JP2005215891A - エンジン制御装置、エンジン制御装置のキャッシュの制御方法 - Google Patents

エンジン制御装置、エンジン制御装置のキャッシュの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 キャッシュのヒット率を向上させ得るエンジン制御装置を提供する。
【解決手段】 キャッシュメモリを角度同期処理用キャッシュメモリ24aと時間同期処理用キャッシュメモリ24tとに分割して設ける。時間同期処理が続いた後に角度同期処理が発生しても、反対に、角度同期処理が続いた後に時間同期処理が発生しても、角度同期処理用キャッシュメモリ24a、時間同期処理用キャッシュメモリ24t内にデータが入っている確率が向上する。
【選択図】 図20

Description

本発明は、エンジン制御装置のキャッシュ及びエンジン制御装置のキャッシュの制御方法に関するものである。
キャッシュのヒット率を向上させる手法としては、最も長期に渡って使用されなかったブロックを置き換える(LRU)や、過去の履歴により利用率の高いものを残す等の色々な方法がある。また、図29(A)に示すように、多くのマイクロコンピュータでは、キャッシュを命令キャッシュと、データキャッシュとに分ける構成を採用している。
ここで、エンジン制御においてキャッシュメモリを用いる技術として特許文献1が提案されている。
特開平10−207768号公報
エンジン制御においては、上述した過去の履歴を用いてキャッシュのブロックの置き換えをした場合には、ヒットミスが発生して効率が悪い。これは、エンジン制御では、エンジンの回転軸の角度に応じて行う角度同期処理と、4ms毎、8ms毎等の予め定められた時間周期で繰り返される時間同期処理とを実行しているが、それぞれの処理で使用するフラッシュROMの領域が全く異なるため、例えば、図29(B)に示すように、時間同期処理が続いてキャッシュに時間同期処理用のデータ(A−1〜A−8、A−10)が多く存在している場合に、角度同期処理が発生するとキャッシュのヒットミスが多発し、ミスペナルティによる読み出し時間が増加する。反対に、図29(C)に示すように、角度同期処理用が続いてキャッシュに角度同期処理用データ(B−1、B−3、B−4、B−6)が多く存在している場合に、時間同期処理が発生しても、読み出し時間が増加して処理を高速に行うことができない。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、キャッシュのヒット率を向上させ得るエンジン制御装置及びエンジン制御装置のキャッシュの制御方法を提供することにある。
請求項1では、角度同期処理が実行される角度以前の所定角度にて、処理に用いられるデータをROMからキャッシュメモリに転送しておくため、キャッシュのヒット率が高まり、角度同期処理を短時間で完了することが可能になる。
請求項2では、データをROMからキャッシュメモリに転送しておく所定角度を、エンジン回転数に応じて変化させるため、エンジン回転が高くなると実行される周期の短くなる角度同期処理の始まる前に、キャッシュメモリへ必要なデータを転送しておくことができる。
請求項3では、データをROMからキャッシュメモリに転送しておく所定角度を、エンジン側からのNE信号を逓倍して作成するため、最適なタイミングで、角度同期処理の始まる前にキャッシュメモリへ必要なデータを転送しておくことができる。
請求項4では、時間同期処理が実行される時刻から所定時間前に、処理に用いられるデータをROMからキャッシュメモリに転送しておくため、キャッシュのヒット率が高まり、時間同期処理を短時間で完了することが可能になる。
請求項5では、角度同期処理が実行される角度以前の所定角度にて、角度同期処理に用いられるデータをROMからキャッシュメモリに転送しておき、時間同期処理が実行される時刻から所定時間前に、時間同期処理に用いられるデータをROMからキャッシュメモリに転送しておくため、キャッシュのヒット率が高まり、角度同期処理用及び時間同期処理を短時間で完了することが可能になる。
請求項6では、角度同期処理又は時間同期処理中は、キャッシュメモリへデータの転送を行わないため、角度同期処理及び時間同期処理を中断させることがない。
請求項7では、角度同期処理又は時間同期処理中にキャッシュメモリへの転送のタイミングとなった際に、角度同期処理又は時間同期処理後にキャッシュメモリへの転送を行う。このため、角度同期処理及び時間同期処理を中断させることなく、処理に用いられるデータをROMからキャッシュメモリに転送でき、キャッシュのヒット率が高まり、角度同期処理、時間同期処理を短時間で完了することが可能になる。
請求項8では、角度同期処理に用いられるデータの転送と、時間同期処理に用いられるデータの転送とが同時に発生する際に、角度同期処理に用いられるデータの転送を優先する。このため、エンジン回転角度に対応させて正確なタイミングで行わなければならない角度同期処理に用いられるデータがキャッシュメモリに転送されており、キャッシュのヒット率が高まり、角度同期処理をエンジン回転角度に正確に対応させて完了することが可能になる。
請求項9では、角度同期処理に用いられるデータの転送と、時間同期処理に用いられるデータの転送とが同時に発生する際に、角度同期処理と時間同期処理とのいずれが先に発生するかを判断し、先に発生する同期処理に用いられるデータの転送を優先する。このため、角度同期処理用、時間同期処理用のいずれにおいても、キャッシュ内に当該処理のデータが入っている確率が向上し、キャッシュのヒット率が高まり、角度同期処理、時間同期処理を短時間で完了することが可能になる。
請求項10では、角度同期処理に用いられるデータの転送と、時間同期処理に用いられるデータの転送とが同時に発生した際に、データの転送を中断し、角度同期処理、時間同期処理を開始する際に、当該同期処理に用いられるデータの転送を行う。このため、角度同期処理、時間同期処理のいずれにおいても、キャッシュ内に当該処理のデータが入っている確率が向上し、キャッシュのヒット率が高まり、角度同期処理、時間同期処理を短時間で完了することが可能になる。
請求項11では、予め定められたエンジン角度周期で繰り返される角度同期処理に用いられるデータをROMから転送するための角度同期処理用キャッシュメモリと、予め定められた時間周期で繰り返される時間同期処理に用いられるデータをROMから転送するための時間同期処理用キャッシュメモリとを別々に備える。このため、時間同期処理が続いた後に角度同期処理が発生しても、反対に、角度同期処理が続いた後に時間同期処理が発生しても、キャッシュ内に当該処理のデータが入っている確率が向上し、キャッシュのヒット率が高まり、角度同期処理、時間同期処理を短時間で完了することが可能になる。
