JP2005225373A - 車輌の制駆動力制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車輌の走行状況に応じて特定の車輪に制駆動力を付与することにより、車体のロールを効果的に低減する。
【解決手段】マスタシリンダ圧力Pmに基づき各車輪の目標制動力Fbtiが演算され(S20)、車輌が旋回走行状態にあり(S30)、車輌の推定横加速度Gyhの絶対値が基準値Gyho以上であり、車体のロールを抑制するための制駆動力の制御が必要であると判別されると(S40)、車輌の旋回方向の判別結果(S50)に応じて車輌の推定横加速度Gyhに基づき車体のロールを抑制するための各車輪の目標付加制動力ΔFbti及び目標付加駆動トルクΔTdtiが演算され、目標付加制動力ΔFbtiに基づき各車輪の目標制動力Fbtiが補正され(S60〜80又はS90〜110)、各車輪の制動力が補正後の目標制動力Fbtiになるよう制御され、旋回外輪側が上昇され若しくは旋回内輪側が下降される(S120〜140)。
【選択図】 図2

Description

本発明は、各車輪の制駆動力を相互に独立に制御可能な車輌の制駆動力制御装置に係り、更に詳細には各車輪の制駆動力を制御することにより車体のロールを低減する制駆動力制御装置に係る。
自動車等の車輌の制御装置の一つとして、例えば本願出願人の出願にかかる下記の特許文献1に記載されている如く、車輌の目標前後力、目標横力、目標ヨーモーメントを演算し、車輌の前後力、横力、ヨーモーメントがそれぞれ目標前後力、目標横力、目標ヨーモーメントになるよう各車輪の制駆動力及び舵角を制御するよう構成された制御装置が既に知られている。
かかる車輌の制御装置によれば、車輌の前後力、横力、ヨーモーメントがそれぞれ目標前後力、目標横力、目標ヨーモーメントになるよう各車輪の制駆動力及び舵角が制御されるので、車輌の走行運動を常に最適に制御することができる。
特開2003−159966号公報
しかし上述の如き従来の車輌の制御装置に於いては、路面に平行な車輌の走行運動を最適に制御することができるが、車輌のロール運動については十分な検討がなされておらず、各車輪の制駆動力を制御することにより車体のロールを低減する点について改善の余地がある。
本発明は、各車輪の制駆動力及び舵角を制御することにより車輌の走行運動を最適に制御するよう構成された従来の車輌の制御装置に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、車輌の走行状況に応じて特定の車輪に制駆動力を付与することにより、車体のロールを効果的に低減することである。
上述の主要な課題は、本発明によれば、横軸が車輌前方を正にして車輌前後方向に整合し縦軸が上方を正にして上下方向に整合し車輪の接地点に原点を有する直交座標で見て、前輪の瞬間中心が第二象限又は第四象限に位置し、後輪の瞬間中心が第一象限又は第三象限に位置し、各車輪の制駆動力を相互に独立に制御可能な車輌の制駆動力制御装置にして、車輌の旋回度合を判定し、車輌の旋回度合が基準値以上であるときには
(1)車輌の旋回度合に応じた制動力を旋回外側前輪に付加する
(2)車輌の旋回度合に応じた駆動力を旋回外側後輪に付加する
(3)車輌の旋回度合に応じた駆動力を旋回内側前輪に付加する
(4)車輌の旋回度合に応じた制動力を旋回内側後輪に付加する
の少なくとも何れかの制御を行うことを特徴とする車輌の制駆動力制御装置(請求項1の構成)、又は横軸が車輌前方を正にして車輌前後方向に整合し縦軸が上方を正にして上下方向に整合し車輪の接地点に原点を有する直交座標で見て、前輪の瞬間中心が第二象限又は第四象限に位置し、後輪の瞬間中心が第一象限又は第三象限に位置し、各車輪の制駆動力を相互に独立に制御可能な車輌の制駆動力制御装置にして、車輌の非旋回走行中に左右前輪位置での路面に対する車体のロール変位を推定し、推定された車体のロール変位が基準値以上であるときには
(1)車輌のロール度合に応じた制動力を車体下降側前輪に付加する
(2)車輌のロール度合に応じた駆動力を車体下降側後輪に付加する
(3)車輌のロール度合に応じた駆動力を車体上昇側前輪に付加する
(4)車輌のロール度合に応じた制動力を車体上昇側後輪に付加する
の少なくとも何れかの制御を行うことを特徴とする車輌の制駆動力制御装置(請求項6の構成)によって達成される。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前記(1)乃至(4)の制御を行うよう構成される(請求項2の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前記(1)及び(2)の制御を行うよう構成される(請求項3の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前記(3)及び(4)の制御を行うよう構成される(請求項4の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1乃至4の構成に於いて、前記車輌の旋回度合は車輌の横加速度であるよう構成される(請求項5の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項6の構成に於いて、前記(1)乃至(4)の制御を行うよう構成される(請求項7の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項6の構成に於いて、前記(1)及び(2)の制御を行うよう構成される(請求項8の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項6の構成に於いて、前記(3)及び(4)の制御を行うよう構成される(請求項9の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項6乃至9の構成に於いて、左右前輪のストローク差を検出し、検出された左右前輪のストローク差に基づき左右前輪位置での路面に対する車体のロール変位を推定するよう構成される(請求項10の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項2乃至4及び請求項7乃至9の構成に於いて、前後輪一対の車輪の制動力の大きさ及び駆動力の大きさは同一であるよう構成される(請求項11の構成)。
一般に、自動車等の車輌に於いては、図11及び図12に示されている如く、各車輪の制駆動力を相互に独立に制御可能な車輌に於いて、横軸が車輌前方を正にして車輌前後方向に整合し、縦軸が上方を正にして上下方向に整合し車輪100F及び100Rの接地点Pf及びPrに原点を有する直交座標で見て、前輪100Fの瞬間中心Qfが第二象限又は第四象限に位置し、後輪100Rの瞬間中心Qrが第一象限又は第三象限に位置する。
また接地点Pfと瞬間中心Qfとを結ぶ線分Lfが水平方向となす角度(小さい方の角度)をθfとし、接地点Prと瞬間中心Qrとを結ぶ線分Lrが水平方向となす角度(小さい方の角度)をθrとし、角度θf及びθrの符号は線分Lf及びLrが水平方向に対し時計廻り方向を正とすると、角度θfは負であり、角度θrは正である。
