JP2005214244A - アクティブ振動絶縁装置 - Google Patents

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庄司 海老名
Kenichi Masamoto
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Abstract

【課題】 空気ばねで制御対象物を支持した場合でも、周波数によっては効果的に振動を絶縁できない部分がある。
【解決手段】 制御対象物1側に位置する上面板2と、支持部7側に位置する下面板8とを設け、前記上面板2の下面に空気ばね3のベローズ4の上部を保持する保持部5を設け、前記上面板2と下面板8との間に前記ベローズ4の下部を保持する保持部10を上面に設けた中間面板9を設け、この中間面板9と前記下面板8との間に可撓性のシール部材11を設けて面板間をシールし、この下面板8に中間面板9の振動を検出する検出器13を設けるとともに、この検出器13で検出した中間面板9又は下面板8の振動方向と逆方向に中間面板9を振動させるアクチュエータ12を設ける。
【選択図】 図1

Description

本願発明は、舶用機関や陸上の機械類等の制御対象物を空気ばねとアクチュエータとを用いて振動絶縁するアクティブ振動絶縁装置に関する。
従来より、舶用機関や陸上の機械類等の制御対象物は、その制御対象物の可動部分から出る振動(以下、「変位」ともいう。)を支持部側へ伝えないように振動絶縁して支持されている。このように制御対象物を振動絶縁する一般的な方法としては、制御対象物を防振ゴムで支持することにより、この防振ゴムの防振効果によって振動絶縁する方法がある。しかし、防振ゴムは、重量物(例えば、数十トン〜数百トン程度)を支持する場合には防振ゴム自身の変形を防ぐために硬くしなければならず、使用条件によっては振動絶縁効果を発揮できない場合がある。
そのため、様々な使用条件に適用可能で高い振動絶縁効果を発揮できる支持方法として、空気ばねを用いた振動絶縁装置を用いる場合がある。しかし、空気ばねの場合、制御対象物に大きな荷重変化を生じた場合には空気ばねが容易に変位する。例えば、荷重が小さくなれば空気ばねは伸び、荷重が大きくなれば空気ばねは縮む。そのため、船舶の減速装置のように、重量物であり船体に動揺等が生じても出力軸の位置が変位するのを避けたい制御対象物の場合、空気ばねの変位を抑えるために空気ばね内の圧力を調整することによって定位置を保つようにしたものがある。
しかし、この空気ばねを用いても、制御対象物に生じる大きな振動(低周波振動)から小さな振動(高周波振動)までの広範囲を振動絶縁することは難しい。
そこで、空気ばねを用いて制御対象物の振動絶縁を図ろうとする従来技術として、例えば、空気ばねとアクチュエータとを並列に設けて制御対象物を支持し、制御対象物の大変位はレベル検出機構で検出して圧力調整弁で空気ばねを制御する機械制御系で行い、微小変位は振動センサと変位センサとで検出してアクチュエータで制御する電気制御系で行うことにより、各制御を別々に分担することによって振動絶縁性を総合的に向上させようとするものがある(例えば、特許文献1参照。)。
また、他の従来技術として、空気ばねとアクチュエータとを直列に設けて制御対象物を支持し、振動センサで検出した振動信号によりアクチュエータを駆動して制御対象物を加振することによって制御対象物の振動を低減させるようにし、このアクチュエータを加振方向と直交する方向に防振材で支持することにより振動絶縁性能を向上させようとするものもある(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、他の従来技術として、電気空圧アナログ弁から空気ばねへの出力配管の流体抵抗を、電気空圧アナログ弁の排気配管の流体抵抗よりも小さくするように配管系を構築することによって、電気空圧アナログ弁に供給される空気圧力を一定に制御し、空気ばねの空圧制御の精度を高めて振動絶縁性能を向上させようとするものもある(例えば、特許文献3参照。)。
