JP2005219032A - 水素副生脱硫方法および脱硫装置 - Google Patents

水素副生脱硫方法および脱硫装置 Download PDF

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Makoto Tomizaki
真 冨崎
Hitoshi Kuroda
黒田  均
Koji Shiraishi
宏司 白石
Takashi Nakamura
崇 中村
Nagaaki Satou
修彰 佐藤
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【課題】石炭・石油焚きボイラー、金属製錬炉、硫黄炉等から排出される硫黄酸化物を含むガスの中の硫黄分を、水素を副生しながら硫酸として固定する脱硫方法および脱硫装置を提供する。
【解決手段】ガス中の硫黄分を、水素を副生しながら脱硫する方法であって、前記硫黄酸化物を含むガスと塩素(臭素)と水を反応させることにより硫酸および塩化水素(臭化水素)を生成する工程と、前記生成した塩化水素(臭化水素)に金属塩化物または金属錯体塩化物MCl(金属臭化物または金属錯体臭化物MBr)を加えて分解することにより水素を生成する工程と、前記工程で生成された金属塩化物または金属錯体塩化物MClx+1(金属臭化物または金属錯体臭化物MBrx+1)から塩素(臭素)を生成する工程とを有し、該生成した塩素(臭素)を、前記硫酸および塩化水素(臭化水素)を生成する工程に用いること。
【選択図】図1

Description

本発明は、石炭・石油焚きボイラー、金属製錬炉、硫黄炉等の硫黄酸化物を発生する炉から排出されるガスの中の硫黄分を、水素を副生しながら硫酸として固定する脱硫方法および装置に関する。
硫黄酸化物を含むガスの中の硫黄分を、水素を副生しながら硫酸として固定する脱硫方法に関しては従来から種々の提案がなされている。
例えば、特開平8-71365号公報には、沃素を水に溶解して得られた吸収液に硫黄酸化物を含む排ガスを接触させて、排ガス中の硫黄分、水素を副生しながら硫酸として固定する脱硫方法が開示されている。
しかし、沃素を用いた硫黄酸化物の脱硫反応は進みにくく大量のヨウ素が必要なうえ、沃素の産出量は少ないため必要沃素量を準備することが困難であるという問題点と、沃素が原子量の大きな物質であるためこの循環に大きな動力が必要であるという問題点があった。
特開平8-71365号公報
本発明は、前述のような従来技術の問題点を解決し、石炭・石油焚きボイラー、金属製錬炉、硫黄炉等の硫黄酸化物を発生する炉から排出されるガスの中の硫黄分を、水素を副生しながら硫酸として固定する脱硫方法および脱硫装置を効率的かつ低コストにて提供することを課題とする。
本発明は、前述の課題を解決するため鋭意検討の結果なされたものであり、従来の沃素に代えて、塩素または臭素を用いることにより、石炭・石油焚きボイラー、金属製錬炉、硫黄炉等の硫黄酸化物を発生する炉から排出されるガスの中の硫黄分を、水素を副生しながら硫酸として固定する脱硫方法および脱硫装置を効率的かつ低コストにて提供するものであり、その要旨とするところは特許請求の範囲に記載した通りの下記内容である。
(1)石炭・石油焚きボイラー、金属製錬炉、硫黄炉等の硫黄酸化物を含むガスを発生する炉から排出されるガスの中の硫黄分を、水素を副生しながら硫酸として固定する脱硫方法であって、
前記ガス中のSO2と塩素と水を反応させることにより硫酸および塩化水素を生成する工程と、
前記生成した塩化水素に金属塩化物または金属錯体塩化物(MCl)を加えて塩化水素を分解することにより水素を生成する工程と、
前記工程で生成される金属塩化物または金属錯体塩化物(MClx+1)から塩素を生成する工程とを有し、該生成した塩素を、前記硫酸および塩化水素を生成する工程に用いることを特徴とする水素副生脱硫方法。
