以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明においてリーチ表示状態とは、表示結果として導出表示した図柄(リーチ図柄という)が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ導出表示していない図柄(リーチ可変図柄という)については可変表示が行われている状態、あるいは、全て又は一部の図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して可変表示している状態のことである。具体的には、予め定められた複数の表示領域に、予め定められた図柄が停止することで大当りとなる有効ラインが定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において可変表示が行われている状態(例えば、左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部となる(例えば「7」)が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ可変表示が行われている状態)、あるいは、有効ライン上の表示領域の全て又は一部の図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して可変表示している状態(例えば、左、中、右の表示領域の全てで可変表示が行われてどの状態が表示されても同一の図柄が揃っている態様で可変表示が行われている状態)である。
本実施例における遊技機は、LCD等からなる画像表示装置により特図ゲームを行う遊技機であり、プリペイドカードによって球貸しを行うカードリーダ(CR:Card Reader)式のパチンコ遊技機や、LCDを搭載したスロットマシン等の遊技機である。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3と、から構成されている。遊技盤2にはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域のほぼ中央位置には、各々が識別可能な識別情報として第1の特別図柄を可変表示可能に表示する第1の可変表示装置41と、第2の特別図柄を可変可能に表示する第2の可変表示装置42と、が設けられている。この第1の可変表示装置41と第2の可変表示装置42との下側には、それぞれ第1の普通可変入賞球装置(始動入賞口)61と第2の普通可変入賞球装置62とが配置されている。第1の普通可変入賞球装置61と第2の普通可変入賞球装置62の下側には、それぞれ第1の特別可変入賞球装置71と第2の特別可変入賞球装置(大入賞口)72とが設けられている。また、第1の特別可変入賞球装置71と第2の特別可変入賞球装置72との下側には、それぞれ第1の普通図柄表示器51と第2の普通図柄表示器52とが設けられている。
第1及び第2の可変表示装置41及び42は、例えばLCD等からなり、第1の可変表示装置41においては、第1の普通可変入賞球装置61に遊技球が入賞することが、第2の可変表示装置42においては、第2の普通可変入賞球装置62に遊技球が入賞することが、それぞれ実行条件となる可変表示ゲーム(特図ゲーム)において、数字、文字、図柄から構成され、各々が識別可能な複数種類の識別情報として機能する表示図柄を、複数の可変表示領域にて可変表示可能に表示する。この実施の形態において、第1の可変表示装置41上と第2の可変表示装置42上とには、それぞれ3つの可変表示部41a〜41cと42a〜42cがそれぞれ配置され、各可変表示部41a〜41cと42a〜42cとにおいてそれぞれ左・中・右の特別図柄が可変表示されるものとする。
第1の可変表示装置41や第2の可変表示装置42により行われる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始した後、一定時間が経過すると、特別図柄の表示結果を所定の順序で導出表示し、確定図柄(最終停止図柄)を停止表示する。そして、確定図柄の組合せが所定の特定表示結果(大当り組合せ)となったときに、このパチンコ遊技機1は、特定遊技状態(大当り遊技状態ともいう)となる。この大当り遊技状態においては、第1の特別可変入賞球装置71や第2の特別可変入賞球装置72が所定期間(例えば、29秒)あるいは所定個数(例えば、10個)の入賞球が発生するまで開成され、開成されている間、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止める。そして、この開成サイクルを所定の上限回数(例えば、16回)まで繰り返すことができる。
この実施の形態では、左可変表示部41aに特別図柄として表示される第1の左図柄、中可変表示部41bに特別図柄として表示される第1の中図柄、右可変表示部41cに特別図柄として表示される第1の右図柄、左可変表示部42aに特別図柄として表示される第2の左図柄、中可変表示部42bに特別図柄として表示される第2の中図柄、右可変表示部42cに特別図柄として表示される第2の右図柄、は、それぞれ9図柄であり、各図柄には「1」〜「9」の図柄番号が付されている。例えば、左・中・右の各可変表示部41a〜41c及び42a〜42cでは、特図ゲーム中に特別図柄の可変表示が開始されると、図柄番号が小さい特別図柄から大きい特別図柄へと更新表示が行われ、図柄番号が「9」の特別図柄が表示されると、次に図柄番号が「1」の特別図柄が表示される。
また、図柄番号が偶数である特別図柄を通常大当り図柄とし、図柄番号が奇数である特別図柄を確変大当り図柄とする。すなわち、第1の可変表示装置41又は第2の可変表示装置42による特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示を開始した後、左・中・右の各可変表示部41a〜41c又は42a〜42cにて同一の特別図柄が表示結果として導出表示されて確定したときには、パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態となる。また、第1可変表示装置41又は第2の可変表示装置42による特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示を開始した後、左・中・右の各可変表示部41a〜41c又は42a〜42cにて同一の確変大当り図柄が表示結果として導出表示されて確定したときには、パチンコ遊技機1は大当り遊技状態の終了に続いて特別遊技状態(確率向上状態)となり、以後、所定条件が成立するまで特図ゲームにおける表示結果が大当り組合せとなる確率が向上する。また、確率向上状態では、第1の普通可変入賞球装置61や第2の普通可変入賞球装置62の開放時間が通常遊技状態よりも長くなるとともに、その開放回数が通常遊技状態のときよりも増加するなど、大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な状態となる。なお、通常遊技状態とは、大当り遊技状態や確率向上状態以外の遊技状態のことである。
第1の普通図柄表示器51と第2の普通図柄表示器52とは、発光ダイオード(LED)等を備えて構成され、遊技領域に設けられた第1の通過ゲートと第2の通過ゲートとをそれぞれ遊技球が通過することを実行条件とする普通図ゲームにおいて、点灯、点滅、発色などが制御される。この普通図ゲームにおいて所定の当りパターンで表示が行われると、普通図ゲームにおける表示結果が「当り」となり、第1の普通可変入賞球装置61や第2の普通可変入賞球装置62を構成する電動チューリップの可動翼片を所定時間が経過するまで傾動制御する。
第1の普通可変入賞球装置61と第2の普通可変入賞球装置62とは、ソレノイド21(図3)とソレノイド22(図3)とによってそれぞれ垂直(通常開放)位置と傾動(拡大開放)位置との間で可動制御される一対の可動翼片を有するチューリップ型役物(普通電動役物)を備えて構成される。第1の普通可変入賞球装置61への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示と第2の普通可変入賞球装置62への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示とは、所定回数(この実施の形態では、4回)まで後述する第1の特図保留メモリ111(図5)と第2の特図保留メモリ112(図5)とにそれぞれ記憶される。
第1の特別可変入賞球装置71と第2の特別可変入賞球装置72とは、それぞれソレノイド23(図3)とソレノイド24(図3)とによって入賞領域を開成・閉成制御する開閉板を備える。この開閉板は、通常時には閉成し、第1の普通可変入賞球装置61への遊技球の入賞に基づいて第1の可変表示装置41による特図ゲームや第2の普通可変入賞球装置62への遊技球の入賞に基づいて第2の可変表示装置42による特図ゲームが行われた結果、大当り遊技状態となった場合に、ソレノイド23やソレノイド24によって入賞領域を所定期間(例えば、29秒)あるいは所定個数(例えば、10個)の入賞球が発生するまで開成(開成サイクル)する状態となるように設定され、その開成している間に遊技領域を落下する遊技球を受け止める。そして、この開成サイクルを例えば最高16回繰り返すことができるようになっている。第1の特別可変入賞球装置71や第2の特別可変入賞球装置72に入賞した遊技球は、所定の検出部により検出される。入賞球の検出に応答し、後述する主基板11と払出制御基板15(図2)とにより、所定数の賞球の払い出しが行われる。
また、遊技盤2の表面には、上記した構成以外にも、ランプを内蔵した風車、アウト口等が設けられている。また、パチンコ遊技機1には、点灯又は点滅する遊技効果ランプ9や効果音を発生するスピーカ8L,8Rが設けられている。
図2は、パチンコ遊技機1の背面図であり、主要基板の配置レイアウトを示す。本実施例におけるパチンコ遊技機1は、主として、電源基板10と、主基板11と、表示制御基板12と、音声制御基板13と、ランプ制御基板14と、払出制御基板15と、情報端子基板16と、を備え、それぞれ適所に配設されている。なお、表示制御基板12、音声制御基板13及びランプ制御基板14は、それぞれ独立した基板として、例えば、パチンコ遊技機1の裏面において、1つのボックスに収容された状態で配置されてもよい。さらに、表示制御基板12、音声制御基板13及びランプ制御基板14を、まとめて1つの基板として構成してもよい。
電源基板10は、パチンコ遊技機1内の各回路に所定の電力を供給するものである。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、表示制御基板12と音声制御基板13とランプ制御基板14と払出制御基板15となどからなるサブ側の制御基板に対して、それぞれ指令情報の一例となる制御データを出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。
主基板11から表示制御基板12へ送信される制御コマンドは表示制御コマンドである。図3は、主基板11における回路構成及び主基板11から表示制御基板12に送信される表示制御コマンドの信号線等を示すブロック図である。図3に示すように、この実施の形態では、表示制御コマンドが、表示制御信号CD0〜CD7の8本の信号線で主基板11から表示制御基板12に対して送出される。また、主基板11と表示制御基板12との間には、ストローブ信号を送受するための表示制御INT信号の信号線も配線されている。
図4は、この実施の形態で用いられる主基板11から表示制御基板12に対して送出される表示制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。表示制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビットは必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図4に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図4に示す例において、コマンド81XX(h)は、第1の可変表示装置41における特別図柄の可変表示の開始を指令する可変表示開始コマンドであり、コマンド82XX(h)は、第2の可変表示装置42における特別図柄の可変表示の開始を指令する可変表示開始コマンドである。なお、以下では、XX(h)が不特定の16進数であることを示し、表示制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であるものとする。表示制御基板12の側では、可変表示開始コマンドに含まれるMODEデータに対応して、特別図柄の可変表示を行う可変表示装置を特定することができ、また、可変表示開始コマンドに含まれるEXTデータに対応して、特別図柄の総可変表示時間、可変表示の表示結果が特定表示結果になるか否かの判定結果やリーチとするか否かの判定結果などを特定することができる。
コマンド91XX(h)、92XX(h)及び93XX(h)は、第1の可変表示装置41にて可変表示される特別図柄の左・中・右確定図柄を指定する図柄指定コマンドであり、コマンドA1XX(h)、A2XX(h)及びA3XX(h)は、第2の可変表示装置42にて可変表示される特別図柄の左・中・右確定図柄を指定する図柄指定コマンドである。各図柄指定コマンドでは、XX(h)に第1及び第2の特別図柄の図柄番号が設定される。また、コマンドB000(h)は、第1の特別図柄の可変表示の停止を指示する特別図柄確定コマンドであり、コマンドC000(h)は、第2の特別図柄の可変表示の停止を指示する特別図柄確定コマンドである。コマンドD000(h)は、大当り遊技状態の終了を指示する大当り終了コマンドである。
主基板11には、図3に示すように、始動入賞口である第1及び第2の普通可変入賞球装置61及び62、大入賞口である第1及び第2の特別可変入賞球装置71及び72やその他の入賞口への遊技球の入賞等を検出するための各入賞口スイッチ70からの配線も接続されている。さらに、主基板11には、第1及び第2の普通可変入賞球装置61及び62における可動翼片の可動制御や第1及び第2の特別可変入賞球装置71及び72における開成・閉成制御を行うためのソレノイド21,22,23及び24への配線が接続されている。
主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路107、ソレノイド回路108などを搭載して構成される。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、ゲーム制御用の遊技制御用プログラム110(図5)を記憶するROM(Read Only Memory)101と、ワークメモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用プログラム110に従って制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、I/O(Input/Output)ポート104と、を含んでいる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、図5に示すように、遊技制御用プログラム110と、第1の特図保留メモリ111と、第2の特図保留メモリ112と、ランダムカウンタ113と、大当り判定用テーブルメモリ114と、図柄決定用テーブルメモリ115と、可変表示パターン決定用テーブルメモリ116と、更新回数カウンタ117と、フラグメモリ118と、可変表示時間タイマ119と、を備えている。
図6は、遊技制御用プログラム110の構成例を示す図である。遊技制御用プログラム110は、図6に示すように、メインルーチンプログラムとして、遊技制御メイン処理実行プログラム120と、遊技制御割込処理実行プログラム121と、を含んでいる。遊技制御メイン処理実行プログラム120は、電源投入時などにおける初期化処理の実行を制御する。遊技制御割込処理実行プログラム121は、定期的に実行されて遊技の進行を制御するための各処理を呼び出す。
また、遊技制御用プログラム110は、遊技制御割込処理実行プログラム121によって呼び出され実行されるサブルーチンプログラムとして、スイッチ処理実行プログラム122と、エラー処理実行プログラム123と、判定用乱数更新処理実行プログラム124と、表示用乱数更新処理実行プログラム125と、特別図柄選択フラグ処理実行プログラム126と、第1の特別図柄プロセス処理実行プログラム127と、第2の特別図柄プロセス処理実行プログラム128と、第1の普通図柄プロセス処理実行プログラム129と、第2の普通図柄プロセス処理実行プログラム130と、コマンド制御処理実行プログラム131と、情報出力処理実行プログラム132と、ソレノイド出力処理実行プログラム133と、賞球処理実行プログラム134と、を含んでいる。
スイッチ処理実行プログラム122は、各入賞口スイッチ70からの検出信号を取り込む。エラー処理実行プログラム123は、パチンコ遊技機1の異常診断を行う。判定用乱数更新処理実行プログラム124は、各種の判定用乱数として用いられる各カウンタのカウント値を更新する。表示用乱数更新処理実行プログラム125は、各種の表示用乱数として用いられる各カウンタのカウント値を更新する。特別図柄選択フラグ処理実行プログラム126は、特別図柄選択フラグのオン/オフ制御を行う。
第1の特別図柄プロセス処理実行プログラム127は、第1の可変表示装置41に表示される特別図柄を所定の順序で制御するための設定を行う。第2の特別図柄プロセス処理実行プログラム128は、第2の可変表示装置42に表示される特別図柄を所定の順序で制御するための設定を行う。第1の普通図柄プロセス処理実行プログラム129は、第1の普通図柄表示器51を所定の順序で制御するための設定を行う。第2の普通図柄プロセス処理実行プログラム130は、第2の普通図柄表示器52を所定の順序で制御するための設定を行う。コマンド制御処理実行プログラム131は、主基板11から表示制御基板12に特別図柄や普通図柄の制御内容を指定するための表示制御コマンドを送信する。情報出力処理実行プログラム132は、主基板11から情報端子基板16に各種情報の出力を指示するためのコマンドを送信する。ソレノイド出力処理実行プログラム133は、ソレノイド回路108を介してソレノイド21,22,23及び24のオン/オフ制御を行う。賞球処理実行プログラム134は、主基板11から払出制御基板15に、入賞球の検出に基づく所定数の賞球払出を指示するための払出制御コマンドを送信する。
さらに、遊技制御用プログラム110は、第1の特別図柄プロセス処理実行プログラム127と第2の特別図柄プロセス処理実行プログラム128との共通のサブルーチンプログラムとして、入賞処理実行プログラム135と、特別図柄通常処理実行プログラム136と、大当り判定処理実行プログラム137と、確定図柄決定処理実行プログラム138と、可変表示パターン設定処理実行プログラム139と、可変表示指令処理実行プログラム140と、可変表示停止時処理実行プログラム141と、大入賞口開放前処理実行プログラム142と、大入賞口開放中処理実行プログラム143と、大当り終了処理実行プログラム144と、を含んでいる。
入賞処理実行プログラム135は、第1の特図保留メモリ111又は第2の特図保留メモリ112の保留数が上限値の4以上であるか否かを判別し、保留数が4以上であれば、今回の入賞による特図ゲームの始動は無効として特に何も行わず、一方、保留数が上限値の4未満である場合には、ランダムカウンタ113から乱数値を抽出する。
