JP2005229000A - 結晶質半導体膜の製造方法、結晶質半導体膜、半導体素子、液晶表示装置、ロジック回路、電子機器および噴霧装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 触媒元素溶液を非晶質半導体膜に添加する際に、スプレーノズルからの液滴が及ぼす処理の均一性の低下を抑制し、ミスト粒径の均一性を低コストで容易に向上させる。
【解決手段】 シリコンを含む結晶質半導体膜の作製において、噴霧装置1の噴霧ノズル4により、処理ステージ2に保持されたガラス基板6に向けて、スプレー処理法によりガラス基板6の非晶質半導体薄膜の表面上にミスト状の触媒元素溶液3を噴霧して添加する際に、重力方向に対して反対方向(上方向)のベクトルを含む方向(上方向)に噴霧する。
【選択図】 図1
【解決手段】 シリコンを含む結晶質半導体膜の作製において、噴霧装置1の噴霧ノズル4により、処理ステージ2に保持されたガラス基板6に向けて、スプレー処理法によりガラス基板6の非晶質半導体薄膜の表面上にミスト状の触媒元素溶液3を噴霧して添加する際に、重力方向に対して反対方向(上方向)のベクトルを含む方向(上方向)に噴霧する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、シリコンを含む結晶質半導体膜の作製方法、これにより得られた結晶質半導体膜、この結晶質半導体膜を用いて構成された薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:以下、TFTと略記する)などの半導体素子、その半導体素子を用いた液晶表示装置、その半導体素子を用いたγ補正回路、メモリ回路やクロック発生回路などのロジック回路、それらが組み込まれた電子機器および、この結晶質半導体膜の作製に用いられる噴霧装置に関する。
近年、ガラス基板などの絶縁性基板上にTFTなどの半導体素子を作製して半導体回路を構成する技術が急速に進んでおり、この技術を利用してアクティブマトリクス型液晶表示装置などの電気光学装置が作製されている。
アクティブマトリクス型液晶表示装置には、マトリックス状に配置された複数の画素部を選択するためにTFTなどのスイッチング用素子が画素部毎に設けられており、同一基板上に画素マトリクス表示回路とドライバ回路(駆動回路)とが設けられたモノリシック型液晶表示装置もある。また、上記従来技術を利用して、γ補正回路、メモリ回路およびクロック発生回路などのロジック回路が内蔵されたシステムオンパネルなどの電子機器の開発も進められている。
このようなドライバ回路やロジック回路においては、高速動作を行う必要があるため、TFTの活性層である半導体層に非晶質シリコン膜を用いることは好ましくなく、現状では多結晶シリコン膜を半導体層としたTFTが主流になりつつある。また、TFTが作製される基板についても、コスト的に安価なガラス基板の適用が求められており、ガラス基板への適用が可能な低温プロセスの開発が盛んに行われている。
低温プロセス技術としては、ガラス基板上に結晶質シリコン膜を成膜するための技術開発が進められており、例えば特許文献1には、非晶質シリコン膜上への触媒元素の添加技術が公開されている。この特許文献1の従来技術は、非晶質シリコン膜に結晶化を助長する触媒元素をスピン処理法により添加し、熱処理を行って非晶質シリコン膜を結晶化するというものである。この結晶化技術によって、非晶質シリコン膜の結晶化温度を摂氏50〜100度程度に引き下げることが可能となり、また、結晶化に要する時間も1/5〜1/10にまで短縮化することが可能となった。その結果、耐熱性が低いガラス基板を用いて、大きな面積を有する結晶質シリコン膜を成膜することが可能になった。上記低温プロセスで得られた結晶質シリコン膜は、優れた結晶性を有することが実験的に確認されている。
上記スピン処理法による触媒元素の添加技術を利用した非晶質シリコン膜の結晶化技術では、非晶質シリコン膜上に触媒元素を含む溶液(以下、触媒元素溶液と略記)をスピン処理法により添加して、所定量の触媒元素を非晶質シリコン膜の表面に吸着させた後、熱処理を行って結晶質シリコン膜を作製する。
この従来技術は、以下ような特徴を有している。溶液中における触媒元素濃度は、予め厳密に制御することが可能である。溶液と非晶質シリコン膜との表面が接触していれば、触媒元素の非晶質シリコン膜への導入量は、溶液中における触媒元素の濃度に依存するからである。また、非晶質シリコン膜の表面に吸着される触媒元素が結晶化に寄与することになるため、必要最小限度の濃度で触媒元素を導入することができる。半導体装置の信頼性および電気的安定性のためには、結晶質シリコン膜内に含まれる触媒元素の量を極力少なくする必要がある。スピン処理法により触媒元素を添加する場合には、触媒元素の添加量を精密に制御することにより、必要最低限の触媒元素導入量で結晶化を行うことができるため、半導体装置の信頼性および電気的安定性の点で有利である。
上記スピン処理法による触媒元素の添加技術は、実際の添加量よりも多量の触媒元素溶液を基板面に滴下することにより基板上に触媒元素溶液を付着(液盛り)させて、基板を高速でスピンすることにより、滴下された触媒元素溶液を振り切って、所望の量の触媒元素を基板面に添加するものである。このスピン処理法は、触媒元素溶液の触媒元素濃度および基板のスピン速度を調整することにより、厳密に制御された量の触媒元素を容易に添加できるという利点を有している。
しかしながら、上記スピン処理法では、基板上に触媒元素溶液を滴下した後に基板を高速スピンさせて乾燥させるため、基板面への触媒元素溶液の添加量は滴下された触媒元素溶液のごく一部である。よって、大半の触媒元素溶液は処理時に捨てられるという使用効率上の欠点がある。
一方、アクティブマトリクス型液晶表示装置などの製造では、生産性の向上とコスト低減化とが要求されている状況下において、基板の大型化が急速に進行している。例えば、従来は600mm×720mmまたは680mm×880mmの基板が使用されていたが、最近では1m×1m程度の大型基板が採用されている。このような基板の大型化に伴って、上記スピン処理法における触媒元素溶液の使用効率上の欠点は、生産コスト上の大きな問題となることが考えられる。
また、スピン処理装置においては、触媒元素添加処理の均一性を確保するため、基板スピン時に加速度の微調整などが必要になっており、基板の大型化に伴って、触媒元素添加処理の均一性を確保することが益々困難になっている。このような状況の下、スピン処理法では、触媒元素添加処理の均一性の確保と基板の大型化との両立のため、装置価格が高価格になるという問題も懸念されている。
このような問題に対して、非晶質シリコン膜上への触媒元素の添加技術を改善することが進められており、例えば特許文献2において、非晶質シリコン膜上への触媒元素の新たな添加技術が開示されている。
この特許文献2の従来技術では、ロール式処理法、ディップ式処理法およびスプレー式処理法の三つの技術を用いて非晶質シリコン膜上に触媒元素を添加する。このうち、スプレー式処理法は、微細なミスト状の触媒元素溶液を基板上に付着させることにより触媒元素溶液を基板に添加する方式である。これによって、スピン処理法における触媒元素溶液の使用効率上の問題を解決することが可能になり、また、スピン処理法における装置価格上の問題をも解決することが可能になる。
特開平7−211636号公報
特開2002−237453号公報
上記従来の特許文献2には、スプレー式処理法において、基板面を重力に対して垂直方向(上方向)に向けて上方向から触媒溶液をスプレー(噴霧)する方法と、基板面を重力に対して平行方向に向けて横方向から触媒溶液をスプレーする方法の2種類の方法が開示されている。
しかしながら、この特許文献2の従来技術では、長時間スプレーすることによりスプレーノズル(噴霧ノズル)付近で形成される液滴を除去する手段が講じられていないため、この液滴が基板に付着して局所的に触媒元素量が過多になるという欠点がある。基板面を上方向に向けて配置した場合、液滴が基板面に付着するおそれが強くなる。
このスプレーノズルから噴出されたミストは、粒径が均一ではなく、少なからず粒径にばらつきが生じる。触媒元素添加処理の均一性を確保するためには、ミストの粒径を可能な限り均一にすることが必要である。このようなミストの粒径を均一化することを可能とする特殊なスプレーノズルを開発および採用するためには、コストが高くなったり、納期が遅くなったりするおそれがあり、また、スプレーノズルのスループットが低くなったり、メンテナンス性が悪くなったりすることにも繋がるため、従来から用いられているスプレーノズルを使用せざるを得ない。
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、スプレー式処理法によって触媒元素溶液を非晶質半導体膜に添加する際に、スプレーノズルからの液滴が及ぼす触媒元素添加処理の均一性の低下を抑制すると共に、ミスト粒径の均一性を低コストで容易に向上できる噴霧装置、これを用いた結晶質半導体膜の作製方法、これにより得られた結晶質半導体膜、これを用いた半導体素子、これを用いた液晶表示装置、これを用いたロジック回路、これらを用いた電子機器を提供することを目的とする。
本発明の結晶質半導体膜の作製方法は、結晶化を助長する触媒元素を非晶質半導体膜の一部または全部の表面上に添加した後に、熱処理を行って結晶質半導体膜を作製する結晶質半導体膜の作製方法において、該触媒元素を非晶質半導体膜の表面上に添加する際に、該触媒元素の溶液を噴霧する方向を、重力方向に対して反対方向のベクトルを含む方向に設定し、そのことにより上記目的が達成される。
また、好ましくは、本発明の結晶質半導体膜の作製方法において、絶縁性基板上に非晶質半導体膜を設ける第1の工程と、該非晶質半導体膜の全面に前記触媒元素の溶液を噴霧する第2の工程と、該非晶質半導体膜を熱処理することにより該非晶質半導体を結晶成長させて結晶質半導体膜を形成する第3の工程とを有する。
さらに、好ましくは、本発明の結晶質半導体膜の作製方法において、絶縁性基板上に非晶質半導体膜を設ける第1の工程と、該非晶質半導体膜上にマスク絶縁膜を設け、該マスク絶縁膜の一部の領域に開口領域を形成する第2の工程と、該マスク絶縁膜の開口領域を介して該非晶質半導体膜の表面上に前記触媒元素の溶液を噴霧する第3の工程と、該非晶質半導体膜を熱処理することにより該非晶質半導体を結晶成長させて結晶質半導体膜を形成する第4の工程とを有する。
さらに、好ましくは、本発明の結晶質半導体膜の作製方法において、触媒元素の溶液を噴霧する方向を水平面に直交する垂直方向とする。
さらに、好ましくは、本発明の結晶質半導体膜の作製方法において、触媒元素の溶液を噴霧する噴霧ノズルと前記非晶質半導体膜の表面との距離を、該噴霧ノズルに付着して噴出する液滴の飛距離よりも長く設定する。
さらに、好ましくは、本発明の結晶質半導体膜の作製方法において、触媒元素の溶液を噴霧する噴霧ノズルと前記非晶質半導体膜の表面との距離を、該非晶質半導体の表面に付着させるべきミスト状触媒元素溶液の粒径に応じて設定する。
さらに、好ましくは、本発明の結晶質半導体膜の作製方法において、触媒元素の溶液を噴霧する方向と交差するように気流発生機構によって気流を発生させ、該気流によって該非晶質半導体膜の表面に向けて、該触媒元素の溶液の噴霧進行方向を変化させる。
さらに、好ましくは、本発明の結晶質半導体膜の作製方法において、触媒元素の溶液を噴霧する噴霧ノズルと前記気流発生機構との距離を、該噴霧ノズルに付着して噴出する液滴の飛距離よりも長く設定する。
さらに、好ましくは、本発明の結晶質半導体膜の作製方法において、触媒元素の溶液を噴霧する噴霧ノズルと前記気流発生機構との距離を、該非晶質半導体の表面に付着させるべきミスト状触媒元素溶液の粒径に応じて設定する。
さらに、好ましくは、本発明の結晶質半導体膜の作製方法において、触媒元素の溶液として、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、CuおよびAuから選択される一種類または複数種類の元素を含む溶液を用いる。
