JP2005218750A - 採血シリンジアダプター及びこれを利用した採血方法 - Google Patents
採血シリンジアダプター及びこれを利用した採血方法Info
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Abstract
【課題】 シリンジ採血では一回の穿刺で採血できる量が限られるし、採血中に血液が凝固することもあり特定の血液検査には使用できなくなる。真空採血は、細い血管や触診できない血管には採用しにくく、急激に血液が吸引されるため採血針先端に血管壁が密着しやすくなる。
【解決手段】 真空採血ホルダーを介し採血シリンジによって採血するための部材であって、本体の一方の端部に該採血シリンジの先端部に取り付ける装着部を設けると共に、該真空採血ホルダーの内側針を挿通する封止部を備える。或いは、真空採血ホルダーを利用して採血する方法であって、該真空採血ホルダーに装着した採血針を血管に穿刺し、採血シリンジの先端部に装着したもので該真空採血ホルダーの内側針を挿通する封止部を備えた採血シリンジアダプターを介することにより、該採血シリンジで採血する。
【選択図】 図1
【解決手段】 真空採血ホルダーを介し採血シリンジによって採血するための部材であって、本体の一方の端部に該採血シリンジの先端部に取り付ける装着部を設けると共に、該真空採血ホルダーの内側針を挿通する封止部を備える。或いは、真空採血ホルダーを利用して採血する方法であって、該真空採血ホルダーに装着した採血針を血管に穿刺し、採血シリンジの先端部に装着したもので該真空採血ホルダーの内側針を挿通する封止部を備えた採血シリンジアダプターを介することにより、該採血シリンジで採血する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、採血シリンジに用いるアダプター及び該アダプターを利用した真空採血方法に関するものである。
血液検査や献血などにおいて、人体から血液を採取するための採血用具には、シリンジ採血と真空採血がある。シリンジ採血は、血管に採血針を穿刺した時点でシリンジ先端の採血針装着部に血液の流入が目視できるため、細い血管や触診できない血管などのでも採血の成功率が高く、従来より採血業務に汎用されている。また、血管壁が薄く弾力がない場合など、急激な吸引を行うと採血針先端に血管壁が密着して血液の流入が止まってしまうが、シリンジ採血では状況に応じて吸引力を調整することができ、採血の成功率が高く目的量の採血を行うことが可能となる。
一方、真空採血は、管内を陰圧にした真空採血管を用いることによって一定量の血液を吸引する方法である。これは、真空採血管専用のホルダーに装着した真空採血管専用針を血管に挿入し、該ホルダーに真空採血管を挿通することで、ホルダー内の針で真空採血管のキャップを貫通して血液を吸引する方法である。真空採血管は、血液検査の項目数及び種類に応じて採血に必要な本数を容易に得られることや、抗凝固剤入り採血管などを適宜選択できる利点があり、今日ではその手軽さから広く利用されている。
実開昭61−73303号
シリンジ採血は、シリンジの大きさにもよるが一回の穿刺で採血できる量が限られてしまう。しかも、抗凝固剤を使用しないで採血するため、採血の途中で血液が凝固することがあり、特定の血液検査には使用できなくなるなどの問題がある。また、真空採血は、採血針を血管に挿入した時点ではシリンジ採血のように血液の流入を目視できないため、血管を探すような細い血管や触診できない血管には向かない。また、真空採血管は、陰圧により急激に血液が吸引されることから、採血針先端に血管壁が密着しやすくなり、血液の流入が止まることがある。
このようなことから、現在主流となっている真空採血で採血できなかった場合は、シリンジ採血に切り替えるために再度針を刺し直して採血する必要があり、患者に大きな苦痛を与えてしまうことになる。
そこで本発明者は上記問題に鑑み鋭意研究の結果、本発明を成し得たものであり、その特徴とするところは、真空採血ホルダーを介し採血シリンジによって採血するための部材であって、本体の一方の端部に該採血シリンジの先端部に取り付ける装着部を設けると共に、該真空採血ホルダーの内側針を挿通する封止部を備えたことにある。
方法の発明にあっては、真空採血ホルダーを利用して採血する方法であって、該真空採血ホルダーに装着した採血針を血管に穿刺し、採血シリンジの先端部に装着したもので該真空採血ホルダーの内側針を挿通する封止部を備えた採血シリンジアダプターを介することにより、該採血シリンジで採血すること。
