JP2005225441A - 自動二輪車用連動ブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 車両重量や液圧等の条件が異なる車種に対しても、前後輪の制動力を容易かつ確実に理想配分曲線に近付けることができる自動二輪車用連動ブレーキ装置を提供する。
【解決手段】 第1前輪ブレーキ系統11を単独系統とし、第1後輪ブレーキ系統12、第2後輪ブレーキ系統13,第2前輪ブレーキ系統14を、後輪用ブレーキ操作子7の操作により、第1後輪ブレーキ、第2後輪ブレーキ,第2前輪ブレーキを液圧作動する連動系統とし、第1後輪ブレーキ系統12及び第2後輪ブレーキ系統13に液圧制御手段15を介在させる。液圧制御手段15は、第1液圧遮断弁22と、第1減圧弁23と、第2液圧遮断弁24と、第2減圧弁25とを備え、液圧制御手段15により、第1後輪ブレーキ及び第2後輪ブレーキの制動力を、第1設定圧力P1、第2設定圧力P2、第3設定圧力P3,第4設定圧力P4の4段階の設定圧力によりコントロールする。
【選択図】 図1
【解決手段】 第1前輪ブレーキ系統11を単独系統とし、第1後輪ブレーキ系統12、第2後輪ブレーキ系統13,第2前輪ブレーキ系統14を、後輪用ブレーキ操作子7の操作により、第1後輪ブレーキ、第2後輪ブレーキ,第2前輪ブレーキを液圧作動する連動系統とし、第1後輪ブレーキ系統12及び第2後輪ブレーキ系統13に液圧制御手段15を介在させる。液圧制御手段15は、第1液圧遮断弁22と、第1減圧弁23と、第2液圧遮断弁24と、第2減圧弁25とを備え、液圧制御手段15により、第1後輪ブレーキ及び第2後輪ブレーキの制動力を、第1設定圧力P1、第2設定圧力P2、第3設定圧力P3,第4設定圧力P4の4段階の設定圧力によりコントロールする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、自動二輪車用連動ブレーキ装置に関し、詳しくは、前後輪連動ブレーキと前輪単独ブレーキとを備える自動二輪車用連動ブレーキ装置に関する。
自動二輪車用の連動ブレーキ装置として、前輪用のブレーキ操作子、例えばブレーキレバーの操作によって発生した第1液圧マスタシリンダからの液圧で前輪ブレーキを作動させ、後輪用のブレーキ操作子、例えばブレーキペダルの操作によって発生した第2液圧マスタシリンダからの液圧で前輪ブレーキと後輪ブレーキとを作動する連動系ブレーキ系統とを備えたものが知られている。さらに、このような連動ブレーキ装置では、連動系ブレーキ系統に液圧制御装置を設けることにより、前輪ブレーキ及び後輪ブレーキの各制動力を理想配分曲線に近付けるようにコントロールするようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
特許第3329957号公報
特許文献1に記載されたような液圧制御装置を用いることにより、前輪ブレーキ及び後輪ブレーキの各制動力を理想配分曲線に近付けることはできるが、車両重量や液圧等の様々な条件により、車種によっては前後輪の制動力を理想配分曲線に近付けることが困難な場合があった。
そこで本発明は、車両重量や液圧等の条件が異なる車種に対しても、前後輪の制動力を容易かつ確実に理想配分曲線に近付けることができる自動二輪車用連動ブレーキ装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、第1本発明は、前輪用ブレーキ操作子の操作によって第1前輪ブレーキを液圧作動させる第1前輪ブレーキ系統と、後輪用ブレーキ操作子の操作によって複数の後輪ブレーキをそれぞれ液圧作動させる複数の後輪ブレーキ系統と、前記後輪用ブレーキ操作子の操作に連動して第2前輪ブレーキを液圧作動させる第2前輪ブレーキ系