JP2005220279A - ラミネート用一液型水性接着剤組成物 - Google Patents

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Fumitoshi Tsukiyama
文俊 築山
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Abstract

【課題】 低温硬化性を有し、プラスチックフィルムや印刷面に対して良好な接着性を発揮できるとともに、作業性、環境適性に優れ、ラミネート物の耐湿熱性、耐溶剤性、耐光性、耐久性を向上しうる一液型水性接着剤組成物を提供する。
【解決手段】 本発明のラミネート用一液型水性接着剤組成物は、0.1〜10重量%の活性カルボニル基含有重合性不飽和モノマー(a)、0.1〜10重量%の加水分解性シリル基含有重合性不飽和モノマー(b)、及び80〜99.8重量%のその他の重合性不飽和モノマー(c)からなる不飽和単量体混合物を、連鎖移動剤の存在下で乳化重合して得られる樹脂(A)を含む水分散性樹脂組成物と、前記不飽和単量体混合物の総量に対して0.1〜10重量%の水溶性ヒドラジン化合物(B)とを含み、且つ前記樹脂(A)のガラス転移温度が20℃以下である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、フィルムラミネーションやプリントラミネーション等の各種ラミネート用として有用な一液型水性接着剤組成物に関し、より詳しくは、セミドライ又はドライラミネート用接着剤として、延伸ポリプロピレン(OPP)フィルムや塩化ビニル樹脂フィルムなどのプラスチックフィルム表面や印刷物表面への密着性、作業性、環境適性に優れ、ラミネート物の耐湿熱性、耐溶剤性、耐光性、耐久性を向上しうるラミネート用一液型水性接着剤組成物に関する。
セミドライ又はドライラミネート加工は、接着剤を用いてプラスチックフィルムを他のプラスチックフィルムに接着するフィルムラミネーションや、印刷物の印刷面等に接着させるプリントラミネーションなどに利用されている。しかし、ドライラミネーションにおいては、印刷面とプラスチックフィルム表面は共に表面自由エネルギーが低いため、接着剤等に濡れにくく、極めて難接着であるという問題があった。
ドライラミネート用接着剤には、プラスチックフィルム表面や印刷面に対する高度な濡れ性が求められ、さらに低温接着性、耐熱性、耐溶剤性に優れていることが要求される。このような接着剤として、ほとんど二液硬化型の溶剤系ウレタン接着剤が使用されており、エポキシ/3級アミン系硬化剤にアクリルエマルジョンを主剤とした二液型の水系接着剤も一部使用されている。しかし、二液型接着剤は、二つの成分の配合比率を常に一定にする必要があり、また、ポットライフが短いなど作業性が悪いなどの点で不利である。前記の点で一液型接着剤が有利であるが、従来の一液型接着剤は塗布後の高温乾燥により硬化させる工程を要するため、プラスチックフィルムを用いたドライラミネート用途には不向きであった。
そこで、一液型接着剤に低温硬化性を付与する方法が検討されている。低温硬化性を有する一液型接着剤として、アルド基又はケト基を有するカルボニル基含有不飽和モノマーを含む単量体成分を乳化重合して得られる合成樹脂エマルジョンに、特定量のジヒドラジン化合物が配合されたドライラミネート用一液型水性接着剤が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1は、水性でも有効なカルボニル基とヒドラジンとの反応による硬化システムを用いることにより、常温における硬化作用を実現している。この接着剤によれば低温硬化性が得られるものの、夏場などの高温多湿下における接着性(耐湿熱性)が十分に得られず、ラミネートフィルムの剥離などのトラブルが生じやすいという問題があった。
特開平11−315262号公報
本発明の目的は、低温硬化性を有し、プラスチックフィルムや印刷面に対して良好な接着性を発揮できるとともに、作業性、環境適性に優れ、ラミネート物の耐湿熱性、耐溶剤性、耐光性、耐久性を向上しうる一液型水性接着剤組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、特定組成の単量体混合物を乳化重合して得られ、ガラス転移点が20℃以下である樹脂を含む水分散性樹脂組成物と、水溶性ヒドラジン化合物とを特定の割合で配合することにより、上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、0.1〜10重量%の活性カルボニル基含有重合性不飽和モノマー(a)、0.1〜10重量%の加水分解性シリル基含有重合性不飽和モノマー(b)、及び80〜99.8重量%のその他の重合性不飽和モノマー(c)からなる不飽和単量体混合物を、連鎖移動剤の存在下で乳化重合して得られる樹脂(A)を含む水分散性樹脂組成物と、前記不飽和単量体混合物の総量に対して0.1〜10重量%の水溶性ヒドラジン化合物(B)とを含み、且つ前記樹脂(A)のガラス転移温度が20℃以下であるラミネート用一液型水性接着剤組成物を提供する。前記水分散性樹脂組成物は、反応性界面活性剤の存在下で乳化重合して得られるものであってもよい。
前記その他の重合性不飽和モノマー(c)として、アルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(c-1)、スチレン系モノマー(c-2)、(メタ)アクリロニトリル(c-3)、アミド結合含有重合性不飽和モノマー(c-4)、酸基含有重合性不飽和モノマー(c-5)、水酸基含有重合性不飽和モノマー(c-6)、グリシジル基含有重合性不飽和モノマー(c-7)及び多官能ビニル基含有重合性不飽和モノマー(c-8)からなる群より選択された少なくとも1種のモノマーを利用できる。前記連鎖移動剤として、メルカプタン系化合物及び/又はアルコールを用いてもよい。
本発明の一液型水性接着剤組成物は、さらに、シリコーン界面活性剤を含んでいてもよい。前記シリコーン界面活性剤としては、例えば、下記式(1)
Figure 2005220279
(式中、Raは水素原子又はアルキル基を示す。j及びkは正の整数を示す。a及びbは、それぞれ、0〜100の整数を示す)
で表される変性シリコーン、下記式(2)
Figure 2005220279
(式中、Rbは水素原子又はアルキル基を示す。uは正の整数を示す。c及びdは、それぞれ、0〜100の整数を示す)
で表される変性シリコーン、及び下記式(3)
Figure 2005220279
(式中、Rcはヒドロキシル基又はアルコキシ基を示し、Rdは水素原子又はアルキル基を示す。A1及びA2は、それぞれ、−C24−基、又は−C36−基を示す。i及びrは正の整数を示し、e、f、g、hは、それぞれ、0〜100の整数を示す)
で表される変性シリコーンよりなる群から選択された少なくとも1種を使用できる。
なお、本発明において、樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、樹脂(A)の重合に用いた重合性不飽和モノマーMi(i=1、2・・・i)の各ホモポリマーのガラス転移温度Tgi(i=1、2・・・i)と、前記モノマーの不飽和単量体混合物中における重量分率Xi(i=1、2・・・i)とを、式:1/Tg=Σ(Xi/Tgi) に代入することにより、良好な近似で算出されるTg(理論値)を示している。
