JP2005213207A - 接着性組成物 - Google Patents

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JP2005213207A JP2004022492A JP2004022492A JP2005213207A JP 2005213207 A JP2005213207 A JP 2005213207A JP 2004022492 A JP2004022492 A JP 2004022492A JP 2004022492 A JP2004022492 A JP 2004022492A JP 2005213207 A JP2005213207 A JP 2005213207A
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Abstract

【解決手段】主鎖の炭素数が3以上のアルキレン基、ホスホノ基及び2つ以上の重合性基を有する重合性単量体(a)と、水溶性溶剤(b)とを含有する接着性組成物が提供される。
【効果】硬質組織に対して優れた接着耐久性及び辺縁封鎖耐久性を発現する接着性組成物が提供される。本発明に係る接着性組成物は、例えば、医療分野又は歯科分野において、硬質組織と、修復材料、とりわけレジン材料とを接着するのに用いて好適である。特に、本発明に係る接着性組成物は歯質に対する辺縁封鎖耐久性に優れるので、これを齲蝕の治療に用いることにより、歯質と修復材料との接合部からの齲蝕菌の侵入が抑制されて、齲蝕の再発、すなわち二次齲蝕が防止される。
【選択図】なし

Description

本発明は、医療分野及び歯科分野において用いる接着性組成物に係わり、詳しくは、それらの分野において、骨、爪、歯等の硬質組織と、コンポジットレジン、陶材、セラミックス、金属、樹脂等の補綴材料や、ボンディング材、セメントなどとを接着するために用いる接着性組成物に関する。
歯科分野においては、齲蝕などにより損傷した歯質(エナメル質、象牙質及びセメント質)の修復に、通常、充填用コンポジットレジン、充填用コンポマー等の充填修復材料や、金属合金、陶材、レジン材料等の歯冠修復材料が用いられる。しかし、充填修復材料及び歯冠修復材料(この明細書においては、両者を「歯科用修復材料」と総称することがある)自体には歯質に対する接着性がない。このため、従来、歯質と歯科用修復材料との接着には、接着性組成物を用いる様々な接着システムが用いられている。従来汎用されている接着システムとしては、歯質の表面に、リン酸水溶液等の酸エッチング剤を用いてエッチング処理を施した後に、接着剤であるボンディング材を塗布して、歯質と歯科用修復材料とを接着する、いわゆる酸エッチング型の接着システムがある。
近年、新たな接着システムとして、酸エッチング剤を用いない、いわゆるセルフエッチング型の接着システムが提案されている(例えば、下記の特許文献1、2参照)。この接着システムは、歯質の表面に、酸性モノマーと親水性モノマーとを含有するセルフエッチングプライマーを塗布した後、水洗することなく、ボンディング剤を塗布する接着システムである。
特開昭62−223289号公報(第8頁、表1) 特開平3−240712号公報(第8頁、表1)
一般に、歯科治療は、唾液や血液による汚染を受けやすい環境下でなされることから、接着操作を簡便、且つ迅速に行う必要がある。
しかるに、酸エッチング型の接着システムでは、エッチング処理後に、使用した酸エッチング剤を取り除くための水洗及び乾燥の各工程が別途必要である。このため、接着操作を簡便、且つ迅速に行うことが困難である。また、この接着システムでは、エナメル質に対しては十分な接着性及び辺縁封鎖性(歯質と修復材料との接合部(辺縁部)の封鎖性)が得られるものの、象牙質に対しては十分な接着性及び辺縁封鎖性が得られない。
特許文献1及び2に記載されているセルフエッチング型の接着システムによれば、酸エッチング剤を使用しないので、水洗及び乾燥の各工程が不要である。また、エナメル質のみならず象牙質に対しても、ある程度の接着性及び辺縁封鎖性が得られる。しかし、この接着システムでは、プライマー(セルフエッチングプライマー)を使用するも、未だ実用上十分な接着耐久性(接着性の持続性)及び辺縁封鎖耐久性(辺縁封鎖性の持続性)が得られない。すなわち、耐久性試験を実施すると、使用する酸又は酸性基含有重合性単量体の種類によって程度の差はあるが、接着性及び辺縁封鎖性が経時的に大きく低下する。したがって、修復治療後一定期間経過すると、歯質と修復材料との接合部に隙間が生じ、その隙間から齲蝕菌が侵入して齲蝕が進行する。このため、歯科医師などから、優れた接着耐久性及び辺縁封鎖耐久性を発現する接着性組成物の開発が要望されていた。
本発明は、上記の要望に応えるべくなされたものであって、硬質組織、特に、エナメル質、象牙質等の歯質に対して優れた接着耐久性及び辺縁封鎖耐久性を発現する接着性組成物を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するためになされた請求項1記載の発明に係る接着性組成物は、主鎖の炭素数が3以上のアルキレン基、ホスホノ基(−P(=O)(OH)2 )及び2つ以上の重合性基を有する酸性基含有重合性単量体(a)と、水溶性溶剤(b)とを含有する。
請求項2記載の発明に係る接着性組成物では、上記酸性基含有重合性単量体(a)として、主鎖の炭素数が6以上のアルキレン基、ホスホノ基及び2つ以上の重合性基を有する重合性単量体(a−1)が用いられる。
請求項3記載の発明に係る接着性組成物では、上記重合性単量体(a−1)として、下記化9又は化10で表される重合性単量体が用いられる。
Figure 2005213207
〔式中、R1 及びR2 は互いに同一又は異なって水素原子又はメチル基;−Y−は−O−、−S−、−OC(=O)−、−OC(=O)NH−又は−OC(=O)NHC(=O)−;nは6〜20の整数である〕
Figure 2005213207
〔式中、R1 、R2 及びR3 は互いに同一又は異なって水素原子又はメチル基;−Y−は−O−、−S−、−OC(=O)−、−OC(=O)NH−又は−OC(=O)NHC(=O)−;nは6〜20の整数である〕
請求項4記載の発明に係る接着剤組成物は、主鎖の炭素数が3以上のアルキレン基、ホスホノ基及び2つ以上の重合性基を有する酸性基含有重合性単量体(a)と、水溶性溶剤(b)と、水(c)とを含有する。
請求項5記載の発明に係る接着剤組成物では、上記酸性基含有重合性単量体(a)として、主鎖の炭素数が6以上のアルキレン基、ホスホノ基及び2つ以上の重合性基を有する重合性単量体(a−1)が用いられる。
請求項6記載の発明に係る接着剤組成物では、上記重合性単量体(a−1)として、下記化11又は化12で表される重合性単量体が用いられる。
Figure 2005213207
〔式中、R1 及びR2 は互いに同一又は異なって水素原子又はメチル基;−Y−は−O−、−S−、−OC(=O)−、−OC(=O)NH−又は−OC(=O)NHC(=O)−;nは6〜20の整数である〕
Figure 2005213207