請求項12では、角度同期処理に用いられるデータをROM及びRAMから転送するための角度同期処理用キャッシュメモリと、時間同期処理に用いられるデータをROM及びRAMから転送するための時間同期処理用キャッシュメモリとを別々に備える。このため、時間同期処理が続いた後に角度同期処理が発生しても、反対に、角度同期処理が続いた後に時間同期処理が発生しても、キャッシュ内に当該処理のデータが入っている確率が向上し、キャッシュのヒット率が高まり、角度同期処理、時間同期処理を短時間で完了することが可能になる。
請求項13では、角度同期処理キャッシュメモリ及び時間同期処理用キャッシュメモリへは処理スピードを必要としないアイドルタスクを転送しないため、処理スピードを必要とする角度同期処理、時間同期処理に用いられるデータがキャッシュ内に入っている確率が向上し、キャッシュのヒット率が高まり、角度同期処理、時間同期処理を短時間で完了することが可能になる。
請求項14では、角度同期処理に用いられるデータをROMから転送するための角度同期処理ROM用キャッシュメモリと、角度同期処理に用いられるデータをRAMから転送するための角度同期処理RAM用キャッシュメモリと、時間同期処理に用いられるデータをROMから転送するための時間同期処理ROM用キャッシュメモリと、時間同期処理に用いられるデータをRAMから転送するための時間同期処理RAM用キャッシュメモリとを別々に備える。このため、時間同期処理が続いた後に角度同期処理が発生しても、反対に、角度同期処理が続いた後に時間同期処理が発生しても、キャッシュ内に当該処理のデータが入っている確率が向上し、キャッシュのヒット率が高まり、角度同期処理、時間同期処理を短時間で完了することが可能になる。
請求項15では、キャッシュメモリのデータ幅とエントリ数とを制御内容に応じて切り換え得るように構成してあるため、分岐命令が多いデータ(プログラム)では、データ幅を狭めエントリ数を大きくすることでヒット率を高め、反対に、分岐命令の少ないデータ(プログラム)では、データ幅を広げ、エントリ数を少なくすることで効率的データをキャッシュ内に保持させることができる。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係るエンジン制御ユニット(ECU)の構成について図1を参照して説明する。ECU10上に実装されているマイクロコンピュータ20内には、CPU22と、キャッシュメモリ24、ROM26、RAM28、入出力コントローラ30とが設けられ、これらはバス32を介して接続されている。ECU10は、ECUコネクタ12により図示しないエンジン側とハーネスを介して接続されている。入出力コントローラ30には、エンジン側からのNE信号(エンジン回転信号)が加えられるようになっている。
CPU22での処理は、NE信号(NE信号の例えば、30°CA(クランク角度)毎)を元に行う角度同期処理と、内部タイマーにより例えば4ms、8ms、16msのタイミング行う時間同期処理とに大きく分けられる。ここで、角度同期処理用では、燃料噴射量、燃料噴射時期、点火タイミング等の各気筒毎に適切な燃焼を行わせる制御を実行し、4msの時間同期処理では、冷却水温、気温、気圧等の種々のパラメータに応じて上記角度同期処理用での制御を補正するための処理を実行する。8ms、16msの時間同期処理では、水温異常検出、油圧低下異常等の異常検出のための処理を実行している。
図2は第1実施形態でのROM26からキャッシュメモリ24へのデータの転送を示しており、図3(A)、(B)はこのタイミングチャートであり、図4はキャッシュへのデータ転送のフローチャートである。
図3(A)は、エンジンの低回転時(3000rpm未満)のデータ転送を示し。図3(B)は、高回転時(3000rpm以上)のデータの転送を示している。NE信号は、クランク角度5度毎にハイ−ローが切り替わるようになっており、図3(A)に示すようにエンジンの低回転時には、25°CAのタイミングでROM26からデータをキャッシュメモリ24へ転送し、30°CAの角度同期処理を実行する。転送開始のアドレスは任意に設定できるよう構成され、転送開始のアドレスから決められたデータ容量分キャッシュメモリ24へ転送する。即ち、キャッシュサイズ分の容量まで転送可能である。
一方、図3(B)に示すようにエンジンの高回転時には、20°CAのタイミングでROM26からデータをキャッシュメモリ24へ転送し、30°CAのタイミングで角度同期処理を実行する。
図4は、このキャッシュメモリ24への転送のタイミングの切り換えを示している。
CPU22は、エンジン回転が3000rpm以上かを判断し(S12)、3000rpm未満の場合には(S12:No)、25°CAのタイミングでキャッシュメモリ24への転送を行い(S14)、3000rpm以上の場合には(S12:Yes)、20°CAのタイミングでキャッシュメモリ24への転送を行う(S16)。なお、この例では、エンジン回転に応じてキャッシュ転送のタイミングを切り換えたが、例えば、急減速、急加速の際に、キャッシュ転送のタイミングを早めることもできる。
第1実施形態では、高回転や急減速、急加速等においてキャッシュへの転送のタイミングを切り換え、早くすることで、角度同期処理を開始するタイミングには確実にデータがキャッシュメモリ24に保持されていることになり、角度同期処理を正確なタイミングで終了させることが可能になる。
[第1実施形態の改変例1]
以下、本発明の第1実施形態の改変例1に係るECU10について説明する。ECU10の構成は、図1を参照して上述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
図5は、第1実施形態の改変例1に係るECU10でのROM26からキャッシュメモリ24へのデータの転送を示すタイミングチャートである。
第1実施形態の改変例1では、CPU22が、NE信号を逓倍することで、1°CA毎のタイミングを生成し、この1°CAをカウントするハードカウンタを内蔵している。このハードカウンタでの27°CAのタイミングでキャッシュメモリ24への転送を行う。ここでは、27°CAの例を挙げたが、この値は種々であり、第1実施形態の構成と組み合わせて、例えば、高速時に24°CAのタイミングで、低速時に27°CAのタイミングでデータ転送を行うことも可能である。
