JP3779050B2 - 真空採血針 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、臨床検査において採血に用いられる真空採血針に関し、より詳細には、採血針の血管中への挿入を確実に確認することを可能とした真空採血針に関する。
【0002】
【従来の技術】
真空採血法では、真空採血針の一端を血管に穿刺し、他端を真空採血容器の栓体に刺通させ、真空採血容器の陰圧により血液を容易に採取することができる。
【0003】
上記真空採血システムの典型的な構造が、特開昭62−227316号公報に開示されている。この真空採血システムでは、図11(a)に示す真空採血管71、採血針72及びホルダー73を用いる。
【0004】
真空採血管71は、有底管状の採血管本体74にゴム栓75を取り付けた構造を有する。採血管本体74内は大気圧よりも低い減圧状態とされている。採血針72は、1本の金属製針管76の途中にハブ77を取り付けた構造を有する。針管76の一端には血管穿刺用刃先76aが、他端には栓体刺通用刃先76bが形成されている。
【0005】
ハブ77には、雄ねじ77aが形成されている。また、ホルダー73には、採血針72の雄ねじ77aに螺合する雌ねじ73aが形成されている。
採血に際しては、まず、採血針72の針管76を栓体刺通用刃先76b側からホルダー73内に挿入し、雄ねじ77aを雌ねじ73aにねじ込み、採血針72をホルダー73に固定する。次に、採血管71をホルダー73の開口73b側からホルダー73内に挿入し、刃先76bが栓体75を貫通しない程度に押し込み、刃先76bを一旦封止する。これは、次に血管穿刺用刃先76aを血管に挿入した場合に、刃先76b側から血液が漏洩するのを防止するためである。
【0006】
次に、刃先76aを血管に穿刺し、採血管71をホルダー73内にさらに押し込む。その結果、刃先76bが栓体75を貫通し、真空採血管71内の圧力と血管側の圧力との差により、血液が真空採血管71内に流入される。両者の圧力差が無くなると血液の流入が停止されるため、血管から刃先76aを抜去し、採血作業を終了する。
【0007】
上記真空採血システムに用いられている採血針72は、いわゆるシングル採血針と呼ばれているものであり、1本の真空採血管71のみに採血する際に用いられている。ところが、複数本の採血管に採血する必要がある場合には、採血管71を新たな採血管に交換する際に、採血針72の刃先76aを血管に挿入したままにしておかねばならない。
【0008】
しかしながら、上記採血針72から採血管71を取り外すと、刃先76bから血液が漏洩する。そこで、複数本の採血管に採血する際に用いられる採血針として、マルチプル採血針と称されているものが用いられている。マルチプル採血針では、採血針72において、ハブ77よりも栓体刺通側の針管部分を気密的に被覆するように弾性鞘体が取り付けられているものである。マルチプル採血針を用いれば、栓体刺通用刃先が弾性鞘体により気密的に被覆されているため、採血管の交換に際しての栓体刺通用刃先からの血液の漏洩を防止することができる。
【0009】
ところで、採血に際しては、血管穿刺用刃先が正しく血管中に挿入されているか否かを採血開始前に目視により確認し得ることが求められる。従来の通常のシリンジ採血では、注射針の刃先を血管中に刺し入れた後、プランジャーを僅かに引き、シリンジ及び注射針の内部をやや減圧としていた。そのため、注射針の刃先が正しく血管に挿入されている場合には、少量の血液が注射針からシリンジ内に圧力差により流入する。この流入は、いわゆるフラッシュバック現象と称されており、採血者はこのフラッシュバック現象を確認して採血を行う。フラッシュバック現象が見られない場合には、刃先が正しく血管に挿入されていないことになり、注射針の刃先を再度血管に刺通し、再度プランジャーを僅かに引きフラッシュバック現象が生じることを確認し、採血を行っていた。
【0010】
ところが、真空採血法では、真空採血針の針管内の空気を少しだけ排気するといった微調整手段が設けられていないため、このようなフラッシュバック現象を目視により確認することができなかった。針管中に閉じ込められている大気圧の空気は、流出しようとする血液の圧力により圧縮されるが、その場合の血液流の先端の到達点は、通常の静脈血圧では針管の先端から5〜7%程度にしか過ぎなかった。すなわち、針管長70mm程度の一般的に市販されている真空採血針では、血管穿刺部から3.5〜5mm程度の位置でしかなかった。
【0011】
そのため、外部から目視により金属製針管内へ血液が流入しているか否かを確認することはできなかった。
従って、血管と真空採血管とを針管で連通させたとしても、真空採血管中に血液が流入しなかった時点で初めて刃先が血管中に正しく挿入されていないことが判明していた。また、刃先が血管中に入っていないことが判明した後に、刃先を抜き差しし、修正を試みようとしても、真空採血管の強い陰圧により針管の血管穿刺用刃先面が体内組織に密着し、思うように修正ができないことが多かった。その結果、強引な修正操作を行わざるを得ず、被採血者において内出血が生じたり、極めて不快な痛みが生じたりすることがあり、真空採血法の普及を阻む大きな原因となっていた。
【0012】
上記のようなフラッシュバック現象の確認ができないことに起因する問題を解決するものとして、特開昭54−117186号公報には、図12に示す真空採血装置81が開示されている。真空採血装置81では、真空採血管82の採血管本体83に栓体84が取り付けられており、内部が減圧とされている。もっとも、栓体84の採血管本体83に挿入されている部分の先端に凹部84aが形成されており、該凹部84aを覆うようにダイアフラム85が取り付けられている。他方、採血針86は、第1,第2の針管87,88を有する。第1の針管87は、一端に血管穿刺用刃先87aを有し、第2の針管88は、一端に栓体刺通用刃先88aを有する。第1,第2の針管87,88は、刃先87a,88aが設けられている側とは反対側の端部が略筒状の針管支持体89に挿入されており、接着剤90a,90bにより針管支持体89に固定されて保持されている。針管支持体89は、透明とされており、外部から内部を視認し得るように構成されている。