(2)前記硫酸および塩化水素を生成する工程が下記反応式(A)であり、
前記水素を生成する工程が下記反応式(B)であり、
前記塩素を生成する工程が下記反応式(C)であることを特徴とする(1)に記載の水素副生脱硫方法。
ここに、SO2+Cl2+2H2O→H2SO4+2HCl ・・・(A)
MClX + HCl → MClX+1+1/2H2・・・(B)
MClX+1 → MClX + 1/2Cl2 ・・・(C)
M:Fe,Cu,Cr,V,VO等2種類以上の酸化数を持つ金属または金属錯体の1種または2種以上
(3)石炭・石油焚きボイラー、金属製錬炉、硫黄炉等の硫黄酸化物を含むガスを発生する炉から排出されるガスの中の硫黄分を、水素を副生しながら硫酸として固定する脱硫方法であって、
前記ガス中のSOと臭素と水を反応させることにより硫酸および臭化水素を生成する工程と、
前記生成した臭化水素に金属臭化物または金属錯体臭化物(MBr)を加えて分解することにより水素を生成する工程と、
前記工程で生成される金属臭化物または金属錯体臭化物(MBrx+1)から臭素を生成する工程とを有し、該生成した臭素を、前記硫酸および臭化水素を生成する工程に用いることを特徴とする水素副生脱硫方法。
(4)前記硫酸および臭化水素を生成する工程が下記反応式(D)であり、
前記水素を生成する工程が下記反応式(E)であり、
前記臭素を生成する工程が下記反応式(F)であることを特徴とする(3)に記載の水素副生脱硫方法。
ここに、SO2+Br2+2H2O→H2SO4+2HBr ・・・(D)
MBrX+ HBr → MBrX+1+1/2H2・・・(E)
MBrX+1 → MBrX + 1/2Br2 ・・・(F)
M:Fe,Cu,Cr,V,VO等の2種類以上の酸化数を持つ金属または金属錯体の1種または2種以上
(5)(1)乃至(4)に記載の水素副生脱硫方法であって、
前記硫黄酸化物が発生する炉にて発生する硫黄酸化物を含むガスの熱を回収して、前記塩素または臭素を生成する工程、前記水素を生成する工程、硫酸と塩化水素または臭化水素を生成する工程の1以上の工程に用いる熱に利用することを特徴とする水素副生脱硫方法。
(6)(1)乃至(5)に記載の水素副生脱硫方法であって、
前記生成される塩化水素または臭化水素と、水素、塩素、臭素の1以上とを熱交換させ、前記塩化水素または臭化水素を生成する工程に必要な熱の一部を供給すると共に、前記生成される水素、塩素、臭素の1以上を冷却することを特徴とする水素副生脱硫方法。
(7)(1)乃至(6)に記載の水素副生脱硫方法に使用する脱硫装置であって、複数の塩化物充填層または臭化物充填層を設け、前記水素を生成する工程と、前記塩素または臭素を生成する工程とを切替えて実施することを特徴とする水素副生脱硫装置。
(8)(1)乃至(6)に記載の水素副生脱硫方法に使用する脱硫装置であって、硫酸および塩化水素または臭化水素を生成する工程に用いるSO吸収塔の中間に仕切りを設けて二重構造とすることを特徴とする水素副生脱硫装置。
(8)(3)乃至(6)に記載の水素副生脱硫方法に使用する脱硫装置であって、硫酸および臭化水素を生成する工程に用いるSO吸収塔より抜ける清浄排ガスを臭素の沸点である59℃以下に冷却することにより少量含まれる臭素を分離回収することを特徴とする水素副生脱硫装置。
本発明によれば、従来の沃素に代えて、塩素または臭素を用いることにより、石炭・石油焚きボイラー、金属製錬炉、硫黄炉等の硫黄酸化物を発生する炉から排出される硫黄酸化物を含むガスの中の硫黄分を効率的かつ低コストにて水素を副生しながら硫酸として固定することができる脱硫方法および脱硫装置を提供することができるなど、産業上有用な著しい効果を奏する。
本発明を実施するための最良の形態について、図1乃至図12を用いて詳細に説明する。
