JP2005214187A - 水力発電設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】
小さな動力で海水または河川水を利用した継続的な発電を行う水力発電設備を提供する。
【解決手段】
水力発電設備10の一部を構成する水力タービン12を地下の発電室11に設け、絞り管形状の導水管13により海水を水力タービン12に供給し、発電後の海水を同じく絞り管形状の揚水管14により、揚水ポンプ15を利用して海に戻すように構成した。これにより、揚水ポンプ15の小さな動力で、海水を利用した継続的な発電を行うことができる。
【選択図】図1

Description

この発明は、水力発電設備、詳しくは海水または河川水を地下の発電室に落とし込んで発電し、使用後の水を海または河川に戻す揚水の機能を併せもった水力発電設備に関する。
石油燃料や核燃料などが不要で、環境汚染のおそれがなく、天候や気孔に左右されることなく、安定した発電を実現可能な発電設備として、例えば本願出願人が先に提出した特許文献1のような海水を利用したものが知られている。
特許文献1は、海岸の浅瀬に設置され、海水を槽内に導く導水口が側板に形成され、底板に排水口が形成された集水槽と、海岸付近の地上に建築された発電所の水力タービンと、上流側の大径な開口部が集水槽の排水口に連通され、下流側の小径な開口部が水力タービンの動翼列の近傍に配された送水管とを備えた発電装置である。送水管は、側面視して略U字形状に湾曲し、下流に向かって徐々に先細り化した絞り管である。
海水は導水口を通して集水槽に流れ込み、その後、排水口から送水管を通して地下の発電室に落ちる。送水管は略U字形状である。そのため、海水は送水管の上流部をいったん地下に向かって下降し、その後、送水管の下流部に沿って上昇してから発電所の発電室に導入される。
このとき、送水管は絞り管であるので、海水は送水管の下流側に向かうほど徐々にその流速が高まる。そのため、導水口と排水口との高低差(落差)により発生した高圧水が、水力タービンの動翼列に吹き付けられることで、発電が行われる。使用後の海水は発電室の外に放水され、海面との高低差により海に戻される。
特開2001−132608号公報
このように、特許文献1の発電装置では、海水を海抜数メートルの発電所まで無動力で連続的に上昇させる揚水構造として、下流に向かうほど徐々に先細り化した略U字形状の送水管を採用していた。すなわち、所定の水圧が作用する海水を導水管に導き、この管内を流れる海水に対して絞り管による高速化を作用させることで、送水管の下流部を上昇する水圧を確保し、海面より上方の発電所まで送水可能な構成とした。集水槽を一種のポンプ容器と考えた場合、集水槽内の海水の水圧がポンプ圧となる。
しかしながら、実際には空の導水管に海水を導き始める発電開始当初は別とし、海水は導水管内の海面の高さまでしか上昇せず、地上の発電所で連続して水力タービンを回転させて発電することは困難であった。
この発明は、小さな動力で海水または河川水を利用した継続的な発電を行うことができる水力発電設備を提供することを目的としている。
また、この発明は、設備コストを抑え、発電所の出力を高めることができる水力発電設備を提供することを目的としている。
さらに、この発明は、サイホンの原理を応用し、永久機関にならず無動力で継続的な発電を行うことができる水力発電設備を提供するこを目的としている。
請求項1に記載の発明は、地下の発電室に収納された水力タービンと、海面下または河川水面下に取水口が配置され、排水口が前記水力タービンの近傍に配置され、しかも下流側に向かって徐々に先細り化した導水管と、流入口が前記発電室に連通され、流出口が海または河川に配置され、しかも下流側に向かって徐々に先細り化した揚水管と、該揚水管に設けられ、前記発電後の海水または河川水を海または河川に戻す揚水手段とを備えた水力発電設備である。
請求項1に記載の発明によれば、取水口から導水管に流入した海水または河川水は、導水管を通過して地下の発電室に落とし込まれる。その際、海水または河川水は導水管を通過中、その絞り管構造によって流速が高められ、その水が発電室内の水力タービンを高速回転させる。その結果、高出力の発電が行われる。発電後の海水または河川水は発電室から揚水管に流れ込む。このとき、揚水手段による揚水力と、絞り管構造による流速の増大化の作用により、海水または河川水は揚水管内を上昇して海または河川に戻される。
このように、揚水管に流れ込んだ海水または河川水は、揚水手段による揚水の作用で流速が補足され、さらに絞り管構造により流速を高めながら海または河川まで押し上げられる。その結果、揚水手段に使われる小さな動力だけで、連続的に発電を行うことができる。
水力タービンは、回転軸を中心にして回転自在な動翼列を有した水車で、その形状、大きさは限定されない。例えば、ベルトン水車、フランシス水車、プロペラ水車などを採用することができる。
水力発電用の水は海水でもよいし、河川水でもよい。その他、例えば湖水、ダムの水、溜め池の水などでもよい。
