JP2005223991A - インバータ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
可変周波数で運転される機器に対応するインバータの制御において、外乱の影響を抑制しながら、インバータからの出力電流波形を補正し、その歪みを除去する。
【解決手段】
速度制御部と電流制御部9とを備えるインバータ制御装置を用いる。速度制御部は、可変速駆動される交流電動機の角周波数指令と検出角周波数ωとに基づき、電流指令i*を出力する。電流制御部9は、電流指令I*と電流値Iと検出角周波数ωとに基づき、繰り返し補償の制御により電圧指令V*を出力する。ただし、電流制御部9は、電流指令I*(id *、iq *)、電流値I(iu、iv、iw=id、iq)及び検出角周波数ωに基づき、電流指令I*に繰り返し補償の制御を行い電流指令Δid *、Δiq *を出力する繰り返し補償部24と、電流指令Δid *、Δiq *と検出角周波数ωとに基づいて、電圧指令V*=vd *、vq *を出力する電圧生成部25とを含む。
【選択図】 図1
可変周波数で運転される機器に対応するインバータの制御において、外乱の影響を抑制しながら、インバータからの出力電流波形を補正し、その歪みを除去する。
【解決手段】
速度制御部と電流制御部9とを備えるインバータ制御装置を用いる。速度制御部は、可変速駆動される交流電動機の角周波数指令と検出角周波数ωとに基づき、電流指令i*を出力する。電流制御部9は、電流指令I*と電流値Iと検出角周波数ωとに基づき、繰り返し補償の制御により電圧指令V*を出力する。ただし、電流制御部9は、電流指令I*(id *、iq *)、電流値I(iu、iv、iw=id、iq)及び検出角周波数ωに基づき、電流指令I*に繰り返し補償の制御を行い電流指令Δid *、Δiq *を出力する繰り返し補償部24と、電流指令Δid *、Δiq *と検出角周波数ωとに基づいて、電圧指令V*=vd *、vq *を出力する電圧生成部25とを含む。
【選択図】 図1
Description
本発明はインバータ制御装置に関し、特に、回転機械の可変速駆動に用いられるインバータ制御装置及びインバータシステムに関する。
インバータ制御装置により制御されたインバータ(可変速駆動装置)を用いて、交流電動機を可変速で駆動する技術が知られている。このようなインバータでは、所望の電流を得るために回転機械に供給される電力の電流値をインバータ制御装置へフィードバックする。そして、インバータ制御装置は、その電流値に基づいて電流制御を行い、回転機械に供給される電力の電圧値を制御することにより、所望の電流を得るようにインバータを制御する。
インバータの動作においては、スイッチング素子の上アームと下アームとが短絡するのを防ぐため、2つのアームが同時にONにならないように制御される。すなわち、2つのアームが同時にOFFになるデッドタイムTdが存在する。そのため、実際にインバータから出力される電圧には誤差を生じ、インバータ制御装置からの制御指令通りの電圧を出力することは困難となる。この出力電圧の誤差は、出力電流符号が切り替わるタイミングで、特にその影響が大きくなる。従って、電流波形の正負が逆転するゼロクロス点近傍において、出力電流の波形に生じる歪みが大きくなる原因となっている。
このデッドタイムTdによる出力電圧の誤差を補償する方法として、簡易デッドタイム補償法が知られている。出力電圧Vaの誤差は、出力電流iaの符号に等しく、その誤差は、時間に対してほぼ方形波状となる。そのため、出力電流iaの絶対値が所定の値より大きい(電流波形がゼロクロス点近傍でない)場合、スイッチングの遅れ等を考慮して決められた下式(1)で定義されるデッドタイム補正量VTd *を用いる。また、出力電流iaの絶対値が所定の値より小さい(電流波形がゼロクロス点近傍である)場合、デッドタイム補正量を0とする。
VTd *=VTd・sign(ia) (1)
VTd *=VTd・sign(ia) (1)
ただし、この方法でも、ゼロクロス点近傍のような出力電流iaの小さい場合、符号の判定が難しく、正確に出力電圧の補正を行うことが困難となる。
図8は、上記のような制御を行うインバータによる3相交流電流の出力電流波形を示すグラフである。縦軸は電流値、横軸は時間である。各相(u相、v相、w相)の電流は、それぞれのスイッチング素子において発生するデッドタイムによる出力電圧の誤差を補償されている。しかし、それでも図中Aの領域で示されるように、ゼロクロス点近傍で出力電流波形に大きな歪みを生じていることが判る。
関連する技術として、特開2001−28882号公報に系統連係インバータ装置の技術が開示されている。この技術の系統連係インバータ装置は、入力した直流電圧から交流電圧を生成して、系統連係に出力する系統連係インバータ装置において、出力電流を制御する繰返し補償器を設けたことを特徴としている。
この技術は、例えば太陽電池や燃料電池のような直流電源から入力される直流電力を、交流電力に変換し、固定周波数の商用系統電源と連系するために、系統連係インバータ装置において用いられる。
この技術は、例えば太陽電池や燃料電池のような直流電源から入力される直流電力を、交流電力に変換し、固定周波数の商用系統電源と連系するために、系統連係インバータ装置において用いられる。
図9は、この技術に用いられる、繰返し補償器の構成を示すブロック図である。
繰返し補償器400(特開2001−28882号公報の図2中、繰返し補償器4)は、周期的な外乱の影響を補償するべく、出力電流指令Ia*と、インバータ出力電流Iaとの偏差である電流制御誤差ΔIaに対し、その外乱周期Lより短い周期L’のむだ時間要素「e−L’s」402を持つ繰返し補償演算を行い、電流制御器入力ΔIa*を求める。さらにこの繰返し補償器400では、制御系の安定化のために時定数Tの低域通過フィルタ401を上記むだ時間要素「e−L’s」402の前段に付加配置する。
この場合、むだ時間要素の係数として従来用いられている外乱周期Lではなく、予め下式(2)で算出される周期L’(固定値)を用いている。
L’=L{1−1/(2π)・tan−1(2πT/L)} (2)
ここで、
L:外乱周期である電源周期
(=1/(商用系統電源周波数(50Hz/60Hz)):固定値)
T:低域通過フィルタ401の時定数
むだ時間要素の係数として周期L’を用いることにより、図9の構成を通過する際に生じる電流制御誤差ΔIaの位相遅れを抑制することが出来る。そして、補償器ゲインの低下を大幅に改善することが出来る。
