まず、本実施例に係る為替集中システムの概念について説明する。図1は、本実施例に係る為替集中システムの概念を示す図であり、図2は、本実施例に係る為替集中処理のステータス遷移図30である。
図1に示すように、この為替集中システム12には、公衆回線13を介して、金融機関の各営業店に設置されたFAX装置である営業店FAX11a〜11cが接続され、また、為替伝票の入出金処理をおこなうホストコンピュータ20がLAN21を介して接続されている。
また、為替集中システム12は、FAXサーバ13、文字認識サーバ14、電子伝票サーバ15、検証端末16、役席端末17およびホスト通信サーバ18がLAN19を介して接続された構成となっている。
営業店FAX11a〜11cは、各営業店において、顧客から受領した振り込み依頼書などの伝票10a〜10cを営業店FAX11a〜11cで為替集中システム12に送信するFAX装置である。各営業店においては、為替集中システム12に送信する前に、伝票10a〜10cの内容のチェックをおこない、内容に問題がない場合に、伝票10a〜10cの送信作業をおこなう。
為替集中システム12のFAXサーバ13は、営業店FAX11a〜11cから送信された伝票10a〜10cの画像データを伝票データとして受信するFAXサーバ装置である。画像データの受信が完了すると、図2に示すように、FAXサーバ13が受信した伝票データのステータスは、文字認識サーバ14による認識待ち(1)となる。
文字認識サーバ14は、FAXサーバ13が受信した伝票データに含まれる振込先金融機関名、支店名、金額、受取人、依頼人等の画像データに対して文字認識をおこなうサーバ装置であり、画像データを含んだ伝票データに文字認識の結果を付加して電子伝票サーバ15に送信する。図2に示すように、文字認識が終了した場合、伝票データのステータスは、検証端末16による検証待ち(2)となる。
電子伝票サーバ15は、伝票10a〜10cの画像データおよび画像データに対してなされた文字認識の認識結果を対応付け、伝票データ150として格納するサーバ装置である。
検証端末16は、電子伝票サーバ15に格納されている伝票データ150を取得して、伝票10a〜10cの文字認識の結果をディスプレイ等に表示し、正誤確認を検証者に促すとともに、文字認識の誤りがある場合に検証者から修正を受け付ける端末装置である。
この検証端末16は、単に、伝票データ150に含まれる文字認識結果をディスプレイ等に表示するだけでなく、伝票データ150に含まれる振込先金融機関名の正誤確認の結果に係る情報を検証者から受け付けた後、振込先支店名の正誤確認をおこなった際に、項目データ候補検索部164bが、伝票データ150に含まれる振込先支店名と同じ名称の支店を有する金融機関の名称をデータベースから検索し、検索された金融機関名の一覧を出力する処理をおこなう。その際、検証端末16は、検索された金融機関名と伝票データ150に含まれる振込先金融機関名の類似度を調べ、類似度が高いと判定したもののみを表示する。
検証者は、出力された金融機関名の一覧と伝票データ150に含まれる振込先金融機関名とを比較して、伝票データ150に含まれる振込先金融機関名に誤りがあるか否かを確認し、正誤確認結果受付部164dは、誤りがあるか否かの確認結果と、一覧表示された金融機関名の中から選択された正しい振込先金融機関名の情報とを検証者から受け付け、伝票データ150に含まれる振込先金融機関名の誤りを修正する。
また、検証端末16は、伝票データ150に含まれる金額の情報が所定の金額以上である場合や、上記処理において、伝票データ150に含まれる振込先金融機関名と類似度が高いと判定された金融機関名があった場合、あるいは、伝票データ150に含まれる振込先金融機関名の誤りが修正された場合に、当該伝票データ150の正誤確認を役席端末17において再度実行するよう設定する。それ以外の場合は、検証端末16は、ホスト通信サーバ18がホストコンピュータ20に伝票データ150を送信するよう設定する処理をおこなう。
具体的には、図2に示すように、検証端末16における検証操作により伝票データ150の金額が所定金額以上である場合や、伝票データ150に含まれる振込先金融機関名と類似度が高いと判定された金融機関名があることを示す振込先要検査フラグがONに設定された場合、あるいは、伝票データ150に含まれる振込先金融機関名の誤りが修正されたことを示すやり直し発生フラグがONに設定された場合に、伝票データ150のステータスが、役席端末17による承認待ち(3)となる。また、それ以外の場合は、伝票データ150のステータスは、ホスト通信サーバ18によるホストコンピュータ20への送信待ち(4)となる。