【0013】
真空採血装置81においては、刃先87aを血管に挿入する作業を行った場合に、針管87,88内の空気をダイアフラム85と凹部84aとの間の小さな陰圧室内に排出させ、針管87への血液の流入を引き起こす。そのため、針管支持体89の内部空間に流出した血液を外部から目視により確認することにより、フラッシュバック現象を確認することができる。
【0014】
しかしながら、採血針86に応じて、ダイアフラム85及び凹部84aを有する特殊な栓体84を必要とするため、従来から一般的に用いられている様々な真空採血管に対応することができなかった。
【0015】
他方、特開昭58−212454号公報には、図13に示す真空採血針91が開示されている。ここでは、一端に血管穿刺用刃先92aが、他端に栓体刺通用刃先92bが設けられた1本の針管92が用いられている。この針管92の途中に略筒状の針管支持体93が外挿されている。針管92は、接着剤94により針管支持体93に保持されている。また、針管92の針管支持体93から栓体刺通側に延ばされている部分を収納するように、透明もしくは半透明の弾性鞘体95が針管支持体93に取り付けられている。この場合、弾性鞘体95は、気密性を有する材料で構成されており、かつ針管支持体93に、通気性部材96を介して固定されている。
【0016】
この構造では、血管穿刺用刃先92aが血管に正しく挿入されると、血液に押し出された針管92内の空気が弾性鞘体95と針管92との間の隙間を通り、通気性部材96から外部に流出されることになる。従って、弾性鞘体95内に血液が流入し、外部からフラッシュバック現象を確認することができる。
【0017】
また、特開平7−379号公報には、図14に示す真空採血針97が開示されている。真空採血針97は、弾性鞘体95が針管支持体93に気密的に固定されていること、針管支持体93の一部に外部と連なる貫通孔が形成されており、該貫通孔に通気性部材96Aが取り付けられていることを除いては、真空採血針91と同様に構成されている。ここでも、針管92内の空気が、針管92と弾性鞘体95間の空間に流入するが、該空気が針管支持体93の針管92との間の隙間を通り、通気性部材96Aから外部に流出される。
【0018】
上記真空採血針91,97は、現在使用されている様々な真空採血管に対応し得るものである。しかしながら、真空採血針91,97を製造するに際しては、多数の異なる材料からなる部材を組み立て、加工する必要があり、製造工程が煩雑であった。また、正しく組み立てられると、フラッシュバック現象を確認し得るものの、通気性部材96,96Aを確実に取り付けなければ、取り付け部分から血液が漏れ出すおそれがあるので、組み立てに際し高い精度が求められる。
【0019】
他方、実開平7−39804号公報には、図15に示す真空採血針98が開示されている。この真空採血針98では、一端に血管穿刺用刃先99aが、他端に栓体刺通用刃先99bが設けられた1本の針管99が用いられている。針管99の途中には、針管支持体100が外挿されている。針管支持体100の貫通孔に針管99が挿入されており、接着剤101,102により針管99が針管支持体100に保持・固定されている。また、針管支持体100は透明な材料で構成されており、かつ針管99の針管支持体100内に挿通されている部分において、針管99の管壁に貫通孔99cが形成されている。
【0020】
血管穿刺用刃先99aが血管に正しく挿入されると、針管99内に流入した血液が、貫通孔99cから漏洩し、針管支持部材100が透明であるため外部から該血液の漏洩を確認することができるとされている。
【0021】
従って、真空採血針91,97に比べ、構造が簡易であり、様々な材料の部材を必要としないため、加工工程を簡略化することができる。
しかしながら、特開昭54−117186号公報において述べられているように、真空採血針98のような採血針を実際に真空採血に用いる場合、血液の染みだしを可能とするために、針管99内の空気をどのようにして排出させるかについては何ら示されていなかった。
【0022】
また、上述した従来の真空採血針では、採血管ホルダーに保持させるために、雄ねじ(図示しない)を有するハブが備えられているのが一般的であるが、このハブにおいて、一対のフランジ間に採血管ホルダーによって保持される径を小さくした被保持部が雄ねじの代わりに構成されているいわゆるワンタッチ針と呼ばれる採血針が用いられつつある。ところが、この被保持部と、採血ホルダー側のハブ保持機構との間ですべりが生じ易いため、採血針とホルダーとが針管の軸回りに空回りし易く、採血作業が不安定になりがちであるという問題もあった。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、煩雑な組み立て工程を必要とせず、フラッシュバック現象を容易にかつ確実に確認することができる真空採血針を提供することにある。
【0024】
本発明の他の目的は、採血管ホルダーによって保持された際に、真空採血針とホルダーとの間の針管軸回りの空回りが生じ難いいわゆるワンタッチ真空採血針を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を達成するために成されたものであり、請求項1〜4に記載の発明は、真空採血法に用いられる真空採血針であって、一端に血管穿刺用刃先が、他端に栓体刺通用刃先が形成された針管と、前記針管の途中に外挿された筒状の針管支持部材と、前記針管支持部材の血管穿刺側端部内周面と針管外周面とを気密封止するように両者の間に取り付けられた気密封止構造部と、前記針管支持部材の栓体刺通側端部に気密的に取り付けられており、かつ前記針管の針管支持部材から突出されている栓体刺通側部分を収納している透明もしくは半透明の鞘体とを備え、前記針管支持部材の針管部分を除く内容積をV1、針管の内容積をV2、針管と鞘体との間の空間の容積をV3としたときに、V2/(V1+V2+V3)≦0.1とされていることを特徴とする。
