JP2005221374A - Gps測位装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】カルマンフィルタを使用して、大きな誤差を含むデータの測位位置に与える影響を小さなものとし測位精度を向上させるGPS測位装置を得る。
【解決手段】
カルマンフィルタを利用する際には、計測データの誤差モデリングが精度よく行わなければ、利用者の位置を精度よく推定できない。本発明において、計測データの誤差モデリングに重み付けをして、ノイズの大きなメジュアメントが使われても、状態ベクトルの推定と誤差共分散への寄与を軽減することが可能となる。従って、位置のずれを抑えられ、測位精度を向上することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、カルマンフィルタを用いたGPS測位装置に関する。
1960年代に、Dr.R.E.Kalmanによって提案されたカルマンフィルタは、システムノイズの統計的な性質とシステムの線形動特性とを結合して、システム状態変数の最適推定値(最小分散推定値)を逐次求めるアルゴリズムとして利用され、宇宙工学、制御工学をはじめ、情報工学、経済学などさまざまな分野に幅広く応用されている。
一方、グローバルポジショニングシステム(Global Positioning System:以下GPSという)を利用した例えば自動車用の測位装置の技術が提案されている。GPSは複数の衛星から信号を受信している。各衛星は、正確な時刻、軌道情報及び情報の精度を示す航法メッセージを電波に乗せて地上に送信する。地上においては、衛星から得た時刻と軌道情報とから衛星の位置を知ることができる。すなわち、まず衛星の時刻とGPS測位装置(以後、測位装置という)受信点の時刻との差、つまり電波の伝搬遅延時間を求め、これに基づいて、衛星から測位装置までの距離を知る。そして、互いに異なる4つの衛星のそれぞれについて、衛星の位置と衛星から測位装置までの距離とが解れば、4次元連立方程式を解くことにより、測位装置の座標値x,y,z及び時計誤差を得ることができる。
しかしながら、様々な雑音が含まれる衛星信号から、精確に位置、速度と時間を推測することは難しい。測位演算の誤差を低減する技術としては、確率理論における最小分散推定法カルマンフィルタが用いられている。以下にカルマンフィルタの測位原理を簡単に説明する。測位装置の座標値x,y,z及び速度vx,vy,vzを状態ベクトルをxとすると、状態空間モデルは、式(1−1)のように表わすことができる。なお、変数の添え字kは時刻を表している。すなわち、観測値zkは、状態ベクトルxkに視線方向行列Hkを乗算し、これに観測値の誤差εkを加えたものとして表わすことができる。また、状態ベクトルxkに状態遷移行列φを乗算し、これに誤差ukを加えたものを、次回の状態ベクトルxkとして予測することができる。
k+1=φkk+uk (状態方程式)
k=Hkk+εk (観測方程式) (1−1)
x:状態ベクトル
φ:状態遷移行列
k:プロセスノイズとしてのガウス白色誤差
(平均ベクトル0、共分散Qkをもつ正規分布N(0,Qk)で表せる)
z:観測値
H:利用者から衛星への視線方向ベクトル(視線方向行列)
(共分散行列Rkをもつ正規分布N(0,Rk)で表せる)
εk:観測値の誤差としてのガウス白色誤差
カルマンフィルタは次のように、予測と推定の二段階交替で処理が繰り返される。

状態ベクトルの予測、
- k=φk+ k-1
推定誤差共分散の予測、
- k=φk+ k-1φk T+Qk-1
カルマンゲイン、
K=P- kk T・[Hk- kk T+Rk]-1
状態ベクトルの推定、
+ k=x- k+Kk(zk−Hk- k)
推定誤差共分散の推定、
+ k=(I−Kkk)・P- k
ノイズの大きな観測値をリジェクトするため、次のインテグリティチェックが行われる。
観測値zkとHk- kとの差を示す差分ベクトルvkは次のように表わされる。
k=zk−Hk- k (1−2)
ここで、添え字-は、予測されたものであることを示す。このとき、予測されたx- kと視線方向行列Hkの積は、観測値zkの予測値、すなわち入力予測値として扱うことができる。
そして、観測値zkと入力予測値Hk- kとの差分ベクトルvkの誤差共分散は、
E[vkk T]=Hkkk T+Rk (1−3)
となる。ここで、Pkは誤差共分散行列であり、xkと真の値との誤差の共分散を表わしている。Rは測定誤差行列であり、入力zkに含まれる測定誤差の大きさを示している。添え字Tは、転置行列を表わしている。
上記式(1−3)より、次の不等式を満たすような観測値zkのみを用いて測位計算をすれば、
k 2<r2(Hkkk T+Rk) (1−4)
誤差の大きな観測値zkを除くことができ、結果として測位精度を向上することができる。なお、rは、誤差共分散の誤差の閾値である(例えば、非特許文献1参照)。
J.CHRITOPHER McMILLLAN JEFFREY S. BIRD and DALE A. G. ARDEN"Techniques for Soft-Failure Detection in a Multisensor Integrated System" NAVIGATION: Journal of the Institute of Navigation Vol. 40, No. 3, Fall 1993 Printed in U.S.A.