特別図柄通常処理実行プログラム136は、第1の特図保留メモリ111又は第2の特図保留メモリ112に保留情報が格納されているか否かを判別し、保留情報が格納されていると判別したとき、第1エントリの各保留情報を読出領域にシフトすると共に、第2〜第4エントリの各保留情報を1エントリずつ上位にシフトし、読出領域に格納された乱数値を読み出す。大当り判定処理実行プログラム137は、第1の特図保留メモリ111又は第2の特図保留メモリ112の第1エントリに設定されている乱数値から、大当りとするかハズレとするかを決定する。確定図柄決定処理実行プログラム139は、大当りとするかハズレとするかの別に応じて、特別図柄の表示結果(最終停止図柄)の組み合わせを決定する。
可変表示パターン設定処理実行プログラム139は、可変表示パターン決定テーブルメモリ116に格納されている複数の可変表示パターンのうちから状況に応じたものを選択する。可変表示指令処理実行プログラム140は、可変表示開始コマンドと左・中・右の図柄指定コマンドとを表示制御基板12に対して送出する。可変表示停止時処理実行プログラム141は、表示制御基板12に対して特別図柄確定コマンドを送出する。
大入賞口開放前処理実行プログラム142は、大入賞口としての特別可変入賞球装置7を開放する制御を開始する。大入賞口開放中処理実行プログラム143は、開成された特別可変入賞球装置7への遊技球の入賞検出、賞球の払出指令及び開成時間の計測等を行う。大当り終了処理実行プログラム144は、表示制御基板12に対して大当り終了コマンドを送出するなどして、大当り遊技状態を終了させる。
図5に示す第1の特図保留メモリ111は、遊技球が第1の普通可変入賞球装置61に入賞して特別図柄の可変表示(特図ゲーム)を実行するための条件(実行条件)が成立したが、従前の可変表示を実行中である等の理由のために可変表示を実際に開始するための条件(開始条件)が成立していない保留状態を記憶するためのメモリであり、第2の特図保留メモリ112は、遊技球が第2の普通可変入賞球装置62に入賞して実行条件が成立したが、開始条件が成立していない保留状態を記憶するためのメモリである。第1の特図保留メモリ111と第2の特図保留メモリ112とには、それぞれ4つのエントリと読出領域とが設けられている。第1の特図保留メモリ111の各エントリには、第1の普通可変入賞球装置61への入賞順に保留番号とその入賞により抽出された乱数値(後述するランダムR1〜ランダムR5の値)が、第2の特図保留メモリ112の各エントリには、第2の普通可変入賞球装置62への入賞順に保留番号とその入賞により抽出された乱数値が、それぞれ対応付けて格納される。主基板11から表示制御基板12に対して特別図柄確定コマンドB000(h)やC000(h)が送出されて特別図柄の可変表示の可変表示が1回終了したり、大当り遊技状態が終了したりするごとに、第1位の登録情報が読出領域にセットされ、読出領域にセットされた情報に基づいた可変表示の開始条件が成立し、読出領域にセットされた情報に基づいた可変表示が実行される。このとき、第2位以下の登録情報が1位ずつ繰り上がる。また、特別図柄の可変表示中等に遊技球が第1の普通可変入賞球装置61や第2の普通可変入賞球装置62に新たに入賞した場合には、その入賞による乱数値が最上位の空エントリに登録される。
ランダムカウンタ113は、遊技制御に用いられる判定用乱数や表示用乱数のカウントを行うものである。図7は、ランダムカウンタ113によりカウントされる各乱数を示す説明図である。ランダムカウンタ113は、図7に示すように、ランダムR1〜R7のカウントを行う。ランダムR1は、大当りを発生させてパチンコ遊技機1を特定遊技状態とするか否かを決定する大当り判定用の乱数であり、「0」〜「299」の範囲の値をとる。ランダムR2は、ハズレ時にリーチとするか否かを決定するリーチ判定用の乱数であり、「0」〜「1530」の範囲の値をとる。ランダムR3は、特別図柄の可変表示に用いる可変表示パターンを決定するための表示用の乱数であり、「0」〜「108」の範囲の値をとる。ランダムR4−1は、大当り時における特別図柄の確定図柄と、ハズレ時に左図柄における確定図柄と、を決定する乱数であり、「0」〜「106」の範囲の値をとる。ランダムR4−2は、ハズレ時に中図柄における確定図柄を決定する乱数であり、「0」〜「162」の範囲の値をとる。ランダムR4−3は、リーチとしない通常ハズレ時に右図柄における確定図柄を決定する乱数であり、「0」〜「72」の範囲の値をとる。ランダムR5は、パチンコ遊技機1を大当り遊技状態とした後に確率向上状態へと移行する確率変動制御(確変制御)を行うか否かを決定するための乱数であり、「0」〜「9」の範囲の値をとる。
この実施の形態において、ランダムR1〜R5は、第1の可変表示装置41による特図ゲームにも、第2の可変表示装置42による特図ゲームにも、共通して用いられる。なお、第1の可変表示装置41による特図ゲームと第2の可変表示装置42による特図ゲームとにそれぞれ別個の乱数を用いることも考えられるが、このようにすると、ランダムカウンタ113がカウントする乱数の数が増え、乱数の更新や初期値へのシフトなど乱数の管理によるCPU103の処理負担が増大してしまうため、適切ではない。
ランダムR6は、一回のタイマ割込処理におけるランダムR1の更新回数を決定する乱数であり、「0」〜「9」の範囲の値をとる。ランダムR7は、一回の更新処理においてランダムR1に加算される値を決定する乱数であり、「0」〜「299」の範囲の値をとる。
図5に示す大当り判定用テーブルメモリ114は、CPU103が特図ゲームにおける表示結果を大当りとするか否かを判定するために設定される複数の大当り判定用テーブルを記憶する。具体的には、大当り判定用テーブルメモリ114は、図8(A)に示す通常時大当り判定用テーブル150と、図8(B)に示す確変時大当り判定用テーブル151と、を格納する。
図8(A)に示す通常時大当り判定用テーブル150と、図8(B)に示す確変時大当り判定用テーブル151と、は、第1の可変表示装置41や第2の可変表示装置42による特図ゲームの表示結果を大当りとするか否かを判定するためのテーブルである。各大当り判定用テーブル150及び151では、ランダムR1の値と特図ゲームの表示結果を示す設定データとが対応付けて格納されている。そして、確変時大当り判定用テーブル151では、通常時大当り判定用テーブル150に比べてより多くのランダムR1の値が、「大当り」の表示結果と対応付けられている。すなわち、確変時大当り判定用テーブル151を用いて特図ゲームの表示結果を決定することで、通常遊技状態のときよりも大当り遊技状態となる確率が高い確率向上状態とすることができる。
図5に示す図柄決定用テーブルメモリ115は、第1の可変表示装置41や第2の可変表示装置42にて可変表示される特別図柄の確定図柄を決定するために用いられる複数種類の図柄決定用テーブルを記憶する。具体的には、図柄決定用テーブルメモリ115は、図9(A)に示す第1の通常大当り図柄決定用テーブル160と、図9(B)に示す第1の確変大当り図柄決定用テーブル161と、図10(A)に示す第1の左図柄決定用テーブル162と、図10(B)に示す第1の中図柄決定用テーブル163と、図10(C)に示す第1の右図柄決定用テーブル164と、図11(A)に示す第2の通常大当り図柄決定用テーブル165と、図11(B)に示す第2の確変大当り図柄決定用テーブル166と、図12(A)に示す第2の左図柄決定用テーブル167と、図12(B)に示す第2の中図柄決定用テーブル168と、図12(C)に示す第2の右図柄決定用テーブル169と、を格納する。
図9(A)に示す第1の通常大当り図柄決定用テーブル160は、第1の可変表示装置41による特図ゲームの表示結果として左・中・右で同一の通常大当り図柄を導出表示するときに、各々の特別図柄の確定図柄(第1の通常大当り図柄)を決定するためのテーブルである。例えば、第1の通常大当り図柄決定用テーブル160には、確定図柄として選択決定される通常大当り図柄としての特別図柄の図柄番号と、ランダムR4−1の値と、が対応付けて格納されている。
図9(B)に示す第1の確変大当り図柄決定用テーブル161は、第1の可変表示装置41による特図ゲームの表示結果として左・中・右で同一の確変大当り図柄を導出表示するときに、各々の特別図柄の確定図柄(第1の確変大当り図柄)を決定するためのテーブルである。例えば、第1の確変大当り図柄決定用テーブル161には、確定図柄として選択決定される第1の確変大当り図柄としての特別図柄の図柄番号と、ランダムR4−1の値と、が対応付けて格納されている。
図10(A)に示す第1の左図柄決定用テーブル162は、第1の可変表示装置41による特図ゲームにて大当りとすることなくハズレの表示結果を導出表示するときに、第1の左可変表示部41aにおける確定図柄(第1の左確定図柄)を決定するためのテーブルである。例えば、第1の左図柄決定用テーブル162には、第1の左可変表示部41aにおける確定図柄となる特別図柄の図柄番号と、ランダムR4−1の値と、が対応付けて格納されている。
図10(B)に示す第1の中図柄決定用テーブル163は、第1の可変表示装置41による特図ゲームにてハズレの表示結果を導出表示するときに、第1の中可変表示部41bにおける確定図柄(第1の中確定図柄)を決定するためのテーブルである。例えば、第1の中図柄決定用テーブル163には、第1の左確定図柄の図柄番号に対する加算値と、ランダムR4−2の値と、が対応付けて格納されている。すなわち、大当りとしないハズレときには、ランダムカウンタ113から抽出されるランダムR4−2の値に基づき第1の中図柄決定用テーブル163を用いて決定した加算値を、第1の左図柄決定用テーブル162を用いて決定した第1の左確定図柄の図柄番号に加算することで、第1の中確定図柄を決めることができる。なお、リーチとした後に大当りとすることなくハズレの表示結果を導出表示するときに、第1の中図柄決定用テーブル163を用いて決定された加算値が「0」である場合には、導出される表示結果をハズレとするために、第1の中確定図柄の図柄番号を1加算するなどしてもよい。
図10(C)に示す第1の右図柄決定用テーブル164は、第1の可変表示装置41による特図ゲームにてハズレの表示結果を導出表示するときに、第1の右可変表示部41cにおける確定図柄(第1の右確定図柄)を決定するためのテーブルである。例えば、第1の右図柄決定用テーブル164には、左確定図柄の図柄番号に対する加算値と、ランダムR4−3の値と、が対応付けて格納されている。
図11(A)に示す第2の通常大当り図柄決定用テーブル165は、第2の可変表示装置42による特図ゲームの表示結果として左・中・右で同一の通常大当り図柄を導出表示するときに、各々の特別図柄の確定図柄(第2の通常大当り図柄)を決定するためのテーブルである。例えば、第2の通常大当り図柄決定用テーブル165には、確定図柄として選択決定される通常大当り図柄としての特別図柄の図柄番号と、ランダムR4−1の値と、が対応付けて格納されている。
図11(B)に示す第2の確変大当り図柄決定用テーブル166は、第2の可変表示装置42による特図ゲームの表示結果として左・中・右で同一の確変大当り図柄を導出表示するときに、各々の特別図柄の確定図柄(第2の確変大当り図柄)を決定するためのテーブルである。例えば、第2の確変大当り図柄決定用テーブル166には、確定図柄として選択決定される確変大当り図柄としての特別図柄の図柄番号と、ランダムR4−1の値と、が対応付けて格納されている。
図12(A)に示す第2の左図柄決定用テーブル167は、第2の可変表示装置42による特図ゲームにて大当りとすることなくハズレの表示結果を導出表示するときに、第2の左可変表示部42aにおける確定図柄(第2の左確定図柄)を決定するためのテーブルである。例えば、第2の左図柄決定用テーブル167には、第2の左可変表示部42aにおける確定図柄となる特別図柄の図柄番号と、ランダムR4−1の値と、が対応付けて格納されている。
図12(B)に示す第2の中図柄決定用テーブル168は、第2の可変表示装置42による特図ゲームにてハズレの表示結果を導出表示するときに、第2の中可変表示部42bにおける確定図柄(第2の中確定図柄)を決定するためのテーブルである。例えば、第2の中図柄決定用テーブル168には、左確定図柄の図柄番号に対する加算値と、ランダムR4−2の値と、が対応付けて格納されている。すなわち、大当りとしないハズレときには、ランダムカウンタ113から抽出されるランダムR4−2の値に基づき第2の中図柄決定用テーブル168を用いて決定した加算値を、第2の左図柄決定用テーブル167を用いて決定した第2の左確定図柄の図柄番号に加算することで、第2の中確定図柄を決めることができる。なお、リーチとした後に大当りとすることなくハズレの表示結果を導出表示するときに、第2の中図柄決定用テーブル168を用いて決定された加算値が「0」である場合には、導出される表示結果をハズレとするために、第2の中確定図柄の図柄番号を1加算するなどしてもよい。
図12(C)に示す第2の右図柄決定用テーブル169は、第2の可変表示装置42による特図ゲームにてハズレの表示結果を導出表示するときに、第2の右可変表示部42cにおける確定図柄(第2の右確定図柄)を決定するためのテーブルである。例えば、第2の右図柄決定用テーブル169には、左確定図柄の図柄番号に対する加算値と、ランダムR4−3の値と、が対応付けて格納されている。
図5に示す可変表示パターン決定用テーブルメモリ116は、特図ゲームで使用される複数の可変表示パターンを記憶する。具体的には、可変表示パターン決定用テーブルメモリ116は、図13(A)に示す第1の通常時短期可変表示パターン決定用テーブル170、図13(B)に示す第1のリーチ時短期可変表示パターン決定用テーブル171と、図13(C)に示す第1の大当り時短期可変表示パターン決定用テーブル172と、図14(A)に示す第1の通常時長期可変表示パターン決定用テーブル173と、図14(B)に示す第1のリーチ時長期可変表示パターン決定用テーブル174と、図14(C)に示す第1の大当り時長期可変表示パターン決定用テーブル175と、図15(A)に示す第2の通常時短期可変表示パターン決定用テーブル176、図15(B)に示す第2のリーチ時短期可変表示パターン決定用テーブル177と、図15(C)に示す第2の大当り時短期可変表示パターン決定用テーブル178と、図16(A)に示す第2の通常時長期可変表示パターン決定用テーブル179と、図16(B)に示す第2のリーチ時長期可変表示パターン決定用テーブル180と、図16(C)に示す第2の大当り時長期可変表示パターン決定用テーブル181と、を格納する。
図13(A)に示す第1の通常時短期可変表示パターン決定用テーブル170は、第2の可変表示装置42による特図ゲームが行われていない場合や第2の可変表示装置42による特図ゲームの表示結果がハズレとなる場合に、第1の可変表示装置41による特図ゲームにてリーチとすることなくハズレの確定図柄を導出表示する可変表示パターンを選択するためのテーブルである。図13(B)に示す第1のリーチ時短期可変表示パターン決定用テーブル171は、第2の可変表示装置42による特図ゲームが行われていない場合や第2の可変表示装置42による特図ゲームの表示結果がハズレとなる場合に、第1の可変表示装置41による特図ゲームにてリーチとした後に当りとすることなくハズレの確定図柄を導出表示する可変表示パターンを選択するためのテーブルである。図13(C)に示す第1の大当り時短期可変表示パターン決定用テーブル172は、第2の可変表示装置42による特図ゲームが行われていない場合や第2の可変表示装置42による特図ゲームの表示結果がハズレとなる場合に、第1の可変表示装置41による特図ゲームにて特別図柄の可変表示における表示結果を大当りとする可変表示パターンを選択するためのテーブルである。
図14(A)に示す第1の通常時長期可変表示パターン決定用テーブル173は、第2の可変表示装置42による特図ゲームの表示結果がハズレとなる場合に、第1の可変表示装置41による特図ゲームにてリーチとすることなくハズレの確定図柄を導出表示する可変表示パターンを選択するためのテーブルである。図14(B)に示す第1のリーチ時長期可変表示パターン決定用テーブル174は、第2の可変表示装置42による特図ゲームの表示結果がハズレとなる場合に、第1の可変表示装置41による特図ゲームにてリーチとした後に当りとすることなくハズレの確定図柄を導出表示する可変表示パターンを選択するためのテーブルである。図14(C)に示す第1の大当り時長期可変表示パターン決定用テーブル175は、第2の可変表示装置42による特図ゲームの表示結果がハズレとなる場合に、第1の可変表示装置41による特図ゲームにて特別図柄の可変表示における表示結果を大当りとする可変表示パターンを選択するためのテーブルである。
図15(A)に示す第2の通常時短期可変表示パターン決定用テーブル176は、第1の可変表示装置41による特図ゲームが行われていない場合や第1の可変表示装置41による特図ゲームの表示結果がハズレとなる場合に、第2の可変表示装置42による特図ゲームにてリーチとすることなくハズレの確定図柄を導出表示する可変表示パターンを選択するためのテーブルである。図15(B)に示す第2のリーチ時短期可変表示パターン決定用テーブル177は、第1の可変表示装置41による特図ゲームが行われていない場合や第1の可変表示装置41による特図ゲームの表示結果がハズレとなる場合に、第2の可変表示装置42による特図ゲームにてリーチとした後に当りとすることなくハズレの確定図柄を導出表示する可変表示パターンを選択するためのテーブルである。図15(C)に示す第2の大当り時短期可変表示パターン決定用テーブル178は、第1の可変表示装置41による特図ゲームが行われていない場合や第1の可変表示装置41による特図ゲームの表示結果がハズレとなる場合に、第2の可変表示装置42による特図ゲームにて特別図柄の可変表示における表示結果を大当りとする可変表示パターンを選択するためのテーブルである。
図16(A)に示す第2の通常時長期可変表示パターン決定用テーブル179は、第1の可変表示装置41による特図ゲームの表示結果が大当りとなる場合に、第2の可変表示装置42による特図ゲームにてリーチとすることなくハズレの確定図柄を導出表示する可変表示パターンを選択するためのテーブルである。図16(B)に示す第2のリーチ時長期可変表示パターン決定用テーブル180は、第1の可変表示装置41による特図ゲームの表示結果が大当りとなる場合に、第2の可変表示装置42による特図ゲームにてリーチとした後に当りとすることなくハズレの確定図柄を導出表示する可変表示パターンを選択するためのテーブルである。図16(C)に示す第2の大当り時長期可変表示パターン決定用テーブル181は、第1の可変表示装置41による特図ゲームの表示結果が大当りとなる場合に、第2の可変表示装置42による特図ゲームにて特別図柄の可変表示における表示結果を大当りとする可変表示パターンを選択するためのテーブルである。
各可変表示パターン決定用テーブル170〜181には、例えば、複数の可変表示パターンと、可変表示時間タイマ119が計測する特別図柄の総可変表示時間と、可変表示開始コマンドのEXTデータとして設定される制御コードと、が対応付けて格納されている。すなわち、主基板11から表示制御基板12に対して送出される可変表示開始コマンドは、特別図柄の可変表示における可変表示パターンを、EXTデータにより指定する。また、表示結果をハズレとするか、大当りとするか、に応じて、異なる可変表示パターンが用いられる。このため、表示制御基板12の側では、主基板11から送信された可変表示開始コマンドにより、特別図柄の可変表示における表示結果を特定表示結果とするか否かを特定することができる。
さらに、第1の可変表示装置41にて特別図柄の可変表示を行うか、第2の可変表示装置42にて特別図柄の可変表示を行うか、に応じて、異なる可変表示パターン決定用テーブルが設定される。このため、表示制御基板12の側では、主基板11から送信された可変表示開始コマンドにより、特図ゲームを行う可変表示装置を特定することができる。
