JP2004350871A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】特定表示結果となる表示図柄への興味と期待感を向上するとともに、表示図柄の配列を用いて面白みのある演出を行う。
【解決手段】主基板に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータのCPUは、大当りの表示結果を構成する確定図柄として導出表示させた確変大当り図柄に応じた図柄増加回数が1加算されるように、図柄増加回数テーブルに格納されている図柄増加回数を示すデータを更新する。表示制御基板のCPUは、主基板からの図柄増加コマンドによって指定された特別図柄に対応する図柄表示設定データを可変表示図柄配列データ格納領域にセットすることにより(ステップS403)、初期設定状態にて可変表示に用いられる第1の特別図柄配列を構成する特別図柄に確変大当り図柄を増加した第2の特別図柄配列を生成する。
【選択図】 図32
【解決手段】主基板に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータのCPUは、大当りの表示結果を構成する確定図柄として導出表示させた確変大当り図柄に応じた図柄増加回数が1加算されるように、図柄増加回数テーブルに格納されている図柄増加回数を示すデータを更新する。表示制御基板のCPUは、主基板からの図柄増加コマンドによって指定された特別図柄に対応する図柄表示設定データを可変表示図柄配列データ格納領域にセットすることにより(ステップS403)、初期設定状態にて可変表示に用いられる第1の特別図柄配列を構成する特別図柄に確変大当り図柄を増加した第2の特別図柄配列を生成する。
【選択図】 図32
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に係り、詳しくは、可変表示の実行条件が成立した後に可変表示の開始条件が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する可変表示装置を備え、識別情報の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ遊技機等の遊技機においては、液晶表示装置(以下LCD:Liquid Crystal Display)等の表示装置上に所定の識別情報となる表示図柄を更新表示させることで可変表示を行い、その表示結果により所定の遊技価値を付与するか否かを決定する、いわゆる可変表示ゲームによって遊技興趣を高めたものが数多く提供されている。
【0003】
可変表示ゲームには、主に、前述した表示装置を画像表示装置として用いることにより行うもの(以下、特図ゲーム)がある。特図ゲームは、所定領域を通過する遊技球の検出に伴って表示図柄の更新表示を行い、表示図柄の更新表示が完全に停止した際の停止図柄態様が特定表示態様となっている場合を「大当り」とするゲームである。特図ゲームにおいて「大当り」となると、大入賞口またはアタッカと呼ばれる特別電動役物を開放状態とし、遊技者に対して遊技球の入賞が極めて容易となる状態を一定時間継続的に提供する。
【0004】
ここで、特図ゲームにおいて大当りとなり、特別電動役物が開放状態となることにより、遊技者に対して遊技球の入賞がきわめて容易となる状態となることを特定遊技状態(あるいは大当り遊技状態)という。特定遊技状態となるためには、通常、表示図柄の停止図柄態様が予め定められた特定表示態様となること(一般的には表示図柄が同一図柄で揃うこと)が条件となる。
【0005】
このように、遊技者にとって特図ゲームは、停止図柄態様が特定表示態様となって「大当り」となるか否かに最大の関心が払われることになる。また、特定遊技状態の終了後に特図ゲームで「大当り」となる確率を通常よりも向上させる確率変動制御(確変制御)等の制御が行われる遊技機では、表示図柄の停止図柄態様が確変制御を行う契機となる所定の表示図柄(確変図柄)からなる表示態様となることに、大きな関心が払われることになる。
【0006】
そこで、従来より、例えば表示図柄ごとに特定表示態様となって「大当り」となった回数といった、表示図柄と関連する履歴情報を、各表示図柄に付記して可変表示したり、所定の履歴情報表示領域にて各表示図柄に添え字として一体的に付加して表出させるなどして、表示図柄と関連付けて表示するものが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0007】
また、例えば確変制御が行われているときに特図ゲームでの表示図柄の停止図柄態様を特定表示態様とすることが判定され、さらに選出した乱数値に基づいて表示図柄の割合を変更する旨の決定がなされるなどといった、所定の条件が成立したときに、確変図柄や非確変図柄などの特定の図柄種の割合を変更するものが提案されている(例えば、特許文献2)。また、特許文献2に開示された遊技機では、特定の図柄種の増加に伴って、他の図柄種を減少させることにより、循環変動する各図柄列における表示図柄の数量を変化させないこともできる。
【0008】
【特許文献1】
特開2003−899号公報(第8、9頁、図4〜図11)
【特許文献2】
特開2003−19294号公報(第8〜10頁、図4〜図6)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された遊技機では、履歴情報は過去に行われた特図ゲームでの結果を示すものにすぎず、次の特図ゲームでの停止図柄態様がどの表示図柄で「大当り」になるかということに対する遊技者の期待感を高めることは困難であった。また、特許文献2に開示された遊技機では、特定の図柄種の割合を増加させるために、他の図柄種を減少させている。このため、減少されてしまった表示図柄では「大当り」になることがなくなってしまい、演出上の面白みに欠けるという問題があった。
【0010】
この発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、「大当り」となる表示図柄への興味と期待感を向上するとともに、表示図柄の配列を用いて面白みのある演出を行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本願の請求項1に記載の遊技機は、可変表示の実行条件(例えば普通可変入賞球装置6への入賞によりステップS100にてYesと判定されたこと)が成立した後に可変表示の開始条件(例えば可変表示装置4における前回の可変表示及び大当り遊技状態が終了したこと)が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば可変表示装置4)を備え、可変表示の表示結果が予め定められた特定表示結果(例えば図34(B)に示す図柄の大当り組合せのように、表示図柄が同一図柄で揃った表示結果)となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御する遊技機であって、可変表示の実行条件が成立したことに基づいて実行される可変表示の表示結果として特定表示結果を表示するか否かを当該表示結果が導出表示される以前に判定する事前判定手段(例えばCPU103がステップS204やステップS523の大当り判定処理を実行する部分など)と、前記事前判定手段の決定結果に基づいて表示結果として表示される識別情報を選択決定する識別情報選択手段(例えばCPU103がステップS111の確定特別図柄設定処理を実行する部分など)と、前記可変表示装置において識別情報の可変表示を行い、前記識別情報選択手段によって選択決定された識別情報を表示結果として表示する制御を行う可変表示制御手段(例えばCPU103がステップS25の特別図柄プロセス処理を実行する部分やCPU112など)、とを備え、前記可変表示制御手段は、予め定められた複数種類の識別情報により構成される第1の識別情報配列(例えば図35に示す特別図柄配列)を示す配列データを用いて識別情報の可変表示を制御するとともに、前記識別情報選択手段によって選択決定され、特定表示結果として表示された識別情報を、前記第1の識別情報配列を構成する識別情報に増加させた第2の識別情報配列(例えば図36に示す特別図柄配列)を示す配列データを生成する識別情報増加手段(例えばCPU103がステップS282〜S284の処理を実行する部分やCPU112がステップS402〜S406の処理を実行する部分など)と、前記識別情報増加手段によって生成された第2の識別情報配列を示す配列データを用いて識別情報の可変表示を制御する増加配列表示制御手段(例えばCPU112がステップS402〜S406の処理を実行した後にステップS152の特別図柄可変表示中処理を実行する部分など)、とを含む。
【0012】
請求項1に記載の構成によれば、識別情報増加手段が、識別情報選択手段によって選択決定されて特定表示結果として表示された識別情報を、第1の識別情報配列を構成する識別情報に増加させた第2の識別情報配列を示す配列データを生成し、増加配列表示制御手段が、第2の識別情報配列を示す配列データにより識別情報の可変表示を制御する。これにより、第1の識別情報配列に含まれている識別情報を減少させることがないので、特定表示結果、すなわち「大当り」の表示結果となる識別情報に対する興味と期待感を向上できるとともに、識別情報の配列を用いて面白みのある演出を行うことができる。
【0013】
請求項2に記載の遊技機においては、前記第1の識別情報配列と前記第2の識別情報配列とはいずれも、特定遊技状態が終了した後に、前記事前判定手段によって特定表示結果を表示する旨の判定がなされる確率が通常遊技状態時よりも高くなるように制御される特別遊技状態(例えばステップS301にてYesと判定される確率向上状態)となるときに特定表示結果として表示される特別の識別情報(例えば図柄番号が「1」、「3」、「5」、「7」、「9」である確変大当り図柄としての特別図柄)と、特定遊技状態が終了した後に、前記特別遊技状態に制御されないとき(例えばステップS301にてNoと判定されるとき)に特定表示結果として表示される非特別の識別情報(例えば図柄番号が「0」、「2」、「4」、「6」、「8」である通常大当り図柄としての特別図柄)、とを含み、前記識別情報増加手段は、前記識別情報選択手段が特定表示結果とする識別情報として前記特別の識別情報を選択決定したとき(例えばCPU103がステップS236、S237の処理を実行したとき)のみに、当該特定表示結果として選択決定された前記特別の識別情報を増加させて第2の識別情報配列を示す配列データを生成する(例えばステップS271にてYesと判定されたときに実行する処理など)。なお、通常遊技状態は、特定遊技状態や特別遊技状態以外の遊技状態であり、事前判定手段によって特定表示結果を表示する旨の判定がなされる確率が、例えば遊技機の電源投入直後などの初期設定状態と同一に制御される。この構成によれば、事前判定手段によって特定表示結果を表示する旨の判定がなされる確率の高くなる特別の識別情報のみが増加するので、以後の可変表示にて特別の識別情報による特定表示結果が表示されて特別遊技状態に制御されることに対する遊技者の期待感を向上させることができる。
【0014】
請求項3に記載の遊技機においては、前記識別情報選択手段は、前記事前判定手段によって特定表示結果を表示する旨の判定がなされたときに、前記識別情報増加手段によって増加されている識別情報を、前記識別情報増加手段によって増加されていない識別情報と比較して高い割合で特定表示結果とする識別情報として選択決定する(例えばCPU103がステップS283にて確変大当り図柄決定用テーブル143におけるランダムR4−1の割当てを変更する)。この構成によれば、識別情報増加手段によって増加されている識別情報による特定表示結果が表示されることで、当該識別情報をさらに増加させることが容易になり、その識別情報による特定表示結果が表示されやすいとの印象を遊技者に与えることにより、増加した識別情報に対する遊技者の興味を向上させることができる。
【0015】
請求項4に記載の遊技機においては、前記識別情報増加手段によって増加された識別情報を報知する増加識別情報報知手段(例えばCPU112によるステップS405、S406の処理の実行に応じてVDP115が図34(E)、(F)に示す画像を可変表示装置4に表示させる部分など)をさらに備える。この構成によれば、特定表示結果となった識別情報が増加することを遊技者に印象付けることにより、特定表示結果となった識別情報に対する遊技者の期待感を向上させることができる。
【0016】
請求項5に記載の遊技機においては、前記可変表示制御手段は、前記識別情報増加手段によって前記第2の識別情報配列を示す配列データが生成されたとき、前記第1の識別情報配列を構成する識別情報に対して識別情報が増加された回数を計数する全体増加回数計数手段(例えば図柄増加回数テーブル147における「合計」に対応した「増加回数」を格納する部分や、CPU103がステップS282の処理を実行する部分など)と、前記全体増加回数計数手段によって計数された計数値が所定の全体判定値(例えば「10」)となったか否かを判定する全体計数値判定手段(例えばCPU103がステップS273の処理を実行する部分)と、前記全体増加回数計数手段によって計数された計数値が前記所定の全体判定値となった旨の判定が前記全体計数値判定手段によりなされたときに、前記可変表示制御手段により用いられる配列データを、前記第2の識別情報配列を示す配列データから前記第1の識別情報配列を示す配列データに切り換える全体配列データ切換手段(例えばCPU103がステップS274〜S276の処理を実行する部分やCPU112がステップS414〜S418の処理を実行する部分など)、とを備える。この構成によれば、可変表示される識別情報の数が極端に増加することによる遊技者の混乱を防止して、識別情報の可変表示における制御負担を軽減することができる。
【0017】
請求項6に記載の遊技機においては、前記可変表示制御手段は、前記識別情報増加手段によって前記第2の識別情報配列を示す配列データが生成されたとき、前記第1の識別情報配列を構成する識別情報に対して所定の識別情報が増加された回数を計数する個別増加回数計数手段(例えば図柄増加回数テーブル147における「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の「図柄番号」に対応した「増加回数」を格納する部分や、CPU103がステップS282の処理を実行する部分など)と、前記個別増加回数計数手段によって計数された計数値が所定の個別判定値(例えば「5」)となったか否かを判定する個別計数値判定手段(例えばCPU103がステップS278の処理を実行する部分)と、前記個別計数値判定手段によって計数された計数値が前記所定の個別判定値となった旨の判定が前記個別計数値判定手段によりなされたときに、前記第2の識別情報配列を構成する識別情報のうちに前記所定の識別情報が含まれている数を、前記第1の識別情報配列を構成する識別情報のうちに前記所定の識別情報が含まれている数に変更するように、前記可変表示制御手段により用いられる配列データを切り換える個別配列データ切換手段(例えばCPU103がステップS279〜S281の処理を実行する部分やCPU112がステップS408〜S412の処理を実行する部分など)、とを備える。この構成によれば、同一の識別情報の数が極端に増加することを防ぐことにより、特定の識別情報が過度に偏って表示されることを防止し、遊技者の期待感が過度に高められることを抑制することができる。
【0018】
請求項7に記載の遊技機においては、所定の数値データを更新する数値データ更新手段(例えばCPU103がステップS23の判定用乱数更新処理を実行する部分など)と、可変表示の実行条件の成立に応じて前記数値データ更新手段が更新する数値データを抽出する数値データ抽出手段(例えばCPU103がステップS100の入賞処理を実行する部分など)と、前記数値データ抽出手段が抽出した数値データを、抽出順番を特定可能に記憶する保留記憶手段(例えば特図保留メモリ120)と、可変表示の実行条件に基づく可変表示の開始条件が成立する前に、前記保留記憶手段に記憶された数値データが所定の判定値データと合致するか否かを判定し(例えばステップS523の大当り判定処理など)、合致する旨の判定がなされたときに当該実行条件の成立に基づいて実行される可変表示の表示結果として特定表示結果を表示する旨の判定を行う開始前判定手段(例えばCPU103がステップS503の保留記憶判定処理を実行する部分など)、とを備え、前記識別情報増加手段は、前記開始前判定手段によって特定表示結果を表示する旨の判定がなされたときに(例えばステップS524にてYesと判定されたとき)、当該特定表示結果を表示する旨の判定がなされた可変表示の表示結果として前記識別情報選択手段によって選択決定された識別情報を、当該特定表示結果を表示する旨の判定がなされた可変表示の表示結果が導出表示される前に増加させる(例えばステップS529の図柄増加設定処理など)。この構成によれば、特定表示結果となる可変表示の表示結果が導出表示されるよりも前に識別情報を増加させることにより、遊技者の期待感を持続させることができ、識別情報の配列を用いて面白みのある演出を行うことができる。
【0019】
請求項8に記載の遊技機においては、前記可変表示制御手段は、前記第1の識別情報配列に含まれる各々の識別情報をデータにより特定可能に定義する複数種類の識別情報データを格納する識別情報データ格納手段(例えばCGROM116など)と、前記識別情報データ格納手段に格納されている複数種類の識別情報データを順次に読み出して生成される画像を前記可変表示装置に表示させることによって識別情報の可変表示を行う画像処理手段(例えばVDP115や、CPU112が図31に示す特図画像表示制御処理を実行する部分など)、とを含み、前記画像処理手段は、前記識別情報増加手段によって増加された識別情報の識別情報データを前記識別情報データ格納手段から複数回読み出して表示することにより(例えばCPU112によるステップS351〜S355の処理の実行に応じてVDP115が可変表示図柄配列データ格納領域131bに図柄表示設定データが格納されている順序で表示図柄画像データを読み出す)、識別情報の可変表示を行う。この構成によれば、識別情報データのデータ量を増大させることなく第2の識別情報配列を生成し、第2の識別情報配列を構成する識別情報の可変表示を行うことができるので、識別情報データのデータ量を増大させることなく識別情報の配列を用いた面白みのある演出を可能として識別情報データの格納に必要な記憶容量を抑えることができ、識別情報の可変表示における制御負担を軽減することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明においてリーチ表示状態とは、導出表示した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ導出表示していない図柄(リーチ変動図柄という)については可変表示が行われている状態、あるいは、全て又は一部の図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して可変表示している状態のことである。具体的には、予め定められた複数の表示領域に、予め定められた図柄が停止することで大当りとなる有効ラインが定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において可変表示が行われている状態(例えば、左、中、右の表示領域のうち左、中の表示領域には大当り図柄の一部となる(例えば「7」)が停止表示されている状態で右の表示領域は未だ可変表示が行われている状態)、あるいは、有効ライン上の表示領域の全て又は一部の図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して可変表示している状態(例えば、左、中、右の表示領域の全てで可変表示が行われてどの状態が表示されても同一の図柄が揃っている態様で可変表示が行われている状態)である。
【0021】
また、リーチ表示状態であるときに、通常と異なる演出がランプや音で行われることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチ表示状態では、図柄の表示位置や大きさ、可変表示速度、表示色などを様々に変化させたり、キャラクタ画像(人物等を模した表示画像であり、図柄とは異なるもの)を表示させたり、背景の表示態様を変化させたりすることがある。このリーチ表示状態で行われる各種の演出表示をリーチ演出表示という。こうしたリーチ演出表示を含めたリーチ表示状態における表示態様を、リーチ表示態様と称する。
【0022】
本実施例における遊技機としては、LCD等からなる画像表示装置により特図ゲームを行う遊技機であり、プリペイドカードによって球貸しを行うカードリーダ(CR:Card Reader)式の第1種パチンコ遊技機や、LCDを搭載したスロットマシン等の遊技機である。
【0023】
また、パチンコ遊技機等の弾球遊技機であっても、画像表示装置を有するものであれば、例えば、第2種あるいは第3種に分類されるパチンコ遊技機や、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。さらには、プリペイドカードによって球貸しを行うCR式パチンコ遊技機だけではなく、現金によって球貸しを行うパチンコ遊技機にも適用可能である。
すなわち、LCD等からなる画像表示装置を有し、識別情報としての図柄を可変表示することが可能な遊技機であれば、どのような形態のものであっても構わない。
【0024】
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2にはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域のほぼ中央位置には、各々が識別可能な識別情報として特別図柄を可変表示可能に表示する可変表示装置4が設けられている。この可変表示装置4の下側には、普通可変入賞球装置(始動入賞口)6が配置されている。普通可変入賞球装置6の下側には、特別可変入賞球装置(大入賞口)7が配置されている。また、可変表示装置4の上部には、普通図柄表示器40が設けられている。
【0025】
可変表示装置4は、例えばLCD等からなり、普通可変入賞球装置6に遊技球が入賞することが始動条件となる可変表示ゲーム(特図ゲーム)において、数字、文字、図柄から構成され、各々が識別可能な複数種類の識別情報として機能する表示図柄を、複数の可変表示領域にて可変表示可能に表示する。図2は、可変表示装置4における画像表示例を示す図である。図2に示す例では、可変表示装置4上の表示領域41に、3つの可変表示部41a〜41cが配置され、各可変表示部41a〜41cにおいて左、中、右の特別図柄が可変表示されるものとする。
【0026】
可変表示装置4により行われる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始した後、一定時間が経過すると、特別図柄の表示結果を所定の順序で導出表示し、確定図柄(最終停止図柄)を停止表示する。そして、確定図柄の組合せが所定の特定表示結果(大当り組合せ)となったときに、このパチンコ遊技機1は、特定遊技状態(大当り遊技状態ともいう)となる。この大当り遊技状態においては、所定期間(例えば、29秒)が経過するまで、あるいは所定個数(例えば、10個)の入賞球が発生するまで、特別可変入賞球装置7が開成され、開成されている間、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止める。そして、この開成サイクルを所定の上限回数(例えば、16回)まで繰り返すことができる。
【0027】
図3は、この実施の形態で用いられる特別図柄の例を示す図である。この実施の形態では、左可変表示部41aに特別図柄として表示される左図柄、中可変表示部41bに特別図柄として表示される中図柄、右可変表示部41cに特別図柄として表示される右図柄は、それぞれ10種類の図柄を含み、各図柄には「0」〜「9」の図柄番号が付されている。例えば、パチンコ遊技機1の電源が投入された直後などの初期設定状態において、左、中、右の各可変表示部41a〜41cでは、特図ゲーム中に特別図柄の可変表示が開始されると、図柄番号が小さい特別図柄から大きい特別図柄へと更新表示が行われ、図柄番号が「9」の特別図柄が表示されると、次に図柄番号が「0」の特別図柄が表示される。以下では、このように初期設定状態において左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて可変表示される特別図柄の配列を、第1の特別図柄配列と称する。
【0028】
この実施の形態では、図柄番号が偶数である特別図柄を通常大当り図柄とし、図柄番号が奇数である特別図柄を確変大当り図柄とする。可変表示装置4による特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示を開始した後、左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて同一の特別図柄が表示結果として導出表示されて確定したときには、パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態となる。ここで、左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて同一の確変大当り図柄が表示結果として導出表示されて確定したときには、パチンコ遊技機1は大当り遊技状態の終了に続いて特別遊技状態(確率向上状態)となり、以後、所定条件が成立するまで特図ゲームにおける表示結果が大当り組合せとなる確率が通常遊技状態より向上する。また、確率向上状態では、普通可変入賞球装置6の開放時間が通常遊技状態よりも長くなるとともに、その開放回数が通常遊技状態のときよりも増加するなど、大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な状態となる。一方、左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて同一の通常大当り図柄が表示結果として導出表示されて確定したときには、大当り遊技状態が終了した後に、特図ゲームにおける表示結果が大当り組合せとなる確率が、通常遊技状態時と同一に制御される。なお、通常遊技状態とは、大当り遊技状態や確率向上状態以外の遊技状態のことであり、特図ゲームにおける表示結果が大当り組合せとなる確率は、電源投入直後などの初期設定状態と同一に制御される。
【0029】
また、この実施の形態では、図柄番号が奇数である確変大当り図柄を、左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて可変表示される特別図柄の配列に対して増加させることができる。例えば、パチンコ遊技機1の電源が投入された直後などの初期設定状態における第1の特別図柄配列は、予め定められた図柄番号「0」〜「9」の特別図柄が1つずつ含まれて構成されている。これに対して、例えば左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて同一の確変大当り図柄が可変表示の表示結果として導出表示されるなど、所定の条件が成立したときには、その確変大当り図柄を、第1の特別図柄配列を構成する特別図柄に増加させた第2の特別図柄配列が生成され、以後の特図ゲームにおいて、この第2の特別図柄配列を構成する特別図柄を可変表示することができる。
【0030】
普通図柄表示器40は、発光ダイオード(LED)等を備えて構成され、遊技領域に設けられた通過ゲートのいずれかを遊技球が通過することを始動条件とする普通図ゲームにおいて、点灯、点滅、発光色などが制御される。この普通図ゲームにおいて所定の当りパターンで表示が行われると、普通図ゲームにおける表示結果が「当り」となり、普通可変入賞球装置6を構成する電動チューリップの可動翼片を所定時間が経過するまで傾動制御する。
【0031】
普通可変入賞球装置6は、ソレノイド21(図5)によって垂直(通常開放)位置と傾動(拡大開放)位置との間で可動制御される一対の可動翼片を有するチューリップ型役物(普通電動役物)として構成される。普通可変入賞球装置6への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示は、所定回数(本実施形態では、4回)まで後述する特図保留メモリ120(図8)に記憶される。
【0032】
特別可変入賞球装置7は、ソレノイド22(図5)によって入賞領域を開成・閉成制御する開閉板を備える。この開閉板は、通常時には閉成し、普通可変入賞球装置6への遊技球の入賞に基づいて可変表示装置4による特図ゲームが行われた結果、大当り遊技状態となった場合に、ソレノイド22によって入賞領域を所定期間(例えば、29秒)あるいは所定個数(例えば、10個)の入賞球が発生するまで開成(開成サイクル)するラウンド遊技が行われるように設定され、その開成している間に遊技領域を落下する遊技球を受け止める。そして、この開成サイクル(ラウンド遊技)を例えば最高16回繰り返すことができるようになっている。特別可変入賞球装置7に入賞した遊技球は、所定の検出部により検出される。入賞球の検出に応答し、後述する主基板11と払出制御基板15(図4)とにより、所定数の賞球の払い出しが行われる。
【0033】
また、遊技盤2の表面には、上記した構成以外にも、ランプを内蔵した風車、アウト口等が設けられている。また、パチンコ遊技機1には、点灯または点滅する遊技効果ランプ9や効果音を発生するスピーカ8L、8Rが設けられている。
【0034】
図4は、パチンコ遊技機1の背面図であり、主要基板の配置レイアウトを示す。本実施例におけるパチンコ遊技機1は、主として、電源基板10と、主基板11と、表示制御基板12と、音声制御基板13と、ランプ制御基板14と、払出制御基板15と、情報端子基板16とを備え、それぞれ適所に配設されている。なお、表示制御基板12、音声制御基板13及びランプ制御基板14は、それぞれ独立した基板として、例えば、パチンコ遊技機1の裏面において、1つのボックスに収容された状態で配置されてもよい。さらに、表示制御基板12、音声制御基板13及びランプ制御基板14を、まとめて1つの基板として構成してもよい。
【0035】
電源基板10は、パチンコ遊技機1内の各回路に所定の電源電圧を供給するものである。
【0036】
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、可変表示ゲームにおいて用いる乱数の生成機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、表示制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14及び払出制御基板15などからなるサブ側の制御基板に対して、それぞれ指令情報の一例となる制御コマンドを出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。
【0037】
主基板11から表示制御基板12へ送信される制御コマンドは表示制御コマンドである。図5は、主基板11における回路構成、及び主基板11から表示制御基板12に対して表示制御コマンドを送信するための信号線を示すブロック図である。図5に示すように、この実施の形態では、表示制御コマンドが、表示制御信号CD0〜CD7の8本の信号線で主基板11から表示制御基板12に対して送出される。また、主基板11と表示制御基板12との間には、ストローブ信号を送受するための表示制御INT信号の信号線も配線されている。
【0038】
図6は、この実施の形態において主基板11から表示制御基板12に対して送出される表示制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。表示制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビットは必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図6に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
【0039】
図6に示す例において、コマンド80XX(h)は、可変表示装置4における特別図柄の可変表示の開始を指令する可変表示開始コマンドである。なお、以下では、XX(h)が不特定の16進数であることを示し、表示制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であるものとする。表示制御基板12の側では、可変表示開始コマンドに含まれるEXTデータに対応して、特別図柄の総可変表示時間、可変表示の表示結果が特定表示結果になるか否かの判定結果やリーチとするか否かの判定結果などを特定することができる。
【0040】
コマンド91XX(h)、92XX(h)、及び93XX(h)は、特別図柄の左、中、右確定図柄を指定する特別図柄指定コマンドである。各特別図柄指定コマンドでは、EXTデータに特別図柄の図柄番号が設定される。コマンドA000(h)は、特別図柄の可変表示の停止を指示する特別図柄確定コマンドである。また、コマンドA1XX(h)は、大当り遊技状態において実行されているラウンド遊技の実行回数を指示するための大当りラウンド数指示コマンドである。コマンドA200(h)は、大当り遊技状態の終了を指示する大当り終了コマンドである。
【0041】
コマンドB0XX(h)は、左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて可変表示される特別図柄の配列にEXTデータで指定された図柄番号の特別図柄を増加させる旨を指示する図柄増加コマンドである。コマンドB1XX(h)は、左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて可変表示される特別図柄の配列内で初期設定状態に比べて増加している特別図柄のうちから、EXTデータで指定された図柄番号の特別図柄を、個別に初期状態へ戻す旨を指示する個別図柄初期設定コマンドである。図7は、図柄増加コマンドや個別図柄初期設定コマンドにおけるEXTデータの内容の一例を示す説明図である。表示制御基板12の側では、図7に示すようなEXTデータによって、図柄増加コマンドに基づいて増加させる特別図柄や、個別図柄初期設定コマンドに基づいて初期状態に戻す特別図柄を特定することができる。コマンドB200(h)は、左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて可変表示される特別図柄の配列全体を初期状態に戻し、第1の特別図柄配列とする旨を指示する図柄配列初期化コマンドである。
【0042】
主基板11には、図5に示すように、始動入賞口である普通可変入賞球装置6や、大入賞口である特別可変入賞球装置7、その他の入賞口への遊技球の入賞等を検出するための各入賞口スイッチ70からの配線も接続されている。さらに、主基板11には、普通可変入賞球装置6における可動翼片の可動制御や特別可変入賞球装置7における開成・閉成制御を行うためのソレノイド21、22への配線が接続されている。
【0043】
主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路107、ソレノイド回路108などを搭載して構成される。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)101、ワークメモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)102、プログラムに従って制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103及びI/O(Input/Output)ポート104を含んでいる。
【0044】
また、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、図8に示すように、特図保留メモリ120と、ランダムカウンタ121と、判定テーブルメモリ122と、図柄決定用テーブルメモリ123と、図柄増加回数テーブルメモリ124と、可変表示設定用テーブルメモリ125と、フラグメモリ126と、可変表示時間タイマ127とを備えている。
【0045】
特図保留メモリ120は、遊技球が普通可変入賞球装置6に入賞して特別図柄の可変表示(特図ゲーム)を実行するための条件(始動条件)が成立したが、従前の可変表示を実行中である等の理由のために可変表示を実際に開始するための条件(開始条件)が成立していない保留状態を記憶するためのメモリである。図8に示す特図保留メモリ120では、4つのエントリが設けられており、各エントリには、普通可変入賞球装置6への入賞順に、保留番号と、その入賞に応じて抽出された乱数値(後述するランダムR1の値)とが対応付けて格納されている。主基板11から表示制御基板12へ特別図柄確定コマンドが送出されて特別図柄の可変表示が1回終了したり、大当り遊技状態が終了したりするごとに、最上位の情報に基づいた可変表示の開始条件が成立し、最上位の情報に基づいた可変表示が実行される。このとき、第2位以下の登録情報が1位ずつ繰り上がる。また、特別図柄の可変表示中等に遊技球が普通可変入賞球装置6に新たに入賞した場合には、その入賞に基づいて抽出された乱数値が空エントリの最上位に登録される。
【0046】
ランダムカウンタ121は、遊技制御に用いられる判定用乱数や表示用乱数のカウントを行うものである。図9は、ランダムカウンタ121によりカウントされる各乱数を示す説明図である。ランダムカウンタ121は、図9に示すように、ランダムR1〜R5のカウントを行う。ランダムR1は、大当りを発生させてパチンコ遊技機1を大当り遊技状態とするか否かを決定する大当り判定用の乱数であり、「0」〜「299」の範囲の値をとる。ランダムR2は、ハズレ時にリーチ表示状態とするか否かを決定するリーチ判定用の乱数であり、「0」〜「1530」の範囲の値をとる。ランダムR3は、特別図柄の可変表示に用いる可変表示パターンを決定するための表示用の乱数であり、「0」〜「108」の範囲の値をとる。
【0047】
ランダムR4−1は、大当り時における特別図柄の確定図柄と、ハズレ時の左可変表示部41aにおける確定図柄とを決定する乱数であり、「0」〜「249」の範囲の値をとる。ランダムR4−2は、ハズレ時に中可変表示部41bにおける確定図柄を決定する乱数であり、「0」〜「162」の範囲の値をとる。ランダムR4−3は、リーチとしない通常ハズレ時に右可変表示部41cにおける確定図柄を決定する乱数であり、「0」〜「72」の範囲の値をとる。ランダムR5は、パチンコ遊技機1における大当り遊技状態が終了した後に確率向上状態へと移行する確率変動制御(確変制御)を行うか否かを決定するための乱数であり、「0」〜「9」の範囲の値をとる。
【0048】
