JP2005212025A - 表面被覆工具 - Google Patents

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直也 大森
Haruyo Fukui
治世 福井
Yoshio Okada
吉生 岡田
Junya Okita
淳也 沖田
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Abstract

【課題】超高速切削や高速ドライ加工のように切削作業時の刃先温度が極めて高温になるような過酷な作業環境下においても、優れた耐摩耗性を示すことにより性能が飛躍的に向上した表面被覆工具を提供する。
【解決手段】基材2と表面層とを有する表面被覆工具において、該基材と該表面層との間に中間層3を有し、該中3間層の熱伝導率が該表面層の熱伝導率よりも低い表面被覆工具である。
【選択図】図1

Description

本発明は、表面被覆工具に関する。さらに詳細には、ドリル、エンドミル、切削チップ(フライス加工用刃先交換型チップ、旋削用刃先交換型チップ等)、メタルソー、歯切工具、リーマ、またはタップ等の切削工具として好適に用いることができる表面被覆工具であって、基材表面に耐摩耗性に優れる表面層を形成した表面被覆工具に関する。
最近の切削工具の動向として、地球環境保全の観点から切削油剤を用いないドライ加工が求められていること、被削材が多様化していること、加工能率を一層向上させるため切削速度がより高速になってきていること、等が挙げられる。
このような動向から、切削時における切削工具の刃先温度はますます高温になる傾向にあり、その結果切削工具の寿命は非常に短いものとなっている。このため、切削工具の材料に要求される特性は極めて高度なものが要求されている。
このような現状の下、切削工具の耐摩耗性および表面保護機能を改善するために、WC基超硬合金、サーメット、立方晶型窒化硼素焼結体、高速度鋼等の硬質基材の表面に対して、物理的蒸着法(PVD法)によって(AlxTi1-x-ySiy)(Nz1-z)(式中x、y、zはそれぞれ0.05≦x≦0.75、0.01≦y≦0.1、0.6≦z≦1)のようなAlTiSi系の窒化物や炭窒化物を、硬質被覆層として単層または複層形成することが知られている(特許文献1)。
しかし、このようなAlTiSi系の被膜は、従来の被膜であるTiN膜やTiCN膜に比べて幾分耐熱性に優れるものの、現在要求される高速かつ高能率な切削条件においては切削点での温度が900℃付近に達することから容易に酸化されてしまい、硬度および強度が劣化するという問題があった。
また、基材表面にα型のアルミナを化学的蒸着法(CVD法)により被覆してなる工具も知られている(特許文献2)。このα型のアルミナは、1000℃以上の温度においても結晶構造が安定であるという特徴を有する。
しかし、基材表面にアルミナを被覆するためのCVD法は、1000℃近い高温下において実行されるものであることから、基材自体の強度が極端に劣化するという問題があった。しかも、このようなアルミナ被膜には引っ張りの残留応力が残るため被膜強度そのものが低下するとともに破壊靭性値も低下し、このためチッピングおよび欠損が生じやすいという問題があり、特に断続切削の用途には不向きとなっていた。
一方、母材よりも熱伝導率の低い被膜を母材上に被覆する方法(特許文献3)、1000℃における熱伝導率が室温における熱伝導率の70%以上である超硬合金母材に被覆層を形成した切削工具(特許文献4)、ある数値以上の熱伝導度を有する超硬合金母材に(Ti、Al)N皮膜を形成した切削用工具(特許文献5)等熱伝導性に着目したものや、炭窒化チタン層と窒化アルミニウム層とからなる複層構造の層を単位層としてこの単位層を基材上に1以上被覆してなる多層被覆工具(特許文献6)等複数の被覆層を形成したものが知られている。
しかしながら、上記いずれのものも高温時における耐摩耗性をはじめとする諸特性が十分ではなく、更なる改善が求められているのが現状である。
特許第2793773号公報 欧州特許第0693574号明細書(B1) 特公平5−41330号公報 特開2002−166306号公報 特許第2650098号公報 特開2002−273607号公報
本発明は、上記のような現状に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、超高速切削や高速ドライ加工のように切削作業時の刃先温度が極めて高温になるような過酷な作業環境下においても、優れた耐摩耗性を示すことにより性能が飛躍的に向上した表面被覆工具を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、基材表面に形成される被覆層の熱伝導率に着目し、基材よりも熱伝導率の低い被覆層を基材表面に単独で形成すると却って表面温度が上昇してしまうのではないかと考え、この考えに基づきさらに研究を重ねたところ、最外層として存在する表面層の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有する中間層を基材と表面層との間に形成することにより良好な放熱効果が得られるとの知見を得、この知見に基づきさらに研究を重ねることによりついに耐摩耗性を飛躍的に向上した表面被覆工具を得ることに成功したものである。
