JP2005212458A - 塗工液及びその記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は従来技術では困難であった、高い画像品質と同時に耐光性、耐水性、耐擦性などの画像の保存安定性に優れた記録物を高い生産性で製造するための塗工液および該塗工液を用いた膨潤型インクジェット記録媒体製造の製造方法ならびに膨潤型インクジェット記録媒体製造を提供すること。
【解決手段】 支持体の少なくとも片面に一層以上のインク受容層を設けた膨潤型インクジェット記録媒体製造に用いる塗工液であって、水溶性高分子と一定の温度(感温点)以下の温度領域では親水性を示し、感温点を超える温度領域では疎水性を示す高分子化合物(A)を含むことを特徴とする塗工液および該塗工液を用いた膨潤型インクジェット記録媒体製造の製造方法ならびに膨潤型インクジェット記録媒体製造。
【選択図】 選択図なし

Description

本発明は、水性インクを使用するインクジェット記録媒体に関し、更に詳しくはインクの溶媒を、高分子化合物を利用して吸収する膨潤型インクジェット記録媒体に用いる塗工液、及び該塗工液を用いた膨潤型インクジェット記録媒体に関し、特に画像の鮮明性、解像性と均一性、印字直後のインクの吸着性及び乾燥性に優れ、また顔料インク適性にも優れ、さらに長期保存における品質低下が少ない膨潤型インクジェット記録媒体に用いる塗工液、及び該塗工液を用いた膨潤型インクジェット記録媒体に関するものである。
インクジェット記録方式は、記録時の騒音が少なく、カラー化が容易であること、高速記録が可能であることから広い分野で利用が進められている。
近年、銀塩写真並の高画質を得るためのインクジェット記録媒体の技術開発が進み、ポリオレフィンで被覆した紙や高分子フィルムなどの平滑性の高い支持体上に、無機微粒子により形成される微小空隙を有するインク受容層を設けた記録媒体が、写真画質に迫るものとして市販されている。ところが、インク吸収性の無い支持体上で、十分なインク吸収容量を該インク受容層の微小空隙だけで確保しようとすれば、35μm以上の非常に厚いインク受容層を形成しなければならない。該厚みを持つインク受容層を得るためにはその数倍の厚みの塗工液を均質な厚みで塗布し、乾燥工程においても膜厚の均質性を保ちながら、かつ、効率良く該記録媒体を製造するのは困難であり問題である。さらに、近年の地球環境保護のため塗工液の溶媒として水を用いることが要求されており、水は有機溶剤と比較して一般的に乾燥するまでに長時間を要し、該問題はより顕著となり、効果的な解決手段が求められている。
さらに、現在広く使用されている染料を用いたインク(染料インク)を使用して記録を行った場合、上述の微小空隙形成のため使用している無機微粒子の作用により記録した画像が太陽光などの光によって退色するという問題や、微小空隙が存在しているため染料が空気中の酸化性ガス(オゾンや窒素酸化物など)に曝され退色するなどの問題もある。
上述のような微小空隙にインクを吸収するタイプのインクジェット記録媒体(微小空隙型記録媒体)の他に、水溶性高分子化合物を用いてインクを吸収するタイプのインクジェット記録媒体(膨潤型インクジェット記録媒体)があり、多数提案されている。例えば、特許文献1ではポリビニルアルコールとポリアクリル酸系水溶性高分子の使用が、特許文献2ではヒドロキシエチルセルロースの使用が、特許文献3ではカルボキシメチルセルロースとポリエチレンオキサイドの混合物の使用が、特許文献4では水溶性セルロースとポリビニルピロリドンの混合物の使用が、特許文献5では特定pHのゼラチン水溶液から形成された受容層が、特許文献6ではゼラチンと界面活性剤の混合物の使用が、特許文献7ではゼラチンと塩基性ラテックスを含有する受容層が、特許文献8ではゼラチンとアクリルエマルジョンを含有する受容層がそれぞれ提案されている。
これら特許文献に記載された記録媒体を用いれば、上述の退色の問題はある程度解決されるが、上述の生産性は不十分であり、印字直後のインクの吸着性及び乾燥性にも問題が多く、さらにインク吸収性や発色性が記録媒体の保存中に、経時的に劣化していくという問題があった。一方で、近年、耐光性などを考慮した顔料インクが登場してきたが、上記特許文献に記載された記録媒体では記録後の画像の耐擦性が低く問題である。
特開昭60-168651号公報 特開昭60-262685号公報 特開昭61-181679号公報 特開昭61-193879号公報 特開昭62-263084号公報 特開平1-146784号公報 特開平8-244336公報 特開平10-287036公報
本発明は従来技術では困難であった、高い画像品質と同時に耐光性、耐水性、耐擦性などの画像の保存安定性に優れた記録物を高い生産性で製造するための塗工液および該塗工液を用いた膨潤型インクジェット記録媒体製造の製造方法ならびに膨潤型インクジェット記録媒体製造を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記問題を解決するために鋭意検討した結果、支持体の少なくとも片面に一層以上のインク受容層を設けた膨潤型インクジェット記録媒体製造に用いる塗工液であって、水溶性高分子と一定の温度(感温点)以下の温度領域では親水性を示し、感温点を超える温度領域では疎水性を示す高分子化合物(A)を含むことを特徴とする塗工液を用いて製造した膨潤型インクジェット記録媒体を使用して記録を行うことが前記問題の解決に有効であることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
1) 支持体の少なくとも片面に一層以上のインク受容層を設けた膨潤型インクジェット記録媒体製造に用いる塗工液であって、水溶性高分子と一定の温度(感温点)以下の温度領域では親水性を示し、感温点を超える温度領域では疎水性を示す高分子化合物(A)を含むことを特徴とする塗工液。
2) 前述の水溶性高分子が、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、ポリアクリルアミド、ポリアクリルアミド誘導体、ポリアクリル酸、水溶性セルロース誘導体の中から選ばれる化合物の一種以上であることを特徴とする1)の発明の塗工液。
3) 前述の高分子化合物(A)が高分子エマルジョンを形成していることを特徴とする1)または2)の発明の塗工液。
4) 前述の高分子化合物(A)がカルボニル基を有することを特徴とする1)〜3)のいずれかの発明の塗工液。
5) 少なくとも2個の、ヒドラジン基及び/またはセミカルバジド基を有するヒドラジン誘導体を含有する4)の発明の塗工液。
6) 支持体の少なくとも片面に一層以上のインク受容層を設けた膨潤型インクジェット記録媒体の製造方法であって、該インク受容層の少なくとも1層の形成方法が、1)〜5)のいずれかの発明の塗工液を、高分子化合物(A)の感温点を超える温度で支持体上に塗工後、感温点以下の温度まで冷却する工程を含む製造方法。
7) 支持体の少なくとも片面に一層以上のインク受容層を設けた膨潤型インクジェット記録媒体であって、該塗工層の少なくとも1層が、1)〜5)の発明の塗工液を使用して形成されたものである膨潤型インクジェット記録媒体。
8) 支持体の少なくとも片面に一層以上のインク受容層を設けた膨潤型インクジェット記録媒体であって、該塗工層の少なくとも1層が、1)〜5)の発明の塗工液の含有成分を含有する膨潤型インクジェット記録媒体。
本発明の塗工液、膨潤型インクジェット記録媒体製造方法および膨潤型インクジェット記録媒体を用いれば、従来技術では困難であった、高い画像品質と同時に耐光性、耐水性、耐擦性などの画像の保存安定性に優れた記録物を高い生産性で製造することが可能になり、産業上の利用価値は甚だ大きなものである。
本発明について、以下に具体的に説明する。