役席端末17は、すでに検証端末16において検証者により正誤確認がおこなわれ、管理伝票サーバ15に格納された伝票データ150を取得して、伝票データ150に含まれる文字認識結果、あるいは、検証者による伝票データ150の修正結果をディスプレイ等に表示し、正誤確認を役席者に促すとともに、伝票データ150に誤りがない場合には、役席者からその伝票データ150の承認情報を、文字認識の誤りがある場合には役席者からその伝票データ150の非承認情報を受け付ける端末装置である。
また、この役席端末17は、役席者が伝票データ150の正誤確認をおこなう際に、伝票データ150の振込先金融機関名を役席者が確認する時間が所定の時間より短い場合には、十分な確認がなされていないものとして注意を促したり、振込先金融機関名や振込先支店名を1文字ずつ確認するよう促す処理をおこなう。
役席端末17による役席者の承認処理が終了した場合には、図2に示すように、伝票データ150のステータスは、ホスト通信サーバ18によるホストコンピュータ20への送信待ち(4)となる。
ホスト通信サーバ18は、役席端末17により承認された伝票データ150をホストコンピュータ20に送信し、また、送信した伝票データ150に係る為替取引が成立したか否かの情報をホストコンピュータ20から受信する処理をおこなう通信サーバ装置である。
伝票データ150に誤り等が存在し、ホストコンピュータ20から為替取引が不成立となったことを示す情報をホスト通信サーバ18が受信した場合には、図2に示すように、伝票データ150のステータスは、検証端末16による検証待ち(2)となる。ホストコンピュータ20から為替取引が成立したことを示す情報を受信した場合には、伝票データ150のステータスは、処理済み(6)となり、当該伝票データ150に対する処理が終了する。
このように、この為替集中システム12においては、検証者または役席者が伝票データ150の正誤確認をおこなう場合に、検証者または役席者に伝票データ150の正誤を確実に判断させ、伝票データ150の誤りを防止することができる。
つぎに、図1に示した検証端末16の機能的構成について説明する。図3は、図1に示した検証端末16の機能的構成を示す機能ブロック図である。図3に示すように、この検証端末16は、インターフェース部160、入力部161、表示部162、記憶部163および制御部164を有する。
インターフェース部160は、LAN19を介して他の装置とデータの授受をおこなうネットワークインターフェースである。入力部161は、キーボードやマウスなどの入力デバイスであり、表示部162は、ディスプレイなどの表示デバイスである。
記憶部163は、ハードディスク装置などの記憶デバイスであり、この記憶部163は、伝票データ163aおよび金融機関データ163bを記憶している。伝票データ163aは、電子伝票サーバ15から取得した伝票データを記憶したものである。
図4に、図3に示した伝票データ163aのデータ構造の一例を示す。図4に示すように、この伝票データ163aは、伝票データ管理領域163a1、文字データ格納領域163a2および画像データ格納領域163a3を有する。
伝票データ管理領域163a1は、伝票データ163aの処理状況の管理情報を登録したデータ領域である。この伝票データ管理領域163a1は、伝票ステータス163a11、やり直し発生フラグ163a12および振込先要検査フラグ163a13を登録している。
伝票ステータス163a11は、図2に示したような、伝票データ163aのステータスを示すデータである。やり直し発生フラグ163a12は、伝票データ163aに対する振込先金融機関名の修正処理がおこなわれたか否かを示すデータであり、修正処理がおこなわれた場合にONとなる。
振込先要検査フラグ163a13は、伝票データ163aに含まれる支店名と同一名称の支店を有する金融機関の金融機関名を検索し、検索された金融機関名と伝票データ163aに含まれる振込先金融機関名との類似度を調べた際に、類似度が高い金融機関名が所定数以上あったか否かを示すデータであり、類似度が高い金融機関名が所定数以上あった場合にONとなる。