〔式中、R1 、R2 及びR3 は互いに同一又は異なって水素原子又はメチル基;−Y−は−O−、−S−、−OC(=O)−、−OC(=O)NH−又は−OC(=O)NHC(=O)−;nは6〜20の整数である〕
請求項7記載の発明に係る接着剤組成物では、硬化剤(d)をさらに含有させる。
請求項8記載の発明に係る接着剤組成物では、フィラー(e)をさらに含有させる。
請求項9記載の発明に係るプライマー組成物は、主鎖の炭素数が3以上のアルキレン基、ホスホノ基及び2つ以上の重合性基を有する酸性基含有重合性単量体(a)と、水溶性溶剤(b)と、水(c)とを含有する。
請求項10記載の発明に係るプライマー組成物では、上記酸性基含有重合性単量体(a)として、主鎖の炭素数が6以上のアルキレン基、ホスホノ基及び2つ以上の重合性基を有する重合性単量体(a−1)が用いられる。
請求項11記載の発明に係るプライマー組成物では、上記重合性単量体(a−1)として、下記化13又は化14で表される重合性単量体が用いられる。
Figure 2005213207
〔式中、R1 及びR2 は互いに同一又は異なって水素原子又はメチル基;−Y−は−O−、−S−、−OC(=O)−、−OC(=O)NH−又は−OC(=O)NHC(=O)−;nは6〜20の整数である〕
Figure 2005213207
〔式中、R1 、R2 及びR3 は互いに同一又は異なって水素原子又はメチル基;−Y−は−O−、−S−、−OC(=O)−、−OC(=O)NH−又は−OC(=O)NHC(=O)−;nは6〜20の整数である〕
請求項12記載の発明に係るセメント組成物は、主鎖の炭素数が3以上のアルキレン基、ホスホノ基及び2つ以上の重合性基を有する酸性基含有重合性単量体(a)と、水溶性溶剤(b)と、硬化剤(d)とを含有する。
請求項13記載の発明に係るセメント組成物では、上記酸性基含有重合性単量体(a)として、主鎖の炭素数が6以上のアルキレン基、ホスホノ基及び2つ以上の重合性基を有する重合性単量体(a−1)が用いられる。
請求項14記載の発明に係るセメント組成物では、上記重合性単量体(a−1)として、下記化15又は化16で表される重合性単量体が用いられる。
Figure 2005213207
〔式中、R1 及びR2 は互いに同一又は異なって水素原子又はメチル基;−Y−は−O−、−S−、−OC(=O)−、−OC(=O)NH−又は−OC(=O)NHC(=O)−;nは6〜20の整数である〕
Figure 2005213207
〔式中、R1 、R2 及びR3 は互いに同一又は異なって水素原子又はメチル基;−Y−は−O−、−S−、−OC(=O)−、−OC(=O)NH−又は−OC(=O)NHC(=O)−;nは6〜20の整数である〕
請求項15記載の発明に係るセメント組成物では、フィラー(e)をさらに含有させる。
硬質組織に対して優れた接着耐久性及び辺縁封鎖耐久性を発現する接着性組成物が提供される。本発明に係る接着性組成物は、例えば、医療分野及び歯科分野において、硬質組織と、修復材料、とりわけレジン材料とを接着する際に用いて好適である。特に、本発明に係る接着性組成物は歯質に対する辺縁封鎖耐久性に優れるので、これを齲蝕の治療に用いることにより、歯質と修復材料との接合部からの齲蝕菌の侵入が抑制されて、齲蝕の再発、すなわち二次齲蝕が防止される。
本発明における酸性基含有重合性単量体(a)は、主鎖の炭素数が3以上のアルキレン基、ホスホノ基及び2つ以上の重合性基を有する。特に、主鎖の炭素数が6以上のアルキレン基、ホスホノ基及び2つ以上の重合性基を有する重合性単量体(a−1)が、優れた接着力および辺縁封鎖性を発現するので好ましい。重合性単量体(a−1)の具体例としては、下記化17又は化18で表される重合性単量体が挙げられる。
Figure 2005213207
〔式中、R1 及びR2 は互いに同一又は異なって水素原子又はメチル基;−Y−は−O−、−S−、−OC(=O)−、−OC(=O)NH−又は−OC(=O)NHC(=O)−;nは6〜20の整数である〕
Figure 2005213207
〔式中、R1 、R2 及びR3 は互いに同一又は異なって水素原子又はメチル基;−Y−は−O−、−S−、−OC(=O)−、−OC(=O)NH−又は−OC(=O)NHC(=O)−;nは6〜20の整数である〕
酸性基含有重合性単量体(a)は、1種単独を配合してもよく、複数種類を組み合わせて配合してもよい。その配合量は、用途によって異なる。本発明に係る接着性組成物を接着剤組成物又はプライマー組成物として用いる場合の酸性基含有重合性単量体(a)の配合量は、組成物の全重量に基づいて、0.1〜50重量%の範囲が好ましく、0.5〜40重量%の範囲がより好ましく、1〜30重量%の範囲が最も好ましい。また、本発明に係る接着性組成物をセメント組成物として用いる場合の酸性基含有重合性単量体(a)の配合量は、組成物の全重量に基づいて、0.1〜30重量%の範囲が好ましく、0.5〜20重量%の範囲がより好ましく、1〜15重量%の範囲が最も好ましい。同配合量が過多及び過少いずれの場合も接着性及び辺縁封鎖性が低下することがある。
本発明において、水溶性溶剤(b)とは、25°Cにおける水に対する溶解度が5重量%以上の溶剤である。同溶解度が30重量%以上の溶剤が好ましく、任意の割合で水に溶解可能な溶剤がより好ましい。水溶性溶剤(b)としては、エタノール、メタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下、アクリレートとメタクリレートとを(メタ)アクリレートと総称する)、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルクロライド、ポリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート(オキシエチレン基の数が9以上のもの)が例示される。これら例示の水溶性溶剤の中でも、常圧における沸点が150°C以下(より好ましくは100°C以下)の水溶性揮発性有機溶剤(b1)、及び、水溶性重合性単量体(b2)が好ましい。常圧における沸点が150°C以下の水溶性揮発性有機溶剤(b1)は、歯科用エアーシリンジにて容易に蒸散させることができるので好ましい。その具体例としては、エタノール、メタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフランが挙げられる。また、水溶性重合性単量体(b2)は、重合により硬化するので必ずしもエアーシリンジ等で蒸散させる必要がない点で、好ましい。その具体例としては、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、1,3−ジヒドロキシプロピルメタアクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルメタアクリレート、ポリエチレングルコールジメタアクリレート(但し、オキシエチレン基の繰り返し単位数が9以上のもの)が挙げられる。
水溶性溶剤(b)は、1種単独を配合してもよく、複数種類を組み合わせて配合してもよい。その配合量は、接着性組成物の全重量に基づいて、1〜90重量%の範囲が好ましく、5〜80重量の範囲がより好ましく、10〜60重量%の範囲が最も好ましい。同配合量が過多及び過少いずれの場合も接着性及び辺縁封鎖性が低下することがある。
