JP2005220971A - マイクロバルブ - Google Patents

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洋之 金子
Masaaki Kubo
賢明 久保
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Abstract

【課題】静電引力を用いたマイクロバルブの流量を増加させる。
【解決手段】
所定の圧力で送り込まれる流体の流路と連通する1又は2以上の流体導入孔を有する第1支持層100と、第1支持層100と対向してギャップ室を形成するとともに、第1支持層100よりも下流側で流路と連通し、流体を噴出する1又は2以上の流体噴出孔121、122を有する第2支持層120と、第1支持層100と第2支持層120との間に設けられ、少なくとも一部の領域が第1支持層100と第2支持層120と間に形成されたギャップ室内130を流路に沿って往復移動可能であるとともに、当該移動可能な領域に1又は2以上の開口部113が設けられた可動層110と、可動層110と第1支持層100とに所定の電圧を所定のタイミングで印加する印加手段150とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、静電引力を利用したマイクロバルブに関する。
この種のマイクロバルブとしては、支持層、中間層、被覆層の3層からなり、支持層および被覆層の間に介在する中間層が、閉鎖部材、ダイヤフラム、および被覆層に当接する突起を備えたシート部材を有するものがある(特許文献1参照)。ダイヤフラムおよび支持層に電圧が印加されていない状態では、流体の圧力により、突起が被膜層の表面に突き当たりノーマリークローズ状態を保つ。他方、ダイヤフラムと支持層間に電圧が印加されると、静電引力によりダイヤフラムが僅かに支持層側に変位する。この静電引力によるダイヤフラムの変位に伴い、シート部材の突起が被膜層から離れ、隙間が形成され、この隙間を通過した流体が噴出される。この種のマイクロバルブによれば、生じさせた静電引力によりダイヤフラムを変位させ、ダイヤフラムの変位量に応じた幅の流路を形成することにより、流体の噴出量を制御することができる。
しかしながら、従来のマイクロバルブにおいて、開弁時に流体が通過できる流路の幅(断面積)は、静電引力によるダイヤフラムの変位量を越えることができないため、開弁時に流体が通過できる流路の断面積が微小となってしまい、必要な流量を確保することができず、装置全体の圧力損失が大きくなってしまうという不都合があった。
言い換えると、従来のマイクロバルブにおいて、開弁時に流体が通過できる流路の幅を大きくするためには、非常に大きな電圧が必要となる。つまり、一般に平行平板に発生する静電引力は、電極間距離の2乗に反比例して弱くなるが、開弁時に流体が通過できる流路の幅を大きくとろうとすると、静電ギャップを同じ程度に広く取らざるをえず、結果としてダイヤフラムに印加する電圧を大きくしなければならないという問題があった。しかも、印可可能な最大電圧は、対向する電極間に挟まれる物質に依存し、例えば一般的なシリコン酸化膜の場合では10MV/cm程度に制限されている。
このように、従来のマイクロバルブでは、開弁時に流体が通過できる断面積は上述の理由で非常に狭く、確保できる流量はきわめて僅かな量となってしまうことから、必要流量を確保することが困難であった。特に、限られた燃料圧力で必要な流量を確保する要請のある燃料供給用のインジェクタ等に適用することが困難であった。
特開平7−229579号公報
本発明は、静電引力を利用したマイクロバルブであって、従来よりも大きな流量を確保できるマイクロバルブを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、所定の圧力で送り込まれる流体の流路と連通する1又は2以上の流体導入孔が設けられた第1支持層と、第1支持層と対向してギャップ室を形成するとともに、第1支持層よりも下流側で前記流路と連通し、前記流体を噴出する1又は2以上の流体噴出孔が設けられた第2支持層と、第1支持層と第2支持層の間に設けられ、少なくとも一部の領域が第1支持層と第2支持層と間に形成されたギャップ室内を流路に沿って往復移動可能であるとともに、当該移動可能な領域に1又は2以上の開口部が設けられた可動層と、この可動層および第1支持層に所定の電圧を所定のタイミングで印加する印加手段とを有するマイクロバルブが提供される。
本発明によれば、従来よりも大きな流量を確保しながら、噴出孔の開弁、閉弁を切り替えるマイクロバルブを提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態のマイクロバルブが適用される範囲は、流体の供給装置であれば特に限定されず、化学分析装置の試薬供給装置、プリンタのインク供給装置、燃料電池の燃料供給装置などに広く適用することができる。本実施形態のマイクロバルブは、車両の燃料供給システムのインジェクタ装置に装備される。
<第1実施形態>
第1実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。図1(a)は、本実施形態のマイクロバルブを圧力印加側、すなわち流体の導入口側からみた上面図である。図1(b)は、図1(a)に示したマイクロバルブのA−A断面の模式図である。図1(a)および図1(b)に示すように、本実施形態のマイクロバルブ10は、第1支持層100と、可動層110と、第2支持層120とを有し、流路下流側から第2支持層120、可動層110、第1支持層100の順番で積層されている。
