JP2009198492A - 精度不良を検出するための装置を備えるナビゲーションシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の送信機から複数の信号を受信するように動作可能な受信機を有する車両用のナビゲーションシステムは、プロセッサ16と、メモリデバイス18とを備える。メモリデバイス18は、機械読取り可能命令を格納しており、当該命令は、プロセッサ16によって実行されると、プロセッサ16が、複数の信号から導出される擬似距離測定値に対応する1組の誤差推定値を求めること、電離層遅延データを用いて、主ナビゲーション解の誤差共分散行列を求めること、及び解分離技法を用いて、誤差共分散行列に基づいて、少なくとも1つの保護レベル値を求めることを可能にする。
【選択図】図1
Description
[関連出願の相互参照]
本出願は、2007年12月7日に出願の「RAIM WITH SPECIALLY CORRELATED IONOSPHERIC ERRORS」と題する米国仮特許出願第61/012,303号からの優先権を主張し、その特許出願は、本明細書においてその全体が述べられるものとして、参照により組み込まれる。
図1は、本発明の一実施形態の教示を組み込む無線ナビゲーションシステムを示す。そのシステムは、いくつかの送信機1〜Nと、ユーザセット12とを含む。好ましい実施形態では、送信機1〜Nは、衛星送信機のNAVSTAR GPSコンステレーションのサブセットであり、各送信機がユーザセット12のアンテナから視認可能である。送信機1〜Nは、ユーザセット12に対して個々の送信機位置及び信号伝送時刻を示すN個の個々の信号を報知(broadcast)する。
ステップ320では、プロセッサ16が、測定値行列を求める。擬似距離残差Δρの真のベクトルは、以下のように、増分位置/時間解ベクトルΔx(位置線形化点からの距離)に関連付けられる。
「重み付けされた最小二乗解」は、二乗された残差の重み付けされた和を最小にする
しかしながら、各擬似距離誤差の垂直電離層遅延成分は、他と大きく相関する。この相関がわかっている場合には、プロセッサ16は、真の擬似距離測定誤差共分散行列Rを用いることによって、その知識を利用することができる。その場合、重み行列は以下のようになる。
プロセッサ16は、気圧高度を用いてGPS擬似距離測定値を拡大することができる。気圧高度が用いられる場合には、測定値行列は、以下のように拡大される。
測定値共分散行列を計算する
測定誤差共分散行列を求めるために用いることができる、複数の方法が存在する。カルマンフィルタを適用する場合、電離層遅延の時間的な挙動(時間相関)をモデル化することができる。衛星iの場合の空間的に相関がある電離層誤差は、以下のように、その衛星のための名目的なイオノ(iono)σ値によってスケーリングされる、3つの個別に正規化された(σ=1.0)ガウスランダム誤差の重み付けされた和としてモデル化することができる。
dgrid_i,grid_j=グリッドポイントiとグリッドポイントjとの間の大圏距離
diono=電離層遅延の相関距離=4000km (13)
である。
ksat_i_grid=重み係数の3ベクトル
δρnorm_iono_i=衛星ピアースポイントにおける正規化された遅延
である。
dsat_i,grid_k=衛星ピアースポイントとグリッドポイントとの間の大圏距離
diono=名目的な電離層遅延の相関距離 (18)
である。
dij=衛星iのピアースポイントと、衛星jのピアースポイントとの間の大圏距離
diono=無相関距離=4000km
である。
重み付けされた最小二乗解の誤差共分散
ステップ340では、プロセッサ16が、重み付けされた最小二乗解を計算する。更新後解における誤差は以下のとおりである。
ステップ350では、プロセッサ16が、少なくとも1つの保護レベル値を計算する。計算時に、プロセッサ16は、スナップショット解分離アルゴリズムを利用することができる。スナップショット解分離RAIMは、ハイブリッドカルマンフィルタ解分離FDEに類似である。視野内(所望により、それに加えて気圧高度内)のN個全ての衛星を用いて、プロセッサ16は、主スナップショット最小二乗解を計算することができる。さらに、N−1個の衛星の各組み合わせ(所望により、それに加えて高度)を用いて、N個の一次部分解を計算することができる。主位置解と、一次部分解のうちの1つとの間の分離が、予想される統計的分離に基づくしきい値を超えるとき、衛星故障検出が生じる。同様に、親の一次部分解から除外される衛星と、他の1つの衛星とを除外するN−2個の衛星の各組み合わせを用いて、プロセッサ16は、一次部分解毎に、N−1個の二次部分解を計算することができる(ここでもまた、付加的な測定値として、高度を用いてもよい)。故障した衛星の分離及び除外は、その各二次部分解からの各一次部分解の分離を、予想される統計的分離に基づくしきい値と比較することによって、プロセッサ16によって果たされる。8秒の検出時間要件を満たすために、故障検出を実行することができ、少なくとも4秒毎に、プロセッサ16はRAIM HPLを計算することができる。