また、長期可変表示パターン決定用テーブル173〜175及び179〜181に格納されている各可変表示パターンは、短期可変表示パターン決定用テーブル170〜172及び176〜178に格納されている各可変表示パターンに比べて、十分に長い総可変表示時間が設定されている。この実施の形態では、長期可変表示パターン決定用テーブル173〜175及び179〜181の可変表示パターンには、短期可変表示パターン決定用テーブル170〜172及び176〜178の可変表示パターンの総可変表示時間と、大当りの確定図柄が導出表示されて大当り遊技状態が発生したときから終了するときまでの時間(大当り時間)と、を加算した時間よりもさらに長い時間が総可変表示時間として設定されている。
第1の可変表示装置41による特図ゲームと第2の可変表示装置42による特図ゲームとが同時に実行され、一方の特図ゲームの表示結果が大当りとなる場合、他方の特図ゲームには、上記の長期可変表示パターン決定用テーブル173〜175及び179〜181のうちから選択決定された可変表示パターンが用いられる。このため、一方の特図ゲームにて大当りの確定図柄が導出表示されたことを契機として発生した大当り遊技状態が終了するまで、他方の特図ゲームでの確定図柄の導出表示を規制することができる。
通常時可変表示パターン決定用テーブル170,173,176及び179を用いて選択される通常A、通常Bの可変表示パターンは、リーチ態様を伴わない可変表示パターンである。リーチ時可変表示パターンテーブル171,174,177及び180を用いて選択されるリーチA(ハズレ)の可変表示パターンは、リーチ態様を伴うが可変表示結果(確定図柄)が大当りを生じさせるものとならない可変表示パターンである。他方、大当り時可変表示パターンテーブル172,175,178及び181を用いて選択されるリーチA(大当り)の可変表示パターンは、リーチ態様を伴い、可変表示結果が大当りを生じさせる可変表示パターンである。リーチBの可変表示パターンは、リーチAとは異なるリーチ態様を持つ可変表示パターンである。ここで、リーチ態様が異なるとは、リーチとなった後に異なる可変表示態様(特別図柄の可変表示速度や回転方向等)やキャラクタ等が現れることをいう。例えば、リーチAでは、単に1種類の可変表示態様によってリーチ態様が実現されるのに対して、リーチBでは、特別図柄の可変表示速度や回転方向が異なる複数の可変表示態様を含むリーチ態様が実現される。
また、リーチCの可変表示パターンは、リーチA及びリーチBとは異なるリーチ態様を持つ可変表示パターンである。そして、リーチDの可変表示パターンは、リーチA〜リーチCとは異なり、動画像によるリーチ演出表示が行われる可変表示パターンである。なお、リーチA〜リーチDでは、大当りとなる場合と大当りにならない場合とがある。
さらに、リーチ時可変表示パターンテーブル171,174,177及び180と、大当り時可変表示パターンテーブル172,175,178及び181と、を比べると、各可変表示パターン(リーチの種類)に対するランダムR2の値の割当が異なっている。すなわち、特図ゲームにおける表示結果が大当りとなるか否かに応じて、選択されるリーチ種類の割合が異なるものとなっている。これにより、特図ゲーム中に出現するリーチの種類に応じて、表示結果が大当りとなる確率は異なるものとなる。
図13〜図16(B)及び図13〜図16(C)に示す例では、表示結果がハズレとなる場合にリーチAの可変表示パターンが用いられる割合は、リーチDの可変表示パターンが用いられる割合よりも高くなっている。一方で、表示結果が大当りとなる場合にリーチAの可変表示パターンが用いられる割合は、リーチDの可変表示パターンが用いられる割合よりも低くなっている。このため、特図ゲーム中にリーチDの可変表示パターンによるリーチが出現した場合には、リーチAの可変表示パターンによるリーチが出現した場合よりも、表示結果が大当りとなる確率が高くなる。こうしたリーチの種類ごとに決められる表示結果が大当りとなる確率は、リーチの大当り信頼度、あるいは単に、リーチの信頼度と称される。
図5に示す更新回数カウンタ117は、ランダムR1の更新回数を計数するためのダウンカウンタである。更新回数カウンタ117は、ランダムカウンタ113から抽出されたランダムR6の値がカウント初期値としてセットされ、ランダムR1が更新される毎にカウント値を1減算する。
フラグメモリ118は、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる複数種類のフラグを設定するためのものである。例えば、フラグメモリ118には、特図選択フラグ、第1及び第2の特別図柄プロセスフラグ、第1及び第2の普通図柄プロセスフラグ、第1及び第2の大当り状態フラグ、第1及び第2の確変フラグ、入力状態フラグ、エラーフラグ、タイマ割込フラグなどが設けられている。
特別図柄選択フラグは、後述する第1の入賞処理(図25)と第2の入賞処理(図33)とのうちのいずれの処理を実行するべきかを選択するためのフラグである。CPU103は、この特別図柄選択フラグがオン状態のとき、遊技球が第1の普通可変入賞球装置61に入賞したか否かを判別し、オフ状態のときには、遊技球が第2の普通可変入賞球装置62に入賞したか否かを判別する。
第1の特別図柄プロセスフラグは、後述する第1の特別図柄プロセス処理(図24)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。第2の特別図柄プロセスフラグは、後述する第2の特別図柄プロセス処理(図32)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。第1の普通図柄プロセスフラグは、第1の普通図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。第2の普通図柄プロセスフラグは、第2の普通図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。
第1の大当り状態フラグは、第1の可変表示装置41による特図ゲームの表示結果が大当りとなるときにオン状態にセットされ、大当り遊技状態が終了するときにクリアされてオフ状態となる。第2の大当り状態フラグは、第2の可変表示装置42による特図ゲームの表示結果が大当りとなるときにオン状態にセットされ、大当り遊技状態が終了するときにクリアされてオフ状態となる。第1の確変フラグは、第1の可変表示装置41による特図ゲームの表示結果となる特別図柄の確定図柄が、確変大当り図柄となるときにオン状態にセットされ、大当り遊技状態となる確率が向上した確率向上状態から通常遊技状態へ戻るときにクリアされてオフ状態となる。第2の確変フラグは、第2の可変表示装置42による特図ゲームの表示結果となる特別図柄の確定図柄が、確変大当り図柄となるときにオン状態にセットされ、大当り遊技状態となる確率が向上した確率向上状態から通常遊技状態へ戻るときにクリアされてオフ状態となる。
入力状態フラグは、I/Oポート104に入力される各種信号の状態や各入賞口スイッチ70から入力される検出信号の状態等に応じて各々セットあるいはクリアさせる複数ビットからなるフラグである。エラーフラグは、パチンコ遊技機1において各種のエラーが発生したときに、発生したエラーの種類に対応するビットがセットされる複数ビットからなるフラグである。タイマ割込フラグは、所定時間が経過してタイマ割込みが発生するごとにオン状態にセットされる。
図5に示す可変表示時間タイマ119は、第1の可変表示時間タイマと、第2の可変表示時間タイマと、を含んでいる。第1の可変可変表示時間タイマは、第1の可変表示装置41による特図ゲームの実行時間である可変表示時間をメイン側で計測するためのダウンカウンタであり、第2の可変表示時間タイマは、第2の可変表示装置42による特図ゲームの実行時間である可変表示時間をメイン側で計測するためのダウンカウンタである。第1及び第2の可変表示時間タイマは、主基板11から表示制御基板12に対して可変表示開始コマンドが送出されるに際して、可変表示パターンで指定される総可変表示時間に対応するカウント値が初期値として設定される。
図3に示すスイッチ回路107は、各入賞口スイッチ70からの検出信号を取り込んで、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝達する。ソレノイド回路108は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指令に従って各ソレノイド21,22,23及び24を駆動する。ソレノイド21は、リンク機構を介して第1の普通可変入賞球装置61の可動翼片に連結されている。ソレノイド22は、リンク機構を介して第2の普通可変入賞球装置62の可動翼片に連結されている。ソレノイド23は、リンク機構を介して第1の特別可変入賞球装置71の開閉板に連結されている。ソレノイド24は、リンク機構を介して第2の特別可変入賞球装置72の開閉板に連結されている。
表示制御基板12は、主基板11とは独立して可変表示ゲームにおける画像処理のための表示制御を行うものである。表示制御基板12は、主基板11から出力される表示制御コマンドに基づいて、可変表示ゲームに用いられる画像を第1の可変表示装置41や第2の可変表示装置42上に表示させるとともに、第1の普通図柄表示器51や第2の普通図柄表示器52の点灯/消灯制御を行う。すなわち、表示制御基板12は、主基板11からの制御コマンドに基づいて第1の可変表示装置41や第2の可変表示装置42の表示動作を制御することによって、遊技の進行に関わる画像表示による演出を制御する。
図17は、表示制御基板12のハードウェア構成例を示すブロック図である。表示制御基板12は、発振回路200と、リセット回路201と、表示制御用のCPU202と、ROM203と、RAM204と、GCL(Graphic Control LSI)205と、CGROM206と、VRAM(Video RAM)207と、を備えている。
発振回路200は、CPU202及びGCL205に基準クロック信号を出力するものであり、リセット回路201は、CPU202及びGCL205をリセットするためのリセット信号を出力するものである。CPU202は、主基板11から表示制御コマンドを受信するとRAM204を作業領域として用いながらROM203から表示制御を行うための制御データを読み出す。また、CPU202は、読み出した制御データに基づいてGCL205に描画命令を送る。ROM203は、CPU202によって利用される各種制御プログラム等を格納する半導体メモリであり、RAM204は、CPU202によって作業領域として利用される半導体メモリである。
GCL205は、画像表示を行うための表示装置制御機能及び高速描画機能を有し、CPU202からの描画命令に従って動作する。また、CPU202とは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこにVRAM207をマッピングしている。CGROM206は、第1の可変表示装置41や第2の可変表示装置42にて画像表示を行うための各種画像データを記憶しておくためのものである。例えば、CGROM206には、第1の可変表示装置41や第2の可変表示装置42に表示される画像の中で使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、動物、又は、文字、図形もしくは記号等が予め記憶されている。VRAM207は、GCL205によって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。
また、表示制御基板12は、図18に示すように、表示制御パターンメモリ211と、フラグメモリ212と、各種タイマ213と、を備えている。
表示制御パターンメモリ211は、主基板11から受けた表示制御コマンドに基づいて選択される複数の表示制御プロセステーブルを記憶する。具体的には、表示制御プロセステーブルは、図19に示す図柄表示制御プロセステーブルメモリ220を含んで構成される。
図19に示す図柄表示制御プロセステーブルメモリ220は、複数種類の図柄表示制御プロセステーブルを格納する。各図柄表示制御プロセステーブルは、図20に示すように、図柄表示プロセスタイマ設定値、図柄表示制御データなど、特別図柄の表示状態を制御するためのデータからなり、時系列的に特別図柄の可変表示速度や表示する図柄の大きさ、その表示状態での表示期間、キャラクタの切替タイミング等が設定されている。
フラグメモリ212は、第1及び第2の可変表示装置41及び42における表示状態や主基板11からのコマンド受信に応じて各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するためのものである。例えば、フラグメモリ212には、第1及び第2の表示制御プロセスフラグ、第1及び第2の可変表示開始フラグ、タイマ割込フラグなどが設けられている。
第1の表示制御プロセスフラグは、後述する第1の特図表示制御プロセス処理(図43)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。第2の表示制御プロセスフラグは、後述する第2の特図表示制御プロセス処理(図45)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。第1の可変表示開始フラグは、主基板11から第1の可変表示開始コマンド81XX(h)を受信したときにオン状態にセットされ、第2の可変表示開始フラグは、第2の可変表示開始コマンド82XX(h)を受信したときにオン状態にセットされる。第1の有効フラグは、主基板11から第1の左・中・右図柄指定コマンド91XX(h)、92XX(h)及び93XX(h)を受信したときにオン状態にセットされ、第2の有効フラグは、主基板11から第2の左・中・右図柄指定コマンドA1XX(h)、A2XX(h)及びA3XX(h)を受信したときにオン状態にセットされる。タイマ割込フラグは、所定時間が経過してタイマ割込みが発生するごとにオン状態にセットされる。
図18に示す各種タイマ213は、第1の可変表示装置41や第2の可変表示装置42の表示制御に用いられる複数種類のタイマを含んで構成される。例えば、各種タイマ213は、第1及び第2の図柄表示プロセスタイマ、第1及び第2の可変表示時間タイマ及び第1及び第2の監視タイマを含んでいる。第1の図柄表示プロセスタイマは、図柄表示プロセステーブルに設定されているプロセスタイマ値をカウントダウンすることにより、第1の可変表示装置にて特別図柄を表示制御パターンに従った態様で可変表示させる可変表示期間を計測し、第2の図柄表示プロセスタイマは、第2の可変表示装置にて特別図柄を表示制御パターンに従った態様で可変表示させる可変表示期間を計測する。
各種タイマ213に含まれる第1の可変表示時間タイマは、第1の可変表示装置41による特図ゲームの実行時間である可変表示時間をサブ側で計測するためのダウンカウンタであり、第2の可変表示時間タイマは、第2の可変表示装置42による特図ゲームの実行時間である可変表示時間をサブ側で計測するためのダウンカウンタである。第1の監視タイマは、第1の可変表示時間タイマがタイムアウトしてからの経過時間を計測するためのものであり、第2の監視タイマは、第2の可変表示時間タイマがタイムアウトしてからの経過時間を計測するためのものである。第1及び第2の監視タイマは、主基板11から表示制御コマンドを所定時間以上受信しなかったときにタイムアウトする。
図2に示す音声制御基板13、ランプ制御基板14は、主基板11から送信される制御コマンドに基づいて、音声出力制御、ランプ出力制御を、それぞれ主基板11とは独立して実行するサブ側の制御基板である。すなわち、音声制御基板13は、主基板11からの制御コマンドに基づいてスピーカ8L、8Rによる音声出力動作を制御することによって、遊技の進行に関わる音声による演出を制御する。また、ランプ制御基板14は、主基板11からの制御コマンドに基づいて遊技効果ランプ9の点灯/消灯動作を制御することによって、遊技の進行に関わるランプの点灯、点滅あるいは消灯による演出を制御する。払出制御基板15は、遊技球の貸出や賞球等の払出制御を行うものである。情報端子基板16は、各種の遊技関連情報を外部に出力するためのものである。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。図21は、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。主基板11では、電源基板10からの電源電圧が供給されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103は、まず、遊技制御メイン処理実行プログラム120に従って、図21のフローチャートに示す遊技制御メイン処理を実行する。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込禁止に設定した後(ステップS1)、必要な初期設定を行う(ステップS2)。この初期設定では、例えば、RAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行うことにより、定期的(例えば、2ミリ秒ごと)にタイマ割込を発生させる。初期設定が終了すると、割込を許可した後(ステップS3)、ループ処理に入る。
こうした遊技制御メイン処理の実行により、2ミリ秒ごとに繰り返しタイマ割込が発生するように設定され、タイマ割込が発生すると、CPU103は、遊技制御割込処理実行プログラム121に従って、図22のフローチャートに示す遊技制御割込処理を実行する。
図22のフローチャートに示す遊技制御割込処理を開始すると、CPU103は、まず、スイッチ処理実行プログラム122を呼び出して所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路107を介して各入賞口スイッチ70から入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、エラー処理実行プログラム123を呼び出して所定のエラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、判定用乱数更新処理実行プログラム124を呼び出して、ランダムカウンタ113によりカウントされる判定用乱数であるランダムR1を更新する判定用乱数更新処理を実行する(ステップS13)。
図23は、ステップS13にて判定用乱数更新処理を示すフローチャートである。
図23に示す判定用乱数更新処理を開始すると、CPU103は、まず、ランダムカウンタ113よりランダムR6の値を抽出し(ステップS101)、抽出したランダムR6の値を更新回数カウンタ117にセットする(ステップS102)。続いて、CPU103は、更新回数カウンタ117をチェックし(ステップS103)、カウント値が0でない場合(ステップS103;No)、ランダムカウンタ113よりランダムR7の値を抽出する(ステップS104)。そして、CPU103は、抽出したランダムR7の値をランダムR1の値に加算することによって(ステップS105)、ランダムR1を更新する。この後、CPU103は、更新回数カウンタ117の値を1減算し(ステップS106)、ステップS103に戻る。CPU103は、更新回数カウンタのカウント値が0になると(ステップS103;Yes)、判定用乱数更新処理を終了する。
この後、CPU103は、表示用乱数更新処理実行プログラム125を呼び出して、ランダムカウンタ113によりカウントされる判定用乱数であるランダムR3やランダムR4を更新する表示用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。続いて、CPU103は、特別図柄選択フラグ処理実行プログラム126を呼び出して特別図柄選択フラグ処理を実行する(ステップS15)。特別図柄選択フラグ処理では、特別図柄選択フラグがオン状態の場合には、特別図柄選択フラグをクリアしてオフ状態とし、一方、オフ状態の場合には、オン状態にセットする。即ち、特別図柄選択フラグは、遊技制御割込処理が実行されるごとに、オン/オフが切り替えられる。