図8に示す判定テーブルメモリ122は、CPU103が各種の判定を行うために設定される複数の判定テーブルを記憶する。具体的には、判定テーブルメモリ122は、図10(A)に示す通常時大当り判定テーブル140、図10(B)に示す確変時大当り判定テーブル141を格納する。
【0049】
図10(A)に示す通常時大当り判定テーブル140と、図10(B)に示す確変時大当り判定テーブル141は、可変表示装置4による特図ゲームの表示結果を大当りとするか否かを判定するためのテーブルである。各大当り判定テーブル140、141には、ランダムR1の値と特図ゲームの表示結果とを対応付ける設定データが格納されている。そして、確変時大当り判定テーブル141では、通常時大当り判定テーブル140と比較して、より多くのランダムR1の値が「大当り」の表示結果に割り振られている。すなわち、確変時大当り判定テーブル141を用いて特図ゲームの表示結果を決定することで、通常遊技状態のときよりも大当り遊技状態となる確率が高い確率向上状態とすることができる。
【0050】
図8に示す図柄決定用テーブルメモリ123は、可変表示装置4にて可変表示される特別図柄の確定図柄を決定するために用いられる複数種類の図柄決定用テーブルを記憶する。具体的には、図柄決定用テーブルメモリ123は、図11(A)に示す通常大当り図柄決定用テーブル142、図11(B)に示す確変大当り図柄決定用テーブル143、図12(A)に示す左図柄決定用テーブル144、図12(B)に示す中図柄決定用テーブル145、及び図12(C)に示す右図柄決定用テーブル146を格納する。
【0051】
図11(A)に示す通常大当り図柄決定用テーブル142は、左、中、右の可変表示部41a〜41cに可変表示の表示結果として同一の通常大当り図柄を導出表示するときに、各々の特別図柄の確定図柄を決定するためのテーブルである。例えば、通常大当り図柄決定用テーブル142には、確定図柄として選択決定される通常大当り図柄としての特別図柄の図柄番号と、ランダムR4−1の値とを対応付ける設定データが格納されている。
【0052】
図11(B)に示す確変大当り図柄決定用テーブル143は、左、中、右の各可変表示部41a〜41cに可変表示の表示結果として同一の確変大当り図柄を導出表示するときに、各々の特別図柄の確定図柄を決定するためのテーブルである。例えば、確変大当り図柄決定用テーブル143には、確定図柄として選択決定される確変大当り図柄としての特別図柄の図柄番号と、ランダムR4−1の値とを対応付ける設定データが格納されている。この実施の形態における確変大当り図柄決定用テーブル143では、左、中、右可変表示部41a〜41cにて可変表示される特別図柄の配列に含まれている特別図柄の数に応じて、各確変大当り図柄に対するランダムR4−1の割り振りを変更することができる。図11(B)に示す構成例は、例えばパチンコ遊技機1の電源が投入された直後など、初期設定時における確変大当り図柄決定用テーブル143の構成の一例を示している。
【0053】
図12(A)に示す左図柄決定用テーブル144は、特図ゲームにて大当りとすることなくハズレの表示結果を導出表示するときに、左可変表示部41aにおける確定図柄(左確定図柄)を決定するためのテーブルである。例えば、左図柄決定用テーブル144には、左可変表示部41aにおける確定図柄となる特別図柄の図柄番号と、ランダムR4−1の値とを対応付ける設定データが格納されている。
【0054】
図12(B)に示す中図柄決定用テーブル145は、ハズレの表示結果を導出表示するときに、中可変表示部41bにおける確定図柄(中確定図柄)を決定するためのテーブルである。例えば、中図柄決定用テーブル145には、左確定図柄の図柄番号に対する加算値と、ランダムR4−2の値とを対応付ける設定データが格納されている。すなわち、大当りとしないハズレ時には、ランダムカウンタ121から抽出されるランダムR4−2の値に基づき中図柄決定用テーブル145を用いて決定した加算値を、左図柄決定用テーブル144を用いて決定した左確定図柄の図柄番号に加算することで、中確定図柄を決めることができる。なお、リーチ表示状態とした後に大当りとすることなくハズレの表示結果を導出表示するときに、中図柄決定用テーブル145を用いて決定された加算値が「0」である場合には、導出される表示結果をハズレとするために、中確定図柄の図柄番号を1加算するなどしてもよい。
【0055】
図12(C)に示す右図柄決定用テーブル146は、ハズレの表示結果を導出表示するときに、右可変表示部41cにおける確定図柄(右確定図柄)を決定するためのテーブルである。例えば、右図柄決定用テーブル146には、左確定図柄の図柄番号に対する加算値と、ランダムR4−3の値とを対応付ける設定データが格納されている。
【0056】
図8に示す図柄増加回数テーブルメモリ124は、初期設定状態において左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて可変表示される特別図柄の配列に対して特別図柄を増加させた回数を記憶する。具体的には、図柄増加回数テーブルメモリ124は、図13に示す図柄増加回数テーブル147を格納する。
【0057】
図柄増加回数テーブル147は、確変大当り図柄に含まれる各々の特別図柄ごとに、第1の特別図柄配列を構成する特別図柄に対して各特別図柄が増加された回数を示すデータを記憶する。また、図柄増加回数テーブル147は、第1の特別図柄配列を構成する特別図柄に対して確変大当り図柄が増加された回数の合計値を示すデータを記憶する。すなわち、図柄増加回数テーブル147には、確変大当り図柄の図柄番号あるいは「合計」と、図柄増加回数とを対応付ける設定データが格納されており、左、中、右可変表示部41a〜41cにおける特別図柄の可変表示に用いる特別図柄配列に確変大当り図柄を増加させたり、特別図柄配列を初期設定状態に戻したりするときなどに、設定データを更新することで、各特別図柄の増加回数を計数することができる。
【0058】
図8に示す可変表示設定用テーブルメモリ125は、特図ゲームで使用される複数種類の可変表示パターンを記憶する。具体的には、可変表示設定用テーブルメモリ125は、図14に示す可変表示パターンテーブル148を格納する。図14に示す可変表示パターンテーブル148には、例えば、複数種類の可変表示パターンと、可変表示時間タイマ127が計測する特別図柄の総可変表示時間と、可変表示開始コマンド80XX(h)のEXTデータとを対応付ける設定データが格納されている。すなわち、主基板11から送信されて表示制御基板12が受信する可変表示開始コマンドは、特別図柄を可変表示する際の可変表示パターンを、EXTデータにより指定する。また、表示結果をハズレとするか、大当りとするか、及びハズレの場合にリーチ表示状態とするか否かに応じて、異なる可変表示パターンが用意されている。
【0059】
また、可変表示設定用テーブルメモリ125には、図15(A)に示す大当り可変表示パターン決定テーブル149と、図15(B)に示すリーチハズレ可変表示パターン決定テーブル150とが格納されている。各可変表示パターン決定テーブル149、150は、表示結果を大当りあるいはリーチハズレとするときに、ランダムカウンタ121より抽出されたランダムR3の値に基づいて、複数種類ある可変表示パターンのうちから特図ゲームに使用するものを選択決定できるように設定されている。ここで、大当り可変表示パターン決定テーブル149と、リーチハズレ可変表示パターン決定テーブル150とを比べると、各可変表示パターン(リーチの種類)に対するランダムR3の値の割当てが異なっている。すなわち、特図ゲームにおける表示結果が大当りとなるか否かに応じて、選択されるリーチ種類の割合が異なるものとなっている。これにより、特図ゲーム中に出現するリーチの種類に応じて、表示結果が大当りとなる確率は異なるものとなる。
【0060】
図15に示す例では、表示結果がリーチハズレとなる場合にリーチAの可変表示パターンによるリーチ表示態様となる割合は、リーチJの可変表示パターンによるリーチ表示態様となる割合よりも高くなっている。一方で、表示結果が大当りとなる場合にリーチAの可変表示パターンによるリーチ表示態様となる割合は、リーチJの可変表示パターンによるリーチ表示態様となる割合よりも低くなっている。このため、特図ゲーム中にリーチJの可変表示パターンによるリーチが出現した場合には、リーチAの可変表示パターンによるリーチが出現した場合よりも、表示結果が大当りとなる確率が高くなる。こうしたリーチの種類ごとに決められる表示結果が大当りとなる確率は、リーチの大当り信頼度、あるいは単に、リーチの信頼度と称される。
【0061】
図8に示すフラグメモリ126は、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる複数種類のフラグを設定するためのものである。例えば、フラグメモリ126には、特別図柄プロセスフラグ、普通図柄プロセスフラグ、大当りフラグ、確変フラグ、リーチ状態フラグ、入力状態フラグ、エラーフラグ、タイマ割込フラグなどが設けられている。
【0062】
特別図柄プロセスフラグは、後述する特別図柄プロセス処理(図23)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。普通図柄プロセスフラグは、普通図柄表示器40の表示状態を所定の順序で制御するために、所定の普通図柄プロセス処理においてどの処理を選択・実行すべきかを指示する。大当りフラグは、可変表示装置4による特図ゲームの表示結果が大当りとなるときにオン状態にセットされ、大当り遊技状態が終了するときにクリアされてオフ状態となる。確変フラグは、特図ゲームの表示結果となる特別図柄の確定図柄が、左図柄、中図柄、右図柄で同一の確変大当り図柄となるときにオン状態にセットされ、大当り遊技状態となる確率が向上した確率向上状態から通常遊技状態へ戻るときにクリアされてオフ状態となる。
【0063】
入力状態フラグは、I/Oポート104に入力される各種信号の状態や各入賞口スイッチ70から入力される検出信号の状態等に応じて各々セットあるいはクリアされる複数ビットからなるフラグである。エラーフラグは、パチンコ遊技機1において各種のエラーが発生したときに、発生したエラーの種類に対応するビットがセットされる複数ビットからなるフラグである。タイマ割込フラグは、所定時間が経過してタイマ割込みが発生するごとにオン状態にセットされる。
【0064】
可変表示時間タイマ127は、可変表示装置4による特図ゲームの実行時間である可変表示時間をメイン側で計測するためのダウンカウンタであり、主基板11から表示制御基板12に対して可変表示開始コマンドが送出されるに際して、可変表示パターンごとに指定される総可変表示時間に対応したカウント値が初期値として設定される。
【0065】
図5に示すスイッチ回路107は、各入賞口スイッチ70からの検出信号を取り込んで、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝達する。ソレノイド回路108は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指令に従って各ソレノイド21、22を駆動する。ソレノイド21は、リンク機構を介して普通可変入賞球装置6の可動翼片に連結されている。ソレノイド22は、リンク機構を介して特別可変入賞球装置7の開閉板に連結されている。
【0066】
表示制御基板12は、主基板11とは独立して可変表示ゲームにおける画像処理のための表示制御などを行うものである。表示制御基板12は、主基板11から送出される表示制御コマンドに基づいて、可変表示ゲームに用いられる表示画像を可変表示装置4の表示領域41にて出現/消失させるとともに、普通図柄表示器40の点灯/消灯制御を行う。
【0067】
図16は、表示制御基板12のハードウェア構成例を示すブロック図である。図16に示すように、表示制御基板12は、発振回路110と、リセット回路111と、表示制御用のCPU112と、ROM113と、RAM114と、ビデオディスプレイプロセッサ(以下、VDP:Video Display Processor)115と、CGROM116と、VRAM(Video RAM)117とを備えている。
【0068】
発振回路110は、CPU112及びVDP115に基準クロック信号を出力するものであり、リセット回路111は、CPU112及びVDP115をリセットするためのリセット信号を出力するものである。CPU112は、主基板11から表示制御コマンドを受信するとRAM114を作業領域として用いながらROM113から表示制御を行うための制御データを読み出す。また、CPU112は、読み出した制御データに基づいてVDP115に描画命令を送る。ROM113は、CPU112によって利用される各種制御プログラム等を格納する半導体メモリであり、RAM114は、CPU112によって作業領域として利用される半導体メモリである。
【0069】
VDP115は、画像表示を行うための表示装置制御機能及び高速描画機能を有し、CPU112からの描画命令に従って動作する。また、CPU112とは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこにVRAM117をマッピングしている。VDP115は、CGROM116から読み出したデータに従って画像データを生成し、VRAM117上に展開する。そして、可変表示装置4に対してR(赤)、G(緑)、B(青)信号及び同期信号を出力する。例えば、R、G、B信号はそれぞれ8ビットで表され、可変表示装置4はVDP115からの指示に従ってR、G、Bのそれぞれを256階調、これらを合成して約1670万色の多色表示を行うことができる。なお、R、G、B信号のビット数は8ビット以外のビット数であってもよく、また、R、G、B信号の各ビット数が互いに異なる数であってもよい。
【0070】
CGROM116は、可変表示装置4にて画像表示を行うための各種画像データを記憶しておくためのものである。例えば、CGROM116には、可変表示装置4に表示される画像の中で使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、動物、または、文字、図形もしくは記号等が予め記憶されている。VRAM117は、VDP115によって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。
【0071】
また、表示制御基板12は、図17に示すように、表示制御パターンメモリ130と、特別図柄配列メモリ131と、各種タイマ132と、フラグメモリ133とを備えている。
【0072】
表示制御パターンメモリ130は、主基板11から受信した表示制御コマンドに基づいて選択される複数の表示制御パターンを記憶する。具体的には、表示制御パターンメモリ130は、図18に示すように、複数種類の図柄可変表示制御パターンと、図柄増加演出表示制御パターンと、図柄初期化演出表示制御パターンと、配列初期化演出表示制御パターンとを格納する。
【0073】
各図柄可変表示制御パターンは、特別図柄の表示状態を制御するためのデータからなり、主基板11からの可変表示開始コマンドで指定された可変表示パターンに対応して選択される。各図柄可変表示制御パターンには、図19に示すように、時系列的に連記された図柄プロセスタイマ設定値と図柄表示制御データとの組合せ、及び終了コードを含んで構成され、特別図柄の可変表示速度や表示位置、大きさ、表示色、及びその表示状態での表示期間等が設定されている。
【0074】
図柄増加演出表示制御パターンは、左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて可変表示される特別図柄の配列に対して特別図柄を増加させるときに、特別図柄が増加する旨の報知情報を可変表示装置4に表示させることにより出力するための制御データからなり、主基板11から図柄増加コマンドB0XX(h)を受信したことに対応して選択される。すなわち、図柄増加演出表示制御パターンに従って可変表示装置4における表示動作を制御することにより、それまでの特図ゲームで可変表示に用いられた特別図柄配列(第1の特別図柄配列または第2の特別図柄配列)を構成する特別図柄に対して増加される特別図柄を遊技者に報知するための演出表示が行われる。
【0075】
図柄初期化演出表示制御パターンは、可変表示に用いる特別図柄配列が第2の特別図柄配列であったときに、その特別図柄配列に含まれている確変大当り図柄のうちのいずれか1種類について、第1の特別図柄配列に含まれている当該確変大当り図柄の数に戻す旨の報知情報を可変表示装置4に表示させることにより出力するための制御データからなる。すなわち、図柄初期化演出表示制御パターンに従って可変表示装置4における表示動作を制御することにより、可変表示に用いる特別図柄配列を構成する特別図柄のうちで数が減少される図柄を遊技者に報知するための演出表示が行われる。
【0076】
配列初期化演出表示制御パターンは、可変表示に用いる特別図柄配列を、第2の特別図柄配列から第1の特別図柄配列に切り換える旨の報知情報を可変表示装置4に表示させることにより出力するための制御データからなる。すなわち、配列初期化演出表示制御パターンに従って可変表示装置4における表示動作を制御することにより、以後の特図ゲームで可変表示に用いる特別図柄配列が第1の特別図柄配列となることを遊技者に報知するための演出表示が行われる。
【0077】
図17に示す特別図柄配列メモリ131には、左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて可変表示される特別図柄の配列についての情報が格納される。具体的には、図20(A)に示すように、特別図柄配列メモリ131は、初期設定図柄配列データ格納領域131aと、可変表示図柄配列データ格納領域131bとを備えている。
【0078】
初期設定図柄配列データ格納領域131aは、例えば電源投入直後などの初期設定状態において用いられる第1の特別図柄配列を示す配列データを格納する領域である。例えば、初期設定図柄配列データ格納領域131aには、図柄番号「0」〜「9」の特別図柄を図柄番号が小さい特別図柄から大きい特別図柄へと順次に更新表示するための制御データが記憶されている。
【0079】
可変表示図柄配列データ格納領域131bは、左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて可変表示される特別図柄の配列を示す配列データを格納する領域である。図20(B)は、可変表示図柄配列データ格納領域131bの一構成例を示す図である。この例では、可変表示される特別図柄の配列を構成する各々の特別図柄に対応して、可変表示図柄配列データ格納領域131bに図柄表示設定データを格納するための領域が複数設けられている。そして、表示図柄カウンタのカウント値に対応して選択される図柄表示設定データに従ってVDP115に描画命令を送ることにより、各々の特別図柄を示す画像を左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて可変表示させることができる。
【0080】
図柄表示設定データは、CGROM116などに格納されている特別図柄を示すキャラクタ画像データ等を特定可能に定義するデータであり、例えば、CGROM116におけるキャラクタ画像データの読出位置を指定する制御データなどが含まれている。ここで、キャラクタ画像データの読出位置としては、例えばCGROM116の記憶アドレスやキャラクタ画像データを格納するファイル名、各々の特別図柄を示すキャラクタ画像データごとに割り当てられた識別番号などを指定しておけばよい。VDP115は、例えばCPU112からの描画命令で指定されたキャラクタ画像データをCGROM116から読み出してVRAM117上における所定の展開領域に展開することで、可変表示装置4の表示領域41に特別図柄を示すキャラクタ画像を表示させることができる。
【0081】
図17に示す各種タイマ132は、可変表示装置4の表示制御に用いられる複数種類のタイマを含んで構成される。例えば、各種タイマ132は、図柄表示プロセスタイマ、可変表示時間タイマ及び監視タイマを含んでいる。図柄表示プロセスタイマは、図柄可変表示制御パターンによって指定されるプロセスタイマ設定値をカウントダウンすることにより、特別図柄を図柄可変表示制御パターンに従った態様で可変表示させる可変表示期間を計測する。各種タイマ132に含まれる可変表示時間タイマは、特図ゲームの実行時間である可変表示時間をサブ側で計測するためのダウンカウンタである。監視タイマは、可変表示時間タイマがタイムアウトしてからの経過時間を計測するためのものであり、主基板11から表示制御コマンドを所定時間以上受信しなかったときにタイムアウトする。
【0082】
フラグメモリ133は、可変表示装置4における表示状態や主基板11からのコマンド受信などに応じて各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するためのものである。例えば、フラグメモリ133には、表示制御プロセスフラグ、タイマ割込フラグなどが設けられている。表示制御プロセスフラグは、後述する特図表示制御プロセス処理(図30)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。タイマ割込フラグは、所定時間が経過してタイマ割込みが発生するごとにオン状態にセットされる。
【0083】
音声制御基板13、ランプ制御基板14は、主基板11から送信される制御コマンドに基づいて、音声出力制御、ランプ出力制御を、それぞれ主基板11とは独立して実行するサブ側の制御基板である。払出制御基板15は、遊技球の貸出や賞球等の払出制御を行うものである。情報端子基板16は、各種の遊技関連情報を外部に出力するためのものである。
【0084】
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。図21は、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。主基板11では、電源基板10から電源電圧が供給されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103が、まず、図21のフローチャートに示す遊技制御メイン処理を実行する。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込禁止に設定した後(ステップS11)、必要な初期設定を行う(ステップS12)。この初期設定では、例えば、RAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行うことにより、定期的(例えば、2ミリ秒ごと)にタイマ割込を発生させる。初期設定が終了すると、割込を許可した後(ステップS13)、ループ処理に入る。
【0085】
こうした遊技制御メイン処理の実行により、2ミリ秒ごとに繰り返しタイマ割込が発生するように設定され、タイマ割込が発生すると、CPU103は、図22のフローチャートに示す遊技制御割込処理を実行する。タイマ割込みが発生したときには、フラグメモリ126に設けられたタイマ割込フラグがオン状態にセットされ、遊技制御割込処理の実行を開始するときにクリアされてオフ状態となる。なお、CPU103にてタイマ割込みが発生する周期は、2ミリ秒に限定されず、CPU103にて実行される各種の処理に合わせて任意に設定可能である。
【0086】
遊技制御割込処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路107を介して各入賞口スイッチ70から入力される検出信号の状態を判定する(ステップS21)。続いて、所定のエラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、ランダムカウンタ121によりカウントされる判定用乱数であるランダムR1、R2及びR5を更新する判定用乱数更新処理(ステップS23)と、表示用乱数であるランダムR3、R4及びR6を更新する表示用乱数更新処理(ステップS24)とを、順次に実行する。
【0087】
次に、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するために、フラグメモリ126に設けられた特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択されて実行される。特別図柄プロセス処理に続いて、CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行する(ステップS26)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器40の点灯/消灯動作を所定の順序で制御するために、フラグメモリ126に設けられた普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択されて実行される。
【0088】
さらに、CPU103は、所定のコマンド制御処理を実行することにより、主基板11から表示制御基板12等のサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送出し、遊技状態に合わせた演出動作等の動作制御を指示する(ステップS27)。例えば、CPU103が所定のコマンド送信テーブルに設定された制御データに基づいてI/Oポート104からの信号出力動作を制御することなどにより、表示制御基板12等のサブ側の制御基板に対して、遊技の進行を制御する遊技制御信号を送信させる。このコマンド制御処理により主基板11から送出された表示制御コマンドを表示制御基板12のCPU112が受け取り、その表示制御コマンドに従って可変表示装置4の表示制御や普通図柄表示器40の点灯/消灯制御などが行われる。
【0089】
また、CPU103は、所定の情報出力処理を実行することにより、各種出力データを格納する格納領域の内容を、I/Oポート104に含まれる外部出力ポートを介して出力する(ステップS28)。この情報出力処理では、主基板11から情報端子基板16に、大当り情報、始動情報、確率変動情報などをホール管理用コンピュータに対して出力する指令の送出も行われる。
【0090】
続いて、CPU103は、所定のソレノイド出力処理を実行することにより、所定の条件が成立したときに普通可変入賞球装置6における可動翼片の可動制御や特別可変入賞球装置7における開閉板の開閉駆動を行う(ステップS29)。
この後、所定の賞球処理を実行することにより、各入賞口スイッチ70から入力された検出信号に基づく賞球数の設定などを行い、払出制御基板15に対して払出制御コマンドを出力可能とする(ステップS30)。
【0091】
図23は、ステップS25にて実行される特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理を開始すると、CPU103は、まず、遊技球が普通可変入賞球装置6に入賞したか否かを、各入賞口スイッチ70に含まれる始動球検出スイッチから入力される検出信号や、フラグメモリ126に設けられた入力状態フラグなどをチェックすることにより、判別する(ステップS100)。遊技球が入賞して始動球検出スイッチからの検出信号がオン状態となった場合(ステップS100;Yes)、入賞処理を実行し(ステップS101)、遊技球が入賞していない場合(ステップS100;No)、入賞処理をスキップする。
【0092】
ステップS101の入賞処理では、特図保留メモリ120の保留記憶数が上限値の「4」以上であるか否かが判別される。このとき、特図保留メモリ120において、保留番号「4」に対応したランダムR1の値が記憶されている場合には、保留記憶数が「4」以上であると判定される。保留記憶数が「4」以上であれば、今回の入賞による特図ゲームの始動は無効として特に何も行わず、そのまま入賞処理を終了する。一方、保留記憶数が「4」未満である場合には、保留記憶数を1加算するとともに、ランダムカウンタ121より大当り判定用のランダムR1の値を抽出し、抽出したランダムR1の値を特図保留メモリ120の空エントリの先頭にセットする。
【0093】
続いて、CPU103は、フラグメモリ126に格納されている特別図柄プロセスフラグの値に基づいて、図23に示すステップS110〜S118の9個の処理のいずれかを選択する。以下に、ステップS110〜S118の各処理について説明する。
【0094】
ステップS110の特別図柄通常処理は、特別図柄プロセスフラグの値が初期値「0」のときに実行される処理である。図24は、特別図柄通常処理を示すフローチャートである。この特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、特図保留メモリ120における保留記憶数が「0」であるか否かを判別する(ステップS201)。保留記憶数が「0」であれば(ステップS201;Yes)、表示制御基板12を介して可変表示装置4上にデモンストレーション画面を表示させるなどして、処理を終了する。一方、保留記憶数が「0」以外であると判別すると(ステップS201;No)、特図保留メモリ120から保留番号「1」に対応して格納されているランダムR1の値を読み出す(ステップS202)。この際、保留記憶数を1減算し、かつ、特図保留メモリ120の第2〜第4エントリ(保留番号「2」〜「4」)に格納されたランダムR1の値を1エントリずつ上位にシフトする(ステップS203)。
【0095】
その後、CPU103は、大当り判定処理を実行することにより、ステップS202で読み出した値、すなわち上述したステップS101の入賞処理にて既に抽出されているランダムR1の値に基づいて、大当りとするか否かを判定する(ステップS204)。図25は、ステップS204にて実行される大当り判定処理を示すフローチャートである。
【0096】
図25に示す大当り判定処理において、CPU103は、まず、フラグメモリ126に設けられた確変フラグがオンとなっているか否かを判別する(ステップS301)。確変フラグがオフであるときには(ステップS301;No)、大当りとするか否かを判定するためのテーブルとして、図10(A)に示す通常時大当り判定テーブル140を設定する(ステップS302)。一方、確変フラグがオンであるときには(ステップS301;Yes)、大当りとするか否かを判定するためのテーブルとして、図10(B)に示す確変時大当り判定テーブル141を設定する(ステップS303)。
【0097】
続いて、CPU103は、ステップS202にて読み出したランダムR1の値に基づき、ステップS302またはS303にて設定した大当り判定テーブル140または141を用いて大当りとするか否かを判定する(ステップS304)。そして、判定結果が「大当り」であるか否かを判別し(ステップS305)、「大当り」であるときには(ステップS305;Yes)、フラグメモリ126に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS306)。一方、ステップS305にて判定結果が「大当り」ではないと判別したときには(ステップS305;No)、ステップS306をスキップして大当り判定処理を終了する。こうして大当り判定処理が終了すると、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を確定特別図柄設定処理に対応する値である「1」に更新する(図24のステップS205)。
【0098】
図23に示すステップS111の確定特別図柄設定処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「1」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、図26に示すように、まず、フラグメモリ126に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かを判別する(ステップS221)。大当りフラグがオフであるときには(ステップS221;No)、ランダムカウンタ121よりランダムR2の値を抽出し(ステップS222)、リーチとするか否かを決定する(ステップS223)。例えば、ステップS222にて抽出したランダムR2の値が「105」〜「1530」のいずれかであるときには、リーチとしないことを決定し、「0」〜「104」のいずれかであるときには、リーチとすることを決定する。また、フラグメモリ126に設けられた確変フラグがオンとなっているか否かに応じてリーチとするランダムR2の値が異なるテーブルを用意しておき、確変フラグの状態に応じて選択したテーブルを用いてリーチとするか否かを決定してもよい。
【0099】
ステップS223にてリーチとしないことを決定したとき(ステップS223;No)、CPU103は、フラグメモリ126に設けられたリーチ状態フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS224)。そして、ランダムカウンタ121より抽出したランダムR4−1の値に基づき、図12(A)に示す左図柄決定用テーブル144を用いて左確定図柄を決定する(ステップS225)。また、ランダムカウンタ121より抽出したランダムR4−2の値に基づき、図12(B)に示す中図柄決定用テーブル145を用いて中確定図柄を決定するとともに(ステップS226)、ランダムカウンタ121より抽出したランダムR4−3の値に基づき、図12(C)に示す右図柄決定用テーブル146を用いて右確定図柄を決定する(ステップS227)。この後、ステップS240に進む。
【0100】
また、ステップS223にてリーチとすることを決定したとき(ステップS223;Yes)、CPU103は、リーチ状態フラグをオン状態にセットし(ステップS228)、ランダムカウンタ121より抽出したランダムR4−1の値に基づき、左図柄決定用テーブル144を用いて左確定図柄を決定する(ステップS229)。続いて、この実施の形態では、左確定図柄と同一の図柄番号である特別図柄を右確定図柄とすることを決定し(ステップS230)、左、右確定図柄とは異なる任意の特別図柄を中確定図柄とすることを決定する(ステップS231)。この後、ステップS240に進む。
【0101】
ステップS221にて大当りフラグがオンであると判別したとき(ステップS221;Yes)、CPU103は、ランダムカウンタ121よりランダムR5の値を抽出し(図27のステップS232)、抽出されたランダムR5の値が奇数であるか否かを判別する(ステップS233)。この実施の形態では、ランダムR5の値が偶数であるときに(ステップS233;No)、フラグメモリ126に設けられた確変フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS234)。
また、このときには、左、中、右可変表示部41a〜41cで同一となる大当り組合せの確定図柄を決定するためのテーブルとして、図11(A)に示す通常大当り図柄決定用テーブル142を設定する(ステップS235)。一方、ランダムR5の値が奇数であるときには(ステップS233;Yes)、フラグメモリ126に設けられた確変フラグをオン状態にセットする(ステップS236)。
そして、左、中、右可変表示部41a〜41cで同一となる大当り組合せの確定図柄を決定するためのテーブルとして、図11(B)に示す確変大当り図柄決定用テーブル143を設定する(ステップS237)。なお、図11(B)に示す確変大当り図柄決定用テーブル143は、初期設定状態におけるものであり、第2の特別図柄配列を構成する特別図柄によって可変表示が行われるときには、後述するように各図柄番号に対するランダムR4−1の値の割り振りが変更された確変大当り図柄決定用テーブル143が設定される。
【0102】
この後、CPU103は、ランダムカウンタ121よりランダムR4−1の値を抽出し(ステップS238)、ステップS235またはS237にて設定した大当り図柄決定用テーブル142または143を用いて大当り組合せとなる確定図柄を決定する(ステップS239)。ステップS239を実行した後には、図26に示すステップS240に進む。そして、ステップS240において、特別図柄プロセスフラグの値を可変表示パターン設定処理に対応した値である「2」に更新する。
【0103】
図23に示すステップS112の可変表示パターン設定処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「2」のときに実行される処理である。図28は、可変表示パターン設定処理を示すフローチャートである。この可変表示パターン設定処理において、CPU103は、まず、フラグメモリ126に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かを判別する(ステップS251)。大当りフラグがオフであるときには(ステップS251;No)、リーチ状態フラグがオンとなっているか否かを判別する(ステップS252)。
【0104】
ステップS252にてリーチ状態フラグがオフであると判別したとき(ステップS252;No)、CPU103は、今回の特図ゲームで使用する可変表示パターンとして、図14に示す可変表示パターンテーブル148に格納された通常ハズレの可変表示パターン#1を選択決定する(ステップS253)。ステップS253を実行した後には、ステップS258に進む。
【0105】
ステップS251にて大当りフラグがオンであると判別したとき(ステップS251;Yes)、CPU103は、可変表示パターンを選択するためのテーブルとして、図15(A)に示す大当り可変表示パターン決定テーブル149を設定する(ステップS254)。また、ステップS252にてリーチ状態フラグがオンであると判別したときには(ステップS252;Yes)、可変表示パターンを選択するためのテーブルとして、図15(B)に示すリーチハズレ可変表示パターン決定テーブル150を設定する(ステップS255)。ステップS254またはS255を実行した後には、ランダムカウンタ121よりランダムR3の値を抽出し(ステップS256)、抽出されたランダムR3の値に基づき、ステップS254またはS255にて設定した可変表示パターン決定テーブル149または150を用いて今回の特図ゲームで使用する可変表示パターンを選択決定する(ステップS257)。そして、ステップS258において、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄可変表示指令処理に対応した値である「3」に更新する。
【0106】
