JP2005213825A - 床版の設置方法 - Google Patents

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【課題】 桁に形成された反りの大きさが床版の重量に対応していない場合であっても、当該床版を安定的に設置することが可能な床版の設置方法を提供することを課題とし、さらには、複数の床版を連続して設置するに際し、複数の床版の上面を連続的に平坦にすることが可能な床版の設置方法を提供することを課題とする。
【解決手段】 反りのある桁10の上面に結合部材20を設ける結合部材設置工程と、桁10の上面に高さ調整用の硬化材30を打設し、この硬化材30の上面を平坦に均す硬化材打設工程と、硬化した硬化材30の上面から突出する結合部材20を床版40に形成された中空部45に挿入しつつ床版40を硬化材30の上面に載置する床版載置工程と、中空部45に充填用の硬化材を打設する硬化材充填工程と、を含む床版の設置方法とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、反りのある桁上に床版を設置する方法に関する。
従来、橋梁の床版として鉄筋コンクリート製のもの(RC床版)が使用されているが、死荷重を低減してより重量の大きい車両の通行を可能とすべく、重量の嵩むRC床版をより軽量な鋼製床版、プレストレスト・コンクリート床版(PC床版)、アルミニウム合金製の床版などに取り替えるという試みがある。すなわち、既設の床版をより軽量な床版に取り替えて死荷重の低減を図ることにより、桁や橋脚に補強等を施すことなく車両の重量規制の上限を高めようとするものである。なお、既設の床版を取り替える方法としては、例えば、特許文献1や特許文献2に記載されているものが知られている。
ところで、床版を支持する桁には、上向きの反り(キャンバー)が形成されていることがある。例えば、道路橋示方書によれば、支間25m以上の桁(プレートガーダー)には、反りを付けるのが原則とされている。ここで、「反り」とは、死荷重による桁のたわみに対応する上げ越しを意味しており、反りの大きさは、桁に死荷重(床版の重量等)を作用させたときに、路面が平坦になるように、すなわち、路面が所定の高さ(線形)に納まるように設定されている。
特開2003−286707号公報(全頁) 特開2000−017618号公報(全頁)
既設の床版を新設の床版に取り替える場合には、既設の床版を撤去する必要があるが、図14(a)(b)に示すように、桁10から既設の床版140,140,…を取り除くと、桁10には再び反りが発生することになる。ところが、この「反り」は、当然のことながら、既設の床版140の重量に対応しているのであって、新設の床版40の重量に対応しているのではない。したがって、図14(c)に示すように、新設の床版40,40,…を桁10に設置しても反りが残置してしまい、新設の床版40,40,…の上面(路面)が平坦にならない。すなわち、複数の既設の床版140,140,…に対応する上げ越しが桁10の中央においてh1であり(図14(b)参照)、一方、複数の新設の床版40,40,…に対応する上げ越しが桁10の中央においてh2だけあれば足りるとすると、複数の既設の床版140,140,…に対応する上げ越しが施された桁10に複数の新設の床版40,40,…を連続して載置した場合には、桁10の中央においてh3=h1−h2の反りが残存することになり、所定の路面高さ(線形)に対して誤差が生じることになる(図14(c)参照)。
また、反りのある桁10上において新設の床版40の設置作業を行わなければならないので、効率が悪いという問題もある。すなわち、桁10の反りが新設の床版40の重量に対応していないので、新設の床版40を載置しても、桁10の上面は曲面のままで平面にはならない。そうすると、床版40の下面が平面である故、曲面になっている桁10の上面に単に床版40を載置すると、床版40が非常に不安定になり、床版設置作業に支障をきたす結果となる。
なお、既設の床版を新設の床版に取り替える際に桁の「反り」を考慮する旨の記載は、特許文献1および特許文献2には見当たらない。
また、上記の問題は、床版の取替時のみならず、例えば橋梁自体を新設する場合であっても、桁の反りが床版の重量に対応していない場合に共通して当てはまる問題である。また、橋梁の場合のみならず、歩道橋、鉄道橋、人工地盤など様々な構造物にも共通する問題でもある。
そこで、本発明は、桁に形成された反りの大きさが床版の重量に対応していない場合であっても、当該床版を安定的に設置することが可能な床版の設置方法を提供することを課題とし、さらには、複数の床版を連続して設置するに際し、複数の床版の上面を連続的に平坦にすることが可能な床版の設置方法を提供することを課題とする。
かかる課題を解決するために創案された請求項1の発明は、反りのある桁上に床版を設置する方法であって、前記桁の上面に結合部材を設ける結合部材設置工程と、前記桁の上面に高さ調整用の硬化材を打設し、当該硬化材の上面を平坦に均す硬化材打設工程と、硬化した前記硬化材の上面から突出する前記結合部材を前記床版に形成された中空部に挿入しつつ前記床版を前記硬化材の上面に載置する床版載置工程と、前記中空部に充填用の硬化材を打設する硬化材充填工程と、を含むことを特徴とする。