すなわち、本発明は、基材と表面層とを有する表面被覆工具において、該基材と該表面層との間に中間層を有し、該中間層の熱伝導率が該表面層の熱伝導率よりも低いことを特徴とする表面被覆工具に係るものである。
本発明の表面被覆工具は、このような構成を有することにより、とりわけ鋼の超高速切削やドライ切削加工等において、非常に優れた耐摩耗性と靭性とを兼ね備えたものである。本発明の表面被覆工具が、なぜこのように優れた性能を示すのか、その詳細なメカニズムは未だ不明ながら以下のように考えられる。
すなわち、熱伝導率の低い中間層が基材と表面層との間に存在することにより遮熱効果を発揮し、外部から基材への熱の伝達が遮断される。これにより基材の温度上昇を抑止することができる。一方、表面層と中間層の温度はこれにより逆に上昇するとも考えられるが、熱伝導率の高い表面層を通じて熱は即座に被削材や大気に放出されるため、これらの温度が上昇することもない。
しかも、表面層近傍で発生した熱は刃先の切削部位近傍の低温部分にも即座に伝達されることとなるため、刃先切削部位の温度を低下させることができる。このようにして、刃先切削部位の温度低下の助長と、基材の温度上昇の抑止とが同時に達成されることになる。
したがって、ともに高温がその原因と考えられる基材の変形と、被削材との化学反応とがいずれも抑止され、これらが相乗的に作用することにより表面被覆工具の耐摩耗性、靭性および耐酸化性が飛躍的に向上するものと考えられる。
なお、本発明における熱伝導率の測定は、レーザーフラッシュ法、カロリメトリ法、周期加熱法等いかなる方法を用いても測定することができ、その測定方法が限定されるものではない。
ここで本発明の表面被覆工具において、上記中間層は、2以上の層が積層されたものであることが好ましい。そして、上記中間層を構成する2以上の層のうち、上記表面層に接する上記中間層の熱伝導率は24W/m・K以下であり、上記表面層の熱伝導率は35W/m・K以上であることが好ましい。
また上記中間層は、酸素、ZrまたはHfの少なくともいずれかを含有することが好ましい。
また上記中間層は、周期律表のIVa族元素、Va族元素、VIa族元素、Al、SiおよびBからなる群から選ばれる1以上の元素と、B、C、NおよびOからなる群から選ばれる1以上の元素とからなる化合物で構成されることが好ましく、またZrO2を含有することが好ましい。
また上記表面層は、AlNまたはCuの少なくともいずれかにより構成されることが好ましい。
また上記中間層は、0.05〜20μmの厚みを有することが好ましく、上記表面層は、0.01〜10μmの厚みを有することが好ましい。
また上記表面層と上記中間層との合計厚みは、0.1〜30μmであることが好ましい。
さらに本発明の表面被覆工具は、上記基材と上記中間層との間にさらに下地層を有し、上記下地層は、周期律表のIVa族元素、Va族元素、VIa族元素、Al、SiおよびBからなる群から選ばれる1以上の元素と、B、C、NおよびOからなる群から選ばれる1以上の元素とからなる化合物で構成されることが好ましい。
また上記基材は、WC基超硬合金、サーメット、高速度鋼、セラミックス、立方晶型窒化硼素焼結体、ダイヤモンド焼結体、窒化ケイ素焼結体、または酸化アルミニウムと炭化チタンとからなる混合体のいずれかであることが好ましい。
また上記表面層の熱伝導率は、基材の熱伝導率よりも高いことが好ましい。
また上記表面層における、上記表面被覆工具の刃先稜線部分とその近傍部分とを除く部分であって被削材と接触する部分の面粗さは、上記表面被覆工具の断面から観察する方法で測定される基準長さ5μmに対して、最大面粗さRmaxが1.3μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは最大面粗さRmaxが0.2μm以下であることが好適である。
また上記表面被覆工具は、ドリル、エンドミル、切削チップ、フライス加工用刃先交換型チップ、旋削用刃先交換型チップ、メタルソー、歯切工具、リーマ、またはタップのいずれかであることが好ましい。
本発明の表面被覆工具は、超高速切削や高速ドライ加工のように切削作業時の刃先温度が極めて高温になるような過酷な作業環境下においても、耐摩耗性、靭性および耐酸化性が飛躍的に向上したものとなる。このため、本発明の表面被覆工具は、ドリル、エンドミル、切削チップ、フライス加工用刃先交換型チップ、旋削用刃先交換型チップ、メタルソー、歯切工具、リーマ、またはタップ等の、寿命の長い切削工具として好適に用いることができる。
<表面被覆工具>
