JP2005214635A - 磁気エンコーダ及び当該磁気エンコーダを備えた車輪用軸受 - Google Patents

磁気エンコーダ及び当該磁気エンコーダを備えた車輪用軸受 Download PDF

Info

Publication number
JP2005214635A
JP2005214635A JP2004017961A JP2004017961A JP2005214635A JP 2005214635 A JP2005214635 A JP 2005214635A JP 2004017961 A JP2004017961 A JP 2004017961A JP 2004017961 A JP2004017961 A JP 2004017961A JP 2005214635 A JP2005214635 A JP 2005214635A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
plastic magnet
magnetic encoder
caprolactam
magnetic powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004017961A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Murakami
豪 村上
Shunichi Yabe
俊一 矢部
Toshimi Takagi
敏己 高城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2004017961A priority Critical patent/JP2005214635A/ja
Publication of JP2005214635A publication Critical patent/JP2005214635A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C41/00Other accessories, e.g. devices integrated in the bearing not relating to the bearing function as such
    • F16C41/007Encoders, e.g. parts with a plurality of alternating magnetic poles
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/72Sealings
    • F16C33/76Sealings of ball or roller bearings
    • F16C33/78Sealings of ball or roller bearings with a diaphragm, disc, or ring, with or without resilient members
    • F16C33/7869Sealings of ball or roller bearings with a diaphragm, disc, or ring, with or without resilient members mounted with a cylindrical portion to the inner surface of the outer race and having a radial portion extending inward
    • F16C33/7879Sealings of ball or roller bearings with a diaphragm, disc, or ring, with or without resilient members mounted with a cylindrical portion to the inner surface of the outer race and having a radial portion extending inward with a further sealing ring
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/02Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows
    • F16C19/14Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load
    • F16C19/18Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with two or more rows of balls
    • F16C19/181Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with two or more rows of balls with angular contact
    • F16C19/183Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with two or more rows of balls with angular contact with two rows at opposite angles
    • F16C19/184Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with two or more rows of balls with angular contact with two rows at opposite angles in O-arrangement
    • F16C19/186Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with two or more rows of balls with angular contact with two rows at opposite angles in O-arrangement with three raceways provided integrally on parts other than race rings, e.g. third generation hubs
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2326/00Articles relating to transporting
    • F16C2326/01Parts of vehicles in general
    • F16C2326/02Wheel hubs or castors