かかる床版の設置方法は、反りのある桁の上面に高さ調整用の硬化材を打設し、その上面を平坦に均したうえで、当該硬化材の上面に床版を設置するものである。すなわち、床版の重量に対応していない桁の上面に高さ調整用の硬化材を打設し、当該硬化材の上面を床版の重量に対応する曲面もしくは平面に均したうえで、当該硬化材の上面に床版を設置するものである。このようにすると、反りの大きさが床版の重量に対応していない場合であっても、当該床版を安定的に設置することが可能となり、ひいては、効率よく床版の設置作業を行うことが可能となる。
請求項2の発明は、反りのある桁上に床版を設置する方法であって、前記桁の上面に結合部材を設ける結合部材設置工程と、前記床版を前記桁上に載置したときに前記桁に作用する荷重と等価な等価荷重を前記桁に作用させた状態で、前記桁の上面に高さ調整用の硬化材を打設し、当該硬化材の上面を平坦に均す硬化材打設工程と、硬化した前記硬化材の上面から突出する前記結合部材を前記床版に形成された中空部に挿入しつつ前記床版を前記硬化材の上面に載置する床版載置工程と、前記等価荷重を除荷する等価荷重除荷工程と、前記中空部に充填用の硬化材を打設する硬化材充填工程と、を含むことを特徴とする。
かかる床版の設置方法によると、平坦に均された高さ調整用の硬化材の上面に床版が設置されることになるので、反りの大きさが床版の重量に対応していない場合であっても、当該床版を安定的に設置することが可能となり、ひいては、効率よく床版の設置作業を行うことが可能となる。
さらに、かかる床版の設置方法によると、床版を桁上に載置したときに当該桁に作用する荷重と等価な等価荷重を作用させた状態で、言い替えれば、床版を桁上に載置したのと同じ状態で高さ調整用の硬化材の上面を平坦にするので、本物の床版を載置しても高さ調整用の硬化材に曲げ応力等が発生することはなく、また、床版を載置する前と後とで桁のたわみ量も変化しない。つまり、かかる床版の設置方法によると、平坦にされた高さ調整用の硬化材の上面は、床版を載置した後であっても、床版を載置する前の状態から変化することはなく、したがって、高さ調整用の硬化材の上面と床版の下面との間に隙間が生じることがない。つまり、かかる床版の設置方法は、特に、床版によって桁に生じるたわみを無視できない場合に好適であるといえる。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の床版の設置方法であって、前記床版の下面又は硬化した前記高さ調整用の硬化材の上面に前記床版の中空部からの前記充填用の硬化材の漏れ出しを防止する止水部材を配設する止水部材配置工程を前記床版載置工程の前段に含むことを特徴とする。
かかる床版の設置方法によると、中空部に充填用の硬化材を充填したときに、当該硬化材の漏れ出しが防止され、その結果、当該硬化材の強度等を確実に確保することが可能となる。
請求項4の発明は、反りのある桁上に複数の床版を連続して設置する方法であって、前記桁の上面に結合部材を設ける結合部材設置工程と、前記桁の上面に高さ調整用の硬化材を階段状に打設し、その各段において前記硬化材の上面を平坦に均す硬化材打設工程と、硬化した前記硬化材の上面から突出する前記結合部材を前記各床版に形成された中空部に挿入しつつ前記各床版を前記硬化材の各段の上面に載置する床版載置工程と、前記中空部に充填用の硬化材を打設する硬化材充填工程と、を含み、前記高さ調整用の硬化材の段差が、前記複数の床版の総てを前記桁上に載置したときに前記桁に発生するたわみ量に基づいて設定されていることを特徴とする。
かかる床版の設置方法は、桁に形成された反りが複数の床版の重量に対応していない場合に、複数の床版の上面に桁の反りの影響が現れないようにするためのものであり、複数の床版に対応して高さ調整用の硬化材を階段状に打設し、各段ごとに当該硬化材の上面を平坦に均したうえで、当該硬化材の各段の上面に各床版を設置するものである。すなわち、かかる床版の設置方法によると、桁の反りの大きさが複数の床版の重量に対応していない場合であっても、各床版を安定的に設置することが可能となり、ひいては、効率よく床版の設置作業を行うことが可能となる。しかも、複数の床版の総てを桁に載置したときに当該桁に発生するたわみ量に基づいて高さ調整用の硬化材の段差が形成されているので、総ての床版を載置したときに、これら複数の床版の上面が連続して平坦になる。
請求項5の発明は、請求項4に記載の床版の設置方法であって、前記各床版の下面又は硬化した前記高さ調整用の硬化材の各段の上面に前記各床版の中空部からの前記充填用の硬化材の漏れ出しを防止する止水部材を配設する止水部材配置工程を前記床版載置工程の前段に含むことを特徴とする。
かかる床版の設置方法によると、中空部に充填用の硬化材を充填したときに、当該硬化材の漏れ出しが防止され、その結果、当該硬化材の強度等を確実に確保することが可能となる。
請求項6の発明は、反りのある桁上に複数の床版を連続して設置する方法であって、前記桁の上面に結合部材を設ける結合部材設置工程と、前記桁の上面に高さ調整用の硬化材を打設し、当該硬化材の上面を平坦に均す硬化材打設工程と、硬化した前記硬化材の上面に前記各床版を支持するスペーサを前記各床版に対応して配置するスペーサ配置工程と、前記硬化材の上面から突出する前記結合部材を前記各床版に形成された中空部に挿入しつつ前記各床版を前記各スペーサの上面に載置する床版載置工程と、前記中空部および前記高さ調整用の硬化材の上面と前記各床版の下面との間に充填用の硬化材を打設する硬化材充填工程と、を含むことを特徴とする。
かかる床版の設置方法は、平坦に均された高さ調整用の硬化材の上面に複数の床版を連続して設置するに際し、当該硬化材の上面と床版の下面との間にスペーサを介設するものであるが、平坦に均された高さ調整用の硬化材の上面にスペーサを設置することができるので、反りのある桁上に直接スペーサを設置する場合に比べて、効率よく作業を行うことができる。さらに、床版を桁上に載置した状態で床版の中空部および高さ調整用の硬化材の上面と各床版の下面との間に充填用の硬化材を打設するので、高さ調整用の硬化材と充填用の硬化材とが剥離することがなく、ひいては、床版を安定的に支持することが可能となる。