導水管および揚水管の各取水口の管径、排水口の管径、管の長さ(全長)、埋設状態での傾斜角度は限定されない。
揚水手段の構造は限定されない。例えば、渦巻きポンプ、軸流ポンプ、往復ポンプなどを採用することができる。
揚水管における揚水手段の取り付け位置は限定されない。ただし、揚水管の上流部から中央部の範囲が好ましい。
請求項2に記載の発明は、前記導水管は、前記取水口の管径が5.2m、排水口の管径が3m、長さが300m、埋設状態での傾斜角度が25〜30°である請求項1に記載の水力発電設備である。
請求項2に記載の発明によれば、導水管として、取水口の直径5.2m、排水口の直径3m、長さ300m、傾斜角度を25〜30°のものを採用したので、安価な構造で排水口から高速の海水または河川水を大量に水力タービンに吹き付けることができる。これにより、設備コストを抑え、海水または河川水による水力タービンの回転速度を最大限とし、発電所の出力を高めることができる。
請求項3に記載の発明は、前記揚水管の近傍には、揚水された海水または河川水の貯水場が設けられ、前記揚水管の下流部は、海面または河川面からいったん上方に突出した後、前記流出口が海面下または河川面下となるように貯水場に収納された請求項1または請求項2に記載の水力発電設備である。
請求項3に記載の発明によれば、揚水管はその下流部が、海面または河川面からいったん上方に突出した後、流出口が海面下または河川面下の所定位置に達するまで下方に湾曲している。そのため、サイホンの原理が作用し、発電後の海水または河川水を、地下の発電室から貯水場まで自動的に移送させることができる。その結果、永久機関にならず無動力で継続的な発電を行うことができる。
サイホンの構造は限定されない。ただし、導水管の取水口が海面下に存在し、揚水管の下流部が、海面または河川面からいったん上方に突出後、流出口が貯水場内の海面下または河川面下に配置されていればよい。なお、この構造は、導水管と揚水管とが略U字形状で地中に埋設されていることから、逆サイホン構造ともいえる。
貯水場としては、河川の場合には例えば溜め池、海の場合にはコンクリートブロックなどで区画された貯水槽などを採用することができる。
請求項1に記載の発明によれば、水力タービンを地下の発電室に設け、絞り管形状の導水管により海水または河川水を水力タービンに供給し、発電後の海水または河川水を同じく絞り管形状の揚水管により、揚水手段を利用して海または河川に戻すようにしたので、小さな動力で海水または河川水を利用した継続的な発電を行うことができる。
特に、請求項2に記載の発明によれば、取水口の直径が5.2m、排水口の直径が3m、長さが300m、傾斜角度が25〜30°の導水管を採用したので、設備コストを抑え、海水または河川水による水力タービンの回転速度を最大限とし、発電所の出力を高めることができる。
また、請求項3に記載の発明によれば、揚水管の近傍に貯水場を設け、揚水管の下流部を、いったん海面上または河川面上に突出させた後、流出口が海面下または河川面下となるように貯水場に収納させたので、サイホンの原理を応用し、永久機関にならず無動力で継続的な発電を行うことができる。
以下、この発明の実施例を参照して説明する。
図1において、10はこの発明の実施例1に係る水力発電設備で、地下に設けられた発電室11に収納された水力タービン12と、海面に取水口13aが配置され、排水口13bが水力タービン12の近傍に配置され、しかも下流側に向かって徐々に先細り化した導水管13と、流入口14aが発電室11に連通され、流出口14bが海に配置され、しかも下流側に向かって徐々に先細り化した揚水管14と、揚水管14に設けられ、発電後の海水を海に戻す揚水ポンプ(揚水手段)15とを備えている。
水力タービン12は、岸壁近くの地下数百メートルに建設された発電所16の発電室11に収納されている。発電所16の真上の地上には変電所17が配置されている。変電所17の制御室では、水力タービン12および揚水ポンプ15の運転操作と、後述する開閉扉18の開閉操作とも行われる。発電所16には、地上から作業者が出入りする図示しない連絡トンネルが連通されている。
水力タービン12としては、回転軸を中心にして回転自在な動翼列を有するベルトン水車が採用されている。
導水管13と揚水管14とは、一定距離だけ離間した状態で平行配置されている。したがって、発電室11の下部には、水力タービン12の排水口13bと、揚水管14の流入口14aとを垂直に連通する連通管19が設けられている。
導水管13は、海底付近に配置された取水口13aの管径aが5.2m、排水口13bの管径bが3m、長さが300mの絞り管である。取水口13aは、海面から5〜10mの深さに配置されている。そのため、引き潮時でも海面下が維持される。土中埋設状態での導水管13の傾斜角度θは25°である。導水管13の取水口13a付近には、導水管13を電動モータにより開閉操作する開閉扉18が内設されている。
揚水管14は、連通管19と連通した流入口14aの管径cが5.2m、取水口13aより数メートル上方に配置される流出口14bの管径dが3mである。また、土中埋設状態での揚水管14の傾斜角度は、導水管13と同じく25°である。揚水管14は、導水管13より数10m分だけ長い。