本発明の高分子化合物(A)は、単独重合することによって該温度応答性(親水性−疎水性の変化)を呈する高分子化合物が得られるモノマー(主モノマー(B))の単独重合高分子化合物、または二種類以上の主モノマー(B)の共重合高分子化合物、さらには、該主モノマー(B)と反応して高分子化合物を作ることができかつ単独重合によっては該温度応答性を呈する高分子化合物が得られないモノマー(副モノマー(C))と主モノマー(B)との共重合高分子化合物である。主モノマー(B)と副モノマー(C)は各々1種または2種以上のものを組み合わせて用いることも出来る。
単独重合により高い温度応答性を有する高分子化合物が得られるが、該共重合を行うことによって、単独重合高分子化合物とは異なる感温点を持つ高分子化合物が得られたり、単独重合高分子化合物とは異なる成膜性が得られたりできる。
本発明の高分子化合物(A)をインク受容層に含有させることによって、本発明のインク組成物を使用して印刷あるいは記録を行った際の画像表面の光沢性が高く、高品質の画像が得られる。
主モノマー(B)としてはN−アルキルまたはN−アルキレン置換(メタ)アクリルアミド誘導体(ここで、(メタ)アクリルとはメタアクリル(またはメタクリル)またはアクリルを簡便に表記したものである)、ビニルメチルエーテルなどが挙げられ、具体的には例えば、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−シクロプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピルアクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピルアクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルピロリジン、N−(メタ)アクリロイルピペリジン、N−テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(2,2−ジメトキシエチル)−N−メチルアクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルホリンなどが挙げられる。成膜性の観点から、N−イソプロピルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−アクリロイルモルホリンが好ましい。
副モノマー(C)としては親油性ビニル化合物、親水性ビニル化合物、イオン性ビニル化合物などが挙げられ、具体的には、親油性ビニル化合物としてはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、エチレン、イソプレン、ブタジエン、酢酸ビニル、塩化ビニルなどが挙げられ、親水性ビニル化合物としては2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、2−メチル−5−ビニルピリジン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−アクリロイルピロリジン、アクリロニトリル、などが挙げられ、イオン性ビニル化合物としてはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸、ブテントリカルボン酸、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノメチル等のカルボキシル基含有モノマー、2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アクリルスルホン酸等のスルホニル基含有モノマー、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有モノマーなどが挙げられる。特に、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、メタアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミドが好ましく用いられる。また、本発明の塗工液を用いて得られる塗工層の成膜性の観点から、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸、ブテントリカルボン酸、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノメチル等のカルボキシル基含有モノマー、2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アクリルスルホン酸等のスルホニル基含有モノマーなどのアニオン基含有モノマーを用いることは好ましく、特にアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等のカルボン酸基含有モノマーを用いることは好ましい。
染料インクを用いるインクジェット記録では、インク成分中の染料がアニオン基を有することは、多くの場合、カチオン基を有する染料インクと比較して光耐久性が高いため好ましい。そのため当該アニオン基を有する染料を記録媒体に定着させる目的でカチオン性高分子やカチオン性粒子などカチオン性の化合物を塗工液に添加することが好ましく、該塗工液調製の容易さの観点から高分子化合物(A)がカチオン性または非イオン性であることはより好ましい。カチオン性の高分子化合物(A)は例えば、重合に使用する副モノマー(C)として、カチオン基を持つエチレン性不飽和モノマーを含めることによって得ることができ、該観点から少なくとも一種類以上の、カチオン基を持つエチレン性不飽和モノマーを副モノマー(C)として使用することは好ましい。該カチオン基を持つエチレン性不飽和モノマーは各々1種または2種以上のものを組み合わせて用いることも出来る。特に、太陽光または蛍光灯の光に、得られる記録媒体にインクジェットプリンターを用いて印刷を行った印刷物を曝しておいた場合に生じる退色の度合いの観点及び得られる高分子エマルジョンのコロイド安定性の観点から、該カチオン基を持つエチレン性不飽和モノマーとしては3級アミノ基及び/または4級アンモニウム塩基を含有することがより好ましい。
3級アミノ基及び/または4級アンモニウム塩基を含有する高分子化合物(A)は、例えば主モノマー(B)と、副モノマー(C)として3級アミノ基及び/または4級アンモニウム塩基を含有するモノマーとを共重合させて得られる。主モノマー(B)、副モノマー(C)(3級アミノ基及び/または4級アンモニウム塩基を含有するモノマーを含む)は各々1種または2種以上のものを組み合わせて用いることも出来る。
