JP2005220992A - 液体封入式マウント - Google Patents

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啓一 佐々木
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Abstract

【課題】オリフィス部分の構造を簡素化し、安価で防振性に優れた液体封入式マウントを提供する。
【解決手段】第一取付部材1と、その内周に配置された第二取付部材2と、両部材1,2の間に接合された弾性体3と、外周部42が第一取付部材1に密封的に固定されたダイアフラム4と、外周部5cが弾性体3とダイアフラム4の間で密封的に固定され弾性体3側の主液室Aとダイアフラム4側の副液室Bを画成する隔壁5とを備え、ダイアフラム4の外周部42と隔壁5の外周部5cとの間に、一端が隔壁5に開設された開口部5dを介して主液室Aに開放され他端が副液室Bに開放されたオリフィスCが形成されている。第一取付部材1の内周に、隔壁5及びダイアフラム4を組み込むことによって、隔壁5の外周部5cとダイアフラム4の外周部42との間がオリフィスCとなるので、隔壁5にオリフィスを形成する必要がなく、その形状が簡素化される。
【選択図】図1

Description

本発明は防振技術に属するものであって、例えば自動車のエンジン等の防振支持手段として用いられ、弾性体の変形と、これに伴う作動液の移動により、緩衝及び振動低減を行う液体封入式マウントに関する。
従来、自動車におけるエンジンマウントとして、弾性体の変形と、これに伴う作動液の移動により緩衝及び振動低減を行う液体封入式マウントがあり、その典型的な従来技術としては、例えば下記の特許文献1に記載されたものが知られている。
実開昭63−152043号公報
この種の液体封入式マウントは、特許文献1に記載されたもののように、一般に、エンジン側ブラケットと車体側ブラケットの間にゴム状弾性材料からなる弾性体を介在させ、この弾性体とダイアフラム又はフリーピストンにより形成された密閉空間に、作動液(非圧縮性流体)を封入したものである。作動液が封入された密閉空間は、隔壁により弾性体側の主液室と、ダイアフラム又はフリーピストン側の副液室とに分離され、マウントに振動入力があると、弾性体の変形に伴って主液室に容積変化を生じ、副液室との間で作動液が隔壁に形成されたオリフィス内を移動する。このとき、オリフィス内の作動液を振動マスとし、弾性体及びダイアフラム等をバネとする液柱共振系が構成され、所定の周波数域の入力振動に対してオリフィス内の液柱に共振現象を生じて、大きな減衰を得るようになっている。
液体封入式マウントにおいては、液柱共振による振動減衰効果を高める目的で、オリフィスを円周方向あるいはスパイラル状に延びる長い流路として形成する必要がある。しかしながら従来の技術によれば、特許文献1に記載されたもののように、オリフィスが主液室と副液室とを隔てる隔壁に形成されており、このため、隔壁の形状が複雑で、これを成形するための金型構造も複雑にならざるを得ず、安価に製作することが困難であった。
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、その技術的課題は、オリフィス部分の構造を簡素化して、安価で防振性に優れた液体封入式マウントを提供することにある。
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係る液体封入式マウントは、環状又は筒状の第一取付部材と、その内周に配置された第二取付部材と、前記第一取付部材と第二取付部材の間に接合された弾性体と、外周部が前記第一取付部材に密封的に固定されたダイアフラムと、外周部が前記弾性体とダイアフラムの間で前記第一取付部材に密封的に固定され前記弾性体側の主液室と前記ダイアフラム側の副液室を画成する隔壁とを備え、前記ダイアフラムの外周部と前記隔壁の外周部との間に、一端が前記隔壁に開設された開口部を介して前記主液室に開放され他端が前記副液室に開放されたオリフィスが形成されたものである。
請求項2の発明に係る液体封入式マウントは、環状又は筒状の第一取付部材と、その内周に配置された第二取付部材と、前記第一取付部材と第二取付部材の間に接合された弾性体と、外周部が前記第一取付部材に密封的に固定されたダイアフラムと、外周部が前記弾性体とダイアフラムの間で前記第一取付部材に密封的に固定され前記弾性体側の主液室と前記ダイアフラム側の副液室を画成する隔壁とを備え、前記弾性体の外周部と前記隔壁の外周部との間に、一端が前記主液室に開放された第一オリフィスが形成され、前記ダイアフラムの外周部と前記隔壁の外周部との間に、一端が前記副液室に開放された第二オリフィスが形成され、前記第一オリフィスと前記第二オリフィスが、前記隔壁に開設された開口部を介して互いに連通されたものである。
請求項3の発明に係る液体封入式マウントは、請求項2に記載された構成において、第一オリフィスの両端と、第二オリフィスの両端が、それぞれ隔壁に開設された孔を介して互いに連通されることにより、第一オリフィスと第二オリフィスを互いに並列としたものである。
請求項4の発明に係る液体封入式マウントは、請求項2に記載された構成において、第一オリフィス及び第二オリフィスが円周方向複数形成され、各第一オリフィスと各第二オリフィスが、それぞれ隔壁に開設された孔を介して互いに連通されることにより、互いに並列の複数の流路をなすものである。