第1支持層100は、流体が所定の圧力で送り込まれる流路と連通する1つの流体導入孔102と、4つの流体導入補助孔101とを有している。流体導入孔102および流体導入補助孔101は、第1支持層100を貫通し、送り込まれた流体を下流側へ通過させる。
第2支持層120は、第1支持層100と対向してギャップ室130を形成するとともに、第1支持層100よりも下流側で流路と連通する。第2支持層120は、この第2支持層120を貫通し、流体を外部へ噴出する2つの流体噴出孔121、122を有している。
図1(b)に示すように、第1支持層100と第2支持層120との間には、流体で満たされるギャップ室130が形成されている。本実施形態の第1支持層100には、可動層110との接面から所定の深さ(ギャップ1)の凹部が形成され、第2支持層120には、可動層110から所定の深さ(ギャップ2)の凹部が形成されている。つまり、第1支持層110と可動層110との間にはギャップ1(距離)に相当する空間が形成され、可動層110と第2支持層120との間にはギャップ2(距離)に相当する空間が形成されている。このギャップ1とギャップ2とを合わせたギャップ室130は、流体の流路として機能する。
本実施形態では、マイクロバルブ10に差圧が印加されておらず、電圧が印加されていない初期状態、言い換えると、連通する周囲流路、ギャップ室130、流体導入孔102、101、開口部113、流体噴出孔121、122の圧力が全て等しい状態において、可動層110と第1支持層100との距離であるギャップ1と、可動層110と第2支持層120との距離であるギャップ2は、ギャップ1<ギャップ2という関係を有する。
可動層110は、第1支持層100と第2支持層120との間に配置され、外縁近傍領域において、絶縁体140を介在させて、第1支持層100および第2支持層120とに固定されている。可動層110のうち固定された外縁近傍領域以外の領域は、ギャップ室130内を流路に沿って(矢印X方向に沿って)、往復移動が可能である。またこの往復移動が可能な領域には、可動層110を貫通する開口部113が設けられている。
図2(a)は本実施形態のマイクロバルブ10に係る第1支持層100を、図2(b)は可動層110を、図2(c)は第2支持層120を、それぞれ上面から見た、上面図である。
図2(a)に示すように、第1支持層100の中央付近には、第1支持層100を貫通して開口する流体導入孔102が設けられている。また、本実施形態では、流体導入孔102の周囲に、他の流体導入孔として機能する流体導入補助孔101が4つ設けられている。本実施形態の4つの流体導入補助孔101は、流路の中心に対して点対称の位置であって、流路の中心から等間隔に設けられている。これら流体導入補助孔101も、第1支持層100を貫通して流路から流体を受け入れる。本実施形態では、2つ以上の流体導入孔を有する例を説明したが、1つの流体導入孔102のみを設けてもよい。本実施形態のように、メインの流体導入孔102のほかに、流体導入補助孔101を設けたことにより、流体導入時(上流の主弁が開状態となった場合)に、可動層110に圧力が印加され第2支持層120の方向に可動層110を移動させることができる。また、この際流体の入り口となる開口部分が流体導入孔102の開口部分と流体導入補助孔101の開口部分とをあわせた部分となるため、流体の導入がスムーズとなり、圧力損失を低下させることができる。
図2(b)には、第1支持層100と第2支持層120の間に設けられる可動層110を示した。図2(b)に示すように、本実施形態の可動層110は、移動領域112と、固定領域111と、弾性部材114とを有している。移動領域111は、ギャップ室内を流路に沿って往復移動する。固定領域111は第1支持層100および第2支持層120に固定される。弾性部材114は往復移動する領域112と固定される領域111とを弾性をもって接合する。弾性部材114は、ギャップ室の側壁面に沿って設けられ、流体の圧力又は静電引力の作用により室内を流路に沿って移動した領域112を、元の位置(初期の位置)に戻すように作用する。具体的には、ドーナツ状の移動領域112の周囲に沿って設けられたバネ状の弾性部材114が、移動領域112を固定領域111に弾性をもって係止する。弾性部材114が連なる固定領域111は絶縁部材140(図1(b)参照)で電気的絶縁をとりながら、第1支持層100及び第2支持層120に固定された構造となっている。なお、本実施形態では、移動領域112と弾性部材114とは移動領域112の周囲4点(90度ごと)で係止され、弾性部材114と固定領域111とは移動領域112の周囲4点(90度ごと)で係止されている。係止箇所の数、位置は特に限定されず、移動領域112の移動可能範囲、流体から受ける圧力等に応じて適宜決定することが好ましい。
図2(c)に示すように、本実施形態の第2支持層120は、流体を噴出する1又は2以上の流体噴出孔121、122を有している。
次に、第1支持層100の流体導入孔101、102と、可動層110の開口部113と、第2支持層120の流体噴出孔121、122との位置関係について説明する。
