JP2005212231A - 透明ガスバリアフィルム、その製造方法およびエレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

透明ガスバリアフィルム、その製造方法およびエレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Abstract

【課題】緻密な欠点の少ない構造の無機層が形成された高いガスバリア性能を持ち、かつ曲げてもバリア性能が劣化しない透明ガスバリアフィルムおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】
樹脂基板の少なくとも片面上に、有機層および無機層をそれぞれ1層以上積層して設けた構造の透明ガスバリアフィルムであって、該無機層がプラズマCVD法により、無機層の膜厚、樹脂基板の搬送速度および樹脂基板の電極通過総長さが、下記式(1)で示す関係を満たす条件で作製されたものである。
5≦T/(L/S)≦100 (1)
ただし 108≦S≦1011
式中、T:無機層の膜厚(nm)
S:樹脂基板の搬送速度(nm/min)
L:樹脂基板の電極通過総長さ(nm)
【選択図】 なし

Description

本発明は、透明性に優れ、酸素および水蒸気の透過に対して高度なバリア性を有するガスバリアフィルム、その製造方法、およびそれを用いたエレクトロルミネッセンス素子に関するものである。
特公昭53−12953号公報 特公昭58−217344号公報。
従来、プラスチック基板やフィルムの表面に酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化珪素等の金属酸化物の薄膜を形成したガスバリア性フィルムは、酸素や水蒸気の遮断を必要とする物品の包装、食品や工業用品および医薬品等の変質を防止するための包装用途に多く用いられている。また、包装用途以外にも、液晶表示素子、太陽電池、エレクトロルミネッセンス(EL)基板等で使用されている。特に、液晶表示素子やEL素子等への応用が進んでいる透明基材に関しては、軽量化、大型化という要求に加え、長期信頼性や形状の自由度が高いこと、曲面表示が可能であること等の高度な要求が加わり、重くて割れやすく大面積化が困難なガラス基板に代わって透明プラスチック等のフィルム基材が採用され始めている。また、プラスチックフィルムは上記要求に応えるだけでなく、ロール・トゥ・ロール方式が可能であることから、ガラス基板よりも生産性が良く、コストダウンの点でも有利である。
しかしながら、透明プラスチック等のフィルム基板は、ガラス基板に対してガスバリア性が劣るという問題がある。このようなガスバリア性に劣る基材を上記の用途に用いると、ガスが浸透して問題が生じる。例えば液晶セル内の液晶を劣化させたり、有機EL素子を劣化させたりして、表示欠陥となって表示品位を劣化させる。このような問題を解決するために、フィルム基板上に金属酸化物薄膜を形成してガスバリア性フィルム基材とすることが知られている。包装部材や液晶表示素子に使用されるガスバリアフィルムとしては、プラスチックフィルム上に酸化珪素を蒸着したもの(特許文献1)や酸化アルミニウムを蒸着したもの(特許文献2)が知られており、いずれも従来のガスバリアフィルムとしては1cm/m/day程度の酸素透過率や1g/m/day程度の水蒸気透過率を有するものである。
近年では、液晶ディスプレイの大型化、高精細ディスプレイ、有機EL表示体等の開発により、フィルム基板へのガスバリア性能について更なる改善が要求されてきている。さらに、曲げることが可能な表示デバイスについての要望も大きく、曲げてもガスバリア性能が劣化しないバリア層が必要となってきている。
ガスバリア性能は、ガスバリア膜としての無機層のガスバリア性能に依存するので、上記の要求に応える高度なガスバリア性能を有する無機層の形成が重要な鍵を握ることになる。無機層の製膜方法としては、抵抗加熱蒸着法、電子線蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法、プラズマCVD法、スパッタリング法等が一般的に知られているが、それぞれの製膜方法や製膜条件により無機膜の状態が異なり、最終的にガスバリア性能に影響を及ぼす。
本発明は、上記従来の技術において求められている高度なガスバリア性能を有し、かつ曲げてもガスバリア性能が劣化しない透明ガスバリアフィルムを提供することを目的としてなされたものである。
すなわち、本発明の目的は、ガスバリア膜である無機層の製造条件を最適化することにより、製膜された無機層が緻密な欠点の少ない構造となり、従来よりも高いガスバリア性能を持ち、透明でかつ曲げてもそのバリア性が劣化しないガスバリアフィルムおよびその製造方法を提供することにある。本発明の他の目的は、この透明ガスバリアフィルムを用いた劣化や欠点の発生等がないエレクトロルミネッセンス素子を提供することにある。