3級アミノ基または4級アンモニウム塩基含有モノマーとしては、モノマー中に3級アミノ基または4級アンモニウム塩基を含む構造を有するもので有れば特に制限されないが、ビニロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2,3−ジメチル−1−ビニルイミダゾリニウムクロライド、トリメチル−(3−(メタ)アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド及びその4級アンモニウム塩、トリメチル−(3−(メタ)アクリルアミド)アンモニウムクロライド、1−ビニル−2−メチル−イミダゾール、1−ビニル−2−エチル−イミダゾール、1−ビニル−2−フェニル−イミダゾール、1−ビニル−2、4,5−トリメチル−イミダゾール、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート及びその4級アンモニウム塩、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びその4級アンモニウム塩、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びその4級アンモニウム塩、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びその4級アンモニウム塩、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド及びその4級アンモニウム塩、N−(3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド及びその4級アンモニウム塩、N−(3−ジエチルアミノプロピル)メタクリルアミド及びその4級アンモニウム塩、N−(3−ジエチルアミノプロピル)アクリルアミド及びその4級アンモニウム塩、o−,m−,p−アミノスチレン及びその4級アンモニウム塩、o−,またはm−,またはp−ビニルベンジルアミン及びその4級アンモニウム塩、N−(ビニルベンジル)ピロリドン、N−(ビニルベンジル)ピペリジン、N−ビニルイミダゾール及びその4級アンモニウム塩、2−メチル−1−ビニルイミダゾール及びその4級アンモニウム塩、N−ビニルピロリドン及びその4級アンモニウム塩、N,N’−ジビニルエチレン尿素及びその4級アンモニウム塩、α−,またはβ−ビニルピリジン及びその4級アンモニウム塩、α−,またはβ−ビニルピペリジン及びその4級アンモニウム塩、2−,または4−ビニルキノリン及びその4級アンモニウム塩等が例示される。特に、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドのメチルクロライド4級化合物が好ましく用いられる。
さらに、太陽光または蛍光灯の光に印刷物を曝しておいた場合に生じる退色の度合いの観点から、3級アミノ基含有モノマーよりも4級アンモニウム塩基含有モノマーを使用する方がより好ましい。
さらに、3級アミノ基及び/または4級アンモニウム塩基含有モノマー及び、前記アニオン基含有モノマーを共に含有することは、前述の該塗工液調製の容易さ、及び本発明の塗工液を用いて得られる塗工層の成膜性、の両方の観点から好ましい。
主モノマー(B)と副モノマー(C)の共重合割合は、得られる共重合高分子化合物が一定の温度を境界にして親水性と疎水性が可逆的に変化する温度応答性を呈する範囲の中で決められる。つまり、副モノマー(C)の割合が多すぎれば得られる共重合高分子化合物が該温度応答性を示さなくなる。
即ち、主モノマー(B)と副モノマー(C)の共重合割合は用いるモノマー種の組み合わせに依存するが、生成する高分子化合物中における副モノマー(C)の割合は50質量%以下が好ましい。更に好ましくは、30質量%以下である。また、副モノマー(C)の添加効果がより良く発現されるためには0.01質量%以上が好ましい。
本発明で使用する高分子化合物(A)として、カルボニル基を含有する高分子化合物を用いることは、後述のヒドラジン誘導体による架橋により、インク受容層の耐水性付与、耐擦性付与が可能となり、さらに、得られる記録物(画像)の耐水性および耐擦性が大きく向上することから特に好ましい。
カルボニル基を含有する高分子化合物(A)は、例えば、カルボニル基を含有するモノマーを副モノマー(C)として使用し、主モノマー(B)および他の副モノマー(C)と共重合させて得られる高分子化合物が挙げられる。
カルボニル基含有モノマーとしては、モノマー中にケト基またはアルド基を含む構造を有するもので有れば特に制限されないが、アクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、ホルミルスチロール、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソブチルケトン、アクリルオキシアルキルプロパナール類、メタクリルオキシアルキルプロパナール類、ダイアセトンアクリレート、ダイアセトンメタクリレート、アセトニトリルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートアセチルアセテート、ブタンジオールアクリレートアセチルアセテート等が例示される。
高分子化合物(A)の全モノマー単位中のカルボニル基含有モノマー単位の含有率は特に制限されないが、耐水性付与、耐擦性付与の観点から0.01〜30質量%が好ましく、更に好ましくは0.1〜20質量%である。
本発明の高分子化合物(A)がカルボニル基を含有する場合、インク受容層中に、架橋剤として少なくとも2個のヒドラジン基及び/またはセミカルバジド基を有するヒドラジン誘導体を用いることが、得られる画像の耐水性や耐擦性などの観点から好ましい。
該ヒドラジン誘導体は水の共存下ではカルボニル基との結合は進行しないが、乾燥によって脱水反応を生じ、結合を生じることが知られており、インク受容層を塗工後、インク受容層が乾燥することによりカルボニル基部位がヒドラジン誘導体によって架橋された分子構造を形成し、インク受容層の膨潤を抑制し、耐水性を発現する事が可能となる。該ヒドラジン誘導体としては少なくとも2個のヒドラジン基及び/またはセミカルバジド基を有する化合物で有れば特に限定されないが、これらの内、ヒドラジン基を有する化合物としてはカルボヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、こはく酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、ポリアクリル酸ヒドラジド、エチレン−1,2−ジヒドラジン、プロピレン−1,3−ジヒドラジン、ブチレン−1,4−ジヒドラジン、水加ヒドラジンなどが例示され、セミカルバジド基を有する化合物としてはポリイソシアネート化合物と該ヒドラジン化合物の反応により得られる生成物が例示される。
該ヒドラジン誘導体として、セミカルバジド基を有する化合物を用いた場合、インク受容層塗工後に形成した、カルボニル基とセミカルバジド基の架橋構造が水によって加水分解されにくいため、インク受容層の耐水性が高くより好ましい。
セミカルバジド基を有する化合物の具体例としては、式(1)で表されるセミカルバジド誘導体、式(2)で表されるビスセミカルバジド類等が挙げられる。
Figure 2005212458
(式中、R1は、直鎖状または分岐状の炭素数2〜20のアルキレンジイソシアネート、置換基を有しても有さなくても良い炭素数5〜25のシクロアルキレンジイソシアネート、置換基を有しても有さなくても良い炭素数6〜20のアリーレンジイソシアネート、及び置換基を有しても有さなくても良い炭素数8〜20のアラルキレンジイソシアネートからなる群から選ばれる少なくとも1種のジイソシアネートの3量体〜20量体オリゴマーに由来する、末端イソシアネート基を有さないポリイソシアネート残基、もしくはR1は炭素数1〜8のイソシアナトアルキル基で置換されている炭素数2〜20のアルキレンジイソシアネートに由来する、末端イソシアネート基を有さないトリイソシアネート残基を表す。R2は、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表す。R3は、直鎖状または分岐状の炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数5〜20のシクロアルキレン基、もしくは置換基を有しても有さなくても良い炭素数6〜10のアリーレン基を表す。nは、0または1を表す。l及びmは、各々0または正の整数を表す。ただし、20≧(l+m)≧3である。)
Figure 2005212458
(式中、Rは、直鎖状または分岐状の炭素数2〜20の2価の脂肪族残基、炭素数6〜25の2価の脂環族残基、置換基を有しても有さなくても良い炭素数6〜25の2価の芳香族残基、及び置換基を有しても有さなくても良い炭素数6〜25の2価の芳香脂環族残基を表す。Rは、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