本実施形態では、第1支持層100の中心部分に1つの流体導入孔102を設け、その周囲に4つの流体導入補助孔101を設けた。また、流体導入孔102は可動層110の開口部113に対向し、流体補助導入孔101は可動層110の開口部113以外の部分と対向するようにした。また、第2支持層120の流体噴出孔122は、可動層110の開口部113と対向する位置に設けられ、他の流体噴出孔121は、可動層110の開口部以外の部分と対向する位置に設けられている。
第1支持層100と可動層110と第2支持層120とを積層させたときに、流体導入孔102、開口部113、および流体噴出孔122の開口領域の少なくとも一部が重複するようにすることが好ましい。本実施形態では、流体導入孔102の中心と、開口部113の中心と、流体噴出孔122の中心とが、流路の略中心軸上に位置するようにした。流体導入孔102、開口部113、流体噴出孔122は重なり、可動層110の動きにかかわらず、常に開弁した状態が保たれる。一方、第2支持層120の他の流体噴出孔121は、可動層11の開口部以外の領域に対向する。このため、可動層110は、その動きに応じて、流体噴出孔121の開弁動作、又は閉弁動作を行う。
印加手段150は、可動層110と第1支持層100からそれぞれ導出された外部電極に接続され、可動層110と第1支持層100に所定のタイミングで、所定の電圧を印加する。ちなみに、可動層110と第1支持層100の材質は特に限定されないが、絶縁体以外のものであることが好ましい。
次に、図3(a)〜(c)を用い、マイクロバルブ10の動作を説明する。
<状態I:初期状態>
図2(a)および(a−1)は、初期状態のマイクロバルブ10を示す図である。つまり、マイクロバルブ10の全ての空間に差圧が生じておらず、かつ電圧が印加されていない状態である。なお、図3(a−1)は図3(a)の一部分(点線で囲んだ部分)を拡大した図である。
状態Iでは、可動層110に外部から加わる力は発生しておらず、可動層110は予め設定された所定のギャップをもって、第1支持層100と第2支持層120に対向している。本実施形態では、第1支持層100と可動層110のギャップ1(G1)と、第2支持層120と可動層110のギャップ2(G2)とが形成されている。ここではG1<G2の関係となるように、ギャップ室130が形成されている。このような状態Iは、流路上流に位置する別の主弁(図示せず)が閉じられた場合である。たとえば、インジェクタなどの燃料噴射装置に本実施形態のマイクロバルブ10を適用した場合では、ニードルバルブ等がこの図示しない主弁に相当する。このニードルバルブは、流路を介してマイクロバルブ10に所定の圧力で流体を送り込む。
<状態II:主弁開状態>
図3(b)は、主弁が開弁され、流体が導入された状態のマイクロバルブ10を示す図である。つまり、図3(b)は、マイクロバルブ10に電圧が印加されていない状態で、マイクロバルブ10の上流で流体の通過を制御する主弁を開弁した場合の状態を示す。上流の主弁が開かれると、流体の圧力がマイクロバルブ10にかかり、流体導入孔101と可動層110との対向面近傍(図3(a−1)で示すP1)の圧力が高まる。また可動層110のドーナツ状の移動領域112と第2支持層120との対向面近傍(図3(a−1)で示すP2)の圧力も高まる。圧力が印加されたP2部分の流体は、流体噴出孔121に流れる。この流体の動きに応じてP2部分の圧力は低下し、これに伴い可動層110のドーナツ状の移動領域112は、第2支持層120方向へ移動し、第2支持層120に押し付けられる。主弁開弁後の状態IIを図3(b)に示した。図3(b)に示すように、状態IIでは、可動層110は流体噴出孔121をほぼ完全に塞ぐ。このため、流体は流体噴出孔122のみを通って噴出する。
<状態III:電圧印加状態>
図3(c)は、可動層110と第1支持層100との間に電圧を印加させた状態を示す。可動層110と第1支持層100に電圧を印加すると、静電引力が働き、可動層110は第1支持層100側に引きつけられ、第1支持層100側に移動し、第1支持層100に密着する。可動層110は、第2支持層120から離れ、第1支持層100に接しているので、可動層110と第2支持層120との間には、充分なギャップが形成される。この広いギャップを通って、十分な量の流体が流体噴出孔121及び122の両方から外部に向けて噴出される。
印加する電圧の値は、流路の規模、ギャップ室130の態様、流体の流量、第1支持層100、可動層110、第2支持層120の位置関係に応じて適宜決定することができる。つまり、電圧を印加して可動層110を第1支持層100側へ移動させるため、可動層110の上面(第1支持層100側の面)に生じる圧力と、可動層110の下面(第2支持層120側の面)に生じる圧力との差圧を考慮して印加する電圧を決定することが好ましい。本実施形態では、可動層110が下方向(第2支持層120側の方向)へ移動させられる力に抗って、可動層110を上方向(第1支持層110側の方向)へ移動させる静電引力を可動層110に発生させるとの観点から、「可動層110の上面(第1支持層100側の面)の面積×可動層110の上面にかかる圧力−可動層110の下面(第2支持層520側の面)の面積×可動層510の下面にかかる圧力 < 静電引力」を満たす静電引力を誘起する電圧を印加する。