この第1実施形態の改変例1では、データをROM26からキャッシュメモリ24に転送しておく所定角度を、エンジン側からのNE信号を逓倍して作成するため、最適なタイミングで、角度同期処理の始まる前にキャッシュメモリへ必要なデータを転送しておくことができる。
[第1実施形態の改変例2]
以下、本発明の第1実施形態の改変例2に係るECU10について説明する。ECU10の構成は、図1を参照して上述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
図6は第1実施形態の改変例2でのROM26からキャッシュメモリ24へのデータの転送を示しており、図7は、第1実施形態の改変例2に係るECU10でのROM26からキャッシュメモリ24へのデータの転送を示すタイミングチャートである。
第1実施形態の改変例2では、NE信号の25°CAのタイミングでROM26から角度同期処理用データをキャッシュメモリ24へ転送し、CPU22のフリーランタイマ(内部タイマー)の値により、時間同期処理の0.2ms前の3.8msタイミングで該時間同期処理用のデータをキャッシュメモリ24へ転送する。
なお、図示しないが角度同期処理と時間同期処理とが重なった場合には、処理の調停が行われる。ここでは、角度同期処理側に高い優先順位が付けられている。即ち、時間同期処理中に角度同期処理要求が来ると、時間同期処理を一時停止し、角度同期処理を実行する。そして、角度同期処理が終了すると、時間同期処理を再開する。
第1実施形態の改変例2では、角度同期処理が実行される角度以前の所定角度にて、角度同期処理に用いられるデータをROMからキャッシュメモリに転送しておき、時間同期処理が実行される時刻から所定時間前に、時間同期処理に用いられるデータをROMからキャッシュメモリに転送しておくため、キャッシュのヒット率が高まり、角度同期処理用及び時間同期処理を短時間で完了することが可能になる。
[第1実施形態の改変例3]
以下、本発明の第1実施形態の改変例3に係るECU10について説明する。
図8は、第1実施形態の改変例3に係るECU10でのROM26からキャッシュメモリ24へのデータの転送を示すタイミングチャートである。図9(A)は、第1実施形態の改変例3での25°CA時処理のキャッシュへのデータ転送のフローチャートであり、図9(B)は3.8ms時処理のキャッシュへのデータ転送のフローチャートである。
第1実施形態の改変例3では、図8中に示すように時間同期処理と角度同期キャッシュ転送、あるいは、角度同期処理と時間同期キャッシュ転送とが重なった場合には、キャッシュへの転送を行わない。即ち、図9(A)に示すように、25°CA時処理においては、キャッシュ転送のタイミングで、時間同期処理を実行中かを判断し(S22)、時間同期処理を実行中は(S22:Yes)、キャッシュ転送を行わず、時間同期処理を実行していない場合に(S22:No)、ROM26からキャッシュメモリ24へ角度同期処理用のデータを転送する(S24)。
一方、図9(B)に示すように3.8msの時間同期キャッシュ転送のタイミングで、角度同期処理を実行中かを判断し(S26)、角度同期処理の実行中は(S26:Yes)、キャッシュ転送を行わず、角度同期処理を実行していない場合に(S26:No)、ROM26からキャッシュメモリ24へ時間同期処理用データを転送する(S28)。
第1実施形態の改変例3では、角度同期処理又は時間同期処理中は、キャッシュメモリへデータの転送を行わないため、角度同期処理及び時間同期処理を中断、あるいは、開始タイミングを遅らさせることがない。なお、第1実施形態の改変例3では、キャッシュに必要なデータが入っていない場合には、ROM26からキャッシュメモリ24へデータを読み込みながら処理を行うことになる。
[第1実施形態の改変例4]
以下、本発明の第1実施形態の改変例4に係るECU10について説明する。
図10は、第1実施形態の改変例4に係るECU10でのROM26からキャッシュメモリ24へのデータの転送を示すタイミングチャートである。
第1実施形態の改変例4では、他の処理と重なったためキャッシュへのデータ転送が行えなかった場合に、当該他の処理が終わった後に転送を行う。図10に示すように、角度同期処理用のキャッシュ転送のタイミング(25°CA:タイミングt1)に、時間同期処理を行っている場合には、角度同期処理が起動する30℃Aのタイミング(タイミングt2)で、時間同期処理を中断し角度同期処理用のキャッシュ転送を行った後、角度同期処理を実行する。そして、角度同期処理が終了した後、中断していた時間同期処理を再開する。また、時間同期処理用のキャッシュ転送のタイミング(3.8ms:タイミングt3)に、角度同期処理を行っている場合には、当該角度同期処理が終了(タイミングt4)してから、時間同期処理用のキャッシュ転送を行う。
この処理を図11、図12のフローチャートを参照して説明する。図11(A)は、第1実施形態の改変例4での25°CA時処理のキャッシュへのデータ転送のフローチャートであり、図11(B)は3.8ms時処理のキャッシュへのデータ転送のフローチャートである。図12(A)は、角度同期の割込処理のフローチャートであり、図12(B)は、時間同期の割込処理のフローチャートである。
図11(A)に示すように、25°CA時処理においては、キャッシュ転送のタイミングで、時間同期処理を実行中かを判断し(S32)、時間同期処理を実行中は(S32:Yes)、角度同期キャッシュ転送待ち状態のフラグをセットする(S36)。時間同期処理を実行していない場合には(S32:No)、ROM26からキャッシュメモリ24へ角度同期処理用のデータを直ちに転送する(S34)。
一方、図11(B)に示すように3.8msの時間同期処理用のデータキャッシュ転送のタイミングで、角度同期処理を実行中かを判断し(S42)、角度同期処理の実行中は(S42:Yes)、時間同期キャッシュ転送待ち状態のフラグをセットする(S46)。角度同期処理を実行していない場合には(S42:No)、ROM26からキャッシュメモリ24へ時間同期処理用データを直ちに転送する(S44)。
図12(A)は、30°CAでの角度同期の割込処理のフローチャートを示している。30°CAのタイミングで角度同期処理用のキャッシュ転送待ち状態かを、角度同期キャッシュ転送待ち状態のフラグがセットされているか否かにより判断し(S52)、角度同期キャッシュ転送待ち状態のフラグがセットされていない、即ち、角度同期処理用データが既に転送されているときには(52:No)、S58へ移行し、直ちに角度同期処理を開始する。他方、角度同期キャッシュ転送待ち状態のフラグがセットされている、即ち、角度同期処理用データが転送されていない場合には(52:Yes)、角度同期処理用データをキャッシュへ転送し(S54)、角度同期キャッシュ転送待ち状態のフラグをリセットした後(S56)、角度同期処理を実行する(S58)。
