JP2005219530A - 変速機の変速制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】変速機の変速制御装置において、車両が駆動状態または被駆動状態でもない曖昧な状態であるとき、車両の出力に影響を与えることなく駆動状態に移行して変速を実行することで、運転者に違和感を与えることなく良好な変速を可能としてドライバビリティの向上を図る。
【解決手段】自動変速機13の入力軸が駆動状態か、被駆動状態か、または曖昧な状態かを判定し、この始動変速機13が曖昧な状態であると判定されたとき、電子スロットルバルブ23を所定開度だけ開放して吸入空気量を増量することでエンジン11の出力を上昇させると共に、油圧制御装置17によりブレーキ装置16の制動力を増量することで自動変速機13の出力を低減し、自動変速機13の変速を実行する。
【選択図】 図1
【解決手段】自動変速機13の入力軸が駆動状態か、被駆動状態か、または曖昧な状態かを判定し、この始動変速機13が曖昧な状態であると判定されたとき、電子スロットルバルブ23を所定開度だけ開放して吸入空気量を増量することでエンジン11の出力を上昇させると共に、油圧制御装置17によりブレーキ装置16の制動力を増量することで自動変速機13の出力を低減し、自動変速機13の変速を実行する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、変速機の変速制御装置に関するものである。
エンジンに自動変速機が装着された車両では、一般に、電子制御ユニットが変速マップを有しており、スロットル開度や車速などの車両の運転状態に基づいて自動変速機の変速段を決定し、この決定された変速段を成立させるように油圧制御装置を制御するようにしている。この自動変速機にて、特定の変速段への変速を実現する場合、2つの摩擦係合要素の係合と解放を同時に行う必要がある。
ところで、車両の走行状態により、自動変速機の入力軸において必ずしも駆動状態か被駆動状態かを明確に判断することができない領域が存在する。この曖昧な領域では、解放クラッチを解放したときに、自動変速機の入力軸が増速するのか減速するのか判らずに、2つの摩擦係合要素における係合と解放のタイミングを適正に行うことが困難となり、変速中にショックや異音が発生する虞がある。
このような問題を解決するものとして、例えば、下記特許文献1に記載された技術がある。この特許文献1に記載された車両用変速機の変速制御装置は、自動変速機の変速が発生すると判断され、車両が駆動状態とも被駆動状態とも明確に判定できない曖昧な状態であると判断されたとき、入力軸のトルクをモータジェネレータにより一時的に変更して車両を駆動状態または被駆動状態のいずれかに移行させるようにしたものである。
上述した従来の車両用変速機の変速制御装置にあっては、車両が曖昧な状態であるとき、入力軸のトルクをモータジェネレータにより一時的に変更し、車両を強制的に駆動状態または被駆動状態に移行させている。即ち、自動変速機の入力軸のトルクを、一時的にせよ増加あるいは低減するため、そのトルク増減量が車両の出力に影響を与えてしまう。すると、車両は運転者の意図した走行状態とはならずに運転者に違和感を与え、ドライバビリティを悪化させてしまう。
本発明は、このような問題を解決するためのものであって、車両が駆動状態または被駆動状態でもない曖昧な状態であるとき、車両の出力に影響を与えることなく駆動状態に移行して変速を実行することで、運転者に違和感を与えることなく良好な変速を可能としてドライバビリティの向上を図った変速機の変速制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の変速機の変速制御装置は、エンジンと、該エンジンの駆動力を駆動輪に伝達する変速機と、前記エンジンの出力を上昇可能なエンジン出力制御手段と、前記変速機の出力を低減して前記駆動輪に伝達可能な変速機出力制御手段と、前記変速機の入力軸が駆動状態または被駆動状態と明確に区別できない曖昧な状態を判定する状態判定手段と、該状態判定手段が前記変速機の曖昧な状態を判定したときに前記エンジン出力制御手段により前記エンジン出力を上昇する一方、前記変速機出力制御手段により前記変速機の出力を低減して変速を実行する変速制御手段とを具えたことを特徴とするものである。