請求項7の発明は、請求項6に記載の床版の設置方法であって、前記各スペーサの高さ寸法が、前記複数の床版の総てを前記桁上に載置したときに前記桁に発生するたわみ量に基づいて設定されていることを特徴とする。
かかる床版の設置方法は、高さ調整用の硬化材と床版との間に介設したスペーサで床版の重量により桁に生じるたわみに相当する高さを調節するものである。このようにすると、総ての床版を載置したときに、これら複数の床版の上面が連続して平坦になる。
請求項8の発明は、請求項6又は請求項7に記載の床版の設置方法であって、前記各スペーサを前記床版の中空部を囲うように配置し、前記各スペーサにより前記中空部からの前記充填用の硬化材の漏れ出しを防止することを特徴とする。
かかる床版の設置方法によると、高さ調整用の硬化材と床版の下面との間に介設されたスペーサが止水部材として機能するので、中空部に充填用の硬化材を充填したときに、当該硬化材の漏れ出しが防止され、その結果、当該硬化材の強度等を確実に確保することが可能となる。
請求項9の発明は、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の床版の設置方法であって、前記硬化材打設工程の前段に、前記高さ調整用の硬化材よりも高さの低いずれ止め部材を前記桁の上面に設けるずれ止め部材設置工程を含むことを特徴とする。
かかる床版の設置方法によると、高さ調整用の硬化材が確実に桁の上面に付着することになるので、当該硬化材の剥離を防止することが可能となる。
請求項10の発明は、請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の床版の設置方法であって、前記硬化材打設工程の前段に、前記高さ調整用の硬化材に埋設される鉄筋を前記桁の上方に配置する配筋工程を含むことを特徴とする。
かかる床版の設置方法によると、高さ調整用の硬化材にひび割れが発生し難くなるので、結合部材やずれ止め部材の腐食を防止することが可能となる。
本発明に係る床版の設置方法によると、桁に形成された反りの大きさが床版の重量に対応していない場合であっても、安定的に床版を設置することが可能となり、さらには、複数の床版を連続して設置するに際し、桁に形成された反りの大きさが複数の床版の重量に対応していない場合であっても、複数の床版の上面を連続的に平坦にすることが可能となる。そして、本発明を利用することにより、重量の嵩む床版をより軽量な床版に取り替えることが容易になる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、添付した図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の各実施形態では、既設の床版の重量に合わせて桁に反りが形成されている場合において、既設の床版を撤去してより軽量な床版に取り替える場合、言い換えれば、桁の反りが新設の床版に対応していない場合を想定している。
[第1の実施形態]
第1の実施形態に係る床版の設置方法は、図1および図2に示すように、上向きの反りのある桁10,10上に新設の床版40(以下、単に「床版40」という)を設置する方法であって、桁10,10の上面を高さ調整用の硬化材30で平坦に均したうえで、硬化した硬化材30の上面に床版40を設置するものであり、結合部材設置工程、ずれ止め部材設置工程、配筋工程、硬化材打設工程、止水部材配置工程、床版載置工程および硬化材充填工程を含む。
ここで、桁10は、橋脚間に架設される断面I(H)形の鋼製のプレートガーダーであり、高さ調整用の硬化材30は、無収縮モルタルである。なお、桁10の形状や材質は図示のものに限定されることはなく、例えば、鉄筋コンクリート製のものであっても差し支えない。また、高さ調整用の硬化材30も、無収縮モルタルに限定されることはなく、例えば、コンクリートや樹脂系のものを使用することができる。なお、以下では、高さ調整用の硬化材30を単に「硬化材30」ということがある。
床版40は、複数のアルミニウム合金製の中空押出形材を溶接や摩擦攪拌接合等により接合して形成したものであり、図3(a)(b)に示すように、上下方向に対向する上板41および下板42と、これらを接続する複数の腹板43,43,…とを備えている。上板41には、複数の注入孔41a,41a,…が所定の間隔をあけて形成されており、各注入孔41aの周囲には、一対のガス抜き孔41b,41bが形成されている。また、下板42には、上板41に形成された注入孔41a,41a,…のそれぞれの直下に結合部材20が挿通される矩形形状の通し孔42a,42a,…が形成されている(図6(a)(b)参照)。また、注入孔41aおよび通し孔42aを挟んで対向する腹板43,43間には、注入孔41aおよび通し孔42aを挟んで対向する一対の堰板44,44が配置されている。なお、以下では、注入孔41aおよび通し孔42aを挟んで対向する腹板43,43と一対の堰板44,44とにより形成される空間45を「中空部45」と称することにする。ここで、中空部45とは、桁10に立設された結合部材20が挿通される空間を意味し、その寸法形状は問わない。例えば、本実施形態に係る床版40では、その側断面が上に広がる台形(下側が窄んだ形状)を呈するホロー部に中空部45を形成したが、側断面が下に広がる台形(上側が窄んだ形状)を呈するホロー部45’(図3(a)参照)に中空部を形成することも可能であり、さらには、その双方に中空部を形成することも可能である。また、図示は省略するが、腹板43を上板41および下板42に対して直角に形成してもよく、この場合には、側断面が矩形を呈するホロー部に中空部が形成されることになる。また、本実施形態では、アルミニウム合金製の押出形材からなる床版40を例示したが、鋼製の床版またはPC床版を利用することも可能である。なお、PC床版を利用する場合には、上に広がる形状の箱抜き(凹部)が形成されることになるが、この場合には、この箱抜きが「中空部」となる。
