JP2005224627A - 混注部材、医療器具、口部及び医薬容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】押圧部(6)の外周に設けられた凸部(7、7a、7b)とキャップ(14、14a、14b)の凹部(15、15a、15b)を嵌合させることができ、前記凸部(7、7a、7b)と前記凹部(15、15a、15b)を嵌合させた後に、穿刺部材(1、1A、2A)を回動することにより前記凸部(7、7a、7b)が前記キャップ(14、14a、14b)の上部内壁面と栓体(13)天面の間に侵入して、前記穿刺部材(1、1A、2A)を固定できるように形成した混注部材(1B、1C、1D)。
【選択図】図1
Description
シリンジを除き輸血セット、輸液セット、体外循環回路、採血セットなどを構成するラインの途中には、数々の構成部材が装着されているが、混注部材は血液を追加したり、検査のために血液を採取したり、また薬剤の追加や緊急時の薬剤投与など重要な役割を果たしている。
使用に際しては、キャップの中央開口部に露出した栓体の天面に、先端が鋭利な金属製の針を穿刺し、針の後方に装着された容器の内部に封入されている薬剤や血液の注入または空の容器内に血液の採取を行なう。また、持続的な薬剤や血液の注入の場合、針の後方に薬剤や血液の入った容器と連通された延長チューブまたは輸液セット、輸血セットなどがある。その際混注部材に穿刺した針が抜け落ちないよう、粘着テープで混注部材と針基を固定することもある。
使用する針は、従来より先端が鋭利な金属針を使用する事が多かったが、作業者が金属針の先端に触れ、外傷だけでなく感染症に感染する危険が大きく、近年、先端が鋭利な金属針に代えて、先端に丸みを帯びた形状を有する穿刺部材を使用する方法が考案されている。
先端に丸みを帯びた形状を有する穿刺部材(以下「穿刺部材」と略記する)を混注部材に穿刺する際に栓体天面にスリットを入れて刺通抵抗を低くして、刺し易くする試みがある。
スリットを入れる事により穿刺のきっかけができ、刺通抵抗が低くなり刺し易くなるが、持続的な薬剤や血液の注入の場合、穿刺部材の後方の薬剤や血液の入った容器やチューブの重みで、穿刺部材が傾くため栓体からの液漏れや穿刺部材の抜けが発生する虞がある。
そこで、本発明者は以上の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、次の発明に到達した。
当該注入部(3、3b)の上部に板状の押圧部(6、6a、6b)を形成し、
当該押圧部(6、6a、6b)の外周に、凸部(7、7a、7b)を形成した穿刺部材(1、1A、2A)を挿入する混注部材(1B、1C、1D)であって、
管状の本体(12)の天面に突設された筒体(16)の上部開口部に、弾性を有しかつ少なくとも天面にスリット(12)を形成した栓体(13)を装着し、
前記筒体(16)の上部外周に、天面の中央部が開口された筒状のキャップ(14、14a、14b)を装着し、
当該キャップ(14、14a、14b)の上部内壁面に前記穿刺部材(1、1A、2A)の前記凸部(7、7a、7b)を嵌合できる凹部(15、15a、15b)を形成し、
前記穿刺部材(1、1A、2A)の前記注入部(3、3b)を前記栓体(13)の前記スリット(12)に挿入することができ、
前記押圧部(6)の外周に設けられた前記凸部(7、7a、7b)と前記キャップ(14、14a、14b)の前記凹部(15、15a、15b)を嵌合させることができ、
前記凸部(7、7a、7b)と前記凹部(15、15a、15b)を嵌合させた後に、前記穿刺部材(1、1A、2A)を回動することにより前記凸部(7、7a、7b)が前記キャップ(14、14a、14b)の上部内壁面と前記栓体(13)天面の間に侵入して、前記穿刺部材(1、1A、2A)を固定できるように形成した混注部材(1B、1C、1D)を提供する。
[2]本発明は、前記[1]に記載の混注部材(1B、1C、1D)を有する医療器具を提供する。
[3]本発明は、シリンジ(9)に形成された挿入部(10)に嵌合できるように形成されるか、あるいはシリンジ(9)の下部に一体成形される基部(4、4a)を有し、当該基部(4、4a)の下方に、注入部(3、3b)を突設し、