統とを備え、後輪用ブレーキ操作子の操作により複数の後輪ブレーキと第2前輪ブレーキとを連動させて液圧作動させるとともに、前記後輪ブレーキ系統に液圧制御手段を介在させた自動二輪車用連動ブレーキ装置において、前記第1前輪ブレーキ系統は、前記前輪用ブレーキ操作子の操作により発生する液圧に応じて第1前輪ブレーキを液圧作動する単独系統であり、前記複数の後輪ブレーキ系統及び前記第2前輪ブレーキ系統は、前記後輪用ブレーキ操作子の操作により発生する液圧に応じて複数の後輪ブレーキ及び第2前輪ブレーキを液圧作動する連動系統であり、前記液圧制御手段は、前記複数の後輪ブレーキ系統のそれぞれに、前記後輪用ブレーキ操作子の操作により発生する液圧に対応して各後輪ブレーキ系統への液圧の供給を遮断する液圧遮断弁と、各後輪ブレーキ系統に供給されている液圧を減少させるように作動する減圧弁とを有しており、前記複数の後輪ブレーキ系統における前記液圧遮断弁及び減圧弁を作動させるための各設定圧力が各後輪ブレーキ系統毎に異なる液圧に設定されていることを特徴としている。
第2発明は、後輪ブレーキ系統が、第1後輪ブレーキを液圧作動させる第1後輪ブレーキ系統と第2後輪ブレーキを液圧作動させる第2後輪ブレーキ系統とを有するものであって、前輪用ブレーキ操作子の操作によって第1前輪ブレーキを液圧作動させる第1前輪ブレーキ系統と、後輪用ブレーキ操作子の操作によって第1後輪ブレーキを液圧作動させる第1後輪ブレーキ系統及び第2後輪ブレーキを液圧作動させる第2後輪ブレーキ系統と、前記後輪用ブレーキ操作子の操作に連動して第2前輪ブレーキを液圧作動させる第2前輪ブレーキ系統とを備え、後輪用ブレーキ操作子の操作により第1後輪ブレーキ及び第2後輪ブレーキと第2前輪ブレーキとを連動させて液圧作動させるとともに、第1後輪ブレーキ系統及び第2後輪ブレーキ系統に液圧制御手段を介在させた自動二輪車用連動ブレーキ装置において、前記第1前輪ブレーキ系統は、前記前輪用ブレーキ操作子の操作により発生する液圧に応じて第1前輪ブレーキを液圧作動する単独系統であり、前記第1後輪ブレーキ系統、前記第2後輪ブレーキ系統及び前記第2前輪ブレーキ系統は、前記後輪用ブレーキ操作子の操作により発生する液圧に応じて第1後輪ブレーキ、第2後輪ブレーキ及び第2前輪ブレーキを液圧作動する連動系統であり、前記液圧制御手段は、前記後輪用ブレーキ操作子の操作により発生する液圧が第1設定圧力に到達するまでは後輪用ブレーキ操作子の操作により発生する液圧を第1後輪ブレーキ系統及び第2後輪ブレーキ系統にそれぞれ供給し、該液圧が第1設定圧力に到達したときに後輪用ブレーキ操作子から第1後輪ブレーキ系統への液圧の供給を遮断する第1液圧遮断弁と、該液圧が第1設定圧力より高い第2設定圧力に到達したときに第1後輪ブレーキ系統に供給されている液圧を減少させるように作動する第1減圧弁と、該液圧が前記第2設定圧力より高い第3設定圧力に到達するまでは後輪用ブレーキ操作子の操作により発生する液圧を第2後輪ブレーキ系統に継続して供給し、該液圧が第3設定圧力に到達したときに後輪用ブレーキ操作子から第2後輪ブレーキ系統への液圧の供給を遮断する第2液圧遮断弁と、該液圧が第3設定圧力より高い第4設定圧力に到達したときに第2後輪ブレーキ系統に供給されている液圧を減少させるように作動する第2減圧弁とを備えていることを特徴としている。
第3発明は、前記第2発明における第3設定圧力は、前記第1減圧弁の作動による第1後輪ブレーキ系統の液圧低下が終了した後に、前記後輪用ブレーキ操作子の操作により発生する液圧に対応した値に設定されていることを特徴としている。