或いは、真空採血ホルダーを利用して真空採血管で採血する方法であって、該真空採血ホルダーに装着した採血針を血管に穿刺し、採血シリンジの先端部に装着したもので該真空採血ホルダーの内側針を挿通する封止部を備えた採血シリンジアダプターを介して、該採血シリンジで血液を一部採取した後、該採血シリンジアダプターと共に該採血シリンジを取り外した該真空採血ホルダーに、真空採血管を装填して採血すること。
或いは、真空採血ホルダーを利用して採血する方法であって、該真空採血ホルダーに装着した採血針を血管に穿刺し、該真空採血ホルダーに真空採血管を装填して採血の試行後、該真空採血管を取り外し、封止部を備えた採血シリンジアダプターが先端部に装着された採血シリンジにより、該封止部を該真空採血ホルダーの内側針に挿通させて採血することにある。
ここで、本明細書中でいう「真空採血ホルダー」とは、採血するときに陰圧にした真空採血管を装着させる部材である。この真空採血ホルダーには、血管に挿通する採血針と、これに連通し内部に突出させた内側針が設けられる。一般的な使い方としては、真空採血ホルダーに取り付けた採血針を血管に挿通した後、真空採血管を該真空採血ホルダーに装填することにより、該真空採血管のゴムキャップが内側針に貫通され採血が行われる。
「採血シリンジ」とは、シリンダ部とピストン部より成る注射器であり、手動でピストン部を引いて血液を吸引する器具をいう。通常、採血シリンジの先端には小径円筒状の採血針取付部が設けられている。本発明に係る採血シリンジアダプターは、この採血シリンジの先端部に取り付ける部材であって、一端に装着部を有している。通常、装着部を上述した採血針取付部に嵌め込むことによって装着するが、必ずしも採血針取付部である必要はなく、ピストン部を引くことで採血シリンジアダプター本体を通して血液を流入させる部分であればよい。
本発明においては、真空採血ホルダーの内側針を通じて採血シリンジで血液を吸引する。このため、採血シリンジアダプター本体に封止部を備える。封止部の目的は、採血シリンジによる血液の吸引を行わしめることであり、真空採血ホルダーの内側針を挿通させることにより、挿通した該内側針との間で気密状態を保持する部材若しくは構造をいう。また、真空採血ホルダー用採血針の内側針にはゴム製の弾性包囲体が外嵌されていることから、該内側針に採血シリンジアダプターを挿通したときに該弾性包囲体の反発力が生じる。このため、封止部を厚くしたり比較的硬い素材で形成し、弾性包囲体の反発力を抑えて採血シリンジアダプターが内側針に保持できるようにするのが好ましい。
封止部としては、例えば、採血シリンジアダプター本体をポリプロピレンなどプラスチック製の管状とした場合には、その貫通孔に封止部としてシリコーンゴムなどの弾性を有する封止部材を詰める。この封止部材に内側針を貫通させることによって気密状態が保持される。この他、採血シリンジアダプター本体の貫通孔の全部若しくは一部を細くして内側針を挿通したときに気密状態となるようにしてもよい。
また、採血シリンジアダプター本体自体をシリコーンゴム、ウレタン、ポリ塩化ビニルなどの軟性プラスチックなどで形成してもよい。この場合には、本体自体が封止部となり、内側針を本体の一部に挿通させることによって気密状態を保持しながら採血シリンジと連通させることができる。従って、この場合の構造は、採血シリンジに取り付けるための装着部を設けるだけでよい。
本発明に係る採血方法は、基本的に真空採血ホルダーを利用し、先端部に採血シリンジアダプターを取り付けた採血シリンジによって血液を採取することにある。この場合の一手段として、先ず先端部に本発明に係る採血シリンジアダプターを取り付けた採血シリンジを真空採血ホルダーに装填する。これによって、該真空採血ホルダーの内側針が該採血シリンジアダプターの封止部に挿通し、採血シリンジによる採血可能な状態となる。そして、通常のシリンジ採血と同様の手技により真空採血ホルダーの採血針を血管に挿通する。この方法は、従来の採血シリンジによる採血と同様に、真空採血ホルダーの採血針が血管内に正しく穿刺できているかどうかの確認が容易に行える利点がある。
本発明に係る採血方法としては、この他、真空採血ホルダーの採血針を血管に穿刺してから、該真空採血ホルダーに採血シリンジアダプターを取り付けた採血シリンジを装填してもよい。また、真空採血ホルダーに真空採血管を装填した後、該真空採血管に代えて採血シリンジアダプターを取り付けた採血シリンジで採血する場合もある。
一般的に、血管が細い場合など採血に困難を伴うような場合には、真空採血ホルダーに予め採血シリンジアダプターを取り付けた採血シリンジを装填してから、該真空採血ホルダーの採血針を血管に穿刺する方法をとる。つまり、採血シリンジによる採血では、通常、血管に採血針が挿通された時点で血液が流入するため、その血液が採血シリンジや採血シリンジアダプターへ流入したことを目視して確認できるからである。採血針を血管に挿通でき、採血が容易であると判断できれば、そのままシリンジ採血を続行してもよいが、内側針から採血シリンジアダプター装着の採血シリンジを抜き、真空採血管を真空採血ホルダーに装填して真空採血に変更することも可能である。採血シリンジによる確認段階において、採血に困難を伴うと判断した場合は、真空採血管に取り換えることなくそのまま採血シリンジによって採血を続行する。