図1に示したように、本発明の表面被覆工具1は基材2と表面層3とを有し、該基材2と該表面層3との間に中間層4を有する構成を有しており、該中間層の熱伝導率が該表面層の熱伝導率よりも低いことを特徴としている。なお、図1においては便宜上中間層4を単層として表しているが、該中間層は2以上の層を積層させて形成することができる。
このような本発明の表面被覆工具は、ドリル、エンドミル、切削チップ(フライス加工用刃先交換型チップ、旋削用刃先交換型チップ等)、メタルソー、歯切工具、リーマ、またはタップ等の、切削工具として好適に用いることができるものである。
<基材>
本発明の表面被覆工具の基材は、この種の用途の基材として従来公知のものであればいずれのものも使用することができる。たとえば、WC基超硬合金、サーメット、高速度鋼、セラミックス(炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウムなど)、立方晶型窒化硼素焼結体、ダイヤモンド焼結体、窒化ケイ素焼結体、または酸化アルミニウムと炭化チタンとからなる混合体のいずれかを用いることが好ましい。
なお、このような基材の熱伝導率は、後述の中間層の熱伝導率よりも高いものを選択することが好ましい。これにより表面被覆工具の使用寿命をさらに長くすることができる。
また、基材がWC基超硬合金やサーメット等である場合、その表面に脱β相、バインダー富化層、表面硬化層等の表面改質層が形成されていても、本発明の基材として用いることができる。
<中間層>
本発明の中間層は、上記の基材上に形成されるものであって、後述の表面層の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有することを特徴とするものである。
したがって該中間層は、熱伝導率の低い物質で構成されることが好適である。このような物質としては、たとえばTiN、TiCN、ZrCN、TiCNO、TiZrBN、TiZrCN、HfCN、ZrO2、Al23等を挙げることができ、これらを各単独であるいは2種以上のものを組み合せて用いることができる。これらの物質は例示に過ぎず、遮熱効果を有する物質、換言すれば表面層の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有することになる物質であればいずれのものであっても好適に用いることができる。
そして特に、このような中間層を構成する物質としては、酸素、ZrまたはHfの少なくともいずれかを含有するものが好ましい。この理由について詳細なメカニズムは未だ十分には解明されていないが、酸素、Zr、またはHfからなる化合物は低い熱伝導率を示すためであると考えられる。
また、周期律表のIVa族元素、Va族元素、VIa族元素、Al、SiおよびBからなる群から選ばれる1以上の元素と、B、C、NおよびOからなる群から選ばれる1以上の元素とからなる化合物により該中間層を構成することも好適である。これらの化合物は、表面被覆工具の耐摩耗性を高めるのに特に有用なためである。
さらに、該中間層を構成する物質として酸化物を選択する場合は、ZrO2、Al23を用いることが好ましく、より好ましくは少なくともその一部にZrO2を含有することである。これらは熱伝導率が低いばかりではなく、酸化物であるが故高温における安定性に優れており、しかも主たる被削材である鉄系金属との反応性が低いためである。
このような中間層は、1層のみの単独層として形成することもできるが、2層以上の層を積層させた複数層として形成することがより好ましい。そして、中間層をこのように複数層として形成する場合、該中間層を構成する2以上の層のうち、後述の表面層に接する中間層の熱伝導率は、24W/m・K以下とすることが特に好適である。これにより、一層優れた遮熱効果を示すことができるからである。この点、中間層として例示した上記物質中、TiCNはその熱伝導率が24W/m・Kを超えるためこれを直接表面層に接するような積層状態で配置することは好ましくないが、TiCNは比較的低い熱伝導率を有するとともに優れた耐摩耗性を有するため、これを表面層に接しない中間層として用いることは好適である。
なお、中間層をこのように複数層として形成する場合は、これらの各層が後述の表面層の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有していることが必要であることは言うまでもないが、該複数層間においては必ずしも熱伝導率の大小の順に積層させる必要はない。すなわち、このような複数層間における積層の順序は、表面層に接する中間層として上記のような熱伝導率を有するものを採用することを除き、表面層および基材の種類に応じて適宜選択することができる。
また、このような中間層は、0.05〜20μmの厚みを有することが好ましく、より好ましくはその上限が15μm、さらに好ましくは10μm、その下限が0.1μm、さらに好ましくは0.2μmである。中間層の厚みが0.05μm未満となると、遮熱効果が低くなり、20μmの厚みを超えて形成させても遮熱効果に大差なく却って経済的に不利となる。なお、このような中間層が複数層として形成される場合は、該複数層の合計厚みが前記範囲内のものとすることが好適である。