本発明に係る接着性組成物を、前処理剤を用いない歯牙治療において、プライマー組成物又は接着剤組成物として用いる場合は、水(c)を配合することが好ましい。水(c)は、歯質に対する酸性基含有重合性単量体(a)の脱灰作用を促進するとともに、プライマー組成物又は接着剤組成物の歯質への浸透性を向上させる。接着性に悪影響を及ぼす不純物を実質的に含有しないものを使用する必要がある。蒸留水又はイオン交換水が好ましい。その配合量は、組成物の全重量に基づいて、1〜70重量%の範囲が好ましく、5〜60重量%の範囲がより好ましく、10〜50重量%の範囲が最も好ましい。同配合量が過多及び過少いずれの場合も接着性が低下することがある。
本発明に係る接着性組成物を接着剤組成物又はセメント組成物として用いる場合は、硬化剤(d)を配合することが好ましい。硬化剤(d)を配合することにより、接着性を高めることができる。硬化剤(d)としては、公知の硬化剤を使用することができる。具体例としては、α−ジケトン類(d−1)、ケタール類(d−2)、チオキサントン類(d−3)、アシルホスフィンオキサイド類(d−4)、クマリン類(d−5)、ハロメチル基置換−s−トリアジン誘導体(d−6)、過酸化物(d−7)等の重合開始剤や、芳香族第3級アミン(d−8)、脂肪族第3級アミン(d−9)、スルフィン酸及びその塩(d−10)、アルデヒド類(d−11)、チオール基を有する化合物(d−12)等の重合促進剤が挙げられる。
α−ジケトン類(d−1)としては、カンファーキノン、ベンジル、2,3−ペンタンジオンが例示される。
ケタール類(d−2)としては、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタールが例示される。
チオキサントン類(d−3)としては、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントンが例示される。
アシルホスフィンオキサイド類(d−4)としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ジベンゾイルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、トリス(2,4−ジメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイド、トリス(2−メトキシベンゾイル)ホスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイル−ビス(2,6−ジメチルフェニル)ホスホネート、2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキサイドが例示される。
クマリン類(d−5)としては、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノ)クマリン、3−(4−メトキシベンゾイル)クマリン、3−チェノイルクマリンが例示される。
ハロメチル基置換−s−トリアジン誘導体(d−6)としては、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンが例示される。
過酸化物(d−7)としては、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシエステル類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシケタール類、ケトンパーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類が例示される。ジアシルパーオキサイド類の具体例としてはベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイドが挙げられる。パーオキシエステル類の具体例としては、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートが挙げられる。ジアルキルパーオキサイド類の具体例としては、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドが挙げられる。パーオキシケタール類の具体例としては、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが挙げられる。ケトンパーオキサイド類の具体例としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド等が挙げられる。ハイドロパーオキサイド類の具体例としては、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、p−ジイソプロピルベンゼンパーオキサイドが挙げられる。
芳香族第3級アミン(d−8)としては、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−3,5−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−3,4−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−4−エチルアニリン、N,N−ジメチル−4−イソプロピルアニリン、N,N−ジメチル−4−t−ブチルアニリン、N,N−ジメチル−3,5−ジ−t−ブチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジメチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,4−ジメチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−エチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−イソプロピルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−t−ブチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジ−イソプロピルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジ−t−ブチルアニリン、4−N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−N,N―ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−N,N−ジメチルアミノ安息香酸n−ブトキシエチル、4−N,N−ジメチルアミノ安息香酸2−(メタクリロイルオキシ)エチル、4−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノンが例示される。