本発明の変速機の変速制御装置では、前記状態判定手段が前記変速機の曖昧な状態を判定したとき、前記変速判定手段は、前記エンジン出力制御手段によって上昇するエンジン出力増加量と、前記変速機出力制御手段によって低減する変速機出力低減量とが前記変速機の出力においてほぼ同量となるように制御することを特徴としている。
本発明の変速機の変速制御装置では、前記変速制御手段は、前記変速機の変速終了を確認したら、前記エンジン出力制御手段によるエンジン出力の上昇制御並びに前記変速機出力制御手段による変速機出力の低減制御を終了することを特徴としている。
本発明の変速機の変速制御装置によれば、変速機の曖昧な状態を判定したとき、エンジン出力を上昇する一方、自動変速機の出力を低減して変速を実行するようにしたので、車両の出力に影響を与えることなく変速機を駆動状態に移行してから変速を実行することとなり、変速ショックや異音の発生を防止し、運転者に違和感を与えることなく良好な変速が可能となり、その結果、ドライバビリティを向上することができる。
以下に、本発明にかかる変速機の変速制御装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施例に係る変速機の変速制御装置を表す概略構成図、図2は、本実施例の変速機の変速制御装置による変速制御のフローチャート、図3は、本実施例の変速機の変速制御装置による変速制御のタイムチャートである。
本実施例の変速機の変速制御装置において、図1に示すように、内燃機関としてのエンジン11には、トルクコンバータ12を有する自動変速機13が連結されており、エンジン11の駆動力は、このトルクコンバータ12を介して自動変速機13に入力され、図示しないデファレンシャルギヤ及びドライブシャフトを介して駆動輪に伝達される。また、自動変速機13は、油圧制御装置14により車両の運転状態に応じて変速比を自動的に制御可能となっている。
車両にはエンジン11や自動変速機13などを制御する電子制御ユニット(ECU)15が設けられており、このECU15はエンジン11及び自動変速機13(油圧制御装置14)の総合的な制御を行う。
即ち、車両にはアクセルペダルの操作量(アクセル開度)を検出するアクセルポジションセンサ21が設けられており、検出したアクセル開度はECU15に出力される。エンジン11の吸気管22には電子スロットルバルブ23が設けられており、この電子スロットルバルブ23はスロットルアクチュエータ24により開閉可能となっている。ECU15はこのスロットルアクチュエータ24により電子スロットルバルブ23を駆動し、スロットル開度がアクセル開度に応じたものとなるように制御する。
また、吸気管22には電子スロットルバルブ23をバイパスするバイパス通路25が設けられており、このバイパス通路25にはエンジン11のアイドル回転数を制御するために電子スロットルバルブ23の全閉時の吸気量を制御するアイドルスピードコントロールバルブ(ISCバルブ)26が設けられている。そして、電子スロットルバルブ23の全閉状態(アイドル状態)及びスロットル開度を検出するアイドルスイッチ付スロットルポジションセンサ27が設けられており、検出したアイドル信号及びスロットル開度はECU15に出力される。
また、吸気管22にて、電子スロットルバルブ23の上流側には吸入空気量を検出するエアフローセンサ28が設けられており、検出した吸入空気量はECU15に出力される。更に、エンジン11には、エンジン回転数(エンジン回転速度)を検出するエンジン回転数センサ29が設けられると共に、車両の走行速度を検出する車速センサ30が設けられており、検出したエンジン回転数や車速はECU15に出力される。また、車両には、運転者が操作するシフトレバーの位置を検出するシフトポジションセンサ31が設けられると共に、自動変速機13には、現在の変速段を検出する変速段センサ32が設けられており、検出したシフトポジションや変速段はECU15に出力される。
従って、ECU15は、エンジン回転数、吸入空気量、スロットル開度などのエンジン11の運転状態に基づいて燃料噴射量、噴射時期、点火時期などを決定し、インジェクタや点火プラグなどを制御することができる。また、ECU15は、変速マップを有しており、スロットル開度、車速などに基づいて自動変速機13の変速段を決定し、この決定された変速段を成立させるように油圧制御装置14を制御することができる。また、変速時の変速比の変化に伴ってエンジン回転数を適切に変化させるため、必要に応じてエンジン11の出力制御を行うことができる。