本発明の一液型水性接着剤組成物は、低温硬化性が良好であり、プラスチックフィルム及び印刷面に対して濡れやすいため優れた密着性を発揮でき、作業性、環境適性に優れ、しかも高温多湿下でも接着性が低下することがない。このため、密着性、耐湿熱性、耐溶剤性、耐光性、耐久性に優れたラミネート物を製造できる。
本発明において、樹脂(A)を含む水分散性樹脂組成物は、活性カルボニル基含有重合性不飽和モノマー(a)と、加水分解性シリル基含有重合性不飽和モノマー(b)と、その他の重合性不飽和モノマー(c)とからなる不飽和単量体混合物を連鎖移動剤の存在下で乳化重合して得られる樹脂(A)を含むエマルジョンである。
活性カルボニル基含有重合性不飽和モノマー(a)としては、例えばアクロレイン、クロトンアルデヒド、ホルミルスチロールなどの重合性不飽和基含有アルデヒド;ジアセトン(メタ)アクリルアミド、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、アセト酢酸ビニルエステル、下記式
Figure 2005220279
(式中、Rはアルキル基を示す)
で表されるγ,γ−ジメチル−6−ケトカルボン酸ビニルエステル、4〜7個の炭素原子を有するビニルアルキルケトン(例えばビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン)等の重合性不飽和基含有ケトン(ケト基含有重合性不飽和化合物)などが挙げられる。なかでも、ジアセトン(メタ)アクリルアミドが好ましい。
これらの活性カルボニル基含有重合性不飽和モノマー(a)は、架橋助剤としての水溶性ヒドラジン化合物(B)と組み合わせて用いることにより、皮膜形成時に、活性カルボニル基含有重合性不飽和モノマー(a)のカルボニル基と水溶性ヒドラジン化合物(B)のヒドラジノ基とが反応して、常温又は低温で架橋構造を形成する。このため、プラスチックフィルムや印刷面に対する接着力を向上でき、優れた耐熱性、耐溶剤性を発揮できる。
活性カルボニル基含有重合性不飽和モノマー(a)の使用量は、不飽和単量体混合物の総量[=モノマー成分(a)、(b)及び(c)の総量]に対して0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜7重量%である。0.1重量%未満の場合には、上記効果が得られず、10重量%を超える場合には、皮膜の耐水性が低下し、高温多湿下で接着不良を生じやすい。
加水分解性シリル基含有重合性不飽和モノマー(b)としては、シリル基などの加水分解縮合性基を有する不飽和モノマーであれば特に限定されないが、例えば、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルトリエトキシシラン等のアルコキシシリル基(C1-4アルコキシ−シリル基等)を含有するモノマー(加水分解性シリル基含有アクリル系モノマー等)が挙げられる。
これら加水分解性シリル基含有重合性不飽和モノマー(b)を共重合に用いることによって、加水分解性シリル基が空気中の湿気により加水分解し、シロキサン結合による架橋構造を形成しうるため(湿気硬化)、前記活性カルボニル基含有重合性不飽和モノマー(a)及び水溶性ヒドラジン化合物(B)の反応により形成される架橋構造との相乗効果により、接着剤組成物の常温又は低温における架橋性をさらに促進することができる。このため、塗膜の耐溶剤性、耐水性が改善されることに加え、優れた耐候性が発揮され、特に夏場など高温多湿下における接着性の低下を回避して、ラミネート加工後のフィルムの剥離等のトラブルを防ぐことができる。
加水分解性シリル基含有重合性不飽和モノマー(b)の使用量は、不飽和単量体混合物の総量に対して0.1〜10重量%であり、より好ましくは0.5〜5重量%である。モノマー(b)の使用量が0.1重量%未満では上記特徴が出ず、10重量%より多い場合は、凝集により重合安定性、貯蔵安定性、造膜性の低下につながるとともに、樹脂皮膜の内部構造の一部にミクロゲル状の不均一構造を形成し、接着力の低下を引き起こす。
前記不飽和単量体混合物のうち、前記活性カルボニル基含有重合性不飽和モノマー(a)及び加水分解性シリル基含有重合性不飽和モノマー(b)の残部を占めるその他の重合性不飽和モノマー(c)としては、例えば、アルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(c-1)、スチレン系モノマー(c-2)、(メタ)アクリロニトリル(c-3)、アミド結合含有重合性不飽和モノマー(c-4)、酸基含有重合性不飽和モノマー(c-5)、水酸基含有重合性不飽和モノマー(c-6)、グリシジル基含有重合性不飽和モノマー(c-7)及び多官能ビニル基含有重合性不飽和モノマー(c-8)が挙げられる。これらの単量体は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。以下に、「その他の重合性不飽和モノマー(c)」を単に「モノマー(c)」と称する場合がある。
アルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(c-1)としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらの1種又は2種以上が適宜組み合わされ使用される。なかでも、アルキル基の炭素数が1〜10の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。
スチレン系モノマー(c-2)としては、スチレンのほかに、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。これらのモノマーは1種又は2種以上組み合わせて使用できる。
アルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(c-1)、スチレン系モノマー(c-2)は、良好な成膜性と、皮膜に硬さ、柔軟性、可撓性を付与しうる。
(メタ)アクリルニトリル(c-3)を共重合モノマーとして用いると、分子内のシアノ基による樹脂(A)中での配向、結晶化効果により緻密で強靱な皮膜を形成して、接着剤の凝集力及び耐熱性を向上しうる。
アミド結合含有重合性不飽和モノマー(c-4)としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、α−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド、N−ビニルピロリドンなどが挙げられる。これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
アミド結合含有重合性不飽和モノマー(c-4)を共重合モノマーとして用いると、接着剤組成物にニュートン液体様の粘性を付与し、接着剤のレベリング性やロール適性などの作業性を向上しうる。