本発明の透明ガスバリアフィルムは、樹脂基板の少なくとも片面上に、有機層および無機層をそれぞれ1層以上積層して設けた構造のものであって、その無機層がプラズマCVD法により、無機層の膜厚、樹脂基板の搬送速度および樹脂基板の電極通過総長さが、下記式(1)で示す関係を満たす条件で作製されたものであることを特徴とする。
5≦T/(L/S)≦100 (1)
ただし 108≦S≦1011
(式中、T:無機層の膜厚(nm)
S:樹脂基板の搬送速度(nm/min)
L:樹脂基板の電極通過総長さ(nm))
本発明において、上記無機層は、無機層が珪素酸化物または珪素窒化物または珪素窒化酸化物を主成分として構成される。また、本発明の透明ガスバリアフィルムは、全光線透過率が80%以上であることが好ましい。
本発明において、上記樹脂基板は、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムであることが好ましい。
本発明のエレクトロルミネッセンス素子は、基板上に、少なくとも透明電極層、発光層、陰極層を順次積層した積層体を、密閉された空間内に配置したものであって、その基板として、上記の透明ガスバリアフィルムを用いたことを特徴とする。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
まず、本発明の透明ガスバリアフィルムの各構成層と作製法について述べる。図1は、本発明のガスバリアフィルムの一例の模式的断面図である。ガスバリアフィルムは樹脂基板1上に有機層2および無機層3が順次積層されて設けられている。本発明において、有機層および無機層は複数存在していてもよく、また、その積層順序には特に制限はなく、いずれが樹脂基板に直接接するように設けてもよい。例えば、樹脂基板の上に複数の有機層および無機層が交互に積層された層構成、異種材料からなる有機層同士が隣接して積層された層構成、異種材料からなる無機層同士が隣接して積層された層構成などがあげられる。特に、樹脂基板上に有機層、無機層、有機層が順次設けられた層構成のものが好ましい。
まず、本発明を特徴付ける無機層について説明すると、無機層は、透明性とガスバリア性、フレキシブル性等のバランスから、珪素酸化物、珪素窒化物、珪素窒化酸化物のいずれかを主成分とするものである。また、無機層の厚みは1nmから500nmの範囲が好ましい。さらに10〜300nmの範囲がより好ましい。無機層が上記の範囲よりも厚くなると曲げ応力に対してクラックを発生する恐れがあり、薄くしすぎると膜が均一ではなくなり、バリア性能の低下を招く。
本発明において、無機層の形成方法としては、プラズマCVD(Chemical Vepor Deposition)法が用いられる。
本発明でいうプラズマCVD法とは、原料ガスをグロー放電などにより電離させてプラズマ状態とし、酸化還元反応、置換反応、自己分解反応等を行わせて、これらの反応による生成物を基板上に堆積させる方法をいう。本発明におけるプラズマCVD法では、反応空間を有する反応容器に、有機金属化合物を含む原料ガスを導入するための導入管、放電エネルギーが印加される電極、放電エネルギーが印加される電極に対向する接地電極、反応容器内のガスを排気するための排気管および排気装置が備え付けられたものを基本的な構成単位とするCVD装置が用いられる。原料は、固体、液体、気体のいずれの形態でも用い得る。なお、固体、液体からなる原料の場合、加熱処理や減圧処理などの適宜な方式でガス化して原料ガスを形成してもよい。原料ないし原料ガスとしては、例えば、Siの水素化物、ハロゲン化物、アセチルアセトネート化物、アルコキシド化物、アルキル化物等があげられる。また、反応ガスとしては、酸素ガス、窒素ガス、水蒸気、アンモニアガス等、或いはこれらの含有物が用いられる。
本発明において、プラズマCVD法におけるプラズマ化の条件としては、温度および圧力に関しては、従来のプラズマCVD法で用いられている条件と同様な条件が用いられる。これらの条件は、蒸着原料組成により異なるために一概には規定できないが、例えば酸化珪素を樹脂基板上に被覆してガスバリア性フィルムを製造する場合、圧力は1Torr(133Pa)以下、好ましくは0.5Torr(66.5Pa)以下、温度は150℃以下が好ましい。また、RF出力は、40W以上、1000W以下が好ましい。これは緻密な無機層を形成し、ガスバリア性を高く保つためである。