H0n=第nの行が0で埋められているジオメトリ行列
R0n=第nの行及び列が削除されている共分散行列R
W0n=第nのゼロ行及び列が挿入されているR0n −1
である。
また、重み付けされた最小二乗一次部分解行列S0nは、以下のとおりである。
RAIM障害検出
衛星故障を検出するために、プロセッサ16によって、各一次部分解と主解との間の水平位置解分離(すなわち、弁別子)を、検出しきい値と比較することができる。一次部分解0jのための弁別子は、以下の式によって与えられる。
検出しきい値は、以下のように、許容される誤り検出確率及び正規分布仮定を用いて、プロセッサ16によって計算される。
pfa=独立したサンプル当たりの誤り検出の確率
N=一次部分解の数(すなわち、追跡される衛星の数)
であり、Q−1は以下の関数の逆関数である。
弁別子がそのしきい値を超えるときに、以下の条件に従って、プロセッサ16によって水平故障検出を宣言することができる。
RAIM水平保護レベル(HPL)は、発生する可能性があり、且つ検出し損なう確率が0.001という要求を満たす最小二乗位置解における最も大きな水平位置誤差である。所与の一次部分解0nの場合に、一次部分解と主解との間の分離が、検出しきい値の直ぐ下にあり、且つ、a0nと呼ばれることもある一次部分解位置誤差が、その99.9%性能限界にあるときに、これが生じる。したがって、一次部分解0nの場合のHPLは、以下のとおりである。
故障があると、分布が一方の側に偏るため、プロセッサ16は、分布の一方の側のみを考慮すればよいことに留意されたい。99.9%ガウス限界の場合にKmdを数値計算すると、プロセッサ16は以下の値を得る。
RAIM HUL
水平不確定性レベル(HUL)は、0.999以上の確率を有する真の水平位置誤差を制限する水平位置の推定値である。主解と一次部分解との間の水平分離に、一次部分解水平位置0.999誤差限界a0nを単に加えることによって、プロセッサ16は、主解の水平位置誤差に関する保存的な0.999限界を計算することができる。これは、その一次部分解によって除外される衛星に関する故障の場合であっても、その誤差を制限する。あらゆる衛星故障の場合の誤差を制限するために、プロセッサ16は、全ての一次部分解の場合のHULを計算し、最悪時をとることができる。
式中、a0nは(47)において定義されているものである。
故障が検出されるとき、HPLの代わりに、HULを用いることができる。このようにして、障害がある衛星が分離され、除外されるまで、その故障は制限され続ける。
垂直位置誤差検出
垂直位置を保護する場合、弁別子は以下のとおりである。
一次部分解誤差共分散行列から、プロセッサ16は、一次部分解垂直位置の誤差限界を求めることができる。
各一次部分解と、その対応する二次部分解との間の分離に関して障害検出を実行することによって、プロセッサ16は、RAIMのための障害分離を実行することができる。
Hnm=第n及び第mの行が0で埋められているジオメトリ行列
Rnm=第n及び第mの行及び列が削除されているR
Wnm=第n及び第mのゼロ行及び列が挿入されているR0n −1
である。
除外は、一次部分解が主解の役割を果たし、二次部分解が一次部分解の役割を果たして、検出と同じようにして進められる。一次部分解毎に、その二次部分解のそれぞれからの分離がプロセッサ16によって求められ、そのしきい値に対して試験される。
一次部分解nが、その二次部分解のうちの少なくとも1つから、そのしきい値よりも大きい値だけ分離される場合には、衛星nは故障した衛星でない可能性が高い(すなわち、故障した衛星は依然として一次部分解nに含まれる)。一方、その二次部分解のそれぞれからの一次部分解rの分離が除外しきい値よりも小さい場合には、衛星rは故障した衛星である(他の一次部分解がそれぞれ、その二次部分解の少なくとも1つから、そのしきい値よりも大きな値だけ分離されるものと仮定する)。
drm<Drm;すべてのm≠rの場合
且つ
dnm<Dnm;すべてのn≠rの場合に少なくとも1つのm≠nの場合
垂直位置故障の除外も、同じようにして、プロセッサ16が果たすことができる。
RAIM HEL
