JP2005212502A - 空調制御装置及び空調制御方法並びに車両用空調装置 - Google Patents

空調制御装置及び空調制御方法並びに車両用空調装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 圧縮機吸入圧力が負圧となることによる圧縮機内部への空気侵入を防止するとともに、ホットガスヒータサイクルによる暖房機能を速やかに発揮することができる空調制御装置及び空調制御方法並びに車両用空調装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 圧縮機1より吐出された冷媒を蒸発器3を通過させ、圧縮機1に戻すことにより、蒸発器3を放熱器として作動させ、蒸発器3を通過する空調空気を暖めるホットガスヒータサイクルを備える車両用空調装置の空調制御装置であって、ホットガスヒータサイクルによる暖房を開始する場合に、蒸発器3を通過する空調空気の風量が所定風量以下となるように空調空気を送風する送風機11を制御し、送風機11の制御開始と同時、又は制御開始後に、圧縮機1を作動させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ホットガスヒータサイクルを適用した車両用空調装置に用いられる空調制御装置に関する。
従来、車両用空調装置では、冬季暖房時に温水を暖房用熱交換器に循環させ、この暖房用熱交換器にて温水を熱源として空調空気を加熱するようにしている。
この場合、エンジン始動時のごとく温水温度が低いときには車室内への吹出空気温度が低下して必要な暖房能力が得られない場合がある。
そこで、従来からホットガスヒータサイクルにより暖房機能を発揮できる冷凍サイクル装置がある。
この装置では、エンジン始動時のごとく温水温度が所定温度より低いときには、圧縮機とガス冷媒(ホットガス)を凝縮器をバイパスして蒸発器に導入して、蒸発器でガス冷媒から空調空気に放熱することにより、暖房機能を発揮できるようにしている。
ところで、冬季の寒冷時では、外気温が例えば、−20℃以下となるような極低温条件にて冷凍サイクルを起動する場合があり、このような極低温条件ではサイクル封入冷媒の外気温により決まる飽和圧力が非常に低くなっているので、冷凍サイクルの起動前におけるサイクル内圧力(即ち、冷媒飽和圧力)も非常に低いこととなる。従って、冷凍サイクルの圧縮機を起動すると、圧縮機吸入圧力が負圧となって、圧縮機の軸シール部から外気が圧縮機内部へ侵入する恐れがある。
従って、極低温条件下において、ホットガスヒートサイクルを起動させる際には、このような圧縮機内部への空気の侵入を防止しながら圧縮機等の制御を行う必要がある。
そこで、例えば、特開2003−35458号公報(特許文献1)には、圧縮機の吸入圧力に関係する物理量に基づいて、圧縮機吸入圧力が負圧になっているかを判断し、負圧の場合には、所定期間、圧縮機を断続的に作動させることにより圧縮機の吸入圧力を上昇させる方法が提案されている。
特開2003−35458号公報(段落[0043]〜[0061]、及び図4)
上記特許文献1に提案されている方法によれば、確かに、圧縮機の吸入圧力を作動下限値以上に維持することができ、圧縮機の内部に空気が侵入することを防ぐことができる。
しかしながら、圧縮気吸入圧力を上昇させるために、圧縮機を所定時間、断続制御することが必要となるため、圧縮機を停止する期間が定期的に現れることとなる。
従って、起動時において暖房能力が制限されてしまい、ホットガスヒータサイクルの機能を十分に発揮することが難しいという問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、圧縮機吸入圧力が負圧となることによる圧縮機内部への空気侵入を防止するとともに、ホットガスヒータサイクルによる暖房機能を速やかに発揮することができる空調制御装置及び空調制御方法並びに車両用空調装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明の空調制御装置は、圧縮機より吐出された冷媒を室内熱交換器を通過させ前記圧縮機に戻すことにより、前記室内熱交換器を放熱器として作動させ、前記室内熱交換器を通過する空調空気を暖めるホットガスヒータサイクルを備える車両用空調装置の制御装置であって、前記ホットガスヒータサイクルによる暖房を開始する場合に、前記室内熱交換器を通過する空調空気の風量が所定風量以下となるように空調空気を送風する送風機を制御し、前記送風機の制御開始と同時、又は制御開始後に、前記圧縮機を作動させることを特徴とする。