文字データ格納領域163a2は、営業点FAX11a〜11cにより送信された画像データに対して文字認識がなされた結果である文字データ、および、その文字認識に対して修正がなされた結果である文字データを格納したデータ領域である。画像データ格納領域163a3は、営業点FAX11a〜11cにより送信された画像データを格納したデータ領域である。
図3の説明に戻ると、金融機関データ163bは、各金融機関の金融機関名や支店名の情報などを記憶したものである。
制御部164は、この検証端末16を全体制御する制御部であり、項目データ取得部164a、項目データ候補検索部164b、類似度判定部164cおよび正誤確認結果受付部164dを有する。
項目データ取得部164aは、電子伝票サーバ15から伝票ステータス163a11が検証待ちである伝票データ150を取得して伝票データ163aとして記憶し、記憶した伝票データ163aから正誤確認をおこなう金融機関名や支店名などの各項目の文字データと、その文字データに対応する画像データとを取得する取得部である。
項目データ候補検索部164bは、項目データ取得部164aにより支店名の文字データおよび画像データが取得された場合に、伝票データ163aに含まれる支店名と同一名称の支店を有する金融機関の金融機関名を金融機関データ163bから検索する検索部である。
類似度判定部164cは、項目データ候補検索部164bにより検索された金融機関名と、伝票データ163aに含まれる振込先金融機関名との間の類似度を判定する判定部である。具体的には、類似度判定部164cは、検索された金融機関名に含まれる各文字と、伝票データ163aの振込先金融機関名に含まれる各文字との間で一致する文字の数をカウントし、一致する文字の数が所定の数より大きい場合に、検索された金融機関名と伝票データ163aの振込先金融機関名との類似度が高いと判定し、伝票データ163aの振込先要検査フラグ163a13をONに設定する。
正誤確認結果受付部164dは、項目データ取得部164aにより取得された文字データと、その文字データに対応する画像データとを表示部162に表示して、検証者に文字データの正誤を確認するよう促し、文字データに誤りがある場合には、検証者による文字データの修正を受け付ける受付部である。この正誤確認結果受付部164dは、検証者による修正終了後、電子伝票サーバ15に修正がなされた伝票データ163aを電子データ150として格納する。
また、正誤確認結果受付部164dは、伝票データ163aに含まれる各文字データの正誤確認終了後、伝票データ163aに含まれる金額の情報が所定の金額以上である場合、あるいは、伝票データ163aの振込先要検査フラグ163a13がONに設定された場合に、伝票データ163aの伝票ステータス163a11を役席者による承認待ちに設定する。
特に、正誤確認結果受付部164dは、項目データ取得部164aにより伝票データ163aから支店名の文字データおよび画像データが取得された場合には、類似度判定部164cにより類似度が高いと判定された金融機関名の一覧を表示部162に表示し、振込先金融機関名の正誤確認の結果に係る情報を検証者から受け付ける。
振込先金融機関名に誤りがある場合には、正誤確認結果受付部164dは、一覧として表示された金融機関名の中から正しい振込先金融機関名の選択を検証者から受け付けて、伝票データ163aに含まれる金融機関名の誤りを修正する。そして、正誤確認結果受付部164dは、伝票データ163aのやり直し発生フラグ163a12をONに設定する。
また、正誤確認結果受付部164dは、伝票データ163aのやり直し発生フラグ163a12がONに設定された場合に、伝票データ163aの伝票ステータス163a11を役席者による承認待ちに設定する。伝票データ163aに含まれる金額の情報が所定の金額未満である場合や、振込先要検査フラグ163a13がONではない場合、あるいは、やり直し発生フラグ163a12がONではない場合には、正誤確認結果受付部164dは、伝票データ163aの伝票ステータス163a11をホスト通信サーバによる送信待ちに設定する。
