JP2005226912A - 加熱/冷却システム - Google Patents
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Abstract
【課題】温/冷切換使用可能な加熱/冷却システムにおける消費電力の低減と、性能の向上を図ることができる加熱/冷却システムを提供する。
【解決手段】 温/冷切換使用可能とされた収容室3を有する加熱/冷却システム100において、コンプレッサ11、ガスクーラ12、減圧装置としての膨張弁16、蒸発器17及び蒸発器18等から構成され、冷媒として二酸化炭素が封入されると共に、高圧側が超臨界圧力となる冷媒回路10と、ガスクーラ12から出て減圧装置に入る前の冷媒が流れる放熱器14と、ガスクーラに通風する送風機22とを備え、放熱器14により収容室3内を加熱し、蒸発器18により収容室3内を冷却すると共に、放熱器14にて収容室3内を加熱する場合には、送風機22を停止する。
【選択図】 図1
【解決手段】 温/冷切換使用可能とされた収容室3を有する加熱/冷却システム100において、コンプレッサ11、ガスクーラ12、減圧装置としての膨張弁16、蒸発器17及び蒸発器18等から構成され、冷媒として二酸化炭素が封入されると共に、高圧側が超臨界圧力となる冷媒回路10と、ガスクーラ12から出て減圧装置に入る前の冷媒が流れる放熱器14と、ガスクーラに通風する送風機22とを備え、放熱器14により収容室3内を加熱し、蒸発器18により収容室3内を冷却すると共に、放熱器14にて収容室3内を加熱する場合には、送風機22を停止する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、温/冷切換使用可能とされた収容室を有する加熱/冷却システムに関するものである。
従来この種加熱冷却システムは、図4に示すように断熱壁にて冷却室102と加熱室103とに区画された貯蔵室101と、貯蔵室101の下側に配設された機械室109にて構成されている。そして、機械室109にはコンプレッサ111、ガスクーラ112、減圧手段としてのキャピラリチューブ116等が収容され、エバポレータ(蒸発器)117と共に冷媒回路110を構成している。また、加熱室103には電気ヒータ180が設置されており、当該電気ヒータ180にて加熱された空気をファン128により加熱室103内に送風することにより、加熱室103を加熱する構成とされている。
ここで、図14を参照して従来の加熱冷却システム400の動作を説明する。図示しない制御装置によりファン128の運転が開始され、電気ヒータ180に電力が供給されると、電気ヒータ180にて加熱された空気がファン128にて加熱室103内に循環される。これにより、加熱室103内が加熱される。
また、制御装置はファン127の運転を開始すると共に、コンプレッサ111の図示しない駆動要素を起動する。これにより、コンプレッサ111の図示しない圧縮要素のシリンダ内に低圧の冷媒ガスが吸い込まれて圧縮され、高温高圧の冷媒ガスとなり、ガスクーラ112に吐出される。
そして、冷媒ガスはガスクーラ112で放熱した後、内部熱交換器145を経てキャピラリチューブ116に入り、ここで圧力が低下され、エバポレータ117内に流入する。そこで冷媒は蒸発し、周囲の空気から吸熱することにより冷却作用を発揮する。尚、エバポレータ117における冷媒の蒸発によって冷却された空気はファン127の運転により、冷却室102内に循環され、冷却室102内を冷却する。このように、従来の加熱冷却システムでは電気ヒータ180にて加熱室103内を加熱し、冷媒回路110のエバポレータ117にて冷却室102を冷却するものとされていた(特許文献1参照)。
特開平6−18156号公報