さらに、好ましくは、本発明の結晶質半導体膜の作製方法において、触媒元素の溶液を噴霧する工程の直前に、前記絶縁性基板上に設けた非晶質半導体膜上の酸化薄膜を前処理として除去および再作製する工程と、該触媒元素の溶液を噴霧する工程の直後に、熱処理により該非晶質半導体膜を脱水素化処理する工程とを更に有し、少なくとも該前処理工程から該脱水素化処理工程までを連続処理装置を用いて連続に行う。
さらに、好ましくは、本発明の結晶質半導体膜の作製方法において、連続処理装置を用いて、前記前処理工程から前記熱処理により結晶質半導体膜を作製する工程までを行う。
本発明の結晶質半導体膜は、請求項1〜12のいずれかに記載の結晶質半導体膜の作製方法により作製されたものであり、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の半導体素子は、請求項13に記載の結晶質半導体膜を用いて構成されたものであり、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の液晶表示装置は、請求項14に記載の半導体素子を、表示領域の各画素部毎に設けられたスイッチング用トランジスタおよび、該スイッチング用トランジスタを駆動して表示するためのドライバ回路のうち少なくともいずれかに用いて構成し、そのことにより上記目的が達成される。
本発明のロジック回路は、請求項14に記載の半導体素子を用いて構成されたものであり、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の電子機器は、請求項15に記載の液晶表示装置が組み込まれたものであり、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の電子機器は、請求項16に記載のロジック回路が組み込まれたものであり、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の噴霧装置は、請求項1〜6および10〜12のいずれかに記載の結晶質半導体膜の作製方法に用いられる噴霧装置であって、前記絶縁性基板上の非晶質半導体膜の表面を、重力が働く方向に向けて基板部を固定する処理ステージと、ミスト状の触媒元素溶液を重力方向に対して反対方向のベクトルを含む方向に噴霧する噴霧ノズル部とを有し、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の噴霧装置は、請求項1〜3および7〜12のいずれかに記載の結晶質半導体膜の作製方法に用いられる噴霧装置であって、前記絶縁性基板上の非晶質半導体膜の表面を、重力が働く方向に向けて基板部を固定する処理ステージと、ミスト状の触媒元素溶液を重力方向に対して反対方向のベクトルを含む方向に噴霧する噴霧ノズル部と、該触媒元素溶液の噴霧方向と交差するように、該非晶質半導体膜の表面側に向けて気流を発生させる気流発生機構とを有し、そのことにより上記目的が達成される。
上記構成により、以下に、本発明の作用について説明する。
本発明にあっては、結晶質半導体膜の作製において、スプレー処理法により非晶質半導体薄膜に触媒元素溶液を添加する際に、重力方向に対して反対方向(上方向)のベクトルを含む方向へミスト状の触媒元素溶液を噴霧する。噴霧ノズルを長時間および繰り返し使用した場合に発生して噴霧ノズルに付着する液滴は、噴霧ノズルから噴出されたときに、空気抵抗および重力による影響を受けて、ミスト状の触媒元素溶液よりも短時間で落下運動を開始するため、本発明は基板部表面への液滴付着防止に有効である。
また、ミスト状の触媒元素溶液は、空気抵抗および重力による影響を受けて、粒径によって高さ方向に分離されるため、基板部表面に到達して付着するミスト状触媒元素溶液の粒径が均一化されて、本発明は添加量を調整するために有効である。
さらに、噴霧ノズルを傾斜させて、気流発生機構から発生される気流を、ミスト状の触媒元素溶液の噴霧方向に交差させることにより、触媒元素溶液の噴霧方向を変化させることができる。ミスト状の触媒元素溶液は、空気抵抗および重力による影響を受けて、粒径によって噴霧ノズルから気流発生機構への距離方向に分離される。気流発生機構からの気流と交差する位置まで到達したミストが気流発生機構から発生される気流に乗って、さらに高さ方向にも粒径によって分離される。これにより、基板表面に付着されるミスト粒径の制御にさらに大きな効果が得られ、さらに均一化されたミスト状の触媒元素溶液を基板部表面上に添加することが可能となる。
以上のように、本発明によれば、シリコンを含む結晶質半導体膜の作製において、重力に対して反対方向のベクトルを含む方向へ触媒元素溶液を噴霧することにより、基板表面への液滴付着を防ぐと共に、基板表面に付着されるミスト粒径の均一性を向上させて基板への触媒元素溶液付着量を制御し、処理の均一性を向上させることができる。これにより、高品位な結晶質半導体薄膜を均一性良く低コストで作製することができる。
以下に、本発明の噴霧装置の実施形態および、これを結晶質半導体薄膜の作製方法に適用した場合の実施形態について図面を参照しながら説明し、次に、この実施形態の噴霧装置を結晶質半導体薄膜の作製方法に具体的に適用した場合の実施例1,2および、これらによって得られた結晶質半導体膜を用いて構成されたTFTなどの半導体素子および、この半導体素子を用いた液晶表示装置の製造方法として実施例3、このTFTを用いたロジック回路や液晶表示装置が組み込まれた電子機器として実施例4について、図面を参照しながら詳細に順次説明する。
本発明にあっては、シリコンを含む非晶質半導体膜に触媒元素を添加して熱処理することにより結晶質半導体膜を作製する方法において、スプレー処理法により非晶質半導体膜に触媒元素溶液を添加する際に、重力に対して反対方向(上方向)のベクトルを含む方向に噴霧する。
まず、本発明の結晶質半導体薄膜の作製方法に直接用いられる本発明の噴霧装置の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態である噴霧装置の概略構成を示す側断面図である。
図1に示すように、噴霧装置1は、基板固定用の処理ステージ2と、ミスト状の触媒元素溶液3を噴霧するための噴霧ノズル部としての噴霧ノズル4と、触媒元素溶液を排液する処理槽5とを有している。この処理ステージ2には、ガラス基板6を固定するために、基板支持冶具7と吸着パッド8とが取り付けられている。
この噴霧装置1は、基板搬送ユニット(図示せず)により、表面を重力方向(下向き)に向けてガラス基板6を処理ステージ2に搬送する。この処理ステージ2に固定されたガラス基板6上に、ガラス基板6の下部に配置されている噴霧ノズル4からミスト状の触媒元素溶液3を所定時間だけ噴霧する。その後、基板搬送ユニット(図示せず)により、噴霧装置1に隣接するスピン乾燥装置(図示せず)またはエアーナイフ乾燥装置(図示せず)にガラス基板6を搬送し、これを乾燥させる。
一般的な噴霧法の場合、長時間および繰り返し噴霧を行うと、噴霧ノズルに液滴が付着する。この液滴は、重力や噴霧圧力によってミスト状の触媒元素溶液3と共に噴霧される。特許文献2に開示されている従来のスプレー式処理法では、この液滴への対策が講じられておらず、液滴がガラス基板に付着する可能性が非常に高いため、量産を対象とした装置に適用した場合には、液滴による不良によって歩留りが低下する原因となる。
一方、図1に示す本実施形態の噴霧装置1においては、ミスト状の触媒元素溶液3の噴霧方向が重力に対して反対方向のベクトルを含む方向に設定されている。噴霧ノズル4に付着された液滴は、ミスト状の触媒元素溶液3よりも大きい空気抵抗および重力による影響を受けるため、ミスト状の触媒元素溶液3と比較して飛距離が短くなり、重力によって短時間で落下運動を開始する。この性質は、ガラス基板6上への液滴付着の防止に有効である。噴霧ノズル4とガラス基板6との距離を液滴の飛距離よりも長くなるように設定することにより、ガラス基板6への液滴の付着を防止することができる。
また、本実施形態の噴霧装置1においては、ミスト状の触媒元素溶液3が上方向に噴霧されるため、ミスト状の触媒元素溶液3が空気抵抗および重力による影響を受ける。これらの影響により、ミスト状の触媒元素溶液3は、そのミスト粒径によって飛距離が変化し、ミスト粒径によって高さ方向に分離される。粒径が大きいミストは低い位置に、粒径が小さいミストは高い位置に分離される。この性質は、ガラス基板6上への触媒元素溶液3の添加量調整に有効である。例えば、触媒元素溶液を低濃度でガラス基板6の表面側に付着させるためには、ミスト粒径が小さいものが多数存在する高さにガラス基板6を搬送して、所定の時間、ガラス基板6を固定すればよい。また、触媒元素溶液3を高濃度・短時間でガラス基板6の表面に付着させるためには、粒径が大きいミストが多数存在する高さにガラス基板6を搬送し、所定の時間、ガラス基板6を固定すればよい。
なお、本実施形態の噴霧装置1では、噴霧ノズル4から噴霧されるミスト状の触媒元素溶液3が、ガラス基板6に対して下から上に、水平面に直交する垂直方向に噴霧されるように設定しているが、ミスト状の触媒元素溶液3が重力と反対方向のベクトルを含む方向に噴霧されてガラス基板6に付着されることを前提として、角度を適宜変更してもよい。
上記ミスト粒径の分離をさらに改善するためには、気流発生機構で発生させた気流によって、ガラス基板6の表面側に向きえて、ミスト状の触媒元素溶液3の噴霧進行方向を変化させることが有効である。
図2は、本発明の他の実施形態である噴霧装置の概略構成を示す側断面図である。
図2に示すように、噴霧装置11は、基板固定用の処理ステージ12と、ミスト状の触媒元素溶液13を噴霧するための噴霧ノズル部としての噴霧ノズル14と、触媒元素溶液を排液する処理槽15と、ミスト状の触媒元素溶液13にエアー(気流)を吹き付ける気流発生機構16と、ミスト状の触媒元素溶液13を受けるミスト受け17とを有している。また、処理ステージ12には、ガラス基板18を固定するために、基板支持冶具19と吸着パッド20とが取り付けられている。
この噴霧装置11は、基板搬送ユニット(図示せず)により、表面を重力方向(下向き)に向けてガラス基板18を処理ステージ12に搬送する。この処理ステージ12に固定したガラス基板18上に、ガラス基板18の下部に配置されている噴霧ノズル14からミスト状の触媒元素溶液13を所定時間噴霧する。その後、基板搬送ユニット(図示せず)により、噴霧装置11に隣接するスピン乾燥装置(図示せず)またはエアーナイフ乾燥装置(図示せず)にガラス基板18を搬送し、これを乾燥させる。
上述したように、ミスト状の触媒元素溶液13は、そのミスト粒径によって飛距離が変化するため、ミスト粒径によって高さ方向に分離される。ここで、噴霧ノズル13を所定角度だけ傾斜させ、気流発生機構16から噴出される気流を、ミスト状の触媒元素溶液13の噴霧方向に交差させることにより、ミスト粒径による分離をさらに改善する効果が得られる。
この具体的なミスト粒径の分離構成について以下に更に説明する。
噴霧ノズル14から噴霧されたミスト状の触媒元素溶液13は、その噴霧進行方向に設置されたミスト受け17に向けて噴霧される。この噴霧ノズル13とミスト受け17との間に、噴霧ノズル14からの噴霧方向と交差するように気流(ここでは下から上)を発生させる気流発生機構16を配置する。このとき、気流発生機構16と噴霧ノズル14との距離は、噴霧ノズル14から噴出される液滴の飛距離よりも長く設定する。
ミスト状の触媒元素溶液13は、重力と反対方向のベクトルを含む方向に噴霧されるため、空気抵抗および重力による影響を受ける。この影響により、ミスト状の触媒元素溶液13は、そのミスト粒径によって飛距離が変化し、噴霧ノズル14から気流発生機構16への距離方向にミスト粒径が分離される。
このように、粒径によって分離されたミスト状の触媒元素溶液13に対して、ガラス基板18の下部に設置された気流発生機構16から、ガラス基板18の表面に向かう気流13Aを発生させて、ミスト状の触媒元素溶液13と交差させる。これにより、気流発生機構16からガラス基板18の表面に向かう気流13Aに乗ることが可能な粒径のミストのみが抽出され、粒径が均一化されたミスト状の触媒元素溶液13がガラス基板18の表面に向けて噴霧されることになる。