第4発明は、前記第2発明における前記液圧制御手段は、前記後輪用ブレーキ操作子の操作により発生する液圧が入力される液圧入力部と、該液圧入力部を前記第1液圧遮断弁、第1減圧弁、第2液圧遮断弁及び第2減圧弁の入力室に連通させる入力側連通路と、第1液圧遮断弁の出力室及び第1減圧弁の減圧室を前記第1後輪ブレーキ系統に連通させる第1液圧出力部と、第2液圧遮断弁の出力室及び第2減圧弁の減圧室を前記第2後輪ブレーキ系統に連通させる第2液圧出力部とを、一つのハウジングに一体に備えていることを特徴としている。
第5発明は、前記第1発明及び第2発明における前記第2前輪ブレーキ系統は、前記後輪用ブレーキ操作子の操作によって供給される液圧を、後輪ブレーキよりも遅らせて前記第2前輪ブレーキに供給する遅延バルブを備えていることを特徴としている。
本発明の自動二輪車用連動ブレーキ装置によれば、複数の後輪ブレーキ、例えば第1後輪ブレーキ及び第2後輪ブレーキと第2前輪ブレーキとを連動させて液圧作動させるに際し、後輪用ブレーキ操作子の操作により発生する液圧に対して、第1後輪ブレーキ及び第2後輪ブレーキの制動力を、液圧制御手段に設けた各系統の液圧遮断弁及び減圧弁にそれぞれ設定した第1設定圧力、第2設定圧力、第3設定圧力及び第4設定圧力の4段階の設定圧力によりコントロールするようにしているので、前後両輪の制動力を広い範囲で理想配分に近付けることができる。
また、第3設定圧力を第1減圧弁の作動が終了して液圧が一定値になった液圧値に設定することにより、ブレーキフィーリングがより良好なものとなる。さらに、液圧制御手段を構成する複数の弁等を一つのハウジング内にまとめて一体形成することにより、液圧制御手段の製造や組付けを容易に行うことができる。また、遅延バルブを設けて第2前輪ブレーキ系統への液圧の供給を後輪側より遅らせることにより、後輪用ブレーキ操作子の操作で発生する液圧が低いときには後輪にのみ制動力を与えることができるので、後輪用ブレーキ操作子の操作に、よりふさわしい制動力を与えることができる。
図1は本発明の自動二輪車用連動ブレーキ装置の一形態例を示す系統図、図2は液圧制御手段の作用を説明する入力液圧と出力液圧との関係を示す図、図3は遅延バルブを設けていないときの前輪ブレーキと後輪ブレーキとの制動力配分を示す図、図4は遅延バルブを設けたときの前輪ブレーキと後輪ブレーキとの制動力配分を示す図である。
まず、図1に示すように、本形態例に示す自動二輪車は、前輪ブレーキ1として、2個の2ポット対向型のディスクブレーキ装置2,3を設けるとともに、後輪ブレーキ4として、1個の2ポット対向型のディスクブレーキ装置5を設けている。前輪ブレーキ1の一方のディスクブレーキ装置2は、キャリパ2a内に設けられた4個の液圧室2bを全て連通させた一系統のものであり、前輪ブレーキ1の他方のディスクブレーキ装置3は、キャリパ3a内に設けられた4個の液圧室3b、3cの内、前部の液圧室3b,3b同士及び後部の液圧室3c,3c同士をそれぞれ連通させて前後の液圧室を別系統とした二系統のものとしている。また、後輪ブレーキ4も、ディスクブレーキ装置5のキャリパ5a内に設けられた4個の液圧室5b,5cの内、前部の液圧室5b,5b同士及び後部の液圧室5c,5c同士をそれぞれ連通させて前後の液圧室を別系統とした二系統のものとしている。
前輪用ブレーキ操作子6は、操向ハンドルの右端部に設けられた前輪用液圧マスタシリンダ6aに枢支されるブレーキレバーであって、後輪用ブレーキ操作子7は、車体フレームに枢支されるブレーキペダルであり、後輪用ブレーキ操作子7の後端には後輪用液圧マスタシリンダ7aを作動させるピストン押動子7bが設けられている。前輪用ブレーキ操作子6を操作することによって前輪用液圧マスタシリンダ6aにブレーキ作動用の液圧が発生し、後輪用ブレーキ操作子7を操作することによって後輪用液圧マスタシリンダ7aにブレーキ作動用の液圧が発生する。