以下、本実施形態に係る床版の設置方法を工程ごとに詳細に説明する。
(結合部材設置工程)
結合部材設置工程は、図4(a)(b)に示すように、反りのある桁10の上面に所定の間隔をあけて複数の結合部材20,20,…を立設固定する工程である。複数の結合部材20,20,…は、床版40に形成された複数の中空部45,45,…(図3(a)参照)に対応して配置されており、床版40を硬化材30の上面に載置したときに、床版40の通し孔42aから中空部45内に挿入される(図6(a)(b)参照)。ここで、本実施形態に係る結合部材20は、桁10の長手方向に直交する方向に沿って配置された三個一組の鋼製のスタッドジベル21,21,21から構成されており、スタッド溶接により桁10に固定される。なお、スタッドジベル21の本数は、床版40の形状や桁10の形状等に対応させて適宜変更しても差し支えない。
(ずれ止め部材設置工程)
ずれ止め部材設置工程は、結合部材設置工程と同時に若しくは前後して行われる工程であって、図4(c)に示すように、ずれ止め部材60を桁10の上面に立設固定する工程である。本実施形態に係るずれ止め部材60は、桁10の上面への硬化材30の付着を確実にするためのものであり、桁10の長手方向に直交する方向に沿って配置された三個一組の鋼製のスタッドジベル61,61,61から構成されており、スタッド溶接により桁10に固定される。いる。また、図6(b)に示すように、ずれ止め部材60は、高さ調整用の硬化材30よりも高さが低く、硬化材30に完全に埋設される。なお、結合部材20も、硬化材30のずれ止めとして機能するので、結合部材20により十分に付着強度が得られる場合には、ずれ止め部材60を省略することもでき、また、必要によりその本数を増減させることもできる。
(配筋工程)
配筋工程は、結合部材設置工程およびずれ止め部材設置工程と同時に若しくは前後して行われる工程であって、図4(c)に示すように、桁10の上面に鉄筋スペーサ66を設置し、その上面に鉄筋65を配置する工程である。鉄筋65は、高さ調整用の硬化材30に埋設され、硬化材30のひび割れや剥離を防止するものである。このようにすると、高さ調整用の硬化材30にひび割れが発生し難くなるので、結合部材20やずれ止め部材60の腐食を防止することができる。なお、高さ調整用の硬化材30のひび割れ等が問題にならない場合には、鉄筋65を省略することもできる。
(硬化材打設工程)
硬化材打設工程は、配筋工程に続く工程であって、図5(a)に示すように、図示しない型枠を設置したうえで、桁10の上面に高さ調整用の硬化材30を打設し、硬化材30の上面を平坦に均す工程である。本実施形態では、高さ調整用の硬化材30の上面を路面の高さ(計画線形)と平行な平面に均してある。なお、高さ調整用の硬化材30の上面は、本実施形態では平面に均してあるが、路面の線形によっては、曲面になることもある。
また、高さ調整用の硬化材30に床版40を載置すると、その重量により桁10がたわむことになるので、硬化材30の上面は、理想的には、複数の床版40を載置したときに桁10に発生するたわみ量を考慮して設定するのがよい。すなわち、図9(a)に示す高さ調整用の硬化材30’のように、その上面31’を床版40の重量に対応する反りが形成された図9(b)に示す桁10’の上面11’と同一の曲面にするのが理想的である。なお、本実施形態のように鉄筋コンクリート製の既存の床版をアルミニウム合金製の床版40に交換する場合には、その重量が5分の1程度になることから、床版40により桁10に発生するたわみを無視することができ、したがって、高さ調整用の硬化材30の上面を平面にしても問題はない。
(止水部材配置工程)
止水部材配置工程は、図5(b)に示すように、所定の強度に達した高さ調整用の硬化材30の上面に、結合部材20ごとにその周囲に止水部材70を配置する工程である。ここで、止水部材70は、水膨張性のものが好適であるが、水膨張性でない天然ゴムや合成ゴム等からなるものを使用することもできる。なお、本実施形態では、止水部材70を高さ調整用の硬化材30の上面に配設したが、図7に示すように、床版40の通し孔42aの周囲に配設してもよい。また、本実施形態では、止水部材70を結合部材20ごとに配設したが、図8に示す止水部材70’のように、二つ以上の結合部材20,20,…を囲うように配設してもよい。
(床版載置工程)
床版載置工程は、止水部材配置工程に続く工程であって、図5(c)に示すように、所定の強度に硬化した高さ調整用の硬化材30の上面に床版40を載置する工程である。床版40を高さ調整用の硬化材30の上面に載置すると、硬化材30の上面から突出する結合部材20が床版40の中空部45に挿入され、止水部材70が床版40の通し孔42aの周囲に位置する(図6(a)(b)参照)。
(硬化材充填工程)