さらに、図2に示す噴霧装置11において、粒径が均一化されたミスト状の触媒元素溶液13は、上述したような空気抵抗および重力による影響を受けて、再度、ミスト粒径によって高さ方向に分離されるため、図1に示す噴霧装置1の場合に比べて、さらに均一化されたミスト状の触媒元素溶液13をガラス基板18の表面上に噴霧して添加することが可能になる。
なお、この噴霧装置11では、噴霧ノズル14から斜め上方向に噴霧されて気流13Aによって真上方向に噴霧進行方向が変化する。このように、触媒元素溶液13が、ガラス基板18に対して下から上の垂直方向に噴霧されるように設定しているが、ミスト状の触媒元素溶液13が重力と反対方向のベクトルを含む方向に噴霧されてガラス基板18の表面上に付着することを前提として、角度を適宜変更してもよい。
本実施形態の上記噴霧装置1,11においては、ミスト状の触媒元素の溶液13が噴霧されることから、基板表面に均一に付着させることもできるという前提であるが、付着領域と非付着領域とが斑に存在するように処理することも可能である。このように付着領域と非付着領域とが斑に存在する場合でも、スピン乾燥やエアーナイフ乾燥を採用することにより、付着領域が移動しながら乾燥させることができるため、実質的に基板表面に均一に触媒元素を添加させることが可能であると考えられる。このため、この場合にも、触媒元素溶液の添加量がかなり少なくても、基板表面上に均一に触媒元素を添加させることが可能となる。
また、上記噴霧装置1,11によれば、噴霧ノズル4,14からガラス基板6および18上に触媒元素溶液3,13が添加されるため、その添加量によっては、ガラス基板6,18上に付着された触媒元素溶液3,13が、ある程度、処理槽5,15に流れることになる。この場合、処理槽5,15から触媒元素溶液3,13を回収して再利用することによって、更なる触媒元素溶液3,13の使用量削減を図ることが可能である。
次に、本発明の結晶質半導体薄膜の作製方法において使用する触媒元素溶液について説明する。
従来のスピン処理法で使用される触媒元素およびその溶液については、特許文献2に開示されている。本発明においても、基本的には、従来のスピン処理法と同様の触媒元素およびその溶液を使用可能である。以下に、使用可能な触媒元素溶液の例について、具体的に説明する。
触媒元素溶液の溶媒としては、水または有機溶媒を使用することが可能であり、触媒元素の溶解性の点で純水、アルコール、酸、アンモニアなどの極性溶媒が好適である。また、触媒元素の溶媒としては、無極性の有機溶媒であるベンゼン、トルエン、キシレン、四塩化炭素、クロロホルム、エーテル、トリクロロエチレン、フロンなども使用可能である。溶液中の触媒元素の状態としては、化合物として溶解されている場合と単体元素として溶解されている場合とがある。
触媒元素としては、非晶質半導体薄膜の結晶化を助長するために用いられるものであり、例えばNi元素を使用する場合には、通常は、Ni化合物として溶液中に導入される。代表的なNi化合物としては、臭化ニッケル、酢酸ニッケル、シュウ酸ニッケル、炭酸ニッケル、塩化ニッケル、ヨウ化ニッケル、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、蟻酸ニッケル、ニッケルアセチルアセテート、2−エチルヘキサンニッケル、4−シクロヘキシル酪酸ニッケル、酸化ニッケル、水酸化ニッケルなどが挙げられる。また、Ni化合物ではなく、Ni元素単体として溶液中に溶解させる場合は、酸に溶解させる方法が好適である。なお、溶液中におけるNi元素の存在状態としては、通常は、完全に溶解されている状態が好適であるが、Ni元素が均一に分散された乳濁液(エマルジョン)の状態であってもよい。
上記Ni元素以外の触媒元素としては、Fe、Co、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、CuおよびAuなどの金属類も適用可能である。触媒元素の適用法としては、単一の触媒元素を溶液中に溶解させる方法が一般的であるが、複数種類の触媒元素を混合溶解させて使用してもよい。また、これらの触媒元素は、Ni元素の場合と同様に、化合物の状態で溶液中に溶解させてもよく、また、触媒元素単体を酸類に溶解させても特に問題はない。上記触媒元素の代表的な化合物を以下に記載する。
Fe化合物としては、臭化第1鉄、臭化第2鉄、酢酸第2鉄、塩化第1鉄、フッ化第2鉄、硝酸第2鉄、リン酸第1鉄、リン酸第2鉄などが挙げられる。また、Co化合物としては、臭化コバルト、酢酸コバルト、塩化コバルト、フッ化コバルト、硝酸、コバルトなどが挙げられる。また、Ru化合物としては、塩化ルテニウムなどが挙げられる。また、Rh化合物としては、塩化ロジウムなどが挙げられる。また、Pd化合物としては、塩化パラジウムなどが挙げられる。また、Os化合物としては、塩化オスミウムなどが挙げられる。また、Ir化合物としては、3塩化イリジウム、4塩化イリジウムなどが挙げられる。また、Pt化合物としては、塩化第2白金などが挙げられる。また、Cu化合物としては、酢酸第2銅、塩化第2銅、硝酸第2銅などが挙げられる。さらに、Au化合物としては、3塩化金、塩化金塩、テトラクロロ金ナトリウムなどが挙げられる。
次に、触媒元素が添加された非晶質半導体膜を熱処理により結晶成長させる工程について説明する。結晶成長法には、縦成長法と横成長法とがあるため、これらの各成長法についてそれぞれ説明する。
まず、結晶成長法の縦成長法について説明する。
縦成長法は、シリコンを含む非晶質半導体膜の全面に均一に触媒元素を添加した後、熱処理により結晶化させる結晶成長法である。触媒元素が添加された非晶質半導体膜の表面から縦方向(基板面に垂直な方向)に結晶成長が進行するため、ここでは、縦成長法と称している。
第1の工程;ガラス基板などの絶縁性基板上にシリコンを含む非晶質半導体膜を堆積させる。
第2の工程;非晶質半導体膜の全面に、結晶化を助長する触媒元素を本実施形態の噴霧法(噴霧装置1,11)により添加する。このとき、上述したように、触媒元素溶液の進行方向を重力と反対方向のベクトルを含む方向に設定する。また、ミスト粒径の分離をさらに改善するためには、気流発生機構で発生させた気流によって、触媒元素溶液の噴霧進行方向を変化させる。
第3の工程:非晶質半導体膜を熱処理することにより縦成長させて、シリコンを含む結晶質半導体膜を形成する。
次に、結晶成長法の横成長法について説明する。
横成長法は、マスク絶縁膜の開口領域を介して、シリコンを含む非晶質半導体膜の一部の領域に選択的に触媒元素を添加した後、熱処理により結晶化させる結晶成長法である。その開口領域を基点として周辺領域に熱拡散することにより、横方向(基板面に平行な方向)に結晶成長が進行するため、ここでは横成長法と称している。
第1の工程;ガラス基板などの絶縁性基板上にシリコンを含む非晶質半導体膜を堆積させる。
第2の工程;非晶質半導体膜上にマスク絶縁膜を堆積させ、マスク絶縁膜に開口領域を形成する。
第3の工程;マスク絶縁膜に結晶化を助長する触媒元素を本実施形態の噴霧法(噴霧装置1,11)により添加することにより、マスク絶縁膜の開口領域を介して非晶質半導体薄膜の一部に触媒元素を選択的に導入する。このとき、上述したように、触媒元素溶液の進行方向を重力と反対方向のベクトルを含む方向に設定する。また、ミスト粒径の分離をさらに改善するためには、気流発生機構で発生された気流によって、触媒元素溶液の噴霧進行方向を変化させる。
第4の工程;非晶質半導体膜を熱処理することにより横成長させて、シリコンを含む結晶質半導体膜を形成する。
なお、ここでは、多結晶半導体膜ではなく、結晶質半導体膜という技術用語を用いている。本発明によって作製される結晶質半導体膜は、通常の多結晶半導体膜と比較して、結晶粒が概略同一方向に配向しており、高い電界効果移動度を有するなどの特徴があるため、通常の多結晶半導体膜と区別するためである。
以下に、本発明の実施形態のさらに具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
本実施例1では、非晶質シリコン膜の全面に触媒元素を添加する縦成長法による結晶質シリコン膜の作製方法について、図3を用いて説明する。触媒元素溶液の添加工程は、上記図1または図2の噴霧装置1,11を用いて行うものとする。
(実施例1)
本実施例1では、非晶質シリコン膜の全面に触媒元素を添加する縦成長法による結晶質シリコン膜の作製方法について、図3を用いて説明する。触媒元素溶液の添加工程は、上記図1または図2の噴霧装置1,11を用いて行うものとする。
図3(A)〜図3(F)は、本実施例1の結晶質シリコン膜の作製方法の各処理手順を説明するための断面図である。
図3(A)に示すように、まず、減圧CVD法またはプラズマCVD法により、ガラス基板31上に非晶質シリコン膜32を10nm〜150nmの膜厚で堆積させる。本実施例1では、プラズマCVD法により、100nmの非晶質シリコン膜32を堆積する。この堆積の際には、非晶質シリコン膜32の表面は、処理雰囲気中に混入した空気中の酸素の影響により極薄の自然酸化膜33で汚染されている。
図3(B)に示すように、枚葉方式の処理法により、この図3(A)の処理後の基板部34を希釈フッ酸で所定時間だけ洗浄する。この希釈フッ酸による洗浄処理により、非晶質シリコン膜32の表面を汚染している自然酸化膜33の除去を行い、続けて水洗処理を行った後に基板部表面をエアーナイフなどで乾燥させる。
図3(C)に示すように、枚葉方式の処理法で所定時間のオゾン水処理を行うことにより、非晶質シリコン膜32の表面を酸化させる。この酸化処理により、非晶質シリコン膜32上に清浄な極薄のシリコン酸化膜35を形成し、これに続いて基板部表面上をエアーナイフなどで乾燥させる。
なお、この極薄のシリコン酸化膜35は、オゾン水処理の他に、過酸化水素水で処理することにより形成してもよいし、酸素雰囲気中での紫外線(UV)照射によりオゾンを発生させて形成してもよい。このような極薄のシリコン酸化膜35は、後で触媒元素溶液であるNi水溶液を添加する際に、非晶質シリコン膜32に対する濡れ性を改善し、Ni元素を均一に付着させる作用がある。
図3(D)に示すように、非晶質シリコン膜32の全面(厳密には極薄のシリコン酸化膜35の表面)に、非晶質シリコン膜の結晶化を助長する作用を有する触媒元素溶液であるNi水溶液を、図1または図2に示すような噴霧装置1,11を用いて、噴霧法により添加する。本実施例1では、Ni化合物であるニッケル酢酸塩を純水に溶解させ、重量換算で10ppmの濃度に調整したNi水溶液を、噴霧装置1,11を用いて噴霧して基板部表面上に添加する(図1または図2参照)。
図3(E)に示すように、この基板部表面上をエアーナイフなどで乾燥させることにより、非晶質シリコン膜32(厳密には極薄のシリコン酸化膜35)の表面上に均一なNi含有層36を形成する。
図3(F)に示すように、専用の熱処理炉を使用して、窒素雰囲気中で非晶質シリコン膜32を熱処理して結晶成長(縦成長)させて、結晶質シリコン膜37を形成する。この熱処理は、結晶化を助長させる触媒元素の作用により、摂氏450〜750度の温度範囲で熱処理することにより結晶化が達成されるが、熱処理温度が低いと処理時間を長くする必要があり、生産効率が低下するという一般的性質がある。また、摂氏600度以上の熱処理を行うと、基板として使用されるガラス基板31の耐熱性の問題が表面化してしまう。したがって、ガラス基板31を使用する場合には、上記熱処理工程の温度は摂氏450〜600度の範囲が好ましい。また、非晶質シリコン膜32の堆積方法によっても、好適な熱処理条件が異なっており、例えば減圧CVD法で堆積した非晶質シリコン膜32は摂氏600度−12時間程度の熱処理が好適である。また、プラズマCVD法で堆積させた非晶質シリコン膜は摂氏550度−4時間程度の熱処理で十分なことが判っている。本実施例1においては、プラズマCVD法で膜厚100nmの非晶質シリコン膜32を堆積しているため、摂氏550度−4時間の熱処理を行うことにより縦成長させて、結晶質シリコン膜37を形成している。
