JP2005226021A - マンノース受容体親和性化合物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 安定性の高い化合物からなり、かつ、生体に害が少なくしかもセンチネルリンパ節を有効に検出し得る造影剤やラジオアイソトープトレーサー及び治療剤を提供する。
【解決手段】 複数のアミノ基を有する化合物を母核とし、金属原子と錯体を形成し得る1以上のリガンド及び1以上のマンノース受容体親和性基が該母核に結合していることを特徴とするマンノース受容体親和性化合物が提供される。母核は、グルコサミン、マンノサミン、ガラクトサミン等のアミノ糖重合体またはアルブミン等のアミノ基含有タンパクなどが好ましい。マンノース受容体親和性基は、グルコース、グルコサミン、N−アセチルグルコサミン、2−デオキシグルコース、マンノース、マンノサミン、N−アセチルマンノサミン、マンノース−6−リン酸、ガラクトース、N−アセチルガラクトサミン、ラクトース、フコース、又はこれらの誘導体が好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】 複数のアミノ基を有する化合物を母核とし、金属原子と錯体を形成し得る1以上のリガンド及び1以上のマンノース受容体親和性基が該母核に結合していることを特徴とするマンノース受容体親和性化合物が提供される。母核は、グルコサミン、マンノサミン、ガラクトサミン等のアミノ糖重合体またはアルブミン等のアミノ基含有タンパクなどが好ましい。マンノース受容体親和性基は、グルコース、グルコサミン、N−アセチルグルコサミン、2−デオキシグルコース、マンノース、マンノサミン、N−アセチルマンノサミン、マンノース−6−リン酸、ガラクトース、N−アセチルガラクトサミン、ラクトース、フコース、又はこれらの誘導体が好ましい。
【選択図】 なし
Description
本発明は、腫瘍の原発巣からリンパ管に流入した腫瘍細胞が最初に到達するリンパ節であるセンチネルリンパ節を検出するために好適な化合物およびその用途に関する。
早期癌の発見率が向上し、切除手術が頻繁に行われている。一般に、早期癌の手術においては、根治を目的とし、病変部位に加え、病変部位の周囲に存在する転移が疑われる複数個のリンパ節を切除することが多い。また、手術後に切除したリンパ節の病理検査を行い、リンパ節への転移の有無を確認し、手術後の治療方針などを決定している。
手術においては、リンパ節の転移の有無が不明のため、複数個のリンパ節を切除することがあり、患者負担が大きく、また、例えば早期乳がんの場合、乳房および所属リンパ節の全摘出が常識的に行われてきた。実際、リンパ節への転移率は約20%であり、転移していない80%の無用なリンパ節を切除された患者は、切除したリンパ節の影響で、リンパ流のうっ滞による術後の前腕のむくみや違和感など患者のQOLの低下が問題視されている。患者のQOLの改善および癌切除による根治療法を共に達成する観点から、癌患部からリンパ流が最初に流入しているリンパ節、すなわちセンチネルリンパ節を同定し、癌細胞の微小転移を術中迅速病理診断することにより、腋窩リンパ節の郭清範囲を決定する方法が注目されている。
癌が転移する場合、ランダムに転移が生じることは少なく、病変部からリンパ管を経てリンパ節に転移することが解明されている。癌の原発巣からリンパ管に流入した癌細胞が最初に到達するリンパ節をセンチネルリンパ節といい、癌がリンパ節に転移している場合には、必ずセンチネルリンパ節に転移があると考えられる。従って、悪性疾患の診断の際にはリンパ節の検査が重要である。
従来のセンチネルリンパ節の検出法は、生検し細胞検査を行う方法、色素法、および画像診断法が知られている。リンパ節の生検は、侵襲性が高く、深在性のリンパ節は、ほとんどの場合手術を必要とすることから容易に行うことができない。色素法は、癌手術直前にインディゴブルーやパテントブルー等の青色色素を癌周囲および腫瘍内に経皮的または内視鏡を使用して局所注入し、目視により検出する方法である。この方法では、注入された該色素は注入部位からリンパ管に移行し数分以内でセンチネルリンパ節に達する。この場合、リンパ節の視認性は非常に高いが、色素剤が低分子量であることから、センチネルリンパ節から注入した色素が容易に流出するため、センチネルリンパ節のみを同定することは困難である。また、リンパ節は脂肪等の生体組織に覆われていることが多く、生体組織の剥離を行いながらセンチネルリンパ節を探す必要がある。そのため検出に時間がかかる場合が多く、その間にも色素がセンチネルリンパ節の下流のリンパ節まで達してしまい、センチネルリンパ節の検出が困難になることが多い。
画像診断法としては、主にX線断層撮像法(X線CT)及び核磁気共鳴断層撮像法(MRI)が用いられてきた。しかし、造影剤を用いない撮像においては、微小なリンパ節は確認することが難しく、また、造影剤を用いた造影画像でさえも、リンパ節への腫瘍転移の有無の診断は、リンパ節の大きさによる判断でしか行えない。近年、MRI造影剤として、常磁性金属酸化物のコアを被覆物で覆ったコロイド粒子が開示されているが、かかる粒子は特定粒子径(分子サイズ)に着目したもので、癌細胞などの病変に特異的に集積するものではない(例えば、特許文献1参照)。
また近年、ラジオアイソトープをトレーサーとして使用したRI法が考え出され、実用化されつつある。RI法ではラジオアイソトープを癌の周囲に経皮的または内視鏡を使用して局所注入する。注入されたRIは注入部位からリンパ管に移行し、一定時間センチネルリンパ節に留まる。RIの注入数時間後にリンフォシンチグラフィーを行い大まかな位置をマーキングすると共に、癌の切除の際にガンマプローブを用いて切開位置周辺のリンパ節から放射されるガンマ線を検出し、放出しているガンマ線量の最も多いリンパ節をセンチネルリンパ節として検出できる。
この目的で現在実用化されつつあるRI製剤としては、99mTc-スズコロイド、99mTc-ヒト血清アルブミンや99mTc-フチン酸がある。これらのRI製剤は、色素と比較してセンチネルリンパ節からの流出は低いが、凝集体粒子であるため徐々に崩壊していき、トレーサーが下流のリンパ節に達してしまうという問題点を有している。また、99mTc-スズコロイドにおいては、例えば乳癌のセンチネルリンパ節検出には100 nm前後の粒子径の製剤が適していると考えられており、乳癌のセンチネルリンパ節の検出能を向上させるためには、コロイド粒子の大きさを厳密にコントロールする必要がある。
しかし、従来用いられてきたコロイド粒子では、そのような均一な粒子を調製することが困難であった。
大きさをコントロールされた化合物として、Veraらは、デキストランを骨格にもつ99mTc DTPA−マンノース−デキストランを合成し、センチネルリンパ節イメージングの可能性を示している(例えば、特許文献2参照。)。しかしこの化合物では、デキストラン母核とDTPAあるいはマンノースの間に、-O-CH2-CH2-CH2-S-CH2-CH2-NH-というリンカーを用いる必要があるため、化合物の合成が煩雑であり、化学的な安定性も低いという問題点を有している。
大きさをコントロールされた化合物として、Veraらは、デキストランを骨格にもつ99mTc DTPA−マンノース−デキストランを合成し、センチネルリンパ節イメージングの可能性を示している(例えば、特許文献2参照。)。しかしこの化合物では、デキストラン母核とDTPAあるいはマンノースの間に、-O-CH2-CH2-CH2-S-CH2-CH2-NH-というリンカーを用いる必要があるため、化合物の合成が煩雑であり、化学的な安定性も低いという問題点を有している。
また、内部放射線療法に用いる錯体としては、生体分子であるキトサンと放射性核種を混和し、キトサンに該放射性核種を配位させたものが開示されている(例えば、特許文献3、特許文献4参照。)。しかし、この技術では、金属が直接キトサンに配位する構造を有しているため生体安定性が低いという問題点がある。また、この化合物は治療を主たる目的としたものであり、病変巣内に直接注入することによって使用されるので、例えば腫瘍周囲への投与や静脈内投与を行うことによってセンチネルリンパ節を検出するという目的には不向きである。
