JP2005230879A - ダイカスト装置及びダイカスト方法 - Google Patents
ダイカスト装置及びダイカスト方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005230879A JP2005230879A JP2004044820A JP2004044820A JP2005230879A JP 2005230879 A JP2005230879 A JP 2005230879A JP 2004044820 A JP2004044820 A JP 2004044820A JP 2004044820 A JP2004044820 A JP 2004044820A JP 2005230879 A JP2005230879 A JP 2005230879A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- compressed gas
- die casting
- cavity
- groove
- plunger tip
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
Abstract
【課題】 キャビティ内の真空度及び酸素濃度が高められるダイカスト装置及びダイカスト方法を提供する。
【解決手段】 プランジャーチップ17の外周面17aに所定のパターンで配置される複数個の圧縮ガス噴射用孔を設け、各圧縮ガス噴射用孔から酸素ガスを噴射させてプランジャーチップ17とスリーブ15との間隙に流体シールを形成した。該流体シールによって、減圧時の、プランジャーチップ17とスリーブ15との間隙からスリーブ15内への大気の流入が防がれる。これにより、キャビティ4が効率的に減圧されると共にキャビティ4内の真空度が高められる。また、各圧縮ガス噴射用孔から噴射される酸素ガスがキャビティ4内へ導入されるため、酸素置換効率が向上してキャビティ4内の酸素濃度が高められる。
【選択図】 図1
【解決手段】 プランジャーチップ17の外周面17aに所定のパターンで配置される複数個の圧縮ガス噴射用孔を設け、各圧縮ガス噴射用孔から酸素ガスを噴射させてプランジャーチップ17とスリーブ15との間隙に流体シールを形成した。該流体シールによって、減圧時の、プランジャーチップ17とスリーブ15との間隙からスリーブ15内への大気の流入が防がれる。これにより、キャビティ4が効率的に減圧されると共にキャビティ4内の真空度が高められる。また、各圧縮ガス噴射用孔から噴射される酸素ガスがキャビティ4内へ導入されるため、酸素置換効率が向上してキャビティ4内の酸素濃度が高められる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、スリーブに給湯された溶融金属がプランジャーチップによってキャビティに充填されるダイカスト装置及びダイカスト方法に関する。
一般的なダイカスト方法では、スリーブに注入された溶融金属がプランジャーチップによって高速且つ高圧でキャビティに射出されるため、溶融金属(溶湯)がスリーブ及びキャビティ内の残留ガスを大量に巻き込み、製品にポロシティ(空隙欠陥)等の鋳造欠陥を生じさせる。このようにして得られたダイカスト製品は、十分な機械的性質を備えておらず、また、製品内部に取り込まれたガスが膨張して製品に膨れを生じさせてしまうため、熱処理(T6)を施して機械的性質を向上させることもできない。そこで、従来から、スリーブ及びキャビティ内の残留ガスに起因する鋳造欠陥の発生を抑制させる技術が開発されている。例えば、特許文献1には、真空吸引してキャビティ内からガスを除去した後、該キャビティ内に酸素ガスを吹き込み、キャビティ内の雰囲気圧が大気圧を超えるタイミングで、キャビティ内へのアルミニウム溶融金属の圧入を開始するダイカスト方法が記載されている。該ダイカスト方法では、真空吸引によって離型剤等から水分を蒸発させて系外に持ち去ると共に、依然としてキャビティ内に残留する水蒸気を、真空吸引過程に続く酸素吹き込み過程で酸素ガス雰囲気中に拡散させて系外に持ち去ることにより、製品内部に取り込まれるガスの量を低減させている。
しかしながら、上述したダイカスト方法では、真空吸引過程において、スリーブとプランジャーチップとの潤滑用の潤滑剤(以下、単に潤滑剤と称す)から発生するガス、及び金型の見切り面から流入する大気が系内に流入される。このため、系内の真空度を高めることができず、依然としてキャビティ内にガスが残留される。また、酸素吹き込み過程においては、キャビティ内へ吹き込まれた酸素ガスが金型の見切り面から大気中へ流出されるため、キャビティ内の酸素濃度を効率的に高めることが困難である。近年、ダイカスト製品に対する性能向上への要求が厳しくなる傾向にある。この要望に応えるためには、キャビティ内へのガス(大気及び潤滑剤から発生するガス)の流入を防いでキャビティ内の真空度を高めると共にキャビティからの酸素ガスの流出を防いでキャビティ内の酸素濃度を効率的に高めて鋳造欠陥の発生を抑制させることが必要である。
特開2000−84648号公報(段落番号0011〜0016、図1)
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、第1の目的は、キャビティ内の真空度及び酸素濃度が高められるダイカスト装置を提供することに有る。また、第2の目的は、キャビティ内の真空度及び酸素濃度が高められるダイカスト方法を提供することにある。