硬化材充填工程は、床版載置工程に続く工程であって、図6(a)(b)に示すように、床版40の中空部45に注入孔41aから充填用の硬化材50を打設(注入)する工程である。中空部45の内部の空気は、充填用の硬化材50の注入と同時にガス抜き孔41b,41bから順次抜け出て行くので、スムーズに充填作業を行うことができ、しかも中空部45の内部に空気が残留しない。なお、充填用の硬化材50は、無収縮モルタルが好適であるが、コンクリートや樹脂系のものを使用することもできる。また、中空部45(通し孔42a)の周囲に止水部材70が配置されているので、その外側への充填用の硬化材50の漏れ出しが防止され、その結果、充填用の硬化材50の強度等を確実に確保することが可能となる。なお、以下では、充填用の硬化材50を単に「硬化材50」ということがある。
そして、床版40の中空部45に充填用の硬化材50を充填すると、硬化材50により中空部45の内部が密実になり、且つ、中空部45に挿入された結合部材20が包囲され、かかる状態で硬化材50が硬化すると床版40が高さ調整用の硬化材30の上面に固定される。
以上のような床版の設置方法によると、桁10の反りの大きさが床版40の重量に対応していない場合であっても、床版40を安定的に設置することが可能となり、ひいては、効率よく床版40の設置作業を行うことが可能となる。
なお、本実施形態では、桁10が鋼製であるのに対し、床版40がアルミニウム合金製であるが、これらの間に無収縮モルタルからなる高さ調整用の硬化材30が介設されているので、鋼とアルミニウム合金との間の電位差に起因する電食の発生を未然に防止することができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係る床版の設置方法は、図10(a)(b)に示すように、等価荷重Pを作用させた状態で桁10の上面に高さ調整用の硬化材30を打設し、その上面を平坦に均したうえで、硬化した硬化材30の上面に床版40を設置するものであり、結合部材設置工程、ずれ止め部材設置工程、配筋工程、硬化材打設工程、止水部材配置工程、床版載置工程、等価荷重除荷工程および硬化材充填工程を含む。
なお、結合部材設置工程、ずれ止め部材設置工程、配筋工程、止水部材配置工程、床版載置工程および硬化材充填工程の各工程は、前記した第1の実施形態に係る床版の設置方法の各工程と同様であるので詳細な説明を省略し、以下では、硬化材打設工程と等価荷重除荷工程について詳細に説明する。なお、図10(b)では、堰板44(図3参照)の図示を省略している。
(硬化材打設工程)
第2の実施形態に係る硬化材打設工程は、結合部材設置工程、ずれ止め部材設置工程および配筋工程に続く工程であって、等価荷重Pを桁10に作用させた状態で、桁10の上面に高さ調整用の硬化材30を打設し、この硬化材30の上面を路面の高さ(計画線形)に合わせて平坦に均す工程である。
ここで、等価荷重Pは、床版40を桁10上に載置したときに桁10に作用する荷重と等価な荷重である。等価荷重Pを桁10に作用させるには、例えば、床版40と同等の重量の錘を桁10に吊り下げればよい。等価荷重Pを作用させるタイミングは、高さ調整用の硬化材30を打設する前であれば、桁10の上面に結合部材20、ずれ止め部材60、鉄筋65を設置する前でも後でもよい。
なお、図10(a)では、高さ調整用の硬化材30の上面が平面になっているが、路面の線形によっては曲面になることもある。
(等価荷重除荷工程)
等価荷重除荷工程は、桁10に作用させた等価荷重Pを除荷する工程であり、桁10の上面に高さ調整用の硬化材30を打設した後の適宜なタイミングで実施される。
その後、第1の実施形態の場合と同様に、高さ調整用の硬化材30の上面に床版40を載置し、床版40の中空部45に充填用の硬化材50を打設(注入)すれば、床版40の設置作業が完了する(図6(a)(b)参照)。
以上のような第2の実施形態に係る床版の設置方法によると、平坦に均された高さ調整用の硬化材30の上面に床版40が設置されることになるので、桁10に形成された反りの大きさが床版40の重量に対応していない場合であっても、床版40を安定的に設置することが可能となり、ひいては、効率よく床版40の設置作業を行うことが可能となる。さらに、等価荷重Pを作用させた状態で、言い換えれば、床版40を桁10上に載置したのと同じ状態で高さ調整用の硬化材30の上面を平坦にするので、本物の床版40を載置しても高さ調整用の硬化材30に曲げ応力等が発生することはなく、また、桁10のたわみ量も変化しない。つまり、平坦にされた高さ調整用の硬化材30の上面は、床版40を載置した後であっても、床版40を載置する前の状態から変化することはなく、したがって、硬化材30の上面と床版40の下面との間に隙間が生じることがない。
なお、等価荷重Pを作用させない状態で高さ調整用の硬化材30の上面を平坦にした場合は、床版40の設置作業は容易になるものの、床版40自体の重量により桁10にたわみが発生してしまうので、厳密には硬化材30の上面にたわみが発生することになるが、等価荷重Pを作用させた状態で硬化材30の上面を平坦にする本実施形態の方法によると、床版40を設置する前後で桁10のたわみ量が全く変化しないので、当然のことながら硬化材30の上面がたわむこともない。言い換えれば、本実施形態に係る床版の設置方法は、特に、床版40によって桁10に生じるたわみを無視できない場合に好適である。
[第3の実施形態]
第3の実施形態に係る床版の設置方法は、図11(a)(b)に示すように、反りのある桁10上に複数の床版40,40,…を連続して設置するに際し、複数の床版40,40,…に対応して高さ調整用の硬化材30を階段状に打設し、各段ごとに硬化材30の上面を平坦に均したうえで、硬化材30の各段の上面に各床版40を設置する方法であって、結合部材設置工程、ずれ止め部材設置工程、配筋工程、硬化材打設工程、止水部材配置工程、床版載置工程および硬化材充填工程を含む。