Abstract

【課題】 磁気エンコーダに用いられるプラスチック磁石が取り付け部材から脱落することを確実に防止して磁気エンコーダの信頼性を高めると共に、磁気特性に優れ、回転体の回転速度を高精度に検出することができる磁気エンコーダを提供する。
【解決手段】 外輪11と、内輪12と、外輪11及び内輪12により画成された環状隙間に転動自在に配置され且つ保持器14により円周方向に等間隔に保持された複数の転動体である玉13と、前記環状隙間の開口端部に配設された密封装置15とを備える転がり軸受10に配設された磁気エンコーダ30は、磁性体粉を含有するε−カプロラクタム溶融液からモノマーキャスト成型された円環状のプラスチック磁石31を有している。プラスチック磁石31は、密封装置15のスリンガ20を取り付け部材として内輪12に固定されており、プラスチック磁石31とスリンガ20とが高周波融着により一体とされている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、回転体の回転速度の検出に用いられる磁気エンコーダ及び当該磁気エンコーダを備えた車輪用軸受に関する。
従来、車輪の回転速度を検出するために用いられる磁気エンコーダには、磁性体粉を混入した磁性ゴムから形成される多極磁石(ゴム磁石)が用いられており、取り付け部材を介してゴム磁石を車輪の軸に固定し、車輪と共にゴム磁石を回転せしめ、車輪の回転に同期して変化する磁場をセンサにより検出することによって車輪の回転速度を検出している。一般に取り付け部材は金属板から形成されており、ゴム磁石は加硫接着されて取り付け部材に接合されている。磁気エンコーダは過酷な温度環境下(−40℃〜120℃)において使用されるため、取り付け部材(一般には金属板)との間に熱伸張差を生じるが、ゴム磁石が、その弾性により熱伸張差を吸収して取り付け部材に対する固着性を維持するので、取り付け部材から剥離して脱落することが防止される。
しかし、近年、磁気エンコーダは、軸受の密封装置の一部として組み込まれることが多く、一層の小型化が切望されている。かかる構成の場合には、組立を容易にするために磁気エンコーダとセンサとの間隔(即ち、エアギャップ)を大きく取れることが好ましい。 そして、高精度な回転速度の検出機能を確保するためには、エアギャップを拡大するのに伴い一層強力なエンコーダ能力が要求され、磁気エンコーダの磁石においては磁束密度等の磁気特性を向上させる必要がある。しかし、磁気特性を向上させるために磁性体粉の混入量を多くした場合、ゴム磁石の弾性が低下して熱伸張差の吸収作用が損なわれ、ゴム磁石が取り付け部材から剥離して脱落する虞があった。さらに、ゴム磁石においては混入できる磁性体粉がストロンチウムフェライトやバリウムフェライト等のフェライトに限定されることも、磁気特性の向上の障害となっていた。
そこで、ゴム磁石と同様に弾性を有するプラスチック磁石が注目されている。プラスチック磁石はプラスチック材料と磁性体粉とを混合し成型したものであり、例えば、ネオジウム系またはサマリウム系の磁気特性に優れる希土類磁性体粉を使用することができる。従って、小型・高性能な磁気エンコーダを製造することが可能である。
しかし、プラスチック磁石はゴム磁石に比較して弾性に劣るため、急激な温度変化時の熱伸張差に対してゴム磁石と同等の吸収作用を得ることができず、プラスチック磁石が取り付け部材から剥離して脱落する虞があった。また、プラスチック磁石においては磁性体粉を磁石全体に均一に分散して含有させることが困難な場合があり、回転速度の検出精度を低下させる要因となる虞があった。
本発明は前述した事情に鑑みてなされたものであり、磁気エンコーダに用いられるプラスチック磁石が取り付け部材から脱落することを確実に防止して磁気エンコーダの信頼性を高めると共に、磁気特性に優れ、回転体の回転速度を高精度に検出することができる磁気エンコーダを提供することを目的とする。
前述した目的を達成するために、本発明に係る磁気エンコーダは、下記の(1)〜(5)を特徴としている。
(1) 磁気エンコーダであって、
磁性体粉およびε−カプロラクタム重合体を含有する円環状のプラスチック磁石と、回転体に固定される取り付け部材と、を備え、
前記プラスチック磁石と前記取り付け部材とが、一体に接合されるように高周波融着されていること。
(2) 上記(1)に記載の磁気エンコーダであって、
前記プラスチック磁石が、前記磁性体粉を含有するε−カプロラクタム溶融液をモノマーキャスト成型することにより形成されていること。
(3) 上記(1)または(2)に記載の磁気エンコーダであって、
前記プラスチック磁石における前記磁性体粉の含有量が60〜80体積%であること。
(4) 上記(1)から(3)のいずれかに記載の磁気エンコーダであって、
前記磁性体粉が、ストロンチウムフェライト、バリウムフェライト、ネオジウム−鉄−ボロン、サマリウム−コバルト、サマリウム−鉄の群から選ばれる磁性体粉であること。
(5) 上記(1)から(4)のいずれかに記載の磁気エンコーダであって、
熱安定剤が前記プラスチック磁石全体に均一に分散して含有されていること。
また、本発明に係る車輪用軸受は、下記の(6)を特徴としている。
(6) 上記(1)から(5)のいずれかに記載の磁気エンコーダを取り付けたこと。