また、電圧を印加するタイミングは、特に限定されないが、可動層110の移動にかかるエネルギー効率の観点から、流体の圧力が減じられた後(上流の主弁が閉じられた後)であって、弾性部材114の働きにより第2支持層120に押し付けられた移動領域112が初期状態(状態I)における位置まで復帰した後に電圧を印加することが好ましい。
電圧が印加された状態IIIでは、可動層110と第2支持層120との間に比較的広いギャップが形成され、このギャップを通して流体が流れるため、必要十分な量の流体を噴出することができる。つまり、初期状態(状態I)のマイクロバルブ10に電圧を印加する場合、初期状態の可動層110(図3(a)(b))をギャップ1(G1)分だけ移動させることができる電圧を印加することによりギャップ1+ギャップ2=Gに相当する流路を確保することができる。また、比較的広いギャップが形成されるとともに、別の流体噴出孔121が開かれるため、必要十分な量の流量を確保しつつ、圧力損失を抑制することができる。
このように、静電引力により移動させるダイヤフラム(可動層に相当)の距離と、流路のギャップ長とがほぼ等しくならざるを得なかった従来例と比較すると、本実施形態のマイクロバルブ10は、静電引力による可動層110の移動距離に制限されることなく、必要十分な量の流量を確保するためのギャップ室130を形成し、流体噴出孔121、122から必要十分な量の流体を噴出することができる。つまり、流路のギャップを、電圧印加により可動層110を移動させることができる範囲内である狭いギャップ長とする必要がなく、必要な流量を確保できる充分なギャップ長とすることが可能である。すなわち、状態Iの可動層110と第1支持層100とのギャップ1の距離だけ、可動層110を移動させることにより、第1支持層100から第2支持層120までの距離を有する広い流路を形成することができる。
本実施形態のマイクロバルブ10を通過する流体の圧力は上流に設けられたインジェクタなどの流体供給装置により制御されるため、マイクロバルブ10には所定の圧力で流体が送り込まれる。このため、状態III(図3(c))が永遠に続くことはなく、マイクロバルブ10は状態IIIから状態I又は状態IIへ遷移する。たとえば、上流の主弁が高い圧力で流体を送り込めば、マイクロバルブ10は状態IIをとり、電圧が印加されない状態で上流の主弁が閉じられれば、マイクロバルブ10は状態Iをとる。上流の主弁が閉じられ、電圧が印加されていない状態では、ギャップ室130を含む流路、流体導入孔、および流体噴出孔の圧力は均一となり、これらの圧力差はゼロとなる。状態II又は状態IIIであったマイクロバルブ10は、移動可能な可動層110の弾性部材114の作用により、初期状態Iに戻る。つまり、本実施形態のマイクロバルブ10は、所定のタイミングで状態Iをとることができるため、可動層110が状態Iとなったタイミングで、状態Iにおける可動層110と第1支持層100とのギャップ1の距離だけ可動層110を移動させる電圧を印加すれば、所望の噴出サイクルで状態IIIを実現することができる。言い換えると、小さい印加電圧によって、状態IIIに示されるような流路(ギャップ室130)を実現することができる。
また、本実施形態では、流体の圧力印加により状態IIを、電圧の印加により状態IIIを実現することができる。つまり、状態IIでは1の流体噴出孔122のみを機能させ、状態IIIでは2つの流体噴出孔121および122を機能させることができる。これにより、機能させる(流体を噴出させる)流体噴出孔の数、位置を切替ることができ、所望の噴射形状、噴出量とすることができる。
次に、第2実施形態から第5実施形態について説明する。第1実施形態と共通する部分については、重複した説明を省略する。
<第2実施形態>
図4および図5に基づいて、第2実施形態について説明する。図4(a)は、本実施形態のマイクロバルブを圧力印加側、すなわち流体の導入口側からみた上面図である。図4(b)は、図4(a)に示したマイクロバルブのB−B断面の模式図である。図4(a)および図4(b)に示すように、本実施形態のマイクロバルブ20は、第1支持層200と、可動層210と、第2支持層220とを有している。第2実施形態のマイクロバルブ20は、第1支持層210が流体導入補助孔(図2の101に対応)を有さない点、第1支持層210に設けられた流体導入孔202の開口面積が、可動層210に設けられた開口部230の開口面積よりも広い点を除き、第1実施形態のマイクロバルブ10と共通する。つまり、流体噴出機能において、第1支持層200は第1実施形態の第1支持層100に対応し、可動層210は第1実施形態の可動層110に対応し、第2支持層220は第1実施形態の第2支持層120に対応する。
図5(a)は本実施形態のマイクロバルブ20に係る第1支持層200を、図5(b)は可動層210を、図5(c)は第2支持層220を、それぞれ上面から見た図である。
図5(a)に示すように、第2実施形態の第1支持層210は、流体の導入開口部として、1つの流体導入孔202を有している。可動層210に設けられた開口部213は、流体導入孔202に対向する位置に設けられ、第1支持層200に設けられた流体導入孔202の開口面積が、可動層210に設けられた開口部213の開口面積よりも大きい。本実施形態では、流体導入孔202および開口部230を円形とし、その中心が略同軸上に位置するようにした(図4(a)(b)参照)。図4(a)(b)に示すように、流体の導入方向からマイクロバルブ20を見ると、流体導入孔202の内側に、可動層210開口部以外の領域Q及び開口部213が位置する。
