器温度の関係を記載したグラフ図である第3図は3
43℃(650゜F)以下の反応器温度で潤滑油収率がP
t−ゼオライトベータについては90%以上であること
を説明するものである。343℃(650゜F)より高い
温度では潤滑油収率は減少する。Pt−ZSM−5に関
して、潤滑油収率は反応器温度の上昇に伴って減少し
た。潤滑油収率はPt−ZSM−5/ゼオライトベータ
については温度の上昇しても85重量%の一定値を保持
した。
Pt−ZSM−11/ゼオライトベータ及びPt−ZS
M−23/ゼオライトベータを用いて行なった試験結果
を以下に要約する: (a)Pt−ZSM−11/ゼオライトベータ触媒はNi
−ZSM−5より粘度指数値が3〜5高くい潤滑油を生
成し、また潤滑油収率が3〜5重量%高い潤滑油を生ず
る; (b)Pt−ZSM−23/ゼオライトベータ触媒はNi
−ZSM−5より潤滑油収率が3〜4重量%高く、また
粘度指数値が6〜8高い潤滑油を生ずる;また (c)3種のゼオライトベータを主体とする触媒複合体:
ZSM−5/ゼオライトベータ、ZSM−11/ゼオラ
イトベータ及びZSM−23/ゼオライトベータはほぼ
同じ潤滑油収率が得られるが、しかし、ZSM−23/
ゼオライトベータ触媒は一番高い粘度指数の改善値が得
られる。
さて、ZSM−11について、0℃(15゜F)の流動点
でPt−ZSM−11/ゼオライトベータ及びPt−Z
SM−11で処理した脱ロウ潤滑油の比較を以下の表に
示す。
Pt−ZSM−11と比較して、Pt−ZSM−11/
ゼオライトベータ触媒は潤滑油収率が2重量%改善され
たが、V.I.の改善は僅かにすぎなかった。ゼオライ
トベータの比較的低いクラッキング活性のために、Pt
−ZSM−11/ゼオライトベータ触媒は触媒の老化に
ついて補正を行なった後Pt−ZSM−11より17℃
(30゜F)活性が低い。
生成物の比重、動粘度(KV)、硫黄含量及び窒素含量
についてはPt−ZSM−11とPt−ZSM−11/
ゼオライトベータの間にほとんどまたは全く差異は観察
されなかった。
1LHSVで同じ装入原料を用いた場合、Pt−ゼオラ
イトベータは流動点を−15℃(5゜F)に低減するため
に427℃(800゜F)の処理温度を必要とする。しか
し、Pt−ZSM−11/ゼオライトベータは316℃
(600゜F)しか必要とせず、それ故、Pt−ゼオライ
トベータより少なくとも93℃(200゜F)活性であ
る。通常の潤滑油脱ロウ条件下でPt−ゼオライトベー
タ自体は非常に低い脱ロウ活性をもつことは明らかであ
る。比較を以下に記載する(C−56はPt−ゼオライ
トベータの略記である): 427℃(800゜F)で、Pt−ゼオライトベータ触媒
(Pt/C−56)は非常に高いクラッキング活性を示
し、潤滑油分子をかなりクラッキングした。結果とし
て、潤滑油収率はたった53%となり、またV.I.は
81となった。更に、硫黄含量は0.22重量%に、窒
素含量は5ppm以下にそ著しく減少した。それ故、ゼオ
ライトベータへのZSM−11の添加は通常の条件下で
潤滑油を脱ロウするために必要なクラッキング活性を付
与するものである。
第4図及び第5図はそれぞれNi−ZSM−5、Pt−
ZSM−11、Pt−ZSM−11/ゼオライトベータ
及びPt−ZSM−5/ゼオライトベータについて潤滑
油収率と流動点及びV.I.と流動点の関係を示すグラ
フ図である。スチーム処理Ni−ZSM−5と比較し
て、Pt−ZSM−5/ゼオライトベータは一番高い潤
滑油収率及びV.I.の改善値をもち、次にPt−ZS
M−11/ゼオライトベータ及びPt−ZSM−11が
続く。
さて、ZSM−23に関しては、Pt−ZSM−23/
ゼオライトベータ、Pt−ZSM−5/ゼオライトベー
タ及びPt−ZSM−11/ゼオライトベータを用いて
処理した脱ロウ生成物の諸特性を次表に記載する: −7℃〜−4℃(20〜25゜F)の流動点で、ZSM−
23/ゼオライトベータからの生成物はZSM−11/
ゼオライトベータまたはZSM−5/ゼオライトベータ
として比較して一番高いV.I.をもつ。ZSM−23
/ゼオライトベータからの生成物中の硫黄含量はZSM
−11/ゼオライトベータ及びZSM−5/ゼオライト
ベータからの生成物中に存在する硫黄含量の30%にす
ぎない。ZSM−23/ゼオライトベータ生成物中から
の硫黄除去の程度は観察されたV.I.の増加に寄与す
る。
第6図及び第7図はPt−ZSM−11/ゼオライトベ
ータ、Pt−ZSM−5/ゼオライトベータ、Pt−Z
SM−23/ゼオライトベータ及びNi−ZSM−5に
ついての潤滑油収率と流動点及び粘度指数と流動点の関
係を示すグラフ図である。スチーム処理Ni−ZSM−
5と比べて、ZSM−23/ゼオライトベータ触媒はパ
ウルスボロ軽質ニュートラル装入原料に関して3〜4重
量%の収率の増加及び粘度指数値の6〜8の増加の利点
が得られる。
ZSM−23/ゼオライトベータによるV.I.の改善
の程度は試験を行なった触媒の中で一番高いものである
が、脱硫の程度がV.I.に実質上貢献する。全ての複
合触媒は潤滑油収率の同様の改善が得られる。スチーム
処理Ni−ZSM−5に比べた潤滑油収率及びV.I.