つぎに、図1に示した役席端末17の機能的構成について説明する。図5は、図1に示した役席端末17の機能的構成を示す機能ブロック図である。図5に示すように、この役席端末17は、インターフェース部170、入力部171、表示部172、記憶部173および制御部174を有する。
インターフェース部170は、LAN19を介して他の装置とデータの授受をおこなうネットワークインターフェースである。入力部171は、キーボードやマウスなどの入力デバイスであり、表示部172は、ディスプレイなどの表示デバイスである。
記憶部173は、ハードディスク装置などの記憶デバイスであり、この記憶部173は、伝票データ173aを記憶している。伝票データ173aは、検証端末16により伝票ステータス163a11が承認待ちに設定された伝票データ150を電子伝票サーバ15から取得したものである。
制御部174は、この役席端末17を全体制御する制御部であり、項目データ取得部174aおよび承認結果受付部174bを有する。
項目データ取得部174aは、電子伝票サーバ15から伝票ステータス163a11が承認待ちである伝票データ150を取得して伝票データ173aとして記憶し、記憶した伝票データ173aから正誤確認をおこなう金融機関名や支店名などの文字データと、その文字データに対応する画像データとを取得する取得部である。
承認結果受付部174bは、項目データ取得部174aにより取得された各文字データと、各文字データに対応する画像データとを表示部172に表示して、役席者に各文字データの正誤を確認するよう促し、役席者による各文字データの承認結果を受け付ける受付部である。
そして、役席者により文字データに誤りがあると確認された場合には、承認結果受付部174bは、伝票データ173aの伝票ステータス163a11を検証端末16による検証待ちに設定し、伝票データ173aを電子伝票サーバ15に格納する。また、役席者により文字データの誤りがないと確認された場合には、承認結果受付部174bは、伝票データ173aの伝票ステータス163a11をホスト通信サーバ18による送信待ちに設定する。
特に、承認結果受付部174bは、項目データ取得部174aにより伝票データ173aから振込先金融機関名および支店名の文字データおよび画像データが取得された場合には、役席者が振込先金融機関名および支店名が正しいか否かを1文字ごとに確認した結果を受け付け、さらに、確認が済んだ各文字を1文字ずつ識別するインジケータを表示する処理をおこなう。
その際、承認結果受付部174bは、役席者が振込先金融機関名および支店名の各文字をそれぞれ確認する時間、具体的には、振込先金融機関名および支店名の所定の文字の正誤確認処理が開始されてからその文字の確認結果を受け付けるまでの時間が所定の時間に満たなかった場合に、役席者から受け付けた振込先金融機関名および支店名の正誤確認の結果に係る情報を無効にし、再度役席者が当該文字の正誤確認をおこなうように促す処理をおこなう。
つぎに、図1に示した検証端末16がおこなう伝票検証処理の処理手順について説明する。図6は、図1に示した検証端末16がおこなう伝票検証処理の処理手順を示すフローチャートである。
図6に示すように、検証端末16の項目データ取得部164aは、検証待ち伝票データ150の取得要求を検証者から受け付ける(ステップSA1)。そして、項目データ取得部164aは、伝票ステータス163a11が検証待ちとなっている伝票データ150を電子伝票サーバ15から抽出し、表示部162に一覧表示する(ステップSA2)。その際、取得した伝票データ150は、記憶部163に伝票データ163aとして記憶される。
続いて、項目データ取得部164aは、検証者から検証する伝票データ163aの選択を受け付け(ステップSA3)、選択された伝票データ163aを表示する(ステップSA4)。そして、正誤確認結果受付部164dは、表示された伝票データ163aの項目の画像データと文字データとを比較して項目ごとに正誤確認をおこなった結果を検証者から受け付け、誤りがある場合に検証者からの修正をさらに受け付ける伝票項目確認・修正処理をおこなう(ステップSA5)。
図7は、検証者が伝票データ163aの正誤確認をおこなう伝票データ検証画面40の一例を示す図である。図7に示すように、この伝票データ検証画面40には、四角で囲まれた画像データ表示領域41と、亀甲括弧「〔」および「〕」で囲まれた文字データ表示領域42とがFAX通番、振込日などの項目ごとに示されている。そして、画像データ表示領域40には、伝票データ163aの画像データが、文字データ表示領域42には、伝票データ163aの文字データが表示される。