以上により、本実施例1の結晶質シリコン膜の作製方法によれば、触媒元素を非晶質シリコン膜32の表面上に添加する際に、スピン処理法を用いた従来技術のように、基板上にNi水溶液が液盛りされることがないため、Ni水溶液の使用量削減に有効である。また、スピンモータおよびスピン速度調整機構などからなる基板スピン手段を設ける必要がないため、基板の大型化が進行しても、装置価格をある程度の範囲内に抑えることが可能と考えられる。さらに、従来のスプレー式処理法のように、液滴が基板に付着して局所的に触媒元素量が過多になったり、基板面が上を向くことによりパーティクルが付着することがなく、さらに、ミスト粒径もより均一化される。
なお、上記自然酸化膜33の除去工程から非晶質シリコン膜32の酸化工程、さらには触媒元素溶液の添加工程は、専用の連続処理装置により連続的に処理してもよい。この場合、Ni水溶液の使用量削減に加えて、生産性の点でも有利である。以下に、連続処理装置の一例について説明する。
図4は、図3の各工程における連続処理が可能な連続処理装置の概略構成を示す平面図である。
図4に示すように、連続処理装置41は、複数の処理用基板42を収納可能(通常:20枚程度収納可能)なローダ側キャリア43と、処理用基板42を処理するための複数の処理ユニット44A〜44Gおよび45と、処理中の基板を一時収納し、隣接したユニットに受け渡すためのバッファ46および47と、処理済基板48を収納可能なアンローダ側キャリア49と、基板を搬送するための基板搬送ユニット(図示せず)とを有している。
ローダ側キャリア43に収納された処理用基板42は、基板搬送ユニット(図示せず)により図中の矢印(→)で示す方向に1枚ずつ順次搬送され、各処理ユニット44A〜44Gおよび45でそれぞれ処理される。各処理ユニット44A〜44Gおよび45は、非晶質シリコン膜32の表面上の自然酸化膜33を除去するための酸化膜除去ユニット44Aと、自然酸化膜33の除去後の基板表面を水洗するための水洗ユニット44Bと、水洗後の基板表面を乾燥させるための乾燥ユニット44Cと、非晶質シリコン膜32の表面を酸化するための酸化ユニット44Dと、この酸化処理後の基板を乾燥させるための乾燥ユニット44Eと、非晶質シリコン膜32(厳密には極薄のシリコン酸化膜35)の表面に触媒元素溶液であるNi水溶液を添加処理するための添加ユニット44Fと、Ni水溶液の添加処理後の基板部表面を乾燥させるための乾燥ユニット44Gと、非晶質シリコン膜32中の含有水素を脱水素化処理するための脱水素化ユニット45とを有している。
まず、触媒元素溶液の添加前処理工程(非晶質シリコン膜の希釈フッ酸処理工程→非晶質シリコン膜の酸化工程)に適用される処理ユニットについて、詳細に説明する。
酸化膜除去ユニット44Aは、非晶質シリコン膜32表面に存在する自然酸化膜33を除去するための処理ユニットであり、この酸化膜除去ユニット44Aの上方に設置されているシャワーノズル(図示せず)から希釈フッ酸が基板上に供給されて処理が行われる。
水洗ユニット44Bは、基板表面に付着している希釈フッ酸を水洗するための処理ユニットであり、この水洗ユニット44Bの上方に設置されているシャワーノズル(図示せず)から純水が基板上に供給されて水洗処理が行われる。
乾燥ユニット44Cは、水洗後の基板を乾燥するための処理ユニットであり、エアーナイフ方式が使用されている。
酸化ユニット44Dは、非晶質シリコン膜32の表面を酸化するための処理ユニットであり、ディップ式処理法によりオゾン水または過酸化水素水で酸化処理される。
乾燥ユニット44Eは、オゾン水または過酸化水素水で酸化処理された後の基板を乾燥するための処理ユニットであり、エアーナイフ方式が使用されている。
次に、Ni水溶液の添加工程に適用される処理ユニットについて、詳細に説明する。
添加ユニット44Fは、非晶質シリコン膜32(厳密には極薄のシリコン酸化膜35)の表面に触媒元素溶液を添加処理するための処理ユニットであり、Ni化合物であるニッケル酢酸塩を純水に溶解させ、重量換算で10ppmの濃度に調整したNi水溶液が、触媒元素溶液として使用されている。この添加ユニット44Fには、図1または図2に示す噴霧装置1,11が設置されており、効率的にNi水溶液が基板上に添加されるようになっている。
乾燥ユニット44Gは、Ni水溶液添加後の基板を乾燥するための処理ユニットであり、エアーナイフ方式が使用されている。
次に、脱水素化工程に適用される処理ユニットについて、詳細に説明する。
脱水素化ユニット45は、非晶質シリコン膜32中の含有水素を5atom%以下に制御するために脱水素化処理する処理ユニットであり、窒素雰囲気中で摂氏450度に温度調整された8個のホットプレート50上に連続的に基板が搬送されて処理される。従来、脱水素化工程は、電熱炉内で摂氏450度−1時間の処理条件で処理されているため、この脱水素化ユニット45においても、8個のホットプレート50により、基板1枚当たり合計1時間程度(各ホットプレート50当たり、1/8の処理時間)が処理される構成になっている。
本実施例1では、ホットプレート50のみで熱処理し、脱水素化工程を処理する構成となっているが、熱処理効率の向上のために、各ホットプレート50の上方にランプアニール用のハロゲンランプを付設した構成としてもよい。また、熱処理効率の向上のために、基板搬送ユニットを付設した横型の電熱炉を設置し、この電熱炉内を基板を1枚ずつ通過させることにより熱処理する構成としてもよい。この場合には、熱処理温度と処理時間とを適切に調整することにより、脱水素化工程のみでなく、熱処理による結晶化(結晶成長)工程までも処理可能であると考えられる。
(実施例2)
本実施例2では、非晶質シリコン膜の表面の一部に触媒元素を添加する横成長法による結晶質シリコン膜の作製方法について、図5を用いて詳細に説明する。なお、上記実施例1の場合と同様に、触媒元素溶液の添加工程は、上記噴霧装置1,11を用いて行うものとする。
(実施例2)
本実施例2では、非晶質シリコン膜の表面の一部に触媒元素を添加する横成長法による結晶質シリコン膜の作製方法について、図5を用いて詳細に説明する。なお、上記実施例1の場合と同様に、触媒元素溶液の添加工程は、上記噴霧装置1,11を用いて行うものとする。
図5(A)〜図5(F)は、本実施例2の結晶質シリコン膜の作製方法の各処理手順について説明するための断面図である。なお、図5(D)に示す触媒元素溶液の添加工程は、上記実施例1の図3(D)に示す工程と基本的に同じであるため、ここでの重複説明は省略し、その相違点のみ記載する。
図5(A)に示すように、まず、減圧CVD法またはプラズマCVD法により、ガラス基板51上に非晶質シリコン膜52を10nm〜150nmの膜厚で堆積させる。本実施例2では、プラズマCVD法により、100nmの非晶質シリコン膜52を堆積させる。この堆積の際には、非晶質シリコン膜52の表面は、処理雰囲気中に混入した空気中の酸素の影響により極薄の自然酸化膜53で汚染されている。
図5(B)に示すように、プラズマCVD法により、膜厚70nm〜200nmのシリコン酸化膜からなるマスク絶縁膜54を堆積させる。本実施例2では、プラズマCVD法により膜厚120nmのマスク絶縁膜54を堆積させている。通常のフォトリソグラフィ工程とエッチング工程(ウェットエッチングが一般的)により、マスク絶縁膜54の一部の領域に開口領域55を形成する。この開口領域55は、触媒元素(本実施例2でもNi元素を適用)の選択的導入領域となる部分で、開口領域55の底部は、非晶質シリコン膜52が露出した状態となっている。
図5(C)に示すように、基板を酸化することにより、上記開口領域55における非晶質シリコン膜52の露出領域に3nm〜10nm程度の極薄のシリコン酸化膜56を形成する。なお、極薄のシリコン酸化膜56は、過酸化水素水で処理することにより形成してもよいし、酸素雰囲気中での紫外線(UV)照射によりオゾンを発生させて形成してもよい。このような開口領域55における極薄のシリコン酸化膜56は、後で触媒元素溶液であるNi水溶液を添加する際に、非晶質シリコン膜52に対する濡れ性を改善し、Ni元素を均一に付着させる作用がある。
図5(D)に示すように、開口領域55を設けたマスク絶縁膜54に、結晶化の助長作用を有する触媒元素溶液であるNi水溶液57を噴霧して添加する。本実施例2では、Ni化合物であるニッケル酢酸塩を純水に溶解させ、重量換算で10ppmの濃度に調整したNi水溶液57を図1または図2に示した噴霧装置1,11を用いて下方から噴霧して添加する。
図5(E)に示すように、基板部表面をエアーナイフなどで乾燥することにより、Ni含有層58を形成する。ここでは、開口領域55から露出された非晶質シリコン膜52(厳密には極薄のシリコン酸化膜56)の表面上にのみ、選択的にNi含有層58が形成される。
図5(F)に示すように、専用の熱処理炉を使用して、窒素雰囲気中で非晶質シリコン膜52を熱処理して結晶成長(横成長)させ、開口領域55の結晶質シリコン膜59を形成する。当該熱処理は、結晶化を助長させる触媒元素の作用により、450℃〜750℃の温度範囲で熱処理することにより結晶化が達成されるが、熱処理温度が低いと処理時間を長くする必要があり、生産効率が低下するという一般的性質がある。また、600℃以上の熱処理を行うと、基板として使用されるガラス基板の耐熱性の問題が表面化してしまう。したがって、ガラス基板を使用する場合には、上記熱処理工程の温度は450℃〜600℃の範囲が好ましい。本実施例2においては、570℃−14時間の熱処理を行うことにより非晶質シリコン膜52を結晶成長させて、結晶質シリコン膜59を形成する。この際、上記開口領域55を介して非晶質シリコン膜52にNi元素が選択的に導入されたため、Ni元素が開口領域55を基点として周辺領域に拡散し、この拡散の過程で非晶質シリコン膜52の結晶化が横方向(基板表面に平行な方向)に進行して横成長する。
本実施例2の結晶質シリコン膜59の作製方法によれば、触媒元素を非晶質シリコン膜52に添加する際に、スピン処理法を用いた従来技術のように、基板部表面上にNi水溶液が液盛りされることがないため、Ni水溶液の使用量削減に有効である。また、スピンモータおよびスピン速度調整機構などからなる基板スピン手段を設ける必要がないため、基板の大型化が進行しても、装置価格をある程度の範囲内に抑えることが可能と考えられる。さらに、従来のスプレー式処理法のように、液滴が基板部表面上(非晶質シリコン膜52の表面上)に付着して局所的に触媒元素量が過多になったり、基板部表面が上を向くことにより基板部表面にパーティクルが付着することもなく、さらに、触媒元素溶液のミスト粒径も均一化される。
なお、上記開口領域55における非晶質シリコン膜52の酸化工程から触媒元素溶液の添加工程は、上記図4に示したような専用の連続処理装置41により連続的に処理してもよい。この場合、Ni水溶液の使用量削減に加えて、生産性の点でも有利である。
(実施例3)
本実施例3では、触媒元素を利用した縦成長法による本発明の結晶質シリコン膜の作製方法を液晶表示装置の製造工程に適用し、その結晶質半導体膜によって構成された半導体素子(TFT)を、その画素領域(表示領域)のスイッチング用素子と画素領域のスイッチング用素子を駆動するドライバ回路(駆動回路)に用いたモノリシック型液晶表示装置を作製する場合の一例について、図6〜図10を用いて詳細に説明する。
(実施例3)
本実施例3では、触媒元素を利用した縦成長法による本発明の結晶質シリコン膜の作製方法を液晶表示装置の製造工程に適用し、その結晶質半導体膜によって構成された半導体素子(TFT)を、その画素領域(表示領域)のスイッチング用素子と画素領域のスイッチング用素子を駆動するドライバ回路(駆動回路)に用いたモノリシック型液晶表示装置を作製する場合の一例について、図6〜図10を用いて詳細に説明する。
図6〜図10は、本実施例3の液晶表示装置の製造工程を説明するための断面図である。