【0031】
また、請求項5〜8に記載の発明に係る真空採血針は、真空採血法に用いられる真空採血針であって、一端に血管穿刺用刃先が設けられた血管穿刺用針管と、一端に栓体刺通用刃先が設けられた栓体刺通用針管と、前記血管穿刺用針管及び栓体刺通用針管のそれぞれの刃先が設けられた側とは反対側の端部が所定距離を隔てられて対向するように内部に配置されている筒状の針管支持部材と、前記針管支持部材の血管穿刺側端部内周面と血管穿刺用針管の外周面とを気密封止するように両者の間に取り付けられた第1の気密封止構造部と、前記針管支持部材の内周面と栓体刺通用針管の刃先と反対側の端部の外周面とを気密封止するように両者の間に取り付けられた第2の気密封止構造部とを備え、前記第1,第2の気密封止構造部で挟まれた針管支持部材部分の少なくとも一部が透明もしくは半透明とされてフラッシュバック視認部とされており、前記フラッシュバック視認部内に配置されており、血管穿刺用針管から栓体刺通用針管への血液の流入を許容するが、反対方向への血液の逆流を規制する制御弁と、前記針管支持部材の栓体刺通側端部に取り付けられており、かつ前記栓体刺通側針管の針管支持部材から外方に突出している部分を内部に収納している鞘体とを備え、前記針管支持部材の針管部分を除く内容積をV1、血管穿刺用針管の内容積をV2、栓体刺通用針管の内容積をV3、栓体刺通用針管と鞘体との間の空間の容積をV4としたときに、V2/(V1+V2+V3+V4)≦0.1とされていることを特徴とする。
【0032】
また、請求項1〜8に記載の各真空採血針においては、上記筒状の針管支持部材は、好ましくは、ハブと、ハブの血管穿刺側に連ねられており、かつハブよりも内径の大きな筒状体とを有するように構成される。
【0033】
次に、請求項1〜8に記載の発明に係る真空採血針の原理を説明する。針管支持体を介して一端側に血管穿刺用刃先を、他端側に栓体刺通用刃先を有する真空採血針において、血管穿刺用刃先が正しく血管内に挿入されると、血管内の血圧が針管内の空気圧よりも高いため、針管内に気密に閉じ込められている空気は圧縮される。そこで、本願発明者は、上記針管内の空気がボイルシャルルの法則に従って圧縮されることを利用し、針管内の空気を圧縮しつつ流出してくる血液先端の到達距離を、フラッシュバック現象を確認し得る位置まで拡大すれば、フラッシュバック現象を確実に確認し得るのではないかと考え、本発明を成すに至った。
【0034】
すなわち、本発明に係る真空採血針は、針管内の空気を圧縮しつつ流出してくる血液先端の到達距離が、フラッシュバック現象を確認し得る長さとなるような手段と、該フラッシュバック現象を外部から確認し得る構造とを設けることにより、フラッシュバック現象の目視による確認を確実かつ容易としたことに特徴を有する。
【0035】
いま、真空採血針の内部に気密に閉じ込められている空気の大気圧P0 における体積をV0 、血管穿刺用刃先からフラッシュバック現象を観察する位置までの針管流路の体積をvとし、静脈の血圧をpとすると、ボイルシャルルの法則により以下の関係が満たされる。
【0036】
(V0 −v)/V0 =P0 /(P0 +p)
大気圧は760mmHgであり、一方静脈血圧を40mmHgとすると、(V0 −v)/V0 =760/800=0.95となる。
【0037】
すなわち、静脈圧が40mmHgの場合、血管穿刺用刃先からフラッシュバック観察位置まので針管流路の体積vを、真空採血針の全容積V0 の5%となるように、全容積V0 を設定すればよいことになる。同様に、静脈圧が60mmHgとすると、真空採血針において血管穿刺用刃先からフラッシュバック観察位置までの針管流路の体積vが真空採血針の全容積V0 の7%程度となるように、全容積V0 を設定すればよい。
【0038】
他方、通常の被採血者の静脈圧は、採血部位と心臓の高さの差に依存するとされており、80mmHg以下であると考えられ、ほとんどは40〜60mmHgとされている。従って、真空採血針において、血管穿刺用刃先からフラッシュバック確認位置までの針管流路の体積vの比率を、真空採血針全体の全容積V0 の0.1以下、好ましくは0.07以下、より好ましくは0.05以下とすれば、臨床検査において通常の被採血者から採血する場合、確実にフラッシュバック現象を確認することができる。
【0039】
そこで、請求項1〜8に記載の発明においては、上述したように、V2/(V1+V2+V3)またはV2/(V1+V2+V3+V4)が0.1以下とされている。本明細書においては、これらの値、V2/(V1+V2+V3)またはV2/(V1+V2+V3+V4)をフラッシュバック指数というものとする。
【0040】
また、請求項1〜8に記載の発明は、採血針とホルダーとの空回りを抑制し、採血を安定に行うことを可能とする真空採血針を提供するものであり、針管が筒状の針管支持部材で支持されており、該針管支持部材に真空採血ホルダーに取り付けるためのハブが形成されている構造において、それぞれ、下記の構成を備えることを特徴とする。
【0041】
請求項1,5に記載の発明では、真空採血法に用いられる真空採血針であって、前記ハブが、第1,第2のフランジ部と、第1,第2のフランジ部間に配置されており、第1,第2のフランジ部よりも外径が小さく、真空採血ホルダーに係合される被保持部とを有し、前記被保持部の外表面が粗面とされている。
【0042】