請求項1の発明に係る液体封入式マウントによれば、第一取付部材の内周に、隔壁及びダイアフラムを組み込むことによって、隔壁の外周部と、ダイアフラムの外周部との間がオリフィスとなるため、従来のようにオリフィスを形成した隔壁を用いる場合に比較して、隔壁の形状・構造が簡素化され、安価な製品を提供することができる。
請求項2の発明に係る液体封入式マウントによれば、第一オリフィスと前記第二オリフィスを、前記隔壁に開設された孔を介して互いに直列に連通することにより、長い流路を形成することができるので、優れた減衰を得ることができ、しかも、組立によって、弾性体の外周部と、隔壁の外周部と、ダイアフラムの外周部との間に、第一オリフィス及び第二オリフィスが形成されるため、複数のオリフィスを有するものであるにも拘らず、隔壁の形状・構造が簡素化され、安価な製品を提供することができる。
請求項3の発明に係る液体封入式マウントによれば、第一オリフィスと前記第二オリフィスを並列とすることにより、共振周波数を低くせずに減衰機能を向上させることができる。
請求項4の発明に係る液体封入式マウントによれば、互いに連通した第一オリフィスと前記第二オリフィスからなる複数の流路を並列に配置することにより、共振周波数を低くせずに減衰機能を向上させることができる。
以下、本発明に係る液体封入式マウントの好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、第一の形態による液体封入式マウントを示す縦断面図、図2は、図1における隔壁及びダイアフラムを示す縦断面図、図3は、図1における隔壁を図2におけるIII方向から見た矢視図、図4は、図1におけるダイアフラムを図2におけるIII方向から見た矢視図、図5は、図4におけるV−V断面図である。
まず図1に示される液体封入式マウントは、第一取付部材1と、その上部内周に配置された第二取付部材2と、これら第一取付部材1と第二取付部材2の間に接合された弾性体3と、外周部42が第一取付部材1に密封的に固定されたダイアフラム4と、外周部5cが弾性体3とダイアフラム4の間で第一取付部材1の内周に密封的に固定され、弾性体3とダイアフラム4の間の液封空間を弾性体3側(上側)の主液室Aとダイアフラム4側(下側)の副液室Bに分離する隔壁5とを備える。
第一取付部材1は、円筒状の金属製の内ケース11と、その外周に圧入嵌着された有底円筒状の金属製の外ケース12と、この外ケース12の外周に取り付けられた金属製のブラケット13と、更に外ケース12の上方に配置されてブラケット13に螺子部材15を介して取り付けられ、弾性体3を取り囲むように延びる金属製のカバー14からなり、不図示のボルトによりブラケット13を介して例えば車体フレーム側に連結される。一方、第二取付部材2は、金属製のボス部材21からなり、その上部中央に形成された雌螺子穴21aに螺合される不図示のボルトを介して、例えばエンジン側ブラケットに緊結される。
弾性体3はゴム状弾性材料からなるものであって、第二取付部材2におけるボス部材21の略円錐状をなす下部外周から、第一取付部材1における内ケース11の上部の、上方へ向けて開いたテーパ状をなすフランジ部11aへ向けて延びる略円錐台状をなしている。そしてこの弾性体3は、エンジン等の荷重を弾性的に支持する主体であるため、その肉厚が十分に大きく、かつ上下変形を受けた時の歪が内周側と外周側でほぼ均一になるように、内周ほど厚肉に形成されている。また、弾性体3には、その下部内周から内ケース11の内周面を覆うように延びる弾性膜31と、上部外周から延びてボス部材21の上面に被着された弾性ストッパ32が連続して形成されている。
第一取付部材1における内ケース11と、第二取付部材2におけるボス部材21と、弾性体3は、一体の加硫成形体をなしている。すなわちこの加硫成形体は、所定のゴム加硫成形用金型(不図示)内に、内ケース11とボス部材21を位置決めセットして型締めし、前記金型によってこれら内ケース11とボス部材21との間に画成された成形用キャビティ内に、未加硫ゴム材料を充填し、加熱・加圧することによって、弾性体3の加硫成形と、内ケース11及びボス部材21への弾性体3の加硫接着を同時に行ったものである。
第一取付部材1における内ケース11の下端部には内周側へテーパ状に絞られたカシメ部11bが形成されており、ダイアフラム4及び隔壁5が、内ケース11の内周に挿入されると共に、前記カシメ部11bによって抜け止め固定されている。
ダイアフラム4は、ゴム状弾性材料からなるものであって、図2にも示されるように、弾性体3に比較して十分に薄肉であると共に蛇行した断面形状に形成された膜状本体部41と、第一取付部材1における内ケース11の下部内周面に密接された厚肉の外周部42からなる。また、この外周部42には金属製の補強環43が埋設されており、その下部が内ケース11のカシメ部11bによってカシメ固定されている。なお、ダイアフラム4の下側を包囲するように存在する第一取付部材1の外ケース12の底部には、ダイアフラム4の膜状本体部41の円滑な可撓変形・変位を許容するための通気孔12aが開設されている。
隔壁5は、図2及び図3にも示されるように、金属板を略皿状にプレス成形して製作したものであって、平坦な円板部5aと、その外周の環状段差部5bと、更にその外周の鍔状の外周部5cからなる。そして、隔壁5の円板部5aの外周下面はダイアフラム4における外周部42の上面と密接され、隔壁5の外周部5cの上面は、内ケース11の中腹部に形成された環状段差部11cの内面に被着された弾性膜31に密接されている。
