JP2005226590A - 気化器の燃料圧力調整装置 - Google Patents

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    • F02M17/04Floatless carburettors having fuel inlet valve controlled by diaphragm

Abstract

【課題】 気化器の定燃料室から吸気通路に燃料蒸気が送出されることをなくし、且つ定燃料室の燃料圧力を一定に維持して吸気通路への燃料送出量を安定したものとする。
【解決手段】 エンジンのクランク室または吸気管に発生する脈動圧力を駆動力とする燃料ポンプ21の吐出室31と燃料タンク35とを逃し通路41で接続し、吐出室31の設定値以上の圧力を燃料タンク35に放出する圧力調整弁42を逃し通路41に設けた。 ポンプ吐出燃料圧力が高いとき燃料の一部を燃料ポンプ21で発生した燃料蒸気と一緒に燃料タンク35に放出し、定燃料室7に設定圧力の燃料のみを送入してその内部での燃料蒸気発生をなくすとともに吸気通路3への燃料送出量を安定させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は主に汎用エンジン向け気化器の定燃料室の燃料圧力を一定にする装置、詳しくは燃料ポンプで発生した燃料蒸気を定燃料室に送入させることや定燃料室内で燃料蒸気を発生させることがなく、所要の燃料圧力を安定して維持させることができる燃料圧力調整装置に関する。
汎用エンジン、殊に小排気量の汎用エンジンに燃料を供給する気化器の多くは膜式気化器が用いられており、またその定燃料室に燃料を送入する燃料ポンプはエンジン運転に伴ってクランク室や吸気管に発生する脈動圧力によってポンプダイヤフラムを往復変位させることにより燃料タンクの燃料を吸込んで加圧し定燃料室に向かって吐出する脈動式ダイヤフラム燃料ポンプが一般的に用いられている。
前記の燃料ポンプは本発明の実施の形態を示す図1を参照して、ポンプダイヤフラム22によって区画されたパルス室29およびポンプ室28と、入口逆止弁26および出口逆止弁27と、吐出室31を具えており、燃料タンク35の燃料は吸引通路36を通って入口逆止弁26からポンプ室28に吸込まれ、加圧されて出口逆止弁27から吐出室31、送入通路18、入口弁10を通って気化器1の定燃料室7に送入される。 吐出室31は出口逆止弁27の直後に設けられ、ストレーナ32の設置空間を確保するためおよびポンプ吐出燃料の圧力を平滑化するためにかなり大容積とされており、出口逆止弁27を通過した燃料はこの吐出室31に入り、そして送入通路18を通って定燃料室7に流れる。
パルス室29に導入されるクランク室または吸気管の脈動圧力が負圧となったときポンプ室28の容積が増大して燃料を吸込むが、このとき燃料は入口逆止弁26を通過したとき負圧となり、脈動圧力が正圧となったときポンプ室28の容積が縮小して吸込んだ燃料を加圧し出口逆止弁27を開いて吐出室31に吐出する。 ここで、クランク室の脈動圧力をパルス室29に導入するものにおいてはエンジンが高出力運転側に移行するに伴い、また吸気管の脈動圧力をパルス室29に導入するものにおいてはエンジンが無負荷運転側に移行するに伴い、いずれも燃料吐出圧力が高くなる。 即ち、燃料吐出圧力が高くなるエンジン運転域でポンプ室28内での燃料圧力変化が大きく、この高い圧力の燃料が吐出室31に入ると圧力を低下して燃料蒸気を発生しやすい状況となる。 殊に、燃料ポンプやその周辺がエンジン熱などで高温となると、ポンプ室28の内部でも燃料蒸気を発生しやすくなり、発生した場合は、これが燃料と一緒に吐出室31に吐出されるようになる。