本発明に係る磁気エンコーダによれば、磁性体粉のバインダとなるε−カプロラクタム重合体は分子量が高く、従ってプラスチック磁石の耐熱性を向上させることができる。尚、ε−カプロラクタム重合体の平均分子量は、60000〜300000、好ましくは100000〜200000であり、また、上記のε−カプロラクタム重合体とは、ε−カプロラクタムを主成分とする任意の重合体であって、例えば、ε−カプロラクタムの単独重合体であるポリアミド6、ε−カプロラクタムと他の単量体との重合体、あるいはこれらの混合物を含んでいる。さらに、ε−カプロラクタムは高周波融着により金属と接合し易く、そして、プラスチック磁石とプラスチック磁石を回転体に固定するための取り付け部材とを高周波融着により一体に接合したので、プラスチック磁石が取り付け部材から剥離して脱落することを防止し、磁気エンコーダの信頼性を高めることができる。さらに、磁性体粉を含有するε−カプロラクタム溶融液からモノマーキャスト法によりプラスチック磁石を成型しており、磁性体粉をプラスチック磁石中に均一に分散させてプラスチック磁石の磁気特性を均一にすることができ、回転体の回転速度を高精度に検出することができる。
また、プラスチック磁石における磁性体粉の含有量を60〜80体積%とすることにより、プラスチック磁石の磁気特性を向上させることができる。磁性体粉の含有量を60〜80体積%としたのは、磁性体粉の含有量が60体積%未満の場合には、磁気特性が劣ると共にプラスチック磁石を狭ピッチで多極に着磁させることが困難になるためであり、一方、磁性体粉の含有量が80体積%を越える場合には、バインダ量が不足してエンコーダ全体の機械的強度が低下すると共に成型が困難になるためである。尚、磁性体粉としては、ストロンチウムフェライトやバリウムフェライト等のフェライト、又はネオジウム−鉄−ボロン、サマリウム−コバルト、サマリウム−鉄等の希土類系磁性体粉が好適に用いられる。
また、プラスチック磁石に熱安定剤を均一に分散して含有させてもよい。これにより、プラスチック磁石の耐熱性をさらに向上させ、磁気エンコーダの信頼性を高めることができる。熱安定剤としては、銅系熱安定剤、フェノール系熱安定剤、リン系熱安定剤、硫黄系熱安定剤、アミン系熱安定剤、等を好適に用いることができる。
銅系熱安定剤に用いることのできる銅化合物としては、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅、硫酸銅、硝酸銅、リン酸銅、等の無機酸塩、あるいは酢酸銅、ステアリン酸銅、ミスチリン酸銅、ナフテン酸銅、パルミチン酸銅、等の有機酸塩などが挙げられる。上記の銅化合物を2種以上併用してもよく、また、重合時の溶解性を向上させるために同種の塩、例えばヨウ化銅とヨウ化カリウムとの混合物を用いてもよい。
フェノール系熱安定剤としては、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアネレート、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1−オキシ−3−メチル−4−イソプロピルベンゼン、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、等を用いることができる。
リン系熱安定剤としては、亜リン酸エステル系化合物が好適であり、具体的には、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリイソデシルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、環状ネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト)、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、等を用いることができる。
硫黄系熱安定剤としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピネート、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネート、等を用いることができる。
アミン系熱安定剤としては、4,4’−ジオクチルジフェニルアミンなどのアルキル置換されたジフェニルアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンなどの置換基を有するp−フェニレンジアミン、等を用いることができる。
尚、上記の熱安定剤は、単独で用いても併用してもよく、その量は熱安定剤の種類に依存する。銅系熱安定剤は、プラスチック磁石中のε−カプロラクタム重合体に対して0.0005〜0.3重量%、好ましくは0.001〜0.1重量%の範囲で含有される。含有量が0.0005重量%未満の場合は耐熱性の改善効果が低く、一方、0.3重量%を越える場合は耐熱性の改善効果に変化がなくなると共に、熱安定剤の量が多すぎて均一に分散させるのが困難となり、好ましくない。銅系熱安定剤を除く上記の有機系熱安定剤は、ε−カプロラクタム重合体に対して0.05〜4重量%、好ましくは0.1〜2重量%の範囲で含有される。含有量が0.05重量%未満の場合は耐熱性の改善効果が低く、一方、4重量%を越える場合は耐熱性の改善効果に変化がなくなり、好ましくない。
以下、本発明に係る好適な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る第1実施形態である磁気エンコーダを組み付けられた転がり軸受の断面図、図2は図1に示す転がり軸受の要部拡大断面図、図3は図1に示すプラスチック磁石の着磁パターンを示す模式図、そして図4は本発明に係る第2実施形態である磁気エンコーダを組み付けられたハブユニットの断面図である。