この自動二輪車に適用した連動ブレーキ装置は、前記前輪用ブレーキ操作子6の操作によって発生した液圧を、第1前輪ブレーキを構成する前記前輪ブレーキ1の一方のディスクブレーキ装置2の4個の液圧室2b及び他方のディスクブレーキ装置3の前部の2個の液圧室3bの計6個の液圧室に供給し、各液圧室内のピストンを液圧作動させるための第1前輪ブレーキ系統11と、後輪用ブレーキ操作子7の操作によって発生した液圧を、第1後輪ブレーキを構成する前記後輪ブレーキ4のディスクブレーキ装置5の前部の2個の液圧室5bに供給し、両液圧室内のピストンを液圧作動させるための第1後輪ブレーキ系統12と、同じく後輪用ブレーキ操作子7の操作によって発生した液圧を、第2後輪ブレーキを構成する後輪ブレーキ4のディスクブレーキ装置5の後部の2個の液圧室5cに供給し、両液圧室内のピストンを液圧作動させるための第2後輪ブレーキ系統13と、さらに、後輪用ブレーキ操作子7の操作によって発生した液圧を、第2前輪ブレーキを構成する前輪ブレーキ1の他方のディスクブレーキ装置3の後部の2個の液圧室3cに供給し、両液圧室内のピストンを液圧作動させるための第2前輪ブレーキ系統14と、第1後輪ブレーキ系統12及び第2後輪ブレーキ系統13に供給する液圧をコントロールするための液圧制御手段15と、後輪用ブレーキ操作子7の操作で発生する液圧を、後輪ブレーキ4よりも遅らせて前輪ブレーキ1に供給するための遅延バルブ16とを備えている。
すなわち、前輪用ブレーキ操作子6の操作で液圧を発生する前輪用液圧マスタシリンダ6aは、前記4個の液圧室2b及び2個の液圧室3bからなる第1前輪ブレーキに第1前輪ブレーキ系統11で接続され、前輪用ブレーキ操作子6の操作により発生する液圧に応じて第1前輪ブレーキを液圧作動する独立した単独系統となっている。一方、後輪用ブレーキ操作子7の操作で液圧を発生する後輪用液圧マスタシリンダ7aは、前記2個の液圧室5bからなる第1後輪ブレーキに第1後輪ブレーキ系統12で、前記2個の液圧室5cからなる第2後輪ブレーキに第2後輪ブレーキ系統13で、前記2個の液圧室3cからなる第2前輪ブレーキに第2前輪ブレーキ系統14で、それぞれ接続されており、後輪用ブレーキ操作子7の操作により発生する液圧に応じて第1後輪ブレーキ、第2後輪ブレーキ及び第2前輪ブレーキを連動させて液圧作動させる連動系統となっている。
また、第2前輪ブレーキ系統14は、後輪用液圧マスタシリンダ7aの吐出側で前記液圧制御手段15に接続される後輪側系統から分岐しており、第1後輪ブレーキ系統12と第2後輪ブレーキ系統13とは、一体形成された液圧制御手段15の出力部を両系統に対応して設けることによって分岐させている。なお、後輪用液圧マスタシリンダ7aをタンデム形式としたときには、第2前輪ブレーキ系統14と後輪側とを後輪用液圧マスタシリンダ7aで分岐させることができ、液圧制御手段15を第1後輪ブレーキ系統12と第2後輪ブレーキ系統13とで別々に設けたときには、液圧制御手段15の入力部より上流側で分岐させることになる。
前記液圧制御手段15は、後輪用液圧マスタシリンダ7aからの液圧が入力される液圧入力部21と、該液圧入力部21を第1液圧遮断弁22、第1減圧弁23、第2液圧遮断弁24及び第2減圧弁25の各入力室22a,23a,24a,25aにそれぞれ連通させる入力側連通路26と、第1液圧遮断弁22の出力室22b及び第1減圧弁23の減圧室23bを前記第1後輪ブレーキ系統12に連通させる第1液圧出力部27と、第2液圧遮断弁24の出力室24b及び第2減圧弁25の減圧室25bを前記第2後輪ブレーキ系統13に連通させる第2液圧出力部28とを一体に備えている。
