JP2005225851A - 新規転写因子の製造法及び用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】生活習慣病、ガン、粘液水腫、血管の慢性炎症等の治療に有効であり、さらに、バルーンあるいはステントで拡張した動脈に起こる再狭索を予防・治療し、再生医療において移植する細胞ないし組織の生着を促進する活性を有する新規化合物及びその製法の開発が課題である。
【解決手段】アスコクロリン及びその関連化合物が有するオルセニルアルデヒド2位の水酸基をアシル化し、しかる後に塩基性触媒の存在下にアルデヒド基にアルコールを結合させて生成する新規アセタール誘導体が課題を解決することを見いだした。
【選択図】なし

Description

本発明は遺伝子情報がメッセンジャーRNAに転写される過程を修飾する新規転写因子の製造法及びその用途に関する。
本発明の新規転写因子は、虚血性心疾患、II型糖尿病、高血圧症(脳血管障害)、肥満及びガンなど、生活習慣病の治療に不可欠の薬理学的特性を備えている。日本を除く先進諸国における第一位の死亡原因は虚血性心疾患である。また、我が国ではガンが死亡原因の第一位である。米国では虚血性心疾患が長らく死亡原因の60〜70%を占めていたが、政府、医療関係者による大々的な啓蒙運動の結果、それによる死亡は約40%台にまで低下した。しかし、今日でも死亡原因の第一位ではあり、スエーデン、ノルウェー等の北欧諸国では、今日でも全死亡原因の70%を占め、二位以下を大きく引き離している。また、中国のような開発途上国でも虚血性心疾患は死亡原因のトップであり、先進工業国、開発途上国を問わず虚血性心疾患の治療及び予防法の開発は、悪性腫瘍、II型糖尿病、脳血管障害、肥満等のそれと並んで焦眉の急であることは間違いない。
代表的な生活習慣病である虚血性心疾患は、突然死が頻発するので、先進工業国の人々にとって恐怖の的である。それを発症させる三大危険因子は、▲1▼遺伝的な素因、▲2▼喫煙、脂質代謝異常、食事等の環境因子、▲3▼加齢である。このうち遺伝的素因と加齢は制御することが困難な因子である。一方、先進工業国の大多数は、社会的に環境の危険因子を減らす努力を続けている。例えば、喫煙を悪習とみなしており、タバコを環境から追放したり、タバコ会社を相手とする訴訟が頻発している。
虚血性心疾患の治療/予防に関して云えば、制御可能なのは環境因子だけである。そこで環境からリスクファクターを除去することを目的として、▲1▼食事療法、▲2▼運動療法、▲3▼薬物療法等など、多くの方法が提唱されている。食事に関しては、先進国の人々はコレステロールを多量に含む食物の摂取を避けるようになって来た。その代表として槍玉に上がったのが牛肉と鶏卵であり、その消費は長期低落傾向にある。また、過食によるエネルギーの過剰摂取は肥満を誘発する。肥満は単独ではリスクファクターになり得ないが、インスリン抵抗性(II型糖尿病)、高脂血症、高血圧を合併すると、シンドロームX(別名;サイレント・デス、多重危険因子症候群、内臓脂肪症候群とも云う)と呼ばれるリスクファクターになることが明らかになった(Reaven G.M.Diabetes37:1595−1607 1988)。米国では肥満を避けるため、摂取したエネルギーの消費を促進するジョギング、フィットネスなどの運動療法も盛んになった。
虚血性心疾患を惹起させる環境因子のなかで、もっとも高い相関を示すのは血清コレステロール濃度である。リスクファクターとしての血清コレステロールは幾つかの尺度であらわされる。すなわち、血清コレステロールあるいは血清低比重リポ蛋白(LDL)に含まれるコレステロールが正常値と比べて高い場合、あるいは血清高比重リポ蛋白(HDL)に含まれるコレステロールが正常値と比べて低い場合である。いずれも虚血性心疾患の発症リスクが濃度依存性に高まることがわかっている。従って、高コレステロール血症を血清コレステロール低下剤により低下させる薬物療法も、虚血性心疾患の標準的予防法として採用されている。血清コレステロール低下剤は、もっとも成功した薬物治療剤といわれるまでになった。とりわけ、スタチン系薬剤と呼ばれ、ヒドロキシメチルグルタリルCoAをメバロニルCoAに還元するHMG CoA還元酵素の阻害剤は、コレステロール生合成を阻害することにより血清コレステロールを低下させるので、グローバルな医薬品売上の上位を独占し、世界で最も成功した新薬の一つである。スタチン系薬物の年商は2002年度で2兆5千億円以上に達した。
