JP2005220874A - 内燃機関の始動制御装置および始動制御方法 - Google Patents

内燃機関の始動制御装置および始動制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】内燃機関の始動性を維持しつつ内燃機関が排出する黒煙やHCを大幅に低減することができる内燃機関の始動制御装置を提供すること。
【解決手段】インジェクタ2と、燃料供給量制御部34と、スタータ4と、回転数検出手段と、温度検出手段と、スタータ4のトルク特性が異なる複数の回路構成に切り替える可変手段43と、回路構成切換部35とを備える内燃機関1の始動制御装置であって、冷却水水温Thwに基づいて機関回転数Neに応じて必要な始動時トルクTsを算出する始動時トルク算出部36をさらに備え、回路構成切替部35は、機関回転数Neで最大スタータトルクTstMAXを発生するトルク特性となるように回路構成を可変手段43により切り替え、燃料供給量制御部35は、爆発トルクTeとスタータトルクTstとの和が始動時トルク算出部36により算出された始動時トルクTsとなるようにインジェクタ2に燃料を供給する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、内燃機関の始動制御装置および始動制御方法に関し、更に詳しくは、スタータを電圧を一定で複数のトルク特性に切り替えることで、内燃機関を始動させる内燃機関の制動制御装置および始動制御方法に関する。
従来、車両に搭載されるガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関には、この内燃機関を始動させるため、すなわち一定の回転数を保持するためにスタータが設けられている。このスタータは、内燃機関側に設けられたギアに噛み合うスタータの軸方向に移動可能なピニオンと、このピニオンが軸方向に移動可能に支持されるとともに、外周にアーマチュアコイルが設けられているシャフトと、このアーマチュアコイルの外周を覆うようにハウジング内面に設けられたフィールドコイルとにより構成されている。このスタータは、上記車両に搭載されたバッテリから供給される電力により、フィールドコイルに磁束を発生させるとともに、アーマチュアコイルに電流を流し、アーマチュアコイルを回転させ、シャフトを回転する。このシャフトに設けられたピニオンが内燃機関側のギアに噛み合うことで、スタータの回転は内燃機関に伝達され、この内燃機関が一定の回転数まで回転させられる。つまり、従来のスタータは、そのスタータの回転数に応じて発生するトルク、すなわちトルク特性は一定であった。
ここで、内燃機関の始動時に必要な始動時トルクは、内燃機関のクランクシャフトの回転数を所定の回転数に到達させるのに必要な加速トルクとこの内燃機関が発生するフリクショントルクとの和である。一方、内燃機関の始動時に内燃機関のクランクシャフトに加えられるトルクは、上記スタータを回転することで発生するスタータトルクおよび燃料供給手段であるインジェクタから噴射され、この内燃機関に供給された燃料が燃焼室で爆発することにより発生する爆発トルクである。つまり、このスタータトルクと爆発トルクとの和が始動時トルク以上でなければ内燃機関を始動することができない。
上述のように、従来のスタータはそのトルク特性が一定であるため、爆発トルクは始動時トルクにより決定される。つまり、インジェクタから噴射される燃料の噴射量、すなわち燃料供給手段が内燃機関に供給する燃料の供給量は、始動時トルクにより決定される。この始動時トルクは、内燃機関を始動させる際のこの内燃機関の温度により変化する。これは、例えば極低温時(外気温度が−25℃以下)では、内燃機関に用いられる潤滑油の粘性抵抗が増加し、フリクショントルクが増加するため、始動時トルクが高くなるためである。内燃機関は、始動時トルクが高い、すなわち内燃機関の温度が低くても始動できなければならない。従って、燃料供給手段が内燃機関に供給する燃料の供給量は、スタータトルクと爆発トルクとの和が極低温時において必要な始動時トルクとなるように決定される。
ここで、例えば常温時、つまり内燃機関に用いられる潤滑油の粘性抵抗が極低温時と比較して低く、フリクショントルクが極低温時と比較して低い場合は、始動時トルクが極低温時と比較して低くなる。この始動時トルクが極低温時と比較して低い場合に、極低温時と同様な供給量の燃料を燃料供給手段から内燃機関に供給すると、余分な燃料がこの内燃機関の燃焼室に供給されることとなるので、黒煙やHC(未燃炭化水素)が白煙となって内燃機関の排気系統から大気に排出されることとなる。
そこで、従来では、特許文献1のように、内燃機関の始動時における燃料の供給量を制御する技術が提案されている。この特許文献1に示す内燃機関の始動制御装置は、内燃機関(エンジン)の自動再始動時における燃料の供給量(燃料噴射量)を通常始動時における燃料の供給量よりも少なくなるように制御するものである。この内燃機関の始動制御装置によれば、内燃機関の自動停止後、再自動始動時のおける黒煙やHCの排出を低減することができる。
特開2000−110597号公報
しかしながら、上記従来の内燃機関の始動制御装置においては、内燃機関の自動停止後、再自動始動時における黒煙やHCの排出を低減することはできるが、通常の始動時における黒煙やHCの排出を低減することはできない。ここで、内燃機関が自動停止後、再自動始動を行う頻度は、この内燃機関が通常の始動を行う頻度と比較して極端に少ない。また、内燃機関の運転時(始動時も含む)において、最もHCが排出される虞があるのは、通常の始動時である。従って、内燃機関の自動停止後、再自動始動時における黒煙やHCの排出を低減することができても、通常の始動時における黒煙やHCの排出を低減することができなければ、内燃機関が排出する黒煙やHCを大幅に低減することができない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、内燃機関の始動性を維持しつつ少なくとも内燃機関が排出する黒煙やHCを大幅に低減することができる内燃機関の始動制御装置および始動制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明では、内燃機関に燃料を供給する燃料供給手段と、燃料供給手段により内燃機関に供給する燃料の供給量を制御する燃料供給量制御手段と、内燃機関の始動時にクランキングを行うスタータと、内燃機関あるいはスタータの回転数を検出する回転数検出手段と、内燃機関の温度を検出する温度検出手段と、スタータを駆動するのに必要な電圧が一定で当該スタータのトルク特性が異なる複数の回路構成と、回転数検出手段により検出された回転数に応じて回路構成を切り替える回路構成切替手段とを備える内燃機関の始動制御装置であって、温度検出手段により検出された温度に基づいて検出された回転数に応じて必要な始動時トルクを算出する始動時トルク算出手段をさらに備え、回路構成切替手段は、検出された回転数で最大スタータトルクを発生するトルク特性となるように前記回路構成を切り替え、燃料供給量制御手段は、内燃機関に供給される燃料が当該内燃機関で爆発することにより発生する爆発トルクとスタータトルクとの和が始動時トルク算出手段により算出された始動時トルクとなるように燃料供給手段に燃料を供給することを特徴とする。