請求項2,6に記載の発明では、前記ハブが、第1,第2のフランジ部と、第1,第2のフランジ部間に配置されており、第1,第2のフランジ部よりも外径が小さく、真空採血ホルダーにより保持される被保持部とを有し、前記被保持部の外表面に採血針の軸方向に延びる複数本の溝が形成されている。
【0043】
請求項3,7に記載の発明では、針管が筒状の針管支持部材で支持されており、該針筒支持部材に真空採血ホルダーに取り付けるためのハブが形成されており、前記ハブが、第1,第2のフランジ部と、第1,第2のフランジ部間に配置されており、第1,第2のフランジ部よりも径が小さく、真空採血ホルダーに係合される被保持部とを有し、前記被保持部が多角形の断面を有するように構成されている。
【0044】
請求項4,8に記載の発明では、針管が筒状の針管支持部材で支持されており、該針筒支持部材に真空採血ホルダーに取り付けるためのハブが形成されており、前記ハブが、第1,第2のフランジ部と、第1,第2のフランジ部間に配置されており、第1,第2のフランジ部よりも径が小さく、真空採血ホルダーに係合される被保持部とを有し、前記被保持部の外表面の少なくとも一部が、ASTM ショアー硬度(D)が70以下の材料で構成されている。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の非限定的な構造例を説明することにより、本発明の真空採血針の詳細を説明する。
【0046】
(第1の構造例)
図1は、本発明に係る真空採血針の第1の構造例を示す縦断面図である。
真空採血針1は、一端に血管穿刺用刃先2aが、他端に栓体刺通用刃先2bが設けられた1本の針管2を有する。針管2は、例えばステンレスなどの金属材料により構成されている。
【0047】
針管2の途中には、筒状の針管支持部材3が外挿されている。本構造例は、針管支持部材3は、図示しないホルダーに装着するためのハブ4と、ハブ4の血管穿刺側に連ねられた筒状体5とを有する。筒状体5の血管穿刺側端部では、接着剤6により針管2が気密的に固定されている。他方、ハブ4において、針管2が接着剤7により固定され、保持されている。もっとも、接着剤7が設けられている部分では、ハブ4は気密的に封止されていない。なお、針管と筒状体の気密封止構造部をつくるにあたっては、接着剤に限らず、熱融着を利用してもよい。
【0048】
ハブ4及び筒状体5は、それぞれ、ポリプロピレンなどの合成樹脂により構成されている。ハブ4の栓体刺通側端部には、外側に突出した環状突出部4aが形成されており、該環状突出部4aにおいて弾性鞘体8が固定されている。弾性鞘体8は、強嵌合かあるいは図示しない接着剤により環状突出部4aに気密的に固定されている。
【0049】
また、弾性鞘体8は、透明もしくは半透明の加硫ゴムにより構成されているが、加硫ゴムに変えて、他の弾性材料を用いてもよく、また鞘体8は、弾性を有しない透明または半透明の材料で構成されていてもよいが、その場合は、可逆的に伸縮するじゃ腹状の折りたたみ構造にしておく必要がある。
【0050】
従って、真空採血針1では、ハブ4及び筒状体5並びに弾性鞘体8で囲まれている空間が外部に対して気密封止されている。
真空採血針1では、上記針管2を除く筒状体5及びハブ4の内容積の合計を、すなわち針管支持体3の針管部分を除く内容積をV1、針管2の内容積をV2、栓体刺通側における針管2と弾性鞘体8との間の空間の容積をV3、フラッシュバック指数をFとしたとき、F=V2/(V1+V2+V3)≦0.1とされている。
【0051】
従って、採血にあたり、刃先2aを静脈に挿入した場合、静脈血圧により針管2内の空気が圧縮されるが、上述した式を満たすように各部分の容積が決定されているため、空気が刃先2bから針管2と弾性鞘体8との間の空間及び針管支持体3と針管2との間の空間に流出し、血液が刃先2bから確実に流出され、流出した血液を弾性鞘体8の外部から目視により確認することができる。
【0052】
また、本構造例では、ハブ4は両端のふたつのフランジで挟まれた部分が縮径している、いわゆるワンタッチ真空採血針として図示されているが、もちろん従来の雄ねじを有するものであってもよいのは言うまでもない。このことは、以下の構造例2〜7についても同様である。
【0053】
なお、上記真空採血針1の具体的な実施例として、下記の表1に示す材質及び寸法で各部材を構成した場合の各部の内容積及びフラッシュバック指数は、下記の表2に示す通りであった。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0098】
(第7の構造例)
図7は、第7の構造例に係る真空採血針を示す縦断面図である。真空採血針61は、血管穿刺用針管62と、栓体刺通用針管63との2本の針管を有する。針管62の先端には、血管穿刺用刃先62aが、針管63の先端には栓体刺通用刃先63aが形成されている。針管62,63は、ステンレスなどの金属材料により構成されている。
【0099】
針管62,63は、針管支持部材64に挿入され、かつ保持されている。針管支持部材64は、ポリプロピレンなどの合成樹脂よりなり、ハブ4と、ハブ4の血管穿刺側に連ねられた筒状体65とを有する。筒状体65は、途中に段差65aを有し、段差65aの血管穿刺側に、相対的に小さな径のフラッシュバック視認部65bを有し、段差65aの栓体刺通側には相対的に大きな径の大径部65cとを有する。フラッシュバック視認部65bは、透明もしくは半透明とされている。
【0100】
針管62は、フラッシュバック視認部65b側から針管支持部材64内に挿入されており、かつフラッシュバック視認部65bに対して、接着剤6により気密的に固定されている。他方、針管63は、ハブ4側から針管支持部材64内に挿入されており、その内側端は、フラッシュバック視認部65b内まで延ばされている。針管63の内側端近傍において、針管63は、接着剤16によりフラッシュバック視認部65bに対して気密的に固定されている。従って、フラッシュバック視認部65b内は、針管62,63を除いて気密的に封止されている。