本実施形態の電圧を印加していないマイクロバルブ20に所定の圧力で流体を送り込むと(第1実施形態の状態IIに対応)、まず流体導入孔202から導入された流体の圧力を可動層210の領域Qが流体の圧力を受け、可動層210の上面(流体導入側)の圧力が、可動層210の下面(流体噴出側)の圧力よりも高くなり、可動層210は、第2支持層220側に押し付けられる。第2支持層220に押し付けられた可動層210により、第2支持層220の流体噴出孔221は閉弁する。
第1支持層200と可動層210に電圧を印加すると、可動層210は第1支持層200側に引きつけられるため、可動層210と第2支持層220との間に比較的広いギャップ室230が形成され、2つの流体噴出孔221及び222が開弁されるため、必要量の流体を噴出することができる。
第2実施形態のマイクロバルブは、第1実施形態と同様に動作し、同様の効果を奏する。加えて、第1実施形態では第1支持層100に流体導入孔102及び流体導入補助孔101を設ける必要があったが、このような複雑な加工をせずに、同等の作用及び効果を奏することができる。
<第3実施形態>
第3実施形態を図6および図7に基づいて説明する。
図6(a)は、本実施形態のマイクロバルブ30を圧力印加側、すなわち流体の導入口側からみた上面図である。図6(b)は、図6(a)に示したマイクロバルブのC−C断面の模式図である。図6(a)および図6(b)に示すように、本実施形態のマイクロバルブ30は、第1支持層300と、可動層310と、第2支持層320とを有している。第3実施形態のマイクロバルブ30は、第1支持層300が流体導入補助孔101を有さない点、可動層310が中心から略等距離に円弧状の複数の開口部315を有する点、および第2支持層320が中心から略等距離に複数の流体噴出孔321、322を有している点を除き、第1実施形態のマイクロバルブ10と共通する。つまり、流体噴出機能において、第1支持層300は第1実施形態の第1支持層100に対応し、可動層310は第1実施形態の可動層110に対応し、第2支持層320は第1実施形態の第2支持層120に対応する。
図7(a)は本実施形態のマイクロバルブ30に係る第1支持層300を、図7(b)は可動層310を、図7(c)は第2支持層320を、それぞれ上面から見た図である。
図7(a)に示すように、第3実施形態の第1支持層310は、流体の導入開口部として、1つの流体導入孔302を有している。可動層310の中心部分に設けられた開口部313は流体導入孔302に対向する位置に設けられている。この第1支持層300に設けられた流体導入孔302の開口面積は、可動層310に設けられた開口部313の開口面積よりも大きい。
図7(b)に示すように、第3実施形態の可動層310は、流体導入孔302に対向する位置に設けられた第1開口部313と、第1開口部313の周囲に配置された複数の第2開口部315とを有している。本実施形態の第2開口部315は、第1開口部313の中心を円心とする略同心円上に複数配置されている。第2開口部315の数および位置は、特に限定されないが、本実施形態の第2開口部315は、第1開口部313を中心に90度づつ回転させた点対象位置に、相互の距離が等しくなるように配置されている。第1支持層300の流体導入孔との位置関係をみると、第1開口部313は第1支持層300の流体導入孔302と対向する位置に設けられ、第2開口部315は流体導入孔302以外の部分と対向する位置に設けられている。
図7(c)に示すように、第3実施形態の第2支持層320は、第2開口部315に対向する位置に設けられた1又は2以上の第1流体噴出孔321と、第1開口部313および第2開口部315以外の部分(開口していない部分)に対向する第2流体噴出孔322とを有する。第1流体噴出孔321と第2流体噴出孔322は、流体導入孔302の中心に対応する点Mを基準とした点対称位置に配置されている。第1流体噴出孔321a1と321a2とは点Mに対して点対称位置に2対(4つ)配置され、第2流体噴出孔322a1と322a2とは点Mに対して点対称位置に2対(4つ)配置され、合計8つの流体噴出孔が配置されている。
本実施形態の電圧を印加していないマイクロバルブ30に所定の圧力で流体を送り込むと(第1実施形態の状態IIに対応)、まず流体導入孔302から導入された流体の圧力を可動層310の開口部313、315以外の部分が流体の圧力を受け、可動層310の上面(流体導入側)の圧力が、可動層310の下面(流体噴出側)の圧力よりも高くなり、可動層310は、第2支持層320側に押し付けられる。第2支持層320に押し付けられた可動層310の第2開口部315の位置に応じて、第2支持層320の第1流体噴出孔321は開弁し、第2流体噴出孔322は閉弁する。
第1支持層300と可動層310に電圧を印加すると、可動層310は第1支持層300側に引きつけられるため、可動層310と第2支持層320との間に比較的広いギャップ室330が形成され、2つの流体噴出孔321及び322が開弁される。
第3実施形態のマイクロバルブは、第1実施形態と同様に動作し、同様の効果を奏する。加えて、第1支持層300と可動層310にかける電圧のオンオフにより、流体噴出孔321、322の一部を閉じることができる。流体噴出孔321、322が流路中心に対して点対称の位置に配置されているため、噴射角、噴射形状を余り変えずに、噴射量のみを変えることができる。つまり、噴射角や噴射形状を変更させることなく、噴射量をコントロールすることができる。