第1液圧遮断弁22は、入力側連通路26からの液圧に応じて移動することにより入力室22aと出力室22bとの間を開閉するピストン弁22cを備えている。このピストン弁22cは、前記後輪用ブレーキ操作子7の操作により発生する液圧がゼロの段階から第1設定圧力に上昇するまでの範囲では入力室22aと出力室22bとの間を開いた状態としており、入力側連通路26からの液圧が入力室22a、出力室22b及び第1液圧出力部27を経て第1後輪ブレーキ系統12に供給される。これにより、後輪ブレーキ4のディスクブレーキ装置5における前部の2個の液圧室5bに液圧が供給され、ピストン5dが作動して摩擦パッド5eがディスクロータ5fに圧接し、第1後輪ブレーキによる制動力が後輪に発生する。入力側連通路26からの液圧が第1設定圧力に到達すると、液圧の作用によってピストン弁22cが閉方向に移動し、入力室22aと出力室22bとを遮断し、出力室22bから液圧室5bに至る第1後輪ブレーキ系統12が第1設定圧力に応じた液圧に保持された状態となる。
第1減圧弁23は、入力側連通路26からの液圧に応じて移動することにより減圧室23bの内容積を変化させるピストン23cを備えている。このピストン23cは、後輪用ブレーキ操作子7からの液圧がゼロから前記第1設定圧力よりも高い値に設定された第2設定圧力に上昇するまでの範囲では減圧室23bの内容積を最小の状態に維持している。後輪用ブレーキ操作子7の操作により発生する液圧が第2設定圧力に到達すると、液圧の作用によりピストン23cが移動して減圧室23bの内容積を徐々に拡大させる。したがって、減圧室23bの内容積の拡大に伴い、前記第1液圧遮断弁22の作動によって封入された状態となっている第1後輪ブレーキ系統12の作動液が減圧室23b内に流入することになり、液圧室5bに作用している液圧が低下し、第1後輪ブレーキによる制動力が徐々に減少していく。このとき、第1後輪ブレーキ系統12によって発生する第1後輪ブレーキ(液圧室5b)の制動力は、減圧室23bの内容積変化量に応じて減少し、ピストン23cが最大に移動した時点で一定値(ゼロを含む)となる。
第2液圧遮断弁24は、入力側連通路26からの液圧に応じて移動することにより入力室24aと出力室24bとの間を開閉するピストン弁24cを備えている。このピストン弁24cは、前記後輪用ブレーキ操作子7の操作により発生する液圧がゼロの段階から前記第2設定圧力よりも高い第3設定圧力に上昇するまでの範囲では入力室24aと出力室24bとの間を開いた状態としており、入力側連通路26からの液圧が入力室24a、出力室24b及び第2液圧出力部28を経て第2後輪ブレーキ系統13に供給される。これにより、後輪ブレーキ4のディスクブレーキ装置5における後部の2個の液圧室5cに液圧が供給され、ピストン5gが作動して摩擦パッド5hがディスクロータ5fに圧接し、第2後輪ブレーキによる制動力が後輪に発生する。入力側連通路26からの液圧が第3設定圧力に到達すると、液圧の作用によってピストン弁24cが閉方向に移動し、入力室24aと出力室24bとを遮断し、出力室24bから液圧室5cに至る第2後輪ブレーキ系統13が第3設定圧力に応じた液圧に保持された状態となる。
第2減圧弁25は、入力側連通路26からの液圧に応じて移動することにより減圧室25bの内容積を変化させるピストン25cを備えている。このピストン25cは、後輪用ブレーキ操作子7からの液圧がゼロから前記第3設定圧力よりも高い値に設定された第4設定圧力に上昇するまでの範囲では減圧室25bの内容積を最小の状態に維持している。後輪用ブレーキ操作子7からの液圧が第4設定圧力に到達すると、液圧の作用によりピストン25cが移動して減圧室25bの内容積を徐々に拡大させる。したがって、減圧室25bの内容積の拡大に伴い、前記第2液圧遮断弁24の作動によって封入された状態となっている第2後輪ブレーキ系統13の作動液が減圧室25b内に流入することになり、液圧室5cに作用している液圧が低下し、第2後輪ブレーキによる制動力が徐々に減少していく。
