JP2005226252A - 合成床版及び合成床版の構築方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 第1のPC鋼線が内包されている帯状凸部9と、これに直交し前記シース管を内包した直交方向凸部11を表面上に有する複数のプレキャストモジュール7を帯状凸部9が平行となるよう隣り合わせて構造物のコーナー部に架け渡してハーフプレキャスト床版4を構築する。ハーフプレキャスト床版4に内包された一連のシース管に、第2のPC鋼線5を挿通してポストテンション方式によりハーフプレキャスト床版4の他方向yにプレストレスを導入する。ハーフプレキャスト床版4の表面に現場打ちコンクリート6を打設し、合成床版3を構築する。
【選択図】 図4
Description
また、プレキャスト版を扇型に成形したコーナー部用のプレキャストスラブも開発されているが、荷重が一点に集中するため、その部分に大きなキャピタル受けが必要になる等の課題が生じている。
また、請求項2に記載の合成床版によれば、前記プレキャストモジュールは版状のプレキャストモジュール本体の表面に、第1のPC鋼線を内包した一方向に延在する凸状の帯状凸部とともに、これと直交する方向に延在する直交方向溝の両者を備え、該直交方向溝に第2のPC鋼線を配置する。
また、簡略な方法で容易に合成床版に対して直交する2方向にプレストレスを導入することができるから、梁が直交する方向に位置するような構造物のコーナー部に対しても、経済的でかつ効率よく直交する2方向にプレストレスを導入した大型の合成床版を構築することが可能となる。
図1(a)に示すように、構造物1のコーナー部には、表面に現場打ちコンクリート6を打設することで合成床版3を構成するハーフプレキャスト床版4が設置されている。該ハーフプレキャスト床版4は、一方向にプレストレスを導入された複数のプレキャストモジュール7を平行に隣り合わせて配置することにより構成されている。
なお、プレキャストモジュール本体8には、図2(b)に示すように、第1のPC鋼線10のみでなく、複数の下端筋16が所定の離間間隔をもって、第1のPC鋼線10が延在する方向と同一の一方向x、及びこれと直交する他方向yの両方向に直交して配設されている。
このような構成によりハーフプレキャスト床版4は、一方向xに前記第1のPC鋼線10が延在し、これと直交する他方向yにはプレキャストモジュール7各々に備えられたシース管12が連続して一連となって延在した構成を有することとなり、一連となった該シース管12は、所定の離間間隔をもって平行に複数列形成されている。
なお、ハーフプレキャスト床版4に対してポストテンション方式によりプレストレスを導入している第2のPC鋼線5は、図2(c)に示すように、緊張した状態で前記シース管12の内方にグラウト13を充填され埋設されている。
なお、図1(b)に示すように前記梁2には、梁2のたわみを抑制し長大スパンであっても居室空間に無柱空間を形成できるよう、その延在方向に第3のPC鋼線17を介してプレストレスを導入している。
また、構造物1の角部近傍で直交する2体の梁2を断面形状が扁平となるように成形するとともに、上向きの力を付与するよう延在方向にプレストレスを導入し、構造物1のコーナー部を形成しておく。しかし、梁2は、必ずしもこれにこだわるものではなく、例えば、後に述べる第3の工程で、前記ハーフプレキャスト床版4の表面に現場打ちコンクリート6を打設する際に同時にコンクリートを打設して、現場にて構築する方法としても良い。
図4(a)に示すように、前記第1のPC鋼線10により一方向xにプレストレスが導入されている複数の前記プレキャストモジュール7を前記帯状凸部9が平行となるよう隣り合わせて前記構造物1のコーナー部に架け渡し、ハーフプレキャスト床版4を構築する。
このとき、プレキャストモジュール7は、帯状凸部9が直交する前記梁2の何れか一方に平行となるよう配置する。