上記ポリセミカルバジド化合物の中で、式(1)で表されるセミカルバジド誘導体は、多官能であり、架橋能力が高いことから非常に好ましい。
本発明においてヒドラジン誘導体の含有量は特に限定されないが、インク受容層の中においてヒドラジン誘導体中のヒドラジン基に対するカルボニル基の比が、(カルボニル基)/(ヒドラジン基)モル比で0.001〜10の範囲であることが好ましい。
本発明において、高分子化合物(A)の「感温点」とは、その親水性−疎水性が変化する温度であり、「温度応答性」とは、該親水性−疎水性の変化を示す性質を意味する。また、本発明において、「親水性」とは高分子化合物(A)と水とが共存する系において高分子化合物(A)は水と相溶した状態の方が、相分離した状態よりも安定であることを意味し、「疎水性」とは高分子化合物(A)と水とが共存する系において高分子化合物(A)は水と相分離した状態の方が、相溶した状態よりも安定であることを意味する。該親水性−疎水性の変化は例えば、高分子化合物(A)と水とが共存する系の温度変化に伴う急激な粘度変化、または高分子化合物(A)と水とが共存する系の透明性の急激な変化、高分子化合物(A)の水に対する溶解性の急激な変化として現れる。即ち、高分子化合物(A)と水とが共存する系の温度を、高分子化合物(A)が疎水性を示す温度領域(感温点を超える温度)から徐々に低下させたときの粘度を測定して得られる温度−粘度曲線が急激に変化する転移点として、または高分子化合物(A)が疎水性を示す温度領域(感温点を超える温度)において得られる高分子化合物(A)の水分散液を徐々に冷却した時に該分散液が透明化またはゲル化し始める温度として高分子化合物(A)の感温点を求めることができる。
本発明に用いる、高分子化合物(A)の感温点は特に限定されないが、塗工作業性及び成膜性などの観点から5〜90℃が好ましく、5〜50℃が更に好ましく、10〜40℃が最も好ましい。
本発明に用いる、高分子化合物(A)のガラス転移点は特に限定されないが、成膜性及び得られる記録媒体の柔軟性などの観点からガラス転移点は−50〜150℃が好ましく、得られる膨潤型インクジェット記録媒体のインク吸収性を重視する場合には30〜130℃が好ましく、得られる膨潤型インクジェット記録媒体の柔軟性を重視する場合にはガラス転移点は−50〜30℃が好ましい。
本発明の高分子化合物(A)を製造するに際しては、高分子化合物(A)の感温点を超える温度領域において重合反応を行うことが好ましい。該温度領域において高分子化合物(A)は疎水性を示しエマルジョンを形成することから、該温度領域において、広く知られている高分子エマルジョンの製造技術を用いることによって本発明の高分子化合物(A)を含む高分子エマルジョンが得られる。具体的には、水に界面活性剤を溶解し、前記主モノマー(B)、副モノマー(C)等共重合モノマー成分を加えて乳化させ、ラジカル重合開始剤を加えて一括仕込みによる反応により乳化重合を行う方法のほか、連続滴下、分割添加などの方法により反応系に上記共重合成分や、ラジカル重合開始剤を反応系に供給する方法が挙げられる。
本発明に用いる高分子化合物(A)を含む高分子エマルジョンを製造するにおいては、界面活性剤を利用することが好ましい。
本発明の高分子化合物(A)は、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性の何れであっても良い。
高分子化合物(A)がアニオン性の場合には、アニオン性界面活性剤及び/または非イオン性界面活性剤を使用する。例えば、脂肪酸石鹸、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸塩、p−スチレンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、ホルマリン重縮合物、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、ナフテン酸塩等、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、α−オレフィンスルホ ン酸塩、N−アシルメチルタウリン、アルキルエーテル硫酸塩、第二級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、アルキルエーテル燐酸エステル塩、アルキル燐酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤が挙げられる。非イオン性界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンプロックコ高分子、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
また高分子化合物(A)がカチオン性の場合には、カチオン性界面活性剤及び/または非イオン性界面活性剤を使用する。例えば、カチオン性界面活性剤としては、ラウリルアミン塩酸塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルアンモニウムヒドロキシド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられ、非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンプロックコ高分子、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
高分子化合物(A)が非イオン性である場合には、非イオン性界面活性剤を使用する。非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンプロックコ高分子、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
高分子化合物(A)が両性の場合には、両性界面活性剤を使用することが高分子エマルジョンのpHの変化に対する安定性の観点から好ましいが、本発明の塗工液中で該高分子エマルジョンがカチオン性を示す場合にはカチオン性界面活性剤を使用する事ができ、本発明の塗工液中で該高分子エマルジョンがアニオン性を示す場合にはカチオン性界面活性剤を使用する事ができる。両性界面活性剤としてはカルボキシベタイン型、アミノカルボン酸塩、レシチン等が挙げられる。
これらの界面活性剤の使用量としては、高分子化合物(A)100質量部に対して0.05〜30質量部であることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜10質量部である。
本発明においては、前記界面活性剤を1種単独で使用することもできるし、また、その2種以上を併用することもできる。
高分子化合物(A)が高分子エマルジョンを形成した時の平均粒径は特に限定されないが、接着力の観点から200nm以下が好ましく、高分子エマルジョン生産性の観点から10nm以上のものが好ましく用いられる。
本発明において、インク受容層中の高分子化合物(A)の含有量は特に限定されないが、水溶性高分子100質量部に対し、5〜400質量部含有することが好ましく、5〜100質量部含有することがさらに好ましい。即ち、後述の膨潤型インクジェット記録媒体の生産性の観点および、膨潤型インクジェット記録媒体の保存性の観点から5質量部以上が好ましく、インク吸収性の観点から400重量部以下が好ましい。
本発明の塗工液に使用する溶剤は特に限定されないがアルコール、ケトン、エステル等の水溶性溶剤、及び/または水が好ましく使用される。更に、該塗工液中には必要に応じて顔料分散剤、増粘剤、流動調整剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、着色剤等を配合することができる。