ホットガスヒータサイクルの圧力及び温度と室内熱交換器を通過する風量との間には、室内熱交換器を通過する風量が少なければ、ホットガスヒータサイクル内の冷媒圧力が上がるという相関関係がある。発明者らは、この相関関係に着目し、ホットガスヒータサイクルによる暖房運転の開始時において、空調空気の風量、即ち、室内熱交換器を通過する風量を所定風量以下とすることとした。
これにより、ホットガスヒータサイクル内の圧力を高めることができ、圧縮機の吸入圧力を速やかに大気圧以上とすることができる。
なお、通常、室内熱交換器等の機器の運転では、運転開始信号を送信してから実際に運転が開始されるまでにタイムラグが生ずる。従って、このタイムラグを考慮して、空調空気の風量が所定風量以下となる付近で、圧縮機の実運転が開始されるように、上記送風機及び圧縮機の運転制御を行うことが好ましい。
なお、上記所定風量以下の状態には、風量がゼロの状態も含むものとする。即ち、送風機の運転を停止するようにしても良い。
また、前記圧縮機の作動開始後から所定の期間経過後に、前記風量を目標風量まで増加させることが好ましい。
このように、風量を所定風量以下にしてから所定期間おくことにより、ホットガスサイクル内の圧力がある程度高くなった後に風量を回復させるので、圧縮機の吸入圧力を大気圧以上に保つことが可能となる。
なお、上記目標風量とは、ホットガスサイクルによる暖房運転が行われる前の風量をいう。例えば、送風モードとして、H(ハイ)、L(ロー)等のように段階的に風量が設定されているような場合、風量制御を行う前の送風モードがH(ハイ)モードであった場合には、目標風量をH(ハイ)モード時の風量とする。
また、前記圧縮機の作動開始後において、前記ホットガスサイクル内の冷媒圧力に応じて、前記風量を目標風量まで増加させることが好ましい。
このように、ホットガスサイクル内の冷媒圧力が大気圧以下とならないように、風量を除々に目標風量まで増加させるので、圧縮機の吸入圧力を大気圧以上に保つことが可能となる。
なお、圧力は、ホットガスサイクル内の低圧側の圧力を検出することが好ましい。これにより、冷媒圧力をより直接的に検知することができ、圧縮機の吸入側における正確な冷媒圧力を得ることができる。
また、本発明の空調制御方法は、圧縮機より吐出された冷媒を室内熱交換器を通過させ前記圧縮機に戻すことにより、前記室内熱交換器を放熱器として作動させ、前記室内熱交換器を通過する空調空気を暖めるホットガスヒータサイクルを備える車両用空調装置の空調制御方法において、前記ホットガスヒータサイクルによる暖房を起動する場合に、前記室内熱交換器を通過する空調空気の風量が所定風量以下となるよう風量調節する過程と、前記送風機の制御開始と同時、又は制御開始後に、前記圧縮機を作動させる過程とを備えることを特徴とする。
本発明の空調制御装置は、車両用空調装置に使用されるのに好適である。
本発明の空調制御装置によれば、室内熱交換器を通過する空調空気の風量を低下させることにより、室内熱交換器の熱通過率を低下させることにより、圧縮機内の冷媒圧力を速やかに上昇させるので、極低外気温時においても圧縮機吸入圧力が負圧となることによる圧縮機内部への空気侵入を防止するとともに、迅速にホットガスヒータサイクルによる暖房を開始させることができる。
また、本発明の空調制御装置によれば、室内熱交換器を通過する空調空気の送風量を低下させた後において、風量を除々に目標風量まで回復させるので、圧縮機内部への空気侵入を防止しながら、ホットガスサイクルによる暖房機能を迅速に発揮させることができる。