【0101】
他方、針管62の刃先62aとは反対側の端部62bと、針管63の刃先63aとは反対側の端部63bとは、フラッシュバック視認部65b内において所定距離を隔てて対向されている。
【0102】
また、ハブ4の栓体刺通側端部には、管状突出部4aが形成されており、管状突出部4aに気密的に弾性鞘体18が固定されている。弾性鞘体18は、例えば加硫ゴムなどからなり、針管63のハブ4から刃先63a側に突出されている部分を気密的に収納している。
【0103】
他方、フラッシュバック視認部65b内には、例えばステンレスなどの金属材料や合成樹脂などからなるボール状制御弁66が収納されている。ボール状制御弁66は球体の形状を有し、フラッシュバック視認部65b内で移動し得るように配置されている。ボール状制御弁66は、ボール状制御弁66の栓体側に圧力が加わると、針管62の端部62bに当接し、針管62内への血液の逆流を防止し得るように構成されている。他方、針管62から血液がフラッシュバック視認部65b内に流入してきた場合には、ボール状制御弁66は、該血液の流入を許容する。また、ボール状制御弁66が針管63の端部63bに接触することを防止するために、フラッシュバック視認部65bにおいては、係止突起65d,65dが内面に突出形成されており、図示しない65bの内壁面の流路を経て血液が針管63内に流入するのを許容する。
【0104】
真空採血針61では、フラッシュバック視認点は、フラッシュバック視認部65bである。従って、針管62,63を除く針管支持部材64の内容積V1、針管62の内容積V2、栓体刺通用針管63の容積をV3、栓体刺通用針管63と弾性鞘体18との間の空間の容積をV4としたときに、V2/(V1+V2+V3+V4)≦0.1とされている。
【0105】
従って、採血にあたり、刃先62aを静脈に挿入した場合、静脈血圧により針管62内の空気が圧縮されるが、上述した式を満たすように各部分の容積が決定されているため、空気が刃先62aから、針管62,63を経て、弾性鞘体18と針管63との間の空間に流出し、血液が刃先62bから確実に流出され、流出した血液をフラッシュバック視認部65bの外部から目視により確実に確認することができる。
【0106】
なお、上記真空採血針61の具体的な実施例として、下記の表13に示す材質及び寸法で各部材を構成した場合に各部の内容積及びフラッシュバック指数は、下記の表14に示す通りであった。
【0107】
【表13】
【0108】
【表14】
【0109】
(変形例)上述した第1,7の構造例に係る真空採血針において、好ましくは、ハブ4,54の外周面に、ホルダーに採血針を装着した後の真空採血針の回転を抑制する構造を付与してもよい。このような変形例を、図8〜図10を参照して説明する。なお、これらの図では、構造例1,7で述べたような針管支持部材を構成する筒状体とハブのうち、筒状体を有しない採血針について説明する。
【0110】
図8に示す真空採血針67では、針管2が筒状の針管支持部材3により保持されているが、この針管支持部材3は、ハブ4と、複数枚の羽根5′を持つ血管刺通側端部とを有する。ハブ4は、第1,第2のフランジ4b,4cと、第1,第2のフランジ間において第1,第2のフランジ4b,4cよりも径の小さな被保持部4dとを有する。被保持部4dは、真空採血ホルダーによって保持される部分に相当する。
【0111】
図8に示す真空採血針67では、この被保持部4dの表面に、梨地模様が施され、表面が粗面とされている。従って、ホルダーの保持部により、ハブ4をより確実に保持することができ、真空採血針の軸回りの回転を抑制することができ、採血を安定に行うことができる。
【0112】
また、図9に示す真空採血針68では、上記被保持部4dにおいて、軸方向に延びる複数本の溝4eが形成されている。その他の構造は採血針67と同様であるので、各部に同じ番号を割りつけ、詳細な説明は省略する。従って、図8に示した真空採血針67と同様に、真空採血針68の回転を効果的に抑制することができる。
【0113】
図10に示す真空採血針69では、上記被保持部4dが図10(b)に断面図で示すように、断面が四角形とされている。従って、採血管ホルダーにより被保持部4dを保持した場合、真空採血針69の軸回りの回転を抑制することができる。
【0114】
なお、図10では、被保持部4dの断面形状が四角形となるように構成したが、五角形や六角形等の他の多角形状としてもよい。また、ホルダー保持部にも対応する多角形状の凹部を設けておけば、さらに安定性が増す。
【0115】
さらに、例えば、図1に示す真空採血針1において、Aで示す被保持部4dの表面を、ASTM D−785に定められているショアー硬度(D)が70以下の材料、より好ましくは、JISA硬度20以上、100以下の材料で構成してもよい。この場合、ハブ4全体または、針管支持部材3の全体をこのような柔らかい材料で構成してもよい。被保持部4dの表面の硬度を、ショアー硬度(D)70以下とすることにより、採血管ホルダーによりハブ4を保持した際に、採血管ホルダーの保持部分がハブ4の被保持部4dに密着し、真空採血針の軸回りの回転を抑制することができる。
【0116】
なお、図8〜図10に示した被保持部4dの構造、並びに上記のように被保持部表面をASTM ショアー硬度(D)を70以下とする構成については、前述した第1,7の構造例に係る真空採血針において全て採用することができ、それによって採血を安定に行うことが可能となる。
【0117】