の改善点を以下に要約する: 例30〜39 以下の例において、使用した装入原料は以下の諸特性を
もつ重質ニュートラル潤滑油装入原料であった: 例30〜33(比較例) 例30〜33は上述の重質ニュートラル潤滑油ストック
におけるスチーム処理Ni−ZSM−5の効果を説明す
るものである。第11表に記載する条件下例1及び2の
操作を行なった。結果を第11表に併記する。
例34〜39 例34〜39は重質ニュートラル潤滑油ストックにおけ
る未スチーム処理Pt−ZSM−5/ゼオライトベータ
の効果を説明するものである。第12表に記載の条件下
で例5及び6の操作を行なった。
例30〜39の結果はPt−ZSM−5/ゼオライトベ
ータで処理した場合、粘度指数及び潤滑油収率がそれぞ
れ約1〜2及び2〜3重量%改善されることを示すもの
である。両触媒は同等の比重、水素、硫黄及び窒素含量
をもつ潤滑油ストック生成物を製造した。
例40〜50 以下の例において使用した装入原料は以下の諸特性をも
つロウ質ブライト潤滑油装入原料ラフィネートであっ
た。
ロウ質ブライトストックラフィネート 比重 0.9036 AIP比重 25.1 流動点℃/゜F 49/120 曇り点℃/゜F 49/120以上 粘度KV 100℃ 29.06 硫黄含量、重量% 1.13 塩基性窒素、ppm 130 例40〜45 例40〜45は上述のロウ質ブライト潤滑油ストックラ
フィネートにおけるスチーム処理Ni−ZSM−5の効
果を説明するものである。第13表に記載する条件下で
例1及び2の操作を行なった。結果を第13表に併記す
る。
例46〜50 例46〜50は上述のロウ質ブライト潤滑油装入原料ラ
フィネートにおける未スチーム処理Pt−ZSM−5/
ゼオライトベータの効果を説明するものである。第14
表に記載する条件下で例5及び6の操作を行なった。結
果を第14表に併記する。
第8図及び第9図はロウ質ブライト潤滑油ストックラフ
ィネートを使用した時スチーム処理Ni−ZSM−5及
びPt−ZSM−5/ゼオライトベータについての流動
点と粘度指数及び潤滑油収率と流動点の関係を示すグラ
フ図である。結果は粘度指数がPt−ZSM−5/ゼオ
ライトベータの使用により若干改善されることを示す。
上述の触媒についての潤滑油の収率は同等のものであっ
た。
さて、第13表及び第14表に目を転ずると、Pt−Z
SM−5/ゼオライトベータはONCの形成を低減する
ことが観察できる。−18℃(0゜F)で生成物潤滑油の
ONC度はPt−ZSM−5.ゼオライトベータについ
てそれぞれ7と25であった。
最後に、中気孔ゼオライト/大気孔ゼオライト触媒は選
考技術脱ロウ触媒、例えばNi−ZSM−5及びゼオラ
イトベータより特に潤滑油装入原料について粘度指数、
潤滑油収率及びONCの面で優れていることが観察され
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は軽質ニュートラル装入原料におけるPt−ZS
M−5/ゼオライトベータ、Ni−ZSM−5/ゼオラ
イトベータまたはNi−ZSM−5についての粘度指数
と流動点の関係を示すグラフ図であり、第2図は軽質ニ
ュートラル装入原料におけるPt−ZSM−5/ゼオラ
イトベータ、Ni−ZSM−5/ゼオライトベータまた
はNi−ZSM−5についての潤滑油収率と流動点の関
係を示すグラフ図であり、第3図は軽質ニュートラル装
入原料におけるPt−ZSM−5、Pt−ZSM−5/
ゼオライトベータまたはPt−ゼオライトベータについ
ての潤滑油収率と反応器温度の関係を示すグラフ図であ
り、第4図はスチーム処理Ni−ZSM−5、Pt−Z
SM−11、Pt−ZSM−11/ゼオライトベータま
たはPt−ZSM−5/ゼオライトベータについての潤
滑油収率と流動点の関係を示すグラフ図であり、第5図
はスチーム処理Ni−ZSM−5、Pt−ZSM−1
1、Pt−ZSM−11/ゼオライトベータまたはPt
−ZSM−5/ゼオライトベータについての粘度指数と
流動点の関係を示すグラフ図であり、第6図はPt−Z
SM−11/ゼオライトベータ、Pt−ZSM−5/ゼ
オライトベータ、Pt−ZSM−23/ゼオライトベー
タまたはNi−ZSM−5についての潤滑油収率と流動
点の関係を示すグラフ図であり、第7図はPt−ZSM