図23に示すステップS113の特別図柄可変表示指令処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「3」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、可変表示装置4において特別図柄の全図柄が可変表示を開始するように制御する。具体的には、上述したステップS111の確定特別図柄設定処理にて決定した特別図柄の確定図柄に対応する制御データや、ステップS112の可変表示パターン設定処理にて選択決定した可変表示パターンに対応する制御データを、所定のコマンド送信テーブルに設定するなどして、可変表示開始コマンド80XX(h)と、左、中、右の図柄指定コマンド91XX(h)、92XX(h)、93XX(h)を、それぞれ表示制御基板12に対して送出可能に設定する。そして、可変表示パターンに対応する総可変表示時間を可変表示時間タイマ127に設定し、可変表示開始コマンドが送信されるとともにカウントダウンを開始する。この後、可変表示時間タイマ127におけるタイマ値が「0」となってタイムアウトすると、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄可変表示停止時処理に対応した値である「4」に更新する。
【0107】
ステップS114の特別図柄可変表示停止時処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「4」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、主基板11から表示制御基板12に対して特別図柄確定コマンドA000(h)を送出するための設定を行う。具体的には、特別図柄確定コマンドに対応する制御データを、所定のコマンド送信テーブルに設定するなどして、特別図柄確定コマンドを表示制御基板12に対して送出可能に設定する。また、フラグメモリ126に設けられた確変フラグがオンとなっているときには、確率向上状態から通常遊技状態に戻すか否かを判定し、戻すと判定すると、確変フラグをクリアしてオフ状態とする。そして、可変表示の表示結果が大当りなるときには、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値である「5」に更新し、ハズレとなるときには、特別図柄プロセスフラグの値を「0」に更新する。
【0108】
ステップS115の大入賞口開放前処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「5」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、大入賞口としての特別可変入賞球装置7を開放する制御を開始するための設定を行う。そして、特別可変入賞球装置7を開放する制御を開始するとともに、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理に対応した値である「6」に更新する。
【0109】
ステップS116の大入賞口開放中処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「6」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、開成された特別可変入賞球装置7への遊技球の入賞検出、賞球の払出指令、開成時間の計測、及び開成サイクルのラウンド数表示のための大当りラウンド数指示コマンドA1XX(h)の設定等を行う。そして、例えば、1回の大当りについて、特別可変入賞球装置7の開成回数をカウントし、開成回数が例えば16回に達していれば、特定遊技状態(大当り遊技状態)を終了する条件が成立したとして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理に対応した値である「7」に更新する。一方、開成回数が16回に達していなければ、特別可変入賞球装置7を一旦閉成した後、所定時間が経過するのを待って再度開成する。
【0110】
ステップS117の大当り終了処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「7」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、表示制御基板12に対して大当り終了コマンドA200(h)を送出するための設定を行うなどして、大当り遊技状態を終了させる。また、CPU103は、フラグメモリ126に設けられた大当りフラグをクリアしてオフ状態とする。そして、特別図柄プロセスフラグの値を図柄配列設定処理に対応した値である「8」に更新する。
【0111】
ステップS118の図柄配列設定処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「8」のときに実行される処理である。図29は、図柄配列設定処理を示すフローチャートである。この図柄配列設定処理において、CPU103は、まず、フラグメモリ126に設けられた確変フラグがオンとなっているか否かを判別する(ステップS271)。確変フラグがオフであるときには(ステップS271;No)、可変表示の表示結果として左、中、右の各可変表示部41a〜41cで同一の通常大当り図柄が導出表示されたものと判断して、ステップS285に進む。
【0112】
一方、ステップS271にて確変フラグがオンであると判別したとき(ステップS271;Yes)、CPU103は、同一の確変大当り図柄が導出表示されたものと判断して、図13に示すような図柄増加回数テーブル147から、図柄増加回数の合計値を読み出す(ステップS272)。例えば、図13に示すような図柄増加回数テーブル147において、「合計」と対応付けて格納されている増加回数を示すデータを読み出す。
【0113】
続いて、CPU103は、ステップS272にて読み出した図柄増加回数の合計値が、合計増加回数最大値と等しくなっているか否かを判別する(ステップS273)。ここで、合計増加回数最大値は、所定の全体判定値として予め定められている値(例えば「10」)であり、初期設定状態で用いる第1の特別図柄配列に含まれている特別図柄の数と比べたときに、第2の特別図柄配列を構成する特別図柄として増加させることが可能な図柄の合計個数の最大値を示している。
【0114】
図柄増加回数の合計値が合計増加回数最大値と等しいとき(ステップS273;Yes)、CPU103は、これ以上特別図柄を増加させることはできないと判断して、左、中、右可変表示部41a〜41cでの可変表示に用いられる特別図柄の配列全体を初期化し、第1の特別図柄配列に戻すための処理を実行する。すなわち、CPU103は、図柄増加回数テーブル147において、各々の図柄番号及び「合計」と対応付けて格納されている増加回数を示すデータを、全て「0」を示すデータに初期化し(ステップS274)、確変大当り図柄決定用テーブル143を図11(B)に示すような初期設定時の状態とする(ステップS275)。また、CPU103は、例えば所定のコマンド送信テーブルに制御データを設定するなどして、図柄配列初期化コマンドB200(h)を表示制御基板12に対して送出可能に設定する(ステップS276)。ステップS276を実行した後には、ステップS285に進む。
【0115】
ステップS273にて図柄増加回数の合計値が合計増加回数最大値と異なるときには(ステップS273;No)、大当りの表示結果を構成する確定図柄として導出表示させた確変大当り図柄に応じた図柄増加回数を、図柄増加回数テーブル147から読み出す(ステップS277)。続いて、読み出された図柄増加回数が、個別増加回数最大値と等しくなっているか否かを判別する(ステップS278)。ここで、個別増加回数最大値は、所定の個別判定値として予め定められている値(例えば「5」)であり、初期設定状態で用いられる第1の特別図柄配列に含まれている各々の特別図柄の数(例えば、図柄番号「0」〜「9」の特別図柄について、それぞれ1個)と比べたときに、第2の特別図柄配列において図柄番号で識別される特別図柄ごとに増加させることが可能な図柄個数の最大値を示している。
【0116】
確定図柄として導出表示させた確変大当り図柄の増加回数が個別増加回数最大値と等しいとき(ステップS278;Yes)、CPU103は、その確変大当り図柄については増加させることができないと判断して、可変表示に用いる特別図柄配列に含まれる当該確変大当り図柄の数を、第1の特別図柄配列に含まれている当該確変大当り図柄の数に戻すための処理を実行する。すなわち、CPU103は、まず、図柄増加回数テーブル147において、ステップS278にて図柄増加回数が個別増加回数最大値と等しくなっていると判別した確変大当り図柄の図柄番号と対応付けて格納されている増加回数を示すデータを、「0」を示すデータに初期化する(ステップS279)。この初期化処理に応じて、図柄増加回数テーブル147において「合計」と対応付けて格納されている増加回数を示すデータも更新する。より具体的には、図柄増加回数テーブル147において各確変大当り図柄の図柄番号と対応付けて格納されている増加回数を示す設定データを読み取り、各確変大当り図柄の増加回数の合計値を計数する。そして、計数された合計値を示す設定データを、「合計」と対応付けて図柄増加回数テーブル147に格納することにより、それまで格納されていた設定データを更新することができる。
【0117】
続いて、CPU103は、確変大当り図柄決定用テーブル143に格納されている設定データを更新することにより、各図柄番号に対して割り振られているランダムR4−1の値を、可変表示に用いる特別図柄配列において確変大当り図柄の数を減少させることに合わせて変更する(ステップS280)。すなわち、第1の特別図柄配列に含まれている数に戻される確変大当り図柄の図柄番号に対して割り振られているランダムR4−1の値の範囲を減少させ、減少させたランダムR4−1の値が他の確変大当り図柄の図柄番号に対して割り振られるように、確変大当り図柄決定用テーブル143に格納されている設定データを更新する。
また、CPU103は、例えば可変表示に用いる特別図柄配列において数を変更する確変大当り図柄に応じた制御データを所定のコマンド送信テーブルに設定するなどして、個別図柄初期設定コマンドB1XX(h)を表示制御基板12に対して送出可能に設定する(ステップS281)。ステップS281を実行した後には、ステップS285に進む。
【0118】
ステップS278にて図柄増加回数が増加回数最大値と異なるときには(ステップS278;No)、大当りの表示結果を構成する確定図柄として導出表示させた確変大当り図柄に応じた図柄増加回数が1加算されるように、図柄増加回数テーブル147に格納されている図柄増加回数を示すデータを更新する(ステップS282)。すなわち、図柄増加回数テーブル147において、確定図柄として導出表示された確変大当り図柄の図柄番号と対応付けて格納されている増加回数を示すデータを、これまでの値よりも1加算された値を示すデータに更新するとともに、「合計」と対応付けて格納されている増加回数を示すデータも、1加算された値を示すデータに更新する。
【0119】
続いて、CPU103は、確変大当り図柄決定用テーブル143に格納されている設定データを更新することにより、各図柄番号に対して割り振られているランダムR4−1の値を、可変表示に用いる特別図柄配列において確変大当り図柄の数を増加させることに合わせて変更する(ステップS283)。すなわち、確定図柄として導出表示された確変大当り図柄の図柄番号に対して割り振られているランダムR4−1の値の範囲を増加させ、他の確変大当り図柄の図柄番号に対して割り振られているランダムR4−1の値の範囲を減少させるように、確変大当り図柄決定用テーブル143に格納されている設定データを更新する。また、CPU103は、例えば特別図柄配列において増加させる確変大当り図柄に応じた制御データを所定のコマンド送信テーブルに設定するなどして、図柄増加コマンドB0XX(h)を表示制御基板12に対して送出可能に設定する(ステップS284)。そして、ステップS285において、特別図柄プロセスフラグの値を「0」に更新する。
【0120】
次に、表示制御基板12における特図ゲームの処理について説明する。表示制御基板12では、CPU112が、例えばフラグメモリ133に設けられたタイマ割込フラグがオンとなったか否かを判別することにより33ミリ秒毎のタイマ割込発生を検出するなどして、図30のフローチャートに示す特図表示制御プロセス処理を開始する。CPU112は、フラグメモリ133に設けられた表示制御プロセスフラグの値に基づいて、図30に示すステップS150〜S156の7つの処理のうちのいずれかを選択する。以下に、ステップS150〜S156の各処理について説明する。なお、CPU112にてタイマ割込みが発生する周期は、33ミリ秒に限定されず、CPU112にて実行される各種の処理に合わせて任意に設定可能である。
【0121】
ステップS150の可変表示開始コマンド受信待ち処理は、表示制御プロセスフラグの値が初期値「0」のときに実行される処理である。この処理において、CPU112は、主基板11からの可変表示開始コマンド80XX(h)を受信したか否かを判別し、受信したと判別したときには、表示制御プロセスフラグの値を表示制御設定処理に対応した値である「1」に更新する。一方、可変表示開始コマンドを受信していないときには、そのまま可変表示開始コマンド受信待ち処理を終了する。
【0122】
ステップS151の表示制御設定処理は、表示制御プロセスフラグの値が「1」のときに実行される処理である。この処理において、CPU112は、可変表示開始コマンド80XX(h)によって指定された可変表示パターンに応じた図柄可変表示制御パターンを選択決定し、表示制御パターンメモリ130から読み出す。続いて、VDP115に対して可変表示装置4における特別図柄の可変表示を開始するための描画命令を送出するとともに、各種タイマ132に設けられた可変表示時間タイマによる可変表示時間の計測をスタートさせる。この後、表示制御プロセスフラグの値を特別図柄可変表示中処理に対応した値である「2」に更新する。
【0123】
ステップS152の特別図柄可変表示中処理は、表示制御プロセスフラグの値が「2」のときに実行される処理である。この処理において、CPU112は、ステップS151の表示制御設定処理にて表示制御パターンメモリ130から読み出した図柄可変表示制御パターンに従って、例えばVDP115に対して適宜描画命令を送ることなどにより、可変表示装置4における表示動作を制御し、特別図柄の可変表示を進行させる。
【0124】
こうした特別図柄可変表示中処理に含まれる処理の1つとして、CPU112は、図31のフローチャートに示す特図画像表示制御処理を実行する。特図画像表示制御処理を開始すると、CPU112は、まず、表示図柄カウンタのカウント値を1加算し(ステップS351)、その値が可変表示図柄配列データ格納領域131bに格納された配列データによって示される特別図柄配列(第1の特別図柄配列または第2の特別図柄配列)を構成する特別図柄の個数と等しくなったか否かを判別する(ステップS352)。ここで、特別図柄配列を構成する特別図柄の個数は、例えばRAM114上に設けられた所定の配列図柄数データ格納領域に配列図柄数データを格納し、この配列図柄数データによって示される配列内の図柄個数とすればよい。
【0125】
表示図柄カウンタのカウント値が特別図柄配列を構成する特別図柄の個数と等しいときには(ステップS352;Yes)、表示図柄カウンタのカウント値を「0」に設定する(ステップS353)。一方、表示図柄カウンタのカウント値と特別図柄配列を構成する特別図柄の個数とが異なるときには(ステップS352;No)、ステップS353をスキップして、ステップS354に進む。
【0126】
この後、CPU112は、図20に示す可変表示図柄配列データ格納領域131bより表示図柄カウンタの値に対応する図柄表示設定データを選択して読み出し(ステップS354)、読み出された図柄表示設定データに従って、例えばVDP115に描画命令を送るなどの表示設定を行う(ステップS355)。このように、表示図柄カウンタの値を更新するとともに、表示図柄カウンタの値に応じて可変表示図柄配列データ格納領域131bに格納されている図柄表示設定データを読み出すことで、可変表示図柄配列データ格納領域131bに格納されている図柄表示設定データを循環的に読み出すことができ、読み出された図柄表示設定データによる表示設定を行うことで、左、中、右可変表示部41a〜41cにて特別図柄配列を構成する特別図柄を順次に更新表示させ、特別図柄の可変表示を行わせることができる。
【0127】
また、図30に示すステップS152の特別図柄可変表示中処理では、各種タイマ132に設けられた可変表示時間タイマがタイムアウトすると、監視タイマに対して予め定められたタイマ初期値を設定し、その監視タイマのカウントダウン動作を開始させるとともに、表示制御プロセスフラグの値を特別図柄停止待ち処理に対応した値である「3」に更新する。
【0128】
ステップS153の特別図柄停止待ち処理は、表示制御プロセスの値が「3」のときに実行される処理である。この処理において、CPU112は、主基板11から特別図柄確定コマンドA000(h)を受信したか否かを判別し、受信していないときには、さらに監視タイマがタイムアウトしたか否かを判別する。監視タイマがタイムアウトしていないときには、そのまま特別図柄停止待ち処理を終了する。一方、特別図柄確定コマンドを受信することなく監視タイマがタイムアウトしたときには、何らかの異常が発生したと判断して、可変表示装置4の表示領域41に所定のエラー画面を表示する制御を行う。また、監視タイマがタイムアウトする前に特別図柄確定コマンドを受信したときには、左、中、右可変表示領域41a〜41cにおける特別図柄の可変表示を終了させ、左、中、右の各図柄における確定図柄を停止表示する制御を行う。そして、導出された表示結果が大当りであるときには、表示制御プロセスフラグの値を大当り表示処理に対応した値である「4」に更新し、ハズレであるときには、表示制御プロセスフラグの値を「0」に更新する。
【0129】
ステップS154の大当り表示処理は、表示制御プロセスフラグの値が「4」のときに実行される処理である。この処理において、CPU112は、可変表示装置4を制御することにより、大当り遊技状態に応じた画像を表示する制御を行う。例えば、主基板11からの大当りラウンド数指示コマンドA1XX(h)に対応したラウンド数を、可変表示装置4の表示領域41に表示させることにより、遊技者に対して報知可能とする。そして、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技が最終ラウンド(例えば、16回目)になると、表示制御プロセスフラグの値を大当り終了表示処理に対応した値である「5」に更新する。
【0130】
ステップS155の大当り終了表示処理は、表示制御プロセスフラグの値が「5」のときに実行される処理である。この処理において、CPU112は、主基板11から大当り終了コマンドA200(h)を受信したことに応答して、可変表示装置4にて大当り遊技状態が終了したことを報知する演出表示の制御を行う。そして、その演出表示が終了すると、表示制御プロセスフラグの値を図柄配列変更表示処理に対応した値である「6」に更新する。
【0131】
ステップS156の図柄配列変更表示処理は、表示制御プロセスフラグの値が「6」のときに実行される処理である。図32及び図33は、図柄配列変更表示処理を示すフローチャートである。この図柄配列変更表示処理において、CPU112は、まず、主基板11からの図柄増加コマンドB0XX(h)を受信したか否かを判別する(ステップS401)。そして、図柄増加コマンドを受信したと判別したときには(ステップS401;Yes)、図7に示すような図柄増加コマンドのEXTデータによって指定された特別図柄の図柄番号を特定する(ステップS402)。続いて、特定された図柄番号の特別図柄に対応する図柄表示設定データを、例えば可変表示図柄配列データ格納領域131bの空き領域の先頭にセットするとともに(ステップS403)、配列内の図柄個数を1加算する(ステップS404)。例えば、RAM114の配列図柄数データ格納領域に格納されている配列図柄数データを、配列内の図柄個数が1増加したことに対応するデータに更新すればよい。
【0132】
ステップS404を実行した後、CPU112は、表示制御パターンメモリ130に格納されている図柄増加演出表示制御パターンを選択決定して読み出し(ステップS405)、読み出された図柄増加演出表示制御パターンに従って、例えばVDP115に対して表示制御パターンに基づく描画命令を送出するなどの表示設定を行う(ステップS406)。VDP115は、CPU112からの描画命令に基づいてCGROM116より画像データを読み出してVRAM117上の展開領域に展開することで、左、中、右可変表示部41a〜41cにて可変表示される特別図柄の配列に確変大当り図柄が増加することを報知するための画像を、可変表示装置4の表示領域41に表示させることができる。ステップS406を実行した後には、ステップS419に進む。
【0133】
また、ステップS401にて図柄増加コマンドを受信していないと判別したときには(ステップS401;No)、個別図柄初期設定コマンドB1XX(h)を受信したか否かを判別する(ステップS407)。そして、個別図柄初期設定コマンドを受信したと判別したときには(ステップS407;Yes)、個別図柄初期設定コマンドのEXTデータによって指定された特別図柄の図柄番号を特定する(ステップS408)。続いて、可変表示図柄配列データ格納領域131bにて図柄表示設定データを格納している複数の領域のうちから、ステップS408にて特定された図柄番号の特別図柄に対応する図柄表示設定データを格納している領域を特定し、その図柄番号が付された特別図柄の数が、第1の特別図柄配列に含まれている当該特別図柄の数となるように、図柄表示設定データを減少更新する(ステップS409)。
【0134】
例えば、第1の特別図柄配列が図柄番号「0」〜「9」の特別図柄を1つずつ含んで構成される場合には、図20(B)に示すような可変表示図柄配列データ格納領域131bにおいて、相対アドレスが「+10」以上の領域に格納されている図柄表示設定データのうちで、ステップS408にて特定された図柄番号の特別図柄に対応する図柄表示設定データを削除する。このとき、有効な図柄表示設定データが格納された領域の間に空き領域が生じた場合には、その空き領域がなくなるように、図柄表示設定データの格納位置をシフトさせる。
【0135】
この後、CPU112は、ステップS409にて減少させた図柄表示設定データ量に合わせて、配列内の図柄個数を減算更新する(ステップS410)。例えば、RAM114の配列図柄数データ格納領域に格納されている配列図柄数データが示す配列内の図柄個数から、ステップS409にて図柄表示設定データが削除された領域の数を減算し、減算された値を示す配列図柄数データを配列図柄数データ格納領域に格納することにより更新すればよい。あるいは、可変表示図柄配列データ格納領域131bにて有効な図柄表示設定データが格納されている領域の数を計数し、計数された値を示す配列図柄数データを配列図柄数データ格納領域に格納することにより更新してもよい。
【0136】
ステップS410を実行した後、CPU112は、表示制御パターンメモリ130に格納されている図柄初期化演出表示制御パターンを選択決定して読み出し(ステップS411)、読み出された図柄初期化演出表示制御パターンに従って、例えばVDP115に対して表示制御パターンに基づく描画命令を送出するなどの表示設定を行う(ステップS412)。VDP115は、CPU112からの描画命令に基づいてCGROM116より画像データを読み出してVRAM117上の展開領域に展開することで、左、中、右可変表示部41a〜41cにて可変表示される特別図柄の配列から所定の確変大当り図柄が減少することを報知するための画像を、可変表示装置4の表示領域41に表示させることができる。ステップS412を実行した後には、ステップS419に進む。
【0137】
また、ステップS407にて個別図柄初期設定コマンドを受信していないと判別したときには(ステップS407;No)、図柄配列初期化コマンドB200(h)を受信したか否かを判別する(図33のステップS413)。図柄配列初期化コマンドを受信していないと判別したときには(ステップS413;No)、図32のステップS419に進む。一方、図柄配列初期化コマンドを受信したと判別したときには(ステップS413;Yes)、可変表示図柄配列データ格納領域131bをクリアすることにより、可変表示図柄配列データ格納領域131bに格納されている図柄表示設定データを消去する(ステップS414)。続いて、初期設定図柄配列データ格納領域131aに格納されている配列データを読み出して可変表示図柄配列データ格納領域131bにセットする(ステップS415)。これにより、可変表示に用いる特別図柄配列が、第1の特別図柄配列に戻されることとなる。なお、増加された特別図柄に対応する図柄表示設定データを可変表示図柄配列データ格納領域131bの空き領域の先頭にセットするようにしたときには、ステップS414及びS415の処理に代えて、図20(B)に示すような可変表示図柄配列データ格納領域131bにおいて、相対アドレスが所定の基準値以上である領域に格納されている図柄表示設定データのみを消去するようにしてもよい。例えば、第1の特別図柄配列が図柄番号「0」〜「9」の特別図柄を1つずつ含んで構成される場合には、可変表示図柄配列データ格納領域131bにおいて相対アドレスが「+10」以上の領域に格納されている図柄表示設定データを消去することで、可変表示図柄配列データ格納領域131bに格納される配列データを、第1の特別図柄配列を示す配列データに更新することができる。
【0138】
この後、CPU112は、配列内の図柄個数を初期設定状態における設定値に戻すとともに(ステップS416)、表示制御パターンメモリ130に格納されている配列初期化演出表示制御パターンを選択決定して読み出す(ステップS417)。そして、読み出された配列初期化演出表示制御パターンに従って、例えばVDP115に対して表示制御パターンに基づく描画命令を送出するなどの表示設定を行う(ステップS418)。続いて、図32に示すステップS419において、表示制御プロセスフラグの値を「0」に更新する。
【0139】
上述したパチンコ遊技機1の動作を、次に、具体例に基づいて説明する。
【0140】
パチンコ遊技機1の右下位置に設けられたハンドルを遊技者が操作すると、発射モータにより遊技球が遊技領域に打ち込まれ、遊技領域内を下りてくる。主基板11は、各入賞口スイッチ70の入力の有無を監視している。
【0141】
遊技球が普通可変入賞球装置6に入賞すると、始動球検出器により遊技球の入賞が検出される。遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、各入賞口スイッチ70に含まれる始動球検出スイッチからの検出信号がオン状態となると(図23に示すステップS100;Yes)、ランダムカウンタ121よりランダムR1の値を抽出し、抽出した乱数値を特図保留メモリ120の空きエントリの先頭に登録する(ステップS101)。
【0142】
CPU103は、特図ゲームが実行されていない場合に、特図保留メモリ120に記憶されているランダムR1の値を先頭エントリから読み出し、読み出した乱数値に従って大当りとハズレの別を判定する(図25に示す大当り判定処理)。そして、「大当り」と判定したときには、ランダムカウンタ121より抽出したランダムR4−1の値に応じた大当り用の特別図柄を決定する(図26及び図27に示す確定特別図柄設定処理)。こうして決定された大当り用の特別図柄に対応する左、中、右の図柄指定コマンド91XX(h)、92XX(h)、93XX(h)が、主基板11から表示制御基板12に対して送出される。
【0143】
続いて、CPU103は、図14に示す可変表示パターンテーブル148に格納された複数の可変表示パターンのうちから状況に応じたものを選択し、選択した可変表示パターンに対応する可変表示開始コマンド80XX(h)を、表示制御基板12に対して送出する(図28に示す可変表示パターン設定処理)。表示制御基板12では、CPU112が主基板11からの可変表示開始コマンドにて指定された可変表示パターンに対応する図柄可変表示制御パターンを表示制御パターンメモリ130から読み出し、読み出した表示制御パターンに従って可変表示装置4による特別図柄の可変表示を開始する。
【0144】
こうして図34(A)に示すように、可変表示装置4上の左、中、右可変表示部41a〜41cにて特別図柄の可変表示が開始される。例えば、電源投入直後などの初期設定状態では、特別図柄配列メモリ131の可変表示図柄配列データ格納領域131bに、初期設定図柄配列データ格納領域131aに格納されているものと同様の第1の特別図柄配列を示す配列データが格納されている。そこで、CPU112は、図31に示す特図画像表示制御処理を実行することにより、可変表示図柄配列データ格納領域131bに格納されている第1の特別図柄配列を示すデータに従ってVDP115に描画命令を送るなどして、可変表示装置4における特別図柄の可変表示動作を制御する。これにより、左、中、右可変表示部41a〜41cでは、図35に示すように、図柄番号「0」の特別図柄「0」から図柄番号「9」の特別図柄「9」へと図柄番号が1ずつ増大していく順番で特別図柄を更新表示した後に図柄番号「0」の特別図柄「0」の表示へと戻るようにして、1周分の特別図柄の可変表示が行われることとなる。なお、図35に示される特別図柄の可変表示の順番は、可変表示パターンに従った可変表示中の演出により任意に変更されることがあり、例えば、図35に示される順番とは逆の順番(逆回転)で可変表示されてもよい。
【0145】
このように可変表示図柄配列データ格納領域131bに格納されている第1の特別図柄配列を示す配列データにより特別図柄の可変表示を行うときには、当該配列データにより示される1周分の特別図柄が順次に表示される間に、VDP115が、CGROM116に格納されている各々の特別図柄を特定可能に定義するキャラクタ画像データを、それぞれ1回ずつ読み出してVRAM117上の展開領域に展開することにより、第1の特別図柄配列を構成する特別図柄の可変表示が行われる。すなわち、可変表示図柄配列データ格納領域131bには、相対アドレスが「+0」から「+9」までの領域に、図柄番号「0」の特別図柄「0」から図柄番号「9」の特別図柄「9」までの各特別図柄に対応する図柄表示設定データが1つずつ格納されており、配列内の図柄個数として「10」を示す配列図柄数データがRAM114の配列図柄数データ格納領域に格納されている。
そして、CPU112が表示図柄カウンタの値に応じて読み出した図柄表示設定データに基づく描画命令をVDP115に送り、VDP115が、この描画命令に従ってCGROM116に格納されているキャラクタ画像データを読み出してVRAM117上に展開することで、可変表示装置4における表示動作を制御する。
【0146】
この後、可変表示パターンに対応した総可変表示時間が経過したときに、表示結果となる特別図柄の確定図柄が導出表示される。こうして導出表示された確定図柄がハズレとなる組合せであれば、特別可変入賞球装置7の開閉板の開成等を行うことなく、1回分の特図ゲームの実行が終了する。
【0147】
一方、例えば図34(B)に示すように、確定図柄が大当り組合せとなっていれば、パチンコ遊技機1は大当り遊技状態となり、特別可変入賞球装置7の開閉板が一定時間が経過するまで、または一定数の遊技球が入賞するまで開成し、開閉を一定サイクル繰り返す。このとき遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、表示制御基板12に対する大当りラウンド数指示コマンドA1XX(h)の送出などにより、例えば図34(C)に示すように、大当り遊技状態において実行されているラウンド遊技の実行回数を報知するための情報を、可変表示装置4により表示させる(図23に示すステップS116)。
【0148】
この後、大当り遊技状態が終了すると、主基板11から表示制御基板12に対して大当り終了コマンドA200(h)を送出する(ステップS117)。表示制御基板12では、CPU112が大当り終了コマンドを受信したことに応じて、例えば図34(D)に示すように、大当り遊技状態が終了したことを報知するための情報を、可変表示装置4により表示させる(図30に示すステップS155)。
【0149】
このとき、CPU103は、フラグメモリ126に設けられた確変フラグがオンとなっているか否かを判別することにより、可変表示の表示結果として導出表示された特別図柄が通常大当り図柄であるか、確変大当り図柄であるかを判定し、確変大当り図柄である旨の判定がなされたときには、左、中、右可変表示部41a〜41cにて可変表示される特別図柄配列を変更するための処理を実行する(図29に示す図柄配列設定処理)。
【0150】
例えば、第1の特別図柄配列を示す配列データにより第1の特別図柄配列を構成する特別図柄の可変表示を行ったときの表示結果として、図34(B)に示すように確変大当り図柄としての図柄番号「3」の特別図柄「3」が左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて揃って導出表示されたものとする。この場合には、第1の特別図柄配列を構成する特別図柄に図柄番号「3」の特別図柄「3」を増加した第2の特別図柄配列を生成することが決定され(図29に示すステップS278;No)、図柄番号「3」に対応する増加回数が「1」を示すように、図柄増加回数テーブル147に格納されている設定データが更新される。このときには、「合計」に対応する増加回数も1加算されて「1」を示すように、図柄増加回数テーブル147に格納されている設定データが更新される(ステップS282)。
【0151】
また、図柄番号「3」の特別図柄「3」が1つ増加することに合わせて、確変大当り図柄決定用テーブル143における各確変大当り図柄の確定図柄番号に対するランダムR4−1の割当てが、図11(B)に示すような初期設定時での設定から図37(A)に示すような設定となるように、CPU103が確変大当り図柄決定用テーブル143に格納されている設定データを更新する(ステップS283)。これにより、以後に行われる特図ゲームにて可変表示の表示結果として左、中、右可変表示部41a〜41cで同一の確変大当り図柄を導出表示する旨の判定(確変大当りの判定)がなされたときに、図柄番号「3」の特別図柄「3」を、他の確変大当り図柄と比較して高い割合で、確定図柄として選択決定することができる。この後、図7に示すように、図柄番号「3」の特別図柄「3」を増加させることに合わせてEXTデータが01(h)に設定された図柄増加コマンドB001(h)が、表示制御基板12に対して送出される(ステップS284など)。
【0152】
表示制御基板12では、CPU112が主基板11からの図柄増加コマンドB001(h)を受信したとの判定(図32に示すステップS401;Yes)に基づいて、図柄番号「3」の特別図柄「3」に対応する図柄表示設定データを、例えば可変表示図柄配列データ格納領域131bの空き領域の先頭にセットする(ステップS403)。また、例えばRAM114の配列図柄数データ格納領域に格納されている配列図柄数データを、配列内の図柄個数が1つ増加したことに対応するデータに更新するなどして、配列内の図柄個数を1加算しておく(ステップS404)。これにより、第2の特別図柄配列が生成され、以後の特図ゲームでは、可変表示図柄配列データ格納領域131bに格納されている第2の特別図柄配列を示す配列データにより特別図柄の可変表示が制御されることとなり、図36(A)に示すように、図柄番号「0」の特別図柄「0」から図柄番号「9」の特別図柄「9」へと図柄番号が1ずつ増大していく順番で特別図柄を順次に更新表示し、さらに図柄番号「3」の特別図柄「3」を表示させた後に図柄番号「0」の特別図柄「0」の表示へと戻るようにして、1周分の特別図柄の可変表示が行われることとなる。
【0153】
この場合には、可変表示図柄配列データ格納領域131bに格納されている配列データにより示される1周分の特別図柄が順次に表示される間に、VDP115がCGROM116に格納されている各々の特別図柄を示すキャラクタ画像データのうちで、図柄番号「3」の特別図柄「3」を示すキャラクタ画像データを2回読み出してVRAM117上に展開することにより、第2の特別図柄配列を構成する図柄番号「9」の特別図柄「9」と図柄番号「0」の特別図柄「0」との間に、図柄番号「3」の特別図柄「3」を挿入して増加させる。すなわち、可変表示図柄配列データ格納領域131bに格納されている第2の特別図柄配列を示す配列データは、VDP115が、第2の特別図柄配列を構成する各々の特別図柄を1回ずつ更新表示させることに対応して、増加される特別図柄のキャラクタ画像データをCGROM116から複数回読み出すことができるように構成されている。
【0154】
また、CPU112は、主基板11からの図柄増加コマンドB001(h)を受信したことに応じて表示制御パターンメモリ130に格納されている図柄増加演出表示制御パターンを読み出し、例えば図34(E)及び(F)に示すように、可変表示に用いる特別図柄配列において図柄番号「3」の特別図柄「3」が増加される旨を報知するための演出表示を、可変表示装置4の表示動作を制御することにより行わせる(図32に示すステップS405、S406)。こうして増加する特別図柄を報知するための演出表示が終了すると、例えば図34(G)に示すように左、中、右可変表示部41a〜41cにて特別図柄が停止表示されている状態に戻し、大当り遊技状態が終了した後の特図ゲームにおける可変表示を開始可能な状態とする。そして、可変表示の開始条件が成立すると、図34(H)に示すように特別図柄の可変表示が開始されることとなる。
【0155】
この後、可変表示の表示結果として、再び図柄番号「3」の特別図柄「3」が左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて揃って導出表示されると、可変表示図柄配列データ格納領域131bに格納されている配列データが更新され、以後の特図ゲームにおいて、図36(B)に示すような順番で特別図柄が更新表示されることにより特別図柄の可変表示が行われることとなる。さらにこの後、可変表示の表示結果として、図柄番号「5」の特別図柄「5」が左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて揃って導出表示されると、可変表示図柄配列データ格納領域131bに格納されている配列データが更新され、以後の特図ゲームにおいて、図36(C)に示すような順番で特別図柄が更新表示されることにより特別図柄の可変表示が行われることとなる。
【0156】
また、図36(B)に示すように、第1の特別図柄配列を構成する特別図柄と比較して、図柄番号「3」の特別図柄「3」が2つ増加されるときには、確変大当り図柄決定用テーブル143における各確変大当り図柄の確定図柄番号に対するランダムR4−1の割当てが、例えば図37(B)に示すような設定となるように、CPU103が確変大当り図柄決定用テーブル143に格納されている設定データを更新する。図36(C)に示すように、第1の特別図柄配列を構成する特別図柄と比較して、図柄番号「3」の特別図柄「3」が2つ増加され、かつ、図柄番号「5」の特別図柄「5」が1つ増加されるときには、確変大当り図柄決定用テーブル143における各確変大当り図柄の確定図柄番号に対するランダムR4−1の割当てが、例えば図37(C)に示すような設定となるように、CPU103が確変大当り図柄決定用テーブル143に格納されている設定データを更新する。