図10に示すように、本実施例3の液晶表示装置は、画素領域(画素マトリクス回路)707の周囲に画素領域を表示駆動するための駆動回路(ドライバ回路)706が設けられたモノリシック型LCDである。
画素領域707には、マトリクス状に設けられた複数の画素を選択するスイッチング用素子としての画素TFT704と、画素の液晶容量に並列に接続されて電荷を保持するための保持容量705が設けられている。
駆動回路(ドライバ回路)706としては、画素TFT704のゲートに接続されて各TFTをオン・オフ制御するための走査線駆動回路と、画素TFT704のソースに接続されて各画素部に画素TFT704を介してデータ電圧(画素信号)を供給する信号線駆動回路とが設けられている。これらの駆動回路706は、nチャネル型TFT701および703とpチャネル型TFT702とによって構成されている。駆動回路706のnチャネル型TFT701および703と、画素領域707のnチャネル型画素TFTとはLDD構造である。また、駆動回路706のpチャネル型TFT702はシングルドレイン構造である。
本実施例3において、図6に示す触媒元素溶液の添加前処理工程(非晶質シリコン膜の希釈フッ酸処理工程→非晶質シリコン膜の酸化工程)→Ni水溶液の添加工程→脱水素工程は、図4に示した連続処理装置41を用いて連続処理されるものとする。また、触媒元素溶液の添加工程は、図1または図2に示す噴霧装置1,11を用いて行われるものとする。
図6(a)に示すように、まず、ガラス基板601上に、プラズマCVD法により、各々組成比が異なる第1層目の酸化窒化シリコン膜602aを膜厚50nmで、第2層目の酸化窒化シリコン膜602bを膜厚100nmで堆積して、酸化窒化シリコン膜602aおよび酸化窒化シリコン膜602bからなる下地膜602を成膜する。なお、ガラス基板601としては、石英ガラス、バリウムホウケイ酸ガラスまたはアルミノホウケイ酸ガラスなどが挙げられる。
上記下地膜602(602aと602b)上に、プラズマCVD法により、非晶質シリコン膜603を膜厚55nmで堆積する。この堆積の際には、非晶質シリコン膜603の表面は、処理雰囲気中に混入された空気中の酸素の影響により極薄の自然酸化膜(図示せず)で汚染されている。なお、本実施例3では、プラズマCVD法で非晶質シリコン膜603を堆積しているが、減圧CVD法で堆積してもよい。
また、非晶質シリコン膜603の堆積においては、空気中に存在する炭素、酸素および窒素が混入されるおそれがある。これらの不純物ガスの混入は、最終的に得られるTFT特性の劣化を引き起こすことが経験的に知られており、このことから、上記不純物ガスの混入は結晶化の阻害要因として作用すると本願発明者らは認識している。したがって、上記不純物ガスの混入は極力排除することが好ましい。具体的な濃度範囲としては、炭素および窒素の場合は共に5×1017atoms/cm3以下とし、酸素の場合は1×1018atoms/cm3以下とするのが好ましい。
上記図4に示す連続処理装置41を使用して、触媒元素溶液の添加前処理工程(非晶質シリコン膜の希釈フッ酸処理工程→非晶質シリコン膜の酸化工程)→触媒元素溶液(Ni水溶液)の添加工程→脱水素工程を連続処理する。具体的な処理は、以下のようにして行う。
まず、当該基板を希釈フッ酸で所定時間洗浄する。この処理により、非晶質シリコン膜603の表面を汚染している自然酸化膜(図示せず)の除去を行い、続けて水洗処理を行った後に当該基板部表面を乾燥させる。
上記非晶質シリコン膜603の表面に存在する自然酸化膜(図示せず)を除去する処理は、図4に示す酸化膜除去ユニット44Aにおいて、この処理ユニット上方に設置されているシャワーノズル(図示せず)から希釈フッ酸が基板上に供給されることにより行われる。また、基板部表面に付着している希釈フッ酸を水洗する処理は、図4に示す水洗ユニット44Bにおいて、この処理ユニット上方に設置されているシャワーノズル(図示せず)から純水が基板上に供給されることによって行われる。また、水洗後の基板を乾燥する処理は、図4に示す乾燥ユニット44Cにおいて、エアーナイフ方式によって行われる。
次に、所定時間のオゾン水処理を行うことにより、非晶質シリコン膜603を酸化する。この酸化処理により、非晶質シリコン膜603上に清浄な極薄のシリコン酸化膜(図示せず)を成膜し、続いてこの基板部表面を乾燥させる。なお、極薄のシリコン酸化膜(図示せず)は、過酸化水素水で処理することにより成膜してもよい。この極薄のシリコン酸化膜(図示せず)は、後で触媒元素溶液であるNi水溶液を添加する際に、非晶質シリコン膜603に対する濡れ性を改善し、Ni元素を均一に付着させるためのものである。
上記非晶質シリコン膜603の表面を酸化する処理は、酸化ユニット44Dにおいて、ディップ式処理法によってオゾン水または過酸化水素水を用いて行われる。また、オゾン水または過酸化水素水で酸化処理した後の基板を乾燥させる処理は、図4に示す乾燥ユニット44Eにおいて、エアーナイフ方式によって行われる。
次に、非晶質シリコン膜603の全面に、結晶化の助長作用を有する触媒元素溶液であるNi水溶液を添加する。本実施例3では、Ni化合物であるニッケル酢酸塩を純水に溶解させ、重量換算で10ppmの濃度に調整したNi水溶液を、図1または図2に示す噴霧装置1,11により噴霧して添加する。
上記非晶質シリコン膜603(厳密には極薄のシリコン酸化膜:図示せず)の表面に触媒元素溶液を添加する処理は、図4に示す添加ユニット44Fにおいて、Ni化合物であるニッケル酢酸塩を純水に溶解させ、重量換算で10ppmの濃度に調整したNi水溶液を触媒元素溶液として用いて行われる。当該添加ユニット44Fには、図1または図2に示したような噴霧装置1,11が設置されており、効率的にNi水溶液が基板部表面上に添加する。
次に、この基板部表面上をエアーナイフなどで乾燥させることにより、非晶質シリコン膜603(厳密には極薄のシリコン酸化膜:図示せず)の表面に均一なNi含有層(図示せず)を形成する(図6(a)参照)。
上記Ni水溶液添加後の基板部表面上を乾燥させる処理は、図4に示す乾燥ユニット44Gでエアーナイフ方式によって行われる。
次に、非晶質シリコン膜603中の含有水素量を5atom%以下に制御するため、当該基板部を窒素雰囲気中で450℃−1時間の条件で熱処理し、非晶質シリコン膜603中の含有水素の脱水素化処理を行って非晶質シリコン膜603aとする。ここまでの処理が、図4に示す連続処理装置41で行われる(図6(b)および図4参照)。
上記非晶質シリコン膜603a中の含有水素を5atom%以下に制御するための脱水素化処理は、図4に示す脱水素化ユニット45において、窒素雰囲気中で450℃に温調された8個のホットプレート50上に連続的に基板部が搬送されることによって行われる。従来、脱水素化工程は電熱炉内で450℃−1時間の処理条件で処理されているため、当該脱水素化ユニット45においても、8個のホットプレート50により、基板部1枚当たり合計1時間程度(各ホットプレート50当たり、1/8の処理時間)の処理が行われるようになっている。本実施例3では、ホットプレート50のみで熱処理を行って脱水素化処理を行う構成となっているが、熱処理効率を向上させるために、各ホットプレート50の上方にランプアニール用のハロゲンランプを付設した構成としてもよい。また、熱処理効率を向上させるために、基板搬送ユニットを付設した横型の電熱炉を設置し、基板を当該電熱炉内を1枚ずつ通過させることにより熱処理する構成としてもよい。この場合には、熱処理温度と処理時間とを適切に調整することにより、脱水素化工程のみでなく、次の熱処理による結晶化工程までも処理可能と考えられる。
次に、上記連続処理工程が終了した後に、電熱炉において、550℃−4時間の条件で熱処理することにより、図6(b)に示すように、非晶質シリコン膜603aの結晶化を行い、結晶質シリコン膜603bを形成する。そして、得られた結晶質シリコン膜603bの結晶性を改善させるため、結晶質シリコン膜603bに対してレーザー照射を行う。このレーザー照射により、結晶質シリコン膜603bの結晶性は大幅に改善される。本実施例では、パルス発振型のKrFエキシマレーザー(波長248nm)を適用している。このエキシマレーザー照射によって、結晶質シリコン膜603bの結晶性が改善されるのみでなく、Ni元素が非常に移動し易い状態となるため、ゲッタリング源によるゲッタリング効率の向上という作用も有している。
図7(a)に示すように、通常のフォトリソグラフィ処理およびドライエッチング処理により、結晶質シリコン膜603bをパターン形成し、TFTのチャネル領域およびソース・ドレイン領域となる半導体層604〜608を形成する。なお、半導体層604〜608の形成後、TFTのVth(閾値電圧)を制御するために、不純物元素(ボロンまたはリン)をイオン注入してチャネルドープを行ってもよい。
次に、図7(b)に示すように、上記半導体層604〜608を覆うように、プラズマCVD法により膜厚100nmの酸化窒化シリコン膜からなるゲート絶縁膜609を堆積する。なお、ゲート絶縁膜609の堆積時には、半導体層604〜608の表面は自然酸化膜(図示せず)で汚染されているため、希釈フッ酸処理により除去する。
その後、ゲート絶縁膜609上に、ゲート電極膜610となるゲート電極材料である導電性膜をスパッタリング法またはCVD法により堆積する。このゲート電極材料としては、後の不純物元素の活性化を兼ねたゲッタリング用の熱処理温度(550℃〜650℃程度)に耐え得る耐熱性材料が好ましい。このような耐熱性材料としては、例えばTa(タンタル)、Mo(モリブデン)、Ti(チタン)、W(タングステン)、Cr(クロム)等の高融点金属、これら高融点金属とシリコンとの化合物である金属シリサイド、およびn型もしくはp型の導電型を有する多結晶シリコンなどが挙げられる。本実施例3では、膜厚400nmのW膜からなるゲート電極膜610をスパッタリング法により堆積する。
図8(a)に示すように、この基板部上に、ゲート電極形成用のフォトリソグラフィ処理とドライエッチング処理を行うことにより、ゲート電極617〜620と保持容量用電極621とソース配線として機能する電極622を形成する。ドライエッチングの後、ゲート電極617〜620上には、ドライエッチング用マスクであるレジストパターン611〜614が残っている。同様に、保持容量用電極621上にはレジストパターン615が残っており、ソース配線として機能する電極622上にはレジストパターン616が残っている。なお、ドライエッチングに伴って、下地の酸化窒化シリコン膜からなるゲート絶縁膜609は、膜減りによってゲート絶縁膜623のような形状に変形している。
次に、レジストパターン611〜616を残した状態で、ゲート電極617〜620と保持容量用電極621をマスクとして、イオン注入装置を用いて、第1のイオン注入処理であるn型不純物の低濃度イオン注入を行う。本実施例3では、n型不純物であるP元素を用いて、加速電圧が60keV〜100keVで、イオン注入量が3×1012〜3×1013ions/cm2のイオン注入条件で処理する。この第1のイオン注入処理により、ゲート電極617〜620と保持容量用電極621の外側に対応する半導体層604〜608に、n型不純物の低濃度不純物領域(n−領域)629〜633が形成される。同時に、ゲート電極617〜620の真下には、TFTのチャネルとして機能する実質的に真性な領域624〜627が形成される。また、保持容量用電極621の真下の半導体層608は、TFT形成領域でなく、保持容量605の形成領域であるため、容量形成用電極の片側として機能する真性な領域628が形成される(図8(a)参照)。
なお、上記第1のイオン注入処理工程においては、イオン注入という技術用語を用いているため、イオン注入の定義について明確にするために説明する。一般的には、質量分離された不純物イオンを注入する場合にイオン注入が用いられ、質量未分離の不純物イオンを注入する場合にはイオンドープという技術用語が用いられている。イオン注入もイオンドープも、不純物イオンを電気的に加速して打ち込む点では同じであり、両者を区別して記載する意味が余り認められないため、本発明においては、質量分離の有無に関係なく、不純物イオンを電気的に加速して打ち込む技術を広い意味でイオン注入と称している。