このように、種々の造影剤やリンパ節集合性の粒子が開発されているが、それらは非特異的集積であり粒子の大きさのみに依存した製剤である。そのため、リンパ節への集積が低く良好なイメージングが行われない等の問題点を有している。また、粒子の安定性が悪く自己凝集や粒子の崩壊を起こす場合があり、その結果リンパ節への集積が低くなり、又は、リンパ節からの流出が起こる等の問題もある。従って、センチネルリンパ節を有効に検出するには、リンパ節に特異的に取り込まれる製剤が望まれるが、高い化合物の安定性を有し、かつ、生体に無害でしかも特異的に取り込まれる造影剤やラジオアイソトープトレーサーは今までに開発されていない。
特開平10-120597号公報
特表2002-544243号公報
特開平8-311105号公報
特開平8-245426号公報
本発明は、上記の問題点を克服すべく、安定性の高い化合物からなり、かつ、生体に害が少なくしかもセンチネルリンパ節を有効に検出し得る造影剤やラジオアイソトープトレーサー及び治療剤を提供するものである。
本発明者は、母核として所望の分子サイズに調整可能な化合物を採用し、この母核に、腫瘍親和性を有する基および金属原子と錯体を形成し得るリガンドの両者を結合させた誘導体を用いることにより、上記問題点を克服し、リンパ節を良好に検出しうることを見出し、本発明を完成した。
本発明に係る化合物は、複数のアミノ基を有する化合物を母核とし、金属原子と錯体を形成し得る1以上のリガンド及び1以上のマンノース受容体親和性基が該母核に結合していることを特徴とするマンノース受容体親和性化合物である。本発明に係る化合物は、分子中にアミノ基を有する化合物を母核として有するので、リンカーを介さずに該アミノ基等の母核の反応性官能基を介した化学的結合又は物理的結合によりリガンド及びマンノース受容体親和性基を母核に直接結合させることができる。また、母核としてアミノ糖重合体を採用してその重合度等を調整したり、適当な分子量のアミノ基含有タンパクを採用することなどにより、任意の大きさの化合物を設計することが可能である。
母核となる化合物としては、例えば、アミノ糖重合体またはアミノ基含有タンパクを用いることができる。アミノ糖重合体としては特に限定されないが、グルコサミン、マンノサミンおよびガラクトサミンからなる群より選ばれたものを構成単糖として有するものが挙げられ、好ましいものとしてキトサンが挙げられる。アミノ基含有タンパクとしては、アミノ基を含んでいる限り特に限定はされないが、アルブミンが好ましく、ヒト血清アルブミンがより好ましい。
また、アミノ糖重合体は、構成単糖がα結合又はβ結合を介して重合しているものであってもよい。さらに、アミノ糖重合体は、構成単糖が1−3、1−4又は1−6結合を介して重合しているものであってもよい。
該アミノ糖重合体の重合度については特に制限は受けないが、リンパ節からの流出をより効果的に防ぎ、かつリンパ節への流入が可能である大きさであることが好ましく、好ましい重合度は26から500であり、より好ましい重合度は50から150である。また、該アミノ糖重合体は、一部がN-アセチル化されていても良い。
該アミノ糖重合体の重合度については特に制限は受けないが、リンパ節からの流出をより効果的に防ぎ、かつリンパ節への流入が可能である大きさであることが好ましく、好ましい重合度は26から500であり、より好ましい重合度は50から150である。また、該アミノ糖重合体は、一部がN-アセチル化されていても良い。
マンノース受容体親和性基としては、母核と結合可能なものであれば特に限定されず、例えば、1種以上の単糖を用いることができる。好ましい単糖としては、グルコース、グルコサミン、N-アセチルグルコサミン、2-デオキシグルコース、マンノース、マンノサミン、N-アセチルマンノサミン、マンノース-6-リン酸、ガラクトース、N-アセチルガラクトサミン、ラクトース及びフコース並びにこれらの誘導体からなる群より選ばれたものが挙げられ、、より好ましい単糖としては、グルコース、N-アセチルグルコサミン、2-デオキシグルコース、マンノース、N-アセチルマンノサミン、マンノース-6-リン酸、ガラクトース、N-アセチルガラクトサミン、ラクトース及びフコースからなる群より選ばれたものが挙げられ、特に好ましい単糖はマンノースである。これらの単糖は、例えば、単糖の官能基と母核のアミノ基とを反応させたり、母核のアミノ基に対して反応性の置換基を備えた誘導体を用いて、該置換基と母核のアミノ基と置換反応させることにより、該アミノ基を介して母核に化学的に結合できる。
金属原子と錯体を形成し得るリガンドとしては、母核と結合可能で且つ目的に応じた金属原子と錯体を形成し得るものであれば特に限定されないが、例えば、エチレンジアミン4酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン5酢酸(DTPA)、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン(cyclam)、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−1,4,8,11−テトラ酢酸(TETA)、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N´,N´´,N´´´−テトラ酢酸(DOTA)、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−α,α´,α´´,α´´´−テトラメチル酢酸(DOTMA)、メルカプトアセチルグリシルグリシルグリシン(MAG3)、エチレンシステインダイマー(ECD)、ヒドラジノニコチニル(HYNIC)、リジン−チロシン−システイン(KYC)、システイン-グリシン-システイン(CGC)、N,N´−ビス(メルカプトアセタミド)エチレンジアミン(DADS)、N,N´−ビス(メルカプトアセタミド)−2,3ジアミノプロパン酸(CO2DADS)、N,N´−ビス(2−メルカプトエチル)エチレンジアミン(BATs)、チオセミカルバゾン、PnAO及びその他のアミンオキシムリガンド並びにこれらの誘導体からなる群から選ばれるものが挙げられ、好ましくはDTPAである。これらの化合物は、母核のアミノ基に対して反応性の官能基を備えているので、該アミノ基を介して母核に化学的に結合できる。
本発明に係る化合物の例としては、重合度2から500のアミノ糖重合体のアミノ基の全部又は一部に、金属原子と錯体を形成し得るリガンド又はマンノース受容体親和性基が結合した化合物を挙げることができる。この場合、母核に結合しているリガンド及びマンノース受容体親和性基の数は、母核の重合度にもよるが、それぞれ1から300の範囲であること(ただし、該アミノ糖重合体に結合している該リガンドとマンノースの合計が、該アミノ糖の重合度を超えてはならない)が望ましい。より具体的には、例えば、母核であるキトサン一分子中に、DTPAが5から20個結合し、マンノースが10から25個結合している化合物や、母核であるキトサンにDTPAが5から15個結合し、マンノースが30から40個、より好ましくは15から20個結合している化合物を挙げることができる。
また、金属原子と錯体を形成し得るリガンド及びマンノース受容体親和性基に加え、色素が母核に結合したものとしても良い。色素には、蛍光色素が含まれ、例えば、アミノメチルクマリン、フルオレセイン、テトラメチルロダミン、アントラニロイル、N−メチルアントラニロイル、ニトロベンゾクサジオール、ジメチルアミノフタレン、ブリリアント・ブルーFCF、インディゴ・カルミン、アクリジニウム−I (10−メチル−9−{4−[2−(サクシニミジロキシカルボニル)エチル]フェニルオキシカルボニル}アクリジニウムフルオロサルフォネート)、NIR−1(N、N、N´−トリエチル−N´−[5−(N−サクシニミジルオキシカルボニル)ペンティル]−9−シアノピロニンクロライド、4−(1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドール−2−イル)ベンゼンサルフォニルクロライド、N−サクシニミジル4−ニトロフェニルアセテート及びこれらの誘導体からなる群より選ばれたものが挙げられる。これらの化合物は、母核のアミノ基、水酸基等の反応性官能基とアミド結合、エステル結合などによって化学的に結合したり、物理的に結合することができる。