しかしながら、上述の非特許文献1のようにカルマンフィルタを用いる方法は、次のような未解決の問題がある。
(1)誤差共分散が小さくなった際、正しい観測値zkまで除去されてしまう。
(2)また、一度カルマンフィルタが誤った出力の予測値x- kに収束すると、入力の予測値Hk- kも誤って算出され、次回の観測値のフィルタ処理の際に、観測値zkと入力の予測値Hk- kの差分ベクトルvkが大きくなるため、正しい観測値zkであっても除去されてしまう。
そこで、この問題を解決するために、上述式(1−4)を満たす場合であっても、その他の条件次第によっては、そのときの観測値zkをそのまま使うという方法も提案されている。しかしながら、この方法においては、大きな誤差を含む観測値zkを除去できなくなり、位置ずれを起こすという未解決な問題が残っている。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、カルマンフィルタを使用して、大きな誤差を含む受信データの測位結果に与える影響を小さなものとすることで測位精度を向上させるGPS測位装置を得ることを目的とする。
第1の発明のGPS測位装置は、衛星データ送信時刻と受信機の受信時刻とから得られる衛星までの疑似距離観測値と衛星座標値と測位位置とから得られる衛星までの疑似距離予測値との差分である疑似距離差分を出力する疑似距離差分演算手段と、疑似距離差分と前回の状態ベクトル推定値とから今回の状態ベクトル推定値を推定し、該状態ベクトル推定値に前回の測位位置を加算して今回の測位位置を出力するカルマンフィルタとを備えている。そのため、初期設定がされることにより、次回の状態ベクトルを推定することができる。また、疑似距離差分に含まれる誤差がカルマンフィルタによって低減され測位精度が向上する。
第2の発明のGPS測位装置おいては、カルマンフィルタは、疑似距離差分の誤差が大きいときに小さな値となり誤差が小さなときに大きな値となる重み係数を生成する重み係数生成手段と、擬似距離差分と重み係数に基づいて状態ベクトルを推定する手段と、重み係数に基づいて推定誤差共分散行列を推定する手段とを有している。そのため、疑似距離差分の誤差が大きい場合に、状態ベクトル推定値の算出の基礎となる疑似距離差分予測値と疑似距離差分との差分の重みが軽くなり、状態ベクトル推定値算出に係る差分の割合が減る。また、小さな重み係数が小さくなるので推定誤差共分散への影響も小さくなり、その結果、大きな誤差を含む疑似距離差分の測位位置に与える影響を小さなものとすることができ、カルマンフィルタの特性がよく活かされ、誤差の統計的な性質と擬似距離差分の線形動特性が推定値に反映され、測位精度を向上させることができる。
第3の発明のGPS測位装置おいては、重み係数生成手段は、衛星の仰角を検出する仰角検出手段を有し、衛星の仰角が小さいときに誤差が大きくなるものと判断して“0”に近い値となり、仰角が90度に近いときには誤差が小さくなるものと判断して“1”に近い値となる。実際、GPSの擬似距離は衛星仰角の高いものほど誤差が小さく、水平線に近い仰角の低い衛星ほど、電離層、対流圏、マルチパスなどの影響を受けて誤差が大きいことが知られている。重み係数により、衛星の仰角が小さいことが原因で発生する誤差を低減することができる。
第4の発明のGPS測位装置おいては、重み係数は、受信電力に基づいて生成され、受信電力が強いときに、擬似距離差分の誤差が小さくなるものと判断して、“1”に近い値となり、受信電力が弱いときに、擬似距離差分の誤差が大きくなるものと判断して、“0”に近い値となる。そのため、受信電力が弱いことが原因で発生する誤差を低減することができる。
図1は本発明のGPS測位装置の概略の構成図である。GPS衛星(以後、衛星という)SV1,SV2,SV3,SV4は、それぞれ1.5GHz帯のスペクトル拡散通信方式のマイクロ波を送信している。このマイクロ波にはC/Aコードと航法メッセージが乗せられている。
衛星SV1,SV2,SV3,SV4から送信されたマイクロ波は、1個のGPS測位装置(以後、測位装置という)100によって受信される。測位装置100は、アンテナ1、GPS受信機(以後、受信機という)2、マイクロコンピュータ3、読み出し専用メモリ(以後、ROMという)4、読み書き可能メモリ(以後、RAMという)5及び表示装置6を有している。