酸基含有重合性不飽和モノマー(c-5)としては、例えばカルボキシル基、スルホン酸基およびリン酸基等から選ばれる少なくとも1つの酸基を分子内に有するエチレン性不飽和化合物を使用できる。酸基含有重合性不飽和モノマー(c-5)のうち、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、α−エチルアクリル酸、β−エチルアクリル酸、β−プロピルアクリル酸、β−イソプロピルアクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、フマール酸、β−カルボキシエチルアクリレート(β−CEA)などが挙げられ、これらは商品名「ライトエステルHOA−MS」(共栄社化学社製)として市販されている。スルホン酸基含有重合性不飽和モノマーとしては、例えば、p−ビニルベンゼンスルホン酸、p−アクリルアミドプロパンスルホン酸、t−ブチルアクリルアミドスルホン酸等が挙げられる。リン酸基含有重合性不飽和モノマーとしては、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレートのリン酸モノエステル、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートのリン酸モノエステルなどが挙げられ、これらは商品名「ライトエステルPM」(共栄社化学社製)として市販されている。これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。なかでも、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマーが好ましい。
酸基含有重合性不飽和モノマー(c-5)を共重合に用いると、得られる樹脂エマルジョンの保存安定性、機械的安定性、凍結に対する安定性等の諸安定性を向上し、塗膜形成時におけるプラスチックフィルムや印刷物表面との強い密着性が得られる。特に側鎖が長く、ガラス転移温度の低いカルボキシル基含有重合性不飽和モノマーによれば、低温接着性を著しく改善しうるため、プラスチックフィルムを用いたセミドライ又はドライラミネート用途に適した接着剤組成物を得ることができる。
水酸基含有重合性不飽和モノマー(c-6)としては、水酸基を有する不飽和モノマーであれば特に限定されないが、例えば、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシブチル、ε−カプロラクトン変性アクリルモノマー等の水酸基含有アクリル系モノマーなどが挙げられる。これらの1種または2種以上が組み合わされて使用される。ε−カプロラクトン変性アクリルモノマーとしては、ダイセル化学工業(株)の商品名「プラクセルFA−1」、「プラクセルFA−2」、「プラクセルFA−3」、「プラクセルFA−4」、「プラクセルFA−5」、「プラクセルFM−1」、「プラクセルFM−2」、「プラクセルFM−3」、「プラクセルFM−4」、及び「プラクセルFM−5」などが挙げられる。
水酸基含有重合性不飽和モノマー(c-6)を共重合成分として用いることにより、塗膜の親水性が良くなり、プラスチックフィルム表面及び印刷面への濡れ性が増し、密着性が向上する。
グリシジル基含有重合性不飽和モノマー(c-7)としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート(GMA)、グリシジルクロネート、グリシジルアリルエーテル、β−グリシジルメタクリレート等が挙げられる。また、上記グリシジル基含有重合性不飽和モノマー(c-7)のほか、エポキシ基含有重合性不飽和モノマーとして、例えば、(3,4−エポキシクロロヘキシル)メチルメタクリレート、3−エポキシクロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等を用いることもできる。これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。なかでも、グリシジルメタクリレートが好ましい。
多官能ビニル基含有重合性不飽和モノマー(c-8)としては、例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ネトペンチルギルコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等のジビニル系モノマー;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のトリビニル系モノマー;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のヘキサビニル系モノマー等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
グリシジル基含有重合性不飽和モノマー(c-7)、多官能ビニル基含有重合性不飽和モノマー(c-8)は、エマルジョンの安定性を阻害しない範囲で共重合に用いると、接着剤組成物の内部架橋が促進され、耐熱性を向上しうる。
モノマー(c)としては、良好な成膜性を得るためには、少なくとも前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(c-1)を用いるのが好ましく、特に前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(c-1)とスチレン系モノマー(c-2)とを併用するのが好ましい。また、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(c-1)、又は(メタ)アクリル酸アルキルエステル(c-1)及びスチレン系モノマー(c-2)とともに、(メタ)アクリロニトリル(c-3)、アミド結合含有重合性不飽和モノマー(c-4)、酸基含有重合性不飽和モノマー(c-5)、水酸基含有重合性不飽和モノマー(c-6)、グリシジル基含有重合性不飽和モノマー(c-7)及び多官能ビニル基含有重合性不飽和モノマー(c-8)からなる群から選択された少なくとも1種のモノマーとを用いるのも好ましい。
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(c-1)の量は、モノマー(c)の総量に対して、例えば30〜100重量%、好ましくは35〜80重量%、さらに好ましくは40〜70重量%程度である。スチレン系モノマー(c-2)の量は、モノマー(c)の総量に対して、例えば0〜70重量%、好ましくは20〜65重量%、さらに好ましくは30〜60重量%程度である。また、(メタ)アクリロニトリル(c-3)の量は、モノマー(c)の総量に対して、通常0〜20重量%(例えば1〜20重量%)、好ましくは0〜10重量%(例えば1〜10重量%)程度であり、アミド結合含有重合性不飽和モノマー(c-4)の量は、モノマー(c)の総量に対して、通常0〜20重量%(例えば1〜20重量%)、好ましくは0〜10重量%(例えば1〜10重量%)程度である。
酸基含有重合性不飽和モノマー(c-5)の量は、モノマー(c)の総量に対して、通常0.1〜20重量%(例えば0.2〜20重量%)、好ましくは0.2〜10重量%(例えば0.5〜5重量%)程度である。水酸基含有重合性不飽和モノマー(c-6)の量は、モノマー(c)の総量に対して、通常0.1〜20重量%(例えば0.2〜20重量%)、好ましくは0.2〜10重量%(例えば0.5〜5重量%)程度である。グリシジル基含有重合性不飽和モノマー(c-7)の量は、モノマー(c)の総量に対して、通常0.1〜10重量%(例えば0.2〜10重量%)、好ましくは0.2〜5重量%程度である。多官能ビニル基含有重合性不飽和モノマー(c-8)の量は、モノマー(c)の総量に対して、通常0〜5重量%(例えば0.1〜5重量%)、好ましくは0.1〜3重量%程度である。