図1乃至図6は、本発明における塩素を用いた水素副生脱硫方法の実施形態を示す図である。
図1は、本発明における水素を副生しながら脱硫する方法のプロセスフロー図であり、石炭・石油焚きボイラー、金属製錬炉、硫黄炉等の硫黄酸化物を発生する炉から排出されるガスの中の硫黄分を、塩素を用いて水素を副生しながら硫酸として固定する脱硫方法を示す。
ここに、金属製錬炉とは銅、亜鉛、鉛などの金属の硫化鉱を製錬する炉をいい、硫黄炉とは硫酸を製造する設備の一部で元素硫黄を燃焼させSOを製造する炉をいう。
まず、SO2を含むガスと塩素と水を反応させることにより下記反応式(A)によって硫酸および塩化水素を生成する(S−1)。
SO2+Cl2+2H2O→H2SO4+2HCl ・・・(A)
この反応に必要な塩素は、後述する金属塩化物MClX+1から生成した塩素を用いる。
次に、反応式(A)により生成した塩化水素に金属塩化物または金属錯体塩化物MClXを加えて分解することにより反応式(B)により水素を生成する(S−2)。
MClX + HCl → MClX+1+1/2H2・・・(B)
この反応に使用するMは、Fe,Cu,Cr,V,VO等2種類以上の酸化数を持つ金属または金属錯体の1種または2種以上を用いる。
次に、反応式(B)により生成した金属塩化物または金属錯体塩化物MClX+1から反応式(C)により塩素を生成する(S−3)。
MClX+1 → MClX + 1/2Cl2 ・・・(C)
この反応式(C)により生成した塩素を、前記反応式(A)の硫酸を生成する工程に用いる。
以上のプロセスフローによって、石炭・石油焚きボイラー、金属製錬炉、硫黄炉等の硫黄酸化物を発生する炉から排出されるガスの中の硫黄分を、塩素を用いて水素を副生しながら硫酸として固定することができる。
図2および図3は、石炭・石油焚きボイラー、金属製錬炉、硫黄炉等の硫黄酸化物を発生する炉から排出される硫黄酸化物を含むガスを塩素を用いて硫黄分を水素を副生しながら硫酸として固定する詳細フローを示す図である。
図2および図3において、1は熱交換器、2はガス前処理設備、3はSOX吸収塔、4はHCl蒸発塔、5および5´は塩化物充填層を示す。
まず、石炭・石油焚きボイラー、金属製錬炉、硫黄炉等の硫黄酸化物を発生する炉から発生するSO2を含むガスを、熱交換器1に通すことによって排熱回収を行い、この排熱を塩化物充填層5における塩素発生工程および塩化物充填層5´における水素発生工程およびHCl蒸発塔4における硫酸と塩化水素の分離工程に使用することによって、前述の反応式(C)および(B)および(A)で生成される硫酸および塩化水素の分離に必要な熱エネルギーを節約することができる。
熱交換されたSO2を含むガスは、ガス前処理設備2によって、ガス中に含まれるダストや重金属等が除去された後に、SOX吸収塔において前述の反応式(A)によって硫酸および塩酸が生成される。
この際、ガス中に少量含まれるSO3からも硫酸が生成され、残されたN2、O2、CO2は清浄ガスなので大気中に放散することができる。
生成された硫酸および塩酸は、HCl蒸発塔4によって塩化水素が気化されるので残った硫酸を回収することができる。
気化した塩化水素は、本実施形態においては2基設けられた一方の塩化物充填層5´に送られて、前述の反応式(B)によって、水素が生成される。塩化物充填層5では、前述の反応式(C)によって塩素が生成され、前述のSO吸収塔に供給される。
塩化物充填層5´において反応式(B)が進むと、金属塩化物または金属錯体塩化物MClXがMClX+1に変化するので、MClXが少なくなったら、切替弁によって塩化水素の流れを切替えて、他方の塩化物充填層5に塩化水素を供給することにより水素を生成し、塩化物充填層5´では塩素を生成する。以上より継続して水素および塩素を生成させることができる。