【0157】
このように確変大当り図柄決定用テーブル143に格納されている設定データを更新することにより、確変大当りとする旨の判定がなされたときに各確変大当り図柄が確定図柄として選択される割合は、図38(A)〜(D)に示すように変化する。すなわち、第1の特別図柄配列を構成する特別図柄に比べて増加されている特別図柄については、他の特別図柄と比較して高い割合で大当りの表示結果とする確定図柄として選択決定されることとなる。
【0158】
この後、例えば図柄番号「3」の特別図柄「3」が可変表示の表示結果として左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて揃って導出表示される特図ゲームが3回行われたときには、図39(A)に示すような順番で特別図柄が可変表示されることとなる。ここで、所定の個別判定値としての個別増加回数最大値が、予め「5」に定められているものとする。この場合において、図40(B)に示すように、さらに図柄番号「3」の特別図柄「3」が可変表示の表示結果として左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて揃って導出表示されると、図柄増加回数テーブル147において図柄番号「3」に対応して格納されている設定データにより示される増加回数が「5」となっていることから、図29に示す図柄配列設定処理において、確定図柄として導出表示させた確変大当り図柄の増加回数が個別増加回数最大値と等しい旨の判定がなされる(ステップS278;Yes)。
【0159】
そこで、CPU103は、可変表示に用いる特別図柄配列に含まれている図柄番号「3」の特別図柄「3」の数を、第1の特別図柄配列に含まれている数に戻すための処理を実行する。すなわち、CPU103は、図柄番号「3」に対応する増加回数が「0」を示すように、図柄増加回数テーブル147に格納されている設定データを更新し、「合計」に対応する増加回数を示す設定データも、これに合わせて更新する(ステップS279)。また、図柄番号「3」の特別図柄「3」が減少することに合わせて、確変大当り図柄決定用テーブル143における各確変大当り図柄の図柄確定番号に対するランダムR4−1の割当てを変更する(ステップS280)。そして、図7に示すように、図柄番号「3」の特別図柄「3」を初期化することに合わせてEXTデータが01(h)に設定された個別図柄初期設定コマンドB101(h)が、表示制御基板12に対して送出される(ステップS281など)。
【0160】
表示制御基板12では、CPU112が主基板11からの個別図柄初期設定コマンドB101(h)を受信したとの判定(図32に示すステップS407;Yes)に基づいて、可変表示図柄配列データ格納領域131bに格納されている図柄表示設定データを減少更新することにより、可変表示に用いる特別図柄配列に図柄番号「3」の特別図柄「3」が含まれる数が、第1の特別図柄配列に含まれている数となるように、可変表示用の配列データを更新する(ステップS409)。また、例えばRAM114の配列図柄数データ格納領域に格納されている配列図柄数データを、配列内の図柄個数が5つ減少したことに対応するデータに更新するなどして、配列内の図柄個数を減算更新する(ステップS410)。これにより、以後の特図ゲームでは、図38(B)に示すような順番で特別図柄が更新表示されることにより特別図柄の可変表示が行われることとなる。
【0161】
また、CPU112は、主基板11からの個別図柄初期設定コマンドB101(h)を受信したことに応じて表示制御パターンメモリ130に格納されている図柄初期化演出表示制御パターンを読み出し、例えば図40(E)及び(F)に示すように、図柄番号「3」の特別図柄「3」が可変表示に用いる特別図柄配列に含まれる数は第1の特別図柄配列に含まれる数に戻る旨を報知するための演出表示を、可変表示装置4の表示動作を制御することにより行わせる(図32に示すステップS411、S412)。こうして減少(初期化)する特別図柄を報知するための演出表示が終了すると、例えば図40(G)に示すように左、中、右可変表示部41a〜41cにて特別図柄が停止表示されている状態に戻し、大当り遊技状態が終了した後の特図ゲームにおける可変表示を開始可能な状態とする。
【0162】
さらに、可変表示の表示結果として左、中、右の各可変表示部41a〜41cに同一の確変大当り図柄が導出表示されたときに、図柄増加回数テーブル147において「合計」に対応して格納されている設定データにより示される増加回数が所定の全体判定値としての全体増加回数最大値(例えば「10」)と等しくなっていたものとする。このとき、CPU103は、可変表示に用いられる特別図柄の配列全体を初期化し、第1の特別図柄配列に戻すための処理を実行する。すなわち、CPU103は、各々の確変大当り図柄の図柄番号と「合計」とに対応する増加回数が、いずれも「0」を示すように、図柄増加回数テーブル147に格納されている設定データを初期化する(図29に示すステップS274)。また、可変表示に用いられる特別図柄の配列を初期化することに合わせて、確変大当り図柄決定用テーブル143における各確変大当り図柄の図柄確定番号に対するランダムR4−1の割当てを、図11(B)に示す初期設定時の状態に戻すように初期化する(ステップS275)。そして、特別図柄配列全体を初期化することに応じた図柄配列初期化コマンドB200(h)が、表示制御基板12に対して送出される(ステップS276など)。
【0163】
表示制御基板12では、CPU112が主基板11からの図柄配列初期化コマンドB200(h)を受信したとの判定(図33に示すステップS413;Yes)に基づいて、可変表示図柄配列データ格納領域131bに格納されている配列データを、初期設定図柄配列データ格納領域131aに格納されている配列データと同一のデータに更新する(ステップS414、S415)。また、例えばRAM114の配列図柄数データ格納領域に格納されている配列図柄数データを、初期設定状態における配列内の図柄個数を示すデータに更新する(ステップS416)。これにより、以後の特図ゲームでは、図35に示すような第1の特別図柄配列に従った順番で特別図柄が更新表示されることにより特別図柄の可変表示が行われることとなる。
【0164】
以上説明したように、この実施の形態によれば、図32のステップS403にて図柄表示設定データを可変表示図柄配列データ格納領域131bにセットするとともに、ステップS404にて配列内の図柄個数を1加算することで、初期設定状態での可変表示に用いられる第1の特別図柄配列を構成する特別図柄に確変大当り図柄を増加した第2の特別図柄配列を生成することができる。そして、図31に示す特図画像表示制御処理において、生成された第2の特別図柄配列を示す配列データにより特別図柄の可変表示を制御する。これにより、大当り組合せの確定図柄として選択決定される可能性の高い特別図柄をわかりやすく表示することができ、また、第1の特別図柄配列に含まれている特別図柄を減少させることもないので、大当りの表示結果となる特別図柄に対する興味と期待感を向上することができる。さらに、特別図柄の配列を用いて面白みのある演出を行うことができる。
【0165】
また、大当り組合せとなる確定図柄として確変大当り図柄が選択決定されたときのみに、その選択決定された確変大当り図柄を増加させるようにしたので、以後の特図ゲームにおける可変表示の表示結果が同一の確変大当り図柄で揃って確率変動制御が行われることに対する遊技者の期待感を向上することができる。
【0166】
可変表示に用いる特別図柄配列に確変大当り図柄を増加するときには、図29のステップS280にて確変大当り図柄決定用テーブル143における各々の確変大当り図柄の確定図柄番号に対するランダムR4−1の値の割当てを変更する。これにより、以後の特図ゲームにおいて第2の特別図柄配列を構成する特別図柄のうちで増加されている確変大当り図柄を、他の確変大当り図柄と比較して高い割合で大当り組合せとなる確定図柄として選択決定するので、その確変大当り図柄をさらに増加させることが容易になり、その確変大当り図柄で大当りとなり易いとの印象を遊技者に与えることができ、増加した特別図柄に対する遊技者の興味を向上することができる。
【0167】
また、図32のステップS405、S406にてCPU112が図柄増加演出表示制御パターンに従った表示設定を行うことに応じて、VDP115は、例えば図34(E)及び(F)に示すような画像を可変表示装置4の表示領域41に表示させる。これにより、可変表示に用いる特別図柄配列に対して増加される特別図柄を報知することで、特別図柄が増加したことを遊技者に印象づけることができ、大当り組合せとなった特別図柄に対する遊技者の期待感を向上することができる。
【0168】
図29のステップS273にて図柄増加回数の合計値が所定の全体判定値としての合計増加回数最大値と等しい旨の判定がなされたときには、図柄配列初期化コマンドB200(h)が主基板11から表示制御基板12に対して送出される。そして、図33のステップS414、S415にて、可変表示図柄配列データ格納領域131bに格納されている配列データを、初期設定図柄配列データ格納領域131aに格納されている配列データと同一のデータに更新することで、第2の特別図柄配列から第1の特別図柄配列に配列データを切り換える。これにより、可変表示に用いる特別図柄配列を構成する特別図柄の数がむやみに増加することを防止し、特別図柄の可変表示における制御負担を軽減することができる。
【0169】
図29のステップS278にて大当り図柄に応じた図柄増加回数が所定の個別判定値としての個別増加回数最大値と等しい旨の判定がなされたときには、大当り図柄に応じた個別図柄初期設定コマンドB1XX(h)が主基板11から表示制御基板12に対して送出される。そして、図32のステップS409にて、可変表示に用いる特別図柄配列に大当り図柄として導出表示した特別図柄が含まれる数が第1の特別図柄配列に含まれている数となるように、可変表示用の配列データが更新される。これにより、同一の特別図柄がむやみに増加して特定の特別図柄が過度に偏って導出表示されることを防止し、遊技者の期待感を適度に高めることができる。
【0170】
また、第2の特別図柄配列を示す配列データは、VDP115が、第2の特別図柄配列を構成する各々の特別図柄を1回ずつ表示させることに対応して、増加される特別図柄を特定可能に定義するキャラクタ画像データをCGROM116から複数回読み出し、第2の特別図柄配列を構成する所定の特別図柄の間に、特別図柄を挿入して増加させるように構成されている。これにより、第1の特別図柄配列を構成する特別図柄のキャラクタ画像データを用いて、第2の特別図柄配列による可変表示を行うことができるので、特別図柄を可変表示するために必要なデータ量を増大させることなく特別図柄の配列を変化させて面白みのある演出を行うことができる。これにより、表示用の各種データの格納に必要な記憶容量を抑えることができ、特別図柄の可変表示における制御負担を軽減することもできる。
【0171】
上記実施の形態では、可変表示の表示結果として左、中、右の各可変表示部41a〜41cに同一の確変大当り図柄が導出表示され、その表示結果に基づく大当り遊技状態が終了した後に、可変表示に用いる特別図柄配列を構成する特別図柄に確変大当り図柄を増加させるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、所定の条件が成立したときに、可変表示に用いる特別図柄配列に含まれる特別図柄の数を増加できるものであればよい。以下、所定の条件の一例として、実行が保留されている可変表示の表示結果を大当りとする旨の判定がなされたときに、可変表示に用いる特別図柄配列に含まれる特別図柄の数を増加させる実施形態について説明する。
【0172】
この例では、図23に示すステップS101の入賞処理において、ランダムR1の値の他にランダムR5の値も、ランダムカウンタ121より抽出する。そして、図41に示すように、特図保留メモリ120は、ランダムR1の値とランダムR5の値とを、保留番号と対応付けて格納する。また、フラグメモリ126には、保留記憶大当りフラグを設けておく。
【0173】
このような構成において、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、図23に示すステップS110の特別図柄通常処理として、図24に示すフローチャートに従った処理に代えて、図42に示すフローチャートに従った処理を実行する。図42に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、特図保留メモリ120における保留記憶数が「0」であるか否かを判別する(ステップS501)。保留記憶数が「0」であれば(ステップS501;Yes)、特別図柄通常処理を終了する。一方、保留記憶数が「0」以外であると判別すると(ステップS501;No)、フラグメモリ126に設けられた保留記憶大当りフラグがオンとなっているか否かを判別する(ステップS502)。保留記憶大当りフラグがオフであるときには(ステップS502;No)、図43のフローチャートに示す保留記憶判定処理を実行する(ステップS503)。一方、保留記憶大当りフラグがオンであるときには(ステップS502;Yes)、ステップS503をスキップして、ステップS504に進む。
【0174】
ステップS503にて保留記憶判定処理を開始すると、CPU103は、図43に示すように、特図保留メモリ120の記憶内容をチェックするために用いられる変数kの値を初期値「1」に設定する(ステップS521)。続いて、特図保留メモリ120において変数kの値と同一の保留番号に格納された設定データを読み取り、変数kの値と同一の保留番号に格納されたランダムR1の値を読み出す(ステップS522)。そして、読み出されたランダムR1の値に基づいて、図25のフローチャートに示す大当り判定処理を実行する(ステップS523)。この後、ステップS523にて大当り判定処理を実行した結果として、フラグメモリ126に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かを判別し(ステップS524)、オンとなっているときには(ステップS524;Yes)、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS525)。
【0175】
ステップS525に続いて、CPU103は、フラグメモリ126に設けられた保留記憶大当りフラグをオン状態にセットし(ステップS526)、変数kの値と同一の保留番号に格納されたランダムR5の値を読み出す(ステップS527)。そして、読み出されたランダムR5の値が奇数であるか否かを判別し(ステップS528)、偶数であれば(ステップS528;No)、そのまま保留記憶判定処理を終了する。一方、ランダムR5の値が奇数であるときには(ステップS528;Yes)、図44のフローチャートに示す図柄増加設定処理を実行する(ステップS529)。なお、図柄増加回数設定処理を実行するときには、ランダムカウンタ121よりランダムR4−1の値を抽出し、確変大当り図柄決定用テーブル143を用いて確変大当り図柄を選択決定しておく。そして、このとき選択決定した確変大当り図柄を示す図柄指定データを、例えばRAM102に設けられた所定の図柄指定データ格納領域に格納するなどして、選択決定した確変大当り図柄を記憶させる。
【0176】
ステップS529にて図柄増加設定処理を開始すると、CPU103は、図44に示すように、図柄増加回数テーブル147から、図柄増加回数の合計値を読み出す(ステップS541)。続いて、CPU103は、読み出された図柄増加回数の合計値が、合計増加回数最大値と等しくなっているか否かを判別する(ステップS542)。図柄増加回数の合計値が合計増加回数最大値と等しいときには(ステップS542;Yes)、そのまま図柄増加設定処理を終了する。一方、図柄増加回数の合計値が合計増加回数最大値とは異なるときには(ステップS542;No)、例えばRAM102の図柄指定データ格納領域に格納されている図柄指定データを読み出すなどして、記憶されている確変大当り図柄を特定し、特定された確変大当り図柄に応じた図柄増加回数を、図柄増加回数テーブル147から読み出す(ステップS543)。
【0177】
ステップS543に続いて、CPU103は、読み出された図柄増加回数が、個別増加回数最大値と等しくなっているか否かを判別する(ステップS544)。そして、図柄増加回数が個別増加回数最大値と等しいときには(ステップS544;Yes)、そのまま図柄増加設定処理を終了する。一方、図柄増加回数が個別増加回数最大値とは異なるときには(ステップS544;No)、ステップS543にて特定された確変大当り図柄に応じた図柄増加回数が1加算されるように、図柄増加回数テーブル147に格納されている図柄増加回数を示すデータを更新する(ステップS545)。続いて、CPU103は、確変大当り図柄決定用テーブル143に格納されている設定データを更新することにより、各図柄番号に対して割り振られているランダムR4−1の値を、確変大当り図柄の数を増加させることに合わせて変更する(ステップS546)。また、CPU103は、増加させる確変大当り図柄に応じた図柄増加コマンドB0XX(h)を表示制御基板12に対して送出可能に設定する(ステップS547)。
【0178】
また、図43に示すステップS524にて大当りフラグがオフとなっているとき(ステップS524;No)、CPU103は、変数kの値を1加算して更新し(ステップS530)、更新された変数kの値と同一の保留番号に対応した保留記憶があるか否かを判別する(ステップS531)。変数kの値と同一の保留番号に対応する保留記憶があるときには(ステップS531;Yes)、ステップS522にリターンして、次の保留番号に対応する記憶内容に基づく大当り判定などを行う。一方、変数kの値と同一の保留番号に対応する保留記憶がないときには(ステップS531;No)、保留記憶判定処理を終了する。保留記憶判定処理が終了すると、図42に示すステップS504に進む。
【0179】
図42に示すステップS504では、CPU103が特図保留メモリ120から保留番号「1」に対応して格納されているランダムR1の値とランダムR5の値とを読み出す。この際、保留記憶数を1減算し、かつ、特図保留メモリ120の保留番号「2」〜「4」に格納されたランダムR1の値とランダムR5の値を1エントリずつ上位にシフトする(ステップS505)。その後、CPU103は、ステップS505にて読み出されたランダムR1の値に基づいて、図25に示す大当り判定処理を実行する(ステップS506)。
【0180】
この後、ステップS506にて大当り判定処理を実行した結果として、大当りフラグがオンとなっているか否かを判別し(ステップS507)、オンとなっているときには(ステップS507;Yes)、フラグメモリ126に設けられた保留記憶大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS508)。一方、大当りフラグがオフであるときには(ステップS507;No)、ステップS508をスキップする。そして、ステップS509において、特別図柄プロセスフラグの値を「1」に更新する。
【0181】
表示制御基板12では、CPU112が、例えば図30に示すステップS150の可変表示開始コマンド受信待ち処理において、主基板11からの図柄増加コマンドB0XX(h)を受信したか否かを判別し、受信したと判別したときには、図32に示すステップS402〜S406と同様の処理を実行すればよい。これにより、特図保留メモリ120にランダムR1の値とランダムR5の値が格納されて実行が保留されている特図ゲームのうちに可変表示の表示結果を確変大当たりとするものがあるときに、その特図ゲームが実行されるよりも前に、左、中、右可変表示部41a〜41cにて可変表示される特別図柄の配列に確変大当り図柄を増加させることができる。このように大当りの表示結果が導出表示されるよりも前に特別図柄を増加させることで、遊技者の期待感を持続させることができ、特別図柄の配列を用いて面白みのある演出を行うことができる。
【0182】
上述したように実行が保留されている特図ゲームのうちに可変表示の表示結果を確変大当りとするものがあるときに確変大当り図柄を増加させるようにした場合には、図29に示す図柄配列設定処理においてステップS282〜S284の処理を実行することにより、大当り遊技状態が終了した後、さらに確変大当り図柄を増加させるようにしてもよい。あるいは、図29のステップS278にて図柄増加回数が増加回数最大値と異なるときには(ステップS278;No)、ステップS285に進むようにして、大当り遊技状態が終了した後には確変大当り図柄を増加させないようにしてもよい。また、CPU103は、図26及び図27に示す確定特別図柄設定処理において、ステップS232にてランダムカウンタ121よりランダムR5を抽出する必要はなく、図42に示すステップS504にて読み出されたランダムR5の値を用いるようにすればよい。そして、図27に示すステップS233にてランダムR5の値が奇数であると判別したときには、ステップS237〜S239の処理を実行することなく、例えばRAM102の図柄指定データ格納領域に格納されている図柄指定データを読み出すなどして、記憶されている確変大当り図柄を大当り組合せとなる確定図柄として選択決定するようにしてもよい。あるいは、ステップS237〜S239の処理を実行することにより、図44のステップS546にて設定データが更新された確変大当り図柄決定用テーブル143を用いて、改めて大当り組合せとなる確定図柄を決定するようにしてもよい。
【0183】
なお、上記実施の形態では、特図ゲームにおける可変表示の表示結果として同一の確変大当り図柄が揃って導出表示される確変大当りとなるときに、可変表示に用いる特別図柄配列を構成する特別図柄に確変大当り図柄を増加させるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、予め設定した任意の特別図柄が揃って導出表示される大当りとなるときに、その特別図柄を、可変表示に用いる特別図柄配列を構成する特別図柄に増加させることができるものであればよい。
【0184】
また、上記実施の形態では、例えば図34(E)及び(F)に示すように、可変表示装置4の表示により、増加する特別図柄を報知するものとして説明したが、これに限定されるものではなく、増加する特別図柄を報知する演出を実行可能な任意の遊技機に適用することができる。例えば、音声制御基板13の制御下にスピーカ8L、8Rから増加する特別図柄に対応した音声信号を出力させることにより、増加する特別図柄を報知するようにしてもよい。また、ランプ制御基板14の制御下に遊技効果ランプ9に含まれる増加図柄報知用ランプを点灯または点滅させるなどして、増加する特別図柄を報知するようにしてもよい。さらに、可変表示装置4における画像表示、スピーカ8L、8Rからの音声出力、報知用ランプの点灯または点滅のいずれかを組み合わせて、増加する特別図柄を報知するようにしてもよい。
【0185】
上記実施の形態では、特別図柄配列メモリ131の初期設定図柄配列データ格納領域131aや可変表示図柄配列データ格納領域131bに格納される配列データが、特別図柄配列を構成する各々の特別図柄に対応した図柄表示設定データを組み合わせることにより構成されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に用いる特別図柄の配列を特定することができる配列データであれば、その構成は任意に変更が可能である。例えば、可変表示に使用することができる全ての特別図柄配列を識別可能な識別番号を割当て、可変表示図柄配列データ格納領域131bに格納されている識別番号を示すデータを、可変表示される特別図柄配列を示す配列データとして用いるようにしてもよい。
【0186】
図1及び図4に示した装置構成、図5、図8、図16及び図17に示すブロック構成、図10〜図15に示すテーブル構成や、図21〜図33に示すフローチャート構成等は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更及び修正が可能である。
【0187】
さらに、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などにも本発明を適用することができる。本発明を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
【0188】
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
【0189】
また、本発明は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
【0190】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、以下に示す効果を有する。
【0191】
請求項1に記載した構成の遊技機によれば、識別情報増加手段は、識別情報選択手段によって選択決定されて特定表示結果として表示された識別情報を、第1の識別情報配列を構成する識別情報に増加させた第2の識別情報配列を示す配列データを生成し、増加配列表示制御手段は、第2の識別情報配列を示す配列データにより識別情報の可変表示を制御する。これにより、第1の識別情報配列に含まれている識別情報を減少させることがないので、特定表示結果、すなわち「大当り」の表示結果となる識別情報に対する興味と期待感を向上できるとともに、識別情報の配列を用いて面白みのある演出を行うことができる。
【0192】
請求項2に記載の遊技機においては、識別情報増加手段は、識別情報選択手段が特定表示結果とする識別情報として事前判定手段によって特定表示結果を表示する旨の判定がなされる確率の高くなる特別の識別情報を選択決定したときのみに、特別の識別情報を増加させて第2の識別情報配列を生成するので、以後の可変表示にて特別の識別情報による特定表示結果が表示されて特別遊技状態に制御されることに対する遊技者の期待感を向上させることができる。
【0193】
請求項3に記載の遊技機においては、識別情報選択手段が、識別情報増加手段によって増加されている識別情報を、増加されていない識別情報と比較して高い割合で特定表示結果とする識別情報として選択決定するので、当該識別情報をさらに増加させることが容易になり、その識別情報による特定表示結果が表示されやすいとの印象を遊技者に与えることにより、増加した識別情報に対する遊技者の興味を向上させることができる。
【0194】
請求項4に記載の遊技機においては、増加識別情報報知手段が識別情報増加手段によって増加される識別情報を報知するので、特定表示結果となった識別情報が増加することを遊技者に印象付けることにより、特定表示結果となった識別情報に対する遊技者の期待感を向上させることができる。
【0195】
請求項5に記載の遊技機においては、全体増加回数計数手段が、識別情報増加手段によって第2の識別情報配列を示す配列データが生成されたとき、第1の識別情報配列を構成する識別情報に対して識別情報が増加された回数を計数する。
そして、全体増加回数計数手段によって計数された計数値が所定の全体判定値となった旨の判定が全体計数値判定手段によりなされたときに、全体配列データ切換手段が、可変表示制御手段により用いられる配列データを、第2の識別情報配列を示す配列データから第1の識別情報配列を示す配列データに切り換える。これにより、可変表示される識別情報の数が極端に増加することによる遊技者の混乱を防止して、識別情報の可変表示における制御負担を軽減することができる。
【0196】
請求項6に記載の遊技機においては、個別増加回数計数手段が、識別情報増加手段によって第2の識別情報配列を示す配列データが生成されたとき、第1の識別情報配列を構成する識別情報に対して所定の識別情報が増加された回数を計数する。そして、個別増加回数計数手段によって計数された計数値が所定の個別判定値となった旨の判定が個別計数値判定手段によりなされたときに、個別配列データ切換手段が、第2の識別情報配列を構成する識別情報に前記所定の識別情報が含まれている数を、第1の識別情報配列に当該識別情報が含まれている数に変更するように、前記可変表示制御手段により用いられる配列データを切り換える。これにより、同一の識別情報の数が極端に増加することを防ぐことで、特定の識別情報が過度に偏って表示されることを防止し、遊技者の期待感が過度に高められることを抑制することができる。
【0197】
請求項7に記載の遊技機においては、開始前判定手段により保留記憶手段に記憶された数値データが所定の判定値データと合致する旨の判定がなされ、特定表示結果を表示する旨の判定がなされたときに、識別情報増加手段が、当該特定表示結果を表示する旨の判定がなされた可変表示の表示結果として識別情報選択手段によって選択決定された識別情報を、可変表示の表示結果が導出表示される前に増加させる。これにより、特定表示結果となる可変表示の表示結果が導出表示されるよりも前に識別情報を増加させることにより、遊技者の期待感を持続させることができ、識別情報の配列を用いて面白みのある演出を行うことができる。
【0198】
請求項8に記載の遊技機においては、画像処理手段が、識別情報増加手段によって増加された識別情報の識別情報データを識別情報データ格納手段から複数回読み出して表示することにより、識別情報の可変表示を行う。これにより、識別情報データのデータ量を増大させることなく第2の識別情報配列を生成し、第2の識別情報配列を構成する識別情報の可変表示を行うことができるので、識別情報データのデータ量を増大させることなく識別情報の配列を用いた面白みのある演出を可能として識別情報データの格納に必要な記憶容量を抑えることができ、識別情報の可変表示における制御負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】可変表示装置における画像表示例を示す図である。
【図3】この実施の形態で用いられる特別図柄の例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機の背面図である。
【図5】主基板における回路構成等を示すブロック図である。
【図6】表示制御コマンドの内容の一例を示す図である。
【図7】図柄増加コマンドと個別図柄初期設定コマンドにおけるEXTデータの一例を示す図である。
【図8】遊技制御用マイクロコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【図9】遊技制御用マイクロコンピュータのランダムカウンタによりカウントされる各乱数の例を示す図である。
【図10】大当り判定テーブルの構成例を示す図である。
【図11】大当り図柄決定用テーブルの構成例を示す図である。
【図12】左、中、右図柄決定用テーブルの構成例を示す図である。
【図13】図柄増加回数テーブルの構成例を示す図である。
【図14】可変表示パターンテーブルの構成例を示す図である。
【図15】可変表示パターン決定テーブルの構成例を示す図である。
【図16】表示制御基板におけるハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図17】表示制御基板の構成例を示すブロック図である。
【図18】表示制御パターンメモリの構成例を示す図である。
【図19】図柄可変表示制御パターンの構成例を示す図である。
【図20】特別図柄配列メモリと可変表示図柄配列データ格納領域の構成例を示す図である。
【図21】遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
【図22】遊技制御割込処理を示すフローチャートである。
【図23】特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。
【図24】図23における特別図柄通常処理の詳細を示すフローチャートである。
【図25】図24における大当り判定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図26】図23における確定特別図柄設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図27】図23における確定特別図柄設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図28】図23における可変表示パターン設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図29】図23における図柄配列設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図30】特図表示制御プロセス処理を示すフローチャートである。
【図31】特図画像表示制御処理を示すフローチャートである。
【図32】図30における図柄配列変更表示処理の詳細を示すフローチャートである。
【図33】図30における図柄配列変更表示処理の詳細を示すフローチャートである。
【図34】可変表示装置における表示動作の一例を示す図である。
【図35】可変表示に用いられる特別図柄配列の一例を示す図である。
【図36】確変大当り図柄が増加した特別図柄配列の構成例を示す図である。
【図37】確変大当り図柄決定用テーブルの構成例を示す図である。
【図38】各確変大当り図柄が確定図柄として選択される割合を示す図である。
【図39】確変大当り図柄が増加した特別図柄配列の構成例を示す図である。
【図40】可変表示装置における表示動作の一例を示す図である。
【図41】特図保留メモリの他の構成例を示す図である。
【図42】特別図柄通常処理の他の一例を示すフローチャートである。
【図43】図42における保留記憶判定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図44】図43における図柄増加設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 … パチンコ遊技機(遊技機)
2 … 遊技盤(ゲージ盤)
3 … 遊技機用枠(台枠)
4 … 可変表示装置
6 … 普通可変入賞球装置
7 … 特別可変入賞球装置
8L、8R … スピーカ
9 … 遊技効果ランプ
10 … 電源基板
11 … 主基板
12 … 表示制御基板
13 … 音声制御基板
14 … ランプ制御基板
15 … 払出制御基板
16 … 情報端子基板
21、22 … ソレノイド
40 … 普通図柄表示器
70 … 各入賞口スイッチ
100 … 遊技制御用マイクロコンピュータ
101、113 … ROM
102、114 … RAM
103、112 … CPU
104 … I/Oポート
107 … スイッチ回路
108 … ソレノイド回路
110 … 発振回路
111 … リセット回路
115 … VDP
116 … CGROM
117 … VRAM
120 … 特図保留メモリ
121 … ランダムカウンタ
122 … 判定テーブルメモリ
123 … 図柄決定用テーブルメモリ
124 … 図柄増加回数メモリ
125 … 可変表示設定用テーブルメモリ
126 … フラグメモリ
127 … 可変表示時間タイマ
130 … 表示制御パターンメモリ
131 … 特別図柄配列メモリ
131a … 初期設定図柄配列データ格納領域
131b … 可変表示図柄配列データ格納領域
132 … 各種タイマ
133 … フラグメモリ
140 … 通常時大当り判定テーブル
141 … 確変時大当り判定テーブル
142 … 通常大当り図柄決定用テーブル
143 … 確変大当り図柄決定用テーブル
144 … 左図柄決定用テーブル
145 … 中図柄決定用テーブル
146 … 右図柄決定用テーブル
147 … 図柄増加回数テーブル
148 … 可変表示パターンテーブル
149 … 大当り可変表示パターン決定テーブル
150 … リーチハズレ可変表示パターン決定テーブル
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に係り、詳しくは、可変表示の実行条件が成立した後に可変表示の開始条件が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する可変表示装置を備え、識別情報の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ遊技機等の遊技機においては、液晶表示装置(以下LCD:Liquid Crystal Display)等の表示装置上に所定の識別情報となる表示図柄を更新表示させることで可変表示を行い、その表示結果により所定の遊技価値を付与するか否かを決定する、いわゆる可変表示ゲームによって遊技興趣を高めたものが数多く提供されている。
【0003】
可変表示ゲームには、主に、前述した表示装置を画像表示装置として用いることにより行うもの(以下、特図ゲーム)がある。特図ゲームは、所定領域を通過する遊技球の検出に伴って表示図柄の更新表示を行い、表示図柄の更新表示が完全に停止した際の停止図柄態様が特定表示態様となっている場合を「大当り」とするゲームである。特図ゲームにおいて「大当り」となると、大入賞口またはアタッカと呼ばれる特別電動役物を開放状態とし、遊技者に対して遊技球の入賞が極めて容易となる状態を一定時間継続的に提供する。
【0004】
ここで、特図ゲームにおいて大当りとなり、特別電動役物が開放状態となることにより、遊技者に対して遊技球の入賞がきわめて容易となる状態となることを特定遊技状態(あるいは大当り遊技状態)という。特定遊技状態となるためには、通常、表示図柄の停止図柄態様が予め定められた特定表示態様となること(一般的には表示図柄が同一図柄で揃うこと)が条件となる。
【0005】
このように、遊技者にとって特図ゲームは、停止図柄態様が特定表示態様となって「大当り」となるか否かに最大の関心が払われることになる。また、特定遊技状態の終了後に特図ゲームで「大当り」となる確率を通常よりも向上させる確率変動制御(確変制御)等の制御が行われる遊技機では、表示図柄の停止図柄態様が確変制御を行う契機となる所定の表示図柄(確変図柄)からなる表示態様となることに、大きな関心が払われることになる。
【0006】
そこで、従来より、例えば表示図柄ごとに特定表示態様となって「大当り」となった回数といった、表示図柄と関連する履歴情報を、各表示図柄に付記して可変表示したり、所定の履歴情報表示領域にて各表示図柄に添え字として一体的に付加して表出させるなどして、表示図柄と関連付けて表示するものが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0007】