本発明の乳化重合において用いられる連鎖移動剤は、乳化重合の際、生成する重合体の分子量を適度に調節し、ラミネート用接着剤として用いたときに、低エネルギー表面で難接着性の各種プラスチックフィルム表面や印刷面に対して優れた濡れ性、親和性を発揮して、接着力を強化する作用がある。
連鎖移動剤としては、上記作用を有するものであれば特に限定されないが、例えば、メルカプタン系化合物やアルコール等を用いることができる。前記メルカプタン系化合物には、ブチルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、ベンゼンチオエタノール、オクチルチオグリコレート等のチオール;2−メルカプトエチルアルコール等のメルカプト基含有アルコール;β−メルカプトプロピオン酸、メルカプトコハク酸などのメルカプトカルボン酸等が含まれる。前記アルコールには、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコール等のC1−C6程度の脂肪族アルコール;ベンジルアルコール等のC7−C13程度の芳香族アルコールなどが含まれる。これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。例えば、メルカプタン系化合物とアルコールとを組み合わせて用いてもよい。
連鎖移動剤の乳化重合における使用量は、不飽和単量体混合物の総量に対して、例えば0.2〜3.0重量%程度である。この使用量が0.2重量%未満の場合は、接着力が十分に得られにくく、3重量%を超えると、乳化重合速度が低下することにより残存モノマーが多量に生じ、臭気が発生するなど環境保護の点で好ましくなく、さらに重合体の分子量が低下しすぎるため、接着剤の耐水性、耐湿熱性、耐溶剤性、耐熱性等の低下を引き起こしやすく、好ましくない。
乳化重合は、前記モノマー成分(a)、(b)及び(c)を水性液中で、連鎖移動剤、ラジカル重合開始剤及び乳化剤の存在下、撹拌下に加熱することによって実施できる。反応温度は例えば30〜100℃程度、反応時間は例えば1〜10時間程度が好ましい。水と乳化剤(例えば反応性界面活性剤など)とを仕込んだ反応容器にモノマー混合液又はモノマープレ乳化液を一括添加又は暫時滴下することによって反応温度の調節を行うとよい。
ラジカル重合開始剤としては、通常アクリル樹脂の乳化重合で使用される公知の開始剤が使用できる。具体的には、水溶性のフリーラジカル重合開始剤として、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水素などや、これらの酸化剤と、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ロンガリット、アスコルビン酸等の還元剤との組み合わせからなるいわゆるレドックス系開始剤などが、それぞれ水溶液の形で使用される。
乳化剤としては、乳化重合で通常使用される非反応性乳化剤(一般乳化剤)や反応性界面活性剤が使用できる。非反応性乳化剤としては、例えば、6以上の炭素原子を有する炭化水素基と、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸塩部分エステル、リン酸塩、リン酸塩部分エステルなどの親水性部分とを同一分子内に有するミセル化合物;分子内にポリオキシアルキレン基を有するミセル化合物などから選ばれるアニオン系又は非イオン系(ノニオン系)の乳化剤が好ましく用いられる。このうち、アニオン系乳化剤としては、アルコキシフェノール類又は高級アルコール類の硫酸ハーフエステルのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩;アルキル又はアリルスルホネートのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアリルエーテルの硫酸ハーフエステルのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩などが挙げられる。また非イオン系乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアリルエーテルなどが挙げられる。またこれら一般汎用のアニオン系、非イオン系乳化剤の他に、分子内にラジカル重合性の不飽和二重結合を有する、すなわちアクリル系、メタクリル系、プロペニル系、アリル系、アリルエーテル系、マレイン酸系などの基を有する各種アニオン系、ノニオン系反応性乳化剤なども適宜、単独又は2種以上の組み合わせで使用される。
反応性界面活性剤は、特に制限されるものではなく、重合性不飽和基等の反応性基を含む基と、ノニオン系親水基やアニオン系親水基などの界面活性作用を発現する基とを有するいかなる反応性界面活性剤を用いてもよい。前記重合性不飽和基等の反応性基を含む基としては、例えば、ビニル基、アリル基、メタリル基、アリルオキシ基、メタリルオキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等が挙げられる。
代表的な反応性界面活性剤には、例えば、下記式(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)又は(10)で表される化合物が含まれる。
Figure 2005220279
(式中、A1は炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基、R1は水素原子又はメチル基、R2は炭素数7〜24の炭化水素基又は炭素数7〜24のアシル基、Xは水素原子、又はノニオン系若しくはアニオン系の親水基、mは0〜100の整数を示す)
Figure 2005220279
(式中、A2は炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基、R3は炭素数1〜18の炭化水素基、R4は水素原子又は炭素数1〜18の炭化水素基、pは2〜200の整数、Mはアルカリ金属又はNH4を示す)
Figure 2005220279
(式中、A3は炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基、R5は水素原子又はメチル基、R6は水素原子又はアルキル基、qは0〜100の整数、Mはアルカリ金属又はNH4を示す)
Figure 2005220279
(式中、R7は置換基を有していてもよい炭化水素基、R8は水素原子又はメチル基、Mはアルカリ金属又はNH4を示す)
Figure 2005220279
(式中、R9は置換基を有していてもよい炭化水素基、R10は水素原子又はメチル基、Mはアルカリ金属又はNH4を示す)
Figure 2005220279
(式中、Φは多官能フェニル基、R11は水素原子又はメチル基、sは1〜100の整数、Mはアルカリ金属又はNH4を示す)
Figure 2005220279
(式中、Mはアルカリ金属又はNH4を示す)