図3は、図2のフロー図における塩化物充填層5、5´を切替えたときのフローを示す図である。
この場合、塩化物充填層5において水素を発生させるので、HCl蒸発塔から供給される塩化水素は切替弁によって塩化物充填層5に供給される。
また、塩化物充填層5´において塩素を発生させる前述の反応式(C)を進めるために大きな熱エネルギーが必要なので、熱交換器1から回収された排熱は、切替弁によって塩化物充填層5´に先に供給される。
なお、本実施形態においては塩化物充填層を2基設置して交互に切替え運転を行うが、水素と塩素の発生バランスによっては、塩化物充填層を3基以上設置し、切替弁を用いることによって、水素発生と塩素発生に使用する塩化物充填層を適宜選択することができる。
図4乃至図6は、本発明の水素および硫酸の製造方法を金属製錬炉に適用する場合の設備構成を例示する図である。
図4乃至図6において、1,1´は熱交換器、2はガス前処理設備、3はSOX吸収塔、4はHCl蒸発塔、5および5´は塩化物充填層を示す。
まず、金属製錬炉から発生するSO2を含むガスを、熱交換器1に通すことによって排熱回収を行い、この排熱を塩化物充填層5における塩素発生工程および塩化物充填層5´における水素発生工程およびHCl蒸発塔4における塩化水素分離工程に使用することによって、前述の反応式(C)および(B)および塩化水素と硫酸の分離に必要な熱エネルギーを節約することができる。熱交換器1´では塩化水素と水素およびまたは塩素を熱交換させ、水素を発生する工程に必要な熱の一部を供給すると共に、生成された水素およびまたは塩素を冷却することにより熱エネルギーを節約することができる。
熱交換されたSO2を含むガスの処理フローは、図2および図3と同様であるので省略する。
図5は、図4の設備構成における塩化物充填層5、5´を切替えたときの図である。
この場合、塩化物充填層5において水素を発生させるので、HCl蒸発塔から供給される塩化水素は切替弁によって塩化物充填層5に供給される。
また、塩化物充填層5´において塩素を発生させる前述の反応式(C)を進めるために大きな熱エネルギーが必要なので、熱交換器1から回収された排熱は、切替弁によって塩化物充填層5´に先に供給される。
図6は、本発明に用いるSOX吸収塔の構造を例示する図である。
図6において、3はSOX吸収塔、4はHCl蒸発塔、6は仕切りを示す。
図6に示すように、硫酸を生成する工程に用いるSOX吸収塔3の中間に仕切り6を設けて二重構造とし、この仕切りの内側にSO2を含むガスおよび塩素を下部から供給することによって、硫酸を生成する前述の反応式(A)の反応時間を十分確保することができ仕切り6により生成された硫酸および塩化水素と分離されているため、生成物への塩素の混入を少なくすることができる。
図7乃至図12は、本発明における臭素を用いた水素副生脱硫方法の実施形態を示す図である。
図7は、本発明における水素を副生しながら脱硫する方法のプロセスフロー図であり、石炭・石油焚きボイラー、金属製錬炉、硫黄炉等の硫黄酸化物を発生する炉から排出されるガスの中の硫黄分を、臭素を用いて水素を副生しながら硫酸として固定する脱硫方法を示す。
ここに、金属製錬炉とは銅、亜鉛、鉛などの金属の硫化鉱を製錬する炉をいい、硫黄炉とは硫酸を製造する設備の一部で元素硫黄を燃焼させSOを製造する炉をいう。
まず、SO2を含むガスと臭素と水を反応させることにより下記反応式(D)によって硫酸および臭化水素を生成する(S−11)。
SO2+Br2+2H2O→H2SO4+2HBr ・・・(D)
この反応に必要な臭素は、後述する金属臭化物MBrX+1から生成した臭素を用いる。
次に、反応式(D)により生成した臭化水素に金属臭化物または金属錯体臭化物MBrXを加えて分解することにより反応式(E)により水素を生成する(S−12)。
MBrX+ HBr → MBrX+1+1/2H2・・・(E)