このような中間層は、基材上の全面または部分に対して、化学的蒸着法(CVD法)、物理的蒸着法(PVD法)、スパッタリング法、湿式めっき法、溶射法、電析法、焼付け塗装法等いずれの方法によっても形成することができる。
<表面層>
本発明の表面層は、上記の中間層上に形成されるものであって、該中間層の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有することを特徴とするものである。このような熱伝導率としては、特に35W/m・K以上のものを採用すると優れた放熱効果が示されるため好ましい。なお、表面層の熱伝導率は、上記基材の熱伝導率よりも高いものを使用することがより好ましい。より一層すぐれた放熱効果が示されるとともに、基材の温度の上昇を有効に抑止することができるからである。
したがって該表面層は、熱伝導率の高い物質で構成されることが好適である。このような物質としては、たとえばAlN、Cu、Al23等を挙げることができるが、これらの物質は例示に過ぎず、放熱効果を有する物質、換言すれば中間層の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有することになる物質であればいずれのものであっても好適に用いることができる。
そして特に、このような表面層は、前述の通り35W/m・K以上の熱伝導率を有するAlNまたはCuの少なくともいずれかにより構成されたものが好ましい。これらはいずれも熱伝導率が非常に高い物質であり、放熱効果に優れているためである。しかも、切削時の高温状況における摩擦係数も低く、これらの特性が相乗的に作用することによりとりわけ刃先温度を低くする効果に優れたものである。
このような表面層は、0.01〜10μmの厚みを有することが好ましく、より好ましくはその上限が8μm、さらに好ましくは5μm、その下限が0.1μm、さらに好ましくは0.2μmである。表面層の厚みが0.01μm未満となると、放熱効果が低くなり、10μmの厚みを超えて形成させても放熱効果に大差なく却って経済的に不利となるばかりか切削時に層内部での破壊に伴う層剥離を生じ易くなる。
このような表面層は、上記中間層上の全面または部分に対して、化学的蒸着法(CVD法)、物理的蒸着法(PVD法)、スパッタリング法、湿式めっき法、溶射法、電析法、焼付け塗装法等いずれの方法によっても形成することができる。
<表面層と中間層の合計厚み>
上記表面層と上記中間層との合計厚み(合計層厚とも記す)は、0.1〜30μmであることが好ましく、より好ましくはその上限が20μm、さらに好ましくは15μm、その下限が0.3μm、さらに好ましくは0.5μmである。該合計厚みが0.1μm未満となると、前記した遮熱効果および放熱効果が低くなり、30μmの厚みを超えて形成させても該効果に大差なく却って経済的に不利となるばかりか切削時に層内部での破壊に伴う層剥離を生じ易くなる。
<下地層>
本発明においては、上記基材と中間層との密着性を高めるために、所望により該基材と中間層との間に下地層を形成することができる。このような下地層は、該中間層が酸化物により構成されている場合に特に有効である。
このような下地層は、周期律表のIVa族元素、Va族元素、VIa族元素、Al、SiおよびBからなる群から選ばれる1以上の元素と、B、C、NおよびOからなる群から選ばれる1以上の元素とからなる化合物で構成されることが好ましい。
このような下地層は、0.05μm未満の厚みを有することが好ましい。放熱効果や遮熱効果を得るためではなく、密着性を高める効果を得るだけのものであるため、この程度の厚みで十分だからである。
このような下地層は、基材上の全面または部分に対して、化学的蒸着法(CVD法)、物理的蒸着法(PVD法)、スパッタリング法、湿式めっき法、溶射法、電析法、焼付け塗装法等いずれの方法によっても形成することができる。
<面粗さ>
上記表面層における、該表面被覆工具の刃先稜線部分とその近傍部分とを除く部分であって被削材と接触する部分の面粗さは、該表面被覆工具の断面から観察する方法で測定される基準長さ5μmに対して、最大面粗さRmaxが1.3μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.2μm以下であることが好適である。
最大面粗さRmaxが1.3μm以下になると、切削時において被削材の溶着が減少し、さらに最大面粗さRmaxが0.2μm以下になると被削材の溶着が著しく減少するため好適である。
ここで面粗さとは、基材上に表面層や中間層等を形成した後これを切断し、ラッピングした後に金属顕微鏡や電子顕微鏡等を用いて観察される表面層表面の凹凸状況をいい、工具全体の巨視的なうねり等は排除される概念である。