一方、硬化性病変を発症した冠状動脈が、狭索・閉塞して狭心症、心筋梗塞を起こすメカニズムについても解明が進んだ。1980年代までは、動脈壁にコレステロールが蓄積して形成されるアテローマ(粥腫)が盛り上がり、血管内腔を狭索・閉塞するとする考え方が主流であった。しかし、既に1970年代から冠動脈を狭索・閉塞するのは血栓であり、血栓形成を予防すれば虚血性心疾患を予防・治療できるという仮説に基づき、幾つかの臨床試験が行われていた。例えば、抗炎症剤であり強力な血小板凝集抑制作用を併有するアスピリンを使った臨床試験である。アスピリンは消化性潰瘍を誘発するため、長期投与が必要な場合、用法用量の設定がきわめて難しい。多数のボランティアーが参加する長期臨床試験でも、ある場合には有効だが、別のトライアルではまったく無効であり、一定の有効な成績を収めていない。結局、アスピリンが動脈の慢性炎症を抑制するには、消化性潰瘍を頻発する投与量が必要で、消化性潰瘍が起こらないほどの少量では無効と言うのが結論とされている。
1990年代に入ってアテローマが盛り上がって動脈を閉塞するとする考え方は退けられ、アテローマ原因説と血栓原因説の統合が行われた。すなわち、肥厚したアテローマに新生した毛細血管が、慢性炎症のために破綻して起こる出血が冠動脈内で凝血し、生じた血栓が血管を狭索・閉塞することが原因であるとする説が有力になった(Ross R:New England J Med 340:115−126,1999)。つまり、虚血性心疾患の背景となる二大危険因子は、高コレステロール血症と動脈の慢性炎症である。血清総コレステロール/HDLコレステロール値と炎症のマーカーである血清CRPの双方が異常高値の場合、両方の検査値が正常のヒトと比べ心筋梗塞及び脳血管障害で死亡する危険率が8倍以上高いことが疫学研究から明らかになっている。
本発明の新規転写因子は、高コレステロール血症、II型糖尿病、高血圧及び肥満の治療効果を示すことが期待されている。上にあげた四つの異常を改善する治療薬は存在する。しかし、セリバスタチンとジェムフィブロジルの併用投与が、黄紋筋融解症を誘発し多数の死者が出たことからも明らかなように、複数の薬剤を併用することは、薬剤のあいだに複雑な相互作用を生ずる危険がある。したがって、投与する薬剤の数はなるべく減らすことが望ましい。しかしながら、1剤で上記の4疾病を同時に治療できる薬物は未だ存在しない。
日常的にインスリン注射を必要としないII型糖尿病の治療についても幾多の変遷があった。II型糖尿病患者は発症に至るある時期、肥満していることが多く、その発症は肥満と高い相関を示すことが知られている。また、発症の初期には血清インスリン値が正常ないし正常より高く、I型糖尿病のようにインスリンの量的不足ではなく,インスリン作用の不足によって発症する。つまり,末梢組織におけるインスリンに対する抵抗性が素地にあって発症するのである。治療にとって第一選択は、食事療法である。運動はインスリンの効果を高めるので、食事療法と併用される。
II型糖尿病を発症させ悪化させる原因が、末梢組織のインスリン抵抗性にあるのであれば、そのインスリン抵抗性を解除すればII型糖尿病は改善させるはずである。事実、本発明者の一人は、アスコクロリン誘導体の一つ4−0−カルボキシメチルアスコクロリン(AS−6)がII型糖尿病のモデル動物である遺伝性肥満糖尿病マウス、C57BL ksj(db/db)の糖代謝を改善すること、糖代謝の改善は白色脂肪組織のインスリン抵抗性が軽減されたことに起因することを証明した(Hosokawa,Ando and Tamura;Diabetes,34巻:267−274ページ、1985年)。さらに、AS−6投与群と非投与群および正常同腹仔の個体別血糖値と白色脂肪組織における糖代謝能が高い相関係数(r=−0.899)で逆相関すること、すなわち、db/dbマウスのインスリン抵抗性は、白色脂肪組織のエネルギー代謝異常に起因すること、AS−6は白色脂肪組織のエネルギー代謝を改善することによりインスリン抵抗性を解除していることが明らかになった。今日では白色脂肪組織に中性脂肪が高度に蓄積して肥満すると、脂肪細胞が産生放出する腫瘍壊死因子(TNF−α)、インターロイキン−1βのようなインスリン抵抗性誘発因子(Hotamisligil G.S.,Sargaill N.S.,Spiegelman B.M.,et al:Science 259:87−91,1993)によりII型糖尿病が発症することが明らかにされている。つまり、白色脂肪組織は膵ランゲルハンス島のβ細胞とならんでII型糖尿病治療にとって標的となる組織であることが判明している。しかし、1985年頃の学会では、白色脂肪組織は中性脂肪の単なる貯蔵庫と考えられており、代謝のうえでダイナミックな役割を果たしているとは考えられていなかった。