発生した燃料蒸気が送入通路18を通って定燃料室7に入り、主ノズル13などから吸気通路3に送出されると、混合気過薄によるエンジンの回転速度低下や停止を招くこととなる。 その対策として、吸気管の脈動圧力を燃料ポンプの駆動力とするものについて、気化器吸気通路の絞り弁上流側部分を燃料ポンプのパルス室に接続して無負荷乃至低負荷運転域でのパルス室内の高負圧化を抑制し、燃料吐出圧力の過剰な上昇をなくすことが特開平9−158806号公報に提示されている。 また、同じく吸気管の脈動圧力を燃料ポンプの駆動力とするものについて、吸気管の脈動圧力を駆動力とするパージポンプを設けて気化器の定燃料室高所部分に溜る燃料蒸気を排出させることが特開2000−297702号公報に提示されている。
しかしながら、前記の各提案はいずれも吸気管の脈動圧力を燃料ポンプの駆動力とするものについての対策であって、殊に前者はクランク室の脈動圧力を燃料ポンプの駆動力とするものに適用することができない。 一方、後者はクランク室の脈動圧力を燃料ポンプの駆動力とするものに適用することができるが、発生した燃料蒸気を定燃料室の高所から排出するものであるため、燃料蒸気が燃料ノズルから吸気通路に送出されて混合気を過薄化する心配を完全に払拭することができないばかりか、定燃料室内の燃料圧力を不安定にする心配がある。
特開平9−158806号公報 特開2000−297702号公報
本発明は燃料ポンプがクランク室および吸気管のいずれの脈動圧力を駆動力とするものに対しても、前記従来の対策では燃料蒸気が吸気通路に送出されることを確実に防止することが不可能またはきわめて困難である、という問題を解決するためになされたものであって、燃料ポンプで発生した燃料蒸気を定燃料室に送入させないとともに、定燃料室内で燃料蒸気を発生させることがなく、従って燃料蒸気を吸気通路に送出する心配がなく、且つ定燃料室内の燃料圧力が一定に維持されてエンジンに燃料を安定して供給することができる気化器の燃料圧力調整装置を提供することを目的とする。
本発明はエンジンのクランク室または吸気管に発生する脈動圧力を駆動力とする燃料ポンプの吐出室と燃料タンクとを逃し通路によって接続し、吐出室の設定値以上の圧力を燃料タンクに放出する圧力調整弁を逃し通路に設けたものとしたことをもって前記課題を解決するための手段とした。
燃料ポンプの燃料吐出圧力が高くなるエンジン運転領域で吐出室の燃料圧力が設定値以上となったとき、圧力調整弁が開弁して吐出室の燃料の一部を燃料タンクに放出し、その際に燃料ポンプで発生した燃料蒸気が燃料と一緒に燃料タンクに放出される。このことにより、燃料ポンプで発生した燃料蒸気が気化器の定燃料室に送入されることがなくなる。 また、圧力調整弁の設定値を低い値に設定することにより、定燃料室内の燃料圧力を必要最低限の圧力とすることができる。このことにより、定燃料室内で燃料蒸気が発生する心配がなくなるとともに、定燃料室の燃料圧力が一定に維持されることとなる。
本発明によると、燃料蒸気が吸気通路に送出されてエンジンの回転速度低下や停止を招くという心配がなくなり、また定燃料室内の燃料圧力が一定に維持されてエンジンへの燃料供給を安定よく行ない、これらによりエンジン運転を良好なものとすることができる。
脈動式ダイヤフラム燃料ポンプを膜式気化器に組付けたものに本発明を適用した実施の形態を図1を参照して説明すると、気化器1の本体2はベンチェリ4、絞り弁5を設けた横向きの吸気通路3を有しており、この本体2の下面にダイヤフラム6によって下方のダイヤフラムカバー8内の大気室9と区画された定燃料室7が設置されている。 定燃料室7にはダイヤフラム6の変位に応じて開閉動作する入口弁10を通って燃料ポンプ21から送られる燃料が送入され、この燃料は主燃料通路11を通り燃料調整針弁12で流量規制されて主ノズル13より吸気通路3のベンチェリ4部分に送出され、または低速燃料通路14を通り燃料調整針弁15で流量規制されてアイドルポート16、スローポート17より吸気通路3の絞り弁5部分に送出される。
本体2の上面にはポンプダイヤフラム22、スペーサ23、パルセータダイヤフラム24、ポンプカバー25が順に重ねて配置されており、ポンプダイヤフラム22に入口逆止弁26、出口逆止弁27が形成されている。 また、ポンプダイヤフラム22を挟んで本体2側にポンプ室28、スペーサ23およびポンプカバー25側にパルス室29が形成され、パルセータダイヤフラム24のスペーサ23側に吸込室30、スペーサ23および本体2側にストレーナ32を設置した吐出室31が形成され、更にパルセータダイヤフラム24を挟んで吐出室31と向かい合った空気室33がポンプカバー25に形成されており、前述の各部分が燃料ポンプ21を構成している。
