JP2014172796A - 排ガス中のセレン回収システムおよびセレン回収方法 - Google Patents

排ガス中のセレン回収システムおよびセレン回収方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014172796A
JP2014172796A JP2013048127A JP2013048127A JP2014172796A JP 2014172796 A JP2014172796 A JP 2014172796A JP 2013048127 A JP2013048127 A JP 2013048127A JP 2013048127 A JP2013048127 A JP 2013048127A JP 2014172796 A JP2014172796 A JP 2014172796A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
treatment
exhaust gas
selenium
primary
sulfate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013048127A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5851440B2 (ja
Inventor
Hashira Yamamoto
柱 山本
Daisuke Takenaga
大介 竹永
Koji Yamakawa
浩司 山川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon Yamamura Glass Co Ltd
Original Assignee
Nihon Yamamura Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon Yamamura Glass Co Ltd filed Critical Nihon Yamamura Glass Co Ltd
Priority to JP2013048127A priority Critical patent/JP5851440B2/ja
Publication of JP2014172796A publication Critical patent/JP2014172796A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5851440B2 publication Critical patent/JP5851440B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Heat Treatment Of Water, Waste Water Or Sewage (AREA)
  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)
  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)
  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Filtering Materials (AREA)
  • Gas Separation By Absorption (AREA)

Abstract

【課題】 硫黄化合物を含有する排ガスから効率的にセレンの分離処理を行い、分離されたセレンを連続的に回収処理すること。
【解決手段】 排ガスが、冷却部1に導入され、1次中和処理部2を介して清浄化されて排出されるとともに、1次排液が生成される。1次中和処理部2から導出された1次排液は、酸化処理部3を介して2次中和処理部4に導入され、2次排液が生成される。2次中和処理部4から導出された2次排液は、濾過処理部5に導入され、液固分離処理される。濾過処理部5から導出された固体成分は、セレンを含む汚泥として取り出される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、排ガス中のセレン回収システムおよびセレン回収方法に関する。特に、セレンを含むガラスに係るガラス溶解炉から排出される排ガス中のセレン回収において有用である。
セレンまたはセレン化合物(以下「Se」と略すことがある)、特に金属Seは、半導体性や光伝導性を有することから、これを利用してコピー機の感光ドラムに用いられ、あるいは光学特性を利用して各種光学ガラスの着色剤や脱色剤として使われる。ここで、金属Seは、沸点が688℃と他の金属に比べて非常に低く、ガラス溶解炉内では、蒸発するものもある。これらは、一般的な排ガス処理によって処理されている。このとき、製造プロセスからの排水等に含まれるSeについては、排水中のSeを分離する技術が、排水規制対策の目的で多く研究されている。一方、排ガスに対しては、一般的にSeに限った処理は行われていないが、レアメタルとしての資源的価値を考えると回収する効果は高く、昨今排ガス中のSe回収技術としての研究も進んでいる。
例えば、排ガス中のセレンを効率よく捕集して排ガスから除去できるように、図5に示すような排ガス中のセレン除去装置が提案されている。具体的には、排ガス煙道116に隣設された加熱炉117と、加熱炉117と排ガス煙道116との間に設けられた回転軸118を中心にして排ガス煙道116および加熱炉117を横切って回転して排ガス煙道116内でセレン成分を吸着して加熱炉117内で離脱させる円盤状の吸着材120と、離脱したセレン成分を水で吸収するセレン回収手段114とを有する(例えば特許文献1参照)。ここで、Aは排ガス,113はセレン捕集部,121はセレン吸着部,122はセレン脱離部,123は駆動装置,124はバーナ,125は噴霧ノズル,126は循環ポンプ,127はガス流路,130はセレン吸収塔を示す。
特開2001−104748号公報
しかしながら、こうした排ガス中のセレン除去装置等では、次のような問題が生じる。
(i)Seを吸着処理するために用いられる吸着剤は、高価であるとともに、吸着したSeを脱離させて再生するには高温処理が必要であり、こうした高温処理に伴う寿命の低下があり、実動の装置において長期の使用は困難であった。また、こうした処理系に吸着したSeは、徐々に残留して付着量が増加し、剥離することが難しくなるという課題があった。
(ii)特に硫黄化合物を含有するガラス製造プロセス等においては、こうした高温処理に伴う硫酸ミスト(SO)の発生、および硫酸ミストに伴う流路内の腐食や閉塞を招来するという課題があった。
(iii)また、排ガス中に存在すると推認される酸化セレン(SeO)は、高い水溶性を有することから、水溶液による除去処理が実際に利用されているが、一旦溶解したSeを分離処理することが難しく、既述のように排水中のSe処理のように別途専用の処理装置が必要となり、非常に煩雑な排ガス処理装置となる。
(iv)さらに、排ガス中に存在する硫黄化合物を硫酸塩成分として回収する場合には、その回収プロセスにおけるセレンとの分離は非常に難しく、回収された硫酸塩へのセレンの混入の低減は大きな課題であった。特に、アルカリガラス等を処理するガラス溶解炉からの排ガスにあっては、排ガス中の芒硝等の硫酸塩成分を回収し、再度アルカリガラス等の材料として使用されることが多く、回収プロセス中の芒硝等アルカリ金属の亜硫酸塩を含む排液に溶解したセレンの分離が重要な課題であった。