一方、ガンに目を転ずると、三大治療法と言われる「外科手術」「抗ガン剤」「放射線療法」は、必ずしも満足できる状況ではないことは明らかである。とりわけ、抗ガン剤は長い研究の歴史があるにもかかわらず完治させることができるガンは限られている。急性骨髄性白血病、悪性リンパ腫、小児のウイルムス腫瘍などが、抗ガン剤で治療できる腫瘍の代表である。大多数を占める前立腺ガン、肺ガン、乳ガン、大腸ガン、胃ガン、肝臓ガン、膵臓ガン、脳腫瘍などは、抗ガン剤の効果を期待できないガンである。さらに殆どの抗ガン剤は強烈な細胞毒であり、細胞分裂がさかんな細胞ほど感受性が高い。したがって、小腸の上皮細胞が増殖するのを阻害し、白血球を減少させて免疫力を低下させる副作用がある。
さらに大きな問題は、ガン細胞が抗ガン剤に対し容易に抵抗性を獲得することである。現行の抗ガン剤治療は、複数の抗ガン剤を組合せて投与する。しかし、どのように組み合わせても、短期間にガンが抗ガン剤に対して耐性を獲得し、制ガン効果が失われるのが常である。ガン細胞が抗ガン剤に対し耐性を獲得するメカニズムが研究されているが、臨床的に耐性を回避する方策は発見されていない。
アスコクロリン系の化合物は、時間依存性の薬効を示すことが分かっている。薬効を示すための有効血中濃度が一定の時間を越えて持続することが、薬効を発揮するための絶対条件なのである。AS−6は、動物に経口投与した際、その血中濃度が有効濃度を越えて毒性発現濃度まで上昇する、排泄が速やかで有効濃度の持続が短い、アルデヒド基は急速にカルボン酸に酸化される等の欠点があった。AS−6のアルデヒドが酸化されたカルボン酸は、AS−6と比べて薬効が大幅に低下するのである。また、AS−6の血中濃度が毒性を発現する濃度まで急速に上昇するので、肝臓への毒性が発現しやすくなることが大きな欠点であった。
開発がAS−6に先行したアスコクロリン誘導体である4−0−メチルアスコクロリン(MAC)は、水に対する溶解度が0.7μg/mlで著しく水に難溶性であり、加えて、溶解速度が遅いため消化管からの吸収が遅いのが薬効を発現させるうえの難点であった。したがって、経口投与されたMACは、大部分が消化管を素通りして糞便に排泄されていたのが実状だった。有効血中濃度の持続が短く、かつ、血中濃度のピークが低いので、薬効の有効性、例えば、血清総コレステロール、血糖、血圧などの低下率が低いことが欠点であった。
つまり、アスコクロリン系化合物が薬効を示すためには、有効血中濃度が一定時間以上持続し、しかも、血中濃度が毒性発現量まで上昇しない誘導体が必要である。
単一の薬剤で多重危険因子症候群を改善する治療薬、高コレステロール血症、高血圧、II型糖尿病及び肥満における個々の異常、ならびに四つの異常のうち複数が合併する患者の治療薬を研究開発することが課題である。さらに、ガン患者の免疫力を弱めず、ガン細胞が耐性を獲得しない抗ガン剤を開発することも課題の一つである。本発明者等が先に特許を取得した4−0−メチルアスコクロリンと4−0−カルボキシメチルアスコクロリンは、双方ともアスコクロリンのオルセニルアルデヒド4位水酸基を修飾した誘導体であった。これらの誘導体は、特許取得後20年以上経過している。また、オルセニルアルデヒド4位の水酸基をアルキル基ないしアリル基で修飾した誘導体は、既に多数合成されており、芳香環4位の水酸基を修飾するだけでは特許を取得できる新規誘導体の合成は難しい。
アスコクロリン系化合物は時間依存性に薬効を発揮する性質を持っている。すなわち、活性物質の血中濃度が毒性発現量より低く、なおかつ、薬効を発現する閾値のあいだで一定の時間持続しなければならない。一方、これまで検討されてきた4位の水酸基をアルキル化した4−0−アルキルアスコクロリンは、高度に脂溶性であるため、ほとんど水に溶けない。加えて、結晶から単分子が水に溶け込む速度がきわめて遅いため、ラット、マウス等の小動物に経口投与すると、空腹時では大部分が消化管を素通りして便に排泄されてしまう。バイオアベイラビリティが低いことに加え、食事摂取の有無(Agr.Biol.Chem.46:775−781,1982年)によっも消化管吸収が変動する。飼料摂取によって分泌される胆汁が、水への溶解速度を速めるからである。動物実験における再現性の乏しさが、実用化を阻む大きな障害になっていた。