ダイアフラム4における外周部42の上部には、その外周に沿って延びる円周方向有端の溝42aが形成されており、この溝42aは、隔壁5の環状段差部5b及び外周部5cと、その外周側に存在する第一取付部材1の内ケース11(弾性膜31)によって、オリフィスCをなしている。すなわちこのオリフィスCは、図4及び図5に示されるように、円周方向有端であって、略C字をなすように延び、その一端が、隔壁5における環状段差部5bの円周方向一箇所に開設された開口部5dを介して主液室Aに開放され、他端が、ダイアフラム4における外周部42の上部の円周方向一箇所に形成された切欠部42bを介して副液室Bに開放されている。
主液室A、副液室B及びオリフィスCからなる液封空間には、例えばシリコーンオイル等、適当な粘性を有する非圧縮性の作動液が充填されている。この作動液は、弾性体3、第二取付部材2及び内ケース11からなる加硫成形体の前記内ケース11の内周に、隔壁5及びダイアフラム4を、液槽に貯留した前記シリコーンオイル等の液体中で組み込んでカシメ固定することによって、前記液体の一部が閉じ込められたものである。そして、オリフィスCの円周方向長さ及び断面積は、その内部に存在する作動液の液柱慣性と、弾性体3及びダイアフラム4等のバネ定数で決まる共振周波数が、例えばショック入力による振動の周波数域となるように適切に設定される。
また、上述のようにして、シリコーンオイル等の液体中で、弾性体3、第二取付部材2及び内ケース11からなる加硫成形体の前記内ケース11の内周に、隔壁5及びダイアフラム4を組み込むことによって、隔壁5の環状段差部5b及び外周部5cと、ダイアフラム4の外周部42の上部に形成された溝42a及び切欠部42bとの間がオリフィスCとなる。このため、隔壁5を単純な板状の金属のプレス成形品として製作することができ、その結果、安価な製品を提供することができる。
以上のように構成された第一の形態による液体封入式マウントは、第一取付部材1におけるブラケット13が車体フレーム側に連結され、第二取付部材2がエンジン側ブラケットに連結されることによって、エンジンを含むパワーユニットを車体フレームに弾性的に支持するものである。また、重力加速度1Gでのパワーユニットの荷重による負荷が第一及び第二取付部材1,2間で弾性体3に与えられた状態では、第二取付部材2が図示の位置よりも相対的に下方にあって、その上面に形成された弾性ストッパ32が、第一取付部材1におけるカバー14の天板部14aから適当なクリアランスをもって離間している。そしてこの取付状態において、パワーユニットあるいは車両走行中の路面からの上下振動が入力されると、第一取付部材1と第二取付部材2が上下に反復的に相対変位され、両取付部材1,2間で弾性体3が反復変形される。
ここで、入力振動が、例えば車両走行中におけるバウンドのようなショック入力による大振幅の低周波振動である場合、第二取付部材2が第一取付部材1に対して相対的に下方変位される半周期では、第一取付部材1における内ケース11の上端フランジ部11aと、第二取付部材2のボス部材21との間で、弾性体3が圧縮されるのに伴って、主液室Aの容積が縮小されるので、オリフィスCを通じて主液室Aから副液室Bへ作動液が移動する。また、次の半周期、すなわちリバウンド過程では、主液室Aの容積が拡大過程に移行するので、オリフィスCを通じて副液室Bから主液室Aへ作動液が移動する。
そして、先に説明したように、オリフィスC内の作動液を慣性マスとし、主液室Aと副液室Bを形成する弾性体3及びダイアフラム4等によるバネ系とで構成される振動系の液柱共振周波数は、ショック入力による振動の周波数域に同調されているので、上述のようなオリフィスC内の作動液の反復移動が液柱共振により促され、作動液の粘性による高減衰を発生して、ショック入力に対する優れた緩衝性を得ると共に、これに起因する振動を短時間で収束する。
なお、第二取付部材2が第一取付部材1に対して相対的に上方変位されるリバウンド過程では、その過大な変位が、第二取付部材2の上面に設けられた弾性ストッパ32と第一取付部材1におけるカバー14の天板部14aとの当接によって制限されるので、弾性体3における引張応力の発生が防止される。
また、入力振動が、例えばエンジンの機関振動等に起因する継続的かつ小振幅の高周波振動である場合は、オリフィスC内の作動液の液柱慣性が大きくなって、このオリフィスC内での作動液の反復移動が起こらなくなるため、振動入力による第二取付部材2の上下反復変位に伴って、主液室Aの圧力が変化することになる。しかしながら、このような主液室Aの圧力変化は、弾性体3の拡張弾性、すなわち肉厚方向への微小反復変位によって吸収されるので、当該マウントの動ばね定数が比較的低く抑えられ、車体フレーム側への振動の伝達を有効に絶縁する。
次に図6は、本発明の第二の形態による液体封入式マウントを示す縦断面図、図7は、図6の液体封入式マウントにおける流路の簡略図である。
この液体封入式マウントは、第一取付部材1と、その上部内周に配置された第二取付部材2と、これら第一取付部材1と第二取付部材2の間に接合された弾性体3と、外周部42が第一取付部材1に密封的に固定されたダイアフラム4と、外周部51cが弾性体3とダイアフラム4の間で第一取付部材1の内周に密封的に固定され、弾性体3とダイアフラム4の間の液封空間を弾性体3側(上側)の主液室Aとダイアフラム4側(下側)の副液室Bに分離する隔壁5とを備える。