プラズマCVD法での無機層の形成において、樹脂基板の電極通過総長さL(nm)、樹脂基板の電極間の搬送速度S(nm/min)および膜厚T(nm)の関係:T/(L/S)は、プラズマ化の条件を制御することによって設定することができる。すなわち、樹脂基板の電極通過総長さLは、樹脂基板の搬送速度Sと搬送時間をコントロールすることにより決まる。また、膜厚Tは、原料ガスの種類および流量、系内圧力、RF出力、および樹脂基板の搬送速度と搬送時間により制御される。本発明において、無機層の製膜における無機層の膜厚Tと無機層を堆積させる樹脂基板の電極間の搬送速度Sと樹脂基板の電極通過総長さLとの関係:T/(L/S)が5〜100となるように、プラズマ化の条件を制御して成膜すると、樹脂基板上に堆積した無機層が緻密で欠陥の少ない良好なガスバリア性能を持つものとなる。より緻密な無機層を得るためには、5≦T/(L/S)≦50を満たす条件で製膜するのが好ましい。T/(L/S)>100の条件で製膜された場合は、無機層の膜が緻密でなく、粒界が存在し、また2次元方向での膜の均一性が得られず、欠陥の多い膜となり、結果的にガスバリア性能が低下する。また、5より小さくなると、生産性が極めて悪くなる。
なお、「樹脂基板の電極通過総長さ」とは、図3に示すように、樹脂基板1が電極8a、8b間を通過して無機層が積層される際の、無機層が形成された走向方向の長さLを意味する。
また、本発明の製膜条件としては、基材搬送速度S(nm/min)が108≦S≦1011の範囲内(すなわち、0.1〜100m/min)であることが必要である。基材の搬送速度が108 nm/min未満である場合、生産性が悪く好ましくない。また、基材の搬送速度が1011nm/minより大きいと、無機層の堆積速度は速くなりすぎて、緻密で欠陥の少ない膜ができ難くなる。
なお、無機層を製膜する方法として、一般的な方法として物理的蒸着法(PVD法)も考えられる。PVD法としては、金属原料もしくは金属酸化物原料を抵抗加熱法や高周波誘導加熱法、種々のスパッタリング法、エレクトロンビーム法、イオンプレーティング法などにより、減圧下で蒸発させ、基材上に無機層を付着させる方法がある。しかしながら、PVD法では、無機酸化物がそのまま粒子となって基材上に蒸着されるために、形成される無機層は粒子間に粒界が存在しており、十分なバリア性能を得ることが難しい。このために、十分なバリア性能を得るために、無機層を厚くする必要がある。その結果、クラックが発生しやすくなったり、反りが発生しやすくなったりして、十分なガスバリア性能が得られないという問題がある。これに対して、本発明においては、プラズマCVD法を上記の条件の下に用いるので、上記のような問題は発生しない。
本発明において、樹脂基板としては、バリア性を有する膜を保持することができる有機材料で形成された膜であれば特に限定されるものではない。具体的には、エチレン、プロピレン、ブテン等の単独重合体または共重合体または共重合体等のポリオレフィン樹脂、環状ポリオレフィン等の非晶質ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン12、共重合ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のポリビニルアルコール系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラート樹脂、ポリアリレート樹脂、フッ素系樹脂等を用いることができる。中でも、ポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂等のポリエチレンナフタレート樹脂はガスバリア性が良好であり、特に酸素透過率および水蒸気透過率が低いので、本発明において、樹脂基板としては、ポリエチレンナフタレートフィルムを用いるのが好ましい。これら樹脂フィルムの厚みは、12〜500μmであることが好ましい。また、透明性が高いことが必要である。
上記樹脂基板上に設ける有機層は、特に制限はないが、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル系樹脂、オレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂等を使用することができる。また、有機層の厚さは、特に制限はないが、0.1μmから10μmの範囲が好ましい。樹脂基板上に設ける有機層は、樹脂基板の表面を平滑にする役割を担う。また、フレキシブル性を考慮に入れた場合、曲げによる無機層のクラックを防止する役割も担う。また、有機層には、撥水性能、吸水性能、酸素吸着性能等の機能を持たせることで、更にガスバリア性能の向上が図られるために、撥水性能、吸水性能、酸素吸着性能を有する樹脂や添加物を加えることも可能である。また、有機層は透明性が高いことが必要である。