本発明の目的は、上記従来技術の有する問題点に鑑みて、硫黄化合物を含有する排ガスから効率的にセレンの分離処理を行い、分離されたセレンを連続的に回収処理することができる排ガス中のセレン回収システムおよび回収方法を提供することにある。特に、セレンを含有するガラスの溶解炉からの排ガス等に含まれる硫酸塩成分(例えば芒硝等)を回収する装置において、硫酸塩とともにセレンの回収を図る場合に、高いセレンの回収効率を確保することができるセレン回収システムおよび回収方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、以下に示すセレンの回収システムおよび回収方法によって上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明に係るセレンの回収システムは、少なくともセレンまたはセレン化合物と硫黄化合物を含有する排ガスを対象とし、少なくとも、前記排ガスに冷却水が添加され、排ガス温度がセレンの融点以下となるように冷却される冷却部と、前記排ガスに1次中和剤が添加され、排ガス中の酸性成分の中和処理、および該中和処理によって前記硫黄化合物から生成される硫酸塩および亜硫酸塩を含む1次排液の中和処理が行われる1次中和処理部と、該1次中和処理部から導出された1次排液に酸化剤が添加され、該1次排液中の亜硫酸塩の硫酸塩への変換を含む酸化処理が行われる酸化処理部と、該酸化処理が行われる1次排液あるいは該酸化処理が行われた2次排液に2次中和剤が添加され、酸化処理された2次排液の中和処理が行われる2次中和処理部と、該2次中和処理部から導出された2次排液が、シリカ系の濾過材によって液固分離処理される濾過処理部と、を有し、前記濾過処理部から導出された固体成分が、セレンを含む汚泥として取り出されることを特徴とする。
また、本発明は、セレンの回収方法であって、少なくともセレンまたはセレン化合物と硫黄化合物を含有する排ガスを対象とし、少なくとも以下の工程を有することを特徴とする。
(1)前記排ガスに冷却水が添加され、排ガス温度をセレンの融点以下となるように冷却される冷却処理工程
(2)前記排ガスに1次中和剤が添加され、前記硫黄化合物から生成される硫酸塩および亜硫酸塩を含む1次排液の中和処理が行われる1次中和処理工程
(3)前記工程(2)において発生した1次排液に酸化剤が添加され、排液中の亜硫酸塩の硫酸塩への変換を含む酸化処理が行われる酸化処理工程
(4)前記工程(3)の酸化処理と同時に、あるいは該酸化処理により発生した排液に、2次中和剤を添加し、中和処理された2次排液を生成する2次中和処理工程
(5)前記工程(4)において発生した2次排液が、濾過材によって液固分離処理される濾過処理工程
(6)前記工程(5)によって分離された固体成分が、セレンを含む汚泥として取り出される汚泥取出工程
従前、ガラスの溶解炉からの排ガス等に含まれるガラスの原料由来の硫黄化合物(例えば芒硝等の硫酸塩)を回収プロセスにおいて、硫酸塩とともに同じ原料由来のセレンまたはセレン化合物(Se)を回収することは非常に難しかった。本発明は、検証過程における以下の知見を基に、こうした構成のセレンの回収システムおよび回収方法を用いることによって、排ガスからの効率的なセレンの分離処理および連続的な回収処理を行うことができることを見出した。
(a)1次排液に溶解していた酸化セレン等のセレン化合物の多くが、1次排液の酸化雰囲気条件下における酸化処理によって、金属セレンを含む不溶性のSeに変換される。
(b)こうした不溶性のSeは、シリカ系の濾過材(例えば珪藻土等)によって、より高い分離効率を得ることができる。
本発明は、上記のセレンの回収システムにおいて、該濾過処理部から導出された液体成分が、加熱処理され、該液体成分中に溶解する硫酸塩を含む晶析成分の生成処理が行われる晶析処理部を有し、該晶析処理部において前記硫黄化合物を、晶析成分を主とする硫酸塩成分として取り出されることを特徴とする。
検証過程における上記のような、排ガスからの効率的なセレンの分離処理および連続的な回収処理に対する知見に加え、こうした構成のセレンの回収システムを用いることによって、以下の知見を基に、硫酸塩成分を高純度で回収することが可能であることを見出した。
(c)1次排液中に含まれる硫黄化合物から生成される亜硫酸塩を、酸化処理により硫酸塩に変換し硫酸塩として回収することによって、硫黄化合物のより高い回収効率を得ることができる。
(d)酸化処理により変換された硫酸塩は、さらに2次中和処理を行うことによって、晶析処理により得られる高純度の結晶硫酸塩の生成量が大きくなる。
本発明は、上記のセレンの回収システムにおいて、前記濾過処理部または前記晶析処理部から導出された液体成分が濃縮処理される濃縮処理部を有し、該濃縮処理部が真空減圧手段に接続され、加熱条件での真空蒸発処理によって濃縮分離され、乾燥処理を行い、前記硫黄化合物を、乾燥処理された硫酸塩として取り出されることを特徴とする。
こうした構成によって、汚泥と分離された液体成分が、加熱条件下の真空蒸発によって濃縮分離され、乾燥処理を行い、乾燥処理された純度の高い硫酸塩を得るとともに、排ガス中の硫黄化合物を、効率よく回収することができる。さらに濃縮された液体成分を遠心分離機等によって分離された後、残存成分として硫酸塩および2次排液の濾過処理時に液体成分に溶解していたSeを取り出すことができる。これによって、排ガスからの効率的なセレンの回収処理を行うことができるとともに、硫酸塩成分を効率よく回収することが可能となった。また、こうした回収システムあるいは回収方法によって、システム外に廃液の出さないゼロエミッション型の排ガス処理系を形成することが可能となった。
また、本発明は、上記のセレンの回収方法において、前記工程(5)によって分離された液体成分が、
(7)加熱処理され、該液体成分中に溶解する硫酸塩を含む晶析成分の生成処理が行われ、前記硫黄化合物を、晶析成分を主とする硫酸塩成分が取り出される晶析処理工程
または、前記工程(5)または該工程(7)によって分離された液体成分が、
(8)加熱条件での真空蒸発処理によって濃縮分離され、乾燥処理を行い、前記硫黄化合物を、乾燥処理された硫酸塩として取り出される濃縮分離工程
を有することを特徴とする。
こうした回収方法を用いることによって、排ガスからの効率的なセレンの分離処理および連続的な回収処理に加え、上記(c)および(d)の知見を基に、硫酸塩成分を高純度で回収することが可能となった。また、乾燥処理された純度の高い硫酸塩を得るとともに、排ガス中の硫黄化合物を、効率よく回収することが可能となった。
本発明は、上記のセレンの回収システムにおいて、前記酸化処理部または/および2次中和処理部において、前記酸化剤として空気を用いて液層内に供給するとともに、該液層のpHを測定するpH測定器、あるいは酸化還元電位を測定するORP測定器を備え、該pHあるいはORPが所定の範囲となるように、前記酸化剤および2次中和剤の添加量を制御することを特徴とする。
また、本発明は、上記のセレンの回収方法において、前記工程(3)または/および工程(4)において、前記酸化剤として空気を用いて液層内に供給するとともに、該pHあるいはORPが所定の範囲となるように、前記酸化剤および2次中和剤の添加量を制御することを特徴とする。
上記のように、1次排液の処理において、酸化処理における排液の酸化雰囲気条件が、不溶性Seの生成あるいはシリカ系濾過材による回収に効果的であることが判った。本発明は、2次排液のORPを測定し、これを制御指標とすることによって、Se回収のより最適な条件を作り出すことを可能とした。また、硫酸塩成分の回収処理においても、酸化処理と2次中和処理の条件が大きく影響することが判った。本発明は、2次排液のpHあるいはORPを測定し、これを制御指標とすることによって、より最適な硫酸塩成分の回収処理条件を作り出すことを可能とした。酸化処理に用いる酸化剤としては、入手が容易な空気を用いることができる。