揚水ポンプ15としては、電動モータ15aによりスクリュー15bを回転させる軸流ポンプが採用されている。
次に、この発明の実施例1に係る水力発電設備10を利用した発電方法を説明する。
図1に示すように、発電開始時、変電所17からの指令により開閉扉18を開くと、取水口13aから導水管13に海水が流れ込む。これにより、海水は導水管13を通過して地下の発電室11に落とし込まれる。その際、海水は、取水口13aと排水口13bとの高低差から生じた位置エネルギーだけでなく、導水管13を通過中、その絞り管構造によってもその流速が高められる。高速で落とし込まれた海水により、発電室11内の水力タービン12がほぼ最大回転数で回転させられる。その結果、高出力の発電を行うことができる。発電後の海水は、発電室11から連通管19内を垂直に落下し、その後、方向転換して揚水管14に流れ込む。このとき、揚水ポンプ15による揚水力と、揚水管14の絞り管構造による流速の増大化の作用により、海水は揚水管14内を上昇して海に戻される。
このように、揚水管14内に流れ込んだ海水は、その流速が、揚水ポンプ15による揚水の作用により補足され、かつ絞り管構造により高まりながら海まで押し上げられる。その結果、揚水ポンプ15に使われる小さな動力だけで、連続的に発電を行うことができる。
また、実施例1では、導水管13として、取水口13aの直径が5.2m、排水口13bの直径が3m、長さ300m、傾斜角度θが25°のものを採用している。これにより、導水管13の排出口13bから180〜190km/hの速度で、80〜100t/secの海水が排出される。その結果、70万kwの発電を期待することができる。よって、設備コストを抑えて水力タービン12の回転速度を最大限とし、発電所16の出力を高めることができる。
また、フィルタを導水管13に設ければ、異物による水力タービン12の損傷を低減させることができる。
次に、図2を参照して、この発明の実施例2に係る水力発電設備を説明する。
図2に示すように、実施例2の水力発電設備10Aは、揚水管14にサイホンの原理を応用して、永久機関とならずに無動力で継続的な発電を行うことができるようにした例である。
具体的には、揚水管14の近傍に、揚水された海水を溜める貯水場20を設け、また揚水管14の下流部の形状を、海面からいったん上方に突出した後、流出口14bが海面下数mとなるように貯水場20に収納された略下向きU字形状としている。
貯水場20は、コンクリートブロックにより海岸付近に形成されている。その大きさは、略1日の発電に使用される海水を貯留可能な大きさである。ただし、これには限定されない。貯水場20の周壁は、満潮時に海水が貯水空間に流れ込まない高さを有している。また、底部には、引き潮時の海面ラインLの真上で、引き潮時に海面から露出する排水管21が連通されている。排水管21には開閉弁22が設けられている。
このように、揚水管14の下流部は、海面からいったん上方に突出した後、流出口14bが海面下の所定位置に達するまで下方に湾曲している。そのため、発電時には揚水管14にサイホンの原理が作用し、発電後の海水を地下の発電室11から貯水場20まで自動的に上昇させることができる。また、揚水管14の下流部は、海面からいったん上方に突出後、流出口14bが海面下に達するまで下方に湾曲している。そのため、貯水場20の排出後、水位が低下した貯水場20に海水を再流出させる際には、空気を巻き込んだ状態で揚水された海水が貯水場20の海面に落下する。このとき、海水に気泡が混入され、多量の酸素を海水に取り込むことができる。その結果、例えば貯水場20で魚介類を養殖したり海草を栽培する際に、これらの魚介類や海藻の発育をはやめることができる。サイホンの原理の作用後は、揚水ポンプ15を停止しても揚水を連続させることができる。その結果、永久機関を構成することなく、無動力で継続的な発電を行うことができる。
汲み上げられた海水は、いったん貯水場20に貯水される。貯水場20の海水は、引き潮時に開閉弁22を開くことで、排水管21を通して海に排水される。
その他の構成、作用および効果は、実施例1と同様であるので説明を省略する。
この発明の実施例1に係る水力発電設備の全体構成を示す縦断面図である。 この発明の実施例2に係る水力発電設備の全体構成を示す縦断面図である。
符号の説明
10,10A 水力発電設備、
11 発電室、
12 水力タービン、
13 導水管、
13a 取水口、
13b 排水口、
14 揚水管、
14a 流入口、
14b 流出口、
15 揚水ポンプ(揚水手段)、
20 貯水場。
この発明は水力発電設備、詳しくは海水を地下の発電室に落とし込んで発電し、使用後の水を海に戻す揚水の機能を併せもった水力発電設備に関する。
石油燃料や核燃料などが不要で、環境汚染のおそれがなく、天候に左右されることなく、安定した発電を実現可能な発電設備として、例えば本願出願人が先に提出した特許文献1のような海水を利用したものが知られている。