有機層は、上記樹脂を適当な溶媒に溶解した溶液を、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、ディップコート、スプレーコート等の公知の方法により樹脂基板上にコーティングすることによって形成することができる。
本発明の透明ガスバリアフィルムは、透明であることが必要である。透明性の目安として、全光線透過率が80%以上であるのが好ましく、より好ましくは88%以上である。なお、全光線透過率の測定はJIS K7136−1による。
本発明の透明ガスバリアフィルムは、樹脂基板の少なくとも片面上に有機層と無機層を1層以上積層した層構成を有するが、特に、液晶表示素子や有機EL素子等のディスプレイの用途に使用される場合は、高度なガスバリア性能を必要とされるために、有機層と無機層を二層以上積層して高度なガスバリア要求性能に対応するようにするのが好ましい。また、樹脂基板の両面に有機層および無機層を積層してもよく、その場合は、上下対称構造となるように積層するのが好ましい。樹脂基板の両面に有機層および無機層を積層した場合には、透明ガスバリアフィルムの反りを低減する効果が生じる。
次に、本発明のエレクトロルミネッセンス素子の構造と作製法について述べる。
図2は本発明のエレクトロルミネッセンス素子の模式的断面図である。図において、エレクトロルミネッセンス素子は、基材10上に、透明電極層4、発光層5、陰極層6が順次積層され、その積層体が封止材によって封止され、密閉された空間に配置された構造を有している。図2aにおいては、この積層体が金属材料、プラスチック等で形成された封止材7aによって封止され、図2bにおいては、透明ガスバリアフィルム等の樹脂材料よりなる封止材7bによって封止された場合を示している。
基材は、上記の透明ガスバリアフィルムが使用される。
透明電極層は、発光層に正孔を供給する陽極としての機能を有するものであって、例えば、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の導電性金属酸化物や金、銀、アルミニウム等の金属を用いることができ、その形状、構造、大きさ等についても特に制限されるものではない。透明電極層の作製法は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法、プラズマCVD法等の中から前記材料との適性を考慮して適宜選択すればよい。透明電極層のパターニングは、フォトリソグラフィーによる化学的エッチング法、レーザー等による物理的エッチング法、マスクを用いる真空蒸着法やスパッタリング法、又はリフトオフ法や印刷法等により行うことができる。厚さは、10nm〜5μmの範囲が適当である。
発光層は、少なくとも1種の発光材を含有するものであり、必要に応じて、正孔や電子の発生や移動を容易にする正孔注入材、正孔輸送材や電子注入材、電子輸送材等を含有させていてもよい。また、正孔注入材、正孔輸送材や電子注入材、電子輸送材等が発光層とは別の層として発光層に積層されていても構わない。
発光材としては、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、スチリルベンゼン誘導体、ポリフェニル誘導体、ジフェニルブタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ナフタルイミド誘導体、クマリン誘導体、ペリレン誘導体、ペリノン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アルダジン誘導体、ピラリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ビススチリルアントラセン誘導体、キナクリドン誘導体、ピロロピリジン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、スチリルアミン誘導体、芳香族ジメチリデン誘導体、8−キノリール誘導体の金属錯体や希土類錯体に代表される各種金属錯体、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体の高分子化合物があげられる。これらは一種又は二種以上を混合して用いることができる。
正孔注入材、正孔輸送材としては、低分子正孔輸送材および高分子正孔輸送材のいずれも使用可能であり、陽極から正孔を注入する機能、正孔を輸送する機能、及び陰極から注入された電子を障壁する機能のいずれかを有していれば限定されない。正孔輸送材としては、例えば、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等の高分子化合物等があげられる。これらは一種または二種以上を併用して用いてもよい。