本発明は、上記のセレンの回収システムにおいて、前記1次中和処理部および/または前記2次中和処理部において、1次中和剤および/または2次中和剤の一部にアルカリ金属化合物を含む薬剤を用い、アルカリ金属の硫酸塩あるいは亜硫酸塩を生成するとともに、前記晶析処理部から、アルカリ金属の硫酸塩が取り出されることを特徴とする。
上記のように、硫黄化合物を含有する排ガスからのSeの回収処理において、硫酸塩成分を効率よく回収することによって、効率的にSeを回収できることが判った。特に、回収プロセス中に晶析処理可能な高純度の硫酸塩を作製する(2次排液の作製)ことによって、Seの回収をより効率的に行うことができることが判った。つまり、2次排液として液体成分を形成し、その後の加熱蒸発処理によって晶析処理が可能なアルカリ金属の硫酸塩の作製が好ましく、1次中和剤および/または2次中和剤の一部にアルカリ金属化合物を含む薬剤を用いることによって、こうした条件を可能とした。
また、本発明は、上記のセレンの回収システムにおいて、前記濾過処理部あるいは晶析処理部から導出された溶液の一部を、再度前記1次中和処理部に導入し、循環系を形成することを特徴とする。
2次排液は、濾過処理において主成分がSeと硫酸塩に分離され、晶析処理において高純度硫酸塩と残存成分に分離される。いずれも処理前の排ガス中に含まれる成分が、未処理成分として含まれる。本発明は、こうした未処理成分を1次中和処理部に導入し、循環系を形成することによって、排ガスからの効率的なセレンの回収処理を行うことができるとともに、硫酸塩成分を効率よく回収することが可能となった。また、こうした回収システムによって、システム外に廃液の出さないゼロエミッション型の排ガス処理系を形成することが可能となった。
本発明に係るセレンの回収システムの基本的な構成を例示する概略図 本発明に係るセレンの回収システムの第2構成例を示す概略図 本発明に係るセレンの回収システムの第3構成例を示す概略図 本発明に係る実施例における実験データを例示する概略図 従来技術に係る排ガス中のセレン除去装置を例示する概略図
本発明に係るセレンの回収システム(以下「本システム」という)は、少なくともセレンまたはセレン化合物(Se)と硫黄化合物(SOx)を含有する排ガスを対象とし、少なくとも、排ガスが冷却される冷却部と、排ガスの中和処理および中和処理によって生成される1次排液の中和処理が行われる1次中和処理部と、1次排液の酸化処理が行われる酸化処理部と、酸化処理が行われる1次排液あるいは酸化処理が行われた2次排液の中和処理が行われる2次中和処理部と、2次排液が液固分離処理される濾過処理部と、を有し、濾過処理部から導出された固体成分がセレンを含む汚泥として取り出されることを特徴とする。また、濾過処理部から導出された液体成分が、加熱処理され、該液体成分中に溶解する硫酸塩を含む晶析成分の生成処理が行われる晶析処理部を有することによって、該晶析処理部において硫黄化合物を、晶析成分を主とする硫酸塩成分として取り出すことができる。さらに、該晶析処理部から導出された液体成分が濃縮処理される濃縮処理部を有し、該濃縮処理部が真空減圧手段に接続され、加熱条件での真空蒸発処理によって濃縮分離され、乾燥処理を行い、硫黄化合物を、乾燥処理された硫酸塩として取り出すことができる。あるいは、晶析処理部に代え、真空減圧手段に接続され、加熱条件での真空蒸発処理される濃縮処理部を有し、濾過処理部から導出された液体成分が、該濃縮処理部において濃縮分離され、乾燥処理されることによって、硫黄化合物を、乾燥処理された硫酸塩として取り出すことができる。以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
<本システムの基本構成>
図1は、本システムの基本的な概略全体構成を示す(第1構成例)。排ガスが、冷却部1に導入され、1次中和処理部2を介して清浄化されて排出されるとともに、1次排液が生成される。1次中和処理部2から導出された1次排液は、酸化処理部3を介して2次中和処理部4に導入され、2次排液が生成される。2次中和処理部4から導出された2次排液は、濾過処理部5に導入され、液固分離処理される。濾過処理部5から導出された固体成分は、Seを含む汚泥として取り出される。さらに、濾過処理部5から導出された液体成分が晶析処理部6に導入されることによって、硫酸塩成分を晶析成分として取り出すことが可能となる。
本発明において処理対象となる排ガスは、少なくともSeとSOxを含有し、例えば着色剤や脱色剤としてSeを含む各種光学ガラスに係るガラス溶解炉から排出される排ガス等が該当する。具体的には、フラットパネル用ガラスには、その光学特性を得るためにSeが含有され、基材として芒硝を含むガラス材料が用いられる。その生産プロセスにおけるガラス溶解炉からは、これらSeとSOxおよびナトリウム(Na)化合物を含有する排ガスが排出され、こうした廃棄物処理を必要とする素材を回収し、再度原料として使用することによって非常に環境負荷の小さな生産システムを構成することができる。
冷却部1では、排ガスに冷却水が添加され、排ガス温度がセレンの融点以下となるように冷却される。冷却水は、常温あるいは約0〜20℃程度に冷却された市水あるいは工業用水等を用いることができ、冷却水供給部(例えばノズル等)の閉塞を減らすためには、軟水の使用が好ましい。図示する構成例のように、排ガスに対して噴霧状に添加することによって、効率的に排ガスを冷却することができる。また、破線部に示すように、冷却用の格子状体あるいは網状体が排ガス流通路に設けられることによって、高い冷却効果を得ることができる。冷却温度は、排ガス中のSeの残留を防止するように、セレンの融点である218℃以下、好ましくは約100℃以下、さらに約80℃以下が好ましい。約100℃以下とすることによって、後段での処理を特殊な設備や材料を使用せずに行うことができる。冷却部1で冷却された排ガスは、上部に配設された1次中和処理部2に導入されるとともに、元の排ガス中に含まれていたSeやSOxあるいはガス状の硫酸塩および亜硫酸塩等(例えばガラス原料として芒硝等を用いた場合には亜硫酸ナトリウム等)が冷却水に溶解して1次排液槽11に貯留される。なお、図示する構成例では、常に新しい冷却水を供給する構成を例示するが、後述する第2構成例のように、1次排液槽11に貯留された1次排液を循環して冷却水として用いることもできる。
1次中和処理部2では、冷却部1で冷却された排ガスに1次中和剤が添加され、排ガス中の酸性成分の中和処理、および該中和処理によって硫黄化合物から生成される硫酸塩および亜硫酸塩を含む1次排液の中和処理が行われる。1次中和剤については、2次中和処理部4において用いられる2次中和剤と合せて後述する。冷却部1同様、排ガスに対して噴霧状に添加し、格子状体あるいは網状体を排ガス流通路に設けることによって、効率的に排ガスを中和処理することができる。1次中和処理部2で中和処理された排ガスは、清浄化されて1次中和処理部2上部から排出され、集塵装置および排風機(図示せず)を経て、煙突から排気される(図示せず)。1次中和剤によって、元の排ガス中に含まれていたSeやSOxあるいはガス状の硫酸塩および亜硫酸塩等が中和処理され、1次排液として1次排液槽11に貯留される。1次中和処理の状態は、例えば液層の水素イオン濃度(pH)を測定するpH測定器(例えばガラス電極式pH計等)を備え、検出することができる。また、1次中和剤の添加量は、該pH値を指標として調整することができる。貯留された1次排液は、給送ポンプP1によって酸化処理部3に給送され、給送流量は、制御弁V1によって調整される。なお、第1構成例では、1次中和処理部2を冷却部1と別体として例示したが、後述する第2構成例のように、これらを一体化した1次処理部として構成することもできる。