特許文献1は、海岸の浅瀬に設置され、海水を槽内に導く導水口が側板に形成され、底板に排水口が形成された集水槽と、海岸付近の地上に建築された発電所の水力タービンと、上流側の大径な開口部が集水槽の排水口に連通され、下流側の小径な開口部が水力タービンの動翼列の近傍に配された送水管とを備えた発電装置である。送水管は、側面視して略U字形状に湾曲し、下流に向かって徐々に先細り化した絞り管である。
海水は導水口を通して集水槽に流れ込み、その後、排水口から送水管を通して地下の発電室に落ちる。送水管は略U字形状である。そのため、海水は送水管の上流部をいったん地下に向かって下降し、その後、送水管の下流部に沿って上昇してから発電所の発電室に導入される。
このとき、送水管は絞り管であるので、海水は送水管の下流側に向かうほど徐々にその流速が高まる。そのため、導水口と排水口との高低差(落差)により発生した高圧水が、水力タービンの動翼列に吹き付けられることで、発電が行われる。使用後の海水は発電室の外に放水され、海面との高低差により海に戻される。
特開2001−132608号公報
このように、特許文献1の発電装置では、海水を海抜数メートルの発電所まで無動力で連続的に上昇させる揚水構造として、下流に向かうほど徐々に先細り化した略U字形状の送水管を採用していた。すなわち、所定の水圧が作用する海水を導水管に導き、この管内を流れる海水に対して絞り管による高速化を作用させることで、送水管の下流部を上昇する水圧を確保し、海面より上方の発電所まで送水可能な構成とした。集水槽を一種のポンプ容器と考えた場合、集水槽内の海水の水圧がポンプ圧となる。
しかしながら、実際には空の導水管に海水を導き始める発電開始当初は別とし、海水は導水管内の海面の高さまでしか上昇せず、地上の発電所で連続して水力タービンを回転させて発電することは困難であった。
この発明は、海水を利用した発電を行うことができる水力発電設備を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、取水域の海底より低い地下の発電室に設けられた水力タービンと、取水域の海面下に配置された取水口より取水した海水を供給して水力タービンを駆動する導水管と、貯水場と、水力タービンの駆動に用いられた海水を貯水場に戻す揚水管と、揚水管に設けられ水力タービンの駆動に用いられた海水を揚水管を介して揚水する揚水ポンプとを備えた水力発電設備である。
請求項1に記載の発明によれば、取水口から導水管に流入した海水は、導水管を通過して地下の発電室に落とし込まれる。その際、海水は発電室内の水力タービンを高速回転させる。その結果、高出力の発電が行われる。発電後の海水は発電室から揚水管に流れ込む。このとき、揚水ポンプによる揚水力により、海水は揚水管内を上昇して貯水場に戻される。
このように、揚水管に流れ込んだ海水は、揚水ポンプによる揚水の作用で、貯水場まで押し上げられる。その結果、連続的に発電を行うことができる。
水力タービンは、回転軸を中心にして回転自在な動翼列を有した水車で、その形状、大きさは限定されない。例えば、ぺルトン水車、フランシス水車、プロペラ水車などを採用することができる。
導水管および揚水管の各取水口の管径、排水口の管径、管の長さ(全長)、埋設状態での傾斜角度は限定されない。
揚水ポンプの構造は限定されない。例えば、渦巻きポンプ、軸流ポンプ、往復ポンプなどを採用することができる。
揚水管における揚水ポンプの取り付け位置は限定されない。ただし、揚水管の上流部から中央部の範囲が好ましい。
請求項2に記載の発明は、地下の発電室に収納された水力タービンと、海面下に取水口が配置され、排水口が水力タービンの近傍に配置され、先細り化した導水管と、流入口が発電室に連通され、流出口が海に配置され、先細り化した揚水管と、揚水管に設けられ、発電後の海水を海に戻す揚水ポンプとを備えた水力発電設備にあって、揚水管により揚水された海水を溜める貯水場を設け、貯水場の周壁は、満潮時に海水が貯水空間に流れ込まない高さを有し、その底部には、引き潮時に海面から露出する排水管が連通され、排水管には開閉弁が設けられ、揚水管の下流部は、貯水場の海面から上方に突出した後、流出口がこの海面下に達するまで下方に湾曲し、発電後の海水を地下の発電室から貯水場まで上昇させ、汲み上げられた海水は、いったん貯水場に貯水され、貯水場の海水は、引き潮時に開閉弁を開くことで、排水管を通して海に排水される水力発電設備である。
請求項2に記載の発明によれば、揚水管はその下流部が、海面からいったん上方に突出した後、流出口が海面下の所定位置に達するまで下方に湾曲している。そのため、発電後の海水を、地下の発電室から貯水場まで移送させることができる。貯水場の海水は、引き潮時に海に排水される。その結果、継続的な発電を行うことができる。
請求項3に記載の発明は、上記導水管は、上記取水口の管径が5.2m、排水口の管径が3m、長さが300m、埋設状態での傾斜角度が25〜30°である請求項2に記載の水力発電設備である。