結晶格子から単分子が水に溶解する速度は、分子内に極性基を導入することにより速めることができる。事実、アスコクロリン4位水酸基の水素を−CHCOOHで置換した4−0−カルボキシメチルアスコクロリンは小腸のpH7.2〜7.4では6%以上が水に溶けるので、経口投与すると急速に吸収される。そのため血中濃度が毒性発現濃度を越えて、ヒト及び動物で毒性が発現しやすいのが欠点であった。
課題を解決する手段
アスコクロリン及びその関連物質を母化合物として、生活習慣病、多重危険因子症候群及びガンに対する治療薬を開発するためには下記の条件が必要である。▲1▼低コストで合成できること、▲2▼消化管から緩やかだが確実に吸収されること、▲3▼動物実験において血清コレステロール低下作用、遺伝性肥満糖尿病モデル動物、高血圧動物モデル等に確実な改善作用を示すこと、▲4▼担ガン動物モデルに有効であること、▲5▼転写因子であること、▲6▼血管の慢性炎症を治療/予防できる消炎作用があること等々が、新規誘導体の具備すべき条件である。
このような目的のもとに本発明者等は、アスコクロリン系化合物およびその誘導体の芳香環アルデヒド基のアセタール誘導体に着目して合成をこころみた。ところが意外なことに、一般的な酸触媒によるアルコール交換反応ではアセタールはまったく生成しなかった。ところが、条件をまったく変更し塩基性触媒の存在下に芳香環アルデヒド基に隣接するフェノール性水酸基がアシル化された場合に限り、アルデヒド基のアセタール化が起こることを発見した。アスコクロリン及びその関連化合物についてアセタールは報告されておらず、合成されたアセタールはすべてが新規化合物である。
発明の効果
アスコクロリン誘導体の新規アセタール化合物は、原薬としての物性がMACとAS−6の中間にある。したがって、経口投与するとMACほど難吸収性ではないが、AS−6ほど速やかに吸収されない。また、動物実験及び分子生物学的な検討の結果、新規アセタール化合物は、不活性のプロドラッグである。しかし、それらは生体内でアルデヒド基を再生させて血清蛋白とシッフの塩基を形成すること、そのシッフ塩基は標的臓器あるいは標的組織に到達すると、エキソサイトーシスにより細胞内に取り込まれること、細胞に取り込まれると血清アルブミンは消化され、アルデヒド基を持ったアスコクロリンないしその誘導体が再生し転写因子として薬効を発揮することが明らかになった。薬効とは血清コレステロール低下作用、遺伝性肥満糖尿病モデル動物における代謝改善作用、高血圧動物モデルで血圧降下作用、健常動物で脂肪蓄積を阻害する作用を示すことを指している。さらに、本発明になる化合物は、動脈の慢性炎症に対して予防・治療効果を示すこと、甲状腺ホルモンの作用不足で発症する粘液水腫に対し改善効果を示すこと、抗ガン作用を示すこと、バルーンカテーテルあるいはステントにより拡張した動脈腔の再狭窄に対し予防・治療を示すこと、再生医療において体外で分化誘導された移植細胞を生着させること等々が明らかになり本発明を完成するに至った。
本発明の化合物を投与する場合、類似の用途に供される薬剤が許容されている任意の投与経路で純品の形または適当な医薬組成物の形で製剤化して投与することができる。従って投与は、例えば錠剤、座剤、丸剤、カプセル剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、エアゾール剤、軟膏剤、ゲル化剤などのような固体、半固体、凍結乾燥粉末または液体投与形態で、例えば経口、鼻腔内、非経口または局所的に、好ましくは正確な容量を1回に投与しうる適当な単位用量形態で実施することができる。この組成物は通常の製薬用単体または賦形剤および本発明の化合物からなり、さらにその他の医療用医薬品、担体および吸収補助剤などを含有してもよい。一般に製剤上許容しうる組成物は、投与しようとする剤型に応じて、本発明の化合物を約1〜99%(重量)含有し、適当な医薬添加物を約99〜1%含有している。この組成物は、医療用医薬品として本発明の化合物を約5〜75%含有し、残りは適当な医薬品用賦形剤を含有している。本発明の化合物が病態を改善するために有効な一日あたりの投与量は、成人の体重kgあたりで0.01〜100mg/kgにあり、望ましくは0.1〜10mg/kgである。