前記式(4)において、A1における炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基としては、例えば、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレン基、又はこれらに、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)、ヒドロキシル基、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ基等のC1-4アルコキシ基など)などの置換基が結合したアルキレン基などが挙げられる。R2における炭素数7〜24の炭化水素基としては、例えば、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル基などのアルキル基;オクテニル、デセニル基などのアルケニル基;4−メチルフェニル、4−プロピルフェニル、4−オクチルフェニル、4−ノニルフェニル、4−デシルフェニル、4−ドデシルフェニル、4−テトラデシルフェニル、4−ヘキサデシルフェニル基などのアルキルアリール基などが挙げられる。R2における炭素数7〜24のアシル基としては、オクタノイル、ノナノイル、ドデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、4−ノニルベンゾイル基などの脂肪族、脂環式又は芳香族アシル基が挙げられる。mは、好ましくは0〜50程度の整数である。
Xにおけるノニオン系若しくはアニオン系の親水基としては、例えば、ポリオキシアルキレン基や、スルホン酸基、カルボキシル基等を含む種々の基が挙げられるが、代表的な基として、下記式(11)
Figure 2005220279
(式中、A4は炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基、Mはアルカリ金属又はNH4、tは0〜100の整数を示す)
で表される基が例示される。A4における炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基としては、前記A1における炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基と同様のものが挙げられる。Mにおけるアルカリ金属としては、例えば、ナトリウム、カリウムなどが挙げられる。tは、好ましくは0〜30程度の整数である。
式(5)において、A2における炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基としては、前記A1における炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基と同様のものが挙げられる。R3、R4における炭素数1〜18の炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル基などのアルキル基;ビニル、アリル、ヘキセニル、オクテニル、ノネニル、デセニル基などのアルケニル基;ベンジル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル基などのアラルキル基などが挙げられる。これらのなかでも炭素数4〜18の炭化水素基が特に好ましい。Mにおけるアルカリ金属は前記と同様である。pは好ましくは2〜50程度の整数である。
式(6)において、A3における炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基としては、前記A1における炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基と同様のものが挙げられる。R6におけるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル基などの炭素数1〜20程度のアルキル基等が挙げられる。qは、好ましくは0〜50程度の整数である。Mにおけるアルカリ金属は前記と同様である。
式(7)及び式(8)において、R7、R9における置換基を有していてもよい炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル基などのアルキル基;ビニル、アリル、ヘキセニル、オクテニル、デセニル基などのアルケニル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基などのアリール基;ベンジル、2−フェニルエチルなどのアラルキル基;又はこれらに、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)、ヒドロキシル基、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ基等のC1-4アルコキシ基など)などの置換基が結合した炭化水素基などが挙げられる。Mは前記と同様である。
式(9)において、Mは前記と同様である。sは、好ましくは1〜50程度の整数である。式(9)で表される反応性界面活性剤として、日本乳化剤(株)製の商品名「アントックスMS−60」などが市販されている。式(10)において、Mは前記と同様である。
反応性界面活性剤は、前記モノマー成分(a)、(b)及び(c)と共重合、またはグラフトし、重合後は高分子量の重合体の構成単位として存在する。そのため非反応性の一般乳化剤が重合後も水相中にフリーに水溶性のまま低分子の形で存在し、最終的に得られた樹脂分散液のキャストフィルムがそのために耐水性、耐溶剤性と接着性の劣るものとなるのに対し、反応性界面活性剤を用いて得られた樹脂分散液のキャストフィルムは高度な耐水性、耐溶剤性と接着性を発揮する。
反応性界面活性剤の乳化重合における使用量は、不飽和単量体混合物の総量に対して、0.3〜6重量%である。この使用量が0.3重量%未満の場合は、乳化重合の安定性が悪く、重合中にグリッツが発生しやすく、また重合後得られた樹脂分散液の安定性が劣り、商品価値の低いものとなる。また6重量%を超えると、耐水性、耐溶剤性、密着性などに支障をきたす可能性がある上、経済性などにおいて問題となる場合も想定され、好ましくない。
乳化重合の方法としては、通常の一段連続モノマー均一滴下法、多段モノマーフィード法であるコア・シェル重合法、重合中にフィードするモノマー組成を連続的に変化させるパワーフィード重合法等、いずれの重合法もとることができる。
このようにして、樹脂(A)を含む水分散性樹脂組成物が調製される。本発明の接着剤組成物は、ガラス転移温度(Tg)が20℃以下である樹脂(A)を含む水分散性樹脂組成物で構成されている。このため、ラミネート加工に用いた際には、プラスチックフィルム及び印刷の表面に対して優れた接着性を発揮しうる。樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、20℃以下(例えば−40〜20℃)、好ましくは10℃以下(たとえば−30℃〜10℃)である。樹脂(A)のTgが20℃を超えると、接着剤組成物は粘着性を失い、接着力が低下してしまう。Tgが−40℃未満では、粘着性は増すが凝集力が低下し、却って接着力の低下を招き、また、耐熱性や耐溶剤性も劣る。ガラス転移温度は、不飽和単量体混合物を構成する重合性不飽和モノマーの種類や使用量により調整することができる。
また、樹脂(A)の重量平均分子量は、特に限定されないが、一般的に2万〜50万程度であり、好ましくは4万〜40万程度である。重量平均分子量は、連鎖移動剤の種類や使用量により調整できる。