この反応に使用するMは、Fe,Cu,Cr,V,VO等2種類以上の酸化数を持つ金属または金属錯体の1種または2種以上を用いる。
次に、反応式(E)により生成した金属臭化物または金属錯体臭化物MBrX+1から反応式(F)により臭素を生成する(S−13)。
MBrX+1 → MBrX + 1/2Br2 ・・・(F)
この反応式(E)により生成した臭素を、前記反応式(D)の硫酸を生成する工程に用いる。
以上のプロセスフローによって、石炭・石油焚きボイラー、金属製錬炉、硫黄炉等の硫黄酸化物を発生する炉から排出される硫黄酸化物を含むガスを臭素を用いて硫黄分を水素を副生しながら硫酸として固定することができる。
図8および図9は、石炭・石油焚きボイラー、金属製錬炉、硫黄炉等の硫黄酸化物を発生する炉から排出されるガスの中の硫黄分を、臭素を用いて水素を副生しながら硫酸として固定する詳細フローを示す図である。
図8および図9において、11,11´は熱交換器、12はガス前処理設備、13はSOX吸収塔、14はHBr蒸発塔、15および15´は臭化物充填層を示す。
まず、石炭・石油焚きボイラー、金属製錬炉、硫黄炉等の硫黄酸化物を発生する炉から発生するSO2を含むガスを、熱交換器11に通すことによって排熱回収を行い、この排熱を臭化物充填層15における臭素発生工程および臭化物充填層15´における水素発生工程およびHBr蒸発塔14における臭化水素と硫酸の分離工程に使用することによって、前述の反応式(F)および(E)および(D)により生成される臭化水素と硫酸の分離に必要な熱エネルギーを節約することができる。
熱交換されたSO2を含むガスは、ガス前処理設備12によって、ガス中に含まれるダストや重金属等が除去された後に、SOX吸収塔において前述の反応式(D)によって硫酸および臭化水素が生成される。
この際、ガス中に少量含まれるSO3からも硫酸が生成され、残されたN2、O2、CO2は清浄ガスなので大気中に放散することができる。
生成された硫酸および臭化水素は、HBr蒸発塔14によって臭化水素が気化されるので残った硫酸を回収することができる。
気化した臭化水素は、本実施形態においては2基設けられた一方の臭化物充填層15´に送られて、前述の反応式(E)によって、水素が生成される。臭化物充填層15では、前述の反応式(F)によって塩素が生成され、前述のSO吸収塔13に供給される。
この反応式(E)が進むと、金属臭化物MBrXがMBrX+1に変化するので、MBrXが少なくなったら、切替弁によって臭化水素の流れを切替えて、他方の臭化物充填層15に臭化水素を供給することにより水素を生成し、塩化物充填層15´では臭素を生成する。以上より継続して水素および臭素を生成させることができる。
図9は、図8のフロー図における臭化物充填層15、15´を切替えたときのフローを示す図である。
この場合、臭化物充填層15において水素を発生させるので、HBr蒸発塔14から供給される臭化水素は切替弁によって臭化物充填層15に供給される。
また、臭化物充填層15´において臭素を発生させる前述の反応式(F)を進めるために大きな熱エネルギーが必要なので、熱交換器11から回収された排熱は、切替弁によって臭化物充填層15´に先に供給される。
なお、本実施形態においては臭化物充填層を2基設置して交互に切替え運転を行うが、水素と臭素の発生バランスによっては、臭化物充填層を3基以上設置し、切替弁を用いることによって、水素発生と臭素発生に使用する臭化物充填層を適宜選択することができる。
図10乃至図12は、本発明の水素および硫酸の製造方法を金属製錬炉に適用する場合の設備構成を例示する図である。
図10乃至図12において、11、11´は熱交換器、12はガス前処理設備、13はSOX吸収塔、14はHBr蒸発塔、15および15´は臭化物充填層を示す。