次に、CPU103は、第1の特別図柄プロセス処理実行プログラム127による第1の特別図柄プロセス処理(ステップS16)と第2の特別図柄プロセス処理実行プログラム128による第2の特別図柄プロセス処理(ステップS17)とを順次実行する。第1の特別図柄プロセス処理と第2の特別図柄プロセス処理とでは、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するために、フラグメモリ118に設けられた第1の特別図柄プロセスフラグや第2の特別図柄プロセスフラグに従って、それぞれ該当する処理が選択されて実行される。続いて、CPU103は、第1の普通図柄プロセス処理実行プログラム129による第1の普通図柄プロセス処理(ステップS18)と第2の普通図柄プロセス処理実行プログラム130による第2の普通図柄プロセス処理(ステップS19)とを順次実行する。第1の普通図柄プロセス処理と第2の普通図柄プロセス処理とでは、第1の普通図柄表示器51や第2の普通図柄表示器52を所定の順序で制御するために、第1の普通図柄プロセスフラグや第2の普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択されて実行される。
さらに、CPU103は、コマンド制御処理実行プログラム131を呼び出して所定のコマンド制御処理を実行することにより、主基板11から表示制御基板12等のサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送出し、遊技状態に合わせた動作制御を指示する(ステップS20)。このコマンド制御処理により主基板11から送出された表示制御コマンドを表示制御基板12のCPU202が受け取り、その表示制御コマンドに従って第1及び第2の可変表示装置41及び42の表示制御や第1及び第2の普通図柄表示器51及び52の点灯/消灯制御などが行われる。
また、CPU103は、情報出力処理実行プログラム132を呼び出して所定の情報出力処理を実行することにより、各種出力データの格納領域の内容をI/Oポート104に含まれる各出力ポートに出力する(ステップS21)。この情報出力処理では、主基板11から情報端子基板16に、大当り情報、始動情報、確率変動情報などをホール管理用コンピュータに対して出力する指令の送出も行われる。
続いて、CPU103は、ソレノイド出力処理実行プログラム133を呼び出して所定のソレノイド出力処理を実行することにより、所定の条件が成立したときに第1及び第2の普通可変入賞球装置61及び62における可動翼片の可動制御や第1及び第2の特別可変入賞球装置71及び72における開閉板の開閉駆動を行う(ステップS22)。この後、賞球処理実行プログラム134を呼び出して所定の賞球処理を実行することにより、各入賞口スイッチ70から入力された検出信号に基づく賞球数の設定などを行い、払出制御基板15に対して払出制御コマンドを出力可能とする(ステップS23)。
図24は、ステップS16にて実行される第1の特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。第1の特別図柄プロセス処理を開始すると、CPU103は、まず、フラグメモリ118に設けられている特別図柄選択フラグをチェックし(ステップS111)、特別図柄選択フラグがオンである場合には(ステップS111;Yes)、遊技球が第1の普通可変入賞球装置61に入賞したか否かを、各入賞口スイッチ70に含まれる第1の始動球検出スイッチから入力される検出信号や、フラグメモリ125に設けられた入力状態フラグなどをチェックすることにより、判別する(ステップS112)。遊技球が入賞して第1の始動球検出スイッチからの検出信号がオン状態となった場合(ステップS112;Yes)、入賞処理実行プログラム135を呼び出して第1の入賞処理を実行する(ステップS113)。一方、特別図柄選択フラグがオフである場合(ステップS111;No)や遊技球が入賞していない場合(ステップS112;No)には、第1の入賞処理をスキップする。
図25は、ステップS113の第1の入賞処理を示すフローチャートである。この第1の入賞処理において、CPU103は、まず、第1の特図保留メモリ111が記憶している始動入賞記憶数が最大値の4であるか否かを判別する(ステップS201)。
始動入賞記憶数が4であるときには(ステップS201;Yes)、今回の入賞による始動検出は無効として、そのまま第1の入賞処理が終了する。一方、始動入賞記憶数が4未満であるときには(ステップS201;No)、第1の特図保留メモリ111の始動入賞記憶数を1加算し(ステップS202)、ランダムカウンタ113より乱数値を抽出する(ステップS203)。この実施の形態において、CPU103は、ランダムカウンタ113より大当り判定用のランダムR1,リーチ判定用のランダムR2,可変表示パターン決定用のランダムR3,図柄決定用のランダムR4−1〜R4−3及び確変判定用のランダムR5を抽出する。そして、抽出した乱数値を第1の特図保留メモリ111の空エントリの先頭にセットする(ステップS204)。
この後、CPU103は、フラグメモリ118に格納されている第1の特別図柄プロセスフラグの値に基づいて、図24に示すステップS120〜S129の9個の処理のいずれかを選択する。以下に、ステップS120〜S129の各処理について説明する。
ステップS120の第1の特別図柄通常処理は、第1の特別図柄プロセスフラグの値が初期値「0」のときに呼び出される特別図柄通常処理実行プログラム136によって実行される処理である。この処理において、CPU103は、第1の特図保留メモリ111が記憶している保留記憶数が「0」であるか否かを判別する。ここで、第1の特図保留メモリ111において、保留番号「1」に対応した乱数値等の各種データが記憶されていない場合には、保留記憶数が「0」であると判別される。保留記憶数が「0」であれば、表示制御基板12を介して第1の可変表示装置41上にデモンストレーション画面を表示するなどして、特別図柄通常処理を終了する。一方、保留記憶数が「0」ではないと判別すると、第1の特別図柄プロセスフラグの値を第1の大当り判定処理に対応した値である「1」に更新する。
ステップS121の第1の大当り判定処理は、第1の特別図柄プロセスフラグの値が「1」のときに呼び出される大当り判定処理実行プログラム137によって実行される処理である。この処理において、CPU103は、図26に示すように、まず、第1の特図保留メモリ111の第1エントリ(保留番号「1」)に格納された乱数値を読出領域にシフトすると共に、第2〜第4エントリ(保留番号「2」〜「4」)に格納された乱数値を1エントリずつ上位にシフトする(ステップS211)。この際、CPU103は、保留記憶数を1減算する。そして、CPU103は、第1の特図保留メモリ111の読出領域に格納されているランダムR1の値を読み出す(ステップS212)。
続いて、CPU103は、確率向上状態(確変中)であるか否かを判別し(ステップS213)、確変中ではなければ(ステップS213;No)、通常遊技状態であると判断し、第1の可変表示装置41による特図ゲームの表示結果を大当りとするか否かを判定するためのテーブルとして、図8(A)に示すような通常時大当り判定用テーブル150を設定する(ステップS214)。これに対して、確変中であれば(ステップS213;Yes)、図8(B)に示すような確変時大当り判定用テーブル151を設定する(ステップS215)。
CPU103は、ステップS212にて読み出したランダムR1の値に基づき、ステップS214又はS215にて設定した大当り判定用テーブル150又は151を用いて、第1の可変表示装置41による特図ゲームの表示結果を大当りとするか否かを判定する(ステップS216)。そして、大当りとすることに決定した場合には(ステップS216;Yes)、フラグメモリ118に設けられた第1の大当り状態フラグをオン状態にセットし(ステップS217)、ハズレとすることに決定した場合には(ステップS216;No)、第1の大当り状態フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS218)。この後、第1の特別図柄プロセスフラグの値を第1の確定図柄決定処理に対応した値である「2」に更新する(ステップS219)。
図24に示すステップS122の第1の確定図柄決定処理は、第1の特別図柄プロセスフラグの値が「2」のときに呼び出される確定図柄決定処理実行プログラム138によって実行される処理である。この処理において、CPU103は、図27及び図28に示すように、まず、フラグメモリ118に設けられた第1の大当り状態フラグがオンとなっているか否かを判別する(ステップS221)。第1の大当り状態フラグがオフであるときには(ステップS221;No)、第1の特図保留メモリ111の読出領域に格納されているランダムR2の値を読み出し(ステップS222)、リーチとするか否かを決定する(ステップS223)。例えば、ステップS222にて読み出したランダムR2の値が「105」〜「1530」のいずれかであるときには、リーチとしないことを決定し、「0」〜「104」のいずれかであるときには、リーチとすることを決定する。また、フラグメモリ118に設けられた第1の確変フラグがオンとなっているか否かに応じてリーチとするランダムR2の値が異なるテーブルを用意しておき、第1の確変フラグの状態に応じて選択したテーブルを用いてリーチとするか否かを決定してもよい。
ステップS223にてリーチとしないことを決定したとき(ステップS223;No)、CPU103は、フラグメモリ118に設けられた第1のリーチ状態フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS224)。そして、第1の特図保留メモリ111の読出領域から読み出したランダムR4−1の値に基づき、図10(A)に示す第1の左図柄決定用テーブル162を用いて第1の左確定図柄を決定する(ステップS225)。また、第1の特図保留メモリ111の読出領域から読み出したランダムR4−2の値に基づき、図10(B)に示す第1の中図柄決定用テーブル163を用いて第1の中確定図柄を決定するとともに(ステップS226)、第1の特図保留メモリ111の読出領域から読み出したランダムR4−3の値に基づき、図10(C)に示す第1の右図柄決定用テーブル164を用いて第1の右確定図柄を決定する(ステップS227)。この後、ステップS240に進む。
また、ステップS223にてリーチとすることを決定したとき(ステップS223;Yes)、CPU103は、第1のリーチ状態フラグをオン状態にセットし(ステップS228)、第1の特図保留メモリ111の読出領域に格納されているランダムR4−1の値に基づき、第1の左図柄決定用テーブル162を用いて第1の左確定図柄を決定する(ステップS229)。また、第1の左確定図柄と同一の図柄番号である特別図柄を第1の右確定図柄とすることを決定し(ステップS230)、第1の左・右確定図柄とは異なる任意の特別図柄を第1の中確定図柄とすることを決定する(ステップS231)。この後、ステップS240に進む。
上述したステップS221にて大当り状態フラグがオンであると判別したとき(ステップS221;Yes)、CPU103は、第1の特図保留メモリ111の読出領域に格納されているランダムR5の値を読み出し(ステップS232)、大当り遊技状態が終了した後に確率向上状態へと移行する確率変動制御を行うか否かを決定する(ステップS233)。例えば、第1の特図保留メモリ111の読出領域から読み出したランダムR5の値が奇数であるときには確率変動制御を行うことを決定し、偶数であるときには確率変動制御を行わないことを決定する。
ステップS232にて確率変動制御を行わないことを決定したとき(ステップS232;No)、CPU103は、フラグメモリ113に設けられた第1の確変フラグをクリアしてオフ状態とし(ステップS234)、大当りの可変表示結果となる特別図柄の確定図柄を決定するためのテーブルとして、図9(A)に示す第1の通常大当り図柄決定用テーブル160を設定する(ステップS235)。また、ステップS232にて確率変動制御を行うことを決定したときには(ステップS232;Yes)、第1の確変フラグをオン状態にセットするとともに(ステップS236)、特別図柄の確定図柄を決定するためのテーブルとして、図9(B)に示す第1の確変大当り図柄決定用テーブル161を設定する(ステップS237)。
ステップS235又はS237を実行した後、CPU103は、読出領域に格納されているランダムR4−1の値を読み出し(ステップS238)、読み出されたランダムR4−1の値に基づき、ステップS235又はS237にて設定した図柄決定用テーブル160又は161を用いて左・中・右で同一となる大当り用の確定図柄を決定する(ステップS239)。この後、CPU103は、第1の特別図柄プロセスフラグの値を第1の可変表示パターン設定処理に対応した値である「3」に更新して、第1の確定図柄決定処理を終了する(ステップS240)。
図24に示すステップS123の第1の可変表示パターン設定処理は、第1の特別図柄プロセスフラグの値が「3」のときに呼び出される可変表示パターン設定処理実行プログラム139によって実行される処理である。この処理において、CPU103は、図29及び図30に示すように、まず、フラグメモリ118に設けられた第1の大当り状態フラグがオンとなっているか否かを判別する(ステップS241)。第1の大当り状態フラグがオフであるときには(ステップS241;No)、上記ステップS122の第1の確定図柄決定処理にてリーチとすることが決定されたか否かを判別する(ステップS242)。
リーチとしない場合には(ステップS242;No)、さらに、第2の大当り状態フラグがオンとなっているか否かを判別し(ステップS243)、第2の大当り状態フラグがオフであるときには(ステップS243;No)、可変表示パターンを選択するためのテーブルとして、図13(A)に示す第1の通常時短期可変表示パターンテーブル170を設定し(ステップS244)、第2の大当り状態フラグがオンであるときには(ステップS243;Yes)、図14(A)に示す第1の通常時長期可変表示パターンテーブル173を設定する(ステップS245)。
一方、リーチとする場合には(ステップS242;Yes)、さらに、第2の大当り状態フラグがオンとなっているか否かを判別し(ステップS246)、第2の大当り状態フラグがオフであるときには(ステップS246;No)、可変表示パターンを選択するためのテーブルとして、図13(B)に示す第1のリーチ時短期可変表示パターンテーブル171を設定し(ステップS247)、第2の大当り状態フラグがオンであるときには(ステップS246;Yes)、図14(B)に示す第1のリーチ時長期可変表示パターンテーブル174を設定する(ステップS248)。
また、ステップS241にて第1の大当り状態フラグがオンであるときには(ステップS241;Yes)、さらに、第2の大当り状態フラグがオンとなっているか否かを判別し(ステップS249)、第2の大当り状態フラグがオフであるときには(ステップS249;No)、可変表示パターンを選択するためのテーブルとして、図13(C)に示す第1の大当り時短期可変表示パターンテーブル172を設定し(ステップS250)、第2の大当り状態フラグがオンであるときには(ステップS249;Yes)、図14(C)に示す第1の大当り時長期可変表示パターンテーブル175を設定する(ステップS251)。
CPU103は、第1の特図保留メモリ111の読出領域に格納されているランダムR3の値を読み出し(ステップS252)、読み出されたランダムR3の値に基づいて、ステップS244,S245,S247,S248,S250又はS251にて設定した可変表示パターンテーブルのうちから、今回の特図ゲームで使用する可変表示パターンを決定する(ステップS253)。
こうして可変表示パターンを決定した後、CPU103は、第1の特別図柄プロセスフラグの値を第1の可変表示指令処理に対応した値である「4」に更新する(ステップS254)。
図24に示すステップS124の第1の可変表示指令処理は、第1の特別図柄プロセスフラグの値が「4」のときに呼び出される可変表示指令処理実行プログラム140によって実行される処理である。この処理において、CPU103は、第1の可変表示装置41において特別図柄の全図柄が可変表示を開始するように制御する。具体的には、上述したステップS122の第1の確定図柄決定処理にて決定した特別図柄の確定図柄に対応する制御データや、ステップS123の第1の可変表示パターン設定処理にて決定した可変表示パターンに対応する制御データを、所定のコマンド送信テーブルに設定するなどして、第1の可変表示開始コマンド81XX(h)と第1の左・中・右図柄指定コマンド91XX(h)、92XX(h)及び93XX(h)を表示制御基板12に対して送出可能に設定する。そして、可変表示パターンに対応する総可変表示時間を可変表示時間タイマ119に設けられた第1の可変表示時間タイマに設定し、第1の可変表示開始コマンド81XX(h)が送信されるとともにカウントダウンを開始する。この後、第1の可変表示時間タイマがタイムアウトすると、第1の特別図柄プロセスフラグの値を第1の可変表示停止時処理に対応した値である「5」に更新する。
ステップS125の第1の可変表示停止時処理は、第1の特別図柄プロセスフラグの値が「5」のときに呼び出される可変表示停止時処理実行プログラム141によって実行される処理である。この処理において、CPU103は、主基板11から表示制御基板12に対して第1の特別図柄確定コマンドB0XX(h)を送出するための設定を行う。具体的には、第1の特別図柄確定コマンドB0XX(h)に対応する制御データを、所定のコマンド送信テーブルに設定するなどして、第1の特別図柄確定コマンドB0XX(h)を表示制御基板12に対して送出可能に設定する。また、パチンコ遊技機1が確率向上状態となっているときには、確率向上状態から通常遊技状態に戻すか否かを判定し、戻すと判定すると、パチンコ遊技機1における遊技状態を確率向上状態から通常遊技状態に移行させる。そして、第1の可変表示装置41による特図ゲームによる可変表示の表示結果が大当りになるときは、第1の特別図柄プロセスフラグの値を第1の大入賞口開放前処理に対応した値である「6」に更新し、ハズレとなるときには、第1の特別図柄プロセスフラグの値を「0」に更新する。
ステップS126の第1の大入賞口開放前処理は、第1の特別図柄プロセスフラグの値が「6」のときに呼び出される大入賞口開放前処理実行プログラム142によって実行される処理である。この処理において、CPU103は、大入賞口としての第1の特別可変入賞球装置71を開放する制御を開始するための設定を行う。そして、第1の特別可変入賞球装置71を開放する制御を開始するとともに、第1の特別図柄プロセスフラグの値を第1の大入賞口開放中処理に対応した値である「7」に更新する。
ステップS127の第1の大入賞口開放中処理は、第1の特別図柄プロセスフラグの値が「7」のときに呼び出される大入賞口開放中処理実行プログラム143によって実行される処理である。この処理において、CPU103は、開成された第1の特別可変入賞球装置71への遊技球の入賞検出、賞球の払出指令、開成時間の計測及び開成サイクルのラウンド数表示のための表示制御コマンド設定等を行う。そして、例えば、1回の大当りについて、第1の特別可変入賞球装置71の開成回数をカウントし、開成回数が例えば16回に達していれば、特定遊技状態(大当り遊技状態)を終了する条件が終了したとして第1の特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理に対応した値である「8」に更新する。一方、開成回数が16回に達していなければ、第1の特別可変入賞球装置71を一旦閉成した後、所定時間が経過するのを待って再度開成する。