また、他の従来技術として、制御対象物に設けた振動センサと変位センサとからの信号により、電気空圧アナログ弁によって空気ばねの内圧を制御する変位制御ループを形成することによって変位応答性を良好にして振動絶縁性能を向上させようとするものもある(例えば、特許文献4参照。)。
特開平4−262144号公報(第3,5頁、図1) 特開平4−262145号公報(第2頁、図1) 特開平6−42585号公報(第3頁、図1) 特開平6−66346号公報(第3頁、図1)
ところで、一般に、様々な使用条件で使用する場合には空気ばねの方が防振ゴムよりも振動絶縁に有利であると考えられる。しかし、その使用条件によっては、ある周波数帯域で空気ばねの方が防振ゴムよりも振動絶縁効果が悪くなる場合があることを本出願人が発見した。
図5は、空気ばねと防振ゴムとにおける周波数の変化と絶対動ばね常数の変化とを示すグラフである。このグラフは、本出願人が、前記した防振ゴムと空気ばねとの振動絶縁効果をテストしたものである。防振ゴムと空気ばねとを振動させた周波数を横軸に示し、その時に測定した絶対動ばね定数を縦軸に示している。周波数としては、950Hz付近まで測定している。なお、絶対動ばね定数は測定結果の傾向のみを示している。「*」は定格荷重として800kgfを負荷させた防振ゴムであり、「+」は内圧を大気圧とした空気ばねであり、「□」は定格荷重として800kgfを負荷させた空気ばねである。
このグラフに示すように、「*」で示す防振ゴムの場合、200Hz付近で絶対動ばね定数が大きくなるが、400Hz付近を超えると小さくなることが分かる。これに対し、「+」で示す内圧が大気圧の空気ばねの場合、周波数が変動しても常に小さい動ばね定数を保つことができることが分かる。しかし、「□」で示す負荷された空気ばねの場合、300Hz付近と比較的高い650Hz付近と950Hz付近とで絶対動ばね定数が大きくなることが分かる。このような測定結果から、空気ばねで制御対象物を支持する場合、重量物の制御対象物を支持して負荷が作用すると、周波数によっては効果的に振動を絶縁できない部分があることが分かる。この振動としては、周波数が高いので数μm〜数百μm程度の振幅で生じる。
そして、このように振動を絶縁できない周波数の振動は、図6(a),(b) に示す空気ばねの断面図のように、内圧によって空気ばね51を構成するベローズ52の補強コード53や内外層ゴム54の影響が大きくなり、動ばね定数が高くなって振動絶縁効果が理論値より低下してしまい、制御対象物55の振動がベローズ52を介して支持部側56に伝わってしまうことによって生じることが分かった。
このような振動が支持部側に伝わると、制御対象物55からの振動を広範囲にわたって絶縁しなければならない場合に安定して振動絶縁することができないので、支持部56側で精密検査等を行うようなものの場合、高い振動絶縁効果を得ることができず、安定した精密検査等ができなくなる。例えば、上述した船舶の減速装置の場合、使用条件によっては数十〜数百Hz付近の振動が生じるので、船舶が調査船のように小さな振動も絶縁して自船から出る雑音を極力抑えたい場合には、その調査に悪影響を及ぼす場合がある。
このような課題に対し、前記特許文献1では、空気ばねと並列に設けたアクチュエータで制御対象物を直接制御しているため、制御対象物が重量物である場合には、その制御対象物を直接制御できるような大型のアクチュエータが必要になり、しかも、アクチュエータの構造によってはこのアクチュエータを経て振動が支持側に伝搬する場合があり、安定した振動絶縁効果を発揮するのは難しい。
また、前記特許文献2では、空気ばねと直列に設けたアクチュエータによって常に空気ばねと同一の負荷を支持する必要があり、大荷重に耐えられるようなアクチュエータが必要になるとともに、微小変位(振動)に追従して振動絶縁することは難しい。
なお、前記特許文献3,4は、電気空圧アナログ弁による制御に関するものであり、本願発明のように空気ばねとアクチュエータとを用いて制御対象物の振動絶縁を図ろうとするものではなく、本願発明のように広い周波数の範囲で振動絶縁効果を向上させることはできない。