上記第1の目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、スリーブに注湯される溶融金属がプランジャーチップによってキャビティに充填されるダイカスト装置であって、圧縮ガス供給手段によって供給される圧縮ガスをプランジャーチップの外周面から噴射させる圧縮ガス噴射手段を具備することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、プランジャーチップに、圧縮ガス噴射手段から噴射される圧縮ガスよりもプランジャーチップ進退方向後方に配置されるシール部材が設けられることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、金型見切り面及びスライド入れ子摺動面に、キャビティ及びスライド入れ子が囲繞されて圧縮ガス供給手段によって圧縮ガスが供給される各溝が設けられることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、圧縮ガス供給手段に、圧縮ガス噴射手段と金型見切り面及びスライド入れ子摺動面に設けられる各溝とへ供給される各圧縮ガスが必要に応じて空気と酸素とのいずれかに各圧縮ガス供給先毎に個別に選択される圧縮ガス選択手段が設けられることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の発明において、金型見切り面及びスライド入れ子摺動面に設けられる各溝が必要に応じて個別に減圧される減圧手段を備えることを特徴とする。
上記第1の目的を達成するために、本発明のうち請求項6に記載の発明は、スリーブに注湯される溶融金属がプランジャーチップによってキャビティに充填されるダイカスト装置であって、金型見切り面及びスライド入れ子摺動面に、キャビティ及びスライド入れ子が囲繞されて圧縮ガス供給手段によって圧縮ガスが供給される各溝が設けられることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、圧縮ガス供給手段に、金型見切り面及びスライド入れ子摺動面に設けられる各溝へ供給される各圧縮ガスが必要に応じて空気と酸素とのいずれかに各溝毎に個別に選択される圧縮ガス選択手段が設けられることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載の発明において、金型見切り面及びスライド入れ子摺動面に設けられる各溝が必要に応じて個別に減圧される減圧手段を備えることを特徴とする。
上記第2の目的を達成するために、本発明のうち請求項9に記載の発明は、上記請求項1〜8のいずれかに記載のダイカスト装置を用いるダイカスト方法であって、プランジャーチップの外周面に圧縮ガス噴射用孔を設け、金型見切り面及びスライド入れ子摺動面にキャビティ及びスライド入れ子が囲繞される見切り面シール用溝及び摺動面減圧用溝を設け、ダイカスト金型に設けられてキャビティに連通されるキャビティ連通路に減圧弁を設けておいて、キャビティと見切り面シール用溝及び摺動面減圧用溝とへ酸素ガスを圧送させ、この状態で、圧縮ガス噴射用孔から酸素ガスを噴射させつつプランジャーチップを前進させ、該プランジャーチップによって給湯口が閉塞されるタイミングで、見切り面シール用溝と圧縮ガス噴射用孔への酸素ガスの圧送を継続しつつ、キャビティと摺動面減圧用溝とへの酸素ガスの圧送を停止させると共にキャビティと摺動面減圧用溝との減圧を開始し、次に、キャビティへの溶融金属の高速射出が開始されるタイミングで減圧弁を閉塞させ、該減圧弁の閉塞後、圧縮ガス噴射用孔並びに見切り面シール用溝への酸素ガスの圧送、及び摺動面減圧用溝の減圧を継続しつつ、溶融金属をキャビティへ高速射出させて溶融金属をキャビティに充填させることを特徴とする。
上記第2の目的を達成するために、本発明のうち請求項10に記載の発明は、上記請求項1〜8のいずれかに記載のダイカスト装置を用いるダイカスト方法であって、プランジャーチップの外周面に設けられた複数個の圧縮ガス噴射用孔から必要に応じて圧縮ガスを噴射させることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の発明において、圧縮ガス噴射用孔から噴射させる圧縮ガスが必要に応じて空気と酸素ガスとに切り替えられることを特徴とする。
上記第2の目的を達成するために、本発明のうち請求項12に記載の発明は、上記請求項1〜8のいずれかに記載のダイカスト装置を用いるダイカスト方法であって、金型見切り面及びスライド入れ子摺動面にキャビティ及びスライド入れ子が囲繞される各シール用溝を設けておいて、各シール溝へ必要に応じて圧縮ガスが個別に圧送されることを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の発明において、各シール用溝へ圧送される圧縮ガスが、必要に応じて空気と酸素ガスとに個別に切り替えられることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、プランジャーチップに、圧縮ガス噴射手段から噴射される圧縮ガスよりもプランジャーチップ進退方向後方に配置されるシール部材が設けられることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、金型見切り面及びスライド入れ子摺動面に、キャビティ及びスライド入れ子が囲繞されて圧縮ガス供給手段によって圧縮ガスが供給される各溝が設けられることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、圧縮ガス供給手段に、圧縮ガス噴射手段と金型見切り面及びスライド入れ子摺動面に設けられる各溝とへ供給される各圧縮ガスが必要に応じて空気と酸素とのいずれかに各圧縮ガス供給先毎に個別に選択される圧縮ガス選択手段が設けられることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の発明において、金型見切り面及びスライド入れ子摺動面に設けられる各溝が必要に応じて個別に減圧される減圧手段を備えることを特徴とする。
上記第1の目的を達成するために、本発明のうち請求項6に記載の発明は、スリーブに注湯される溶融金属がプランジャーチップによってキャビティに充填されるダイカスト装置であって、金型見切り面及びスライド入れ子摺動面に、キャビティ及びスライド入れ子が囲繞されて圧縮ガス供給手段によって圧縮ガスが供給される各溝が設けられることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、圧縮ガス供給手段に、金型見切り面及びスライド入れ子摺動面に設けられる各溝へ供給される各圧縮ガスが必要に応じて空気と酸素とのいずれかに各溝毎に個別に選択される圧縮ガス選択手段が設けられることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載の発明において、金型見切り面及びスライド入れ子摺動面に設けられる各溝が必要に応じて個別に減圧される減圧手段を備えることを特徴とする。