まず、金属製錬炉から発生するSO2を含むガスを、熱交換器11に通すことによって排熱回収を行い、この排熱を臭化物充填層15における臭素発生工程および臭化物充填層15´における水素発生工程およびHBr蒸発塔14における臭化水素分離工程に使用することによって、前述の反応式(F)および(E)および臭化水素と硫酸の分離に必要な熱エネルギーを節約することができる。熱交換器11´では臭化水素と水素およびまたは臭素を熱交換させ、水素を発生する工程に必要な熱の一部を供給すると共に、生成された水素およびまたは臭素を冷却することにより熱エネルギーを節約することができる。
熱交換されたSO2を含むガスの処理フローは、図8および図9と同様であるので省略する。
図11は、図10の設備構成における臭化物充填層15、15´を切替えたときの図である。
この場合、臭化物充填層15において水素を発生させるので、HBr蒸発塔14から供給される臭化水素は切替弁によって臭化物充填層15に供給される。
また、臭化物充填層15´において臭素を発生させる前述の反応式(F)を進めるために大きな熱エネルギーが必要なので、熱交換器1から回収された排熱は、切替弁によって臭化物充填層5´に先に供給される。
図12は、本発明に用いるSOX吸収塔の構造を例示する図である。
図12において、13はSOX吸収塔、14はHBr蒸発塔、16は仕切り、17は臭素除去塔を示す。
図12に示すように、硫酸を生成する工程に用いるSOX吸収塔3の中間に仕切り16を設けて二重構造とし、この仕切りの内側にSO2を含むガスを下部から供給し液体の臭素を上部から供給することによって、硫酸を生成する前述の反応式(D)の反応時間を十分確保することができ、仕切り6により生成された硫酸および臭化水素と分離されているため、生成物への臭素の混入を少なくすることができる。水冷臭素除去塔17ではSO吸収塔13より抜ける清浄排ガスを臭素の沸点である59℃以下に冷却することにより少量含まれる臭素を分離回収することができる。
本発明における塩素を用いた水素副生脱硫方法の実施形態を示す図である。 硫黄酸化物を含むガスの中の硫黄分を塩素を用いて水素を副生しながら硫酸として固定する詳細フローを示す図である。 図2のフロー図における塩化物充填層5、5´を切替えたときのフローを示す図である。 本発明の水素副生脱硫方法を金属製錬炉に適用する場合の設備構成を例示する図である。 図4の設備構成における塩化物充填層5、5´を切替えたときの図である。 本発明に用いるSOX吸収塔の構造を例示する図である。 本発明における臭素を用いた水素副生脱硫方法の実施形態を示す図である。 硫黄酸化物を含むガスの中の硫黄分を、臭素を用いて水素を副生しながら硫酸として固定する詳細フローを示す図である。 図8のフロー図における臭化物充填層5、5´を切替えたときのフローを示す図である。 本発明の水素副生脱硫方法を金属製錬炉に適用する場合の設備構成を例示する図である。 図10の設備構成における臭化物充填層5、5´を切替えたときの図である。 本発明に用いるSOX吸収塔の構造を例示する図である。
符号の説明
1,11 熱交換器
1´,11´ 熱交換器
2,12 ガス前処理設備
3,13 SOX吸収塔
4 HCl蒸発塔
14 HBr蒸発塔
5,5´ 塩化物充填層
15,15´ 臭化物充填層
6,16 仕切り
17 臭素除去塔

Claims (9)

  1. 石炭・石油焚きボイラー、金属製錬炉、硫黄炉等の硫黄酸化物を含むガスを発生する炉から排出されるガスの中の硫黄分を、水素を副生しながら硫酸として固定する脱硫方法であって、
    前記ガス中のSO2と塩素と水を反応させることにより硫酸および塩化水素を生成する工程と、
    前記生成した塩化水素に金属塩化物または金属錯体塩化物(MCl)を加えて塩化水素を分解することにより水素を生成する工程と、