ここで、近年一つの収容室に電気ヒータ等の発熱体と蒸発器の両方を設けて、当該収容室を加熱する場合にはヒータを運転して収容室を加熱し、収容室を冷却する場合には電気ヒータの運転を停止すると共に、コンプレッサの運転を開始して、蒸発器で冷媒を蒸発させて収容室を冷却するという温/冷切換使用可能な加熱/冷却システムも開発されている。しかしながら、上記の如く当該収容室の加熱は、電気ヒータ等の発熱体での加熱となるため、消費電力が著しく増大するという問題が生じていた。
本発明は、係る技術的課題を解決するために、温/冷切換使用可能な加熱/冷却システムにおける消費電力の低減と、性能の向上を図ることを目的とする。
請求項1の発明の加熱/冷却システムでは、温/冷切換使用可能とされた収容室を有するものであって、コンプレッサ、ガスクーラ、減圧装置及び蒸発器等から構成され、冷媒として二酸化炭素が封入されると共に、高圧側が超臨界圧力となる冷媒回路と、ガスクーラから出て減圧装置に入る前の冷媒が流れる放熱器と、ガスクーラに通風する送風機とを備え、放熱器により収容室内を加熱し、蒸発器により収容室内を冷却すると共に、放熱器にて収容室内を加熱する場合には、送風機を停止するものである。
請求項2の発明の加熱/冷却システムでは、上記発明においてコンプレッサは、第1及び第2の圧縮要素を有し、第1の圧縮要素で圧縮された冷媒を第2の圧縮要素で圧縮すると共に、第1の圧縮要素で圧縮された冷媒を冷却した後、第2の圧縮要素に吸い込ませるための熱交換器を備えた中間冷却回路を備え、熱交換器をガスクーラに一体に設けたものである。
請求項3の発明の加熱/冷却システムでは、上記各発明においてガスクーラから出た冷媒と蒸発器から出た冷媒とを熱交換させるための内部熱交換器を備え、放熱器には、内部熱交換器に至る前の冷媒を流すものである。
請求項4の発明の加熱/冷却システムでは、上記各発明において放熱器及び蒸発器への冷媒流通を制御するための流路制御手段を備え、放熱器に冷媒を流し、蒸発器への冷媒流通を断った場合に冷媒を蒸発させるための蒸発器を別途設けたものである。
本発明の加熱/冷却システムによれば、加熱特性の良好な二酸化炭素を冷媒として使用することで、収容室内を冷却するときには蒸発器で冷却し、収容室内を加熱する際にはガスクーラを経た高圧側の冷媒によって収容室内を加熱することができるようになる。これにより、電気ヒータ等の発熱体を用いることなく収容室内を加熱することができるようになるので、電気ヒータにて加熱する場合に比して消費電力を削減することができるようになる。
特に、放熱器にて収容室内を加熱する場合には、送風機を停止するようにしているので、ガスクーラで冷媒を放熱させずに放熱器に熱を搬送して、収容室内の加熱能力を向上させることができるようになる。
請求項2の発明によれば、上記発明に加えて所謂中間冷却回路を備えた二段圧縮式のコンプレッサを使用した場合に、収容室内を加熱する際には、中間冷却回路の熱交換器における放熱も無効として、放熱器に熱を搬送することができるようになるものである。
請求項3の発明によれば、上記各発明に加えてガスクーラから出た冷媒と蒸発器から出た冷媒とを熱交換させるための内部熱交換器を備えた場合に、放熱器には、内部熱交換器に至る前の冷媒を流すので、収容室内の加熱を内部熱交換器にて温度低下する以前の冷媒にて行うことができるようになる。
請求項4の発明によれば、上記各発明に加えて収容室内を加熱する場合には流路制御手段により蒸発器への冷媒流通を絶ち、別途設けた蒸発器で冷媒を蒸発させることができるようになるので、収容室内を加熱/冷却するための放熱器と蒸発器を当該収容室内に設けても、支障無く収容室の加熱/冷却を行うことができるようになる。
以下、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。
図1は本発明を適用した一実施例の加熱/冷却システム100の概略構成図である。尚、本発明の加熱/冷却システムはショーケースや自動販売機、エアコン又は冷温蔵庫等に使用可能なものである。