上記第2の目的を達成するために、本発明のうち請求項9に記載の発明は、上記請求項1〜8のいずれかに記載のダイカスト装置を用いるダイカスト方法であって、プランジャーチップの外周面に圧縮ガス噴射用孔を設け、金型見切り面及びスライド入れ子摺動面にキャビティ及びスライド入れ子が囲繞される見切り面シール用溝及び摺動面減圧用溝を設け、ダイカスト金型に設けられてキャビティに連通されるキャビティ連通路に減圧弁を設けておいて、キャビティと見切り面シール用溝及び摺動面減圧用溝とへ酸素ガスを圧送させ、この状態で、圧縮ガス噴射用孔から酸素ガスを噴射させつつプランジャーチップを前進させ、該プランジャーチップによって給湯口が閉塞されるタイミングで、見切り面シール用溝と圧縮ガス噴射用孔への酸素ガスの圧送を継続しつつ、キャビティと摺動面減圧用溝とへの酸素ガスの圧送を停止させると共にキャビティと摺動面減圧用溝との減圧を開始し、次に、キャビティへの溶融金属の高速射出が開始されるタイミングで減圧弁を閉塞させ、該減圧弁の閉塞後、圧縮ガス噴射用孔並びに見切り面シール用溝への酸素ガスの圧送、及び摺動面減圧用溝の減圧を継続しつつ、溶融金属をキャビティへ高速射出させて溶融金属をキャビティに充填させることを特徴とする。
上記第2の目的を達成するために、本発明のうち請求項10に記載の発明は、上記請求項1〜8のいずれかに記載のダイカスト装置を用いるダイカスト方法であって、プランジャーチップの外周面に設けられた複数個の圧縮ガス噴射用孔から必要に応じて圧縮ガスを噴射させることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の発明において、圧縮ガス噴射用孔から噴射させる圧縮ガスが必要に応じて空気と酸素ガスとに切り替えられることを特徴とする。
上記第2の目的を達成するために、本発明のうち請求項12に記載の発明は、上記請求項1〜8のいずれかに記載のダイカスト装置を用いるダイカスト方法であって、金型見切り面及びスライド入れ子摺動面にキャビティ及びスライド入れ子が囲繞される各シール用溝を設けておいて、各シール溝へ必要に応じて圧縮ガスが個別に圧送されることを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の発明において、各シール用溝へ圧送される圧縮ガスが、必要に応じて空気と酸素ガスとに個別に切り替えられることを特徴とする。
従って、請求項1に記載の発明では、圧縮ガス噴射手段によって圧縮ガスがプランジャーチップの外周面から噴射されることにより、プランジャーチップとスリーブとの間隙に流体軸受が形成されてプランジャーチップとスリーブとの摺動抵抗が軽減される。これと同時に、プランジャーチップとスリーブとの間隙に流体シールが形成されてプランジャーチップとスリーブとの間隙からスリーブ内への大気の流入、及びスリーブ内からスリーブ外への流体の流出が防がれる。
請求項2に記載の発明では、圧縮ガス噴射手段によってプランジャーチップの外周面から噴射される圧縮ガスによるシール効果が高められる。
請求項3に記載の発明では、圧縮ガス供給手段によって各シール溝へ圧縮ガスが供給されることにより、金型見切り面及びスライド入れ子摺動面に流体シールが形成される。
請求項4に記載の発明では、圧縮ガス供給手段から圧縮ガス噴射手段及び各シール溝へ供給される圧縮ガスが、圧縮ガス選択手段によって必要に応じて空気と酸素ガスとのいずれかに各圧縮ガス供給先毎に個別に選択される。
請求項5に記載の発明では、減圧手段によって各シール用溝が必要に応じて個別に減圧される。
請求項6に記載の発明では、圧縮ガス供給手段によって各シール溝へ圧縮ガスが供給されることにより、金型見切り面及びスライド入れ子摺動面がシールされる。
請求項7に記載の発明では、圧縮ガス供給手段から各シール溝へ供給される圧縮ガスが、圧縮ガス選択手段によって必要に応じて空気と酸素ガスとのいずれかに各圧縮ガス供給先毎に個別に選択される。
請求項8に記載の発明では、減圧手段によって各シール用溝が必要に応じて個別に減圧される。
請求項9に記載の発明では、プランジャーチップを前進させる以前にキャビティと見切り面シール用溝とへ酸素ガスを圧送させることにより、キャビティ内の酸素濃度が高められる。また、プランジャーチップの外周面に設けられる圧縮ガス噴射用孔から酸素ガスを噴射させることにより、プランジャーチップとスリーブとの間隙に流体シールが形成されると共にキャビティ内の酸素濃度を高めることができる。さらに、プランジャーチップとスリーブとの間隙に流体軸受が形成されるため、プランジャーチップとスリーブとの摺動抵抗が軽減されてプランジャーチップ潤滑用の潤滑剤の使用量を削減することができる。また、キャビティ減圧時には、見切り面シール用溝によるシール効果によってキャビティの真空度が高められる。さらに、減圧弁が閉塞された以降も摺動面減圧用溝の減圧が継続されるため、キャビティ内の真空度が維持される。これにより、見切り面シール用溝へ供給される酸素ガスがキャビティ内へ誘引されて当該キャビティ内の酸素濃度が高められる。
請求項10に記載の発明では、プランジャーチップの外周面に設けられる圧縮ガス噴射用孔から圧縮ガスを噴射させることにより、プランジャーチップとスリーブとの間隙に流体シールが形成される。さらに、プランジャーチップとスリーブとの間隙に流体軸受が形成されるため、プランジャーチップとスリーブとの摺動抵抗が軽減されてプランジャーチップ潤滑用の潤滑剤の使用量を削減することができる。
請求項11に記載の発明では、圧縮ガス噴射用孔から酸素ガスが噴射される場合には、当該酸素ガスがキャビティへ誘引されてキャビティ内の酸素濃度が効果的に高められる。
請求項12に記載の発明では、金型見切り面とスライド入れ子摺動面とを必要に応じて個別にシールすることができる。
請求項13に記載の発明では、各シール溝へ圧送される圧縮ガスが酸素ガスである場合には、当該酸素ガスが各シール溝からキャビティへ誘引されてキャビティ内の酸素濃度が効果的に高められる。