酸化処理部3では、1次中和処理部2から導出された1次排液に酸化剤が添加され、該1次排液中の亜硫酸塩の硫酸塩への変換を含む酸化処理が行われる。酸化剤としては、入手が容易な空気を用いることができる。ただし、亜硫酸塩の硫酸塩への変換を含む酸化処理が可能な酸化機能を有する薬剤であれば、これに限定されるものではなく、酸素ガスや酸素富化ガスあるいはオゾンを含むガス等を用いることができる。酸化処理における具体的な反応については、後述する。酸化処理部3の下方部から泡沫状に供給され、酸化処理部3内部の液層全体を撹拌手段31により撹拌することによって、均一で効率的な酸化処理を行うことができる。酸化処理された排液は、2次中和処理部4に給送される。酸化処理の状態は、例えば液層に酸化還元電位(ORP)を測定するORP測定器を備え、検出することができる。また、酸化剤の添加量は、ORPを指標として調整することができる。こうした機能によって、以下のような効果を得ることができる。
(a)1次排液に溶解していた酸化セレン等のセレン化合物の多くが、1次排液の酸化雰囲気条件下における酸化処理によって、金属セレンを含む不溶性のSeに変換される。
(c)1次排液中に含まれる硫黄化合物から生成される亜硫酸塩を、酸化処理により硫酸塩に変換し硫酸塩として回収することによって、硫黄化合物のより高い回収効率を得ることができる。
2次中和処理部4では、酸化処理が行われた排液に2次中和剤が添加され、2次中和処理が行われる。2次中和剤については、1次中和剤と合せて後述する。2次中和処理部4内部の液層全体を撹拌手段41により撹拌することによって、均一で効率的な2次中和処理を行うことができる。2次中和処理の状態は、上記同様例えばpH測定器により検出することができ、2次中和剤の添加量は、該pH値を指標として調整することができる。こうした機能によって、以下のような効果を得ることができる。
(d)酸化処理により変換された硫酸塩は、さらに2次中和処理を行うことによって、晶析処理により得られる高純度の結晶硫酸塩の生成量が大きくなる。
2次中和処理された2次排液は、給送ポンプP4によって濾過処理部5に給送され、給送流量は、制御弁V4によって調整される。なお、第1構成例では、2次中和処理部4を酸化処理部3と別体として例示したが、後述する第2構成例のように、これらを一体化し、2次処理部として構成し、1次排液に対して酸化処理と同時に2次中和処理を行うことができる。
〔中和剤について〕
本システムにおいて、1次中和剤および/または2次中和剤の一部にアルカリ金属化合物を含む薬剤を用いることが好ましい。例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの水酸化物,炭酸ナトリウムや炭酸カリウムなどの炭酸化物,炭酸水素ナトリウムや炭酸水素カリウムなどの炭酸水素化物あるいは酸化ナトリウムや酸化カリウムなどの酸化物を主成分とする薬剤を挙げることができる。中和処理および酸化処理において排ガス中の硫黄酸化物との反応によりアルカリ金属の硫酸塩を生成させて、濾過処理において液体成分として分離した後、晶析処理においてアルカリ金属の硫酸塩を生成させ、これを取り出すことによって、非常に高純度のアルカリ金属の硫酸塩を回収することができる。また、上記のように、硫黄化合物を含有する排ガスからのSeの回収処理において、硫酸塩成分を効率よく回収することによって、効率的にSeを回収できる。特に、回収プロセス中に晶析処理可能な高純度の硫酸塩を作製する(2次排液の作製)ことによって、Seの回収をより効率的に行うことができる。具体的には、例えば芒硝(NaSO)およびSeを原料の一部に含むアルカリガラスの製造プロセスにおいて、水酸化ナトリウム含む1次中和剤および/または2次中和剤を用いて1次中和処理および/または2次中和処理を行うことによって、溶解炉からの排ガスから高純度の芒硝を回収することができるとともに、Seの回収をより効率的に行うことができる。
ただし、アルカリ土類金属化合物を一部に含む薬剤、例えば水酸化カルシウムや水酸化マグネシウムなどの水酸化物,炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムなどの炭酸化物,炭酸水素カルシウムや炭酸水素マグネシウムなどの炭酸水素化物あるいは酸化カルシウムや酸化マグネシウムなどの酸化物を主成分とする薬剤を中和剤として使用することも可能である。こうした薬剤を用いた場合には、中和処理時に、不溶性の硫酸カルシウムや硫酸マグネシウムが生成されるが、これを沈殿物あるいは濾過処理の固体成分として取り出すことによって、Seの回収に影響を与えることなく、排ガス由来の晶析成分(例えばガラスの原料である芒硝)のみを高純度に取り出すことができる。
濾過処理部5では、2次中和処理部4から導出された2次排液が、濾過材によって液固分離処理される。分離された固体成分が、セレンを含む汚泥として取り出される。このとき、Seの分離・回収の最終段階まで溶液中に高純度の硫酸塩が存在することによって、Seの高い回収効率を確保することができる。濾過材としては、珪藻土やゼオライト系濾過材等のケイ素あるいは酸化ケイ素を主成分とする濾過布や粒状体あるいは粉状体等を用いることが好ましい。シリカ系の濾過材は、Seに対する吸着能力を有し、こうした機能によって、以下のような効果を得ることができる。
(b)不溶性のSeは、シリカ系の濾過材(例えば珪藻土等)によって、2次排液からのより高い分離効率を得ることができる。
また、汚泥中には、Se以外に排ガス発生設備に供給される原料に由来する素材等が含まれる。ガラス溶解炉から排ガスであれば、ナトリウム化合物やカルシウム化合物あるいはシリカ成分やフッ素化合物等が挙げられる。分離された液体成分は、給送ポンプP5によって晶析処理部6に給送され、給送流量は、制御弁V5によって調整される。また、後述するように、分離された液体成分の一部を分岐して給送し、1次中和剤と混合して1次中和処理部2に導入する循環系を形成することによって、Seの回収率の向上を図ることができる。また、こうした循環系を構成することによって、システム外に廃液の出さないゼロエミッション型の排ガス処理系を形成することが可能となった。
晶析処理部6では、濾過処理部5から導出された液体成分が、加熱処理され、該液体成分中に溶解する硫酸塩を含む晶析成分の生成が行われる。晶析処理によって、純度の高い硫酸塩成分が取り出される。具体的には、晶析処理部6が真空減圧手段(図示せず)に接続され、加熱条件での真空蒸発処理により晶析した硫酸塩成分が取り出される。こうした構成によって、純度の高い晶析硫酸塩を効率よく回収することができる。加熱処理としては、晶析処理部6の周囲に設けられたヒータによる加熱,内部に導入されるスチームによる加熱あるいは加熱パージを挙げることができる。
