JP2005214804A - 移動ステージ装置 - Google Patents

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信幸 飛田
Yuichi Kunitomo
裕一 國友
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Abstract

【課題】 摺動動作を行う接触部に関連する部品要素の摩耗量を極めて低減することにより測定環境を良好に保つと共に高い測定精度を維持し、さらに装置寿命を延長化できる移動ステージ装置を提供する。
【解決手段】 この移動ステージ装置12は、試料台ステージ13とこの試料台ステージ13を水平方向へ移動させる水平ステージ(10,20)とを備え、水平な摺動面を有する定盤11の上に固定されたものであって、試料台ステージは定盤の摺動面上にすべり軸受で摺動自在に配置され、すべり軸受を成す摺動材30は、そのロックウェル硬さがASTM D785に従って測定した時にR50〜R125の範囲に含まれるものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は移動ステージ装置に関し、特に、走査型プローブ顕微鏡のごとき半導体関連分野等で利用される精密計測測定機器において試料台の位置決めまたは移動等に用いられる移動ステージ装置に関する。
例えば走査型プローブ顕微鏡は、原子サイズの微細な対象物を観察できる測定分解能を有する測定装置として知られる。近年、走査型プローブ顕微鏡は、半導体デバイスが作られた基板やウェハの表面の微細な凹凸形状の測定など各種の分野に適用されている。測定に利用する検出物理量に応じて各種のタイプの走査型プローブ顕微鏡がある。例えばトンネル電流を利用する走査型トンネル顕微鏡、原子間力を利用する原子間力顕微鏡、磁気力を利用する磁気力顕微鏡等があり、それらの応用範囲も拡大しつつある。その中でもとりわけ原子間力顕微鏡は、試料表面の微細な凹凸形状を高分解能で検出するのに適し、半導体デバイス用基板、ディスクなどの分野で実績を上げている。最近ではインライン自動検査工程の用途でも使用されてきている。
上記のような走査型プローブ顕微鏡では、ウェハ等の試料を試料台上に載置し、当該試料の表面等をセンサ部を含む測定・観察部によって観察する。試料の表面上の測定個所は試料台を備える移動ステージ装置の側で水平移動の動作を行うことによって変更・設定する。
従来の移動ステージ装置の一例は特許文献1に開示される。この移動ステージ装置では、上部に設けた試料台を垂直方向に昇降させる垂直ステージ(Z軸ステージ)と、この垂直ステージを水平方向に移動させる水平ステージ(X軸ステージおよびY軸ステージ)とから構成され、装置全体としては水平の摺動面を有する定盤の上に固定されている。当該移動ステージ装置において、垂直ステージは定盤の表面上に摺動自在に配置されており、さらに、垂直ステージと定盤に固定された水平ステージとは、水平方向に剛性が高くかつ垂直方向に剛性が低い特性を有する板ばね等の連結部材で連結されている。
さらに従来の移動ステージ装置の他の例として、特許文献2に開示される精密X−Yテーブルを挙げることができる。この精密X−Yテーブルは、半導体関連分野で、プリント基板などをXY方向にて位置決めする装置である。特許文献2の図1や図2等を参照すると、当該精密X−Yテーブルでは、ベースの上面を摺動するように配置されたY軸テーブルの下部材の下面に円板形状のすべり軸受を6枚貼着し、これらのすべり軸受を介してY軸テーブルをベース上に支持させている。すべり軸受の材料はフッ素樹脂である。
上記の従来の移動ステージ装置のいずれにおいても、定盤上で垂直ステージが摺動するとき、またはベース上でY軸テーブルが摺動するときに生じる摩耗の問題が十分に考慮されていない。実際、例えば特許文献2の構成によれば、Y軸テーブルがベースの表面上を摺動すると摩耗によって摩耗粉が発生し、測定環境が悪化し、さらに摩耗によって削れた分だけ計測した高さデータに影響を与え、測定精度が大幅に低下するという問題を無視することができなかった。特に特許文献2の場合には、すべり軸受の材料にフッ素樹脂を用いているため、摩耗粉の発生が顕著であり、このため摩耗粉に起因する上記の問題が顕著に発生することを確認することができる。
特開平11−108658号公報 特開平4−75838号公報