請求項2に記載の発明では、圧縮ガス噴射手段によってプランジャーチップの外周面から噴射される圧縮ガスによるシール効果が高められる。
請求項3に記載の発明では、圧縮ガス供給手段によって各シール溝へ圧縮ガスが供給されることにより、金型見切り面及びスライド入れ子摺動面に流体シールが形成される。
請求項4に記載の発明では、圧縮ガス供給手段から圧縮ガス噴射手段及び各シール溝へ供給される圧縮ガスが、圧縮ガス選択手段によって必要に応じて空気と酸素ガスとのいずれかに各圧縮ガス供給先毎に個別に選択される。
請求項5に記載の発明では、減圧手段によって各シール用溝が必要に応じて個別に減圧される。
請求項6に記載の発明では、圧縮ガス供給手段によって各シール溝へ圧縮ガスが供給されることにより、金型見切り面及びスライド入れ子摺動面がシールされる。
請求項7に記載の発明では、圧縮ガス供給手段から各シール溝へ供給される圧縮ガスが、圧縮ガス選択手段によって必要に応じて空気と酸素ガスとのいずれかに各圧縮ガス供給先毎に個別に選択される。
請求項8に記載の発明では、減圧手段によって各シール用溝が必要に応じて個別に減圧される。
請求項9に記載の発明では、プランジャーチップを前進させる以前にキャビティと見切り面シール用溝とへ酸素ガスを圧送させることにより、キャビティ内の酸素濃度が高められる。また、プランジャーチップの外周面に設けられる圧縮ガス噴射用孔から酸素ガスを噴射させることにより、プランジャーチップとスリーブとの間隙に流体シールが形成されると共にキャビティ内の酸素濃度を高めることができる。さらに、プランジャーチップとスリーブとの間隙に流体軸受が形成されるため、プランジャーチップとスリーブとの摺動抵抗が軽減されてプランジャーチップ潤滑用の潤滑剤の使用量を削減することができる。また、キャビティ減圧時には、見切り面シール用溝によるシール効果によってキャビティの真空度が高められる。さらに、減圧弁が閉塞された以降も摺動面減圧用溝の減圧が継続されるため、キャビティ内の真空度が維持される。これにより、見切り面シール用溝へ供給される酸素ガスがキャビティ内へ誘引されて当該キャビティ内の酸素濃度が高められる。
請求項10に記載の発明では、プランジャーチップの外周面に設けられる圧縮ガス噴射用孔から圧縮ガスを噴射させることにより、プランジャーチップとスリーブとの間隙に流体シールが形成される。さらに、プランジャーチップとスリーブとの間隙に流体軸受が形成されるため、プランジャーチップとスリーブとの摺動抵抗が軽減されてプランジャーチップ潤滑用の潤滑剤の使用量を削減することができる。
請求項11に記載の発明では、圧縮ガス噴射用孔から酸素ガスが噴射される場合には、当該酸素ガスがキャビティへ誘引されてキャビティ内の酸素濃度が効果的に高められる。
請求項12に記載の発明では、金型見切り面とスライド入れ子摺動面とを必要に応じて個別にシールすることができる。
請求項13に記載の発明では、各シール溝へ圧送される圧縮ガスが酸素ガスである場合には、当該酸素ガスが各シール溝からキャビティへ誘引されてキャビティ内の酸素濃度が効果的に高められる。
キャビティ内の真空度及び酸素濃度が高められるダイカスト装置及びダイカスト方法を提供することができる。
本発明の一実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。図1に示されるように、本ダイカスト装置は、可動型2と固定型3とが結合(型閉じ)されて内部にキャビティ4が形成されるダイカスト金型1を備える。該ダイカスト金型1は、複数個(本実施の形態では2個)のスライド入れ子5を備える。各スライド入れ子5は、上記可動型2に設けられる各スライド入れ子収容部6に収容される。また、各スライド入れ子5は、各スライド入れ子収容部6の各スライド入れ子摺動面6aによってキャビティ4に対して進退可能に支持される。さらに、各スライド入れ子摺動面6aには、各スライド入れ子5が囲繞される摺動面減圧用溝7が設けられる。そして、各減圧用溝7は、可動型2に形成されるガス送通路8を介して可動型2の上面に設けられるポートP1に連通される。また、ダイカスト金型1の金型見切り面9(可動型2と固定型3との分割面)には、キャビティ4が囲繞される見切り面シール用溝10が設けられる。そして、該見切り面シール用溝10は、可動型2に形成されるガス送通路11を介して可動型2の上面に設けられるポートP2に連通される。
また、図1に示されるように、固定型3の上面には、ガス送通路12を介してキャビティ4の上部に連通されるポートP3が設けられる。なお、上記ガス送通路12には、制御装置13(図2参照)の制御信号に基づいて開閉される減圧弁14が設けられる。また、本ダイカスト装置は、略円筒状に形成されて内部空間がキャビティ4に連通されるスリーブ15が、固定型3の正面下部に接続される。そして、該スリーブ15の一側(図1における紙面視右側)上部には、スリーブ15内へ溶融金属を給湯させるための給湯口16が設けられる。また、上記スリーブ15の内周面15aには、略円柱状に形成されるプランジャーチップ17が当該内周面15aに対して摺動可能に係合される。さらに、図3に示されるように、プランジャーチップ17の外周面17aには、所定のパターンで配置される複数個の圧縮ガス噴射用孔18(圧縮ガス噴射手段)が設けられる。そして、本ダイカスト装置では、プランジャーチップ17の一端面に設けられるポートP4へ圧縮ガスが供給されて、各圧縮ガス噴射用孔18から圧縮ガスが噴射される。
また、図3に示されるように、プランジャーチップ17には、ダグタイル鋳鉄によって形成されるリング状のシール部材19が、プランジャーチップ進退方向(図1における紙面視左右方向)後端部に装着される。これにより、本ダイカスト装置では、プランジャーチップ17とスリーブ15との円滑な摺動を維持しつつ、キャビティ4及びスリーブ15内へ供給される圧縮ガスがプランジャーチップ17とスリーブ15との間隙から流出されるのが効果的に防止される。なお、本ダイカスト装置では、各圧縮ガス噴射用孔18の直径が1.0mmに設定される。図1に示されるように、本ダイカスト装置は、圧縮酸素タンク20並びに圧縮空気タンク21(共に圧縮ガス供給手段)、及び減圧タンク22(減圧手段)を具備する。上記圧縮酸素タンク20は、電磁弁V1を有するガス管23を介してダイカスト金型1のポートP2に接続されると共に、電磁弁V2を有するガス管24を介してプランジャーチップ17のポートP4に接続される。また、圧縮酸素タンク20は、3方向制御弁V3に接続されるガス管25を介してダイカスト金型1のポートP3に接続される。