−11/ゼオライトベータ、Pt−ZSM−5/ゼオラ
イトベータ、Pt−ZSM−23/ゼオライトベータ、
またはNi−ZSM−5についての粘度指数と流動点の
関係を示すグラフ図であり、第8図はロウ質ブライト潤
滑油ストックラフィネートにおけるスチーム処理Ni−
ZSM−5またはPt−ZSM−5/ゼオライトベータ
についての粘度指数と流動点の関係を示すグラフ図であ
り、第9図はロウ質ブライト潤滑油ストックラフィネー
トにおけるスチーム処理Ni−ZSM−5またはPt−
ZSM−5/ゼオライトベータについての潤滑油収率と
流動点の関係を示すグラフ図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−47294(JP,A) 特開 昭59−36194(JP,A) 米国特許3764520(US,A)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中気孔ゼオライト5〜60重量%、ゼオラ
    イトベータ5〜60重量%及び水素化成分0.1〜25
    重量%を含有する脱ロウ触媒。
  2. 【請求項2】中気孔ゼオライトがZSM−5、ZSM−
    11、ZSM−12、ZSM−23、ZSM−35、Z
    SM−38、ZSM−48及びTMAオフレタイトより
    なる群より選択される特許請求の範囲第1項記載の触
    媒。
  3. 【請求項3】中気孔ゼオライトがZSM−5、ZSM−
    11またはZSM−23である特許請求の範囲第1項記
    載の触媒。
  4. 【請求項4】水素化成分が周期表第VI族、第VII族及び
    第VIII族から選択された貴金属及びそれらの混合物であ
    る特許請求の範囲第1項から第3項までのいずれか1項
    に記載の触媒。
  5. 【請求項5】触媒が結合剤を含有する特許請求の範囲第
    1項から第4項までのいずれか1項に記載の触媒。
  6. 【請求項6】炭化水素潤滑油装入原料を脱ロウ触媒と接
    触させることよりなる前記装入原料の接触脱ロウ方法に
    おいて、中気孔ゼオライト5〜60重量%、ゼオライト
    ベータ5〜60重量%及び水素化成分0.1〜25重量
    %を含有する触媒を脱ロウ触媒として使用することを特
    徴とする炭化水素潤滑油装入原料の接触脱ロウ方法。
  7. 【請求項7】中気孔ゼオライトがZSM−5、ZSM−
    11、ZSM−12、ZSM−23、ZSM−35、Z
    SM−38、ZSM−48及びTMAオフレタイトより
    なる群より選択される特許請求の範囲第6項記載の方
    法。
  8. 【請求項8】中気孔ゼオライトがZSM−5、ZSM−
    11またはZSM−23である特許請求の範囲第6項記
    載の方法。
  9. 【請求項9】水素化成分が周期表第VI族、第VII族及び
    第VIII族から選択された貴金属及びそれらの混合物であ
    る特許請求の範囲第6項から第8項までのいずれか1項
    に記載の方法。
  10. 【請求項10】触媒が結合剤を含有する特許請求の範囲
    第6項から第9項までのいずれか1項に記載の方法。
  11. 【請求項11】炭化水素潤滑油装入原料が全原油、常圧
    蒸留残さ油、減圧蒸留塔残さ油、サイクル油、FCC塔
    残さ油、軽油、減圧軽油、脱れき残さ油、灯油類、ジェ
    ット燃料、潤滑油ストック及び暖房油よりなる群より選
    択される特許請求の範囲第6項から第10項までのいず
    れか1項に記載の方法。
  12. 【請求項12】潤滑油ストック装入原料の接触脱ロウ方
    法において、潤滑油ストック装入原料を0.5〜4LH
    SV、温度260〜399℃、圧力800〜10500
    kPa及び前記装入原料1体積当たり90〜1400体
    積の水素の存在下で、中気孔ゼオライト5〜60重量
    %、ゼオライトベータ5〜60重量%及び均一に分散し
    た白金0.1〜2重量%よりなる触媒と接触させ、脱ロ
    ウ生成物を回収することを特徴とする潤滑油ストック装
    入原料の接触脱ロウ方法。
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