ステップS128の第1の大当り終了処理は、第1の特別図柄プロセスフラグの値が「8」のときに呼び出される大当り終了処理実行プログラム144によって実行される処理である。この処理において、CPU103は、図31に示すように、まず、CPU103は、表示制御基板12に対して大当り終了コマンドD0XX(h)を送出するための設定を行うなどして、大当り遊技状態を終了させる(ステップS261)。続いて、CPU103は、可変表示時間タイマ119に設けられた第2の可変表示時間タイマをチェックして、第2の可変表示時間タイマのタイマ値が所定の短縮可変表示時間T120に対応する値(短縮タイマ値)より大きいか否かを判別する(ステップS262)。第2の可変表示時間タイマのタイマ値が短縮タイマ値よりも大きいと判別したときには(ステップS262;Yes)、短縮可変表示時間T120を第2の可変表示時間タイマに設定する(ステップS263)。一方、第2の可変表示時間タイマのタイマ値が短縮タイマ値以下であると判別したときには(ステップS262;No)、ステップS263の処理をスキップする。また、フラグメモリ118に設けられた第1の大当り状態フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS264)。そして、第1の特別図柄プロセスフラグの値を「0」に更新する(ステップS265)。
図32は、ステップS17にて実行される第2の特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。第2の特別図柄プロセス処理を開始すると、CPU103は、まず、フラグメモリ118に設けられている特別図柄選択フラグをチェックし(ステップS131)、特別図柄選択フラグがオフである場合には(ステップS131;No)、遊技球が第2の普通可変入賞球装置62に入賞したか否かを、各入賞口スイッチ70に含まれる第2の始動球検出スイッチから入力される検出信号などをチェックすることにより、判別する(ステップS132)。遊技球が入賞して第2の始動球検出スイッチからの検出信号がオン状態となった場合(ステップS132;Yes)、入賞処理実行プログラム135を呼び出して第2の入賞処理を実行する(ステップS133)。一方、特別図柄選択フラグがオンである場合(ステップS131;Yes)や遊技球が入賞していない場合(ステップS132;No)には、第2の入賞処理をスキップする。
図33は、ステップS133の第2の入賞処理を示すフローチャートである。この第2の入賞処理において、CPU103は、まず、第2の特図保留メモリ112が記憶している始動入賞記憶数が最大値の4であるか否かを判別する(ステップS301)。始動入賞記憶数が4であるときには(ステップS301;Yes)、そのまま第2の入賞処理が終了する。一方、始動入賞記憶数が4未満であるときには(ステップS301;No)、第2の特図保留メモリ112の始動入賞記憶数を1加算し(ステップS302)、ランダムカウンタ113より乱数値を抽出する(ステップS303)。この実施の形態において、CPU103は、ランダムカウンタ113より大当り判定用のランダムR1,リーチ判定用のランダムR2,可変表示パターン決定用のランダムR3,図柄決定用のランダムR4−1〜R4−3及び確変判定用のランダムR5を抽出する。そして、抽出した乱数値を第2の特図保留メモリ112の空エントリの先頭にセットする(ステップS304)。
この後、CPU103は、フラグメモリ118に格納されている第2の特別図柄プロセスフラグの値に基づいて、図32に示すステップS140〜S148の9個の処理のいずれかを選択する。以下に、ステップS140〜S148の各処理について説明する。
ステップS140の第2の特別図柄通常処理は、第2の特別図柄プロセスフラグの値が初期値「0」のときに呼び出される特別図柄通常処理実行プログラム136によって実行される処理である。この処理において、CPU103は、第2の特図保留メモリ112が記憶している保留記憶数が「0」であるか否かを判別する。保留記憶数が「0」であれば、表示制御基板12を介して第2の可変表示装置42上にデモンストレーション画面を表示するなどして、特別図柄通常処理を終了する。一方、保留記憶数が「0」ではないと判別すると、第2の特別図柄プロセスフラグの値を第2の大当り判定処理に対応した値である「1」に更新する。
ステップS141の第2の大当り判定処理は、第2の特別図柄プロセスフラグの値が「1」のときに呼び出される大当り判定処理実行プログラム137によって実行される処理である。この処理において、CPU103は、図34に示すように、まず、第2の特図保留メモリ112の第1エントリ(保留番号「1」)に格納された乱数値を読出領域にシフトすると共に、第2〜第4エントリ(保留番号「2」〜「4」)に格納された乱数値を1エントリずつ上位にシフトする(ステップS311)。この際、CPU103は、保留記憶数を1減算する。そして、CPU103は、第2の特図保留メモリ112の読出領域に格納されているランダムR1の値を読み出す(ステップS312)。
続いて、CPU103は、確率向上状態(確変中)であるか否かを判別し(ステップS313)、確変中ではなければ(ステップS313;No)、通常遊技状態であると判断し、第2の可変表示装置42による特図ゲームの表示結果を大当りとするか否かを判定するためのテーブルとして、図8(A)に示すような通常時大当り判定用テーブル150を設定する(ステップS314)。これに対して、確変中であれば(ステップS313;Yes)、図8(B)に示すような確変時大当り判定用テーブル151を設定する(ステップS315)。
CPU103は、ステップS312にて読み出したランダムR1の値に基づき、ステップS314又はS315にて設定した大当り判定用テーブル150又は151を用いて、第2の可変表示装置42による特図ゲームの表示結果を大当りとするか否かを判定する(ステップS316)。そして、大当りとすることに決定した場合には(ステップS316;Yes)、フラグメモリ118に設けられた第2の大当り状態フラグをオン状態にセットし(ステップS317)、ハズレとすることに決定した場合には(ステップS316;No)、第2の大当り状態フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS318)。この後、第2の特別図柄プロセスフラグの値を第2の確定図柄決定処理に対応した値である「2」に更新する(ステップS319)。
図32に示すステップS142の第2の確定図柄決定処理は、第2の特別図柄プロセスフラグの値が「2」のときに呼び出される確定図柄決定処理実行プログラム138によって実行される処理である。この処理において、CPU103は、図35及び図36に示すように、まず、フラグメモリ118に設けられた第2の大当り状態フラグがオンとなっているか否かを判別する(ステップS321)。第2の大当り状態フラグがオフであるときには(ステップS321;No)、第2の特図保留メモリ112の読出領域に格納されているランダムR2の値を読み出し(ステップS322)、リーチとするか否かを決定する(ステップS323)。
ステップS323にてリーチとしないことを決定したとき(ステップS323;No)、CPU103は、フラグメモリ118に設けられた第2のリーチ状態フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS324)。そして、第2の特図保留メモリ112の読出領域から読み出したランダムR4−1の値に基づき、図12(A)に示す第2の左図柄決定用テーブル167を用いて第2の左確定図柄を決定する(ステップS325)。また、第2の特図保留メモリ112の読出領域から読み出したランダムR4−2の値に基づき、図12(B)に示す第2の中図柄決定用テーブル168を用いて第2の中確定図柄を決定するとともに(ステップS326)、第2の特図保留メモリ112の読出領域から読み出したランダムR4−3の値に基づき、図12(C)に示す第2の右図柄決定用テーブル169を用いて第2の右確定図柄を決定する(ステップS327)。この後、ステップS340に進む。
また、ステップS323にてリーチとすることを決定したとき(ステップS323;Yes)、CPU103は、第2のリーチ状態フラグをオン状態にセットし(ステップS328)、第2の特図保留メモリ112の読出領域から読み出したランダムR4−1の値に基づき、第2の左図柄決定用テーブル167を用いて第2の左確定図柄を決定する(ステップS329)。また、第2の左確定図柄と同一の図柄番号である特別図柄を第2の右確定図柄とすることを決定し(ステップS330)、第2の左・右確定図柄とは異なる任意の特別図柄を第2の中確定図柄とすることを決定する(ステップS331)。この後、ステップS340に進む。
上述したステップS321にて大当り状態フラグがオンであると判別したとき(ステップS321;Yes)、CPU103は、第2の特図保留メモリ112の読出領域に格納されているランダムR5の値を読み出し(ステップS332)、大当り遊技状態が終了した後に確率向上状態へと移行する確率変動制御を行うか否かを決定する(ステップS333)。
ステップS333にて確率変動制御を行わないことを決定したとき(ステップS333;No)、CPU103は、フラグメモリ113に設けられた第2の確変フラグをクリアしてオフ状態とし(ステップS334)、大当りの可変表示結果となる特別図柄の確定図柄を決定するためのテーブルとして、図11(A)に示す第2の通常大当り図柄決定用テーブル165を設定する(ステップS335)。また、ステップS333にて確率変動制御を行うことを決定したときには(ステップS333;Yes)、第2の確変フラグをオン状態にセットするとともに(ステップS336)、特別図柄の確定図柄を決定するためのテーブルとして、図11(B)に示す第2の確変大当り図柄決定用テーブル166を設定する(ステップS337)。
ステップS335又はS337を実行した後、CPU103は、第2の特図保留メモリ112から保留番号「1」に対応して格納されているランダムR4−2の値を読み出し(ステップS338)、読み出されたランダムR4−2の値に基づき、ステップS335又はS357にて設定した図柄決定用テーブル165又は166を用いて左・中・右で同一となる大当り用の確定図柄を決定する(ステップS339)。この後、CPU103は、第2の特別図柄プロセスフラグの値を第2の可変表示パターン設定処理に対応した値である「3」に更新して、第2の確定図柄決定処理を終了する(ステップS340)。
図32に示すステップS143の第2の可変表示パターン設定処理は、第2の特別図柄プロセスフラグの値が「3」のときに呼び出される可変表示パターン設定処理実行プログラム139によって実行される処理である。この処理において、CPU103は、図37及び図38に示すように、まず、フラグメモリ118に設けられた第2の大当り状態フラグがオンとなっているか否かを判別する(ステップS341)。第2の大当り状態フラグがオフであるときには(ステップS341;No)、上記ステップS142の第2の確定図柄決定処理にてリーチとすることが決定されたか否かを判別する(ステップS342)。
リーチとしない場合には(ステップS342;No)、さらに、第1の大当り状態フラグがオンとなっているか否かを判別し(ステップS343)、第1の大当り状態フラグがオフであるときには(ステップS343;No)、可変表示パターンを選択するためのテーブルとして、図15(A)に示す第2の通常時短期可変表示パターンテーブル176を設定し(ステップS344)、第1の大当り状態フラグがオンであるときには(ステップS343;Yes)、図16(A)に示す第2の通常時長期可変表示パターンテーブル179を設定する(ステップS345)。
一方、リーチとする場合には(ステップS342;Yes)、さらに、第1の大当り状態フラグがオンとなっているか否かを判別し(ステップS346)、第1の大当り状態フラグがオフであるときには(ステップS346;No)、可変表示パターンを選択するためのテーブルとして、図15(B)に示す第2のリーチ時短期可変表示パターンテーブル177を設定し(ステップS347)、第1の大当り状態フラグがオンであるときには(ステップS346;Yes)、図16(B)に示す第2のリーチ時長期可変表示パターンテーブル180を設定する(ステップS348)。
また、ステップS341にて第2の大当り状態フラグがオンであるときには(ステップS341;Yes)、さらに、第1の大当り状態フラグがオンとなっているか否かを判別し(ステップS349)、第1の大当り状態フラグがオフであるときには(ステップS349;No)、可変表示パターンを選択するためのテーブルとして、図15(C)に示す第2の大当り時短期可変表示パターンテーブル178を設定し(ステップS350)、第1の大当り状態フラグがオンであるときには(ステップS349;Yes)、図16(C)に示す第2の大当り時長期可変表示パターンテーブル181を設定する(ステップS351)。
CPU103は、第2の特図保留メモリ112の読出領域に格納されているランダムR3の値を読み出し(ステップS352)、読み出されたランダムR3の値に基づいて、ステップS344,S345,S347,S348,S350又はS351にて設定した可変表示パターンテーブルのうちから、今回の特図ゲームで使用する可変表示パターンを決定する(ステップS353)。
こうして可変表示パターンを決定した後、CPU103は、第2の特別図柄プロセスフラグの値を第2の可変表示指令処理に対応した値である「4」に更新する(ステップS354)。
図32に示すステップS144の第2の可変表示指令処理は、第2の特別図柄プロセスフラグの値が「4」のときに呼び出される可変表示指令処理実行プログラム140によって実行される処理である。この処理において、CPU103は、第2の可変表示装置42において特別図柄の全図柄が可変表示を開始するように制御する。具体的には、上述したステップS142の第2の確定図柄決定処理にて決定した特別図柄の確定図柄に対応する制御データや、ステップS143の第2の可変表示パターン設定処理にて決定した可変表示パターンに対応する制御データを、所定のコマンド送信テーブルに設定するなどして、第2の可変表示開始コマンド82XX(h)と第2の左・中・右図柄指定コマンドA1XX(h),A2XX(h)及びA3XX(h)を表示制御基板12に対して送出可能に設定する。そして、可変表示パターンに対応する総可変表示時間を可変表示時間タイマ119に設けられた第2の可変表示時間タイマに設定し、第2の可変表示開始コマンド82XX(h)が送信されるとともにカウントダウンを開始する。この後、第2の可変表示時間タイマがタイムアウトすると、第2の特別図柄プロセスフラグの値を第2の可変表示停止時処理に対応した値である「5」に更新する。
ステップS145の第2の可変表示停止時処理は、第2の特別図柄プロセスフラグの値が「5」のときに呼び出される可変表示停止時処理実行プログラム141によって実行される処理である。この処理において、CPU103は、主基板11から表示制御基板12に対して第2の特別図柄確定コマンドC000(h)を送出するための設定を行う。具体的には、第2の特別図柄確定コマンドC000(h)に対応する制御データを、所定のコマンド送信テーブルに設定するなどして、第2の特別図柄確定コマンドC000(h)を表示制御基板12に対して送出可能に設定する。また、パチンコ遊技機1が確率向上状態となっているときには、確率向上状態から通常遊技状態に戻すか否かを判定し、戻すと判定すると、パチンコ遊技機1における遊技状態を確率向上状態から通常遊技状態に移行させる。そして、第2の可変表示装置42による特図ゲームによる可変表示の表示結果が大当りになるときは、第2の特別図柄プロセスフラグの値を第2の大入賞口開放前処理に対応した値である「6」に更新し、ハズレとなるときには、第2の特別図柄プロセスフラグの値を「0」に更新する。
ステップS146の第2の大入賞口開放前処理は、第2の特別図柄プロセスフラグの値が「6」のときに呼び出される大入賞口開放前処理実行プログラム142によって実行される処理である。この処理において、CPU103は、大入賞口としての第2の特別可変入賞球装置72を開放する制御を開始するための設定を行う。そして、第2の特別可変入賞球装置72を開放する制御を開始するとともに、第2の特別図柄プロセスフラグの値を第2の大入賞口開放中処理に対応した値である「7」に更新する。
ステップS147の第2の大入賞口開放中処理は、第2の特別図柄プロセスフラグの値が「7」のときに呼び出される大入賞口開放中処理実行プログラム143によって実行される処理である。この処理において、CPU103は、開成された第2の特別可変入賞球装置72への遊技球の入賞検出、賞球の払出指令、開成時間の計測及び開成サイクルのラウンド数表示のための表示制御コマンド設定等を行う。そして、例えば、1回の大当りについて、第2の特別可変入賞球装置72の開成回数をカウントし、開成回数が例えば16回に達していれば、特定遊技状態(大当り遊技状態)を終了する条件が終了したとして第2の特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理に対応した値である「8」に更新する。一方、開成回数が16回に達していなければ、第2の特別可変入賞球装置72を一旦閉成した後、所定時間が経過するのを待って再度開成する。
ステップS148の第2の大当り終了処理は、第2の特別図柄プロセスフラグの値が「8」のときに呼び出される大当り終了処理実行プログラム144によって実行される処理である。この処理において、CPU103は、図39に示すように、まず、表示制御基板12に対して大当り終了コマンドD000(h)を送出するための設定を行うなどして、大当り遊技状態を終了させる(ステップS361)。次に、CPU103は、可変表示時間タイマ119に設けられた第2の可変表示時間タイマをチェックして、第2の可変表示時間タイマのタイマ値が短縮タイマ値よりも大きいか否かを判別する(ステップS362)。第2の可変表示時間タイマのタイマ値が短縮タイマ値よりも大きいと判別したときには(ステップS362;Yes)、短縮可変表示時間T120を第2の可変表示時間タイマに設定する(ステップS363)。一方、第2の可変表示時間タイマのタイマ値が短縮タイマ値以下であると判別したときには(ステップS362;No)、ステップS363の処理をスキップする。また、CPU103は、フラグメモリ118に設けられた第2の大当り状態フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS364)。そして、第2の特別図柄プロセスフラグの値を「0」に更新する(ステップS365)。
次に、表示制御基板12における動作を説明する。図40は、表示制御基板12に搭載された表示制御用のCPU202が実行する表示制御メイン処理を示すフローチャートである。表示制御メイン処理を開始すると、まず、所定の初期化処理を実行することにより、RAM204のクリアや各種初期値の設定、また表示制御の起動間隔を決めるための33ミリ秒タイマの初期設定等を行う(ステップS31)。
その後、CPU202は、フラグメモリ212に設けられたタイマ割込フラグを監視し、タイマ割込フラグがセットされるまでループ処理を実行する(ステップS32;No)。この実施の形態では、CPU202にて33ミリ秒ごとにタイマ割込みが発生し、このタイマ割込みが発生すると、所定のタイマ割込処理を実行することにより、フラグメモリ212に設けられたタイマ割込フラグがセットされる。