当該注入部(3、3b)の上部に板状の押圧部(6、6a、6b)を形成し、
当該押圧部(6、6a、6b)の外周に、凸部(7、7a、7b)を形成した穿刺部材(1、1A、2A)を挿入する口部であって、
管状の本体(12)の天面に突設された筒体(16)の上部開口部に、弾性を有しかつ少なくとも天面にスリット(12)を形成した栓体(13)を装着し、
前記筒体(16)の上部外周に、天面の中央部が開口された筒状のキャップ(14、14a、14b)を装着し、
当該キャップ(14、14a、14b)の上部内壁面に前記穿刺部材(1、1A、2A)の前記凸部(7、7a、7b)を嵌合できる凹部(15、15a、15b)を形成し、
前記穿刺部材(1、1A、2A)の前記注入部(3、3b)を前記栓体(13)の前記スリット(12)に挿入することができ、
前記押圧部(6)の外周に設けられた前記凸部(7、7a、7b)と前記キャップ(14、14a、14b)の前記凹部(15、15a、15b)を嵌合させることができ、
前記凸部(7、7a、7b)と前記凹部(15、15a、15b)を嵌合させた後に、前記穿刺部材(1、1A、2A)を回動することにより前記凸部(7、7a、7b)が前記キャップ(14、14a、14b)の上部内壁面と前記栓体(13)天面の間に侵入して、前記穿刺部材(1、1A、2A)を固定できるように形成した口部を提供する。
[4]本発明は、[1]に記載の混注部材及び/又は[3]に記載の口部を有する医薬容器を提供する。
図1は本発明に使用する穿刺部材1とシリンジ9を接続した概略図である。
穿刺部材1は、シリンジ9に形成された挿入部10に嵌合する基部4と、後述する混注部材1Bに挿入される注入部3から構成される。
前記基部4の外周に、翼部5と翼部5bがそれぞれ対となり90度間隔に設けられている。翼部5は翼部5bより長く形成されているので指先の掛かり具合が良く、翼部5を指先で回動させることによりシリンジ9との脱着がし易くなる。
翼部5は翼部5bより長く形成されているので、穿刺部材1、後述する穿刺部材1Aが混注部材1B、後述する混注部材1Cに挿入、嵌合、回動、固定した時、翼部5は本体11の長さ方向に対して垂直方向を示し、目視により締付けている状態を確認することができる。
前記翼部5、5bの下端部には、板状の押圧部6が形成され、該押圧部6の外周には少なくとも2ヶ所の凸部7が形成されている。
前記翼部5、5bの上端部には必要により鍔部8が形成される。これによりシリンジ9と穿刺部材1(1A)が抜けない様に、ルアーロックタイプのシリンジ(図示せず)とも嵌合できる。
注入部先端3aは、栓体13のスリット12に穿刺し易くする為に、外周を鋭利な角度に加工している。
図3の混注部材1Bは管状の本体11の天面に突設された管状の筒体16に、弾性を有し且つ少なくとも天面にスリット12を形成した栓体13を装着し、前記筒体16の外周に形成した凸部17に、キャップ14の内周に形成した凹部18を嵌合して、前記キャップ14を筒体16に冠着することにより構成される。
スリット12の向きは図3のように本体11の長さに対して垂直とは限らず90度でも、45度でもそれ以外でも良く、注入部先端3aを挿入するきっかけをつくれば向きは特に限定しない。
キャップ14は天面の中央部が開口された筒状のキャップ14で、前記キャップ14の上部内壁面には押圧部6の外周に設けられた凸部7と嵌合する凹部15が形成されている。
基部4の外周に、翼部5、5bがそれぞれ対となり90度間隔に設けられ、前記翼部5、5bの下端部には、板状の円形を二等分し中心を少しずらして接合した形状の押圧部6aを形成し、且つ前記押圧部6aの外周には凸部7aが設けられ、前記翼部5、5bの上端部には鍔部8が形成されている。
注入部先端3aは、栓体13のスリット12に穿刺し易くする為に、外周を鋭利な角度に加工している。
混注部材1Cは管状の本体11の天面に突設された管状の筒体16に、弾性を有し且つ少なくとも天面にスリット12を形成した栓体13を装着し、前記筒体16の外周に形成した凸部17に、キャップ14aの内周に形成した凹部18を嵌合して、前記キャップ14aを筒体16に冠着することにより構成される。