図1に示されるように、上記圧縮空気タンク21は、上記3方向制御弁V3に接続されるガス管26を介してダイカスト金型1のポートP3に接続される。また、圧縮空気タンク21は、電磁弁V5を有するガス管27を介してプランジャーチップ17のポートP4に接続される。さらに、上記減圧タンク22には電磁弁V4を有するガス管28が接続される。また、該ガス管28は、分岐部29で、ダイカスト金型1のポートP3に接続されるガス管30とダイカスト金型1のポートP1に接続されるガス管31とに分岐される。そして、本ダイカスト装置では、電磁弁V1が開かれることにより見切り面シール用溝10へ酸素ガスが圧送される。また、本ダイカスト装置では、電磁弁V2が開かれることにより圧縮ガス噴射用孔18へ酸素ガスが圧送される。さらに、本ダイカスト装置では、3方向制御弁V3によってガス管25とダイカスト金型1のポートP3とが連通されて、且つ減圧弁14が開かれることにより、酸素ガスがキャビティ4へ圧送される。なお、本ダイカスト装置では、3方向制御弁V3によってガス管26とダイカスト金型1のポートP3とが連通されて、且つ減圧弁14が開かれることにより、空気が減圧弁14へ圧送されて当該減圧弁14が清掃される。
また、本ダイカスト装置では、電磁弁V4が開かれることにより摺動面減圧用溝7が減圧されて該摺動面減圧用溝7を介してキャビティ4が減圧される。さらに、電磁弁V4が開かれた状態で減圧弁14が開かれることにより、当該減圧弁14を介してキャビティ4が減圧される。また、本ダイカスト装置では、電磁弁V5が開かれることにより圧縮ガス噴射用孔18へ空気が圧送される。なお、図2に示されるように、各弁V1〜V5は、制御装置13の制御信号に基づいて開閉される。そして、本ダイカスト装置の圧縮ガス選択手段は、制御装置13、減圧弁14、電磁弁V1、V2、V5、及び3方向制御弁V3によって構成される。
次に、本ダイカスト装置を用いるダイカスト方法を説明する。まず、各弁V1〜V5が閉じられて、且つ減圧弁14が開かれた状態で、可動型2を固定型3へ向けて移動させてダイカスト金型1を型閉じさせる。この時、型閉じ完了のタイミングで、電磁弁V1を開いて見切り面シール用溝10へ酸素ガスを供給させると共に3方向制御弁V3を切り替えさせてキャビティ4へ酸素ガスを供給させる。次に、給湯口16からスリーブ15内へ所定の量の溶融金属を給湯し、給湯完了のタイミングで、電磁弁V2を開いてプランジャーチップ17の各圧縮ガス噴射用孔18(圧縮ガス噴射手段)から酸素ガスを噴射させる。この状態で、プランジャーチップ17を所定速度で前進させて、給湯口16がプランジャーチップ17によって閉塞されるタイミングで、3方向制御弁V3を切り替え動作させてキャビティ4への酸素ガスの供給を停止させると共に、電磁弁4を開いてキャビティ4の減圧を開始する。なお、高速射出が開始されるタイミングで減圧弁14を閉じて、高速射出時に溶融金属が減圧弁14へ流入するのを防止する。
そして、キャビティ4への溶融金属の充填が完了される時点まで、摺動面減圧用溝7からのキャビティ4の減圧、見切り面シール用溝10への酸素ガスの供給、及びプランジャーチップ17の各圧縮ガス噴射用孔18からの酸素ガスの噴射を継続させつつ、キャビティ4への溶融金属の高速射出を開始する。また、キャビティ4への溶融金属の充填が完了された時点で、電磁弁V1、V2及びV4を閉じて見切り面シール用溝10への酸素ガスの供給、プランジャーチップ17の各圧縮ガス噴射用孔18からの酸素ガスの噴射、及び摺動面減圧用溝7からのキャビティ4の減圧を停止させる。そして、ダイカスト金型1の型開き動作が開始される以前に電磁弁V5を開いて、プランジャーチップ17の各圧縮ガス噴射用孔18から空気を噴射させる。これにより、プランジャーチップ17のビスケット突き出し動作時、及びビスケット突き出し後のプランジャーチップ後退時における、当該プランジャーチップ17とスリーブ15との摺動抵抗を軽減させる。
この実施の形態では以下の効果を奏する。
本ダイカスト装置では、プランジャーチップ17の外周面17aに設けられる複数個の圧縮ガス噴射用孔18(圧縮ガス噴射手段)から酸素ガスが噴射されるため、プランジャーチップ17とスリーブ15との間隙に流体軸受が形成されてプランジャーチップ17とスリーブ15との摺動抵抗が軽減される。したがって、プランジャーチップ17とスリーブ15との潤滑に用いられる潤滑剤の使用量を削減することが可能になる。これにより、溶融金属の熱によって潤滑剤から蒸発するガスの量を削減することが可能になり、当該ガスに起因するポロシティ等の鋳造欠陥を抑制してダイカスト製品の品質を確保することができる。
本ダイカスト装置は、各圧縮ガス噴射用孔18から噴射される酸素ガスによってプランジャーチップ17とスリーブ15との間隙に流体シールが形成される。したがって、減圧時における、プランジャーチップ17とスリーブ15との間隙からスリーブ15内への大気の流入が防がれる。これにより、キャビティ4が効率的に減圧されると共にキャビティ4内の真空度が高められる。さらに、各圧縮ガス噴射用孔18から噴射される酸素ガスがキャビティ4内へ導入されるため、キャビティ4内の雰囲気が残留ガスから酸素ガスへ置換される効率(以下、酸素置換効率と称す)が向上する。これにより、キャビティ4内の酸素濃度が高められてダイカスト製品の品質が確保される。
本ダイカスト装置では、各圧縮ガス噴出用孔18から噴出させる圧縮ガスが、必要に応じて酸素ガスと空気とのいずれかに選択される。したがって、プランジャーチップ17の後退時等の、各圧縮ガス噴射用孔18から噴射させる圧縮ガスが酸素ガスである必要がない場合は、各圧縮ガス噴射用孔18から空気を噴射させてプランジャーチップ17とスリーブ15との間隙に流体軸受を形成させる。これにより、酸素ガスの使用量が低減されてランニングコストが削減される。