アンテナ1は、受信機2に取り付けられている。低誤差増幅器2aはダウンコンバータ2bと電気的に接続されている。ダウンコンバータ2bの出力は中間周波数信号増幅器2cに入力されている。さらに、中間周波数信号増幅器2cの出力はA/P変換器2dに入力されている。さらにまた、A/P変換器2dの出力は、マイクロコンピュータ3に入力されている。
ここで、受信機2はこのような、ハードウェア的な機器で構成されており、低誤差増幅器2a、ダウンコンバータ2b、中間周波数信号増幅器2c及びA/D変換器2dを有している。そして、アンテナ1は衛星からの到来するマイクロ波を受信し、受信機2は、このマイクロ波に乗せられたアナログ信号の情報をデジタル信号に変換し、ソフトウェアで処理可能なデータにする。
ROM4には、受信機2が変換したデジタル信号データから同期追跡を行うプログラムや、航法メッセージを解析するプログラムや、測位装置100の座標位置及び速度を算出するカルマンフィルタのプログラム等が記憶されている。
マイクロコンピュータ3は、受信機2を制御するとともにROM4に記憶された複数のプログラムを読み出して実行する。各プログラムは、RAM5に一旦ロードされ、マイクロコンピュータ3により実行される。表示装置6はユーザからの指示の入力やユーザへの情報提供のために設けられている。
図2はマイクロコンピュータ3が行うカルマンフィルタ処理による測位演算を示す流れ図である。図2に示される流れ図の動作は、マイクロコンピュータに電源が投入されたときに実行開始される。
このカルマンフィルタ処理による測位演算方法では、現在の測位位置から、1期先の予測を行い。新しい計測値が得られた際に、予測誤差を評価し推定制精度を改善する。
まず、ステップS1においては、初期化処理が行われる。すなわち、現在の測位装置100の初期測位位置(x,y,z)が設定され、さらに状態ベクトル推定値x+ k-1及び誤差共分散行列Pの推定値P+ k-1に所定の値の初期値が与えられる。この初期化処理においては、例えば、最小2乗法により測位計算を行って、現在の測位装置100の位置と状態ベクトル推定値x+ k-1とを求めることができる。また、誤差共分散行列Pの推定P+ k-1には所定の値が入力される。尚、測位位置と状態ベクトルの初期値x+ k-1に関しては、最小2乗法に限らず、他の方法によって入力されることもある。
次に、ステップS2では、衛星からデータを受け、マイクロコンピュータ3に航法メッセージが入力されたか否かが判断される。
ステップS3では、航法メッセージが復号される。
ステップS4では、復号された航法メッセージから衛星の座標値、送信時刻などが抽出される。また、測位装置100の座標値と衛星の座標値とから衛星の仰角θが求められる。ステップS4は、仰角検出手段を構成している。
ステップS5では、疑似距離の観測値が計算される。この疑似距離観測値は、
(測位装置100の受信時刻−衛星の送信時刻)×光速
の演算式にて求められる。
ステップS6では、疑似距離の予測値が計算される。この疑似距離予測値は、衛星の位置(X,Y,Z)と測位装置100の位置(x,y,z)から、
((X−x)2+(Y−y)2+(Z−z)21/2
の演算式にて求められる。
ステップS7では、疑似距離観測値と疑似距離予測値との差分zkが計算される。ステップS5〜S7は、疑似距離差分演算手段を構成している。そして、この疑似距離観測値と疑似距離予測値との差分である疑似距離差分がカルマンフィルタ処理に入力される。
ステップS8〜S18は、カルマンフィルタを構成している。
ステップS8では、衛星の仰角θの値に基づいて重み係数Wが生成される。RAM5に格納された衛星の仰角のデータの値に基づいて重み係数Wが生成される。ステップS8は、ステップS4とともに重み係数生成手段を構成している。
ステップS9では、式(2−1)により、前回の出力である状態ベクトル推定値x+ k-1に状態遷移行列φkを乗算して状態ベクトル予測値x- kが算出される。ステップS9は。状態ベクトル予測値手段を構成している。