図1及び図2に示すように、本発明の第1実施形態である磁気エンコーダを組み付けられた転がり軸受10は、外輪11と、内輪12と、外輪11及び内輪12により画成された環状隙間に転動自在に配置され且つ保持器14により円周方向に等間隔に保持された複数の転動体である玉13と、前記環状隙間の開口端部に配設された密封装置15と、磁気エンコーダ30とを備えている。密封装置15は、外輪11の内周面に固定されたシール部材40と、シール部材40よりも開口端部側に配置され且つ内輪12の外周面に固定されたスリンガ20とを有しており、シール部材40とスリンガ20とによって前記環状隙間の開口端部を塞ぎ、埃等の異物が軸受内部に進入することを防止すると共に軸受内部に充填された潤滑剤が漏洩することを防止している。そして、磁気エンコーダ30は、スリンガ20を取り付け部材として回転体である内輪12に固定されている。
スリンガ20は磁性金属材料を断面L字形の円環状に形成したものであり、内輪12の外周面に外嵌する略円筒状の嵌合部22と、嵌合部22の前記開口端部側の一端から半径方向に伸びる略円板状のフランジ部21とを有している。フランジ部21の開口端部側の端面には、内輪12の回転に同期して近傍の磁場(例えば、磁束密度)を変化させる磁気エンコーダ30のプラスチック磁石31が接合されている。
図3に示すように、プラスチック磁石31は、磁性体粉を60〜80体積%の範囲で適宜含有するε−カプロラクタム溶融液からモノマーキャスト法により成型されたε−カプロラクタム重合体成型体を着磁したものであって、円環状に成型されていると共に円周方向に等間隔にS極とN極とが交互に着磁されている。内輪12が一回転する間に、プラスチック磁石31近傍の一点における磁束密度が、プラスチック磁石31の極数に対応したピーク数を有して周期的に変化し、軸受外方に面するプラスチック磁石31の軸方向端面に対向して配置される不図示のセンサにより前記磁束密度の変化を検出する。
プラスチック磁石31が接合されるフランジ部21の前記端面にはシランカップリング剤が塗布されており、前記プラスチック磁石を貼り合わせた後に高周波融着処理を施され、プラスチック磁石31とスリンガ20とが強固に接合されている。これは、シランカップリング剤が、その化学構造の一端に加水分解性基であるアルコキシ基を、他端に有機官能基を有しているためである。前記アルコキシ基は加水分解して水酸基に変化し、該水酸基が金属表面の水酸基と脱水縮合反応を起こすことにより金属との間で高い結合力を持つ共有結合を形成する。また前記有機官能基は、モノマーキャスト法によりε−カプロラクタム重合体を得る過程において略1重量%程度残る未反応のε―カプロラクタム単量体、及びε―カプロラクタム重合体のアミド結合、等と結合する。尚、反応性を考慮して、シランカップリング剤は有機官能基にアミノ基を有するものが好ましく、具体的にはγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、等をメタノールなどの溶剤で希釈したものを好適に用いることができる。
シール部材40は、図2に示すように、断面略L字形の円環状に形成された芯金41により、同じく断面略L字形の円環状に形成されたシールリップ42を補強して構成されており、外輪11に内嵌して固定されている。シールリップ42の先端部は複数の摺接部に分岐しており、該複数の摺接部は、スリンガ20のフランジ部21の軸受内方側面、又は嵌合部22の外周面に、全周に亙ってそれぞれ摺接している。これにより高い密封力を得ることができる。
前述した磁気エンコーダ30を組み付けられた転がり軸受10によれば、プラスチック磁石31を、磁性体粉を60〜80体積%の範囲で適宜含有するε−カプロラクタム溶融液からモノマーキャスト法により円環状に成型し、円周方向に多極に着磁したので、プラスチック磁石31の磁束密度等の磁気特性を向上させると共に、磁性体粉をプラスチック磁石中に均一に分散させてプラスチック磁石31の磁気特性を均一にすることができ、より高精度に内輪12の回転速度を検出することができる。さらに、プラスチック磁石31の極数を増加させて磁束密度の周期変化のピーク数を増加させることにより、内輪12の回転を細分化して検出することができるので、より高精度に内輪12の回転速度を検出することができる。また、スリンガ20のフランジ部21とプラスチック磁石31との接合面にシランカップリング剤を塗布して高周波融着処理を施しており、プラスチック磁石31とスリンガ20とが強固に一体に接合されているので、過酷な温度環境下での使用においてもプラスチック磁石31がスリンガ20から脱落することを確実に防止して磁気エンコーダ30の信頼性を高めることができる。
次に、図4を参照して、本発明の第2実施形態である磁気エンコーダを組み込んだハブユニットを説明する。尚、前述の転がり軸受10と共通する構成部分の説明は同一符号を付すことで簡略化あるいは省略する。
ハブユニット102は、ハブ107の取り付けフランジ112に固定された不図示の車輪を回転自在に支持するものである。外輪105の内周面には、互いに平行な2列の外輪軌道110a,110bが形成されており、また回転体であるハブ107及び内輪部材106の外周面には、外輪軌道110a,110bにそれぞれ対向する内輪軌道114a,114bが形成されている。外輪軌道110aと内輪軌道114aとの隙間、および外輪軌道110bと内輪軌道114bとの隙間には、保持器118によって円周方向に等間隔に保持された転動体117がそれぞれ転動自在に配置されている。外輪105の内周面と内輪部材106との隙間において、転動体117に関して車輪側とは反対側(即ち、車両側)の開口端部には密封装置15が組み付けられている。密封装置15のスリンガ20にはプラスチック磁石31が接合されており、磁気エンコーダ30を構成している。 そして、プラスチック磁石31の軸受外方に面する軸方向端面に対向してセンサ109が配置されており、センサ109により磁束密度の変化を検出することにより車輪の回転速度を検出している。
尚、本発明の磁気エンコーダは、上述した各実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形、改良等が可能である。