キャップ14aは天面の中央部が開口された筒状のキャップで、前記キャップ14aの上部内壁面には押圧部6aの外周に設けられた凸部7aと嵌合する凹部15aが形成される。
穿刺部材1を混注部材1Bの栓体13の天面に形成されたスリット12に挿入し押圧する。
同時に押圧部6の外周に設けられた凸部7と、キャップ14の上部内壁面に形成された凹部15を嵌合させ、さらに栓体13の天面を押圧し、前記穿刺部材1を90度回動させる。
穿刺部材1を押圧することで、押圧部6と凸部7が栓体13を圧縮し、さらに回動することにより凸部7がキャップ14の上部内壁面と栓体13の天面の間にねじ込まれ、穿刺部材1と混注部材1Bが強固に固定される。これにより持続的な薬剤の注入の際、穿刺部材1が傾いたり抜け落ちることがなくなり、栓体13からの液漏れもなくなる。
穿刺部材1を回動させる角度は40度から140度であれば充分であるが、キャップ14の上部内壁面には押圧部6の外周に設けられた凸部7が嵌合し、回動した時外れなければ良く、好ましくは90度が良い。
基部4aの外周に、翼部5a、5bがそれぞれ対となり90度間隔で四箇所に設けられ、前記翼部5a、5bの下端部には、間隔をあけて、板状の略ひし形状の押圧部6bを形成し、且つ前記押圧部6bの外周には凸部7bが設けられ、前記翼部5a、5bの上端部には鍔部8aが形成されている。これによりシリンジ9と穿刺部材2Aが抜けないように、ルアーロックタイプのシリンジ(図示せず)とも嵌合できる。
翼部5aは翼部5bより長く形成されているので前記と同様指先の掛かり具合が良く、翼部5aを指先で回動させることにより、シリンジ9との脱着がしやすくなる。
翼部5aは翼部5bより長く形成されているので、穿刺部材2Aが混注部材1Dに挿入、嵌合、回動、固定した時、翼部5aは本体11の長さ方向に対して垂直方向を示し、目視により締付けている状態を確認することができる。
キャップ14bは天面の中央部が開口された筒状のキャップ14bで、前記キャップ14bの上部内壁面には押圧部6bの外周に設けられた凸部7bと嵌合する形状の凹部15bが形成されている。
キャップ14bの外周には必要に応じてリング状の保持部19が形成される。
前記保持部19は押圧部6bの外周に設けられた凸部7bと凹部15bとを嵌合する際、本体11を指で挟み込み、前記混注部材1Dを固定し、穿刺し易くする為に形成しており、また注入部先端3aが指に触れないよう保護する役割も果たしてる。
例えば押圧部6(6a、6b)の外周と凸部7(7a、7b)の外周を若干大きくすることで、キャップ14(14a、14b)の上部内壁面と凹部15(15a、15b)に、上から強く押しつけ、押圧部6(6a、6b)と前記凸部7(7a、7b)が栓体13の天面とキャップ14(14a、14b)の上部内壁面及び凹部15(15a、15b)の間に強く押し込まれ、穿刺部材1(1A、2A)と混注部材1B(1C、1D)がより強固に固定される。
さらに詳述すれば前記図1と図10の注入部3(3b)の長さは翼部5、5b(5a、5b)の長さと同程度に形成されているが、前記に述べたように該注入部3(3b)の先端3aが本体11の流路に突出してその他の部分がスリット12の中に埋れば良い。さらに前記押圧部6(6a、6b)は栓体13の天面を押圧できれば良い。したがって注入部3(3b)の長さは翼部5、5b(5a、5b)より長くても良いし短くても良い。
また押圧部6(6a)は翼部5、5bと一体に成形せず、注入部3の外周に押圧部6bのように単独で形成することもできる。すなわち押圧部6(6a)は押圧部6bのように翼部5a(5b)と間隔をあけて形成しても良いし、押圧部6(6a、6b)のみを形成して翼部5(5a、5b)は設けなくても良い。
また押圧部6(6a、6b)の外周形状を該押圧部6(6a、6b)の外周形状に嵌合するキャップ14(14a、14b)の上部内壁面の形状と同じにすれば、押圧部6(6a、6b)の外周に設けた前記凸部7(7a、7b)は必要なくなる。
また容器本体がガラス製の医薬容器であっても容器本体の上部に装着される口部のうち少なくとも筒体16がキャップ14(14a、14b)を装着できるプラスチック製のものであればこれらの医薬容器の口部に転用することができる。