また、この発明では、内燃機関の始動制御方法において、内燃機関の始動時にクランキングを行うスタータのON/OFFを判定する手順と、スタータのON時に内燃機関の温度を検出する手順と、内燃機関あるいはスタータの回転数を検出する手順と、検出された温度に基づいて検出された回転数に応じて必要な始動時トルクを算出する手順と、検出された回転数で最大スタータトルクを発生するトルク特性にスタータを電圧一定で切り替える手順と、内燃機関に供給される燃料が内燃機関で爆発することにより発生する爆発トルクとスタータトルクとの和が算出された始動時トルクとなるように燃料供給手段に燃料を供給する手順と、内燃機関の完爆を判定する手順とを含むことを特徴とする。
この発明によれば、従来の内燃機関の始動制御装置あるいは始動制御方法では一定であった始動時トルクに対するスタータトルクと爆発トルクとの割合を変化させる。つまり、回路構成切換手段が回路構成を検出された回転数で最大スタータトルクを発生するトルク特性となるように切り替え、始動時トルクに対するスタータトルクの割合を大きくし、始動時トルクに対する爆発トルクの割合を小さくする。ここで、始動時トルクに対する爆発トルクの割合を小さくしても、この爆発トルクとスタータトルクとの和は、始動時トルクとなるため、内燃機関の始動性を維持することができる。
また、燃料供給量制御手段は、温度検出手段により検出された温度に基づいて検出された回転数に応じて必要な始動時トルクを算出し、爆発トルクとスタータトルクとの和がこの算出された始動時トルクとなるように燃料供給手段を介して内燃機関に燃料を供給する。従って、爆発トルクとスタータトルクとの和がこの内燃機関の始動時において必要な最大始動時トルク、例えば極低温時において必要な始動時トルクとなる必要がある従来の内燃機関の始動制御装置あるいは始動制御方法と比較して、少ない供給量の燃料により内燃機関を始動させることができる。さらに、始動時トルクに対するスタータトルクの割合が高くなり、始動時トルクに対する爆発トルクの割合が小さいため、燃料供給手段から内燃機関に供給する燃料の供給量がさらに少なくてもこの内燃機関を始動することができる。これらにより、従来の内燃機関の始動制御装置あるいは始動制御方法のように余分な燃料が内燃機関に供給されることが抑制され、内燃機関の始動性を維持しつつ、内燃機関が排出する黒煙やHCを大幅に低減することができる。
また、この発明では、上記内燃機関の始動制御装置において、スタータに電源を供給するバッテリの電圧を検出するバッテリ電圧検出手段をさらに備え、バッテリ電圧検出手段により検出されたバッテリ電圧が所定電圧よりも低い際に、回路構成切替手段は、検出された回転数で最小スタータトルクを発生するトルク特性となるように回路構成を切り替えることを特徴とする。
この発明によれば、バッテリ電圧が低い場合は、回路構成切換手段が回路構成を検出された回転数で最小スタータトルクを発生するトルク特性、つまり最もスタータの消費電力が低くなるように切り替え、始動時トルクに対するスタータトルクの割合を小さくし、始動時トルクに対する爆発トルクの割合を大きくする。ここで、始動時トルクに対するスタータトルクの割合を小さくしても、この爆発トルクとスタータトルクとの和は、始動時トルクとなるため、内燃機関の始動性を維持することができる。これにより、バッテリの電圧が低い場合において、スタータの消費電力を抑制することで、内燃機関の始動性を維持しつつ、バッテリの容量の低下を抑制することができる。
また、この発明では、上記内燃機関の始動制御装置において、温度検出手段により検出された温度が所定温度よりも低い際に、回路構成切替手段は、検出された回転数で最大スタータトルクを発生するトルク特性となるように回路構成を切り替え、燃料供給量制御手段は、検出された回転数で最大爆発トルクを発生するように燃料供給手段に燃料を供給することを特徴とする。
この発明によれば、内燃機関の温度が低い場合は、回路構成切換手段が回路構成を切り替えることにより、検出された回転数で最大スタータトルクを発生させるとともに、燃料供給量制御手段が検出された回転数で最大爆発トルクを発生させるように燃料供給手段に燃料を供給することで、温度検出手段により検出された温度に基づいて始動時トルク算出手段により算出された始動時トルクよりも高いトルクを発生させる。つまり、始動時トルク算出手段により算出された始動時トルクに関わらず、検出された回転数に応じた最大スタータトルクを発生させるとともに、最大爆発トルクを発生させる。これにより、内燃機関の温度が低い場合、つまり始動が困難な極低温時に、内燃機関を確実に始動させることができるので、内燃機関の始動性をさらに維持することができる。
この発明にかかる内燃機関の始動制御装置および始動制御方法は、始動時トルクに対するスタータトルクの割合を大きくし、始動時トルクに対する爆発トルクの割合を小さくするので、従来の内燃機関の始動制御装置あるいは始動制御方法と比較して燃料供給制御手段が燃料供給手段を介して内燃機関に供給する燃料の供給量を少なくすることができる。これにより、従来の内燃機関の始動制御装置あるいは始動制御方法のように余分な燃料が内燃機関に供給されることが抑制され、内燃機関の始動性を維持しつつ、内燃機関が排出する黒煙やHCを大幅に低減することができる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの或いは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、この発明にかかる内燃機関の始動制御装置の構成例を示す図である。同図に示すように、この発明にかかる内燃機関1は、燃料供給手段であるインジェクタ2と、燃料供給量制御部34、回路構成切換部35、始動時トルク算出部36を有する始動制御装置であるECU(Engine Control Unit)3と、複数の回路構成を形成する可変手段43を有し、内燃機関1の始動時にクランキングを行うスタータ4とにより構成されている。なお、5は、スタータ4に電力を供給するバッテリである。また、6は、バッテリ5からスタータ4への電力の供給をON/OFF制御するスタータスイッチである。