しかも、これらいずれの特許文献も、前記図5に示すように、空気ばねを用いた振動絶縁装置において、数十Hz以上の高周波の振動になると、前記したように空気ばねを構成する補強コードや内外層ゴムの影響が大きくなり、動ばね定数が高くなって振動絶縁効果が理論値より低下する、という課題を示唆したものがなく、この課題を解決できるものではない。
そこで、前記課題を解決するために、本願発明は、制御対象物側に位置する上面板と支持部側に位置する下面板とを設け、前記上面板の下面に空気ばねのベローズの上部を保持する保持部を設け、前記上面板と下面板との間に該ベローズの下部を保持する保持部を上面に設けた中間面板を設け、該中間面板と前記下面板との間に可撓性のシール部材を設けて該面板間をシールし、該下面板に中間面板又は下面板の振動を検出する検出器を設けるとともに、該検出器で検出した中間面板の振動方向と逆方向に該中間面板を振動させるアクチュエータを設けている。
また、前記アクティブ振動絶縁装置において、前記アクチュエータを電気アクチュエータで構成すれば、応答性が良く好ましい。
さらに、このアクティブ振動絶縁装置において、前記電気アクチュエータを圧電アクチュエータで構成すれば、より応答性が良く精密な動きが可能で、より好ましい。
また、これらのアクティブ振動絶縁装置において、前記制御対象物の変位に応じて前記ベローズ内の空気圧を制御する空気源装置を設けてもよい。
さらに、これらのアクティブ振動絶縁装置において、前記上面板と制御対象物との間に変位制御用アクチュエータを設けるようにしてもよい。
また、前記アクチュエータと下面板との間に可撓性部材を設けて該可撓性部材でアクチュエータを下面板に支持するようにしてもよい。
本願発明は、以上説明したような手段により、制御対象物の振動を空気ばねによる安定した振動絶縁と、空気ばねを介して支持部側に伝わる振動のアクチュエータによる安定して振動絶縁とで絶縁できるので、制御対象物から支持部側に伝わる振動を広範囲で安定して絶縁することが可能となる。
以下、本願発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本願発明の第1実施形態に係るアクティブ振動絶縁装置の主要部を示す縦断面図である。
図示するように、制御対象物1の下面には、この制御対象物1の下面に接する上面板2が設けられている。この上面板2の下面には、空気ばね3のベローズ4の上部を保持する保持部5が設けられている。この空気ばね3のベローズ4としては、中間に補強コードを有し、それをはさむ内外層ゴムとで構成されている(図6(b) 参照)。この保持部5は、ベローズ4の内側端部に設けられた補強ワイヤ6の部分を保持するような形状に形成されている。また、支持部7(据付台等)の上面には下面板8が設けられている。
一方、これら上面板2と下面板8との間に、前記空気ばね3のベローズ4の下部を保持する中間面板9が設けられている。この中間面板9には、前記ベローズ4の下部を保持する保持部10が上面に設けられている。この保持部10も、ベローズ4の内側端部に設けられた補強ワイヤ6の部分を保持するような形状に形成されている。この中間面板9は、前記下面板8との間が可撓性のシール部材11によってシールされた状態で設けられている。このシール部材11はリング状ゴムで形成されている。
そして、このシール部材11の外周側には、このシール部材11と並列に、中間面板9の振動と逆方向にこの中間面板9を振動させるアクチュエータ12が設けられている。このアクチュエータ12は、シール部材11の外周に所定角毎に設けられており、例えば、60℃角のピッチで6個が設けられる。また、このアクチュエータ12は、前記下面板8に設けられた検出器13によって検出された中間面板9の振動に応じて作動するように構成されており、この検出器13で検出された中間面板9の振動ができるだけ小さくなるように、アクチュエータ12を中間面板9の振動方向と逆方向に振動させるように制御される。この検出器13としては、前記中間面板9又は下面板8の微小振動を検出できるものであればよいが、例えば、中間面板9又は下面板8の微小振動を応答性よく検出できる加速度センサ等が用いられる。