第一取付部材1は、円筒状の金属製の内ケース11と、その外周に圧入嵌着された円筒状の金属製の外ケース12と、この外ケース12の上方に一体的に固定されて弾性体3を取り囲むように延びる金属製のカバー14からなり、外ケース12に張り出し形成された取付部12bが不図示のボルトにより例えば車体フレーム側に連結される。一方、第二取付部材2は、金属製のボス部材21からなり、その上部中央に形成された雌螺子穴21aに螺合される不図示のボルトを介して、例えばエンジン側ブラケットに緊結される。
弾性体3はゴム状弾性材料からなるものであって、第二取付部材2におけるボス部材21の略円錐状をなす下部外周から、第一取付部材1における内ケース11の上部に、内周側へ屈曲されて上方へ向けて開いたテーパ状をなす内向きフランジ部11dへ向けて延びる略円錐台状をなしている。そしてこの弾性体3は、エンジン等の荷重を弾性的に支持する主体であるため、その肉厚が十分に大きく、かつ上下変形を受けた時の歪が内周側と外周側でほぼ均一になるように、内周ほど厚肉に形成されている。また、弾性体3には、その下部内周から内ケース11の内向きフランジ部11dの内側にゴム状弾性材料が廻り込んだオリフィス形成部33及びその下側へ延びる弾性膜31と、上部外周から延びてボス部材21の上面に被着された弾性ストッパ32が連続して形成されている。
第一取付部材1における内ケース11と、第二取付部材2におけるボス部材21と、弾性体3は、一体の加硫成形体をなしている。すなわちこの加硫成形体は、所定のゴム加硫成形用金型(不図示)内に、内ケース11とボス部材21を位置決めセットして型締めし、前記金型によってこれら内ケース11とボス部材21との間に画成された成形用キャビティ内に、未加硫ゴム材料を充填し、加熱・加圧することによって、弾性体3の加硫成形と、内ケース11及びボス部材21への弾性体3の加硫接着を同時に行ったものである。
第一取付部材1における内ケース11の下端部には内周側へ屈曲したカシメ部11bが形成されており、ダイアフラム4及び隔壁5が、内ケース11の内周に挿入されると共に、前記カシメ部11bによって抜け止め固定されている。
ダイアフラム4は、ゴム状弾性材料からなるものであって、弾性体3に比較して十分に薄肉であると共に蛇行した断面形状に形成された膜状本体部41と、第一取付部材1における内ケース11の下部内周面の弾性膜31に密接された外周部42からなる。また、この外周部42には金属製の補強環43が埋設されており、その下面外周が内ケース11のカシメ部11bによってカシメ固定されている。
隔壁5は、金属板をプレス成形して製作した円盤状の隔壁本体51と、その内周に一体的に設けられたゴム状弾性材料からなるサブダイアフラム52とを有する。
隔壁本体51は、円板部51aと、その内周に開設された円筒状の開口部51bを有し、円板部51aの外周近傍が、内ケース11の内向きフランジ部11dが埋設されたゴム状弾性材料からなるオリフィス形成部33と、ダイアフラム4の外周部42との間に密接状態に挟持されている。
サブダイアフラム52は、隔壁本体51の開口部51bの内周を塞ぐように封着されている。このサブダイアフラム52は、所定のゴム加硫成形用金型(不図示)内に、隔壁本体51を位置決めセットして型締めし、前記金型によって隔壁本体51の開口部51bの内周に画成された成形用キャビティ内に、未加硫ゴム材料を充填し、加熱・加圧することによって、加硫成形と同時に開口部51bに加硫接着したものである。
弾性体3から連続して第一取付部材1における内ケース11の内向きフランジ部11dの内側に形成されたオリフィス形成部33には、円周方向に有端の略C字形をなすように延びる溝33aが形成されており、この溝33aは、その下側を塞ぐように存在する隔壁5の隔壁本体51によって、第一オリフィスC1をなしている。すなわちこの第一オリフィスC1は、円周方向有端であって、略C字をなすように延び、その一端が、オリフィス形成部33に内向きフランジ部11dを貫通して形成された切欠部33bを介して主液室Aに開放されている。
ダイアフラム4の外周部42には、その外周に沿って延びる円周方向有端の溝42aが形成されており、この溝42aは、隔壁本体51の外周部51cと、その外周側に存在する第一取付部材1の内ケース11(弾性膜31)によって、第二オリフィスC2をなしている。すなわちこの第二オリフィスC2は、円周方向有端であって、略C字をなすように延び、その一端が、ダイアフラム4の外周部42における円筒部の円周方向一箇所に形成された切欠部42bを介して副液室Bに開放されている。
第一オリフィスC1と第二オリフィスC2は、隔壁5(隔壁本体51)の外周部51cに開設された打ち出し孔51dを介して、円周方向一部において互いに直列に接続されている。したがって、主液室Aと副液室Bは、図7に簡略化して示されるように、オリフィス形成部33の切欠部33b、第一オリフィスC1、隔壁5の打ち出し孔51d、第二オリフィスC2及びダイアフラム4の外周部42の切欠部42bからなる連続した流路を介して互いに連通している。また、第一オリフィスC1及び第二オリフィスC2からなる流路内に存在する作動液の液柱慣性と、弾性体3及びダイアフラム4等のバネ定数で決まる共振周波数が、例えばショック入力による振動の周波数域に設定されている。