また、例えば確変制御が行われているときに特図ゲームでの表示図柄の停止図柄態様を特定表示態様とすることが判定され、さらに選出した乱数値に基づいて表示図柄の割合を変更する旨の決定がなされるなどといった、所定の条件が成立したときに、確変図柄や非確変図柄などの特定の図柄種の割合を変更するものが提案されている(例えば、特許文献2)。また、特許文献2に開示された遊技機では、特定の図柄種の増加に伴って、他の図柄種を減少させることにより、循環変動する各図柄列における表示図柄の数量を変化させないこともできる。
【0008】
【特許文献1】
特開2003−899号公報(第8、9頁、図4〜図11)
【特許文献2】
特開2003−19294号公報(第8〜10頁、図4〜図6)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された遊技機では、履歴情報は過去に行われた特図ゲームでの結果を示すものにすぎず、次の特図ゲームでの停止図柄態様がどの表示図柄で「大当り」になるかということに対する遊技者の期待感を高めることは困難であった。また、特許文献2に開示された遊技機では、特定の図柄種の割合を増加させるために、他の図柄種を減少させている。このため、減少されてしまった表示図柄では「大当り」になることがなくなってしまい、演出上の面白みに欠けるという問題があった。
【0010】
この発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、「大当り」となる表示図柄への興味と期待感を向上するとともに、表示図柄の配列を用いて面白みのある演出を行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本願の請求項1に記載の遊技機は、可変表示の実行条件(例えば普通可変入賞球装置6への入賞によりステップS100にてYesと判定されたこと)が成立した後に可変表示の開始条件(例えば可変表示装置4における前回の可変表示及び大当り遊技状態が終了したこと)が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば可変表示装置4)を備え、可変表示の表示結果が予め定められた特定表示結果(例えば図34(B)に示す図柄の大当り組合せのように、表示図柄が同一図柄で揃った表示結果)となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御する遊技機であって、可変表示の実行条件が成立したことに基づいて実行される可変表示の表示結果として特定表示結果を表示するか否かを当該表示結果が導出表示される以前に判定する事前判定手段(例えばCPU103がステップS204やステップS523の大当り判定処理を実行する部分など)と、前記事前判定手段の決定結果に基づいて表示結果として表示される識別情報を選択決定する識別情報選択手段(例えばCPU103がステップS111の確定特別図柄設定処理を実行する部分など)と、前記可変表示装置において識別情報の可変表示を行い、前記識別情報選択手段によって選択決定された識別情報を表示結果として表示する制御を行う可変表示制御手段(例えばCPU103がステップS25の特別図柄プロセス処理を実行する部分やCPU112など)、とを備え、前記可変表示制御手段は、予め定められた複数種類の識別情報により構成される第1の識別情報配列(例えば図35に示す特別図柄配列)を示す配列データを用いて識別情報の可変表示を制御するとともに、前記識別情報選択手段によって選択決定され、特定表示結果として表示された識別情報を、前記第1の識別情報配列を構成する識別情報に増加させた第2の識別情報配列(例えば図36に示す特別図柄配列)を示す配列データを生成する識別情報増加手段(例えばCPU103がステップS282〜S284の処理を実行する部分やCPU112がステップS402〜S406の処理を実行する部分など)と、前記識別情報増加手段によって生成された第2の識別情報配列を示す配列データを用いて識別情報の可変表示を制御する増加配列表示制御手段(例えばCPU112がステップS402〜S406の処理を実行した後にステップS152の特別図柄可変表示中処理を実行する部分など)、とを含む。
【0012】
請求項1に記載の構成によれば、識別情報増加手段が、識別情報選択手段によって選択決定されて特定表示結果として表示された識別情報を、第1の識別情報配列を構成する識別情報に増加させた第2の識別情報配列を示す配列データを生成し、増加配列表示制御手段が、第2の識別情報配列を示す配列データにより識別情報の可変表示を制御する。これにより、第1の識別情報配列に含まれている識別情報を減少させることがないので、特定表示結果、すなわち「大当り」の表示結果となる識別情報に対する興味と期待感を向上できるとともに、識別情報の配列を用いて面白みのある演出を行うことができる。
【0013】
請求項2に記載の遊技機においては、前記第1の識別情報配列と前記第2の識別情報配列とはいずれも、特定遊技状態が終了した後に、前記事前判定手段によって特定表示結果を表示する旨の判定がなされる確率が通常遊技状態時よりも高くなるように制御される特別遊技状態(例えばステップS301にてYesと判定される確率向上状態)となるときに特定表示結果として表示される特別の識別情報(例えば図柄番号が「1」、「3」、「5」、「7」、「9」である確変大当り図柄としての特別図柄)と、特定遊技状態が終了した後に、前記特別遊技状態に制御されないとき(例えばステップS301にてNoと判定されるとき)に特定表示結果として表示される非特別の識別情報(例えば図柄番号が「0」、「2」、「4」、「6」、「8」である通常大当り図柄としての特別図柄)、とを含み、前記識別情報増加手段は、前記識別情報選択手段が特定表示結果とする識別情報として前記特別の識別情報を選択決定したとき(例えばCPU103がステップS236、S237の処理を実行したとき)のみに、当該特定表示結果として選択決定された前記特別の識別情報を増加させて第2の識別情報配列を示す配列データを生成する(例えばステップS271にてYesと判定されたときに実行する処理など)。なお、通常遊技状態は、特定遊技状態や特別遊技状態以外の遊技状態であり、事前判定手段によって特定表示結果を表示する旨の判定がなされる確率が、例えば遊技機の電源投入直後などの初期設定状態と同一に制御される。この構成によれば、事前判定手段によって特定表示結果を表示する旨の判定がなされる確率の高くなる特別の識別情報のみが増加するので、以後の可変表示にて特別の識別情報による特定表示結果が表示されて特別遊技状態に制御されることに対する遊技者の期待感を向上させることができる。
【0014】
請求項3に記載の遊技機においては、前記識別情報選択手段は、前記事前判定手段によって特定表示結果を表示する旨の判定がなされたときに、前記識別情報増加手段によって増加されている識別情報を、前記識別情報増加手段によって増加されていない識別情報と比較して高い割合で特定表示結果とする識別情報として選択決定する(例えばCPU103がステップS283にて確変大当り図柄決定用テーブル143におけるランダムR4−1の割当てを変更する)。この構成によれば、識別情報増加手段によって増加されている識別情報による特定表示結果が表示されることで、当該識別情報をさらに増加させることが容易になり、その識別情報による特定表示結果が表示されやすいとの印象を遊技者に与えることにより、増加した識別情報に対する遊技者の興味を向上させることができる。
【0015】
請求項4に記載の遊技機においては、前記識別情報増加手段によって増加された識別情報を報知する増加識別情報報知手段(例えばCPU112によるステップS405、S406の処理の実行に応じてVDP115が図34(E)、(F)に示す画像を可変表示装置4に表示させる部分など)をさらに備える。この構成によれば、特定表示結果となった識別情報が増加することを遊技者に印象付けることにより、特定表示結果となった識別情報に対する遊技者の期待感を向上させることができる。
【0016】
請求項5に記載の遊技機においては、前記可変表示制御手段は、前記識別情報増加手段によって前記第2の識別情報配列を示す配列データが生成されたとき、前記第1の識別情報配列を構成する識別情報に対して識別情報が増加された回数を計数する全体増加回数計数手段(例えば図柄増加回数テーブル147における「合計」に対応した「増加回数」を格納する部分や、CPU103がステップS282の処理を実行する部分など)と、前記全体増加回数計数手段によって計数された計数値が所定の全体判定値(例えば「10」)となったか否かを判定する全体計数値判定手段(例えばCPU103がステップS273の処理を実行する部分)と、前記全体増加回数計数手段によって計数された計数値が前記所定の全体判定値となった旨の判定が前記全体計数値判定手段によりなされたときに、前記可変表示制御手段により用いられる配列データを、前記第2の識別情報配列を示す配列データから前記第1の識別情報配列を示す配列データに切り換える全体配列データ切換手段(例えばCPU103がステップS274〜S276の処理を実行する部分やCPU112がステップS414〜S418の処理を実行する部分など)、とを備える。この構成によれば、可変表示される識別情報の数が極端に増加することによる遊技者の混乱を防止して、識別情報の可変表示における制御負担を軽減することができる。
【0017】
請求項6に記載の遊技機においては、前記可変表示制御手段は、前記識別情報増加手段によって前記第2の識別情報配列を示す配列データが生成されたとき、前記第1の識別情報配列を構成する識別情報に対して所定の識別情報が増加された回数を計数する個別増加回数計数手段(例えば図柄増加回数テーブル147における「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の「図柄番号」に対応した「増加回数」を格納する部分や、CPU103がステップS282の処理を実行する部分など)と、前記個別増加回数計数手段によって計数された計数値が所定の個別判定値(例えば「5」)となったか否かを判定する個別計数値判定手段(例えばCPU103がステップS278の処理を実行する部分)と、前記個別計数値判定手段によって計数された計数値が前記所定の個別判定値となった旨の判定が前記個別計数値判定手段によりなされたときに、前記第2の識別情報配列を構成する識別情報のうちに前記所定の識別情報が含まれている数を、前記第1の識別情報配列を構成する識別情報のうちに前記所定の識別情報が含まれている数に変更するように、前記可変表示制御手段により用いられる配列データを切り換える個別配列データ切換手段(例えばCPU103がステップS279〜S281の処理を実行する部分やCPU112がステップS408〜S412の処理を実行する部分など)、とを備える。この構成によれば、同一の識別情報の数が極端に増加することを防ぐことにより、特定の識別情報が過度に偏って表示されることを防止し、遊技者の期待感が過度に高められることを抑制することができる。
【0018】
請求項7に記載の遊技機においては、所定の数値データを更新する数値データ更新手段(例えばCPU103がステップS23の判定用乱数更新処理を実行する部分など)と、可変表示の実行条件の成立に応じて前記数値データ更新手段が更新する数値データを抽出する数値データ抽出手段(例えばCPU103がステップS100の入賞処理を実行する部分など)と、前記数値データ抽出手段が抽出した数値データを、抽出順番を特定可能に記憶する保留記憶手段(例えば特図保留メモリ120)と、可変表示の実行条件に基づく可変表示の開始条件が成立する前に、前記保留記憶手段に記憶された数値データが所定の判定値データと合致するか否かを判定し(例えばステップS523の大当り判定処理など)、合致する旨の判定がなされたときに当該実行条件の成立に基づいて実行される可変表示の表示結果として特定表示結果を表示する旨の判定を行う開始前判定手段(例えばCPU103がステップS503の保留記憶判定処理を実行する部分など)、とを備え、前記識別情報増加手段は、前記開始前判定手段によって特定表示結果を表示する旨の判定がなされたときに(例えばステップS524にてYesと判定されたとき)、当該特定表示結果を表示する旨の判定がなされた可変表示の表示結果として前記識別情報選択手段によって選択決定された識別情報を、当該特定表示結果を表示する旨の判定がなされた可変表示の表示結果が導出表示される前に増加させる(例えばステップS529の図柄増加設定処理など)。この構成によれば、特定表示結果となる可変表示の表示結果が導出表示されるよりも前に識別情報を増加させることにより、遊技者の期待感を持続させることができ、識別情報の配列を用いて面白みのある演出を行うことができる。
【0019】
請求項8に記載の遊技機においては、前記可変表示制御手段は、前記第1の識別情報配列に含まれる各々の識別情報をデータにより特定可能に定義する複数種類の識別情報データを格納する識別情報データ格納手段(例えばCGROM116など)と、前記識別情報データ格納手段に格納されている複数種類の識別情報データを順次に読み出して生成される画像を前記可変表示装置に表示させることによって識別情報の可変表示を行う画像処理手段(例えばVDP115や、CPU112が図31に示す特図画像表示制御処理を実行する部分など)、とを含み、前記画像処理手段は、前記識別情報増加手段によって増加された識別情報の識別情報データを前記識別情報データ格納手段から複数回読み出して表示することにより(例えばCPU112によるステップS351〜S355の処理の実行に応じてVDP115が可変表示図柄配列データ格納領域131bに図柄表示設定データが格納されている順序で表示図柄画像データを読み出す)、識別情報の可変表示を行う。この構成によれば、識別情報データのデータ量を増大させることなく第2の識別情報配列を生成し、第2の識別情報配列を構成する識別情報の可変表示を行うことができるので、識別情報データのデータ量を増大させることなく識別情報の配列を用いた面白みのある演出を可能として識別情報データの格納に必要な記憶容量を抑えることができ、識別情報の可変表示における制御負担を軽減することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明においてリーチ表示状態とは、導出表示した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ導出表示していない図柄(リーチ変動図柄という)については可変表示が行われている状態、あるいは、全て又は一部の図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して可変表示している状態のことである。具体的には、予め定められた複数の表示領域に、予め定められた図柄が停止することで大当りとなる有効ラインが定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において可変表示が行われている状態(例えば、左、中、右の表示領域のうち左、中の表示領域には大当り図柄の一部となる(例えば「7」)が停止表示されている状態で右の表示領域は未だ可変表示が行われている状態)、あるいは、有効ライン上の表示領域の全て又は一部の図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して可変表示している状態(例えば、左、中、右の表示領域の全てで可変表示が行われてどの状態が表示されても同一の図柄が揃っている態様で可変表示が行われている状態)である。
【0021】
また、リーチ表示状態であるときに、通常と異なる演出がランプや音で行われることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチ表示状態では、図柄の表示位置や大きさ、可変表示速度、表示色などを様々に変化させたり、キャラクタ画像(人物等を模した表示画像であり、図柄とは異なるもの)を表示させたり、背景の表示態様を変化させたりすることがある。このリーチ表示状態で行われる各種の演出表示をリーチ演出表示という。こうしたリーチ演出表示を含めたリーチ表示状態における表示態様を、リーチ表示態様と称する。
【0022】
本実施例における遊技機としては、LCD等からなる画像表示装置により特図ゲームを行う遊技機であり、プリペイドカードによって球貸しを行うカードリーダ(CR:Card Reader)式の第1種パチンコ遊技機や、LCDを搭載したスロットマシン等の遊技機である。
【0023】
また、パチンコ遊技機等の弾球遊技機であっても、画像表示装置を有するものであれば、例えば、第2種あるいは第3種に分類されるパチンコ遊技機や、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。さらには、プリペイドカードによって球貸しを行うCR式パチンコ遊技機だけではなく、現金によって球貸しを行うパチンコ遊技機にも適用可能である。
すなわち、LCD等からなる画像表示装置を有し、識別情報としての図柄を可変表示することが可能な遊技機であれば、どのような形態のものであっても構わない。
【0024】
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2にはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域のほぼ中央位置には、各々が識別可能な識別情報として特別図柄を可変表示可能に表示する可変表示装置4が設けられている。この可変表示装置4の下側には、普通可変入賞球装置(始動入賞口)6が配置されている。普通可変入賞球装置6の下側には、特別可変入賞球装置(大入賞口)7が配置されている。また、可変表示装置4の上部には、普通図柄表示器40が設けられている。
【0025】
可変表示装置4は、例えばLCD等からなり、普通可変入賞球装置6に遊技球が入賞することが始動条件となる可変表示ゲーム(特図ゲーム)において、数字、文字、図柄から構成され、各々が識別可能な複数種類の識別情報として機能する表示図柄を、複数の可変表示領域にて可変表示可能に表示する。図2は、可変表示装置4における画像表示例を示す図である。図2に示す例では、可変表示装置4上の表示領域41に、3つの可変表示部41a〜41cが配置され、各可変表示部41a〜41cにおいて左、中、右の特別図柄が可変表示されるものとする。
【0026】
可変表示装置4により行われる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始した後、一定時間が経過すると、特別図柄の表示結果を所定の順序で導出表示し、確定図柄(最終停止図柄)を停止表示する。そして、確定図柄の組合せが所定の特定表示結果(大当り組合せ)となったときに、このパチンコ遊技機1は、特定遊技状態(大当り遊技状態ともいう)となる。この大当り遊技状態においては、所定期間(例えば、29秒)が経過するまで、あるいは所定個数(例えば、10個)の入賞球が発生するまで、特別可変入賞球装置7が開成され、開成されている間、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止める。そして、この開成サイクルを所定の上限回数(例えば、16回)まで繰り返すことができる。
【0027】
図3は、この実施の形態で用いられる特別図柄の例を示す図である。この実施の形態では、左可変表示部41aに特別図柄として表示される左図柄、中可変表示部41bに特別図柄として表示される中図柄、右可変表示部41cに特別図柄として表示される右図柄は、それぞれ10種類の図柄を含み、各図柄には「0」〜「9」の図柄番号が付されている。例えば、パチンコ遊技機1の電源が投入された直後などの初期設定状態において、左、中、右の各可変表示部41a〜41cでは、特図ゲーム中に特別図柄の可変表示が開始されると、図柄番号が小さい特別図柄から大きい特別図柄へと更新表示が行われ、図柄番号が「9」の特別図柄が表示されると、次に図柄番号が「0」の特別図柄が表示される。以下では、このように初期設定状態において左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて可変表示される特別図柄の配列を、第1の特別図柄配列と称する。
【0028】
この実施の形態では、図柄番号が偶数である特別図柄を通常大当り図柄とし、図柄番号が奇数である特別図柄を確変大当り図柄とする。可変表示装置4による特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示を開始した後、左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて同一の特別図柄が表示結果として導出表示されて確定したときには、パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態となる。ここで、左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて同一の確変大当り図柄が表示結果として導出表示されて確定したときには、パチンコ遊技機1は大当り遊技状態の終了に続いて特別遊技状態(確率向上状態)となり、以後、所定条件が成立するまで特図ゲームにおける表示結果が大当り組合せとなる確率が通常遊技状態より向上する。また、確率向上状態では、普通可変入賞球装置6の開放時間が通常遊技状態よりも長くなるとともに、その開放回数が通常遊技状態のときよりも増加するなど、大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な状態となる。一方、左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて同一の通常大当り図柄が表示結果として導出表示されて確定したときには、大当り遊技状態が終了した後に、特図ゲームにおける表示結果が大当り組合せとなる確率が、通常遊技状態時と同一に制御される。なお、通常遊技状態とは、大当り遊技状態や確率向上状態以外の遊技状態のことであり、特図ゲームにおける表示結果が大当り組合せとなる確率は、電源投入直後などの初期設定状態と同一に制御される。
【0029】
また、この実施の形態では、図柄番号が奇数である確変大当り図柄を、左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて可変表示される特別図柄の配列に対して増加させることができる。例えば、パチンコ遊技機1の電源が投入された直後などの初期設定状態における第1の特別図柄配列は、予め定められた図柄番号「0」〜「9」の特別図柄が1つずつ含まれて構成されている。これに対して、例えば左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて同一の確変大当り図柄が可変表示の表示結果として導出表示されるなど、所定の条件が成立したときには、その確変大当り図柄を、第1の特別図柄配列を構成する特別図柄に増加させた第2の特別図柄配列が生成され、以後の特図ゲームにおいて、この第2の特別図柄配列を構成する特別図柄を可変表示することができる。
【0030】
普通図柄表示器40は、発光ダイオード(LED)等を備えて構成され、遊技領域に設けられた通過ゲートのいずれかを遊技球が通過することを始動条件とする普通図ゲームにおいて、点灯、点滅、発光色などが制御される。この普通図ゲームにおいて所定の当りパターンで表示が行われると、普通図ゲームにおける表示結果が「当り」となり、普通可変入賞球装置6を構成する電動チューリップの可動翼片を所定時間が経過するまで傾動制御する。
【0031】
普通可変入賞球装置6は、ソレノイド21(図5)によって垂直(通常開放)位置と傾動(拡大開放)位置との間で可動制御される一対の可動翼片を有するチューリップ型役物(普通電動役物)として構成される。普通可変入賞球装置6への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示は、所定回数(本実施形態では、4回)まで後述する特図保留メモリ120(図8)に記憶される。
【0032】
特別可変入賞球装置7は、ソレノイド22(図5)によって入賞領域を開成・閉成制御する開閉板を備える。この開閉板は、通常時には閉成し、普通可変入賞球装置6への遊技球の入賞に基づいて可変表示装置4による特図ゲームが行われた結果、大当り遊技状態となった場合に、ソレノイド22によって入賞領域を所定期間(例えば、29秒)あるいは所定個数(例えば、10個)の入賞球が発生するまで開成(開成サイクル)するラウンド遊技が行われるように設定され、その開成している間に遊技領域を落下する遊技球を受け止める。そして、この開成サイクル(ラウンド遊技)を例えば最高16回繰り返すことができるようになっている。特別可変入賞球装置7に入賞した遊技球は、所定の検出部により検出される。入賞球の検出に応答し、後述する主基板11と払出制御基板15(図4)とにより、所定数の賞球の払い出しが行われる。
【0033】
また、遊技盤2の表面には、上記した構成以外にも、ランプを内蔵した風車、アウト口等が設けられている。また、パチンコ遊技機1には、点灯または点滅する遊技効果ランプ9や効果音を発生するスピーカ8L、8Rが設けられている。
【0034】
図4は、パチンコ遊技機1の背面図であり、主要基板の配置レイアウトを示す。本実施例におけるパチンコ遊技機1は、主として、電源基板10と、主基板11と、表示制御基板12と、音声制御基板13と、ランプ制御基板14と、払出制御基板15と、情報端子基板16とを備え、それぞれ適所に配設されている。なお、表示制御基板12、音声制御基板13及びランプ制御基板14は、それぞれ独立した基板として、例えば、パチンコ遊技機1の裏面において、1つのボックスに収容された状態で配置されてもよい。さらに、表示制御基板12、音声制御基板13及びランプ制御基板14を、まとめて1つの基板として構成してもよい。
【0035】
電源基板10は、パチンコ遊技機1内の各回路に所定の電源電圧を供給するものである。
【0036】
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、可変表示ゲームにおいて用いる乱数の生成機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、表示制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14及び払出制御基板15などからなるサブ側の制御基板に対して、それぞれ指令情報の一例となる制御コマンドを出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。
【0037】
主基板11から表示制御基板12へ送信される制御コマンドは表示制御コマンドである。図5は、主基板11における回路構成、及び主基板11から表示制御基板12に対して表示制御コマンドを送信するための信号線を示すブロック図である。図5に示すように、この実施の形態では、表示制御コマンドが、表示制御信号CD0〜CD7の8本の信号線で主基板11から表示制御基板12に対して送出される。また、主基板11と表示制御基板12との間には、ストローブ信号を送受するための表示制御INT信号の信号線も配線されている。
【0038】
図6は、この実施の形態において主基板11から表示制御基板12に対して送出される表示制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。表示制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビットは必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図6に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
【0039】
図6に示す例において、コマンド80XX(h)は、可変表示装置4における特別図柄の可変表示の開始を指令する可変表示開始コマンドである。なお、以下では、XX(h)が不特定の16進数であることを示し、表示制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であるものとする。表示制御基板12の側では、可変表示開始コマンドに含まれるEXTデータに対応して、特別図柄の総可変表示時間、可変表示の表示結果が特定表示結果になるか否かの判定結果やリーチとするか否かの判定結果などを特定することができる。
【0040】
コマンド91XX(h)、92XX(h)、及び93XX(h)は、特別図柄の左、中、右確定図柄を指定する特別図柄指定コマンドである。各特別図柄指定コマンドでは、EXTデータに特別図柄の図柄番号が設定される。コマンドA000(h)は、特別図柄の可変表示の停止を指示する特別図柄確定コマンドである。また、コマンドA1XX(h)は、大当り遊技状態において実行されているラウンド遊技の実行回数を指示するための大当りラウンド数指示コマンドである。コマンドA200(h)は、大当り遊技状態の終了を指示する大当り終了コマンドである。
【0041】
コマンドB0XX(h)は、左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて可変表示される特別図柄の配列にEXTデータで指定された図柄番号の特別図柄を増加させる旨を指示する図柄増加コマンドである。コマンドB1XX(h)は、左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて可変表示される特別図柄の配列内で初期設定状態に比べて増加している特別図柄のうちから、EXTデータで指定された図柄番号の特別図柄を、個別に初期状態へ戻す旨を指示する個別図柄初期設定コマンドである。図7は、図柄増加コマンドや個別図柄初期設定コマンドにおけるEXTデータの内容の一例を示す説明図である。表示制御基板12の側では、図7に示すようなEXTデータによって、図柄増加コマンドに基づいて増加させる特別図柄や、個別図柄初期設定コマンドに基づいて初期状態に戻す特別図柄を特定することができる。コマンドB200(h)は、左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて可変表示される特別図柄の配列全体を初期状態に戻し、第1の特別図柄配列とする旨を指示する図柄配列初期化コマンドである。
【0042】
主基板11には、図5に示すように、始動入賞口である普通可変入賞球装置6や、大入賞口である特別可変入賞球装置7、その他の入賞口への遊技球の入賞等を検出するための各入賞口スイッチ70からの配線も接続されている。さらに、主基板11には、普通可変入賞球装置6における可動翼片の可動制御や特別可変入賞球装置7における開成・閉成制御を行うためのソレノイド21、22への配線が接続されている。
【0043】
主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路107、ソレノイド回路108などを搭載して構成される。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)101、ワークメモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)102、プログラムに従って制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103及びI/O(Input/Output)ポート104を含んでいる。
【0044】
また、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、図8に示すように、特図保留メモリ120と、ランダムカウンタ121と、判定テーブルメモリ122と、図柄決定用テーブルメモリ123と、図柄増加回数テーブルメモリ124と、可変表示設定用テーブルメモリ125と、フラグメモリ126と、可変表示時間タイマ127とを備えている。
【0045】
特図保留メモリ120は、遊技球が普通可変入賞球装置6に入賞して特別図柄の可変表示(特図ゲーム)を実行するための条件(始動条件)が成立したが、従前の可変表示を実行中である等の理由のために可変表示を実際に開始するための条件(開始条件)が成立していない保留状態を記憶するためのメモリである。図8に示す特図保留メモリ120では、4つのエントリが設けられており、各エントリには、普通可変入賞球装置6への入賞順に、保留番号と、その入賞に応じて抽出された乱数値(後述するランダムR1の値)とが対応付けて格納されている。主基板11から表示制御基板12へ特別図柄確定コマンドが送出されて特別図柄の可変表示が1回終了したり、大当り遊技状態が終了したりするごとに、最上位の情報に基づいた可変表示の開始条件が成立し、最上位の情報に基づいた可変表示が実行される。このとき、第2位以下の登録情報が1位ずつ繰り上がる。また、特別図柄の可変表示中等に遊技球が普通可変入賞球装置6に新たに入賞した場合には、その入賞に基づいて抽出された乱数値が空エントリの最上位に登録される。
【0046】
ランダムカウンタ121は、遊技制御に用いられる判定用乱数や表示用乱数のカウントを行うものである。図9は、ランダムカウンタ121によりカウントされる各乱数を示す説明図である。ランダムカウンタ121は、図9に示すように、ランダムR1〜R5のカウントを行う。ランダムR1は、大当りを発生させてパチンコ遊技機1を大当り遊技状態とするか否かを決定する大当り判定用の乱数であり、「0」〜「299」の範囲の値をとる。ランダムR2は、ハズレ時にリーチ表示状態とするか否かを決定するリーチ判定用の乱数であり、「0」〜「1530」の範囲の値をとる。ランダムR3は、特別図柄の可変表示に用いる可変表示パターンを決定するための表示用の乱数であり、「0」〜「108」の範囲の値をとる。
【0047】
ランダムR4−1は、大当り時における特別図柄の確定図柄と、ハズレ時の左可変表示部41aにおける確定図柄とを決定する乱数であり、「0」〜「249」の範囲の値をとる。ランダムR4−2は、ハズレ時に中可変表示部41bにおける確定図柄を決定する乱数であり、「0」〜「162」の範囲の値をとる。ランダムR4−3は、リーチとしない通常ハズレ時に右可変表示部41cにおける確定図柄を決定する乱数であり、「0」〜「72」の範囲の値をとる。ランダムR5は、パチンコ遊技機1における大当り遊技状態が終了した後に確率向上状態へと移行する確率変動制御(確変制御)を行うか否かを決定するための乱数であり、「0」〜「9」の範囲の値をとる。
【0048】
図8に示す判定テーブルメモリ122は、CPU103が各種の判定を行うために設定される複数の判定テーブルを記憶する。具体的には、判定テーブルメモリ122は、図10(A)に示す通常時大当り判定テーブル140、図10(B)に示す確変時大当り判定テーブル141を格納する。
【0049】
図10(A)に示す通常時大当り判定テーブル140と、図10(B)に示す確変時大当り判定テーブル141は、可変表示装置4による特図ゲームの表示結果を大当りとするか否かを判定するためのテーブルである。各大当り判定テーブル140、141には、ランダムR1の値と特図ゲームの表示結果とを対応付ける設定データが格納されている。そして、確変時大当り判定テーブル141では、通常時大当り判定テーブル140と比較して、より多くのランダムR1の値が「大当り」の表示結果に割り振られている。すなわち、確変時大当り判定テーブル141を用いて特図ゲームの表示結果を決定することで、通常遊技状態のときよりも大当り遊技状態となる確率が高い確率向上状態とすることができる。
【0050】
図8に示す図柄決定用テーブルメモリ123は、可変表示装置4にて可変表示される特別図柄の確定図柄を決定するために用いられる複数種類の図柄決定用テーブルを記憶する。具体的には、図柄決定用テーブルメモリ123は、図11(A)に示す通常大当り図柄決定用テーブル142、図11(B)に示す確変大当り図柄決定用テーブル143、図12(A)に示す左図柄決定用テーブル144、図12(B)に示す中図柄決定用テーブル145、及び図12(C)に示す右図柄決定用テーブル146を格納する。
【0051】
図11(A)に示す通常大当り図柄決定用テーブル142は、左、中、右の可変表示部41a〜41cに可変表示の表示結果として同一の通常大当り図柄を導出表示するときに、各々の特別図柄の確定図柄を決定するためのテーブルである。例えば、通常大当り図柄決定用テーブル142には、確定図柄として選択決定される通常大当り図柄としての特別図柄の図柄番号と、ランダムR4−1の値とを対応付ける設定データが格納されている。
【0052】
図11(B)に示す確変大当り図柄決定用テーブル143は、左、中、右の各可変表示部41a〜41cに可変表示の表示結果として同一の確変大当り図柄を導出表示するときに、各々の特別図柄の確定図柄を決定するためのテーブルである。例えば、確変大当り図柄決定用テーブル143には、確定図柄として選択決定される確変大当り図柄としての特別図柄の図柄番号と、ランダムR4−1の値とを対応付ける設定データが格納されている。この実施の形態における確変大当り図柄決定用テーブル143では、左、中、右可変表示部41a〜41cにて可変表示される特別図柄の配列に含まれている特別図柄の数に応じて、各確変大当り図柄に対するランダムR4−1の割り振りを変更することができる。図11(B)に示す構成例は、例えばパチンコ遊技機1の電源が投入された直後など、初期設定時における確変大当り図柄決定用テーブル143の構成の一例を示している。
【0053】
図12(A)に示す左図柄決定用テーブル144は、特図ゲームにて大当りとすることなくハズレの表示結果を導出表示するときに、左可変表示部41aにおける確定図柄(左確定図柄)を決定するためのテーブルである。例えば、左図柄決定用テーブル144には、左可変表示部41aにおける確定図柄となる特別図柄の図柄番号と、ランダムR4−1の値とを対応付ける設定データが格納されている。
【0054】
図12(B)に示す中図柄決定用テーブル145は、ハズレの表示結果を導出表示するときに、中可変表示部41bにおける確定図柄(中確定図柄)を決定するためのテーブルである。例えば、中図柄決定用テーブル145には、左確定図柄の図柄番号に対する加算値と、ランダムR4−2の値とを対応付ける設定データが格納されている。すなわち、大当りとしないハズレ時には、ランダムカウンタ121から抽出されるランダムR4−2の値に基づき中図柄決定用テーブル145を用いて決定した加算値を、左図柄決定用テーブル144を用いて決定した左確定図柄の図柄番号に加算することで、中確定図柄を決めることができる。なお、リーチ表示状態とした後に大当りとすることなくハズレの表示結果を導出表示するときに、中図柄決定用テーブル145を用いて決定された加算値が「0」である場合には、導出される表示結果をハズレとするために、中確定図柄の図柄番号を1加算するなどしてもよい。
【0055】