図1において、1は加熱/冷却システム100の貯蔵室であり、この貯蔵室1は、断熱部材にて囲繞されている。当該貯蔵室1内は、断熱壁7にて区画され、一方(図1では断熱壁7の左側)を冷却室2、他方(図1では断熱壁7の右側)を収容室3としている。
前記冷却室2には冷媒を蒸発させるための蒸発器17と、当該蒸発器17と熱交換した空気を冷却室2に送風(循環)するためのファン27が設置されている。尚、蒸発器17は後述する蒸発器18とは別途設けられたものである。この蒸発器17により、蒸発器18への冷媒流通を絶った場合であっても、蒸発器17にて冷媒を蒸発させることができるようになる。
また、収容室3には放熱器14と、電気ヒータ80と、前述した蒸発器18と、放熱器14若しくは蒸発器18と熱交換した空気、又は、電気ヒータ80にて加熱された空気を室4内に送風(循環)するためのファン28が設置されている。そして、放熱器14により収容室3内を加熱し、蒸発器18により収容室3内を冷却する構成とされている。尚、電気ヒータ80は収容室3内を加熱するためのものであり、当該電気ヒータ80により前記放熱器14による収容室3内の加熱を補うことができるようになる。
一方、図1において10は冷媒回路であり、コンプレッサ11、ガスクーラ12、前記放熱器14、減圧装置としての膨張弁16、蒸発器17及び蒸発器18等から構成されている。
即ち、コンプレッサ11の冷媒吐出管34はガスクーラ12の入口に接続されている。ここで、実施例のコンプレッサ11は内部中間圧型2段圧縮式ロータリコンプレッサであり、密閉容器11A内に図示しない駆動要素と、この駆動要素により駆動される図示しない第1及び第2の回転圧縮要素を有し、第1の回転圧縮要素で圧縮された冷媒を第2の回転圧縮要素で圧縮する構成とされている。
図中30はコンプレッサ11の前記第1の回転圧縮要素に冷媒を導入するための冷媒導入管であり、この冷媒導入管30の一端は第1の回転圧縮要素のシリンダと連通している。この冷媒導入管30の他端は後述する内部熱交換器45の出口に接続されている。
図中32は、第1の回転圧縮要素で圧縮された冷媒を第2の回転圧縮要素に導入するための冷媒導入管である。この冷媒導入管32はコンプレッサ11の外部の中間冷却回路150を通過するように設けられている。ここで、上記中間冷却回路150は、第1の回転圧縮要素で圧縮された冷媒を冷却した後、第2の回転圧縮要素に吸い込ませるための熱交換器152を備えた冷媒回路である。即ち、第1の回転圧縮要素で圧縮された冷媒を、冷媒導入管32からコンプレッサ11の外部の中間冷却回路150に流入させ、熱交換器14を通過する過程で冷却した後、第2の回転圧縮要素に吸い込ませる構成としている。また、前記熱交換器152はガスクーラ12と一体に設けられており、当該ガスクーラ12に通風するための送風機22を兼用するものとしている。
前記冷媒吐出管34は第2の回転圧縮要素で圧縮された冷媒をガスクーラ12に吐出させるための冷媒配管である。
ガスクーラ12の出口に接続された冷媒配管36は前記内部熱交換器45に接続されている。尚、内部熱交換器45はガスクーラ12から出た高圧側の冷媒と蒸発器17若しくは蒸発器18から出た低圧側の冷媒とを熱交換させるためのものである。内部熱交換器45の出口に接続された冷媒配管37は、膨張弁16を経て冷却室2の蒸発器17の入口に接続されている。
ここで、冷媒配管36の途中部には第1のバイパス回路140が分岐している。この第1のバイパス回路140は収容室3に設置された放熱器14を通過するように設けられており、当該第1のバイパス回路140により放熱器14には、ガスクーラ12から出て膨張弁16に入る前で、且つ、内部熱交換器45に至る以前の冷媒を流すことができる。