水分散性樹脂組成物には、塩基性化合物等の添加剤を添加してもよい。塩基性化合物としては、アンモニア、各種アミン類、アルカリ金属塩等が挙げられる。塩基性化合物を加えることによって水分散性樹脂組成物中に含まれる酸の一部又は全量が中和され、水分散性樹脂組成物の安定性が確保される。なお、塩基性化合物等の添加剤は、水分散性樹脂組成物と水溶性ヒドラジン化合物とを混合した後に添加してもよい。
本発明のラミネート用一液型水性接着剤組成物は、上記樹脂(A)を含む水分散性樹脂組成物と水溶性ヒドラジン化合物(B)とを含んでいる。水溶性ヒドラジン化合物(B)は、架橋助剤として用いられ、皮膜形成時に、活性カルボニル基含有重合性不飽和モノマー(a)のカルボニル基と水溶性ヒドラジン化合物(B)のヒドラジノ基とが反応して、常温又は低温で架橋構造を形成することにより、接着剤組成物に常温硬化性を付与しうる。また、プラスチックフィルムや印刷物の表面に存在するカルボニル基などの活性基と常温で反応し、化学結合を形成することにより強固な接着性を発現する機能を有する。
水溶性ヒドラジン化合物(B)には、ポリヒドラジド化合物やポリセミカルバジド化合物などが含まれ、代表的な化合物として、例えば、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等の2〜18個の炭素原子を有する飽和脂肪族カルボン酸ジヒドラジド;マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド等のモノオレフィン性不飽和ジカルボン酸ジヒドラジド;フタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、ピロメリット酸のジヒドラジド、トリヒドラジド、テトラヒドラジド等の芳香族性カルボン酸ポリヒドラジド;ニトリロトリヒドラジド、クエン酸トリヒドラジド、1,2,4−ベンゼントリヒドラジド、エチレンジアミンテトラ酢酸テトラヒドラジド、1,4,5,8−ナフトエ酸テトラヒドラジド、カルボン酸低級アルキルエステル基を有する低重合体をヒドラジン又はヒドラジン水和物(ヒドラジンヒドラード)と反応させて得られるポリヒドラジド;炭酸ジヒドラジド、ビスセミカルバジド;ヘキサメチレンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネート等のジイソシアネート及びそれにより誘導されるポリイソシアネート化合物にヒドラジン化合物や上記例示のジヒドラジドを過剰に反応させて得られる水系多官能セミカルバジド及びこれらの混合物等が挙げられる。
本発明のラミネート用一液型水性接着剤組成物は、前記不飽和単量体混合物の総量に対して0.1〜10重量%の水溶性ヒドラジン化合物(B)含む。水溶性ヒドラジン化合物(B)の使用量は、上記作用による常温硬化性を付与する点で、樹脂(A)を構成する活性カルボニル基と化学両論的に同モル量であることが好ましい。前記水溶性ヒドラジン化合物(B)の量が0.1重量%未満では、活性カルボニル基との反応が不十分となって接着力が低下し、また耐溶剤性、耐熱性も劣り、10重量%を超えると、接着剤組成物の耐水性、耐湿性が低下すると共に接着力も低下してしまう。
本発明のラミネート用一液型水性接着剤組成物は、樹脂(A)を含む水分散性樹脂組成物と水溶性ヒドラジン化合物(B)とを混合することにより得られる。さらに、ラミネート用一液型水性接着剤組成物には、水分散性樹脂組成物と水溶性ヒドラジン化合物との混合の際又は混合後に、シリコーン界面活性剤を添加してもよい。
シリコーン界面活性剤は、接着剤組成物の表面張力を低下させ、接着剤に濡れ、湿潤、浸透、乳化、分散、消泡などの優れた特性を付与し、接着剤の各種プラスチックフィルム表面や印刷面への浸透、含浸性を向上させ、密着性を改善する。特に、従来型の界面活性剤では泡立ちがひどいため、接着作業性の点でトラブルが多く、接着欠陥を引き起こすなどの問題があったのに対し、シリコーン界面活性剤では泡立ちを著しく抑制でき、これらの諸問題を回避できる点で有利である。
シリコーン界面活性剤の使用量は、樹脂(A)を含む水分散性樹脂組成物と水溶性ヒドラジン化合物(B)との混合物中の固形分に対して、例えば0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%程度である。前記使用量が0.1重量%より少ない場合は、プラスチックフィルム表面や印刷面への濡れ、浸透、含浸性が不足し、前記特性が不十分となる。また、10重量%より多く用いた場合は、逆に発泡の原因となり、作業性のトラブルが伴い、却って好ましくない。シリコーン界面活性剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
シリコーン界面活性剤としては、界面活性作用を有するシリコーン化合物であれば特に限定されないが、例えば、分子内にポリオキシアルキレン基(ポリエーテル基)を有するポリエーテル変性シリコーンなどが例示される。前記ポリオキシアルキレン基には、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン基などが含まれる。
シリコーン界面活性剤は、ポリオキシアルキレン基等の親水性基の位置によって、ペンダント型(側鎖変性シリコーン)、末端変性型(末端変性シリコーン)、末端側鎖変性型(末端側鎖変性シリコーン)、ABN型(オルガノシロキサン部位と親水性部位とが交互に結合しているもの)などに分類される。
好ましいシリコーン界面活性剤として、前記式(1)、(2)、(3)で表される変性シリコーンが挙げられる。式(1)で表される変性シリコーンはペンダント型、式(2)で表される変性シリコーンは末端変性型、式(3)で表される変性シリコーンはABN型にそれぞれ含まれる。
式(1)中、Raにおけるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル基などの炭素数1〜20程度のアルキル基等が挙げられる。好ましいRaは水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基である。j及びkは、好ましくは、それぞれ1〜100の整数である。a及びbは、それぞれ、0〜100の整数を示し、好ましくは0〜50である。
式(2)中、Rbにおけるアルキル基は前記Raと同様である。好ましいRbは水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基である。uは、好ましくは1〜100の整数である。c及びdは、それぞれ、0〜100の整数を示し、好ましくは0〜50である。
式(3)中、Rcにおけるアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロピルオキシ、ブトキシ、イソブチルオキシ、s−ブチルオキシ、t−ブチルオキシ、ヘキシルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ドデシルオキシ、ヘキサデシルオキシ基などの炭素数1〜20程度のアルコキシ基等が挙げられる。好ましいRcはヒドロキシル基又は炭素数1〜10のアルコキシ基である。Rdにおけるアルキル基は前記Raと同様である。好ましいRdは水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基である。A1及びA2は、それぞれ、−C24−基、又は−C36−基を示す。i及びrは、好ましくは、それぞれ1〜100の整数である。e、f、g、hは、それぞれ、0〜100の整数を示し、好ましくは0〜50の整数である。