この伝票データ検証画面40では、検証者が項目ごとに画像データと文字データとを比較する際に、検証者が比較をおこなう項目を示すカーソル(図示せず)と、その項目の文字データが正しいという判定を検証者から受け付けるOKボタン(図示せず)と、その項目の文字データが誤りであるという判定を検証者から受け付けるNGボタン(図示せず)とが表示される。
図6の説明に戻ると、項目データ候補検索部164b、類似度判定部164cおよび正誤確認結果受付部164dは、伝票データ163aの項目の記入内容が妥当であるか否かを調べる伝票項目妥当性チェック処理をおこなう(ステップSA6)。この伝票項目妥当性チェック処理については、のちに図8−1および図8−2において詳しく説明する。
そして、正誤確認結果受付部164dは、記入内容の妥当性に問題がある場合には(ステップSA7,No)、ステップSA5に移行して、記入内容に問題がある項目の文字データの修正を検証者から受け付ける。
記入内容の妥当性に問題がない場合には(ステップSA7,Yes)、正誤確認結果受付部164dは、伝票データ163aの全項目に対するステップSA6の妥当性チェック処理が終了したか否かを調べ(ステップSA8)、全項目に対する妥当性チェック処理が終了していない場合には(ステップSA8,No)、ステップSA5に移行して、妥当性チェック処理が終了していない項目に対する伝票項目確認・修正処理を実行する。
全項目に対する妥当性チェック処理が終了した場合には(ステップSA8,Yes)、正誤確認結果受付部164dは、検証作業が終了したことを検証者に確認させる確認ボタンを出力し、その確認ボタンがマウス等でクリックされたことを示す情報を受け付ける(ステップSA9)。
その後、正誤確認結果受付部164dは、伝票データ163aに含まれる金額の情報を取得し(ステップSA10)、金額が所定の金額以上であるか否かを調べる(ステップSA11)。金額が所定の金額以上である場合には(ステップSA11,Yes)、伝票データ163aの伝票ステータス163a11を役席端末17による承認待ちに更新して、電子伝票サーバ15に格納する処理をおこなう(ステップSA12)。そして、項目データ取得部164aは、次の伝票データ163aの検証要求を検証者から受け付ける(ステップSA14)。
ステップSA11において、金額が所定の金額未満である場合には(ステップSA11,No)、伝票データ163aの伝票ステータス163a11をホスト通信サーバ18による送信待ちに更新して、電子伝票サーバ15に格納する処理をおこない(ステップSA13)、ステップSA14に移行する。
そして、次の伝票データ163aの検証要求を検証者から受け付けた場合には(ステップS15,Yes)、ステップSA3に移行して、項目データ取得部164aは、伝票データ163aの一覧の中から検証をおこなう伝票データ163aの選択を検証者から受け付ける。検証要求がなかった場合には(ステップS15,No)、項目データ取得部164aは、この伝票検証処理を終了する。
つぎに、図6に示した伝票項目妥当性チェック処理の処理手順について説明する。図81および図8−2は、図6に示した伝票項目妥当性チェック処理の処理手順を示すフローチャート(1)および(2)である。
図8−1に示すように、まず、正誤確認結果受付部164dは、妥当性をチェックする対象となる項目の内容を検出し(ステップSB1)、その項目が振込み日の項目であるか否かを調べる(ステップSB2)。振込み日の項目である場合には(ステップSB2,Yes)、正誤確認結果受付部164dは、振込み日の情報の妥当性をチェックし(ステップSB3)、この伝票項目妥当性チェック処理を終了する。具体的には、正誤確認結果受付部164dは、振込み日の日付が実在する日であるか否かなどをチェックする。
対象項目が振込み日の項目でない場合には(ステップSB2,No)、正誤確認結果受付部164dは、その項目が振込先金融機関名の項目であるか否かを調べる(ステップSB4)。振込先金融機関名の項目である場合には(ステップSB4,Yes)、正誤確認結果受付部164dは、金融機関データ163bと照合することにより振込先金融機関名の妥当性をチェックし(ステップSB5)、この伝票項目妥当性チェック処理を終了する。具体的には、正誤確認結果受付部164dは、振込先金融機関名が金融機関データ163bに登録された実在する金融機関であるか否かなどをチェックする。