燃料供給手段であるインジェクタ2は、後述するECU3からの噴射信号Tauにより、燃料の噴射タイミングと燃料の噴射量、すなわち燃料の供給量が制御されるものである。具体的には、インジェクタ2は、内燃機関1の図示しないクランクシャフトの回転力により駆動する燃料ポンプ7により燃料タンク8から圧送された燃料をこの内燃機関1の吸気系統9に噴射するものである。つまり、インジェクタ2は、燃料を内燃機関1に供給するものである。なお、インジェクタ2は、内燃機関1の吸気系統9に燃料を供給するものに限定されず、内燃機関1の図示しない燃焼室に直接燃料を供給するようにしても良い。また、内燃機関1の吸気系統9および燃焼室の両方に燃料を供給するようにしても良い。
始動制御装置であるECU3は、燃料供給手段であるインジェクタ2から内燃機関1への燃料の供給量を制御する、つまりインジェクタ2から噴射される燃料の噴射タイミングと燃料の噴射量を制御する燃料供給量制御手段である燃料供給量制御部34を有する。また、このECU3は、後述するスタータ4の複数の回路構成を形成する可変手段43を切り替えることでスタータ4のトルク特性を変化させる回路構成切換手段である回路構成切換部35を有する。さらに、後述する記憶部33に格納されている始動時トルクTsと機関回転数Neとのマップから始動時トルクTsを算出する始動時トルク算出手段である始動時トルク算出部36を有する。
ECU3は、内燃機関1の各所に取り付けられたセンサ、例えば図示しないクランクシャフトに取り付けられた内燃機関1の機関回転数Neを検出する回転数検出手段である図示しない角度センサ、内燃機関1と図示しないラジエターとの間を循環する冷却水の水温を検出する温度検出手段である図示しない水温センサ、バッテリ5に取り付けられたバッテリの電圧Vbを検出する電圧検出手段である図示しない電圧センサ、スタータスイッチ6に取り付けられたスタータスイッチセンサなどから、機関回転数Ne、冷却水水温Thw、バッテリ電圧Vb、スタータスイッチON/OFF(SW1)などが入力信号として入力される。また、この入力信号および後述する記憶部33に記憶されている始動時トルクTsと機関回転数Neとのマップなどの各種マップに基づいて、インジェクタ2による燃料供給量制御、スタータ4のトルク特性可変制御などを行う噴射信号Tau、切換信号SW2などの出力信号を出力する。
具体的には、上記入力信号や出力信号の入出力を行う入出力ポート(I/O)31と、燃料供給量制御部34、回路構成切換部35、始動時トルク算出部36を有する処理部32と、上記始動時トルクTsと機関回転数Neとのマップなどの各種マップなどを格納する記憶部33とにより構成されている。処理部32は、メモリおよびCPU(Central Processing Unit)により構成され、内燃機関1の始動制御方法などに基づくプログラムをメモリにロードして実行することにより、内燃機関1の始動制御方法などを実現させるものであっても良い。また、記憶部33は、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ、ROM(Read Only Memory)のような読み出しのみが可能な揮発性のメモリあるいはRAM(Random Access Memory)のような読み書きが可能な揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成することができる。なお、この発明では、内燃機関1の始動制御装置をECU3としたが、これに限定されるものではなく、このECU3とは個別に形成しても良い。
スタータ4は、同図に示すように、フィールドコイル41と、アーマチュアコイル42と、複数の回路構成を形成する可変手段43とにより構成されている。フィールドコイル41には、バッテリ5からの電力を途中から供給するための複数本の分岐配線44の一方の端部が接続されており、この分岐配線44の他方の端部は可変手段43に接続されている。アーマチュアコイル42は、スタータ4の図示しないシャフトに設けられている。なお、この図示しないシャフトには、クランクシャフトのフライホイールなどに設けられたギアに噛み合うピニオンがこのシャフトの軸方向に移動可能に支持されており、上記ギアにピニオンが噛み合うことでスタータ4の回転がエンジンのクランクシャフトに伝達される。ここで、スタータ4の回転力は、直接クランクシャフトに伝達される。従って、スタータ4の回転数と内燃機関1の機関回転数Neとは、スタータ4がクランクシャフトに回転力を伝達している場合は、ほぼ同一回転数となる。
可変手段43は、切替信号SW2により、配線45bと分岐配線44との接続/切断および分岐配線44どうしの接続/切断を行うものである。ここで、バッテリ5からの電力は、まずスタータスイッチ6、配線45aを介してアーマチュアコイル42に供給される。次に、アーマチュアコイル42から配線45b、可変手段43を介してフィールドコイル41に供給される。そして、フィールドコイル41から配線45cを介してバッテリ5に戻される。