CPU202では、33ミリ秒ごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの表示制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、主基板11からの表示制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。表示制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、CPU202は、自動的に割込禁止状態に設定するが、自動的に割込禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込禁止命令(DI命令)を発行することが好ましい。
主基板11からの表示制御INT信号がオン状態となることによりCPU202において割込みが発生することで、CPU202は、表示制御コマンドデータの入力に割り当てられている入力ポートから、データを読み込む。そして、2バイト構成である表示制御コマンドのMODEデータ、EXTデータを順次に受信し、受信したコマンドを所定の受信コマンドバッファに格納する。こうして受信コマンドバッファに主基板11から送信された表示制御コマンドが格納される一方で、図40に示すステップS32にてタイマ割込みの発生が確認される。このタイマ割込みの発生が確認されると(ステップS32;Yes)、CPU202は、フラグメモリ212に設けられたタイマ割込フラグをクリアしてオフ状態とした後に、コマンド解析処理を実行することにより、受信した表示制御コマンドを解析する(ステップS33)。
コマンド解析処理が終了すると、CPU202は、第1の特図表示制御プロセス処理(ステップS34)と第2の特図表示制御プロセス処理(ステップS35)とを順次実行する。第1の特図表示制御プロセス処理では、表示状態に応じて第1の可変表示装置41における表示動作を所定の順序で制御するために、フラグメモリ212に設けられた第1の表示制御プロセスフラグの値に従って該当する処理が選択されて実行される。また、第2の特図表示制御プロセス処理では、表示状態に応じて第2の可変表示装置42における表示動作を所定の順序で制御するために、第2の表示制御プロセスフラグの値に従って該当する処理が選択されて実行される。続いて、CPU202は、第1の普通図表示制御プロセス処理(ステップS36)と第2の普通図柄表示制御プロセス処理(ステップS37)とを順次実行する。第1の普通図柄表示制御プロセス処理では、第1の普通図柄表示器51の点灯/消灯制御を行い、主基板11から受信した表示制御コマンドに従った普通図ゲームを進行する。また、第2の普通図柄表示制御プロセス処理では、第2の普通図柄表示器52の点灯/消灯制御を行い、主基板11から受信した表示制御コマンドに従った普通図ゲームを進行する。第1及び第2の普通図表示制御プロセス処理が終了すると、ステップS32にリターンする。
図41及び図42は、ステップS33のコマンド解析処理を示すフローチャートである。このコマンド解析処理を開始すると、CPU202は、まず、主基板11から受信した表示制御コマンドがあるか否かを確認する(ステップS401)。例えば、受信コマンドバッファに受信コマンドが格納されているなどして、受信コマンドがあることを確認したときには(ステップS401;Yes)、受信コマンドを読み出し(ステップS402)、そのコマンドが第1の左・中・右図柄指定91XX(h)、92XX(h)、93XX(h)であるか否かを判別する(ステップS403)。
ステップS402にて読み出した受信コマンドが第1の左・中・右図柄指定91XX(h)、92XX(h)、93XX(h)であれば(ステップS403;Yes)、そのコマンドのEXTデータをRAM204に確保された特別図柄用の第1の左・中・右図柄格納エリアに格納するとともに(ステップS404)、フラグメモリ212に設けられた第1の有効フラグをオン状態にセットする(ステップS405)。第1の左・中・右図柄指定コマンド91XX(h)、92XX(h)、93XX(h)のEXTデータは、特別図柄の図柄番号を示すデータとなっている。これに対して、ステップS402にて読み出した受信コマンドが第1の左・中・右図柄指定コマンド91XX(h)、92XX(h)、93XX(h)ではないときには(ステップS403;No)、そのコマンドが第2の左・中・右図柄指定A1XX(h)、A2XX(h)、A3XX(h)であるか否かを判別する(ステップS406)。
ステップS402にて読み出した受信コマンドが第2の左・中・右図柄指定A1XX(h)、A2XX(h)、A3XX(h)であれば(ステップS406;Yes)、そのコマンドのEXTデータをRAM204に確保された特別図柄用の第2の左・中・右図柄格納エリアに格納するとともに(ステップS407)、フラグメモリ212に設けられた第2の有効フラグをオン状態にセットする(ステップS408)。第2の左・中・右図柄指定コマンドA1XX(h)、A2XX(h)、A3XX(h)のEXTデータは、特別図柄の図柄番号を示すデータとなっている。これに対して、ステップS402にて読み出した受信コマンドが第2の左・中・右図柄指定コマンドA1XX(h)、A2XX(h)、A3XX(h)ではないときには(ステップS406;No)、そのコマンドが第1のそのコマンドが可変表示開始コマンド81XX(h)であるか否かを判別する(ステップS409)。
ステップS402にて読み出した受信コマンドが第1の可変表示開始コマンド81XX(h)であれば(ステップS409;Yes)、そのコマンドのEXTデータをRAM114に確保された第1の可変表示パターン格納エリアに格納してセーブするとともに(ステップS410)、フラグメモリ212に設けられた第1の可変表示開始受信フラグをオン状態にセットする(ステップS411)。これに対して、ステップS402にて読み出した受信コマンドが第1の可変表示開始コマンド81XX(h)ではないときには(ステップS409;No)、そのコマンドが第2の可変表示開始コマンド82XX(h)であるか否かを判別する(ステップS412)。
ステップS402にて読み出した受信コマンドが第2の可変表示開始コマンド82XX(h)であれば(ステップS412;Yes)、そのコマンドのEXTデータをRAM114に確保された第2の可変表示パターン格納エリアに格納してセーブするとともに(ステップS413)、フラグメモリ212に設けられた第2の可変表示開始受信フラグをオン状態にセットする(ステップS414)。また、読み出した受信コマンドがその他の表示制御コマンド(例えば第1及び第2の特別図柄確定コマンド)であるときには、フラグメモリ212にて受信した表示制御コマンドに対応するコマンド受信フラグをセットし(ステップS415)、ステップS401にリターンする。こうして全ての受信コマンドが読み出されると(ステップS401;No)、コマンド解析処理が終了する。
図43は、ステップS34の第1の特図表示制御プロセス処理を示すフローチャートである。この第1の特図表示制御プロセス処理において、CPU202は、フラグメモリ212に設けられている第1の表示制御プロセスフラグの値に基づいて、図43に示すステップS420〜S426の7個の処理のいずれかを選択する。以下に、ステップS420〜S426の各処理について説明する。
ステップS420の第1の可変表示開始コマンド受信待ち処理は、第1の表示制御プロセスフラグの値が初期値「0」のときに実行される処理である。この処理において、CPU202は、まず、フラグメモリ212に設けられた第1の可変表示開始フラグがセットされているか否かを判別する。上述したコマンド解析処理において、可変表示時間を特定可能な第1の可変表示開始コマンド81XX(h)が受信コマンドバッファから読み出されたときには、第1の可変表示開始フラグがセットされる。第1の可変表示開始フラグがセットされているときには、第1の可変表示開始フラグをクリアし、第1の表示制御プロセスフラグの値を表示制御設定処理に対応した値である「1」に更新する。一方、第1の可変表示開始フラグがセットされていないときには、そのまま第1の可変表示開始コマンド受信待ち処理が終了する。
ステップS421の第1の表示制御設定処理は、第1の表示制御プロセスフラグの値が「1」のときに実行される処理である。この処理において、CPU202は、RAM204の可変表示パターン記憶エリアにセーブされた可変表示パターンに応じた図柄表示制御パターンを選択決定し、表示制御パターンテーブルメモリ211から読み出す。そして、第1の表示制御プロセスフラグの値を第1の可変表示開始処理に対応した値である「2」に更新する。
ステップS422の第1の可変表示開始時処理は、第1の表示制御プロセスフラグの値が「2」のときに実行される処理である。この処理において、CPU202は、GCL205に指令を送り、第1の可変表示装置41の可変表示部41a〜41cにて特別図柄を徐々に加速する態様で表示させて、特別図柄の可変表示を開始させる。また、可変表示パターンに対応した総可変表示時間に相当するカウント初期値を、各種タイマ213に含まれる第1の可変表示時間タイマにセットしてカウントダウン動作を開始させることにより、可変表示時間の計測を開始させる。そして、第1の表示制御プロセスフラグの値を第1の可変表示中処理に対応する値である「3」に更新する。
ステップS423の第1の可変表示中処理は、第1の表示制御プロセスフラグの値が「3」のときに実行される処理である。この処理において、CPU202は、まず、各種タイマ213に含まれている第1の可変表示時間タイマがタイムアウトしたか否かを判別する。第1の可変表示時間タイマには、第1の可変表示装置41にて行われている可変表示の残り時間に相当するタイマ値が格納され、可変表示の終了タイミングでタイマ値が「0」となる。第1の可変表示時間タイマがタイムアウトしたときに、各種タイマ213に含まれる第1の監視タイマに対して予め定められたカウント初期値を設定し、その第1の監視タイマのカウントダウンをスタートさせるとともに、第1の表示制御プロセスフラグの値を第1の特別図柄停止待ち処理に対応する値である「4」に更新する。第1の可変表示時間タイマがタイムアウトしていないときには、そのまま第1の可変表示開始コマンド受信待ち処理が終了する。
ステップS424の第1の特別図柄停止待ち処理は、第1の表示制御プロセスフラグの値が「4」のときに実行される処理である。この処理において、CPU202は、主基板11から第1の特別図柄確定コマンドB000(h)を受信したか否かを判別し、受信していないときには、さらに第1の監視タイマがタイムアウトしたか否かを判別する。第1の監視タイマがタイムアウトしていないときには、そのまま第1の特別図柄停止待ち処理を終了する。一方、第1の特別図柄確定コマンドB000(h)を受信することなく第1の監視タイマがタイムアウトしたときには、何らかの異常が発生したと判断して、第1の可変表示装置41上に所定のエラー画面を表示する制御を行う。また、第1の監視タイマがタイムアウトする前に第1の特別図柄確定コマンドB000(h)を受信したときには、第1の可変表示装置41における特別図柄の可変表示を終了させ、各図柄における確定図柄を停止表示する制御を行う。そして、導出された表示結果が大当りであるときには、第1の表示制御プロセスフラグの値を第1の大当り表示処理に対応した値である「5」に更新し、ハズレであるときには、第1の表示制御プロセスフラグの値を「0」に更新する。
ステップS425の第1の大当り表示処理は、第1の表示制御プロセスフラグの値が「5」のときに実行される処理である。この処理において、CPU202は、第1の可変表示装置41を制御することにより、大当り遊技状態に応じた画像を表示する制御を行う。例えば、主基板11から送出された所定の大当りラウンド数指示コマンドに対応したラウンド数を、第1の可変表示装置41上に表示させることにより、遊技者に対して報知可能とする。そして、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技が最終ラウンド(例えば、16回目)になると、第1の表示制御プロセスフラグの値を第1の大当り終了表示処理に対応した値である「6」に更新する。
ステップS426の第1の大当り終了表示処理は、第1の表示制御プロセスフラグの値が「6」のときに実行される処理である。この処理において、CPU202は、図44に示すように、まず、主基板11から大当り終了コマンドD000(h)を受信したことに応答して、第1の可変表示装置41にて大当り遊技状態が終了したことを報知する演出表示の制御を行う(ステップS501)。また、CPU202は、各種タイマ213に設けられた第2の可変表示時間タイマをチェックして、第2の可変表示時間タイマのタイマ値が短縮タイマ値よりも大きいか否かを判別する(ステップS502)。第2の可変表示時間タイマのタイマ値が短縮タイマ値よりも大きいと判別したときには(ステップS502;Yes)、短縮可変表示時間T120を第2の可変表示時間タイマに設定する(ステップS503)。一方、第2の可変表示時間タイマのタイマ値が短縮タイマ値以下であると判別したときには(ステップS502;No)、ステップS503を処理をスキップする。そして、大当り遊技状態が終了したことを報知する演出表示が終了すると、第1の表示制御プロセスフラグの値を「0」に更新する(ステップS504)。
図45は、ステップS35の第2の特図表示制御プロセス処理を示すフローチャートである。この第2の特図表示制御プロセス処理において、CPU202は、フラグメモリ212に設けられている第2の表示制御プロセスフラグの値に基づいて、図45に示すステップS430〜S436の7個の処理のいずれかを選択する。以下に、ステップS430〜S436の各処理について説明する。
ステップS430の第2の可変表示開始コマンド受信待ち処理は、第2の表示制御プロセスフラグの値が初期値「0」のときに実行される処理である。この処理において、CPU202は、まず、フラグメモリ212に設けられた第2の可変表示開始フラグがセットされているか否かを判別する。第2の可変表示開始フラグがセットされているときには、第2の可変表示開始フラグをクリアし、第2の表示制御プロセスフラグの値を第2の表示制御設定処理に対応した値である「1」に更新する。一方、第2の可変表示開始フラグがセットされていないときには、そのまま第2の可変表示開始コマンド受信待ち処理が終了する。
ステップS431の第2の表示制御設定処理は、第2の表示制御プロセスフラグの値が「1」のときに実行される処理である。この処理において、CPU202は、RAM204の第2の可変表示パターン記憶エリアにセーブされた可変表示パターンに応じた図柄表示制御パターンを選択決定し、表示制御パターンテーブルメモリ211から読み出す。そして、第2の表示制御プロセスフラグの値を第2の可変表示開始処理に対応した値である「2」に更新する。
ステップS432の第2の可変表示開始時処理は、第2の表示制御プロセスフラグの値が「2」のときに実行される処理である。この処理において、CPU202は、VDP206に指令を送り、第2の可変表示装置42の可変表示部42a〜42cにて特別図柄を徐々に加速する態様で表示させて、特別図柄の可変表示を開始させる。また、可変表示パターンに対応した総可変表示時間に相当するカウント初期値を、各種タイマ213に含まれる第2の可変表示時間タイマにセットしてカウントダウン動作を開始させることにより、可変表示時間の計測を開始させる。そして、第2の表示制御プロセスフラグの値を第2の可変表示中処理に対応する値である「3」に更新する。
ステップS433の第2の可変表示中処理は、第2の表示制御プロセスフラグの値が「3」のときに実行される処理である。この処理において、CPU202は、まず、各種タイマ213に含まれている第2の可変表示時間タイマがタイムアウトしたか否かを判別する。第2の可変表示時間タイマがタイムアウトしたときに、各種タイマ213に含まれる第2の監視タイマに対して予め定められたカウント初期値を設定し、その第2の監視タイマのカウントダウンをスタートさせるとともに、第2の表示制御プロセスフラグの値を第2の特別図柄停止待ち処理に対応する値である「4」に更新する。第2の可変表示時間タイマがタイムアウトしていないときには、そのまま第2の可変表示開始コマンド受信待ち処理が終了する。
ステップS434の第2の特別図柄停止待ち処理は、第2の表示制御プロセスフラグの値が「4」のときに実行される処理である。この処理において、CPU202は、主基板11から第2の特別図柄確定コマンドC000(h)を受信したか否かを判別し、受信していないときには、さらに第1の監視タイマがタイムアウトしたか否かを判別する。第1の監視タイマがタイムアウトしていないときには、そのまま第2の特別図柄停止待ち処理を終了する。一方、第2の特別図柄確定コマンドC000(h)を受信することなく第2の監視タイマがタイムアウトしたときには、何らかの異常が発生したと判断して、第2の可変表示装置42上に所定のエラー画面を表示する制御を行う。また、第2の監視タイマがタイムアウトする前に第2の特別図柄確定コマンドC000(h)を受信したときには、第2の可変表示装置42における特別図柄の可変表示を終了させ、各図柄における確定図柄を停止表示する制御を行う。そして、導出された表示結果が大当りであるときには、第2の表示制御プロセスフラグの値を大当り表示処理に対応した値である「5」に更新し、ハズレであるときには、第2の表示制御プロセスフラグの値を「0」に更新する。
ステップS435の第2の大当り表示処理は、第2の表示制御プロセスフラグの値が「5」のときに実行される処理である。この処理において、CPU202は、第2の可変表示装置42を制御することにより、大当り遊技状態に応じた画像を表示する制御を行う。例えば、主基板11から送出された所定の大当りラウンド数指示コマンドに対応したラウンド数を、第2の可変表示装置42上に表示させることにより、遊技者に対して報知可能とする。そして、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技が最終ラウンド(例えば、16回目)になると、第2の表示制御プロセスフラグの値を第2の大当り終了表示処理に対応した値である「6」に更新する。
ステップS436の第2の大当り終了表示処理は、第2の表示制御プロセスフラグの値が「6」のときに実行される処理である。この処理において、CPU202は、図46に示すように、まず、主基板11から大当り終了コマンドD000(h)を受信したことに応答して、第2の可変表示装置42にて大当り遊技状態が終了したことを報知する演出表示の制御を行う(ステップS511)。また、CPU202は、各種タイマ213に設けられた第1の可変表示時間タイマをチェックして、第1の可変表示時間タイマのタイマ値が短縮タイマ値よりも大きいか否かを判別する(ステップS512)。第1の可変表示時間タイマのタイマ値が短縮タイマ値よりも大きいと判別したときには(ステップS512;Yes)、短縮可変表示時間T120を第1の可変表示時間タイマに設定する(ステップS513)。一方、第1の可変表示時間タイマのタイマ値が短縮タイマ値以下であると判別したときには(ステップS512;No)、ステップS513を処理をスキップする。そして、CPU202は、大当り遊技状態が終了したことを報知する演出表示が終了すると、第2の特別図柄プロセスフラグの値を「0」に更新する(ステップS514)。
上述したパチンコ遊技機1の動作を、次に、第1及び第2可変表示装置41及び42における表示動作を中心とした具体例に基づいて説明する。
パチンコ遊技機1の右下位置に設けられたハンドルを遊技者が操作すると、発射モータにより遊技球が遊技領域に打ち込まれ、遊技領域内を下りてくる。主基板11は、各入賞口スイッチ70の入力の有無を監視している。