以下に、本発明に係る空調制御装置を車両用空調装置に適用した場合の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る車両用空調装置の概略構成を示す図である。
図1において、符号1は圧縮機、符号2は切換弁(五方弁)、符号3は蒸発器(室内熱交換器)、符号4はアキュムレータ、符号5は凝縮器、符号6は冷房用絞り抵抗器であり、これらの各機器を冷媒配管7で接続することにより、冷媒が状態変化して循環する冷凍サイクル20を構成している。
符号8は、空調制御装置であり、マイクロコンピュータとその周辺回路から構成され、予め設定されたプログラムに従って演算処理を行うことにより、切換弁2の制御及び上記冷凍サイクル20を構成する各種機器を制御する。また、空調制御装置8は、乗員が各種の設定を行う操作パネル(図示略)から各種モード切り替えに関する操作信号を受信し、これらの操作信号に基づいて、本発明の特徴となるホットガスヒータサイクルに関する各機器の運転制御、例えば、送風機11の風量切換え制御や圧縮機1の作動制御を行う他、ダクト30の吹出口付近に設けられた各種ダンパ(図示略)や、内気・外気切り替えダンパ(図示略)の切換え制御等を行う。
符号9はエンジンであり、上記圧縮機1の駆動源として用いられる。また、符号10はヒータコアであり、上述の冷凍サイクルを使用しない通常の暖房運転においては、エンジン9の廃熱を利用したヒータコア10により空調空気が暖められ、車室内に送られる。
符号11は、送風機であり、蒸発器3の上流側に配置されている。送風機11は、例えば、遠心式送風機であり、主にファンと、駆動部とを有する。図示しない駆動部からの回転力によりファンが回転し、車室内又は車外から取り込んだ空調空気を蒸発器3等が設けられているダクト30へ送風する。
また、上記冷媒配管7上には、空調制御装置8が車室内の空調を自動制御するのに必要となるパラメータを検出するための各種センサが設けられている。
具体的には、外気温度を検出する外気温度センサ12、蒸発器3を通過した直後の空気温度を検出する蒸発器吹出温度センサ13、冷凍サイクル20の高圧圧力(圧縮機1の吐出後の圧力)を検出する高圧冷媒圧力センサ14、冷凍サイクル20の低圧圧力(圧縮機1の吸入圧力)を検出する低圧冷媒圧力センサ15等が設けられている。
次に、本実施形態に係る冷凍サイクル20について説明する。
まず、冷凍サイクル20において、ホットガスヒータサイクルと冷房サイクルとの切換えは、切換弁2により行われる。
ここで、図2に切換弁2の縦方向断面図を示す。
切換弁2は、図2に示すように、平坦面をなす上面22aに、各機器の冷媒入口または冷媒出口が接続されるポートが開口された円盤状の弁座22と、弁座22の上面22aを密着状態にして覆うとともに弁座22に設けられた各ポートの開閉を行って各ポート間の接続を切り換える円盤状の弁体23とを有している。
また、弁座22には、上面22a及び外周面を弁体23ごと覆う弁蓋24が設けられており、弁蓋24の上部には、弁体23を駆動する駆動装置25が設けられている。
次に、図3に、図2のZ−Z矢視断面を示す。
図3に示すように、弁座22には、圧縮機1の冷媒吐出口に接続される圧縮機出口側ポートHPと、蒸発器3の冷媒入口に接続される蒸発器入口側ポートEと、凝縮器5の冷媒入口に接続される凝縮器入口側ポートCと、凝縮器5の下流側に接続される冷房用絞り抵抗器6の出口側に接続される絞り抵抗器出口側ポートSとが設けられている。
これら各ポートは、それぞれ弁座22の上面22aから、弁体23に覆われていない外周面まで連通させられて、それぞれ各機器に対して冷媒流路を介して接続されている。
また、上面22aにおいて蒸発器入口側ポートEの径方向内側には、蒸発器入口側ポートEと連通される連通孔Hが開口されている。
また、弁座22には、圧縮機出口側ポートHPと蒸発器入口側ポートEとの接続に用いられるバイパス流路21が設けられている。