図2−1〜図2−3は、複数の回路構成を形成する可変手段の動作説明図である。図2−4は、図2−1〜図2−3の回路構成時におけるトルク特性を示す図である。図2−1に示すように、配線45bと可変手段43の分岐配線44aとを接続すると、バッテリ5の電力がスタータスイッチ6、配線45a、アーマチュアコイル42、配線45b、分岐配線44aを介して、フィールドコイル41の全体(全巻数)に供給される回路構成となる。この回路構成の場合は、このフィールドコイル41の磁束が最大となり、図2−4に示すように、スタータ4は低回転域で発生するスタータトルクTstが最大、最大回転数が最小となるAに示すトルク特性となる。一方、図2−2に示すように、配線45bと可変手段43の分岐配線44bとを接続すると、バッテリ5の電力が配線45b、分岐配線44bを介して、フィールドコイル41の一部41a(全巻数よりも少ない巻数)に供給される回路構成となる。この回路構成の場合は、フィールドコイル41の磁束は小さくなり、図2−4に示すように、スタータ4は低回転域で発生するスタータトルクTstが図2−1に示す回路構成よりも低く、最大回転数が図2−1に示す回路構成よりも高くなるBに示すトルク特性となる。さらに、図2−3に示すように、配線45bと可変手段43の分岐配線44cとを接続すると、バッテリ5の電力が配線45b、分岐配線44cを介して、フィールドコイル41のさらに一部41b(最も少ない巻数)に供給される回路構成となる。この回路構成の場合は、フィールドコイル41の磁束は最小となり、図2−4に示すように、スタータ4は低回転域で発生するスタータトルクTstが最小、最大回転数が最大となるCに示すトルク特性となる。つまり、配線45bと分岐配線44の接続/切断を可変手段43で行うことにより、バッテリ5からの電力が供給されるフィールドコイル41の巻数が変化し、スタータ4を駆動するのに必要な電圧が一定でスタータ4のトルク特性が異なる複数の回路構成を形成することができる。
なお、上記では、フィールドコイル41の巻数を変化させてスタータ4のトルク特性を切り替える場合について説明したが、分岐配線44の接続によっては、さらに複数のトルク特性を得ることができる。図3−1〜図3−3は、複数の回路構成を形成する可変手段の他の動作説明図である。図3−4は、図3−1〜図3−3の回路構成時におけるトルク特性を示す図である。図3−1〜図3−3では、バッテリ5からの電力が供給されるフィールドコイル41の巻数が同一で、アーマチュアコイル42に対する位置を変化させている。図3−1では配線45bと可変手段43の分岐配線44dとを接続する回路構成、図3−2では配線45bと可変手段43の分岐配線44bおよび分岐配線44eと44fとを接続する回路構成、図3−3では配線45bと可変手段43の分岐配線44aおよび分岐配線44fと44gとを接続する回路構成である。いずれの回路構成においても、フィールドコイル41の一部41c(巻数が同一)にバッテリ5からの電力が供給されているが、アーマチュアコイル42との距離が異なっている。図3−4に示すように、バッテリ5からの電力が供給されるフィールドコイル41の一部41cとアーマチュアコイル42との距離が最も近い回路構成(図3−1の回路構成)の場合には、スタータ4は低回転域で発生するスタータトルクTstが大きくなるDに示すトルク特性となる。一方、バッテリ5からの電力が供給されるフィールドコイル41の一部41cとアーマチュアコイルとの距離が最も遠い回路構成(図3−3の回路構成)の場合には、スタータ4は最大回転数が大きくなるFに示すトルク特性となる。なお、フィールドコイル41の一部41cとアーマチュアコイル42との距離が中間である回路構成(図3−2の回路構成)の場合には、スタータ4は図3−1に示す回路構成によるトルク特性と図3−3に示す回路構成によるトルク特性との中間のEに示すトルク特性となる。
次に、この発明にかかる内燃機関1の始動制御装置を用いた内燃機関1の始動制御方法について説明する。図4は、この発明にかかる内燃機関の始動制御装置の動作フローである。図5は、始動時トルクTsと機関回転数Neとのマップとを示す図である。図6は、始動時トルクTsと冷却水水温Thwとの関係を示す図である。図7は、始動時トルクTsと最大スタータトルクTstと爆発トルクTeとの関係を示す図である。図8は、機関回転数Neとクランク角度CAとの関係を示す図である。図9は、始動時トルクTsと最大スタータトルクTstと爆発トルクTeとの関係を示す図である。図10は、始動時トルクTsと機関回転数Neとの関係を示す図である。
まず、イグニッション(I/G)をONとして、内燃機関1が搭載されている車両の電源投入を行う(ステップST1)。次に、始動制御装置であるECU3の処理部32は、入出力ポート(I/O)31を介して、温度検出手段である図示しない水温センサにより検出され、このECU3に入力される冷却水水温Thwを読み込む(ステップST2)。なお、処理部32が読み込んだ冷却水水温Thwは、適宜記憶部33に格納されるものである。
次に、ECU3の処理部32は、冷却水水温Thwが所定水温Thw1よりも低いか否かを判定する(ステップST3)。ここで、所定水温Thw1の設定は、内燃機関1の始動が困難な状況である極低温時(例えば、外気温度が−25℃)における冷却水水温Thwとなるように行われる。次に、処理部32は、冷却水水温Thwが所定水温Thw1以上であると、記憶部33に格納されている図5に示す始動時トルクTsと機関回転数Neとのマップを読み込む(ステップST4)。ここで、内燃機関1を始動するのに必要な始動時トルクTsは、内燃機関1の温度、つまり冷却水水温Thwにより変化する。冷却水水温Thwが低ければ、内燃機関1を循環する潤滑油の粘性抵抗が増加するためフリクショントルクが増加する。これは、始動時トルクTsがこのフリクショントルクと加速トルクとの和であるため、上記のようにフリクショントルクが増加すれば始動時トルクTsも増加する。これにより、図6に示すように、始動時トルクTsは、冷却水水温Thwが低ければ低いほど、同図Gに示すように大きくなる。
また、始動時トルクTsは、上記冷却水水温Thwのみならず機関回転数Neによっても変化する。これは、機関回転数Neが高くなればなるほど加速に必要なトルクが小さくなるためである。従って、この発明にかかる内燃機関1の始動時制御装置であるECU3の記憶部31には、冷却水水温Thwに基づいた始動時トルクTsと機関回転数Neとのマップが複数格納されている。図5に示すマップは、検出された冷却水水温Thwに基づく始動時トルクTsと機関回転数Neとのマップである。同図に示すように、始動時トルクTsと機関回転数Neと関係は、機関回転数Neが高くなればなるほど、同図G1に示すように始動時トルクTsが小さくなる。なお、始動時トルクTsは、計算あるいは実験により求められた実際に内燃機関1を始動することができるトルクと同一あるいは若干大きく設定されるものである。