遊技球が第1の普通可変入賞球装置61に入賞すると、第1の始動球検出器により遊技球の入賞が検出される。遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、各入賞口スイッチ70に含まれる第1の始動球検出スイッチからの検出信号がオン状態となると(図24に示すステップS112;Yes)、特別図柄選択フラグをチェックし、特別図柄選択フラグがオン状態の場合には(図24に示すステップS112;Yes)、ランダムカウンタ113より乱数値を抽出し、抽出した乱数値を第1の特図保留メモリ111の空きエントリの先頭に登録する(図25に示す第1の入賞処理)。
CPU103は、第1の可変表示装置41による特図ゲームが実行されていない場合に、第1の特図保留メモリ111の読出領域に格納されているランダムR1の値を読み出し、読み出したランダムR1の値に従って大当りとハズレの別を決定する(図26に示す第1の大当り判定処理)。そして、大当りとハズレの決定結果に応じて左・中・右の可変表示部41a〜41cにおける特別図柄の確定図柄を決定する(図27及び図28に示す第1の確定図柄決定処理)。こうして決定された特別図柄の確定図柄に対応する第1の左・中・右図柄指定コマンド(91XX(h)、92XX(h)、93XX(h))が、主基板11から表示制御基板12に対して送出される。
第2の可変表示装置42による特図ゲームが実行されていない場合や第2の可変表示装置42による特図ゲームの表示結果をハズレとすることが決定されている場合(図27及び図28に示すステップS243,S246及びS249;No)、CPU103は、図13(A)〜(C)に示す短期可変表示パターンテーブル170〜172に格納された複数の可変表示パターンのうちから、第1の可変表示装置41による特図ゲームの表示結果と第1の特図保留メモリ111の読出領域から読み出したランダムR3の値とに応じたものを選択決定する(図29及び図30に示すステップS244,S247及びS250)。
一方、第2の可変表示装置42による特図ゲームの表示結果を大当りとすることが決定されている場合(図29及び図30に示すステップS243,S246及びS249;Yes)、図14(A)〜(C)に示す長期可変表示パターンテーブル173〜175に格納された複数の可変表示パターンのうちから、第2の可変表示装置42による特図ゲームの表示結果と第2の特図保留メモリ112の読出領域から読み出したランダムR3の値とに応じたものを選択決定する(図29及び図30に示すステップS245,S248及びS251)。
こうして選択決定された可変表示パターンに対応する第1の可変表示開始コマンド(81XX(h))が、主基板11から表示制御基板12に対して送出される。
また、遊技球が第2の普通可変入賞球装置62に入賞すると、第2の始動球検出器により遊技球の入賞が検出される。CPU103は、各入賞口スイッチ70に含まれる第2の始動球検出スイッチからの検出信号がオン状態となると(図32に示すステップS132;Yes)、特別図柄選択フラグをチェックし、特別図柄選択フラグがオフ状態の場合には(図32に示すステップS131;No)、ランダムカウンタ113より乱数値を抽出し、抽出した乱数値を第2の特図保留メモリ112の空きエントリの先頭に登録する(図33に示す第2の入賞処理)。
CPU103は、第2の可変表示装置42による特図ゲームが実行されていない場合に、第2の特図保留メモリ112の読出領域に格納されているランダムR1の値を読み出し、読み出した乱数値に従って大当りとハズレの別を決定する(図34に示す第2の大当り判定処理)。そして、大当りとハズレの決定結果に応じて左・中・右の可変表示部41a〜41cにおける特別図柄の確定図柄を決定する(図35及び図36に示す第2の確定図柄決定処理)。こうして決定された特別図柄の確定図柄に対応する第2の左・中・右図柄指定コマンド(A1XX(h)、A2XX(h)、A3XX(h))が、主基板11から表示制御基板12に対して送出される。
第1の可変表示装置41による特図ゲームが実行されていない場合や第1の可変表示装置41による特図ゲームの表示結果をハズレとすることが決定されている場合(図37及び図38に示すステップS343,S346及びS349;No)、CPU103は、図15(A)〜(C)に示す短期可変表示パターンテーブル176〜178に格納された複数の可変表示パターンのうちから、第2の可変表示装置42による特図ゲームの表示結果と第2の特図保留メモリ112の読出領域に格納されているランダムR3の値とに応じたものを選択決定する(図37及び図38に示すステップS344,S347及びS350)。
一方、第1の可変表示装置41による特図ゲームの表示結果を大当りとすることが決定されている場合には(図37及び図38に示すステップS343,S346及びS349;Yes)、図16(A)〜(C)に示す長期可変表示パターンテーブル179〜181に格納された複数の可変表示パターンのうちから、第2の可変表示装置42による特図ゲームの表示結果と第2の特図保留メモリ112の読出領域に格納されているランダムR3の値とに応じたものを選択決定する(図37及び図38に示すステップS345,S348及びS351)。
こうして選択決定された可変表示パターンに対応する第2の可変表示開始コマンド(82XX(h))が、主基板11から表示制御基板12に対して送出される。
ここで、第1の普通可変入賞球装置61への遊技球の入賞と、第2の普通可変入賞球装置62への遊技球の入賞と、が同時に起こった場合、特別図柄選択フラグがオン状態のときには(図24に示すステップS111;Yes)、第1の可変入賞球装置61への遊技球の入賞に基づく乱数値の抽出処理を実行する(図25に示すステップS203)。そして、次の遊技制御割込処理において、特別図柄選択フラグはクリアされてオフ状態となる(図22に示す特別図柄選択フラグ処理)。この後、CPU103は、第2の普通可変入賞球装置62への遊技球の入賞に基づく乱数値の抽出処理を実行する(図33に示すステップS303)。
一方、特別図柄選択フラグがオフ状態のときには(図32に示すステップS131;No)、第2の普通可変入賞球装置62への遊技球の入賞に基づく乱数値の抽出処理を実行する(図33に示すステップS303)。そして、次の遊技制御割込処理において、特別図柄選択フラグはオン状態にセットされる(図22に示す特別図柄選択フラグ処理)。この後、CPU103は、第1の普通可変入賞球装置61への遊技球の入賞に基づく乱数値の抽出処理を実行する(図25に示すステップS203)。
即ち、第1の普通可変入賞球装置61への遊技球の入賞と、第2の普通可変入賞球装置62への遊技球の入賞と、が同時に起こった場合、CPU103は、一回の遊技制御割込処理において、図25に示すステップS303の乱数値の抽出処理と図33に示すステップS303の乱数値の抽出処理とのうちのいずれか一方をのみ実行する。このため、第1の可変表示装置41と第2の可変表示装置42との間でランダムR1〜R3,R4−1〜R4−3及びR5等の乱数が同期することを防止することができる。
表示制御基板12では、CPU202が主基板11から受けた可変表示開始コマンドが第1の可変表示開始コマンド81XX(h)の場合には(図42に示すステップS409;Yes)、第1の可変表示装置41にて特図ゲームを行うことを決定し(図42に示すステップS411)、第2の可変表示開始コマンド82XX(h)の場合には(図42に示すステップS412;Yes)、第2の可変表示装置42にて特図ゲームを行うことを決定する(図42に示すステップS414)。そして、CPU202は、主基板11から受けた可変表示開始コマンドや左・中・右図柄指定コマンドなどに基づいて、今回の特図ゲームで使用する図柄表示制御プロセステーブルを決定し、図柄表示制御プロセステーブルメモリから読み出す。こうして読み出された表示制御プロセステーブルに従って、第1の可変表示装置41による特別図柄の可変表示や第2の可変表示装置42による特別図柄の可変表示が開始される。
図47は、各表示制御パターンを構成するプロセス(可変表示の状態)を示す説明図である。
図48は、第1の可変表示装置41により表示結果をハズレとする特図ゲームが開始された後に、第2の可変表示装置42により表示結果を大当りとする特図ゲームが開始された場合の表示制御例を示している。図49は、図48に示す表示制御タイミングに対応した特別図柄の可変表示態様の一例を示している。
この例では、主基板11から表示制御基板12には、図13に示す第1の通常ハズレ時短期可変表示パターン決定用テーブル170のうちから選択決定された可変表示パターンに対応する第1の可変表示開始コマンド8100(h)と、図15に示す第2の大当り時短期可変表示パターン決定用テーブル178のうちから選択決定された可変表示パターンに対応する第2の可変表示開始コマンド8180(h)と、が順次送出される。
図48に示す表示制御タイミングによる場合、表示制御基板12のCPU202が、主基板11から送信された第1の可変表示開始コマンド8100(h)を受信すると、図49に示すように、プロセスaにおいて、第1の可変表示装置41に停止表示されている左、右、中図柄(第1の左、中、右図柄)の加速可変表示が開始される。プロセスaにより第1の左、中、右図柄が所定速度まで加速した時点で、プロセスbにより一定速の可変表示が行われる。
次に、CPU202が主基板11から送信された第2の可変表示開始コマンド8180(h)を受信すると、図49に示すように、プロセスaにおいて、第2の可変表示装置42に停止表示されている左、右、中図柄(第2の左、中、右図柄)の加速可変表示が開始される。プロセスaにより第2の左、中、右図柄が所定速度まで加速した時点で、プロセスbにより一定速の可変表示が行われる。
続いて、第1の左図柄、第1の右図柄の順に順次、プロセスcにより減速可変表示に移行し、表示結果となる図柄を導出表示する。導出表示された第1の左図柄、第1の右図柄については、プロセスdにより仮停止表示される。そして、第1の中図柄がプロセスcにより減速可変表示に移行し、主基板11から送信された第1の特別確定コマンドB000(h)を受信すると、第1の左・中・右図柄の確定図柄を停止表示して1回の可変表示が終了する。これにより、第1の可変表示装置41上には、第1の左図柄、第1の右図柄、第1の中図柄の順に導出表示され、ハズレの確定図柄が停止表示される。
その後、第2の左図柄、第2の右図柄の順に順次、プロセスcにより減速可変表示に移行し、表示結果となる図柄を導出表示する。導出表示された第2の左図柄、第2の右図柄については、プロセスdにより仮停止表示される。そして、第2の中図柄がプロセスcにより減速可変表示に移行し、主基板11から送信された第2の特別確定コマンドC000(h)を受信すると、第2の左・中・右図柄の確定図柄を停止表示して1回の可変表示が終了する。これにより、第2の可変表示装置42上には、第2の左図柄、第2の右図柄、第2の中図柄の順に導出表示され、大当りの確定図柄が停止表示される。
図50は、第1の可変表示装置41により表示結果を大当りとする特図ゲームが開始された後に、第2の可変表示装置42により表示結果を大当りとする特図ゲームが開始された場合の表示制御例を示している。図51は、図50に示す表示制御タイミングに対応した特別図柄の可変表示態様の一例を示している。
この例では、主基板11から表示制御基板12には、図13に示す第1の大当り時短期可変表示パターン決定用テーブル172のうちから選択決定された可変表示パターンに対応する第1の可変表示開始コマンド8120(h)と、図16に示す第2の大当り時長期可変表示パターン決定用テーブル181のうちから選択決定された可変表示パターンに対応する第2の可変表示開始コマンド81B0(h)と、が順次送出される。
図50に示す表示制御タイミングによる場合、表示制御基板12のCPU202が、主基板11から送信された第1の可変表示開始コマンド8120(h)を受信すると、図51に示すように、プロセスaにおいて、第1の可変表示装置41に停止表示されている左、右、中図柄(第1の左、中、右図柄)の加速可変表示が開始される。プロセスaにより第1の左、中、右図柄が所定速度まで加速した時点で、プロセスbにより一定速の可変表示が行われる。
次に、CPU202が主基板11から送信された第2の可変表示開始コマンド82B0(h)を受信すると、図51に示すように、プロセスaにおいて、第2の可変表示装置42に停止表示されている左、右、中図柄(第2の左、中、右図柄)の加速可変表示が開始される。プロセスaにより第2の左、中、右図柄が所定速度まで加速した時点で、プロセスbにより一定速の可変表示が行われる。
続いて、第1の左図柄、第1の右図柄の順に順次、プロセスcにより減速可変表示に移行し、表示結果となる図柄を導出表示する。導出表示された第1の左図柄、第1の右図柄については、プロセスdにより仮停止表示される。そして、第1の中図柄がプロセスcにより減速可変表示に移行し、主基板11から送信された第1の特別確定コマンドB000(h)を受信すると、第1の左・中・右図柄の確定図柄を停止表示して1回の可変表示が終了する。これにより、第1の可変表示装置41上には、第1の左図柄、第1の右図柄、第1の中図柄の順に導出表示され、大当りの確定図柄が停止表示される。
大当り遊技状態になると、CPU202は、主基板11から送出された所定の大当りラウンド数指示コマンドに対応したラウンド数など、大当り遊技状態に応じた画像を第1の可変表示装置41上に表示する。そして、主基板11から送信された大当り終了コマンドD000(h)を受信すると、第1の可変表示装置41にて大当り遊技状態が終了したことを報知する演出表示を行う。
また、第2の可変表示装置42による特別図柄の可変表示の残り時間が短縮可変表示時間T120よりも長い場合には(図44に示すステップ502;Yes)、第2の可変表示時間タイマにこの短縮可変表示時間T120を設定することにより、可変表示の残り時間を短縮する(図44に示すステップ503)。このように可変表示の残り時間を短縮することによって、長期可変表示パターン決定用テーブルのうちから可変表示パターンを選択決定することにより第2の可変表示装置42に対して行った確定図柄の導出表示の規制を解除することができる。
その後、第2の左図柄、第2の右図柄の順に順次、プロセスcにより減速可変表示に移行し、表示結果となる図柄を導出表示する。導出表示された第2の左図柄、第2の右図柄については、プロセスdにより仮停止表示される。そして、第2の中図柄がプロセスcにより減速可変表示に移行し、主基板11から送信された第2の特別確定コマンドC000(h)を受信すると、第2の左・中・右図柄の確定図柄を停止表示して1回の可変表示が終了する。これにより、第2の可変表示装置42上には、第2の左図柄、第2の右図柄、第2の中図柄の順に導出表示され、大当りの確定図柄が停止表示される。
以上説明したように、この実施の形態によれば、第1の普通可変入賞球装置61への遊技球の入賞と第2の普通可変入賞球装置62への遊技球の入賞とが起こった場合、CPU103は、一回の遊技制御割込処理において、ステップS203の乱数値の抽出処理とステップS303の乱数値の抽出処理とのうちのいずれか一方を実行する。
このため、第1の普通可変入賞球装置61への遊技球の入賞と第2の普通可変入賞球装置62への遊技球の入賞とが同時に起こった場合であっても、第1の可変表示装置41と第2の可変表示装置42との間でランダムR1〜R3,R4−1〜R4−3及びR5等の乱数が同期することを防止することができる。また、第1の可変表示装置41と第2の可変表示装置42との間での乱数の同期を防止することにより、第1及び第2の確定図柄決定処理にて決定される確定図柄が同一の図柄になることを防止することができる。この結果、第1の可変表示装置41と第2の可変表示装置とにて導出表示される確定図柄が同一の確変大当り図柄になる等、確定図柄に偏りが生じることを防止することができる。
さらに、CPU103は、共通の乱数を用いて、第1及び第2の大当り判定処理と第1及び第2の確定図柄決定処理と第1及び第2の可変表示パターン設定処理とをそれぞれ実行することがきるため、判定用乱数更新処理と表示用乱数更新処理とを可変表示装置毎に実行する必要がないので、制御負担を低減することができる。また、第1の可変表示装置41と第2の可変表示装置42とを備えることによって、演出内容を向上させることができる。
さらに、特別図柄選択フラグが遊技制御割込処理ごとにオン/オフ制御されることに伴い、CPU103は、ステップS203の乱数値の抽出処理とステップS303の乱数値の抽出処理とを交互に実行する。これにより、ステップS203の抽出処理とステップS303の抽出処理とに偏りが生じることを防止することができる。このため、CPU103は、遊技の進行を適正に行うことができる。
また、CPU103は、ランダムカウンタ113より抽出されたランダムR6の値に基づいて、一回の遊技制御割込処理におけるランダムR1の更新回数を決定することができるため、ランダムカウンタ113より抽出されるランダムR1のランダム性を高めることができる。
さらに、CPU103は、ランダムカウンタ113より抽出されたランダムR7の値をランダムR1の値に加算することによって、ランダムR1を更新するため、ランダムカウンタ113より抽出されるランダムR1のランダム性を高めることができる。なお、ランダムR1の値からランダムカウンタ113より抽出されたランダムR7の値を減算することによって、ランダムR1を更新してもよい。
また、CPU103は、第1及び第2の特別図柄プロセス処理において、各処理を共通のサブルーチンプログラムによって実行することができる。例えば、第1及び第2の大当り判定処理を、大当り判定処理実行プログラム137によって実行することができる。このため、主基板11のROM101が記憶するデータ量やCPU103の処理負担を低減させることができる。
さらに、長期可変表示パターン決定用テーブル173〜175及び179〜181の可変表示パターンには、短期可変表示パターン決定用テーブル170〜172及び176〜178の可変表示パターンの総可変表示時間と、大当りの確定図柄が導出表示されて大当り遊技状態が発生したときから終了するときまでの時間(大当り時間)と、を加算した時間よりもさらに長い時間が総可変表示時間として設定されている。
第1の可変表示装置41による特図ゲームと第2の可変表示装置42による特図ゲームとが並行して実行され、一方の特図ゲームの表示結果が大当りとなる場合、他方の特図ゲームには、上記の長期可変表示パターン決定用テーブル173〜175及び179〜181のうちから選択決定された可変表示パターンが用いられる。このため、一方の特図ゲームにて大当りの確定図柄が導出表示されたことを契機として発生する大当り遊技状態が終了するまで、他方の特図ゲームでの確定図柄の導出表示を規制することができる。
これにより、第1及び第2の可変表示装置41及び42による特図ゲームの表示結果が共に大当りとなる場合、第1及び第2の可変表示装置41及び42による演出を実行しつつも、第1及び第2の可変表示装置41及び42にて大当りが同時に発生して遊技者にとって極端に有利な状態になることを防止することができる。
なお、一方の特図ゲームの表示結果が大当りとなる場合、他方の特図ゲームを開始させないことで、第1及び第2の可変表示装置41及び42での大当りの同時発生を防止することもできるが、このようにすると、大当りとなることを遊技者に悟られてしまうので、適切ではない。
また、主基板11のCPU103は、一方の可変表示装置にて発生した大当りを終了させるとき、他方の可変表示装置の可変表示時間タイマをチェックする。可変表示時間タイマのタイマ値が短縮タイマ値よりも大きいと判別したときには、短縮可変表示時間T120をメイン側の可変表示時間タイマに設定すると共に、表示制御基板12に対して大当り終了コマンドD000(h)を送出する。