請求項3に記載の発明によれば、導水管として、取水口の直径5.2m、排水口の直径3m、長さ300m、傾斜角度を25〜30°のものを採用したので、排水口から高速の海水を水力タービンに吹き付けることができる。これにより、海水による水力タービンの回転速度を最大限とし、発電所の出力を高めることができる。
貯水場としては、海の場合にはコンクリートブロックなどで区画された貯水槽などを採用することができる。
請求項1に記載の発明によれば、水力タービンを地下の発電室に設け、導水管により海水を水力タービンに供給し、発電後の海水を揚水管により、揚水ポンプを利用して貯水場に戻すようにしたので、海水を利用した継続的な発電を行うことができる
請求項2に記載の発明によれば、揚水管の近傍に貯水場を設け、揚水管の下流部を、いったん海面上に突出させた後、流出口が海面下となるように貯水場に収納させ、貯水場の海水を引き潮時に海に戻すので、継続的な発電を行うことができる。
請求項3に記載の発明によれば、取水口の直径が5.2m、排水口の直径が3m、長さが300m、傾斜角度が25〜30°の導水管を採用したので、設備コストを抑え、海水または河川水による水力タービンの回転速度を最大限とし、発電所の出力を高めることができる。
以下、この発明の実施例を参照して説明する。
図1において、10はこの発明の実施例1に係る水力発電設備で、地下に設けられた発電室11に収納された水力タービン12と、海面に取水口13aが配置され、排水口13bが水力タービン12の近傍に配置され、しかも下流側に向かって徐々に先細り化した導水管13と、流入口14aが発電室11に連通され、流出口14bが海に配置され、しかも下流側に向かって徐々に先細り化した揚水管14と、揚水管14に設けられ、発電後の海水を海に戻す揚水ポンプ(揚水手段)15とを備えている。
水力タービン12は、岸壁近くの地下数百メートルに建設された発電所16の発電室11に収納されている。発電所16の真上の地上には変電所17が配置されている。変電所17の制御室では、水力タービン12および揚水ポンプ15の運転操作と、後述する開閉扉18の開閉操作とも行われる。発電所16には、地上から作業者が出入りする図示しない連絡トンネルが連通されている。
水力タービン12としては、回転軸を中心にして回転自在な動翼列を有するペルトン水車が採用されている。
導水管13と揚水管14とは、一定距離だけ離間した状態で平行配置されている。したがって、発電室11の下部には、水力タービン12の排水口13bと、揚水管14の流入口14aとを垂直に連通する連通管19が設けられている。
導水管13は、海底付近に配置された取水口13aの管径aが5.2m、排水口13bの管径bが3m、長さが300mの絞り管である。取水口13aは、海面から5〜10mの深さに配置されている。そのため、引き潮時でも海面下が維持される。土中埋設状態での導水管13の傾斜角度θは25°である。導水管13の取水口13a付近には、導水管13を電動モータにより開閉操作する開閉扉18が内設されている。
揚水管14は、連通管19と連通した流入口14aの管径cが5.2m、取水口13aより数メートル上方に配置される流出口14bの管径dが3mである。また、土中埋設状態での揚水管14の傾斜角度は、導水管13と同じく25°である。揚水管14は、導水管13より数10m分だけ長い。
揚水ポンプ15としては、電動モータ15aによりスクリュー15bを回転させる軸流ポンプが採用されている。
次に、この発明の実施例1に係る水力発電設備10を利用した発電方法を説明する。
図1に示すように、発電開始時、変電所17からの指令により開閉扉18を開くと、取水口13aから導水管13に海水が流れ込む。これにより、海水は導水管13を通過して地下の発電室11に落とし込まれる。その際、海水は、取水口13aと排水口13bとの高低差から生じた位置エネルギーだけでなく、導水管13を通過中、その絞り管構造によってもその流速が高められる。高速で落とし込まれた海水により、発電室11内の水力タービン12がほぼ最大回転数で回転させられる。その結果、高出力の発電を行うことができる。発電後の海水は、発電室11から連通管19内を垂直に落下し、その後、方向転換して揚水管14に流れ込む。このとき、揚水ポンプ15による揚水力と、揚水管14の絞り管構造による流速の増大化の作用により、海水は揚水管14内を上昇して海に戻される。
このように、揚水管14内に流れ込んだ海水は、その流速が、揚水ポンプ15による揚水の作用により補足され、かつ絞り管構造により高まりながら海まで押し上げられる。その結果、揚水ポンプ15に使われる動力だけで、連続的に発電を行うことができる。
また、実施例1では、導水管13として、取水口13aの直径が5.2m、排水口13bの直径が3m、長さ300m、傾斜角度θが25°のものを採用している。これにより、導水管13の排出口13bから180〜190km/hの速度で、80〜100t/secの海水が排出される。その結果、70万kwの発電を期待することができる。よって、設備コストを抑えて水力タービン12の回転速度を最大限とし、発電所16の出力を高めることができる。
また、フィルタを導水管13に設ければ、異物による水力タービン12の損傷を低減させることができる。