例えば、ハブユニット102において、プラスチック磁石31は、互いに平行な2列の内輪軌道114aと114bとの間に配置され、取り付け部材を介して回転体に固定されてもよい。この場合、センサ109は、プラスチック磁石31の外周面と対向するようにプラスチック磁石31の径方向に配置され、外輪105に保持される。
次に、磁気エンコーダ30に用いられるプラスチック磁石31の製造方法を説明する。
先ず、モノマーキャスト法で得られるε−カプロラクタム重合体をε−カプロラクタム単量体と一緒に加熱して均一な溶融液とする。次いで、該溶融液の中に60〜80体積%の含有量となる範囲で磁性体粉を適宜混入する。ε−カプロラクタムの溶融液は高粘度で流動性が乏しいため、磁性体粉の沈降や濃度ムラを防止して多量の磁性体粉を均一に分散させることができる。また、ε−カプロラクタム重合体の耐熱性向上のために前記溶液に熱安定剤をさらに添加してもよく、さらに、紫外線吸収剤、難燃剤、抗菌剤、等の各種添加剤や、ウォラストナイト、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、炭酸カルシウム(アラゴナイト)、塩基性硫酸マグネシウム(モスハイジ)、セピオライト、ゾノトライト、等の針状充填剤や、カーボンブラック等の着色剤を適宜添加してもよい。
そして、モノマーキャスト法によりε−カプロラクタムの重合をさらに進行させて成型する。この時、磁場をかけた状態で成型することにより磁性体粉の配高度を高めることができ、磁気特性を向上させることができる。尚、モノマーキャスト法による成型の条件には公知の条件を用いることができるが、溶融時の加熱温度に関しては、ε−カプロラクタムの融点である69℃以上の温度で、好ましくは160〜210℃程度である。そして、得られたε−カプロラクタム重合体の成型体を切削加工して所望の形状とした後に、ヨークコイルを用いて着磁することによりプラスチック磁石31を得る。尚、ヨークコイルによる着磁はプラスチック磁石31をスリンガ20に接合する前後どちらの工程で実施されてもよい。
次に、本発明に基づいて製作した磁気エンコーダを説明する。尚、第1〜第3の実施例の磁気エンコーダは、磁性体粉を含有するε−カプロラクタム溶融液からモノマーキャスト成型された成型体を着磁したプラスチック磁石を備え、何れの成型体もシリコンオイルに浸漬した後、アニーリング処理を施して結晶化度を向上させている。アニーリング処理は、先ず室温から4時間かけて170℃まで昇温させ、170℃で3時間保持し、その後4時間かけて室温まで除冷している。上記の処理を経て得られたε−カプロラクタム重合体の成型体を切削加工し、その後ヨークコイルにより多極に着磁してプラスチック磁石としている。
第1の実施例におけるプラスチック磁石の組成は、ε−カプロラクタム重合体を30体積%、ストロンチウムフェライト磁性体粉を70体積%含有しており、ε−カプロラクタム重合体に対してCuI(ヨウ化銅)系熱安定剤が0.1重量%の割合で添加されている。
第2の実施例におけるプラスチック磁石の組成は、ε−カプロラクタム重合体を30体積%、ネオジウム−鉄−ボロン磁性体粉を70体積%含有しており、ε−カプロラクタム重合体に対してCuI(ヨウ化銅)系熱安定剤が0.1重量%の割合で添加されている。
第3の実施例におけるプラスチック磁石の組成は、ε−カプロラクタム重合体を30体積%、サマリウム−鉄磁性体粉を70体積%含有しており、ε−カプロラクタム重合体に対してCuI(ヨウ化銅)系熱安定剤が0.1重量%の割合で添加されている。
上記第1〜第3の実施例の構成を表1に示す。
Figure 2005214635
そして、第1〜第3の実施例におけるプラスチック磁石を140℃で1時間熱処理すると共に、取り付け部材であるスリンガをシランカップリング剤[日本ユニカー製 A−1122:N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン]のメタノール希釈液(5重量%濃度)に浸漬し、プラスチック磁石をスリンガに貼り付けた後、直ちに高周波融着を施してスリンガとプラスチック磁石とを接合し、磁気エンコーダを構成している。前述した実施例における磁気エンコーダによれば、高周波処理(誘導過熱処理)によりスリンガとプラスチック磁石との接合が非常に強固なものとなっているため、繰り返しの振動や冷熱といった使用条件下においてもプラスチック磁石がスリンガから剥離して脱落することが防止される。
尚、プラスチック磁石中の磁性体粉の含有量によっては、従来では20mT程度であった磁束密度を26mT以上に向上させることが可能である。よって、磁気エンコーダとセンサとのエアギャップを従来と同様に1mmとした場合に、従来では96極に多極磁化されていたプラスチック磁石を、一極当たりの磁束を維持して120極以上に多極磁化することが可能である。この時、単一ピッチ誤差は±2%以下とできる。即ち、本発明に係る磁気エンコーダによれば、従来と同等のエアギャップとした場合に、プラスチック磁石の極数を増加させて車輪の回転速度の検出精度を向上させることができる。また、プラスチック磁石を従来と同数の極数とした場合に、エアギャップを大きくとることができ、センサを配置する際の自由度を向上させることができる。
本発明に係る第1実施形態である磁気エンコーダを組み付けられた転がり軸受の断面図である。 図1に示す転がり軸受の要部拡大断面図である。 図1に示すプラスチック磁石の着磁パターンを示す模式図である。 本発明に係る第2実施形態である磁気エンコーダを配設されたハブユニットの断面図である。
符号の説明
10 転がり軸受
11 外輪
12 内輪
13 玉
14 保持器
15 密封装置
20 スリンガ
30 磁気エンコーダ
31 プラスチック磁石