引き続き、時間同期処理用のキャッシュ転送待ち状態かを、時間同期キャッシュ転送待ち状態のフラグがセットされているか否かにより判断し(S60)、時間同期キャッシュ転送待ち状態のフラグがセットされていない、即ち、時間同期処理用のデータが既に転送されているときには(60:No)、処理を終了する。他方、時間同期キャッシュ転送待ち状態のフラグがセットされている、即ち、時間同期処理用のデータの転送が完了していない場合には(60:Yes)、時間同期処理用のデータをキャッシュへ転送し(S62)、時間同期キャッシュ転送待ち状態のフラグをリセットした後(S64)、処理を終了する。
図12(B)は、4msでの時間同期の割込処理のフローチャートを示している。
4msの時間同期の割込処理のタイミングにおいて、時間同期処理を実行する(S68)。
なお、図示しないが角度同期処理と時間同期処理とが重なった場合には、処理の調停が行われる。ここでは、角度同期処理側に高い優先順位が付けられている。即ち、時間同期処理中に角度同期処理要求が来ると、時間同期処理を一時停止し、角度同期処理を実行する。そして、角度同期処理が終了すると、時間同期処理を再開する。
なお、第1実施形態の改変例4では、時間同期処理用データのキャッシュへの転送ができなかった場合に、角度同期処理が完了した後に、当該時間同期処理用データの転送を行ったが、角度同期処理用データのキャッシュ転送ができなかった場合に、時間同期処理が完了した後に、当該角度同期処理用データの転送を行うことも可能である。
第1実施形態の改変例4では、角度同期処理又は時間同期処理中にキャッシュメモリへの転送のタイミングとなった際に、角度同期処理又は時間同期処理後にキャッシュメモリへの転送を行う。このため、角度同期処理及び時間同期処理を中断させることなく、処理に用いられるデータをROMからキャッシュメモリに転送でき、キャッシュのヒット率が高まり、角度同期処理を短時間で完了することが可能になる。
[第1実施形態の改変例5]
以下、本発明の第1実施形態の改変例5に係るECU10について説明する。
図13は、第1実施形態の改変例5に係るECU10でのROM26からキャッシュメモリ24へのデータの転送を示すタイミングチャートである。
第1実施形態の改変例5では、時間同期処理用データのキャッシュ転送タイミングと、角度同期処理用データのキャッシュ転送タイミングとが重なった場合に、角度同期処理用データのキャッシュ転送を優先する。即ち、図13中に示すように3.8msでの時間同期処理用データ転送のタイミング(t5)と25°CAでの角度同期処理用データ転送のタイミング(t6)とが重なった場合には、時間同期処理用データ転送をキャンセルし、角度同期処理用データの転送を行う。
この処理を図14のフローチャートを参照して説明する。図14(A)は、第1実施形態の改変例4での25°CA時処理のキャッシュへのデータ転送のフローチャートであり、図14(B)は3.8ms時処理のキャッシュへのデータ転送のフローチャートである。 図14(A)に示すように、25°CA時処理においては、角度同期処理用データのキャッシュ転送のタイミングで、時間同期処理用データの転送中かを判断し(S72)、時間同期処理用データの転送中は(S72:Yes)、時間同期処理用データの転送をキャンセルした後(S74)、キャッシュメモリ24へ角度同期処理用データを転送する(S76)。他方、時間同期処理用データを転送していない間は(S72:No)、角度同期処理用のデータを直ちに転送する(S76)。
一方、図14(B)に示すように3.8msの時間同期用データのキャッシュ転送のタイミングで、角度同期処理用データを転送中かを判断し(S80)、角度同期処理の実行中は(S80:Yes)、時間同期用データのキャッシュ転送を行うことなく処理を終了する。角度同期処理用データを転送していない場合には(S80:No)、ROM26からキャッシュメモリ24へ時間同期処理用データを転送する(S82)。
第1実施形態の改変例5では、角度同期処理に用いられるデータの転送と、時間同期処理に用いられるデータの転送とが同時に発生する際に、角度同期処理に用いられるデータの転送を優先する。このため、エンジン回転角度に対応させて正確なタイミングで行わなければならない角度同期処理に用いられるデータがキャッシュメモリに転送されており、キャッシュのヒット率が高まり、角度同期処理を短時間で完了することが可能になる。
[第1実施形態の改変例6]
以下、本発明の第1実施形態の改変例6に係るECU10について説明する。
図15は、第1実施形態の改変例6に係るECU10でのROM26からキャッシュメモリ24へのデータの転送を示すタイミングチャートである。
第1実施形態の改変例6では、時間同期処理用データのキャッシュ転送タイミングと、角度同期処理用データのキャッシュ転送タイミングとが重なった場合に、時間同期の割込処理と角度同期の割込処理とのいずれが先に来るかを予測し、先に来る割込処理用のデータを転送する。図15に示すように、3.8msでの時間同期処理用データの転送(タイミングt7)と、25°CAでの角度同期処理用データの転送(タイミングt8)とが重なった場合には、4msでの時間同期の割込処理(タイミングt9)と30°CAでの角度同期の割込処理(タイミングt10)とのいずれが先に来るかを予測し、この場合には、4msでの時間同期の割込処理(タイミングt9)が先に来るため、角度同期処理用データの転送をキャンセルして、時間同期処理用データを転送する。また、25°CAでの角度同期処理用データの転送(タイミングt11)と、3.8msでの時間同期処理用データの転送(タイミングt12)とが重なった場合には、30°CAでの角度同期の割込処理(タイミングt13)と4msでの時間同期の割込処理(タイミングt14)とのいずれが先に来るかを予測し、この場合には、30°CAでの角度同期の割込処理(タイミングt13)が先に来るため、時間同期処理用データの転送をキャンセルして、角度同期処理用データを転送する。
この処理を図16、図17のフローチャートを参照して説明する。図16は、第1実施形態の改変例6での25°CA時処理のキャッシュへのデータ転送のフローチャートであり、図17は、3.8ms時処理のキャッシュへのデータ転送のフローチャートである。