繰返し補償器400(特開2001−28882号公報の図2中、繰返し補償器4)は、周期的な外乱の影響を補償するべく、出力電流指令Ia*と、インバータ出力電流Iaとの偏差である電流制御誤差ΔIaに対し、その外乱周期Lより短い周期L’のむだ時間要素「e−L’s」402を持つ繰返し補償演算を行い、電流制御器入力ΔIa*を求める。さらにこの繰返し補償器400では、制御系の安定化のために時定数Tの低域通過フィルタ401を上記むだ時間要素「e−L’s」402の前段に付加配置する。
この場合、むだ時間要素の係数として従来用いられている外乱周期Lではなく、予め下式(2)で算出される周期L’(固定値)を用いている。
L’=L{1−1/(2π)・tan−1(2πT/L)} (2)
ここで、
L:外乱周期である電源周期
(=1/(商用系統電源周波数(50Hz/60Hz)):固定値)
T:低域通過フィルタ401の時定数
むだ時間要素の係数として周期L’を用いることにより、図9の構成を通過する際に生じる電流制御誤差ΔIaの位相遅れを抑制することが出来る。そして、補償器ゲインの低下を大幅に改善することが出来る。
交流電動機の制御等に用いられる可変周波数に対応するインバータの制御において、出力電流波形を補正し、その歪みを除去することが可能な技術が求められている。ゼロクロス点近傍のような出力電流の小さい領域においても正確に補正を行うことが可能な技術が望まれている。外乱の影響を受け難い補正技術が求められている。
従って、本発明の目的は、可変周波数に対応するインバータの制御において、出力電流波形を補正し、その歪みを除去することが可能なインバータ制御装置及びインバータシステムを提供することである。
また、本発明の他の目的は、可変周波数に対応するインバータの制御において、ゼロクロス点近傍のような出力電流の小さい領域においても正確に出力電流波形を補正することが可能なインバータ制御装置及びインバータシステムを提供することである。
本発明の更に他の目的は、可変周波数に対応するインバータの制御において、外乱の影響を抑制しながら出力電流波形を補正することが可能なインバータ制御装置及びインバータシステムを提供することである。
以下に、発明を実施するための最良の形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための最良の形態との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
従って、上記課題を解決するために、本発明のインバータ制御装置は、速度制御部(7)と、電流制御部(9)とを具備する。
速度制御部(7)は、可変速駆動される交流電動機(3)に関する角周波数指令(ω*)と、交流電動機(3)の検出角周波数(ω)とに基づいて、交流電動機(3)に供給される電力に関する第1電流指令(i*)を出力する。電流制御部(9)は、第1電流指令(I*)と、その電力の電流値(I)と、検出角周波数(ω)とに基づいて、繰り返し補償の制御の行われたその電力に関する電圧指令(V*)を出力する。
速度制御部(7)は、可変速駆動される交流電動機(3)に関する角周波数指令(ω*)と、交流電動機(3)の検出角周波数(ω)とに基づいて、交流電動機(3)に供給される電力に関する第1電流指令(i*)を出力する。電流制御部(9)は、第1電流指令(I*)と、その電力の電流値(I)と、検出角周波数(ω)とに基づいて、繰り返し補償の制御の行われたその電力に関する電圧指令(V*)を出力する。
また、本発明のインバータ制御装置は、電流制御部(9)が、繰り返し補償部(24)と、電圧生成部(25−1及び25−2)とを具備する。
繰り返し補償部(24)は、第1電流指令(i*=id *及びiq *)と、電流値(I=iu、iv及びiw=id及びiq)と、検出角周波数(ω)とに基づいて、第1電流指令(id *及びiq *)に繰り返し補償の制御を行い第2電流指令(Δid *及びΔiq *)を出力する。電圧生成部(25−1及び25−2)は、第2電流指令(Δid *及びΔiq *)と検出角周波数(ω)とに基づいて、電圧指令(V*=vd *及びvq *=vu、vv及びvw)を出力する。
繰り返し補償部(24)は、第1電流指令(i*=id *及びiq *)と、電流値(I=iu、iv及びiw=id及びiq)と、検出角周波数(ω)とに基づいて、第1電流指令(id *及びiq *)に繰り返し補償の制御を行い第2電流指令(Δid *及びΔiq *)を出力する。電圧生成部(25−1及び25−2)は、第2電流指令(Δid *及びΔiq *)と検出角周波数(ω)とに基づいて、電圧指令(V*=vd *及びvq *=vu、vv及びvw)を出力する。
また、本発明のインバータ制御装置は、繰り返し補償部(24)が、第1加算部(31−1及び31−2)と、低域通過フィルタ部(32−1及び32−2)と、むだ時間部(33−1及び33−2)と、第2加算部(34−1及び34−2)とを具備する。
第1加算部(31−1及び31−2)は、第1電流指令(i*=id *及びiq *)と電流値(I=iu、iv及びiw=id及びiq)との差としての電流制御誤差(Δid及びΔiq)と、1つ前の周期としての前周期での電流補償値指令(δid *(前回)及びδiq *(前回))とに基づいて、第1補償電流値(δid及びδiq)を出力する。低域通過フィルタ部(32−1及び32−2)は、第1補償電流値(δid及びδiq)の内の低域を通過させ、第2補償電流値(δidLPF及びδiqLPF)として出力する。むだ時間部(33−1及び33−2)は、第2補償電流値(δidLPF及びδiqLPF)と検出角周波数(ω)と低域通過フィルタ部(32−1及び32−2)の位相特性(T)とに基づいて、むだ時間制御された電流補償値指令(δid *及びδid *)を出力する。第2加算部(34−1及び34−2)は、第1電流指令(id *及びiq *)と電流補償値指令(δid *及びδid *)とに基づいて、第2電流指令(Δid *及びΔiq *)を出力する。
第1加算部(31−1及び31−2)は、第1電流指令(i*=id *及びiq *)と電流値(I=iu、iv及びiw=id及びiq)との差としての電流制御誤差(Δid及びΔiq)と、1つ前の周期としての前周期での電流補償値指令(δid *(前回)及びδiq *(前回))とに基づいて、第1補償電流値(δid及びδiq)を出力する。低域通過フィルタ部(32−1及び32−2)は、第1補償電流値(δid及びδiq)の内の低域を通過させ、第2補償電流値(δidLPF及びδiqLPF)として出力する。むだ時間部(33−1及び33−2)は、第2補償電流値(δidLPF及びδiqLPF)と検出角周波数(ω)と低域通過フィルタ部(32−1及び32−2)の位相特性(T)とに基づいて、むだ時間制御された電流補償値指令(δid *及びδid *)を出力する。第2加算部(34−1及び34−2)は、第1電流指令(id *及びiq *)と電流補償値指令(δid *及びδid *)とに基づいて、第2電流指令(Δid *及びΔiq *)を出力する。
また、本発明のインバータ制御装置は、むだ時間部(33−1及び33−2)が、そのむだ時間制御に用いるむだ時間(L’)を、検出角周波数(ω)と低域通過フィルタ部(32−1及び32−2)の位相特性(T)とに基づいて算出する。
更に、本発明のインバータ制御装置は、検出角周波数(ω)と低域通過フィルタ部(32−1及び32−2)の位相特性(T)とに基づいて、むだ時間(L’)を出力する補正量制御部(10)を更にを具備する。
更に、本発明のインバータ制御装置は、補正量制御部(10)が、検出角周波数(41)と低域通過フィルタ部(32−1及び32−2)の位相特性(42)とむだ時間(43)とを関連付けて記憶した補正量テーブル(10−1)を備える。
そして、補正量制御部(10)は、補正量テーブル(10−1)を用いて、むだ時間(L’)を抽出する。
そして、補正量制御部(10)は、補正量テーブル(10−1)を用いて、むだ時間(L’)を抽出する。
上記課題を解決するために、本発明のインバータシステムは、インバータ制御装置(1)と、電力変換部(2)とを具備する。
インバータ制御装置(1)は、可変速駆動される交流電動機(3)の角周波数(ω)と角周波数指令(ω*)と交流電動機(3)に供給される電力の電流値(I)とに基づいて、その電力に関する電圧指令(V*)を出力する。上記各項のいずれか一項に記載されている。電力変換部(2)は、電圧指令(V*)に基づいて、供給電力を、交流電動機(3)を角周波数指令(ω*)に従ったその可変速駆動可能な他の3相交流電力へ変換する。
インバータ制御装置(1)は、可変速駆動される交流電動機(3)の角周波数(ω)と角周波数指令(ω*)と交流電動機(3)に供給される電力の電流値(I)とに基づいて、その電力に関する電圧指令(V*)を出力する。上記各項のいずれか一項に記載されている。電力変換部(2)は、電圧指令(V*)に基づいて、供給電力を、交流電動機(3)を角周波数指令(ω*)に従ったその可変速駆動可能な他の3相交流電力へ変換する。
本発明により、交流電動機3のような可変周波数で運転される機器に対応する電力変換部2(インバータ)の制御において、外乱の影響を抑制しながら、インバータからの出力電流波形を補正し、その歪みを除去することが可能となる。
以下、本発明であるインバータ制御装置及びインバータシステムの実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。
本実施例において、誘導電動機の可変速制御に使用されるインバータ制御装置及びインバータシステムを例に示して説明するが、他の回転機器の可変速制御においても、適用可能である(なお、各実施の形態において同一又は相当部分には同一の符号を付して説明する)。
本実施例において、誘導電動機の可変速制御に使用されるインバータ制御装置及びインバータシステムを例に示して説明するが、他の回転機器の可変速制御においても、適用可能である(なお、各実施の形態において同一又は相当部分には同一の符号を付して説明する)。
(第1の実施の形態)
以下、本発明であるインバータ制御装置を適用したインバータシステムの第1の実施の形態の構成について、図1を参照して説明する。
図1は、本発明であるインバータ制御装置を適用したインバータシステムの第1の実施の形態の構成を示すブロック図である。
インバータシステムは、インバータ制御装置1及び電力変換部2を備える。そして、電力変換部2は、電力供給源5から供給される電力を所望の特性を有する電力に変換し、交流電動機3へ供給する。その際、インバータ制御装置1は、交流電動機3に供給される電力の電流値(電流計8−1及び電流計8−2により計測)、交流電動機3の角周波数(位置・速度検出器4により計測)及び角周波数指令(外部より入力される)に基づいて、電力変換部2を制御する。
以下、本発明であるインバータ制御装置を適用したインバータシステムの第1の実施の形態の構成について、図1を参照して説明する。
図1は、本発明であるインバータ制御装置を適用したインバータシステムの第1の実施の形態の構成を示すブロック図である。
インバータシステムは、インバータ制御装置1及び電力変換部2を備える。そして、電力変換部2は、電力供給源5から供給される電力を所望の特性を有する電力に変換し、交流電動機3へ供給する。その際、インバータ制御装置1は、交流電動機3に供給される電力の電流値(電流計8−1及び電流計8−2により計測)、交流電動機3の角周波数(位置・速度検出器4により計測)及び角周波数指令(外部より入力される)に基づいて、電力変換部2を制御する。
インバータ制御装置1は、マイクロプロセッサやデジタルシグナルプロセッサ等に例示される制御・情報処理機能を有する情報処理装置である。ワークステーションやパーソナルコンピュータ(入力/出力装置、表示装置を含む)であっても構わない。交流電動機3の角周波数である検出角周波数と、角周波数の指示としての角周波数指令と、交流電動機3に供給される電力の電流値とに基づいて、交流電動機3へ所望の特性を有する電力を供給するように、電力変換部2を制御する。
インバータ制御装置1は、情報処理プログラムとしての比較部6、速度制御部7、出力電流検出部8、電流制御部9及びPWM信号生成部11を備える。
インバータ制御装置1は、情報処理プログラムとしての比較部6、速度制御部7、出力電流検出部8、電流制御部9及びPWM信号生成部11を備える。
比較部6は、交流電動機3の角周波数である検出角周波数ωと、交流電動機3への角周波数の指示としての角周波数指令ω*とを比較し、その差である角周波数指令Δω*=ω*−ωを算出する。角周波数指令Δω*は、速度制御部7へ出力される。
速度制御部7は、角周波数指令Δω*に基づいて、PID制御(P、I、Dの少なくとも1つを含む制御)により、交流電動機3の角周波数(検出角周波数ω)が角周波数指令ω*となるように、第1電流指令としての電流指令i*、すなわちd軸電流指令id *及びq軸電流指令iq *を算出する。電流指令i*(d軸電流指令id *及びq軸電流指令iq *)は、電流制御部9へ出力される。
出力電流検出部8は、電流計8−1により検出された交流電動機3に供給される3相交流電力の1相分(例えばu相)の電流と、電流計8−2により検出された他の1相分(例えばw相)の電流とに基づいて、電力変換部2から交流電動機3へ供給されている3相交流電流としての検出電流I、すなわち3相分(u相、v相、w相)の検出電流iu、iv、iwを算出する。検出電流I(検出電流iu、iv、iw)は、電流制御部9へ出力される。
電流制御部9は、検出角周波数ωと、電流指令i*(d軸電流指令id *及びq軸電流指令iq *)と、検出電流I(検出電流iu、iv、iw)とに基づいて、交流電動機3へ所望の特性を有する電力を供給するように、電圧指令V*(電圧指令vu *、vv *、vw *)を算出する。詳細は後述する。
PWM信号生成部11は、電圧指令V*(電圧指令vu *、vv *、vw *)に基づいて、電力変換部2をPWM(Pulse Width Modulation)制御するためのPWM指令SPWM *(PWM指令Su *、Sv *、Sw *)を算出する。PWM指令SPWM *(PWM指令SPWMu *、SPWMv *、SPWMw *)は、電力変換部2へ出力される。
電力供給源5は、交流電動機3に供給する電力の供給源である。電力の供給源は、商用電力系統から供給される電力、バッテリーや太陽電池や燃料電池、風力発電機から供給される電力に例示される。
電力変換部2は、インバータを含む。インバータは、PWM指令SPWM *(PWM指令SPWMu *、SPWMv *、SPWMw *)に基づいて、電力供給源5から供給される電力を所望の特性を有する3相交流電力へ変換する。その3相交流電力は、交流電動機3へ出力される。
電力変換部2は、電力供給源5から供給される電力が交流電力の場合、その交流電力を所望の直流電力へ変換する整流器及びインバータに、直流電力の場合、その直流電力を所望の直流電力へ変換するDC−DCコンバータ及びインバータに例示される。
電力変換部2は、電力供給源5から供給される電力が交流電力の場合、その交流電力を所望の直流電力へ変換する整流器及びインバータに、直流電力の場合、その直流電力を所望の直流電力へ変換するDC−DCコンバータ及びインバータに例示される。
交流電動機3は、誘導電動機や同期電動機に例示される可変速駆動が可能な電動機である。電動機(モータ)及び発電機として駆動される。
位置・速度検出器4は、交流電動機の位置及び角周波数を検出する。そして、検出位置θ及び角周波数ωとして電流制御部9及び比較部6へ出力する。位置・速度検出器4は、PGやパルスエンコーダに例示される。
電流制御部9について更に説明する。
図2は、電流制御部9の構成を示すブロック図である。
電流制御部9は、3相/2相変換部21、比較部23−1及び比較部23−2、繰り返し補償部24、電圧指令生成部25−1及び電圧指令生成部25−2、2相/3相変換部27、デッドタイム補正部28、加算部29−1、加算部29−2及び加算部29−3を備える。
図2は、電流制御部9の構成を示すブロック図である。
電流制御部9は、3相/2相変換部21、比較部23−1及び比較部23−2、繰り返し補償部24、電圧指令生成部25−1及び電圧指令生成部25−2、2相/3相変換部27、デッドタイム補正部28、加算部29−1、加算部29−2及び加算部29−3を備える。
3相/2相変換部21は、3相(u相、v相、w相)の検出電流I(検出電流iu、iv、iw)を、2相(d軸、q軸)の検出電流I’(検出電流id、iq)へ変換し、比較部23−1及び23−2へ出力する。
比較部23−1は、電流指令i*のd軸電流指令id *と、3相/2相変換部21からの検出電流idとを比較し、その差であるd軸電流制御誤差Δid=id *−idを算出し、繰り返し補償部24へ出力する。同様に、比較部23−2は、電流指令i*のq軸電流指令iq *と、3相/2相変換部21からの検出電流iqとを比較し、その差であるq軸電流制御誤差令Δiq=iq *−iqを算出し、繰り返し補償部24へ出力する。
繰り返し補償部24は、d軸電流制御誤差Δidと検出角周波数ωとに基づいて、繰り返し補償制御を行い、d軸電流指令Δid *を算出し、電圧指令生成部25−1へ出力する。また、q軸電流制御誤差令Δiqと検出角周波数ωとに基づいて、繰り返し補償制御を行い、q軸電流指令Δiq *を算出し、電圧指令生成部25−2へ出力する。
電圧指令生成部25−1は、d軸電流指令Δid *に基づいて、PID制御(P、I、Dの少なくとも1つを含む制御)により、交流電動機3へ所望の特性を有する電力を供給するように、電圧指令Vd *を算出し、2相/3相変換部27へ出力する。同様に、電圧指令生成部25−2は、q軸電流指令Δiq *に基づいて、PID制御(P、I、Dの少なくとも1つを含む制御)により、交流電動機3へ所望の特性を有する電力を供給するように、電圧指令Vq *を算出し、2相/3相変換部27へ出力する。
2相/3相変換部27は、2相(d軸、q軸)の電圧指令V*’(電圧指令Vd *、Vq *)を、3相(u相、v相、w相)の電圧指令V*’’(電圧指令Vu *’、Vv *’、Vw *’)へ変換する。そして、その各々を加算部29−1、加算部29−2及び加算部29−3へ出力する。
デッドタイム補正部28は、検出電流I(検出電流iu、iv、iw)に基づいて、簡易デッドタイム補正法により、各相(u相、v相、w相)のデッドタイム補正量を算出する。すなわち、式(1)により各相(u相、v相、w相)のデッドタイム補正量VuTd *、VvTd *、VwTd *を算出する。そして、その各々を加算部29−1、加算部29−2及び加算部29−3へ出力する。
加算部29−1は、電圧指令Vu *’とデッドタイム補正量VuTd *とを加えて、電圧指令Vu *としてPWM信号生成部11へ出力する。同様に、加算部29−2は電圧指令Vv *’とデッドタイム補正量VvTd *とを加えて電圧指令Vv *として、加算部29−3は電圧指令Vw *’とデッドタイム補正量VwTd *とを加えて電圧指令Vw *として、それぞれPWM信号生成部11へ出力する。ここで、電圧指令vu *、vv *、vw *は、まとめて電圧指令V*である。
繰り返し補償部24について更に説明する。
繰り返し補償部24は、d軸電流指令用の加算部31−1、低域通過フィルタ32−1、むだ時間部33−1及び加算部34−1を備える。同様にq軸電流指令用の加算部31−2、低域通過フィルタ32−2、むだ時間部33−2及び34−2を備える。d軸側とq軸側は、軸が異なる他は同様の動作であるため、d軸側についてのみ説明する。
繰り返し補償部24は、d軸電流指令用の加算部31−1、低域通過フィルタ32−1、むだ時間部33−1及び加算部34−1を備える。同様にq軸電流指令用の加算部31−2、低域通過フィルタ32−2、むだ時間部33−2及び34−2を備える。d軸側とq軸側は、軸が異なる他は同様の動作であるため、d軸側についてのみ説明する。
加算部31−1は、d軸電流制御誤差Δidと1制御周期(Ts)分だけ前(以下(前回)と記す)の電流補償値指令δid *(前回)とを加算した第1補償電流地としての補償電流値δid=Δid+δid *(前回)を出力する。
低域通過フィルタ32−1は、入力された補償電流値δidの内の低域を通過させることにより、補償電流値δidに含まれる外乱を抑制する。
低域通過フィルタ32−1は、入力された補償電流値δidと、低域補償電流値δidLPF(前回)とに基づいて、以下の式(3)で第2補償電流地としての低域補償電流値δidLPFを算出し、出力する。それと共に、その値を改めて低域補償電流値δidLPF(前回)として記憶する。
δidLPF=δidLPF(前回)+T/Ts・{δidLPF(前回)−δid} (3)
ただし、Ts:制御周期
T:低域通過フィルタ32−1の時定数
低域通過フィルタ32−1は、入力された補償電流値δidと、低域補償電流値δidLPF(前回)とに基づいて、以下の式(3)で第2補償電流地としての低域補償電流値δidLPFを算出し、出力する。それと共に、その値を改めて低域補償電流値δidLPF(前回)として記憶する。
δidLPF=δidLPF(前回)+T/Ts・{δidLPF(前回)−δid} (3)
ただし、Ts:制御周期
T:低域通過フィルタ32−1の時定数
むだ時間部33−1は、以下の式(4)で表現されるむだ時間制御を行う。すなわち、入力された低域補償電流値δidLPFを、所定の期間(むだ時間L’)だけ記憶する。L’/Ts以下の整数個分の低域補償電流値δidLPFを格納している。それと共に、所定の時間(むだ時間L’)が経過した低域補償電流値δidLPFを電流補償値指令δid *として加算部34−1及び加算部31−1へ出力する。所定の期間(むだ時間L’)は、検出角周波数ωと低域通過フィルタの位相特性(例示:時定数)に基づいて、以下の式(5)で算出する。
δid *=δidLPF・exp(−L’s) (4)
ただし、
s:ラプラス変換パラメータ
L’=L{1−1/(2π)・tan−1(2πT/L)} (5)
ここで、
L:外乱周期(=2π/ωであり、位置・速度検出器4から入力される。)
δid *=δidLPF・exp(−L’s) (4)
ただし、
s:ラプラス変換パラメータ
L’=L{1−1/(2π)・tan−1(2πT/L)} (5)
ここで、
L:外乱周期(=2π/ωであり、位置・速度検出器4から入力される。)
加算部34−1は、電流補償値指令δid *とd軸電流制御誤差Δidとを加算し、第2電流指令としてのd軸電流指令Δid *=δid *+Δidとして電圧生成部25−1へ出力する。
繰り返し補償部24は、電力変換部2から交流電動機3へ出力された3相交流電力の周期的な外乱を補償する。そのために、d軸電流制御誤差Δidに対して、その外乱周期Lよりも短い周期L’のむだ時間要素exp(−L’s)による繰り返し補償演算を行い、d軸電流指令Δid *を算出する。
更に、この繰り返し補償部24では、制御系の安定化のために時定数Tの低域通過フィルタ32−1をむだ時間部33−1の前段に配置している。
むだ時間要素の係数として周期L’(<電源周期L)を用いることにより、繰り返し補償部24で電源周期Lを用いた場合に生じる生じる電流補償値指令δid *の位相遅れを抑制することが出来る。そして、それにより、外乱周期分の1の整数倍周波数において、繰り返し補償部24のゲインが低下して充分な電流歪み低減効果が得られなくなる現象を、大幅に改善することが出来る。
更に、この繰り返し補償部24では、制御系の安定化のために時定数Tの低域通過フィルタ32−1をむだ時間部33−1の前段に配置している。
むだ時間要素の係数として周期L’(<電源周期L)を用いることにより、繰り返し補償部24で電源周期Lを用いた場合に生じる生じる電流補償値指令δid *の位相遅れを抑制することが出来る。そして、それにより、外乱周期分の1の整数倍周波数において、繰り返し補償部24のゲインが低下して充分な電流歪み低減効果が得られなくなる現象を、大幅に改善することが出来る。
次に、本発明であるインバータ制御装置を適用したインバータシステムの第1の実施の形態の動作について、図1及び図2を参照して説明する。
電力供給源5から供給される電力は、電力変換部2により所望の3相交流電力へ変換される。その電力は、交流電動機3へ供給される。
その際、インバータ制御装置1において、以下のような制御が行われることにより、電力変換部2での電力変換が制御される。
電力供給源5から供給される電力は、電力変換部2により所望の3相交流電力へ変換される。その電力は、交流電動機3へ供給される。
その際、インバータ制御装置1において、以下のような制御が行われることにより、電力変換部2での電力変換が制御される。
交流電動機3に供給される3相交流電力の1相分(例えばu相)の電流と、他の1相分(例えばv相)の電流とが、それぞれ電流計8−1及び電流計8−2により検出される。それらの電流は、出力電流検出部8へ出力される。
それらの電流に基づいて、出力電流検出部8により、交流電動機3に供給されている3相交流電流としての検出電流I(検出電流iu、iv、iw)が算出される。検出電流Iは、電流制御部9へ出力される。
それらの電流に基づいて、出力電流検出部8により、交流電動機3に供給されている3相交流電流としての検出電流I(検出電流iu、iv、iw)が算出される。検出電流Iは、電流制御部9へ出力される。
交流電動機3において、検出角周波数ωは、位置・速度検出器4により検出される。検出角周波数ωは、電流制御部9及び比較部6へ出力される。
角周波数指令ω*と検出角周波数ωとに基づいて、比較部6において、角周波数指令Δω*が算出され、速度制御部7へ出力される。
そして、角周波数指令Δω*に基づいて、速度制御部7において、PID制御により、交流電動機3の角周波数が角周波数指令ω*となるように、電流指令i*(d軸電流指令id *及びq軸電流指令iq *)が算出される。電流指令i*は、電流制御部9へ出力される。
そして、角周波数指令Δω*に基づいて、速度制御部7において、PID制御により、交流電動機3の角周波数が角周波数指令ω*となるように、電流指令i*(d軸電流指令id *及びq軸電流指令iq *)が算出される。電流指令i*は、電流制御部9へ出力される。
検出電流Iは、電流制御部9の3相/2相変換部21において、3相(u相、v相、w相)から、2相(d軸、q軸)の検出電流id及び検出電流iqへ変換され、それぞれ比較部23−1及び23−2へ出力される。
d軸電流指令id *と3相/2相変換部21からの検出電流idとに基づいて、比較部23−1において、d軸電流制御誤差Δidが算出され、繰り返し補償部24へ出力される。同様に、q軸電流指令iq *と3相/2相変換部21からの検出電流iqとに基づいて、比較部23−2において、q軸電流制御誤差令Δiqが算出され、繰り返し補償部24へ出力される。
d軸電流指令id *と3相/2相変換部21からの検出電流idとに基づいて、比較部23−1において、d軸電流制御誤差Δidが算出され、繰り返し補償部24へ出力される。同様に、q軸電流指令iq *と3相/2相変換部21からの検出電流iqとに基づいて、比較部23−2において、q軸電流制御誤差令Δiqが算出され、繰り返し補償部24へ出力される。
次に、繰り返し補償部24において、以下の動作がなされる。
d軸電流制御誤差Δidと電流補償値指令δid *(前回)とに基づいて、加算部31−1により、補償電流値δidが、低域通過フィルター32−4へ出力される。
補償電流値δidは、低域通過フィルタ32−1において、低域補償電流値δidLPF(前回)を用いた前述の式(3)により外乱を低減された低域補償電流値δidLPFとなり、むだ時間部33−1へ出力される。
d軸電流制御誤差Δidと電流補償値指令δid *(前回)とに基づいて、加算部31−1により、補償電流値δidが、低域通過フィルター32−4へ出力される。
補償電流値δidは、低域通過フィルタ32−1において、低域補償電流値δidLPF(前回)を用いた前述の式(3)により外乱を低減された低域補償電流値δidLPFとなり、むだ時間部33−1へ出力される。
低域補償電流値δidLPFは、所定の期間(むだ時間L’:前述の式(5)で算出)だけむだ時間部33−1において格納された後、電流補償値指令δid *として加算部34−1及び加算部31−1へ出力される。
電流補償値指令δid *は、加算部34−1により、d軸電流制御誤差Δidと加算され、d軸電流指令Δid *として電圧生成部25−1へ出力される。
同様にして、繰り返し補償部24において、q相電流制御誤差令Δiqと検出角周波数ωとに基づいて、繰り返し補償制御が行われ、q軸電流指令Δiq *が算出され、電圧指令生成部25−2へ出力される。
d軸電流指令Δid *に基づいて、電圧指令生成部25−1において、PID制御により、交流電動機3へ所望の特性を有する電力を供給するように、電圧指令Vd *が算出され、2相/3相変換部27へ出力される。同様に、q軸電流指令Δiq *に基づいて、電圧指令生成部25−2により、PID制御により、電圧指令Vq *が算出され、2相/3相変換部27へ出力される。
電圧指令Vd *及び電圧指令Vq *は、2相/3相変換部27において、2相(d軸、q軸)から3相(u相、v相、w相)の電圧指令Vu *’、電圧指令Vv *’、電圧指令Vw *’へ変換される。そして、その各々は、加算部29−1、加算部29−2及び加算部29−3へ出力される。
検出電流I(検出電流iu、iv、iw)に基づいて、デッドタイム補正部28において、簡易デッドタイム補正法により、各相(u相、v相、w相)のデッドタイム補正量VuTd *、VvTd *、VwTd *が算出される。そして、その各々は、加算部29−1、加算部29−2及び加算部29−3へ出力される。
電圧指令Vu *’とデッドタイム補正量VuTd *とは、加算部29−1において加算され、電圧指令Vu *としてPWM信号生成部11へ出力される。同様に、電圧指令Vv *’とデッドタイム補正量VvTd *とは、加算部29−2において加算され、電圧指令Vv *として、電圧指令Vw *’とデッドタイム補正量VwTd *とは、加算部29−3において加算され、電圧指令Vw *として、それぞれPWM信号生成部11へ出力される。
電圧指令V*(電圧指令vu *、vv *、vw *)に基づいて、PWM信号生成部11において、PWM指令SPWM *(PWM指令Su *、Sv *、Sw *)を算出する。PWM指令SPWM *は、電力変換部2へ出力される。
PWM指令SPWM *(PWM指令SPWMu *、SPWMv *、SPWMw *)に基づいて、電力変換部2のインバータにおいて、電力供給源5から供給される電力を所望の特性(電流指令i*、電圧指令V*)を有する3相交流電力へ変換する。その3相交流電力により、交流電動機3では、所望の特性(角周波数指令ω*)を有する運転がなされる。
本発明により、交流電動機3のような可変周波数で運転される機器に対応する電力変換部2(インバータ)の制御において、インバータからの出力電流波形を補正し、その歪みを除去することが可能となる。
また、可変周波数で運転される機器に対応する電力変換部2(インバータ)の制御において、ゼロクロス点近傍のような出力電流の小さい領域においても正確に出力電流波形を補正することが可能となる。
更に、本発明では、可変周波数で運転される機器に対応する電力変換部2(インバータ)の制御において、外乱の影響を抑制しながら出力電流波形を補正することが可能となる。
なお、上記実施例では、図2に示すように、d軸電流制御誤差Δid=id *−id、及び、q軸電流制御誤差Δiq=iq *−iqについて、繰り返し補償部24により、外乱の影響の除去及びゼロクロス点近傍での波形歪みの除去のための制御を行っている。しかし、d軸電流指令id *、及び、q軸電流指令iq *そのものについて、外乱の影響の除去及びゼロクロス点近傍での波形歪みの除去のための制御を行うことも可能である。それを示したのが図3である。
図3は、本発明であるインバータ制御装置を適用したインバータシステムの第1の実施の形態における電流制御部9の他の構成を示すブロック図である。この構成では、比較点23−1及び比較点23−2の前に、繰り返し補償部24が入っており、d軸電流指令id *、及び、q軸電流指令iq *について、繰り返し補償等を行なう点が上述の実施例と異なる。
それ以外は、上述の実施例の通りなので、その説明を省略する。
それ以外は、上述の実施例の通りなので、その説明を省略する。
図3の構成においても、上記実施例と同様の効果を得ることが出来る。
(第2の実施の形態)
次に、本発明であるインバータ制御装置を適用したインバータシステムの第2の実施の形態の構成について、図4を参照して説明する。
図4は、本発明であるインバータ制御装置を適用したインバータシステムの第2の実施の形態の構成を示すブロック図である。
インバータシステムは、インバータ制御装置1及び電力変換部2を備える。そして、電力変換部2は、電力供給源5から供給される電力を所望の特性を有する電力に変換し、交流電動機3へ供給する。その際、インバータ制御装置1は、交流電動機3に供給される電力の電流値(電流計8−1及び電流計8−2により計測)、交流電動機3の角周波数(位置・速度検出器4により計測)、補正量制御部10の補正量テーブル10−1及び角周波数指令(外部より入力)に基づいて、電力変換部2を制御する。
次に、本発明であるインバータ制御装置を適用したインバータシステムの第2の実施の形態の構成について、図4を参照して説明する。
図4は、本発明であるインバータ制御装置を適用したインバータシステムの第2の実施の形態の構成を示すブロック図である。
インバータシステムは、インバータ制御装置1及び電力変換部2を備える。そして、電力変換部2は、電力供給源5から供給される電力を所望の特性を有する電力に変換し、交流電動機3へ供給する。その際、インバータ制御装置1は、交流電動機3に供給される電力の電流値(電流計8−1及び電流計8−2により計測)、交流電動機3の角周波数(位置・速度検出器4により計測)、補正量制御部10の補正量テーブル10−1及び角周波数指令(外部より入力)に基づいて、電力変換部2を制御する。
インバータ制御装置1は、マイクロプロセッサやディジタルシグナルプロセッサに例示される制御・情報処理機能を有する情報処理装置である。ワークステーションやパーソナルコンピュータ(入力/出力装置、表示装置を含む)でも構わない。交流電動機3の角周波数である検出角周波数と、角周波数の指示としての角周波数指令と、交流電動機3に供給される電力の電流値と、補正量テーブル10−1とに基づいて、交流電動機3へ所望の特性を有する電力を供給するように、電力変換部2を制御する。
インバータ制御装置1は、情報処理プログラムとしての比較部6、速度制御部7、出力電流検出部8、電流制御部9、補正量制御部10及びPWM信号生成部11を備える。
インバータ制御装置1は、情報処理プログラムとしての比較部6、速度制御部7、出力電流検出部8、電流制御部9、補正量制御部10及びPWM信号生成部11を備える。
比較部6、速度制御部7、出力電流検出部8及びPWM信号生成部11は、実施例1と同様であるので、その説明を省略する。
補正量制御部10は、検出角周波数ωに基づいて、内部に有する補正量テーブル10−1を用いて後述の電流制御部9における制御に用いる周期L’を制御信号Sとして電流制御部9へ出力する。
補正量テーブル10−1は、角周波数41とフィルタ時定数42と補正量43とを関連付けている。角周波数41は、位置・速度検出器4で検出される交流電動機3の検出角周波数ωに対応する。フィルタ時定数42は、低域通過フィルタ32−1及び32−2のフィルタ時定数Tに対応する。補正量43は、実施例1の数式(5)により、検出角周波数ω(=1/L)とフィルタ時定数Tとに基づいて予め計算された周期L’である。
すなわち、補正量制御部10は、まず、交流電動機3の運転時に検出される検出角周波数ωを入力される。次に、補正量テーブル10−1において、その検出角周波数ωと同じ値を示す角周波数41の欄の、所定のフィルタ時定数42の欄の、補正量43の欄から周期L’を読み出す。そして、読み出した周期L’を制御信号Sとして電流制御部9へ出力する。なお、所定のフィルタ時定数42は、低域通過フィルタ32−1及び32−2に対応して、予め補正量制御部10へ入力されている。
補正量テーブル10−1は、角周波数41とフィルタ時定数42と補正量43とを関連付けている。角周波数41は、位置・速度検出器4で検出される交流電動機3の検出角周波数ωに対応する。フィルタ時定数42は、低域通過フィルタ32−1及び32−2のフィルタ時定数Tに対応する。補正量43は、実施例1の数式(5)により、検出角周波数ω(=1/L)とフィルタ時定数Tとに基づいて予め計算された周期L’である。
すなわち、補正量制御部10は、まず、交流電動機3の運転時に検出される検出角周波数ωを入力される。次に、補正量テーブル10−1において、その検出角周波数ωと同じ値を示す角周波数41の欄の、所定のフィルタ時定数42の欄の、補正量43の欄から周期L’を読み出す。そして、読み出した周期L’を制御信号Sとして電流制御部9へ出力する。なお、所定のフィルタ時定数42は、低域通過フィルタ32−1及び32−2に対応して、予め補正量制御部10へ入力されている。
電流制御部9は、検出角周波数ωと、電流指令i*(d軸電流指令id *及びq軸電流指令iq *)と、検出電流I(検出電流iu、iv、iw)とに基づいて、交流電動機3へ所望の特性を有する電力を供給するように、電圧指令V*(電圧指令vu *、vv *、vw *)を算出する。
図5は、電力制御部9の構成を示すブロック図である。
電力制御部9は、3相/2相変換部21、比較部23−1及び比較部23−2、繰り返し補償部24、電圧指令生成部25−1及び電圧指令生成部25−2、2相/3相変換部27、デッドタイム補正部28、加算部29−1、加算部29−2及び加算部29−3を備える。
電力制御部9は、3相/2相変換部21、比較部23−1及び比較部23−2、繰り返し補償部24、電圧指令生成部25−1及び電圧指令生成部25−2、2相/3相変換部27、デッドタイム補正部28、加算部29−1、加算部29−2及び加算部29−3を備える。
3相/2相変換部21、比較部23−1及び比較部23−2、電圧指令生成部25−1及び電圧指令生成部25−2、2相/3相変換部27、デッドタイム補正部28、加算部29−1、加算部29−2及び加算部29−3は、実施例1と同様であるので、その説明を省略する。
繰り返し補償部24は、d軸電流制御誤差Δidと検出角周波数ωとに基づいて、繰り返し補償制御を行い、d軸電流指令Δid *を算出し、電圧指令生成部25−1へ出力する。また、q軸電流制御誤差令Δiqと検出角周波数ωとに基づいて、繰り返し補償制御を行い、q軸電流指令Δiq *を算出し、電圧指令生成部25−2へ出力する。
繰り返し補償部24について更に説明する。
繰り返し補償部24は、d軸電流指令用の加算部31−1、低域通過フィルタ32−1、むだ時間部33−1及び加算部34−1を備える。同様にq軸電流指令用の加算部31−2、低域通過フィルタ32−2、むだ時間部33−2及び34−2を備える。d軸側とq軸側は、軸が異なる他は同様の動作であるため、d軸側についてのみ説明する。
繰り返し補償部24は、d軸電流指令用の加算部31−1、低域通過フィルタ32−1、むだ時間部33−1及び加算部34−1を備える。同様にq軸電流指令用の加算部31−2、低域通過フィルタ32−2、むだ時間部33−2及び34−2を備える。d軸側とq軸側は、軸が異なる他は同様の動作であるため、d軸側についてのみ説明する。
加算部31−1、低域通過フィルタ32−1及び加算部34−1は、実施例1と同様であるので、その説明を省略する。
むだ時間部33−1は、前掲の式(4)で表現されるむだ時間制御を行う。すなわち、入力された低域補償電流値δidLPFを、所定の期間(むだ時間L’)だけ記憶する。L’/Ts以下の整数個分の低域補償電流値δidLPFを格納している。それと共に、所定の時間(むだ時間L’)が経過した低域補償電流値δidLPFを電流補償値指令δid *として加算部34−1及び加算部31−1へ出力する。所定の期間(むだ時間L’)は、前掲の式(5)で算出せず、補正量制御部10から出力された制御信号Sの周期L’を用いる。
次に、本発明であるインバータ制御装置を適用したインバータシステムの第2の実施の形態の動作について説明する。
第2の実施の形態の動作は、繰り返し補償部24のむだ時間部33−1及び33−2の周期L’が、補正量制御部10により検出角周波数ωに基づいて補正量テーブル10−1から選択され制御信号Sとして電流制御部9へ出力された値を用いる他は実施例1と同様である。よって、その説明を省略する。
第2の実施の形態の動作は、繰り返し補償部24のむだ時間部33−1及び33−2の周期L’が、補正量制御部10により検出角周波数ωに基づいて補正量テーブル10−1から選択され制御信号Sとして電流制御部9へ出力された値を用いる他は実施例1と同様である。よって、その説明を省略する。
本実施例により、実施例1と同様の効果を得ることが出来る。
加えて、むだ時間部33−1及び33−2において、既述の式(4)の計算を行わず、補正量テーブル10−1から読み込んだ値を用いるので、インバータ制御装置1での計算の負担を低減することができる。
加えて、むだ時間部33−1及び33−2において、既述の式(4)の計算を行わず、補正量テーブル10−1から読み込んだ値を用いるので、インバータ制御装置1での計算の負担を低減することができる。
1 インバータ制御装置
2 電力変換部
3 交流電動機
4 位置・速度検出器
5 電力供給源
6 比較部
7 速度制御部
8 出力電流検出部
8−1 電流計
8−2 電流計
9 電流制御部
10 補正量制御部
10−1 補正量テーブル
11 PWM信号生成部
12 回転数検出器
21 3相/2相変換部
23−1、23−2 比較部
24 繰り返し補償部
25−1、25−2 電圧指令生成部
27 3相/2相変換部
28 デッドタイム補正部
29−1、29−2、29−3 加算部
31−1、31−2 加算部
32−1、32−2 低域通過フィルタ
33−2、33−2 むだ時間部
34−1、34−2 加算部
41 角周波数
42 フィルタ時定数
43 補正量
400 繰返し補償器
401 低域通過フィルタ
402 無駄時間要素
2 電力変換部
3 交流電動機
4 位置・速度検出器
5 電力供給源
6 比較部
7 速度制御部
8 出力電流検出部
8−1 電流計
8−2 電流計
9 電流制御部
10 補正量制御部
10−1 補正量テーブル
11 PWM信号生成部
12 回転数検出器
21 3相/2相変換部
23−1、23−2 比較部
24 繰り返し補償部
25−1、25−2 電圧指令生成部
27 3相/2相変換部
28 デッドタイム補正部
29−1、29−2、29−3 加算部
31−1、31−2 加算部
32−1、32−2 低域通過フィルタ
33−2、33−2 むだ時間部
34−1、34−2 加算部
41 角周波数
42 フィルタ時定数
43 補正量
400 繰返し補償器
401 低域通過フィルタ
402 無駄時間要素
Claims (8)
- 可変速駆動される交流電動機に関する角周波数指令と、前記交流電動機の検出角周波数とに基づいて、前記交流電動機に供給される電力に関する第1電流指令を出力する速度制御部と、
前記第1電流指令と、前記電力の電流値と、前記検出角周波数とに基づいて、繰り返し補償の制御の行われた前記電力に関する電圧指令を出力する電流制御部と、
を具備する、
インバータ制御装置。 - 前記電流制御部は、
前記第1電流指令と、前記電流値と、前記検出角周波数とに基づいて、前記第1電流指令に繰り返し補償の制御を行い第2電流指令を出力する繰り返し補償部と、
前記第2電流指令と前記検出角周波数とに基づいて、前記電圧指令を出力する電圧生成部と、
を具備する、
請求項1に記載のインバータ制御装置。 - 前記繰り返し補償部は、
前記第1電流指令と前記電流値との差としての電流制御誤差と、1つ前の周期としての前周期での電流補償値指令とに基づいて、第1補償電流値を出力する第1加算部と、
前記第1補償電流値の内の低域を通過させ、第2補償電流値として出力する低域通過フィルタ部と、
前記第2補償電流値と前記検出角周波数と前記低域通過フィルタ部の位相特性とに基づいて、むだ時間制御された電流補償値指令を出力するむだ時間部と、
前記第1電流指令と前記電流補償値指令とに基づいて、前記第2電流指令を出力する第2加算部と、
を具備する、
請求項2に記載のインバータ制御装置。 - 前記むだ時間部は、前記むだ時間制御に用いるむだ時間を、前記検出角周波数と前記低域通過フィルタ部の位相特性とに基づいて算出する、
請求項3に記載のインバータ制御装置。 - 前記検出角周波数と前記低域通過フィルタ部の位相特性とに基づいて、前記むだ時間を出力する補正量制御部を更にを具備する、
請求項3に記載のインバータ制御装置。 - 前記補正量制御部は、前記検出角周波数と前記低域通過フィルタ部の位相特性と前記むだ時間とを関連付けて記憶した補正量テーブルを備え、
前記補正量制御部は、前記補正量テーブルを用いて、前記むだ時間を抽出する、
請求項5に記載のインバータ制御装置。 - 前記低域通過フィルタ部の位相特性は、前記低域通過フィルタ部の時定数である、
請求項6に記載のインバータ制御装置。 - 可変速駆動される交流電動機の角周波数と角周波数指令と前記交流電動機に供給される電力の電流値とに基づいて、前記電力に関する電圧指令を出力する請求項1乃至7のいずれか一項に記載のインバータ制御装置と、
前記電圧指令に基づいて、供給電力を、前記交流電動機を前記角周波数指令に従った前記可変速駆動可能な他の3相交流電力へ変換する電力変換部と、
を具備する、
インバータシステム。
Priority Applications (1)
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JP2004028393A JP2005223991A (ja) | 2004-02-04 | 2004-02-04 | インバータ制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2004
- 2004-02-04 JP JP2004028393A patent/JP2005223991A/ja not_active Withdrawn
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