前記ハーフプレキャスト床版4に内包され、一方向xと直交する他方向yに延在する一連の前記シース管12に、図4(b)に示すように、第2のPC鋼線5を挿通してハーフプレキャスト床版4の他方向yにプレストレスを導入する。
このとき、前記第2のPC鋼線5は、ハーフプレキャスト床版4に対してポストテンション方式によりプレストレスを導入するものであり、第2のPC鋼線5を一連の前記シース管12に挿通した後、緊張させた状態で図示しない固定治具を介して両端を仮固定し、図2(c)に示すように、シース管12の内方にグラウト13を充填して第2のPC鋼線5を固定する。
図4(c)に示すように、前記ハーフプレキャスト床版4の表面に現場打ちコンクリート6を打設し、合成床版3構築する。
このとき、ハーフプレキャスト床版4の表面には、帯状凸部9に挟まれた領域に硬質発泡材18を配置するとともに、図2(b)(c)に示すように、前記上端筋15を配設しておく。なお、硬質発泡材18は、構築後の合成床版3の重量を軽量化し、また遮音性能を付与することを目的に用いるものであり、必ずしも用いる必要はない。
第2の実施の形態では、合成床版3に2方向のプレストレスを付与するにあたり、第1の実施の形態と異なる構成及び方法により他方向yにポストテンション方式でプレストレスを導入することのできるプレキャストモジュール7及びハーフプレキャスト床版4を示すとともに、これを用いた合成床版3及びその構築方法を詳述する。
図5(a)に示すように、構造物1のコーナー部には、表面に現場打ちコンクリート6を打設することで合成床版3を構成するハーフプレキャスト床版4が設置されている。該ハーフプレキャスト床版4は、第1の実施の形態と同様で、一方向にプレストレスを導入された複数のプレキャストモジュール7を平行に隣り合わせて配置することにより構成されており、該プレキャストモジュール7は、前記プレキャストモジュール本体8と第1のPC鋼線10を備えている。
該直交方向溝14は、帯状凸部9を直交する方向に切り欠くことにより形成されており、所定の離間間隔をもって平行となるよう複数備えられている。
このような構成によりハーフプレキャスト床版4は、一方向xに前記第1のPC鋼線10が延在し、これと直交する他方向yには前記直交方向溝14が連続して一連となって延在した構成を有することとなり、一連となった直交方向溝14は、所定の離間間隔をもって平行に複数列形成されている。
なお、該合成床版3は、第1の実施の形態と同様で、図6(b)(c)に示すように、ハーフプレキャスト床版4の表面に上端筋16が、一方向x及びこれと直交する他方向yの両方向に配設されるものである。
また、構造物1の角部近傍で直交する2体の梁2を扁平でかつ延在方向にプレストレスを導入し構造物1のコーナー部を形成しておく工程、及び第1の工程は、第1の実施の形態と同様であるため省略し、第2の工程より詳述する。
図8(a)に示すように、複数のプレキャストモジュール7を帯状凸部9が平行となるよう隣り合わせて配置することにより構築した前記ハーフプレキャスト床版4の表面で、一方向xと直交する他方向yに延在する一連の前記前記直交方向溝14に、図8(b)に示すように、第2のPC鋼線5を配置した後、図8(c)に示すように、これらを埋設するように現場打ちコンクリート6を打設する。
また、ハーフプレキャスト床版4の表面には、帯状凸部9に挟まれた領域に硬質発泡材18を配置するとともに、図6(b)(c)に示すように前記上端筋15を配設しておく。なお、硬質発泡材18は、構築後の合成床版3の重量を軽量化し、また遮音性能を付与することを目的に用いるものであり、必ずしも用いる必要はない。
前記ハーフプレキャスト床版4の表面に打設した現場打ちコンクリート6が硬化した後、前記第2のPC鋼線5を緊張した上で両端部を図示しない固定具で固定してプレストレスを導入し、合成床版3構築する。