本発明において、水溶性高分子としては例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジニウムハライド、各種変性ポリビニルアルコール等のビニルホルマールおよびその誘導体(特開昭60-145879号、同60-220750号、同61-143177号、同61-235182号、同61-235183号、同61-237681号、同61-261089号参照)、ポリアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリジメチルアミノアクリレート、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸メタクリル酸共重合体塩、ポリメタクリル酸ソーダ、アクリル酸ビニルアルコール共重合体塩等のアクリル基を含むポリマー(特開昭60-168651号、同62-9988号等に記載)、澱粉、酸化澱粉、カルボキシル澱粉、ジアルデヒド澱粉、カチオン化澱粉、デキストリン、アルギン酸ソーダ、アラビアゴム、カゼイン、プルラン、デキストラン、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の天然ポリマーまたはその誘導体(特開昭59-174382号、同60-262685号、同61-143177号、同61-181679号、同61-193879号、同61-287782号等に記載)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルエーテル、ポリグリセリン、マレイン酸アルキルビニルエーテル共重合体、マレイン酸-N-ビニルピロール共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体、ポリエチレンイミン等の合成ポリマー(特開昭61-32787号、同61-237680号、同61-277483号等に記載)等を挙げることができる。これら水溶性高分子の中でインク受容性やドット再現性の観点からポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、ポリアクリルアミド、ポリアクリルアミド誘導体、ポリアクリル酸の中から選ばれる少なくとも1種の合成ポリマーを併用することが好ましく、より好ましくはポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールであり、さらに好ましくはポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールである。これらのポリマーは表面のベト付きの観点からその平均分子量が1万以上であることが好ましく、より好ましくは10万以上である。
本発明において、前述のカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の天然ポリマーまたはその誘導体水溶性セルロース誘導体もインク受容性、ドット再現性並びに印字部のベタ付き防止を向上させる目的で併用することが好ましい。併用される水溶性セルロース誘導体としてはメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の水溶性セルロース誘導体を挙げることができる。これら水溶性セルロース誘導体の中でもインク受容性やドット再現性さらには印字部のベタ付き防止性の点からカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース中から選ばれる少なくとも1種の水溶性セルロース誘導体を併用することが好ましい。
本発明の膨潤型インクジェット記録媒体製造は、染料インクを使用して記録した画像の鮮明性、解像性と均一性、印字直後のインクの吸着性及び乾燥性に優れ、また、顔料インクを使用した場合の印刷適性(画像の鮮明性、画像の耐擦性など)が高いことを見出した。この理由は明らかではないが、高分子化合物(A)に含まれる水素結合基の影響によるものと推測している。
さらに、本発明の膨潤型インクジェット記録媒体製造を長期保存した場合における品質低下が少ないことも見出した。この理由も明らかではないが、水溶性高分子が経時的に結晶化することによってインク吸収性が低下する現象を高分子化合物(A)の存在によって阻害しているものと推定している。
本発明において、インク受容層にはドット再現性向上の観点から、界面活性剤を添加することができる。用いられる界面活性剤はアニオン系、カチオン系、ノニオン系、ベタイン系のいずれのタイプでもよく、また低分子のものでも高分子のものでもよい。1種以上界面活性剤を用い、界面活性剤の添加量は高分子化合物(A)100質量部に対して0.001〜5質量部が好ましく、より好ましくは0.01〜3質量部である。
本発明において、インク受容層は、耐水性、ドット再現性を向上させる目的で適当な硬膜剤で硬膜することができる。硬膜剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2-クロロエチル尿素)-2-ヒドロキシ-4,6-ジクロロ-1,3,5トリアジン、米国特許第3288775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3635718号記載の如き反応性のオレフィンをもつ化合物、米国特許第2732316号記載の如きN-メチロール化合物、米国特許第3103437号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3017280号、同第2983611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3100704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3091537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、カリ明ばん、硫酸ジルコニウム、ホウ酸、ホウ砂の如き無機硬膜剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。硬膜剤の添加量はインク受容層を構成する高分子化合物の種類によって異なるが、水溶性高分子および高分子化合物(A)をあわせた100執拗部に対して0.01〜10質量部が好ましく、より好ましくは0.1〜5質量部である。
本発明において、更に、インク受容層には上記の界面活性剤、硬膜剤の他に無機顔料、着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。
本発明の塗工液を用いて膨潤型インクジェット記録媒体製造を製造する場合、該塗工液を高分子化合物(A)の感温点を超える温度に加熱または維持した状態で支持体上に塗工後、感温点以下の温度まで塗工した層を冷却する工程を含むことが好ましい。本発明の塗工液は、高分子化合物(A)の感温点を超える温度においては比較的低い粘度であり、高分子化合物(A)の感温点以下の温度においては高粘度化する性質があり、比較的低い粘度の塗工液を塗工したときに得られる均質かつ平滑な塗工膜を、冷却によって増粘(ゲル化)させることによって均質かつ平滑な状態のまま保持し、良質のインク受容層を得ることが出来る。
本発明の塗工液を用いた場合、冷却による著しい増粘性(良好なセット性)と、引き続き行う温風による乾燥工程においても粘度が低下しにくい(セット戻りしにくい)性質とにより、極めて高い生産効率で膨潤型インクジェット記録媒体製造を製造することができる。