また最大面粗さRmaxとは、上記のような表面層表面の凹凸状況において、基準長さを5μmとした範囲内で観察した場合の最大凹凸差をいい、上記のような巨視的なうねり等は排除されたものである。
本発明の表面層の面粗さは、表面層を形成した後に何等処理を施していない状態で上記のような面粗さを有するもののみに限られず、表面層形成後においてブラシ、ブラストまたはバレル等による種々の表面研磨工程を施した後に上記のような面粗さを有することになったものも含まれる。
なお、上記において刃先稜線部分の近傍部分とは、実質的に表面被覆工具の実作用部(切りくずおよび被削材との接触部)をいい、表面被覆工具のすくい面と逃げ面との境界となる刃先稜線から逃げ面およびすくい面方向の垂直方向に向かってそれぞれ1mmの範囲、より好ましくは0.5mmの範囲をいうものとする。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
まず、平均粒径2.6μmのWC粉末(以下、原料粉Aという)、平均粒径1.3μmの(Ti、W)C粉末(質量比でTiC/WC=30/70、以下原料粉Bという)、平均粒径1.0μmのTaNbC粉末(質量比でTaC/NbC=2/1、以下原料粉Cという)および平均粒径1.3μmのCo粉末(以下、原料粉Dという)を準備した。
続いて、原料粉Bを4.0質量%、原料粉Cを3.0質量%、原料粉Dを8.0質量%および残りを原料粉Aで100質量%となるように配合した後、ボールミルを用いて72時間湿式混合した。
次いで、この混合物を乾燥後、1.0t/cm2の圧力でプレス成型し、この成型体を真空中、1420℃で1時間焼結した。該焼結後、バレル研磨により切れ刃部(刃先)にR0.05の丸ホーニング処理を施すことにより、ISO・CNMG120408のWC基超硬合金切削チップを作成し、これを基材とした。
この基材の表面に対して、以下の表1に示された条件で化学的蒸着法により形成される層A〜Lを、以下の表2に示した積層状態で形成することにより表面被覆工具を製造した。また、層A〜L以外に、層Mとして公知の湿式めっき法によりCuからなる層も形成させ、同じく表2に示されている積層状態で表面被覆工具を製造した。
表2において番号1〜12が本発明に従う表面被覆工具の実施例であり、番号13〜19は比較例としての表面被覆工具である。
なお、表2に示した積層状態とは、そこに記載されている層組成のものを同記載の厚みで第1層から順に基材上に形成させたものをいう。すなわち、各番号毎に最も右に記載されているものが表面層であり、それ以外のものが中間層となる。たとえば番号4を例にとると、基材上に中間層としてTiN(厚み0.2μm)、TiCN(厚み3.2μm)およびZrO2(厚み1.0μm)がそれぞれこの順に形成され、該ZrO2上に表面層としてAlN(厚み1.0μm)が形成されている構成(合計層厚5.4μm)となる。
また、各層の熱伝導率は表1に示した通りである。かかる熱伝導率は、上記基材上に、別途、表1に示したA〜Mの層を厚み5μmで各々形成し、周期加熱法により測定した値である。また基材の熱伝導率も同様の周期加熱法により測定したところ、81.1W/m・Kであった。
また、表1における層組成は、基材上に各層を形成後、EDS(エネルギー分散型蛍光X線分析機)により構成元素が含有されていることを確認した。たとえば、層KはAl、Zr、O元素を含有していることを確認した。
Figure 2005212025
Figure 2005212025
上記のようにして製造した本発明の実施例の表面被覆工具および比較例としての表面被覆工具について、以下の条件により連続切削試験を行なった。その結果を逃げ面摩耗量として表2に示す。
被削材:SCM435
切削速度:300m/min
送り:0.30mm/rev.
切込み:2.0mm
切削油:未使用
切削時間:10分
表2の逃げ面摩耗量より明らかな通り、本発明の実施例の表面被覆工具は比較例の表面被覆工具に比し、いずれも逃げ面摩耗量がほぼ1/2〜1/5程度に減少しており、優れた耐摩耗性を示した。
すなわち、被覆層を有していないもの(番号13)、被覆層として中間層であるTiNのみを有したもの(番号14)、表面層の熱伝導率より中間層の熱伝導率の方が高いもの(番号15〜19)は、いずれも本発明の表面被覆工具(番号1〜12)よりも逃げ面摩耗量が大きく耐摩耗性が劣っていた。
<実施例2>
実施例1で用いた基材のチップ形状(刃先に対してR0.05の丸ホーニング処理を施したISO・CNMG120408)を、刃先に対してR0.07の丸ホーニング処理を施したISO・SPGN120308のチップ形状に変更することを除き、他は全て実施例1と同様にして本発明の表面被覆工具および比較例の表面被覆工具を製造した。
そしてこれらの表面被覆工具について、以下の条件によりフライス断続切削試験を行なった。
被削材:SCM435
切削速度:270m/min
送り:0.31mm/rev.