Claims (6)

  1. 磁気エンコーダであって、
    磁性体粉およびε−カプロラクタム重合体を含有する円環状のプラスチック磁石と、回転体に固定される取り付け部材と、を備え、
    前記プラスチック磁石と前記取り付け部材とが、一体に接合されるように高周波融着されていることを特徴とする磁気エンコーダ。
  2. 前記プラスチック磁石が、前記磁性体粉を含有するε−カプロラクタム溶融液をモノマーキャスト成型することにより形成されていることを特徴とする請求項1記載の磁気エンコーダ。
  3. 前記プラスチック磁石における前記磁性体粉の含有量が60〜80体積%であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の磁気エンコーダ。
  4. 前記磁性体粉が、ストロンチウムフェライト、バリウムフェライト、ネオジウム−鉄−ボロン、サマリウム−コバルト、サマリウム−鉄の群から選ばれる磁性体粉であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の磁気エンコーダ。
  5. 熱安定剤が前記プラスチック磁石全体に均一に分散して含有されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の磁気エンコーダ。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の磁気エンコーダを取り付けた車輪用軸受。
JP2004017961A 2004-01-27 2004-01-27 磁気エンコーダ及び当該磁気エンコーダを備えた車輪用軸受 Pending JP2005214635A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004017961A JP2005214635A (ja) 2004-01-27 2004-01-27 磁気エンコーダ及び当該磁気エンコーダを備えた車輪用軸受