本発明が解決しようとする課題は、半導体関連分野等で利用される走査型プローブ顕微鏡のごとき精密計測・測定機器において、試料を搭載する試料台で測定・観察部に対する試料の位置決めや移動に用いられる移動ステージ装置に関し、石定盤等の表面での摺動動作に起因する摩耗粉の発生を可能な限り低減し、これによって測定環境を良好に保ち、かつ定盤面等の摩耗量を少なくして測定精度を高く維持することである。さらに摺動動作による摩耗を少なくすることによって移動ステージ装置の接触面部分の寿命を延ばし、長期間に渡って摺動することを可能にし、摺動に関係する部品の交換作業を少なくして、移動ステージ装置の長期間使用(例えば数年以上)を可能にするものである。
従って本発明の目的は、上記の課題に鑑み、摺動動作を行う接触部に関連する部品要素の摩耗量を極めて低減することにより測定環境を良好に保つと共に高い測定精度を維持し、さらに装置寿命を延長化できる移動ステージ装置を提供することにある。
本発明に係る移動ステージ装置は上記目的を達成するために次のように構成される。
第1の移動ステージ装置(請求項1に対応)は、摺動面を有する定盤上に移動部を含む移動機構を設けて構成される移動ステージ装置であり、移動機構の移動部は定盤の摺動面上にすべり軸受で摺動自在に配置され、さらにすべり軸受を成す摺動材は、そのロックウェル硬さがASTM D785に従って測定した時にR50〜R125の範囲に含まれるものであることで特徴づけられる。
上記移動ステージ装置の構成では、移動機構の移動部と定盤の間にロックウェル硬さが所定測定に基づき得られたR50〜R125の範囲に含まれる硬さの摺動材を介設させてすべり軸受の構造を設けるようにしたため、定盤等の摩耗量の低減、および摩耗粉の発生量の低減を達成することが可能となる。
第2の移動ステージ装置(請求項2に対応)は、上記の第1の構成において、好ましくは、上記移動機構は、試料台ステージとこの試料台ステージを摺動面に平行に移動させる水平ステージとから成り、上記移動部は試料台ステージであり、水平ステージは定盤上に固定されることで特徴づけられる。
上記移動ステージ装置の構成では、試料台ステージと定盤の間にロックウェル硬さR50〜R125の範囲に含まれる硬さの摺動材を介設させてすべり軸受の構造を設けるようにしたため、定盤等の摩耗量の低減、および摩耗粉の発生量の低減を達成することが可能となる。
第3の移動ステージ装置(請求項3に対応)は、上記の第1の構成において、好ましくは、上記移動機構の移動部は門型フレームであることで特徴づけられる。
第4の移動ステージ装置(請求項4に対応)は、上記の各構成において、好ましくは、すべり軸受を成す摺動材は強化要素を含まないことで特徴づけられる。この構成によれば、よりいっそう摺動の際の摩耗量を低減し、摩耗粉の発生量を低減できる。
第5の移動ステージ装置(請求項5に対応)は、上記の各構成において、すべり軸受を成す摺動材の材料はPFT(ポリエチレンテレフタレート)であることが好ましい。
第6の移動ステージ装置(請求項6に対応)は、上記の各構成において、すべり軸受を成す摺動材の材料は超高分子量ポリエチレンであることが好ましい。
第7の移動ステージ装置(請求項7に対応)は、上記の各構成において、好ましくは、すべり軸受における定盤との接触面には密着度低減要素が形成されることで特徴づけられる。
第8の移動ステージ装置(請求項8に対応)は、上記の各構成において、好ましくは、密着度低減要素は、ディンプル、格子状微細溝、一方向微細溝のうちのいずれかであることで特徴づけられる。
第9の移動ステージ装置(請求項9に対応)は、上記の各構成において、好ましくは、上記定盤は石定盤であることで特徴づけられる。
本発明によれば、移動ステージ装置において、試料台における定盤と接触する面にPET等で作られた摺動材を用いるようにしたため、摺動材および定盤の摩耗量を低減させ、長寿命と高信頼性の移動ステージ装置を実現することができる。また従来のフッ素樹脂材に較べてPET等は非常に安価であるので、安価な移動ステージ装置を実現することができる。さらに摺動材と定盤からの摩耗粉の発生を抑制することができるので、測定環境や測定精度を良好に保つことができる。また摩耗量の少ない摺動材を備えた試料台を用いることにより摺動での平滑の程度を向上させることで摺動力を増加させることになるが、かかる構成においてさらに摺動材の接触面に微細なディンプル等を設けるようにしたため、摺動力を抑制することができる。
以下に、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1〜図3を参照して本発明に係る移動ステージ装置の実施形態を説明する。図1は移動ステージ装置の側面図、図2は移動ステージ装置の外観図、図3は移動ステージ装置の平面図である。
定盤11の上に本実施形態に係る移動ステージ装置12は配置されている。定盤11の上面は、水平面であり、水平方向(図中でXY方向)に精密な摺動面となっている。定盤11の材質は代表的には石材である。しかし、定盤11の材質はこれに限定されない。