切込み:2.0mm
切削油:未使用
切削時間:10分
上記試験の結果、本発明の表面被覆工具(表2において番号1〜12の積層状態のもの)は、比較例の表面被覆工具(表2において番号13〜19の積層状態のもの)に比し、半分以下の摩耗量であった。
<実施例3>
実施例1において、基材表面に対して化学的蒸着法により各層を形成させたことに代えて、公知の物理的蒸着法により各層を形成させることを除き、他は全て実施例1と同様にして本発明の表面被覆工具および比較例の表面被覆工具を製造した。ただし、表2中の番号5、8および9については表面被覆工具を製造せず、また表2のものとは別に以下の積層状態の表面被覆工具を新たに製造した。
すなわち、実施例1で用いた基材上に、中間層としてTiN(熱伝導率は表1の層Aに記載)を0.2μmの厚みで形成し、その上に同じく中間層としてZrSiCN(熱伝導率10.2W/m・K)を2.3μmの厚みで形成し、その上に表面層としてAlN(熱伝導率は表1の層Lに記載)を1.1μmの厚みで形成することにより本発明の表面被覆工具を製造した。なお、これらの各層は物理的蒸着法により形成した。
そして、このようにして製造された表面被覆工具について、実施例1について行なったのと同じ連続切削試験を行なった。
この試験の結果、本発明の表面被覆工具(表2における番号1〜4、6〜7、10〜12および上記で新たに製造した積層状態のもの)は、比較例の表面被覆工具(表2において番号13〜19の積層状態のもの)に比し、半分以下の摩耗量であった。
<実施例4>
基材として以下の基材a〜dのそれぞれについて(切削チップの形状は実施例1と同じ)、表2における番号4(本発明に従う実施例)と16(比較例)の積層状態のものを公知の物理的蒸着法によりそれぞれ形成した。
基材a:JIS規格P20のサーメット製切削チップ(品番:T1200A、住友電工ハードメタル株式会社製;熱伝導率12.6W/m・K)
基材b:アルミナ−TiC製切削チップ(品番:NB90S、住友電工ハードメタル株式会社製;熱伝導率18.8W/m・K)
基材c:アルミナ製切削チップ(品番:W80、住友電工ハードメタル株式会社製;熱伝導率29.8W/m・K)
基材d:窒化ケイ素製切削チップ(品番:NS260、住友電工ハードメタル株式会社製;熱伝導率22.4W/m・K)
そして、このようにして製造された表面被覆工具について、実施例1について行なったのと同じ連続切削試験を行なった。
この試験の結果、本発明の表面被覆工具(表2における番号4の積層状態のもの)は、いずれも比較例の表面被覆工具(表2における番号16の積層状態のもの)に比し、1/3以下の摩耗量であった。番号4と番号16は、表面層として熱伝導率の高いAlN層を有するか否かの点のみが異なるものであるため、中間層の上に熱伝導率の高い表面層を形成させることの有利性が理解できる。
<実施例5>
実施例4において用いた基材に代えて、基材として焼結ダイヤモンド切削チップ(品番:DA2200、住友電工ハードメタル株式会社製)を用い、該切削チップの形状をISO・SPGN120408とすることを除き、他は全て実施例4と同様にして本発明の表面被覆工具(表2における番号4の積層状態のもの)および比較例の表面被覆工具(表2における番号16の積層状態のもの)を製造した。
そして、このようにして製造された表面被覆工具について、被削材としてアルミシリコン合金(A390)を用いることを除き、他は全て実施例1について行なったのと同じ条件で連続切削試験を行なった。
この試験の結果、本発明の表面被覆工具(表2における番号4の積層状態のもの)は、いずれも比較例の表面被覆工具(表2における番号16の積層状態のもの)に比し、1/3以下の摩耗量であり、刃先靭性については同等以上の刃先靭性を示した。番号4と番号16は、表面層として熱伝導率の高いAlN層を有するか否かの点のみが異なるものであるため、中間層の上に熱伝導率の高い表面層を形成させることの有利性が理解できる。
<実施例6>
実施例4において用いた基材に代えて、基材として立方晶型窒化ケイ素切削チップ(品番:BN250、住友電工ハードメタル株式会社製)を用い、該切削チップの形状をISO・SPGN090308とすることを除き、他は全て実施例4と同様にして本発明の表面被覆工具(表2における番号4の積層状態のもの)および比較例の表面被覆工具(表2における番号16の積層状態のもの)を製造した。
そして、このようにして製造された表面被覆工具を用いて、焼入鋼の1種であるSUJ2の丸棒(HRC62)を被削材とする外周切削を行なった。切削条件は、切削速度80m/min、切込み0.16mm、送り0.1mm/rev.、切削時間30分とし、乾式で切削を行なった。