電子注入材および電子輸送材としては、電子を輸送する機能、陽極から注入された正孔を障壁する機能のいずれかを有しているものであれば制限されることはなく、例えば、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体や、メタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾジアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等の高分子化合物があげられる。これらは一種または二種以上を併用して用いてもよい。
発光層は、蒸着やスパッタリング等の乾式法、ディッピング、スピンコート、ディップコート、キャスト、ダイコート、ロールコート、バーコート、グラビアコート等の湿式法等のいずれかによって好適に製膜することができる。これらの製膜法は、発光層の材料に応じて適宜選択することができる。膜厚は、一般に1nm〜10μm、好ましくは10nm〜1μmの範囲に設定される。正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層も発光層の場合と同様の方法で作製することができる。
陰極層は、形状、構造、大きさ等に特に制限はなく、発光層に電子を注入する電極として機能すればよい。その形状、構造、大きさ等も特に制限はないが、厚さは、10nm〜5μmの範囲が適当である。陰極用材料としては、アルカリ金属(例えばLi、Na、K、Cs等)、アルカリ土類金属(例えばMg、Ca等)、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金、インジウム、イッテルビウム等の希土類金属等が挙げられる。これらのなかから、二種以上併用しても構わない。
陰極層の形成は、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVD、プラズマCVD等を用いることができ、陰極の材料との適性を考慮して適宜選択すればよい。陰極のパターニングは、フォトリソグラフィー、レーザー等による物理的エッチング、マスクを用いる真空蒸着法やスパッタリング法、又はリフトオフ法や印刷法等を採用することができる。
封止材としては、アルミニウム管など、公知のものが使用されるが、本発明における上記透明ガスバリアフィルムを封止材として使用してもよい。
樹脂基板上にガスバリア膜である無機層を製膜する際に、プラズマCVD法の製造条件を上記の条件で行うことにより、製膜された無機層が緻密で、欠点の少ない構造となり、従来よりも高いガスバリア性能を持ち、透明で、かつ曲げてもそのバリア性が劣化しない透明ガスバリアフィルムを得ることができる。そして、その透明ガスバリアフィルムを用いることにより、劣化や欠点の発生等がないエレクトロルミネッセンス素子を得ることができる。
次に、本発明のさらに好ましい形態を説明する。本発明の好ましい透明ガスバリアフィルムは、樹脂基板として、ポリエチレンナフタレートフィルムを、有機層として、アクリル樹脂を、また、無機層として、珪素酸化物または珪素窒化物または珪素窒化酸化物を用いて構成されたものであって、プラズマCVD法により、5≦T/(L/S)≦50の関係を満足する条件で作製されたものが、特に好ましい。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
樹脂基板としてポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム(厚さ100μm)を用い、有機層としてアクリル樹脂(大日本インキ化学社製、ユニディックV−4261)を1μmの厚さで塗工し、次に無機層として酸化珪素を積層した。積層方法は、プラズマCVD法を用い、テトラメトキシシラン、酸素ガスを出発物質とし、PENフィルムを搬送速度10m/min(1010nm)で、樹脂基板の電極通過総長さ、すなわち、電極間を通過させるフィルムの総長さを20m(2×1010nm)とした条件で、系内圧力を40Pa、RF出力を200Wに調整して、膜厚100nmの酸化珪素膜を積層した。(T/(L/S)=50)。更に、最外層にアクリル樹脂層を塗工し、透明ガスバリアフィルムを作製した。
実施例1と同一の材料を用い、プラズマCVD法におけるフィルム搬送速度を1m/minに変更し、そして原料ガス流量、系内圧力、RF出力を膜厚が100nmになるように調整して酸化珪素膜を形成し、他は実施例1と同様にして透明ガスバリアフィルムを作製した。