対象項目が振込先金融機関名の項目でない場合には(ステップSB4,No)、正誤確認結果受付部164dは、その項目が振込先支店名の項目であるか否かを調べる(ステップSB6)。振込先支店名の項目でない場合には(ステップSB6,No)、図8−2に示すように、正誤確認結果受付部164dは、その項目が振込先預金科目の項目であるか否かを調べる(ステップSB21)。振込先預金科目の項目である場合には(ステップSB21,Yes)、正誤確認結果受付部164dは、振込先預金科目の妥当性をチェックし(ステップSB22)、この伝票項目妥当性チェック処理を終了する。具体的には、正誤確認結果受付部164dは、振込先預金科目が実在する振込先預金科目であるか否かなどをチェックする。
対象項目が振込先預金科目の項目でない場合には(ステップSB21,No)、正誤確認結果受付部164dは、その項目が振込先口座番号の項目であるか否かを調べる(ステップSB23)。振込先口座番号の項目である場合には(ステップSB23,Yes)、正誤確認結果受付部164dは、振込先口座番号の妥当性をチェックし(ステップSB24)、この伝票項目妥当性チェック処理を終了する。具体的には、正誤確認結果受付部164dは、振込先口座番号が適正な範囲の数字により構成されているものであるか否かなどをチェックする。
対象項目が振込先口座番号の項目でない場合には(ステップSB23,No)、正誤確認結果受付部164dは、その項目が金額の項目であるか否かを調べる(ステップSB25)。金額の項目である場合には(ステップSB25,Yes)、正誤確認結果受付部164dは、金額の妥当性をチェックし(ステップSB26)、この伝票項目妥当性チェック処理を終了する。具体的には、正誤確認結果受付部164dは、金額が数字の組み合わせにより構成されているものであるか否かなどをチェックする。
対象項目が金額の項目でない場合には(ステップSB25,No)、正誤確認結果受付部164dは、その項目がその他の項目であるか否かを調べる(ステップSB27)。その他の項目である場合には(ステップSB27,Yes)、正誤確認結果受付部164dは、その他の妥当性をチェックし(ステップSB28)、この伝票項目妥当性チェック処理を終了する。
図8−1に戻ると、ステップSB6において、対象項目が振込先支店名の項目である場合には(ステップSB6,Yes)、正誤確認結果受付部164dは、金融機関データ163bと照合することにより振込先支店名の妥当性をチェックする(ステップSB7)。具体的には、正誤確認結果受付部164dは、振込先支店名が金融機関データ163bに登録された実在する支店名であるか否かなどをチェックする。
その後、項目データ候補検索部164dは、振込先支店名をキー項目として金融機関データ163bから振込先支店名と同じ名称の支店を有する金融機関名を検索し(ステップSB8)、該当する金融機関名の数が1件であるか否かを調べる(ステップSB9)。該当する金融機関名が1件である場合には(ステップSB9,Yes)、項目データ候補検索部164dは、伝票データの振込先金融機関名が正しいものとして、この伝票項目妥当性チェック処理を終了する。
該当する金融機関名が1件より多い場合には(ステップSB9,No)、類似度判定部164cは、検索された金融機関名の各文字と、伝票データ163aの振込先金融機関名の各文字との間で一致する文字数を算出する(ステップSB10)。この一致文字数算出処理については、のちに図10において詳しく説明する。
そして、正誤確認結果受付部164dは、一致文字数が所定の数以上である金融機関名が所定の数以上あるか否かを調べ(ステップSB11)、一致文字数が所定の数以上である金融機関名が所定の数以上ある場合には(ステップSB11,Yes)、振込先金融機関名を誤る可能性が高い(伝票データ163aの振込先金融機関名と検索された金融機関名との類似度が高い)と判定し、伝票データ163aの振込先要検査フラグ163a13をONに設定する(ステップSB12)。