主液室A、副液室B、第一オリフィスC1及び第二オリフィスC2からなる液封空間には、例えばシリコーンオイル等、適当な粘性を有する非圧縮性の作動液が充填されている。この作動液は、弾性体3、第二取付部材2及び内ケース11からなる加硫成形体の前記内ケース11の内周に、サブダイアフラム52を一体に有する隔壁本体51と、ダイアフラム4を、液槽に貯留した前記シリコーンオイル等の液体中で組み込んでカシメ固定することによって、前記液体の一部が閉じ込められたものである。
また、上述のようにして、シリコーンオイル等の液体中で、内ケース11の内周に隔壁5及びダイアフラム4を組み込むことによって、隔壁本体51の外周部51cの両側に第一及び第二オリフィスC1,C2が形成される。このため、隔壁本体51を単純な板状の金属のプレス成形品として製作することができ、その結果、第一及び第二オリフィスC1,C2からなる長く複雑なオリフィス流路を有するものであるにも拘らず、安価な製品を提供することができる。
以上のように構成された第二の形態による液体封入式マウントは、第一取付部材1における外ケース12が車体フレーム側に連結され、第二取付部材2がエンジン側ブラケットに連結されることによって、エンジンを含むパワーユニットを車体フレームに弾性的に支持するものである。また、重力加速度1Gでのパワーユニットの荷重による負荷が第一及び第二取付部材1,2間で弾性体3に与えられた状態では、第二取付部材2が図示の位置よりも相対的に下方にあって、その上面に形成された弾性ストッパ32が、第一取付部材1におけるカバー14の天板部14aから適当なクリアランスをもって離間している。そしてこの取付状態において、パワーユニットあるいは車両走行中の路面からの上下振動が入力されると、第一取付部材1と第二取付部材2が上下に反復的に相対変位され、両取付部材1,2間で弾性体3が反復変形される。
ここで、入力振動が、例えば車両走行中におけるバウンドのようなショック入力による大振幅の低周波振動である場合、第二取付部材2が第一取付部材1に対して相対的に下方変位される半周期では、第一取付部材1における内ケース11の上端フランジ部11aと、第二取付部材2のボス部材21との間で、弾性体3が圧縮されるのに伴って、主液室Aの容積が縮小されるので、打ち出し孔51dを介して互いに直列に接続された第一オリフィスC1及び第二オリフィスC2を通じて主液室Aから副液室Bへ作動液が移動する。また、次の半周期、すなわちリバウンド過程では、主液室Aの容積が拡大過程に移行するので、第二オリフィスC2及び第一オリフィスC1を通じて副液室Bから主液室Aへ作動液が移動する。
そして、第一及びオリフィスC1,C2が直列に接続された流路内の作動液を慣性マスとし、主液室Aと副液室Bを形成する弾性体3及びダイアフラム4等によるバネ系とで構成される振動系の液柱共振周波数は、ショック入力による振動の周波数域に同調されているので、上述のような作動液の反復移動が液柱共振により促され、作動液の粘性による高減衰を発生して、ショック入力に対する優れた緩衝性を得ると共に、これに起因する振動を短時間で収束する。また、このような液柱共振によって、主液室Aの圧力変化が吸収されるので、サブダイアフラム52には過大な負荷が作用しない。
なお、第二取付部材2が第一取付部材1に対して相対的に上方変位されるリバウンド過程では、その過大な変位が、第二取付部材2の上面に設けられた弾性ストッパ32と第一取付部材1におけるカバー14の天板部14aとの当接によって制限されるので、弾性体3における引張応力の発生が防止される。
また、入力振動が、例えばエンジンの機関振動等に起因する継続的かつ小振幅の高周波振動である場合は、第一及び第二オリフィスC1,C2からなる流路内の作動液の液柱慣性が大きくなって、この流路内での作動液の反復移動が起こらなくなるため、振動入力による第二取付部材2の上下反復変位に伴って、主液室Aの圧力が変化することになる。しかしながら、このような主液室Aの圧力変化は、サブダイアフラム52が上下に反復変位することによって吸収されるので、当該マウントの動ばね定数が低く抑えられ、車体フレーム側への振動の伝達を有効に絶縁する。
図8及び図9は、第二の形態における第一及び第二オリフィスC1,C2の接続変更例を示す簡略図である。すなわち、図6に示される第二の形態によれば、組立の際に、オリフィス形成部33の切欠部33bと、ダイアフラム外周部42の切欠部42aと、隔壁本体51の打ち出し孔51dとの円周方向の位置関係を変更することによって、第一及び第二オリフィスC1,C2を直列に接続した流路全体の長さを、図8のように変更することができる。このため、第一及び第二オリフィスC1,C2からなる流路内の液柱の共振周波数や、減衰力等を、機種の特性に合わせて自在に設定することができる。
また、隔壁本体51の打ち出し孔51dを2箇所に開設し、図9のように、第一及び第二オリフィスC1,C2の両端間をこの打ち出し孔51d,51dで連通させれば、第一及び第二オリフィスC1,C2は主液室Aと副液室B間で互いに並列に接続された関係とすることができる。この場合、第一及び第二オリフィスC1,C2からなる流路内の液柱の共振周波数や、減衰力等を、機種の特性に合わせて自在に設定することができる。主液室Aと副液室B間の流路長さは第一オリフィスC1あるいは第二オリフィスC2の長さとなるため、液柱共振周波数を低下させずに減衰力を増大することができる。また、第一オリフィスC1と第二オリフィスC2の長さを異なるものとすることによって、複数の共振周波数を設定し、広い周波数域での防振を図ることもできる。