次に、図2を参照して、この発明の実施例2に係る水力発電設備を説明する。
図2に示すように、実施例2の水力発電設備10Aは、継続的な発電を行うことができるようにした例である。
具体的には、揚水管14の近傍に、揚水された海水を溜める貯水場20を設け、また揚水管14の下流部の形状を、海面からいったん上方に突出した後、流出口14bが海面下数mとなるように貯水場20に収納された略下向きU字形状としている。
貯水場20は、コンクリートブロックにより海岸付近に形成されている。その大きさは、略1日の発電に使用される海水を貯留可能な大きさである。ただし、これには限定されない。貯水場20の周壁は、満潮時に海水が貯水空間に流れ込まない高さを有している。また、底部には、引き潮時の海面ラインLの真上で、引き潮時に海面から露出する排水管21が連通されている。排水管21には開閉弁22が設けられている。
このように、揚水管14の下流部は、海面からいったん上方に突出した後、流出口14bが海面下の所定位置に達するまで下方に湾曲している。そのため、発電時には揚水管14により、発電後の海水を地下の発電室11から貯水場20まで上昇させることができる。また、揚水管14の下流部は、海面からいったん上方に突出後、流出口14bが海面下に達するまで下方に湾曲している。そのため、貯水場20の排出後、水位が低下した貯水場20に海水を再流出させる際には、空気を巻き込んだ状態で揚水された海水が貯水場20の海面に落下する。このとき、海水に気泡が混入され、多量の酸素を海水に取り込むことができる。その結果、例えば貯水場20で魚介類を養殖したり海草を栽培する際に、これらの魚介類や海藻の発育をはやめることができる。
汲み上げられた海水は、いったん貯水場20に貯水される。貯水場20の海水は、引き潮時に開閉弁22を開くことで、排水管21を通して海に排水される。
その他の構成、作用および効果は、実施例1と同様であるので説明を省略する。
この発明の実施例1に係る水力発電設備の全体構成を示す縦断面図である。 この発明の実施例2に係る水力発電設備の全体構成を示す縦断面図である。
符号の説明
10,10A 水力発電設備、
11 発電室、
12 水力タービン、
13 導水管、
13a 取水口、
13b 排水口、
14 揚水管、
14a 流入口、
14b 流出口、
15 揚水ポンプ(揚水手段)、
20 貯水場。
この発明は水力発電設備、詳しくは海水を地下の発電室に落とし込んで発電し、使用後の水を海に戻す揚水の機能を併せもった水力発電設備に関する。
石油燃料や核燃料などが不要で、環境汚染のおそれがなく、天候に左右されることなく、安定した発電を実現可能な発電設備として、例えば本願出願人が先に提出した特許文献1のような海水を利用したものが知られている。
特許文献1は、海岸の浅瀬に設置され、海水を槽内に導く導水口が側板に形成され、底板に排水口が形成された集水槽と、海岸付近の地上に建築された発電所の水力タービンと、上流側の大径な開口部が集水槽の排水口に連通され、下流側の小径な開口部が水力タービンの動翼列の近傍に配された送水管とを備えた発電装置である。送水管は、側面視して略U字形状に湾曲し、下流に向かって徐々に先細り化した絞り管である。
海水は導水口を通して集水槽に流れ込み、その後、排水口から送水管を通して地下の発電室に落ちる。送水管は略U字形状である。そのため、海水は送水管の上流部をいったん地下に向かって下降し、その後、送水管の下流部に沿って上昇してから発電所の発電室に導入される。
このとき、送水管は絞り管であるので、海水は送水管の下流側に向かうほど徐々にその流速が高まる。そのため、導水口と排水口との高低差(落差)により発生した高圧水が、水力タービンの動翼列に吹き付けられることで、発電が行われる。使用後の海水は発電室の外に放水され、海面との高低差により海に戻される。
特開2001−132608号公報
このように、特許文献1の発電装置では、海水を海抜数メートルの発電所まで無動力で連続的に上昇させる揚水構造として、下流に向かうほど徐々に先細り化した略U字形状の送水管を採用していた。すなわち、所定の水圧が作用する海水を導水管に導き、この管内を流れる海水に対して絞り管による高速化を作用させることで、送水管の下流部を上昇する水圧を確保し、海面より上方の発電所まで送水可能な構成とした。集水槽を一種のポンプ容器と考えた場合、集水槽内の海水の水圧がポンプ圧となる。
しかしながら、実際には空の導水管に海水を導き始める発電開始当初は別とし、海水は導水管内の海面の高さまでしか上昇せず、地上の発電所で連続して水力タービンを回転させて発電することは困難であった。