状態ベクトルの予測値
- k=φk+ k-1 (2-1)
状態遷移行列φkは、前回の状態ベクトル推定値x+ k-1から状態ベクトル予測値x- kを算出するための行列である。
ステップS10では、状態ベクトル予測値x- kに視線方向行列Hkを乗算して疑似距離差分zkの予測値である疑似距離差分予測値Hk- kを算出される。
ステップS11では、入力値zkから疑似距離差分予測値Hk- kが減算される。ステップS10及びステップS11は、疑似距離差分予測手段を構成している。
ステップS12では、式(2−2)により、誤差共分散行列Pの予測値P- kが算出される。
誤差共分散行列の予測値
- k=φk+ k-1φk T+Qk-1 (2-2)
式(2−2)において、誤差共分散行列Pの予測値P- kは、誤差共分散行列Pの推定値P+ k-1と、出力xkに含まれる誤差の分散Qとから算出される。添え字Tは、転置行列を表わしている。
ステップS13では、式(2−3)により、カルマンゲインKkが算出される。
カルマンゲイン
K=P- kk T・[Hk- kk T+Rk]-1 (2-3)
式(2−3)の左辺のカルマンゲインKkは、式(2−2)の誤差共分散行列Pの予測値P- kに基づいて算出される。Rkは測定誤差行列であり、疑似距離差分zkに含まれる測定誤差の大きさを示している。
ステップS14では、今回入力された入力値zkと疑似距離差分予測値Hk- kとの差が算出される。減算部20aによる減算結果(zk−Hkk -)にカルマンゲインKkが乗算されて、差分演算値Kk(zk−Hkk -)が算出される。ステップS14は、差分演算手段を構成している。
ステップS15では、差分演算値Kk(zk−Hkk -)に重み係数Wが乗算される。
ステップS16では、式(2−4)に基づき、重み係数乗算部20cから出力された差分演算値Kk(zk−Hkk -)に重み係数Wが乗算されたものに状態ベクトル予測値x- kを加算して状態ベクトル推定値x+ kが算出される。ステップS16は状態ベクトル推定手段を構成している。
状態ベクトルの推定値
+ k=x- k+Kk(zk−Hk- k)W (2-4)
ステップS16は、状態ベクトル推定値手段を構成している。
式(2−4)は、入力された疑似距離差分zkと疑似距離差分予測値Hk- kとの差にカルマンゲインKkを乗算し、さらに重み係数Wを乗算し、これに状態ベクトル予測値x- kを加算して状態ベクトル推定値x+ kを算出する。
ステップS17では、状態ベクトル推定値x+ kに前回の測位位置が加算され、今回の測位位置として出力される。
ステップS18では、次回の誤差共分散行列の予測値P- kを算出する目的で、式(2−5)から誤差共分散行列の推定値P+ kを算出される。
誤差共分散行列の推定
+ k=(I−KkkW)・P- k (2-5)
式(2−5)において、誤差共分散行列の推定値P+ kは、状態ベクトル推定値x+ kと真の値との誤差の共分散を示し、単位行列Iから、カルマンゲインKkと視線方向行列Hkと重み係数Wとを乗算したものを減算し、これに誤差共分散行列Pの予測値P- kを乗算したもので表わすことができる。
次に本実施形態の動作を説明する。4個の衛星SV1,SV2,SV3,SV4から、マイクロ波に乗せた航法メッセージが送信される。航法メッセージには、正確な時刻、軌道情報及び情報の精度を示す信号データが乗せられている。
アンテナ1で捕らえられた電波は、まず低誤差増幅器2aによって増幅される。1.5GHz帯の電波をそのまま取り扱うことは難しいので、ダウンコンバータ2bにより4MHz〜1MHの中間周波数へダウンコンバートされる。そして中間周波数信号増幅器2cで増幅された後、A/D変換器2dによってデジタル信号に変換される。これにより、以後ソフトウェアによる処理が可能なデジタルの信号データとなる。
この信号データは、マイクロコンピュータ3が行う測位演算処理に入力される。
そしてまず、測位装置100の初期測位位置が設定され、つづいて状態ベクトルの初期値x+ k-1と誤差共分散行列Pの初期値P+ k-1に適当な値が入力される(ステップS1)。