本発明は、上述の化合物のリガンドに金属原子が配位し、錯体を形成している化合物も提供する。金属原子としては、特に、放射性金属原子、常磁性金属原子、X線不透過性金属等が挙げられ、好ましくは、原子番号21乃至29、31、32、及び38乃至83の元素からなる群より選ばれる1種以上の金属原子が挙げられる。
放射性金属原子としては特に限定されないが、例えば、59−鉄、67−銅、67−ガリウム、89−ストロンチウム、90−イットリウム、99m−テクネチウム、111−インジウム、117m−スズ、153−サマリウム、165−ジスプロシウム、166−ホルミウム、169−エルビウム、186−レニウム、188−レニウム、201−タリウム、212−ビスマス及び213−ビスマスからなる群より選ばれる1種以上のものが挙げられる。
常磁性金属原子としては特に限定されないが、例えば、クロム(III)、マンガン(II)、鉄(II)、鉄(III)、プラセオジム(III)、ネオジム(III)、サマリウム(III)、イッテルビウム(III)、ガドリニウム(III)、テルビウム(III)、ジスプロシウム(III)、ホルミウム(III)及びエルビウム(III)からなる群より選ばれる1種以上のものが挙げられる。
また、X線不透過性金属としては特に限定されないが、例えば、ビスマス、タングステン、タンタル、ハフニウム、ランタン、ランタニド、バリウム、モリブデン、ニオブ、ジルコニウム及びストロンチウムからなる群より選ばれる1種以上のものが挙げられる。
金属原子と錯体を形成している本発明の上記化合物を有効成分として含有する組成物は、診断剤または治療剤として用いることができる。錯体を形成する金属原子としては特に限定されないが、例えば、原子番号21乃至29、31、32、及び38乃至83の元素からなる群より選ばれる1種以上の金属原子、または放射性金属、常磁性金属及びX線不透過性金属からなる群より選ばれる1種以上の金属原子が挙げられる
特に錯体を形成する金属原子が59−鉄、67−銅、67−ガリウム、89−ストロンチウム、90−イットリウム、99m−テクネチウム、111−インジウム、113−スズ、117m−スズ、153−サマリウム、165−ジスプロシウム、166−ホルミウム、169−エルビウム、186−レニウム、188−レニウム、201−タリウム、212−ビスマス及び213−ビスマスからなる群より選ばれる1種以上の放射性金属である場合は、該組成物は放射性診断剤として用いることができる。
また、錯体を形成する金属原子がクロム(III)、マンガン(II)、鉄(II)、鉄(III)、プラセオジム(III)、ネオジム(III)、サマリウム(III)、イッテルビウム(III)、ガドリニウム(III)、テルビウム(III)、ジスプロシウム(III)、ホルミウム(III)及びエルビウム(III)からなる群より選ばれる1種以上の常磁性金属である場合は、該組成物は核磁気共鳴診断剤として用いることができる。
さらに、錯体を形成する金属原子がビスマス、タングステン、タンタル、ハフニウム、ランタン、ランタニド、バリウム、モリブデン、ニオブ、ジルコニウム及びストロンチウムからなる群より選ばれる1種以上の金属である場合は、X線造影剤として用いることができる。
また、錯体を形成する金属原子がクロム(III)、マンガン(II)、鉄(II)、鉄(III)、プラセオジム(III)、ネオジム(III)、サマリウム(III)、イッテルビウム(III)、ガドリニウム(III)、テルビウム(III)、ジスプロシウム(III)、ホルミウム(III)及びエルビウム(III)からなる群より選ばれる1種以上の常磁性金属である場合は、該組成物は核磁気共鳴診断剤として用いることができる。
さらに、錯体を形成する金属原子がビスマス、タングステン、タンタル、ハフニウム、ランタン、ランタニド、バリウム、モリブデン、ニオブ、ジルコニウム及びストロンチウムからなる群より選ばれる1種以上の金属である場合は、X線造影剤として用いることができる。
上述のように、上記組成物は、治療剤としても用いることができる。
例えば、錯体を形成する金属原子がある種の放射性金属原子である上記化合物を有効成分とする組成物は、放射性治療剤として好適に用いることができる。該放射性金属としては、発する放射線の飛程距離が、対象とする疾患部位を治療するために適した核種であればよく、好ましくはβ線放出核種、より好ましくは、89−ストロンチウム、90−イットリウム、113−スズ、153−サマリウム、165−ジスプロシウム、166−ホルミウム、169−エルビウム及び188−レニウムからなる群より選ばれる1種以上の放射性金属が挙げられる。
また、錯体を形成する原子が核反応断面積の大きい原子、例えば、ボロンやガドリニウムである化合物を有効成分として含有する組成物は、中性子捕捉療法に用いるための治療剤として好適に用いることができる。
例えば、錯体を形成する金属原子がある種の放射性金属原子である上記化合物を有効成分とする組成物は、放射性治療剤として好適に用いることができる。該放射性金属としては、発する放射線の飛程距離が、対象とする疾患部位を治療するために適した核種であればよく、好ましくはβ線放出核種、より好ましくは、89−ストロンチウム、90−イットリウム、113−スズ、153−サマリウム、165−ジスプロシウム、166−ホルミウム、169−エルビウム及び188−レニウムからなる群より選ばれる1種以上の放射性金属が挙げられる。
また、錯体を形成する原子が核反応断面積の大きい原子、例えば、ボロンやガドリニウムである化合物を有効成分として含有する組成物は、中性子捕捉療法に用いるための治療剤として好適に用いることができる。
本発明に係る化合物は、塩、水和物、溶媒和物、凝集体、水溶液、または、凍結乾燥やスプレードライ等による方法にて乾燥された形態で用いることができる。例えば、本発明に係る化合物のうち、金属原子が配位した化合物においては、溶液状態で診断剤や治療剤として用いることができる。また、本発明に係る化合物のうち、金属原子が配位していない化合物は、99m−テクネチウム等の金属溶液と組み合わせることにより、キットとして用いることができる。本発明の化合物は、生理的に許容しうる緩衝剤(例えば生理食塩水、酢酸、リン酸、炭酸、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン等のpH調整剤など)や他の生理的に許容しうる添加物(例えばアスコルビン酸、パラベン類などの安定化剤、溶解剤、D−マンニトールなどの賦形剤のなど)を含有していてもよい。
本発明に係る化合物は、アミノ糖重合体やアミノ基含有タンパクに代表されるアミノ基含有化合物のアミノ基に、リンカーを介さずに、金属原子と結合し得るリガンド及びマンノース親和性基、並びに、所望により色素を直接結合させることによって合成することができる。例えば、母核アミノ基とリガンドとの結合は、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩等の存在下で母核アミノ基とリガンドを反応させることにより形成させることができる。また、リガンドによっては、該リガンドの無水物を用いることによって、直接アミノ基とアミド結合させることも可能である。母核アミノ基とマンノース親和性基との結合は、例えば、マンノース親和性基である単糖にシアノ基を導入し、塩基性条件下で反応させることによって、形成させることができる。
この母核と該リガンド及びマンノース親和性基、及び該色素との間の結合に用いる反応は、リガンド及びマンノース親和性基及び該色素の種類に応じて種々の方法を用いることができる。例えば、母核たるキトサンにリガンドとしてDTPAを結合させる場合には、キトサン溶液とDTPA溶液とを混合させ、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩を加えてアミド化反応させることにより、両者を結合させることができる(以下、「キトサン−DTPA」とする)。