本ダイカスト装置は、プランジャーチップ17に、各圧縮ガス噴射用孔18よりもプランジャーチップ進退方向後方へ配置されるシール部材19が装着される。したがって、各圧縮ガス噴射用孔18から圧縮ガスが噴射されて形成される流体シールのシール効果が向上し、キャビティ4内の真空度及び酸素濃度がより高められてダイカスト製品の品質が確保される。
本ダイカスト装置は、金型見切り面9に、キャビティ4が囲繞される見切り面シール用溝10が設けられる。したがって、該見切り面シール用溝10へ圧縮ガスが供給されて形成される流体シールによってキャビティ4がシールされる。これにより、キャビティ4の密閉度が高められて、減圧時におけるキャビティ4内の真空度が高められる。また、減圧時に、金型見切り面9の見切り面シール用溝10の外側(見切り面シール溝10を境界にしてキャビティ4側と反対側)に残留する水分が、見切り面シール用溝10の内側へ侵入してキャビティ4に流入するのが防止され、ダイカスト製品に鋳造欠陥が発生するのが防がれる。さらに、見切り面シール用溝10へ供給される圧縮ガスを酸素ガスとすることにより、酸素ガスが見切り面シール用溝10からキャビティ4へ導入されて酸素置換効率が向上する。これにより、キャビティ4の酸素濃度が高められてダイカスト製品の品質が確保される。
本ダイカスト装置は、各スライド入れ子摺動面6aに、各スライド入れ子5が囲繞される摺動面減圧用溝7が設けられる。したがって、摺動面減圧用溝7を減圧させることにより摺動面減圧用溝7を介してキャビティ4が減圧されるため、当該キャビティ4の真空度を高めることができる。
また、本ダイカスト方法では、減圧弁14を介しての減圧が停止された後も、摺動面減圧用溝7を介するキャビティ4の減圧が継続されるため、キャビティ4への溶融金属の充填が完了するまでの間に、キャビティ4内の真空度が低下するのが防がれる。
さらに、本ダイカスト方法では、減圧弁14を介しての減圧が停止された後も、摺動面減圧用溝7を介するキャビティ4の減圧と、見切り面シール用溝10及び圧縮ガス噴射用孔18への酸素ガスの供給とが継続されるため、酸素置換効率が維持されてキャビティ4内の酸素濃度が低下することがなく、熱処理(T6)が可能な高い品質のダイカスト製品が得られる。
本ダイカスト装置では、プランジャーチップ17の外周面17aに設けられる複数個の圧縮ガス噴射用孔18(圧縮ガス噴射手段)から酸素ガスが噴射されるため、プランジャーチップ17とスリーブ15との間隙に流体軸受が形成されてプランジャーチップ17とスリーブ15との摺動抵抗が軽減される。したがって、プランジャーチップ17とスリーブ15との潤滑に用いられる潤滑剤の使用量を削減することが可能になる。これにより、溶融金属の熱によって潤滑剤から蒸発するガスの量を削減することが可能になり、当該ガスに起因するポロシティ等の鋳造欠陥を抑制してダイカスト製品の品質を確保することができる。
本ダイカスト装置は、各圧縮ガス噴射用孔18から噴射される酸素ガスによってプランジャーチップ17とスリーブ15との間隙に流体シールが形成される。したがって、減圧時における、プランジャーチップ17とスリーブ15との間隙からスリーブ15内への大気の流入が防がれる。これにより、キャビティ4が効率的に減圧されると共にキャビティ4内の真空度が高められる。さらに、各圧縮ガス噴射用孔18から噴射される酸素ガスがキャビティ4内へ導入されるため、キャビティ4内の雰囲気が残留ガスから酸素ガスへ置換される効率(以下、酸素置換効率と称す)が向上する。これにより、キャビティ4内の酸素濃度が高められてダイカスト製品の品質が確保される。
本ダイカスト装置では、各圧縮ガス噴出用孔18から噴出させる圧縮ガスが、必要に応じて酸素ガスと空気とのいずれかに選択される。したがって、プランジャーチップ17の後退時等の、各圧縮ガス噴射用孔18から噴射させる圧縮ガスが酸素ガスである必要がない場合は、各圧縮ガス噴射用孔18から空気を噴射させてプランジャーチップ17とスリーブ15との間隙に流体軸受を形成させる。これにより、酸素ガスの使用量が低減されてランニングコストが削減される。
本ダイカスト装置は、プランジャーチップ17に、各圧縮ガス噴射用孔18よりもプランジャーチップ進退方向後方へ配置されるシール部材19が装着される。したがって、各圧縮ガス噴射用孔18から圧縮ガスが噴射されて形成される流体シールのシール効果が向上し、キャビティ4内の真空度及び酸素濃度がより高められてダイカスト製品の品質が確保される。
本ダイカスト装置は、金型見切り面9に、キャビティ4が囲繞される見切り面シール用溝10が設けられる。したがって、該見切り面シール用溝10へ圧縮ガスが供給されて形成される流体シールによってキャビティ4がシールされる。これにより、キャビティ4の密閉度が高められて、減圧時におけるキャビティ4内の真空度が高められる。また、減圧時に、金型見切り面9の見切り面シール用溝10の外側(見切り面シール溝10を境界にしてキャビティ4側と反対側)に残留する水分が、見切り面シール用溝10の内側へ侵入してキャビティ4に流入するのが防止され、ダイカスト製品に鋳造欠陥が発生するのが防がれる。さらに、見切り面シール用溝10へ供給される圧縮ガスを酸素ガスとすることにより、酸素ガスが見切り面シール用溝10からキャビティ4へ導入されて酸素置換効率が向上する。これにより、キャビティ4の酸素濃度が高められてダイカスト製品の品質が確保される。
本ダイカスト装置は、各スライド入れ子摺動面6aに、各スライド入れ子5が囲繞される摺動面減圧用溝7が設けられる。したがって、摺動面減圧用溝7を減圧させることにより摺動面減圧用溝7を介してキャビティ4が減圧されるため、当該キャビティ4の真空度を高めることができる。
また、本ダイカスト方法では、減圧弁14を介しての減圧が停止された後も、摺動面減圧用溝7を介するキャビティ4の減圧が継続されるため、キャビティ4への溶融金属の充填が完了するまでの間に、キャビティ4内の真空度が低下するのが防がれる。