脂肪族第3級アミン(d−9)としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−ラウリルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、N−メチルジエタノールアミンジメタクリレート、N−エチルジエタノールアミンジメタクリレート、トリエタノールアミンモノメタクリレート、トリエタノールアミンジメタクリレート、トリエタノールアミントリメタクリレートが例示される。
スルフィン酸及びその塩(d−10)としては、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸カリウム、ベンゼンスルフィン酸カルシウム、ベンゼンスルフィン酸リチウム、トルエンスルフィン酸、トルエンスルフィン酸ナトリウム、トルエンスルフィン酸カリウム、トルエンスルフィン酸カルシウム、トルエンスルフィン酸リチウム、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸カルシウム、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸リチウム、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸カルシウム、2,4,6−イソプロピルベンゼンスルフィン酸、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸カルシウムが例示される。
アルデヒド類(d−11)としては、ジメチルアミノベンズアルデヒド、テレフタルアルデヒドが例示される。
チオール基を有する化合物(d−12)としては、2−メルカプトベンゾオキサゾール、デカンチオール、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、チオ安息香酸が例示される。
硬化剤(d)は、1種単独を配合してもよく、複数種類を組み合わせて配合してもよい。その配合量は、接着性組成物の全重量に基づいて、0.01〜10重量%の範囲が好ましく、0.05〜7重量%の範囲がより好ましく、0.1〜5重量%の範囲が最も好ましい。
組成物の親水性/疎水性バランス、粘度の調整、機械的強度又は接着力の向上のために、酸性基含有重合性単量体(a)及び水溶性重合性単量体(b2)以外の重合性単量体を配合してもよい。
かかる重合性単量体としては、α−シアノアクリル酸、(メタ)アクリル酸、α−ハロゲン化アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸、マレイン酸、イタコン酸、これら有機酸のエステル類、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、モノ−N−ビニル誘導体、スチレン誘導体が例示される。中でも、(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2,3−ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、11−メタクリロイルオキシウンデシルトリメトキシシラン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジル(メタ)アクリレート、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル〕プロパン、[2,2,4−トリメチルヘキサメチレンビス(2−カルバモイルオキシエチル)]ジメタクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、N,N’−(2,2,4−トリメチルヘキサメチレン)ビス〔2−(アミノカルボキシ)プロパン−1,3−ジオール〕テトラメタクリレート、1,7−ジアクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラアクリロイルオキシメチル−4−オキシヘプタンが例示される。
これらの重合性単量体は、1種単独を配合してもよく、複数種類を組み合わせて配合してもよい。通常、これらの重合性単量体の配合量は、接着性組成物の全重量に基づいて、1〜80重量%の範囲が好ましく、25〜70重量%の範囲がより好ましく、30〜60重量%の範囲が最も好ましい。これらの重合性単量体の配合量が過多な場合は、浸透性が低下して接着性や辺縁封鎖性が低下することがある。
本発明に係る接着性組成物を接着剤組成物又はセメント組成物として用いる場合は、接着力、塗布性、流動性、X線不透過性及び機械的強度を向上させるために、フィラー(e)を配合してもよい。フィラー(e)としては、無機系フィラー、有機系フィラー及び無機系フィラーと有機系フィラーとの複合体フィラーが挙げられる。
無機系フィラーとしては、シリカ;カオリン、クレー、雲母、マイカ等のシリカを基材とする鉱物;シリカを基材とし、Al23、B23、TiO2、ZrO2、BaO、La23、SrO2、CaO、P25などを含有する、セラミックス及びガラス類が例示される。ガラス類としては、ランタンガラス、バリウムガラス、ストロンチウムガラス、ソーダガラス、リチウムボロシリケートガラス、亜鉛ガラス、フルオロアルミノシリケートガラス、ホウ珪酸ガラス、バイオガラスが好ましい。これらの外、結晶石英、ヒドロキシアパタイト、アルミナ、酸化チタン、酸化イットリウム、ジルコニア、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化リチウム、フッ化イッテルビウムも好ましい。
有機系フィラーとしては、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、多官能メタクリレートの重合体、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴムが例示される。
無機系フィラーと有機系フィラーとの複合体フィラーとしては、有機系フィラーに無機系フィラーを分散させたもの、無機系フィラーを種々の重合性単量体にてコーティングしたものが例示される。
硬化性、機械的強度、塗布性などを向上させるために、フィラー(e)をシランカップリング剤等の公知の表面処理剤で予め表面処理してから用いてもよい。表面処理剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリ(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランが例示される。
フィラー(e)は、1種単独を配合してもよく、複数種類を組み合わせて配合してもよい。その配合量は本発明に係る接着性組成物の用途によって異なる。例えば、本発明に係る接着性組成物を充填用コンポジットレジン用の接着剤組成物として使用する場合のフィラー(e)の配合量は、接着剤組成物の全重量に基づいて、0.1〜30重量%の範囲が好ましく、0.5〜20重量%の範囲がより好ましく、1〜10重量%の範囲が最も好ましい。また、本発明に係る接着性組成物をセメント組成物として使用する場合のフィラー(e)の配合量は、セメント組成物の全重量に基づいて、30〜85重量%の範囲が好ましく、40〜80重量%の範囲がより好ましく、50〜75重量%の範囲が最も好ましい。