また、放熱器14を出た第1のバイパス回路140は、内部熱交換器45の入口側で後述する電磁弁170の出口側の冷媒配管36に接続される。冷媒配管36の前記第1のバイパス回路140の分岐の下流側及び第1のバイパス回路140の前記放熱器14の入口側の配管には放熱器14への冷媒流通を制御するための流路制御手段としての前述した電磁弁170及び電磁弁172が設置されている。電磁弁170及び電磁弁172は図示しない制御装置により開閉が制御されている。尚、放熱器14への冷媒流通は、電磁弁170及び電磁弁172をそれぞれ制御するものに限らず、例えば、三方弁を用いて、当該三方弁を切り換えることにより放熱器14への冷媒流通を制御するものとしても構わない。
また、膨張弁16から出た冷媒配管37の途中部からは第2のバイパス回路42が分岐している。この第2のバイパス回路42は、収容室3に設置された前記蒸発器18を通過した後、蒸発器17から出た冷媒配管38と合流するように設けられており、蒸発器18の入口側の配管には、当該蒸発器18への冷媒流通を制御するための流路制御手段としての電磁弁65が設置されている。
ここで、冷媒回路10は、冷媒として地球環境にやさしく、可燃性及び毒性等を考慮して自然冷媒である二酸化炭素(CO2)が封入されると共に、高圧側が超臨界圧力となる。
また、上述した各電磁弁65、170、172はそれぞれ図示しない制御装置により弁の開閉が制御されている。尚、上記制御装置は加熱/冷却システム100の制御を司る制御手段であり、前記各電磁弁65、170、172の制御の他、コンプレッサ11の運転及び送風機22や各ファン27、28の運転等も制御している。
(1)収容室3を冷却室として使用するモード
以上の構成で次に本発明の加熱/冷却システム100の動作を説明する。先ず、収容室3を物品を冷却するための冷却室として使用するモードについて図2を用いて説明する。図2はこのモードにおける冷媒の流れを示す冷媒回路図である。
以上の構成で次に本発明の加熱/冷却システム100の動作を説明する。先ず、収容室3を物品を冷却するための冷却室として使用するモードについて図2を用いて説明する。図2はこのモードにおける冷媒の流れを示す冷媒回路図である。
図示しない制御装置により電磁弁170が開かれ、電磁弁172が閉じられて、第1のバイパス回路140が閉塞される。これにより、放熱器14への冷媒流通が絶たれるので、ガスクーラ12から出た冷媒は放熱器14に流れることなく、そのまま内部熱交換器45に流れるようになる。また、制御装置は電磁弁65を開いて、第2のバイパス回路42を開放する。これにより、膨張弁16からの冷媒が蒸発器18に流れるようになる。尚、以下図2及び図3において白い電磁弁は制御装置により弁が開かれた状態、黒い電磁弁は制御装置により弁が閉じられた状態をそれぞれ示したものである。
また、制御装置は送風機22及びファン27、28の運転を開始し、コンプレッサ11の駆動要素を駆動する。これにより、コンプレッサ11の第1の回転圧縮要素に低圧の冷媒が吸い込まれて圧縮され、中間圧となり、密閉容器11A内に吐出される。密閉容器11A内に吐出された冷媒は冷媒導入管32から一旦密閉容器12の外部に吐出され、中間冷却回路150に入る。そして、熱交換器152を通過する過程でガスクーラ12の送風機22による通風を受けて放熱する。
このように、第1の回転圧縮要素で圧縮された冷媒を熱交換器152により冷却した後、第2の回転圧縮要素に吸い込ませることで、コンプレッサ11の第2の回転圧縮要素から吐出される冷媒ガスの温度を低下することができる。これにより、各蒸発器17、18における冷媒の蒸発温度が低下するので、冷却室2及び収容室3をより低温に冷却することができるようになる。従って、各蒸発器17、18による冷却室2及び収容室3の冷却能力を向上させることができるようになる。
その後、冷媒は第2の回転圧縮要素に吸い込まれて圧縮され、高温高圧の冷媒ガスとなり、冷媒吐出管34からコンプレッサ11の外部に吐出される。このとき、冷媒は適切な超臨界圧力まで圧縮されている。コンプレッサ11から吐出された冷媒ガスは、冷媒吐出管34からガスクーラ12に流入する。