車輌が左旋回しており、右前後輪が旋回外輪であり、左前後輪が旋回内輪であるとする。駆動力を正とし制動力を負として、右前後輪の前後力Ffr、Frrが車体を持ち上げる力をFzrとすると、力Fzrは下記の式1により表される。
Fzr=Ffr・sinθf+Frr・sinθr
=sinθr{Ffr(sinθf/sinθr)+Frr} ……(1)
上述の如く、角度θfは負であり、角度θrは正であるので、前後力Ffrを負(制動力)とし、前後力Frrを正(駆動力)とすることにより、力Fzrが正になり、右前後輪に前後力を付加することによって車体を持ち上げ、車体のロールを抑制することができる。尚、右前後輪に前後力を付加しても車輌に不要なヨーモーメントが発生しないためには、Frr=−Ffrの関係が成立しなければならない。
これに対し、旋回内輪である左前後輪の前後力Ffl、Frlが車体を持ち上げる力をFzlとすると、力Fzlは下記の式2により表される。
Fzl=Ffl・sinθf+Frl・sinθr
=sinθr{Ffl(sinθf/sinθr)+Frl} ……(2)
上述の如く、角度θfは負であり、角度θrは正であるので、前後力Ffl及びFrlにより車体を下降させて車体のロールを抑制するためには、前後力Fflを正(駆動力)とし、前後力Frlを負(制動力)とする必要がある。尚、左前後輪に前後力を付加しても車輌に不要なヨーモーメントが発生しないためには、Frl=−Fflの関係が成立しなければならない。
各車輪に付加される前後力の大きさが等しいとすると、下記の式3が成立し、下記の式3の値をFとする。
Frr=−Ffr=−Frl=Ffl ……(3)
従って車輌のトレッドをTとすると、各車輪に前後力を付加することにより発生されるアンチロールモーメントMrunは下記の式4により表される。
Mrun=T(sinθr−sinθf)F ……(4)
車輌のばね上質量をMとし、重心高さをHとすると、車輌の左旋回時の値を正として車輌の横加速度GyによるロールモーメントMrgyは下記の式5により表される。
Mrgy=HMGy ……(5)
ロールモーメントの低減率、即ちアンチロールモーメントMrunによるロールモーメントMrgyの低減率をP(0よりも大きく1以下の正の定数)とすると、アンチロールモーメントMrunは下記の式6により表される。
Mrun=PMrgy ……(6)
上記式4及び6より、一つの車輪に前後力を付加することにより車輌のロールを抑制する場合に車輪に付加すべき前後力Fは下記の式7により表される。
Figure 2005225373
従ってゲインKpを下記の式8により表すとすると、上記式7は下記の式9により表されるので、車輌のロールを抑制するためには車輌の横加速度GyにゲインKpを乗算した前後力Fを一つの車輪に付加すればよい。
Figure 2005225373
また一つの車輪に前後力Fを付加すると、車輌にヨーモーメントが付加されてしまうので、下記の式10に従って上記式9の1/2の前後力が旋回外側前後輪に付加されるか、下記の式11に従って上記式9の1/2の前後力が旋回内側前後輪に付加されるか、下記の式12及び13に従って上記式9の1/4の前後力が旋回外側前後輪及び旋回内側前後輪に付加されることが好ましい。
Frr=−Ffr==KpGy/2 ……(10)
−Frl=Ffl==KpGy/2 ……(11)
Frr=−Ffr==KpGy/4 ……(12)
−Frl=Ffl==KpGy/4 ……(13)
尚、車輌が右旋回する場合には、旋回内外輪が上述の場合とは逆になり、車輌のロールを抑制するために車体に作用すべき力の方向が逆になるが、車輌の横加速度Gyの符号も正負が逆になるので、車輌の旋回方向に関係なく上記式9〜13が成立する。
上記請求項1の構成によれば、横軸が車輌前方を正にして車輌前後方向に整合し縦軸が上方を正にして上下方向に整合し車輪の接地点に原点を有する直交座標で見て、前輪の瞬間中心が第二象限又は第四象限に位置し、後輪の瞬間中心が第一象限又は第三象限に位置し、各車輪の制駆動力を相互に独立に制御可能な車輌に於いて、車輌の旋回度合が判定され、車輌の旋回度合が基準値以上であるときには
(1)車輌の旋回度合に応じた制動力を旋回外側前輪に付加する
(2)車輌の旋回度合に応じた駆動力を旋回外側後輪に付加する
(3)車輌の旋回度合に応じた駆動力を旋回内側前輪に付加する
(4)車輌の旋回度合に応じた制動力を旋回内側後輪に付加する
の少なくとも何れかの制御が行われるので、旋回外側に於いては車体を持ち上げる力が作用し、旋回内側に於いては車体を下降させる力が作用し、これにより車輌の旋回時に於ける車体のロールを抑制することができる。
また上記請求項2の構成によれば、前記(1)乃至(4)の制御が行われるので、請求項3及び4の構成の場合に比して、車輌の旋回度合が高いときにも車体のロールを効果的に抑制することができると共に、各車輪に付加される制動力及び駆動力を低減することができ、また請求項3の構成の場合に比して車輌の旋回時に於ける車高を低くして旋回走行時の車輌の安定性を向上させることができる。
また上記請求項3の構成によれば、前記(1)及び(2)の制御が行われるので、旋回外側に於いて車体を持ち上げる力が作用し、これにより車輌の旋回時に於ける車体のロールを抑制することができ、請求項4の構成の場合に比して車輌の旋回度合が高いときにも車体のロールを効果的に抑制することができる。
また上記請求項4の構成によれば、前記(3)及び(4)の制御が行われるので、旋回内側に於いて車体を下降させる力が作用し、これにより車輌の旋回時に於ける車体のロールを抑制することができ、請求項3の構成の場合に比して車輌の旋回時に於ける車高を低くして車輌の旋回安定性を向上させることができる。
また上記請求項5の構成によれば、車輌の旋回度合は車輌の横加速度であるので、車輌の旋回時に車体に作用する横力に応じて各車輪の制駆動力を制御し、これにより車輌の旋回時の車体のロールを最適に抑制することができる。
また車輌全体、前輪、後輪のロール減衰係数をそれぞれCx、Cxf、Cxrとし、車輌全体、前輪、後輪のロール剛性をそれぞれKx、Kxf、Kxrとし、車輌のロール慣性モーメントをIxとし、前輪に対する後輪の通過遅れ時間をτ(車輌のホイールベースLを車速Vにて除算した値)とし、ラプラス演算子をsとし、水平方向に対する車体のロール角をφbとし、左右前輪の位置で見た路面のロール変位(ロール角)をφsfとすると、路面のロール角φsfに対する車体のロール角φbの比は下記の式14により表される。尚、車体が右方向へ傾斜する場合の値をロール角の正の方向とする。
Figure 2005225373
車輌の左右前輪のストロークSfl及びSfrに基づく車体のロール角(左右前輪の位置での路面に対する車体のロール角)をφbfとすると、路面のロール角φsfに対する左右前輪の位置での車体のロール角φbfの比は下記の式15により表される。
Figure 2005225373
よって左右前輪の位置での路面のロール角φsfは下記の式16により表され、下記の式16より左右前輪のストロークSfl及びSfrに基づく左右前輪の位置での車体のロール角φbfが求められれば左右前輪の位置での路面のロール角φsfを求めることができることが解る。
Figure 2005225373