この発明は、海水を利用した発電を行うことができる水力発電設備を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、地下の発電室に収納された水力タービンと、海面下に取水口が配置され、排水口が水力タービンの近傍に配置され、先細り化した導水管と、流入口が発電室に連通され、流出口が海に配置され、先細り化した揚水管と、揚水管に設けられ、発電後の海水を海に戻す揚水ポンプとを備えた水力発電設備にあって、揚水管により揚水された海水を溜める貯水場を設け、貯水場の周壁は、満潮時に海水が貯水空間に流れ込まない高さを有し、その底部には、引き潮時に海面から露出する排水管が連通され、排水管には開閉弁が設けられ、揚水管の下流部は、貯水場の海面から上方に突出した後、流出口がこの海面下に達するまで下方に湾曲し、発電後の海水を地下の発電室から貯水場まで上昇させ、汲み上げられた海水は、いったん貯水場に貯水され、貯水場の海水は、引き潮時に開閉弁を開くことで、排水管を通して海に排水される水力発電設備である。
水力タービンは、回転軸を中心にして回転自在な動翼列を有した水車で、その形状、大きさは限定されない。例えば、ぺルトン水車、フランシス水車、プロペラ水車などを採用することができる。
導水管および揚水管の各取水口の管径、排水口の管径、管の長さ(全長)、埋設状態での傾斜角度は限定されない。
揚水ポンプの構造は限定されない。例えば、渦巻きポンプ、軸流ポンプ、往復ポンプなどを採用することができる。
揚水管における揚水ポンプの取り付け位置は限定されない。ただし、揚水管の上流部から中央部の範囲が好ましい。
請求項1に記載の発明によれば、揚水管はその下流部が、海面からいったん上方に突出した後、流出口が海面下の所定位置に達するまで下方に湾曲している。そのため、発電後の海水を、地下の発電室から貯水場まで移送させることができる。貯水場の海水は、引き潮時に海に排水される。その結果、継続的な発電を行うことができる。
請求項2に記載の発明は、上記導水管は、上記取水口の管径が5.2m、排水口の管径が3m、長さが300m、埋設状態での傾斜角度が25〜30°である請求項1に記載の水力発電設備である。
請求項2に記載の発明によれば、導水管として、取水口の直径5.2m、排水口の直径3m、長さ300m、傾斜角度を25〜30°のものを採用したので、排水口から高速の海水を水力タービンに吹き付けることができる。これにより、海水による水力タービンの回転速度を最大限とし、発電所の出力を高めることができる。
貯水場としては、海の場合にはコンクリートブロックなどで区画された貯水槽などを採用することができる。
請求項1に記載の発明によれば、揚水管の近傍に貯水場を設け、揚水管の下流部を、いったん海面上に突出させた後、流出口が海面下となるように貯水場に収納させ、貯水場の海水を引き潮時に海に戻すので、継続的な発電を行うことができる。
請求項2に記載の発明によれば、取水口の直径が5.2m、排水口の直径が3m、長さが300m、傾斜角度が25〜30°の導水管を採用したので、設備コストを抑え、海水または河川水による水力タービンの回転速度を最大限とし、発電所の出力を高めることができる。
以下、この発明の実施例、参考例を参照して説明する。
図1において、10はこの発明の参考例に係る水力発電設備で、地下に設けられた発電室11に収納された水力タービン12と、海面に取水口13aが配置され、排水口13bが水力タービン12の近傍に配置され、しかも下流側に向かって徐々に先細り化した導水管13と、流入口14aが発電室11に連通され、流出口14bが海に配置され、しかも下流側に向かって徐々に先細り化した揚水管14と、揚水管14に設けられ、発電後の海水を海に戻す揚水ポンプ(揚水手段)15とを備えている。
水力タービン12は、岸壁近くの地下数百メートルに建設された発電所16の発電室11に収納されている。発電所16の真上の地上には変電所17が配置されている。変電所17の制御室では、水力タービン12および揚水ポンプ15の運転操作と、後述する開閉扉18の開閉操作とも行われる。発電所16には、地上から作業者が出入りする図示しない連絡トンネルが連通されている。
水力タービン12としては、回転軸を中心にして回転自在な動翼列を有するペルトン水車が採用されている。
導水管13と揚水管14とは、一定距離だけ離間した状態で平行配置されている。したがって、発電室11の下部には、水力タービン12の排水口13bと、揚水管14の流入口14aとを垂直に連通する連通管19が設けられている。
導水管13は、海底付近に配置された取水口13aの管径aが5.2m、排水口13bの管径bが3m、長さが300mの絞り管である。取水口13aは、海面から5〜10mの深さに配置されている。そのため、引き潮時でも海面下が維持される。土中埋設状態での導水管13の傾斜角度θは25°である。導水管13の取水口13a付近には、導水管13を電動モータにより開閉操作する開閉扉18が内設されている。
揚水管14は、連通管19と連通した流入口14aの管径cが5.2m、取水口13aより数メートル上方に配置される流出口14bの管径dが3mである。また、土中埋設状態での揚水管14の傾斜角度は、導水管13と同じく25°である。揚水管14は、導水管13より数10m分だけ長い。
揚水ポンプ15としては、電動モータ15aによりスクリュー15bを回転させる軸流ポンプが採用されている。
次に、この発明の参考例に係る水力発電設備10を利用した発電方法を説明する。