該切削終了後、逃げ面摩耗量を調べたところ、本発明の表面被覆工具(表2における番号4の積層状態のもの)は、比較例の表面被覆工具(表2における番号16の積層状態のもの)に比し、1/3以下の摩耗量であり、刃先靭性については同等以上の刃先靭性を示した。番号4と番号16は、表面層として熱伝導率の高いAlN層を有するか否かの点のみが異なるものであるため、中間層の上に熱伝導率の高い表面層を形成させることの有利性が理解できる。
<実施例7>
実施例4において用いた基材に代えて、基材としてドリル(JISK10 超硬合金)を用いることを除き、他は全て実施例4と同様にして本発明の表面被覆工具(表2における番号4の積層状態のもの)および比較例の表面被覆工具(表2における番号16の積層状態のもの)を製造した。
そして、このようにして製造された表面被覆工具を用いて、炭素鋼(S50C)の穴開け加工を行なうことにより、表面被覆工具の寿命評価を行なった。穴開け加工の条件は、ドリル径10mm、切削速度55m/min、送り0.28mm/刃、切込み25mm、切削油使用(水溶性エマルジョン)とした。
その結果、100穴加工完了時点において本発明の表面被覆工具(表2における番号4の積層状態のもの)の逃げ面刃先摩耗量は、比較例の表面被覆工具(表2における番号16の積層状態のもの)の1/2以下であった。
また、炭素鋼を10°傾けて、該炭素鋼10本に対してそれぞれ最大100穴の穴開け加工を行なった場合の、ドリル折損率を調べたところ、本発明の表面被覆工具(表2における番号4の積層状態のもの)は、比較例の表面被覆工具(表2における番号16の積層状態のもの)の3/5以下であった。番号4と番号16は、表面層として熱伝導率の高いAlN層を有するか否かの点のみが異なるものであるため、中間層の上に熱伝導率の高い表面層を形成させることの有利性が理解できる。
<実施例8>
実施例1で用いた基材上に、中間層としてTiN(表1の層A)を0.1μmの厚みで形成し、その上に同じく中間層としてTiZrCN(表1の層G)を3.8μmの厚みで形成し、その上に同じく中間層としてAl23+ZrO2(表1の層K)を1.5μmの厚みで形成し、その上に表面層としてAlN(表1の層L)を2.3μmの厚みで形成することにより本発明の表面被覆工具を製造した。なお、上記各層は表1の条件に従って化学的蒸着法により形成した。
このようにして製造された表面被覆工具を切断し、刃先稜線部分とその近傍部分とを除く部分であって被削材と接触する部分の面粗さを、該表面被覆工具の断面から観察する方法で測定される基準長さを5μmとすることにより測定したところ、Rmaxが2.7μmであった(因みに、実施例1の表面被覆工具全てについて該面粗さを同様の方法で測定したところ、いずれもRmaxが2μm以下であった)。
次いで、上記の表面被覆工具について上記と同じ刃先稜線部分とその近傍部分とを除く部分であって被削材と接触する部分に対して、#1500のダイヤモンドペーストを用いて研磨加工を行なったところ、その面粗さは上記と同様の条件で測定してRmaxが0.52μmであった。
そこで、これらの研磨加工を行なう前後の表面被覆工具を各々用いて、実施例1で行なったのと同じ連続切削試験を行なったところ、研磨加工後の表面被覆工具は逃げ面摩耗量が0.070mmであり、研磨加工前の表面被覆工具に比し摩耗量が減少していた。
また、研磨加工前の表面被覆工具は、刃先において被削材が溶着する傾向にあったが、研磨加工後の表面被覆工具においては、刃先において被削材の溶着は全く認められなかった。したがって、上記の面粗さを小さくすることの有利性が理解できる。
<実施例9>
実施例1において表2の番号5の積層状態の層を形成させた表面被覆工具について、実施例8と同様にして刃先稜線部分とその近傍部分とを除く部分であって被削材と接触する部分の面粗さを、該表面被覆工具の断面から観察する方法で測定される基準長さを5μmとすることにより測定したところ、Rmaxが0.76μmであった。
次いで、この表面被覆工具について上記と同じ刃先稜線部分とその近傍部分とを除く部分であって被削材と接触する部分に対して、#1500のダイヤモンドペーストを用いて研磨加工を行なったところ、その面粗さは上記と同様の条件で測定してRmaxが0.19μmであった。
そこで、これらの研磨加工を行なう前後の表面被覆工具を各々用いて、実施例1で行なったのと同じ連続切削試験を行なったところ、研磨加工後の表面被覆工具は逃げ面摩耗量が0.047mmであり、研磨加工前の表面被覆工具に比し摩耗量が飛躍的に減少していた。