上記移動ステージ装置12はX軸ステージ10とY軸ステージ20を備える。X軸ステージ10はX軸方向の移動動作を実現する機構であり、Y軸ステージ20はY軸方向の移動動作を実現する機構である。X軸ステージ10とY軸ステージ20によって水平ステージが形成される。
Y軸ステージ20に対して試料台13が取り付けられる。試料台13の上部に設けられた試料載置プレート13aの上にウェハ等の試料が搭載される。試料台13は試料台ステージを形成している。試料は、移動ステージ装置12で最上位の位置に存在することになる。
上記移動ステージ装置12において、X軸ステージ10とY軸ステージ20から成る水平ステージと、試料台13による試料台ステージと、から移動機構が形成される。この移動機構は、定盤11の上に固定される水平ステージ(固定部)と、定盤11の摺動面を移動自在である試料台ステージ(移動部)から成っている。
移動ステージ装置12の上側にはフレーム14が配置される。フレーム14は定盤11上に固定されている。フレーム14は移動ステージ装置12の上側に掛け渡される構造を有すれば足り、形態は任意のものを用いることができる。フレーム14の上部のほぼ中央部であって、試料の上方位置にはセンサ部15が設けられる。このセンサ部15は、試料表面に臨む探針16を含む。移動ステージ装置12がX軸とY軸の各方向に試料を移動させることにより、相対的位置関係に基づき探針16は試料の表面を走査し、測定・観察が行われる。
図1に示された測定装置は、走査型プローブ顕微鏡として構成されている。走査型プローブ顕微鏡が例えば原子間力顕微鏡(AFM)の場合には、上記センサ部15はAFMユニットとなる。移動ステージ装置12は、試料台13の試料載置プレート13a上に置かれた試料をセンサ部15で測定するときに、センサ部15の探針16と試料表面の位置関係に関して、試料側を水平方向に移動させて調整する装置として機能する。
移動ステージ装置12に基づく試料の水平方向(XY方向)の移動では、後述するごとく、上記試料台13を定盤11上で摺動させるように配置し、X軸ステージ10で試料台13をX軸方向に移動させ、かつY軸ステージ20で試料台13をY軸方向に移動させるように構成されている。
移動ステージ装置12において、X軸ステージ10は、定盤11の上に平行な配置で固定された2本のX軸フレーム10a,10bによって構成される。2本のX軸フレームの各々の上面にはレール17が設けられている。レール17の上にはY軸フレーム18がX軸方向に自在に移動するように載せられている。一方の幅の広いX軸フレーム10aの上にはX軸方向駆動部19が設けられる。X軸方向駆動部19は、2枚の支持板19a,19bと、その間に回転自在に掛け渡された回転軸19cと、回転軸19cを回転させるモータ19dとから成る。回転軸19cの表面には螺旋状の雄ネジが形成され、この回転軸19cに、上記Y軸フレーム18の側部に取り付けられた連結部21が螺合している。連結部21の内部には雌ネジが形成されている。回転軸19cが回転すると、その回転方向に応じて連結部21が回転軸19cに沿って移動し、それに一体化されているY軸フレーム18も一緒に移動する。かかる構成を有するX軸ステージ10によって、Y軸フレーム18とこれに関連する部分、すなわちY軸ステージ20をX軸方向に移動させることができる。
Y軸ステージ20は上記のY軸フレーム18を備える。Y軸フレーム18は四角の枠体形状を有し、内側部分には矩形の開口部18aが形成されている。Y軸フレーム18におけるX軸フレームに直交する方向の辺部18b,18cは、X軸フレーム10a,10bの各レール17の上に載せられるように、十分な長さを有している。またY軸フレーム18におけるX軸フレームに平行な方向の辺部の下部には、レール17に係合されるレール受け部22が形成される。レール受け部22はレール17上を滑って移動することができる。さらにY軸フレーム18の辺部18b,18cの各々に沿った上面にはレール23が設けられている。
上記の2つのレール23上には上記の試料載置プレート13aがY軸方向に自在に移動するように載せられている。一方の幅の広い辺部18bの上面部にさらにY軸方向駆動部24が設けられる。Y軸方向駆動部24は、2枚の支持板24a,24bと、その間に回転自在に掛け渡された回転軸24cと、回転軸24cを回転させるモータ24dとから成る。回転軸24cの表面には螺旋状の雄ネジが形成され、この回転軸24cに、上記試料載置プレート13aの側辺部に設けられた連結部13a−1が螺合している。当該連結部13a−1の内部には雌ネジが形成されている。回転軸24cが回転すると、その回転方向に応じて試料載置プレート13aが回転軸24cに沿って移動し、それに一体化されている上記試料台13をY軸方向に移動させることができる。