    前記工程で生成される金属塩化物または金属錯体塩化物(MClx+1)から塩素を生成する工程とを有し、該生成した塩素を、前記硫酸および塩化水素を生成する工程に用いることを特徴とする水素副生脱硫方法。
  2. 前記硫酸および塩化水素を生成する工程が下記反応式(A)であり、
    前記水素を生成する工程が下記反応式(B)であり、
    前記塩素を生成する工程が下記反応式(C)であることを特徴とする請求項1に記載の水素副生脱硫方法。
    ここに、SO2+Cl2+2H2O→H2SO4+2HCl ・・・(A)
    MClX + HCl → MClX+1+1/2H2・・・(B)
    MClX+1 → MClX + 1/2Cl2 ・・・(C)
    M:Fe,Cu,Cr,V,VO等2種類以上の酸化数を持つ金属または金属錯体の1種または2種以上
  3. 石炭・石油焚きボイラー、金属製錬炉、硫黄炉等の硫黄酸化物を含むガスを発生する炉から排出されるガスの中の硫黄分を、水素を副生しながら硫酸として固定する脱硫方法であって、
    前記ガス中のSOと臭素と水を反応させることにより硫酸および臭化水素を生成する工程と、
    前記生成した臭化水素に金属臭化物または金属錯体臭化物(MBr)を加えて分解することにより水素を生成する工程と、
    前記工程で生成される金属臭化物または金属錯体臭化物(MBrx+1)から臭素を生成する工程とを有し、該生成した臭素を、前記硫酸および臭化水素を生成する工程に用いることを特徴とする水素副生脱硫方法。
  4. 前記硫酸および臭化水素を生成する工程が下記反応式(D)であり、
    前記水素を生成する工程が下記反応式(E)であり、
    前記臭素を生成する工程が下記反応式(F)であることを特徴とする請求項3に記載の水素副生脱硫方法。
    ここに、SO2+Br2+2H2O→H2SO4+2HBr ・・・(D)
    MBrX+ HBr → MBrX+1+1/2H2・・・(E)
    MBrX+1 → MBrX + 1/2Br2 ・・・(F)
    M:Fe,Cu,Cr,V,VO等の2種類以上の酸化数を持つ金属または金属錯体の1種または2種以上
  5. 請求項1乃至請求項4に記載の水素副生脱硫方法であって、
    前記硫黄酸化物が発生する炉にて発生する硫黄酸化物を含むガスの熱を回収して、前記塩素または臭素を生成する工程、前記水素を生成する工程、硫酸と塩化水素または臭化水素を生成する工程の1以上の工程に用いる熱に利用することを特徴とする水素副生脱硫方法。
  6. 請求項1乃至請求項5に記載の水素副生脱硫方法であって、
    前記生成される塩化水素または臭化水素と、水素、塩素、臭素の1以上とを熱交換させ、前記塩化水素または臭化水素を生成する工程に必要な熱の一部を供給すると共に、前記生成される水素、塩素、臭素の1以上を冷却することを特徴とする水素副生脱硫方法。
  7. 請求項1乃至請求項6に記載の水素副生脱硫方法に使用する脱硫装置であって、複数の塩化物充填層または臭化物充填層を設け、前記水素を生成する工程と、前記塩素または臭素を生成する工程とを切替えて実施することを特徴とする水素副生脱硫装置。
  8. 請求項1乃至請求項6に記載の水素副生脱硫方法に使用する脱硫装置であって、硫酸および塩化水素または臭化水素を生成する工程に用いるSO吸収塔の中間に仕切りを設けて二重構造とすることを特徴とする水素副生脱硫装置。
  9. 請求項3乃至請求項6に記載の水素副生脱硫方法に使用する脱硫装置であって、硫酸および臭化水素を生成する工程に用いるSO吸収塔より抜ける清浄排ガスを臭素の沸点である59℃以下に冷却することにより少量含まれる臭素を分離回収することを特徴とする水素副生脱硫装置。
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