ここで、コンプレッサ11で圧縮された高温高圧の冷媒は凝縮せず、超臨界状態で運転される。係る高温高圧の冷媒ガスはガスクーラ12で放熱した後、ガスクーラ12から出て、冷媒配管36に入る。冷媒配管36に入った冷媒は、前述の如く電磁弁170が開かれ、電磁弁172が閉じられているため、第1のバイパス回路140に流れること無く、そのまま内部熱交換器45を通過する。冷媒はそこで蒸発器17、18から出た低圧側の冷媒に熱を奪われて更に冷却される。この内部熱交換器45の存在により、ガスクーラ12から出て、内部熱交換器45を通過する冷媒は、低圧側の冷媒に熱を奪われるので、その分、当該冷媒の過冷却度が大きくなる。そのため、各蒸発器17、18おける冷却能力が向上する。
係る内部熱交換器45で冷却された高圧側の冷媒は膨張弁16に至る。尚、膨張弁16の入口では冷媒はまだ超臨界の状態である。冷媒は膨張弁16における圧力低下により、気体/液体の二相混合状態とされる。そして、二相混合状態とされた冷媒は、冷却室2に設置された蒸発器17内に流入する。そこで冷媒は蒸発し、周囲の空気から吸熱することにより冷却作用を発揮する。尚、蒸発器17における冷媒の蒸発によって冷却された空気はファン27の運転により、冷却室2に循環され、冷却室2内を冷却する。
このとき、前述の如く第1の回転圧縮要素で圧縮された冷媒を熱交換器152にて冷却する効果と、ガスクーラ12から出た高圧側の冷媒を内部熱交換器45を通過させて冷却する効果により、蒸発器17にて冷媒がより低温で蒸発するようになる。これにより、冷却室2をより低温に冷却することができるようになり、冷却能力の向上を図ることができるようになる。そして、蒸発器17にて蒸発した冷媒は、その後、蒸発器17から流出して、冷媒配管38に入る。
一方、膨張弁16で減圧された冷媒の一部は、前述の如く電磁弁65が開かれているため、第2のバイパス回路42から収容室3に設置された蒸発器18に流入する。そこで冷媒は蒸発して周囲の空気から吸熱することにより冷却作用を発揮する。係る蒸発器18における冷媒の蒸発によって冷却された空気はファン28の運転により、収容室3内に循環され、収容室3を冷却する。
また、前述の如く第1の回転圧縮要素で圧縮された冷媒を熱交換器152にて冷却する効果と、ガスクーラ12から出た高圧側の冷媒を内部熱交換器45を通過させて、冷却する効果により、蒸発器18にて冷媒がより低温で蒸発するようになる。これにより、収容室3内をより低温に冷却することができるようになり、冷却能力の向上を図ることができるようになる。
そして、蒸発器18を出た冷媒は、冷媒配管38を流れる蒸発器17からの冷媒と合流し、内部熱交換器45に至る。
そこで前述の高圧側の冷媒から熱を奪い、加熱作用を受ける。ここで、各蒸発器17、18で蒸発して低温となり、各蒸発器17、18を出た冷媒は、完全に気体の状態でなく液体が混在した状態となる場合もあるが、内部熱交換器45を通過させて高圧側の高温冷媒と熱交換させることで、冷媒が過熱され、この時点で冷媒の過熱度が確保され、完全に気体となる。
これにより、各蒸発器17、18から出た冷媒を確実にガス化させることができるようになるので、低圧側にアキュムレータなどを設けることなく、コンプレッサ11に液冷媒が吸い込まれる液バックを確実に防止し、コンプレッサ11が液圧縮にて損傷を受ける不都合を回避することができるようになる。従って、加熱/冷却システム100の信頼性の向上を図ることができるようになる。
尚、内部熱交換器45で加熱された冷媒は、冷媒導入管30からコンプレッサ11の第1の回転圧縮要素に吸い込まれるサイクルを繰り返す。