車両には、ブレーキ装置16が搭載され、油圧制御装置17により制御可能となっている。従って、運転者がブレーキペダル18を踏み込むと、その操作量に応じてマスタシリンダ19で発生した圧力が油圧制御装置17に伝達され、ブレーキ装置16でブレーキ操作量に応じた制動力が発生し、自動変速機13の出力を低減してタイヤ20の車輪速度を減速することができる。また、この油圧制御装置17はECU15により制御可能となっており、車両の運転状態に応じて油圧制御装置17を制御し、ブレーキ操作量を加味してブレーキ装置16で発生する制動力を増減することができる。なお、ブレーキペダル18には、ブレーキペダル18の操作量を検出するブレーキ操作量センサ33が設けられており、検出したブレーキ操作量はECU15に出力される。
上述したように、自動変速機13において、ECU15がスロットル開度や車速などに基づいて変速段を決定し、油圧制御装置14を制御して変速段が実現するように、2つの摩擦係合装置(クラッチ)の係合と解放とを同時に行っている。例えば、自動変速機13のシフトアップ制御では、低速段側のクラッチを解放し、高速段側のクラッチを係合することで変速が完了する。この場合、アクセルペダルのオン状態にある入力軸の駆動状態では、低速段側のクラッチの解放により増速しようとする入力軸の回転速度を、高速段側のクラッチの係合により所定回転まで引き下げる。一方、アクセルペダルのオフ状態にある入力軸の被駆動状態では、低速段側のクラッチの解放により入力軸の回転速度が減速するため、所定の回転速度まで下がってから高速段側のクラッチを係合させる。
ところが、ECU15は、車両の走行状態によって自動変速機13の入力軸が必ずしも駆動状態か被駆動状態かを明確に判断することができない曖昧な領域が存在する。即ち、この曖昧な領域とは、エンジン11側からの駆動力がほとんどなく、現状のタービン回転速度が保持される領域である。この曖昧な領域では、自動変速機13の入力軸が増速するのか減速するのか判定することができず、駆動状態であるにも拘らず被駆動状態の変速パターンを適用してしまったり、被駆動状態であるにも拘らず駆動状態の変速パターンを適用してしまう虞がある。そのため、一方側のクラッチの解放タイミングと、他方側のクラッチの係合タイミングを適正に行うことが困難となり、変速ショックや異音を発生させやすい。
そこで、本実施例では、自動変速機13の入力軸が駆動状態か、被駆動状態か、両方の状態と明確に区別できない曖昧な状態かを判定(状態判定手段)し、曖昧な状態と判定したときには、エンジン出力を上昇して自動変速機13の入力軸を駆動状態に移行させる一方、自動変速機13の出力を低減することで上昇させたエンジン出力を打ち消し、この自動変速機13の駆動状態で変速を実行(変速制御手段)ようにしている。
ここで、自動変速機13の駆動状態、被駆動状態、曖昧な状態を判定方法は、例えば、アクセル開度に基づいて判定すればよい。即ち、ECU15は、アクセルポジションセンサ21から現在のアクセル開度を常時読み込んでおり、このアクセル開度が予め設定された所定範囲にあるかどうかにより自動変速機13の曖昧状態を判定する。この場合、判定条件のパラメータとして、アクセル開度に車速やエンジン回転数などを付加して判定することで、その判定精度を向上することができる。また、アクセル開度に代えて、車速に対するスロットル開度のマップを用いて判断してもよい。この場合、車速に増加に伴ってスロットル開度が増加する一定幅の領域を曖昧領域とし、この曖昧領域の上側を駆動領域とし、下側を被駆動領域とする。
また、エンジン11の出力を上昇させるエンジン出力制御手段は、電子スロットルバルブ23及びスロットルアクチュエータ24により構成される電子制御スロットル装置であり、自動変速機13の出力を低減させる変速機出力制御手段は、ブレーキ装置19である。
以下、本実施例の変速機の変速制御装置による変速制御を、図2のフローチャートに基づいて説明する。
車両の変速制御において、図2に示すように、ステップS11にて、ECU15は、自動変速機13の入力軸が駆動状態か、被駆動状態か、曖昧状態を、前述した車速に対するスロットル開度のマップにより判定する。ここで、自動変速機13が駆動状態または被駆動状態であればステップS22に移行し、エンジン11とブレーキ装置16の協調制御を実行することなく、通常制御、即ち、ECU15が、スロットル開度、車速などに基づいて変速段を決定し、この決定された変速段を成立させるように油圧制御装置14を制御する。