一致文字数が所定の数以上である金融機関名が所定の数以上ない場合には(ステップSB11,No)、正誤確認結果受付部164dは、振込先金融機関名を誤る可能性が低い(伝票データ163aの振込先金融機関名と検索された金融機関名との類似度が低い)と判定する(ステップSB13)。
そして、ステップSB12またはステップSB13の処理の後、図8−2に示すように、正誤確認結果受付部164dは、検証者に金融機関の業態を選択させる画面を表示部162に表示し、検証者が選択した業態の情報を受け付ける(ステップSB14)。
続いて、正誤確認結果受付部164dは、選択された業態名に対応し、伝票データ163aの振込先金融機関名の各文字との一致文字数が所定の数以上であった金融機関名の一覧を表示部162に表示して(ステップSB15)、検証者に正しい振込先金融機関名の選択を促し、検証者により選択された振込先金融機関名の情報を受け付ける(ステップSB16)。
その後、正誤確認結果受付部164dは、伝票データ163aの文字データの振込先金融機関名と、選択された金融機関名とが一致するか否かを調べ(ステップSB17)、一致する場合には(ステップSB17,Yes)、そのままこの伝票項目妥当性チェック処理を終了する。
伝票データ163aの文字データの振込先金融機関名と、選択された金融機関名とが一致しない場合は(ステップSB17,No)、正誤確認結果受付部164dは、伝票データ163aの振込先金融機関名および振込先支店名の情報を消去し(ステップSB18)、検証者から正しい振込先金融機関および振込先支店名の入力を受け付ける(ステップSB19)。
そして、正誤確認結果受付部164dは、伝票データ163aのやり直し発生フラグ163a12をONに設定し(ステップSB20)、ステップSB5に移行して、振込先金融機関名の妥当性をチェックし(ステップSB5)、この伝票項目妥当性チェック処理を終了する。
図9は、振込先金融機関名を確認する振込先金融機関名確認画面50の一例を示す図である。図9に示すように、この振込先金融機関名確認画面50には、金融機関の業態の選択を検証者から受け付ける業態選択領域51、振込先の画像データおよび文字データを表示する振込先表示領域52、伝票データの振込先支店名と同じ名称の支店を有する金融機関の名称の一覧を表示する金融機関名一覧表示領域53、および、検証者により金融機関名の選択を受け付ける金融機関名選択受付領域54が表示される。
たとえば、図9に示すように、業態選択領域51には、銀行、信金、信組、労金、農協等の金融機関の業態名が表示され、検証者から振込先金融機関の業態の選択を受け付ける。振込先表示領域52には、「アカ信用金庫」という振込先金融機関名の画像データ52aと、「アヤ信用金庫」という振込先金融機関名の文字データ52bと、「伊勢原」という振込先支店名の画像データ52cと、「伊勢原」という振込先支店名の文字データ52dとが表示されている。
また、金融機関名一覧表示領域53には、「アカ信用金庫」、「アサ信用金庫」、「アマ信用金庫」、・・・、という金融機関名の一覧が表示されている。ここで、金融機関名一覧表示領域53に表示された金融機関名は、「伊勢原」という支店名を有する金融機関のうち、業態選択領域51において選択された業態で、かつ、文字データ52bの各文字との一致文字数が所定の数以上である金融機関の名称である。
そして、検証者により、「アカ信用金庫」という振込先金融機関名の画像データ52aと、金融機関名一覧表示領域53に表示された金融機関名とが比較され、振込先金融機関名の画像データ52aに対応する「アカ信用金庫」という金融機関名が金融機関名選択受付領域53において選択されると、振込先表示領域52に「アカ信用金庫」という金融機関名の文字データ52eが表示され、その後、図8−2のステップSB17に示した金融機関名の一致確認処理が実行される。
つぎに、図8−1に示した金融機関名一致文字数算出処理について説明する。図10は、図8−1に示した金融機関名一致文字数算出処理の処理手順を示すフローチャートである。
図10に示すように、まず、検証端末16の類似度判定部164cは、ステップSB8において、項目データ候補検索部164dにより検索された金融機関名の件数と、金融機関名から業態名を除去した金融機関名をファイルに出力する(ステップSC1)。また、類似度判定部164cは、伝票データの振込先金融機関名から業態名を除去する(ステップSC2)。