また、前記アクチュエータ12としては、この検出器13で検出した微小振動と逆方向に中間面板9を振動させることができるものであればよいが、例えば、圧電アクチュエータ等の電気アクチュエータが用いられる。このアクチュエータ12としては、制御対象物1の質量や振動数、空気ばね3の仕様等に応じて決定すればよく、振動絶縁したい周波数に応じて、油圧、空圧、電気等の各アクチュエータが採用される。
前記電気アクチュエータ12を採用した場合、数百Hzの高周波の微振幅に対しても高い応答性と超精密な動き、強い力を発揮することができるので好ましい。この電気アクチュエータ12としては、電気の入力エネルギーを変位・力に変換する圧電セラミックスを応用した圧電アクチュエータが好ましく、特に、変形の度合の大きい強誘電体セラミックス等の誘電体に電界を印加すると電界誘起ひずみと呼ばれる変形が生じる圧電アクチュエータが好ましい。なお、圧電アクチュエータとしては、単板形、積層形、その他、圧電セラミックスを用いたピエゾアクチュエータ等、使用条件に応じて好ましい形態を採用すればよい。
さらに、この実施形態では、空気ばね3の内圧を調整する圧縮空気供給路14が下面板8のほぼ中央に設けられている。この圧縮空気供給路14から空気ばね3内の空気圧を調整することにより、制御対象物1の変位を最小限に抑えるように構成されている。
これらによって構成されたアクティブ振動絶縁装置15が、制御対象物1と支持部7との間に設けられ、制御対象物1の振動絶縁が図られている。
図2は図1に示す第1実施形態に係るアクティブ振動絶縁装置で制御対象物を支持した状態を示す全体構成図である。この例の制御対象物1は内部に回転体(例えば、エンジン、減速機等)が設けられたものであり、この制御対象物1を前記図1に示すアクティブ振動絶縁装置15によって支持している。この図では支持部が据付台16となっている。なお、図1と同一の構成には、同一符号を付して説明する。
図示するように、制御対象物1の側部には、この制御対象物1内に設けられた回転体から回転数検出部17が横方向に突出しており、この回転数検出部17の回転パルスが回転パルス検出器18によって検出されている。この制御対象物1の下面は、図の紙面幅方向及び垂直方向に設けられた4個のアクティブ振動絶縁装置15によって据付台16に支持されている。この例では据付台16にアクティブ振動絶縁装置15の下面板8が埋め込まれている。このアクティブ振動絶縁装置15に設けられた空気ばね3は、内部の空気圧が空気源装置19から供給される圧縮空気によって調整されている。この空気源装置19は、内部に空気圧縮機や給排気機構等が設けられている。また、複数のアクティブ振動絶縁装置15における空気ばね3内の圧力を個々独立して調整することができるように構成されている。
また、制御対象物1と据付台16との間には、これらの間の変位を計測する変位計測器20が設けられている。この変位計測器20としては、直動型の変位計が用いられている。この図では1個所に設けられているが、複数個所で制御対象物1の変位を計測するように構成されている。
これら回転パルス検出器18と変位計測器20とで検出した回転パルスと変位とは、制御装置21に入力されている。さらに、下面板8に設けられた検出器13によって検出された中間面板9又は下面板8の微小振動信号も信号線23を介して制御装置21に入力されている。この制御装置21と前記空気源装置19とは、信号線24を介して相互に信号の送受信が可能なように構成されている。