本発明におけるインク受容層塗液の塗布方法としては、通常用いられている塗布方法(例えば、スライドリップ方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ロッドバーコーティング方式等)が用いられるが、多層のインク受容層を一度に設けることができる点でスライドリップ方式、カーテン方式が好ましい。
また、インク受容層は支持体の少なくとも片面に設けられているが、カールを防止する目的で支持体の両面に設けてもよい。
塗工層を冷却させる手段としては、冷風機、送風機、冷凍機等の公知の手段を用いることができる。冷風機が好ましく用いられ、冷風の温度は本発明の高分子エマルジョンの感温点によって様々に変化し、該感温点以下の温度が好ましく、感温点よりも5℃以上低い温度がより好ましく、感温点よりも10℃以上低い温度がさらに好ましい。
塗工層を乾燥させる手段としては、熱風乾燥機、蒸気加熱乾燥機、遠赤外線乾燥機等の公知の乾燥手段を用いることができる。熱風乾燥機が好ましく用いられ、ドラムドライヤー、エアキャップドライヤー、エアホイルドライヤー、エアコンベアドライヤー及びこれらの組み合わせが挙げられる。乾燥温度はドライヤーの種類によって様々に変化するが、ドライヤー内部の温度は50〜200℃、好ましくは70〜150℃である。
このようにして製造された本発明の記録媒体は、前記インク受容層の塗工量が、固形分換算で5〜50g/mであることが好ましく、10〜40g/mであることが更に好ましい。塗工量が10g/m未満では、インク受容層を設けなかった場合に比して染料の発色性の点で効果が小さく、40g/m超では、インク受容層の粉落ちが発生するおそれがある。尚、塗工層全体の厚みとしては、5〜50μmが好ましく、10〜40μmが更に好ましい。
本発明において用いられる支持体としては、透明な支持体も不透明な支持体も用いることができる。透明な支持体としては、従来公知のものがいずれも使用でき、例えばポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハン、セルロイド等のフィルムもしくは板およびガラス板等が挙げられる。このような透明な支持体はその厚さが約10〜200μm程度のものであることが好ましい。
不透明な支持体としては、紙、塗工紙、合成紙、樹脂被覆紙、顔料入り不透明フィルム、発砲フィルム等の従来公知のものがいずれも使用できる。光沢、平滑性の点から合成紙、樹脂被覆紙、各種フィルムがより好ましいが、手触り感、高級感から写真用支持体に類似の樹脂被覆紙がさらに好ましい。
本発明において好ましく用いられる、樹脂被覆紙を構成する原紙は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。原紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この原紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されていてもよい。
また、原紙の厚味に関しては特に制限はないが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ましく、その坪量は30〜250g/mが好ましい。
樹脂被覆紙の樹脂としては、ポリオレフィン樹脂や電子線で硬化する樹脂を用いることができる。ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン-プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体およびこれらの混合物であり、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。
また、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
本発明において好ましく用いられる支持体である樹脂被覆紙は、走行する原紙上にポリオレフィン樹脂の場合は、加熱溶融した樹脂を流延する、いわゆる押出コーティング法により製造され、その両面が樹脂により被覆される。また、電子線により硬化する樹脂の場合は、グラビアコーター、ブレードコーターなど一般に用いられるコーターにより樹脂を塗布した後、電子線を照射し、樹脂を硬化させて被覆する。また、樹脂を原紙に被覆する前に、原紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。支持体のインク受容層が塗布される面(表面)は、その用途に応じて光沢面、マット面などを有し、特に光沢面が優位に用いられる。裏面に樹脂を被覆する必要はないが、カール防止の点から樹脂被覆したほうが好ましい。裏面は通常無光沢面であり、表面あるいは必要に応じて表裏両面にもコロナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施すことができる。また、被覆樹脂層の厚味としては特に制限はないが、一般に5〜50μmの厚味に表面または表裏両面にコーティングされる。
本発明における支持体には帯電防止性、搬送性、カール防止性などのために、各種のバックコート層を塗設することができる。バックコート層には無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、ラテックス、硬化剤、顔料、界面活性剤などを適宜組み合わせて含有せしめることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
以下の実施例及び比較例において、「部」および「%」は、「質量部」および「質量%」を表わす。
実施例および比較例において、染料インク発色性、記録媒体保存安定性、顔料インク発色性、顔料インク定着性および記録媒体耐水性の各評価を以下に示す基準で行った。なお、染料インク発色性および記録媒体保存安定性の各評価においては市販の染料インクを使用したインクジェットプリンター(PM−900C、セイコーエプソン社製)(商標)を用いて、顔料インク発色性および顔料インク定着性の各評価においては市販の顔料インクを使用したインクジェットプリンター(PX−G900、セイコーエプソン社製)(商標)を用いて行った。
(染料インク発色性の評価)
印刷後30分経過した記録物の画像部の発色を目視によって官能的に評価し、以下の判定を行った。
○:鮮明な発色であり、色濃度も高い。
△:わずかに霞が掛かったような感じはあるが、色濃度は高い。
×:霞が掛かったような感じがあり、色濃度は低い。
(記録媒体保存安定性の評価)
作成した後、恒温恒湿器中に入れ、25℃、80%RHの環境と25℃、45%の環境とを24時間ごとに交互に繰り返し、これを4週間連続で行った膨潤型インクジェット記録媒体製造と、全く同様に作成して恒温恒湿器中で25℃、45%の環境下で24時間経過した膨潤型インクジェット記録媒体製造の両方に、同様に印刷した後30分経過した記録物の画像部の発色および画質を目視によって官能的に評価し、以下の判定を行った。
○:変化が全く認められない。
△:変化がわずかに認められる。
×:明らかな変化が認められる。
(顔料インク発色性の評価)
印刷後30分経過した記録物の画像部の発色を目視によって官能的に評価し、以下の判定を行った。
○:鮮明な発色であり、色濃度も高い。
△:わずかに霞が掛かったような感じはあるが、色濃度は高い。
×:霞が掛かったような感じがあり、色濃度は低い。
(顔料インク定着性の評価)
印刷後30分経過した記録物の画像部を、指で強く擦り、以下の判断基準に従って評価した。
○:汚れは全く生じない
△:わずかに汚れる
×: 汚れる
(記録媒体耐水性の評価)
作成して一日経過した膨潤型インクジェット記録媒体製造を10分間、20℃の水に浸漬した後、該記録媒体表面を指で擦り、耐水性を官能的に評価し、以下の判定を行った。
◎:ほとんど変化を認められない。