本発明に係る接着性組成物を歯牙治療に用いる場合は、歯質に耐酸性を付与するために、フッ素イオン放出性物質を配合してもよい。フッ素イオン放出性物質としては、フルオロアルミノシリケートガラス等のフッ素ガラス類;フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化リチウム、フッ化イッテルビウム等の金属フッ化物;メタクリル酸メチルとメタクリル酸フルオライドとの共重合体等のフッ素イオン放出性ポリマー;セチルアミンフッ化水素酸塩等のフッ素イオン放出性物質が例示される。
安定剤(重合禁止剤)、着色剤、蛍光剤、紫外線吸収剤を配合してもよい。また、抗菌性を付与する目的で、セチルピリジニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムブロマイド、(メタ)アクリロイルオキシヘキサデシルピリジニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシデシルアンモニウムクロライド、トリクロサン等の抗菌性物質を配合してもよい。
本発明に係る接着性組成物は、充填材料用の接着剤組成物、セメント、ボンディング材等の接着材料の歯質などに対する接着性を増強することを目的として予め歯質などの表面に下塗りするプライマー組成物、歯冠修復材料を歯質などに接着するためのセメント組成物などとして好適に用いられる。
本発明に係る接着性組成物を歯牙治療における接着剤組成物又はプライマー組成物として用いる場合の接着操作の一例を示すと次のとおりである。先ず、本発明に係る接着性組成物(接着剤組成物又はプライマー組成物)をスポンジ又はブラシを用いて治療すべき歯牙に塗布し、その状態で0秒(すなわち塗布後すぐに下記のエアーブローを行う)〜120秒間静置するか、或いは、歯質表面上でスポンジ等を用いて60秒以内の範囲で擦り続ける。次いで、必要に応じて歯科用エアーシリンジを用いてエアーブローを行った後に、充填材料(コンポジットレジンなど)、ボンディング材、セメント、小窩裂溝填塞材料等の充填修復材料を接着性組成物を塗布した面に塗布して、両者を同時に硬化させる。尤も、本発明に係る接着性組成物が、光照射によってラジカルを発生する硬化剤(光重合開始剤)を含有する場合は、充填修復材料を塗布する前に、歯質表面に塗布した接着性組成物に歯科用可視光線照射器を用いて光照射してこれを充填修復材料とは別に硬化させる方が、より優れた接着性が得られるので、好ましい。
本発明に係る接着性組成物を歯牙治療におけるセメント組成物として用いる場合の接着操作の一例を示すと次のとおりである。先ず、本発明に係るセメント組成物を金属合金、陶材、セラミックス、レジン硬化物等の歯冠修復材料の接着面に塗布する。次いで、歯冠修復材料の接着面を被接着部(歯質など)に圧接してセメント組成物を硬化させ、歯冠修復材料と被接着部とを接着する。
本発明に係る接着性組成物は、歯質のみならず、口腔内で破折した歯冠修復材料(金属、陶材、セラミックス、コンポジット硬化物など)に対しても優れた接着力を発現する。本発明に係る接着性組成物を破折した歯冠修復材料の接着に用いる場合は、本発明に係る接着性組成物を、市販の金属接着用プライマー、陶材接着用のプライマー等のプライマーや次塩素酸塩、過酸化水素水等の歯面清掃剤と組み合わせて用いてもよい。
実施例により本発明を更に詳細に説明する。本発明は下記の実施例に限定されるものではない。以下で用いる略記号は次の通りである。
〔酸性基含有重合性単量体〕
MA:マレイン酸
4−AET:4−アクリロキシエチルトリメリット酸
PTDP:下記化19で表される酸性基含有重合性単量体(a)
Figure 2005213207
PDDP:下記化20で表される酸性基含有重合性単量体(a)
Figure 2005213207
PDHP:下記化21で表される酸性基含有重合性単量体(a)
Figure 2005213207
〔水溶性重合性単量体(b2)〕
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
〔硬化剤(d)〕
CQ:dl−カンファーキノン
BPO:ベンゾイルパーオキサイド
DEPT:N,N―ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン
DABE:4−N,N―ジメチルアミノ安息香酸エチル
TPSS:2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸ナトリウム
〔重合性単量体〕
UDMA:[2,2,4−トリメチルヘキサメチレンビス(2−カルバモイルオキシエチル)]ジメタクリレート
Bis−GMA:ビスフェノールAジグリシジルメタクリレート
3G:トリエチレングリコールジメタクリレート
〔その他〕
BHT:2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(安定剤(重合禁止剤))
(実施例1)
PTDP(10重量部)とHEMA(90重量部)とを混合して、本発明に係るプライマー組成物(接着性組成物)を調製した。次いで、このプライマー組成物について、下記の接着耐久性試験方法A1及び辺縁封鎖耐久性試験方法B1により、それぞれ接着耐久性及び辺縁封鎖耐久性を調べた。表1に、このプライマー組成物の配合比(重量部)及び試験結果を示す。表1に示す接着強度(MPa)の値は、8個の試験片についての測定値の平均値であり、また表1に示す辺縁封鎖性の値は15個の切片についてのスコアの平均値である。
(実施例2〜4及び比較例1〜3)
本発明に係るプライマー組成物(実施例2〜4)及び比較のためのプライマー組成物(比較例1〜3)を調製し、これらのプライマー組成物について、下記の接着耐久性試験及び辺縁封鎖耐久性試験を行った。表1に、これらのプライマー組成物の配合比(重量部)及び試験結果を示す。
〔接着耐久性試験方法A1〕
牛の前歯を#1000シリコン・カーバイド紙(日本研紙社製)で平滑に湿潤研磨してエナメル質表面又は象牙質表面を露出させた後、表面の水を歯科用エアーシリンジを用いて吹き飛ばす。露出したエナメル質表面又は象牙質表面に、直径3mmの丸穴を有する厚さ約150μmの粘着テープを貼着し、丸穴にプライマー組成物を筆を用いて塗布し、10秒間放置した後、歯科用エアーシリンジを用いて当該プライマー組成物の流動性が無くなるまで乾燥する。次いで、プライマー組成物の塗布面に、光重合型歯科用ボンディング材(クラレメディカル社製、商品名「クリアフィルメガボンド,ボンド」)を筆を用いて塗布厚約50μmで塗布した後、歯科用光照射器(モリタ社製、商品名「JETLITE3000」)にて10秒間光照射して硬化させる。この硬化面に、光重合型コンポジットレジン(クラレメディカル社製、商品名「クリアフィルAP−X」)を載置し、離型フィルム(クラレ社製、商品名「エバール」)を被せた後、その離型フィルムの上にスライドガラスを載置して押しつけ、上記の歯科用光照射器にて20秒間光照射して、載置した光重合型コンポジットレジンを硬化させる。この硬化面に対して、歯科用レジンセメント(クラレメディカル社製、商品名「パナビア21」)を用いて、直径5mm、長さ1.5cmのステンレス製の円柱棒の一方の端面(円形断面)を接着し、30分間静置して、試験片とする。試験片は、16個(エナメル質表面を露出させたもの8個、象牙質表面を露出させたもの8個)作製する。試験片を、サンプル容器内の蒸留水に浸漬した状態で、37°Cに設定した恒温器内に24時間放置する。次いで、4°Cの冷水(蒸留水)と60°Cの温水(蒸留水)に交互に各1分間浸漬する熱サイクルを2500回行った後に、クロスヘッドスピードを2mm/分に設定した万能試験機(インストロン社製)にて引張接着強度を測定して接着耐久性を調べる。