次に、衛星からデータが受信され、航法メッセージが入力されると(ステップS2)、この航法メッセージが復号され(ステップS3)、さらに、この復号された航法メッセージから、軌道情報、送信時刻などが抽出される。また、測位装置100の座標値と衛星の座標値とから衛星の仰角が求められる(ステップS4)。
続いて、疑似距離観測値が計算され(ステップS5)、また、疑似距離予測値が計算され(ステップS6)、さらに両者の差分である疑似距離差分が求められる(ステップS7)。そして、この疑似距離観測値と疑似距離予測値との差分がzkとしてカルマンフィルタに入力され、カルマンフィルタが動作をする。
カルマンフィルタが動作をすると、まず、式(2−1)により、前回の状態ベクトル推定値x+ k-1に状態遷移行列φkが乗算されて状態ベクトル予測値x- kが求められる(ステップS8)。また、式(2−2)により、誤差共分散行列Pの推定P+ k-1と出力xkに含まれる誤差の分散Qとから誤差共分散行列Pの予測値P- kが求められる(ステップS9)。
そして、式(2−3)により、誤差共分散行列Pの予測値P- kから、カルマンゲインKkが求められる(ステップS10)。
また、衛星の仰角のデータの値に基づいて重み係数Wが生成される(ステップS11)。
次に、状態ベクトル予測値x- kに視線方向行列Hkが乗算されて疑似距離差分予測値Hk- kを求められる。
さらに、今回の入力値zkと疑似距離差分予測値Hk- kとの差分が求められる。そして、この差分にカルマンゲインKkが乗算されて差分演算値が求められ、この差分演算値に重み係数Wが乗算される。そしてさらに、この乗算値に状態ベクトル予測値x- kが加算されて今回の状態ベクトル推定値x+ kが算出される(ステップS12)。
そして、この状態ベクトル推定値x+ kがカルマンフィルタから出力され、この状態ベクトル推定値x+ kに前回の測位位置が加算されて今回の測位位置として出力される(ステップS13)。
最後に、次回の誤差共分散行列の予測値P- k+1を算出する目的で、誤差共分散行列の推定値P+ kが算出される(ステップS14)。誤差共分散行列の推定値P+ kは、状態ベクトル推定値x+ kと真の値との誤差の共分散を示し、単位行列Iから、カルマンゲインKkと視線方向行列Hkと重み係数Wとを乗算したものを減算し、これに誤差共分散行列Pの予測値P- kを乗算したもので表わすことができる
以上のように、今回の状態ベクトル推定値x+ kは、疑似距離差分zkと疑似距離差分予測値Hk- kとの差分にカルマンゲインKkが乗算されて差分演算値が求められ、これに重み係数Wが乗算されたものが求められ、これに状態ベクトル予測値x- kが加算されて今回の状態ベクトル推定値x+ kが算出される。
以上のように、本実施の形態における測位装置100によれば、衛星データ送信時刻と受信機の受信時刻とから得られる衛星までの疑似距離観測値と衛星座標値と測位位置とから得られる衛星までの疑似距離予測値との差分である疑似距離差分を出力する疑似距離差分演算手段と、疑似距離差分と前回の状態ベクトル推定値とから今回の状態ベクトル推定値を推定し、該状態ベクトル推定値に前回の測位位置を加算して今回の測位位置を出力するカルマンフィルタとを備えている。そのため、初期設定がされることにより、次回の状態ベクトルを推定することができる。また、疑似距離差分に含まれる誤差がカルマンフィルタによって低減され測位精度が向上する。
また、カルマンフィルタは、疑似距離差分の誤差が大きいときに小さな値となり誤差が小さなときに大きな値となる重み係数を生成する重み係数生成手段と、擬似距離差分と重み係数に基づく状態ベクトルを推定する手段と、重み係数に基づく推定誤差共分散行列を推定する手段とを有している。そのため、疑似距離差分の誤差が大きい場合に、状態ベクトル推定値の算出の基礎となる疑似距離差分予測値と疑似距離差分との差分の重みが軽くなり、状態ベクトル推定値算出に係る差分の割合が減る。さらに、小さな重み係数を与えられたため、推定誤差共分散への影響も小さくなる。その結果、大きな誤差を含む疑似距離差分の測位位置に与える影響を小さなものとすることができ、カルマンフィルタの特性がよく活かされ、誤差の統計的な性質と擬似距離差分の線形動特性が推定値に反映され、測位精度を向上させることができる。