左右前輪の位置での路面のロール角φsfは前輪に対する後輪の通過遅れ時間τ後に左右後輪の位置での路面のロール角φsrとなる。即ち下記の式17が成立する。
φsr=φsfe-τs ……(17)
左右後輪の位置での路面のロール角φsrにより車体に及ぼされるロールモーメントMsrは下記の式18により表されるので、上記式16乃至18よりロールモーメントMsrは下記の式19により表される。
Figure 2005225373
ロールモーメントの低減率、即ちアンチロールモーメントMrunによるロールモーメントMsrの低減率をQ(0よりも大きく1以下の正の定数)とすると、アンチロールモーメントMrunは下記の式20により表される。
Mrun=QMsr ……(20)
上記式19及び20より、一つの車輪に前後力を付加することにより車輌のロールを抑制する場合に車輪に付加すべき前後力Fは下記の式21により表される。
Figure 2005225373
従ってゲインKqを下記の式22により表すとすると、上記式21は下記の式23により表されるので、車輌のロールを抑制するためには左右前輪の位置での車体のロール角φbfにゲインKqを乗算した前後力Fを一つの車輪に付加すればよい。
Figure 2005225373
尚、路面のロールに起因して車体が下降する側が車輌の旋回時に於ける旋回外側に対応し、車体が上昇する側が車輌の旋回時に於ける旋回内側に対応する。
尚、車体が左方向へ傾斜するロール角の場合には、車体が右方向へ傾斜するロール角の場合とは逆になり、車輌のロールを抑制するために車体に作用すべき力の方向が逆になるが、路面のロール角φbfの符号も正負が逆になるので、路面の傾斜方向に関係なく上記式23が成立する。
また一つの車輪に前後力Fを付加すると、車輌にヨーモーメントが付加されてしまうので、下記の式24に従って上記式23の1/2の前後力が車体下降側前後輪に付加されるか、下記の式25に従って上記式23の1/2の前後力が車体上昇側前後輪に付加されるか、下記の式26及び27に従って上記式23の1/4の前後力が車体下降側前後輪及び車体上昇側前後輪に付加されることが好ましい。
Frr=−Ffr=Kqφbf/2 ……(24)
−Frl=Ffl==Kqφbf/2 ……(25)
Frr=−Ffr==Kqφbf/4 ……(26)
−Frl=Ffl==Kqφbf/4 ……(27)
尚、車体が左方向へ傾斜するロール角の場合には、車体が右方向へ傾斜するロール角の場合とは逆になり、車輌のロールを抑制するために車体に作用すべき力の方向が逆になるが、路面のロール角φbfの符号も正負が逆になるので、路面の傾斜方向に関係なく上記式23〜27が成立する。
上記請求項6の構成によれば、横軸が車輌前方を正にして車輌前後方向に整合し縦軸が上方を正にして上下方向に整合し車輪の接地点に原点を有する直交座標で見て、前輪の瞬間中心が第二象限又は第四象限に位置し、後輪の瞬間中心が第一象限又は第三象限に位置し、各車輪の制駆動力を相互に独立に制御可能な車輌に於いて、車輌の非旋回走行中に左右前輪位置での路面に対する車体のロール変位を推定し、推定された車体のロール変位が基準値以上であるときには
(1)車輌のロール度合に応じた制動力を車体下降側前輪に付加する
(2)車輌のロール度合に応じた駆動力を車体下降側後輪に付加する
(3)車輌のロール度合に応じた駆動力を車体上昇側前輪に付加する
(4)車輌のロール度合に応じた制動力を車体上昇側後輪に付加する
の少なくとも何れかの制御が行われるので、車体下降側に於いては車体を持ち上げる力が作用し、車体上昇側に於いては車体を下降させる力が作用し、これにより車輌の非旋回時に於ける路面の左右方向の傾斜に起因する車体のロールを抑制することができる。
また上記請求項7の構成によれば、前記(1)乃至(4)の制御が行われるので、請求項8及び9の構成の場合に比して、路面の左右方向の傾斜が大きいときにも車体のロールを効果的に抑制することができると共に、各車輪に付加される制動力及び駆動力を低減することができ、また請求項8の構成の場合に比して車輌の旋回時に於ける車高を低くして非旋回走行時の車輌の安定性を向上させることができる。
また上記請求項8の構成によれば、前記(1)及び(2)の制御が行われるので、車体下降側に於いて車体を持ち上げる力が作用し、これにより路面の左右方向の傾斜に起因する車体のロールを抑制することができる。
また上記請求項9の構成によれば、前記(3)及び(4)の制御が行われるので、車体上昇側に於いて車体を下降させる力が作用し、これにより車輌の旋回時に於ける車体のロールを抑制することができ、請求項8の構成の場合に比して車高を低くして非旋回走行時の車輌の安定性を向上させることができる。
また上記請求項10の構成によれば、左右前輪のストローク差が検出され、検出された左右前輪のストローク差に基づき左右前輪位置での路面に対する車体のロール変位が推定されるので、左右前輪位置での路面に対する車体のロール変位を確実に推定することができる。
また上記請求項11の構成によれば、前後輪一対の車輪の制動力の大きさ及び駆動力の大きさは同一であるので、制駆動力の制御により車輌に不必要な加減速度が与えられたり、車輌に不必要なヨーモーメントが与えられたりすることを確実に防止することができる。
[課題解決手段の好ましい態様]
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1の構成に於いて、車輌の旋回度合が制御切替え基準値未満であるときには前記(3)及び(4)の制御を行い、車輌の旋回度合が制御切替え基準値以上であるときには前記(1)乃至(4)の制御を行うよう構成される(好ましい態様1)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項2の構成に於いて、全ての車輪に付加される制動力及び駆動力の大きさは同一であるよう構成される(好ましい態様2)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項2の構成に於いて、旋回外側前後輪に付加される制動力及び駆動力の大きさは同一であり、旋回内側前後輪に付加される制動力及び駆動力の大きさは同一であり、旋回外側前後輪に付加される制駆動力の大きさは旋回内側前後輪に付加される制駆動力の大きさよりも大きいよう構成される(好ましい態様3)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項2の構成に於いて、旋回外側前後輪に付加される制動力及び駆動力の大きさは同一であり、旋回内側前後輪に付加される制動力及び駆動力の大きさは同一であり、旋回外側前後輪に付加される制駆動力の大きさは旋回内側前後輪に付加される制駆動力の大きさよりも小さいよう構成される(好ましい態様4)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項2の構成に於いて、旋回外側前後輪に付加される制動力及び駆動力の大きさは同一であり、旋回内側前後輪に付加される制動力及び駆動力の大きさは同一であり、車輌の旋回度合が高いほど旋回内側前後輪に付加される制駆動力の大きさに対する旋回外側前後輪に付加される制駆動力の大きさの比が高くなるよう構成される(好ましい態様5)