さらに、晶析処理部6において分離された液体成分が濃縮処理される濃縮処理部(図示せず)を配設することが好ましい。具体的には、加熱手段(図示せず)を有し、真空減圧手段(図示せず)に接続された濃縮処理部が好適である。晶析処理部6から導出された液体成分が、加熱条件での真空蒸発処理によって濃縮分離され、乾燥処理を行われることによって、排ガス中の硫黄化合物を、乾燥処理された硫酸塩として取り出すことができる。晶析処理によって純度の高い硫酸塩成分が取り出されるとともに、当該濃縮工程によって、硫酸塩を主成分とし濾過処理後の液体成分に溶解していたSeを含む残存成分が取り出される。また、晶析処理部6において分離された液体成分が、遠心分離機(図示せず)により残存する濃縮液がさらに濃縮分離された後、乾燥処理により硫酸塩およびSeを含む残存成分が取り出される。こうした構成によって、純度の高い晶析硫酸塩に加え、さらに残存成分から硫酸塩およびSeを効率よく回収することができる。また、システム外に廃液の出さないゼロエミッション型の排ガス処理系を形成することができる。加熱処理としては、濃縮処理部の周囲に設けられたヒータによる加熱,内部に導入されるスチームによる加熱あるいは加熱パージを挙げることができる。
あるいは、晶析処理部6に代えて、上記濃縮処理部(図示せず)を配設する構成も可能である。硫黄化合物を芒硝等特定の化合物として取り出すのではなく、硫酸塩等を主成分とする種々の硫黄化合物を濃縮された形態で取り出すことによって、排ガス中の硫黄化合物を効率よく取り出すことができる。具体的には、濾過処理部5から導出された液体成分が、該濃縮処理部において濃縮分離され、乾燥処理されることによって、硫黄化合物を、乾燥処理された硫酸塩等として取り出すことができる。また、同時に、濾過処理後の液体成分に溶解していたSeを含む残存成分として取り出すことができる。純度の高い硫酸塩等の硫黄化合物に加え、Seを効率よく回収することができる。また、システム外に廃液の出さないゼロエミッション型の排ガス処理系を形成することができる。
〔本システムを用いたセレンの回収方法〕
本システムを用いたセレンの回収方法は、少なくとも以下のプロセスを有する。
(1)前記排ガスに冷却水が添加され、排ガス温度をセレンの融点以下となるように冷却される冷却処理工程
(2)前記排ガスに1次中和剤が添加され、前記硫黄化合物から生成される硫酸塩および亜硫酸塩を含む1次排液の中和処理が行われる1次中和処理工程
(3)前記工程(2)において発生した1次排液に酸化剤が添加され、排液中の亜硫酸塩の硫酸塩への変換を含む酸化処理が行われる酸化処理工程
(4)前記工程(3)の酸化処理と同時に、あるいは該酸化処理により発生した排液に、2次中和剤を添加し、中和処理された2次排液を生成する2次中和処理工程
(5)前記工程(4)において発生した2次排液が、濾過材によって液固分離処理される濾過処理工程
(6)前記工程(5)によって分離された固体成分が、セレンを含む汚泥として取り出される汚泥取出工程
以下、各工程について、芒硝およびSeを含むガラス原料の溶解炉からの排ガスを例として詳述する。
(1)排ガスの冷却処理工程
排ガスに冷却水が添加され、排ガス温度をセレンの融点以下となるように冷却される。具体的には、冷却部1に導入された約250〜300℃の排ガスに対して、例えば常温あるいは約0〜20℃程度に冷却された市水あるいは工業用水等が、噴霧状に添加され、排ガス温度を好ましくは約100℃以下、さらに好ましくは約80℃以下に冷却される。冷却された排ガス中の水分および沸点約100℃以下の物質は凝縮し、冷却水および凝縮水とともに1次排液槽11に貯留される。また、排ガス中に含まれるSeやSOxあるいはガス状の硫酸塩および亜硫酸塩等が冷却水に溶解して1次排液槽11に貯留される。こうした成分が分離された排ガスは、1次中和処理部2に導入される。冷却部1においては、以下の反応が生じる。
(1−1)排ガスと冷却水との接触(1次中和剤との接触を含む)に伴う反応
NaSO+SO→2NaHSO ・・式1
2NaSO+SO→2NaHSO+NaSO ・・式2
(1−2)排ガス中のOと冷却水との接触(1次中和剤との接触を含む)に伴う反応
2NaSO+O→2NaSO ・・式3
(2)排ガスの1次中和処理工程
冷却された排ガスに、例えば水酸化ナトリウム等アルカリ金属化合物を含む1次中和剤が添加され、例えばガラス溶解炉から排出された排ガスであれば、ガラス原料由来の硫黄酸化物(SOx)やフッ素化合物あるいは窒素酸化物(NOx)等の酸性成分と反応させ、排ガスの1次中和処理が行われる。排ガス中に含まれるSOxやガス状の硫酸塩および亜硫酸塩等が、水分の存在下において中和反応により生成された水溶性物質として1次排液槽11に貯留される。と同時に、1次排液槽11に貯留される1次排液の中和処理が行われ、上記硫酸塩および亜硫酸塩を含む1次排液が生成される。具体的には、排ガスの1次中和処理において、上記式1〜3の反応とともに、以下の反応が生じる。
NaHSO+NaOH→NaSO ・・式4
このとき、1次排液のpHを測定することによって1次中和処理の状態を検出することができる。また、1次中和剤の添加量は、該pH値を指標として調整することができる。1次中和処理された1次排液は、給送ポンプP1によって酸化処理部3に給送され、給送流量は、制御弁V1によって調整される。
(3)1次排液の酸化処理工程
工程(2)において発生した1次排液に、例えば空気等の酸化剤が添加され、酸化雰囲気条件下において、排液中の亜硫酸塩の硫酸塩への変換を含む酸化処理が行われる。液層内において泡沫を形成するように酸化剤が供給されると同時に、撹拌手段31による液層全体の撹拌によって、均一で効率的な酸化処理を行うことができる。このとき、酸化処理部3内の液層のORPを測定することによって酸化処理の状態を検出することができる。また、酸化剤の添加量は、該ORP値を指標として調整することができる。こうした酸化処理によって、1次排液に溶解していた酸化セレン等のセレン化合物の多くが、金属セレンを含む不溶性のSeに変換される。また、酸化処理部3内では、例えば1次排液中の亜硫酸ナトリウムあるいは亜硫酸水素ナトリウムが空気酸化され、以下のような反応が生じる。
2NaSO+O→NaSO ・・式3
2NaHSO+O→NaSO+HSO ・・式5
酸化処理された排液は、2次中和処理部4に給送される。
(4)1次排液の2次中和処理工程
工程(3)の酸化処理と同時に、あるいは該酸化処理により発生した排液に、例えば水酸化ナトリウム等アルカリ金属化合物を含む2次中和剤を添加し、中和処理された2次排液を生成する。具体的には、上記式3に示すような反応によって生じたpH値の変化(亜硫酸ナトリウムのpHは約9であり、硫酸ナトリウムのpHは約7である)あるいは式5に示すような反応によって発生した硫酸によるpH値の変化に対して、水酸化ナトリウム等の2次中和剤を用いて中和状態の2次排液を生成する。後者については、以下のような反応が生じる。
SO+2NaOH→NaSO ・・式6
このとき、2次排液のpHを測定することによって2次中和処理の状態を検出することができる。また、2次中和剤の添加量は、該pH値を指標として調整することができる。該2次排液は、給送ポンプP4によって濾過処理部5に給送され、給送流量は、制御弁V4によって調整される。
(5)2次排液の濾過処理工程
工程(4)において発生した2次排液が、濾過材によって液固分離処理される。珪藻土等シリカ系の濾過材を用いることによって、分離された固体成分中の他の成分の影響を受けずに、不溶性のSeについて、2次排液からのより高い分離効率を得ることができる。また、分離された液体成分は、高純度の硫酸塩を主成分とし、一部溶解性のSe等を含有する。該液体成分は、給送ポンプP5によって晶析処理部5に給送され、給送流量は、制御弁V5によって調整される。
(6)汚泥取出工程
工程(5)によって分離された固体成分が、Seを含む汚泥として取り出される。具体的には、後述する下表1に例示するような組成の固体成分が、汚泥として分離され取り出される。排ガス生成設備等の原料に由来する素材等として、ナトリウム化合物やカルシウム化合物あるいはシリカ成分(酸化ケイ素)やフッ素化合物等が含まれる。