〔辺縁封鎖耐久性試験方法B1〕
歯科用エアータービンを用いて、直径約4mm、深さ約3mmの窩洞を、人の抜去歯の臼歯部の歯頸線部の中央に形成し、当該窩洞の内面にプライマー組成物を塗布し、10秒間放置した後、エアーシリンジにて、塗布したプライマー組成物の流動性が無くなるまで乾燥する。プライマー組成物の塗布面に、光重合型歯科用ボンディング材(クラレメディカル社製、商品名「クリアフィルメガボンド,ボンド」)を塗布厚約50μmで塗布した後、歯科用光照射器(モリタ社製、商品名「JETLITE3000」)にて10秒間光照射して光重合型歯科用ボンディング材を硬化させる。次いで、光重合型歯科用コンポジットレジン(クラレメディカル社製、商品名「クリアフィルAP−X」)を窩洞内に充填した後、上記の歯科用光照射器にて20秒間光照射して、充填した光重合型歯科用コンポジットレジンを硬化させる。次いで、歯根尖及び歯冠裂溝部などからの色素の浸入を防止するために、光重合型歯科用ボンディング材(クラレメディカル社製、商品名「クリアフィルメガボンド」)を、窩洞修復部及びその周辺部以外の部分に塗布し、上記の歯科用光照射器にて30秒間光照射して硬化させて、試験片とする。試験片は5個作製する。次いで、試験片を、サンプル容器内の蒸留水に浸漬した状態で、37°Cに設定した恒温器内に24時間放置する。試験片を取り出し、4°Cの冷水(蒸留水)と60°Cの温水(蒸留水)に交互に各1分間浸漬する熱サイクルを2500回行った後に、37°Cの0.2%塩基性フクシン水溶液に24時間浸漬し、水洗し、歯科用エアーシリンジにて乾燥する。乾燥後、試験片を、低速ダイヤモンドカッターにて修復部分を縦方向に切断して3分割し、1個の試験片から3つの切片、すなわち5個の試験片から15個の切片を作製する。次いで、これら15個の切片について、歯頂部(エナメル質)の窩縁及び歯頸部(象牙質)の窩縁への色素の侵入を光学顕微鏡にて観察して、それぞれの部位について、下記の基準によりスコアを求め、15個の切片についてのスコアの平均値を算出する。この平均値が小さいものほど、辺縁封鎖耐久性が良いプライマー組成物である。
スコア0:窩壁部及び窩底部のいずれにも色素の侵入が全く認められない。
スコア1:窩底部には色素の侵入は認められないが、窩壁部には窩壁の1 /2未満の色素が侵入が認められる。
スコア2:窩底部には色素の侵入は認められないが、窩壁部には窩壁の1 /2以上の色素が侵入が認められる。
スコア3:窩壁部及び窩底部の両方に色素の侵入が認められる。
Figure 2005213207
表1より、PTDP、PDDP又はPDHP(酸性基含有重合性単量体(a))と、HEMA(水溶性溶剤(b))とからなる実施例1〜3のプライマー組成物は、接着耐久性及び辺縁封鎖耐久性が良いこと、及び、蒸留水(水(c))をさらに含有する実施例4のプライマー組成物は、接着耐久性及び辺縁封鎖耐久性が極めて良いことが分かる。また、同表より、酸性基含有重合性単量体(a)に代えてMA又は4−AETを同量含有すること以外は実施例1のプライマー組成物と同じ組成の比較例1、2のプライマー組成物は、接着耐久性及び辺縁封鎖耐久性が悪いこと、及び、HEMA(水溶性溶剤(b))に代えて3G(疎水性溶剤;25°Cにおける水に対する溶解度:1重量%未満)を同量含有すること以外は実施例1のプライマー組成物と同じ組成の比較例3のプライマー組成物は、辺縁封鎖耐久性が悪い上、接着耐久性が極めて悪いことが分かる。
(実施例5〜10及び比較例4)
本発明に係るプライマー組成物(実施例5〜10)及び比較のためのプライマー組成物(比較例4)を調製し、これらのプライマー組成物について、上記の接着耐久性試験及び辺縁封鎖耐久性試験を行った。表2に、これらのプライマー組成物の配合比(重量部)及び試験結果を示す。
Figure 2005213207
表2より、PTDP又はPDDP(酸性基含有重合性単量体(a))と、HEMA及び/又はエタノール(水溶性溶剤(b))と、蒸留水(水(c))と、CQ、DABE、DEPT及び/又はTPSS(硬化剤(d))とからなる実施例5〜10のプライマー組成物は、接着耐久性及び辺縁封鎖耐久性が良いことが分かる。また、同表より、HEMA及びエタノール(水溶性溶剤(b))45重量部と蒸留水(水(c))40重量部に代えて3G(疎水性溶剤)を85重量部含有すること以外は実施例5のプライマー組成物と同じ組成の比較例4のプライマー組成物は、接着耐久性及び辺縁封鎖耐久性が良くないことが分かる。
(実施例11)
PTDP(20重量部)と、HEMA(20重量部)と、エタノール(40重量部)と、蒸留水(10重量部)と、Bis−GMA(10重量部)と、CQ(1重量部)と、DABE(1重量部)と、BHT(0.05重量部)とを混合して、本発明に係る接着剤組成物(接着性組成物)を調製した。次いで、この接着剤組成物について、下記の接着耐久性試験方法A2及び辺縁封鎖耐久性試験方法B2により、それぞれ接着耐久性及び辺縁封鎖耐久性を調べた。表3に、この接着剤組成物の配合比(重量部)及び試験結果を示す。表3に示す接着強度(MPa)の値は、いずれも8個の試験片についての測定値の平均値であり、また表3に示す辺縁封鎖耐久性の値は15個の切片についてのスコアの平均値である。
(実施例12〜14及び比較例5、6)
本発明に係る接着剤組成物(実施例12〜14)及び比較のための接着剤組成物(比較例5、6)を調製し、これらの接着剤組成物について、下記の接着耐久性試験A2及び辺縁封鎖耐久性試験B2を行った。表3に、これらの接着剤組成物の配合比(重量部)及び試験結果を示す。
〔接着耐久性試験方法A2〕
牛の前歯を#1000シリコン・カーバイド紙(日本研紙社製)で平滑に湿潤研磨してエナメル質表面又は象牙質表面を露出させた後、表面の水を歯科用エアーシリンジを用いて吹き飛ばす。露出したエナメル質表面又は象牙質表面に、直径3mmの丸穴を有する厚さ約150μmの粘着テープを貼着し、丸穴に接着剤組成物を筆を用いて塗布し、20秒間放置した後、歯科用エアーシリンジを用いて当該接着剤組成物の流動性が無くなるまで乾燥する。次いで、歯科用光照射器(モリタ社製、商品名「JETLITE3000」)にて10秒間光照射して硬化させる。この硬化面に、光重合型コンポジットレジン(クラレメディカル社製、商品名「クリアフィルAP−X」)を載置し、離型フィルム(クラレ社製、商品名「エバール」)を被せた後、その離型フィルムの上にスライドガラスを載置して押しつけ、上記の歯科用光照射器にて20秒間光照射して、載置した光重合型コンポジットレジンを硬化させる。この硬化面に対して、歯科用レジンセメント(クラレメディカル社製、商品名「パナビア21」)を用いて、直径5mm、長さ1.5cmのステンレス製の円柱棒の一方の端面(円形断面)を接着し、30分間静置して、試験片とする。試験片は、16個(エナメル質表面を露出させたもの8個、象牙質表面を露出させたもの8個)作製する。試験片を、サンプル容器内の蒸留水に浸漬した状態で、37°Cに設定した恒温器内に24時間放置する。次いで、4°Cの冷水(蒸留水)と60°Cの温水(蒸留水)に交互に各1分間浸漬する熱サイクルを2500回行った後に、クロスヘッドスピードを2mm/分に設定した万能試験機(インストロン社製)にて引張接着強度を測定して接着耐久性を調べる。