次に、図10は、本発明の第三の形態による液体封入式マウントを示す縦断面図、図11は、図10におけるXI−XI断面図、図12は、図10におけるXII−XII断面図、図13は、図10の液体封入式マウントに用いられる隔壁本体を示す断面斜視図、図14は、図10の液体封入式マウントにおける流路の簡略図である。
この液体封入式マウントは、先に説明した第二の形態と同様、第一取付部材1と、その上部内周に配置された第二取付部材2と、これら第一取付部材1と第二取付部材2の間に接合された弾性体3と、外周部42が第一取付部材1に密封的に固定されたダイアフラム4と、外周部51cが弾性体3とダイアフラム4の間で第一取付部材1の内周に密封的に固定され、弾性体3とダイアフラム4の間の液封空間を弾性体3側(上側)の主液室Aとダイアフラム4側(下側)の副液室Bに分離する隔壁5とを備える。
第一取付部材1は、円筒状の金属製の内ケース11と、その下側にカシメ固定された深皿状の金属製の外ケース12と、この外ケース12の上方に内ケース11と共にカシメ固定されて弾性体3を取り囲むように延びる金属製のカバー14からなり、不図示のブラケットを介して例えば車体フレーム側に連結される。一方、第二取付部材2は、金属板のプレス成形品からなる皿状プレート22と、その上に一体的に接合された結合部材23からなり、この結合部材23の中央に突出形成された雌螺子穴23aに螺合される不図示のボルトを介して、例えばエンジン側ブラケットに緊結される。
弾性体3はゴム状弾性材料からなるものであって、第二取付部材2における皿状プレート22の略円錐状をなす下部外周から、第一取付部材1における内ケース11に、内周側へ屈曲されて上方へ向けて開いたテーパ状をなす内向きフランジ部11dへ向けて延びている。また、第一取付部材1と第二取付部材2は、互いに偏心して配置されており、したがって両者間を連結している弾性体3も、その上部と下部とで互いに偏心した円錐台状をなしている。
そしてこの弾性体3は、エンジン等の荷重を弾性的に支持する主体であるため、その肉厚が十分に大きく、かつ上下変形を受けた時の歪が内周側と外周側でほぼ均一になるように、内周ほど厚肉に形成されている。また、弾性体3には、その下部内周から内ケース11の内向きフランジ部11dの内側に廻り込んだオリフィス形成部33と、上部外周から延びて第二取付部材2における結合部材23の上面に被着された弾性ストッパ32が連続して形成されている。
第一取付部材1における内ケース11と、第二取付部材2(皿状プレート22及び結合部材23)と、弾性体3は、一体の加硫成形体をなしている。すなわちこの加硫成形体は、所定のゴム加硫成形用金型(不図示)内に、内ケース11と第二取付部材2を位置決めセットして型締めし、前記金型によってこれら内ケース11と第二取付部材2の皿状プレート22との間に画成された成形用キャビティ内に、未加硫ゴム材料を充填し、加熱・加圧することによって、弾性体3の加硫成形と、内ケース11及び第二取付部材2への弾性体3の加硫接着を同時に行ったものである。
第一取付部材1における内ケース11の下端部には外周側へ屈曲した鍔部11eが形成されており、外ケース12の外周部にはカシメ筒部12cが形成されており、カバー部材14の下端には外周側へ屈曲した鍔部14bが形成されている。そして内ケース11の下端鍔部11e、カバー部材14の下端鍔部14b、隔壁5の外周部51c及びダイアフラム4の外周部42が、外ケース12のカシメ筒部12cの内周に、互いに密接重合された状態でカシメ固定されている。
ダイアフラム4は、ゴム状弾性材料からなるものであって、弾性体3に比較して十分に薄肉であると共に蛇行した断面形状に形成された膜状本体部41と、その外周の厚肉の外周部42からなる。この外周部42は、第一取付部材1の外ケース12におけるカシメ筒部12cの下側の円板部12dと、隔壁5における後述のシール体53の外周部との間に密接状態に挟持されている。なお、ダイアフラム4の下側を包囲するように存在する第一取付部材1の外ケース12の底部には、ダイアフラム4の膜状本体部41の円滑な可撓変形・変位を許容するための複数の通気孔12aが開設されている。
隔壁5は、金属板をプレス成形して製作した円盤状の隔壁本体51と、その内周に一体的に設けられたゴム状弾性材料からなるサブダイアフラム52と、このサブダイアフラム52から連続したゴム状弾性材料からなるシール体53とを有する。サブダイアフラム52及びシール体53は、所定のゴム加硫成形用金型(不図示)内に、隔壁本体51を位置決めセットして型締めし、前記金型によって隔壁本体51の周囲に画成された成形用キャビティ内に、未加硫ゴム材料を充填し、加熱・加圧することによって、加硫成形と同時に隔壁本体51に加硫接着したものである。
隔壁本体51は、図13の断面斜視図にも示されるように、円板部51aと、その内周に開設された円筒状の開口部51bを有し、外周部51cが下方へ向けて屈曲した円筒状に形成されており、円板部51aには、円周方向所定間隔で複数の打ち出し孔51dが開設されている。各打ち出し孔51dは、円板部51aを舌片状に打ち抜いて下側へ屈曲することにより形成したものであって、打ち出された各舌片部51eは、各打ち出し孔51dの内周側に、円周方向に並んで形成されている。