このように、送風機22を運転してガスクーラ12にて冷媒を放熱させると共に、電磁弁172を閉じて、放熱器14への冷媒流通を絶つことで、収容室3内を加熱/冷却するための放熱器14と蒸発器18を当該収容室3内に設けても、支障無く収容室3の冷却を行うことができるようになる。
(2)収容室3を加熱室として使用するモード
次に、収容室3を物品を加熱するための加熱室として使用するモードについて図3を用いて説明する。図3はこのモードにおける冷媒の流れを示す冷媒回路図である。
次に、収容室3を物品を加熱するための加熱室として使用するモードについて図3を用いて説明する。図3はこのモードにおける冷媒の流れを示す冷媒回路図である。
図示しない制御装置により電磁弁170が閉じられ、電磁弁172が開かれて、第1のバイパス回路140が開放される。これにより、ガスクーラ12からの冷媒は、そのまま内部熱交換器45に流れることなく、全て冷媒吐出管36の途中部から第1のバイパス回路140に流れるようになる。
また、制御装置は電磁弁65を閉じて、第2のバイパス回路42を閉塞する。これにより、膨張弁16からの冷媒は、全て蒸発器17に流れるようになる。更に、制御装置はファン27、28の運転を開始する。このとき、ガスクーラ12の送風機22は運転しないものとする。
そして、制御装置によりコンプレッサ11の駆動要素が駆動されると、冷媒導入管30からコンプレッサ11の図示しない第1の回転圧縮要素に低圧の冷媒ガスが吸い込まれて圧縮され、中間圧となり、密閉容器11A内に吐出される。密閉容器11A内に吐出された冷媒は冷媒導入管32から一旦密閉容器11Aの外部に吐出され、中間冷却回路150に入り、熱交換器152を通過する。尚、本モードでは前述の如く送風機22を運転しないため、熱交換器152における冷媒の放熱は僅か、若しくは、殆ど起こらない。このように、送風機22を停止し、中間冷却回路150の熱交換器152における冷媒の放熱を実質的に無効とすることで、第2の回転圧縮要素に吸い込まれる冷媒温度を高温に保つことができる。従って、コンプレッサ11から吐出される冷媒の温度も高温となり、放熱器14に熱を搬送することができるようになる。これにより、放熱器14における加熱能力を確保することができるようになる。
その後、冷媒は第2の回転圧縮要素に吸い込まれて圧縮され、高温高圧の冷媒ガスとなり、冷媒吐出管34からコンプレッサ11の外部に吐出される。このとき、冷媒は適切な超臨界圧力まで圧縮されている。コンプレッサ11から吐出された冷媒ガスは、ガスクーラ12を通過する。また、前述の如く送風機22を運転しないため、ガスクーラ12において冷媒は僅か、若しくは、殆ど放熱しない。
ガスクーラ12を出た冷媒は、前述の如く電磁弁170が閉じられ、電磁弁172が開かれているため、冷媒配管36から第1のバイパス回路140に入り、収容室3に設置された放熱器14に流入する。ここで、コンプレッサ11で圧縮された高温高圧の冷媒は凝縮せず、超臨界状態で運転される。そして、係る高温高圧の冷媒ガスは放熱器14で放熱する。尚、放熱器14における冷媒の放熱によって加熱された空気はファン28の運転により、収容室3内に循環され、収容室3内を加熱する。また、本発明では冷媒として二酸化炭素を使用しているため、放熱器14において冷媒が凝縮しないので、放熱器14での熱交換能力が著しく高く、収容室3内の空気を高温にすることができる。
また、前述の如く送風機22を停止しているので、中間冷却回路150の熱交換器152及びガスクーラ12において冷媒が殆ど放熱せず、係る高温を維持した冷媒を放熱器14にて放熱させることができるようになる。このように、放熱器14に熱を搬送することができるようになるので、放熱器14における加熱能力を充分に確保することができるようになる。
更に、内部熱交換器45に至る前の冷媒を放熱器14に流すので、収容室3内の加熱を内部熱交換器45にて温度低下する以前の冷媒にて行うことができるようになる。これにより、収容室3内の加熱能力を向上させることができるようになる。