次に、ECU3の処理部32は、入出力ポート(I/O)31を介して、バッテリ電圧検出手段である図示しない電圧センサにより検出され、このECU3に入力されるバッテリ電圧Vbを読み込む(ステップST5)。なお、処理部32が読み込んだバッテリ電圧Vbは、適宜記憶部33に格納されるものである。次に、処理部32は、バッテリ電圧Vbが所定電圧Vb1よりも低いか否かを判定する(ステップST6)。ここで、所定電圧Vb1の設定は、バッテリ5の経年劣化や内燃機関1の始動時までに電力の過剰な消費などでバッテリ5の容量が低下したときのバッテリ電圧となるように行われる。
次に、ECU3の処理部32は、バッテリ電圧Vbが所定電圧Vb1以上であると、入出力ポート31を介して、処理部32に入力されるスタータスイッチ6のON/OFF(SW1)を読み込み、スタータ4がONであるか否かを判定する(ステップST6)。次に、処理部32は、スタータ4がONである場合に、入出力ポート(I/O)31を介して、回転数検出手段である図示しない角度センサにより検出され、このECU3に入力される回転数である機関回転数Neを読み込む(ステップST8)。なお、処理部32は、スタータ4がOFFであると、上記ステップST2〜ステップST7までの動作を繰り返す。
次に、ECU3の処理部32の始動時トルク算出手段である始動時トルク算出部34は、検出された機関回転数Neに応じた始動時トルクTsを算出する(ステップST9)。具体的には、処理部32は、この処理部に入力された検出された機関回転数Neにおける始動時トルクTsを読み込まれた図5に示す検出された冷却水水温Thwに基づいた始動時トルクTsと機関回転数Neとのマップから算出する。
次に、ECU3の処理部32の回路構成切換手段である回路構成切換部35は、検出された機関回転数NeにおいてスタータトルクTstが最大スタータトルクTstMAXを発生するトルク特性に設定する(ステップST10)。つまり、処理部32の回路構成切換部35は、例えば図2−4に示すようなスタータ4の各トルク特性A〜Cのうち、検出された機関回転数Neにおいて、スタータトルクTstが最大スタータトルクTstMAXとなるトルク特性(A〜Cのいずれか一つ)を設定する。そして、回路構成切換部35は、可変手段43に切替信号SW2を出力し、可変手段43がこの切替信号SW2に基づいて、回路構成を切り替える。例えば、回路構成切換部35は、図2−4に示すようなトルク特性A〜Cに可変手段43が回路構成を切り替えられる場合は、機関回転数Neが高くなるにつれてスタータ4のトルク特性をA、B、Cという順番で切り替えるように切換信号SW2を順次可変手段43に出力する。
次に、ECU3の処理部32の燃料供給量制御手段である燃料供給量制御部36は、始動時トルク算出部34により算出された始動時トルクTsと、可変手段43を介して回路構成切換部35により切り替えられたスタータ4のトルク特性における最大スタータトルクTstMAXとから内燃機関1に供給される燃料がこの内燃機関1で爆発することにより発生する爆発トルクTeを算出する。そして、この爆発トルクTeを発生する燃料の供給量を算出する(ステップST11)。
次に、燃料供給手段であるインジェクタ2は、内燃機関1に燃料を供給する(ステップST12)。つまり、ECU3の燃料供給量制御部36は、算出された燃料の供給量に基づいた噴射信号Tauをインジェクタ2に出力し、インジェクタ2は、この噴射信号Tauに基づいて、燃料ポンプ7により圧送された燃料タンク8内の燃料を内燃機関1の吸気系統9に噴射する。内燃機関1に供給された燃料は、吸気系統9から吸気された空気とともに、この内燃機関1の図示しない燃焼室に流入し、図示しない点火プラグがECU3の点火信号により着火することで、燃料と空気との混合気が爆発燃焼し、爆発トルクTeが発生し、図示しないクランクシャフトを回転させる。
次に、ECU3の処理部32は、完爆判定フラグがONになったか否かを判定する(ステップST13)。つまり、スタータトルクTstMAXと爆発トルクTeとの和のトルクである始動時トルクTsにより内燃機関1のクランクシャフトを回転させ、内燃機関1が始動したか否かを判定する。完爆判定フラグがONでない場合は、ステップST7まで戻り、このステップST7〜ステップST13までの動作を繰り返す。つまり、再度検出された機関回転数Neを読込み、図5に示すから始動時トルクTsを算出し、検出された機関回転数Neにおいて最大スタータトルクTstMAXとなるスタータ4のトルク特性を決定し、可変手段43により決定したトルク特性の回路構成に切り替える。一方、完爆判定フラグがONである場合は、内燃機関1が始動したので内燃機関1の始動制御を終了する。
従来の内燃機関の始動制御装置あるいは始動制御方法におけるスタータ4のトルク特性を例えば図7のBに示すトルク特性とすると、検出された機関回転数NeにおけるスタータトルクTstと爆発トルクTeとの割合は固定されている。つまり、検出された機関回転数NeにおけるスタータトルクTstと爆発トルクTeとの割合は変化しない。しかし、この発明にかかる内燃機関1の始動制御装置あるいは始動制御方法では、従来の内燃機関の始動制御装置あるいは始動制御方法では一定であった始動時トルクTsに対するスタータトルクTstと爆発トルクTeとの割合を変化させる。つまり、回路構成切換部35が可変手段43により回路構成を検出された機関回転数Neで最大スタータトルクTstMAXを発生するトルク特性となるように切り替え(図7では、機関回転数Neが高くなるほどスタータ4のトルク特性は、実線で示すA、B、Cの順番で変化する)、始動時トルクTsに対するスタータトルクTstの割合を大きくし、始動時トルクTsに対する爆発トルクTeの割合を小さくする。
また、処理部32の燃料供給量算出部36は、検出された冷却水水温Thwに基づいて検出された回転数に応じて必要な始動時トルクTsを算出し、爆発トルクTeとスタータトルクTstとの和がこの算出された始動時トルクTsとなるようにインジェクタ2を介して内燃機関1に燃料を供給する。従来の内燃機関の始動制御装置あるいは始動制御方法におけるスタータ4のトルク特性を例えば図7のBに示すトルク特性とすると、任意の機関回転数Neにおける始動時トルクTsに対するスタータトルクTstはTst2となり、始動時トルクTsに対する爆発トルクTeはTe2となる。一方、この発明にかかる内燃機関1の始動制御装置あるいは始動制御方法では、同図に示すように、任意の機関回転数Neにおける始動時トルクTsに対するスタータトルクTstはTst1となり、始動時トルクTsに対する爆発トルクTeはTe1となる。従って、Te1<Te2、Tst1>Tst2の関係となる。つまり、この発明にかかる内燃機関1の始動制御装置あるいは始動制御方法は、従来の内燃機関の始動制御装置あるいは始動制御方法と比較して、始動時トルクTsに対するスタータトルクTstの割合が高くなり、始動時トルクTsに対する爆発トルクTeの割合が小さくなるので、インジェクタ2から内燃機関1に供給する燃料の供給量が少なくてもこの内燃機関1を始動することができる。これらより、従来の内燃機関の始動制御装置あるいは始動制御方法のように、余分な燃料が内燃機関1に供給されることが抑制され、内燃機関1の始動性を維持しつつ、内燃機関1が排出する黒煙やHCを大幅に低減することができる。