さらに、マンノース受容体親和性基としてマンノースを用いる場合は、チオシアノメチルマンノースをメタノールに溶解させ、室温攪拌下にてナトリウムメトキシドを添加して上記チオシアノメチルマンノースのシアノ基にメトキシル基を付加反応させて、該メトキシル基と上記キトサン−DTPAとをホウ酸緩衝液(pH8.5)中で反応させて該メトキシル基とキトサンのアミノ基とを置換反応させることによって、両者を結合させることができる(以下、「キトサン−マンノース−DTPA」とする)。
上記のごとき方法により合成された化合物は、目的に応じて選択された金属イオンを含む溶液と混合し、pH等の条件を調整することによって、容易に該金属イオンとの間で錯体を形成することができる。例えば、SPECT製剤として用いる目的においては、111In等の放射性金属を含む水溶液(例えば、111InCl3溶液)と混合し、錯体形成に適したpH(例えば、キトサン−マンノース−DTPA と111Inとの錯体を形成させる場合はpH4.5)に調整することにより、SPECT検査に供し得る錯体を得ることができる。
本発明に係る化合物は、例えば、静脈投与又は患部周囲に経皮投与することにより、診断剤又は治療剤として使用することができる。本発明に係る化合物を診断剤として用いた場合、その投与後における検出方法としては、用いた金属の性質に応じて種々の方法を用いることができる。例えば、金属原子が放射性金属である場合は、SPECT又はPETといった画像診断法を用いることができ、さらに、ガンマプローブを用いて検出することもできる。また、金属原子が常磁性金属である場合は、MRI等の磁気共鳴を用いた方法により検出することが可能である。同様に、X線や超音波によるリンパ節検出にも利用できる。さらに、本組成物に色素を組み合わせることは、使用する金属原子の性質に基づく検出のみならず、可視的に術中のセンチネルリンパ節の確定に貢献することになる。
本発明の化合物の投与量は従来の診断剤あるいは治療剤と実質的に同様であり、診断剤は0.1〜25MBq/kg程度、好ましくは1〜12MBq/kg程度、あるいは治療剤は用いる放射性核種による。投与量は化合物の種類、使用する放射性核種の種類、患者の年齢、体重、症状、投与方法、他剤との併用等により適宜増減される。
本発明の化合物の投与量は従来の診断剤あるいは治療剤と実質的に同様であり、診断剤は0.1〜25MBq/kg程度、好ましくは1〜12MBq/kg程度、あるいは治療剤は用いる放射性核種による。投与量は化合物の種類、使用する放射性核種の種類、患者の年齢、体重、症状、投与方法、他剤との併用等により適宜増減される。
本発明に係る化合物は、母核とリガンドとの間にリンカーを必要としないため、原料コストが節約でき、その合成が簡便であるという利点を有している。すなわち、リンカーを介してDTPA等のリガンドを結合させる従来法と比較し、リンカーを用いる必要が無いため、工程を省略でき、原料コストが削減できるだけでなく、工業的生産により適した簡便な合成法を用いることが可能となる。
また本発明に係る化合物は、母核による分子の大きさによりサイズをコントロールすることができ、さらに、マンノース受容体親和性部分の存在によりセンチネルリンパ節へ特異的に集積される。つまり、本発明に係る化合物は、マンノースを介してリンパ節に存在するマクロファージや樹状細胞上のマンノース受容体と結合してセンチネルリンパ節に滞留するという、これまでの製剤にはない特徴を有する。これは、物理的作用に生物学的作用をあわせもった本発明の化合物の特徴であり、その結果により、センチネルリンパ節を種々の検出機器又は診断機器を用いて有効に検出することが可能となった。
さらに本発明の化合物は、投与部位への滞留を軽減し、かつ、特定臓器へ滞留せず尿へ排泄されるため、蓄積の低減効果かある。投与の前後に水を服用させ排尿を促進すればさらにその効果は向上する。
また本発明に係る化合物は、母核による分子の大きさによりサイズをコントロールすることができ、さらに、マンノース受容体親和性部分の存在によりセンチネルリンパ節へ特異的に集積される。つまり、本発明に係る化合物は、マンノースを介してリンパ節に存在するマクロファージや樹状細胞上のマンノース受容体と結合してセンチネルリンパ節に滞留するという、これまでの製剤にはない特徴を有する。これは、物理的作用に生物学的作用をあわせもった本発明の化合物の特徴であり、その結果により、センチネルリンパ節を種々の検出機器又は診断機器を用いて有効に検出することが可能となった。
さらに本発明の化合物は、投与部位への滞留を軽減し、かつ、特定臓器へ滞留せず尿へ排泄されるため、蓄積の低減効果かある。投与の前後に水を服用させ排尿を促進すればさらにその効果は向上する。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限られるものではない。
〔実施例1〕キトサン−マンノース−DTPAの合成
キトサンは、高脱アセチル化キトサン酢酸塩(脱アセチル化度100%)を分画分子量10,000〜30,000、平均分子量概算20,000のフィルターを用いて分画したものを用いた。キトサン換算2%(w/v)水溶液(pH 6に調製)に、1.2%DTPA水溶液(pH 6に調製)を同量加え混合した。これに1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩をDTPAの1/2重量加えて室温で4時間反応させた。
原料および合成品をゲルろ過HPLC(カラム:Asahipak GS-320HQ(商品名:旭化成工業株式会社製、7.6 mmID×300mm)、流速:0.8mL/min、検出:至差屈折)にて分析し、保持時間が原料キトサンにおける19.17分から合成品の14.50分へシフトし、分子量の増加が確認されたことから、キトサンとDTPAが結合したものと判断した。これを、キトサン−DTPAとした。
次に、チオシアノメチルマンノース600 mgをメタノール14 mLに溶解し、室温撹拌下でナトリウムメトキシド16.0 mgを添加して室温下で40時間反応させた。その後、溶媒を留去し、前記の方法で調製したキトサン-DTPA 60 mgと共にホウ酸緩衝液(pH 8.5)に添加した。反応後メタノール80%として沈殿化、メタノール150倍量で2回洗浄した。
生成物をゲルろ過HPLC(カラム:Asahipak GS-320HQ、流速:0.8 mL/min、検出:紫外吸光(吸収波長:220nm))にて分析し、保持時間がキトサン−DTPAにおける15.7分から14.0分へシフトし、分子量の増加が確認されたことから、キトサン−DTPAにマンノースが結合したものと判断した。(以下、「キトサン−マンノース−DTPA 」を、「C-M-D」とする。)なお、本HPLC(カラム:Asahipak GS-320HQ(旭化成工業株式会社製、7.6 mmID×300mm)、流速:0.8 mL/min、検出:紫外吸光(吸収波長:220nm))において、キトサン−DTPAの保持時間が、上述したキトサン及びキトサン−DTPAの分析(カラム:Asahipak GS-320HQ、流速:0.8mL/min、検出:至差屈折)におけるキトサン−DTPAの保持時間と異なっているが、これは検出器の変更に伴い流路長が変化したことによる違いである。
キトサンは、高脱アセチル化キトサン酢酸塩(脱アセチル化度100%)を分画分子量10,000〜30,000、平均分子量概算20,000のフィルターを用いて分画したものを用いた。キトサン換算2%(w/v)水溶液(pH 6に調製)に、1.2%DTPA水溶液(pH 6に調製)を同量加え混合した。これに1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩をDTPAの1/2重量加えて室温で4時間反応させた。
原料および合成品をゲルろ過HPLC(カラム:Asahipak GS-320HQ(商品名:旭化成工業株式会社製、7.6 mmID×300mm)、流速:0.8mL/min、検出:至差屈折)にて分析し、保持時間が原料キトサンにおける19.17分から合成品の14.50分へシフトし、分子量の増加が確認されたことから、キトサンとDTPAが結合したものと判断した。これを、キトサン−DTPAとした。