サブダイアフラム52は、隔壁本体51の開口部51bの内周を塞ぐように封着され、このサブダイアフラム52から連続したシール体53は、隔壁本体51の円板部51a、外周部51c及び各舌片部51eを覆うように形成されている。そして、隔壁本体51の円板部51aを覆う部分のうち、隔壁本体51の各打ち出し孔51dと対応する部分は連通孔53aとなっており、各打ち出し孔51dの間の部分は、切欠部53bとなっている。
弾性体3から連続して第一取付部材1における内ケース11の内向きフランジ部11dの内側に形成されたオリフィス形成部33には、図11に示されるように、それぞれリブ33dによって円周方向へ断続した溝33cが形成されており、これらの溝33cは、その下側を塞ぐように存在する隔壁5のシール体53によって、それぞれ第一オリフィスC1をなしている。そして各第一オリフィスC1は、その一方において、オリフィス形成部33に内ケース11の内向きフランジ部11dを貫通して形成された切欠部33eを介して主液室Aに開放され、他方において、隔壁5の連通孔53aに連通している。
また、隔壁5におけるシール体53のうち、隔壁本体51の外周部51cを覆う外周シール部53cと、隔壁本体51の各舌片部51eを覆う内周シール部53dとの間は、それぞれリブ53fによって円周方向へ断続した溝53eとなっており、これらの溝53eは、その下側を塞ぐように存在するダイアフラム4の外周部42によって、それぞれ第二オリフィスC2をなしている。そして各第二オリフィスC2は、図12に示されるように、一方において連通孔53aに連通し、他方において切欠部53bを介して副液室Bに連通している。
したがって、主液室Aと副液室B間には、図14に示されるように、切欠部33e、第一オリフィスC1、連通孔53a、第二オリフィスC2及び切欠部53bからなる複数の流路が互いに並列に形成されている。また、各流路内に存在する作動液の液柱慣性と、弾性体3及びダイアフラム4等のバネ定数で決まる共振周波数が、例えばショック入力による振動の周波数域に設定される。
主液室A、副液室B、及び両室A,B間を連通する複数の流路からなる液封空間には、例えばシリコーンオイル等、適当な粘性を有する非圧縮性の作動液が充填されている。この作動液は、弾性体3、第二取付部材2及び内ケース11からなる加硫成形体の内ケース11、隔壁5、ダイアフラム4、カバー部材14、及び外ケース12を、液槽に貯留した前記シリコーンオイル等の液体中で組み込んでカシメ固定することによって、前記液体の一部が閉じ込められたものである。
また、上述の組立過程で、内ケース11の内向きフランジ部11dの内側に形成されたオリフィス形成部33と、隔壁5及びダイアフラム4を互いに重合させることによって、隔壁5の外周部の両側に第一及び第二オリフィスC1,C2が形成される。このため、隔壁本体51を単純な板状の金属のプレス成形品として製作することができ、その結果、互いに並列の複数のオリフィス流路を有するものであるにも拘らず、安価な製品を提供することができる。
以上のように構成された第三の形態による液体封入式マウントは、第一取付部材1が車体フレーム側に連結され、第二取付部材2がエンジン側ブラケットに連結されることによって、エンジンを含むパワーユニットを車体フレームに弾性的に支持するものである。また、重力加速度1Gでのパワーユニットの荷重による負荷が第一及び第二取付部材1,2間で弾性体3に与えられた状態では、第二取付部材2が図示の位置よりも相対的に下方にあって、その上面に形成された弾性ストッパ32が、第一取付部材1におけるカバー14の天板部14aから適当なクリアランスをもって離間している。そしてこの取付状態において、パワーユニットあるいは車両走行中の路面からの上下振動が入力されると、第一取付部材1と第二取付部材2が上下に反復的に相対変位され、両取付部材1,2間で弾性体3が反復変形される。
ここで、入力振動が、例えば車両走行中におけるバウンドのようなショック入力による大振幅の低周波振動である場合、第二取付部材2が第一取付部材1に対して相対的に下方変位される半周期では、第一取付部材1における内ケース11の上端フランジ部11aと、第二取付部材2の皿状プレート22との間で、弾性体3が圧縮されるのに伴って、主液室Aの容積が縮小されるので、それぞれ連通孔53aを介して互いに連続した第一オリフィスC1及び第二オリフィスC2からなる複数の流路を通じて、主液室Aから副液室Bへ作動液が移動する。また、次の半周期、すなわちリバウンド過程では、主液室Aの容積が拡大過程に移行するので、前記複数の流路を通じて副液室Bから主液室Aへ作動液が移動する。
そして、各流路内の作動液を慣性マスとし、主液室Aと副液室Bを形成する弾性体3及びダイアフラム4等をバネとする振動系の液柱共振周波数は、ショック入力による振動の周波数域に同調されているので、上述のような作動液の反復移動が液柱共振により促され、各流路内で作動液の粘性による減衰を発生するので、ショック入力に対する優れた緩衝性を得ると共に、これに起因する振動を短時間で収束する。また、このような液柱共振によって、主液室Aの圧力変化が吸収されるので、サブダイアフラム52には過大な負荷が作用しない。
なお、第二取付部材2が第一取付部材1に対して相対的に上方変位されるリバウンド過程では、その過大な変位が、第二取付部材2の上面に設けられた弾性ストッパ32と第一取付部材1におけるカバー14の天板部14aとの当接によって制限されるので、弾性体3における引張応力の発生が防止される。