また、始動時トルクTsに対する爆発トルクTeの割合が高くなると、図8のHに示すようにクランク角度CAによって機関回転数Neの変動が大きくなる。一方、始動時トルクTsに対するスタータトルクTstの割合が高くなると、図8のIに示すようにクランク角度CAによって機関回転数Neの変動が小さくなる。これは、燃料と空気の混合気が内燃機関1の図示しない燃焼室内で爆発燃焼することで発生する爆発トルクTeにより、内燃機関1の図示しないクランクシャフトを回転させる場合は、この爆発トルクTeの大部分が内燃機関1の膨張行程時に発生し圧縮行程時にはほとんど発生しないためである。この発明にかかる内燃機関1の始動制御装置あるいは始動制御方法では、始動時トルクTsに対するスタータトルクTstの割合を高くすることで、始動時トルクTsに対する爆発トルクTeの割合を小さくし、クランク角度CAによって機関回転数Neの変動を小さくするので、内燃機関1の始動をスムーズに行うことができる。
次に、ECU3の処理部32は、バッテリ電圧Vbが所定電圧Vb1よりも低いと、入出力ポート31を介して、処理部32に入力されるスタータスイッチ6のON/OFF(SW1)を読み込み、スタータ4がONであるか否かを判定する(ステップST14)。次に、処理部32は、スタータ4がONである場合に、入出力ポート(I/O)31を介して、回転数検出手段である図示しない角度センサにより検出され、このECU3に入力される回転数である機関回転数Neを読み込む(ステップST15)。なお、処理部32は、スタータ4がOFFであると、上記ステップST2〜ステップST14までの動作を繰り返す。
次に、ECU3の処理部32の始動時トルク算出手段である始動時トルク算出部34は、検出された機関回転数Neに応じた始動時トルクTsを算出する(ステップST16)。具体的には、処理部32は、この処理部に入力された検出された機関回転数Neにおける始動時トルクTsを読み込まれた図5に示す検出された冷却水水温Thwに基づいた始動時トルクTsと機関回転数Neとのマップから算出する。
次に、ECU3の処理部32の回路構成切換手段である回路構成切換部35は、検出された機関回転数NeにおいてスタータトルクTstが最小スタータトルクTstMINを発生するトルク特性に設定する(ステップST17)。つまり、処理部32の回路構成切換部35は、例えば図2−4に示すようなスタータ4の各トルク特性A〜Cのうち、検出された機関回転数Neにおいて、スタータトルクTstが最小スタータトルクTstMINとなるトルク特性(A〜Cのいずれか一つ)を設定する。そして、回路構成切換部35は、可変手段43に切替信号SW2を出力し、可変手段43がこの切替信号SW2に基づいて、回路構成を切り替える。例えば、回路構成切換部35は、図2−4に示すようなトルク特性A〜Cに可変手段43が回路構成を切り替えられる場合は、機関回転数Neが高くなるにつれてスタータ4のトルク特性をC、Aという順番で切り替えるように切換信号SW2を順次可変手段43に出力する。
次に、ECU3の処理部32の燃料供給量制御手段である燃料供給量制御部36は、始動時トルク算出部34により算出された始動時トルクTsと、可変手段43を介して回路構成切換部35により切り替えられたスタータ4のトルク特性における最小スタータトルクTstMINとから爆発トルクTeを算出する。そして、この爆発トルクTeを発生する燃料の供給量を算出する(ステップST18)。
次に、燃料供給手段であるインジェクタ2は、内燃機関1に燃料を供給する(ステップST19)。つまり、ECU3の燃料供給量制御部36は、算出された燃料の供給量に基づいた噴射信号Tauをインジェクタ2に出力し、インジェクタ2は、この噴射信号Tauに基づいて、燃料ポンプ7により圧送された燃料タンク8内の燃料を内燃機関1の吸気系統9に噴射する。内燃機関1に供給された燃料は、吸気系統9から吸気された空気とともに、この内燃機関1の図示しない燃焼室に流入し、図示しない点火プラグがECU3の点火信号により着火することで、燃料と空気との混合気が爆発燃焼し、爆発トルクTeが発生し、図示しないクランクシャフトを回転させる。
次に、ECU3の処理部32は、完爆判定フラグがONになったか否かを判定する(ステップST20)。完爆判定フラグがONでない場合は、ステップST14まで戻り、このステップST14〜ステップST20までの動作を繰り返す。つまり、再度検出された機関回転数Neを読込み、図5に示すから始動時トルクTsを算出し、検出された機関回転数Neにおいて最小スタータトルクTstMINとなるスタータ4のトルク特性を決定し、可変手段43により決定したトルク特性の回路構成に切り替える。一方、完爆判定フラグがONである場合は、内燃機関1が始動したので内燃機関1の始動制御を終了する。
上記と同様に、従来の内燃機関の始動制御装置あるいは始動制御方法におけるスタータ4のトルク特性を例えば図9のBに示すトルク特性とすると、検出された機関回転数NeにおけるスタータトルクTstと爆発トルクTeとの割合は変化しない。しかし、この発明にかかる内燃機関1の始動制御装置あるいは始動制御方法では、始動時トルクTsに対するスタータトルクTstと爆発トルクTeとの割合を変化させる。つまり、回路構成切換部35が可変手段43により回路構成を検出された機関回転数Neで最小スタータトルクTstMINを発生するトルク特性となるように切り替え(図9では、機関回転数Neが高くなるほどスタータ4のトルク特性は、実線で示すC、Aの順番で変化する)、始動時トルクTsに対するスタータトルクTstの割合を小さくし、始動時トルクTsに対する爆発トルクTeの割合を大きくする。