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004017961A JP2005214635A (ja) 2004-01-27 2004-01-27 磁気エンコーダ及び当該磁気エンコーダを備えた車輪用軸受

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005214635A true JP2005214635A (ja) 2005-08-11

Family

ID=34902605

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004017961A Pending JP2005214635A (ja) 2004-01-27 2004-01-27 磁気エンコーダ及び当該磁気エンコーダを備えた車輪用軸受

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005214635A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007107911A (ja) * 2005-10-11 2007-04-26 Nsk Ltd 磁気エンコーダ付軸受装置
WO2009098851A1 (ja) * 2008-02-07 2009-08-13 Ntn Corporation 回転検出装置付き車輪用軸受装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007107911A (ja) * 2005-10-11 2007-04-26 Nsk Ltd 磁気エンコーダ付軸受装置
WO2009098851A1 (ja) * 2008-02-07 2009-08-13 Ntn Corporation 回転検出装置付き車輪用軸受装置
US8174257B2 (en) 2008-02-07 2012-05-08 Ntn Corporation Wheel bearing device with rotation detector

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4993017B2 (ja) 磁気エンコーダ及び前記磁気エンコーダを備える転がり軸受ユニット
JP2008233110A (ja) 磁気エンコーダの製造方法
WO2011135957A1 (ja) 転がり軸受
JP4997736B2 (ja) 磁気エンコーダ付軸受装置
JP2005214635A (ja) 磁気エンコーダ及び当該磁気エンコーダを備えた車輪用軸受
JP4432764B2 (ja) 磁気エンコーダの製造方法及び車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法
JP4725020B2 (ja) 自動車車輪用センサ付転がり軸受及びその製造方法
JP2007057480A (ja) 磁気エンコーダ及び転がり軸受ユニット
JP4682532B2 (ja) 磁気エンコーダ及びその製造方法、並びに当該磁気エンコーダを備えた転がり軸受
JP2009198420A (ja) 磁気エンコーダ及び前記磁気エンコーダを備える転がり軸受ユニット
JP4639955B2 (ja) 磁気エンコーダ及び前記磁気エンコーダを備える転がり軸受ユニット
JP4946172B2 (ja) 磁気エンコーダ及び前記磁気エンコーダを備える転がり軸受ユニット
JP5160766B2 (ja) 磁気エンコーダおよび転がり軸受
JP2013011484A (ja) 磁気エンコーダ及び車輪用軸受
JP5958171B2 (ja) 磁気エンコーダ及び前記磁気エンコーダを備える転がり軸受ユニット
JP2006017654A (ja) エンコーダとその製造方法及び転がり軸受ユニット
JP2006170308A (ja) 車輪用転がり軸受ユニット
JP5152273B2 (ja) 磁気エンコーダ及び前記磁気エンコーダを備える転がり軸受
JP2006329761A (ja) 磁気エンコーダ及び磁気エンコーダを備えた車輪用軸受
JP2009025088A (ja) 磁気エンコーダ
JP4899500B2 (ja) 磁気エンコーダ及び前記磁気エンコーダを備える転がり軸受ユニット
JP2007010344A (ja) 磁気エンコーダ及びその製造方法、並びに前記磁気エンコーダを備える車両用軸受
JP2005241289A (ja) 磁気エンコーダ及び当該磁気エンコーダを備えた転がり軸受
JP2006090956A (ja) 磁気エンコーダ
JP4797578B2 (ja) 磁気エンコーダの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060327