○:変化は小さく無く、十分に強い強度を保っている。
△:わずかに膨潤は生じているが、インク受容層の剥がれは生じない。
×:指で擦るとインク受容層が剥がれてしまう。
(調製例1)
攪拌器、還流冷却器、滴下槽及び温度計を取りつけた反応容器に、水360部を投入し反応容器内を80℃にした。次に「コータミン86W」(商標)(花王(株)製、カチオン性界面活性剤:商品名)の25%水溶液25部、「エマルゲン1135S−70」(商標)(花王(株)製、非イオン性界面活性剤)の70%水溶液7.5部及びN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル4級塩の70%水溶液4部を該反応器内に添加した。さらに該反応器内に2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ニ塩基酸塩の5%水溶液8部を投入し、その5分後に、メタクリル酸メチル9部、アクリル酸ブチル9部、スチレン9部、ダイアセトンアクリルアミド2部及び2−ヒドロキシメタクリル酸エチル2部を混合した液を該反応器内に30分かけて連続的に添加した。添加は反応容器内を80℃に保ちながら行った。この段階でのエマルジョンの数平均粒子径は11nmであった。引き続き、水1254部にN−イソプロピルアクリルアミド220部、ダイアセトンアクリルアミド10部、メチレンビスアクリルアミド0.5部、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル4級塩の70%水溶液5部、「コータミン86W」の25%水溶液14部及び2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ニ塩基酸塩の5%水溶液11部を溶解した液とメタクリル酸メチル70部とを各々該反応容器内に添加開始し、4時間かけて添加を終了させた。添加中及び添加終了後1時間、反応容器内液温を80℃に保った後、50℃まで冷却し、エタノールの60%水溶液1000部を徐々に該反応容器内に添加した。エタノール水溶液の添加終了後室温まで冷却することによって樹脂固形分11%、数平均粒子径が80nmのエマルジョンを形成した高分子化合物1を得た。その感温点を測定したところ19℃であった。
(調製例2)
攪拌器、還流冷却器、滴下槽及び温度計を取りつけた反応容器に、水200部を投入し反応容器内を80℃にした。次に「コータミン86W」(商標)(花王(株)製、カチオン性界面活性剤)の25%水溶液20部、「エマルゲン1135S−70」(商標)(花王(株)製、非イオン性界面活性剤)の70%水溶液10部、「ブレンマーQA」(商標)(日本油脂(株)製、カチオン性反応型界面活性剤)の25%水溶液15部及びN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル4級塩の70%水溶液2部を該反応器内に添加した。さらに該反応器内に2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ニ塩基酸塩の5%水溶液15部を投入し、その5分後に、メタクリル酸メチル15部、アクリル酸ブチル20部、スチレン10部、ダイアセトンアクリルアミド2部を混合した液を該反応器内に1時間かけて連続的に添加した。添加は反応容器内を80℃に保ちながら行った。この段階でのエマルジョンの数平均粒子径は40nmであった。引き続き、水380部にN−イソプロピルアクリルアミド60部、ダイアセトンアクリルアミド4部、2−ヒドロキシメタクリル酸エチル5部、「ブレンマーQA」(商標)(日本油脂(株)製、カチオン性反応型界面活性剤)の25%水溶液15部及び2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ニ塩基酸塩の5%水溶液11部を溶解した液とメタクリル酸メチル30部とを各々該反応容器内に添加開始し、4時間かけて添加を終了させた。添加中及び添加終了後1時間、反応容器内液温を80℃に保った後、50℃まで冷却し、エタノールの60%水溶液500部を徐々に該反応容器内に添加した。エタノール水溶液の添加終了後室温まで冷却することによって樹脂固形分11%、数平均粒子径が80nmのエマルジョンを形成した高分子化合物2を得た。その感温点を測定したところ14℃であった。
(調製例3)
攪拌機、還流冷却器、滴下槽及び温度計を取りつけた反応容器に、水600部及び「コータミン86W」の28%水溶液40部、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル4級塩の70%水溶液6部を投入し、反応容器内を80℃とした。次に、ダイアセトンアクリルアミド4部、スチレン128部、メタクリル酸メチル80部、メタクリル酸ブチル66部を混合した添加液(1)と、水100部に「コータミン86W」の28%水溶液9部、「エマルゲン1135S−70」の70%水溶液1部、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ニ塩基酸塩の5%水溶液45部、アミノエチルメタクリレート塩化メチル4級塩の70%水溶液6部を溶解した添加液(2)とを各々滴下槽より反応容器中へ4時間かけて添加した。添加中及び添加が終了してからさらに1時間、反応容器中の温度を80℃に保った後、室温まで冷却した。樹脂固形分30%、数平均粒子径40nmのエマルジョンを形成した高分子化合物3を得た。その感温点の測定を試みたが、感温点と判断される変化は生じなかった。
(調製例4)
ヘキサメチレンジイソシアネート168部、ビュレット化剤としての水1.5部を、エチレングリコールメチルエーテルアセテートとリン酸トリメチルの1:1(質量比)の混合溶媒130部に溶解し、反応温度160℃にて1時間反応させた。得られた反応液を薄膜蒸留缶を用いて、1回目は133Pa/160℃の条件下、2回目は13.3Pa/200℃の条件下にて2段階の処理により余剰のヘキサメチレンジイソシアネート、及び溶媒を留去回収し、残留物を得た。得られた残留物は、99.9質量%のポリイソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネートのビュウレット型ポリイソシアネート)及び0.1質量%の残存ヘキサメチレンジイソシアネートを含んでいた。得られた残留物の粘度は1900(±200)mPa.s/25℃、数平均分子量は約600(±100)であり、平均−NCO官能基数は約3.3、−NCO基含有量は23.3質量%であった。
還流冷却器、温度計及び撹拌装置を有する反応器にイソプロピルアルコール1000部にヒドラジン1水和物80部を撹拌しながら約30分かけて室温で添加した後、上記ポリイソシアネート(NCO基含量23.3質量%)144部をテトラヒドロフラン576部に溶解した溶液を10℃にて約1時間かけて添加し、さらに40℃にて3時間撹拌を続け、1000部の水を添加した。続いて得られた反応液中のイソプロピルアルコール、ヒドラジン、テトラヒドロフラン、水等を加熱減圧下に留去することにより168部のビウレット構造を有するポリセミカルバジド化合物(PSC)を得た。平均セミカルバジド残基数を測定したところ、4.6meq/gであった。
[実施例1]
下記の組成となるよう各成分を40℃にて混合し塗工液を作成した。表面に親水化処理を施したポリエチレンテレフタレート製シート(厚さ100μm)に、40℃に加温したバーコーターで前記40℃の塗工液を塗布した後、速やかに10℃の冷風を塗工膜表面に送風を開始した。このとき塗工膜は冷風を送風開始後速やかにゲル化し均質な膜厚と平滑な表面を保持できた。冷風を30秒送風した後、60℃の温風を塗工膜表面に送風、乾燥し、厚さ約25μmのインク吸収層を設けた記録媒体を得た。この記録媒体の評価結果を表1に示した。従来技術より、優れた耐光性、耐擦性の記録媒体が、高い生産性で得られた。