次に、この基板部を専用の剥離液で洗浄することにより、ドライエッチングのマスクとなったレジストパターン611〜616を除去する。その後、駆動回路706におけるnチャネル型TFT701および703と、画素領域707における画素TFT704をLDD構造にするため、当該領域に存在するゲート電極617、619および620を被覆するように、第2のイオン注入処理のマスクとなるn+領域形成用のレジストパターン634〜636を形成する。第2のイオン注入処理であるn型不純物の高濃度イオン注入を行う。本実施例3では、n型不純物であるP元素を用いて、加速電圧が60keV〜100keVで、イオン注入量が1.7×1015ions/cm2のイオン注入条件で処理する。このイオン注入処理により、上記レジストパターン634〜636の外側領域に対応する半導体層604、606および607にn型不純物の高濃度不純物領域(n+領域)637、639および640が形成される。この高濃度不純物領域(n+領域)637、639および640の形成に伴って、既に形成された低濃度不純物領域(n−領域)629、631および632は、高濃度不純物領域(n+領域)637、639および640と低濃度不純物領域(n−領域)642〜644に分離され、LDD構造のソース領域およびドレイン領域が形成される(図8(b)参照)。
この際、LDD構造が形成されない領域である駆動回路706のpチャネル型TFT702の領域と画素領域707の保持容量705の領域においては、ゲート電極618と保持容量用電極621をマスクとして各々イオン注入されるため、ゲート電極618の外側領域に対応する半導体層605にn型不純物の高濃度不純物領域(n+領域)638が形成され、保持容量用電極621の外側領域に対応する半導体層608にもn型不純物の高濃度不純物領域(n+領域)641が形成されている(図8(B)参照)。
次に、通常のフォトリソグラフィ処理により、pチャネル型TFT702に対応する半導体層605の領域と保持容量705に対応する半導体層608の領域を開口領域とするレジストパターン645〜647を形成する。その後、上記レジストパターン645〜647をマスクとして、イオン注入装置を用いて、第3のイオン注入処理であるp型不純物の高濃度イオン注入を行う。このイオン注入処理により、pチャネル型TFT702に対応する半導体層605には、ゲート電極618をマスクとしてp型不純物であるB元素がイオン注入される。この結果、ゲート電極618の外側領域に対応する半導体層605に、p型の導電型を有する高濃度不純物領域(p+領域)648が形成される。上記高濃度不純物領域(p+領域)648には、既にn型不純物であるP元素がイオン注入されているが、B元素のイオン注入量が2.5×1015atoms/cm2となるように高濃度にイオン注入されるため、p型の導電型を有し、ソース・ドレイン領域として機能する高濃度不純物領域(p+領域)648が形成される。また、保持容量705の形成領域においても、保持容量用電極621の外側領域に対応する半導体層608にp型の導電型を有する高濃度不純物領域(p+領域)649が同様に形成される(図9(a)参照)。
次に、上記レジストパターン645〜647を除去した後、膜厚150nmの酸化窒化シリコン膜からなる第1の層間絶縁膜650をプラズマCVD法により堆積する。その後、半導体層604〜608に注入された不純物元素(P元素とB元素)を熱により活性化するため、電熱炉において、600℃−12時間の熱処理を行う。この熱処理は、不純物元素の活性化処理のために行うものであるが、チャネル領域として機能する実質的に真性な領域624〜627および容量形成用電極の片側として機能する真性な領域628に存在するNi元素を前記不純物元素によりゲッタリングする目的も兼ねている。なお、上記熱活性化処理は、第1の層間絶縁膜650の堆積前に行っても良いが、ゲート電極等の配線材料の耐熱性が弱い場合には、第1の層間絶縁膜650の堆積後に行う方が好ましい。この後、半導体層604〜608のダングリングボンドを終端させるため、410℃−1時間の水素化処理を水素3%含有の窒素雰囲気中で行う(図9(b)参照)。
次に、上記第1の層間絶縁膜650の上に、膜厚1.6μmのアクリル樹脂膜からなる第2の層間絶縁膜651を成膜する。この後、通常のフォトリソグラフィ処理とドライエッチング処理により、第2の層間絶縁膜651と第1の層間絶縁膜650、さらに下層膜であるゲート絶縁膜623を貫通するように、コンタクトホールを形成する。この際、コンタクトホールは、ソース配線として機能する電極622、高濃度不純物領域637、639、640、648および649と接続するように形成される(図10(a)参照)。
次に、駆動回路706の高濃度不純物領域637、639および648と電気的に接続されるように、導電性の金属配線652〜657を形成する。また、画素領域707の接続電極658、660および661とゲート配線659を、金属配線652〜657と同じ導電性材料で形成する。本実施例3では、金属配線652〜657と、接続電極658、660および661とゲート配線659の構成材料として、膜厚50nmのTi膜と膜厚500nmのAl−Ti合金膜の積層膜を用いている。接続電極658は、不純物領域640とソース配線として機能する電極622とを電気的に接続させるように形成されている。また、接続電極660は、画素TFT704の不純物領域640と電気的に接続されるように形成されており、接続電極661は、保持容量705の不純物領域649と電気的に接続されるように形成されている。また、ゲート配線659は、画素TFT704の複数のゲート電極620を電気的に接続させるように形成されている。
その後、膜厚80nm〜120nmのITO(Indium−Ti−Oxide)等の透明導電膜を堆積した後、フォトリソグラフィ処理とエッチング処理により、画素電極662を形成する。画素電極662は、接続電極660を介して、画素TFT704のソース・ドレイン領域である不純物領域640と電気的に接続されており、さらに、接続電極661を介して保持容量705の不純物領域649とも電気的に接続されている(図10(b)参照)。
本実施例3の液晶表示装置の作製方法(製造方法)によれば、触媒元素を非晶質シリコン膜に添加する際に、スピン処理法を用いた従来技術のように、基板上にNi水溶液が液盛りされることがないため、Ni水溶液の使用量削減に有効である。また、スピンモータおよびスピン速度調整機構等からなる基板スピン手段を設ける必要がないため、基板の大型化が進行しても、装置価格をある程度の範囲に抑えることが可能と考えられる。さらに、従来のスプレー式処理法のように、液滴が基板に付着して局所的に触媒元素量が過多になったり、基板部表面が上を向くことによりパーティクルが付着されることがなく、さらに、ミスト粒径が均一化される。
また、本実施例3によれば、上記図4に示したような専用の連続処理装置41を用いて、触媒元素溶液の添加前処理工程(非晶質シリコン膜の希釈フッ酸処理工程→非晶質シリコン膜の酸化工程)→触媒元素溶液(Ni水溶液)の添加工程→脱水素工程を、連続処理することが可能である。これにより、タクトタイムが短くなり、生産性を向上させることができる。また、この連続処理装置においては、基板を1軸方向に搬送する構成となっているため、横方向(搬送方向と垂直な方向)の処理の均一性を確保することによって、基板全体の処理の均一性を確保することが容易となり、処理の均一性を確保するという点で有利である。また、このような連続処理装置に横型の電熱炉を付設することにより、非晶質シリコン膜の熱処理による結晶化工程までを連続処理することが可能となるため、さらなる生産性の向上を図ることができる。
本実施例3では、上記実施例1のように触媒元素を利用した縦成長法により作製した本発明の結晶質シリコン膜を用いて、画素スイッチング用トランジスタおよび駆動回路を備えた本発明の液晶表示装置を作製したが、上記実施例2のように触媒元素を利用した横成長法により作製された本発明の結晶質シリコン膜を用いてもよい。さらに、本発明の結晶質シリコン膜を用いてTFTなどの半導体素子を作製し、γ補正回路、メモリ回路やクロック発生回路などのロジック回路を構成することによって、システムオンパネルを構成することも可能である。
(実施例4)
本実施例4では、本発明の結晶質シリコン膜を用いて画素スイッチング用トランジスタや駆動回路が構成された本発明の液晶表示装置、および本発明の結晶質シリコン膜を用いて構成されたロジック回路などが組み込まれた本発明の電子機器の各種例について、図11〜図13を用いて詳細に説明する。
(実施例4)
本実施例4では、本発明の結晶質シリコン膜を用いて画素スイッチング用トランジスタや駆動回路が構成された本発明の液晶表示装置、および本発明の結晶質シリコン膜を用いて構成されたロジック回路などが組み込まれた本発明の電子機器の各種例について、図11〜図13を用いて詳細に説明する。
本発明は、アクティブマトリクス型液晶表示装置およびロジック回路を組み込んだ様々な分野の電子機器の製造に適用可能である。例えば、ビデオカメラ、デジタルカメラ、プロジェクター(リア型またはフロント型)、ヘッドマウントディスプレイ(ゴーグル型ディスプレイ)、ゲーム機、パーソナルコンピュータおよび携帯情報端末(モバイルコンピュータ,携帯電話装置,電子書籍等)などが挙げられる。
図11(a)は、本発明の電子機器の一例であるパーソナルコンピュータの外観を模式的に示す斜視図である。
図11(a)に示すように、パーソナルコンピュータは、本体801と映像入力部802と表示装置803とキーボード804とを有している。このパーソナルコンピュータにおいて、表示装置803は、本発明の結晶質シリコン膜を用いて画素スイッチング用トランジスタやドライバー回路が構成されている。また、他の部分についても、本発明の結晶質シリコン膜を用いてTFTなどの半導体素子を作製し、ロジック回路(γ補正回路、メモリ回路およびクロック発生回路など)を構成することができる。
図11(b)は、本発明の電子機器の他の一例であるビデオカメラの外観を模式的に示す斜視図である。
図11(b)に示すように、ビデオカメラは、本体811、表示装置812、音声入力部813、操作スイッチ814、バッテリー815および受像部816を有している。このビデオカメラにおいて、表示装置812は、本発明の結晶質シリコン膜を用いて画素スイッチング用トランジスタやドライバー回路が構成されている。また、他の部分についても、本発明の結晶質シリコン膜を用いてTFTなどの半導体素子を作製し、ロジック回路を構成することができる。
図11(c)は、本発明の電子機器の更に他の一例であるモバイルコンピュータ(モービルコンピュータ)の外観を模式的に示す平面図である。
図11(c)に示すように、モバイルコンピュータは、本体821、カメラ部822、受像部823、操作スイッチ824および表示装置825を有している。このモバイルコンピュータにおいて、表示装置825は、本発明の結晶質シリコン膜を用いて画素スイッチング用トランジスタやドライバー回路が構成されている。また、他の部分についても、本発明の結晶質シリコン膜を用いてTFTなどの半導体素子を作製し、ロジック回路を構成することができる。
図11(d)は、本発明の電子機器の更に別の一例であるゴーグル型ディスプレイの外観を模式的に示す斜視図である。
図11(d)に示すように、ゴーグル型ディスプレイは、本体831、表示装置832およびアーム部833を有している。このゴーグル型ディスプレイにおいて、表示装置832は、本発明の結晶質シリコン膜を用いて画素スイッチング用トランジスタやドライバー回路が構成されている。また、他の部分についても、本発明の結晶質シリコン膜を用いてTFTなどの半導体素子を作製し、ロジック回路を構成することができる。
図11(e)は、本発明の電子機器の更に別の一例であるプレーヤの外観を模式的に示す斜視図である。