その後、冷媒は第1のバイパス回路140から電磁弁170の出口側の冷媒配管36に入り、内部熱交換器45を通過する。冷媒はそこで蒸発器17から出た低圧側の冷媒に熱を奪われて更に冷却される。そして、係る内部熱交換器45で冷却された高圧側の冷媒ガスは膨張弁16に至る。尚、膨張弁16の入口では冷媒ガスはまだ超臨界の状態である。冷媒は膨張弁16における圧力低下により、気体/液体の二相混合状態とされる。そして、膨張弁16から出た冷媒は前述の如く電磁弁65が閉じられているため、第2のバイパス回路42に流れることなく、全て冷却室2に設置された蒸発器17内に流入する。
そこで冷媒は蒸発し、周囲の空気から吸熱することにより冷却作用を発揮する。尚、蒸発器17における冷媒の蒸発によって冷却された空気はファン27の運転により、冷却室2内に循環され、冷却室2内を冷却する。そして、冷媒は蒸発器17から流出して、冷媒配管38に入り、内部熱交換器45を通過する。
そこで前述の高圧側の冷媒から熱を奪い、加熱作用を受けて、完全に気体の状態となり、冷媒導入管30からコンプレッサ11の第1の回転圧縮要素に吸い込まれるサイクルを繰り返す。
このように、電磁弁65を閉じて、蒸発器18への冷媒流通を絶ち、蒸発器17で冷媒を蒸発させることで、収容室3内を加熱/冷却するための放熱器14と蒸発器18を当該収容室3内に設けても、支障無く収容室3の加熱を行うことができるようになる。
以上詳述する如く、加熱特性の良好な二酸化炭素を冷媒として使用することで、収容室3内を冷却するときには蒸発器18で冷却し、収容室3内を加熱する際にはガスクーラ12を経た高圧側の冷媒によって収容室3内を加熱することができるようになる。これにより、電気ヒータ等の発熱体を用いることなく収容室3内を加熱することができるようになるので、電気ヒータにて加熱する場合に比して消費電力を削減することができるようになる。
特に、放熱器18にて収容室3内を加熱する場合には、送風機22を停止するようにしているので、ガスクーラ12で冷媒を放熱させずに放熱器18に熱を搬送して、収容室3内の加熱能力を向上させることができるようになる。
更に、放熱器18にて収容室3内を加熱する場合には、中間冷却回路150の熱交換器152における放熱も無効となるので、その分、放熱器18に熱を搬送することができるようになり、加熱能力をより一層向上させることができるようになる。
更にまた、各電磁弁170、172、65の開閉及び送風機22の運転を制御することで、収容室3内の加熱/冷却を自在に切り換えることができるようなる。これにより、加熱/冷却システム100の利便性の向上を図ることができるようになる。更に、本実施例の如く収容室3内を加熱/冷却するための放熱器14と蒸発器18を当該収容室3内に設けても、支障無く収容室3の加熱/冷却を行うことができるようになる。
また、本実施例の如く、ガスクーラ12と熱交換器152とを一体に形成することで、設置スペースを縮小することができる。更に、係る構成により、ガスクーラ12の送風機22を熱交換器152に兼用することが可能となるので、生産コストも低減することができるようになる。
尚、上記実施例の収容室3を物品を加熱するための加熱室として使用するモードの場合、収容室3に設置された電気ヒータ80を運転して、放熱器14の加熱に加えて電気ヒータ80による加熱を補足的に実行するものとしても構わない。この場合、冬場などの低外気温時に生じる加熱能力の不足により収容室3を充分に加熱できなくなる不都合を未然に回避することができるようになる。また、電気ヒータ80は放熱器14による加熱の補足的に行うものとするため、係る電気ヒータ80の容量を小さくすることができるので、電気ヒータのみでの加熱の場合と比べて、消費電力を低減することができるようになる。