実施例1と同一の材料を用い、プラズマCVD法における電極通過総長さを5m、フィルム搬送速度を5m/minに変更し、そして原料ガス流量、系内圧力、RF出力を膜厚が100nmになるように調整して酸化珪素膜を形成し、他は実施例1と同様にして透明ガスバリアフィルムを作製した。
[比較例1]
樹脂基板としてポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム(厚さ100μm)を用い、有機層としてアクリル樹脂(大日本インキ化学社製、ユニディックV−4261)を1μmの厚さで塗工し、次に無機層として酸化珪素を積層した。積層方法は、プラズマCVD法を用い、テトラメトキシシラン、酸素ガスを出発物質とし、フィルムを搬送速度200m/min(2×1011nm)で、電極間を通過させるフィルムの総長さを50m(5×1010nm)とした条件で、ガス流量、系内圧力、RF出力を調整して、膜厚100nmの酸化珪素膜を積層した。更に、最外層にアクリル樹脂層を塗工し、透明ガスバリアフィルムを作製した。(T/(L/S)=400)。
(評価)
上記実施例および比較例の透明ガスバリアフィルムについて、直径2cmの円柱の棒に巻き付ける前(屈曲前)と巻き付けた後(屈曲後)の酸素透過率を、酸素透過率測定装置(MOKON社製、OX−TRAN 2/21 ML)を用いて温度25℃/湿度90%の条件で測定した。また、全光線透過率をヘーズメータ(Haze Meter NDH2000、日本電色社製)を用いて測定した。それらの結果を表1に示す。
Figure 2005212231
上記表中、酸素透過率の単位は、cc/m/day/atmである。
本発明の透明ガスバリアフィルムの模式的断面図。 本発明のエレクトロルミネッセンス素子の模式的断面図。 樹脂基板の電極通過総長さを説明する説明図。
符号の説明
1…樹脂基板、2…有機層、3…無機層、4…透明電極層、5…発光層、6…陰極層、7a,7b…封止材、8a,8b…電極、10…基材(透明ガスバリアフィルム)。

Claims (6)

  1. 樹脂基板の少なくとも片面上に、有機層および無機層をそれぞれ1層以上積層して設けた構造の透明ガスバリアフィルムにおいて、該無機層がプラズマCVD法により、無機層の膜厚、樹脂基板の搬送速度および樹脂基板の電極通過総長さが、下記式(1)で示す関係を満たす条件で作製されたものであることを特徴とする透明ガスバリアフィルム。
    5≦T/(L/S)≦100 (1)
    ただし 108≦S≦1011
    (式中、T:無機層の膜厚(nm)
    S:樹脂基板の搬送速度(nm/min)
    L:樹脂基板の電極通過総長さ(nm))
  2. 前記無機層が珪素酸化物、珪素窒化物または珪素窒化酸化物を主成分とすることを特徴とする請求項1記載の透明ガスバリアフィルム。
  3. 樹脂基板がポリエチレンナフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1または2記載の透明ガスバリアフィルム。
  4. 全光線透過率が80%以上であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の透明ガスバリアフィルム。
  5. 樹脂基板の少なくとも片面上に、有機層および無機層をそれぞれ1層以上積層して設けることよりなる透明ガスバリアフィルムの製造方法において、該無機層を、プラズマCVD法により、無機層の膜厚と樹脂基板搬送速度とが下記式(1)で表される関係を満たす条件下で形成することを特徴とする透明ガスバリアフィルムの製造方法。
    5≦T/(L/S)≦100 (1)
    ただし 108≦S≦1011
    (式中、T:無機層の膜厚(nm)
    S:樹脂基板の搬送速度(nm/min)
    L:樹脂基板の電極通過総長さ(nm))
  6. 基板上に、少なくとも透明電極層、発光層、陰極層を順次積層した積層体を、密閉された空間内に配置したエレクトロルミネッセンス素子において、該基板が、樹脂基板の少なくとも片面上に、有機層および無機層をそれぞれ1層以上積層して設けた構造の透明ガスバリアフィルムであって、該無機層がプラズマCVD法により、無機層の膜厚、樹脂基板の搬送速度および樹脂基板の電極通過総長さが、下記式(1)で示す関係を満たす条件で作製されたものであることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
    5≦T/(L/S)≦100 (1)
    ただし 108≦S≦1011
    (式中、T:無機層の膜厚(nm)
    S:樹脂基板の搬送速度(nm/min)
    L:樹脂基板の電極通過総長さ(nm))

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