〔辺縁封鎖耐久性試験方法B2〕
歯科用エアータービンを用いて、直径約4mm、深さ約3mmの窩洞を、人の抜去歯の臼歯部の歯頸線部の中央に形成し、当該窩洞の内面に接着剤組成物を塗布し、20秒間放置した後、エアーシリンジにて、塗布した接着剤組成物の流動性が無くなるまで乾燥する。乾燥後、歯科用光照射器(モリタ社製、商品名「JETLITE3000」)にて10秒間光照射して、接着剤組成物を硬化させる。次いで、光重合型歯科用コンポジットレジン(クラレメディカル社製、商品名「クリアフィルAP−X」)を窩洞内に充填した後、上記の歯科用光照射器にて20秒間光照射して、充填した光重合型歯科用コンポジットレジンを硬化させる。歯根尖及び歯冠裂溝部などからの色素の浸入を防止するために、光重合型歯科用ボンディング材(クラレメディカル社製、商品名「クリアフィルメガボンド」)を、窩洞修復部及びその周辺部以外の部分に塗布し、上記の歯科用光照射器にて30秒間光照射して硬化させて、試験片とする。試験片は5個作製する。試験片を、サンプル容器内の蒸留水に浸漬した状態で、37°Cに設定した恒温器内に24時間放置する。試験片を取り出し、4°Cの冷水(蒸留水)と60°Cの温水(蒸留水)に交互に各1分間浸漬する熱サイクルを2500回行った後に、37°Cの0.2%塩基性フクシン水溶液に24時間浸漬し、水洗し、歯科用エアーシリンジにて乾燥する。乾燥後、低速ダイヤモンドカッターにて修復部分を縦方向に切断して3分割し、1個の試験片から3つの切片、すなわち5個の試験片から15個の切片を作製する。次いで、これら15個の切片について、歯頂部(エナメル質)の窩縁及び歯頸部(象牙質)の窩縁への色素の侵入を光学顕微鏡にて観察して、それぞれの部位について、先に示した基準によりスコアを求め、15個の切片についてのスコアの平均値を算出する。
Figure 2005213207
表3より、PTDP又はPDDP(酸性基含有重合性単量体(a))と、HEMA及びエタノール(水溶性溶剤(b))と、蒸留水(水(c))とを含有する実施例11〜14の接着剤組成物は、接着耐久性及び辺縁封鎖耐久性が良いことが分かる。また、同表より、水溶性溶剤(b)も水(c)も含有しない比較例5、6の接着剤組成物は、接着耐久性及び辺縁封鎖耐久性が極めて良くないことが分かる。
(実施例15)
PTDP(30重量部)と、Bis−GMA(40重量部)と、3G(30重量部)と、CQ(1重量部)と、BPO(2重量部)と、BHT(0.05重量部)と、シラン処理した石英粉末(300重量部)とを混合して、ペースト組成物Aを調製した。また、Bis−GMA(60重量部)と、HEMA(40重量部)と、DEPT(1重量部)と、TPSS(0.5重量部)と、BHT(0.05重量部)と、バリウムガラス粉末(300重量部)とを混合して、ペースト組成物Bを調製した。次いで、ペースト組成物Aとペースト組成物Bを、使用直前に等重量採取し、十分に混練して、本発明に係るセメント組成物(接着性組成物)を調製した。このセメント組成物について、下記の接着耐久性試験方法A3及び辺縁封鎖耐久性試験方法B3により、それぞれ接着耐久性及び辺縁封鎖耐久性を調べた。表4に、このセメント組成物の調製に用いたペースト組成物A及びペースト組成物Bの配合比(重量部)及び試験結果を示す。表4に示す接着強度(MPa)の値は、8個の試験片についての測定値の平均値であり、また表4に示す辺縁封鎖耐久性の値は15個の切片についてのスコアの平均値である。
(実施例16〜18及び比較例7、8)
2種のペースト組成物(ペースト組成物A及びペースト組成物B)を、使用直前に等量採取し、十分に混練して、本発明に係るセメント組成物(実施例16〜18)及び比較のためのセメント組成物(比較例7、8)を調製し、これらのセメント組成物について、下記の接着耐久性試験方法A3及び辺縁封鎖耐久性試験方法B3により、それぞれ接着耐久性及び辺縁封鎖耐久性を調べた。表4に、これらのセメント組成物の調製に用いたペースト組成物A及びペースト組成物Bの配合比(重量部)及び試験結果を示す。
〔接着耐久性試験方法A3〕
牛の前歯を#1000シリコン・カーバイド紙(日本研紙社製)で平滑に湿潤研磨してエナメル質表面又は象牙質表面を露出させた後、表面の水を歯科用エアーシリンジを用いて吹き飛ばす。露出したエナメル質表面又は象牙質表面に、直径3mmの丸穴を有する厚さ約150μmの粘着テープを貼着し、丸穴に、ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ハイドロジェンホスフェート(10重量部)、HEMA(45重量部)、水(45重量部)、DEPT(2重量部)及びベンゼンスルフィン酸ナトリウム(2重量部)からなるプライマー組成物を筆を用いて塗布し、20秒間放置した後、歯科用エアーシリンジを用いて当該プライマー組成物の流動性が無くなるまで乾燥する。乾燥後、プライマー組成物の塗布面に、セメント組成物を用いて、直径5mm、長さ1.5cmのステンレス製の円柱棒の一方の端面(円形断面)を接着し、30分間静置して、試験片とする。試験片は、16個(エナメル質表面を露出させたもの8個、象牙質表面を露出させたもの8個)作製する。試験片を、サンプル容器内の蒸留水に浸漬した状態で、37°Cに設定した恒温器内に24時間放置する。次いで、4°Cの冷水(蒸留水)と60°Cの温水(蒸留水)に交互に各1分間浸漬する熱サイクルを2500回行った後に、クロスヘッドスピードを2mm/分に設定した万能試験機(インストロン社製)にて引張接着強度を測定して接着耐久性を調べる。
〔辺縁封鎖耐久性試験方法B3〕