図3はこの発明の測位装置100を野外にて実測した際の測位結果を示すグラフ図である。グラフ図の中央を真値の(0,0)と設定して、横軸に測定結果の経度方向誤差[m]を縦軸に測定結果の緯度方向誤差[m]を示している。30分間定点測位を行った際の水平誤差の分布を示す。測位結果は、平均誤差10.75m、最大誤差50.24m、誤差分散12.81mであった。これは、図4に示す従来の測位装置による平均誤差108.33m、最大誤差282.05m、誤差分散122.77mと比較して格段に測位精度が向上していることが解る。
図5はこの発明の第2の実施形態のGPS測位装置の処理手順を説明する流れ図である。
本実施形態のカルマンフィルタは、第1の実施形態の重み係数生成手段であるステップS8に替わって、ステップS8’が設けられている。本実施形態の重み係数Wは、
受信電力に基づいて生成される。あらかじめ、予備実験で受信電力と擬似距離の誤差分散のデータを収集して、対応テーブルを作成した。このテーブルを用いて、受信電力から擬似距離の誤差分散を求め、擬似距離の誤差分散から重み係数w(0<w<1)を生成される。受信電力が弱いときに、擬似距離差分の誤差が大きくて、“0”に近い重み係数を与えることにより、大きな誤差が含まれる擬似距離差分が状態ベクトル推定に寄与が小さくなる。さらに、小さな重み係数が与えられることにより、誤差共分散への影響も小さくなる。これにより、測位精度を向上させることができる。
図1は本発明のGPS測位装置の概略の構成図。 マイクロコンピュータが行うソフトウェア処理の流れ図。 本発明のGPS測位装置の測位結果を示すグラフ図。 従来のGPS測位装置の測位結果を示すグラフ図。 本発明の第2の実施形態のGPS測位装置の処理手順を説明する流れ図。
符号の説明
1 アンテナ、2 受信機、3 マイクロコンピュータ、4 ROM、5 RAM、6 表示装置、100 GPS測位装置、 ステップS4 仰角検出手段、 ステップS5〜S7 疑似距離差分演算手段、 ステップS8〜S18 カルマンフィルタ、 ステップS8 重み係数生成手段、 ステップS9,S10 予測部、 ステップS9 状態ベクトル予測値手段、 ステップS10,S11 疑似距離差分予測手段、 ステップS11〜S16 推定部、 ステップS14 差分演算手段、 ステップS16 状態ベクトル推定手段、 ステップS17 測位位置算出手段。

Claims (4)

  1. 衛星データ送信時刻と受信機の受信時刻とから得られる衛星までの疑似距離観測値と衛星座標値と測位位置とから得られる衛星までの疑似距離予測値との差分である疑似距離差分を出力する疑似距離差分演算手段と、前記疑似距離差分と前回の状態ベクトル推定値とから今回の状態ベクトル推定値を推定し、該状態ベクトル推定値に前回の測位位置を加算して今回の測位位置を出力するカルマンフィルタとを備えたGPS測位装置。
  2. 前記カルマンフィルタは、前記疑似距離差分の誤差が大きいときに小さな値となり前記誤差が小さなときに大きな値となる重み係数を生成する重み係数生成手段と、前記擬似距離差分と重み係数に基づいて前記状態ベクトルを推定する手段と、重み係数に基づいて推定誤差共分散行列を推定する手段とを有している請求項1に記載のGPS測位装置。
  3. 前記重み係数生成手段は、前記衛星の仰角を検出する仰角検出手段を有し、前記衛星の仰角が小さいときに誤差が大きくなるものと判断して“0”に近い値となり、前記仰角が90度に近いときには誤差が小さくなるものと判断して“1”に近い値となる請求項1または2に記載のGPS測位装置。
  4. 前記重み係数は、受信電力に基づいて生成され、前記受信電力が強いときに、擬似距離差分の誤差が小さくなるものと判断して、“1”に近い値となり、前記受信電力が弱いときに、擬似距離差分の誤差が大きくなるものと判断して、“0”に近い値となる請求項1または2に記載のGPS測位装置。
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