先に詳細に説明した疾患に対する好ましい投与形態は、疾患の程度に応じて調節可能に設定した投薬量を選定できるように製剤化することである。製剤化にあたって最も重要なことは、本発明の化合物が脂溶性であることに由来する制約である。核内リセプター・スーパーファミリーのリガンドは、脂溶性ホルモンないしビタミンであり、従って、本発明の化合物も脂溶性であることは当然である。経口投与用として製剤上許容できる添加物は、例えばマンニット、乳糖、でんぷん、ステアリン酸マグネシウム、サッカリン・ナトリウム、タルク、セルロース、グルコース、ゼラチン、シュクロース、炭酸マグネシウムなどのような通常使用可能な任意の賦形剤を加えて調製する。そのような組成物は、液剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤および徐放製剤などの形態をとる。組成物は錠剤または丸剤の形態が好ましいが、そのような組成物は本発明の化合物と一緒に乳糖、シュクロース、リン酸−2−カルシウムなどの希釈剤、でんぷんおよびその誘導体のような崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムなどのような滑沢剤、およびデンプン、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、セルロースおよびそれらの誘導体のような結合剤、さらに高度に脂溶性で溌水性である本発明の化合物粒子表面を水で濡らす作用を示す界面活性剤、脂溶性の添加物、胆汁酸、リン脂質などを含有する。脂肪族系の合成界面活性剤または有機溶媒可溶の高分子助剤を含有することはとくに好ましい。これらの例としては、例えば、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ハイドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ベントナイト、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート80,ソルビタンモノ脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシル40等がある。
以下、本発明の実施例をあげるが、本発明がこれらの実施例に拘束されないことは言うまでもない。
アスコクロリン、シリンドロクロリン、アスコフラノン、クロロネクチン、LLZ−1272−α、LLZ−1272−δのヂアシル誘導体合成法
アスコクロリン及びその関連化合物である4−0−アルキルアスコクロリン、4−0−カルボキシアルキルアスコクロリン、アスコフラノン、シリンドロクロリン、クロロネクチン、LLZ−1272−α、LLZ−1272−δ等々をピリジン/無水酢酸の混合液に加え、一夜室温に放置した。アスコクロリン及びその関連化合物をアシル化するピリジン/無水酢酸混合液中における無水酢酸の添加量は、モル比ベースにおいて前者の水酸基1に対し無水酢酸が少過剰に加える。一夜放置した後、反応液を水に注ぎ込み、混合した液1部に対し約3部の酢酸エチルを加え、分液ロート中で激しく攪拌して上層の酢酸エチル相を分取した。下層は再び酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル相は合一した。この酢酸エチル相を1規定の希塩酸、飽和重曹水で順次洗浄し、洗浄液は無水硫酸ソーダを加えて乾燥した。無水硫酸ソーダを濾過して除去し、濾液を減圧濃縮・乾固して粗アシル化物を得た。本操作により得られたこれらのアシル化物は、収率がほぼ定量的であり、純度が非常に高いため、さらに精製することなく次の工程に使用できる。
2,4−Di−0−アセチルアスコクロリン調製の別法
無水酢酸の代わりに塩化アセチルを使う別法は次のとおりである。アスコクロリン(0.300g,0.741mmol)を無水ピリジン(1.3ml)に溶解し、水浴で冷却しながら塩化アセチル(0.158ml,2.22mmol)を滴下した。反応液を室温で4時間撹拌後、飽和NaHCO水溶液(2ml)を加え、さらに20分間撹拌した。反応液を水で希釈後、エーテル抽出し、エーテル層を飽和CuSO水溶液、水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別した後、減圧濃縮し0.320g(88%)の2を得た(無色粘稠油状物質,as a colorless gum)。
NMR(CDCl,500MHz):0.71(3H,s),0.81(3H,d,J=6.7Hz),0.84(3H,d,J=6.7Hz),1.63(1H,qd,J=13.0,5.5Hz),1.86(3H,s),1.90−1.97(2H,m),2.34(3H,s),2.35(3H,s),2.36−2.43(3H,m),3.35(2H,d,J=7.0Hz),5.25(1H,t,J=7.0Hz),5.41(1H,d,J=16.0Hz),5.87(1H,d,J=16.0Hz),10.27(1H,s).