また、図8〜図10に示した被保持部4dの構造、並びに上記のように被保持部表面をASTM ショアー硬度(D)70以下とした構成については、前述した第1,7の構造例に係る真空採血針に用いるだけでなく、他の構造の真空採血針にも用いることができる。すなわち、真空採血法に用いられる真空採血針であって、針管が筒状の針管支持部材で支持されており、該針管支持部材にハブが形成されている真空採血針一般に、上記図8〜図10に示した被保持部4dの構造及び被保持部表面をASTM ショアー硬度(D)70以下とした構成を採用することができ、その場合においても、上記と同様に真空採血針の軸回りの回転を抑制することができる。
【0118】
【発明の効果】
請求項1〜4に記載の発明に係る真空採血針では、真空支持部材の針管部分を除く内容積V1、針管の内容積V2、針管と鞘体との間の空間の容積V3との間に、V2/(V1+V2+V3)≦0.1の関係が満たされるように各部材が構成されているため、針管の血管穿刺用刃先が静脈に挿入されると、静脈圧により圧縮された針管内の空気が鞘体と針管との間の空間及び針管支持部材内に逃がされ、血液が針管の栓体刺通用刃先から流出するため、透明もしくは半透明の鞘体において、血液の流出、すなわちフラッシュバック現象を確実に確認することができる。
【0124】
請求項5〜8に記載の発明では、針管支持部材の針管部分を除く内容積をV1、血管穿刺用針管の内容積をV2、栓体刺通用針管の容積をV3、栓体刺通用針管と鞘体との間の空間の容積をV4としたときに、V2/(V1+V2+V3+V4)≦0.1の関係が満たされているので、血管穿刺用刃先を静脈に挿入すると、針管内の空気がフラッシュバック視認部を経て、針管の弾性鞘体との間の空間に逃がされ、血液がフラッシュバック視認部に流出する。従って、透明もしくは半透明のフラッシュバック視認部において、血液を容易に確認することができ、フラッシュバック現象を視認することができる。
【0125】
よって、通常の人の静脈の血圧は80mmHg以下であるため、請求項1〜8に記載の各発明に係る真空採血針を用いれば、採血針の刃先が正しく血管中に挿入されたか否かをフラッシュバックの有無により目視により容易に確認することができる。従って、被採血者に酷い内出血を起こさせるような事故の発生を防止することができ、真空採血法の普及を拡大することができる。
【0126】
請求項1〜8に記載の発明によれば、針管支持部材が、ハブと、ハブの血管穿刺側に連ねられており、ハブよりも内容積の大きな筒状体とを有するように構成されているため、ハブを利用して、従来より真空採血法において用いられているホルダーに真空採血針を容易に装着することができる。また、筒状体がハブよりも内容積が大きいため、上記フラッシュバック指数を0.1以下とし得るように構成された真空採血針を容易に提供することができる。
【0127】
また、請求項1,5に記載の発明では、ハブのホルダー被保持部の外表面が粗面とされており、請求項2,6に記載の発明では、該ホルダー被保持部に複数本の縦溝が形成されており、請求項3,7に記載の発明では、ホルダー被保持部が断面多角形状とされており、請求項4,8に記載の発明では、ホルダー被保持部外表面がASTM ショアー硬度(D)が70以下とされているため、それぞれ、採血管ホルダーによりホルダー被保持部を保持した場合、真空採血針の軸回りの回転を抑制することができ、採血を安定に行うことができると共に、被採血者における不安感を軽減することが可能となる。
【0128】
請求項1〜8に記載の発明に係る真空採血針において、採血管ホルダーにより筒状部を保持した場合、真空採血針の軸回りの回転を抑制することができ、採血を安定に行うことができると共に、被採血者における不安感を軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空採血針の第1の構造例を示す縦断面図。
【図2】削除
【図3】削除
【図4】削除
【図5】削除
【図6】削除
【図7】本発明の真空採血針の第7の構造例を示す縦断面図。
【図8】(a)、(b)及び(c)は、それぞれ、本発明に係る真空採血針の変形例を説明するための側面図、A−A線に沿う断面図及びB−B線に沿う断面図。
【図9】(a)及び(b)は、本発明に係る真空採血針の変形例を説明するための側面図及び横断面図。
【図10】(a)及び(b)は、本発明に係る真空採血針の変形例を説明するための側面図及び横断面図。
【図11】(a)〜(b)は、従来の真空採血装置に用いられる真空採血管、真空採血針及びホルダーを説明するための縦断面図。
【図12】従来の真空採血装置の他の例を示す縦断面図。
【図13】従来の真空採血針を説明するための縦断面図。
【図14】従来の真空採血針の他の例を示す縦断面図。
【図15】従来の真空採血針のさらに他の例を示す縦断面図。
Claims (8)
- 真空採血法に用いられる真空採血針であって、
一端に血管穿刺用刃先が、他端に栓体刺通用刃先が形成された針管と、
前記針管の途中に外挿された筒状の針管支持部材と、
前記針管支持部材の血管穿刺側端部内周面と針管外周面とを気密封止するように両者の間に取り付けられた気密封止構造部と、
前記針管支持部材の栓体刺通側端部に気密的に取り付けられており、かつ前記針管の針管支持部材から突出されている栓体刺通側部分を収納している透明もしくは半透明の鞘体とを備え、
前記針管支持部材の栓体刺通側端部内周面と前記針管外周面とは気密封止されておらず、
前記針管支持部材及び前記鞘体で囲まれている空間が気密封止されており、
前記針管支持部材の針管部分を除く内容積をV1、針管の内容積をV2、針管と鞘体との間の空間の容積をV3としたときに、V2/(V1+V2+V3)≦0.1とされている真空採血針において、
前記筒状の針管支持部材が、ハブと、ハブの血管穿刺側に連ねられており、かつハブよりも内容積の大きな筒状体とを有し、
さらに、前記ハブが、第1,第2のフランジ部と、第1,第2のフランジ部間に配置されており、第1,第2のフランジ部よりも外径が小さく、真空採血ホルダーに係合される被保持部とを有し、
前記被保持部の外表面が粗面とされていることを特徴とする真空採血針。 - 真空採血法に用いられる真空採血針であって、