そして、これらの入力されたデータに基き、前記空気源装置19によって空気ばね3の内圧が調整される。この調整としては、変位計測器20から制御装置21に入力された信号に基いて、その変位とは逆方向に制御対象物1を変位させるように調整される。例えば、制御対象物1が下方に変位した場合には空気ばね3内の圧力を上げることによって制御対象物1の下降を抑え、制御対象物1が上方に変位した場合には空気ばね3内の圧力を下げることによって制御対象物1の上昇を抑えるように調整される。また、この空気ばね3内の圧力コントロールとともに、検出器13から制御装置21に入力された微小振動信号に基いて、この検出された中間面板9の振動ができるだけ小さくなるようにアクチュエータ12を逆方向に振動させる制御信号が制御装置21から信号線22を介してアクチュエータ12に出力される。これらがフィードバック制御である。
一方、回転パルス検出器18と変位計測器20とから制御装置21に入力された信号に基いて、制御対象物1の変位や振動を予測して制御対象物1に変位が生じないような制御信号が空気源装置19に供給されるとともに、この空気源装置19によって調整された空気ばね3の内圧信号が制御装置21に送られてアクチュエータ12に中間面板9の振動を抑えるような制御信号が出力される。これはフィードフォワード制御である。
つまり、変位計測器20からの変位信号に基づくフィードバック制御と、回転パルス検出器18からの回転パルスと変位計測器20からの変位信号とから制御装置21で制御対象物1の実変位とその後の変位を予測し、制御対象物1が所定の位置を保つように空気ばね3内の空気圧を空気源装置19で調整するフィードフォワード制御とによって、制御対象物1の変位が抑えられる。
そして、このように制御対象物1の変位を抑えた状態で、空気ばね3のベローズ4を介して伝わるような微少な振動によって中間面板9又は下面板8に生じる振動が検出器13によって検出され、この振動がゼロになるように制御装置21から信号線22を介してアクチュエータ12に逆方向の振動信号が出力される。この信号により、中間面板9の振動方向と逆方向にアクチュエータ12で中間面板9を振動させるので、中間面板9に生じる微小振動が絶縁され、据付台16(支持部側)に伝わる振動を絶縁することができる。
従って、制御対象物1から据付台16に伝わる低・中周波数の振動(変位)は空気ばね3によって絶縁され、この空気ばね3のベローズ4を介して伝わる高周波数の振動はアクチュエータ12によって絶縁されるので、据付台16(支持側)に伝わる振動を低周波領域から高周波領域までにわたり高レベルで振動絶縁効果を発揮することが可能となる。
このことは、上述した図5に示す空気ばねと防振ゴムとにおける周波数の変化と絶対動ばね常数の変化とを示すグラフにおいて、「□」で示す空気ばね3による防振効果を保ちつつ、このグラフにおいて約400Hzを超える高周波数域での振動を、中間面板9をアクチュエータ12で振動と逆方向に振動させることにより、この中間面板9から支持側に伝わらないように絶縁するので、広範囲にわたり空気ばね3によって安定した振動絶縁を図ることができる。
しかも、このアクチュエータ12を電気アクチュエータで構成することにより、アクチュエータの推力、ストロークを小さくすることができ、アクチュエータ12の小型化を図ることができる。
なお、空気ばね3内の空気圧を調整する手段としては、圧力調整弁や電空アナログ弁等を用いて調整することにより、更に高い振動絶縁効果を得ることができる。これらは使用条件や振動絶縁の条件等に応じて決定すればよい。
また、この実施形態ではフィードバック制御とフィードフォワード制御とを行う例を示したが、フィードバック制御のみでも制御可能であり、制御対象物1や使用条件等に応じて決定すればよい。
図3は本願発明の第2実施形態に係るアクティブ振動絶縁装置の主要部を示す縦断面図である。この第2実施形態は、上述した第1実施形態に係るアクティブ振動絶縁装置15の中間面板9と下面板8との間に設けられたシール部材11とアクチュエータ12とに関する構成が異なっている。なお、上述した第1実施形態と同一の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図示するように、中間面板9と下面板8との間の外周側にシール部材25が設けられている。このシール部材25も、リング状ゴムで形成されており、上述した第1実施形態に係るシール部材11よりも高いシール部材25が設けられている。