図12(C)に示す右図柄決定用テーブル146は、ハズレの表示結果を導出表示するときに、右可変表示部41cにおける確定図柄(右確定図柄)を決定するためのテーブルである。例えば、右図柄決定用テーブル146には、左確定図柄の図柄番号に対する加算値と、ランダムR4−3の値とを対応付ける設定データが格納されている。
【0056】
図8に示す図柄増加回数テーブルメモリ124は、初期設定状態において左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて可変表示される特別図柄の配列に対して特別図柄を増加させた回数を記憶する。具体的には、図柄増加回数テーブルメモリ124は、図13に示す図柄増加回数テーブル147を格納する。
【0057】
図柄増加回数テーブル147は、確変大当り図柄に含まれる各々の特別図柄ごとに、第1の特別図柄配列を構成する特別図柄に対して各特別図柄が増加された回数を示すデータを記憶する。また、図柄増加回数テーブル147は、第1の特別図柄配列を構成する特別図柄に対して確変大当り図柄が増加された回数の合計値を示すデータを記憶する。すなわち、図柄増加回数テーブル147には、確変大当り図柄の図柄番号あるいは「合計」と、図柄増加回数とを対応付ける設定データが格納されており、左、中、右可変表示部41a〜41cにおける特別図柄の可変表示に用いる特別図柄配列に確変大当り図柄を増加させたり、特別図柄配列を初期設定状態に戻したりするときなどに、設定データを更新することで、各特別図柄の増加回数を計数することができる。
【0058】
図8に示す可変表示設定用テーブルメモリ125は、特図ゲームで使用される複数種類の可変表示パターンを記憶する。具体的には、可変表示設定用テーブルメモリ125は、図14に示す可変表示パターンテーブル148を格納する。図14に示す可変表示パターンテーブル148には、例えば、複数種類の可変表示パターンと、可変表示時間タイマ127が計測する特別図柄の総可変表示時間と、可変表示開始コマンド80XX(h)のEXTデータとを対応付ける設定データが格納されている。すなわち、主基板11から送信されて表示制御基板12が受信する可変表示開始コマンドは、特別図柄を可変表示する際の可変表示パターンを、EXTデータにより指定する。また、表示結果をハズレとするか、大当りとするか、及びハズレの場合にリーチ表示状態とするか否かに応じて、異なる可変表示パターンが用意されている。
【0059】
また、可変表示設定用テーブルメモリ125には、図15(A)に示す大当り可変表示パターン決定テーブル149と、図15(B)に示すリーチハズレ可変表示パターン決定テーブル150とが格納されている。各可変表示パターン決定テーブル149、150は、表示結果を大当りあるいはリーチハズレとするときに、ランダムカウンタ121より抽出されたランダムR3の値に基づいて、複数種類ある可変表示パターンのうちから特図ゲームに使用するものを選択決定できるように設定されている。ここで、大当り可変表示パターン決定テーブル149と、リーチハズレ可変表示パターン決定テーブル150とを比べると、各可変表示パターン(リーチの種類)に対するランダムR3の値の割当てが異なっている。すなわち、特図ゲームにおける表示結果が大当りとなるか否かに応じて、選択されるリーチ種類の割合が異なるものとなっている。これにより、特図ゲーム中に出現するリーチの種類に応じて、表示結果が大当りとなる確率は異なるものとなる。
【0060】
図15に示す例では、表示結果がリーチハズレとなる場合にリーチAの可変表示パターンによるリーチ表示態様となる割合は、リーチJの可変表示パターンによるリーチ表示態様となる割合よりも高くなっている。一方で、表示結果が大当りとなる場合にリーチAの可変表示パターンによるリーチ表示態様となる割合は、リーチJの可変表示パターンによるリーチ表示態様となる割合よりも低くなっている。このため、特図ゲーム中にリーチJの可変表示パターンによるリーチが出現した場合には、リーチAの可変表示パターンによるリーチが出現した場合よりも、表示結果が大当りとなる確率が高くなる。こうしたリーチの種類ごとに決められる表示結果が大当りとなる確率は、リーチの大当り信頼度、あるいは単に、リーチの信頼度と称される。
【0061】
図8に示すフラグメモリ126は、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる複数種類のフラグを設定するためのものである。例えば、フラグメモリ126には、特別図柄プロセスフラグ、普通図柄プロセスフラグ、大当りフラグ、確変フラグ、リーチ状態フラグ、入力状態フラグ、エラーフラグ、タイマ割込フラグなどが設けられている。
【0062】
特別図柄プロセスフラグは、後述する特別図柄プロセス処理(図23)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。普通図柄プロセスフラグは、普通図柄表示器40の表示状態を所定の順序で制御するために、所定の普通図柄プロセス処理においてどの処理を選択・実行すべきかを指示する。大当りフラグは、可変表示装置4による特図ゲームの表示結果が大当りとなるときにオン状態にセットされ、大当り遊技状態が終了するときにクリアされてオフ状態となる。確変フラグは、特図ゲームの表示結果となる特別図柄の確定図柄が、左図柄、中図柄、右図柄で同一の確変大当り図柄となるときにオン状態にセットされ、大当り遊技状態となる確率が向上した確率向上状態から通常遊技状態へ戻るときにクリアされてオフ状態となる。
【0063】
入力状態フラグは、I/Oポート104に入力される各種信号の状態や各入賞口スイッチ70から入力される検出信号の状態等に応じて各々セットあるいはクリアされる複数ビットからなるフラグである。エラーフラグは、パチンコ遊技機1において各種のエラーが発生したときに、発生したエラーの種類に対応するビットがセットされる複数ビットからなるフラグである。タイマ割込フラグは、所定時間が経過してタイマ割込みが発生するごとにオン状態にセットされる。
【0064】
可変表示時間タイマ127は、可変表示装置4による特図ゲームの実行時間である可変表示時間をメイン側で計測するためのダウンカウンタであり、主基板11から表示制御基板12に対して可変表示開始コマンドが送出されるに際して、可変表示パターンごとに指定される総可変表示時間に対応したカウント値が初期値として設定される。
【0065】
図5に示すスイッチ回路107は、各入賞口スイッチ70からの検出信号を取り込んで、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝達する。ソレノイド回路108は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指令に従って各ソレノイド21、22を駆動する。ソレノイド21は、リンク機構を介して普通可変入賞球装置6の可動翼片に連結されている。ソレノイド22は、リンク機構を介して特別可変入賞球装置7の開閉板に連結されている。
【0066】
表示制御基板12は、主基板11とは独立して可変表示ゲームにおける画像処理のための表示制御などを行うものである。表示制御基板12は、主基板11から送出される表示制御コマンドに基づいて、可変表示ゲームに用いられる表示画像を可変表示装置4の表示領域41にて出現/消失させるとともに、普通図柄表示器40の点灯/消灯制御を行う。
【0067】
図16は、表示制御基板12のハードウェア構成例を示すブロック図である。図16に示すように、表示制御基板12は、発振回路110と、リセット回路111と、表示制御用のCPU112と、ROM113と、RAM114と、ビデオディスプレイプロセッサ(以下、VDP:Video Display Processor)115と、CGROM116と、VRAM(Video RAM)117とを備えている。
【0068】
発振回路110は、CPU112及びVDP115に基準クロック信号を出力するものであり、リセット回路111は、CPU112及びVDP115をリセットするためのリセット信号を出力するものである。CPU112は、主基板11から表示制御コマンドを受信するとRAM114を作業領域として用いながらROM113から表示制御を行うための制御データを読み出す。また、CPU112は、読み出した制御データに基づいてVDP115に描画命令を送る。ROM113は、CPU112によって利用される各種制御プログラム等を格納する半導体メモリであり、RAM114は、CPU112によって作業領域として利用される半導体メモリである。
【0069】
VDP115は、画像表示を行うための表示装置制御機能及び高速描画機能を有し、CPU112からの描画命令に従って動作する。また、CPU112とは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこにVRAM117をマッピングしている。VDP115は、CGROM116から読み出したデータに従って画像データを生成し、VRAM117上に展開する。そして、可変表示装置4に対してR(赤)、G(緑)、B(青)信号及び同期信号を出力する。例えば、R、G、B信号はそれぞれ8ビットで表され、可変表示装置4はVDP115からの指示に従ってR、G、Bのそれぞれを256階調、これらを合成して約1670万色の多色表示を行うことができる。なお、R、G、B信号のビット数は8ビット以外のビット数であってもよく、また、R、G、B信号の各ビット数が互いに異なる数であってもよい。
【0070】
CGROM116は、可変表示装置4にて画像表示を行うための各種画像データを記憶しておくためのものである。例えば、CGROM116には、可変表示装置4に表示される画像の中で使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、動物、または、文字、図形もしくは記号等が予め記憶されている。VRAM117は、VDP115によって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。
【0071】
また、表示制御基板12は、図17に示すように、表示制御パターンメモリ130と、特別図柄配列メモリ131と、各種タイマ132と、フラグメモリ133とを備えている。
【0072】
表示制御パターンメモリ130は、主基板11から受信した表示制御コマンドに基づいて選択される複数の表示制御パターンを記憶する。具体的には、表示制御パターンメモリ130は、図18に示すように、複数種類の図柄可変表示制御パターンと、図柄増加演出表示制御パターンと、図柄初期化演出表示制御パターンと、配列初期化演出表示制御パターンとを格納する。
【0073】
各図柄可変表示制御パターンは、特別図柄の表示状態を制御するためのデータからなり、主基板11からの可変表示開始コマンドで指定された可変表示パターンに対応して選択される。各図柄可変表示制御パターンには、図19に示すように、時系列的に連記された図柄プロセスタイマ設定値と図柄表示制御データとの組合せ、及び終了コードを含んで構成され、特別図柄の可変表示速度や表示位置、大きさ、表示色、及びその表示状態での表示期間等が設定されている。
【0074】
図柄増加演出表示制御パターンは、左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて可変表示される特別図柄の配列に対して特別図柄を増加させるときに、特別図柄が増加する旨の報知情報を可変表示装置4に表示させることにより出力するための制御データからなり、主基板11から図柄増加コマンドB0XX(h)を受信したことに対応して選択される。すなわち、図柄増加演出表示制御パターンに従って可変表示装置4における表示動作を制御することにより、それまでの特図ゲームで可変表示に用いられた特別図柄配列(第1の特別図柄配列または第2の特別図柄配列)を構成する特別図柄に対して増加される特別図柄を遊技者に報知するための演出表示が行われる。
【0075】
図柄初期化演出表示制御パターンは、可変表示に用いる特別図柄配列が第2の特別図柄配列であったときに、その特別図柄配列に含まれている確変大当り図柄のうちのいずれか1種類について、第1の特別図柄配列に含まれている当該確変大当り図柄の数に戻す旨の報知情報を可変表示装置4に表示させることにより出力するための制御データからなる。すなわち、図柄初期化演出表示制御パターンに従って可変表示装置4における表示動作を制御することにより、可変表示に用いる特別図柄配列を構成する特別図柄のうちで数が減少される図柄を遊技者に報知するための演出表示が行われる。
【0076】
配列初期化演出表示制御パターンは、可変表示に用いる特別図柄配列を、第2の特別図柄配列から第1の特別図柄配列に切り換える旨の報知情報を可変表示装置4に表示させることにより出力するための制御データからなる。すなわち、配列初期化演出表示制御パターンに従って可変表示装置4における表示動作を制御することにより、以後の特図ゲームで可変表示に用いる特別図柄配列が第1の特別図柄配列となることを遊技者に報知するための演出表示が行われる。
【0077】
図17に示す特別図柄配列メモリ131には、左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて可変表示される特別図柄の配列についての情報が格納される。具体的には、図20(A)に示すように、特別図柄配列メモリ131は、初期設定図柄配列データ格納領域131aと、可変表示図柄配列データ格納領域131bとを備えている。
【0078】
初期設定図柄配列データ格納領域131aは、例えば電源投入直後などの初期設定状態において用いられる第1の特別図柄配列を示す配列データを格納する領域である。例えば、初期設定図柄配列データ格納領域131aには、図柄番号「0」〜「9」の特別図柄を図柄番号が小さい特別図柄から大きい特別図柄へと順次に更新表示するための制御データが記憶されている。
【0079】
可変表示図柄配列データ格納領域131bは、左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて可変表示される特別図柄の配列を示す配列データを格納する領域である。図20(B)は、可変表示図柄配列データ格納領域131bの一構成例を示す図である。この例では、可変表示される特別図柄の配列を構成する各々の特別図柄に対応して、可変表示図柄配列データ格納領域131bに図柄表示設定データを格納するための領域が複数設けられている。そして、表示図柄カウンタのカウント値に対応して選択される図柄表示設定データに従ってVDP115に描画命令を送ることにより、各々の特別図柄を示す画像を左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて可変表示させることができる。
【0080】
図柄表示設定データは、CGROM116などに格納されている特別図柄を示すキャラクタ画像データ等を特定可能に定義するデータであり、例えば、CGROM116におけるキャラクタ画像データの読出位置を指定する制御データなどが含まれている。ここで、キャラクタ画像データの読出位置としては、例えばCGROM116の記憶アドレスやキャラクタ画像データを格納するファイル名、各々の特別図柄を示すキャラクタ画像データごとに割り当てられた識別番号などを指定しておけばよい。VDP115は、例えばCPU112からの描画命令で指定されたキャラクタ画像データをCGROM116から読み出してVRAM117上における所定の展開領域に展開することで、可変表示装置4の表示領域41に特別図柄を示すキャラクタ画像を表示させることができる。
【0081】
図17に示す各種タイマ132は、可変表示装置4の表示制御に用いられる複数種類のタイマを含んで構成される。例えば、各種タイマ132は、図柄表示プロセスタイマ、可変表示時間タイマ及び監視タイマを含んでいる。図柄表示プロセスタイマは、図柄可変表示制御パターンによって指定されるプロセスタイマ設定値をカウントダウンすることにより、特別図柄を図柄可変表示制御パターンに従った態様で可変表示させる可変表示期間を計測する。各種タイマ132に含まれる可変表示時間タイマは、特図ゲームの実行時間である可変表示時間をサブ側で計測するためのダウンカウンタである。監視タイマは、可変表示時間タイマがタイムアウトしてからの経過時間を計測するためのものであり、主基板11から表示制御コマンドを所定時間以上受信しなかったときにタイムアウトする。
【0082】
フラグメモリ133は、可変表示装置4における表示状態や主基板11からのコマンド受信などに応じて各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するためのものである。例えば、フラグメモリ133には、表示制御プロセスフラグ、タイマ割込フラグなどが設けられている。表示制御プロセスフラグは、後述する特図表示制御プロセス処理(図30)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。タイマ割込フラグは、所定時間が経過してタイマ割込みが発生するごとにオン状態にセットされる。
【0083】
音声制御基板13、ランプ制御基板14は、主基板11から送信される制御コマンドに基づいて、音声出力制御、ランプ出力制御を、それぞれ主基板11とは独立して実行するサブ側の制御基板である。払出制御基板15は、遊技球の貸出や賞球等の払出制御を行うものである。情報端子基板16は、各種の遊技関連情報を外部に出力するためのものである。
【0084】
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。図21は、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。主基板11では、電源基板10から電源電圧が供給されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103が、まず、図21のフローチャートに示す遊技制御メイン処理を実行する。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込禁止に設定した後(ステップS11)、必要な初期設定を行う(ステップS12)。この初期設定では、例えば、RAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行うことにより、定期的(例えば、2ミリ秒ごと)にタイマ割込を発生させる。初期設定が終了すると、割込を許可した後(ステップS13)、ループ処理に入る。
【0085】
こうした遊技制御メイン処理の実行により、2ミリ秒ごとに繰り返しタイマ割込が発生するように設定され、タイマ割込が発生すると、CPU103は、図22のフローチャートに示す遊技制御割込処理を実行する。タイマ割込みが発生したときには、フラグメモリ126に設けられたタイマ割込フラグがオン状態にセットされ、遊技制御割込処理の実行を開始するときにクリアされてオフ状態となる。なお、CPU103にてタイマ割込みが発生する周期は、2ミリ秒に限定されず、CPU103にて実行される各種の処理に合わせて任意に設定可能である。
【0086】
遊技制御割込処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路107を介して各入賞口スイッチ70から入力される検出信号の状態を判定する(ステップS21)。続いて、所定のエラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、ランダムカウンタ121によりカウントされる判定用乱数であるランダムR1、R2及びR5を更新する判定用乱数更新処理(ステップS23)と、表示用乱数であるランダムR3、R4及びR6を更新する表示用乱数更新処理(ステップS24)とを、順次に実行する。
【0087】
次に、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するために、フラグメモリ126に設けられた特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択されて実行される。特別図柄プロセス処理に続いて、CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行する(ステップS26)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器40の点灯/消灯動作を所定の順序で制御するために、フラグメモリ126に設けられた普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択されて実行される。
【0088】
さらに、CPU103は、所定のコマンド制御処理を実行することにより、主基板11から表示制御基板12等のサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送出し、遊技状態に合わせた演出動作等の動作制御を指示する(ステップS27)。例えば、CPU103が所定のコマンド送信テーブルに設定された制御データに基づいてI/Oポート104からの信号出力動作を制御することなどにより、表示制御基板12等のサブ側の制御基板に対して、遊技の進行を制御する遊技制御信号を送信させる。このコマンド制御処理により主基板11から送出された表示制御コマンドを表示制御基板12のCPU112が受け取り、その表示制御コマンドに従って可変表示装置4の表示制御や普通図柄表示器40の点灯/消灯制御などが行われる。
【0089】
また、CPU103は、所定の情報出力処理を実行することにより、各種出力データを格納する格納領域の内容を、I/Oポート104に含まれる外部出力ポートを介して出力する(ステップS28)。この情報出力処理では、主基板11から情報端子基板16に、大当り情報、始動情報、確率変動情報などをホール管理用コンピュータに対して出力する指令の送出も行われる。
【0090】
続いて、CPU103は、所定のソレノイド出力処理を実行することにより、所定の条件が成立したときに普通可変入賞球装置6における可動翼片の可動制御や特別可変入賞球装置7における開閉板の開閉駆動を行う(ステップS29)。
この後、所定の賞球処理を実行することにより、各入賞口スイッチ70から入力された検出信号に基づく賞球数の設定などを行い、払出制御基板15に対して払出制御コマンドを出力可能とする(ステップS30)。
【0091】
図23は、ステップS25にて実行される特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理を開始すると、CPU103は、まず、遊技球が普通可変入賞球装置6に入賞したか否かを、各入賞口スイッチ70に含まれる始動球検出スイッチから入力される検出信号や、フラグメモリ126に設けられた入力状態フラグなどをチェックすることにより、判別する(ステップS100)。遊技球が入賞して始動球検出スイッチからの検出信号がオン状態となった場合(ステップS100;Yes)、入賞処理を実行し(ステップS101)、遊技球が入賞していない場合(ステップS100;No)、入賞処理をスキップする。
【0092】
ステップS101の入賞処理では、特図保留メモリ120の保留記憶数が上限値の「4」以上であるか否かが判別される。このとき、特図保留メモリ120において、保留番号「4」に対応したランダムR1の値が記憶されている場合には、保留記憶数が「4」以上であると判定される。保留記憶数が「4」以上であれば、今回の入賞による特図ゲームの始動は無効として特に何も行わず、そのまま入賞処理を終了する。一方、保留記憶数が「4」未満である場合には、保留記憶数を1加算するとともに、ランダムカウンタ121より大当り判定用のランダムR1の値を抽出し、抽出したランダムR1の値を特図保留メモリ120の空エントリの先頭にセットする。
【0093】
続いて、CPU103は、フラグメモリ126に格納されている特別図柄プロセスフラグの値に基づいて、図23に示すステップS110〜S118の9個の処理のいずれかを選択する。以下に、ステップS110〜S118の各処理について説明する。
【0094】
ステップS110の特別図柄通常処理は、特別図柄プロセスフラグの値が初期値「0」のときに実行される処理である。図24は、特別図柄通常処理を示すフローチャートである。この特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、特図保留メモリ120における保留記憶数が「0」であるか否かを判別する(ステップS201)。保留記憶数が「0」であれば(ステップS201;Yes)、表示制御基板12を介して可変表示装置4上にデモンストレーション画面を表示させるなどして、処理を終了する。一方、保留記憶数が「0」以外であると判別すると(ステップS201;No)、特図保留メモリ120から保留番号「1」に対応して格納されているランダムR1の値を読み出す(ステップS202)。この際、保留記憶数を1減算し、かつ、特図保留メモリ120の第2〜第4エントリ(保留番号「2」〜「4」)に格納されたランダムR1の値を1エントリずつ上位にシフトする(ステップS203)。
【0095】
その後、CPU103は、大当り判定処理を実行することにより、ステップS202で読み出した値、すなわち上述したステップS101の入賞処理にて既に抽出されているランダムR1の値に基づいて、大当りとするか否かを判定する(ステップS204)。図25は、ステップS204にて実行される大当り判定処理を示すフローチャートである。
【0096】
図25に示す大当り判定処理において、CPU103は、まず、フラグメモリ126に設けられた確変フラグがオンとなっているか否かを判別する(ステップS301)。確変フラグがオフであるときには(ステップS301;No)、大当りとするか否かを判定するためのテーブルとして、図10(A)に示す通常時大当り判定テーブル140を設定する(ステップS302)。一方、確変フラグがオンであるときには(ステップS301;Yes)、大当りとするか否かを判定するためのテーブルとして、図10(B)に示す確変時大当り判定テーブル141を設定する(ステップS303)。
【0097】
続いて、CPU103は、ステップS202にて読み出したランダムR1の値に基づき、ステップS302またはS303にて設定した大当り判定テーブル140または141を用いて大当りとするか否かを判定する(ステップS304)。そして、判定結果が「大当り」であるか否かを判別し(ステップS305)、「大当り」であるときには(ステップS305;Yes)、フラグメモリ126に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS306)。一方、ステップS305にて判定結果が「大当り」ではないと判別したときには(ステップS305;No)、ステップS306をスキップして大当り判定処理を終了する。こうして大当り判定処理が終了すると、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を確定特別図柄設定処理に対応する値である「1」に更新する(図24のステップS205)。
【0098】
図23に示すステップS111の確定特別図柄設定処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「1」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、図26に示すように、まず、フラグメモリ126に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かを判別する(ステップS221)。大当りフラグがオフであるときには(ステップS221;No)、ランダムカウンタ121よりランダムR2の値を抽出し(ステップS222)、リーチとするか否かを決定する(ステップS223)。例えば、ステップS222にて抽出したランダムR2の値が「105」〜「1530」のいずれかであるときには、リーチとしないことを決定し、「0」〜「104」のいずれかであるときには、リーチとすることを決定する。また、フラグメモリ126に設けられた確変フラグがオンとなっているか否かに応じてリーチとするランダムR2の値が異なるテーブルを用意しておき、確変フラグの状態に応じて選択したテーブルを用いてリーチとするか否かを決定してもよい。
【0099】
ステップS223にてリーチとしないことを決定したとき(ステップS223;No)、CPU103は、フラグメモリ126に設けられたリーチ状態フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS224)。そして、ランダムカウンタ121より抽出したランダムR4−1の値に基づき、図12(A)に示す左図柄決定用テーブル144を用いて左確定図柄を決定する(ステップS225)。また、ランダムカウンタ121より抽出したランダムR4−2の値に基づき、図12(B)に示す中図柄決定用テーブル145を用いて中確定図柄を決定するとともに(ステップS226)、ランダムカウンタ121より抽出したランダムR4−3の値に基づき、図12(C)に示す右図柄決定用テーブル146を用いて右確定図柄を決定する(ステップS227)。この後、ステップS240に進む。
【0100】
また、ステップS223にてリーチとすることを決定したとき(ステップS223;Yes)、CPU103は、リーチ状態フラグをオン状態にセットし(ステップS228)、ランダムカウンタ121より抽出したランダムR4−1の値に基づき、左図柄決定用テーブル144を用いて左確定図柄を決定する(ステップS229)。続いて、この実施の形態では、左確定図柄と同一の図柄番号である特別図柄を右確定図柄とすることを決定し(ステップS230)、左、右確定図柄とは異なる任意の特別図柄を中確定図柄とすることを決定する(ステップS231)。この後、ステップS240に進む。
【0101】
ステップS221にて大当りフラグがオンであると判別したとき(ステップS221;Yes)、CPU103は、ランダムカウンタ121よりランダムR5の値を抽出し(図27のステップS232)、抽出されたランダムR5の値が奇数であるか否かを判別する(ステップS233)。この実施の形態では、ランダムR5の値が偶数であるときに(ステップS233;No)、フラグメモリ126に設けられた確変フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS234)。
また、このときには、左、中、右可変表示部41a〜41cで同一となる大当り組合せの確定図柄を決定するためのテーブルとして、図11(A)に示す通常大当り図柄決定用テーブル142を設定する(ステップS235)。一方、ランダムR5の値が奇数であるときには(ステップS233;Yes)、フラグメモリ126に設けられた確変フラグをオン状態にセットする(ステップS236)。
そして、左、中、右可変表示部41a〜41cで同一となる大当り組合せの確定図柄を決定するためのテーブルとして、図11(B)に示す確変大当り図柄決定用テーブル143を設定する(ステップS237)。なお、図11(B)に示す確変大当り図柄決定用テーブル143は、初期設定状態におけるものであり、第2の特別図柄配列を構成する特別図柄によって可変表示が行われるときには、後述するように各図柄番号に対するランダムR4−1の値の割り振りが変更された確変大当り図柄決定用テーブル143が設定される。
【0102】
この後、CPU103は、ランダムカウンタ121よりランダムR4−1の値を抽出し(ステップS238)、ステップS235またはS237にて設定した大当り図柄決定用テーブル142または143を用いて大当り組合せとなる確定図柄を決定する(ステップS239)。ステップS239を実行した後には、図26に示すステップS240に進む。そして、ステップS240において、特別図柄プロセスフラグの値を可変表示パターン設定処理に対応した値である「2」に更新する。
【0103】
図23に示すステップS112の可変表示パターン設定処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「2」のときに実行される処理である。図28は、可変表示パターン設定処理を示すフローチャートである。この可変表示パターン設定処理において、CPU103は、まず、フラグメモリ126に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かを判別する(ステップS251)。大当りフラグがオフであるときには(ステップS251;No)、リーチ状態フラグがオンとなっているか否かを判別する(ステップS252)。
【0104】
ステップS252にてリーチ状態フラグがオフであると判別したとき(ステップS252;No)、CPU103は、今回の特図ゲームで使用する可変表示パターンとして、図14に示す可変表示パターンテーブル148に格納された通常ハズレの可変表示パターン#1を選択決定する(ステップS253)。ステップS253を実行した後には、ステップS258に進む。
【0105】
ステップS251にて大当りフラグがオンであると判別したとき(ステップS251;Yes)、CPU103は、可変表示パターンを選択するためのテーブルとして、図15(A)に示す大当り可変表示パターン決定テーブル149を設定する(ステップS254)。また、ステップS252にてリーチ状態フラグがオンであると判別したときには(ステップS252;Yes)、可変表示パターンを選択するためのテーブルとして、図15(B)に示すリーチハズレ可変表示パターン決定テーブル150を設定する(ステップS255)。ステップS254またはS255を実行した後には、ランダムカウンタ121よりランダムR3の値を抽出し(ステップS256)、抽出されたランダムR3の値に基づき、ステップS254またはS255にて設定した可変表示パターン決定テーブル149または150を用いて今回の特図ゲームで使用する可変表示パターンを選択決定する(ステップS257)。そして、ステップS258において、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄可変表示指令処理に対応した値である「3」に更新する。
【0106】
図23に示すステップS113の特別図柄可変表示指令処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「3」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、可変表示装置4において特別図柄の全図柄が可変表示を開始するように制御する。具体的には、上述したステップS111の確定特別図柄設定処理にて決定した特別図柄の確定図柄に対応する制御データや、ステップS112の可変表示パターン設定処理にて選択決定した可変表示パターンに対応する制御データを、所定のコマンド送信テーブルに設定するなどして、可変表示開始コマンド80XX(h)と、左、中、右の図柄指定コマンド91XX(h)、92XX(h)、93XX(h)を、それぞれ表示制御基板12に対して送出可能に設定する。そして、可変表示パターンに対応する総可変表示時間を可変表示時間タイマ127に設定し、可変表示開始コマンドが送信されるとともにカウントダウンを開始する。この後、可変表示時間タイマ127におけるタイマ値が「0」となってタイムアウトすると、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄可変表示停止時処理に対応した値である「4」に更新する。
【0107】
ステップS114の特別図柄可変表示停止時処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「4」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、主基板11から表示制御基板12に対して特別図柄確定コマンドA000(h)を送出するための設定を行う。具体的には、特別図柄確定コマンドに対応する制御データを、所定のコマンド送信テーブルに設定するなどして、特別図柄確定コマンドを表示制御基板12に対して送出可能に設定する。また、フラグメモリ126に設けられた確変フラグがオンとなっているときには、確率向上状態から通常遊技状態に戻すか否かを判定し、戻すと判定すると、確変フラグをクリアしてオフ状態とする。そして、可変表示の表示結果が大当りなるときには、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値である「5」に更新し、ハズレとなるときには、特別図柄プロセスフラグの値を「0」に更新する。
【0108】
ステップS115の大入賞口開放前処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「5」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、大入賞口としての特別可変入賞球装置7を開放する制御を開始するための設定を行う。そして、特別可変入賞球装置7を開放する制御を開始するとともに、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理に対応した値である「6」に更新する。
【0109】
ステップS116の大入賞口開放中処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「6」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、開成された特別可変入賞球装置7への遊技球の入賞検出、賞球の払出指令、開成時間の計測、及び開成サイクルのラウンド数表示のための大当りラウンド数指示コマンドA1XX(h)の設定等を行う。そして、例えば、1回の大当りについて、特別可変入賞球装置7の開成回数をカウントし、開成回数が例えば16回に達していれば、特定遊技状態(大当り遊技状態)を終了する条件が成立したとして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理に対応した値である「7」に更新する。一方、開成回数が16回に達していなければ、特別可変入賞球装置7を一旦閉成した後、所定時間が経過するのを待って再度開成する。
【0110】
ステップS117の大当り終了処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「7」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、表示制御基板12に対して大当り終了コマンドA200(h)を送出するための設定を行うなどして、大当り遊技状態を終了させる。また、CPU103は、フラグメモリ126に設けられた大当りフラグをクリアしてオフ状態とする。そして、特別図柄プロセスフラグの値を図柄配列設定処理に対応した値である「8」に更新する。
【0111】