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項5の構成に於いて、車輌の横加速度は車輌の横加速度の検出値であるよう構成される(好ましい態様6)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項5の構成に於いて、車輌の横加速度は車輌の横加速度の推定値であるよう構成される(好ましい態様7)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項7の構成に於いて、全ての車輪に付加される制動力及び駆動力の大きさは同一であるよう構成される(好ましい態様8)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項7の構成に於いて、車体下降側前後輪に付加される制動力及び駆動力の大きさは同一であり、車体上昇側前後輪に付加される制動力及び駆動力の大きさは同一であり、車速が高いほど車体下降側前後輪に付加される制駆動力の大きさに対する車体上昇側前後輪に付加される制駆動力の大きさの比が高くなるよう構成される(好ましい態様9)。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施例について詳細に説明する。
図1はホイールインモータ式の四輪駆動車に適用された本発明による車輌の制駆動力制御装置の実施例1を示す概略構成図である。
図1に於いて、10FL及び10FRはそれぞれ左右の前輪を示し、10RL及び10RRはそれぞれ左右の後輪を示している。左右の前輪10FL及び10FRにはそれぞれホイールインモータである電動発電機12FL及び12FRが組み込まれており、左右の前輪10FL及び10FRは電動発電機12FL及び12FRにより駆動され、電動発電機12FL及び12FRは駆動力制御用電子制御装置14により制御される。電動発電機12FL及び12FRはそれぞれ左右前輪の発電機としても機能し、回生発電機としての機能(回生駆動)も駆動力制御用電子制御装置14により制御される。
同様に、左右の後輪10RL及び10RRにはそれぞれホイールインモータである電動発電機12RL及び12RRが組み込まれており、左右の前輪10RL及び10RRは電動発電機12RL及び12RRにより駆動され、電動発電機12RL及び12RRも駆動力制御用電子制御装置14により制御される。電動発電機12RL及び12RRはそれぞれ左右後輪の発電機としても機能し、回生発電機としての機能も駆動力制御用電子制御装置14により制御される。
尚図1には詳細に示されていないが、駆動力制御用電子制御装置14はマイクロコンピュータと駆動回路とよりなり、マイクロコンピュータは例えば中央処理ユニット(CPU)と、リードオンリメモリ(ROM)と、ランダムアクセスメモリ(RAM)と、入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続された一般的な構成のものであってよい。また通常走行時には図1には示されていないバッテリに充電された電力が駆動回路を経て各電動発電機12FL〜12RRへ供給され、車輌の減速制動時には各電動発電機12FL〜12RRによる回生制動により発電された電力が駆動回路を経てバッテリに充電される。
左右の前輪10FL、10FR及び左右の後輪10RL、10RRの摩擦制動力は摩擦制動装置16の油圧回路18により対応するホイールシリンダ20FL、20FR、20RL、20RRの制動圧が制御されることによって制御される。図には示されていないが、油圧回路18はリザーバ、オイルポンプ、種々の弁装置等を含み、各ホイールシリンダの制動圧力は通常時には運転者によるブレーキペダル22の踏み込み量及びブレーキペダル22の踏み込みに応じて駆動されるマスタシリンダ24の圧力に応じて制御され、また必要に応じてオイルポンプや種々の弁装置が制動力制御用電子制御装置26によって制御されることにより、運転者によるブレーキペダル22の踏み込み量に関係なく制御される。
尚図1には詳細に示されていないが、制動力制御用電子制御装置26もマイクロコンピュータと駆動回路とよりなり、マイクロコンピュータは例えば中央処理ユニット(CPU)と、リードオンリメモリ(ROM)と、ランダムアクセスメモリ(RAM)と、入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続された一般的な構成のものであってよい。
駆動力制御用電子制御装置14には、アクセル開度センサ28より運転者によって操作される図には示されていないアクセルペダルの踏み込み量としてのアクセル開度φを示す信号及びシフトポジション(SP)センサ30より運転者によって操作される図には示されていないシフトレバーの位置Psを示す信号が入力され、必要に応じて制動力制御用電子制御装置26との間にて信号の授受を行う。
制動力制御用電子制御装置26には、操舵角センサ32より操舵角θを示す信号、車速センサ34より車速Vを示す信号、ヨーレートセンサ36より車輌のヨーレートγを示す信号、圧力センサ38よりマスタシリンダ圧力Pmを示す信号、圧力センサ40FL〜40RRより対応する車輪の制動圧(ホイールシリンダ圧力)Pi(i=fl、fr、rl、rr)を示す信号が入力される。尚操舵角センサ32及びヨーレートセンサ36はそれぞれ車輌の左旋回方向を正として操舵角θ及びヨーレートγを検出する。
フローチャートとして図には示されていないが、駆動力制御用電子制御装置14は、アクセル開度φ、シフトポジションPs、車速Vに基づいて各車輪の目標駆動トルクTwti(i=fl、fr、rl、rr)を演算し、目標駆動トルクTwtiに基づき電動発電機12FL〜12RRに対する目標駆動電流Iti(i=fl、fr、rl、rr)を演算し、目標駆動電流Itiに基づき各電動発電機12FL〜12RRに通電される駆動電流を制御することにより各車輪の駆動トルクTwiが目標駆動トルクTwtiになるよう各車輪の駆動力を制御する。
また制動力制御用電子制御装置26は、後述の如く図2に示されたフローチャートに従って、車輌が旋回走行状態にあり、車速V及び操舵角θに基づいて演算される車輌の推定横加速度Gyhの絶対値が基準値以上であるときには、車輌の推定横加速度Gyhに基づき上記式12及び13に対応する式に従って車体のロールを抑制するための各車輪の目標付加制動力ΔFbti及び目標付加駆動トルクΔTdti(i=fl、fr、rl、rr)を演算し、目標付加制動力ΔFbtiに基づき各車輪の目標制動力Fbtiを補正し、各車輪の制動力が補正後の目標制動力Fbtiになるよう制御し、これにより車輌の旋回走行時に於ける車体のロールを抑制する。
尚駆動力制御用電子制御装置14は制動力制御用電子制御装置26より何れかの車輪について駆動トルクを付加するための目標付加駆動トルクΔTdtiを示す信号が入力されると、自ら演算した目標駆動トルクTdtiに目標付加駆動トルクΔTdtiを加算し、加算後の目標駆動トルクTdtiに基づいて当該車輪の駆動力を制御する。
また運転者の制動操作に基づく各車輪の目標制動力Fbtiの演算及び運転者の駆動操作に基づく各車輪の目標駆動トルクTdtiの演算は本発明の要旨をなすものではなく、目標制動力Fbti及び目標駆動トルクTdtiは当技術分野に於いて公知の任意の態様にて演算されてよい。