上部に試料載置プレート13aを備えた試料台13は、定盤11の上面の上に置かれ、摺動自在に配置されている。試料台13の下面(底面)には、図1に示されるように、例えば4枚の摺動材30が接着等によって取り付けられている。従って試料台13は、摺動材30が定盤11の表面に接触した状態で、定盤11上に配置されている。試料台13は、摺動材30を介して定盤11の上面に置かれ、かつ水平方向に移動動作を行う。このとき、摺動材30が定盤11の表面に接触して摺動することになる。試料台13の下面において、摺動材30は定盤11に対するすべり軸受を形成する。このすべり軸受を成す摺動材30の材料は、好ましくは、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂である。摺動材30は、好ましくは、厚みが1〜5mmの円板シートの形状を有している。
PET樹脂を材料とする摺動材30は、好ましくは、摩耗粉を発生させないという理由から、その硬さがロックウェル硬さR50〜R125の範囲に含まれるものである。ここで、「ロックウェル硬さ」とは、ロックウェル硬さ試験において、前後2回の基準荷重における圧子の侵入深さhから、HR=a−bhで算出される値であり、ここに、aおよびbは、ロックウェル硬さのスケールごとに定められた固有の値である(基準荷重の表に基づく。ASTM D785参照のこと。)。
さらに摩耗粉の発生を抑制するという観点から当該摺動材30には、ガラスやカーボン等の「フィラー」と呼ばれる強化材としての要素が含まれてないことが好ましい。
移動ステージ装置12は、上記のごとく、上記構成を有するX軸ステージ10とY軸ステージ20を備え、Y軸ステージ20に対してY軸方向に移動自在に設けられた試料台13を、定盤11上での摺動材30による摺動動作によってXまたはYの各軸方向に移動させるように構成されている。試料台13の移動に伴って試料台上の試料も移動する。摺動動作による試料台13の移動では、上記条件を満たすPET樹脂を材料とする摺動材30を介して摺動させるので、特に石材で作られた定盤11との摺動動作において摩耗粉の発生を極めて抑制することができる。その結果、測定環境の悪化を防ぎ、かつ測定精度を良好な高い精度に保持することができる。
摺動材30の材料としては、その他に、超高分子量ポリエチレン、ナイロン系、PEEK(ポリ・エーテル・エーテル・ケトン:Poly ether ether ketone)等を用いることができる。
図4と図5に本実施形態による摺動材30の効果に係る実験結果を示す。この実験は、下面に摺動材を備えた試料台13を石定盤の上で所定距離範囲で往復移動させる実験である。摺動材の材料として、上記のPET(特性グラフA)、超高分子量ポリエチレン(特性グラフB)、ナイロン系(特性グラフC)、PEEK(特性グラフD)、従来のフッ素樹脂系(特性グラフE)を用いた例に関しての実験結果を示している。図4は各種摺動材料の摩耗量を示し、横軸は試験距離(m)を意味し、縦軸は摩耗量(μm)を意味している。図5は各種摺動材料に対する石定盤の摩耗量を示し、横軸は試験距離(m)を意味し、縦軸は摩耗量(μm)を意味している。なお上記試験距離は往復移動距離の総和を意味している。
上記において、例えばPETのロックウェル硬さはR125、超高分子量ポリエチレンのロックウェル硬さはR52、ナイロン系のロックウェル硬さはR120、PEEKのロックウェル硬さはR120である。また従来のフッ素樹脂系の硬さは52(デュロメータ)である。ここで、「デュロメータ」とはゴム材料や合成樹脂など用いられるスプリング式硬さ試験機の一種であり、上記のフッ素樹脂系の硬さはこの試験機で測定された値である。
PET樹脂等の各種の材料または材質で作られる本実施形態に係る摺動材30の硬さは、摩耗粉を発生させないという理由から、複数の試験を試みた結果、そのロックウェル硬さがR50〜R125の範囲に含まれることが好ましいという結論を得た。
図4と図5で明らかなように、本実施形態に係る摺動材30によれば、いずれの材料を用いたものも、従来のフッ素樹脂系で作られた樹脂材の性能に比較して、摺動材および石定盤の摩耗量に関して良好な性能を有する。すなわち、従来のフッ素樹脂系については摩耗量が非常に多く、これにより摩耗粉も多数発生しかつ測定に悪影響を及ぼしていた。これに対して、本願発明に係る材料を用いた摺動材によればその摩耗量について測定誤差範囲内であり、さらに石定盤の摩耗量も、フッ素樹脂材の場合に比較すると、各段に少なくなっていることが分かる。その結果、本願発明に係る材料を用いた摺動材によれば、走査型プローブ顕微鏡の移動ステージ装置として長期間にわたり良好な摺動特性が得られるため、測定環境および測定精度を共に良好に維持することができる。