一方、ステップS11にて、自動変速機13の入力軸が曖昧状態であれば、ステップS12移行して協調制御実行フラグF=0であるかどうかを判定する。ここで、エンジン11とブレーキ装置16の協調制御が実行されていなければF=0であり、ステップS13に移行して車両の運転状態に基づいて変速する必要があるかどうかを判断する。ここで、変速の必要あり(シフトアップまたはシフトダウン)と判断した場合、ECU15は、ステップS14にて、自動変速機13の油圧制御装置14に変速指令を出力する。そして、ステップS15にて、スロットルアクチュエータ24に電子スロットルバルブ23の開指令を出力すると共に、ステップS16にて、油圧制御装置17にブレーキ装置16の制動指令を出力する。
即ち、スロットルアクチュエータ24により電子スロットルバルブ23を所定開度だけ開放し、吸入空気量を所定量増加することでエンジン出力を上昇させ、自動変速機13の入力軸を駆動状態に移行する。この制御と同時に、油圧制御装置17によりブレーキ装置16の制動力を所定量増加することで、自動変速機13の出力を低減してタイヤ20に伝達する。この場合、上昇させたエンジン11の出力と、増加させたブレーキ装置16の制動力とを変速機出力において同量とし、上昇したエンジン11の出力が増加したブレーキ装置16の制動力により打ち消されるように、増加させるスロットル開度と油圧制御装置17への制御量を設定する。この協調制御でのECUによるスロットルアクチュエータ24及び油圧制御装置17への指令値は、車両の運転状態により変更されるものであり、各種のパラメータに応じたマップとして記憶しておくと良い。なお、増加させるブレーキ装置16の制動力を設定するとき、上昇させるエンジン出力と、増加させる制動力とを変速機出力において同量に設定する必要がある。つまり、同じエンジン出力の増加量であっても、変速段が低速段の場合には変速機出力は大きくなり、変速段が高速段の場合には変速機出力は小さくなるため、増加するブレーキ装置16の制動力は、現在の変速段を考慮して設定しなければならない。
従って、自動変速機13は、エンジン出力が上昇したために入力軸が回転して駆動状態となるため、シフトアップまたはシフトダウンに拘らず、2つのクラッチの解放動作と係合動作を所定のタイミングで行うことが可能となる。
ステップS17では、自動変速機13による変速が完了したかどうかを判定し、まだ変速が完了していなければ、ステップS18にて、協調制御実行フラグFを1に書き換えてこのルーチンを抜ける。そして、ステップS11に戻り、ここで曖昧状態と判定されると、ステップS12で協調制御判定フラグF=1であるのでステップS17に移行する。なお、自動変速機13での変速完了は、変速に関るギヤなどの回転メンバーの回転速度を検出することで判定すれば良い。また、ステップS15で、電子スロットルバルブ23によりスロットル開度を大きくしてエンジン出力を上昇させ、自動変速機13の入力軸を駆動状態に移行したが、この状態でステップS11に戻ったときの判定では、アクセル開度により曖昧状態を判定するため、ここでは自動変速機13は曖昧状態であると判定する。この場合、自動変速機13の曖昧状態と、曖昧状態から協調制御により移行した駆動状態とを区別して判定するようにしても良い。
ステップS17では、再び、自動変速機13による変速が完了したかどうかを判定し、まだ変速が完了していなければ前述のようにステップS11に戻って各種の処理を行う。一方、自動変速機13による変速が完了したら、ステップS19にて、スロットルアクチュエータ24に電子スロットルバルブ23の復帰指令を出力し、スロットル開度を通常制御状態に戻し、吸入空気量を制御することでエンジン出力を戻す。この制御と同時に、ステップS20にて、油圧制御装置17にブレーキ装置16の復帰指令を出力し、このブレーキ装置16の制動力を通常制御状態に戻す。そして、ステップS21にて、協調制御実行フラグFを0に書き換えて協調制御を終了する。
なお、協調制御中や変速中に、アクセルペダルが踏み込まれると、自動変速機13の入力軸が回転するため、ステップS11では駆動時様態と判定され、ステップS22に移行し、協調制御を終了する。この場合、途中終了により運転者に違和感が感じ取られないように、ECU15はスロットル開度を徐々にアクセル開度に対応した値に移行させると共に、ブレーキ装置16の制動力を徐々に減少して復帰させる。