パルス室25にはエンジンのクランク室または吸気管に発生する脈動圧力がパルス通路34を通って導入される。 また、燃料タンク35の燃料は吸引通路36を通り入口逆止弁26、吸込室30を経てポンプ室28に吸込まれ、加圧されて出口逆止弁27から吐出室31に入り、送入通路18から入口弁10を経て定燃料室7に送入される。以上の燃料ポンプ21を組付けた膜式気化器1の構成、およびこれらの前述の作用は従来から広く知られているものと同じである。
次に、吐出室31と燃料タンク35とは逃し通路41によって接続されており、この逃し通路41に圧力調整弁42が設けられている。 圧力調整弁42は入口44、弁室45、出口46を有する弁本体43と、弁室45に装入した弁体47および閉止ばね48と、弁本体43に螺装した調節ねじ49とを具えており、弁本体43を本体2に固定して入口44を吐出室31に開口させているとともに、出口46を逃し通路41に接続している。
閉止ばね48は弁体47に入口44を閉止する方向の力を付与しており、予め所定荷重のものを選定し調節不要としてもよいが、本実施の形態では気化器1をエンジンに実装した後に最適の閉止力を弁体47に付与できるように調節ねじ49によって閉止ばね48のばね荷重を微調整可能としている。
吐出室18の燃料圧力による圧力調整弁42の開弁力が閉止ばね48によって設定された閉弁力よりも大きくなったとき、圧力調整弁42が開弁して吐出室18の燃料を逃し通路41を経て燃料タンク35に放出し、吐出室18の燃料圧力が圧力調整弁42の設定値に低下したとき閉弁する。燃料ポンプ21に燃料蒸気が発生したとき、この燃料蒸気は燃料と一緒に燃料タンク35に放出され、これらにより燃料ポンプ21から吐出された燃料が燃料蒸気を除去し且つ一定圧力に減圧されて燃料室7に送入されることとなる。ここで、圧力調整弁42の設定圧力以上の燃料が余剰燃料として燃料タンク35に放出され、比較的温度の低い燃料が燃料ポンプ21に絶えず送られるので、燃料蒸気の発生が更に抑止される。
また、定燃料室7には圧力調整弁42で設定した圧力、またはエンジンの運転状態によってはそれよりも低い圧力の燃料が送入されるので、定燃料室7の内部で燃料蒸気を発生させる心配がないとともに、燃料圧力の変化が小さくなって吸気通路3への燃料送出量の狂いを最小限とすることができる。 本実施の形態においては、調節ばね48のばね荷重を小さいものとして圧力調整弁42の設定値を低い値とすることにより、定燃料室7内の燃料圧力を吸気通路3に送出するために必要な最低限の一定圧力に維持して吸気通路3への燃料送出量を安定したものとすることが可能である。
このように、定燃料室7の燃料圧力を一定の低い圧力に維持することは、容積が小さく燃料が常にほぼ充満している膜式気化器の定燃料室7の場合に、吸気通路3への燃料送出量を安定させるうえで特に有効である。
本発明の実施の形態を示す縦断面図。
符号の説明
1 気化器、 7 定燃料室、 18 送入通路、 21 燃料ポンプ、 27 出口逆止弁、 28 ポンプ室、 29 パルス室、 31 吐出室、 35 燃料タンク、 41 逃し通路、 42 圧力調整弁

Claims (2)

  1. エンジンのクランク室または吸気管に発生する脈動圧力を駆動力とする燃料ポンプの吐出室と燃料タンクとを逃し通路によって接続し、前記吐出室の設定値以上の圧力を前記燃料タンクに放出する圧力調整弁を前記逃し通路に設けたことを特徴とする気化器の燃料圧力調整装置。
  2. 気化器が膜式気化器であり、その定燃料室に前記圧力調整弁で設定した圧力の燃料が送入される請求項1に記載した気化器の燃料圧力調整装置。
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