後輪用ブレーキ操作子7の操作により発生する液圧(入力液圧Pi)の変化に対して後輪ブレーキ4に作用する液圧(出力液圧Po)は、上記液圧制御手段15の作用により、図2に示すように変化する。まず、第1後輪ブレーキ系統12では、ゼロから第1設定圧力P1までは入力液圧Piの上昇に比例して出力液圧Poも直線的に上昇する。入力液圧Piが第1設定圧力P1に達すると(点A)、第1液圧遮断弁22が作動し、入力液圧Piが上昇しても出力液圧Poは一定値を保った状態となる。そして、入力液圧Piが第2設定圧力P2に達すると(点B)、第1減圧弁23が作動することにより、入力液圧Piの上昇に伴って出力液圧Poが低下する。
また、第2後輪ブレーキ系統13では、ゼロから第3設定圧力P3までは入力液圧Piに比例して出力液圧Poも上昇する。入力液圧Piが第3設定圧力P3に達すると(点C)、第2液圧遮断弁24が作動し、入力液圧Piが上昇しても出力液圧Poは一定値を保った状態となる。そして、入力液圧Piが第4設定圧力P4に達すると(点D)、第2減圧弁25が作動することにより、入力液圧Piの上昇に伴って出力液圧Poが低下する。
一方、第1前輪ブレーキ系統11に供給される液圧は、入力液圧に比例して変化し、入力液圧の上昇に伴って第1前輪ブレーキ系統11の液圧も直線的に上昇するので、第1前輪ブレーキ系統11の液圧によって発生する前輪ブレーキ1の制動力は、液圧の上昇に伴って上昇する。
これに対し、後輪ブレーキ4では、図2に示したように、入力液圧Piの上昇に伴い、第1後輪ブレーキ系統12では、第1設定圧力P1までは上昇、ここから第2設定圧力P2までは変化無し、ここから第3設定圧力P3までは低下となり、第2後輪ブレーキ系統13では、第3設定圧力P3までは上昇、ここから第4設定圧力P4までは変化無し、第4設定圧力P4を超えると低下となる。
したがって、第2前輪ブレーキ系統14に遅延バルブ16を設けていない場合でも、図3に示すように、第2前輪ブレーキ系統14によって前輪ブレーキ1に作用する制動力Bfと、後輪ブレーキ4に作用する制動力Br、すなわち、第1後輪ブレーキ系統12による制動力Br1及び第2後輪ブレーキ系統13による制動力Br2の和との関係は、前輪ブレーキ1に作用する制動力Bfの上昇に伴い、後輪ブレーキ4に作用する制動力Brが前記第1設定圧力P1、第2設定圧力P2、第3設定圧力P3及び第4設定圧力P4に対応する点A,B,C,Dでそれぞれ下方に屈曲した状態にすることができるので、前後両輪の制動力を広い範囲で理想配分に沿うように制御することができる。
このとき、第3設定圧力P3の液圧値を、第1減圧弁23作動による第1後輪ブレーキ系統12の液圧低下が終了して第1後輪ブレーキ系統12の液圧が一定値になった後の入力液圧値に設定しておくことが望ましい。すなわち、第3設定圧力P3の液圧値を第1減圧弁23が作動中の入力液圧範囲内に設定すると、第2液圧遮断弁24による第2後輪ブレーキ系統13の液圧の保持と、第1減圧弁23による第1後輪ブレーキ系統12の液圧の低下とが同時に発生し、結果的に後輪ブレーキ4に作用する制動力が一時的に減少することになるが、上述のように第3設定圧力P3の液圧値を設定することにより、この液圧の一時的な低下を防止できるので、ブレーキフィーリングがより良好なものとなる。
また、液圧制御手段15を構成する第1液圧遮断弁22、第1減圧弁23、第2液圧遮断弁24及び第2減圧弁25や各液通路等を一つのハウジング内にまとめて一体形成することにより、液圧制御手段15の製造や車体への組付けの容易化、液圧配管の簡素化等を図ることができる。