図11(e)に示すように、このプレーヤは、本体841、表示装置842、スピーカー部843および操作スイッチ845を有しており、プログラムやデータを記録した記録媒体(以下、記録媒体と略記する)844を再生するために用いられる。記録媒体844としては、DVDやCDなどが用いられ、音楽鑑賞、ゲームまたはインターネットに利用可能である。このプレーヤにおいて、表示装置842は、本発明の結晶質シリコン膜を用いて画素スイッチング用トランジスタやドライバー回路が構成されている。また、他の部分についても、本発明の結晶質シリコン膜を用いてTFTなどの半導体素子を作製し、ロジック回路を構成することができる。
図11(f)は、本発明の電子機器の更に別の一例である携帯電話装置の外観を模式的に示す斜視図である。
図11(f)に示すように、携帯電話装置は、表示用パネル851、操作用パネル852、接続部853、表示部854、音声出力部855、操作キー856、電源スイッチ857、音声入力部858およびアンテナ859を有している。表示用パネル851と操作用パネル852は、接続部853によって接続されている。また、表示用パネル851の表示部854が設置されている面と、操作用パネル852の操作キー856が設置されている面との角度θは、接続部853において任意に変えることができる。この携帯電話装置において、表示用パネル851は、本発明の結晶質シリコン膜を用いて画素スイッチング用トランジスタやドライバー回路が構成されている。また、他の部分についても、本発明の結晶質シリコン膜を用いてTFTなどの半導体素子を作製し、ロジック回路を構成することができる。
図12(a)は、本発明の電子機器の更に別の一例であるフロント型プロジェクターの概略構成を示す斜視図である。
図12(a)に示すように、フロント型プロジェクタは、光源光学系および表示装置861と、スクリーン862とを有している。このフロント型プロジェクタにおいて、表示装置861は、本発明の結晶質シリコン膜を用いて画素スイッチング用トランジスタやドライバー回路が構成されている。また、他の部分についても、本発明の結晶質シリコン膜を用いてTFTなどの半導体素子を作製し、ロジック回路を構成することができる。
図12(b)は、本発明の電子機器の一例であるリア型プロジェクターの概略構成を示す斜視図である。
図12(b)に示すように、リア型プロジェクタは、本体871と、光源光学系および表示装置872と、ミラー873および874と、スクリーン875とを有している。このリア型プロジェクタにおいて、表示装置872は、本発明の結晶質シリコン膜を用いて画素スイッチング用トランジスタやドライバー回路が構成されている。また、他の部分についても、本発明の結晶質シリコン膜を用いてTFTなどの半導体素子を作製し、ロジック回路を構成することができる。
図12(c)は、図12(A)の光源光学系および表示装置861と、図12(B)の光源光学系および表示装置872とについて、その構成の一例を示す概略図である。
図12(c)に示すように、光源光学系および表示装置は、光源光学系881と、ミラー882および884〜886と、ダイクロイックミラー883と、光学系887と、表示装置888と、位相差板889と、投射光学系890とを有している。投射光学系890は、投射レンズを備えた複数の光学レンズによって構成される。この構成は、表示装置888が3個用いられているため、三板式と称されている。また、図12(c)に矢印で示す光路において、光学レンズ、偏光機能を有するフィルム、位相差を調整するためのフィルムまたはIRフィルムなどを適宜設けてもよい。
図12(d)は、図12(c)の光源光学系881の構成の一例を示す概略図である。
図12(d)に示すように、光源光学系は、リフレクター891と、光源892と、レンズアレイ893および894と、偏光変換素子895と、集光レンズ896とを有している。なお、この図12(d)に示す光源光学系は一例であり、この構成に限定されない。例えば、光源光学系に、光学レンズ、偏光機能を有するフィルム、位相差を調整するフィルムまたはIRフィルムなどを適宜設けても良い。
図13(a)は、光源光学系および表示装置の構成の他の一例を示す概略図である。
図13(a)に示すように、光源光学系および表示装置は、光源光学系901、表示装置902、投射光学系903および位相差板904を有している。投射光学系903は、投射レンズを備えた複数の光学レンズによって構成される。この構成は、表示装置902が1個用いられているため、単板式と称されている。光源光学系901としては、図12(d)に示した光源光学系を用いることができる。なお、表示装置902にはカラーフィルタ(図示しない)が設けられており、表示映像がカラー化されている。この図13(a)に示す光源光学系および表示装置は、図12(a)および図12(b)の光源光学系および表示装置861および872に適用することができる。
図13(b)に示す光源光学系および表示装置は、図13(a)の応用例であり、カラーフィルタを設ける代わりに、RGBの回転カラーフィルタ円板905を用いて表示映像がカラー化されている。この図13(b)に示す光源光学系および表示装置は、図12(a)および図12(b)の光源光学系および表示装置861および872に適用することができる。
図13(c)は、光源光学系および表示装置の構成のさらに他の一例を示す概略図である。
図13(c)に示す光源光学系および表示装置は、光源光学系911と、ダイクロイックミラー912〜914と、マイクロレンズアレイ915と、表示装置916と、投射光学系917とを有している。この構成は、カラーフィルターレス単板式と称されている。この方式では、表示装置916にマイクロレンズアレイ915が設けられ、ダイクロイックミラー(緑)912とダイクロイックミラー(赤)913とダイクロイックミラー(青)914を用いて表示映像がカラー化されている。投射光学系917は、投射レンズを備えた複数の光学レンズによって構成される。また、光源光学系911としては、光源の他に結合レンズおよびコリメーターレンズを用いた光学系を用いることができる。この図13(c)に示す光源光学系および表示装置は、図12(a)および図12(b)の光源光学系および表示装置861および872に適用することができる。
本実施例4で説明したように、本発明の結晶質半導体膜の作製方法は、その適用範囲が極めて広く、アクティブマトリクス型液晶表示装置を組み込んだ様々な分野の電子機器の製造に適用可能である。
以上のように、本発明の好ましい実施形態およびその実施例を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態およびその実施例に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態およびその実施例の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
本発明は、シリコンを含む結晶質半導体膜の作製方法、この結晶質半導体膜の作製に用いられる噴霧装置の分野において、触媒元素溶液を、重力に対して反対方向のベクトルを含む方向へ噴霧することにより、基板部表面への液滴付着を防ぐと共に、基板部表面に付着するミスト粒径の均一性を向上させて、高品位な結晶質半導体薄膜を均一性良く低コストで作製することができる。
また、本発明の結晶質半導体薄膜を用いてTFTなどの半導体素子を構成し、LCDの画素領域におけるスイッチング用トランジスタや画素領域を駆動するドライバー回路に用いることにより、高品質で信頼性の高いLCDを低コストで作製することができる。
さらに、本発明の結晶質半導体薄膜を用いてTFTなどの半導体素子を構成し、γ補正回路、メモリ回路やクロック発生回路などのロジック回路に用いることにより、高品質で信頼性の高いロジック回路を低コストで作製することができる。
さらに、本発明は、アクティブマトリクス型液晶表示装置やロジック回路を組み込んだ様々な分野の電子機器の製造に適用可能であり、例えば、本発明の液晶表示装置やロジック回路をビデオカメラ、デジタルカメラ、プロジェクタ、ヘッドマウントディスプレイ、ゲーム機、パーソナルコンピュータや携帯情報端末装置などの電子機器に組み込むことにより、高品質で信頼性の高いロジック回路および表示装置を低コストで作製することができる。
1 噴霧装置
2、12 処理ステージ
3,13 ミスト状の触媒元素溶液
4,14 噴霧ノズル
5,15 処理槽
6,18 ガラス基板
7,19 基板支持治具
8,20 吸着パッド
16 気流発生機構
17 ミスト受け
31,51 ガラス基板
32,52 非晶質シリコン膜
33,53 自然酸化膜
35 シリコン酸化膜
36,58 Ni含有層
37,59 結晶質シリコン膜
54 マスク絶縁膜(シリコン酸化膜)
55 開口領域
56 シリコン酸化膜
57 Ni水溶液
41 連続処理装置
42 処理用基板
43 ローダー側キャリア
44A 酸化膜除去ユニット
44B 水洗ユニット
44C 乾燥ユニット
44D 酸化ユニット
44E 乾燥ユニット
44F 添加ユニット
44G 乾燥ユニット
45 脱水素化ユニット
46,47 バッファ
48 処理済基板
49 アンローダー側キャリア
50 ホットプレート
601 ガラス基板
602 下地膜
602a 第1層目の酸化窒化シリコン膜
602b 第2層目の酸化窒化シリコン膜
603,603a 非晶質シリコン膜
603b 結晶質シリコン膜
604〜608 半導体層
609 ゲート絶縁膜(酸化窒化シリコン膜)
610 ゲート電極膜(W膜)
611〜616 レジストパターン(ゲート電極及び他の電極形成用)
617〜620 ゲート電極
621 保持容量用電極
622 電極(ソース配線として機能)
623 ゲート絶縁膜(ゲート電極ドライエッチング後)
624〜527 実質的に真性な領域(チャネル領域として機能)
628 真性な領域(容量形成用電極の片側として機能)
629〜633 n型不純物の低濃度不純物領域(n−領域)
634〜636 レジストパターン(n+領域形成用)
637〜641 n型不純物の高濃度不純物領域(n+領域)
642〜644 n型不純物の低濃度不純物領域(n−領域)
645〜647 レジストパターン(p+領域形成用)
648 p導電型の高濃度不純物領域(p+領域)(ソース・ドレイン領域として機能)
649 p導電型の高濃度不純物領域(p+領域)(容量形成用電極の片側として機能)
650 第1の層間絶縁膜(酸化窒化シリコン膜)
651 第2の層間絶縁膜(アクリル樹脂膜)
652〜657 金属配線(Ti膜とAl−Ti合金膜の積層膜)
658 接続電極
659 ゲート配線
660〜661 接続電極
662 画素電極(ITO膜)
701 nチャネル型TFT
702 pャネル型TFT
703 nチャネル型TFT
704 画素TFT
705 保持容量
706 駆動回路
707 画素領域
801 パーソナルコンピュータの本体
802 映像入力部
803 表示装置
804 キーボード
811 ビデオカメラの本体
812 表示装置
813 音声入力部
814 操作スイッチ
815 バッテリ
816 受像部
821 モバイルコンピュータの本体
822 カメラ部
823 受像部
824 操作スイッチ
825 表示装置
831 ゴーグル型ディスプレイの本体
832 表示装置
833 アーム部
841 プレーヤの本体
842 表示装置
843 スピーカ部
844 記録媒体
845 操作スイッチ
851 表示用パネル
852 操作用パネル
853 接続部
854 表示部
855 音声出力部
856 操作キー
857 電源スイッチ
858 音声入力部
859 アンテナ
861 光学系および表示装置
862 スクリーン
871 リア型プロジェクターの本体
872 光学系および表示装置
873,874 ミラー
875 スクリーン
881 光源光学系
882,884〜886 ミラー
883 ダイクロイックミラー
887 光学系
888 表示装置
889 位相差板
890 投射光学系
891 リフレクタ
892 光源
893,894 レンズアレイ
895 偏光変換素子
896 集光レンズ
901 光源光学系