1B、1C、1D 混注部材
3、3b 注入部
3a 注入部先端
4、4a 基部
5、5a、5b 翼部
6、6a、6b 押圧部
7、7a、7b 凸部
8、8a 鍔部
9 シリンジ
10 挿入部
11 本体
12 スリット
13 栓体
14、14a、14b キャップ
15、15a、15b 凹部
16 筒体
17 筒体凸部
18 キャップ凹部
19 保持部
A 矢視図
Claims (4)
- シリンジ(9)に形成された挿入部(10)に嵌合できるように形成されるか、あるいはシリンジ(9)の下部に一体成形される基部(4、4a)を有し、当該基部(4、4a)の下方に、注入部(3、3b)を突設し、
当該注入部(3、3b)の上部に板状の押圧部(6、6a、6b)を形成し、
当該押圧部(6、6a、6b)の外周に、凸部(7、7a、7b)を形成した穿刺部材(1、1A、2A)を挿入する混注部材(1B、1C、1D)であって、
管状の本体(12)の天面に突設された筒体(16)の上部開口部に、弾性を有しかつ少なくとも天面にスリット(12)を形成した栓体(13)を装着し、
前記筒体(16)の上部外周に、天面の中央部が開口された筒状のキャップ(14、14a、14b)を装着し、
当該キャップ(14、14a、14b)の上部内壁面に前記穿刺部材(1、1A、2A)の前記凸部(7、7a、7b)を嵌合できる凹部(15、15a、15b)を形成し、
前記穿刺部材(1、1A、2A)の前記注入部(3、3b)を前記栓体(13)の前記スリット(12)に挿入することができ、
前記押圧部(6)の外周に設けられた前記凸部(7、7a、7b)と前記キャップ(14、14a、14b)の前記凹部(15、15a、15b)を嵌合させることができ、
前記凸部(7、7a、7b)と前記凹部(15、15a、15b)を嵌合させた後に、前記穿刺部材(1、1A、2A)を回動することにより前記凸部(7、7a、7b)が前記キャップ(14、14a、14b)の上部内壁面と前記栓体(13)天面の間に侵入して、前記穿刺部材(1、1A、2A)を固定できるように形成した、ことを特徴とする混注部材(1B、1C、1D)。 - 前記請求項1に記載の混注部材(1B、1C、1D)を有することを特徴とする医療器具。
- シリンジ(9)に形成された挿入部(10)に嵌合できるように形成されるか、あるいはシリンジ(9)の下部に一体成形される基部(4、4a)を有し、当該基部(4、4a)の下方に、注入部(3、3b)を突設し、
当該注入部(3、3b)の上部に板状の押圧部(6、6a、6b)を形成し、
当該押圧部(6、6a、6b)の外周に、凸部(7、7a、7b)を形成した穿刺部材(1、1A、2A)を挿入する口部であって、
管状の本体(12)の天面に突設された筒体(16)の上部開口部に、弾性を有しかつ少なくとも天面にスリット(12)を形成した栓体(13)を装着し、
前記筒体(16)の上部外周に、天面の中央部が開口された筒状のキャップ(14、14a、14b)を装着し、
当該キャップ(14、14a、14b)の上部内壁面に前記穿刺部材(1、1A、2A)の前記凸部(7、7a、7b)を嵌合できる凹部(15、15a、15b)を形成し、
前記穿刺部材(1、1A、2A)の前記注入部(3、3b)を前記栓体(13)の前記スリット(12)に挿入することができ、
前記押圧部(6)の外周に設けられた前記凸部(7、7a、7b)と前記キャップ(14、14a、14b)の前記凹部(15、15a、15b)を嵌合させることができ、
前記凸部(7、7a、7b)と前記凹部(15、15a、15b)を嵌合させた後に、前記穿刺部材(1、1A、2A)を回動することにより前記凸部(7、7a、7b)が前記キャップ(14、14a、14b)の上部内壁面と前記栓体(13)天面の間に侵入して、前記穿刺部材(1、1A、2A)を固定できるように形成した、ことを特徴とする口部。 - 請求項1に記載の混注部材及び/又は請求項3に記載の口部を有することを特徴とする医薬容器。
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