<第4実施形態>
第4実施形態を図8〜図9に基づいて説明する。
図8(a)は、本実施形態のマイクロバルブ40を圧力印加側、すなわち流体の導入口側からみた上面図である。図8(b)は、図8(a)に示したマイクロバルブのD−D断面の模式図である。図8(a)および図8(b)に示すように、本実施形態のマイクロバルブ40は、第1支持層400と、可動層410と、第2支持層420とを有している。第4実施形態のマイクロバルブ40は、第1支持層400が流体導入補助孔を有さない点、可動層410が第1可動領域415と第2可動領域416と開口部413とを有する点を除き、第1実施形態のマイクロバルブ10と共通する。つまり、流体噴出機能において、第1支持層400は第1実施形態の第1支持層100に対応し、可動層410は第1実施形態の可動層110に対応し、第2支持層420は第1実施形態の第2支持層120に対応する。
図9(a)は本実施形態のマイクロバルブ40に係る第1支持層400を、図9(b)は可動層410を、図9(c)は第2支持層420を、それぞれ上面から見た図である。
図9(a)に示すように、第4実施形態の第1支持層410は、流体の導入開口部として、1つの流体導入孔402を有している。
図9(b)に示すように、第4実施形態の可動層410は、第1支持層400と第2支持層420の間に形成されたギャップ室を流路に沿って往復移動可能な、第1可動領域415と第2可動領域416とを有している。第2可動領域416は、流体導入孔402と対向する位置に設けられている。第1可動領域415は第2可動領域416の外周に沿って設けられている。また、第2可動領域416の面積は流体導入孔402よりも小さい。外周側の第1可動領域415と中心側の第2可動領域416とは、ブリッジ417で連なり、第1可動領域415と第2可動領域416との間には開口部413が形成されている。ブリッジ417は、第2可動領域416の中心から放射状に配置され、第1可動領域415と第2可動領域416との間に複数の開口部413を形成する。開口部413は、第2可動領域416の中心に対して点対称の位置に配置されている。ブリッジ417、開口部413の数および位置は、特に限定されないが、本実施形態の開口部413は、第2可動領域416を中心に90度づつ回転させた点対象位置に、等間隔に配置されている。第1支持層400の流体導入孔との位置関係をみると、開口部413の一部の領域(第2可動領域側)は第1支持層400の流体導入孔402と対向し、開口部413の他の領域(第1可動領域側)は流体導入孔402以外の部分(非開口部分)と対向する。
図9(c)に示すように、第4実施形態の第2支持層420は、第2可動領域416に対向する位置に設けられた1又は2以上の流体噴出孔422と、開口部413に対向する第2流体噴出孔421とを有する。
図10に第4実施形態のマイクロバルブ40の動作を示した。図10(a)は、実施形態1において説明した状態Iのマイクロバルブ40の状態を示す。図10(b)は実施形態1において説明した状態IIのマイクロバルブ40の状態を示す。図10(c)は実施形態1において説明した状態IIIのマイクロバルブ40の状態を示す。
図10(a)に示すように、初期状態(状態I)では、第1可動領域415および第2可動領域416は、所定の位置にある。本実施形態の電圧を印加していないマイクロバルブ40に所定の圧力で流体を送り込むと(状態IIに対応)、まず流体導入孔402から導入された流体の圧力を可動層410の第2可動領域416が流体の圧力を受ける。すると、可動層410の上面(流体導入側)の圧力が、可動層410の下面(流体噴出側)の圧力よりも高くなり、可動層410は、第2支持層420側に押し付けられる(図10(b)参照)。図10(b)に示すように、第2支持層420に押し付けられた可動層410の第2可動領域416により、第2支持層420の流体噴出孔422は閉弁する。
第1支持層400と可動層410に電圧を印加すると、可動層410は第1支持層400側に引きつけられる。そうすると、図10(c)に示すように、可動層410と第2支持層420との間に比較的広いギャップ室430が形成され、2つの流体噴出孔421及び422が開弁される。
第4実施形態のマイクロバルブは、第1、第2実施形態と同様に動作し、同様の効果を奏する。また、本実施形態のマイクロバルブ40は、状態IIにおいて、中心近傍に設けられた噴出孔422が閉弁し、噴出孔422よりも円周側に設けられた噴出孔421が開弁する。これは、状態IIにおいて、中心近傍に設けられた噴出孔が開弁し、円周側に設けられた噴出孔が閉弁する実施形態1又は2と逆のパターンである。つまり、本実施形態のマイクロバルブ40によれば、実施形態1および2とは別の噴出パターンを実現することができる。これにより、エンジンのような燃焼器の要求仕様に対して、広く対応することができる。
<第5実施形態>
第5実施形態を図11および図12に基づいて説明する。