また、処理部32の燃料供給量算出部36は、検出された冷却水水温Thwに基づいて検出された回転数に応じて必要な始動時トルクTsを算出し、爆発トルクTeとスタータトルクTstとの和がこの算出された始動時トルクTsとなるようにインジェクタ2を介して内燃機関1に燃料を供給する。従来の内燃機関の始動制御装置あるいは始動制御方法では、図9に示すように、任意の機関回転数Neにおける始動時トルクTsに対するスタータトルクTstはTst2となり、始動時トルクTsに対する爆発トルクTeはTe2となる。一方、この発明にかかる内燃機関1の始動制御装置あるいは始動制御方法では、同図に示すように、任意の機関回転数Neにおける始動時トルクTsに対するスタータトルクTstはTst3となり、始動時トルクTsに対する爆発トルクTeはTe3となる。従って、Te2>Te3、Tst2<Tst3の関係となる。つまり、この発明にかかる内燃機関1の始動制御装置あるいは始動制御方法は、バッテリ電圧Vbが低い場合は、回路構成切換部35が回路構成を検出された機関回転数Neで最小スタータトルクTstMINを発生するトルク特性、つまり最もスタータ4の消費電力が低くなるように切り替える。従って、従来の内燃機関の始動制御装置あるいは始動制御方法と比較して、始動時トルクTsに対するスタータトルクTstの割合を小さくし、始動時トルクに対する爆発トルクの割合を大きくするので、バッテリ電圧Vbが低い場合において、スタータ5の消費電力を抑制することで、内燃機関1の始動性を維持しつつ、バッテリ5の容量の低下を抑制することができる。
次に、ECU3の処理部32は、冷却水水温Thwが所定水温Thw1よりも低いと、入出力ポート31を介して、処理部32に入力されるスタータスイッチ6のON/OFF(SW1)を読み込み、スタータ4がONであるか否かを判定する(ステップST21)。次に、処理部32は、スタータ4がONである場合に、入出力ポート(I/O)31を介して、回転数検出手段である図示しない角度センサにより検出され、このECU3に入力される回転数である機関回転数Neを読み込む(ステップST22)。なお、処理部32は、スタータ4がOFFであると、上記ステップST2〜ステップST21までの動作を繰り返す。
次に、ECU3の処理部32の回路構成切換手段である回路構成切換部35は、検出された機関回転数NeにおいてスタータトルクTstが最大スタータトルクTstMAXを発生するトルク特性に設定する(ステップST23)。つまり、処理部32の回路構成切換部35は、例えば図2−4に示すようなスタータ4の各トルク特性A〜Cのうちマップ13から検出された機関回転数Neにおいて、スタータトルクTstが最大スタータトルクTstMAXとなるトルク特性(A〜Cのいずれか一つ)を設定する。そして、回路構成切換部35は、可変手段43に切替信号SW2を出力し、可変手段43がこの切替信号SW2に基づいて、回路構成を切り替える。例えば、回路構成切換部35は、図2−4に示すようなトルク特性A〜Cに可変手段43が回路構成を切り替えられる場合は、機関回転数Neが高くなるにつれてスタータ4のトルク特性をA、B、Cという順番で切り替えるように切換信号SW2を順次可変手段43に出力する。
次に、ECU3の処理部32の燃料供給量制御手段である燃料供給量制御部36は、検出された機関回転数Neにおいて爆発トルクTeが最大爆発トルクTeMAXを発生する爆発トルクTeを算出する。そして、この爆発トルクTeMAXを発生する燃料の供給量を算出する(ステップST24)。つまり、上記ステップST11あるいはステップST18のように、燃料供給量制御部36は、始動時トルク算出部34により算出された始動時トルクTsと、可変手段43を介して回路構成切換部35により切り替えられたスタータ4のトルク特性における最大スタータトルクTstMAXあるいは最小スタータトルクTstMINとから爆発トルクTeを算出せず、始動時トルクTsに関わらず検出された機関回転数Neにおける最大爆発トルクTeMAXを発生する燃料の供給量を算出する。
次に、燃料供給手段であるインジェクタ2は、内燃機関1に燃料を供給する(ステップST25)。つまり、ECU3の燃料供給量制御部36は、算出された燃料の供給量に基づいた噴射信号Tauをインジェクタ2に出力し、インジェクタ2は、この噴射信号Tauに基づいて、燃料ポンプ7により圧送された燃料タンク8内の燃料を内燃機関1の吸気系統9に噴射する。内燃機関1に供給された燃料は、吸気系統9から吸気された空気とともに、この内燃機関1の図示しない燃焼室に流入し、図示しない点火プラグがECU3の点火信号により着火することで、燃料と空気との混合気が爆発燃焼し、爆発トルクTeが発生し、図示しないクランクシャフトを回転させる。
次に、ECU3の処理部32は、完爆判定フラグがONになったか否かを判定する(ステップST26)。完爆判定フラグがONでない場合は、ステップST21まで戻り、このステップST21〜ステップST26までの動作を繰り返す。つまり、再度検出された機関回転数Neを読込み、検出された機関回転数Neにおいて最大スタータトルクTstMAXとなるスタータ4のトルク特性を決定し、可変手段43により決定したトルク特性の回路構成に切り替え、検出された機関回転数Neにおいて最大爆発トルクTeMANとなる燃料の供給量を算出する。一方、完爆判定フラグがONである場合は、内燃機関1が始動したので内燃機関1の始動制御を終了する。
以上のように、この発明にかかる内燃機関1の始動制御装置あるいは始動制御方法では、この内燃機関1の温度が低い場合、例えば極低温時に内燃機関1を始動させる際には、図10に示すように、回路構成切換部35が可変手段43により回路構成を検出された機関回転数Neで最大スタータトルクTstMAXを発生するトルク特性となるように切り替える(同図では、機関回転数Neが高くなるほどスタータ4のトルク特性は、実線で示すC、Aの順番で変化する)。さらに、燃料供給量制御部34が検出された機関回転数Neにおいて最大爆発トルクTeMAXを発生させるようにインジェクタ2に供給する燃料の量を算出する。従って、図示しない水温センサにより検出された冷却水温度Thwに基づいて始動時トルク算出部36により算出される同図のJに示す始動時トルクTsよりも、同図のKに示す高いトルクを発生させる。つまり、始動時トルク算出部36により算出された始動時トルクTsに関わらず、検出された機関回転数Neに応じた最大スタータトルクTstMAXを発生させるとともに、最大爆発トルクTeMAXを発生させる。これにより、内燃機関1の温度が低い場合、つまり始動が困難な極低温時に、内燃機関1を確実に始動させることができるので、内燃機関1の始動性をさらに維持することができる。