次に、チオシアノメチルマンノース600 mgをメタノール14 mLに溶解し、室温撹拌下でナトリウムメトキシド16.0 mgを添加して室温下で40時間反応させた。その後、溶媒を留去し、前記の方法で調製したキトサン-DTPA 60 mgと共にホウ酸緩衝液(pH 8.5)に添加した。反応後メタノール80%として沈殿化、メタノール150倍量で2回洗浄した。
生成物をゲルろ過HPLC(カラム:Asahipak GS-320HQ、流速:0.8 mL/min、検出:紫外吸光(吸収波長:220nm))にて分析し、保持時間がキトサン−DTPAにおける15.7分から14.0分へシフトし、分子量の増加が確認されたことから、キトサン−DTPAにマンノースが結合したものと判断した。(以下、「キトサン−マンノース−DTPA 」を、「C-M-D」とする。)なお、本HPLC(カラム:Asahipak GS-320HQ(旭化成工業株式会社製、7.6 mmID×300mm)、流速:0.8 mL/min、検出:紫外吸光(吸収波長:220nm))において、キトサン−DTPAの保持時間が、上述したキトサン及びキトサン−DTPAの分析(カラム:Asahipak GS-320HQ、流速:0.8mL/min、検出:至差屈折)におけるキトサン−DTPAの保持時間と異なっているが、これは検出器の変更に伴い流路長が変化したことによる違いである。
〔実施例2〕HSA−マンノース−DTPAの合成
20%人血清アルブミン(献血由来、以下、「HSA」とする)11 mLに0.4 Mホウ酸緩衝液 (pH 8.5)11 mLを加え、室温で撹拌したものをアルブミン溶液(100 mg/mL)とした。チオシアノメチルマンノース500.2 mgをメタノール12 mLに溶解し、室温撹拌下でナトリウムメトキシド12.1 mgを添加した。40時間後、溶媒を留去し、上述したアルブミン溶液10 mLを添加し、1.5時間38℃にて加温撹拌した。その後、無水DTPA 57.9 mgを添加し、10分後、室温下にて108 mM DTPA水溶液10 mLを添加した。2時間後、pH 5〜6であることを確認し、4℃にて保存した。これを、HSA−マンノース−DTPA (以下、「HMDK」とする)とした。
合成後、HMDKはクエン酸緩衝液(pH 5.7)にて酸性条件下にし、111Inで標識した。ゲルろ過HPLC(カラム:TSK-GEL G3000SW(商品名:東ソー株式会社製、7.5 mmID×600 mm)、移動相:生理食塩液、流速:0.7 mL/min、検出:紫外吸収(吸収波長:280 nm))を用いてピークを分取し、放射能を測定したところ、HSAとほぼ等しい保持時間に確認されたピークが、111In標識されていることが確認された。一方、HSAのみに111Inを加えた場合にはHSAは標識されなかったことより、本ピークはHSAにDTPAが結合したものであることが確認できた。また、純度を各ピークの面積百分率により計算したところ、96.7%であった。
分取用カラム(TSK-GEL G3000SW(東ソー株式会社製、1inchID×600 mm))を用いたHPLC(移動相:生理食塩液、流速:12.0 mL/min、検出:紫外吸収(吸収波長:280 nm))を用いてHMDKを分取し、限外ろ過膜(カットオフ:30,000)を用い、遠心分離法(1500 G)にて濃縮した。
20%人血清アルブミン(献血由来、以下、「HSA」とする)11 mLに0.4 Mホウ酸緩衝液 (pH 8.5)11 mLを加え、室温で撹拌したものをアルブミン溶液(100 mg/mL)とした。チオシアノメチルマンノース500.2 mgをメタノール12 mLに溶解し、室温撹拌下でナトリウムメトキシド12.1 mgを添加した。40時間後、溶媒を留去し、上述したアルブミン溶液10 mLを添加し、1.5時間38℃にて加温撹拌した。その後、無水DTPA 57.9 mgを添加し、10分後、室温下にて108 mM DTPA水溶液10 mLを添加した。2時間後、pH 5〜6であることを確認し、4℃にて保存した。これを、HSA−マンノース−DTPA (以下、「HMDK」とする)とした。
合成後、HMDKはクエン酸緩衝液(pH 5.7)にて酸性条件下にし、111Inで標識した。ゲルろ過HPLC(カラム:TSK-GEL G3000SW(商品名:東ソー株式会社製、7.5 mmID×600 mm)、移動相:生理食塩液、流速:0.7 mL/min、検出:紫外吸収(吸収波長:280 nm))を用いてピークを分取し、放射能を測定したところ、HSAとほぼ等しい保持時間に確認されたピークが、111In標識されていることが確認された。一方、HSAのみに111Inを加えた場合にはHSAは標識されなかったことより、本ピークはHSAにDTPAが結合したものであることが確認できた。また、純度を各ピークの面積百分率により計算したところ、96.7%であった。
分取用カラム(TSK-GEL G3000SW(東ソー株式会社製、1inchID×600 mm))を用いたHPLC(移動相:生理食塩液、流速:12.0 mL/min、検出:紫外吸収(吸収波長:280 nm))を用いてHMDKを分取し、限外ろ過膜(カットオフ:30,000)を用い、遠心分離法(1500 G)にて濃縮した。
〔実施例3〕HSA−マンノース(1/2)−DTPAの合成
チオシアノメチルマンノース250.3 mgをメタノール6 mLに溶解し、室温撹拌下でナトリウムメトキシド7.0 mgを添加した。40時間後、溶媒を留去し、実施例2にて調製したアルブミン溶液10 mLを添加し、 38℃にて1.5時間加温撹拌した。その後、無水DTPA 57.8 mgを添加し、10分後、室温下にて100 mM DTPA水溶液10 mLを添加した。2時間後、pH 5〜6であることを確認し、4℃にて保存した。これを、HSA−マンノース(1/2)−DTPA (以下、「H1/2MDK」とする)とした。
合成後、H1/2MDKはクエン酸緩衝液(pH 5.7)にて酸性条件下にし、111Inで標識した。ゲルろ過HPLC(カラム:TSK-GEL G3000SW(東ソー株式会社製、7.5 mmID×600 mm)、移動相:生理食塩液、流速:0.7 mL/min、検出:紫外吸収(吸収波長:280 nm))を用いてピークを分取し、放射能を測定したところ、HSAとほぼ等しい保持時間に確認されたピークが、111In標識されていることが確認された。一方、HSAのみに111Inを加えた場合にはHSAは標識されなかったことより、本ピークはHSAにDTPAが結合したものであることが確認できた。また、純度を各ピークの面積百分率により計算したところ、96.7%であった。
分取用カラム(TSK-GEL G3000SW(東ソー株式会社製、1inchID×600 mm))を用いたHPLC(移動相:生理食塩液、流速:12.0 mL/min、検出:紫外吸収(吸収波長:280 nm))を用いてH1/2MDKを分取し、限外ろ過膜(カットオフ:30,000)を用い、遠心分離法(1500 G)にて濃縮した。
チオシアノメチルマンノース250.3 mgをメタノール6 mLに溶解し、室温撹拌下でナトリウムメトキシド7.0 mgを添加した。40時間後、溶媒を留去し、実施例2にて調製したアルブミン溶液10 mLを添加し、 38℃にて1.5時間加温撹拌した。その後、無水DTPA 57.8 mgを添加し、10分後、室温下にて100 mM DTPA水溶液10 mLを添加した。2時間後、pH 5〜6であることを確認し、4℃にて保存した。これを、HSA−マンノース(1/2)−DTPA (以下、「H1/2MDK」とする)とした。
合成後、H1/2MDKはクエン酸緩衝液(pH 5.7)にて酸性条件下にし、111Inで標識した。ゲルろ過HPLC(カラム:TSK-GEL G3000SW(東ソー株式会社製、7.5 mmID×600 mm)、移動相:生理食塩液、流速:0.7 mL/min、検出:紫外吸収(吸収波長:280 nm))を用いてピークを分取し、放射能を測定したところ、HSAとほぼ等しい保持時間に確認されたピークが、111In標識されていることが確認された。一方、HSAのみに111Inを加えた場合にはHSAは標識されなかったことより、本ピークはHSAにDTPAが結合したものであることが確認できた。また、純度を各ピークの面積百分率により計算したところ、96.7%であった。