そして、このシール部材25の内周側にアクチュエータ12が設けられている。このアクチュエータ12は、下面板8の上部に設けられたリング状の可撓性部材26上に設けられており、この可撓性部材26と中間面板9との間に設けられている。この可撓性部材26は、ゴム等の材料で形成される。この実施形態のアクチュエータ12も電気アクチュエータが好ましく、例えば、圧電アクチュエータが用いられる。
この第2実施形態でも、空気ばね3内の空気圧を調整するための圧縮空気供給路14が下面板8のほぼ中央に設けられている。この空気圧調整は、上述した図2に示す空気源装置19によって調整される。
このように構成された第2実施形態のアクティブ振動絶縁装置27によれば、制御対象物1の低周波数の振動は空気ばね3によって効果的に絶縁し、空気ばね3のベローズ4を伝わる高周波数の振動は、検出器13で中間面板9の振動を検出し、この振動と逆方向にアクチュエータ12で中間面板9を振動させることにより絶縁することができる。
しかも、この第2実施形態によれば、アクチュエータ12が可撓性部材26上に設けられているので、このアクチュエータ12によって絶縁する周波数以外の振動がアクチュエータ本体を伝わったとしても、可撓性部材26が変形することによって絶縁できるので、振動がアクチュエータ12から下面板8に伝わるのを抑えることができる。
つまり、この第2実施形態によれば、上述した第1実施形態に比べ、アクチュエータ12を支持する可撓性部材26の部分でも振動絶縁できるので、空気ばね3からベローズ4を介して伝わる振動をより広範囲で振動絶縁することが可能となる。
図4は本願発明の第3実施形態に係るアクティブ振動絶縁装置の主要部を示す縦断面図である。この第3実施形態は、上述した第1実施形態に係るアクティブ振動絶縁装置15の空気ばね3と制御対象物1との間に、この制御対象物1の変位制御用アクチュエータ12を直列に設けた構成が異なっている。なお、上述した第1実施形態と同一の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図示するように、この実施形態ではアクティブ振動絶縁装置29の上面板2と制御対象物1との間に変位制御用アクチュエータ28が設けられている。この変位制御用アクチュエータ28は、制御対象物1が大きく変位しようとした時に空気ばね3の内圧をコントロールする機能を備えている。この機能は、上述した図2に示す空気源装置19による空気ばね3内の圧力コントロールと同様であり、制御対象物1の変位に応じて調整される。他の構成は上述した第1実施形態と同一である。
このように構成された第3実施形態のアクティブ振動絶縁装置29によれば、制御対象物1の低周波数の振動(大きな変位)は変位制御用アクチュエータ28によって空気ばね3内の内圧を調整することによって絶縁し、この空気ばね3のベローズ4を介して中間面板9に伝わる高周波の振動は、ベローズ4の下部を保持する中間面板9又は下面板8の振動を検出器13で検出して、その振動と逆方向に中間面板9をアクチュエータ12で振動させることによって絶縁することができる。
以上のように、上述したいずれの実施形態においても、制御対象物1からの大きな振動を空気ばね3によって効果的に絶縁することができるとともに、この空気ばね3のベローズ4を介して伝わる高周波の振動を、ベローズ4の下部を保持する中間面板9を下面板8とは離して設け、この中間面板9に伝わる振動をアクチュエータ12で逆方向の振動を与えることによって振動絶縁することができるので、制御対象物1の振動を高周波領域までにわたって効果的に絶縁して広範囲にわたる振動絶縁効果を発揮することができる。
しかも、このように振動絶縁するためのアクチュエータ12は、重量物である制御対象物1を直接支持するのではなく、この制御対象物1の質量は空気ばね3によって支持し、空気ばね3のベローズ4の下部を保持する中間面板9の質量とこの中間面板9に作用する内圧分の荷重(例えば、数十kg〜数百kg程度)を支持するだけでよいので、小さなアクチュエータ12で効果的な振動絶縁を図ることができる。つまり、ばね下の質量のみをアクチュエータ12で支持するようにしている。このことは、アクティブ振動絶縁装置に要する費用も抑えることができる。