さらに、本ダイカスト方法では、減圧弁14を介しての減圧が停止された後も、摺動面減圧用溝7を介するキャビティ4の減圧と、見切り面シール用溝10及び圧縮ガス噴射用孔18への酸素ガスの供給とが継続されるため、酸素置換効率が維持されてキャビティ4内の酸素濃度が低下することがなく、熱処理(T6)が可能な高い品質のダイカスト製品が得られる。
なお、実施の形態は上記に限定されるものではなく、例えば次のように構成してもよい。
減圧タンク22(減圧手段)とダイカスト金型1のポートP2とを接続させて、必要に応じて見切り面シール用溝10を減圧させてもよい。
プランジャーチップ17に装着されるシール部材19を、各圧縮ガス噴射用孔18のプランジャーチップ進退方向の前後に配置してもよい。
減圧タンク22(減圧手段)とダイカスト金型1のポートP2とを接続させて、必要に応じて見切り面シール用溝10を減圧させてもよい。
プランジャーチップ17に装着されるシール部材19を、各圧縮ガス噴射用孔18のプランジャーチップ進退方向の前後に配置してもよい。
1 ダイカスト金型、4 キャビティ、5 スライド入れ子、6a スライド入れ子摺動面、7 摺動面減圧用溝、9 金型見切り面、10 見切り面シール用溝、15 スリーブ、16 給湯口、17 プランジャーチップ、17a プランジャーチップ外周面、18 圧縮ガス噴射用孔(圧縮ガス噴射手段)、19 シール部材、20 圧縮酸素タンク(圧縮ガス供給手段)、21 圧縮空気タンク(圧縮ガス供給手段)、22 減圧タンク(減圧手段)
Claims (13)
- スリーブに注湯される溶融金属がプランジャーチップによってキャビティに充填されるダイカスト装置であって、圧縮ガス供給手段によって供給される圧縮ガスを前記プランジャーチップの外周面から噴射させる圧縮ガス噴射手段を具備することを特徴とするダイカスト装置。
- 前記プランジャーチップに、前記圧縮ガス噴射手段から噴射される圧縮ガスよりもプランジャーチップ進退方向後方に配置されるシール部材が設けられることを特徴とする請求項1に記載のダイカスト装置。
- 金型見切り面及びスライド入れ子摺動面に、キャビティ及びスライド入れ子が囲繞されて前記圧縮ガス供給手段によって圧縮ガスが供給される各溝が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載のダイカスト装置。
- 前記圧縮ガス供給手段に、前記圧縮ガス噴射手段と前記金型見切り面及び前記スライド入れ子摺動面に設けられる各溝とへ供給される各圧縮ガスが必要に応じて空気と酸素とのいずれかに各圧縮ガス供給先毎に個別に選択される圧縮ガス選択手段が設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のダイカスト装置。
- 前記金型見切り面及び前記スライド入れ子摺動面に設けられる各溝が必要に応じて個別に減圧される減圧手段を備えることを特徴とする請求項3又は4に記載のダイカスト装置。
- スリーブに注湯される溶融金属がプランジャーチップによってキャビティに充填されるダイカスト装置であって、金型見切り面及びスライド入れ子摺動面に、キャビティ及びスライド入れ子が囲繞されて圧縮ガス供給手段によって圧縮ガスが供給される各溝が設けられることを特徴とするダイカスト装置。
- 前記圧縮ガス供給手段に、前記金型見切り面及び前記スライド入れ子摺動面に設けられる各溝へ供給される各圧縮ガスが必要に応じて空気と酸素とのいずれかに各溝毎に個別に選択される圧縮ガス選択手段が設けられることを特徴とする請求項6に記載のダイカスト装置。
- 前記金型見切り面及び前記スライド入れ子摺動面に設けられる各溝が必要に応じて個別に減圧される減圧手段を備えることを特徴とする請求項6又は7に記載のダイカスト装置。
- 上記請求項1〜8のいずれかに記載のダイカスト装置を用いるダイカスト方法であって、プランジャーチップの外周面に圧縮ガス噴射用孔を設け、金型見切り面及びスライド入れ子摺動面にキャビティ及びスライド入れ子が囲繞される見切り面シール用溝及び摺動面減圧用溝を設け、ダイカスト金型に設けられて前記キャビティに連通されるキャビティ連通路に減圧弁を設けておいて、前記キャビティと前記見切り面シール用溝及び前記摺動面減圧用溝とへ酸素ガスを圧送させ、この状態で、前記圧縮ガス噴射用孔から酸素ガスを噴射させつつ前記プランジャーチップを前進させ、該プランジャーチップによって給湯口が閉塞されるタイミングで、前記見切り面シール用溝と前記圧縮ガス噴射用孔への酸素ガスの圧送を継続しつつ、前記キャビティと前記摺動面減圧用溝とへの酸素ガスの圧送を停止させると共に前記キャビティと前記摺動面減圧用溝との減圧を開始し、次に、前記キャビティへの溶融金属の高速射出が開始されるタイミングで前記減圧弁を閉塞させ、該減圧弁の閉塞後、前記圧縮ガス噴射用孔並びに前記見切り面シール用溝への酸素ガスの圧送、及び前記摺動面減圧用溝の減圧を継続しつつ、溶融金属を前記キャビティへ高速射出させて溶融金属を前記キャビティに充填させることを特徴とするダイカスト方法。
- 上記請求項1〜8のいずれかに記載のダイカスト装置を用いるダイカスト方法であって、プランジャーチップの外周面に設けられた複数個の圧縮ガス噴射用孔から必要に応じて圧縮ガスを噴射させることを特徴とするダイカスト方法。
- 前記圧縮ガス噴射用孔から噴射させる圧縮ガスが必要に応じて空気と酸素ガスとに切り替えられることを特徴とする請求項10に記載のダイカスト方法。
- 上記請求項1〜8のいずれかに記載のダイカスト装置を用いるダイカスト方法であって、金型見切り面及びスライド入れ子摺動面にキャビティ及びスライド入れ子が囲繞される各シール用溝を設けておいて、各シール溝へ必要に応じて圧縮ガスが個別に圧送されることを特徴とするダイカスト方法。
- 各シール用溝へ圧送される圧縮ガスが、必要に応じて空気と酸素ガスとに個別に切り替えられることを特徴とする請求項12に記載のダイカスト方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004044820A JP2005230879A (ja) | 2004-02-20 | 2004-02-20 | ダイカスト装置及びダイカスト方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004044820A JP2005230879A (ja) | 2004-02-20 | 2004-02-20 | ダイカスト装置及びダイカスト方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005230879A true JP2005230879A (ja) | 2005-09-02 |