一端に血管穿刺用刃先が、他端に栓体刺通用刃先が形成された針管と、
前記針管の途中に外挿された筒状の針管支持部材と、
前記針管支持部材の血管穿刺側端部内周面と針管外周面とを気密封止するように両者の間に取り付けられた気密封止構造部と、
前記針管支持部材の栓体刺通側端部に気密的に取り付けられており、かつ前記針管の針管支持部材から突出されている栓体刺通側部分を収納している透明もしくは半透明の鞘体とを備え、
前記針管支持部材の栓体刺通側端部内周面と前記針管外周面とは気密封止されておらず、
前記針管支持部材及び前記鞘体で囲まれている空間が気密封止されており、
前記針管支持部材の針管部分を除く内容積をV1、針管の内容積をV2、針管と鞘体との間の空間の容積をV3としたときに、V2/(V1+V2+V3)≦0.1とされている真空採血針において、
前記筒状の針管支持部材が、ハブと、ハブの血管穿刺側に連ねられており、かつハブよりも内容積の大きな筒状体とを有し、
さらに、前記ハブが、第1,第2のフランジ部と、第1,第2のフランジ部間に配置されており、第1,第2のフランジ部よりも外径が小さく、真空採血ホルダーにより保持される被保持部とを有し、
前記被保持部の外表面に採血針の軸方向に延びる複数本の溝が形成されていることを特徴とする真空採血針。 - 真空採血法に用いられる真空採血針であって、
一端に血管穿刺用刃先が、他端に栓体刺通用刃先が形成された針管と、
前記針管の途中に外挿された筒状の針管支持部材と、
前記針管支持部材の血管穿刺側端部内周面と針管外周面とを気密封止するように両者の間に取り付けられた気密封止構造部と、
前記針管支持部材の栓体刺通側端部に気密的に取り付けられており、かつ前記針管の針管支持部材から突出されている栓体刺通側部分を収納している透明もしくは半透明の鞘体とを備え、
前記針管支持部材の栓体刺通側端部内周面と前記針管外周面とは気密封止されておらず、
前記針管支持部材及び前記鞘体で囲まれている空間が気密封止されており、
前記針管支持部材の針管部分を除く内容積をV1、針管の内容積をV2、針管と鞘体との間の空間の容積をV3としたときに、V2/(V1+V2+V3)≦0.1とされている真空採血針において、
前記筒状の針管支持部材が、ハブと、ハブの血管穿刺側に連ねられており、かつハブよりも内容積の大きな筒状体とを有し、
さらに、前記ハブが、第1,第2のフランジ部と、第1,第2のフランジ部間に配置されており、第1,第2のフランジ部よりも径が小さく、真空採血ホルダーに係合される被保持部とを有し、
前記被保持部が多角形の断面を有するように構成されていることを特徴とする真空採血針。 - 真空採血法に用いられる真空採血針であって、
一端に血管穿刺用刃先が、他端に栓体刺通用刃先が形成された針管と、
前記針管の途中に外挿された筒状の針管支持部材と、
前記針管支持部材の血管穿刺側端部内周面と針管外周面とを気密封止するように両者の間に取り付けられた気密封止構造部と、
前記針管支持部材の栓体刺通側端部に気密的に取り付けられており、かつ前記針管の針管支持部材から突出されている栓体刺通側部分を収納している透明もしくは半透明の鞘体とを備え、
前記針管支持部材の栓体刺通側端部内周面と前記針管外周面とは気密封止されておらず、
前記針管支持部材及び前記鞘体で囲まれている空間が気密封止されており、
前記針管支持部材の針管部分を除く内容積をV1、針管の内容積をV2、針管と鞘体との間の空間の容積をV3としたときに、V2/(V1+V2+V3)≦0.1とされている真空採血針において、
前記筒状の針管支持部材が、ハブと、ハブの血管穿刺側に連ねられており、かつハブよりも内容積の大きな筒状体とを有し、
さらに、前記ハブが、第1,第2のフランジ部と、第1,第2のフランジ部間に配置されており、第1,第2のフランジ部よりも径が小さく、真空採血ホルダーに係合される被保持部とを有し、
前記被保持部の外表面の少なくとも一部が、ASTM ショアー硬度(D)が70以下の材料で構成されていることを特徴とする真空採血針。 - 真空採血法に用いられる真空採血針であって、
一端に血管穿刺用刃先が設けられた血管穿刺用針管と、
一端に栓体刺通用刃先が設けられた栓体刺通用針管と、
前記血管穿刺用針管及び栓体刺通用針管のそれぞれの刃先が設けられた側とは反対側の端部が所定距離を隔てられて対向するように内部に配置されている筒状の針管支持部材と、
前記針管支持部材の血管穿刺側端部内周面と血管穿刺用針管の外周面とを気密封止するように両者の間に取り付けられた第1の気密封止構造部と、
前記針管支持部材の内周面と栓体刺通用針管の刃先と反対側の端部の外周面とを気密封止するように両者の間に取り付けられた第2の気密封止構造部とを備え、
前記第1,第2の気密封止構造部で挟まれた針管支持部材部分の少なくとも一部が透明もしくは半透明とされてフラッシュバック視認部とされており、
前記フラッシュバック視認部内に配置されており、血管穿刺用針管から栓体刺通用針管への血液の流入を許容するが、反対方向への血液の逆流を規制する制御弁と、
前記針管支持部材の栓体刺通側端部に取り付けられており、かつ前記栓体刺通側針管の針管支持部材から外方に突出している部分を内部に収納している鞘体とを備え、
前記針管支持部材の針管部分を除く内容積をV1、血管穿刺用針管の内容積をV2、栓体刺通用針管の内容積をV3、栓体刺通用針管と鞘体との間の空間の容積をV4としたときに、V2/(V1+V2+V3+V4)≦0.1とされている真空採血針において、
前記筒状の針管支持部材が、ハブと、ハブの血管穿刺側に連ねられており、かつハブよりも内容積の大きな筒状体とを有し、
さらに、前記ハブが、第1,第2のフランジ部と、第1,第2のフランジ部間に配置されており、第1,第2のフランジ部よりも外径が小さく、真空採血ホルダーに係合される被保持部とを有し、