過去の検討においてアスコクロリン及び関連物質をアシル化する検討においては、結晶状の4−0−アシル体が得られることが判明していた。反応液中に2,4−di0−アシル体が生成していても、精製の過程で2−位のアシル基は容易に加水分解され水酸基に戻るからである。したがって、これまで結晶状に得られない2,4−di0−アシル体は、新規誘導体の出発原料としてはほとんど使われなかった。本実施例では反応液中における2,4−di0−アシル体の生成を確認するため、アルデヒドを一級アミンと反応させてアミノカルボニル化させるための溶媒/触媒であるメタノール/トリエチルアミン混合液に2,4−di0−アセチルアスコクロリン(0.1mmol)を溶解し、一夜室温に放置してアシル基の部分分解により4−0−メチルアスコクロリンの収得をこころみた。ところが意外なことに生成したのは4−0−アセチル体ではなく、アルデヒド基に2分子のメタノールが付加した4−0−アセチルアスコクロリンのヂメチルアセタールが定量的(0.095mmol)に生成した。アセタール生成を確認するため、トリエチルアミン/エタノール溶液に2,4−di0−アセチルアスコクロリン(0.1mmol)を溶解し、メタノール/トリエチルアミン混合液の場合と同様に処理したところ、4−0アセチルアスコクロリンのヂエチルアセタールが定量的(0.098mmol)に生成することを確認した。また、4−0−アセチルアスコクロリンのヂメチルアセタールを希塩酸/メタノールに溶解して加水分解したところ、4−0−アセチルアスコクロリンが生成した。したがって、アスコクロリン及び芳香環2−位、4−位に水酸基を持つその関連化合物がピリジン溶媒中で過剰の無水酢酸と反応して生成する化合物は、2,4−ヂアセチル体であり、穏やかな条件でアセタールを形成することを確認した。なお、当然のことながらアルデヒド基がアセタールにより保護されると、塩基性触媒の存在下で一級アミンと反応させてもシッフの塩基は生成しなかった。
化1
一方、4−0−monoアセチル誘導体は、2,4−di0−アセチル誘導体を出発物質としてアセタールを生成する条件(トリエチルアミン/メタノール混合溶媒に溶解して放置)でもアセタールは形成しない。しかし、4−0−メチルアスコクロリン、4−0−カルボキシメチルアスコクロリンをピリジン溶媒中で無水酢酸によりアセチル化した2−0−アセチル体は、トリエチルアミン/アルコールに溶解して室温に一夜放置するとアセタールを形成する。したがって、アセタール生成のためにはアルデヒドに隣接する水酸基がアシル化されていることが必要である。2位水酸基がアシル化されたアスコクロリン及びその関連化合物とアルコール類を、反応溶媒の存在下ないし非存在下に塩基性触媒を使って縮合させると、表1〜3に示すようにアセタールが定量的に生成する。
表1
表2
表3
一般的にアセタール形成反応は、酸触媒存在下におけるアルコール交換反応が用いられる。本発明の塩基触媒によるアルコールとの直接的なアセタール形成は、これまでに例がない反応を考えられるので、4−0−カルボキシメチルアスコクロリンの2−0−アセチル体の場合における反応機構を推定した。
化2
すなわち、アルデヒドへのメタノール付加の後、混合酸無水物でもある隣接アセチル基への求核反応、次いでアセチル基の転移及びアセトキシ基の脱離にともない第二のメタノール付加が起こりアセタールが形成されると推定した。
マウスの血清コレステロール低下作用
5週令のICR系雄性マウス30頭をマウス用標準飼料と水を任意摂取させて飼育した。マウスをランダムに3群に分け、一群を薬物無投与の対照群とし、他の二群に4−0−メチルアスコクロリンのヂエチルアセタール(MAC−DEA)を飼料にそれぞれ0.1%と0.05%混合して与える。体重、飼料摂取量、飲水量は1日おきに測定する。飼料を与えてから1週間後に採血して血清の総コレステロールと中性脂肪を測定する。
表4
18頭の7週令雄性db/dbマウスをマウス用標準飼料と水を任意摂取させて1週間飼育した。マウスは無作為に6頭ずつ三群に分け、各群をラット用採尿ケージに収容し、摂餌量、飲水量、尿量、尿糖排泄量は毎日測定した。第一群はCE−2を与える対照群、第二群と第三群はCE−2に4−0−メチルアスコクロリンのジエチルアセタール(MAC−DEA)を0.05%あるいは0.1%混合した飼料を与えた。飼料及び飲料水は自由に摂取させ、7日目に採血し、血糖、血清中性脂肪、血清インスリンを測定した。
表5