ステップS118の図柄配列設定処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「8」のときに実行される処理である。図29は、図柄配列設定処理を示すフローチャートである。この図柄配列設定処理において、CPU103は、まず、フラグメモリ126に設けられた確変フラグがオンとなっているか否かを判別する(ステップS271)。確変フラグがオフであるときには(ステップS271;No)、可変表示の表示結果として左、中、右の各可変表示部41a〜41cで同一の通常大当り図柄が導出表示されたものと判断して、ステップS285に進む。
【0112】
一方、ステップS271にて確変フラグがオンであると判別したとき(ステップS271;Yes)、CPU103は、同一の確変大当り図柄が導出表示されたものと判断して、図13に示すような図柄増加回数テーブル147から、図柄増加回数の合計値を読み出す(ステップS272)。例えば、図13に示すような図柄増加回数テーブル147において、「合計」と対応付けて格納されている増加回数を示すデータを読み出す。
【0113】
続いて、CPU103は、ステップS272にて読み出した図柄増加回数の合計値が、合計増加回数最大値と等しくなっているか否かを判別する(ステップS273)。ここで、合計増加回数最大値は、所定の全体判定値として予め定められている値(例えば「10」)であり、初期設定状態で用いる第1の特別図柄配列に含まれている特別図柄の数と比べたときに、第2の特別図柄配列を構成する特別図柄として増加させることが可能な図柄の合計個数の最大値を示している。
【0114】
図柄増加回数の合計値が合計増加回数最大値と等しいとき(ステップS273;Yes)、CPU103は、これ以上特別図柄を増加させることはできないと判断して、左、中、右可変表示部41a〜41cでの可変表示に用いられる特別図柄の配列全体を初期化し、第1の特別図柄配列に戻すための処理を実行する。すなわち、CPU103は、図柄増加回数テーブル147において、各々の図柄番号及び「合計」と対応付けて格納されている増加回数を示すデータを、全て「0」を示すデータに初期化し(ステップS274)、確変大当り図柄決定用テーブル143を図11(B)に示すような初期設定時の状態とする(ステップS275)。また、CPU103は、例えば所定のコマンド送信テーブルに制御データを設定するなどして、図柄配列初期化コマンドB200(h)を表示制御基板12に対して送出可能に設定する(ステップS276)。ステップS276を実行した後には、ステップS285に進む。
【0115】
ステップS273にて図柄増加回数の合計値が合計増加回数最大値と異なるときには(ステップS273;No)、大当りの表示結果を構成する確定図柄として導出表示させた確変大当り図柄に応じた図柄増加回数を、図柄増加回数テーブル147から読み出す(ステップS277)。続いて、読み出された図柄増加回数が、個別増加回数最大値と等しくなっているか否かを判別する(ステップS278)。ここで、個別増加回数最大値は、所定の個別判定値として予め定められている値(例えば「5」)であり、初期設定状態で用いられる第1の特別図柄配列に含まれている各々の特別図柄の数(例えば、図柄番号「0」〜「9」の特別図柄について、それぞれ1個)と比べたときに、第2の特別図柄配列において図柄番号で識別される特別図柄ごとに増加させることが可能な図柄個数の最大値を示している。
【0116】
確定図柄として導出表示させた確変大当り図柄の増加回数が個別増加回数最大値と等しいとき(ステップS278;Yes)、CPU103は、その確変大当り図柄については増加させることができないと判断して、可変表示に用いる特別図柄配列に含まれる当該確変大当り図柄の数を、第1の特別図柄配列に含まれている当該確変大当り図柄の数に戻すための処理を実行する。すなわち、CPU103は、まず、図柄増加回数テーブル147において、ステップS278にて図柄増加回数が個別増加回数最大値と等しくなっていると判別した確変大当り図柄の図柄番号と対応付けて格納されている増加回数を示すデータを、「0」を示すデータに初期化する(ステップS279)。この初期化処理に応じて、図柄増加回数テーブル147において「合計」と対応付けて格納されている増加回数を示すデータも更新する。より具体的には、図柄増加回数テーブル147において各確変大当り図柄の図柄番号と対応付けて格納されている増加回数を示す設定データを読み取り、各確変大当り図柄の増加回数の合計値を計数する。そして、計数された合計値を示す設定データを、「合計」と対応付けて図柄増加回数テーブル147に格納することにより、それまで格納されていた設定データを更新することができる。
【0117】
続いて、CPU103は、確変大当り図柄決定用テーブル143に格納されている設定データを更新することにより、各図柄番号に対して割り振られているランダムR4−1の値を、可変表示に用いる特別図柄配列において確変大当り図柄の数を減少させることに合わせて変更する(ステップS280)。すなわち、第1の特別図柄配列に含まれている数に戻される確変大当り図柄の図柄番号に対して割り振られているランダムR4−1の値の範囲を減少させ、減少させたランダムR4−1の値が他の確変大当り図柄の図柄番号に対して割り振られるように、確変大当り図柄決定用テーブル143に格納されている設定データを更新する。
また、CPU103は、例えば可変表示に用いる特別図柄配列において数を変更する確変大当り図柄に応じた制御データを所定のコマンド送信テーブルに設定するなどして、個別図柄初期設定コマンドB1XX(h)を表示制御基板12に対して送出可能に設定する(ステップS281)。ステップS281を実行した後には、ステップS285に進む。
【0118】
ステップS278にて図柄増加回数が増加回数最大値と異なるときには(ステップS278;No)、大当りの表示結果を構成する確定図柄として導出表示させた確変大当り図柄に応じた図柄増加回数が1加算されるように、図柄増加回数テーブル147に格納されている図柄増加回数を示すデータを更新する(ステップS282)。すなわち、図柄増加回数テーブル147において、確定図柄として導出表示された確変大当り図柄の図柄番号と対応付けて格納されている増加回数を示すデータを、これまでの値よりも1加算された値を示すデータに更新するとともに、「合計」と対応付けて格納されている増加回数を示すデータも、1加算された値を示すデータに更新する。
【0119】
続いて、CPU103は、確変大当り図柄決定用テーブル143に格納されている設定データを更新することにより、各図柄番号に対して割り振られているランダムR4−1の値を、可変表示に用いる特別図柄配列において確変大当り図柄の数を増加させることに合わせて変更する(ステップS283)。すなわち、確定図柄として導出表示された確変大当り図柄の図柄番号に対して割り振られているランダムR4−1の値の範囲を増加させ、他の確変大当り図柄の図柄番号に対して割り振られているランダムR4−1の値の範囲を減少させるように、確変大当り図柄決定用テーブル143に格納されている設定データを更新する。また、CPU103は、例えば特別図柄配列において増加させる確変大当り図柄に応じた制御データを所定のコマンド送信テーブルに設定するなどして、図柄増加コマンドB0XX(h)を表示制御基板12に対して送出可能に設定する(ステップS284)。そして、ステップS285において、特別図柄プロセスフラグの値を「0」に更新する。
【0120】
次に、表示制御基板12における特図ゲームの処理について説明する。表示制御基板12では、CPU112が、例えばフラグメモリ133に設けられたタイマ割込フラグがオンとなったか否かを判別することにより33ミリ秒毎のタイマ割込発生を検出するなどして、図30のフローチャートに示す特図表示制御プロセス処理を開始する。CPU112は、フラグメモリ133に設けられた表示制御プロセスフラグの値に基づいて、図30に示すステップS150〜S156の7つの処理のうちのいずれかを選択する。以下に、ステップS150〜S156の各処理について説明する。なお、CPU112にてタイマ割込みが発生する周期は、33ミリ秒に限定されず、CPU112にて実行される各種の処理に合わせて任意に設定可能である。
【0121】
ステップS150の可変表示開始コマンド受信待ち処理は、表示制御プロセスフラグの値が初期値「0」のときに実行される処理である。この処理において、CPU112は、主基板11からの可変表示開始コマンド80XX(h)を受信したか否かを判別し、受信したと判別したときには、表示制御プロセスフラグの値を表示制御設定処理に対応した値である「1」に更新する。一方、可変表示開始コマンドを受信していないときには、そのまま可変表示開始コマンド受信待ち処理を終了する。
【0122】
ステップS151の表示制御設定処理は、表示制御プロセスフラグの値が「1」のときに実行される処理である。この処理において、CPU112は、可変表示開始コマンド80XX(h)によって指定された可変表示パターンに応じた図柄可変表示制御パターンを選択決定し、表示制御パターンメモリ130から読み出す。続いて、VDP115に対して可変表示装置4における特別図柄の可変表示を開始するための描画命令を送出するとともに、各種タイマ132に設けられた可変表示時間タイマによる可変表示時間の計測をスタートさせる。この後、表示制御プロセスフラグの値を特別図柄可変表示中処理に対応した値である「2」に更新する。
【0123】
ステップS152の特別図柄可変表示中処理は、表示制御プロセスフラグの値が「2」のときに実行される処理である。この処理において、CPU112は、ステップS151の表示制御設定処理にて表示制御パターンメモリ130から読み出した図柄可変表示制御パターンに従って、例えばVDP115に対して適宜描画命令を送ることなどにより、可変表示装置4における表示動作を制御し、特別図柄の可変表示を進行させる。
【0124】
こうした特別図柄可変表示中処理に含まれる処理の1つとして、CPU112は、図31のフローチャートに示す特図画像表示制御処理を実行する。特図画像表示制御処理を開始すると、CPU112は、まず、表示図柄カウンタのカウント値を1加算し(ステップS351)、その値が可変表示図柄配列データ格納領域131bに格納された配列データによって示される特別図柄配列(第1の特別図柄配列または第2の特別図柄配列)を構成する特別図柄の個数と等しくなったか否かを判別する(ステップS352)。ここで、特別図柄配列を構成する特別図柄の個数は、例えばRAM114上に設けられた所定の配列図柄数データ格納領域に配列図柄数データを格納し、この配列図柄数データによって示される配列内の図柄個数とすればよい。
【0125】
表示図柄カウンタのカウント値が特別図柄配列を構成する特別図柄の個数と等しいときには(ステップS352;Yes)、表示図柄カウンタのカウント値を「0」に設定する(ステップS353)。一方、表示図柄カウンタのカウント値と特別図柄配列を構成する特別図柄の個数とが異なるときには(ステップS352;No)、ステップS353をスキップして、ステップS354に進む。
【0126】
この後、CPU112は、図20に示す可変表示図柄配列データ格納領域131bより表示図柄カウンタの値に対応する図柄表示設定データを選択して読み出し(ステップS354)、読み出された図柄表示設定データに従って、例えばVDP115に描画命令を送るなどの表示設定を行う(ステップS355)。このように、表示図柄カウンタの値を更新するとともに、表示図柄カウンタの値に応じて可変表示図柄配列データ格納領域131bに格納されている図柄表示設定データを読み出すことで、可変表示図柄配列データ格納領域131bに格納されている図柄表示設定データを循環的に読み出すことができ、読み出された図柄表示設定データによる表示設定を行うことで、左、中、右可変表示部41a〜41cにて特別図柄配列を構成する特別図柄を順次に更新表示させ、特別図柄の可変表示を行わせることができる。
【0127】
また、図30に示すステップS152の特別図柄可変表示中処理では、各種タイマ132に設けられた可変表示時間タイマがタイムアウトすると、監視タイマに対して予め定められたタイマ初期値を設定し、その監視タイマのカウントダウン動作を開始させるとともに、表示制御プロセスフラグの値を特別図柄停止待ち処理に対応した値である「3」に更新する。
【0128】
ステップS153の特別図柄停止待ち処理は、表示制御プロセスの値が「3」のときに実行される処理である。この処理において、CPU112は、主基板11から特別図柄確定コマンドA000(h)を受信したか否かを判別し、受信していないときには、さらに監視タイマがタイムアウトしたか否かを判別する。監視タイマがタイムアウトしていないときには、そのまま特別図柄停止待ち処理を終了する。一方、特別図柄確定コマンドを受信することなく監視タイマがタイムアウトしたときには、何らかの異常が発生したと判断して、可変表示装置4の表示領域41に所定のエラー画面を表示する制御を行う。また、監視タイマがタイムアウトする前に特別図柄確定コマンドを受信したときには、左、中、右可変表示領域41a〜41cにおける特別図柄の可変表示を終了させ、左、中、右の各図柄における確定図柄を停止表示する制御を行う。そして、導出された表示結果が大当りであるときには、表示制御プロセスフラグの値を大当り表示処理に対応した値である「4」に更新し、ハズレであるときには、表示制御プロセスフラグの値を「0」に更新する。
【0129】
ステップS154の大当り表示処理は、表示制御プロセスフラグの値が「4」のときに実行される処理である。この処理において、CPU112は、可変表示装置4を制御することにより、大当り遊技状態に応じた画像を表示する制御を行う。例えば、主基板11からの大当りラウンド数指示コマンドA1XX(h)に対応したラウンド数を、可変表示装置4の表示領域41に表示させることにより、遊技者に対して報知可能とする。そして、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技が最終ラウンド(例えば、16回目)になると、表示制御プロセスフラグの値を大当り終了表示処理に対応した値である「5」に更新する。
【0130】
ステップS155の大当り終了表示処理は、表示制御プロセスフラグの値が「5」のときに実行される処理である。この処理において、CPU112は、主基板11から大当り終了コマンドA200(h)を受信したことに応答して、可変表示装置4にて大当り遊技状態が終了したことを報知する演出表示の制御を行う。そして、その演出表示が終了すると、表示制御プロセスフラグの値を図柄配列変更表示処理に対応した値である「6」に更新する。
【0131】
ステップS156の図柄配列変更表示処理は、表示制御プロセスフラグの値が「6」のときに実行される処理である。図32及び図33は、図柄配列変更表示処理を示すフローチャートである。この図柄配列変更表示処理において、CPU112は、まず、主基板11からの図柄増加コマンドB0XX(h)を受信したか否かを判別する(ステップS401)。そして、図柄増加コマンドを受信したと判別したときには(ステップS401;Yes)、図7に示すような図柄増加コマンドのEXTデータによって指定された特別図柄の図柄番号を特定する(ステップS402)。続いて、特定された図柄番号の特別図柄に対応する図柄表示設定データを、例えば可変表示図柄配列データ格納領域131bの空き領域の先頭にセットするとともに(ステップS403)、配列内の図柄個数を1加算する(ステップS404)。例えば、RAM114の配列図柄数データ格納領域に格納されている配列図柄数データを、配列内の図柄個数が1増加したことに対応するデータに更新すればよい。
【0132】
ステップS404を実行した後、CPU112は、表示制御パターンメモリ130に格納されている図柄増加演出表示制御パターンを選択決定して読み出し(ステップS405)、読み出された図柄増加演出表示制御パターンに従って、例えばVDP115に対して表示制御パターンに基づく描画命令を送出するなどの表示設定を行う(ステップS406)。VDP115は、CPU112からの描画命令に基づいてCGROM116より画像データを読み出してVRAM117上の展開領域に展開することで、左、中、右可変表示部41a〜41cにて可変表示される特別図柄の配列に確変大当り図柄が増加することを報知するための画像を、可変表示装置4の表示領域41に表示させることができる。ステップS406を実行した後には、ステップS419に進む。
【0133】
また、ステップS401にて図柄増加コマンドを受信していないと判別したときには(ステップS401;No)、個別図柄初期設定コマンドB1XX(h)を受信したか否かを判別する(ステップS407)。そして、個別図柄初期設定コマンドを受信したと判別したときには(ステップS407;Yes)、個別図柄初期設定コマンドのEXTデータによって指定された特別図柄の図柄番号を特定する(ステップS408)。続いて、可変表示図柄配列データ格納領域131bにて図柄表示設定データを格納している複数の領域のうちから、ステップS408にて特定された図柄番号の特別図柄に対応する図柄表示設定データを格納している領域を特定し、その図柄番号が付された特別図柄の数が、第1の特別図柄配列に含まれている当該特別図柄の数となるように、図柄表示設定データを減少更新する(ステップS409)。
【0134】
例えば、第1の特別図柄配列が図柄番号「0」〜「9」の特別図柄を1つずつ含んで構成される場合には、図20(B)に示すような可変表示図柄配列データ格納領域131bにおいて、相対アドレスが「+10」以上の領域に格納されている図柄表示設定データのうちで、ステップS408にて特定された図柄番号の特別図柄に対応する図柄表示設定データを削除する。このとき、有効な図柄表示設定データが格納された領域の間に空き領域が生じた場合には、その空き領域がなくなるように、図柄表示設定データの格納位置をシフトさせる。
【0135】
この後、CPU112は、ステップS409にて減少させた図柄表示設定データ量に合わせて、配列内の図柄個数を減算更新する(ステップS410)。例えば、RAM114の配列図柄数データ格納領域に格納されている配列図柄数データが示す配列内の図柄個数から、ステップS409にて図柄表示設定データが削除された領域の数を減算し、減算された値を示す配列図柄数データを配列図柄数データ格納領域に格納することにより更新すればよい。あるいは、可変表示図柄配列データ格納領域131bにて有効な図柄表示設定データが格納されている領域の数を計数し、計数された値を示す配列図柄数データを配列図柄数データ格納領域に格納することにより更新してもよい。
【0136】
ステップS410を実行した後、CPU112は、表示制御パターンメモリ130に格納されている図柄初期化演出表示制御パターンを選択決定して読み出し(ステップS411)、読み出された図柄初期化演出表示制御パターンに従って、例えばVDP115に対して表示制御パターンに基づく描画命令を送出するなどの表示設定を行う(ステップS412)。VDP115は、CPU112からの描画命令に基づいてCGROM116より画像データを読み出してVRAM117上の展開領域に展開することで、左、中、右可変表示部41a〜41cにて可変表示される特別図柄の配列から所定の確変大当り図柄が減少することを報知するための画像を、可変表示装置4の表示領域41に表示させることができる。ステップS412を実行した後には、ステップS419に進む。
【0137】
また、ステップS407にて個別図柄初期設定コマンドを受信していないと判別したときには(ステップS407;No)、図柄配列初期化コマンドB200(h)を受信したか否かを判別する(図33のステップS413)。図柄配列初期化コマンドを受信していないと判別したときには(ステップS413;No)、図32のステップS419に進む。一方、図柄配列初期化コマンドを受信したと判別したときには(ステップS413;Yes)、可変表示図柄配列データ格納領域131bをクリアすることにより、可変表示図柄配列データ格納領域131bに格納されている図柄表示設定データを消去する(ステップS414)。続いて、初期設定図柄配列データ格納領域131aに格納されている配列データを読み出して可変表示図柄配列データ格納領域131bにセットする(ステップS415)。これにより、可変表示に用いる特別図柄配列が、第1の特別図柄配列に戻されることとなる。なお、増加された特別図柄に対応する図柄表示設定データを可変表示図柄配列データ格納領域131bの空き領域の先頭にセットするようにしたときには、ステップS414及びS415の処理に代えて、図20(B)に示すような可変表示図柄配列データ格納領域131bにおいて、相対アドレスが所定の基準値以上である領域に格納されている図柄表示設定データのみを消去するようにしてもよい。例えば、第1の特別図柄配列が図柄番号「0」〜「9」の特別図柄を1つずつ含んで構成される場合には、可変表示図柄配列データ格納領域131bにおいて相対アドレスが「+10」以上の領域に格納されている図柄表示設定データを消去することで、可変表示図柄配列データ格納領域131bに格納される配列データを、第1の特別図柄配列を示す配列データに更新することができる。
【0138】
この後、CPU112は、配列内の図柄個数を初期設定状態における設定値に戻すとともに(ステップS416)、表示制御パターンメモリ130に格納されている配列初期化演出表示制御パターンを選択決定して読み出す(ステップS417)。そして、読み出された配列初期化演出表示制御パターンに従って、例えばVDP115に対して表示制御パターンに基づく描画命令を送出するなどの表示設定を行う(ステップS418)。続いて、図32に示すステップS419において、表示制御プロセスフラグの値を「0」に更新する。
【0139】
上述したパチンコ遊技機1の動作を、次に、具体例に基づいて説明する。
【0140】
パチンコ遊技機1の右下位置に設けられたハンドルを遊技者が操作すると、発射モータにより遊技球が遊技領域に打ち込まれ、遊技領域内を下りてくる。主基板11は、各入賞口スイッチ70の入力の有無を監視している。
【0141】
遊技球が普通可変入賞球装置6に入賞すると、始動球検出器により遊技球の入賞が検出される。遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、各入賞口スイッチ70に含まれる始動球検出スイッチからの検出信号がオン状態となると(図23に示すステップS100;Yes)、ランダムカウンタ121よりランダムR1の値を抽出し、抽出した乱数値を特図保留メモリ120の空きエントリの先頭に登録する(ステップS101)。
【0142】
CPU103は、特図ゲームが実行されていない場合に、特図保留メモリ120に記憶されているランダムR1の値を先頭エントリから読み出し、読み出した乱数値に従って大当りとハズレの別を判定する(図25に示す大当り判定処理)。そして、「大当り」と判定したときには、ランダムカウンタ121より抽出したランダムR4−1の値に応じた大当り用の特別図柄を決定する(図26及び図27に示す確定特別図柄設定処理)。こうして決定された大当り用の特別図柄に対応する左、中、右の図柄指定コマンド91XX(h)、92XX(h)、93XX(h)が、主基板11から表示制御基板12に対して送出される。
【0143】
続いて、CPU103は、図14に示す可変表示パターンテーブル148に格納された複数の可変表示パターンのうちから状況に応じたものを選択し、選択した可変表示パターンに対応する可変表示開始コマンド80XX(h)を、表示制御基板12に対して送出する(図28に示す可変表示パターン設定処理)。表示制御基板12では、CPU112が主基板11からの可変表示開始コマンドにて指定された可変表示パターンに対応する図柄可変表示制御パターンを表示制御パターンメモリ130から読み出し、読み出した表示制御パターンに従って可変表示装置4による特別図柄の可変表示を開始する。
【0144】
こうして図34(A)に示すように、可変表示装置4上の左、中、右可変表示部41a〜41cにて特別図柄の可変表示が開始される。例えば、電源投入直後などの初期設定状態では、特別図柄配列メモリ131の可変表示図柄配列データ格納領域131bに、初期設定図柄配列データ格納領域131aに格納されているものと同様の第1の特別図柄配列を示す配列データが格納されている。そこで、CPU112は、図31に示す特図画像表示制御処理を実行することにより、可変表示図柄配列データ格納領域131bに格納されている第1の特別図柄配列を示すデータに従ってVDP115に描画命令を送るなどして、可変表示装置4における特別図柄の可変表示動作を制御する。これにより、左、中、右可変表示部41a〜41cでは、図35に示すように、図柄番号「0」の特別図柄「0」から図柄番号「9」の特別図柄「9」へと図柄番号が1ずつ増大していく順番で特別図柄を更新表示した後に図柄番号「0」の特別図柄「0」の表示へと戻るようにして、1周分の特別図柄の可変表示が行われることとなる。なお、図35に示される特別図柄の可変表示の順番は、可変表示パターンに従った可変表示中の演出により任意に変更されることがあり、例えば、図35に示される順番とは逆の順番(逆回転)で可変表示されてもよい。
【0145】
このように可変表示図柄配列データ格納領域131bに格納されている第1の特別図柄配列を示す配列データにより特別図柄の可変表示を行うときには、当該配列データにより示される1周分の特別図柄が順次に表示される間に、VDP115が、CGROM116に格納されている各々の特別図柄を特定可能に定義するキャラクタ画像データを、それぞれ1回ずつ読み出してVRAM117上の展開領域に展開することにより、第1の特別図柄配列を構成する特別図柄の可変表示が行われる。すなわち、可変表示図柄配列データ格納領域131bには、相対アドレスが「+0」から「+9」までの領域に、図柄番号「0」の特別図柄「0」から図柄番号「9」の特別図柄「9」までの各特別図柄に対応する図柄表示設定データが1つずつ格納されており、配列内の図柄個数として「10」を示す配列図柄数データがRAM114の配列図柄数データ格納領域に格納されている。
そして、CPU112が表示図柄カウンタの値に応じて読み出した図柄表示設定データに基づく描画命令をVDP115に送り、VDP115が、この描画命令に従ってCGROM116に格納されているキャラクタ画像データを読み出してVRAM117上に展開することで、可変表示装置4における表示動作を制御する。
【0146】
この後、可変表示パターンに対応した総可変表示時間が経過したときに、表示結果となる特別図柄の確定図柄が導出表示される。こうして導出表示された確定図柄がハズレとなる組合せであれば、特別可変入賞球装置7の開閉板の開成等を行うことなく、1回分の特図ゲームの実行が終了する。
【0147】
一方、例えば図34(B)に示すように、確定図柄が大当り組合せとなっていれば、パチンコ遊技機1は大当り遊技状態となり、特別可変入賞球装置7の開閉板が一定時間が経過するまで、または一定数の遊技球が入賞するまで開成し、開閉を一定サイクル繰り返す。このとき遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、表示制御基板12に対する大当りラウンド数指示コマンドA1XX(h)の送出などにより、例えば図34(C)に示すように、大当り遊技状態において実行されているラウンド遊技の実行回数を報知するための情報を、可変表示装置4により表示させる(図23に示すステップS116)。
【0148】
この後、大当り遊技状態が終了すると、主基板11から表示制御基板12に対して大当り終了コマンドA200(h)を送出する(ステップS117)。表示制御基板12では、CPU112が大当り終了コマンドを受信したことに応じて、例えば図34(D)に示すように、大当り遊技状態が終了したことを報知するための情報を、可変表示装置4により表示させる(図30に示すステップS155)。
【0149】
このとき、CPU103は、フラグメモリ126に設けられた確変フラグがオンとなっているか否かを判別することにより、可変表示の表示結果として導出表示された特別図柄が通常大当り図柄であるか、確変大当り図柄であるかを判定し、確変大当り図柄である旨の判定がなされたときには、左、中、右可変表示部41a〜41cにて可変表示される特別図柄配列を変更するための処理を実行する(図29に示す図柄配列設定処理)。
【0150】
例えば、第1の特別図柄配列を示す配列データにより第1の特別図柄配列を構成する特別図柄の可変表示を行ったときの表示結果として、図34(B)に示すように確変大当り図柄としての図柄番号「3」の特別図柄「3」が左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて揃って導出表示されたものとする。この場合には、第1の特別図柄配列を構成する特別図柄に図柄番号「3」の特別図柄「3」を増加した第2の特別図柄配列を生成することが決定され(図29に示すステップS278;No)、図柄番号「3」に対応する増加回数が「1」を示すように、図柄増加回数テーブル147に格納されている設定データが更新される。このときには、「合計」に対応する増加回数も1加算されて「1」を示すように、図柄増加回数テーブル147に格納されている設定データが更新される(ステップS282)。
【0151】
また、図柄番号「3」の特別図柄「3」が1つ増加することに合わせて、確変大当り図柄決定用テーブル143における各確変大当り図柄の確定図柄番号に対するランダムR4−1の割当てが、図11(B)に示すような初期設定時での設定から図37(A)に示すような設定となるように、CPU103が確変大当り図柄決定用テーブル143に格納されている設定データを更新する(ステップS283)。これにより、以後に行われる特図ゲームにて可変表示の表示結果として左、中、右可変表示部41a〜41cで同一の確変大当り図柄を導出表示する旨の判定(確変大当りの判定)がなされたときに、図柄番号「3」の特別図柄「3」を、他の確変大当り図柄と比較して高い割合で、確定図柄として選択決定することができる。この後、図7に示すように、図柄番号「3」の特別図柄「3」を増加させることに合わせてEXTデータが01(h)に設定された図柄増加コマンドB001(h)が、表示制御基板12に対して送出される(ステップS284など)。
【0152】
表示制御基板12では、CPU112が主基板11からの図柄増加コマンドB001(h)を受信したとの判定(図32に示すステップS401;Yes)に基づいて、図柄番号「3」の特別図柄「3」に対応する図柄表示設定データを、例えば可変表示図柄配列データ格納領域131bの空き領域の先頭にセットする(ステップS403)。また、例えばRAM114の配列図柄数データ格納領域に格納されている配列図柄数データを、配列内の図柄個数が1つ増加したことに対応するデータに更新するなどして、配列内の図柄個数を1加算しておく(ステップS404)。これにより、第2の特別図柄配列が生成され、以後の特図ゲームでは、可変表示図柄配列データ格納領域131bに格納されている第2の特別図柄配列を示す配列データにより特別図柄の可変表示が制御されることとなり、図36(A)に示すように、図柄番号「0」の特別図柄「0」から図柄番号「9」の特別図柄「9」へと図柄番号が1ずつ増大していく順番で特別図柄を順次に更新表示し、さらに図柄番号「3」の特別図柄「3」を表示させた後に図柄番号「0」の特別図柄「0」の表示へと戻るようにして、1周分の特別図柄の可変表示が行われることとなる。
【0153】
この場合には、可変表示図柄配列データ格納領域131bに格納されている配列データにより示される1周分の特別図柄が順次に表示される間に、VDP115がCGROM116に格納されている各々の特別図柄を示すキャラクタ画像データのうちで、図柄番号「3」の特別図柄「3」を示すキャラクタ画像データを2回読み出してVRAM117上に展開することにより、第2の特別図柄配列を構成する図柄番号「9」の特別図柄「9」と図柄番号「0」の特別図柄「0」との間に、図柄番号「3」の特別図柄「3」を挿入して増加させる。すなわち、可変表示図柄配列データ格納領域131bに格納されている第2の特別図柄配列を示す配列データは、VDP115が、第2の特別図柄配列を構成する各々の特別図柄を1回ずつ更新表示させることに対応して、増加される特別図柄のキャラクタ画像データをCGROM116から複数回読み出すことができるように構成されている。
【0154】
また、CPU112は、主基板11からの図柄増加コマンドB001(h)を受信したことに応じて表示制御パターンメモリ130に格納されている図柄増加演出表示制御パターンを読み出し、例えば図34(E)及び(F)に示すように、可変表示に用いる特別図柄配列において図柄番号「3」の特別図柄「3」が増加される旨を報知するための演出表示を、可変表示装置4の表示動作を制御することにより行わせる(図32に示すステップS405、S406)。こうして増加する特別図柄を報知するための演出表示が終了すると、例えば図34(G)に示すように左、中、右可変表示部41a〜41cにて特別図柄が停止表示されている状態に戻し、大当り遊技状態が終了した後の特図ゲームにおける可変表示を開始可能な状態とする。そして、可変表示の開始条件が成立すると、図34(H)に示すように特別図柄の可変表示が開始されることとなる。
【0155】
この後、可変表示の表示結果として、再び図柄番号「3」の特別図柄「3」が左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて揃って導出表示されると、可変表示図柄配列データ格納領域131bに格納されている配列データが更新され、以後の特図ゲームにおいて、図36(B)に示すような順番で特別図柄が更新表示されることにより特別図柄の可変表示が行われることとなる。さらにこの後、可変表示の表示結果として、図柄番号「5」の特別図柄「5」が左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて揃って導出表示されると、可変表示図柄配列データ格納領域131bに格納されている配列データが更新され、以後の特図ゲームにおいて、図36(C)に示すような順番で特別図柄が更新表示されることにより特別図柄の可変表示が行われることとなる。
【0156】
また、図36(B)に示すように、第1の特別図柄配列を構成する特別図柄と比較して、図柄番号「3」の特別図柄「3」が2つ増加されるときには、確変大当り図柄決定用テーブル143における各確変大当り図柄の確定図柄番号に対するランダムR4−1の割当てが、例えば図37(B)に示すような設定となるように、CPU103が確変大当り図柄決定用テーブル143に格納されている設定データを更新する。図36(C)に示すように、第1の特別図柄配列を構成する特別図柄と比較して、図柄番号「3」の特別図柄「3」が2つ増加され、かつ、図柄番号「5」の特別図柄「5」が1つ増加されるときには、確変大当り図柄決定用テーブル143における各確変大当り図柄の確定図柄番号に対するランダムR4−1の割当てが、例えば図37(C)に示すような設定となるように、CPU103が確変大当り図柄決定用テーブル143に格納されている設定データを更新する。
【0157】
このように確変大当り図柄決定用テーブル143に格納されている設定データを更新することにより、確変大当りとする旨の判定がなされたときに各確変大当り図柄が確定図柄として選択される割合は、図38(A)〜(D)に示すように変化する。すなわち、第1の特別図柄配列を構成する特別図柄に比べて増加されている特別図柄については、他の特別図柄と比較して高い割合で大当りの表示結果とする確定図柄として選択決定されることとなる。
【0158】
この後、例えば図柄番号「3」の特別図柄「3」が可変表示の表示結果として左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて揃って導出表示される特図ゲームが3回行われたときには、図39(A)に示すような順番で特別図柄が可変表示されることとなる。ここで、所定の個別判定値としての個別増加回数最大値が、予め「5」に定められているものとする。この場合において、図40(B)に示すように、さらに図柄番号「3」の特別図柄「3」が可変表示の表示結果として左、中、右の各可変表示部41a〜41cにて揃って導出表示されると、図柄増加回数テーブル147において図柄番号「3」に対応して格納されている設定データにより示される増加回数が「5」となっていることから、図29に示す図柄配列設定処理において、確定図柄として導出表示させた確変大当り図柄の増加回数が個別増加回数最大値と等しい旨の判定がなされる(ステップS278;Yes)。
【0159】
そこで、CPU103は、可変表示に用いる特別図柄配列に含まれている図柄番号「3」の特別図柄「3」の数を、第1の特別図柄配列に含まれている数に戻すための処理を実行する。すなわち、CPU103は、図柄番号「3」に対応する増加回数が「0」を示すように、図柄増加回数テーブル147に格納されている設定データを更新し、「合計」に対応する増加回数を示す設定データも、これに合わせて更新する(ステップS279)。また、図柄番号「3」の特別図柄「3」が減少することに合わせて、確変大当り図柄決定用テーブル143における各確変大当り図柄の図柄確定番号に対するランダムR4−1の割当てを変更する(ステップS280)。そして、図7に示すように、図柄番号「3」の特別図柄「3」を初期化することに合わせてEXTデータが01(h)に設定された個別図柄初期設定コマンドB101(h)が、表示制御基板12に対して送出される(ステップS281など)。
【0160】
表示制御基板12では、CPU112が主基板11からの個別図柄初期設定コマンドB101(h)を受信したとの判定(図32に示すステップS407;Yes)に基づいて、可変表示図柄配列データ格納領域131bに格納されている図柄表示設定データを減少更新することにより、可変表示に用いる特別図柄配列に図柄番号「3」の特別図柄「3」が含まれる数が、第1の特別図柄配列に含まれている数となるように、可変表示用の配列データを更新する(ステップS409)。また、例えばRAM114の配列図柄数データ格納領域に格納されている配列図柄数データを、配列内の図柄個数が5つ減少したことに対応するデータに更新するなどして、配列内の図柄個数を減算更新する(ステップS410)。これにより、以後の特図ゲームでは、図38(B)に示すような順番で特別図柄が更新表示されることにより特別図柄の可変表示が行われることとなる。
【0161】
また、CPU112は、主基板11からの個別図柄初期設定コマンドB101(h)を受信したことに応じて表示制御パターンメモリ130に格納されている図柄初期化演出表示制御パターンを読み出し、例えば図40(E)及び(F)に示すように、図柄番号「3」の特別図柄「3」が可変表示に用いる特別図柄配列に含まれる数は第1の特別図柄配列に含まれる数に戻る旨を報知するための演出表示を、可変表示装置4の表示動作を制御することにより行わせる(図32に示すステップS411、S412)。こうして減少(初期化)する特別図柄を報知するための演出表示が終了すると、例えば図40(G)に示すように左、中、右可変表示部41a〜41cにて特別図柄が停止表示されている状態に戻し、大当り遊技状態が終了した後の特図ゲームにおける可変表示を開始可能な状態とする。