シリコーン界面活性剤は、例えば、商品名「SILWET」[日本ユニカー(株)製]等として市販されている。
本発明のラミネート用一液型水性接着剤組成物は、上記成分の混合の際に、メチルセロソルブ、カルビトール、トリエチレングリコール、テキサノール等の造膜助剤を用いてもよい。また、ラミネート用一液型水性接着剤組成物には、必要に応じて、消泡剤、増粘剤、凍結安定剤、他の湿潤剤、顔料、水溶性樹脂、浸透助剤などの公知の添加剤を配合してもよい。
本発明のラミネート用一液型水性接着剤組成物によれば、有機溶剤を使用しないため火災の危険がなく安全に使用でき、大気を汚染することなく環境適性に優れる。しかもプラスチックフィルム表面や印刷面に対して十分な密着性を発揮しうるため、ラミネート用接着剤として性能面でも二液型溶剤系ウレタン接着剤に代わる材料となりうる。さらに、本発明のラミネート用一液型水性接着剤組成物は、従来の溶剤系接着剤の製造設備を大幅に変更することなく同設備を利用して製造できる点でも有利である。
本発明のラミネート用一液型水性接着剤組成物は、プラスチックフィルム同士を接着するフィルムラミネーションや、プラスチックフィルムと印刷物表面を接着するプリントラミネーションにおける、セミドライ又はドライラミネート用接着剤として利用できる。本発明の接着剤組成物を用いてラミネート加工を施すことにより、屋外看板、本の表紙、ショッピングバッグ等の印刷面に光沢を付与して良好な外観が得られ、引っ掻きや汚れ、湿気、熱、光から保護して耐溶剤性、耐光性、耐久性を向上でき、特に高温多湿下でもフィルムのフクレや剥離が生じることなく優れた接着性が得られるため、前記効果を十分に発揮することができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。以下において「部」及び「%」は特に断りのない限り、すべて重量基準である。
実施例1
撹拌機、温度計、滴下ロート、還流冷却器を備えた通常のアクリル系樹脂エマルジョン製造用の反応容器に、イソプロピルアルコール(連鎖移動剤)8部、水170部と下記式(12)
Figure 2005220279
(式中、Rはアルキル基を示し、qは0〜100の整数を示す)
で表される反応性界面活性剤[商品名「アデカリアソープSR−20」、旭電化工業(株)製]1部を仕込み、75℃に昇温した。別途、次に示すモノマー、乳化剤及び水の混合液を高圧ホモジナイザーを用いて均一に乳化し、モノマー乳化液として滴下ロートに仕込んだ。
(モノマー乳化液)
反応性界面活性剤 [式(12)] 13部
活性カルボニル基含有重合性不飽和モノマー[DAAAm(ジアセトンアクリルアミド)](a1) 20部
加水分解性シリル基含有重合性不飽和モノマー[商品名「A−174」、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、日本ユニカー(株)製](b1)5部
SM(スチレン)(c1) 140部
BA(アクリル酸ブチル)(c2) 290部
β−CEA[β−カルボキシエチルアクリレート、ダイセル化学工業(株)製](c3) 13部
連鎖移動剤[OTG(オクチルチオグリコレート)] 4部
水 220部
また、別途、次に示す滴下用開始剤水溶液を別の滴下ロートに仕込んだ。
(滴下用開始剤水溶液)
過硫酸アンモニウム 1部
水 20部
次に、前記反応容器内に、前記モノマー乳化液の5%を添加し、75℃に加熱後、前記滴下用開始剤水溶液の5%を投入し、10分間プレ重合反応を行った。この間反応容器の内温は自動的に80℃に上昇した。その後、残りのモノマー乳化液及び滴下用開始剤水溶液を80℃で3時間かけて一定速度で同反応容器内に滴下した。滴下終了後80℃に保持して1時間熟成反応を行い、室温に冷却した後、アンモニア水(25%)3部を反応容器内に投入し、水分散性樹脂組成物を得た。
次に、上記で得られた水分散性樹脂組成物908重量部に、10重量%アジピン酸ジヒドラド水溶液(B)150重量部を混合して、目的の接着剤組成物を得た。この接着剤組成物は、固形分濃度47.3%、pH7.1であり、当該接着剤組成物に含まれる樹脂のガラス転移温度(理論値)は−16℃であった。
実施例2
実施例1において、SM(スチレン)140部の代わりにMMA(メタクリル酸メチル)140部を用いた以外は実施例1と全く同様の操作を行い、目的の接着剤組成物を得た。この接着剤組成物は、固形分濃度47.1%、pH7.2であり、当該接着剤組成物に含まれる樹脂のガラス転移温度(理論値)は−15℃であった。
実施例3
実施例1において、SM(スチレン)及びBA(アクリル酸ブチル)の添加量をSM180部及びBA250部とした点以外は実施例1と全く同様の操作を行い、目的の接着剤組成物を得た。この接着剤組成物は、固形分濃度47.2%、pH7.1であり、当該接着剤組成物に含まれる樹脂のガラス転移温度(理論値)は−5℃であった。
実施例4
実施例1において、反応性界面活性剤(商品名「アデカリアソープSR−20」)の代わりに、同量の下記式(13)
Figure 2005220279
(式中、Φは多官能フェニル基、sは1〜100の整数、Mはアルカリ金属又はNH4を示す)
で表される反応性界面活性剤[商品名「アントックスMS−60」、ビス(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル)メタクリレート硫酸エステル塩)、日本乳化剤(株)製]を用い、SM(スチレン)及びBA(アクリル酸ブチル)の添加量をSM180部及びBA250部とした点以外は実施例1と全く同様の操作を行い、目的の接着剤組成物を得た。この接着剤組成物は、固形分濃度47.3%、pH7.0であり、当該接着剤組成物に含まれる樹脂のガラス転移温度(理論値)は−5℃であった。
実施例5
実施例3で得られた接着剤組成物の100部に対し、シリコーン界面活性剤[商品名「SILWET L−77」、日本ユニカー(株)製、前記式(1)で表されるペンダント型]1部を添加して、目的の接着剤組成物を得た。この接着剤組成物は、固形分濃度48.2%、pH7.2であり、当該接着剤組成物に含まれる樹脂のガラス転移温度(理論値)は−5℃であった。
実施例6
実施例3で得られた接着剤組成物の100部に対し、シリコーン界面活性剤[商品名「SILWET L−77」、日本ユニカー(株)製、前記式(1)で表されるペンダント型]0.5部を添加して、目的の接着剤組成物を得た。この接着剤組成物は、固形分濃度47.7%、pH7.0であり、当該接着剤組成物に含まれる樹脂のガラス転移温度(理論値)は−5℃であった。
実施例7
実施例3で得られた接着剤組成物の100部に対し、シリコーン界面活性剤[商品名「SILWET FZ−2163」、日本ユニカー(株)製、前記式(1)で表されるペンダント型]0.5部を添加して、目的の接着剤組成物を得た。この接着剤組成物は、固形分濃度47.8%、pH7.3であり、当該接着剤組成物に含まれる樹脂のガラス転移温度(理論値)は−5℃であった。
実施例8
実施例3で得られた接着剤組成物の100部に対し、シリコーン界面活性剤[商品名「SILWET SS−2801」、日本ユニカー(株)製、前記式(2)で表される末端変性型]0.5部を添加して、目的の接着剤組成物を得た。この接着剤組成物は、固形分濃度47.6%、pH7.1であり、当該接着剤組成物に含まれる樹脂のガラス転移温度(理論値)は−5℃であった。