図1に示すように、発電開始時、変電所17からの指令により開閉扉18を開くと、取水口13aから導水管13に海水が流れ込む。これにより、海水は導水管13を通過して地下の発電室11に落とし込まれる。その際、海水は、取水口13aと排水口13bとの高低差から生じた位置エネルギーだけでなく、導水管13を通過中、その絞り管構造によってもその流速が高められる。高速で落とし込まれた海水により、発電室11内の水力タービン12がほぼ最大回転数で回転させられる。その結果、高出力の発電を行うことができる。発電後の海水は、発電室11から連通管19内を垂直に落下し、その後、方向転換して揚水管14に流れ込む。このとき、揚水ポンプ15による揚水力と、揚水管14の絞り管構造による流速の増大化の作用により、海水は揚水管14内を上昇して海に戻される。
このように、揚水管14内に流れ込んだ海水は、その流速が、揚水ポンプ15による揚水の作用により補足され、かつ絞り管構造により高まりながら海まで押し上げられる。その結果、揚水ポンプ15に使われる動力だけで、連続的に発電を行うことができる。
また、実施例1では、導水管13として、取水口13aの直径が5.2m、排水口13bの直径が3m、長さ300m、傾斜角度θが25°のものを採用している。これにより、導水管13の排出口13bから180〜190km/hの速度で、80〜100t/secの海水が排出される。その結果、70万kwの発電を期待することができる。よって、設備コストを抑えて水力タービン12の回転速度を最大限とし、発電所16の出力を高めることができる。
また、フィルタを導水管13に設ければ、異物による水力タービン12の損傷を低減させることができる。
次に、図2を参照して、この発明の実施例に係る水力発電設備を説明する。
図2に示すように、実施例の水力発電設備10Aは、継続的な発電を行うことができるようにした例である。
具体的には、揚水管14の近傍に、揚水された海水を溜める貯水場20を設け、また揚水管14の下流部の形状を、海面からいったん上方に突出した後、流出口14bが海面下数mとなるように貯水場20に収納された略下向きU字形状としている。
貯水場20は、コンクリートブロックにより海岸付近に形成されている。その大きさは、略1日の発電に使用される海水を貯留可能な大きさである。ただし、これには限定されない。貯水場20の周壁は、満潮時に海水が貯水空間に流れ込まない高さを有している。また、底部には、引き潮時の海面ラインLの真上で、引き潮時に海面から露出する排水管21が連通されている。排水管21には開閉弁22が設けられている。
このように、揚水管14の下流部は、海面からいったん上方に突出した後、流出口14bが海面下の所定位置に達するまで下方に湾曲している。そのため、発電時には揚水管14により、発電後の海水を地下の発電室11から貯水場20まで上昇させることができる。また、揚水管14の下流部は、海面からいったん上方に突出後、流出口14bが海面下に達するまで下方に湾曲している。そのため、貯水場20の排出後、水位が低下した貯水場20に海水を再流出させる際には、空気を巻き込んだ状態で揚水された海水が貯水場20の海面に落下する。このとき、海水に気泡が混入され、多量の酸素を海水に取り込むことができる。その結果、例えば貯水場20で魚介類を養殖したり海草を栽培する際に、これらの魚介類や海藻の発育をはやめることができる。
汲み上げられた海水は、いったん貯水場20に貯水される。貯水場20の海水は、引き潮時に開閉弁22を開くことで、排水管21を通して海に排水される。
その他の構成、作用および効果は、参考例と同様であるので説明を省略する。
この発明の参考例に係る水力発電設備の全体構成を示す縦断面図である。 この発明の実施例に係る水力発電設備の全体構成を示す縦断面図である。
符号の説明
10,10A 水力発電設備、
11 発電室、
12 水力タービン、
13 導水管、
13a 取水口、
13b 排水口、
14 揚水管、
14a 流入口、
14b 流出口、
15 揚水ポンプ(揚水手段)、
20 貯水場。

Claims (3)

  1. 地下の発電室に収納された水力タービンと、
    海面下または河川水面下に取水口が配置され、排水口が前記水力タービンの近傍に配置され、しかも下流側に向かって徐々に先細り化した導水管と、
    流入口が前記発電室に連通され、流出口が海または河川に配置され、しかも下流側に向かって徐々に先細り化した揚水管と、
    該揚水管に設けられ、前記発電後の海水または河川水を海または河川に戻す揚水手段とを備えた水力発電設備。
  2. 前記導水管は、前記取水口の管径が5.2m、排水口の管径が3m、長さが300m、埋設状態での傾斜角度が25〜30°である請求項1に記載の水力発電設備。
  3. 前記揚水管の近傍には、揚水された海水または河川水の貯水場が設けられ、
    前記揚水管の下流部は、海面または河川面からいったん上方に突出した後、前記流出口が海面下または河川面下となるように貯水場に収納された請求項1または請求項2に記載の水力発電設備。
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