次に図2に示されたフローチャートを参照して図示の実施例1に於ける制駆動力制御について説明する。尚図2に示されたフローチャートによる制御は制動力制御用電子制御装置26が起動されることにより開始され、図には示されていないイグニッションスイッチがオフに切り換えられるまで所定の時間毎に繰返し実行される。
まずステップ10に於いては操舵角センサ32により検出された操舵角θを示す信号等の読み込みが行われ、ステップ20に於いては圧力センサ38により検出されたマスタシリンダ圧力Pmに基づきKpfi(i=fl、fr、rl、rr)を各車輪についての変換係数(負の定数)として、下記の式28に従って各車輪の目標制動力Fbti(i=fl、fr、rl、rr)が演算される。
Fbti=KpfiPm ……(28)
ステップ30に於いては例えば車速Vが基準値以上であり且つ操舵角θの絶対値及びヨーレートγの絶対値がそれぞれ対応する基準値以上であるか否かの判別により、車輌が旋回走行状態にあるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ120へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ40へ進む。
ステップ40に於いてはスタビリティファクタをKhとし、ステアリングギヤ比をNとし、車輌のホイールベースをLとして、下記の式29に従って車輌の推定横加速度Gyhが演算されると共に、車輌の推定横加速度Gyhの絶対値が基準値Gyho(正の定数)以上であるか否かの判別、即ち車体のロールを抑制するための制駆動力の制御が必要であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのままステップ120へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ50へ進む。
Gyh={1/(1+KhV2)}×(θV2)/(NL) ……(29)
ステップ50に於いては例えば車輌のヨーレートγの符号に基づき車輌が左旋回状態にあるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ90へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ60へ進む。
ステップ60に於いては上記式12及び13に対応する下記の式30に従って右前輪の目標付加制動力ΔFbtfr及び左後輪の目標付加制動力ΔFbtrlが演算される。
ΔFbtfr=ΔFbtrl=−KpGyh/4 ……(30)
ステップ70に於いてはRtを車輪の有効半径として上記式12及び13に対応する下記の式31に従って左前輪の目標付加駆動トルクΔTdtfl及び右後輪の目標付加駆動トルクΔTdtrrが演算される。
ΔTdtfl=ΔTdtrr=RtKpGyh/4 ……(31)
ステップ80に於いては右前輪の目標制動力Fbtfr及び左後輪の目標制動力Fbtrlがそれぞれ目標付加制動力ΔFbtfr及びΔFbtrl加算された値に補正され、しかる後ステップ120へ進む。
同様にステップ90に於いては上記式12及び13に対応する下記の式32に従って左前輪の目標付加制動力ΔFbtfl及び右後輪の目標付加制動力ΔFbtrrが演算される。
ΔFbtfl=ΔFbtrr=KpGyh/4 ……(32)
ステップ100に於いては上記式12及び13に対応する下記の式33に従って右前輪の目標付加駆動トルクΔTdtfr及び左後輪の目標付加駆動トルクΔTdtrlが演算される。尚式30〜33に於けるゲインKpは上記式8の通りsinθf及びsinθrの関数であり、角度θf及びθrは車輪のバウンド、リバウンドにより変化するが、車輪のバウンド量及びリバウンド量は車輌の推定横加速度Gyhより推定することができるので、ゲインKpは車輌の推定横加速度Gyhに基づいて可変設定されてもよく、また本発明によれば車体のロールを低減することができるので、定数とされてもよい。
ΔTdtfr=ΔTdtrl=−RtKpGyh/4 ……(33)
ステップ110に於いては左前輪の目標制動力Fbtfl及び右後輪の目標制動力Fbtrrがそれぞれ目標付加制動力ΔFbtfl及びΔFbtrr加算された値に補正され、しかる後ステップ120へ進む。
ステップ120に於いてはステップ70又はステップ100に於いて演算された目標付加駆動トルクΔTdtiを示す信号が駆動力制御用電子制御装置14へ出力され、ステップ130に於いてはKfpi(i=fl、fr、rl、rr)を各車輪の変換係数(負の定数)として、目標制動力Fbtiに基づき下記の式34に従って各車輪の目標制動圧Pti(i=fl、fr、rl、rr)が演算され、ステップ130に於いては各車輪の制動圧Piが目標制動圧Ptiになるよう制御される。
Pti=KfpiFbti ……(34)
かくして図示の実施例1によれば、ステップ20に於いてマスタシリンダ圧力Pmに基づき各車輪の目標制動力Fbtiが演算され、ステップ30に於いて車輌が旋回走行状態にあると判別され、ステップ40に於いて車輌の推定横加速度Gyhの絶対値が基準値Gyho以上であり、車体のロールを抑制するための制駆動力の制御が必要であると判別されると、ステップ50による車輌の旋回方向の判別結果に応じてステップ60〜80又はステップ90〜110に於いて車輌の推定横加速度Gyhに基づき車体のロールを抑制するための各車輪の目標付加制動力ΔFbti及び目標付加駆動トルクΔTdtiが演算され、目標付加制動力ΔFbtiに基づき各車輪の目標制動力Fbtiが補正され、各車輪の制動力が補正後の目標制動力Fbtiになるよう制御される。
従って図示の実施例1によれば、車輌を不必要に加減速させることなく、また車輌に不必要なヨーモーメントを与えることなく、車体の旋回外輪側を持ち上げると共に車体の旋回内輪側を下降させることができ、これにより車輌の旋回走行時に於ける車体のロールを効果的に抑制することができる。
特に図示の実施例1によれば、全ての車輪に制動力又は駆動力が付加されるので、旋回外輪にのみ制動力及び駆動力が付加される後述の実施例2の場合や旋回内輪にのみ制動力及び駆動力が付加される後述の実施例3の場合に比して、高い旋回横加速度が作用する状況に於いても車体のロールを効果的に抑制することができ、また後述の実施例2の場合に比して旋回時の車高を低くして走行安定性を向上させることができ、更には同一の大きさの横加速度Gyについて見て各車輪に付加される制動力及び駆動力を低くすることができる。
図3は実施例1の修正例として構成された本発明による車輌の制駆動力制御装置の実施例2に於ける制駆動力制御ルーチンを示すフローチャートである。尚図3に於いて図2に示されたステップと同一のステップには図2に於いて付されたステップ番号と同一のステップ番号が付されており、このことは後述の他の実施例についても同様である。
この実施例2に於いては、ステップ60に於いて上記式10に対応する下記の式35に従って右前輪の目標付加制動力ΔFbtfrのみが演算され、ステップ70に於いて上記式10に対応する下記の式36に従って右後輪の目標付加駆動トルクΔTdtrrのみが演算され、ステップ80に於いて右前輪の目標制動力Fbtfrが目標付加制動力ΔFbtfr加算された値に補正される。