ここで、上述した変速制御における各種操作量の変化を図3のタイムチャートに基づいて説明する。
ここでは、運転者によるアクセルペダルの戻し操作に伴うアップシフト操作について説明する。図3に示すように、時刻t1で運転者がアクセルペダルを戻し始め、アクセル開度θAをθA1で止めたとする。スロットル開度θTもθT0に低下し、自動変速機13は駆動状態または被駆動状態に判定できない曖昧な状態となる。この自動変速機13の曖昧状態にて、従来は、図3に点線で示すように、低速段側のクラッチを解放してもエンジン回転数の低下が非常に遅いため、高速段側のクラッチが早期に係合を開始せざるを得ず、エンジン回転数を低下させることとなる。その結果、時刻t5でクラッチの係合を開始した後、時刻t6からギヤトレーンのガタ分が移行し、ガタ分が詰まった時刻t7でクラッチトルクがジャンピングすることでトレーントルクが垂直に立ち上がり、タイヤトルクにも影響を与えてこの時刻t7で垂直に立ち上がり、運転者は変速ショックとして感じることとなる。
一方、本実施例では、図3に実線で示すように、時刻t2でスロットル開度θTをθT0間で低下させずにθT1で保持すると共に、ブレーキ装置16の制動量Bを所定量B1とする。そのため、自動変速機13は駆動状態と移行することとなる。従って、自動変速機13は駆動状態となるため、トレーントルクは従来のように低下せずに所定値に維持され、低速段側のクラッチの解放と高速段クラッチの係合をオーバーラップさせることによって、ギヤトレーンのガタ分が移行することはなく、トレーントルク並びにタイヤトルクは時刻t8までスムースに変化し、運転者は変速ショックを感じることはない。そして、変速が完了すると、スロットル開度θTをθT0まで徐々に低下させていくことによって、アクセル開度に対応したタイヤトルクとなり、運転者は違和感を受けることがない。
なお、上述した説明で、エンジン11の駆動力は自動変速機13に伝達された後、ブレーキ装置16により調整されてタイヤ20に伝達されるものであり、ここで、トレーントルクとは、ブレーキ装置16より上流側でのトルクであり、タイヤトルクとはブレーキ装置16より下流側でのトルクで、車両の駆動力に相当する。また、図3にて、一点差線で示すグラフは、被駆動状態の場合である。
このように本実施例の変速機の変速制御装置にあっては、自動変速機13の入力軸が駆動状態か、被駆動状態か、または各状態に明確に区別できない曖昧な状態かを判定し、この始動変速機13が曖昧な状態であると判定されたとき、電子スロットルバルブ23を所定開度だけ開放して吸入空気量を増量することでエンジン11の出力を上昇させると共に、油圧制御装置17によりブレーキ装置16の制動力を増量することで自動変速機13の出力を低減し、自動変速機13の変速を実行するようにしている。
従って、変速機の曖昧な状態を判定したとき、エンジン11の出力を上昇して自動変速機13を駆動状態とすると共に、自動変速機13の出力を低減してエンジン出力の上昇分を打ち消すようにしており、車両の出力に影響を与えることなく自動変速機13の変速制御をスムースに実行することとなり、変速ショックや異音の発生を防止することができ、運転者に違和感を与えることなく良好な変速が可能となり、その結果、ドライバビリティを向上することができる。
また、上述した実施例では、自動変速機13のシフトアップ操作について説明したが、シフトダウン操作でも同様の作用効果を奏することができる。この場合、エンジン回転数の引き下げ側にイナーシャトルクが発生するため、トレーントルクのガタ分の移行に伴う不具合は、トレーントルクがやや正の場合に発生し、本件が有効である。但し、前述と同様に、トレーントルクがやや負である場合も有効である。
なお、上述した実施例では、自動変速機13のシフトアップ操作で、初期のトレーントルクが負である場合について説明したが、正である場合でも同様の作用効果を奏することができる。この場合、変速に伴うガタ分の移行はないが、微小トルクに対してクラッチトルクを正確に対応させることが困難であるため、トレーントルクの増大によってトルク相の落ち込みやイナーシャ相の立ち上がりを緩和することができる。