なお、結合部材設置工程、ずれ止め部材設置工程、配筋工程、止水部材配置工程、床版載置工程および硬化材充填工程の各工程は、前記した第1の実施形態に係る床版の設置方法の各工程と同様であるのでその詳細な説明を省略し、以下では、硬化材打設工程について詳細に説明する。なお、図11(b)では、堰板44(図3参照)の図示を省略している。
(硬化材打設工程)
第3の実施形態に係る硬化材打設工程は、結合部材設置工程、ずれ止め部材設置工程および配筋工程に続く工程であって、桁10の上面に高さ調整用の硬化材30を階段状に打設し、その各段において硬化材30の上面を平坦に均す工程である。ここで、高さ調整用の硬化材30の段差は、複数の床版40,40,…の総てを桁10上に載置したときに桁10に発生するたわみ量に基づいて設定されている。すなわち、図9(a)に示す硬化材30’の上面の形状を近似したものであり、桁10の中央に位置する段の上面が最も高い位置にあり、桁10の支点に近づくにしたがって、順次低くなっていく。これは、桁10の中央部分のたわみ量が最も大きいことに基づいている。
より詳細には、床版40が載置される段における高さ調整用の硬化材30の厚さtは、床版40の上面の計画高さをH1、床版40の直下における桁10の上面の無負荷時の高さをH2、総ての床版40,40,…を載置したときに床版40の直下において桁10に発生するたわみ量をδ、床版40の厚さをTとすると、次式で表される。
t=(H1−T)−H2+δ
ここで、δは、構造計算を行うことによって容易に算出することができる。
なお、高さ調整用の硬化材30の各段の上面は、図11(a)では平面に均してあるが、路面の線形によっては、曲面になることもある。
そして、床版載置工程において、複数の床版40,40,…を高さ調整用の硬化材30の各段に載置すると、床版40,40,…の重量により桁10が下方向にたわみ、その結果、床版40ごとに異なる大きさで下方向に変位することになるが、当該変位量の違いが硬化材30の段差によって吸収されるので、最終的には、図11(b)に示すように、床版40,40,…の上面が平坦(すなわち、所定の路面高さ(線形))になる。
その後、第1の実施形態の場合と同様に、床版40の中空部45に充填用の硬化材50を打設(注入)すれば、床版40の設置作業が完了する(図6(a)(b)参照)。
以上のような第3の実施形態に係る床版の設置方法によると、桁10の反りの大きさが複数の床版40,40,…の重量に対応していない場合であっても、各床版40を安定的に設置することが可能となり、ひいては、効率よく床版40の設置作業を行うことが可能となる。また、複数の床版40,40,…の総てを桁10に載置したときに桁10に発生するたわみ量に基づいて高さ調整用の硬化材30の段差が形成されているので、総ての床版40,40,…を載置したときに、これら複数の床版40,40,…の上面が平坦に連続するようになる。すなわち、桁10の反りの大きさが複数の床版40,40,…の重量に対応していない場合であっても、複数の床版40,40,…の上面が連続して平坦になる。つまり、本実施形態に係る床版の設置方法は、特に、床版40によって桁10に生じるたわみを無視できない場合に好適な方法であるといえる。
[第4の実施形態]
第4の実施形態に係る床版の設置方法は、図12(a)(b)に示すように、反りのある桁10上に複数の床版40,40,…を連続して設置するに際し、高さ調整用の硬化材30の上面を平坦に均したうえで、複数の高さ調整用のスペーサ80,80,…を硬化材30の上面に設置し、各スペーサ80の上面に各床版40を設置する方法であって、結合部材設置工程、ずれ止め部材設置工程、配筋工程、硬化材打設工程、スペーサ配置工程、床版載置工程および硬化材充填工程を含む。硬化材30と床版40との間に介設されるスペーサ80で調節するものである。
なお、結合部材設置工程、ずれ止め部材設置工程および配筋工程の各工程は、前記した第1の実施形態に係る床版の設置方法の各工程と同様であるのでその詳細な説明を省略し、以下では、スペーサ配置工程、床版載置工程および硬化材充填工程について詳細に説明する。なお、図12(b)では、堰板44(図3参照)の図示を省略している。
(スペーサ配置工程)
スペーサ配置工程は、硬化材打設工程に続く工程であって、硬化した高さ調整用の硬化材30の上面に各床版40を支持するスペーサ80,80,…を各床版40に対応して配置する工程である。スペーサ80は、床版40の重量により桁10に生じるたわみに相当する高さを調節するものであり、その高さ寸法は、複数の床版40,40,…の総てを桁10上に載置したときに桁10に発生するたわみ量に基づいて設定されている。したがって、桁10の中央に位置するスペーサ80の高さ寸法が最も大きく、桁10の支点に近づくにしたがって、順次小さくなっていく。これは、桁10の中央部分のたわみ量が最も大きいことに基づいている。
より詳細には、スペーサ80の高さ寸法hは、スペーサ80の設置位置における床版40の上面の計画高さをH3、スペーサ80の設置位置における硬化材30の上面の無負荷時における高さをH4、総ての床版40,40,…を載置したときにスペーサ80の位置において桁10に発生するたわみ量をδ、床版40の厚さをTとすると、次式で表される。
h=(H3−T)−H4+δ
ここで、δは、構造計算を行うことによって容易に算出することができる。