以上より、本発明の表面被覆工具は、刃先稜線部分とその近傍部分とを除く部分であって被削材と接触する部分の面粗さを小さくすることが好適である旨理解される。
<実施例10>
実施例1で用いた基材上に、中間層としてTiN(表1の層A)を0.05μmの厚みで形成し、その上に同じく中間層としてTiCN(表1の層B)を0.05μmの厚みで形成し、その上に同じく中間層としてZrO2(表1の層J)を0.05μmの厚みで形成し、その上に表面層としてAlN(表1の層L)を0.05μmの厚みで形成することにより本発明の表面被覆工具を製造した。なお、上記各層は表1の条件に従って化学的蒸着法により形成した。
このようにして得られた表面被覆工具は、実施例1において表2の番号4および5の積層状態の層を形成させた表面被覆工具に対して、各層の厚みは薄く形成させたものに相当する。
この表面被覆工具について、実施例1で行なったのと同じ連続切削試験を行なったところ、上記実施例1の表面被覆工具に対して逃げ面摩耗量は大きな値を示した。このため、本発明の表面被覆工具において基材上に形成される各層の厚みは適切な厚みのものを形成させることが好適である旨理解される。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
表面被覆工具の概略断面図である。
符号の説明
1 表面被覆工具、2 基材、3 表面層、4 中間層。

Claims (15)

  1. 基材と表面層とを有する表面被覆工具において、
    前記基材と前記表面層との間に中間層を有し、
    前記中間層の熱伝導率が前記表面層の熱伝導率よりも低いことを特徴とする表面被覆工具。
  2. 前記中間層は、2以上の層が積層されたものであることを特徴とする請求項1記載の表面被覆工具。
  3. 前記中間層は、酸素、ZrまたはHfの少なくともいずれかを含有することを特徴とする請求項1記載の表面被覆工具。
  4. 前記中間層は、周期律表のIVa族元素、Va族元素、VIa族元素、Al、SiおよびBからなる群から選ばれる1以上の元素と、B、C、NおよびOからなる群から選ばれる1以上の元素とからなる化合物で構成されることを特徴とする請求項1記載の表面被覆工具。
  5. 前記中間層は、ZrO2を含有することを特徴とする請求項1記載の表面被覆工具。
  6. 前記表面層は、AlNまたはCuの少なくともいずれかにより構成されることを特徴とする請求項1記載の表面被覆工具。
  7. 前記中間層は、0.05〜20μmの厚みを有することを特徴とする請求項1記載の表面被覆工具。
  8. 前記表面層は、0.01〜10μmの厚みを有することを特徴とする請求項1記載の表面被覆工具。
  9. 前記表面層と前記中間層との合計厚みは、0.1〜30μmであることを特徴とする請求項1記載の表面被覆工具。
  10. 前記基材と前記中間層との間にさらに下地層を有し、前記下地層は、周期律表のIVa族元素、Va族元素、VIa族元素、Al、SiおよびBからなる群から選ばれる1以上の元素と、B、C、NおよびOからなる群から選ばれる1以上の元素とからなる化合物で構成されることを特徴とする請求項1記載の表面被覆工具。
  11. 前記基材は、WC基超硬合金、サーメット、高速度鋼、セラミックス、立方晶型窒化硼素焼結体、ダイヤモンド焼結体、窒化ケイ素焼結体、または酸化アルミニウムと炭化チタンとからなる混合体のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の表面被覆工具。
  12. 前記表面層の熱伝導率は、基材の熱伝導率よりも高いことを特徴とする請求項1記載の表面被覆工具。
  13. 前記表面層における、前記表面被覆工具の刃先稜線部分とその近傍部分とを除く部分であって被削材と接触する部分の面粗さは、前記表面被覆工具の断面から観察する方法で測定される基準長さ5μmに対して、最大面粗さRmaxが1.3μm以下であることを特徴とする請求項1記載の表面被覆工具。
  14. 前記表面層における、前記表面被覆工具の刃先稜線部分とその近傍部分とを除く部分であって被削材と接触する部分の面粗さは、前記表面被覆工具の断面から観察する方法で測定される基準長さ5μmに対して、最大面粗さRmaxが0.2μm以下であることを特徴とする請求項1記載の表面被覆工具。
  15. 前記表面被覆工具は、ドリル、エンドミル、切削チップ、フライス加工用刃先交換型チップ、旋削用刃先交換型チップ、メタルソー、歯切工具、リーマ、またはタップのいずれかであることを特徴とする請求項1記載の表面被覆工具。
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