図16に示すように、25°CA時処理においては、時間同期処理用データのキャッシュ転送のタイミングで、時間同期処理用データの転送中かを判断し(S102)、時間同期処理用データを転送していない場合は(S102:No)、ROM26からキャッシュメモリ24へ角度同期処理用データの転送を開始する(S112)。時間同期処理用データの転送中は(S102:Yes)、4msでの時間同期の割込処理と30°CAでの角度同期の割込処理とのいずれが先に来るかを判断する(S104)。4msでの時間同期の割込処理が先に来る場合には、角度同期キャッシュ転送待ち状態のフラグをセットした後(S106)、処理を終了する。他方、30°CAでの角度同期の割込処理が先に来る場合には、時間同期処理用データの転送をキャンセルした後(S108)、時間同期キャッシュ転送待ち状態のフラグをセットし(S110)、角度同期処理用データの転送を開始する(S112)。
図17に示すように3.8msの時間同期用データのキャッシュ転送のタイミングで、角度同期処理用データを転送中かを判断し(S122)、角度同期処理用データを転送していない場合は(S122:No)、ROM26からキャッシュメモリ24へ時間同期処理用データの転送を開始する(S132)。角度同期処理用データの転送中は(S122:Yes)、4msでの時間同期の割込処理と30°CAでの角度同期の割込処理とのいずれが先に来るかを判断する(S124)。30°CAでの角度同期の割込処理が先に来る場合には、時間同期キャッシュ転送待ち状態のフラグをセットした後(S126)、処理を終了する。他方、4msでの時間同期の割込処理が先に来る場合には、角度同期処理用データの転送をキャンセルした後(S128)、角度同期キャッシュ転送待ち状態のフラグをセットし(S130)、時間同期処理用データの転送を開始する(S132)。角度同期の割込処理及び時間同期の割込処理は、図12を参照して上述した第1実施形態の改変例4と同様であるため説明を省略する。
第1実施形態の改変例6では、角度同期処理に用いられるデータの転送と、時間同期処理に用いられるデータの転送とが同時に発生する際に、角度同期処理と時間同期処理とのいずれが先に発生するかを判断し、先に発生する同期処理に用いられるデータの転送を優先する。このため、角度同期処理用、時間同期処理用のいずれにおいても、キャッシュ内に当該処理のデータが入っている確率が向上し、キャッシュのヒット率が高まり、角度同期処理、時間同期処理を短時間で完了することが可能になる。
[第1実施形態の改変例7]
以下、本発明の第1実施形態の改変例7に係るECU10について説明する。
図18は、第1実施形態の改変例7に係るECU10でのROM26からキャッシュメモリ24へのデータの転送を示すタイミングチャートである。
第1実施形態の改変例7では、時間同期処理用データのキャッシュ転送タイミングと、角度同期処理用データのキャッシュ転送タイミングとが重なった場合に、データの転送をキャンセルする。図18に示すように、3.8msでの時間同期処理用データの転送(タイミングt14)と、25°CAでの角度同期処理用データの転送(タイミングt15)とが重なった場合には、共にデータの転送をキャンセルする。また、25°CAでの角度同期処理用データの転送(タイミングt16)と、3.8msでの時間同期処理用データの転送(タイミングt17)とが重なった場合には、共にデータの転送をキャンセルする。
この処理を図19のフローチャートを参照して説明する。図19(A)は、第1実施形態の改変例7での25°CA時処理のキャッシュへのデータ転送のフローチャートであり、図19(B)は3.8ms時処理のキャッシュへのデータ転送のフローチャートである。 図19(A)に示すように、25°CA時処理においては、角度同期処理用データのキャッシュ転送のタイミングで、時間同期処理用データの転送中かを判断し(S142)、時間同期処理用データの転送中ではない場合は(S142:No)、ROM26からキャッシュメモリ24へ角度同期処理用データを転送する(S148)。他方、時間同期処理用データの転送中の場合は(S142:Yes)、時間同期処理用データの転送をキャンセルした後(S144)、時間同期キャッシュ転送待ち状態のフラグをセットして(S146)、処理を終了する。
一方、図14(B)に示すように3.8msの時間同期キャッシュ転送のタイミングで、角度同期処理用データを転送中かを判断し(S152)、角度同期処理用データの転送中ではない場合は(S152:No)、ROM26からキャッシュメモリ24へ時間同期処理用データを転送する(S158)。他方、角度同期処理用データの転送中の場合は(S152:Yes)、角度同期処理用データの転送をキャンセルした後(S154)、角度同期キャッシュ転送待ち状態のフラグをセットして(S156)、処理を終了する。角度同期の割込処理及び時間同期の割込処理は、図12を参照して上述した第1実施形態の改変例4と同様であるため説明を省略する。
第1実施形態の改変例7では、角度同期処理に用いられるデータの転送と、時間同期処理に用いられるデータの転送とが同時に発生した際に、データの転送を中断し、角度同期処理、時間同期処理を開始する際に、当該同期処理に用いられるデータの転送を行う。このため、角度同期処理、時間同期処理のいずれにおいても、キャッシュ内に当該処理のデータが入っている確率が向上し、キャッシュのヒット率が高まり、角度同期処理、時間同期処理を短時間で完了することが可能になる。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態に係るECU10について説明する。ECU10の構成は、図1を参照して上述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
図20は、第2実施形態に係るECU10でのキャッシュへのデータ転送の説明図である。第2実施形態では、エンジン制御が角度同期処理と時間同期処理とに大きく分割されていることに注目し、キャッシュメモリ自体を角度同期処理用キャッシュメモリ24aと時間同期処理用キャッシュメモリ24tとに分割して設けてある。角度同期処理の割込やタスク処理においては、スイッチSW1、スイッチSW2をa側に切り換え角度同期処理用キャッシュメモリ24aを用い、時間同期処理の割込やタスク処理においては、スイッチSW1、スイッチSW2をt側に切り換え時間同期処理用キャッシュメモリ24tを用いることで、キャッシュのヒット率を高めてある。