図6と図7に基づき本実施形態で使用された摺動材30の他の例を説明する。図6は摺動材30の接触面の一部を拡大して示しており、摺動材30における定盤11との接触面に微細なディンプル41等の密着度低減要素を形成した例を示している。図7は密着度低減要素の他の例として摺動材30の同接触面に微細な格子状の溝42を形成した例を示している。溝に関しては一方向に形成された微細な溝であっても構わない。以上のごとく、摺動材30の定盤11との接触面に微細なディンプル等を形成することによって、摺動材30と定盤11との密着度を低減または抑制することができ、これにより、より小さい駆動力で試料台13を移動させることができる。
前述の実施形態の説明では、移動ステージ装置12における移動機構の移動部として、定盤11上を移動する試料台ステージ(試料台13)を例として説明したが、当該移動部としてはこれに限定されず、例えば3次元計測走装置等に使用されている、定盤上を移動する門型フレームのようなものでもよい。
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に示したものにすぎず、また数値および各構成の組成(材質)については例示にすぎない。従って本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
本発明は、走査型プローブ顕微鏡のごとき半導体関連分野等で利用される精密計測測定機器の試料台の位置決めまたは移動等に利用される。
本発明に係る移動ステージ装置の基本的な実施形態を示す側面図である。 移動ステージ装置を示す外観図である。 移動ステージ装置を示す平面図である。 各種材料で作られた本実施形態に係る摺動材の効果に係る実験結果であって、摺動材料の摩耗量を示すグラフである。 各種材料で作られた本実施形態に係る摺動材の効果に係る実験結果であって、摺動材料に対する石定盤の摩耗量を示すグラフである。 本発明の他の実施形態に係るディンプルを備えた摺動材の接触面の一部を拡大して示した図である。 本発明の他の実施形態に係る格子溝を備えた摺動材の接触面の一部を拡大して示した図である。
符号の説明
10 X軸ステージ
11 定盤
12 移動ステージ装置
13 試料台
14 フレーム
15 センサ部
16 探針
19 X軸方向駆動部
20 Y軸ステージ
24 Y軸方向駆動部
30 摺動材

Claims (9)

  1. 摺動面を有する定盤上に移動部を含む移動機構を設けて構成される移動ステージ装置において、
    前記移動機構の前記移動部は前記定盤の前記摺動面上にすべり軸受で摺動自在に配置され、
    前記すべり軸受を成す摺動材は、そのロックウェル硬さがASTM D785に従って測定した時にR50〜R125の範囲に含まれるものであることを特徴とする移動ステージ装置。
  2. 前記移動機構は、試料台ステージとこの試料台ステージを前記摺動面に平行に移動させる水平ステージとから成り、前記移動部は前記試料台ステージであり、前記水平ステージは前記定盤上に固定されることを特徴とする請求項1記載の移動ステージ装置。
  3. 前記移動機構の前記移動部は門型フレームであることを特徴とする請求項1記載の移動ステージ装置。
  4. 前記すべり軸受を成す前記摺動材は強化要素を含まないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の移動ステージ装置。
  5. 前記すべり軸受を成す前記摺動材の材料はPFT(ポリエチレンテレフタレート)であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の移動ステージ装置。
  6. 前記すべり軸受を成す前記摺動材の材料は超高分子量ポリエチレンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の移動ステージ装置。
  7. 前記すべり軸受における前記定盤との接触面には密着度低減要素が形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の移動ステージ装置。
  8. 前記密着度低減要素は、ディンプル、格子状微細溝、一方向微細溝のうちのいずれかであることを特徴とする請求項7記載の移動ステージ装置。
  9. 前記定盤は石定盤であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の移動ステージ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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