また、第2の実施の形態では、前記プレキャストモジュール7は版状のプレキャストモジュール本体8の表面に、第1のPC鋼線10を内包した一方向に延在する凸状の帯状凸部9と、これと直交する方向に延在する直交方向溝14の両者を備え、該直交方向溝14に第2のPC鋼線5を配置する。
また、簡略な方法で容易に合成床版3に対して直交する2方向にプレストレスを導入することができるから、梁2が直交する方向に位置するような構造物1のコーナー部に対しても、経済的でかつ効率よく直交する2方向にプレストレスを導入した大型の合成床版3を構築することが可能となる。
2 梁
3 合成床版
4 ハーフプレキャスト床版
5 第2のPC鋼線
6 現場打ちコンクリート
7 プレキャストモジュール
8 プレキャストモジュール本体
9 帯状凸部
10 第1のPC鋼線
11 直交行方向凸部
12 シース管
13 グラウト
14 直交方向溝
15 上端筋
16 下端筋
17 第3のPC鋼線
18 硬質発泡材
Claims (5)
- 一方向に延在する帯状凸部を所定の離間間隔をもって平行となるよう表面上に複数備える版状のプレキャストモジュール本体、及び前記帯状凸部内に加えてこれと鉛直下方向に同軸な位置の前記プレキャストモジュール本体内の両者各々に延在しプレテンション方式によるプレストレスを導入する第1のPC鋼線とを備えるプレキャストモジュールを、前記帯状凸部が平行となるよう隣り合わせて配置したハーフプレキャスト床版と、
該ハーフプレキャスト床版に前記第1のPC鋼線と直交して配置する第2のPC鋼線と、
前記ハーフプレキャスト床版の表面に打設する現場打ちコンクリートを備えてなり、
前記プレキャストモジュールの表面には、前記帯状凸部と直交する方向に延在するシース管を内包するの直交方向凸部が所定の離間間隔をもって平行に複数形成され、
前記第2のPC鋼線が、前記帯状凸部と直交する方向に連続する複数の前記シース管に挿通されて、ポストテンション方式によるプレストレスを導入することを特徴とする合成床版。 - 請求項1に記載の合成床版において、
前記プレキャストモジュールには、前記シース管を内包した直交方向凸部に代わり、前記帯状凸部を直交する方向に切り欠いて形成した直交方向溝が延在しており、
前記第2のPC鋼線が、前記帯状凸部と直交する方向に連続する複数の前記直交方向溝に配置されるとともに、前記現場打ちコンクリートに埋設されてポストテンション方式によるプレストレスを導入することを特徴とする合成床版。 - 請求項1または2に記載の合成床版において、
前記ハーフプレキャスト床版の表面で隣り合う前記帯状凸部に挟まれた領域に、硬質発泡材が配置されることを特徴とする合成床版。 - 請求項1に記載の合成床版の構築方法であって、
帯状凸部とこれに直交しシース管を内包した直交方向凸部を表面上に有する複数のプレキャストモジュールを前記帯状凸部が平行となるよう隣り合わせて構造物を構成する梁に架け渡し、ハーフプレキャスト床版を構築する第1の工程と、
第2のPC鋼線を前記帯状凸部と直交する方向に連続する一連の前記シース管に挿通し、これを緊張してプレストレスを導入する第2の工程と、
前記ハーフプレキャスト床版の表面に現場打ちコンクリートを打設する第3の工程により構成されることを特徴とする合成床版の構築方法。 - 請求項2に記載の合成床版の構築方法であって、
帯状凸部とこれに直交する直交方向溝を表面上に有する複数のプレキャストモジュールを前記帯状凸部が平行となるよう隣り合わせて構造物を構成する梁に架け渡し、ハーフプレキャスト床版を構築するする第1の工程と、
第2のPC鋼線を前記帯状凸部と直交する方向に連続する一連の前記直交方向溝に配置し、これを埋設するように前記ハーフプレキャスト床版の表面に現場打ちコンクリートを打設する第2の工程と、
前記現場打ちコンクリートの硬化後、前記第2のPC鋼線を緊張してプレストレスを導入する第3の工程より構成されることを特徴とする合成床版の構築方法。
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