この第2実施形態でのスイッチSW1、スイッチSW2の切り換えは、マイクロコンピュータのハードウェアーで行う。即ち、スイッチSW1、スイッチSW2を制御するキャッシュメモリ切替えコントローラ40が、CPU22側から角度同期割込み処理信号を受けた際にはスイッチSW1、スイッチSW2をa側に切り換え、時間同期割込み処理信号を受けた際にはスイッチSW1、スイッチSW2をt側に切り換えるよう構成されている。
スイッチSW1、スイッチSW2の切り換えをハードウェアーでなくソフトウエアーで行うことも可能である。
この切替の処理を図21を参照して説明する。図21(A)は、第2実施形態に係るECUでの角度同期割込み処理のフローチャートであり、図21(B)は、時間同期割込み処理のフローチャートである。
図21(A)に示すように角度同期割込み処理では、角度同期処理用キャッシュメモリ24a側に切り換えた後(ソフトウエアーで切り換えレジスタに書き込み:S202)、角度同期処理を実行する(S204)。図21(B)に示すように時間同期割込み処理では、時間同期処理用キャッシュメモリ24t側に切り換えた後(ソフトウエアーで切り換えレジスタに書き込み:S212)、時間同期処理を実行する(S204)。
第2実施形態では、時間同期処理が続いた後に角度同期処理が発生しても、反対に、角度同期処理が続いた後に時間同期処理が発生しても、角度同期処理用キャッシュメモリ24aと時間同期処理用キャッシュメモリ24t内に当該処理のデータが入っている確率が向上し、キャッシュのヒット率が高まり、角度同期処理、時間同期処理を短時間で完了することが可能になる。
[第2実施形態の改変例1]
以下、本発明の第2実施形態の改変例1に係るECU10について説明する。
図22は、第2実施形態の改変例1のECU10でのキャッシュへのデータ転送の説明図である。第2実施形態の改変例1では、キャッシュメモリ自体を角度同期処理用キャッシュメモリ24aと時間同期処理用キャッシュメモリ24tとに分割して設け、それぞれROM26、RAM28に接続してある。角度同期処理の割込やタスク処理においては、スイッチSW1、スイッチSW2、スイッチSW3をa側に切り換え角度同期処理用キャッシュメモリ24aを用い、時間同期処理の割込やタスク処理においては、スイッチSW1、スイッチSW2、スイッチSW3をt側に切り換え時間同期処理用キャッシュメモリ24tを用いることで、キャッシュのヒット率を高めてある。
第2実施形態の改変例1では、時間同期処理が続いた後に角度同期処理が発生しても、反対に、角度同期処理が続いた後に時間同期処理が発生しても、角度同期処理用キャッシュメモリ24aと時間同期処理用キャッシュメモリ24t内に当該処理のデータが入っている確率が向上し、キャッシュのヒット率が高まり、角度同期処理、時間同期処理を短時間で完了することが可能になる。
[第2実施形態の改変例2]
以下、本発明の第2実施形態の改変例2に係るECU10について説明する。
図23(A)は、第2実施形態の改変例2のECU10でのキャッシュへのデータ転送の説明図である。第2実施形態の改変例2では、キャッシュメモリ自体を角度同期処理用キャッシュメモリ24aと時間同期処理用キャッシュメモリ24tとに分割して設けると共に、ROM26、RAM28のアイドルタスク(所謂処理待ち状態や、レジスタの再設定などの特にスピードを要しない処理)からは分離してある。即ち、アイドルタスクにキャッシュを使うと、処理スピードが必要な角度同期処理、時間同期処理でのキャッシュヒット率が低下するからである。角度同期処理の割込やタスク処理においては、スイッチSW1、スイッチSW2、スイッチSW3をa側に切り換え角度同期処理用キャッシュメモリ24aを用い、時間同期処理の割込やタスク処理においては、スイッチSW1、スイッチSW2、スイッチSW3をt側に切り換え時間同期処理用キャッシュメモリ24tを用いることで、キャッシュのヒット率を高めてある。
第2実施形態の改変例2では、角度同期処理キャッシュメモリ及び時間同期処理用キャッシュメモリへは処理スピードを必要としないアイドルタスクを転送しないため、処理スピードを必要とする角度同期処理、時間同期処理に用いられるデータがキャッシュ内に入っている確率が向上し、キャッシュのヒット率が高まり、角度同期処理、時間同期処理を短時間で完了することが可能になる。
[第2実施形態の改変例3]
以下、本発明の第2実施形態の改変例3に係るECU10について説明する。
図23(B)は、第2実施形態の改変例3のECU10でのキャッシュへのデータ転送の説明図である。第2実施形態の改変例3では、角度同期処理用キャッシュメモリを角度同期処理用命令キャッシュメモリ24aoと、角度同期処理用データキャッシュメモリ24adとに分割し、時間同期処理用キャッシュメモリを時間同期処理用命令キャッシュメモリ24toと時間同期処理用データキャッシュメモリ24tdとに分割して設け、命令系の角度同期処理用命令キャッシュメモリ24ao及び時間同期処理用命令キャッシュメモリ24toをROM26に接続し、データ系の角度同期処理用データキャッシュメモリ24ad及び時間同期処理用データキャッシュメモリ24tdをRAM28に接続してある。角度同期処理の割込やタスク処理においては、スイッチSW4、スイッチSW5をa側に切り換え角度同期処理用命令キャッシュメモリ24ao及び角度同期処理用データキャッシュメモリ24adを用い、時間同期処理の割込やタスク処理においては、スイッチSW4、スイッチSW5をt側に切り換え時間同期処理用命令キャッシュメモリ24to及び時間同期処理用データキャッシュメモリ24tdを用いる。
第2実施形態の改変例3では、時間同期処理が続いた後に角度同期処理が発生しても、反対に、角度同期処理が続いた後に時間同期処理が発生しても、角度同期処理用命令キャッシュメモリ24ao、角度同期処理用データキャッシュメモリ24ad、時間同期処理用命令キャッシュメモリ24to、時間同期処理用データキャッシュメモリ24td内に当該処理のデータが入っている確率が向上し、キャッシュのヒット率が高まり、角度同期処理、時間同期処理を短時間で完了することが可能になる。なお、第2実施形態の改変例3において、改変例2のようにアイドルタスクから分離することも好適である。
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態に係るECU10について説明する。第3実施形態は、ECU10の構成は上述した第1実施形態、第2実施形態と同様であり、第1実施形態、第2実施形態におけるキャッシュ内部の構造に関するものである。