Family
ID=35014355
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004044820A Pending JP2005230879A (ja) | 2004-02-20 | 2004-02-20 | ダイカスト装置及びダイカスト方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005230879A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011147960A (ja) * | 2010-01-20 | 2011-08-04 | Toyota Motor Corp | 減圧鋳造装置および減圧鋳造方法 |
CN105880508A (zh) * | 2014-05-08 | 2016-08-24 | 重庆硕龙科技有限公司 | 一种真空高压铸造方法及装置 |
KR102210374B1 (ko) * | 2019-08-19 | 2021-02-02 | 한국생산기술연구원 | 다이캐스팅용 보조장치 및 이를 이용한 다이캐스팅 방법 |
CN112296308A (zh) * | 2020-10-27 | 2021-02-02 | 佛山市和阳精密金属制品有限公司 | 一种压铸模具 |
-
2004
- 2004-02-20 JP JP2004044820A patent/JP2005230879A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011147960A (ja) * | 2010-01-20 | 2011-08-04 | Toyota Motor Corp | 減圧鋳造装置および減圧鋳造方法 |
CN105880508A (zh) * | 2014-05-08 | 2016-08-24 | 重庆硕龙科技有限公司 | 一种真空高压铸造方法及装置 |
CN105880508B (zh) * | 2014-05-08 | 2017-10-13 | 重庆硕龙科技有限公司 | 一种真空高压铸造方法及装置 |
KR102210374B1 (ko) * | 2019-08-19 | 2021-02-02 | 한국생산기술연구원 | 다이캐스팅용 보조장치 및 이를 이용한 다이캐스팅 방법 |
CN112296308A (zh) * | 2020-10-27 | 2021-02-02 | 佛山市和阳精密金属制品有限公司 | 一种压铸模具 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2013208646A (ja) | 鋳造方法及び鋳造装置 | |
KR100870596B1 (ko) | 다이캐스트 장치 및 주조 방법 | |
JP2005230879A (ja) | ダイカスト装置及びダイカスト方法 | |
JP2005349468A (ja) | 砂型の冷却バラシ装置 | |
JP2008246503A (ja) | 鋳造方法及びダイカストマシン | |
JP2004167537A (ja) | ダイカストマシン | |
US20210129213A1 (en) | Vaccum die casting method and a die for vaccum die casting | |
JP2002331350A (ja) | ダイカスト用金型 | |
JP2004322138A (ja) | ダイカスト鋳造における新規低圧鋳造法 | |
JP5362389B2 (ja) | 酸素置換ダイカスト鋳造装置および鋳造方法 | |
JP6489500B2 (ja) | 鋳造装置及び鋳造方法 | |
JP2007190607A (ja) | ダイカスト鋳造装置及びダイカスト鋳造方法 | |
JP2008142735A (ja) | 鋳造装置および鋳造装置の給湯方法 | |
JP2783503B2 (ja) | ダイカスト鋳造機の給湯方法およびダイカスト鋳造機 | |
JPH09277008A (ja) | ダイカスト鋳造金型への粉体離型剤の塗布方法及び ダイカスト鋳造装置 | |
JP2008149369A (ja) | アルミダイカスト製品およびその製造方法 | |
JP6954286B2 (ja) | ダイカストマシン | |
JPH09277007A (ja) | 真空ダイカスト装置における粉体離型剤の 塗布方法とその真空ダイカスト装置 | |
JP6755585B2 (ja) | 減圧バルブおよび鋳造装置 | |
JP2006068814A (ja) | 真空ダイカスト装置及び真空ダイカスト法 | |
JP2002224807A (ja) | 真空ダイカスト装置及び真空ダイカスト方法 | |
JP2016123987A (ja) | 鋳造装置及び鋳造方法 | |
JP4581502B2 (ja) | 鋳造方法および鋳造装置 | |
JP2013031872A (ja) | 鋳造用金型装置 | |
JP2007301592A (ja) | プランジャおよびプランジャの潤滑方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20060823 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080617 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20090311 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20090729 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |