JP2005221586A - 所定の波長光学特性を有する誘電体多層膜フィルタ、その設計方法、その設計プログラム、およびその誘電体多層膜フィルタを用いた光アド・ドロップシステム - Google Patents

所定の波長光学特性を有する誘電体多層膜フィルタ、その設計方法、その設計プログラム、およびその誘電体多層膜フィルタを用いた光アド・ドロップシステム Download PDF

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Abstract

【課題】ターゲット帯域における所定の光学特性を有する誘電体多層膜フィルタ、その設計方法、その設計プログラムおよび誘電体多層膜フィルタを用いた光アド・ドロップシステムを提供する。
【解決手段】特定の波長帯域を透過させる機能、または反射させる機能、またはその両方の機能を備える誘電体多層膜型の帯域透過フィルタであって、その膜構造は、光学膜厚の基準となる中心波長λに対して、(1)光学膜厚がλ/4である、高屈折率材料から成る層(H)と低屈折率材料から成る層(L)とを交互に積層したミラー層と、(2)光学膜厚がλ/4の整数倍である、高屈折率材料から成る層(nH:nは自然数)と低屈折率材料から成る層(nL:nは自然数)との組合せで構成されており、全体の光学膜厚がλ/2の整数倍であるスペーサ層で構成されている誘電体多層膜フィルタである。
【選択図】図1

Description

本発明は、誘電体多層膜フィルタ、その設計方法、その設計プログラムおよび誘電体多層膜フィルタを用いた光アド・ドロップシステムに関する。
ブロードバンド時代の到来により、複数の異なる波長の光信号を多重化して伝送するWDM(Wavelength Division Multiplexing:波長分割多重)通信方式(WDM通信方式;以下、WDMと略記する)に大きな期待が寄せられている。
このWDM通信方式におけるキーデバイスの1つに、多重化光信号から所定の波長を選択して透過させる帯域透過フィルタがある。
この帯域透過フィルタとして、光学基板上にキャビティを複数層化(多層化)
した膜構造(マルチキャビティ構造)を有する誘電体多層膜フィルタ(以下、単に多層膜フィルタとも記載する)が利用されている。
なお、本明細書において、“多層”とは、複数層を表す意味として用いている。
すなわち、多層膜フィルタは、光学基板上に、カップリング層を介して積層された複数のキャビティを有している。そして、各キャビティは、中心波長(各キャビティの透過波長特性において透過率50%を示す2つの波長の中心)λの(a/2(aは自然数))倍の光学膜厚を有するスペーサ層と、このスペーサ層の積層方向に沿った両側に形成されており、目的(ターゲット)となる透過波長帯域の中心波長λの(b/4(bは奇数))倍の光学膜厚を有し、互いに異なる屈折率を有する二種類の薄膜層(高屈折率を有する高屈折率層;H層および低屈折率を有する低屈折率層;L層)が交互かつスペーサ層に対して対称配置されて成るミラー層とを備えている(例えば特許文献1参照)。
特開2002−196129号公報。
WDM等の光信号伝送の高機能化が進む近年、上述したバンドパスフィルタ、バンドセパレータ、C/Lフィルタ、B/Rフィルタ、SWPF、LWPF等の多層膜フィルタに求められる光学特性は、より高度なもの(広帯域、急峻なアイソレーション)となっている。この高度な光学特性を実現するためには、マルチ化(多層化)するキャビティ数をさらに増加させる必要がある。
しかしながら、上記マルチキャビティ構造、すなわち、同一構造のキャビティを繰り返し積層した構成においては、キャビティ数の増加に応じて、目的(ターゲット)となる透過波長帯域(ターゲット帯域)内に生じるリップルが増大することが知られている。
このリップルは、多層膜フィルタの透過波長特性に悪影響を及ぼす恐れがあるため、リップルを最大限抑制できる多層膜フィルタの膜構造が要求されていた。
従来から、各膜層の膜厚等を最適化する機能を有する市販の光学膜構造設計ソフトウエア(プログラム)は存在するが、これはあくまで、最適化対象(この場合、膜厚)が連続である場合{AR(Anti-Reflection;反射防止)層、GFF(Gain Flattening Filter;ゲインフラットフィルタ)の膜層、Edge Filter(エッジフィルタ)の膜層等}においてのみ有効である。
しかしながら、上述したように、ターゲット帯域の中心波長λの1/4(λ/4)の整数倍の光学膜厚しか許容されないバンドパスフィルタ等の多層膜フィルタの場合は、既存の最適化アルゴリズムを適用することが困難であり、市販されている光学膜構造設計ソフトウエアを用いて、上述した多層膜フィルタの膜厚設計を行うことが困難であった。
更に、WDM等の、光信号伝送の高機能化が進む近年、光学薄膜に求められる光学特性は、高度なものとなっている。帯域を無駄なく使用するために、広い透過帯域と急峻な帯域分離特性を持つフィルタが求められる。また、より自由に光ネットワークを構成するために、複数の帯域(または波長)を一括して分離するフィルタが求められる。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、ターゲット帯域における所定の光学特性を有する誘電体多層膜フィルタ、その設計方法、その設計プログラムおよび誘電体多層膜フィルタを用いた光アド・ドロップシステムを提供することを目的とする。
本発明者は、上述した従来の問題点を解決すべく、鋭利研究を重ねた。その結果、以下に示すような所定の波長光学特性を有する誘電体多層膜フィルタ、その設計方法、その設計プログラム誘電体多層膜フィルタを用いた光アド・ドロップシステムを知見した。
この発明の誘電体多層膜フィルタの1つの態様は、中心波長がλ0の所定の波長帯域において、
所定の屈折率を有する光学基板と、
(m1λ0)/4(m1は正の奇数)の光学膜厚を有するカップリング層と、
(m2λ0)/2(m2は自然数)の光学膜厚を有するスペーサ層と、前記スペーサ層の積層方向に沿った両側に形成され、(m3λ0)/4(m3は正の奇数)の光学膜厚を有し、互いに異なる屈折率を有する二種類の薄膜層が、交互且つ前記スペーサ層に対して対象配置されたミラー層とを備えるキャビティと、
所定の光学膜圧を有するAR(Anti-Reflection:反射防止)層と、
を備え、
前記光学基板と前記AR層の間に、前記カップリング層を介して前記キャビティが複数積層された誘電体多層膜フィルタであって、前記各キャビティが中心波長及び半値幅で表わされ、最適化法によって設計されて、所定の波長光学特性を有する誘電体多層膜フィルタである。
この発明の誘電体多層膜フィルタの他の1つの態様は、0°でない角度からの入射光に対して、特定の波長帯域を透過させる機能、または反射させる機能、またはその両方の機能を備える誘電体多層膜型の帯域透過フィルタであって、(1)光学膜厚がλ/4の奇数倍である、高屈折率材料から成る層(xH:xは奇数)と低屈折率材料から成る層(xL:xは奇数)とを交互に積層したミラー層と、(2)光学膜厚がλ/2の整数倍となるように、単層または多層で構成されたスペーサ層 (1)と(2)両方から構成されるCavityを、(3)光学膜厚がλ/4の整数倍である層を介してN個(Nは2以上の自然数)連結されており、このフィルタが使用される際に発生し得る最大入射角をψ°(0°< ψ < 90°)として、入射光が0°からψ°まで角度変化したとき、
N個の各Cavityの波長シフト量S(1)、S(2)、・・・・、S(N)の最大値と最小値との差をdとし、
0°入射時のMulti-Cavityの透過波形における、0.5dB幅をWとして、
Wに対するdの割合R、すなわちR=100×(d/W) [%] が、2%以下となっている
ことを特徴とする誘電体多層膜フィルタである。
この発明の誘電体多層膜フィルタの他の1つの態様は、複数の波長帯域を透過させる機能、または反射させる機能、またはその両方の機能を備える誘電体多層膜型の帯域透過フィルタであって、
その膜構造は、
光学膜厚の基準となる中心波長λに対して、(1)光学膜厚がλ/4の奇数倍である、高屈折率材料から成る層(H)と低屈折率材料から成る層(L)とを交互に積層したミラー層と、(2)全体の光学膜厚がλ/2の整数倍である、多層構造のスペーサ層とで構成されており、
(3) 多層構造のスペーサ層は、光学膜厚がλ/4の奇数倍である、高屈折率材料から成る層(H)と低屈折率材料から成る層(L)とを交互に積層した第2のミラー層と、全体の光学膜厚がλ/2の整数倍である、単層または多層構造の、第2のスペーサ層とで構成されていることを特徴とする誘電体多層膜フィルタである。
この発明の誘電体多層膜フィルタの設計方法の1つの態様は、中心波長がλ0の所定の波長帯域において、所定の屈折率を有する光学基板と、
(m1λ0)/4(m1は正の奇数)の光学膜厚を有するカップリング層と、
(m2λ0)/2(m2は自然数)の光学膜厚を有するスペーサ層と、
前記スペーサ層の積層方向に沿った両側に形成され、(m3λ0)/4(m3は正の奇数)の光学膜厚を有し、互いに異なる屈折率を有する二種類の薄膜層が、交互且つ前記スペーサ層に対して対象配置されたミラー層と、を備えるキャビティと、
所定の光学膜厚を有するAR(Anti-Reflection:反射防止)層と、
を備え、
前記光学基板と前記AR層の間に、前記カップリング層を介して前記キャビティが複数積層された誘電体多層膜フィルタを設計する方法であって、
前記各キャビティを中心波長及び半値幅で表して、最適化法によって、所定の波長光学特性を有する誘電体多層膜フィルタを設計する誘電体多層膜フィルタの設計方法である。
複数のキャビティが積層された、いわゆるマルチキャビティ構造を有する誘電体多層膜フィルタにおいても、リップルを抑制し、かつ所定の波長光学特性に対応するターゲット光学特性に十分近似する光学特性を得ることが可能になる。
更に、Multi-Cavityを構成する各Cavityのスペーサ層を多層構造にすることにより、個々のCavity特性を調整(最適化)することができるため、透過帯のリップルを低減させることができる。更に、従来は1つであった透過帯域を2つにすることが可能となる。
上述のように、誘電体多層膜フィルタは、その優れた特性から、様々な用途に用いられている。
例えば、上記WDMで用いられる、単一信号分の波長帯域を分波および/または合波する狭帯域バンドパスフィルタ(Narrow BPF;NBPF)、WDMの信号数波長分を一括して分波および/または合波するバンドセパレータ(Band Separator)、広帯域の波長域を2つの帯域に分けるC/Lフィルタ、B/Rフィルタ等が、上述したマルチキャビティ構造を応用して設計・製作可能である。
この他、特定波長以下の短波長帯域の光を透過させ、それ以外を遮断するSWPF(Short Wavelength Pass Filter)、特定波長以上の長波長帯域の光を透過させ、それ以外の遮断するLWPF(Long Wavelength Pass Filter)等の、いわゆるエッジフィルタとして、上記マルチキャビティ構造を有するフィルタを用いることが可能である。
以下に、図面を参照しながら、具体的な実施例を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係わる多層膜フィルタ1を示す図である。なお、本実施形態においては、多層膜フィルタ1として、中心波長がλ0の所定の透過波長帯域(ターゲット帯域;透過波長帯域、遮断波長帯域)において所定の光学特性値(透過率、ターゲット特性値)を得るための多層膜フィルタについて説明する。
図1に示すように、多層膜フィルタ1は、光学基板2と、中心波長λ0の(m1/4(m1は正の奇数))倍の光学膜厚を有するカップリング層3と、このカップリング層3をそれぞれ介して積層された複数のキャビティ4a1〜4ak(k≧2の整数)とを有するフィルタ本体5を備えている。なお、光学基板2に直接積層される最下層のキャビティを1番目(4a1)とし、以下、光学基板2から離れる方向(媒質側)に向かって順に番号が増え、光学基板2から積層方向に沿って最も離れた層(最上層)のキャビティをk番目(4ak)とする。
カップリング層3および複数のキャビティ4a1〜4akは、基板2上に例えば蒸着またはスパッタリング等の方法により成膜・積層されている。
各キャビティ4a1〜4akは、図1に示すように、中心波長λ0の(m2/2(m2は自然数))倍の光学膜厚を有するスペーサ層6a1〜6akを備えている。
第1番目のキャビティ4a1は、スペーサ層6a1の積層方向に沿った両側に形成されたミラー層7a1および7b1を備えている。
各ミラー層7a1および7b1は、中心波長λ0の(m3/4(m3は自然数))倍の(m3は正の奇数)の光学膜厚をそれぞれ有し、互いに異なる屈折率を有する複数の第1および第2の屈折率層8a1および8b1が交互かつスペーサ層に対して積層方向に沿って対称配置されて形成されている。
第1の屈折率層8a1の屈折率nは、第2の屈折率層8b1の屈折率nより小さくなっており、以下、第1の屈折率層8a1をL層、第2の屈折率層8b1をH層と記載する。
例えば、H層の成膜材料としては、五酸化タンタル(Ta2O5)等があり、L層の成膜材料としては、SiO2(シリカ)等がある。
同様に、第2番目〜第k番目のキャビティ4a2〜4akは、スペーサ層6a2〜6akの積層方向に沿った両側に形成されたミラー層7a2〜7akを備えている。各ミラー層7a2〜7akは、中心波長λ0の(m3/4(m3は正の奇数))倍の光学膜厚をそれぞれ有するL層7a2〜7akおよびH層7b2〜7bkが交互かつスペーサ層に対して積層方向に沿って対称配置されて形成されている。
図2は、図1に示す多層膜フィルタ1の膜構造を設計するためのフィルタ設計装置10のハードウエア構成を示す図である。
図2に示すように、フィルタ設計装置10は、コンピュータシステムであり、設計者が操作して情報を入力する入力部11と、この入力部11に接続されたコンピュータ12と、このコンピュータ12に通信可能に接続され、後述するフィルタ設計処理を実行させるためのプログラムPを予め記憶する記憶媒体としてのメモリ13とを備えている。なお、記憶媒体としては、半導体メモリ、磁気メモリ等、様々な記憶媒体が適用可能である。
以下、メモリ13に記憶されたプログラムPのアルゴリズム、すなわち、本実施形態のフィルタ設計方法について詳細に説明する。
1キャビティの透過率−波長特性は、そのキャビティの交互積層数(ミラーペア数)および該キャビティの全体の層厚に関係なく相似の形状を示すことが知られている。
具体的には、図3に示す1キャビティの透過率−波長特性(y−x特性)は、下式(1)に示すローレンツ(Lorentz)関数で表現することができる。
但し、(1)式では、yは透過率(T)、xは波長(nm)、y0は基線のオフセット、Aは曲線と基線との間の全面積、x0は曲線のピークの中心、Wは半値幅(曲線の半値幅)をそれぞれ表している。
ここで、キャビティの透過波長特性における半値幅とは、透過波長特性において透過率50%を示す2つの波長の幅を表している。
このとき、透過率計算においては、オフセットy0は0であるため、下式(2)に示すように、透過率y−x特性を、中心波長x0および半値幅Wだけで表すことができる。
例えば、多層膜フィルタ{媒質(空気)に対するAR層(LH2層;(1)、(2))、中心波長λ0の5つのキャビティ(キャビティ(1)〜キャビティ(5)}(以下、表には○で示す)で構成されるバンドパスフィルタは、以下の表1に示す2つの方式で表現することができる。
すなわち、表1の5キャビティフィルタは、下式(3)で表すことができる。
AR層(1) AR層(2)キャビティ(1)キャビティ(2)キャビティ(3) キャビティ(4)キャビティ(5)光学基板 (3)
上式(3)で表された多層膜フィルタにおける各キャビティは、膜構造そのものを省略して表す省略方式により、LH交互積層数(ミラーペア数)およびスペーサ層厚を指標として、次式(4)のように省略表記することができる。
y (4)
このyxyは、中心波長の(1/4)倍の光学膜厚をそれぞれ有するH層(Hで示される)およびL層(Lで示される)から成るミラーペア数yのミラー層、およびスペーサ層厚がxLのスペーサ層を有するキャビティ(HL)yHxLH(LH)yを示している。したがって、686は、(HL)6H8LH(LH)6のキャビティ構成を表している。
一方、上述したように、キャビティは、その中心波長および半値幅で表すことができる。このため、例えば同一の中心波長λ0に対応するキャビティ(1)〜キャビテ(5)は、中心波長λ0およびそれぞれ異なる半値幅W1〜W5を用いて表すことができる。
このとき、半値幅W1〜W5に対しては、膜厚において存在した制限(中心波長λ0の1/4(λ0/4)の整数倍の膜厚のみ)が存在しないため、半値幅W1〜W5を、例えば最適化法(Levenberg-Marquardt 法、Simplex法におよびGauss-Newton法等)に基づく最適化アルゴリズムにより、キャビティ全体(フィルタ全体)のターゲット特性値を基準としてそれぞれ最適化することにより、ターゲット特性値に近似する多層膜フィルタ1を設計することができる。
また、本実施形態では、キャビティの膜構造(キャビティ数、L層・H層の交互積層数およびスペーサ層厚)毎に、その各キャビティに対応する半値幅を表す表データを用意し、表データファイルFとしてメモリ13に記憶している。
したがって、最適化された半値幅W1〜W5に対応するキャビティ(1)〜(5)それぞれの膜構造(キャビティ数、L層・H層の交互積層数およびスペーサ層厚)を容易に把握することができる。
次に、本実施形態の全体動作について説明する。なお、本実施形態では、上式(3)で示した5キャビティフィルタの膜構造設計を行う場合について説明する。まず、図2と図4を用いて、所定の光学特性を有するフィルタの設計を行うために、最適な半値幅を求める工程を説明する。
多層膜フィルタ1を設計するにあたり、設計者は、フィルタ設計装置10の入力部11を介して、設計したい多層膜フィルタ1の所定の波長帯域における所定の波長光学特性、つまり、ターゲット帯域およびそのターゲット帯域におけるターゲット特性値をそれぞれ入力する。
コンピュータ12は、入力された多層膜フィルタ1のターゲット帯域・ターゲット特性値を受信し、ターゲットファイルF2としてメモリ13に格納する(図4;ステップS1)。
次いで、設計者は、フィルタ設計装置10の入力部11を介して、設計対象となる多層膜フィルタ1におけるAR層(1)およびAR層(2)の層厚の初期値と各キャビティ(1)〜(5)の半値幅W1〜W5の初期値とをそれぞれコンピュータ12に入力する。
コンピュータ12は、入力されたAR層(1)およびAR層(2)の層厚とキャビティ(1)〜(5)の半値幅W1〜W5の初期値とをそれぞれ受信してメモリ13に格納する(ステップS2)。
そして、コンピュータ12は、初期値として与えられたキャビティ(1)〜(5)の膜構造に基づいて、その膜構造におけるターゲット帯域内の光学特性値である透過率を、例えば、膜構造に対応して定まる行列計算式(マトリックス計算式)を用いて算出する(ステップS3)。
続いて、コンピュータ12は、算出されたターゲット帯域内での光学特性値とターゲット特性値との誤差を求め(ステップS4)、求めた誤差が許容範囲内か否か判断する(ステップS5)。
もし、初期値によって、ステップS5の判断の結果が、YES(許容範囲内)、となった場合には、初期値が最適な半値幅の組み合わせであり、一連の処理は終了する。
もし、このステップS5の判断の結果が、NO、すなわち、求めた誤差が許容範囲(設計仕様上許容できる最大範囲)を超えている場合には、コンピュータ12は、ステップS6の処理を行い、ステップS3の処理の前に戻る。
ステップS6では、Levengerg-Marquardt法、Simplex法、または、Gauss-Newton法のような最適化法によって、ターゲットとの差が少なくなるような、最適なキャビティ(1)〜(5)の半値幅を求める計算を行なう。
そして、ステップS6−S3−S4−S5の処理が少なくとも1回実行された後、ステップS5の判断の結果、YES(許容範囲内)であれば、そのループで計算された半値幅W1〜W5が最適な半値幅の組み合わせであると判断され、一連の計算処理を終了する。
この結果、ターゲット帯域内においてターゲット特性値とのズレが許容設計範囲内の膜構造を有する多層膜フィルタ1を設計するための、最適な半値幅を得ることができる。
ここで、上述したコンピュータ12のステップS1〜S8の処理に基づくフィルタ設計手法(アルゴリズム)により実際に設計した多層膜フィルタの設計例について説明する。なお、この多層膜フィルタの仕様を、
ターゲット帯域:(1)透過波長帯域1547.5nm〜1562.5nm:光学特性値(透過率>‐0.5dB)
:(2)遮断波長帯域1530.0nm〜1543.5nm:光学特性値(透過率)<‐2.5dB)
として設計した。
(実施例(設計例)1)
光学基板2として波長1550.0nmにおいて屈折率=1.52の基板を用い、中心波長λ0を1555.0nmとして、本実施形態のフィルタ設計装置10(膜構造設計手法(アルゴリズム))を用いて多層膜フィルタ1aを実際に設計した(下式(5)参照)。また、設計された多層膜フィルタ1aの光学特性値である透過率E1および等価アドミッタンスA1の波長依存性(透過波長特性)を図5に示した。
但し、L'およびH'は、それぞれの光学膜厚がλ0/4以外の上記反射防止層(AR層)であり、Subは、光学基板2を表している。
図5に示したように、本実施形態の膜厚設計手法により設計された多層膜フィルタ1aは、ターゲット特性値に対するズレが許容設計範囲内の光学特性値を有しているため、この多層膜フィルタ1aの透過波長特性には、ほとんどリップルが見られず、リップルの発生が大幅に抑制されているのが分かった。
そして、本実施形態の膜厚設計手法においては、上式(5)に示した5キャビティの多層膜フィルタ1aにおけるコンピュータ12の計算時間(データ入力以外)は、約5分と非常に短時間であった。
(比較例1)
光学基板2として波長1550.0nmにおいて屈折率=1.67の基板を用い、中心波長λ0を1555.0nmとして、多層膜フィルタXを実際に設計した(下式(6)参照)。また、設計された多層膜フィルタXの光学特性値である透過率E2および等価アドミッタンスA2の波長依存性(透過波長特性)を図6に示した。
上式(6)に示した5キャビティの多層膜フィルタXを導出するまでに計算した膜構造の組数(組み合わせるキャビティ数およびスペーサ層厚のパターンに基づいて定まる)は約75万組であり、コンピュータ12の計算時間(データ入力以外)は、約1日であった。
また、図5および図6を比較すると明らかなように、本実施形態に説明したフィルタ設計装置10による膜構造設計手法(アルゴリズム)を用いて得られた多層膜フィルタ1aの透過波長特性と、比較例1に示された膜構造設計手法(アルゴリズム)を用いて得られた多層膜フィルタXの透過波長特性とは、略同一となっていることが分かった。
一方、比較例1に示された膜構造設計手法(アルゴリズム)を用いて多層膜フィルタXの膜構造を算出した際の計算時間は約1日と非常に長時間かかったのに対し、本実施形態に説明したフィルタ設計装置10による膜構造設計手法を用いて多層膜フィルタ1aの膜構造を算出した際の計算時間は、約5分と非常に短時間であった。
すなわち、本実施形態によれば、透過波長帯域のリップルの発生を大幅に抑制できる多層膜フィルタ1の膜設計を非常に迅速に行うことができ、多層膜フィルタ1の設計効率を大幅に向上させることができる。
(第2の実施の形態)
本実施形態においては、第1実施形態で説明した多層膜フィルタ1cとしての、例えば、100G-4skip0 Band Separatorの膜構造を、第1実施形態で述べた設計手法とは異なる設計手法で設計するものである。
すなわち、図7に示すように、フィルタ設計装置30は、コンピュータシステムであり、設計者が操作して情報を入力可能な入力部31と、この入力部31に接続されたコンピュータ32と、このコンピュータ32に通信可能に接続されており、後述するフィルタ設計処理を実行させるためのプログラムP1を予め記憶する記憶媒体としてのメモリ33とを備えている。なお、記憶媒体としては、半導体メモリ、磁気メモリ等、様々な記憶媒体が適用可能である。
本実施形態では、メモリ33に記憶されたプログラムP1は、前掲図2に示したフィルタ設計装置10におけるメモリ13に記憶されたプログラムPとは異なるものであり、また、表データファイルFはメモリ33には記憶されていない。
以下、メモリ33に記憶されたプログラムP1のアルゴリズム、すなわち、本実施形態のフィルタ設計方法について詳細に説明する。
第1実施形態における表1や上式(4)等で示したマルチキャビティ構造(9キャビティとする)の多層膜フィルタ1cにおける第1キャビティの膜構造の一例を下式(7)に示す。
なお、9キャビティ構造において、その9キャビティおよび結合層は積層方向に沿って対称構造を有しており、最も基板側の第1キャビティと最も媒質側の第9キャビティにおけるミラー層部の層数、その各キャビティのスペーサ層の膜厚および対応する各キャビティの各ミラー層部を構成する各屈折率層の光学膜厚は、それぞれ同一である。
同様に、第2キャビティと第8キャビティ、第3キャビティと第7キャビティおよび第4キャビティと第6キャビティとは、それぞれ同一かつ対称の膜構造を有している。
HL HL HL HL HL H xL H LH LH LH LH LH (7)
上式(7)に示す第1キャビティは、5x5(=(HL)5HxLH(LH)5)のキャビティ構成を表している。すなわち、ミラー層を構成するHおよびLは、中心波長λ0の(1/4)倍の光学膜厚をそれぞれ有するH層およびL層を表し、xLは、中心波長λ0の(2x)/4倍の光学膜厚を有するスペーサ層を表している。
本実施形態では、上述したミラー層およびスペーサ層から構成された各キャビティを、対応する各キャビティのミラー層の層数、その各キャビティのスペーサ層の膜厚および対応する各キャビティの各ミラー層を構成する各屈折率層の光学膜厚を含む複数のパラメータで表し、その複数のパラメータP1〜P3(ミラー層の層数:P1、スペーサ層の光学膜厚:P2、および各ミラー層を構成る各屈折率層の光学膜厚:P3)を最適化して、各キャビティの膜構造を設計している。
すなわち、設計者は、フィルタ設計装置30の入力部31を介して、設計したい多層膜フィルタ1cのターゲット帯域およびそのターゲット帯域におけるターゲット特性値をそれぞれ入力する。
コンピュータ32は、入力された多層膜フィルタ1cのターゲット帯域・ターゲット特性値を受信し、ターゲットファイルF10としてメモリ33に格納する(図8;ステップS10)。
次いで、設計者は、フィルタ設計装置30の入力部31を介して、設計(最適化)対象となる多層膜フィルタ1cのキャビティ数(本実施形態では、例えば9とする)、パラメータP1、P2およびP3の初期値(最適化前の各キャビティにおけるミラー層の層数、スペーサ層の光学膜厚、および各ミラー層を構成する各屈折率層の光学膜厚)を入力し、続いて、上記パラメータP1、P2およびP3それぞれの設計範囲を入力する。
本実施形態においては、パラメータP1の設計範囲として、初期値として入力された最適化前の層数に対して−4層〜+2層、パラメータP2の設計範囲として(2kλ0)/4(kは、0〜5までの整数)、すなわち、2×0×λ0/4(=0L)〜2×5×λ0/4(=10L)、パラメータP3としてλ0/4(=LあるいはH)または3λ0/4(=3Lあるいは3H)がそれぞれ入力される。
コンピュータ32は、入力されたパラメータP1、P2およびP3それぞれの設計範囲をそれぞれ受信してメモリ33に格納する(ステップS11)。
続いて、コンピュータ32は、入力されたパラメータP1〜P3の設計範囲を全て満たす多層膜フィルタ1cのキャビティ毎の膜構造の組み合わせを全て求める(ステップS12)。
すなわち、上式(7)で示した第1キャビティの膜構造の組み合わせは、下記に示すp1通りとなる。
HL HL HL H 0L H LH LH LH (P1=−2、P2=2×0×λ0/4、P3
→全てλ0/4) ・・・(組み合わせ1)
HL HL HL H 2L H LH LH LH (P1=−2、P2=2×1×λ0/4、P3
→全てλ0/4) ・・・(組み合わせ2)
3HL HL HL H 4L H LH LH L3H (P1=−2、P2=2×2×λ0/4、P3
→2つが3λ0/4、残りがλ0/4)・・・(組み合わせk)
3H3L 3H3L 3H3L 3H3L 3H3L 3H3L H 10L H 3LH3 3L3H 3L3L
3L3H 3L3H 3L3H (P1=4、P2=2×5×λ0/4、P3→
全てが3λ0/4) ・・・(組み合わせp1)
同様に、ステップS12の処理により、他のキャビティ第2〜第5キャビティについても、パラメータP1〜P3の設計範囲を満足する全ての組み合わせ(p2通り〜p5通り)が計算される。
このステップS12において、第6キャビティ〜第9キャビティは、第1キャビティ〜第4キャビティと対称の膜構造を有しているため、コンピュータ32は、第1〜第5のキャビティそれぞれの組み合わせ(p1通り〜p5通り)のみを求め、第6キャビティ〜第9キャビティの組み合わせ(p6通り〜p9通り)については、第1〜第5のキャビティそれぞれの組み合わせ(p1通り〜p5通り)の結果から求めている。
次いで、コンピュータ32は、ステップS12の処理で求められた全ての膜構造パターン、すなわち、9キャビティの多層膜フィルタ1cがパラメータP1〜P3の設計範囲内で取りえる全ての膜構造パターン(総組み合わせ数=p1×p2×p3×p4×p5×p6×p7×p8×p9)それぞれのターゲット帯域内における光学特性値である透過率を、膜構造に対応して定まる公知の行列計算式(マトリックス計算式)を用いて算出する(ステップS13)。
続いて、コンピュータ32は、算出された全ての膜構造パターンそれぞれのターゲット帯域内における透過率を、パターン毎にターゲット特性値と比較し、この比較結果に基づいて、ターゲット特性に一致もしくは最も近似し、かつターゲット帯域(透過波長帯域)内でのリップル(透過率変動)が所定の閾値以下(例えば、本実施形態では、閾値を0.3dBとする)となる膜構造パターンを選出する(ステップS14)。
このようにして選出された膜構造パターンに基づいて成膜することにより、ターゲット帯域内におけるターゲット特性値に近接し、かつリップルが閾値以下である多層膜フィルタ1cを得ることができる。
ここで、従来の膜構造設計手法、すなわち、上記パラメータP1〜P3に基づく最適化設計手法を用いることなく設計されたマルチキャビティ構造(9キャビティ、280QW;H層の成膜材料をTa2O5とし、L層の成膜材料をSiO2とした)の多層膜フィルタY(100G-4skip0 Band Separator)における波長依存性(透過波長特性)W1を図9に示した。
一方、本実施形態の膜構造設計手法、すなわち、上記パラメータP1〜P3に基づく最適化設計手法を用いて設計されたマルチキャビティ構造(9キャビティ、280QW;H層の成膜材料をTa2O5とし、L層の成膜材料をSiO2とした)の多層膜フィルタ1c(100G-4skip0 Band Separator)における波長依存性W2を図10に示した。
また、図11は、図9に示した従来の膜構造設計手法による多層膜フィルタYの第1キャビティの膜構造と図10に示した本実施形態の膜構造設計手法による多層膜フィルタ1cの第1キャビティの膜構造とを比較して示す図である。
図11において、多層膜フィルタYの第1キャビティにおいては、第1層(層番号1)〜第11層(層番号11)、および第13層(層番号13)〜第23層(層番号23)がミラー層部であり、第12層(層番号12)がスペーサ層(キャビティ層)となっている。また、多層膜フィルタ1cの第1キャビティにおいては、第1層(層番号1)〜第7層(層番号7)、および第9層(層番号9)〜第19層(層番号19)がミラー層部であり、第8層(層番号8)がスペーサ層(キャビティ層)となっている。
同様に、図12は、図9に示した従来の膜構造設計手法による多層膜フィルタYの第2キャビティの膜構造と図10に示した本実施形態の膜構造設計手法による多層膜フィルタ1cの第2キャビティの膜構造とを比較して示す図である。
図12において、多層膜フィルタYの第2キャビティにおいては、第1層(層番号1)〜第11層(層番号11)、および第13層(層番号13)〜第23層(層番号23)がミラー層部であり、第12層(層番号12)がスペーサ層(キャビティ層)となっている。また、多層膜フィルタ1cの第2キャビティにおいては、第1層(層番号1)〜第11層(層番号11)、および第13層(層番号13)〜第23層(層番号23)がミラー層部であり、第12層(層番号12)がスペーサ層(キャビティ層)}となっている。
図8および図9から明らかなように、本実施形態の膜構造設計手法で設計された多層膜フィルタ1cの透過波長特性においては、従来の膜構造設計手法で設計された多層膜フィルタYの透過波長特性に比べて、リップルが大幅に減少(約1/10程度)していることが分かった。
以上述べたように、本実施形態においては、多層膜フィルタ1cの各キャビティを構成するミラー層部の各層の光学膜厚を一定(例えば、上記従来の膜構造設計手法における中心波長λ0の1/4倍)に設定するのではなく、中心波長λ0の1/4倍、あるいは中心波長λ0の3/4倍に設定し、ミラー層部における上記λ0/4の光学膜厚を有するH層/L層および3λ0/4の光学膜厚を有するH層/L層の割合を、対応するミラー層部の総数およびスペーサ層の層厚と共に最適化している。
すなわち、本実施形態によれば、多層膜フィルタ1cの各キャビティを構成するミラー層部において、λ0/4の光学膜厚を有するH層/L層および3λ0/4の光学膜厚を有するH層/L層の割合を、その光学特性がターゲット特性に一致し、かつターゲット帯域(透過波長帯域)内でのリップル(透過率変動)が最も小さくなるように最適化することができる。
この結果、ターゲット特性に近似もしくは一致する光学特性を有し、かつリップルの発生を大幅に抑制できる多層膜フィルタ1cを設計することが可能になり、多層膜フィルタ1cの性能をさらに向上させることができる。
なお、本実施形態においては、上述したように、各ミラー層部を構成する各屈折率層の光学膜厚を表すパラメータP3を、λ0/4または3λ0/4の何れか一方の値をとる変数としたが、本発明はこの構成に限定されるものではない。
すなわち、キャビティ毎に、そのミラー層部における複数の屈折率層において、上記3λ0/4の光学膜厚を設定できる屈折率層の数を制限(上限値を設定)しておくことにより、ステップS12におけるコンピュータ12の全ての膜構造の組み合わせを求める際のコンピュータ12の計算処理の負荷を軽減させることができる。
また、第1および第2実施形態で例示した多層膜フィルタのキャビティ数、ミラー層部の光学膜厚等は、例示した構造自体に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に属する範囲内であれば、各種の変更が可能である。
例えば、第2実施形態において、各パラメータP1、P2およびP3の設計範囲は、その一例であり、設計するフィルタの種類等に応じて変更が可能である。
特に、パラメータP3を、λ0/4または3λ0/4の何れか一方の値をとる変数としたが、λ0/4または3λ0m4(m4は正の奇数)/4の何れか一方の値をとる変数としてもよい。
ここで、上述のような設計手法でも求められた多層膜フィルタ1の代表的な構造例を示すと、各キャビティの半値幅が、積層の中心に対して対称位置以外は異なる構造のフィルタが挙げられる。
ここでは、7つのキャビティを有する多層膜フィルタの場合の実例を説明する。各キャビティの半値幅をW0、W1、W2、W3、W4、W5、W6とすると、W0−W1−W2−W3−W4−W5−W6の構造の多層膜フィルタにおいて、
W0=W6、W1=W5、W2=W4、W0≠W1≠W2≠W3
という関係となる多層膜フィルタが考えられる。
また、上述の構造の多層膜フィルタにおいて、各キャビティが、λ0/4の光学膜厚を有する薄膜層、及び、(3λ0)/4の光学膜厚を有する薄膜層を必ず含むフィルタが考えられる。更に、各キャビティにおける、上記の(3λ0)/4の光学膜厚を有する薄膜層の挿入位置が、キャビティの積層の中心に対して対称に位置するキャビティ以外は異なる位置にあるフィルタが考えられる。いずれも、優れた光学特性を発揮することがわかっている。
次に、ミラー層を構成する薄膜層の光学膜厚に3λ0/4を装入して、所定の
半値幅を有するキャビティの構造を算出する誘電体多層膜フィルタの設計方法の実施例を下記に示す。
半値幅が2.115nmのキャビティ構造を算出する方法について説明を行なう。
ここでは、存在し得るすべての現実解を計算するのではなく、下記に示す2点の制限を設けて計算を行なう。この制限事項は、製造装置の性能(製作可能なフィルタの膜圧、層数、成膜時間等)を考慮して、実際に製作の可能な範囲内で、最適な現実解を計算することを目的としている。具体的には、下記の条件を付加する。
ミラー層群は、15層以下(7pairs以下)であり、
スペーサ層は、2L、4L、6Lのいずれかを取る。
一次計算
まず、上記の制限事項の範囲内で、3λ0/4の光学膜厚を装入しないで半値幅が2.115nmに近い(例えば±50%)構造を算出する。その結果を表2に示す。
二次計算
次に上記の一次計算で求められた5種類の組み合わせのキャビティに対して、ミラー層を構成する薄膜層の光学膜厚に3λ0/4を装入し、半値幅を調整する。
ここで、計算の負荷を軽減するため、また膜厚が厚くなりすぎることを防ぐために、3λ0/4の薄膜層は、キャビティごとに6層(スペーサ層の片側ミラー層群につき3層ずつ)に限定する。また、ミラー層群の構造は、スペーサ層の両側で対称な構造とする。
構造標記方法
ここで、構造の標記方法について述べておく。
構造式:[HL HL HL 3HL HL H] 2L [H LH L3H LH LH LH] の場合、
標記を :525-64 (ミラー層5pairs-スペーサ層2L-ミラー層5pairs
3λ0/4位置「64」)のように行なう。
ここで、3λ0/4の位置標記は、以下のように行なう。
片側のミラー層群11層を、11桁の2進法で標記し、λ0/4を0、3λ0/4を1とする。また、スペーサ層から一番遠い方を1桁目とする。
そこで、片側のミラー層群を2進法表記すると、「00001000000」となる。これを、10進法に変換して「64」が得られる。
上記の一次計算で算出された各組み合わせに対し、ミラー層群に光学膜厚3λ0/4の薄膜層を1層から3層まで取り入れたすべての組み合わせを計算する。このように計算した構造の中から、半値幅が2.115nmに最も近い順に、10通りの構造例を表3に示す。
上記の表に示されたキャビティのうち、最も上に記載された565−1056という構造が、理想解(ここでは、半値幅「2.115nm」のキャビティ)に、最も近い現実解ということがいえる。
参考に、理想解に最も近い上位3つの現実解の構造を、下記に示す。
565-1056: [3HL HL H3L HL HL H] 6L [H LH LH 3LH LH L3H]
565-1044: [3HL HL HL 3HL 3HL H] 6L [H L3H L3H LH LH L3H]
565-0768: [H3L 3HL HL HL HL H] 6L [H LH LH LH L3H 3LH]
次に、上記の方法で求めた最適のキャビティを備えて、透過率のリップルを低減した多層膜フィルタの具体例を下記に示す。7つのキャビティで構成される多層膜フィルタの理想化と現実解の構造を下表に示す。ここで、理想解とは、半値幅をパラメータとする最適化計算によって求められた構造のキャビティである。一方、現実解は、理想のキャビティにできる限り近い特性を有する現実に設計、製作可能なキャビティを7個重ねて構成される多層膜フィルタである。

ここで、第1キャビティと第7キャビティ、第2キャビティと第6キャビティ、第3キャビティと第5キャビティが同一構造であり、中心に位置する第4キャビティに対して対称構造になっている。
理想解では、対称位置以外のキャビティの半値幅が異なっている。理想解では、ほとんどの場合、対称位置以外のキャビティの半値幅は同じ値にはならない。リップルを抑えるために、各キャビティの半値幅を最適化するためである。
理想解に近い半値幅の特性をもつ現実解のキャビティの半値幅も、対称位置以外は異なる。構造でいうと、対称位置以外のキャビティでは、ペア数、スペーサ層厚、3λ0/4の層の装入位置のすべてが同じになることはない。
理想解の、ある2つのキャビティの半値幅が、非常に近い値を示す場合は、現実解が、同値(同じ構造、同じ半値幅)になることがあるが、この場合でも、その他のすべてのキャビティが同じ構造になることはない。
図13に、所定の波長帯域における透過率の、理想解における波形と現実解における波形を示す。図13(b)は、拡大図を示す。理想解と現実解は、非常に近い特性を示しほぼ一致していることがわかる。また、リップルも非常に小さい特性を得ることができることが本図からわかる。
BPFや、Band-Separator、C/L、B/R、LWPF、SWPF等で、より広帯域、より急峻な帯域分離特性を実現するためには、層数を増やし、cavity数を増やす必要がある。しかしながら、Cavity数が多くなると透過帯にRippleが発生しやすくなってしまう。このため、ミラー層群の層数と、cavity層の膜厚を調整することでRippleを低減させることができる。
しかしながら、ミラー層群の層数と、cavity層の膜厚を調整するだけでは、設計段階でのRippleを小さく(たとえば0.02dB以下)抑えることができない場合がある(図25参照)。図25に示す4−skip−0 100GHzフィルタにおいては、9つのキャビティを重ねた9キャビティ設計ミラー層の層数と、スペーサ層の膜厚を調整してリップルを低減させているが、リップルを0.1dB以下にすることは困難である。従って、以下に、単層で構成していたスペーサ層を、複数の材料による多層構造とした説明を行う。
即ち、このスペーサ層の構造を最適化することで、図26に示すように、低Ripple設計を実現する。
また、光が垂直に入射した場合にRippleを低減できたとしても、光が斜めに入射した場合にRippleが発生することがある。通常帯域透過フィルタは、光を数度程度斜めに入射させて使用することが多いため、斜入射時に発生するRippleも問題となる。
Multi-Cavityを構成するCavityは、光が垂直入射する時と比べて斜入射時では、波長特性が短波長側にシフトする。このシフト量はCavityの構造(=設計)によって異なる。そこで、すべてのCavityのシフト量がほぼ均一となるようにMulti-Cavityを構成することで、斜入射時にRippleが発生しないようにする。
また、図23に示すような構造では、透過帯域は1帯域に限られる。図23に示す構造の帯域透過フィルタの透過波形例を図24に示す。このため、連続しない複数の帯域を一括して分離したり、WDM信号の連続しない数波長を一括して分離したりすることは困難である。
このため、単層で構成していたスペーサ層を、Multi-Cavity構造とする。
例えば、図27に示すように各スペーサ層が2つのCavityで構成されたMulti-Cavity構造とすることで、透過帯域を2つにすることが可能である。
各スペーサ層を3つのCavityで構成されたMulti-Cavity構造とすることで、透過帯域を3つにすることが可能である。
以下において、多層膜の構造を構造式であらわす。
H、Lをそれぞれ 高屈折率材料のQW層、低屈折率材料のQW層とする。
例えば、2H、またはHH と表記した場合は、高屈折材料の膜厚が2QW(=2λ/4)であることを示す。(LH) 2 とした場合、LHLH であることを示す。
(LH) 2 H 2L とした場合、LHLHHLL であることを示す。
次に、低Ripple設計について以下に説明する。
ここでは、透過帯域幅30nm以上 遮断幅45nm以下の特性を満たす、帯域透過フィルタを例に説明する。
先ず、理想設計について説明する。
図33に透過帯域幅30nm以上遮断幅45nm以下の特性を満たす、帯域透過フィルタの理想解を示す。表5に理想設計の半値幅を示す。
表5 理想設計の半値幅
次に、個々のCavity設計について説明する。
一次候補の決定
まず、第5Cavityから設計を開始する。始めに、スペーサ層の厚さとミラー層の層数とを規定する。スペーサ層の厚さは、厚いほど変形の自由度が増す(設計自由度が増す)が、ある程度の範囲を決定しておかないと計算量が増えてしまう。このため、ここでは、8QW〜12QWに限定する。
次に、スペーサ層の厚さを8QW〜12QWとした場合に必要な、ミラー層の層数を決定する。
スペーサ層が単層である通常の構成のCavityで、半値幅が理想設計の40%〜160%であるものを一次候補とする。第5Cavityの半値幅の理想設計値は26.9056nmであることから、表6に示す4種類の構造が一次候補となる。なお、半値幅は、両側が媒質である構造、例えばAir/(HLHLH LL HLHLH)/Air として透過波形を計算し、その半値幅を計算することとする。
表6 第5Cavityの一次候補
2次候補の選定
次に、一次候補で絞られた構造で、スペーサ層を変形していく。スペーサ層が8Lの場合、8QWで構成できる多層構造をすべて列挙する。ただし、ここでは計算量を軽減するため、スペーサ層は左右対称の構造に限定する。このため、考えられる構成は16種類となる。表7に、考えられる16種類の構造を示す。
表7 8QWで構成できる左右対称構造
このスペーサ層の構造と、ミラー層を組合せる。一次候補の一番目の構造 「HLHLHLH 8L HLHLHLH」を変形させると、「HLHLHLH (LLLHHLLL) HLHLHLH, HLHLHLH (LLHLLHLL) HLHLHLH,・・・・」となり、すべての構造における半値幅特性を計算する。
同様に、一次候補の二番目の構造 「HLHLH 12L HLHLH」 のスペーサ層も変形し、一次候補すべての構造を変形させ、考えられるすべてのパターンについて半値幅を計算させる。
最後に半値幅の理想設計値26.9056nmに近い方から3つを2次候補とする。
表8に、2次候補の構造と半値幅を示す。
表8 第5Cavityの2次候補
第4、第6Cavityの設計
第5Cavityと同様に、他のCavityも2次候補を選定する。今回の理想設計では、対称構造のMulti-Cavityとしてあるため、第4・第6、第3と第7等、対称位置のCavityは同じ構造として考えられる。
第4、第6Cavityの半値幅の理想設計値は31.24946である。
表9 第4,6Cavityの2次候補
最適設計の絞込み
同様に、すべてのCavityにおいて2次候補を選定する。選定した2次候補の構造を用いて構成されるすべてのMulti-Cavityのパターンにおける透過特性を計算する。その中からRippleの少ない構造を選定し、最適設計とする。表10に最適設計を示す。
表10 最適設計
実際のフィルタ構造は、
Air/ 1.32L 0.32H (1cavity) L (2cavity) L (3cavity) L ・・・・・ L (8cavity) L (9cavity) /基板
となる。 媒質側(空気側)の2層は、ARコートの役割を果たしており、基板側からの透過率がほぼ100%となるように膜厚が調整されている。この最適設計の波形を図34、35に示す。理想設計に非常に近い現実設計が得られていることがわかる。透過帯Rippleは0.01dB以下に抑えられている。
斜入射時のRipple低減
Ripple低減の具体例
ここでは、透過帯域幅2.9nm、遮断帯域幅3.7nmの帯域透過フィルタを例に説明する。
帯域透過フィルタは、図36に示すように透過特性と反射特性の両方が利用されるのが一般的である。このため、帯域透過フィルタは、斜入射でRippleが発生しないことが求められる。
図37に、帯域透過フィルタの設計波形を示す。
また、それぞれの設計を構成するCavityの半値幅特性を表11に示す。9個のCavityから成るMulti-Cavity構造である。
表11 半値幅の特性
表11に示す半値幅の値は、現実設計の特性を示したものである。例えば、2Cavityは、HLHLHLHLH (16L) HLHLHLHLH で表すことができる。
図38に、このフィルタの0°から3°まで傾けて光と透過させた場合の斜入射特性を示す。
角度が大きくなるにつれて、透過帯域内のRippleが増大していることがわかる。0°入射でのRippleは0.02dB以下であるが、3°入射では、0.75dBに達している。これは、Multi-Cavityを構成する個々のCavityの、斜入射特性に差があるためである。
表12に個々のCavityを、0°から2°に傾けた場合の波長シフト量を示す。
表12 半値幅の特性
表12を見ると、第4、第6Cavityが他のCavityに比べて波長シフト量が大きいことがわかる。
表13に第4、6Cavityを入れ替えた設計を示す。入れ替えられた第4、6Cavityは、波長シフト量が元の設計よりも、マイナス側(短波長側)に大きい構造のCavityとなっている。Cavityの構造は、上述した方法により、設計が可能である。波長シフト特性に関しては、上述した方法で設計を行った後、波長シフト量を計算し、波長シフト量が所望の値に近く、かつ半値幅が理想設計に近いものを選ぶこととする。
表13 第4、第6Cavityを入れ替えた設計
第4、6Cavityを入れ替えた設計の斜入射特性を図39に示す。第4、6Cavityを入れ替える前と比較して、斜入射時のRippleが低減していることがわかる。3°入射時でもRippleは0.1dB程度に抑えられている。
Cavity斜入射特性の定量的評価
Multi-Cavity構造で帯域透過フィルタを設計する場合、以下のように個々のCavity構造を決定することで、斜入射時のRippleを低減することができる。
Multi-Cavity構造の帯域透過フィルタを使用する入射角度をθとし、0°入射時のMulti-Cavityの透過波形における、0.5dB幅をWとする。図40に0.5dB幅を示す。
N個のCavityからなるMulti-Cavity構造の、i番目のCavityの、透過特性(または反射特性)の、入射角が0°からθまでしたときに発生する波長シフト量をS(i)とする。(iは、1~Nまでの整数)
N個の波長シフト量S(1)、S(2)、・・・・、S(N)の最大値と最小値との差をdとする。Wに対するdの割合R、すなわちR=100×(d/W) [%] が、2%以下となるように、個々のCavityを設計する。
このように個々のCavityを設計することで、斜入射時のRippleを低減することが可能である。
上述した帯域透過フィルタの場合、第4、6Cavityを入れ替える前は、R=4.3%であったが、第4、6Cavityを入れ替えることで、R=1.3%まで低減させている。
複数の透過帯をもつ帯域透過フィルタ
Cavity構造
図41に、通常のCavity構造と、その透過特性を示す。このような特性のCavityを単一で用いることで、1つの透過帯域をもつ帯域透過フィルタとして使用することができる。あるいはこのようなCavityを、カップリング層を介して重ねたMulti-Cavity構造として、1つの平坦な透過帯域と、急峻な遮断特性とをもつフィルタが製作できる。
2重Cavity構造
図41に示すCavity (HL)4 H 6L H (LH) 4の、スペーサ層 6L を多層構造にし、スペーサ層内に第2のMulti-Cavity構造を形成することで、複数の透過帯域をもつ帯域透過フィルタを製作することができる。
図42に、スペーサ層を2つのCavityから成るMulti-Cavity構造に置き換えた場合の構造と透過波形を示す。
図42に示す構造は、8層から成る2つのミラー層の間に、(HLH 6L HLH)からなるCavityを2つ重ねたMulti-Cavity構造(HLH 6L HLH L HLH 6L HLH )を挟んだ構成となっている。
図43に、スペーサ層を3つのCavityから成るMulti-Cavity構造に置き換えた場合の構造と透過波形を示す。
図43に示す構造は、8層から成る2つのミラー層の間に、(HLH 6L HLH)からなるCavityを3つ重ねたMulti-Cavity構造(HLH 6L HLH L HLH 6L HLH L HLH 6L HLH )を挟んだ構成となっている。
このように、単一Cavityのスペーサ層を、Multi-Cavity構造に置き換えることにより、複数の透過帯を持つ帯域透過フィルタを製作することができる。
元となるCavityを第1のCavityとし、第1Cavity内のスペーサ層を構成するMulti-Cavityを第2Multi-Cavity、第2Multi-Cavityを構成する個々のCavityを第2のCavityと呼ぶことにする。
この第2Multi-Cavityを構成する第2Cavityの数によって、透過帯域の数が決定する。第2のMulti-Cavityを2つのCavityで構成した場合は、透過帯域が2つとなる。
第1Cavityのミラー層の数が増加すると透過帯域幅が狭くなり、ミラー層の数が減少すると透過帯域幅が広くなる。
第2Cavityを構成するミラー層の数が増加、または第2Cavityを構成するスペーサ層が厚くなると、複数の透過帯域間の間隔が狭くなり、ミラー層の数が減少、または第2Cavityを構成するスペーサ層が薄くなると、複数の透過帯域間の間隔が広くなる。
第1Cavityを複数重ねたMulti-Cavity構造にすることで、平坦な透過帯域と急峻な遮断特性をもつ透過帯域フィルタが製作できる。第1Cavityの数が増えると、透過帯域が広がり、遮断特性が急峻になる。
図44に、第2Multi-Cavityが、2つの第2Cavityによって構成された第1Cavityを4つ重ねた、Multi-Cavity構造の例を示す。また、表14にその構造を示す。
表14 透過帯域を2つもつ帯域透過フィルタの構造
多重Cavity構造
図45に、第2Cavityを構成するスペーサ層をMulti-Cavityに置き換えた、3重Cavity構造の透過波形と構造を示す。
このように、第1Cavity構造を多重Cavity構造に変形していくことで、任意の透過帯をもつ帯域透過フィルタが製作可能である。
上述したように、この発明によると、Rippleの低減ができる。
即ち、Multi-Cavityを構成する各Cavityのスペーサ層を多層構造にすることにより、個々のCavity特性を調整(最適化)することができるため、透過帯のリップルを低減させることができる。
次に4skip0-100GHz-Filterの設計例を図28、図29に示す。
ミラー層の層数と、スペーサ層の膜厚を調整することでRippleを低減させる従来の方法で4skip0-100GHz-Filterを設計した場合、透過帯域内に発生するRippleが0.13dBとなる。同じ帯域の反射Isolation特性は15dB程度となる。
本発明のように、Multi-Cavityを構成する核Cavityのスペーサ層を多層構造にし、個々のCavity特性を調整(最適化)すると、透過帯域内に発生するRippleが0.01dBとなる。同じ帯域の反射Isolation特性は25dBとなる。
Ripple 0.13dB → 0.01dB、 反射Isolation 15dB → 25dB と、大きく改善できている。
更に、この発明によると、斜入射時のRipple低減ができる。
即ち、図30、図31に、斜入射時の特性を考慮した設計と考慮していない設計を比較する。
図30はスペーサ層を多層構造として、垂直入射時に、透過帯のRippleを低減させた設計である。
図31は、スペーサ層を多層構造として、垂直入射時に、透過帯のRippleを低減させた設計であり、さらに個々のCavityは、斜入射時に同程度の波長シフトとなるように調整した設計である。
それぞれ、垂直入射、および2度入射時の波形を示す、
垂直入射時の特性は、両方の設計とも透過帯内のRippleが0.02dB以下であるが、2度入射でのRippleは、0.2dB、0.02dB以下と大きな違いがある。
本発明のように、個々のCavityが、斜入射時に同程度の波長シフトとなるように調整した設計を採用した場合、斜入射時のRippleが低減可能である。
更に、複数の透過帯域が可能である。
即ち、図32に、スペーサ層を2つのCavityで構成されるMulti-Cavity構造として設計した帯域透過フィルタの波形を示す。スペーサ層をMulti-Cavity構造とすることで、従来は1つであった透過帯域を2つにすることが可能となる。
次に、上記誘電体多層膜フィルタを用いた光アド・ドロップシステムについて説明する。
図14は、光アド・ドロップシステム100の構成図である。
信号光101が出射される送信端102と、誘電体多層膜フィルタが多段に配置されてなるフィルター部104と、該フィルター部104内で透過もしくは反射された任意のチャネルの信号光を受信する受信端106とからなる。本実施例では、フィルター部104の一構成例として、一段目には、4skip0フィルタ108が1つ配置され、2段目には、100GHz-BPF(Band-pass filter)110a、110b、110c、110dの4つが配置されている。
送信端102から出射された多チャネル(図14では12チャネル)の信号光101は、まず、一段目の誘電体多層膜フィルタである4skip0フィルタ108に入射される。4skip0フィルタ108で透過される任意の帯域に存在する4チャネルの信号光は、ドロップチャネル101aとして透過され、残りのチャネルの信号光はエキスプレスチャネル101bとして反射される。
4skip0フィルタ108で透過された4チャネルの信号光は、次に、2段目の一つ目の100GHz-BPF110aに入射される。一つ目の100GHz-BPF110aでは、任意の1チャネルSaの信号光のみが透過され、受信端Taにドロップされる。それ以外の3チャネルSb、Sc、Sdの信号光は、反射光Raとして反射され、2つ目の100GHz-BPF110bに入射される。
2つ目の100GHz-BPF110bでは、任意の1チャネルSbの信号光のみが透過され、受信端Tbにドロップされる。それ以外の2チャネルSc、Sdの信号光は、反射光Rbとして反射され、3つ目の100GHz-BPF110cに入射される。
3つ目の100GHz-BPF110cでは、任意の1チャネルScの信号光のみが透過され、受信端Tcにドロップされる。それ以外の1チャネルSdの信号光は、反射光Rbとして反射され、4つ目の100GHz-BPF110dに入射される。
4つ目の100GHz-BPF110dでは、任意の1チャネルSdの信号光のみが透過され、透過されたチャネルSdの信号光は受信端Tdにドロップされることになる。
上述のようにして、12チャネルで入射された信号光101は、各受信端Ta〜Tdに、各1チャネルSa、Sb、Sc、Sdの信号光としてドロップされることになる。なお、図14のフィルター部104は単なる一構成例であり、図15に示すように、4つ目の100GHz-BPF110dでチャネルSdを反射させる構成としてもよい。この場合、3つ目の100GHz-BPF110cで透過されたチャネルSdの信号光は、4つ目の100GHz-BPF110dで反射されて受信端Tdにドロップされることになる。
なお、図示しないが、フィルター部104の構成は、図14、図15以外でも色々考えられる。例えば、フィルター部は、一段目に4skip0フィルターが配置され、2段目の1つ目に2skip0フィルターが配置され、3段目に100GHz-BPFが2つ配置される構造としてもよい。
さらに、フィルター部は、一段目に必ず4skip0フィルターを配置させる必要はなく、zskip0(zは整数)フィルターを配置させ、2段目以降のフィルターの配置を組合わせることにより、光アド・ドロップシステムを構築することが出来る。つまり、受信端でドロップさせるチャネル数により、zskip0フィルターと100GHz-BPFの組合わせ、配置を変更することで、所望の光アド・ドロップシステムを構成することが可能である。なお、本実施例では、チャネル間隔が100GHzのため、100GHz-BPFを使用したが、チャネル間隔により、50GHz-BPF、200GHz-BPF、400GHz-BPF等を使用してもよい。
次に、光アド・ドロップシステム100を構成する5つの誘電体多層膜フィルタ108、110a、110b、110c、110dの透過と反射をうまく組み合わせることで、GDR(Group Delay Ripple)を補償させる(キャンセルさせる)効果について説明する。
図16に、チャネルSb、Sc、Sd、Saの信号光の順でドロップする光アド・ドロップシステムの構成を示す。
図16において、反射光RbにおけるGDRを考えてみる。図17に、4skip0フィルター108と、チャネルSbの信号光をドロップさせる100GHz-BPF110bの反射のGDRを示す。図17に示すように、4skip0フィルター108を透過させた後、チャネルSaの信号光を100GHz-BPF110bで反射させることにより、GDRがキャンセルされることがわかる。
具体的に説明すると、4skip0フィルター108のチャネルSaの信号光帯域におけるGDRは、短波長側に向かって大きくなる傾向を示しているのに対し、チャネルSbの信号光をドロップさせる100GHz-BPF110bのチャネルSaの信号光帯域におけるGDRは、短波長側に向かって小さくなる傾向を示している。
つまり、4skip0フィルター108を通過させることにより、チャネルSaの信号光帯域に生じたGDRが、100GHz-BPF110bで反射させることによってキャンセルされ、チャンネルSaの信号光帯域に生じたGDRが小さくなるということである。
図17においては、4skip0フィルター108を透過させた後、チャネルSaの信号光帯域におけるGDRが、3.034psであるのに対し、100GHz-BPF110bで反射された反射光RbでのチャネルSaの信号光帯域におけるGDRは、1.607psとなっている。GDRがキャンセルされ小さくなっていることがわかる。
下記の表15は、チャネルSb、Sc、Sd、Saの信号光の順でドロップした場合の、各チャネルのGDR、CD(Chromatic Dispersion)特性を示している。なお、比較例として表16にチャネルSa、Sb、Sc、Sdの順でドロップした場合の各チャネルのGDR、CD特性を示す。両者を比較すると、表15の方が、チャネルSaのGDR、CD(Max)ともに小さくなっていることがわかる。

次に、ドロップされるチャネルのGDR、CDを更に小さくするための構成について説明する。
4skip0フィルター108で透過された信号光101aを、チャネルSb、Sc、Sd、Saの順でドロップさせる場合について説明する。チャネルSb、Scの信号光がドロップされると、図18に示すように、チャネルSdとチャネルSaの間には、信号光が存在しないことになる。このため、チャネルSd、Saはある程度アイソレートされていることになる。従って、チャネルSd、Saの信号光をドロップさせる100GHz-BPF110d、110aは、図18に示すようなアイソレーションの緩い100GHz-BPFを使用しても良いと考えられる。
図19(A)、(B)に、通常の100G-GPFと、アイソレーション緩和型の100G-BPFの透過特性とGDRを示す。図19(B)に示すように、アイソレーション緩和型100GHz-BPFは、GDR、CDが小さいため、チャネルSd、Saの信号光に生じるGDR、CDを抑えることができる。つまり、GDR、CDが小さい光アド・ドロップシステムを構築することが出来る。
チャネルSb、Sc、Sd、Saの信号光の順にドロップし、チャネルSd、Saをドロップさせる100GHz-BPFとしてアイソレーション緩和型を用いた場合の各チャネルのGDR、CDの特性値を表17に示す。
表17からわかるように、GDR、CDともに、表15の値よりも更に小さい値となっている。CDは、全チャネルとも±30ps/nm以下である。なお、チャネルSa、Sdの信号光をドロップさせる100GHz-BPFは、4skip0フィルターのGDR、CD特性を波長方向にシフトさせたものを採用しても良い。
次に、エッジフィルターを使用した例について説明する。
図20は、チャネルSd、Saの信号光をドロップさせる際、エッジフィルターにより反射させて行う光アド・ドロップシステムを示すものである。それ以外は、図15と同様の構成である。
図21は、エッジフィルター110e、110fの特性と、チャネルSb、Scの信号光をドロップさせる100GHz-BPF110b、110cの透過特性を示すものである。チャネルSaの信号光をドロップさせるエッジフィルター110fは、チャネルSaの信号光帯域から短波長側の帯域すべてを反射させ、長波長側は透過させる設計となっている。チャネルSdの信号光をドロップさせるエッジフィルター110eは、チャネルSdの信号光帯域から短波長側の帯域すべてを透過させ、長波長側は反射させる設計となっている。
図22に、反射光Rcにおける累積GDRと、チャネルSdをドロップさせるエッジフィルター110eのGDRを示す。チャネルSdの信号帯域内では、Rcにおける累積GDは、エッジフィルター110eのGDによってキャンセル(補償)される特性となっている。この結果、表18に示すように、GDR、CDともに小さい値であり、CDは、全チャネルともに±25ps/nmより小さい値となっている。
次に、(図14で示した)一段目の4skip0フィルターを配置せず、複数の100GHz-NBPF(Narrow Band-pass Filter)を配置させて構成した光アド・ドロップについて説明する。
表19〜22は、チャネルSa、Sb、Sc、Sdの信号光を、ドロップ順を変更した場合に生じる各チャネル毎のGDR、CD特性を示したものである。なお、各チャネルのドロップ順序は4種類である。これらを比較すると、チャネルSa、Sd、Sb、Scの順でドロップする構成(表21)が、GDR、CDのMAX値が最も小さくなることがわかる。このように、光アド・ドロップシステムにおいて、各フィルターに入射される信号光が持つGDR、CDをキャンセルさせるようなGDR、CDを持つフィルターを選択してドロップ順序を決定するのみで、各チャネルに生じるGDR、CDを小さく抑えることが出来る。



なお、上述では、光アド・ドロップシステムに関し、ドロップの説明についてのみ行ったが、アドに関しても同様のことが言えるのは説明するまでもない事である。
以上述べたように、本発明に係わる誘電体多層膜フィルタ、その設計方法、及び、その設計プログラムによれば、各キャビティの波長光学特性を、中心波長および半値幅をパラメータとして表現し、最適化法によって、所定の波長帯域における所定の波長光学特性を有する誘電体多層膜フィルタを設計し供給することができる。
更に、上記の設計方法では、最適化法によって求められた半値幅に近いキャビティを、予め所定の屈折率の値を用いて半値幅を算出した一覧表から選択することによって定めることによって、従来に比べて飛躍的に設計時間を短縮することができる。
また、本発明に係わる誘電体多層膜フィルタ、その設計方法、及び、設計プログラムによれば、積層された各キャビティを、対応する各キャビティのミラー層部の層数、当該各キャビティのスペーサ層の膜厚および前記各キャビティの前記各ミラー層部を構成する各屈折率層の光学膜厚を含む複数のパラメータで表している。
そして、その複数のパラメータを、前記キャビティ全体の前記所定の波長帯域における光学特性値と前記所定の波長帯域における前記所定の波長光学特性に対応するターゲット光学特性値との間の誤差が小さくなり、かつ当該所定の波長帯域におけるリップルが小さくなるようにそれぞれ最適化して前記各キャビティの膜構造を設計している。
このため、複数のキャビティが積層された、いわゆるマルチキャビティ構造を有する誘電体多層膜フィルタにおいても、リップルを抑制し、かつ所定の波長光学特性に対応するターゲット光学特性に十分近似する光学特性を得ることが可能になる。
更に、Multi-Cavityを構成する各Cavityのスペーサ層を多層構造にすることにより、個々のCavity特性を調整(最適化)することができるため、透過帯のリップルを低減させることができる。更に、従来は1つであった透過帯域を2つにすることが可能となる。
マルチキャビティ構造を有する誘電体多層膜フィルタにおいても、リップルを抑制し、かつ所定の波長光学特性に対応するターゲット光学特性に十分近似する光学特性を得ることができ、更に、1つであった透過帯域を2つにすることができ、産業上有効に利用することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係わる多層膜フィルタを示す図である。 図2は、図1に示す多層膜フィルタを設計するためのフィルタ設計装置のハードウエア構成を示す図である。 図3は、1キャビティの透過率−波長特性(y−x特性)を示す図である。 図4は、図2に示すフィルタ設計装置のコンピュータのフィルタ設計処理の一例を示す概略フローチャートである。 図5は、第1の実施形態で説明した膜構造設計手法を用いて設計された多層膜フィルタの透過率および等価アドミッタンスの波長依存性を示す図である。 図6は、多層膜フィルタの透過率および等価アドミッタンスの波長依存性を示す図である。 図7は、本発明の第2の実施の形態に係わる、多層膜フィルタ(図1参照)を設計するためのフィルタ設計装置のハードウエア構成を示す図である。 図8は、図7に示すフィルタ設計装置のコンピュータのフィルタ設計処理の一例を示す概略フローチャートである。 図9は、従来の膜構造設計手法を用いて設計され9キャビティの多層膜フィルタにおける波長依存性を示す図である。 図10は、第2実施形態の膜構造設計手法を用いて設計された9キャビティの多層膜フィルタにおける波長依存性を示す図である。 図11は、図9に示した従来の膜構造設計手法による多層膜フィルタの第1キャビティの膜構造と図10に示した本実施形態の膜構造設計手法による多層膜フィルタの第1キャビティの膜構造とを比較して示す図である。 図12は、図9に示した従来の膜構造設計手法による多層膜フィルタの第2キャビティの膜構造と図10に示した本実施形態の膜構造設計手法による多層膜フィルタの第2キャビティの膜構造とを比較して示す図である。 図13は、所定の波長帯域における透過率の、理想解における波形と現実解における波形を示す図である。 図14は、光アド・ドロップの一実施例を示す構成図である。 図15は、光アド・ドロップの他実施例を示す構成図である。 図16は、光アド・ドロップの更に他実施例を示す構成図である。 図17は、4skip0フィルターと100GHz-BPFの波長に対するGDRを示すグラフである。 図18は、チャネルSb、Scの信号光をドロップさせた後、チャネルSaSdをドロップさせる際に使用するアイソレーション緩和型の100GHz-BPFのGDRを示すグラフである。 図19は、100GHz-BPFのアイソレーション緩和型と通常型の透過特性とGDRを示すグラフである。 図20は、光アド・ドロップシステムにエッジフィルターを使用した一実施例を示す構成図である。 図21は、図20で使用したエッジフィルターと100GHz-BPFの透過特性を示すグラフである。 図22は、反射光Rcの累積GDRと、エッジフィルター110eのGDRを示すグラフである。 図23は、帯域透過フィルタの基本構造を示す図である。 図24は、帯域透過フィルタの透過波形例を示す図である。 図25は、4skip0100GHzフィルターの従来の設計例を示す。 図26は、スペーサ層を多層構造として、透過帯のリップルを低減した4skip0100GHzフィルターを示す。 図27は、スペーサ層を2つのキャビティで構成されるマルチキャビティ構造として透過帯を2つにした設計を示す。 図28は、従来設計の4skip0100GHzフィルターを示す。 図29は、スペーサ層を多層構造として、透過帯のリップルを低減した4skip0100GHzフィルターを示す。 図30は、スペーサ層を多層構造として、垂直入射時に、透過帯のRippleを低減させた設計である。 図31は、スペーサ層を多層構造として、垂直入射時に、透過帯のRippleを低減させた設計であり、さらに個々のCavityは、斜入射時に同程度の波長シフトとなるように調整した設計である。 図32は、スペーサ層を2つのCavityで構成されるMulti-Cavity構造として設計した帯域透過フィルタの波形を示す。 図33は、透過帯域幅30nm以上遮断幅45nm以下の特性を満たす、帯域透過フィルタの理想解を示す。 図34は、最適設計の波形を示す。 図35は、最適設計の波形を示す。 図36は、帯域透過フィルタの使用方法を示す図である。 図37は、帯域透過フィルタの設計波形を示す。 図38は、このフィルタの0°から3°まで傾けて光と透過させた場合の斜入射特性を示す。 図39は、第4、6Cavityを入れ替えた設計の斜入射特性を示す。 図40は、0.5dB幅を説明するグラフである。 図41は、通常のCavity構造と、その透過特性を示す。 図42は、スペーサ層を2つのCavityから成るMulti-Cavity構造に置き換えた場合の構造と透過波形を示す。 図43は、スペーサ層を3つのCavityから成るMulti-Cavity構造に置き換えた場合の構造と透過波形を示す。 図44は、第2Multi-Cavityが、2つの第2Cavityによって構成された第1Cavityを4つ重ねた、Multi-Cavity構造の例を示す。 図45は、第2Cavityを構成するスペーサ層をMulti-Cavityに置き換えた、3重Cavity構造の透過波形と構造を示す。
符号の説明
1、1a、1b、1c 多層膜フィルタ
2 光学基板
4 カップリング層
4a1〜4ak キャビティ
6a1〜6ak スペーサ層
7a1〜7ak ミラー層
8a1〜8ak 第1の屈折率層(L層)
8b1〜8bk 第2の屈折率層(H層)
10 フィルタ設計装置
11 入力部
100 光アド・ドロップシステム

Claims (17)

  1. 中心波長がλ0の所定の波長帯域において、所定の屈折率を有する光学基板と、
    (m1λ0)/4(m1は正の奇数)の光学膜厚を有するカップリング層と、
    (m2λ0)/2(m2は自然数)の光学膜厚を有するスペーサ層と、
    前記スペーサ層の積層方向に沿った両側に形成され、(m3λ0)/4(m3は正の奇数)の光学膜厚を有し、互いに異なる屈折率を有する二種類の薄膜層が、交互且つ前記スペーサ層に対して対象配置されたミラー層とを備えるキャビティと、
    所定の光学膜厚を有するAR(Anti-Reflection:反射防止)層と、
    を備え、
    前記光学基板と前記AR層の間に、前記カップリング層を介して前記キャビティが複数積層され誘電体多層膜フィルタであって、前記各キャビティが中心波長及び半値幅で表わされ、最適化法によって設計されて、所定の波長光学特性を有する誘電体多層膜フィルタ。
  2. 前記所定の波長光学特性が、前記中心波長がλ0の所定の波長帯域における透過率のリップルが小さくなることを含む請求項1に記載の誘電体多層膜フィルタ。
  3. 前記透過率のリップルが0.3dB以下となる請求項2に記
    載の誘電体多層膜フィルタ。
  4. 前記ミラー層を構成する前記二種類の薄膜層が、λ0/4または(3λ0)/4の光学膜厚を有するものである請求項1に記載の誘電体多層膜フィルタ。
  5. 前記各キャビティの半値幅が、前記積層の中心に対して対称に位置するキャビティの半値幅以外には異なるものである請求項1に記載の誘電体多層膜フィルタ。
  6. 中心波長がλ0の所定の波長帯域において、所定の屈折率を有する光学基板と、
    (m1λ0)/4(m1は正の奇数)の光学膜厚を有するカップリング層と、
    (m2λ0)/2(m2は自然数)の光学膜厚を有するスペーサ層と、
    前記スペーサ層の積層方向に沿った両側に形成され、(m3λ0)/4(m3は正の奇数)の光学膜厚を有し、互いに異なる屈折率を有する二種類の薄膜層が、交互且つ前記スペーサ層に対して対象配置されたミラー層と、を備えるキャビティと、
    所定の光学膜厚を有するAR(Anti-Reflection:反射防止)層と、
    を備え、
    前記光学基板と前記AR層の間に、前記カップリング層を介して前記キャビティが複数積層された誘電体多層膜フィルタを設計する方法であって、
    前記各キャビティを中心波長及び半値幅で表して、最適化法によって、所定の波長光学特性を有する誘電体多層膜フィルタを設計する誘電体多層膜フィルタの設計方法。
  7. 前記各キャビティの前記中心波長及び前記半値幅を、前記各キャビティの透過率と周波数の特性をローレンツ(Lorentz)関数で近似することによって求める請求項6に記載の誘電体多層膜フィルタの設計方法。
  8. 前記最適化法をLevenberg-Marquardt法、Simplex法またはGauss-Newton法を用いて行なう請求項6に記載の誘電体多層膜フィルタの設計方法。
  9. 前記各キャビティの使用を、前記最適化法によって求められた半値幅に近いキャビティを、予め所定の屈折率の値を用いて半値幅を算出した一覧表から選択することよって定める請求項6に記載の誘電体多層膜フィルタの設計方法。
  10. 前記薄膜層の光学膜厚として(3λ0)/4を装入して、
    所定の半値幅を有する前記キャビティの構造を算出する請求項6に記載の誘電体多層膜フィルタの設計方法。
  11. 中心波長がλ0の所定の波長帯域において、所定の屈折率を有する光学基板と、
    (m1λ0)/4(m1は正の奇数)の光学膜厚を有するカップリング層と、
    (m2λ0)/2(m2は自然数)の光学膜厚を有するスペーサ層と、
    前記スペーサ層の積層方向に沿った両側に形成され、(m3λ0)/4(m3は正の奇数)の光学膜厚を有し、互いに異なる屈折率を有する二種類の薄膜層が、交互且つ前記スペーサ層に対して対象配置されたミラー層とを備えるキャビティと、
    所定の光学膜厚を有するAR(Anti-Reflection:反射防止)層と、
    を備え、
    前記光学基板と前記AR層の間に、前記カップリング層を介して前記キャビティが複数積層された誘電体多層膜フィルタを設計するためのコンピュータが読み取り可能なプログラムであって、
    前記コンピュータがアクセス可能なメモリに記憶された所定の波長光学特性に対応するターゲット光学特性を読み出す工程1と、
    前記コンピュータがアクセス可能なメモリに記憶された前記誘電体多層膜フィルタの各構成要素の初期値を読み出す工程2と、
    最適化法によって、前記各構成要素を最適化する工程3と、
    前記コンピュータがアクセス可能なメモリに予め記憶され読み出された、屈折率の値を用いて半値幅を算出した一覧表から、前記最適化された半値幅に最も近いキャビティを選択する工程4と、
    前記最適化された前記各構成要素に基づいて光学特性を計算し、前記ターゲット光学特性との誤差を算出する工程5と、
    上記誤差が所定値以内になるまで、上記工程2から工程5までを繰り返す工程6と、を備え、
    前記コンピュータを機能させ、所定の波長光学特性を有する誘電体多層膜フィルタを設計するプログラム。
  12. 信号光が出射される送信端と、請求項1から5の何れか1項に記載の誘電体多層膜フィルタが多段に配置されてなるフィルター部と、該フィルター部を透過もしくは反射された任意のチャネルの信号光を受信する受信端とからなる光アド・ドロップシステムにおいて、
    前記誘電体多層膜フィルタは、各フィルターに入射される信号光が持つ分散特性もしくは群遅延特性を、各フィルターが持つ分散特性もしくは群遅延特性でキャンセルさせていることを特徴とする光アド・ドロップシステム。
  13. 各チャネルの信号光の分散特性もしくは群遅延特性が小さくなる順番で配置されていることを特徴とする、請求項12に記載の光アド・ドロップシステム。
  14. 信号光を送信端から出射し、請求項1から5の何れか1項に記載の誘電体多層膜フィルタが多段に配置されてなるフィルター部で任意のチャネルの信号光を透過もしくは反射させて受信端に伝播する光アド・ドロップ方法において、各フィルターに入射される信号光が持つ分散特性もしくは群遅延特性を、前記各多層膜フィルターが持つ分散特性もしくは群遅延特性でキャンセルさせて、任意のチャネルの信号光を透過もしくは反射することを特徴とする光アド・ドロップ方法。
  15. 特定の波長帯域を透過させる機能、または反射させる機能、またはその両方の機能を備える誘電体多層膜型の帯域透過フィルタであって、
    その膜構造は、
    光学膜厚の基準となる中心波長λに対して、(1)光学膜厚がλ/4である、高屈折率材料から成る層(H)と低屈折率材料から成る層(L)とを交互に積層したミラー層と、(2)光学膜厚がλ/4の整数倍である、高屈折率材料から成る層(nH:nは自然数)と低屈折率材料から成る層(nL:nは自然数)との組合せで構成されており、全体の光学膜厚がλ/2の整数倍であるスペーサ層
    で構成されていることを特徴とする誘電体多層膜フィルタ。
  16. 0°でない角度からの入射光に対して、特定の波長帯域を透過させる機能、または反射させる機能、またはその両方の機能を備える誘電体多層膜型の帯域透過フィルタであって、(1)光学膜厚がλ/4の奇数倍である、高屈折率材料から成る層(xH:xは奇数)と低屈折率材料から成る層(xL:xは奇数)とを交互に積層したミラー層と、(2)光学膜厚がλ/2の整数倍となるように、単層または多層で構成されたスペーサ層 (1)と(2)両方から構成されるCavityを、(3)光学膜厚がλ/4の整数倍である層を介してN個(Nは2以上の自然数)連結されており、このフィルタが使用される際に発生し得る最大入射角をψ°(0°< ψ < 90°)として、入射光が0°からψ°まで角度変化したとき、
    N個の各Cavityの波長シフト量S(1)、S(2)、・・・・、S(N)の最大値と最小値との差をdとし、
    0°入射時のMulti-Cavityの透過波形における、0.5dB幅をWとして、
    Wに対するdの割合R、すなわちR=100×(d/W) [%] が、2%以下となっている
    ことを特徴とする誘電体多層膜フィルタ。
  17. 複数の波長帯域を透過させる機能、または反射させる機能、またはその両方の機能を備える誘電体多層膜型の帯域透過フィルタであって、
    その膜構造は、
    光学膜厚の基準となる中心波長λに対して、(1)光学膜厚がλ/4の奇数倍である、高屈折率材料から成る層(H)と低屈折率材料から成る層(L)とを交互に積層したミラー層と、(2)全体の光学膜厚がλ/2の整数倍である、多層構造のスペーサ層とで構成されており、
    (3) 多層構造のスペーサ層は、光学膜厚がλ/4の奇数倍である、高屈折率材料から成る層(H)と低屈折率材料から成る層(L)とを交互に積層した第2のミラー層と、全体の光学膜厚がλ/2の整数倍である、単層または多層構造の、第2のスペーサ層とで構成されていることを特徴とする誘電体多層膜フィルタ。
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