そして、表示制御基板12のCPU202は、主基板11から送信された大当り終了コマンドD000(h)を受信すると、短縮可変表示時間T120をサブ側の可変表示時間タイマに設定し、可変表示の残り時間を短縮する。このように可変表示の残り時間を短縮することによって、長期可変表示パターン決定用テーブルのうちから可変表示パターンを選択決定することにより他方の可変表示装置に対して行った確定図柄の導出表示の規制を解除することができる。この結果、大当り終了後、適切なタイミングで、他方の可変表示装置における識別情報の表示結果の導出表示を行うことができる。
なお、この発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、この発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
上記実施の形態において、第1の特別図柄プロセス処理にて特別図柄選択フラグがオン状態であると判別した場合は、例え第2の普通入賞球装置62に遊技球が入賞したときであっても、第2の入賞処理を実行することはなかった。しかしながら、本発明は、これに限定されず、第1の特別図柄プロセス処理にて特別図柄選択フラグがオン状態であると判別した場合であっても、第1の普通入賞球装置61に遊技球が入賞していないが第2の普通入賞球装置62に遊技球が入賞したときには、第2の入賞処理を実行してもよい。
図52は、図24の第1の特別図柄プロセス処理の変形例を示すフローチャートである。第1の特別図柄プロセス処理を開始すると、CPU103は、まず、フラグメモリ118に設けられている特別図柄選択フラグをチェックし(ステップS151)、特別図柄選択フラグがオンである場合には(ステップS151;Yes)、遊技球が第1の普通可変入賞球装置61に入賞したか否かを、各入賞口スイッチ70に含まれる第1の始動球検出スイッチから入力される検出信号をチェックすることなどより、判別する(ステップS152)。遊技球が入賞して第1の始動球検出スイッチからの検出信号がオン状態となった場合(ステップS152;Yes)、入賞処理実行プログラム134を呼び出して第1の入賞処理を実行する(ステップS153)。一方、特別図柄選択フラグがオフである場合(ステップS151;No)には、第1の入賞処理をスキップする。
そして、ステップS152にて遊技球が入賞していないと判別された場合(ステップS152;No)には、特別図柄選択フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS154)。その後、図32に示す第2の特別図柄プロセス処理にて、CPU103は、遊技球が第2の普通可変入賞球装置62に入賞したか否かを、各入賞口スイッチ70に含まれる第2の始動球検出スイッチから入力される検出信号をチェックすることなどより、判別する(ステップS132)。遊技球が入賞して第2の始動球検出スイッチからの検出信号がオン状態となった場合(ステップS132;Yes)には、入賞処理実行プログラム134を呼び出して第2の入賞処理を実行する(ステップS133)。
これにより、第1の特別図柄プロセス処理にて特別図柄選択フラグがオン状態であると判別した場合、CPU103は、第1の普通入賞球装置61に遊技球が入賞したときには、第1の入賞処理を実行し、第1の普通入賞球装置61に遊技球が入賞していないが第2の普通入賞球装置62に遊技球が入賞したときには、第2の入賞処理を実行することができる。
また、上記実施の形態において、第1の可変表示装置41による特図ゲームと第2の可変表示装置42による特図ゲームとが並行して実行され、一方の特図ゲームの表示結果が大当りとなる場合、他方の特図ゲームに長期可変表示パターン決定用テーブル173〜175及び179〜181のうちから選択決定された可変表示パターンを用いることによって、大当り遊技状態が終了するまで、他方の特図ゲームでの確定図柄の導出表示を規制していた。しかしながら、本発明は、これに限定されず、他方の特図ゲームでの特別図柄の可変表示を大当り遊技状態が終了するまで停止することによって、確定図柄の導出表示を規制してもよい。
図53は、図24の第1の可変表示停止時処理の変形例を示すフローチャートである。この処理において、CPU103は、図53に示すように、まず、第1の特別図柄確定コマンドB000(h)を表示制御基板12に対して送出するための設定を行う(ステップS271)。例えば、第1の特別図柄確定コマンドB000(h)に対応する制御データを、所定のコマンド送信テーブルに設定するなどして、第1の特別図柄確定コマンドB000(h)を送出可能に設定する。
続いて、CPU103は、フラグメモリ118に設けられた第1の大当り状態フラグがオンとなっているか否かを判別し(ステップS272)、オンとなっているときには(ステップS272;Yes)、可変表示時間タイマに設けられている第2の可変表示時間タイマのカウントダウンを一時停止した後(ステップS273)、第1の特別図柄プロセスフラグの値を第1の大入賞口開放前処理に対応する値である「6」に更新する(ステップS274)。一方、第1の大当り状態フラグがオフであるときには(ステップS272;No)、第1の特別図柄プロセスフラグの値を「0」に更新する(ステップS275)。
図54は、図31の第1の大当り終了処理の変形例を示すフローチャートである。この処理において、CPU103は、図54に示すように、まず、CPU103は、表示制御基板12に対して大当り終了コマンドD000(h)を送出するための設定を行うなどして、大当り遊技状態を終了させる(ステップS281)。続いて、CPU103は、可変表示時間タイマ119に設けられた第2の可変表示時間タイマのカウントダウンを再開する(ステップS282)。また、フラグメモリ118に設けられた第1の大当り状態フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS283)。そして、第1の特別図柄プロセスフラグの値を「0」に更新する(ステップS284)。
図55は、図32の第2の可変表示停止時処理の変形例を示すフローチャートである。この処理において、CPU103は、図55に示すように、まず、第2の特別図柄確定コマンドC0XX(h)を表示制御基板12に対して送出するための設定を行う(ステップS371)。続いて、CPU103は、フラグメモリ118に設けられた第2の大当り状態フラグがオンとなっているか否かを判別し(ステップS372)、オンとなっているときには(ステップS372;Yes)、可変表示時間タイマに設けられている第1の可変表示時間タイマのカウントダウンを一時停止した後(ステップS373)、第1の特別図柄プロセスフラグの値を第2の大入賞口開放前処理に対応する値である「6」に更新する(ステップS374)。一方、第2の大当り状態フラグがオフであるときには(ステップS372;No)、第2の特別図柄プロセスフラグの値を「0」に更新する(ステップS375)。
図56は、図39の第2の大当り終了処理の変形例を示すフローチャートである。この処理において、CPU103は、図56に示すように、まず、CPU103は、表示制御基板12に対して大当り終了コマンドD0XX(h)を送出するための設定を行うなどして、大当り遊技状態を終了させる(ステップS381)。続いて、CPU103は、可変表示時間タイマ119に設けられた第2の可変表示時間タイマのカウントダウンを再開する(ステップS382)。また、フラグメモリ118に設けられた第2の大当り状態フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS383)。そして、第2の特別図柄プロセスフラグの値を「0」に更新する(ステップS384)。
図57は、図43の第1の特別図柄停止待ち処理の変形例を示すフローチャートである。この処理において、CPU202は、図57に示すように、まず、主基板11から送信された第1の特別図柄確定コマンドB000(h)を表示制御コマンドとして受信したか否かを判別する(ステップS521)。第1の特別図柄確定コマンドB000(h)を受信していないときには(ステップS521;No)、第1の監視タイマがタイムアウトしたか否かを判別し(ステップS522)、タイムアウトしていなければ(ステップS522;No)、そのまま第1の特別図柄停止待ち処理が終了する。
一方、第1の監視タイマがタイムアウトしたとき(ステップS522;Yes)、CPU202は、何らかの異常が発生したと判断して、第1の可変表示装置41上に所定のエラー画面を表示する制御を行う(ステップS523)。この後、ステップS527に進む。
また、ステップS521にて第1の特別図柄確定コマンドを受信したと判別したとき(ステップS521;Yes)、CPU202は、第1の可変表示装置41にて実行中である特別図柄の可変表示を終了させ、各図柄における確定図柄を停止表示する制御を行い(ステップS524)、各図柄の表示結果が特定表示結果である大当りとなったか否かを判別する(ステップS525)。大当りではないときには(ステップS525;No)、ステップS527に進み、大当りであるときには(ステップS525;Yes)、各種タイマ231に設けられている第2の可変表示時間タイマのカウントダウンを一時停止した後(ステップS526)、ステップS528に進む。
ステップS527において、CPU202は、第1の表示制御プロセスフラグの値を「0」に更新して、第1の特別図柄停止待ち処理を終了する。また、ステップS528においては、第1の表示制御プロセスフラグの値を第1の大当り表示処理に対応する値である「5」に更新して、第1の特別図柄停止待ち処理が終了する。
図58は、図44の第1の大当り終了表示処理の変形例を示すフローチャートである。この処理において、CPU202は、図58に示すように、まず、主基板11から大当り終了コマンドD000(h)を受信したことに応答して、第1の可変表示装置41にて大当り遊技状態が終了したことを報知する演出表示の制御を行う(ステップS531)。また、CPU202は、各種タイマ213に設けられた第2の可変表示時間タイマのカウントダウンを再開する(ステップS532)。そして、大当り遊技状態が終了したことを報知する演出表示が終了すると、第1の表示制御プロセスフラグの値を「0」に更新する(ステップS533)。
図59は、図45の第2の特別図柄停止待ち処理の変形例を示すフローチャートである。この処理において、CPU202は、図59に示すように、まず、主基板11から送信された第2の特別図柄確定コマンドC000(h)を表示制御コマンドとして受信したか否かを判別する(ステップS541)。第2の特別図柄確定コマンドC000(h)を受信していないときには(ステップS541;No)、第2の監視タイマがタイムアウトしたか否かを判別し(ステップS542)、タイムアウトしていなければ(ステップS542;No)、そのまま第2の特別図柄停止待ち処理が終了する。
一方、第2の監視タイマがタイムアウトしたとき(ステップS542;Yes)、CPU202は、何らかの異常が発生したと判断して、第2の可変表示装置42上に所定のエラー画面を表示する制御を行う(ステップS543)。この後、ステップS547に進む。
また、ステップS541にて第2の特別図柄確定コマンドを受信したと判別したとき(ステップS541;Yes)、CPU202は、第2の可変表示装置42にて実行中である特別図柄の可変表示を終了させ、各図柄における確定図柄を停止表示する制御を行い(ステップS544)、各図柄の表示結果が特定表示結果である大当りとなったか否かを判別する(ステップS545)。大当りではないときには(ステップS545;No)、ステップS547に進み、大当りであるときには(ステップS545;Yes)、各種タイマ231に設けられている第1の可変表示時間タイマのカウントダウンを一時停止した後(ステップS546)、ステップS548に進む。
ステップS547において、CPU202は、第2の表示制御プロセスフラグの値を「0」に更新して、第2の特別図柄停止待ち処理を終了する。また、ステップS548においては、第2の表示制御プロセスフラグの値を第2の大当り表示処理に対応する値である「5」に更新して、第2の特別図柄停止待ち処理が終了する。
図60は、図46の第2の大当り終了表示処理の変形例を示すフローチャートである。この処理において、CPU202は、図60に示すように、まず、主基板11から大当り終了コマンドD000(h)を受信したことに応答して、第2の可変表示装置42にて大当り遊技状態が終了したことを報知する演出表示の制御を行う(ステップS551)。また、CPU202は、各種タイマ213に設けられた第1の可変表示時間タイマのカウントダウンを再開する(ステップS552)。そして、大当り遊技状態が終了したことを報知する演出表示が終了すると、第2の表示制御プロセスフラグの値を「0」に更新する(ステップS553)。
図61は、第1の可変表示装置41により表示結果を大当りとする特図ゲームが開始された後に、第2の可変表示装置42により表示結果を大当りとする特図ゲームが開始された場合の表示制御例を示している。図62は、図61に示す表示制御タイミングに対応した特別図柄の可変表示態様の一例を示している。
この例では、主基板11から表示制御基板12には、図13に示す第1の大当り時短期可変表示パターン決定用テーブル172のうちから選択決定された可変表示パターンに対応する第1の可変表示開始コマンド8120(h)と、図15に示す第2の大当り時短期可変表示パターン決定用テーブル178のうちから選択決定された可変表示パターンに対応する第2の可変表示開始コマンド8180(h)と、が順次送出される。
図61に示す表示制御タイミングによる場合、表示制御基板12のCPU202が、主基板11から送信された第1の可変表示開始コマンド8120(h)を受信すると、図62に示すように、プロセスaにおいて、第1の可変表示装置41に停止表示されている左、右、中図柄(第1の左、中、右図柄)の加速可変表示が開始される。プロセスaにより第1の左、中、右図柄が所定速度まで加速した時点で、プロセスbにより一定速の可変表示が行われる。
次に、CPU202が主基板11から送信された第2の可変表示開始コマンド8280(h)を受信すると、図62に示すように、プロセスaにおいて、第2の可変表示装置42に停止表示されている左、右、中図柄(第2の左、中、右図柄)の加速可変表示が開始される。プロセスaにより第2の左、中、右図柄が所定速度まで加速した時点で、プロセスbにより一定速の可変表示が行われる。
続いて、第1の左図柄、第1の右図柄の順に順次、プロセスcにより減速可変表示に移行し、表示結果となる図柄を導出表示する。導出表示された第1の左図柄、第1の右図柄については、プロセスdにより仮停止表示される。そして、第1の中図柄がプロセスcにより減速可変表示に移行し、主基板11から送信された第1の特別確定コマンドB000(h)を受信すると、第1の左・中・右図柄の確定図柄を停止表示して1回の可変表示が終了する。これにより、第1の可変表示装置41上には、第1の左図柄、第1の右図柄、第1の中図柄の順に導出表示され、大当りの確定図柄が停止表示される。また、CPU202は、各種タイマ213に設けられている第2の可変表示時間タイマのカウントダウンを一時停止することにより、第2の左、中、右図柄を仮停止表示する。このようにして、CPU202は、第2の可変表示装置42による確定図柄の導出表示を規制することができる。
大当り遊技状態になると、CPU202は、主基板11から送出された所定の大当りラウンド数指示コマンドに対応したラウンド数など、大当り遊技状態に応じた画像を第1の可変表示装置41上に表示する。そして、主基板11から送信された大当り終了コマンドD000(h)を受信すると、第1の可変表示装置41にて大当り遊技状態が終了したことを報知する演出表示を行う。また、CPU202は、第2の可変表示時間タイマのカウントダウンを再開することにより、第2の左、中、右図柄の可変表示を再開する。このようにして、CPU202は、第2の可変表示装置42に対して行った確定図柄の導出表示の規制を解除することができる。
その後、第2の左図柄、第2の右図柄の順に順次、プロセスcにより減速可変表示に移行し、表示結果となる図柄を導出表示する。導出表示された第2の左図柄、第2の右図柄については、プロセスdにより仮停止表示される。そして、第2の中図柄がプロセスcにより減速可変表示に移行し、主基板11から送信された第2の特別確定コマンドC000(h)を受信すると、第2の左・中・右図柄の確定図柄を停止表示して1回の可変表示が終了する。これにより、第2の可変表示装置42上には、第2の左図柄、第2の右図柄、第2の中図柄の順に導出表示され、大当りの確定図柄が停止表示される。
このように、第1の可変表示装置41上に大当りの確定図柄が停止表示されたときから大当り遊技状態が終了するときまで、第2の可変表示装置42による特別図柄の可変表示を停止することにより、第1及び第2の可変表示装置41及び42にて大当りが同時に発生することを防止することができる。
さらに、上記実施の形態において、CPU103は、ステップS203及びS303にて、ランダムカウンタ113より大当り判定用のランダムR1,リーチ判定用のランダムR2,可変表示パターン決定用のランダムR3,図柄決定用のランダムR4−1〜R4−3及び確変判定用のランダムR5を抽出していたが、本発明は、これに限定されず、ステップS203及びS303にて抽出される乱数は任意である。
例えば、CPU103は、ステップS203及びS303にてランダムR1のみを抽出し、ランダムR2,R4及びR5を第1及び第2の確定図柄決定処理にて、また、ランダムR3を第1及び第2の可変表示パターン設定処理にて、それぞれ抽出してもよい。このようにしても、ステップS203の乱数値の抽出処理とステップS303の乱数値の抽出処理とが異なる遊技制御割込処理にて実行されることため、これに伴い、第1及び第2の確定図柄決定処理や第1及び第2の可変表示パターン設定処理も一回の遊技制御割込処理において択一的に実行される。このため、第1の可変表示装置41と第2の可変表示装置42との間でのランダムR1の同期のみならず、ランダムR2〜R5の同期をも防止することができる。
また、本発明の遊技機は、パチンコ遊技機等の弾球遊技機であってもよく、画像表示装置を有するものであれば、例えば、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。さらには、プリペイドカードによって球貸しを行うCR式パチンコ遊技機だけではなく、現金によって球貸しを行うパチンコ遊技機にも適用可能である。すなわち、LCD等からなる画像表示装置を有し、識別情報としての図柄を可変表示することが可能な遊技機であれば、どのような形態のものであっても構わない。
さらに、図1及び図2に示した装置構成、図3,図5,図17及び図18に示すブロック構成、図8〜図16,図19及び図20に示すテーブル構成や、図21〜図46及び図52〜図60に示すフローチャート構成は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更及び修正が可能である。また、図49,図51及び図62の表示例も一例として示したものであり、同一の動画像データを用いた動画再生を行うときに表示される文字列画像の種類に応じて大当りとなる確率を異ならせることができるものであれば、任意に変更されたものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などにも本発明を適用することができる。本発明を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等にいったん格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
また、本発明は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。