また、入力振動が、例えばエンジンの機関振動等に起因する継続的かつ小振幅の高周波振動である場合は、各流路内の作動液の液柱慣性が大きくなって、この流路内での作動液の反復移動が起こらなくなるため、振動入力による第二取付部材2の上下反復変位に伴って、主液室Aの圧力が変化することになる。しかしながら、このような主液室Aの圧力変化は、サブダイアフラム52が上下に反復変位することによって吸収されるので、当該マウントの動ばね定数が低く抑えられ、車体フレーム側への振動の伝達を有効に絶縁する。
また、この第三の形態においても、組立の際に、オリフィス形成部33の切欠部33eと、隔壁5におけるシール体53の連通孔53a及び切欠部53bとの円周方向の位置関係を変更することによって、各流路における主液室A側の開口である切欠部33eと、副液室B側の開口である切欠部53bとの間の流路長さを変更することができる。このため、第一及び第二オリフィスC1,C2からなる流路内の液柱の共振周波数を、機種の特性に合わせて自在に設定することができる。
また、各第一オリフィスC1(各溝33c)の長さや、各第二オリフィスC2(各溝53e)の長さは、それぞれ互いに異なるものとすれば、これによって構成される各流路の長さが互いに異なるものとなるので、複数の共振周波数を設定することができ、したがって、広い周波数域での防振を図ることができる。
本発明の第一の形態による液体封入式マウントを示す縦断面図である。 図1における隔壁及びダイアフラムを示す縦断面図である。 図1における隔壁を図2におけるIII方向から見た矢視図である。 図1におけるダイアフラムを図2におけるIII方向から見た矢視図である。 図4におけるV−V断面図である。 本発明の第二の形態による液体封入式マウントを示す縦断面図である。 図6の液体封入式マウントにおける流路の簡略図である。 図6の液体封入式マウントにおける流路の変更例を示す簡略図である。 図6の液体封入式マウントにおける流路の変更例を示す簡略図である。 本発明の第三の形態による液体封入式マウントを示す縦断面図である。 図10におけるXI−XI断面図である。 図10におけるXII−XII断面図である。 図10の液体封入式マウントに用いられる隔壁本体を示す断面斜視図である。 図10の液体封入式マウントにおける流路の簡略図である。
符号の説明
1 第一取付部材
11 内ケース
12 外ケース
13 ブラケット
14 カバー
2 第二取付部材
21 ボス部材
22 皿状プレート
23 結合部材
3 弾性体
31 弾性膜
32 弾性ストッパ
33 オリフィス形成部
4 ダイアフラム
41 膜状本体部
42,5c,51c 外周部
43 補強環
5 隔壁
5d 開口部
51 隔壁本体
51d 打ち出し孔
52 サブダイアフラム
53 シール体
53a 連通孔
A 主液室
B 副液室
C オリフィス
C1 第一オリフィス
C2 第二オリフィス

Claims (4)

  1. 環状又は筒状の第一取付部材(1)と、その内周に配置された第二取付部材(2)と、前記第一取付部材(1)と第二取付部材(2)の間に接合された弾性体(3)と、外周部(42)が前記第一取付部材(1)に密封的に固定されたダイアフラム(4)と、外周部(5c)が前記弾性体(3)とダイアフラム(4)の間で前記第一取付部材(1)の内周に密封的に固定され前記弾性体(3)側の主液室(A)と前記ダイアフラム(4)側の副液室(B)を画成する隔壁(5)とを備え、前記ダイアフラム(4)の外周部(42)と前記隔壁(5)の外周部(5c)との間に、一端が前記隔壁(5)に開設された開口部(5d)を介して前記主液室(A)に開放され他端が前記副液室(B)に開放されたオリフィス(C)が形成されたことを特徴とする液体封入式マウント。
  2. 環状又は筒状の第一取付部材(1)と、その内周に配置された第二取付部材(2)と、前記第一取付部材(1)と第二取付部材(2)の間に接合された弾性体(3)と、外周部(42)が前記第一取付部材(1)に密封的に固定されたダイアフラム(4)と、外周部(51c)が前記弾性体(3)とダイアフラム(4)の間で前記第一取付部材(1)の内周に密封的に固定され前記弾性体(3)側の主液室(A)と前記ダイアフラム(4)側の副液室(B)を画成する隔壁(5)とを備え、前記弾性体(3)の外周部と前記隔壁(5)の外周部(51c)との間に、一端が前記主液室(A)に開放された第一オリフィス(C1)が形成され、前記ダイアフラム(4)の外周部(42)と前記隔壁(5)の外周部(51c)との間に、一端が前記副液室(B)に開放された第二オリフィス(C2)が形成され、前記第一オリフィス(C1)と前記第二オリフィス(C2)が、前記隔壁(5)に開設された孔(51d,53a)を介して互いに連通されたことを特徴とする液体封入式マウント。
  3. 第一オリフィス(C1)の両端と、第二オリフィス(C2)の両端が、それぞれ隔壁(5)に開設された孔(51d)を介して互いに連通されることにより、第一オリフィス(C1)と第二オリフィス(C2)が互いに並列であることを特徴とする請求項2に記載の液体封入式マウント。
  4. 第一オリフィス(C1)及び第二オリフィス(C2)が円周方向複数形成され、各第一オリフィス(C1)と各第二オリフィス(C2)が、それぞれ隔壁(5)に開設された孔(53a)を介して互いに連通されることにより、互いに並列の複数の流路をなすことを特徴とする請求項2に記載の液体封入式マウント。
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