歯科用エアータービンを用いて、直径約4mm、深さ約3mmの窩洞を、人の抜去歯の臼歯部の歯頸線部の中央に形成する。歯科用ゴム質弾性印象材(ジ−シー社製、商品名「エクザファイン」)を用いて印象採取を行った後、歯冠修復材料(クラレメディカル社製、商品名「エステニア」)の硬化物を作製し、その硬化物の表面に40%リン酸水溶液を塗布し、塗布後5秒後に水洗し、乾燥する。乾燥後の硬化物の表面に歯科用ポーセレンボンド接着材料(クラレメディカル社製、商品名「クリアフィルポーセレンボンド」)を塗布し、上記の歯科用エアーシリンジにて乾燥する。次いで、上記の窩洞の内面に、ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ハイドロジェンホスフェート(10重量部)、HEMA(45重量部)、水(45重量部)、DEPT(2重量部)及びベンゼンスルフィン酸ナトリウム(2重量部)からなるプライマー組成物を塗布し、20秒間静置した後、歯科用エアーシリンジにて当該プライマー組成物の流動性が無くなるまで乾燥する。乾燥したプライマー組成物の表面に、セメント組成物を用いて、上記の歯冠修復材料の硬化物を接着する。余剰のセメント組成物は除去する。次いで、セメント組成物の表面に酸素遮断剤(クラレメディカル社製、商品名「オキシガードII」)を塗布して、セメント組成物の表面を硬化させる。酸素遮断剤は接着後10分後に水銃を用いて除去する。次いで、歯根尖及び歯冠裂溝部などからの色素の浸入を防止するために、光重合型歯科用ボンディング材(クラレメディカル社製、商品名「クリアフィルメガボンド」)を、窩洞修復部及びその周辺部以外の部分に塗布し、塗布した光重合型歯科用ボンディング材に歯科用光照射器(モリタ社製、商品名「JETLITE3000」)にて30秒間光照射してこれを硬化させて、試験片とする。試験片は5個作製する。試験片を、サンプル容器内の蒸留水に浸漬した状態で、37°Cに設定した恒温器内に24時間放置する。次いで、試験片を取り出し、4°Cの冷水(蒸留水)と60°Cの温水(蒸留水)に交互に各1分間浸漬する熱サイクルを2500回行った後に、37°Cの0.2%塩基性フクシン水溶液に24時間浸漬し、水洗し、歯科用エアーシリンジにて乾燥する。乾燥後、低速ダイヤモンドカッターにて修復部分を縦方向に切断して3分割し、1個の試験片から3つの切片、すなわち5個の試験片から15個の切片を作製する。次いで、これら15個の切片について、歯頂部(エナメル質)の窩縁及び歯頸部(象牙質)の窩縁への色素の侵入を光学顕微鏡にて観察して、それぞれの部位について、先に示した基準によりスコアを求め、15個の切片についてのスコアの平均値を算出する。
Figure 2005213207
表4より、PTDP又はPDDP(酸性基含有重合性単量体(a))と、HEMA(水溶性溶剤(b))とを含有する実施例15〜18のセメント組成物は、接着耐久性及び辺縁封鎖耐久性が良いことが分かる。また、同表より、PDDP(酸性基含有重合性単量体(a))は含有するものの、水溶性溶剤(b)を含有しない比較例7、8のセメント組成物は、接着耐久性及び辺縁封鎖耐久性が極めて良くないことが分かる。
本発明に係る接着性組成物は、歯牙の硬質組織のみならず骨、爪等の硬質組織に対しても優れた接着耐久性及び辺縁封鎖耐久性を発現するので、歯科分野のみならず医療分野において用いる接着性組成物としても極めて有用である。

Claims (15)

  1. 主鎖の炭素数が3以上のアルキレン基、ホスホノ基及び2つ以上の重合性基を有する酸性基含有重合性単量体(a)と、水溶性溶剤(b)とを含有する接着性組成物。
  2. 前記酸性基含有重合性単量体(a)が、主鎖の炭素数が6以上のアルキレン基、ホスホノ基及び2つ以上の重合性基を有する重合性単量体(a−1)である請求項1記載の接着性組成物。
  3. 前記重合性単量体(a−1)が、下記化1又は化2で表される請求項2記載の接着性組成物。
    Figure 2005213207
    〔式中、R1 及びR2 は互いに同一又は異なって水素原子又はメチル基;−Y−は−O−、−S−、−OC(=O)−、−OC(=O)NH−又は−OC(=O)NHC(=O)−;nは6〜20の整数である〕
    Figure 2005213207
    〔式中、R1 、R2 及びR3 は互いに同一又は異なって水素原子又はメチル基;−Y−は−O−、−S−、−OC(=O)−、−OC(=O)NH−又は−OC(=O)NHC(=O)−;nは6〜20の整数である〕
  4. 主鎖の炭素数が3以上のアルキレン基、ホスホノ基及び2つ以上の重合性基を有する酸性基含有重合性単量体(a)と、水溶性溶剤(b)と、水(c)とを含有する接着剤組成物。
  5. 前記酸性基含有重合性単量体(a)が、主鎖の炭素数が6以上のアルキレン基、ホスホノ基及び2つ以上の重合性基を有する重合性単量体(a−1)である請求項4記載の接着剤組成物。
  6. 前記重合性単量体(a−1)が、下記化3又は化4で表される請求項5記載の接着剤組成物。
    Figure 2005213207
    〔式中、R1 及びR2 は互いに同一又は異なって水素原子又はメチル基;−Y−は−O−、−S−、−OC(=O)−、−OC(=O)NH−又は−OC(=O)NHC(=O)−;nは6〜20の整数である〕
    Figure 2005213207
    〔式中、R1 、R2 及びR3 は互いに同一又は異なって水素原子又はメチル基;−Y−は−O−、−S−、−OC(=O)−、−OC(=O)NH−又は−OC(=O)NHC(=O)−;nは6〜20の整数である〕
  7. 硬化剤(d)をさらに含有する請求項4〜6のいずれかに記載の接着剤組成物。
  8. フィラー(e)をさらに含有する請求項4〜7のいずれかに記載の接着剤組成物。
  9. 主鎖の炭素数が3以上のアルキレン基、ホスホノ基及び2つ以上の重合性基を有する酸性基含有重合性単量体(a)と、水溶性溶剤(b)と、水(c)とを含有するプライマー組成物。
  10. 前記酸性基含有重合性単量体(a)が、主鎖の炭素数が6以上のアルキレン基、ホスホノ基及び2つ以上の重合性基を有する重合性単量体(a−1)である請求項9記載のプライマー組成物。
  11. 前記重合性単量体(a−1)が、下記化5又は化6で表される請求項10記載のプライマー組成物。
    Figure 2005213207
    〔式中、R1 及びR2 は互いに同一又は異なって水素原子又はメチル基;−Y−は−O−、−S−、−OC(=O)−、−OC(=O)NH−又は−OC(=O)NHC(=O)−;nは6〜20の整数である〕
    Figure 2005213207
    〔式中、R1 、R2 及びR3 は互いに同一又は異なって水素原子又はメチル基;−Y−は−O−、−S−、−OC(=O)−、−OC(=O)NH−又は−OC(=O)NHC(=O)−;nは6〜20の整数である〕
  12. 主鎖の炭素数が3以上のアルキレン基、ホスホノ基及び2つ以上の重合性基を有する酸性基含有重合性単量体(a)と、水溶性溶剤(b)と、硬化剤(d)とを含有するセメント組成物。
  13. 前記酸性基含有重合性単量体(a)が、主鎖の炭素数が6以上のアルキレン基、ホスホノ基及び2つ以上の重合性基を有する重合性単量体(a−1)である請求項12記載のセメント組成物。
  14. 前記重合性単量体(a−1)が、下記化7又は化8で表される請求項13記載のセメント組成物。
    Figure 2005213207
    〔式中、R1 及びR2 は互いに同一又は異なって水素原子又はメチル基;−Y−は−O−、−S−、−OC(=O)−、−OC(=O)NH−又は−OC(=O)NHC(=O)−;nは6〜20の整数である〕
    Figure 2005213207
    〔式中、R1 、R2 及びR3 は互いに同一又は異なって水素原子又はメチル基;−Y−は−O−、−S−、−OC(=O)−、−OC(=O)NH−又は−OC(=O)NHC(=O)−;nは6〜20の整数である〕
  15. フィラー(e)をさらに含有する請求項12〜14のいずれかに記載のセメント組成物。
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