分取用カラム(TSK-GEL G3000SW(東ソー株式会社製、1inchID×600 mm))を用いたHPLC(移動相:生理食塩液、流速:12.0 mL/min、検出:紫外吸収(吸収波長:280 nm))を用いてH1/2MDKを分取し、限外ろ過膜(カットオフ:30,000)を用い、遠心分離法(1500 G)にて濃縮した。
〔実施例4〕DTPAおよびマンノースの定量
実施例1〜3にて合成した化合物のDTPAの結合量とマンノース結合量は、次の方法で測定した。
結合DTPA量;バイアルに1 mM InCl3 0.15 mLと0.2 Mクエン酸緩衝液0.35 mLを加え、次いで111InCl3溶液を0.05 mL加え攪拌した。さらに、検体として、濃度1mg/mLのC−M−D溶液を0.1mL加え、室温で40分間振盪した。同様に、1mg/mL HMDK又は1mg/mL H1/2MDKを0.3mL加え、同様に室温で40分間振盪した溶液も調製した。その後、未反応のInをIn-DTPAとして分離する目的で、1mM DTPA溶液を0.15 mL加え、室温で15分間振盪した。このサンプルを0.06 Mバルビタール緩衝液に浸しておいたセルロースアセテート膜にスポットし、電気泳動 (定電圧150 V・通電室温下40分)を行った。通電終了後セルロースアセテート膜を乾燥させ、放射能を測定した。電気泳動膜は放射能ピーク部分に分けて切り出し、ピークごとの放射能を測定した。各ピークの放射能の全放射能に対する割合を算出し、以下の式で合成品1分子あたりのDTPA結合数を計算した。合成化合物理論分子量は、キトサン含有化合物は20,000、HSA含有化合物は76,000とした。
実施例1〜3にて合成した化合物のDTPAの結合量とマンノース結合量は、次の方法で測定した。
結合DTPA量;バイアルに1 mM InCl3 0.15 mLと0.2 Mクエン酸緩衝液0.35 mLを加え、次いで111InCl3溶液を0.05 mL加え攪拌した。さらに、検体として、濃度1mg/mLのC−M−D溶液を0.1mL加え、室温で40分間振盪した。同様に、1mg/mL HMDK又は1mg/mL H1/2MDKを0.3mL加え、同様に室温で40分間振盪した溶液も調製した。その後、未反応のInをIn-DTPAとして分離する目的で、1mM DTPA溶液を0.15 mL加え、室温で15分間振盪した。このサンプルを0.06 Mバルビタール緩衝液に浸しておいたセルロースアセテート膜にスポットし、電気泳動 (定電圧150 V・通電室温下40分)を行った。通電終了後セルロースアセテート膜を乾燥させ、放射能を測定した。電気泳動膜は放射能ピーク部分に分けて切り出し、ピークごとの放射能を測定した。各ピークの放射能の全放射能に対する割合を算出し、以下の式で合成品1分子あたりのDTPA結合数を計算した。合成化合物理論分子量は、キトサン含有化合物は20,000、HSA含有化合物は76,000とした。
定量の結果、C−M−D 1分子当りのDTPA結合量は、9.73±0.15個であった。また、HMDK及びH1/2MDK 1分子あたりのDTPA結合量は、HMDKで8.10±0.51個、H1/2MDKで10.5±1.0個であった。
結合マンノース量;マンノース濃度0.01 mg/mL〜0.2 mg/mLの標準液を調整し、試験管にそれぞれ1.0 mLを取った。各試験管に5%フェノール溶液を0.5 mL加え攪拌した。次に硫酸2.5 mLを加え、攪拌し、30分放置した後、吸光度を測定し(SHIMAZU: UV-2200、検出: 490nm)、標準線を作成した。検体(C−M−Dは、0.10〜0.50mL、HMDK及びH1/2MDKは0.1〜0.3mL、濃度はそれぞれ1mg/mLとした)を試験管にとり、精製水を加え、全量1 mLとした。次に5%フェノール溶液0.5 mL、硫酸2.5 mLを加えて攪拌し、30分放置した。これらの検体は標準液と同様の方法で吸光度を測定し、標準曲線より結合マンノース量を算出した。合成品1分子当りの結合マンノース量は以下の式にて算出した。合成化合物理論分子量は、C−M−Dは20,000、HMDK及びH1/2MDKは76,000とした。
なお、この定量法は単糖、多糖、蛋白糖などで発色するが、アミノ糖では発色しない。 キトサンはアミノ糖であるが、DTPA及びマンノースが結合することによりアミノ糖ではなくなり、発色するようになる。C−M−DではマンノースとDTPAが結合した糖の和が求められるので、マンノースを結合させる前駆物質であるキトサン-DTPAにおける吸光度をブランクとして差し引くことより残基のマンノース結合数を算出した。
なお、この定量法は単糖、多糖、蛋白糖などで発色するが、アミノ糖では発色しない。 キトサンはアミノ糖であるが、DTPA及びマンノースが結合することによりアミノ糖ではなくなり、発色するようになる。C−M−DではマンノースとDTPAが結合した糖の和が求められるので、マンノースを結合させる前駆物質であるキトサン-DTPAにおける吸光度をブランクとして差し引くことより残基のマンノース結合数を算出した。
C−M−D 1分子当りのマンノース結合量は、17.5個であった。HMKD及びH1/2MDK 1分子あたりのマンノース結合量は、HMDKで34.7±2.7個、H1/2MDKで18.0±2.6個であった。
〔実施例5〕投与液の調製
濃度1mg/mLのC-M-D溶液92μLに、111InCl3 74 MBqを加え、生理的食塩水を加えて全量を1 mLとした。その後、この混合液をpH 4.5に調整し、111In標識を行った。
濃度13.4 mg/mLのHMDK溶液22.4μに、111InCl3を74 MBq加えた後、pH 3に調整した。同様に、濃度14.2 mg/mLのH1/2MDK溶液12.9μLに、111InCl3を45 MBq加えた後、pH 3に調整し、111In標識を行った。室温で30分間放置して標識した後、HMDKは1 mLに、またH1/2MDKは0.415 mLになるように生理的食塩水で希釈した。
濃度1mg/mLのC-M-D溶液92μLに、111InCl3 74 MBqを加え、生理的食塩水を加えて全量を1 mLとした。その後、この混合液をpH 4.5に調整し、111In標識を行った。
濃度13.4 mg/mLのHMDK溶液22.4μに、111InCl3を74 MBq加えた後、pH 3に調整した。同様に、濃度14.2 mg/mLのH1/2MDK溶液12.9μLに、111InCl3を45 MBq加えた後、pH 3に調整し、111In標識を行った。室温で30分間放置して標識した後、HMDKは1 mLに、またH1/2MDKは0.415 mLになるように生理的食塩水で希釈した。
〔実施例6〕標識体のpH安定性
111In標識時におけるpHの影響を調べるために、酸性〜中性のpH下で、HMDKの111In標識を行った。 濃度13.4 mg/mLのHMDK溶液100μLをバイアルに分注し、111InCl3 18.5 MBqを加えた。生理的食塩水を加え、全量を400μLとした後、pH 3、5及び7に調整した。室温で静置し、0.5、1、2、3、6および24時間点において、各々検体をセルロースTLC板にスポットし85%(v/v)メタノールで10 cm展開させて乾燥させた。TLCの放射能をガンマ線スキャナーで測定し、それぞれの成分ピークのRf値を求めた。本条件にて展開させた場合、111In-HMDKのピークはRf値0.1以下、111InのピークはRf値0.2〜0.4、111In-DTPAのピークはRf値0.5〜0.6に検出された。
さらに、TLC板をピークごとに切り離し、シングルチャネルアナライザーで各ピークのガンマ線量を計測し、TLC板上の全放射能量に対する原点付近の放射能量(以下、「RCP」とする)を求め、111In標識に対するpHの影響の指標とした。その結果、HMDKの111In標識時におけるpHの影響を、pH 3、5、7で調べたところ、pH 3の時、標識率、室温安定性ともに良いことが示された。