また、本システムを用いたセレンの回収方法は、以下のプロセスを有することが好ましい。
(7)上記工程(5)によって分離された液体成分が、加熱処理され、該液体成分中に溶解する硫酸塩を含む晶析成分の生成処理が行われ、硫黄化合物を、晶析成分を主とする硫酸塩成分が取り出される晶析処理工程
さらに、該工程(7)によって分離された液体成分が、以下のプロセスを有することが好ましい。
(8)加熱条件での真空蒸発処理によって濃縮分離され、乾燥処理を行い、硫黄化合物を、乾燥処理された硫酸塩として取り出される濃縮分離工程
あるいは、上記工程(7)に代え、以下のプロセスを有することが好ましい。
(8’)上記工程(5)によって分離された液体成分が、加熱条件での真空蒸発処理によって濃縮分離され、乾燥処理を行い、前記硫黄化合物を、乾燥処理された硫酸塩として取り出される濃縮分離工程
(7)晶析処理工程
工程(5)によって分離された液体成分が、加熱処理され、該液体成分中に溶解する硫酸塩を含む晶析成分の生成処理が行われ、晶析成分を主とする硫酸塩成分が取り出される。晶析成分の生成プロセスにおいては、液体成分が晶析処理部6に導入され、加熱処理されることによって、液体成分が、固体状の晶析部分と液体状の濃縮された残存成分に分離される。晶析部分は、そのまま取り出され、さらに加熱処理を継続することによって乾燥された高純度の硫酸塩を得ることができる。このとき、晶析処理部6に真空減圧手段(図示せず)を接続し、減圧容器とすることによって、より迅速かつ効果的に晶析処理を行うことができるとともに、より純度の高い晶析(晶析芒硝)を得ることができる。
(8)濃縮処理工程(2次処理)
工程(7)によって分離された液体状の濃縮された残存成分は、晶析処理後の2次処理として濃縮処理を行うことが好ましい。具体的には、該残存成分は、遠心分離機(図示せず)によりさらに濃縮分離された後、加熱条件で、例えば150Pa以下に減圧された条件下で、蒸発・乾燥処理により硫酸塩およびSeを含む残存成分が取り出される。システム外に廃液の出さないゼロエミッション型の排ガス処理系を形成することができる。
(8’)濃縮処理工程(1次処理)
あるいは、上記工程(7)に代え、汚泥取出工程(6)後の1次処理として、工程(5)によって分離された液体状の濃縮された残存成分を、加熱条件での真空蒸発処理によって濃縮分離され、乾燥処理を行い、前記硫黄化合物を、乾燥処理された硫酸塩として取り出すことができる。このとき、遠心分離機(図示せず)によりさらに濃縮分離された後、乾燥処理を行うことによって、より硫酸塩およびSeを含む残存成分を取り出すことができる。システム外に廃液の出さないゼロエミッション型の排ガス処理系を形成することができる。
〔本システムの他の構成例〕
本システムは、上記第1構成例を基本とし、いくつかの実施形態が可能である。具体的には、図2に例示するような構成を挙げることができる(第2構成例)。第1構成例における冷却部1と1次中和処理部2を一体化した1次処理部10,酸化処理部3と2次中和処理部4を一体化した2次処理部30,1次処理部10と2次処理部30に共通の中和剤の供給を担う中和剤槽20を有することを特徴とする。一体化した構成は、気液接触空間を最大限に利用し、該空間の小容積化を図ることを可能とし、装置のコンパクト化を図ることができる。
1次処理部10において、常に新しい冷却水を供給する構成ではなく、1次排液槽11に貯留された1次排液を循環して冷却水として用いられる。新たに供給される排ガス量に対応した熱容量の小さな排ガスの冷却に必要な冷熱を、熱容量の大きな新たな冷却水の最小限の供給量によって担うことができ、エネルギー効率の高いシステムを構成することができる。また、1次処理部10において1つの噴霧手段によって1次中和剤が添加された1次排液を冷却水として噴霧状に供給することによって、冷却機能と同時に1次中和剤を含む冷却水と排ガスとの接触を図り、1次中和処理を行うことができる。具体的には、1次排液槽11に貯留された1次排液は、給送ポンプP1によって、その一部を2次処理部30に給送され、給送流量は、制御弁V1によって調整されるとともに、その一部を循環流路12を介して冷却水として用いられる。1次中和剤は、中和剤槽20から給送ポンプP2によって、その一部を1次処理部10に給送され、給送流量は、制御弁V2によって調整される。
2次処理部30において、1次排液の酸化処理と2次中和処理を同時に行うことによって、上式5、6が同時に行われた結果としてのpH値あるいはORPを指標として酸化剤および中和剤の供給量を調整することができる。つまり、酸化処理時に所定のORP値を有する排液は、1次排液の性状によってその後の2次中和処理によって該所定値から僅かに変動することがあり、同時に両処理を行うことによって、こうした状態を回避することができる。ここでは、ORP測定器または/およびpH測定器を備えた検出器32が2次処理部30に設けられる。2次中和剤は、中和剤槽20から給送ポンプP2によって、その一部を2次処理部30に給送され、給送流量は、制御弁V3によって調整される。酸化処理の状態は、ORP測定器によって検出され、酸化剤の添加量は、該ORP値を指標として調整される。2次中和処理の状態は、pH測定器によって検出され、2次中和剤の添加量は、該pH値を指標として調整される。
中和剤槽20を用いた中和剤の共通化は、各処理における生成物あるいは共存成分の多様化を防止し、処理条件の限定を可能とし、回収率の向上を図ることができる。例えば芒硝を原料とするガラス溶解炉からの排ガス中には、原料由来のNaが含まれることから、水酸化ナトリウムを中和剤として用いることによって、硫酸ナトリウムの生成に十分なNaを確保することができる。かつ、中和処理の指標(pH)を管理することによって、余剰の水酸化ナトリウムつまりNa成分の供給を回避することができる。
また、図3に例示するような構成を挙げることができる(第3構成例)。上記第1構成例を基本とするシステムにおいて、濾過処理部5あるいは晶析処理部6から導出された溶液の一部を、再度1次中和処理部2に導入し、循環系を形成することを特徴とする。濾過処理部において一部溶解しているSeを含む液体成分を1次中和処理部2に戻すことによって、セレンの回収率の向上を図ることができる。また、晶析処理前の液体成分は、多くの硫酸塩が含まれることから、高濃度の硫酸塩を含む1次排液および2次排液が得られ、効率の高い晶析処理を行うことができるとともに、酸化剤や中和剤の供給量を低減することができる。
さらに、晶析処理部6において分離されたSeを含む残存成分を1次中和処理部2に戻すことによって、Seの回収率の向上を図ることができる。また、2次排液は、濾過処理において主成分がSeと硫酸塩に分離され、晶析処理において高純度硫酸塩と残存成分に分離される。いずれも処理前の排ガス中に含まれる成分が、未処理成分として含まれる。こうした未処理成分を1次中和処理部2に導入し、循環系を形成することによって、Seおよび硫酸塩成分を効率よく回収することができる。また、こうした循環系を構成することによって、システム外に廃液の出さないゼロエミッション型の排ガス処理系を形成することができる。
以下、本システムをアルカリガラスの製造プロセスに用い、回収されたSeおよび芒硝を、質的および量的に検証した結果を示す。
〔検証時の本システムの稼動条件〕