ΔFbtfr=−KpGyh/2 ……(35)
ΔTdtrr=RtKpGyh/2 ……(36)
同様にステップ90に於いて上記式11に対応する下記の式37に従って左前輪の目標付加制動力ΔFbtflのみが演算され、ステップ100に於いて上記式11に対応する下記の式38に従って左後輪の目標付加駆動トルクΔTdtrlのみが演算され、ステップ110に於いて左前輪の目標制動力Fbtflが目標付加制動力ΔFbtfl加算された値に補正される。
ΔFbtfl=KpGyh/2 ……(37)
ΔTdtrl=−RtKpGyh/4 ……(38)
従って図示の実施例2によれば、車輌を不必要に加減速させることなく、また車輌に不必要なヨーモーメントを与えることなく、車体の旋回外輪側を持ち上げることができ、これにより上述の実施例1の場合と同様、車輌の旋回走行時に於ける車体のロールを効果的に抑制することができる。
特に図示の実施例2によれば、旋回内輪に比して摩擦円が大きい旋回外輪に制動力及び駆動力が付加されるので、旋回内輪にのみ制動力及び駆動力が付加される後述の実施例3の場合に比して、高い旋回横加速度が作用する状況に於いても車体のロールを効果的に抑制することができ、また上述の実施例1の場合に比して制動力及び駆動力を付加するために制駆動力を制御する車輪の数を少なくすることができる。
図4は実施例1の修正例として構成された本発明による車輌の制駆動力制御装置の実施例3に於ける制駆動力制御ルーチンを示すフローチャートである。
この実施例3に於いては、ステップ60に於いて上記式11に対応する下記の式39に従って左後輪の目標付加制動力ΔFbtrlのみが演算され、ステップ70に於いて上記式11に対応する下記の式40に従って左前輪の目標付加駆動トルクΔTdtflのみが演算され、ステップ80に於いて左後輪の目標制動力Fbtrlが目標付加制動力ΔFbtrl加算された値に補正される。
ΔFbtrl=−KpGyh/2 ……(39)
ΔTdtfl=RtKpGyh/4 ……(40)
同様にステップ90に於いて上記式10に対応する下記の式41に従って右後輪の目標付加制動力ΔFbtrrのみが演算され、ステップ100に於いて上記式10に対応する下記の式42に従って右前輪の目標付加駆動トルクΔTdtfrのみが演算され、ステップ110に於いて右後輪の目標制動力Fbtrrが目標付加制動力ΔFbtrr加算された値に補正される。
ΔFbtrr=KpGyh/4 ……(41)
ΔTdtfr=−RtKpGyh/4 ……(42)
従って図示の実施例3によれば、車輌を不必要に加減速させることなく、また車輌に不必要なヨーモーメントを与えることなく、車体の旋回内輪側を下降させることができ、これにより上述の実施例1の場合と同様、車輌の旋回走行時に於ける車体のロールを効果的に抑制することができる。
特に図示の実施例2によれば、車輌の旋回時に車体が持ち上がる旋回内輪側が下降されるので、旋回外輪にのみ制動力及び駆動力が付加される後述の実施例2の場合に比して、旋回時の車高を低くして走行安定性を向上させることができ、また上述の実施例1の場合に比して制動力及び駆動力を付加するために制駆動力を制御する車輪の数を少なくすることができる。
図5は実施例1の修正例として構成された本発明による車輌の制駆動力制御装置の実施例4に於ける制駆動力制御ルーチンを示すフローチャートである。
この実施例4に於いては、ステップ40に於いて肯定判別が行われると、ステップ45に於いて車輌の推定横加速度Gyhの絶対値が大きいほど制駆動力の左右輪配分比Kgが0以上1以下の範囲内にて大きくなるよう、車輌の推定横加速度Gyhの絶対値に基づき図9に示されたグラフに対応するマップより制駆動力の左右輪配分比Kgが演算される。
またステップ60に於いては上記式29に対応する下記の式43及び44に従って右前輪の目標付加制動力ΔFbtfr及び左後輪の目標付加制動力ΔFbtrlが演算される。
ΔFbtfr=−KgKpGyh/4 ……(43)
ΔFbtrl=−(1−Kg)KpGyh/4 ……(44)
ステップ70に於いては上記式30に対応する下記の式45及び46に従って左前輪の目標付加駆動トルクΔTdtfl及び右後輪の目標付加駆動トルクΔTdtrrが演算される。
ΔTdtfl=(1−Kg)RtKpGyh/4 ……(45)
ΔTdtrr=KgRtKpGyh/4 ……(46)
同様にステップ90に於いては上記式31に対応する下記の式47及び48に従って左前輪の目標付加制動力ΔFbtfl及び右後輪の目標付加制動力ΔFbtrrが演算される。
ΔFbtfl=KgKpGyh/4 ……(47)
ΔFbtrr=(1−Kg)KpGyh/4 ……(48)
ステップ100に於いては上記式32に対応する下記の式49及び50に従って右前輪の目標付加駆動トルクΔTdtfr及び左後輪の目標付加駆動トルクΔTdtrlが演算される。
ΔTdtrl=−KgRtKpGyh/4 ……(49)
ΔTdtfr=−(1−Kg)RtKpGyh/4 ……(50)
従って図示の実施例4によれば、上述の実施例1乃至3の場合と同様、車輌を不必要に加減速させることなく、また車輌に不必要なヨーモーメントを与えることなく、車輌の旋回走行時に於ける車体のロールを効果的に抑制することができると共に、車輌の推定横加速度Gyhの絶対値が大きいほど制駆動力の左右輪配分比Kgが0以上1以下の範囲内にて大きくなるよう車輌の推定横加速度Gyhの絶対値に応じて可変設定されるので、上述の実施例1の場合に比して旋回横加速度が低い旋回領域に於ける車高を低くしつつ、高い旋回横加速度が作用する状況に於いても車体のロールを効果的に抑制することができる。
尚上述の実施例1乃至4によれば、車輌の旋回度合は車速V及び操舵角θに基づいて演算される車輌の推定横加速度Gyhであるので、車輌の旋回度合が例えば横加速度センサにより検出される車輌の横加速度である場合に比して、各車輪の制駆動力を遅れなく制御し、これにより車体のロールを効果的に抑制することができる。
図6はホイールインモータ式の四輪駆動車に適用された本発明による車輌の制駆動力制御装置の実施例4を示す概略構成図である。尚図6に於いて図1に示された部材と同一の部材には図1に於いて付された符号と同一の符号が付されている。
この実施例5に於いては、制動力制御用電子制御装置26には上述の実施例1に於ける各センサの検出値を示す信号に加えてストロークセンサ42FL及び42FRより左右前輪のストロークSfl及びSfrを示す信号が入力される。尚ストロークSfl及びSfrは車輪のニュートラル位置よりバウンド方向を正として検出される。
制動力制御用電子制御装置26にはストロークSfl及びSfrに基づき下記の式51に従って左右前輪の位置での路面に対する車体のロール角φbfを演算し、ロール角φbfの大きさが基準値以上であるときには、各車輪に制駆動力を付加することにより、車体の降下側を持ち上げると共に車体の上昇側を下降させ、これにより路面の左右方向の傾斜に起因する車体のロールを抑制する。
φbf=sin-1{(Sfl−Sfr)/T} ……(51)
次に図7に示されたフローチャートを参照して実施例5に於ける制駆動力制御ルーチンについて説明する。尚図7に於いて、ステップ110〜240はそれぞれ上述の実施例1のステップ10〜140に対応している。