RAIM HELは、カルマンフィルタ解分離と同じようにして、プロセッサ16によって計算される。除外時に、一次部分解0nの水平位置解は、プロセッサ16によって、二次部分解nmからDnmだけ分離される(式(61)を参照)。それゆえ、真の位置に対する一次部分解位置誤差は、Dnm+二次部分解位置誤差である(最悪の場合に、それらが反対の方向にあるものと仮定する)。一次部分解位置誤差限界anmは、二次部分解誤差共分散行列の水平位置誤差要素から形成される2×2行列の最大固有値
ここでもまた、故障があると、分布が一方の側に偏るため、プロセッサ16は、分布の一方の側のみを考慮すればよい。検出し損なう許容確率は1.0e−3であり、プロセッサ16によって、除外失敗の許容確率と同じであると仮定される。σ乗数Kmdは、RAIM HPL計算のために既に定義されているものである。その場合、一次部分解0nの有効な二次部分解nm毎のRAIM HELが、プロセッサ16によって、以下のように計算される。
一次部分解0nの有効な二次部分解nm毎に、下の条件が成り立つ。
電離層グリッドポイント及びピアースポイント座標の決定
カルマンフィルタ手法の場合、且つ(17)を利用するために、プロセッサ16は最初に、各グリッドポイントの座標、及び衛星の電離層ピアースポイントの座標を決定することができる。その後、それらの2組の座標を用いて、プロセッサ16は、ピアースポイントとグリッドポイントとの間の大圏距離を計算することができる。カルマンフィルタ、スナップショットRAIMのいずれの手法の場合でも、点i(たとえば、図1に示されるシステム、すなわち「ユーザ」)の座標、ならびに点iから点j(たとえば、グリッドポイント)までの距離及び方位角がわかるとき、プロセッサ16は、以下のように、点jの座標を求めることができる。
λj=点jの測地緯度
Λi=点iの測地経度
Λj=点jの測地経度
Aij=点iから点jまでの方位角(方位)
ψij=点iから点jまでの角距(地球の中心角)
=dij/(Re+hI)
dij=点iから点jまでの大圏距離
Re=地球の半径=6378km
hI=電離層薄殻モデルの高さ=350km
である。
衛星の仰角及び方位角を計算する
衛星の仰角Eは、見通しベクトルがユーザの局所接平面(水平面)と成す角度と定義される。衛星の方位角Aは、水平面において測定されるような、真北に対する見通しベクトルの角度である。したがって、以下の式が成り立つ。
α=ワンダー角(北からx局所レベル座標軸までの方位角)
である。
大圏距離の決定
点i(たとえば、衛星ピアースポイント)から別の点j(たとえば、グリッドポイント)までの電離層薄殻モデルに沿った大圏距離は、プロセッサ16によって、以下のように計算されることができる。
ΔΛij=Λj−Λi
である。
電離層分散モデル
電離層モデル誤差分散を計算するためにプロセッサ16によって実行することができるアルゴリズムは、ICD−GPS−200C及びDO−229D J.2.3に基づくことができる。このセクションにおける記号は、このセクションに特有であることに留意されたい。
次に、衛星の仰角E、方位角A、地球の中心角ψpp、並びにユーザ測地緯度λu及び測地経度Λuを用いて、式(A.1)及び(A.2)を用いることによって、ピアースポイントの測地緯度φpp及び測地経度λppを求める。
Claims (3)
- 複数の送信機から複数の信号を受信するように動作可能な受信機を有する車両用のナビゲーションシステムであって、該ナビゲーションシステムは、
プロセッサ(16)と、
機械読取り可能命令を格納しているメモリデバイス(18)とを備え、該命令は、前記プロセッサ(16)によって実行されると、前記プロセッサ(16)が、
前記複数の信号から導出される擬似距離測定値に対応する1組の誤差推定値を求めること、
電離層遅延データを用いて、主ナビゲーション解の誤差共分散行列を求めること、及び
解分離技法を用いて、前記誤差共分散行列に基づいて、少なくとも1つの保護レベル値を求めることを可能にする、システム。 - 前記誤差共分散行列を求めることは、前記送信機のそれぞれに関連付けられる、空間的に相関がある電離層誤差を求めることを含む、請求項1に記載のシステム。
- コンピュータ読取り可能媒体(18)であって、該コンピュータ読取り可能媒体は、
前記複数の信号から導出される擬似距離測定値に対応する1組の誤差推定値を求めること、
電離層遅延データを用いて、主ナビゲーション解の誤差共分散行列を求めること、
解分離技法を用いて、前記誤差共分散行列に基づいて、少なくとも1つの保護レベル値を求めること、及び
前記少なくとも1つの保護レベル値を表示することを含むステップを実行するためのコンピュータ実行可能命令を有する、コンピュータ読取り可能媒体。
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