第1構成例に係る本システムを用い、下表1(a)に示す排ガス中の煤塵を含む排ガスを冷却部1に導入し、濾過処理部5から取り出されたSeを含む汚泥の組成,晶析の組成および晶析処理部6において生成された残存成分の組成を確認した。ここで、pHおよびORPは、ガラス電極式pH/ORP測定器(堀場製作所製 K−10/D−54)を用いて測定するとともに、中和処理の基準値をpH7.5±0.5とし、酸化処理の基準値をORP0mV以下として調整した。また、汚泥等の組成は、蛍光X線測定装置(理学電機製、型式RIX3100)、結晶構造はX線回折装置(理学電機製、型式RINT2500VL)によって測定した。
〔検証結果〕
検証結果として、(b)汚泥,(c)晶析芒硝および(d)残存成分の組成を下表1(各測定値は、重量%で表わす)に示す。図4に、汚泥のX線回折測定結果を例示する。蛍光X線測定法による測定では、性状が金属と酸化物の区別ができないために、下表1では、Seを「SeO」として表示したが、実際の生成物は、X線回折測定から、金属Se(0価)であることが分った。また、従前のシステムのように、(x)酸化処理および2次中和処理を行わずに晶析処理を行った場合と比較して、晶析芒硝に含まれるSeの量が大幅に減少した。Seを、汚泥の含有成分として効率よく取り出すことができることを検証することができた。同時に、非常に高純度の晶析芒硝が得られた。
Figure 2014172796
以上のように、本発明によれば、排ガス中のSeおよび硫酸塩成分を効果的に分離することができるとともに、それぞれを効率よく回収することができることが確認された。
1 冷却部
11 1次排液槽
2 1次中和処理部
3 酸化処理部
31,41 撹拌手段
4 2次中和処理部
5 濾過処理部
6 晶析処理部
P1,P4,P5 給送ポンプ
V1,V4,V5 制御弁

Claims (9)

  1. 少なくともセレンまたはセレン化合物と硫黄化合物を含有する排ガスを対象とし、少なくとも、
    前記排ガスに冷却水が添加され、排ガス温度がセレンの融点以下となるように冷却される冷却部と、
    前記排ガスに1次中和剤が添加され、排ガス中の酸性成分の中和処理、および該中和処理によって前記硫黄化合物から生成される硫酸塩および亜硫酸塩を含む1次排液の中和処理が行われる1次中和処理部と、
    該1次中和処理部から導出された1次排液に酸化剤が添加され、該1次排液中の亜硫酸塩の硫酸塩への変換を含む酸化処理が行われる酸化処理部と、
    該酸化処理が行われる1次排液あるいは該酸化処理が行われた2次排液に2次中和剤が添加され、酸化処理された2次排液の中和処理が行われる2次中和処理部と、
    該2次中和処理部から導出された2次排液が、シリカ系の濾過材によって液固分離処理される濾過処理部と、を有し、
    前記濾過処理部から導出された固体成分が、セレンを含む汚泥として取り出されることを特徴とする排ガス中のセレン回収システム。
  2. 該濾過処理部から導出された液体成分が、加熱処理され、該液体成分中に溶解する硫酸塩を含む晶析成分の生成処理が行われる晶析処理部を有し、該晶析処理部において前記硫黄化合物を、晶析成分を主とする硫酸塩成分として取り出されることを特徴とする請求項1記載の排ガス中のセレン回収システム。
  3. 前記濾過処理部または前記晶析処理部から導出された液体成分が濃縮処理される濃縮処理部を有し、該濃縮処理部が真空減圧手段に接続され、加熱条件での真空蒸発処理によって濃縮分離され、乾燥処理を行い、前記硫黄化合物を、乾燥処理された硫酸塩として取り出されることを特徴とする請求項1または2記載の排ガス中のセレン回収システム。
  4. 前記酸化処理部または/および2次中和処理部において、前記酸化剤として空気を用いて液層内に供給するとともに、該液層のpHを測定するpH測定器、あるいは酸化還元電位を測定するORP測定器を備え、該pHあるいはORPが所定の範囲となるように、前記酸化剤および2次中和剤の添加量を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の排ガス中のセレン回収システム。
  5. 前記1次中和処理部および/または前記2次中和処理部において、1次中和剤および/または2次中和剤の一部にアルカリ金属化合物を含む薬剤を用い、アルカリ金属の硫酸塩あるいは亜硫酸塩を生成するとともに、前記晶析処理部から、アルカリ金属の硫酸塩が取り出されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の排ガス中のセレン回収システム。
  6. 前記濾過処理部あるいは晶析処理部から導出された溶液の一部を、再度前記1次中和処理部に導入し、循環系を形成することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の排ガス中のセレン回収システム。
  7. 少なくともセレンまたはセレン化合物と硫黄化合物を含有する排ガスを対象とし、少なくとも以下の工程を有することを特徴とする排ガス中のセレン回収方法。
    (1)前記排ガスに冷却水が添加され、排ガス温度をセレンの融点以下となるように冷却される冷却処理工程
    (2)前記排ガスに1次中和剤が添加され、前記硫黄化合物から生成される硫酸塩および亜硫酸塩を含む1次排液の中和処理が行われる1次中和処理工程
    (3)前記工程(2)において発生した1次排液に酸化剤が添加され、排液中の亜硫酸塩の硫酸塩への変換を含む酸化処理が行われる酸化処理工程
    (4)前記工程(3)の酸化処理と同時に、あるいは該酸化処理により発生した排液に、2次中和剤を添加し、中和処理された2次排液を生成する2次中和処理工程
    (5)前記工程(4)において発生した2次排液が、濾過材によって液固分離処理される濾過処理工程
    (6)前記工程(5)によって分離された固体成分が、セレンを含む汚泥として取り出される汚泥取出工程
  8. 前記工程(5)によって分離された液体成分が、
    (7)加熱処理され、該液体成分中に溶解する硫酸塩を含む晶析成分の生成処理が行われ、前記硫黄化合物を、晶析成分を主とする硫酸塩成分が取り出される晶析処理工程
    または、前記工程(5)または該工程(7)によって分離された液体成分が、
    (8)加熱条件での真空蒸発処理によって濃縮分離され、乾燥処理を行い、前記硫黄化合物を、乾燥処理された硫酸塩として取り出される濃縮分離工程
    を有することを特徴とする請求項7記載の排ガス中のセレン回収方法。
  9. 前記工程(3)または/および工程(4)において、前記酸化剤として空気を用いて液層内に供給するとともに、該pHあるいはORPが所定の範囲となるように、前記酸化剤および2次中和剤の添加量を制御することを特徴とする請求項7または8記載の排ガス中のセレン回収方法。
JP2013048127A 2013-03-11 2013-03-11 排ガス中のセレン回収システムおよびセレン回収方法 Active JP5851440B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013048127A JP5851440B2 (ja) 2013-03-11 2013-03-11 排ガス中のセレン回収システムおよびセレン回収方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013048127A JP5851440B2 (ja) 2013-03-11 2013-03-11 排ガス中のセレン回収システムおよびセレン回収方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014172796A true JP2014172796A (ja) 2014-09-22