なお、本実施形態では、一つの床版40に対して二つのスペーサ80,80を配置しているが、スペーサ80の個数や位置等は図示のものに限定されることはなく、適宜変更しても差し支えない。また、スペーサ80としては、例えば、木片、コンクリート製のブロック、鋼製のブロック、アルミニウム合金製のブロックなどを使用することができる。
(床版載置工程)
床版載置工程は、スペーサ配置工程に続く工程であって、高さ調整用の硬化材30の上面から突出する結合部材20を各床版40に形成された中空部45に挿入しつつ各床版40を各スペーサ80の上面に載置する工程である。複数の床版40,40,…をスペーサ80,80,…に載置すると、床版40,40,…の重量により桁10が下方向にたわむ(沈下する)ことになるが、これを考慮して高さ寸法を設定した各スペーサ80よって床版40ごとに異なるたわみ量(沈下量)が吸収されるので、最終的には、図12(b)に示すように、床版40,40,…の上面が平坦(すなわち、所定の路面高さ(線形))になる。
(硬化材充填工程)
硬化材充填工程は、床版載置工程に続く工程であって、床版40の中空部45および高さ調整用の硬化材30の上面と各床版40の下面との間に充填用の硬化材50を打設する工程である。なお、充填用の硬化材50の打設に先立って、図示しない型枠で高さ調整用の硬化材30の上面と各床版40の下面との間の空間を囲繞しておく。なお、スペーサ80,80で各床版40が支持されるので、型枠は、軽構造なものでよい。
そして、床版40の中空部45および型枠で囲繞された空間に充填用の硬化材50を充填すると、中空部45に挿入された結合部材20が包囲され、かかる状態で硬化材50が硬化すると床版40が桁10および高さ調整用の硬化材30と一体に固定される。
以上説明した第4の実施形態に係る床版の設置方法によると、平坦に均された高さ調整用の硬化材30の上面にスペーサ80を設置することができるので、反りのある桁10上に直接スペーサ80を設置する場合に比べて、効率よく作業を行うことができる。さらに、床版40を桁10上に載置した状態で床版40の中空部45および高さ調整用の硬化材30の上面と各床版30の下面との間に充填用の硬化材50を打設するので、高さ調整用の硬化材30と充填用の硬化材50とが剥離することがなく、ひいては、床版40を安定的に支持することが可能となる。また、各スペーサ80の高さ寸法が、複数の床版40,40,…の総てを桁10上に載置したときに桁10に発生するたわみ量に基づいて設定されているので、図12(b)に示すように、総ての床版40,40,…を載置したときに、これら複数の床版40,40,…の上面が平坦に連続するようになる。
なお、本実施形態に係るスペーサ80は、ブロック状のものであったが、例えば、図13(a)に示すスペーサ80’のように、結合部材20(床版40の中空部45)を囲うように配置される枠状のものであってもよい。ここで、スペーサ80’は、図13(b)に示すように、基枠81と、その上面および下面に装着された止水部材82,82とを備えて構成されている。このようにすると、中空部45に充填された充填用の硬化材50の漏れ出しを確実に防止することができる。すなわち、高さ調整用の硬化材30と床版40の下面との間に介設されたスペーサ80’が止水部材としても機能することになり、その結果、充填用の硬化材50を中空部45に充填したときに、硬化材50の漏れ出しが防止され、硬化材50の強度等を確実に確保することが可能となる。なお、スペーサ80’を使用した場合には、床版40の中空部45とスペーサ80’で囲繞された空間内に充填用の硬化材50が充填されることになる。また、高さ寸法(厚さ)の異なる基枠81を複数用意しておけば、異なる高さ寸法のスペーサ80’を容易に製作することができる。
なお、前記した第1乃至第4の実施形態では、新設の床版の方が既設の床版よりも軽量である場合(即ち、桁に形成された反りが大きい場合)を例示したが、本発明に係る床版の設置方法は、既設の床版の方が新設の床版よりも軽量である場合(すなわち、桁に形成された反りが小さく、新設の床版を載置したときに下向きにたわみが生じる場合)であっても適用することができ。また、前記した第1乃至第4の実施形態では、桁10に上向きの反りがある場合を例示したが、本発明に係る床版の設置方法は、下向きの反りがある場合であっても適用することができる。
また、床版40の形状等も図示のものに限定されることはなく、適宜変更しても差し支えない。さらに、本実施形態では、床版40をアルミニウム合金製としたが、これに限定されることはなく、鋼製の床版やPC床版、さらにはその他の材質の床版であってもよいことは言うまでもない。
第1の実施形態に係る床版の設置方法を説明するための斜視図である。 第1の実施形態に係る床版の設置方法を説明するための側面図である。 (a)は床版の斜視図、(b)は同じく側面図である。 (a)は反りのある桁を示す斜視図、(b)は結合部材設置工程を説明するための斜視図、(c)はずれ止め部材設置工程および配筋工程を説明するための斜視図である。 (a)は硬化材打設工程を説明するための斜視図、(b)は止水部材配置工程を説明するための斜視図、(c)は床版載置工程を説明するための斜視図である。 (a)は硬化材充填工程を説明するための断面図、(b)は(a)のX−X線断面図である。 止水部材の配置例を示す斜視図である。 止水部材のさらに他の配置例を示す斜視図である。 (a)(b)は高さ調整用の硬化材の上面の理想的な形状を説明する模式図である。 第2の実施形態に係る床版の設置方法を説明するための側面図であって、(a)は硬化材打設工程を示す図、(b)は床版を設置した状態を示す図である。 第3の実施形態に係る床版の設置方法を説明するための側面図であって、(a)は硬化材打設工程を示す図、(b)は床版を設置した状態を示す図である。 第4の実施形態に係る床版の設置方法を説明するための側面図であって、(a)はスペーサ配置工程および床版設置工程を示す図、(b)は床版を設置した状態を示す図である。 (a)(b)はスペーサの変形例を示す斜視図である。 既設の床版をより軽量な床版に取り替える際の問題点を説明するための側面図であって、(a)は既設の床版が設置された状態を示す図、(b)は既設の床版を撤去した状態を示す図、(c)は新設の床版を設置した状態を示す図である。