バイパス流路21は、弁座22内で一端を蒸発器入口側ポートEに接続されるものであって、他端が上面22aに開口されてバイパス流路入口側ポートPVとされている。バイパス流路入口側ポートPVは、上面22aにおいて蒸発器入口側ポートEと圧縮機出口側ポートHPとの間に位置して設けられており、弁体13によって圧縮機出口側ポートHPに対する接続と遮断とが行われるようになっている。
このバイパス流路21内には、バイパス流路21内を流通する冷媒を減圧、膨張させるためのホットガス暖房用絞り抵抗器(図示略)が設けられている。
このホットガス暖房用絞り抵抗器は、バイパス流路21内の冷媒圧力に応じて絞り量を自動的に適正に調節する可変式の絞り抵抗器であって、これにより、連続運転による冷媒温度の上昇にともなう冷媒流路7内の冷媒圧力の増加を抑えて、連続運転時間を延ばすことを可能にするとともに、快適性、ドライバビリティを向上させることができる。
また、弁体23は、弁座22に対して、圧縮機出口側ポートHP、蒸発器入口側ポートE、凝縮器入口側ポートC、連通孔H、及びバイパス流路入口側ポートPVが開口される上面22aを密着状態にして覆うとともに弁体23と弁座22との配列方向に平行な軸線(上面22aに直交する軸線)回りに摺動回転可能にして設けられている。
そして、弁体23を回転させることにより、各ポートのうち、圧縮機出口側ポートHPとバイパス流路入口側ポートPVとを連通させた状態、又は、圧縮機出口側ポートHPと凝縮器入口側ポートCとを連通させた状態のいずれか一方の状態を選択的に取ることができる。
次に、上述した切換弁2の弁体23を回転させることにより行われる冷凍サイクル20の流路切り替え制御について説明する。なお、この切換弁2の弁体23の回転駆動は、空調制御装置8が切換弁2の駆動装置25を制御することによって行われる。
まず、ホットガスヒータサイクルによる暖房運転を行う場合には、圧縮器出口側ポートHPとバイバス流路入口側ポートPVとを連通させるべく、弁体23を回転させる。
これにより、圧縮機1と、バイパス流路21内に設けられたホットガス暖房用絞り抵抗器(図示略)と、蒸発器3とをこの順番で接続してなるホットガスヒータサイクルが形成される。このホットガスヒータサイクルでは、圧縮機1によって圧縮されて高温高圧となったガス冷媒が、バイパス流路21に設けられたホットガス暖房用絞り抵抗器によって膨張、減圧された後に蒸発器3に送り込まれ、蒸発器3が空調空気との熱交換器として作用することにより、空調空気が暖められ車室内の暖房が行われる。
また、この状態では、凝縮器入口側ポートCと冷房用絞り抵抗器出口側ポートSとが接続されて、凝縮器5及び冷房用絞り抵抗器6が、ホットガスヒータサイクルから切り離されるとともに、凝縮器5と冷房用絞り抵抗器6との間で冷媒圧力の均圧が行われる。
一方、冷房運転を行う場合には、空調制御装置8は、圧縮機出口側ポートHPと凝縮器入口側ポートCとを接続し、且つ、絞り抵抗器出口側ポートSと蒸発器入口側ポートEとを連通させるべく、弁体23を回転させる。
これにより、圧縮機1と、凝縮器5と、冷房運転用絞り抵抗器6と、蒸発器3とをこの順番で接続してなる冷房サイクルが形成される。
この冷房サイクルでは、圧縮機1によって圧縮されて高温高圧となったガス冷媒が、凝縮器5によって凝縮されて高温高圧の液冷媒とされ、この高温高圧の液冷媒が冷房運転用絞り抵抗器6によって膨張、減圧されて低温低圧の液冷媒とされ、蒸発器3によってこの低温低圧の液冷媒を気化させることで、蒸発器3を通過する空調空気から熱を奪い、室内の冷房が行われる。そして、蒸発器3において気化したガス冷媒は、アキュムレータ4により、冷媒量の調整及び気液の分離が行われ、ガス冷媒のみが圧縮機1に吸入され、ここで、低温低圧のガス冷媒が圧縮され高温高圧のガス冷媒となる。
次に、本発明の特徴である空調制御装置8により行われるホットガスヒータサイクルの運転制御について説明する。
まず、空調制御装置8の具体的な制御内容を説明する前に、ホットガスヒータサイクルにおける冷媒圧力と外気温度等の関係について説明する。