この実施例5に於いては、ステップ120が完了すると、即ちマスタシリンダ圧力Pmに基づく各車輪の目標制動力Fbtiの演算が完了すると、ステップ130に於いて例えば車速Vが基準値以上であり且つ操舵角θの絶対値及びヨーレートγの絶対値がそれぞれ対応する基準値未満であるか否かの判別により、車輌が非旋回走行状態にあるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ220へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ240へ進む。
ステップ240に於いてはストロークSfl及びSfrに基づき上記式51に従って左右前輪の位置での路面に対する車体のロール角φbfが演算されると共に、ロール角φbfの絶対値が基準値φbfo(正の定数)以上であるか否かの判別、即ち車体のロールを抑制するための制駆動力の制御が必要であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのままステップ220へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ250へ進む。
ステップ150に於いては例えばロール角φbfの符号に基づき車輌の左旋回状態の場合と同様車体が右傾斜する状況であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ190へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ160へ進む。
ステップ160に於いては上記式26及び27に対応する下記の式52に従って右前輪の目標付加制動力ΔFbtfr及び左後輪の目標付加制動力ΔFbtrlが演算される。
ΔFbtfr=ΔFbtrl=−Kqφbf/4 ……(52)
ステップ170に於いてはRtを車輪の有効半径として上記式26及び27に対応する下記の式53に従って左前輪の目標付加駆動トルクΔTdtfl及び右後輪の目標付加駆動トルクΔTdtrrが演算される。
ΔTdtfl=ΔTdtrr=RtKqφbf/4 ……(53)
ステップ180に於いては右前輪の目標制動力Fbtfr及び左後輪の目標制動力Fbtrlがそれぞれ目標付加制動力ΔFbtfr及びΔFbtrl加算された値に補正され、しかる後ステップ220へ進む。
同様にステップ190に於いては上記式26及び27に対応する下記の式54に従って左前輪の目標付加制動力ΔFbtfl及び右後輪の目標付加制動力ΔFbtrrが演算される。
ΔFbtfl=ΔFbtrr=Kqφbf/4 ……(54)
ステップ200に於いては上記式26及び27に対応する下記の式55に従って右前輪の目標付加駆動トルクΔTdtfr及び左後輪の目標付加駆動トルクΔTdtrlが演算される。
ΔTdtfr=ΔTdtrl=−RtKqφbf/4 ……(55)
ステップ210に於いては左前輪の目標制動力Fbtfl及び右後輪の目標制動力Fbtrrがそれぞれ目標付加制動力ΔFbtfl及びΔFbtrr加算された値に補正され、しかる後ステップ220〜240がそれぞれ上述のステップ120〜140と同様に実行される。
かくして図示の実施例5によれば、ステップ120に於いてマスタシリンダ圧力Pmに基づき各車輪の目標制動力Fbtiが演算され、ステップ130に於いて車輌が非旋回走行状態にあると判別され、ステップ140に於いて左右前輪の位置での路面に対する車体のロール角φbfの絶対値が基準値φbfo以上であり、車体のロールを抑制するための制駆動力の制御が必要であると判別されると、ステップ150による車体の傾斜方向の判別結果に応じてステップ160〜180又はステップ190〜210に於いて車体のロール角φbfに基づき車体のロールを抑制するための各車輪の目標付加制動力ΔFbti及び目標付加駆動トルクΔTdtiが演算され、目標付加制動力ΔFbtiに基づき各車輪の目標制動力Fbtiが補正され、各車輪の制動力が補正後の目標制動力Fbtiになるよう制御される。
従って図示の実施例5によれば、車輌を不必要に加減速させることなく、また車輌に不必要なヨーモーメントを与えることなく、車体の下降側を持ち上げると共に車体の上昇側を下降させることができ、これにより車輌の非旋回走行時に於ける路面の左右方向の傾斜に起因する車体のロールを効果的に抑制することができる。
特に図示の実施例5によれば、全ての車輪に制動力又は駆動力が付加されるので、下降側の車輪又は上昇側の車輪にのみ制動力及び駆動力が付加される場合に比して、路面の傾斜が大きい状況に於いても車体のロールを効果的に抑制することができ、また同一の路面の傾斜角について見て各車輪に付加される制動力及び駆動力を低くすることができる。
図8は実施例5の修正例として構成された本発明による車輌の制駆動力制御装置の実施例6に於ける制駆動力制御ルーチンを示すフローチャートである。尚図8に於いて図7に示されたステップと同一のステップには図7に於いて付されたステップ番号と同一のステップ番号が付されている。
この実施例6に於いては、ステップ140に於いて肯定判別が行われると、ステップ145に於いて車速Vが高いほど制駆動力の左右輪配分比Ksが0よりも大きく1よりも小さい範囲内にて大きくなるよう、車速Vに基づき図10に示されたグラフに対応するマップより制駆動力の左右輪配分比Ksが演算される。
またステップ160に於いては上記式52に対応する下記の式56及び57に従って右前輪の目標付加制動力ΔFbtfr及び左後輪の目標付加制動力ΔFbtrlが演算される。
ΔFbtfr=−KgKqφbf/4 ……(56)
ΔFbtrl=−(1−Kg)Kqφbf/4 ……(57)
ステップ170に於いては上記式53に対応する下記の式57及び58に従って左前輪の目標付加駆動トルクΔTdtfl及び右後輪の目標付加駆動トルクΔTdtrrが演算される。
ΔTdtfl=(1−Kg)RtKqφbf/4 ……(58)
ΔTdtrr=KgRtKqφbf/4 ……(59)
同様にステップ190に於いては上記式54に対応する下記の式59及び60に従って左前輪の目標付加制動力ΔFbtfl及び右後輪の目標付加制動力ΔFbtrrが演算される。
ΔFbtfl=KgKqφbf/4 ……(60)
ΔFbtrr=(1−Kg)Kqφbf/4 ……(61)
ステップ100に於いては上記式55に対応する下記の式61及び62に従って右前輪の目標付加駆動トルクΔTdtfr及び左後輪の目標付加駆動トルクΔTdtrlが演算される。
ΔTdtrl=−KgRtKqφbf/4 ……(62)
ΔTdtfr=−(1−Kg)RtKqφbf/4 ……(63)
従って図示の実施例6によれば、上述の実施例5の場合と同様、車輌を不必要に加減速させることなく、また車輌に不必要なヨーモーメントを与えることなく、車輌の非旋回走行時に於ける路面の左右方向の傾斜に起因する車体のロールを効果的に抑制することができると共に、車速Vが大きいほど制駆動力の左右輪配分比Ksが0よりも大きく1よりも小さい範囲内にて大きくなるよう車速Vに応じて可変設定されるので、上述の実施例5の場合に比して車体のロールを効果的に抑制しつつ、高車速域に於ける車高を低下させて非旋回走行時の車輌の安定性を向上させることができる。