図11(a)は、本実施形態のマイクロバルブ50を圧力印加側、すなわち流体の導入口側からみた上面図である。図11(b)は、図11(a)に示したマイクロバルブのE−E断面の模式図である。図11(a)および図11(b)に示すように、本実施形態のマイクロバルブ50は、第1支持層500と、可動層510と、第2支持層520とを有している。第5実施形態のマイクロバルブ50は、可動層510が流体導入補助孔501に沿って第1支持層500に接する凸部515を有する点を除き、第1実施形態のマイクロバルブ10と共通する。つまり、流体噴出機能において、第1支持層500は第1実施形態の第1支持層100に対応し、可動層510は第1実施形態の可動層110に対応し、第2支持層520は第1実施形態の第2支持層120に対応する。
図12(a)は本実施形態のマイクロバルブ50に係る第1支持層500を、図12(b)は可動層510を、図12(c)は第2支持層520を、それぞれ上面から見た図である。
図12(a)に示すように、第5実施形態の第1支持層500は、流体の導入開口部として、1つの流体導入孔502と、流体導入孔502の周囲に設けられた流体導入補助孔501とを有している。
図12(b)に示すように、第5実施形態に係る可動層510は、対向する流体導入孔(流体導入補助孔)501の外延に沿って第1支持層500に接するように設けられた凸部515を有する。言い換えると、本実施形態の可動層502は、対向する第1支持層500に接して、第1支持層500と可動層510との間に閉空間517を形成する凸部515を有する。図12(b)に示すように、この凸部515は、流体導入孔(流体導入補助孔)501を囲むように設けられている。半径の小さい凸部515aは、流体導入補助孔501の内周側に沿って延在し、半径の大きい凸部515bは流体導入補助孔501の外周側に沿って延在する。この2本の凸部517が流体導入補助孔501の開口部分を囲う(図11(b)参照)。
本実施形態では、可動層510の上面(第1支持層500側の面)に、略同心円状の2本の凸部515(a)と515(b)とを設けた。2本の凸部515(a)と凸部515(b)は、同じ高さであり、凸部515の頂部面が重ねた第1支持層500と接する。可動層510と、第1支持層500と、2本の凸部515(a)および515(b)とは、閉空間517を形成する。第1支持層500の流体導入孔501は凸部515に囲まれ、閉空間517と連通している。この環状の凹部515aおよび515bと、第1支持層500とが接触したときに形成される空間517は、流体導入補助孔501と連通する。
図12(c)に示すように、本実施形態の第2支持層520は、流体を噴出する1又は2以上の流体噴出孔521、522を有している。
本実施形態の電圧を印加していないマイクロバルブ50に所定の圧力で流体を送り込むと(第1実施形態の状態IIに対応)、まず流体導入孔502から導入された流体は、流体導入孔502に連通する空間517を満たす。可動層510は流体の圧力を受ける。可動層510の上面(流体導入側)の圧力が可動層310の下面(流体噴出側)の圧力よりも高くなると、可動層310は第2支持層320側に押し付けられる。第2支持層520に押し付けられた可動層510は、第2開口部515の位置に応じて、第2支持層520の第1流体噴出孔521を開弁し、第2流体噴出孔522を閉弁する。
第1流体噴出孔521と第2流体噴出孔522の両方を開弁するために、第1支持層500と可動層510に電圧を印加する。第1支持層500と可動層510に電圧を印加すると、可動層510は第1支持層500側に引きつけられるため、可動層510と第2支持層520との間に比較的広いギャップ室530が形成され、2つの流体噴出孔521及び522が開弁される。
第1実施形態から第4実施形態において、電圧を印加して可動層110を第1支持層100側へ移動させるためには、可動層110の上面(第1支持層100側の面)に生じる圧力と、可動層110の下面(第2支持層120側の面)に生じる圧力との差圧を考慮して印加する電圧を決定する必要があった。具体的には、たとえば、可動層110の上面(第1支持層100側の面)の面積×可動層110の上面にかかる圧力−可動層110の下面(第2支持層120側の面)の面積×可動層110の下面にかかる圧力 < 静電引力」を満たす静電引力を誘起する電圧を算出し、算出された電圧を印加する必要があった。本実施形態では、流体導入補助孔501を囲うように凸部515を設けたことから、初期状態(状態I)、電圧印加状態(状態III)において、流体の圧力又は静電引力を受ける“可動層の上面の面積”を任意の大きさに設定することが可能であるため、設計の自由度を増加させることができる。つまり、上式で示す関係を満たす電圧を印加するために、各部の形状・大きさを設計する必要があり、設計要件によっては成立させることが困難な場合もあった。本実施形態では、このような場合において設計の自由度を増加させることができる。
なお、本実施形態では、二つの環状の凸部515を設ける例を示したが、凸部515の形状は特に限定されず、状態I、状態IIIにおいて流体導入補助孔501と連通した閉空間517を形成できる部材であればよい。
第5実施形態のマイクロバルブ50は、第1、第2実施形態と同様に動作し、同様の効果を奏する。加えて、設計自由度の高いマイクロバルブを提供することができる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