比較的容易に採血できるような人であれば、従来の真空採血と同様に真空採血ホルダー単体でその採血針を血管に穿刺する。通常はそのまま該真空採血ホルダーに真空採血管を装填して採血するが、本発明では真空採血管での採血の続行が困難になった場合でも、採血シリンジアダプターを取り付けた採血シリンジに取り換えて採血を継続することが可能となる。また、真空採血ホルダーの採血針を血管内部に挿通しにくいときや、採血針が血管に挿通できているか判断しにくい場合などには、該真空採血ホルダーに採血シリンジアダプターを取り付けた採血シリンジを装填して試行することができる。
本発明に係る採血シリンジアダプター及びこれを利用した採血方法は、従来の採血シリンジや真空採血管による採血において、採血シリンジによる吸引力の調整と真空採血管による効率的な採血を、連続的に行わしめることにより、採血時における痛みを軽減できると共に、採血業務をスムーズに成し得ることが可能となる。
特に、採血シリンジアダプターに備えた封止部により、真空採血ホルダーの内側針に対する気密性を高めることができ、採血シリンジによる採血を確実にすることができる。また、内側針の設けられた弾性包囲体の反発力を封止部で抑制できるため、内側針に対する採血シリンジアダプターの保持力が高まり、採血シリンジによる採血が容易に行えるなど、極めて有益な効果を有するものである。
本発明は、採血シリンジによる採血初期の操作と真空採血管による連続的な採血操作とを相互に切り換え可能にしたことにより、上述課題を解決した。
図1は本発明に係る採血シリンジアダプター1の実施例を示すもので、円筒状の本体11の一端を、採血シリンジ2の採血針取付部21に取り付けるための装着部12とすると共に、本体11内部にゴム製の封止部13を設けたものである。この採血シリンジアダプター1は、採血シリンジ2の採血針取付部21に取り付けることにより、真空採血ホルダー3に装填して該採血シリンジ2によって採血するためのものである。
採血シリンジアダプター1を用いる採血方法は、図2に示すように先ず真空採血ホルダー3に採血シリンジアダプター1を取り付けた採血シリンジ2を該真空採血ホルダー3に装填する。そして、該真空採血ホルダー3の採血針31を患者の腕の血管に穿刺する。
採血シリンジアダプター1を取り付けた採血シリンジ2を該真空採血ホルダー3に装填したことにより、図3のように真空採血ホルダー3の内側針32が採血シリンジアダプター1の封止部13を貫通する。これにより、採血針31と採血シリンジ2の内部が連通し、該採血シリンジ2による採血が可能となる。この状態は、封止部13によって採血シリンジアダプター1が、内側針32に外嵌された弾性包囲体33の反発力に抗して内側針32に保持された状態である。採血針31がうまく血管に挿通できると、内側針32から血液4が流出することから、これを目視で確認することができる。このため、採血シリンジアダプター1の本体11はプラスチックやガラスなど透明体で形成するのが好ましい。確認段階においては、従来の採血シリンジ2による採血と同じように真空採血ホルダー3の採血針31の先端が血管の内側に挿通されるように調整する。
採血シリンジ2の操作で真空採血管5による採血が可能と判断できれば、図4のように採血シリンジ2を採血シリンジアダプター1と共に真空採血ホルダー3から引き抜き、真空採血管5を該真空採血ホルダー3に装填して、該真空採血管5による採血を行う。真空採血管5による採血が難しい場合には、採血シリンジ2による採血を継続して行えばよい。
採血シリンジアダプター1に設ける封止部13としては、図5(a)のように本体11の端部にゴム部材や軟性プラスチックなどをキャップするように設けてもよい。また、封止部13として別体の部材を設ける他、同図(b)のように本体11をシリコーンゴムやポリプロピレンなどの軟性プラスチックで形成することにより、本体11の一部を内側針32で貫通して連通させる構造にすることも可能である。
同図(c)は、本体11の内径を挿通される内側針32によって気密を保持させる径としたものである。この場合は、円筒状の本体11に貫通孔を有する別体のプラスチックやゴム部材を設けて形成することもできる。この構造では、前述した各例と異なり、内側針32から抜いた後採血シリンジ2から血液が漏れる可能性があり、血液の飛散や感染の危険が危惧されるため、弁などを設けて逆流を防止してもよい。しかし、逆流防止機構などを設けなくても、その取り扱いは従来の採血シリンジによる採血と同様であり、実質的に問題はない。しかも、真空採血管5によることなく採血シリンジ2で採血した場合は、採血シリンジアダプター1を取り外すことなく分注することが可能となる。