図1にも示したように、本実施形態に係る車両用空調装置では、蒸発器3の出力側にアキュムレータ4が配置されている。従って、ホットガスヒータサイクル内における冷媒圧力は、飽和ガス線上にあるといえる。このことから、暖房能力Qh、圧縮機1の動力Qc、及び冷媒配管7等の熱損失ΔQsとの間には、以下の(1)式で表される関係が成り立つこととなる。
Qh=Qc−ΔQs (1)
この式から、暖房能力Qhは、圧縮機1の動力Qcから冷媒配管7等の熱損失ΔQsを差し引いた値に等しいということができる。ここで、一般的に、圧縮機1の動力Qc、及び冷媒配管等の熱損失ΔQsの値は、これらのホットガスヒータサイクルを形成する各種機器の性能により定まる値であるため、暖房能力Qhは、略一定の値を取ることとなる。
一方、上記暖房能力Qhと温度との間には、以下の(2)式のような関係が成り立つ。
Qh=KA(Tr−Ta) (2)
ここで、Kは熱通過率、Taは外気温度、Trは平均冷媒温度、Aは伝熱面積である。
一般的に、外気温度Taが下がれば、平均冷媒温度Trも低下する。更に、平均冷媒温度Trの低下に伴い、冷媒圧力も低下するため、低気温領域(例えば、−26℃以下)では、冷媒圧力が負圧となり、圧縮機1内部に空気が侵入する虞がある。
この低気温領域において、冷媒圧力が負圧とならないようにするためには、即ち、冷媒圧力を上昇させるためには、冷媒圧力と比例関係にある平均冷媒温度Trを上昇させれば良い。
即ち、上述したように、暖房能力Qhが一定の値であるとするならば、(2)式に表した関係から、熱通過率Kを小さくすれば、平均冷媒温度Trを上昇させることが可能となる。
ここで、熱通過率Kは蒸発器3の伝熱係数との相関を有しており、これは蒸発器3から空調空気が吸収する熱量により変化する。従って、蒸発器3を通過する空調空気の風量を少なくすれば、熱通過率Kの値を小さくすることができ、この結果、平均冷媒温度Trを上昇させ、これに伴い冷媒圧力も上昇させることが可能となる。
そこで、本実施形態に係る空調制御装置は、ホットガスヒータサイクルの起動時において、一時的に空調空気の風量を少なくするよう制御を行うことにより、冷媒圧力の上昇を図ることとしている。
以下、本発明の第1の実施形態に係る空調制御装置8の運転制御について図4を参照して説明する。
まず、空調制御装置8は、ホットガスサイクルの暖房運転開始時において、蒸発器3を通過する空調空気の風量を所定の風量以下にする制御を行う(図4の時刻t0)。
例えば、前提制御として温水をヒータコア10に循環させ、ヒータコア10にて温水を熱源として空調空気を加熱している間に回転している送風機11のファンを駆動する駆動装置に対して、ホットガスヒータサイクルの暖房運転開始時においてファンの回転数を所定の回転数に低下させる旨の制御信号を出力する。具体的には、送風機11の運転モードとして、H(ハイ)モード、L(ロー)モード等の各種モード設定が可能な場合であって、現在の運転モードとしてH(ハイ)モードが設定されている場合、空調制御装置8は、送風機11の運転モードを一番送風量の少ないL(ロー)モードに切換えるべくファンの回転を制御する駆動装置に制御信号を出力する。
これにより、駆動装置が上記制御信号に基づいて作動することにより、ファンの回転はL(ロー)モードの回転数に抑制され、図4の時刻t0からt1に示されるように、蒸発器3を通過する風量が除々に低下する。そして、空調空気の送風量が低下することに伴い、ホットガスヒータサイクル内の冷媒圧力は除々に上昇する。
続いて、図4の時刻t1に示されるように、蒸発器3を通過する送風量が所定の値まで低下すると、空調制御装置8は圧縮機1を作動させる。これにより、冷媒の循環が開始され、ホットガスヒータサイクルによる暖房運転が開始される。即ち、送風機11により送風される空調空気は、蒸発器3を通過することにより暖められ、室内の暖房が開始される。
更に、空調制御装置8は、圧縮機1の作動開始と同時に、自己が備える図示しないタイマをオンさせることにより、計時を行う。例えば、このタイマはカウントダウンタイプのタイマであり、予め所定の時間が設定されており、カウント値がゼロになった時点で所定の信号を発生するものである。