なお、上記実施例では、スタータ4のトルク特性を変化させるために複数の回路構成を可変手段43に形成するがこれに限定されるものではない。例えば、フィールドコイル41と別途設けた分巻コイルとの間にアーマチュアコイル42を配置し、フィールドコイル41の磁界と同一または相反方向に分巻コイル磁界を制御することで、スタータ4を複数のトルク特性に変化させることができるようにしても良い。
また、上記実施例では、ステップST6において、バッテリ電圧Vbが所定電圧VB1よりも低いと、回路構成切替部36が検出された機関回転数Neにおいて最小スタータトルクTstMINを発生するトルク特性に切り替え、始動時トルクTsに対するスタータトルクTstの割合を高くし、始動時トルクTsに対する爆発トルクTeの割合を低くするがこれに限定されるものではない。例えば、従来の内燃機関の始動制御装置あるいは始動制御方法のようにスタータ4のトルク特性を一定とすることで、始動時トルクTsに対するスタータトルクTstの割合および始動時トルクTsに対する爆発トルクTeの割合を一定としても良い。
以上のように、この発明にかかる内燃機関の始動制御装置および始動制御方法は、スタータを電圧を一定で複数のトルク特性に切り替えることで、内燃機関を始動させる内燃機関の始動制御装置および始動制御方法に有用であり、特に、内燃機関の始動性を維持しつつ少なくとも内燃機関が排出する黒煙やHCを大幅に低減するのに適している。
この発明にかかる内燃機関の始動制御装置の構成例を示す図である。 複数の回路構成を形成する可変手段の動作説明図である。 複数の回路構成を形成する可変手段の動作説明図である。 複数の回路構成を形成する可変手段の動作説明図である。 図2−1〜図2−3の回路構成時におけるトルク特性を示す図である。 複数の回路構成を形成する可変手段の他の動作説明図である。 複数の回路構成を形成する可変手段の他の動作説明図である。 複数の回路構成を形成する可変手段の他の動作説明図である。 図3−1〜図3−3の回路構成時におけるトルク特性を示す図である。 この発明にかかる内燃機関の始動制御装置の動作フローである。 始動時トルクTsと機関回転数Neとのマップとを示す図である。 始動時トルクTsと冷却水水温Thwとの関係を示す図である。 始動時トルクTsと最大スタータトルクTstと爆発トルクTeとの関係を示す図である。 機関回転数Neとクランク角度CAとの関係を示す図である。 始動時トルクTsと最大スタータトルクTstと爆発トルクTeとの関係を示す図である。 始動時トルクTsと機関回転数Neとの関係を示す図である。
符号の説明
1 内燃機関
2 インジェクタ(燃料供給手段)
3 ECU(始動制御装置)
34 燃料供給量制御部(燃料供給量制御手段)
35 回路構成切換部(回路構成切換手段)
36 始動時トルク算出部(始動時トルク算出手段)
4 スタータ
43 可変手段
5 バッテリ
6 スタータスイッチ
7 燃料ポンプ
8 燃料タンク
9 吸気系統

Claims (4)

  1. 内燃機関に燃料を供給する燃料供給手段と、
    前記燃料供給手段により前記内燃機関に供給する燃料の供給量を制御する前記燃料供給量制御手段と、
    前記内燃機関の始動時にクランキングを行うスタータと、
    前記内燃機関あるいは前記スタータの回転数を検出する回転数検出手段と、
    前記内燃機関の温度を検出する温度検出手段と、
    前記スタータを駆動するのに必要な電圧が一定で当該スタータのトルク特性が異なる複数の回路構成と、
    前記回転数検出手段により検出された回転数に応じて前記回路構成を切り替える回路構成切替手段と、
    を備える内燃機関の始動制御装置であって、
    前記温度検出手段により検出された温度に基づいて前記検出された回転数に応じて必要な始動時トルクを算出する始動時トルク算出手段をさらに備え、
    前記回路構成切替手段は、前記検出された回転数で最大スタータトルクを発生するトルク特性となるように前記回路構成を切り替え、
    前記燃料供給量制御手段は、前記内燃機関に供給される燃料が当該内燃機関で爆発することにより発生する爆発トルクと前記スタータトルクとの和が前記始動時トルク算出手段により算出された始動時トルクとなるように前記燃料供給手段に燃料を供給することを特徴とする内燃機関の始動制御装置。
  2. 前記スタータに電源を供給するバッテリの電圧を検出するバッテリ電圧検出手段をさらに備え、
    前記バッテリ電圧検出手段により検出されたバッテリ電圧が所定電圧よりも低い際に、
    前記回路構成切替手段は、前記検出された回転数で最小スタータトルクを発生するトルク特性となるように前記回路構成を切り替えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の始動制御装置。
  3. 前記温度検出手段により検出された温度が所定温度よりも低い際に、
    前記回路構成切替手段は、前記検出された回転数で最大スタータトルクを発生するトルク特性となるように前記回路構成を切り替え、
    前記燃料供給量制御手段は、前記検出された回転数で最大爆発トルクを発生するように前記燃料供給手段に燃料を供給することを特徴とする内燃機関の始動制御装置。
  4. 内燃機関の始動時にクランキングを行うスタータのON/OFFを判定する手順と、
    前記スタータのON時に前記内燃機関の温度を検出する手順と、
    前記内燃機関あるいは前記スタータの回転数を検出する手順と、
    前記検出された温度に基づいて前記検出された回転数に応じて必要な始動時トルクを算出する手順と、
    前記検出された回転数で最大スタータトルクを発生するトルク特性に前記スタータを電圧一定で切り替える手順と、
    前記内燃機関に供給される燃料が当該内燃機関で爆発することにより発生する爆発トルクと前記スタータトルクとの和が前記算出された始動時トルクとなるように前記燃料供給手段に燃料を供給する手順と、
    前記内燃機関の完爆を判定する手順と、
    を含むことを特徴とする内燃機関の始動制御方法。
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