図24は、第3実施形態に係るECU10でのキャッシュ内部の構造を示している。第3実施形態では、ダイレクトマッピング方式を採用している。アドレス長は32ビットとし、キャッシュデータの検索には、アドレス自体をタグフィールド、インデックスフィールドに分割し、フィールドの値を元にキャッシュ内にデータがあるかないかを検索する。
キャッシュには、データ幅とエントリ数とある。エントリ数は、アドレス中のインデックスフィールドのビット数により決まる。ビット数を例えば、8ビットとすると、エントリ数は2の8乗で256となる。CPU22がキャッシュメモリ24を検索する際に、必要とするデータのアドレス中のインデックスフィールドの値により、どのエントリを検索するか決める。例えば、アドレスが0x12345024だった場合、インデックスフィールドの値は02となり、エントリが02のものを検索する。更に、アドレス中のタグフィールドとキャッシュのタグとを比較し、一致した場合はキャッシュヒットとなり、アドレス中のブロックオフセット値によりマルチプレックスされ、データが取り出される。
一方、キャッシュヒットせず、ミスした場合には、必要とするデータを取りに行き、キャッシュへ格納する。ここで、データをキャッシュへ格納する際に、一度に取ってくるデータのバイト数がデータ幅となる。図24の場合には、データ幅は16バイトになる。
エンジン制御では、例えば、吸気空気量から燃料の噴射量を決定する際に図28(A)に示すように、フローチャートを用いて制御を行った場合には、分岐命令が多いデータとなり、図28(B)に示すように、数式モデル(例えば、Y=log(X/1.2)*2+1)によって制御を行った場合には、分岐命令は少なくなる。
ここで、図28に示すように0x12345020のデータをキャッシュに読み込んだ場合、分岐命令が無ければ、CPU22は、0x12345021、0x12345022・・・と順に実行するため、キャッシュは連続してヒットする。一方、分岐命令があると、アドレスがジャンプするため、キャッシュミスが発生することになる。この場合には、16バイト分読み込んだものを全て使用する前に、他のエントリに移ることになる。係る際には、データ幅をあまり多くとっても意味がない。
このため、第3実施形態では、データ幅とエントリ数とを分岐命令が多いか否かにより切り換えるように構成されている。
即ち、図28(A)を参照して上述した分岐命令の多いフローチャートによる制御の際には、図25に示すようにデータ幅を8バイトに狭め、エントリ数を512にする。一方、図28(B)を参照して上述した分岐命令の少ない数値モデルによる制御の際には、図26に示すようにデータ幅を広げ、エントリ数を256にする。
図27はキャッシュ構造の切り換えのフローチャートを示している。
CPU22は、次に実行する処理がフローチャートによる制御であるか、数値モデルによる制御であるかを判断し(S312)、数値モデルによる制御の場合には(S312:No)、図26に示すデータ幅16バイトの構成とする(S314)。フローチャートによる制御の場合には(S312:Yes)、図25に示すデータ幅8バイトの構成とする(S316)。
第3実施形態では、キャッシュメモリのデータ幅とエントリ数とを制御内容に応じて切り換え得るように構成してあるため、分岐命令が多いデータ(プログラム)では、データ幅を狭めエントリ数を大きくすることでヒット率を高め、反対に、分岐命令の少ないデータ(プログラム)では、データ幅を広げ、エントリ数を少なくすることで効率的データをキャッシュ内に保持させることができる。
本発明の第1実施形態に係るECUの構成を示すブロック図である。 図1に示すECUでのキャッシュへのデータ転送の説明図である。 図3(A)、図3(B)は第1実施形態に係るキャッシュへのデータ転送のタイミングチャートである。 第1実施形態に係るキャッシュへのデータ転送のフローチャートである。 第1実施形態の第1改変例に係るキャッシュへのデータ転送のタイミングチャートである。 第1実施形態の改変例2に係るECUでのキャッシュへのデータ転送の説明図である。 第1実施形態の第2改変例に係るキャッシュへのデータ転送のタイミングチャートである。 第1実施形態の第3改変例に係るキャッシュへのデータ転送のタイミングチャートである。 図9(A)は第1実施形態の改変例3に係る25°CA時処理のキャッシュへのデータ転送のフローチャートであり、図9(B)は3.8ms時処理のキャッシュへのデータ転送のフローチャートである。 第1実施形態の改変例4に係るキャッシュへのデータ転送のタイミングチャートである。 図11(A)は、第1実施形態の改変例4での25°CA時処理のキャッシュへのデータ転送のフローチャートであり、図11(B)は3.8ms時処理のキャッシュへのデータ転送のフローチャートである。 図12(A)は、第1実施形態の改変例4での角度同期の割込処理のフローチャートであり、図12(B)は、時間同期の割込処理のフローチャートである。 第1実施形態の改変例5に係るキャッシュへのデータ転送のタイミングチャートである。 図14(A)は、第1実施形態の改変例5での25°CA時処理のキャッシュへのデータ転送のフローチャートであり、図14(B)は3.8ms時処理のキャッシュへのデータ転送のフローチャートである。 第1実施形態の改変例6に係るキャッシュへのデータ転送のタイミングチャートである。 第1実施形態の改変例6での25°CA時処理のキャッシュへのデータ転送のフローチャートである。 第1実施形態の改変例6での3.8ms時処理のキャッシュへのデータ転送のフローチャートである。 第1実施形態の改変例7に係るキャッシュへのデータ転送のタイミングチャートである。 図19(A)は、第1実施形態の改変例7での25°CA時処理のキャッシュへのデータ転送のフローチャートであり、図19(B)は3.8ms時処理のキャッシュへのデータ転送のフローチャートである。 第2実施形態に係るECUでのキャッシュへのデータ転送の説明図である。 図21(A)は、第2実施形態に係るECUでの角度同期割込み処理のフローチャートであり、図21(B)は、時間同期割込み処理のフローチャートである。 第2実施形態の改変例1に係るECUでのキャッシュへのデータ転送の説明図である。 図23(A)は、第2実施形態の改変例2に係るECUでのキャッシュへのデータ転送の説明図であり、図23(B)は、第2実施形態の改変例3に係るECUでのキャッシュへのデータ転送の説明図である。 第3実施形態のキャッシュ内の構成を示す説明図である。 第3実施形態のデータ幅を短くしたキャッシュ内の構成を示す説明図である。 第3実施形態のデータ幅を長くしたキャッシュ内の構成を示す説明図である。 第3実施形態のキャッシュの構成を切り換える処理のフローチャートである。 図28(A)は第3実施形態でのフローチャートでの制御の説明図であり、図28(B)は、数式モデルによる制御の説明図である。 図29(A)は、従来技術のキャッシュを命令キャッシュとデータキャッシュとに分ける構成の説明図であり、図29(B)は、従来技術のキャッシュに時間同期処理用のデータが多く存在している場合の説明図であり、図29(C)は、従来技術のキャッシュに角度同期処理用データが多く存在している場合の説明図である。