比較例1
実施例1において、SM(スチレン)及びBA(アクリル酸ブチル)の添加量をSM300部及びBA130部とした点以外は実施例1と全く同様の操作を行い、接着剤組成物を得た。この接着剤組成物は、固形分濃度47.3%、pH7.0であり、当該接着剤組成物に含まれる樹脂のガラス転移温度(理論値)は36℃であった。
比較例2
実施例1において、DAAAm(ジアセトンアクリルアミド)20部の代わりにMMA(メタクリル酸メチル)20部を用いた点以外は実施例1と全く同様の操作を行い、接着剤組成物を得た。この接着剤組成物は、固形分濃度47.2%、pH7.2であり、当該接着剤組成物に含まれる樹脂のガラス転移温度(理論値)は−15℃であった。
比較例3
実施例1において、加水分解性シリル基含有重合性不飽和モノマー(商品名「A−174)5部の代わりにMMA(メタクリル酸メチル)5部を用いた点以外は実施例1と全く同様の操作を行い、接着剤組成物を得た。この接着剤組成物は、固形分濃度47.3%、pH7.3であり、当該接着剤組成物に含まれる樹脂のガラス転移温度(理論値)は−16℃であった。
比較例4
実施例1において、10重量%アジピン酸ジヒドラジド水溶液150部の代わりに水135部を用いた点以外は実施例1と全く同様の操作を行い、接着剤組成物を得た。この接着剤組成物は、固形分濃度46.6%、pH7.5であり、当該接着剤組成物に含まれる樹脂のガラス転移温度(理論値)は−16℃であった。
比較例5
実施例1において、連鎖移動剤としてのイソプロピルアルコール8部及びOTG(オクチルチオグリコレート)4部の代わりに水8部及びMMA(メタクリル酸メチル)4部を用いた点以外は実施例1と全く同様の操作を行い、接着剤組成物を得た。この接着剤組成物は、固形分濃度47.2%、pH7.1であり、当該接着剤組成物に含まれる樹脂のガラス転移温度(理論値)は−15℃であった。
評価試験
実施例及び比較例において得られた各接着剤組成物について、以下の評価試験を行った。結果を表1に示す。
発泡性試験
実施例及び比較例において得られた各接着剤組成物の原液50mlを250mlのメスシリンダーに入れ、窒素を200ml/minで30秒通気した後に生じた泡高さ[mm]を測定することにより発泡性を評価した。
サンプル(ラミネート物)の作製
実施例及び比較例において得られた各接着剤組成物を、厚み15μmの延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)の片面にバーコーターNo.3で塗布し、60℃で1分間乾燥した後、OPPフィルムの接着剤組成物塗布面側を、印刷が施された紙の印刷面側に重ね、70℃でヒートシールすることによりプリントラミネーションを施したサンプルを作製した。このラミネートサンプルについて以下の評価試験を行った。結果を表1に示す。
初期及び常態接着性
上記方法に従って作製したサンプルについて、ヒートシール処理後直ちにOPPフィルムを剥がしたとき(初期接着性)及びヒートシール処理後30分放置した後にOPPフィルムを剥がしたとき(常態接着性)の印刷面の剥離状態をそれぞれ目視観察し、下記の基準で評価した。
○:印刷面の表面積の100%がOPPフィルムに接着した状態で剥がれる
△:印刷面の表面積の50%以上100%未満がOPPフィルムに接着した状態で剥がれる
×:印刷面の表面積の50%未満がOPPフィルムに接着した状態で剥がれる
耐熱性
サンプルを室温(20℃)で24時間放置した後、70℃雰囲気下で24時間放置したときのサンプルの外観を目視観察し、耐熱性を下記の基準で評価した。
○:ふくれや剥がれが全く見られない
△:1〜3箇所にふくれや剥がれが見られる
×:4箇所以上にふくれや剥がれが見られる
耐溶剤性
サンプルをケロシン(灯油)に10秒間浸漬し、引き上げて24時間放置した後にOPPフィルムを剥がしたときの状態を目視観察し、下記の基準で評価した。
○:印刷面の表面積の100%がOPPフィルムに接着した状態で剥がれる
△:印刷面の表面積の50%以上100%未満がOPPフィルムに接着した状態で剥がれる
×:印刷面の表面積の50%未満がOPPフィルムに接着した状態で剥がれる
耐湿熱性
サンプルを室温(20℃)で24時間放置した後、60℃、湿度80%RH雰囲気下で1ヶ月放置した後のサンプルの外観を目視観察し、耐湿熱性を下記の基準で評価した。
○:ふくれや剥がれが全く見られない
△:1〜3箇所にふくれや剥がれが見られる
×:4箇所以上にふくれや剥がれが見られる
Figure 2005220279

Claims (6)

  1. 0.1〜10重量%の活性カルボニル基含有重合性不飽和モノマー(a)、0.1〜10重量%の加水分解性シリル基含有重合性不飽和モノマー(b)、及び80〜99.8重量%のその他の重合性不飽和モノマー(c)からなる不飽和単量体混合物を、連鎖移動剤の存在下で乳化重合して得られる樹脂(A)を含む水分散性樹脂組成物と、前記不飽和単量体混合物の総量に対して0.1〜10重量%の水溶性ヒドラジン化合物(B)とを含み、且つ前記樹脂(A)のガラス転移温度が20℃以下であるラミネート用一液型水性接着剤組成物。
  2. その他の重合性不飽和モノマー(c)が、アルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(c-1)、スチレン系モノマー(c-2)、(メタ)アクリロニトリル(c-3)、アミド結合含有重合性不飽和モノマー(c-4)、酸基含有重合性不飽和モノマー(c-5)、水酸基含有重合性不飽和モノマー(c-6)、グリシジル基含有重合性不飽和モノマー(c-7)及び多官能ビニル基含有重合性不飽和モノマー(c-8)からなる群より選択された少なくとも1種のモノマーである請求項1記載のラミネート用一液型水性接着剤組成物。
  3. 反応性界面活性剤の存在下で乳化重合して得られる水分散性樹脂組成物を含む請求項1記載のラミネート用一液型水性接着剤組成物。
  4. 連鎖移動剤がメルカプタン系化合物及び/又はアルコールである請求項1記載のラミネート用一液型水性接着剤組成物。
  5. さらに、シリコーン界面活性剤を含む請求項1〜4の何れかの項に記載のラミネート用一液型水性接着剤組成物。
  6. シリコーン界面活性剤が、下記式(1)
    Figure 2005220279
    (式中、Raは水素原子又はアルキル基を示す。j及びkは正の整数を示す。a及びbは、それぞれ、0〜100の整数を示す)
    で表される変性シリコーン、下記式(2)
    Figure 2005220279
    (式中、Rbは水素原子又はアルキル基を示す。uは正の整数を示す。c及びdは、それぞれ、0〜100の整数を示す)
    で表される変性シリコーン、及び下記式(3)
    Figure 2005220279
    (式中、Rcはヒドロキシル基又はアルコキシ基を示し、Rdは水素原子又はアルキル基を示す。A1及びA2は、それぞれ、−C24−基、又は−C36−基を示す。i及びrは正の整数を示し、e、f、g、hは、それぞれ、0〜100の整数を示す)
    で表される変性シリコーンよりなる群から選択された少なくとも1種である請求項1記載のラミネート用一液型水性接着剤組成物。
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