体重の平均が約250gの24頭のウイスター・イマミチ系雄性ラットをネンブタール麻酔下に右側の腎臓を摘出し、傷口を縫合してから飼料と飲料水を任意摂取させて2週間飼育した。縫合した傷口が完全に癒合し、健康状態が良好な18頭を選抜し実験に供した。ラットは無作為に6頭ずつ3群に分け、一群に4−0−アセチルアスコクロリンのアルデヒド基にプロピレングリコールが結合したアセタール(AC−PG)を10mg/kg、第二の群にAC−PGを5mg/kg経口投与し、第三群は対照群としてAC−PGを懸濁した0.2%ツイーン−80水溶液のみを経口投与した。実験開始に際しラットはCE−2と1%食塩水を任意に摂取させ、デオキシコルチコステロン酢酸エステル5mg/kgを毎週1回皮下に投与した。1%食塩水消費量と尿量は毎日測定し、血圧と体重は週に1回測定した。表に実験を開始してから42日後の体重増加、一日平均の飲水量、血圧及び血清総コレステロールを示す。
表6
体重の平均が約250gの40頭のウイスター・イマミチ系雄性ラットをネンブタール麻酔下に右側の腎臓を摘出し、傷口を縫合してから飼料と飲料水を任意摂取させて2週間飼育した。縫合した傷口が完全に癒合し、健康状態が良好な36頭を選抜し実験に供した。実験開始に際しラットはCE−2と1%食塩水を任意に摂取させ、デオキシコルチコステロン酢酸エステル5mg/kgを毎週1回皮下に投与した。ラットは無作為に6頭ずつ6群に分け、第一群に4−0−アセチルアスコクロリンのアルデヒド基にプロピレングリコールが結合したアセタール(AC−PG)を10mg/kg、第二の群にAC−PGを5mg/kg経口投与し、第三〜第六群は0.2%ツイーン−80水溶液のみを経口投与した。開始42日目に第四群〜第六群のデオキシコルチコステロン酢酸エステル投与を中止し、それと同時に飲料水を1%食塩水から水道水に切り替えた。同時に第四群にAG−PGを5mg/kg、第五群に10mg/kgの経口投与を開始し実験は56日後に終了した。第三群と第六群は、全実験期間を通じ0.2%ツイーン−80含有水溶液を投与した。血圧と体重は週に1回測定した。56日目に腸間膜動脈を摘出し、脂肪染色してオレンジ色に染色された動脈瘤を計測した。表は腸間膜動脈1本当たりの動脈瘤の数を示す。
表7
18頭の平均体重約250gのウイスター・イマミチ系雄性ラットをヂエチルエーテルによる麻酔下で頸動脈を擦過し、再狭索のモデルである頸動脈擦過ラットを作成した(Fraser−Smith EB;J Phamacol Exp Ther.1995 Dec;275(3):1204−8)。ラットは無作為に6頭ずつ3群に分け、一群に4−0−カルボキシメチルアスコクロリンのアルデヒド基にメタノールが結合したアセタール(AS−6−DM)を50mg/kg、第二の群にAS−6−DMを25mg/kg経口投与し、第三群は対照群として0.2%ツイーン−80水溶液のみを2週間経口投与した。2週間後に頸動脈を摘出し、フォルマリンで固定してからHE染色を行い、顕微鏡下でもっとも動脈肥厚が進んでいる部分の厚さを測定し、対照群における(擦過部の肥厚した頸動脈の厚さ−健常
の頸動脈厚さ)を100%として肥厚の抑制を比較した。
表8
30頭の5週令ICR系雄性マウスを無作為に5頭ずつ6群に分け、マウス用標準飼料CE−2((株)日本クレア)と水を自由摂取させて1週間飼育した。次ぎに、ストレプトゾトシンを50mg.kgを第一群〜第三群のマウスに静脈注射し、1週間後に眼窩から採血して血糖と血清インスリンを測定しインスリン欠乏性糖尿病の発症を確認した。ストレプトゾトシン注射の10日後に同時に飼育していた第四〜第六群の健常マウスから膵臓ランゲルハンス島を取り出し、糖尿病マウスの背部皮下に20個ずつ移植した。移植直後から第一群はMAC−DEを0.1%含有するCE−2,第二群は同じく0.05%含有するCE−2、第三群はCE−2を与えて飼育した。糖尿病マウスはさらに60日間飼育し、15日ごとに眼窩から採血して血糖と血清インスリンを測定した。
表9
30頭の5週令ICR系雄性マウスを無作為に10頭ずつ3群に分け、第一群はマウス用標準飼料CE−2((株)日本クレア)を与え、第二群はCE−2に4−O−メチルアスコクロリン(MAC−DE)のヂエチルアセタールを0.1%含有させた飼料、第三群はMAC−DEを0.05%含有させた飼料で飼育した。最終的な体重及び体重増加率は、対照群と比べ二つのMAC−DE群で抑制される傾向を示したが、統計的な有意差はなかった。13週後にマウスから肝臓と副睾丸脂肪組織を摘出し、Folchの方法により脂質を抽出して、中性脂肪含量を測定した。その結果、0.05%のMAC−DE群で中性脂肪の含量は27%減少し、0.1%MAC−DE群では35%減少していた。このことからMAC−DEは体内への脂肪蓄積を抑制することがわかる。
Trans−activation assayにおける甲状腺ホルモンの活性増強
甲状腺ホルモンの移入遺伝子活性検定系において、本発明の化合物は甲状腺ホルモン活性を示さない。しかし、少量の甲状腺ホルモンと混合すると、リポーター遺伝子の発現を増大させた。すなわち、甲状腺ホルモン応答エレメントによって発現が制御されるリポーター遺伝子プラスミドと甲状腺ホルモン発現プラスミドをCOS−1細胞に導入した後、その導入細胞を甲状腺ホルモンと本発明の化合物で処理すると、リポーター遺伝子の発現量が増加する。この結果は本発明の化合物が甲状腺ホルモン核内受容体のアゴニストではないが、これらの化合物が甲状腺ホルモン活性転写過程の補助因子を介して遺伝子の発現を増強していることを示している。