従って、小さな振動も支持側に伝えたくないような仕様条件下においては、非常に効果的に振動絶縁を図ることができる。
なお、上述した実施形態では、電気アクチュエータ12を用いた例を説明したが、制御対象物1の質量や振動数等によっては油圧アクチュエータや空圧アクチュエータを用いても良く、アクチュエータ12は電気アクチュエータに限定されるものではない。
また、検出器13で中間面板9又は下面板8のいずれの振動を検出するかは、制御対象物1や下面板8を設ける支持部7の構成に応じて、中間面板9又は下面板8のいずれの振動を絶縁すべきかで決定すればよい。
さらに、上述した実施形態は最良の実施形態の一例を示しており、本願発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本願発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
本願発明に係るアクティブ振動絶縁装置は、微細な振動も極力絶縁したい制御対象物を支持する場合に有用であり、特に積極的に微細な振動も絶縁しなければならない制御対象物の支持に好適である。
本願発明の第1実施形態に係るアクティブ振動絶縁装置の主要部を示す縦断面図である。 図1に示すアクティブ振動絶縁装置で制御対象物を支持した状態を示す全体構成図である。 本願発明の第2実施形態に係るアクティブ振動絶縁装置の主要部を示す縦断面図である。 本願発明の第3実施形態に係るアクティブ振動絶縁装置の主要部を示す縦断面図である。 空気ばねと防振ゴムとにおける周波数の変化と絶対動ばね常数の変化とを示すグラフである。 従来の空気ばねを示す断面図であり、(a) は全体断面図、(b) はベローズの断面図である。
符号の説明
1…制御対象物
2…上面板
3…空気ばね
4…ベローズ
5…保持部
6…補強ワイヤ
7…支持部
8…下面板
9…中間面板
10…保持部
11…シール部材
12…アクチュエータ
13…検出器
14…圧縮空気供給路
15…アクティブ振動絶縁装置
16…据付台
17…回転数検出部
18…回転パルス検出器
19…空気源装置
20…変位計測器
21…制御装置
22…信号線
23…信号線
24…信号線
25…シール部材
26…可撓性部材
27…アクティブ振動絶縁装置
28…変位制御用アクチュエータ
29…アクティブ振動絶縁装置

Claims (6)

  1. 制御対象物側に位置する上面板と支持部側に位置する下面板とを設け、前記上面板の下面に空気ばねのベローズの上部を保持する保持部を設け、前記上面板と下面板との間に該ベローズの下部を保持する保持部を上面に設けた中間面板を設け、該中間面板と前記下面板との間に可撓性のシール部材を設けて該面板間をシールし、該下面板に中間面板又は下面板の振動を検出する検出器を設けるとともに、該検出器で検出した中間面板の振動方向と逆方向に該中間面板を振動させるアクチュエータを設けたアクティブ振動絶縁装置。
  2. 前記アクチュエータを電気アクチュエータで構成した請求項1記載のアクティブ振動絶縁装置。
  3. 前記電気アクチュエータを圧電アクチュエータで構成した請求項2記載のアクティブ振動絶縁装置。
  4. 前記制御対象物の変位に応じて前記ベローズ内の空気圧を制御する空気源装置を設けた請求項1〜3のいずれか1項に記載のアクティブ振動絶縁装置。
  5. 前記上面板と制御対象物との間に変位制御用アクチュエータを設けた請求項1〜3のいずれか1項に記載のアクティブ振動絶縁装置。
  6. 前記アクチュエータと下面板との間に可撓性部材を設けて該可撓性部材でアクチュエータを下面板に支持するようにした請求項1〜5のいずれか1項に記載のアクティブ振動絶縁装置。

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