【0162】
さらに、可変表示の表示結果として左、中、右の各可変表示部41a〜41cに同一の確変大当り図柄が導出表示されたときに、図柄増加回数テーブル147において「合計」に対応して格納されている設定データにより示される増加回数が所定の全体判定値としての全体増加回数最大値(例えば「10」)と等しくなっていたものとする。このとき、CPU103は、可変表示に用いられる特別図柄の配列全体を初期化し、第1の特別図柄配列に戻すための処理を実行する。すなわち、CPU103は、各々の確変大当り図柄の図柄番号と「合計」とに対応する増加回数が、いずれも「0」を示すように、図柄増加回数テーブル147に格納されている設定データを初期化する(図29に示すステップS274)。また、可変表示に用いられる特別図柄の配列を初期化することに合わせて、確変大当り図柄決定用テーブル143における各確変大当り図柄の図柄確定番号に対するランダムR4−1の割当てを、図11(B)に示す初期設定時の状態に戻すように初期化する(ステップS275)。そして、特別図柄配列全体を初期化することに応じた図柄配列初期化コマンドB200(h)が、表示制御基板12に対して送出される(ステップS276など)。
【0163】
表示制御基板12では、CPU112が主基板11からの図柄配列初期化コマンドB200(h)を受信したとの判定(図33に示すステップS413;Yes)に基づいて、可変表示図柄配列データ格納領域131bに格納されている配列データを、初期設定図柄配列データ格納領域131aに格納されている配列データと同一のデータに更新する(ステップS414、S415)。また、例えばRAM114の配列図柄数データ格納領域に格納されている配列図柄数データを、初期設定状態における配列内の図柄個数を示すデータに更新する(ステップS416)。これにより、以後の特図ゲームでは、図35に示すような第1の特別図柄配列に従った順番で特別図柄が更新表示されることにより特別図柄の可変表示が行われることとなる。
【0164】
以上説明したように、この実施の形態によれば、図32のステップS403にて図柄表示設定データを可変表示図柄配列データ格納領域131bにセットするとともに、ステップS404にて配列内の図柄個数を1加算することで、初期設定状態での可変表示に用いられる第1の特別図柄配列を構成する特別図柄に確変大当り図柄を増加した第2の特別図柄配列を生成することができる。そして、図31に示す特図画像表示制御処理において、生成された第2の特別図柄配列を示す配列データにより特別図柄の可変表示を制御する。これにより、大当り組合せの確定図柄として選択決定される可能性の高い特別図柄をわかりやすく表示することができ、また、第1の特別図柄配列に含まれている特別図柄を減少させることもないので、大当りの表示結果となる特別図柄に対する興味と期待感を向上することができる。さらに、特別図柄の配列を用いて面白みのある演出を行うことができる。
【0165】
また、大当り組合せとなる確定図柄として確変大当り図柄が選択決定されたときのみに、その選択決定された確変大当り図柄を増加させるようにしたので、以後の特図ゲームにおける可変表示の表示結果が同一の確変大当り図柄で揃って確率変動制御が行われることに対する遊技者の期待感を向上することができる。
【0166】
可変表示に用いる特別図柄配列に確変大当り図柄を増加するときには、図29のステップS280にて確変大当り図柄決定用テーブル143における各々の確変大当り図柄の確定図柄番号に対するランダムR4−1の値の割当てを変更する。これにより、以後の特図ゲームにおいて第2の特別図柄配列を構成する特別図柄のうちで増加されている確変大当り図柄を、他の確変大当り図柄と比較して高い割合で大当り組合せとなる確定図柄として選択決定するので、その確変大当り図柄をさらに増加させることが容易になり、その確変大当り図柄で大当りとなり易いとの印象を遊技者に与えることができ、増加した特別図柄に対する遊技者の興味を向上することができる。
【0167】
また、図32のステップS405、S406にてCPU112が図柄増加演出表示制御パターンに従った表示設定を行うことに応じて、VDP115は、例えば図34(E)及び(F)に示すような画像を可変表示装置4の表示領域41に表示させる。これにより、可変表示に用いる特別図柄配列に対して増加される特別図柄を報知することで、特別図柄が増加したことを遊技者に印象づけることができ、大当り組合せとなった特別図柄に対する遊技者の期待感を向上することができる。
【0168】
図29のステップS273にて図柄増加回数の合計値が所定の全体判定値としての合計増加回数最大値と等しい旨の判定がなされたときには、図柄配列初期化コマンドB200(h)が主基板11から表示制御基板12に対して送出される。そして、図33のステップS414、S415にて、可変表示図柄配列データ格納領域131bに格納されている配列データを、初期設定図柄配列データ格納領域131aに格納されている配列データと同一のデータに更新することで、第2の特別図柄配列から第1の特別図柄配列に配列データを切り換える。これにより、可変表示に用いる特別図柄配列を構成する特別図柄の数がむやみに増加することを防止し、特別図柄の可変表示における制御負担を軽減することができる。
【0169】
図29のステップS278にて大当り図柄に応じた図柄増加回数が所定の個別判定値としての個別増加回数最大値と等しい旨の判定がなされたときには、大当り図柄に応じた個別図柄初期設定コマンドB1XX(h)が主基板11から表示制御基板12に対して送出される。そして、図32のステップS409にて、可変表示に用いる特別図柄配列に大当り図柄として導出表示した特別図柄が含まれる数が第1の特別図柄配列に含まれている数となるように、可変表示用の配列データが更新される。これにより、同一の特別図柄がむやみに増加して特定の特別図柄が過度に偏って導出表示されることを防止し、遊技者の期待感を適度に高めることができる。
【0170】
また、第2の特別図柄配列を示す配列データは、VDP115が、第2の特別図柄配列を構成する各々の特別図柄を1回ずつ表示させることに対応して、増加される特別図柄を特定可能に定義するキャラクタ画像データをCGROM116から複数回読み出し、第2の特別図柄配列を構成する所定の特別図柄の間に、特別図柄を挿入して増加させるように構成されている。これにより、第1の特別図柄配列を構成する特別図柄のキャラクタ画像データを用いて、第2の特別図柄配列による可変表示を行うことができるので、特別図柄を可変表示するために必要なデータ量を増大させることなく特別図柄の配列を変化させて面白みのある演出を行うことができる。これにより、表示用の各種データの格納に必要な記憶容量を抑えることができ、特別図柄の可変表示における制御負担を軽減することもできる。
【0171】
上記実施の形態では、可変表示の表示結果として左、中、右の各可変表示部41a〜41cに同一の確変大当り図柄が導出表示され、その表示結果に基づく大当り遊技状態が終了した後に、可変表示に用いる特別図柄配列を構成する特別図柄に確変大当り図柄を増加させるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、所定の条件が成立したときに、可変表示に用いる特別図柄配列に含まれる特別図柄の数を増加できるものであればよい。以下、所定の条件の一例として、実行が保留されている可変表示の表示結果を大当りとする旨の判定がなされたときに、可変表示に用いる特別図柄配列に含まれる特別図柄の数を増加させる実施形態について説明する。
【0172】
この例では、図23に示すステップS101の入賞処理において、ランダムR1の値の他にランダムR5の値も、ランダムカウンタ121より抽出する。そして、図41に示すように、特図保留メモリ120は、ランダムR1の値とランダムR5の値とを、保留番号と対応付けて格納する。また、フラグメモリ126には、保留記憶大当りフラグを設けておく。
【0173】
このような構成において、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、図23に示すステップS110の特別図柄通常処理として、図24に示すフローチャートに従った処理に代えて、図42に示すフローチャートに従った処理を実行する。図42に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、特図保留メモリ120における保留記憶数が「0」であるか否かを判別する(ステップS501)。保留記憶数が「0」であれば(ステップS501;Yes)、特別図柄通常処理を終了する。一方、保留記憶数が「0」以外であると判別すると(ステップS501;No)、フラグメモリ126に設けられた保留記憶大当りフラグがオンとなっているか否かを判別する(ステップS502)。保留記憶大当りフラグがオフであるときには(ステップS502;No)、図43のフローチャートに示す保留記憶判定処理を実行する(ステップS503)。一方、保留記憶大当りフラグがオンであるときには(ステップS502;Yes)、ステップS503をスキップして、ステップS504に進む。
【0174】
ステップS503にて保留記憶判定処理を開始すると、CPU103は、図43に示すように、特図保留メモリ120の記憶内容をチェックするために用いられる変数kの値を初期値「1」に設定する(ステップS521)。続いて、特図保留メモリ120において変数kの値と同一の保留番号に格納された設定データを読み取り、変数kの値と同一の保留番号に格納されたランダムR1の値を読み出す(ステップS522)。そして、読み出されたランダムR1の値に基づいて、図25のフローチャートに示す大当り判定処理を実行する(ステップS523)。この後、ステップS523にて大当り判定処理を実行した結果として、フラグメモリ126に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かを判別し(ステップS524)、オンとなっているときには(ステップS524;Yes)、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS525)。
【0175】
ステップS525に続いて、CPU103は、フラグメモリ126に設けられた保留記憶大当りフラグをオン状態にセットし(ステップS526)、変数kの値と同一の保留番号に格納されたランダムR5の値を読み出す(ステップS527)。そして、読み出されたランダムR5の値が奇数であるか否かを判別し(ステップS528)、偶数であれば(ステップS528;No)、そのまま保留記憶判定処理を終了する。一方、ランダムR5の値が奇数であるときには(ステップS528;Yes)、図44のフローチャートに示す図柄増加設定処理を実行する(ステップS529)。なお、図柄増加回数設定処理を実行するときには、ランダムカウンタ121よりランダムR4−1の値を抽出し、確変大当り図柄決定用テーブル143を用いて確変大当り図柄を選択決定しておく。そして、このとき選択決定した確変大当り図柄を示す図柄指定データを、例えばRAM102に設けられた所定の図柄指定データ格納領域に格納するなどして、選択決定した確変大当り図柄を記憶させる。
【0176】
ステップS529にて図柄増加設定処理を開始すると、CPU103は、図44に示すように、図柄増加回数テーブル147から、図柄増加回数の合計値を読み出す(ステップS541)。続いて、CPU103は、読み出された図柄増加回数の合計値が、合計増加回数最大値と等しくなっているか否かを判別する(ステップS542)。図柄増加回数の合計値が合計増加回数最大値と等しいときには(ステップS542;Yes)、そのまま図柄増加設定処理を終了する。一方、図柄増加回数の合計値が合計増加回数最大値とは異なるときには(ステップS542;No)、例えばRAM102の図柄指定データ格納領域に格納されている図柄指定データを読み出すなどして、記憶されている確変大当り図柄を特定し、特定された確変大当り図柄に応じた図柄増加回数を、図柄増加回数テーブル147から読み出す(ステップS543)。
【0177】
ステップS543に続いて、CPU103は、読み出された図柄増加回数が、個別増加回数最大値と等しくなっているか否かを判別する(ステップS544)。そして、図柄増加回数が個別増加回数最大値と等しいときには(ステップS544;Yes)、そのまま図柄増加設定処理を終了する。一方、図柄増加回数が個別増加回数最大値とは異なるときには(ステップS544;No)、ステップS543にて特定された確変大当り図柄に応じた図柄増加回数が1加算されるように、図柄増加回数テーブル147に格納されている図柄増加回数を示すデータを更新する(ステップS545)。続いて、CPU103は、確変大当り図柄決定用テーブル143に格納されている設定データを更新することにより、各図柄番号に対して割り振られているランダムR4−1の値を、確変大当り図柄の数を増加させることに合わせて変更する(ステップS546)。また、CPU103は、増加させる確変大当り図柄に応じた図柄増加コマンドB0XX(h)を表示制御基板12に対して送出可能に設定する(ステップS547)。
【0178】
また、図43に示すステップS524にて大当りフラグがオフとなっているとき(ステップS524;No)、CPU103は、変数kの値を1加算して更新し(ステップS530)、更新された変数kの値と同一の保留番号に対応した保留記憶があるか否かを判別する(ステップS531)。変数kの値と同一の保留番号に対応する保留記憶があるときには(ステップS531;Yes)、ステップS522にリターンして、次の保留番号に対応する記憶内容に基づく大当り判定などを行う。一方、変数kの値と同一の保留番号に対応する保留記憶がないときには(ステップS531;No)、保留記憶判定処理を終了する。保留記憶判定処理が終了すると、図42に示すステップS504に進む。
【0179】
図42に示すステップS504では、CPU103が特図保留メモリ120から保留番号「1」に対応して格納されているランダムR1の値とランダムR5の値とを読み出す。この際、保留記憶数を1減算し、かつ、特図保留メモリ120の保留番号「2」〜「4」に格納されたランダムR1の値とランダムR5の値を1エントリずつ上位にシフトする(ステップS505)。その後、CPU103は、ステップS505にて読み出されたランダムR1の値に基づいて、図25に示す大当り判定処理を実行する(ステップS506)。
【0180】
この後、ステップS506にて大当り判定処理を実行した結果として、大当りフラグがオンとなっているか否かを判別し(ステップS507)、オンとなっているときには(ステップS507;Yes)、フラグメモリ126に設けられた保留記憶大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS508)。一方、大当りフラグがオフであるときには(ステップS507;No)、ステップS508をスキップする。そして、ステップS509において、特別図柄プロセスフラグの値を「1」に更新する。
【0181】
表示制御基板12では、CPU112が、例えば図30に示すステップS150の可変表示開始コマンド受信待ち処理において、主基板11からの図柄増加コマンドB0XX(h)を受信したか否かを判別し、受信したと判別したときには、図32に示すステップS402〜S406と同様の処理を実行すればよい。これにより、特図保留メモリ120にランダムR1の値とランダムR5の値が格納されて実行が保留されている特図ゲームのうちに可変表示の表示結果を確変大当たりとするものがあるときに、その特図ゲームが実行されるよりも前に、左、中、右可変表示部41a〜41cにて可変表示される特別図柄の配列に確変大当り図柄を増加させることができる。このように大当りの表示結果が導出表示されるよりも前に特別図柄を増加させることで、遊技者の期待感を持続させることができ、特別図柄の配列を用いて面白みのある演出を行うことができる。
【0182】
上述したように実行が保留されている特図ゲームのうちに可変表示の表示結果を確変大当りとするものがあるときに確変大当り図柄を増加させるようにした場合には、図29に示す図柄配列設定処理においてステップS282〜S284の処理を実行することにより、大当り遊技状態が終了した後、さらに確変大当り図柄を増加させるようにしてもよい。あるいは、図29のステップS278にて図柄増加回数が増加回数最大値と異なるときには(ステップS278;No)、ステップS285に進むようにして、大当り遊技状態が終了した後には確変大当り図柄を増加させないようにしてもよい。また、CPU103は、図26及び図27に示す確定特別図柄設定処理において、ステップS232にてランダムカウンタ121よりランダムR5を抽出する必要はなく、図42に示すステップS504にて読み出されたランダムR5の値を用いるようにすればよい。そして、図27に示すステップS233にてランダムR5の値が奇数であると判別したときには、ステップS237〜S239の処理を実行することなく、例えばRAM102の図柄指定データ格納領域に格納されている図柄指定データを読み出すなどして、記憶されている確変大当り図柄を大当り組合せとなる確定図柄として選択決定するようにしてもよい。あるいは、ステップS237〜S239の処理を実行することにより、図44のステップS546にて設定データが更新された確変大当り図柄決定用テーブル143を用いて、改めて大当り組合せとなる確定図柄を決定するようにしてもよい。
【0183】
なお、上記実施の形態では、特図ゲームにおける可変表示の表示結果として同一の確変大当り図柄が揃って導出表示される確変大当りとなるときに、可変表示に用いる特別図柄配列を構成する特別図柄に確変大当り図柄を増加させるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、予め設定した任意の特別図柄が揃って導出表示される大当りとなるときに、その特別図柄を、可変表示に用いる特別図柄配列を構成する特別図柄に増加させることができるものであればよい。
【0184】
また、上記実施の形態では、例えば図34(E)及び(F)に示すように、可変表示装置4の表示により、増加する特別図柄を報知するものとして説明したが、これに限定されるものではなく、増加する特別図柄を報知する演出を実行可能な任意の遊技機に適用することができる。例えば、音声制御基板13の制御下にスピーカ8L、8Rから増加する特別図柄に対応した音声信号を出力させることにより、増加する特別図柄を報知するようにしてもよい。また、ランプ制御基板14の制御下に遊技効果ランプ9に含まれる増加図柄報知用ランプを点灯または点滅させるなどして、増加する特別図柄を報知するようにしてもよい。さらに、可変表示装置4における画像表示、スピーカ8L、8Rからの音声出力、報知用ランプの点灯または点滅のいずれかを組み合わせて、増加する特別図柄を報知するようにしてもよい。
【0185】
上記実施の形態では、特別図柄配列メモリ131の初期設定図柄配列データ格納領域131aや可変表示図柄配列データ格納領域131bに格納される配列データが、特別図柄配列を構成する各々の特別図柄に対応した図柄表示設定データを組み合わせることにより構成されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に用いる特別図柄の配列を特定することができる配列データであれば、その構成は任意に変更が可能である。例えば、可変表示に使用することができる全ての特別図柄配列を識別可能な識別番号を割当て、可変表示図柄配列データ格納領域131bに格納されている識別番号を示すデータを、可変表示される特別図柄配列を示す配列データとして用いるようにしてもよい。
【0186】
図1及び図4に示した装置構成、図5、図8、図16及び図17に示すブロック構成、図10〜図15に示すテーブル構成や、図21〜図33に示すフローチャート構成等は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更及び修正が可能である。
【0187】
さらに、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などにも本発明を適用することができる。本発明を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
【0188】
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
【0189】
また、本発明は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
【0190】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、以下に示す効果を有する。
【0191】
請求項1に記載した構成の遊技機によれば、識別情報増加手段は、識別情報選択手段によって選択決定されて特定表示結果として表示された識別情報を、第1の識別情報配列を構成する識別情報に増加させた第2の識別情報配列を示す配列データを生成し、増加配列表示制御手段は、第2の識別情報配列を示す配列データにより識別情報の可変表示を制御する。これにより、第1の識別情報配列に含まれている識別情報を減少させることがないので、特定表示結果、すなわち「大当り」の表示結果となる識別情報に対する興味と期待感を向上できるとともに、識別情報の配列を用いて面白みのある演出を行うことができる。
【0192】
請求項2に記載の遊技機においては、識別情報増加手段は、識別情報選択手段が特定表示結果とする識別情報として事前判定手段によって特定表示結果を表示する旨の判定がなされる確率の高くなる特別の識別情報を選択決定したときのみに、特別の識別情報を増加させて第2の識別情報配列を生成するので、以後の可変表示にて特別の識別情報による特定表示結果が表示されて特別遊技状態に制御されることに対する遊技者の期待感を向上させることができる。
【0193】
請求項3に記載の遊技機においては、識別情報選択手段が、識別情報増加手段によって増加されている識別情報を、増加されていない識別情報と比較して高い割合で特定表示結果とする識別情報として選択決定するので、当該識別情報をさらに増加させることが容易になり、その識別情報による特定表示結果が表示されやすいとの印象を遊技者に与えることにより、増加した識別情報に対する遊技者の興味を向上させることができる。
【0194】
請求項4に記載の遊技機においては、増加識別情報報知手段が識別情報増加手段によって増加される識別情報を報知するので、特定表示結果となった識別情報が増加することを遊技者に印象付けることにより、特定表示結果となった識別情報に対する遊技者の期待感を向上させることができる。
【0195】
請求項5に記載の遊技機においては、全体増加回数計数手段が、識別情報増加手段によって第2の識別情報配列を示す配列データが生成されたとき、第1の識別情報配列を構成する識別情報に対して識別情報が増加された回数を計数する。
そして、全体増加回数計数手段によって計数された計数値が所定の全体判定値となった旨の判定が全体計数値判定手段によりなされたときに、全体配列データ切換手段が、可変表示制御手段により用いられる配列データを、第2の識別情報配列を示す配列データから第1の識別情報配列を示す配列データに切り換える。これにより、可変表示される識別情報の数が極端に増加することによる遊技者の混乱を防止して、識別情報の可変表示における制御負担を軽減することができる。
【0196】
請求項6に記載の遊技機においては、個別増加回数計数手段が、識別情報増加手段によって第2の識別情報配列を示す配列データが生成されたとき、第1の識別情報配列を構成する識別情報に対して所定の識別情報が増加された回数を計数する。そして、個別増加回数計数手段によって計数された計数値が所定の個別判定値となった旨の判定が個別計数値判定手段によりなされたときに、個別配列データ切換手段が、第2の識別情報配列を構成する識別情報に前記所定の識別情報が含まれている数を、第1の識別情報配列に当該識別情報が含まれている数に変更するように、前記可変表示制御手段により用いられる配列データを切り換える。これにより、同一の識別情報の数が極端に増加することを防ぐことで、特定の識別情報が過度に偏って表示されることを防止し、遊技者の期待感が過度に高められることを抑制することができる。
【0197】
請求項7に記載の遊技機においては、開始前判定手段により保留記憶手段に記憶された数値データが所定の判定値データと合致する旨の判定がなされ、特定表示結果を表示する旨の判定がなされたときに、識別情報増加手段が、当該特定表示結果を表示する旨の判定がなされた可変表示の表示結果として識別情報選択手段によって選択決定された識別情報を、可変表示の表示結果が導出表示される前に増加させる。これにより、特定表示結果となる可変表示の表示結果が導出表示されるよりも前に識別情報を増加させることにより、遊技者の期待感を持続させることができ、識別情報の配列を用いて面白みのある演出を行うことができる。
【0198】
請求項8に記載の遊技機においては、画像処理手段が、識別情報増加手段によって増加された識別情報の識別情報データを識別情報データ格納手段から複数回読み出して表示することにより、識別情報の可変表示を行う。これにより、識別情報データのデータ量を増大させることなく第2の識別情報配列を生成し、第2の識別情報配列を構成する識別情報の可変表示を行うことができるので、識別情報データのデータ量を増大させることなく識別情報の配列を用いた面白みのある演出を可能として識別情報データの格納に必要な記憶容量を抑えることができ、識別情報の可変表示における制御負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】可変表示装置における画像表示例を示す図である。
【図3】この実施の形態で用いられる特別図柄の例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機の背面図である。
【図5】主基板における回路構成等を示すブロック図である。
【図6】表示制御コマンドの内容の一例を示す図である。
【図7】図柄増加コマンドと個別図柄初期設定コマンドにおけるEXTデータの一例を示す図である。
【図8】遊技制御用マイクロコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【図9】遊技制御用マイクロコンピュータのランダムカウンタによりカウントされる各乱数の例を示す図である。
【図10】大当り判定テーブルの構成例を示す図である。
【図11】大当り図柄決定用テーブルの構成例を示す図である。
【図12】左、中、右図柄決定用テーブルの構成例を示す図である。
【図13】図柄増加回数テーブルの構成例を示す図である。
【図14】可変表示パターンテーブルの構成例を示す図である。
【図15】可変表示パターン決定テーブルの構成例を示す図である。
【図16】表示制御基板におけるハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図17】表示制御基板の構成例を示すブロック図である。
【図18】表示制御パターンメモリの構成例を示す図である。
【図19】図柄可変表示制御パターンの構成例を示す図である。
【図20】特別図柄配列メモリと可変表示図柄配列データ格納領域の構成例を示す図である。
【図21】遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
【図22】遊技制御割込処理を示すフローチャートである。
【図23】特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。
【図24】図23における特別図柄通常処理の詳細を示すフローチャートである。
【図25】図24における大当り判定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図26】図23における確定特別図柄設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図27】図23における確定特別図柄設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図28】図23における可変表示パターン設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図29】図23における図柄配列設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図30】特図表示制御プロセス処理を示すフローチャートである。
【図31】特図画像表示制御処理を示すフローチャートである。
【図32】図30における図柄配列変更表示処理の詳細を示すフローチャートである。
【図33】図30における図柄配列変更表示処理の詳細を示すフローチャートである。
【図34】可変表示装置における表示動作の一例を示す図である。
【図35】可変表示に用いられる特別図柄配列の一例を示す図である。
【図36】確変大当り図柄が増加した特別図柄配列の構成例を示す図である。
【図37】確変大当り図柄決定用テーブルの構成例を示す図である。
【図38】各確変大当り図柄が確定図柄として選択される割合を示す図である。
【図39】確変大当り図柄が増加した特別図柄配列の構成例を示す図である。
【図40】可変表示装置における表示動作の一例を示す図である。
【図41】特図保留メモリの他の構成例を示す図である。
【図42】特別図柄通常処理の他の一例を示すフローチャートである。
【図43】図42における保留記憶判定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図44】図43における図柄増加設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 … パチンコ遊技機(遊技機)
2 … 遊技盤(ゲージ盤)
3 … 遊技機用枠(台枠)
4 … 可変表示装置
6 … 普通可変入賞球装置
7 … 特別可変入賞球装置
8L、8R … スピーカ
9 … 遊技効果ランプ
10 … 電源基板
11 … 主基板
12 … 表示制御基板
13 … 音声制御基板
14 … ランプ制御基板
15 … 払出制御基板
16 … 情報端子基板
21、22 … ソレノイド
40 … 普通図柄表示器
70 … 各入賞口スイッチ
100 … 遊技制御用マイクロコンピュータ
101、113 … ROM
102、114 … RAM
103、112 … CPU
104 … I/Oポート
107 … スイッチ回路
108 … ソレノイド回路
110 … 発振回路
111 … リセット回路
115 … VDP
116 … CGROM
117 … VRAM
120 … 特図保留メモリ
121 … ランダムカウンタ
122 … 判定テーブルメモリ
123 … 図柄決定用テーブルメモリ
124 … 図柄増加回数メモリ
125 … 可変表示設定用テーブルメモリ
126 … フラグメモリ
127 … 可変表示時間タイマ
130 … 表示制御パターンメモリ
131 … 特別図柄配列メモリ
131a … 初期設定図柄配列データ格納領域
131b … 可変表示図柄配列データ格納領域
132 … 各種タイマ
133 … フラグメモリ
140 … 通常時大当り判定テーブル
141 … 確変時大当り判定テーブル
142 … 通常大当り図柄決定用テーブル
143 … 確変大当り図柄決定用テーブル
144 … 左図柄決定用テーブル
145 … 中図柄決定用テーブル
146 … 右図柄決定用テーブル
147 … 図柄増加回数テーブル
148 … 可変表示パターンテーブル
149 … 大当り可変表示パターン決定テーブル
150 … リーチハズレ可変表示パターン決定テーブル
Claims (8)
- 可変表示の実行条件が成立した後に可変表示の開始条件が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する可変表示装置を備え、可変表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって、
可変表示の実行条件が成立したことに基づいて実行される可変表示の表示結果として特定表示結果を表示するか否かを当該表示結果が導出表示される以前に判定する事前判定手段と、
前記事前判定手段の決定結果に基づいて表示結果として表示される識別情報を選択決定する識別情報選択手段と、
前記可変表示装置において識別情報の可変表示を行い、前記識別情報選択手段によって選択決定された識別情報を表示結果として表示する制御を行う可変表示制御手段、とを備え、
前記可変表示制御手段は、
予め定められた複数種類の識別情報により構成される第1の識別情報配列を示す配列データを用いて識別情報の可変表示を制御するとともに、
前記識別情報選択手段によって選択決定され、特定表示結果として表示された識別情報を、前記第1の識別情報配列を構成する識別情報に増加させた第2の識別情報配列を示す配列データを生成する識別情報増加手段と、
前記識別情報増加手段によって生成された第2の識別情報配列を示す配列データを用いて識別情報の可変表示を制御する増加配列表示制御手段、とを含む、ことを特徴とする遊技機。 - 前記第1の識別情報配列と前記第2の識別情報配列とはいずれも、
特定遊技状態が終了した後に、前記事前判定手段によって特定表示結果を表示する旨の判定がなされる確率が通常遊技状態時よりも高くなるように制御される特別遊技状態となるときに特定表示結果として表示される特別の識別情報と、
特定遊技状態が終了した後に、前記特別遊技状態に制御されないときに特定表示結果として表示される非特別の識別情報、とを含み、
前記識別情報増加手段は、前記識別情報選択手段が特定表示結果とする識別情報として前記特別の識別情報を選択決定したときのみに、当該特定表示結果として選択決定された前記特別の識別情報を増加させて第2の識別情報配列を示す配列データを生成する、ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。 - 前記識別情報選択手段は、前記事前判定手段によって特定表示結果を表示する旨の判定がなされたときに、前記識別情報増加手段によって増加されている識別情報を、前記識別情報増加手段によって増加されていない識別情報と比較して高い割合で特定表示結果とする識別情報として選択決定する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
- 前記識別情報増加手段によって増加された識別情報を報知する増加識別情報報知手段をさらに備える、ことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の遊技機。
- 前記可変表示制御手段は、
前記識別情報増加手段によって前記第2の識別情報配列を示す配列データが生成されたとき、前記第1の識別情報配列を構成する識別情報に対して識別情報が増加された回数を計数する全体増加回数計数手段と、
前記全体増加回数計数手段によって計数された計数値が所定の全体判定値となったか否かを判定する全体計数値判定手段と、
前記全体増加回数計数手段によって計数された計数値が前記所定の全体判定値となった旨の判定が前記全体計数値判定手段によりなされたときに、前記可変表示制御手段により用いられる配列データを、前記第2の識別情報配列を示す配列データから前記第1の識別情報配列を示す配列データに切り換える全体配列データ切換手段、とを備える、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の遊技機。 - 前記可変表示制御手段は、
前記識別情報増加手段によって前記第2の識別情報配列を示す配列データが生成されたとき、前記第1の識別情報配列を構成する識別情報に対して所定の識別情報が増加された回数を計数する個別増加回数計数手段と、
前記個別増加回数計数手段によって計数された計数値が所定の個別判定値となったか否かを判定する個別計数値判定手段と、
前記個別計数値判定手段によって計数された計数値が前記所定の個別判定値となった旨の判定が前記個別計数値判定手段によりなされたときに、前記第2の識別情報配列を構成する識別情報のうちに前記所定の識別情報が含まれている数を、前記第1の識別情報配列を構成する識別情報のうちに前記所定の識別情報が含まれている数に変更するように、前記可変表示制御手段により用いられる配列データを切り換える個別配列データ切換手段、とを備える、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の遊技機。 - 所定の数値データを更新する数値データ更新手段と、
可変表示の実行条件の成立に応じて前記数値データ更新手段が更新する数値データを抽出する数値データ抽出手段と、
前記数値データ抽出手段が抽出した数値データを、抽出順番を特定可能に記憶する保留記憶手段と、
可変表示の実行条件に基づく可変表示の開始条件が成立する前に、前記保留記憶手段に記憶された数値データが所定の判定値データと合致するか否かを判定し、合致する旨の判定がなされたときに当該実行条件の成立に基づいて実行される可変表示の表示結果として特定表示結果を表示する旨の判定を行う開始前判定手段、とを備え、
前記識別情報増加手段は、前記開始前判定手段によって特定表示結果を表示する旨の判定がなされたときに、当該特定表示結果を表示する旨の判定がなされた可変表示の表示結果として前記識別情報選択手段によって選択決定された識別情報を、当該特定表示結果を表示する旨の判定がなされた可変表示の表示結果が導出表示される前に増加させる、ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の遊技機。 - 前記可変表示制御手段は、
前記第1の識別情報配列に含まれる各々の識別情報をデータにより特定可能に定義する複数種類の識別情報データを格納する識別情報データ格納手段と、
前記識別情報データ格納手段に格納されている複数種類の識別情報データを順次に読み出して生成される画像を前記可変表示装置に表示させることによって識別情報の可変表示を行う画像処理手段、とを含み、
前記画像処理手段は、前記識別情報増加手段によって増加された識別情報の識別情報データを前記識別情報データ格納手段から複数回読み出して表示することにより、識別情報の可変表示を行う、ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の遊技機。
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060419 |
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A761 | Written withdrawal of application |
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