さらに、本形態例に示すように、第2前輪ブレーキ系統14に遅延バルブ16を設けた場合、後輪用ブレーキ操作子7の操作によって第2前輪ブレーキ系統14から前輪ブレーキ1に作用する制動力Bfと、後輪ブレーキ4に作用する制動力Brとの関係は、図4に示すように、後輪用ブレーキ操作子7の操作によって供給される液圧が遅延バルブ16に設定された遅延設定圧力Pdに達するまでは、前記第1後輪ブレーキ(液圧室5b)及び第2後輪ブレーキ(液圧室5c)よりも遅らせて第2前輪ブレーキ(液圧室3c)に供給するようにできる。すなわち、後輪用ブレーキ操作子7の操作によって供給される液圧が遅延設定圧力Pdより低いときには、遅延バルブ16のピストン16aが入力室16bを閉じており、第2前輪ブレーキには液圧がほとんど供給されない状態となっているので、後輪用ブレーキ操作子7の操作によって後輪にのみ制動力を発生させることができる。これにより、後輪用ブレーキ操作子7の操作に、よりふさわしい制動力を与えることができる。
なお、第1液圧遮断弁22、第1減圧弁23、第2液圧遮断弁24、第2減圧弁25及び遅延バルブ16の作動圧力の設定は、周知のように、各ピストンの受圧面積や弁バネの反発力を適当に設定することにより、任意の液圧に設定することができる。また、後輪用ブレーキ操作子7は、操向ハンドルの左端部に設けられた後輪用液圧マスタシリンダに枢支されるブレーキレバーであってもよい。さらに、ディスクブレーキ装置の形式も任意である。
また、前記形態例では、後輪ブレーキを2組及び後輪ブレーキ系統を2系統としたもので説明したが、これらを3以上設けた場合でも、前述のようにして各設定圧力を設定することにより、前後両輪の制動力を広い範囲で理想配分に沿うようにコントロールすることができる。
1…前輪ブレーキ、2,3,5…ディスクブレーキ装置、2a,3a,5a…キャリパ、2b,3b,3c,5b,5c…液圧室、4…後輪ブレーキ、5d,5g…ピストン、5e,5h…摩擦パッド、5f…ディスクロータ、6…前輪用ブレーキ操作子、7…後輪用ブレーキ操作子、11…第1前輪ブレーキ系統、12…第1後輪ブレーキ系統、13…第2後輪ブレーキ系統、14…第2前輪ブレーキ系統、15…液圧制御手段、16…遅延バルブ、21…液圧入力部、22…第1液圧遮断弁、22a,23a,24a,25a…入力室、22b,24b…出力室、23b,25b…減圧室、26…入力側連通路、27…第1液圧出力部、28…第2液圧出力部
Claims (5)
- 前輪用ブレーキ操作子の操作によって第1前輪ブレーキを液圧作動させる第1前輪ブレーキ系統と、後輪用ブレーキ操作子の操作によって複数の後輪ブレーキをそれぞれ液圧作動させる複数の後輪ブレーキ系統と、前記後輪用ブレーキ操作子の操作に連動して第2前輪ブレーキを液圧作動させる第2前輪ブレーキ系統とを備え、後輪用ブレーキ操作子の操作により複数の後輪ブレーキと第2前輪ブレーキとを連動させて液圧作動させるとともに、前記後輪ブレーキ系統に液圧制御手段を介在させた自動二輪車用連動ブレーキ装置において、前記第1前輪ブレーキ系統は、前記前輪用ブレーキ操作子の操作により発生する液圧に応じて第1前輪ブレーキを液圧作動する単独系統であり、前記複数の後輪ブレーキ系統及び前記第2前輪ブレーキ系統は、前記後輪用ブレーキ操作子の操作により発生する液圧に応じて複数の後輪ブレーキ及び第2前輪ブレーキを液圧作動する連動系統であり、前記液圧制御手段は、前記複数の後輪ブレーキ系統のそれぞれに、前記後輪用ブレーキ操作子の操作により発生する液圧に対応して各後輪ブレーキ系統への液圧の供給を遮断する液圧遮断弁と、各後輪ブレーキ系統に供給されている液圧を減少させるように作動する減圧弁とを有しており、前記複数の後輪ブレーキ系統における前記液圧遮断弁及び減圧弁を作動させるための各設定圧力が各後輪ブレーキ系統毎に異なる液圧に設定されていることを特徴とする自動二輪車用連動ブレーキ装置。