前記被保持部の外表面が粗面とされていることを特徴とする真空採血針。 - 真空採血法に用いられる真空採血針であって、
一端に血管穿刺用刃先が設けられた血管穿刺用針管と、
一端に栓体刺通用刃先が設けられた栓体刺通用針管と、
前記血管穿刺用針管及び栓体刺通用針管のそれぞれの刃先が設けられた側とは反対側の端部が所定距離を隔てられて対向するように内部に配置されている筒状の針管支持部材と、
前記針管支持部材の血管穿刺側端部内周面と血管穿刺用針管の外周面とを気密封止するように両者の間に取り付けられた第1の気密封止構造部と、
前記針管支持部材の内周面と栓体刺通用針管の刃先と反対側の端部の外周面とを気密封止するように両者の間に取り付けられた第2の気密封止構造部とを備え、
前記第1,第2の気密封止構造部で挟まれた針管支持部材部分の少なくとも一部が透明もしくは半透明とされてフラッシュバック視認部とされており、
前記フラッシュバック視認部内に配置されており、血管穿刺用針管から栓体刺通用針管への血液の流入を許容するが、反対方向への血液の逆流を規制する制御弁と、
前記針管支持部材の栓体刺通側端部に取り付けられており、かつ前記栓体刺通側針管の針管支持部材から外方に突出している部分を内部に収納している鞘体とを備え、
前記針管支持部材の針管部分を除く内容積をV1、血管穿刺用針管の内容積をV2、栓体刺通用針管の内容積をV3、栓体刺通用針管と鞘体との間の空間の容積をV4としたときに、V2/(V1+V2+V3+V4)≦0.1とされている真空採血針において、
前記筒状の針管支持部材が、ハブと、ハブの血管穿刺側に連ねられており、かつハブよりも内容積の大きな筒状体とを有し、
さらに、前記ハブが、第1,第2のフランジ部と、第1,第2のフランジ部間に配置されており、第1,第2のフランジ部よりも外径が小さく、真空採血ホルダーにより保持される被保持部とを有し、
前記被保持部の外表面に採血針の軸方向に延びる複数本の溝が形成されていることを特徴とする真空採血針。 - 真空採血法に用いられる真空採血針であって、
一端に血管穿刺用刃先が設けられた血管穿刺用針管と、
一端に栓体刺通用刃先が設けられた栓体刺通用針管と、
前記血管穿刺用針管及び栓体刺通用針管のそれぞれの刃先が設けられた側とは反対側の端部が所定距離を隔てられて対向するように内部に配置されている筒状の針管支持部材と、
前記針管支持部材の血管穿刺側端部内周面と血管穿刺用針管の外周面とを気密封止するように両者の間に取り付けられた第1の気密封止構造部と、
前記針管支持部材の内周面と栓体刺通用針管の刃先と反対側の端部の外周面とを気密封止するように両者の間に取り付けられた第2の気密封止構造部とを備え、
前記第1,第2の気密封止構造部で挟まれた針管支持部材部分の少なくとも一部が透明もしくは半透明とされてフラッシュバック視認部とされており、
前記フラッシュバック視認部内に配置されており、血管穿刺用針管から栓体刺通用針管への血液の流入を許容するが、反対方向への血液の逆流を規制する制御弁と、
前記針管支持部材の栓体刺通側端部に取り付けられており、かつ前記栓体刺通側針管の針管支持部材から外方に突出している部分を内部に収納している鞘体とを備え、
前記針管支持部材の針管部分を除く内容積をV1、血管穿刺用針管の内容積をV2、栓体刺通用針管の内容積をV3、栓体刺通用針管と鞘体との間の空間の容積をV4としたときに、V2/(V1+V2+V3+V4)≦0.1とされている真空採血針において、
前記筒状の針管支持部材が、ハブと、ハブの血管穿刺側に連ねられており、かつハブよりも内容積の大きな筒状体とを有し、
さらに、前記ハブが、第1,第2のフランジ部と、第1,第2のフランジ部間に配置され ており、第1,第2のフランジ部よりも径が小さく、真空採血ホルダーに係合される被保持部とを有し、
前記被保持部が多角形の断面を有するように構成されていることを特徴とする真空採血針。 - 真空採血法に用いられる真空採血針であって、
一端に血管穿刺用刃先が設けられた血管穿刺用針管と、
一端に栓体刺通用刃先が設けられた栓体刺通用針管と、
前記血管穿刺用針管及び栓体刺通用針管のそれぞれの刃先が設けられた側とは反対側の端部が所定距離を隔てられて対向するように内部に配置されている筒状の針管支持部材と、
前記針管支持部材の血管穿刺側端部内周面と血管穿刺用針管の外周面とを気密封止するように両者の間に取り付けられた第1の気密封止構造部と、
前記針管支持部材の内周面と栓体刺通用針管の刃先と反対側の端部の外周面とを気密封止するように両者の間に取り付けられた第2の気密封止構造部とを備え、
前記第1,第2の気密封止構造部で挟まれた針管支持部材部分の少なくとも一部が透明もしくは半透明とされてフラッシュバック視認部とされており、
前記フラッシュバック視認部内に配置されており、血管穿刺用針管から栓体刺通用針管への血液の流入を許容するが、反対方向への血液の逆流を規制する制御弁と、
前記針管支持部材の栓体刺通側端部に取り付けられており、かつ前記栓体刺通側針管の針管支持部材から外方に突出している部分を内部に収納している鞘体とを備え、
前記針管支持部材の針管部分を除く内容積をV1、血管穿刺用針管の内容積をV2、栓体刺通用針管の内容積をV3、栓体刺通用針管と鞘体との間の空間の容積をV4としたときに、V2/(V1+V2+V3+V4)≦0.1とされている真空採血針において、
前記筒状の針管支持部材が、ハブと、ハブの血管穿刺側に連ねられており、かつハブよりも内容積の大きな筒状体とを有し、
さらに、前記ハブが、第1,第2のフランジ部と、第1,第2のフランジ部間に配置されており、第1,第2のフランジ部よりも径が小さく、真空採血ホルダーに係合される被保持部とを有し、
前記被保持部の外表面の少なくとも一部が、ASTM ショアー硬度(D)が70以下の材料で構成されていることを特徴とする真空採血針。
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