そして、圧縮機1の作動開始から所定時間が経過したことを検知すると、L(ロー)モードで運転していた送風機11を予め設定されていたモード、即ちH(ハイ)モードに戻すべくファンの駆動装置に制御信号を出力する。この結果、図4の時刻t2以降に示されるように蒸発器3を通過する送風量は除々に増加し、元の送風モードでの暖房運転が行われることとなる。
上述したように、本実施形態に係る車両用空調装置によれば、蒸発器3を通過する空調空気の風量を低下させることにより、蒸発器3の熱通過率を低下させることにより、圧縮機内の冷媒圧力を速やかに上昇させるので、極低外気温時においても圧縮機吸入圧力が負圧となることによる圧縮機内部への空気侵入を防止するとともに、迅速にホットガスヒータサイクルによる暖房を開始させることができる。
また、切換弁(五方弁)2を使用することにより、冷凍サイクル20の冷媒流路からホットガス暖房運転に用いる構成部材(ホットガスバイパス配管及びホットガスヒータサイクルに用いる絞り抵抗器)を省くことができるので、冷媒流路の配管構造を簡素化することができ、空気調和装置を小型化することができるとともに、車両用空調装置を容易かつ低コストで製造することができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る空調制御装置により行われる運転制御について説明する。
上述した第1の実施形態では、圧縮機1を作動させてから所定の期間経過後に送風機11の運転を回復させていたが、本実施形態では、冷媒配管7上に設けられた高圧冷媒圧力センサ14から通知される圧力検出値に基づいて、送風機11の運転を回復させる点において異なる。
即ち、本実施形態に係る空調制御装置は、図5に示すように、時刻t1'において圧縮機1を作動させた後において、冷凍サイクル20の低圧圧力を検出する低圧冷媒圧力センサ15から通知される検出値が所定の値(例えば、0.1MPa_G)以上であるかを判断する。
そして、図5の時刻t2'に示されるように、低圧冷媒圧力センサ15から通知される検出値が所定の閾値を超えると、送風機11の運転モードを元の送風モードに戻すべく制御信号を駆動装置に対して出力する。
これにより、上述した第1の実施形態に係る空調制御装置と同様、速やかにホットガスヒートサイクルによる暖房を開始することができる。
なお、図5の時刻t2'以降において、送風量を除々に増加させる手法として、例えば、空調制御装置8が、各圧力値に応じて送風機11のファンの回転数が設定されているテーブルを有しており、高圧冷媒圧力センサ14からの検出値に対応する回転数をこのテーブルから取得して、この取得した回転数に基づいて、送風機11を制御することにより、元の送風モードに回復させるようにしても良い。
なお、時刻t2'以降において、蒸発器3を通過する風量を増加させた結果、冷媒圧力が下がってしまった場合には、再度、風量を低下させることにより、冷媒圧力を回復させるという処理を繰り返しながら冷媒圧力を除々に上昇させながら、元の送風モードに回復させるようにしても良い。
また、上記冷凍サイクル20の低圧圧力を検出する低圧冷媒圧力センサ15に代わって、冷凍サイクル20の高圧圧力を検出する高圧冷媒圧力センサ14の検出値に基づいて上述した送風機11の風量制御を行うようにしても良い。すなわち、冷媒回路における高圧と低圧の相関関係に基づき、高圧を検知することで低圧側の圧力状態を検知する構成としてもよい。この際は、高圧圧力値がある所定値を超えた場合に送風機11を元の送風モードに回復する等の制御を採用する。
なお、上述した第1の実施形態及び第2の実施形態においては、蒸発器3を通過する風量が所定の値以下になった時点で圧縮機1を作動させていたが、通常、圧縮機1や送風機11等の機器の運転では、運転開始信号を送信してから実際に運転が開始されるまでにタイムラグが生ずる。従って、このタイムラグを考慮して、空調空気の風量が所定風量以下となる付近で、圧縮機1の実運転が開始されるように、送風機11及び圧縮機1の運転制御を行うようにしても良い。