符号の説明
10 桁
20 結合部材
30 高さ調整用の硬化材
40 床版
45 中空部
50 充填用の硬化材
60 ずれ止め部材
65 鉄筋
70 止水部材
80 スペーサ
140 既設の床版

Claims (10)

  1. 反りのある桁上に床版を設置する方法であって、
    前記桁の上面に結合部材を設ける結合部材設置工程と、
    前記桁の上面に高さ調整用の硬化材を打設し、当該硬化材の上面を平坦に均す硬化材打設工程と、
    硬化した前記硬化材の上面から突出する前記結合部材を前記床版に形成された中空部に挿入しつつ前記床版を前記硬化材の上面に載置する床版載置工程と、
    前記中空部に充填用の硬化材を打設する硬化材充填工程と、
    を含むことを特徴とする床版の設置方法。
  2. 反りのある桁上に床版を設置する方法であって、
    前記桁の上面に結合部材を設ける結合部材設置工程と、
    前記床版を前記桁上に載置したときに前記桁に作用する荷重と等価な等価荷重を前記桁に作用させた状態で、前記桁の上面に高さ調整用の硬化材を打設し、当該硬化材の上面を平坦に均す硬化材打設工程と、
    硬化した前記硬化材の上面から突出する前記結合部材を前記床版に形成された中空部に挿入しつつ前記床版を前記硬化材の上面に載置する床版載置工程と、
    前記等価荷重を除荷する等価荷重除荷工程と、
    前記中空部に充填用の硬化材を打設する硬化材充填工程と、
    を含むことを特徴とする床版の設置方法。
  3. 前記床版の下面又は硬化した前記高さ調整用の硬化材の上面に前記床版の中空部からの前記充填用の硬化材の漏れ出しを防止する止水部材を配設する止水部材配置工程を前記床版載置工程の前段に含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の床版の設置方法。
  4. 反りのある桁上に複数の床版を連続して設置する方法であって、
    前記桁の上面に結合部材を設ける結合部材設置工程と、
    前記桁の上面に高さ調整用の硬化材を階段状に打設し、その各段において前記硬化材の上面を平坦に均す硬化材打設工程と、
    硬化した前記硬化材の上面から突出する前記結合部材を前記各床版に形成された中空部に挿入しつつ前記各床版を前記硬化材の各段の上面に載置する床版載置工程と、
    前記中空部に充填用の硬化材を打設する硬化材充填工程と、
    を含み、
    前記高さ調整用の硬化材の段差が、前記複数の床版の総てを前記桁上に載置したときに前記桁に発生するたわみ量に基づいて設定されていることを特徴とする床版の設置方法。
  5. 前記各床版の下面又は硬化した前記高さ調整用の硬化材の各段の上面に前記各床版の中空部からの前記充填用の硬化材の漏れ出しを防止する止水部材を配設する止水部材配置工程を前記床版載置工程の前段に含むことを特徴とする請求項4に記載の床版の設置方法。
  6. 反りのある桁上に複数の床版を連続して設置する方法であって、
    前記桁の上面に結合部材を設ける結合部材設置工程と、
    前記桁の上面に高さ調整用の硬化材を打設し、当該硬化材の上面を平坦に均す硬化材打設工程と、
    硬化した前記硬化材の上面に前記各床版を支持するスペーサを前記各床版に対応して配置するスペーサ配置工程と、
    前記硬化材の上面から突出する前記結合部材を前記各床版に形成された中空部に挿入しつつ前記各床版を前記各スペーサの上面に載置する床版載置工程と、
    前記中空部および前記高さ調整用の硬化材の上面と前記各床版の下面との間に充填用の硬化材を打設する硬化材充填工程と、
    を含むことを特徴とする床版の設置方法。
  7. 前記各スペーサの高さ寸法が、前記複数の床版の総てを前記桁上に載置したときに前記桁に発生するたわみ量に基づいて設定されていることを特徴とする請求項6に記載の床版の設置方法。
  8. 前記各スペーサを前記床版の中空部を囲うように配置し、
    前記各スペーサにより前記中空部からの前記充填用の硬化材の漏れ出しを防止することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の床版の設置方法。
  9. 前記硬化材打設工程の前段に、前記高さ調整用の硬化材よりも高さの低いずれ止め部材を前記桁の上面に設けるずれ止め部材設置工程を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の床版の設置方法。
  10. 前記硬化材打設工程の前段に、前記高さ調整用の硬化材に埋設される鉄筋を前記桁の上方に配置する配筋工程を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の床版の設置方法。
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