JP5851440B2 JP5851440B2 (ja) 2016-02-03

Family

ID=51694416

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013048127A Active JP5851440B2 (ja) 2013-03-11 2013-03-11 排ガス中のセレン回収システムおよびセレン回収方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5851440B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7338462B2 (ja) 2019-12-26 2023-09-05 三菱マテリアル株式会社 セレンの回収方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108686471A (zh) * 2018-05-23 2018-10-23 盐城大捷实业有限公司 一种用于汽车座椅加工过程中的净化装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4866015A (ja) * 1971-12-13 1973-09-11
JPS57179004A (en) * 1981-04-28 1982-11-04 Asahi Glass Co Ltd Refining method for metallic selenium
JPS6230826A (ja) * 1985-08-02 1987-02-09 Shinko Kagaku Kogyo Kk スクラツプ合金から有価物を回収する方法
JPH0957059A (ja) * 1995-08-29 1997-03-04 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 排煙処理システム
JPH1170317A (ja) * 1997-06-13 1999-03-16 Von Roll Umwelttechnik Ag 煙道ガスから二酸化硫黄を除去する方法
JP2001104748A (ja) * 1999-10-08 2001-04-17 Babcock Hitachi Kk 排ガス中のセレン除去方法および除去装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4866015A (ja) * 1971-12-13 1973-09-11
JPS57179004A (en) * 1981-04-28 1982-11-04 Asahi Glass Co Ltd Refining method for metallic selenium
JPS6230826A (ja) * 1985-08-02 1987-02-09 Shinko Kagaku Kogyo Kk スクラツプ合金から有価物を回収する方法
JPH0957059A (ja) * 1995-08-29 1997-03-04 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 排煙処理システム
JPH1170317A (ja) * 1997-06-13 1999-03-16 Von Roll Umwelttechnik Ag 煙道ガスから二酸化硫黄を除去する方法
JP2001104748A (ja) * 1999-10-08 2001-04-17 Babcock Hitachi Kk 排ガス中のセレン除去方法および除去装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7338462B2 (ja) 2019-12-26 2023-09-05 三菱マテリアル株式会社 セレンの回収方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5851440B2 (ja) 2016-02-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9895661B2 (en) Process and device for desulphurization and denitration of flue gas
KR101425289B1 (ko) 배기가스 처리 시스템 및 배기가스 처리 방법
JP7124928B2 (ja) 排水の処理方法
US7267710B2 (en) Method of and apparatus for regenerating adsorbent
JP5877578B2 (ja) 燃焼排ガス処理装置及び処理方法
Wang et al. A wet process for oxidation-absorption of nitric oxide by persulfate/calcium peroxide
JP2008190950A (ja) 試料中の酸化セレン除去方法と除去装置、およびこれを用いた石炭燃焼排気ガス中の水銀測定方法および測定装置
JP4747382B1 (ja) 排煙浄化処理方法
JP2008132413A (ja) 燃焼排ガス処理装置及び湿式集塵機排水処理方法
JP5851440B2 (ja) 排ガス中のセレン回収システムおよびセレン回収方法
KR101579374B1 (ko) 불화칼슘의 제조 방법 및 불화칼슘의 제조 장치
JP2008254944A (ja) 多孔質鉄酸化物およびその製造方法並びに被処理水の処理方法
JP4518460B2 (ja) 排ガスからフッ素成分を選択的に回収する方法
JP6343120B2 (ja) 過弗化物の処理装置、過弗化物の処理方法およびプログラム
JP2017057122A (ja) セメントキルン排ガス処理装置及び処理方法
JP6046526B2 (ja) 排ガス中のセレン回収システムおよびセレン回収方法
JP2017060905A (ja) セメントキルン排ガス処理装置及び処理方法
KR20160078726A (ko) 탈황공정 발생가스로부터 성분별 분리회수 방법
JP2008006409A (ja) 排ガス吸収液の再生方法
CN211770758U (zh) 一种烧结机机尾烟气净化及废水协同处理系统
CN112546815A (zh) 一种含汞烟气清洁高效综合回收汞的方法
CN102688677A (zh) 一种还原二价汞以提高冶金烟气总汞回收率的方法
JP4696017B2 (ja) ホウ素含有廃水の処理方法
JP5638456B2 (ja) 過塩素酸イオン含有液の処理方法及び過塩素酸イオン含有液の処理装置
JP6248695B2 (ja) フッ化カルシウムの製造方法および排ガス中のフッ化水素除去方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150428

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150930

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151002

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151027

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5851440

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250