902 表示装置
903 投射光学系
904 位相差板
905 回転カラーフィルター円板
911 光源光学系
912 ダイクロイックミラー(緑)
913 ダイクロイックミラー(赤)
914 ダイクロイックミラー(青)
915 マイクロレンズアレイ
916 表示装置
917 投射光学系
2、12 処理ステージ
3,13 ミスト状の触媒元素溶液
4,14 噴霧ノズル
5,15 処理槽
6,18 ガラス基板
7,19 基板支持治具
8,20 吸着パッド
16 気流発生機構
17 ミスト受け
31,51 ガラス基板
32,52 非晶質シリコン膜
33,53 自然酸化膜
35 シリコン酸化膜
36,58 Ni含有層
37,59 結晶質シリコン膜
54 マスク絶縁膜(シリコン酸化膜)
55 開口領域
56 シリコン酸化膜
57 Ni水溶液
41 連続処理装置
42 処理用基板
43 ローダー側キャリア
44A 酸化膜除去ユニット
44B 水洗ユニット
44C 乾燥ユニット
44D 酸化ユニット
44E 乾燥ユニット
44F 添加ユニット
44G 乾燥ユニット
45 脱水素化ユニット
46,47 バッファ
48 処理済基板
49 アンローダー側キャリア
50 ホットプレート
601 ガラス基板
602 下地膜
602a 第1層目の酸化窒化シリコン膜
602b 第2層目の酸化窒化シリコン膜
603,603a 非晶質シリコン膜
603b 結晶質シリコン膜
604〜608 半導体層
609 ゲート絶縁膜(酸化窒化シリコン膜)
610 ゲート電極膜(W膜)
611〜616 レジストパターン(ゲート電極及び他の電極形成用)
617〜620 ゲート電極
621 保持容量用電極
622 電極(ソース配線として機能)
623 ゲート絶縁膜(ゲート電極ドライエッチング後)
624〜527 実質的に真性な領域(チャネル領域として機能)
628 真性な領域(容量形成用電極の片側として機能)
629〜633 n型不純物の低濃度不純物領域(n−領域)
634〜636 レジストパターン(n+領域形成用)
637〜641 n型不純物の高濃度不純物領域(n+領域)
642〜644 n型不純物の低濃度不純物領域(n−領域)
645〜647 レジストパターン(p+領域形成用)
648 p導電型の高濃度不純物領域(p+領域)(ソース・ドレイン領域として機能)
649 p導電型の高濃度不純物領域(p+領域)(容量形成用電極の片側として機能)
650 第1の層間絶縁膜(酸化窒化シリコン膜)
651 第2の層間絶縁膜(アクリル樹脂膜)
652〜657 金属配線(Ti膜とAl−Ti合金膜の積層膜)
658 接続電極
659 ゲート配線
660〜661 接続電極
662 画素電極(ITO膜)
701 nチャネル型TFT
702 pャネル型TFT
703 nチャネル型TFT
704 画素TFT
705 保持容量
706 駆動回路
707 画素領域
801 パーソナルコンピュータの本体
802 映像入力部
803 表示装置
804 キーボード
811 ビデオカメラの本体
812 表示装置
813 音声入力部
814 操作スイッチ
815 バッテリ
816 受像部
821 モバイルコンピュータの本体
822 カメラ部
823 受像部
824 操作スイッチ
825 表示装置
831 ゴーグル型ディスプレイの本体
832 表示装置
833 アーム部
841 プレーヤの本体
842 表示装置
843 スピーカ部
844 記録媒体
845 操作スイッチ
851 表示用パネル
852 操作用パネル
853 接続部
854 表示部
855 音声出力部
856 操作キー
857 電源スイッチ
858 音声入力部
859 アンテナ
861 光学系および表示装置
862 スクリーン
871 リア型プロジェクターの本体
872 光学系および表示装置
873,874 ミラー
875 スクリーン
881 光源光学系
882,884〜886 ミラー
883 ダイクロイックミラー
887 光学系
888 表示装置
889 位相差板
890 投射光学系
891 リフレクタ
892 光源
893,894 レンズアレイ
895 偏光変換素子
896 集光レンズ
901 光源光学系
902 表示装置
903 投射光学系
904 位相差板
905 回転カラーフィルター円板
911 光源光学系
912 ダイクロイックミラー(緑)
913 ダイクロイックミラー(赤)
914 ダイクロイックミラー(青)
915 マイクロレンズアレイ
916 表示装置
917 投射光学系
Claims (20)
- 結晶化を助長する触媒元素を非晶質半導体膜の一部または全部の表面上に添加した後に、熱処理を行って結晶質半導体膜を作製する結晶質半導体膜の作製方法において、
該触媒元素を非晶質半導体膜の表面上に添加する際に、該触媒元素の溶液を噴霧する方向を、重力方向に対して反対方向のベクトルを含む方向に設定する結晶質半導体膜の作製方法。 - 絶縁性基板上に非晶質半導体膜を設ける第1の工程と、
該非晶質半導体膜の全面に前記触媒元素の溶液を噴霧する第2の工程と、
該非晶質半導体膜を熱処理することにより該非晶質半導体を結晶成長させて結晶質半導体膜を形成する第3の工程とを有する請求項1に記載の結晶質半導体膜の作製方法。 - 絶縁性基板上に非晶質半導体膜を設ける第1の工程と、
該非晶質半導体膜上にマスク絶縁膜を設け、該マスク絶縁膜の一部の領域に開口領域を形成する第2の工程と、
該マスク絶縁膜の開口領域を介して該非晶質半導体膜の表面上に前記触媒元素の溶液を噴霧する第3の工程と、
該非晶質半導体膜を熱処理することにより該非晶質半導体を結晶成長させて結晶質半導体膜を形成する第4の工程とを有する請求項1に記載の結晶質半導体膜の作製方法。 - 前記触媒元素の溶液を噴霧する方向を水平面に直交する垂直方向とする請求項1〜3のいずれかに記載の結晶質半導体膜の作製方法。
- 前記触媒元素の溶液を噴霧する噴霧ノズルと前記非晶質半導体膜の表面との距離を、該噴霧ノズルに付着して噴出する液滴の飛距離よりも長く設定する請求項1〜4のいずれかに記載の結晶質半導体膜の作製方法。
- 前記触媒元素の溶液を噴霧する噴霧ノズルと前記非晶質半導体膜の表面との距離を、該非晶質半導体の表面に付着させるべきミスト状触媒元素溶液の粒径に応じて設定する請求項5に記載の結晶質半導体膜の作製方法。
- 前記触媒元素の溶液を噴霧する方向と交差するように気流発生機構によって気流を発生させ、該気流によって該非晶質半導体膜の表面に向けて、該触媒元素の溶液の噴霧進行方向を変化させる請求項1〜3のいずれかに記載の結晶質半導体膜の作製方法。
- 前記触媒元素の溶液を噴霧する噴霧ノズルと前記気流発生機構との距離を、該噴霧ノズルに付着して噴出する液滴の飛距離よりも長く設定する請求項7に記載の結晶質半導体膜の作製方法。
- 前記触媒元素の溶液を噴霧する噴霧ノズルと前記気流発生機構との距離を、該非晶質半導体の表面に付着させるべきミスト状触媒元素溶液の粒径に応じて設定する請求項8に記載の結晶質半導体膜の作製方法。
- 前記触媒元素の溶液として、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、CuおよびAuから選択される一種類または複数種類の元素を含む溶液を用いる請求項1〜9のいずれかに記載の結晶質半導体膜の作製方法。
- 前記触媒元素の溶液を噴霧する工程の直前に、前記絶縁性基板上に設けた非晶質半導体膜上の酸化薄膜を前処理として除去および再作製する工程と、
該触媒元素の溶液を噴霧する工程の直後に、熱処理により該非晶質半導体膜を脱水素化処理する工程とを更に有し、
少なくとも該前処理工程から該脱水素化処理工程までを連続処理装置を用いて連続に行う請求項2または3に記載の結晶質半導体膜の作製方法。 - 前記連続処理装置を用いて、前記前処理工程から前記熱処理により結晶質半導体膜を作製する工程までを行う請求項11に記載の結晶質半導体膜の作製方法。
- 請求項1〜12のいずれかに記載の結晶質半導体膜の作製方法により作製された結晶質半導体膜。
- 請求項13に記載の結晶質半導体膜を用いて構成された半導体素子。
- 請求項14に記載の半導体素子を、表示領域の各画素部毎に設けられたスイッチング用トランジスタおよび、該スイッチング用トランジスタを駆動して表示するためのドライバ回路のうち少なくともいずれかに用いて構成した液晶表示装置。
- 請求項14に記載の半導体素子を用いて構成したロジック回路。
- 請求項15に記載の液晶表示装置が組み込まれた電子機器。
- 請求項16に記載のロジック回路が組み込まれた電子機器。
- 請求項1〜6および10〜12のいずれかに記載の結晶質半導体膜の作製方法に用いられる噴霧装置であって、
前記絶縁性基板上の非晶質半導体膜の表面を、重力が働く方向に向けて基板部を固定する処理ステージと、
ミスト状の触媒元素溶液を重力方向に対して反対方向のベクトルを含む方向に噴霧する噴霧ノズル部とを有する噴霧装置。 - 請求項1〜3および7〜12のいずれかに記載の結晶質半導体膜の作製方法に用いられる噴霧装置であって、
前記絶縁性基板上の非晶質半導体膜の表面を、重力が働く方向に向けて基板部を固定する処理ステージと、
ミスト状の触媒元素溶液を重力方向に対して反対方向のベクトルを含む方向に噴霧する噴霧ノズル部と、
該触媒元素溶液の噴霧方向と交差するように、該非晶質半導体膜の表面側に向けて気流を発生させる気流発生機構とを有する噴霧装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004037534A JP2005229000A (ja) | 2004-02-13 | 2004-02-13 | 結晶質半導体膜の製造方法、結晶質半導体膜、半導体素子、液晶表示装置、ロジック回路、電子機器および噴霧装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004037534A JP2005229000A (ja) | 2004-02-13 | 2004-02-13 | 結晶質半導体膜の製造方法、結晶質半導体膜、半導体素子、液晶表示装置、ロジック回路、電子機器および噴霧装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005229000A true JP2005229000A (ja) | 2005-08-25 |
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ID=35003451
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004037534A Withdrawn JP2005229000A (ja) | 2004-02-13 | 2004-02-13 | 結晶質半導体膜の製造方法、結晶質半導体膜、半導体素子、液晶表示装置、ロジック回路、電子機器および噴霧装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005229000A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007311767A (ja) * | 2006-05-18 | 2007-11-29 | Samsung Sdi Co Ltd | Cmos薄膜トランジスタの製造方法 |
CN112289681A (zh) * | 2020-10-28 | 2021-01-29 | 上海华力集成电路制造有限公司 | 去除沟槽内非晶硅层的方法 |
-
2004
- 2004-02-13 JP JP2004037534A patent/JP2005229000A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007311767A (ja) * | 2006-05-18 | 2007-11-29 | Samsung Sdi Co Ltd | Cmos薄膜トランジスタの製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20070501 |