1 採血シリンジアダプター
11 本体
12 装着部
13 封止部
2 採血シリンジ
21 採血針取付部
22 ピストン部
3 真空採血ホルダー
31 採血針
32 内側針
33 弾性包囲体
4 血液
5 真空採血管
11 本体
12 装着部
13 封止部
2 採血シリンジ
21 採血針取付部
22 ピストン部
3 真空採血ホルダー
31 採血針
32 内側針
33 弾性包囲体
4 血液
5 真空採血管
Claims (5)
- 真空採血ホルダーを介し採血シリンジによって採血するための部材であって、本体の一方の端部に該採血シリンジの先端部に取り付ける装着部を設けると共に、該真空採血ホルダーの内側針を挿通する封止部を備えたことを特徴とする採血シリンジアダプター。
- 封止部は、筒状本体の貫通孔に詰めたゴム製封止部材である請求項1記載の採血シリンジアダプター。
- 真空採血ホルダーを利用して採血する方法であって、該真空採血ホルダーに装着した採血針を血管に穿刺し、採血シリンジの先端部に装着したもので該真空採血ホルダーの内側針を挿通する封止部を備えた採血シリンジアダプターを介することにより、該採血シリンジで採血することを特徴とする採血方法。
- 真空採血ホルダーを利用して真空採血管で採血する方法であって、該真空採血ホルダーに装着した採血針を血管に穿刺し、採血シリンジの先端部に装着したもので該真空採血ホルダーの内側針を挿通する封止部を備えた採血シリンジアダプターを介して、該採血シリンジで血液を一部採取した後、該採血シリンジアダプターと共に該採血シリンジを取り外した該真空採血ホルダーに、真空採血管を装填して採血することを特徴とする採血方法。
- 真空採血ホルダーを利用して採血する方法であって、該真空採血ホルダーに装着した採血針を血管に穿刺し、該真空採血ホルダーに真空採血管を装填して採血の試行後、該真空採血管を取り外し、封止部を備えた採血シリンジアダプターが先端部に装着された採血シリンジにより、該封止部を該真空採血ホルダーの内側針に挿通させて採血することを特徴とする採血方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004032024A JP2005218750A (ja) | 2004-02-09 | 2004-02-09 | 採血シリンジアダプター及びこれを利用した採血方法 |
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Publications (1)
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ID=34994844
Family Applications (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007236541A (ja) * | 2006-03-07 | 2007-09-20 | Seigo Murakawa | 採血針 |
CN105662439A (zh) * | 2016-03-18 | 2016-06-15 | 温州医科大学附属第一医院 | 专用于鼠动脉血样采集装置 |
JP2016527939A (ja) * | 2013-06-26 | 2016-09-15 | ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニーBecton, Dickinson And Company | 一体化された閉鎖型ivライン吸引システム |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63296768A (ja) * | 1987-05-29 | 1988-12-02 | Terumo Corp | 注射用組立体 |
-
2004
- 2004-02-09 JP JP2004032024A patent/JP2005218750A/ja active Pending
Patent Citations (1)
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CN105662439B (zh) * | 2016-03-18 | 2019-01-18 | 温州医科大学附属第一医院 | 专用于鼠动脉血样采集装置 |
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