また、上記第1の実施形態及び第2の実施形態において、蒸発器3を通過する風量が所定の値以下になった時点で圧縮機1を作動させる方が好ましいが、送風機11のファンの回転数を下げる旨の制御信号の出力と同時に、圧縮機1の作動を行うようにしても良い。この場合、蒸発器3を通過する風量が所定の値以下となる前に圧縮機1が作動してしまう可能性もあるが、この場合であっても、風量を低下させることにより冷媒圧力を上昇させることが可能であるため、圧縮機1の負圧運転時間を大幅に低減させることができる。
また、上記第1の実施形態及び第2の実施形態においては、送風機11の運転モードをL(ロー)モードにすることにより、蒸発器3を通過する風量が所定風量以下になるように制御していたが、この手法に限定されることなく、例えば、ホットガスヒータサイクル用のファン回転数を予め決めておき、ホットガスヒータサイクルの開始時においては、予め決められている回転数によって送風機11のファンを回転させるようにしても良い。また、風量を低減させるのではなく、送風機11の回転を停止することにより、蒸発器3を通過する風量をゼロにしても良い。要は、圧縮機1を作動するに当たり、蒸発器3を通過する風量を低減させる制御を行うことにより、冷媒圧力を上昇させることができれば良い。
本発明の一実施形態に係る車両用空調装置の概略構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る切換弁の縦方向断面図である。 図2のZ−Z矢視断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る空調制御装置の運転制御を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る空調制御装置の運転制御を説明するためのタイミングチャートである。
符号の説明
1 圧縮機
2 切換弁
3 蒸発器
4 アキュムレータ
5 凝縮器
6 冷房用絞り抵抗器
7 冷媒配管
8 空調制御装置
9 エンジン
10 ヒータコア
11 送風機
14 高圧冷媒圧力センサ
15 低圧冷媒圧力センサ
20 冷凍サイクル

Claims (5)

  1. 圧縮機より吐出された冷媒を室内熱交換器を通過させ前記圧縮機に戻すことにより、前記室内熱交換器を放熱器として作動させ、前記室内熱交換器を通過する空調空気を暖めるホットガスヒータサイクルを備える車両用空調装置の制御装置であって、
    前記ホットガスヒータサイクルによる暖房を開始する場合に、前記室内熱交換器を通過する空調空気の風量が所定風量以下となるように空調空気を送風する送風機を制御し、
    前記送風機の制御開始と同時、又は制御開始後に、前記圧縮機を作動させる
    ことを特徴とする空調制御装置。
  2. 前記圧縮機の作動開始後から所定の期間経過後に、前記風量を目標風量まで増加させることを特徴とする請求項1に記載の空調制御装置。
  3. 前記圧縮機の作動開始後において、前記ホットガスサイクル内の圧力に応じて、前記風量を目標風量まで増加させることを特徴とする請求項1に記載の空調制御装置。
  4. 圧縮機より吐出された冷媒を室内熱交換器を通過させ前記圧縮機に戻すことにより、前記室内熱交換器を放熱器として作動させ、前記室内熱交換器を通過する空調空気を暖めるホットガスヒータサイクルを備える車両用空調装置の空調制御方法において、
    前記ホットガスヒータサイクルによる暖房を開始する場合に、前記室内熱交換器を通過する空調空気の風量が所定風量以下となるよう風量調節する過程と、
    前記送風機の制御開始と同時、又は制御開始後に、前記圧縮機を作動させる過程と
    を備えることを特徴とする空調制御方法。
  5. 請求項1から請求項3のいずれかの項に記載の空調制御装置を備えることを特徴とする車両用空調装置。
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CN110027387A (zh) * 2018-01-12 2019-07-19 法雷奥热系统公司 具有五通阀的空调系统、模块和相应的方法

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