30頭の5週令ddY系雄性マウスを無作為に10頭ずつ3群に分け、飼料と水を自由摂取させて13週間飼育した。この間、第一群はマウス用標準飼料CE−2((株)日本クレア)を与え、第二群はCE−2に4−O−メチルアスコクロリン(MAC−DE)のヂエチルアセタールを0.1%含有させた飼料、第三群はMAC−DEを0.05%含有させた飼料で飼育した。最終的な体重及び体重増加率は、対照群と比べ二つのMAC−DE群で抑制される傾向を示したが、統計的な有意差はなかった。13週後にマウスから肝臓と副睾丸脂肪組織を摘出し、Folchの方法により脂質を抽出して、中性脂肪含量を測定した。その結果、0.05%のMAC−DE群で中性脂肪の含量は27%減少し、0.1%MAC−DE群では35%減少していた。このことからMAC−DEは体内への脂肪蓄積を抑制することがわかる。
5週令のICR系雄性マウス18頭の腹部皮下にエーリッヒ腹水ガン細胞10個を接種し、24時間後に6頭ずつ3群に分け、第一群と第二群に4−O−メチルアスコクロリン(MAC−DE)のヂエチルアセタールを一日2回、9:00と20:00に0.2%ツイーン−80に懸濁し、それぞれ1mg/kgと4mg/kgを経口投与した。第三群はMAC−DEを含まないツイーン−80水溶液を与えて対照群とした。投与は7日間継続し、投与終了後2週間飼育した。21日目にマウスから結節型腫瘍を摘出して重量を測定し、MAC−DEによる腫瘍の成長抑制効果を検討した。表10から明らかなようにMAC−DEは有意にエーリッヒガンの成長を抑制する。
表10
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発明の効果
本発明は動脈硬化症、高コレステロール血症、高血圧症、非インスリン依存性糖尿病(II型糖尿病とも言う)、慢性炎症、粘液水腫、悪性腫瘍等々の新しい治療薬を提供することに加え、これまで適切な治療手段がなかった多重危険因子症候群(シンドロームXとも云う)、ステント及びバルーンカテーテルにより拡張された動脈の再狭索予防、再生医療における移植片の生着確保にも有用である。
なし。

Claims (12)

  1. 全置換芳香族アルデヒド化合物であり3位にセスキテルペン側鎖をもつ糸状菌の代謝産物、アスコクロリン、シリンドロクロリン、アスコフラノン、クロロネクチン、LLZ−1272−α、LLZ−1272−δ等々の2個のフェノール性水酸基をアシル化した後、塩基の存在下にアルコールと反応させることによって得られる新規アセタール化合物及びその合成法
  2. 塩基の存在下でアルコール類と反応させる芳香族アルデヒド化合物が、アスコクロリン、シリンドロクロリン、アスコフラノン、クロロネクチン、LLZ−1272−α、LLZ−1272−δ等々の4位フェノール性水酸基の水素をアルキル基で置換し、2位フェノール性水酸基をアシル化した誘導体であることを特徴とする新規アセタール化合物及びその合成法
  3. 請求項1〜請求項2の方法で得られる新規アセタール化合物を有効成分とする糖尿病治療・予防薬及びその製法
  4. 請求項1〜請求項7の方法で得られる新規アセタール化合物を有効成分とする動脈硬化症治療薬及びその製法
  5. 請求項1〜請求項7の方法で得られる新規アセタール化合物を有効成分とする血清コレステロール低下剤及びその製法
  6. 請求項1〜請求項7の方法で得られる新規アセタール化合物を有効成分とする多重危険因子症候群の新規治療薬及びその製法
  7. 請求項1〜請求項7の方法で得られる新規アセタール化合物を有効成分とする高血圧症の新規治療薬及びその製法
  8. 請求項1〜請求項7の方法で得られる新規アセタール化合物を有効成分とする粘液水腫の新規治療薬及びその製法
  9. 請求項1〜請求項7の方法で得られる新規アセタール化合物を有効成分とする慢性炎症を治療する新規消炎剤及びその製法
  10. 請求項1〜請求項7の方法で得られる新規アセタール化合物を有効成分とする新規抗ガン剤及びその製法
  11. 請求項1〜請求項7の方法で得られる新規アセタール化合物を有効成分とするバルーンカテーテルあるいはステントにより拡張した動脈腔の再狭窄に対する予防・治療薬及びその製法
  12. 再生医療の実施に際し、レシピエントに移植する幹細胞から分化誘導した細胞ないし組織を生着させるため請求項1〜請求項7の方法で得られる新規アセタール化合物を投与することを特徴とする生着促進剤及びその製法
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