111In標識時におけるpHの影響を調べるために、酸性〜中性のpH下で、HMDKの111In標識を行った。 濃度13.4 mg/mLのHMDK溶液100μLをバイアルに分注し、111InCl3 18.5 MBqを加えた。生理的食塩水を加え、全量を400μLとした後、pH 3、5及び7に調整した。室温で静置し、0.5、1、2、3、6および24時間点において、各々検体をセルロースTLC板にスポットし85%(v/v)メタノールで10 cm展開させて乾燥させた。TLCの放射能をガンマ線スキャナーで測定し、それぞれの成分ピークのRf値を求めた。本条件にて展開させた場合、111In-HMDKのピークはRf値0.1以下、111InのピークはRf値0.2〜0.4、111In-DTPAのピークはRf値0.5〜0.6に検出された。
さらに、TLC板をピークごとに切り離し、シングルチャネルアナライザーで各ピークのガンマ線量を計測し、TLC板上の全放射能量に対する原点付近の放射能量(以下、「RCP」とする)を求め、111In標識に対するpHの影響の指標とした。その結果、HMDKの111In標識時におけるpHの影響を、pH 3、5、7で調べたところ、pH 3の時、標識率、室温安定性ともに良いことが示された。
〔実施例7〕ウサギ血漿中での安定性
ヘパリン入りのシリンジで、ウサギの腹大動脈から全血採取し、遠心分離機を用いて3000回転/分の条件にて遠心分離した。遠心分離後の上清(血漿)を、実施例5にて調製したC−M−D及びHMDKの111In標識体溶液と、5:1の割合で混合した。それぞれの溶液を2群に分け、一方は4℃静置の条件で、もう一方を37℃振盪の条件下で保存した。0.5、1、2、3、6及び24時間後において、各検体をセルロースTLC板にスポットし85%(v/v)メタノールで10 cm展開させて乾燥させた。TLCの放射能をガンマ線スキャナーで測定し、それぞれの成分ピークのRf値を求めた。
TLC板をピークごとに切り離し、シングルチャネルアナライザーで各ピークのガンマ線量を計測し、RCPを求めた。
対照として、実施例5にて調製した各合成品の111In標識体溶液を室温下で保存し、同様の実験を行った。
結果は表2に示した通り、本剤は、いずれの条件下においても安定であった。
ヘパリン入りのシリンジで、ウサギの腹大動脈から全血採取し、遠心分離機を用いて3000回転/分の条件にて遠心分離した。遠心分離後の上清(血漿)を、実施例5にて調製したC−M−D及びHMDKの111In標識体溶液と、5:1の割合で混合した。それぞれの溶液を2群に分け、一方は4℃静置の条件で、もう一方を37℃振盪の条件下で保存した。0.5、1、2、3、6及び24時間後において、各検体をセルロースTLC板にスポットし85%(v/v)メタノールで10 cm展開させて乾燥させた。TLCの放射能をガンマ線スキャナーで測定し、それぞれの成分ピークのRf値を求めた。
TLC板をピークごとに切り離し、シングルチャネルアナライザーで各ピークのガンマ線量を計測し、RCPを求めた。
対照として、実施例5にて調製した各合成品の111In標識体溶液を室温下で保存し、同様の実験を行った。
結果は表2に示した通り、本剤は、いずれの条件下においても安定であった。
〔実施例8〕111In-C−M−D及び111In-HMDKの体内動態
2.5〜3.0 kgのウサギ(日本白色種、雄)の耳介静脈に24 G留置針を挿入し、ペントバルビタール(30 mg/kg)で全身麻酔した後、実施例5で調製した111In-C-M-D及び111In-HMDK溶液を前肢の第3指肉球内に50μLずつ投与し、経時的にガンマカメラ撮像を行った。
結果を、図1及び図2に示す。いずれの化合物も、腋窩リンパ節を良好に描出していた。
2.5〜3.0 kgのウサギ(日本白色種、雄)の耳介静脈に24 G留置針を挿入し、ペントバルビタール(30 mg/kg)で全身麻酔した後、実施例5で調製した111In-C-M-D及び111In-HMDK溶液を前肢の第3指肉球内に50μLずつ投与し、経時的にガンマカメラ撮像を行った。
結果を、図1及び図2に示す。いずれの化合物も、腋窩リンパ節を良好に描出していた。
〔実施例9〕111In-C−M−D、111In-HMDK及び111In-H1/2MDKの体内分布
2.5〜3.0 kgのウサギ(日本白色種、雄)の耳介静脈に24 G留置針を挿入し、ペントバルビタール(30 mg/kg)で全身麻酔した後、後肢の第3指肉球内に実施例5にて調製した各合成品の111In標識体溶液を50μLずつ投与し、投与後1時間あるいは3時間において、腹大動脈より全採血し、放血死させた。なお、屠殺5分前に、1% イソサルファンブルー50μLを、放射性標識製剤溶液を投与した肉球と同部位に投与して所属リンパ節を検出した。解剖し、左右の膝窩リンパ節、腸骨リンパ節の各リンパ節の他、投与部位、肝臓、左右腎臓、脾臓および膀胱・尿を採取し、重量測定した後、シングルチャネルアナライザーで放射能量を測定して式(1)より%IDを算出した。
2.5〜3.0 kgのウサギ(日本白色種、雄)の耳介静脈に24 G留置針を挿入し、ペントバルビタール(30 mg/kg)で全身麻酔した後、後肢の第3指肉球内に実施例5にて調製した各合成品の111In標識体溶液を50μLずつ投与し、投与後1時間あるいは3時間において、腹大動脈より全採血し、放血死させた。なお、屠殺5分前に、1% イソサルファンブルー50μLを、放射性標識製剤溶液を投与した肉球と同部位に投与して所属リンパ節を検出した。解剖し、左右の膝窩リンパ節、腸骨リンパ節の各リンパ節の他、投与部位、肝臓、左右腎臓、脾臓および膀胱・尿を採取し、重量測定した後、シングルチャネルアナライザーで放射能量を測定して式(1)より%IDを算出した。
また、以下の式(2)および(3)より、膝窩LN滞留率及びLN滞留比率を計算した。
なお、対照として、99mTc-Snコロイドを用いた同様の実験を行った。
結果を、表3から5に示す。
結果を、表3から5に示す。
1次(膝窩)リンパ節における滞留性の指標であるLN滞留比率の値は、111In-HMDK、111In-H1/2MDK及び111In-C-M-Dは、99mTc-Snコロイドと比較して大きい値を示していた。この結果より、111In-HMDK、111In-H1/2MDK及び111In-C-M-Dは、99mTc-Snコロイドと比較して長時間に渡りリンパ節に滞留する性質を有することが示された。
また、各化合物につき、各時間点における1次リンパ節から2次(腸骨)リンパ節への流出のし難さの指標であるLN比の値を3時間点において比較したところ、111In-HMDK、111In-H1/2MDK及び111In-C-M-D 共に、99mTc-Snコロイドと比較して十分に大きい値を示しており、本発明に係る化合物である111In-HMDK、111In-H1/2MDK及び111In-C-M-D は既存の製剤である99mTc-Snコロイドより1次リンパ節を有効に検出しうることが示された。
また、各化合物につき、各時間点における1次リンパ節から2次(腸骨)リンパ節への流出のし難さの指標であるLN比の値を3時間点において比較したところ、111In-HMDK、111In-H1/2MDK及び111In-C-M-D 共に、99mTc-Snコロイドと比較して十分に大きい値を示しており、本発明に係る化合物である111In-HMDK、111In-H1/2MDK及び111In-C-M-D は既存の製剤である99mTc-Snコロイドより1次リンパ節を有効に検出しうることが示された。
1 腋窩リンパ節
2 傍胸骨リンパ節
2 傍胸骨リンパ節
Claims (34)
- 複数のアミノ基を有する化合物を母核とし、金属原子と錯体を形成し得る1以上のリガンド及び1以上のマンノース受容体親和性基が該母核に結合していることを特徴とするマンノース受容体親和性化合物。
- 母核となる化合物が、アミノ糖重合体またはアミノ基含有タンパクである、請求項1記載のマンノース受容体親和性化合物。
- アミノ糖重合体が、グルコサミン、マンノサミンおよびガラクトサミンからなる群より選ばれたものを構成単糖として有するものである、請求項2記載のマンノース受容体親和性化合物。
- アミノ糖重合体がキトサンである請求項2記載のマンノース受容体親和性化合物。
- アミノ糖の重合度が26から500である請求項2ないし4の何れか1項に記載のマンノース受容体親和性化合物。