更に、自動変速について説明したが、マニュアルシフトについても有効であり、特に、マニュアルダウンシフトでは応答性が要求されるため、より困難となる微小クラッチトルクのコントロールに適用すればより有効的である。また、本発明は、自動変速機13にて、クラッチ−ツウ−クラッチ変速、ワンウェイクラッチ−ツウ−クラッチ変速のいずれであっても良い。
また、上述の実施例では、エンジン出力制御手段として電子制御式スロットル装置(電子スロットルバルブ23とスロットルアクチュエータ24)を適用して説明したが、これに限らず、例えば、燃料噴射装置による噴射量の増加や過給機の作動であっても良い。また、変速機出力制御手段としてブレーキ装置16を適用して説明したが、これに限らず、発電機(モータジェネレータ)による発電制御や回生制御を実行しても良い。
以上のように、本発明に係る変速機の変速制御装置は、トレーントルクが曖昧な状態にあるときにエンジン出力を上昇させると共に変速機出力を低減して変速を実行するものであり、エンジンに連結された変速機であればどのような形式の変速機の変速制御装置にも有用である。
11 エンジン
13 自動変速機
14 A/T油圧制御装置
15 電子制御ユニット、ECU(状態判定手段、変速制御手段)
16 ブレーキ装置(変速機出力制御手段)
17 ブレーキ油圧制御装置
23 電子スロットルバルブ
24 スロットルアクチュエータ(エンジン出力制御手段)
21 アクセルポジションセンサ
27 スロットルポジションセンサ
30 車速センサ
13 自動変速機
14 A/T油圧制御装置
15 電子制御ユニット、ECU(状態判定手段、変速制御手段)
16 ブレーキ装置(変速機出力制御手段)
17 ブレーキ油圧制御装置
23 電子スロットルバルブ
24 スロットルアクチュエータ(エンジン出力制御手段)
21 アクセルポジションセンサ
27 スロットルポジションセンサ
30 車速センサ
Claims (3)
- エンジンと、該エンジンの駆動力を駆動輪に伝達する変速機と、前記エンジンの出力を上昇可能なエンジン出力制御手段と、前記変速機の出力を低減して前記駆動輪に伝達可能な変速機出力制御手段と、前記変速機の入力軸が駆動状態または被駆動状態と明確に区別できない曖昧な状態を判定する状態判定手段と、該状態判定手段が前記変速機の曖昧な状態を判定したときに前記エンジン出力制御手段により前記エンジン出力を上昇する一方、前記変速機出力制御手段により前記変速機の出力を低減して変速を実行する変速制御手段とを具えたことを特徴とする変速機の変速制御装置。
- 請求項1記載の変速機の変速制御装置において、前記状態判定手段が前記変速機の曖昧な状態を判定したとき、前記変速判定手段は、前記エンジン出力制御手段によって上昇するエンジン出力増加量と、前記変速機出力制御手段によって低減する変速機出力低減量とが前記変速機の出力においてほぼ同量となるように制御することを特徴とする変速機の変速制御装置。
- 請求項1記載の変速機の変速制御装置において、前記変速制御手段は、前記変速機の変速終了を確認したら、前記エンジン出力制御手段によるエンジン出力の上昇制御並びに前記変速機出力制御手段による変速機出力の低減制御を終了することを特徴とする変速機の変速制御装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013204780A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Daihatsu Motor Co Ltd | 自動変速機の制御装置 |
JP2017524862A (ja) * | 2014-07-11 | 2017-08-31 | エフエーファウ ユーロップ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングFEV Europe GmbH | 内燃機関のための排ガス再循環システムおよびこのような排ガス再循環システムを作動させるための方法 |
-
2004
- 2004-02-03 JP JP2004026948A patent/JP2005219530A/ja active Pending
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Legal Events
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20081028 |