塗工液組成(乾燥質量比)
調製例1で得られた高分子化合物1 40部
ポリビニルアルコール(GL−500、クラレ製)(商標) 60部
[実施例2]
下記の組成となるよう各成分を40℃にて混合し塗工液を作成する以外は全て実施例1と同様に行い、厚さ約25μmのインク吸収層を設けた記録媒体を得た。この記録媒体の評価結果を表1に示した。従来技術より、優れた耐光性、耐擦性の記録媒体が、高い生産性で得られた。
塗工液組成(乾燥質量比)
調製例1で得られた高分子化合物1 40部
ポリビニルアルコール(GL−500、クラレ製)(商標) 60部
カチオン性高分子(アデカカチオエースDM−20A(商標)、旭電化工業製) 5部
調製例4で得られたポリセミカルバジド化合物 1部
[実施例3]
下記の組成となるよう各成分を40℃にて混合し塗工液を作成する以外は全て実施例1と同様に行い、厚さ約25μmのインク吸収層を設けた記録媒体を得た。この記録媒体の評価結果を表1に示した。従来技術より、優れた耐光性、耐擦性の記録媒体が、高い生産性で得られた。
塗工液組成(乾燥質量比)
調製例1で得られた高分子化合物1 40部
ポリビニルアルコール(GL−500、クラレ製)(商標) 60部
カチオン性高分子(アデカカチオエースDM−20A、旭電化工業製)(商標) 5部
調製例4で得られたポリセミカルバジド化合物 1部
ホウ酸 3部
[実施例4]
下記の組成となるよう各成分を40℃にて混合し塗工液を作成する以外は全て実施例1と同様に行い、厚さ約25μmのインク吸収層を設けた記録媒体を得た。この記録媒体の評価結果を表1に示した。従来技術より、優れた耐光性、耐擦性の記録媒体が、高い生産性で得られた。
塗工液組成(乾燥質量比)
調製例1で得られた高分子化合物1 20部
ポリビニルアルコール(GL−500、クラレ製)(商標) 80部
カチオン性高分子(アデカカチオエースDM−20A、旭電化工業製)(商標) 5部
調製例4で得られたポリセミカルバジド化合物 1部
ホウ酸 3部
[実施例5]
下記の組成となるよう各成分を40℃にて混合し塗工液を作成する以外は全て実施例1と同様に行い、厚さ約25μmのインク吸収層を設けた記録媒体を得た。この記録媒体の評価結果を表1に示した。従来技術より、優れた耐光性、耐擦性の記録媒体が、高い生産性で得られた。
塗工液組成(乾燥質量比)
調製例1で得られた高分子化合物1 40部
ポリビニルアルコール(GL−500、クラレ製)(商標) 60部
カチオン性高分子(アデカカチオエースDM−20A、旭電化工業製)(商標) 5部
ヒドロキシエチルセルロース(和光純薬工業製) 5部
調製例4で得られたポリセミカルバジド化合物 1部
ホウ酸 3部
[実施例6]
下記の組成となるよう各成分を40℃にて混合し塗工液を作成する以外は全て実施例1と同様に行い、厚さ約25μmのインク吸収層を設けた記録媒体を得た。この記録媒体の評価結果を表1に示した。従来技術より、優れた耐光性、耐擦性の記録媒体が、高い生産性で得られた。
塗工液組成(乾燥質量比)
調製例1で得られた高分子化合物1 40部
ポリビニルピロリドン(K−90、東京化成製)(商標) 60部
カチオン性高分子(アデカカチオエースDM−20A、旭電化工業製)(商標) 5部
調製例4で得られたポリセミカルバジド化合物 1部
[実施例7]
下記の組成となるよう各成分を40℃にて混合し塗工液を作成する以外は全て実施例1と同様に行い、厚さ約25μmのインク吸収層を設けた記録媒体を得た。この記録媒体の評価結果を表1に示した。従来技術より、優れた耐光性、耐擦性の記録媒体が、高い生産性で得られた。
塗工液組成(乾燥質量比)
調製例2で得られた高分子化合物2 40部
ポリビニルアルコール(GL−500、クラレ製)(商標) 60部
カチオン性高分子(アデカカチオエースDM−20A、旭電化工業製)(商標) 5部
調製例4で得られたポリセミカルバジド化合物 1部
ホウ酸 3部
[比較例1]
下記の組成となるよう各成分を40℃にて混合し塗工液を作成する以外は全て実施例1と同様に行うことを試みたが、冷却時のセット性が悪いため、塗工膜が乾燥するまで10℃の冷風を当て続け、厚さ約25μmのインク吸収層を設けた記録媒体を得た。この記録媒体の評価結果を表1に示した。
塗工液組成(乾燥質量比)
ポリビニルアルコール(GL−500、クラレ製)(商標) 60部
カチオン性高分子(アデカカチオエースDM−20A、旭電化工業製)(商標) 5部
ホウ酸 3部
[比較例2]
下記の組成となるよう各成分を40℃にて混合し塗工液を作成する以外は全て実施例1と同様に行い、厚さ約25μmのインク吸収層を設けた記録媒体を得た。この記録媒体の評価結果を表1に示した。
塗工液組成(乾燥質量比)
調製例2で得られた高分子化合物2 40部
カチオン性高分子(アデカカチオエースDM−20A、旭電化工業製)(商標) 5部
調製例4で得られたポリセミカルバジド化合物 1部
[比較例3]
下記の組成となるよう各成分を40℃にて混合し塗工液を作成する以外は全て比較例2と同様に行い、厚さ約25μmのインク吸収層を設けた記録媒体を得た。この記録媒体の評価結果を表1に示した。
塗工液組成(乾燥質量比)
調製例3で得られた高分子化合物3 40部
ポリビニルアルコール(GL−500、クラレ製)(商標) 60部
カチオン性高分子(アデカカチオエースDM−20A、旭電化工業製)(商標) 5部
調製例4で得られたポリセミカルバジド化合物 1部
ホウ酸 3部
Figure 2005212458
本発明の塗工液、膨潤型インクジェット記録媒体製造方法および膨潤型インクジェット記録媒体製造を用いれば、従来技術では困難であった、高い画像品質と同時に耐光性、耐水性、耐擦性などの画像の保存安定性に優れた記録物を高い生産性で製造することが可能になり、産業上の利用価値は甚だ大きなものである。

Claims (7)

  1. 支持体の少なくとも片面に一層以上のインク受容層を設けた膨潤型インクジェット記録媒体製造に用いる塗工液であって、水溶性高分子と一定の温度(感温点)以下の温度領域では親水性を示し、感温点を超える温度領域では疎水性を示す高分子化合物(A)を含むことを特徴とする塗工液。
  2. 前述の水溶性高分子が、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、ポリアクリルアミド、ポリアクリルアミド誘導体、ポリアクリル酸、水溶性セルロース誘導体の中から選ばれる化合物の一種以上であることを特徴とする請求項1に記載の塗工液。
  3. 前述の高分子化合物(A)が高分子エマルジョンを形成していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の塗工液。
  4. 前述の高分子化合物(A)がカルボニル基を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の塗工液。
  5. 少なくとも2個の、ヒドラジン基及び/またはセミカルバジド基を有するヒドラジン誘導体を含有する請求項4に記載の塗工液。
  6. 支持体の少なくとも片面に一層以上のインク受容層を設けた膨潤型インクジェット記録媒体の製造方法であって、該インク受容層の少なくとも1層の形成方法が、請求項1〜5のいずれか一項に記載の塗工液を、高分子化合物(A)の感温点を超える温度で支持体上に塗工後、感温点以下の温度まで冷却する工程を含む製造方法。
  7. 支持体の少なくとも片面に一層以上のインク受容層を設けた膨潤型インクジェット記録媒体であって、該塗工層の少なくとも1層が、請求項1〜5のいずれか一項に記載の塗工液の含有成分を含有する膨潤型インクジェット記録媒体。
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