図1(a)は第1実施形態のマイクロバルブの上面図を示す図、図1(b)は図1(a)に示したマイクロバルブのA−A断面図である。 図2(a)は第1実施形態の第1支持層を示す図、図2(b)は第1実施形態の可動層を示す図、図2(c)は第1実施形態の第2支持層を示す図である。 図3(a)〜(c)は第1実施形態の動作を説明するための図である。 図4(a)は第2実施形態のマイクロバルブの上面図を示す図、図4(b)は図4(a)に示したマイクロバルブのB−B断面図である。 図5(a)は第2実施形態の第1支持層を示す図、図5(b)は第2実施形態の可動層を示す図、図5(c)は第2実施形態の第2支持層を示す図である。 図6(a)は第3実施形態のマイクロバルブの上面図を示す図、図6(b)は図6(a)に示したマイクロバルブのC−C断面図である。 図7(a)は第3実施形態の第1支持層を示す図、図7(b)は第3実施形態の可動層を示す図、図7(c)は第3実施形態の第2支持層を示す図である。 図8(a)は第4実施形態のマイクロバルブの上面図を示す図、図8(b)は図8(a)に示したマイクロバルブのD−D断面図である。 図9(a)は第4実施形態の第1支持層を示す図、図9(b)は第4実施形態の可動層を示す図、図9(c)は第4実施形態の第2支持層を示す図である。 図10(a)〜(c)は第4実施形態の動作を説明するための図である。 図11(a)は第5実施形態のマイクロバルブの上面図を示す図、図11(b)は図11(a)に示したマイクロバルブのE−E断面図である。 図12(a)は第5実施形態の第1支持層を示す図、図12(b)は第5実施形態の可動層を示す図、図12(c)は第5実施形態の第2支持層を示す図である。
符号の説明
10,20,30,40,50…マイクロバルブ
100,200,300,400,500…第1支持層
110,210,310,410,510…可動層
120,220,320,420,520…第2支持層
102,202,302,402,502…流体導入孔
101,501…流体導入補助孔
121,221,321,421,521…流体噴出孔
122,222,322,422,522…流体噴出孔

Claims (11)

  1. 所定の圧力で送り込まれる流体の流路と連通する1又は2以上の流体導入孔が設けられた第1支持層と、
    前記第1支持層と対向してギャップ室を形成するとともに、前記第1支持層よりも下流側で前記流路と連通し、前記流体を噴出する1又は2以上の流体噴出孔が設けられた第2支持層と、
    前記第1支持層と前記第2支持層の間に設けられ、少なくとも一部の領域が前記第1支持層と前記第2支持層と間に形成されたギャップ室内を前記流路に沿って往復移動可能であるとともに、当該移動可能な領域に1又は2以上の開口部が設けられた可動層と
    前記可動層と前記第1支持層とに所定の電圧を所定のタイミングで印加する印加手段とを有するマイクロバルブ。
  2. 前記ギャップ室は、初期状態において、前記第1支持層と可動層との間に形成された第1ギャップ領域と、前記第2支持層と可動層との間に形成された第2ギャップ領域とを有する請求項1記載のマイクロバルブ。
  3. 前記第1支持層と前記可動層との距離であるギャップ1と、前記第2支持層と前記可動層との距離であるギャップ2は、ギャップ1<ギャップ2の関係を有する請求項2に記載のマイクロバルブ。
  4. 前記可動層は、前記ギャップ室内を前記流路に沿って往復移動する可動領域と、前記第1支持層および第2支持層に固定される固定領域とを有し、前記可動領域は前記ギャップ室の側壁面に沿って設けられた弾性部材により前記固定領域と接合された請求項1〜3のいずれかに記載のマイクロバルブ。
  5. 前記第1支持層に設けられた流体導入孔のうちいずれか1以上は、前記可動層の開口部と対向する位置に設けられ、他の流体導入孔は前記可動層の開口部以外の部分と対向する位置に設けられた請求項1〜4のいずれかに記載のマイクロバルブ。
  6. 前記第2支持層に設けられた流体噴出孔のうちいずれか1以上は、前記可動層の開口部と対向する位置に設けられ、他の流体噴出孔は前記可動層の開口部以外の部分と対向する位置に設けられた請求項1〜5のいずれかに記載のマイクロバルブ。
  7. 前記第1支持層に設けられた流体導入孔の開口面積は、当該流体導入孔に対応する位置に設けられた前記可動層の開口部の開口面積よりも広い請求項1〜6のいずれかに記載のマイクロバルブ。
  8. 前記可動層は前記流体導入孔に対向する位置に設けられた第1開口部と、前記可動層の可動可能な領域の中心から点対称の位置に設けられた複数の第2開口部とを有し、
    前記第2支持層は、前記第1開口部に対向する位置に設けられた1又は2以上の第1流体噴出孔と、前記第1開口部および前記第2開口部以外の部分に対向する第2流体噴出孔とを有する請求項1〜7のいずれかに記載のマイクロバルブ。
  9. 前記第2開口部は、前記第1開口部の中心を円心とする円周上に設けられた請求項8記載のマイクロバルブ。
  10. 前記可動層は、第1支持層と第2支持層の間に形成されたギャップ室を流路に沿って往復移動可能な第1可動領域と、第1可動領域の周囲に設けられ、第1支持層と第2支持層の間に形成されたギャップ室を流路に沿って往復移動可能な第2可動領域とを有し、
    前記第1可動領域は、少なくともその一部分が前記流体導入孔と対向する請求項1〜9のいずれかに記載のマイクロバルブ。
  11. 前記可動層は、対向する前記流体導入孔の外延に沿って前記第1支持層に接するように設けられた凸部を有する請求項1〜10のいずれかに記載のマイクロバルブ。

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