以上に於いては本発明を特定の実施例について詳細に説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
例えば上述の実施例1乃至4に於いては、車輌の旋回度合は車速V及び操舵角θに基づいて演算される車輌の推定横加速度Gyhであるが、車輌の旋回度合は横加速度センサにより検出される車輌の横加速度であってもよい。
また上述の実施例1に於いては、車輌の推定横加速度Gyhの大きさに関係なく全ての車輪に大きさが同一の制駆動力が付加されるようになっているが、車輌の旋回度合が制御切替え基準値未満であるときには上記(3)及び(4)の制御が行われ、車輌の旋回度合が制御切替え基準値以上であるときには上記(1)乃至(4)の制御が行われるよう修正されてもよい。
また上述の実施例4に於いては、車輌の推定横加速度Gyhの大きさが大きいほど制駆動力の左右輪配分比Kgが大きくなるようになっているが、左右輪配分比Kgは車輌の推定横加速度Gyhの大きさが大きいほど大きくなると共に車速Vが高いほど小さくなるよう、車輌の推定横加速度Gyh及び車速Vに応じて可変設定されるよう修正されてもよい。
また上述の実施例5及び6は実施例1乃至4とは独立の実施例として構成されているが、例えば実施例1乃至4のステップ30又は40に於いて否定判別が行われた場合に実施例5又は6のステップ140以降が実行されるよう修正されることにより、上述の実施例1乃至4と上述の実施例5及び6とが統合されてもよい。
また上述の実施例5及び6に於いては、全ての車輪に大きさが同一の制駆動力が付加されるようになっているが、上述の実施例2又は3の場合と同様、車体の下降側又は上昇側の車輪にのみ制駆動力が付加されるよう修正されてもよく、その場合にも上述の実施例2又は3の場合と同様の作用効果が得られる。
また上述の実施例に於いては、電動機は各車輪に組み込まれたホイールインモータであるが、電動機は各車輪を駆動し得る限り車体に支持された電動機であってもよく、また上述の実施例に於ける電動機は車輌の制動時に回生制動を行う電動発電機であるが、電動機は回生制動を行わない電動機であってもよい。
また上述の各実施例に於いては、車輪の制動力は制動圧が目標制動圧になるよう制御されることにより制御されるようになっているが、各車輪の目標スリップ率が演算され、各車輪のスリップ率が目標スリップ率になるよう制御されてもよい。
ホイールインモータ式の四輪駆動車に適用された本発明による制駆動力制御装置の実施例1を示す概略構成図である。 実施例1に於ける制駆動力制御ルーチンを示すフローチャートである。 本発明による制駆動力制御装置の実施例2に於ける制駆動力制御ルーチンを示すフローチャートである。 本発明による制駆動力制御装置の実施例3に於ける制駆動力制御ルーチンを示すフローチャートである。 本発明による制駆動力制御装置の実施例4に於ける制駆動力制御ルーチンを示すフローチャートである。 ホイールインモータ式の四輪駆動車に適用された本発明による制駆動力制御装置の実施例5を示す概略構成図である。 実施例5に於ける制駆動力制御ルーチンを示すフローチャートである。 本発明による制駆動力制御装置の実施例6に於ける制駆動力制御ルーチンを示すフローチャートである。 車輌の横加速度Gyの絶対値と制駆動力の左右輪配分比Kgとの間の関係を示すグラフである。 車速Vと制駆動力の左右輪配分比Ksとの間の関係を示すグラフである。 前輪の瞬間中心を示す説明図である。 後輪の瞬間中心を示す説明図である。
符号の説明
12FL〜12RR 電動発電機
14 駆動力制御用電子制御装置
16 摩擦制動装置
22 ブレーキペダル
26 制動力制御用電子制御装置
28 アクセル開度センサ
32 操舵角センサ
34 車速センサ
36 ヨーレートセンサ
38、40FL〜40RR 圧力センサ

Claims (11)

  1. 横軸が車輌前方を正にして車輌前後方向に整合し縦軸が上方を正にして上下方向に整合し車輪の接地点に原点を有する直交座標で見て、前輪の瞬間中心が第二象限又は第四象限に位置し、後輪の瞬間中心が第一象限又は第三象限に位置し、各車輪の制駆動力を相互に独立に制御可能な車輌の制駆動力制御装置にして、車輌の旋回度合を判定し、車輌の旋回度合が基準値以上であるときには
    (1)車輌の旋回度合に応じた制動力を旋回外側前輪に付加する
    (2)車輌の旋回度合に応じた駆動力を旋回外側後輪に付加する
    (3)車輌の旋回度合に応じた駆動力を旋回内側前輪に付加する
    (4)車輌の旋回度合に応じた制動力を旋回内側後輪に付加する
    の少なくとも何れかの制御を行うことを特徴とする車輌の制駆動力制御装置。
  2. 前記(1)乃至(4)の制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の車輌の制駆動力制御装置。
  3. 前記(1)及び(2)の制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の車輌の制駆動力制御装置。
  4. 前記(3)及び(4)の制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の車輌の制駆動力制御装置。
  5. 前記車輌の旋回度合は車輌の横加速度であることを特徴とする請求項1乃至4に記載の車輌の制駆動力制御装置。
  6. 横軸が車輌前方を正にして車輌前後方向に整合し縦軸が上方を正にして上下方向に整合し車輪の接地点に原点を有する直交座標で見て、前輪の瞬間中心が第二象限又は第四象限に位置し、後輪の瞬間中心が第一象限又は第三象限に位置し、各車輪の制駆動力を相互に独立に制御可能な車輌の制駆動力制御装置にして、車輌の非旋回走行中に左右前輪位置での路面に対する車体のロール変位を推定し、推定された車体のロール変位が基準値以上であるときには
    (1)車輌のロール度合に応じた制動力を車体下降側前輪に付加する
    (2)車輌のロール度合に応じた駆動力を車体下降側後輪に付加する
    (3)車輌のロール度合に応じた駆動力を車体上昇側前輪に付加する
    (4)車輌のロール度合に応じた制動力を車体上昇側後輪に付加する
    の少なくとも何れかの制御を行うことを特徴とする車輌の制駆動力制御装置。
  7. 前記(1)乃至(4)の制御を行うことを特徴とする請求項6に記載の車輌の制駆動力制御装置。
  8. 前記(1)及び(2)の制御を行うことを特徴とする請求項6に記載の車輌の制駆動力制御装置。
  9. 前記(3)及び(4)の制御を行うことを特徴とする請求項6に記載の車輌の制駆動力制御装置。
  10. 左右前輪のストローク差を検出し、検出された左右前輪のストローク差に基づき左右前輪位置での路面に対する車体のロール変位を推定することを特徴とする請求項6乃至9に記載の車輌の制駆動力制御装置。
  11. 前後輪一対の車輪の制動力の大きさ及び駆動力の大きさは同一であることを特徴とする請求項2乃至4及び請求項7乃至9に記載の車輌の制駆動力制御装置。
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