- アミノ糖の重合度が50から150である請求項2ないし4の何れか1項に記載のマンノース受容体親和性化合物。
- アミノ糖の一部がN−アセチル化されている請求項2ないし6の何れか1項に記載のマンノース受容体親和性化合物。
- アミノ基含有タンパクがアルブミンである請求項2記載のマンノース受容体親和性化合物。
- マンノース受容体親和性基が1種以上の単糖である請求項1ないし8の何れか1項に記載のマンノース受容体親和性化合物。
- マンノース受容体親和性基が、グルコース、グルコサミン、N−アセチルグルコサミン、2−デオキシグルコース、マンノース、マンノサミン、N−アセチルマンノサミン、マンノース−6−リン酸、ガラクトース、N−アセチルガラクトサミン、ラクトース及びフコース並びにこれらの誘導体からなる群より選ばれたものである請求項9記載のマンノース受容体親和性化合物。
- リガンドが、エチレンジアミン4酢酸、ジエチレントリアミン5酢酸、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−1,4,8,11−テトラ酢酸、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N´,N´´,N´´´−テトラ酢酸、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−α,α´,α´´,α´´´−テトラメチル酢酸、メルカプトアセチルグリシルグリシルグリシン、エチレンシステインダイマー、ヒドラジノニコチニル、リジン−チロシン−システイン、システイン−グリシン−システイン、N,N´−ビス(メルカプトアセタミド)エチレンジアミン、N,N´−ビス(メルカプトアセタミド)−2,3ジアミノプロパン酸、N,N´−ビス(2−メルカプトエチル)エチレンジアミン、チオセミカルバゾン、PnAO及びその他のアミンオキシムリガンド並びにこれらの誘導体からなる群より選ばれたものである請求項1ないし10の何れか1項に記載のマンノース受容体親和性化合物。
- 母核1分子中に、リガンドとしてジエチレントリアミン5酢酸(DTPA)を5から20個含有している請求項5または6記載のマンノース受容体親和性化合物。
- 母核1分子中に、マンノース受容体親和性基としてマンノースを10から25個含有している請求項12記載のマンノース受容体親和性化合物。
- 母核1分子中に、リガンドとしてジエチレントリアミン5酢酸(DTPA)を5から15個含有し、かつ母核1分子中に、マンノース受容体親和性基としてマンノースを30から40個含有している請求項8記載のマンノース受容体親和性化合物。
- 母核1分子中に、マンノース受容体親和性基としてマンノースを15から20個含有している請求項14記載のマンノース受容体親和性化合物。
- 母核に色素が結合している請求項1ないし11の何れか1項に記載のマンノース受容体親和性化合物。
- 色素が、アミノメチルクマリン、フルオレセイン、テトラメチルロダミン、アントラニロイル、N−メチルアントラニロイル、ニトロベンゾクサジオール、ジメチルアミノフタレン、ブリリアント・ブルーFCF、インディゴ・カルミン、アクリジニウム−I(10−メチル−9−{4−[2−(サクシニミジロキシカルボニル)エチル]フェニルオキシカルボニル}アクリジニウムフルオロサルフォネート)、NIR−1(N、N、N´−トリエチル−N´−[5−(N−サクシニミジルオキシカルボニル)ペンティル]−9−シアノピロニンクロライド、4−(1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドール−2−イル)ベンゼンサルフォニルクロライド、N−サクシニミジル4−ニトロフェニルアセテートおよびこれらの誘導体からなる群より選ばれたものである請求項16記載のマンノース受容体親和性化合物。
- 金属原子と錯体を形成している請求項1ないし17の何れか1項に記載のマンノース受容体親和性化合物。
- 金属原子が、原子番号21乃至29、31、32、及び38乃至83の元素からなる群より選ばれる1種以上の金属原子である、請求項18記載のマンノース受容体親和性化合物。
- 金属原子が、放射性金属、常磁性金属及びX線不透過性金属からなる群より選ばれる1種以上の金属原子である、請求項18記載のマンノース受容体親和性化合物。
- 金属原子が、59−鉄、67−銅、67−ガリウム、89−ストロンチウム、90−イットリウム、99m−テクネチウム、111−インジウム、113−スズ、117m−スズ、153−サマリウム、165−ジスプロシウム、166−ホルミウム、169−エルビウム、186−レニウム、188−レニウム、201−タリウム、212−ビスマス及び213−ビスマスからなる群より選ばれる1種以上の放射性金属である請求項18記載のマンノース受容体親和性化合物。
- 金属原子が、クロム(III)、マンガン(II)、鉄(II)、鉄(III)、プラセオジム(III)、ネオジム(III)、サマリウム(III)、イッテルビウム(III)、ガドリニウム(III)、テルビウム(III)、ジスプロシウム(III)、ホルミウム(III)及びエルビウム(III)からなる群より選ばれる1種以上の常磁性金属である請求項18記載のマンノース受容体親和性化合物。
- 金属原子が、ビスマス、タングステン、タンタル、ハフニウム、ランタン、ランタニド、バリウム、モリブデン、ニオブ、ジルコニウム及びストロンチウムからなる群より選ばれる1種以上の金属である請求項18記載のマンノース受容体親和性化合物。
- 金属原子と錯体を形成している請求項1ないし17の何れか1項に記載のマンノース受容体親和性化合物を有効成分として含有することを特徴とする診断剤。
- 金属原子が、原子番号21乃至29、31、32、及び38乃至83の元素からなる群より選ばれる1種以上の金属原子である、請求項24記載の診断剤。
- 金属原子が、放射性金属、常磁性金属及びX線不透過性金属からなる群より選ばれる1種以上の金属原子である、請求項24記載の診断剤。
- 金属原子が、59−鉄、67−銅、67−ガリウム、89−ストロンチウム、90−イットリウム、99m−テクネチウム、111−インジウム、113−スズ、117m−スズ、153−サマリウム、165−ジスプロシウム、166−ホルミウム、169−エルビウム、186−レニウム、188−レニウム、201−タリウム、212−ビスマス及び213−ビスマスからなる群より選ばれる1種以上の放射性金属である、請求項24記載の放射性診断剤。
- 金属原子が、クロム(III)、マンガン(II)、鉄(II)、鉄(III)、プラセオジム(III)、ネオジム(III)、サマリウム(III)、イッテルビウム(III)、ガドリニウム(III)、テルビウム(III)、ジスプロシウム(III)、ホルミウム(III)及びエルビウム(III)からなる群より選ばれる1種以上の常磁性金属である、請求項24記載の核磁気共鳴診断剤。
- 金属原子が、ビスマス、タングステン、タンタル、ハフニウム、ランタン、ランタニド、バリウム、モリブデン、ニオブ、ジルコニウム及びストロンチウムからなる群より選ばれる1種以上の金属である、請求項24記載のX線造影剤。
- 金属原子と錯体を形成している請求項1ないし17の何れか1項に記載のマンノース受容体親和性化合物を有効成分として含有することを特徴とする治療剤。
- 金属原子が、原子番号21乃至29、31、32、及び38乃至83の元素からなる群より選ばれる1種以上の金属原子である、請求項30記載の治療剤。
- 金属原子が、放射性金属、常磁性金属及びX線不透過性金属からなる群より選ばれる1種以上の金属原子である、請求項30記載の治療剤。
- 金属原子が、89−ストロンチウム、90−イットリウム、113−スズ、153−サマリウム、165−ジスプロシウム、166−ホルミウム、169−エルビウム及び188−レニウムからなる群より選ばれる1種以上の放射性金属である、請求項30記載の放射性治療剤。
- 金属原子がガドリニウム又はボロンである、請求項30記載の中性子捕捉療法用治療剤。
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