- 前記複数の後輪ブレーキ系統が、第1後輪ブレーキを液圧作動させる第1後輪ブレーキ系統と第2後輪ブレーキを液圧作動させる第2後輪ブレーキ系統とであり、前記液圧制御手段は、前記後輪用ブレーキ操作子の操作により発生する液圧が第1設定圧力に到達するまでは後輪用ブレーキ操作子の操作により発生する液圧を第1後輪ブレーキ系統及び第2後輪ブレーキ系統にそれぞれ供給し、該液圧が第1設定圧力に到達したときに後輪用ブレーキ操作子から第1後輪ブレーキ系統への液圧の供給を遮断する第1液圧遮断弁と、該液圧が第1設定圧力より高い第2設定圧力に到達したときに第1後輪ブレーキ系統に供給されている液圧を減少させるように作動する第1減圧弁と、該液圧が前記第2設定圧力より高い第3設定圧力に到達するまでは後輪用ブレーキ操作子の操作により発生する液圧を第2後輪ブレーキ系統に継続して供給し、該液圧が第3設定圧力に到達したときに後輪用ブレーキ操作子から第2後輪ブレーキ系統への液圧の供給を遮断する第2液圧遮断弁と、該液圧が第3設定圧力より高い第4設定圧力に到達したときに第2後輪ブレーキ系統に供給されている液圧を減少させるように作動する第2減圧弁とを備えていることを特徴とする請求項1記載の自動二輪車用連動ブレーキ装置。
- 前記第3設定圧力は、前記第1減圧弁の作動による第1後輪ブレーキ系統の液圧低下が終了した後に、前記後輪用ブレーキ操作子の操作により発生する液圧に対応した値に設定されていることを特徴とする請求項2記載の自動二輪車用連動ブレーキ装置。
- 前記液圧制御手段は、前記後輪用ブレーキ操作子の操作により発生する液圧が入力される液圧入力部と、該液圧入力部を前記第1液圧遮断弁、第1減圧弁、第2液圧遮断弁及び第2減圧弁の入力室に連通させる入力側連通路と、第1液圧遮断弁の出力室及び第1減圧弁の減圧室を前記第1後輪ブレーキ系統に連通させる第1液圧出力部と、第2液圧遮断弁の出力室及び第2減圧弁の減圧室を前記第2後輪ブレーキ系統に連通させる第2液圧出力部とを、一つのハウジングに一体に備えていることを特徴とする請求項2記載の自動二輪車用連動ブレーキ装置。
- 前記第2前輪ブレーキ系統は、前記後輪用ブレーキ操作子の操作によって供給される液圧を、後輪ブレーキよりも遅らせて前記第2前輪ブレーキに供給する遅延バルブを備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の自動二輪車用連動ブレーキ装置。
Priority Applications (1)
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Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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ID=35000477
Family Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2008090783A1 (ja) | 2007-01-26 | 2008-07-31 | Bosch Corporation | 自動二輪車のブレーキ制御装置 |
JP2013123967A (ja) * | 2011-12-14 | 2013-06-24 | Honda Motor Co Ltd | 自動二輪車用ブレーキ装置 |
-
2004
- 2004-02-16 JP JP2004038624A patent/JP2005225441A/ja active Pending
Cited By (4)
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