また、本実施例では温/冷切換使用可能な収容室を1室設けるものとしたが、これに限らず、2室以上の複数の収容室と、各収容室を加熱/冷却するための放熱器と蒸発器と、これらへの冷媒流通を制御する流路制御手段とを設けて、当該流路制御手段を制御することで、各収容室を加熱/冷却を切り換えるものとしても良い。
更に、本実施例では収容室3内に熱交換器14と蒸発器18を設置するものとしたが、これに限らず、例えば、収容室外にダクトを設けて、当該ダクトに放熱器及び蒸発器を設置して、送風機により送風を切り換える等により、収容室に温風若しくは冷風を送風して、加熱/冷却を切り換えるものとしても本発明は有効である。
尚、本実施例では内部中間圧型2段圧縮式のロータリコンプレッサを使用するものとしたが、本発明に使用可能なコンプレッサはこれに限定されるものでなく、圧縮形式や段数等はどのようなものであっても構わない。
1 貯蔵室
2 冷却室
3 収容室
10 冷媒回路
11 コンプレッサ
12 ガスクーラ
14 放熱器
16 膨張弁
17、18 蒸発器
22 送風機
27、28 ファン
30、32 冷媒導入管
34 冷媒吐出管
36、37、38 冷媒配管
42 第2のバイパス回路
45 内部熱交換器
65、170、172 電磁弁
80 電気ヒータ
100 加熱/冷却システム
140 第1のバイパス回路
2 冷却室
3 収容室
10 冷媒回路
11 コンプレッサ
12 ガスクーラ
14 放熱器
16 膨張弁
17、18 蒸発器
22 送風機
27、28 ファン
30、32 冷媒導入管
34 冷媒吐出管
36、37、38 冷媒配管
42 第2のバイパス回路
45 内部熱交換器
65、170、172 電磁弁
80 電気ヒータ
100 加熱/冷却システム
140 第1のバイパス回路
Claims (4)
- 温/冷切換使用可能とされた収容室を有する加熱/冷却システムにおいて、
コンプレッサ、ガスクーラ、減圧装置及び蒸発器等から構成され、冷媒として二酸化炭素が封入されると共に、高圧側が超臨界圧力となる冷媒回路と、
前記ガスクーラから出て前記減圧装置に入る前の冷媒が流れる放熱器と、
前記ガスクーラに通風する送風機とを備え、
前記放熱器により前記収容室内を加熱し、前記蒸発器により前記収容室内を冷却すると共に、前記放熱器にて前記収容室内を加熱する場合には、前記送風機を停止することを特徴とする加熱/冷却システム。 - 前記コンプレッサは、第1及び第2の圧縮要素を有し、前記第1の圧縮要素で圧縮された冷媒を前記第2の圧縮要素で圧縮すると共に、
前記第1の圧縮要素で圧縮された冷媒を冷却した後、前記第2の圧縮要素に吸い込ませるための熱交換器を備えた中間冷却回路を備え、
前記熱交換器を前記ガスクーラに一体に設けたことを特徴とする請求項1の加熱/冷却システム。 - 前記ガスクーラから出た冷媒と前記蒸発器から出た冷媒とを熱交換させるための内部熱交換器を備え、
前記放熱器には、前記内部熱交換器に至る前の冷媒を流すことを特徴とする請求項1又は請求項2の加熱/冷却システム。 - 前記放熱器及び蒸発器への冷媒流通を制御するための流路制御手段を備え、前記放熱器に冷媒を流し、前記蒸発器への冷媒流通を断った場合に冷媒を蒸発させるための蒸発器を別途設けたことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3の加熱/冷却システム。
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WO2024046165A1 (zh) * | 2022-08-27 | 2024-03-07 | 广东美的暖通设备有限公司 | 空调装置 |
-
2004
- 2004-02-12 JP JP2004035441A patent/JP2005226912A/ja active Pending
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