符号の説明
10 エンジン制御ユニット(エンジン制御装置)
20 マイクロコンピュータ
22 CPU
24 キャッシュメモリ
24a 角度同期処理用キャッシュメモリ
24t 時間同期処理用キャッシュメモリ
24ao 角度同期処理用命令キャッシュメモリ
24ad 角度同期処理用データキャッシュメモリ
24to 時間同期処理用命令キャッシュメモリ
24td 時間同期処理用データキャッシュメモリ
26 ROM
28 RAM
30 入出力コントローラ


Claims (16)

  1. CPUとキャッシュメモリとROMとを備えるエンジン制御装置であって、
    所定処理が予め定められたエンジン角度周期で繰り返される角度同期処理において、前記所定処理が実行される角度以前の所定角度にて、前記処理に用いられるデータを前記ROMから前記キャッシュメモリに転送しておくことを特徴とするエンジン制御装置。
  2. 前記データを前記ROMからキャッシュメモリに転送しておく所定角度を、エンジン回転数に応じて変化させることを特徴とする請求項1のエンジン制御装置。
  3. 前記データを前記ROMからキャッシュメモリに転送しておく所定角度を、エンジン側からのNE信号を逓倍して作成することを特徴とする請求項1又は請求項2のエンジン制御装置。
  4. CPUとキャッシュメモリとROMとを備えるエンジン制御装置であって、
    所定処理が予め定められた時間周期で繰り返される時間同期処理において、前記所定処理が実行される時刻から所定時間前に、前記処理に用いられるデータを前記ROMからキャッシュメモリに転送しておくことを特徴とするエンジン制御装置。
  5. CPUとキャッシュメモリとROMとを備えるエンジン制御装置であって、
    予め定められたエンジン角度周期で繰り返される角度同期処理が実行される角度以前の所定角度にて、前記角度同期処理に用いられるデータを前記ROMから前記キャッシュメモリに転送しておき、
    予め定められた時間周期で繰り返される時間同期処理が実行される時刻から所定時間前に、前記時間同期処理に用いられるデータを前記ROMから前記キャッシュメモリに転送しておくことを特徴とするエンジン制御装置。
  6. 前記角度同期処理又は前記時間同期処理中は、前記キャッシュメモリへの転送を行わないことを特徴とする請求項5のエンジン制御装置。
  7. 前記角度同期処理又は前記時間同期処理中にキャッシュメモリへの転送のタイミングとなった際には、前記角度同期処理又は前記時間同期処理後に前記キャッシュメモリへの転送を行うことを特徴とする請求項5のエンジン制御装置。
  8. 前記角度同期処理に用いられるデータの転送と、前記時間同期処理に用いられるデータの転送とが同時に発生する際に、角度同期処理に用いられるデータの転送を優先することを特徴とする請求項5のエンジン制御装置。
  9. 前記角度同期処理に用いられるデータの転送と、前記時間同期処理に用いられるデータの転送とが同時に発生する際に、前記角度同期処理と前記時間同期処理とのいずれが先に発生するかを判断し、先に発生する同期処理に用いられるデータの転送を優先することを特徴とする請求項5のエンジン制御装置。
  10. 前記角度同期処理に用いられるデータの転送と、前記時間同期処理に用いられるデータの転送とが同時に発生した際に、データの転送を中断し、前記角度同期処理、前記時間同期処理を開始する際に、当該同期処理に用いられるデータの転送を行うことを特徴とする請求項5のエンジン制御装置。
  11. CPUとROMとを備えるエンジン制御装置であって、
    予め定められたエンジン角度周期で繰り返される角度同期処理に用いられるデータを前記ROMから転送するための角度同期処理用キャッシュメモリと、
    予め定められた時間周期で繰り返される時間同期処理に用いられるデータを前記ROMから転送するための時間同期処理用キャッシュメモリとを備えることを特徴とするエンジン制御装置。
  12. CPUとROMとRAMとを備えるエンジン制御装置であって、
    予め定められたエンジン角度周期で繰り返される角度同期処理に用いられるデータを前記ROM及び前記RAMから転送するための角度同期処理用キャッシュメモリと、
    予め定められた時間周期で繰り返される時間同期処理に用いられるデータを前記ROM及び前記RAMから転送するための時間同期処理用キャッシュメモリとを備えることを特徴とするエンジン制御装置。
  13. 前記角度同期処理キャッシュメモリ及び前記時間同期処理用キャッシュメモリへはアイドルタスクを転送しないことを特徴とする請求項11又は請求項12のエンジン制御装置。
  14. CPUとROMとRAMとを備えるエンジン制御装置であって、
    予め定められたエンジン角度周期で繰り返される角度同期処理に用いられるデータを前記ROMから転送するための角度同期処理ROM用キャッシュメモリと、
    前記角度同期処理に用いられるデータを前記RAMから転送するための角度同期処理RAM用キャッシュメモリと、
    予め定められた時間周期で繰り返される時間同期処理に用いられるデータを前記ROMから転送するための時間同期処理ROM用キャッシュメモリと、
    前記時間同期処理に用いられるデータを前記RAMから転送するための時間同期処理RAM用キャッシュメモリとを備えることを特徴とするエンジン制御装置。
  15. CPUとROMとキャッシュメモリを備えるエンジン制御装置であって、
    前記キャッシュメモリにダイレクトマッピング方式を用い、データ幅とエントリ数とを制御内容に応じて切り換え得るように構成したことを特徴とするエンジン制御装置。
  16. 請求項1〜請求項15のいずれか1のエンジン制御装置のキャッシュの制御方法。
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