続いて、類似度判定部164cは、金融機関名抽出カウンタを1に設定し(ステップSC3)、また、所定文字数一致金融機関名合計数を0に設定する(ステップSC4)。そして、類似度判定部164cは、金融機関名抽出カウンタに対応する番号の金融機関名をファイルから抽出し(ステップSC5)、抽出された金融機関名に含まれる文字と伝票データの振込先金融機関名に含まれる文字との間の一致文字数をカウントする(ステップSC6)。
そして、類似度判定部164cは、一致文字数が所定の数以上であるか否かを調べ(ステップSC7)、一致文字数が所定の数以上である場合には(ステップSC7,Yes)、所定文字数一致金融機関名合計数に1を加算し(ステップSC8)、金融機関名件数から1を減算する(ステップSC9)。一致文字数が所定の数未満である場合には(ステップSC7,No)、類似度判定部164cは、ステップSC9に移行して、金融機関名件数から1を減算する処理をおこなう。
その後、類似度判定部164cは、金融機関名抽出カウンタに1を加算し(ステップSC10)、金融機関名件数が1以上であるか否かを調べる(ステップSC11)。金融機関名件数が1以上である場合には(ステップSC11,Yes)、ステップSC5に移行して、類似度判定部164cは、金融機関名抽出カウンタに対応する番号の金融機関名をファイルから抽出する処理をおこなう。
金融機関名件数が1未満である場合には(ステップSC11,No)、類似度判定部164cは、所定文字数一致金融機関名合計数を出力し(ステップSC12)、この金融機関名一致文字数算出処理を終了する。
つぎに、図1に示した役席端末17がおこなう伝票承認処理の処理手順について説明する。図11−1および図11−2は、図1に示した役席端末17がおこなう伝票承認処理の処理手順を示すフローチャート(1)および(2)である。
図11−1に示すように、まず、役席端末17の項目データ取得部174aは、承認待ち伝票データ150の取得要求を役席者から受け付ける(ステップSD1)。そして、項目データ取得部174aは、伝票ステータスが承認待ちとなっている伝票データ150を電子伝票サーバ15から抽出し、表示部172に一覧表示する(ステップSD2)。その際、取得した伝票データ150は、記憶部173に伝票データ173aとして記憶される。
続いて、項目データ取得部174aは、役席者から承認する伝票データ173aの選択を受け付け(ステップSD3)、選択された伝票データ173aを表示する(ステップSD4)。そして、承認結果受付部174bは、伝票データ173aの振込先要検査フラグがONに設定されているか否かを調べる(ステップSD5)。振込先要検査フラグがONに設定されている場合には、役席者に振込先金融機関名および振込先支店名の確認を促す振込先確認画面を表示部172に表示する(ステップSD7)。
伝票データ173aの振込先要検査フラグがONに設定されていない場合には(ステップSD5,No)、承認結果受付部174bは、やり直し発生フラグがONに設定されているか否かを調べる(ステップSD6)。やり直し発生フラグがONに設定されている場合には(ステップSD6,Yes)、ステップSD7に移行して、振込先確認画面を表示部172に表示する。
やり直し発生フラグがONに設定されていない場合には(ステップSD6,No)、図11−2に示すように、承認結果受付部174bは、図7に示したのと同様の確認画面を表示部172に表示して、伝票データ173aの各項目の正誤の目視確認を役席者に促し、伝票データ173aに対する承認操作または非承認操作を役席者から受け付ける(ステップSD25)。
そして、承認結果受付部174bは、受け付けた操作が承認操作か否かを調べ(ステップSD26)、承認操作でない場合には(ステップSD26,No)、伝票データ173aのやり直し発生フラグおよび振込先要検査フラグをクリアし(ステップSD27)、伝票データ173aの伝票ステータスを検証者による検証待ちに更新して、電子伝票サーバ15に格納する(ステップSD28)。
受け付けた操作が承認操作である場合には(ステップSD26,Yes)、承認結果受付部174bは、伝票データ173aの伝票ステータスをホスト通信サーバ18による送信待ちに更新して、電子伝票サーバ15に格納する(ステップSD29)。
そして、ステップS28またはステップS29の後、承認結果受付部174bは、次の伝票データ173aの承認要求を役席者から受け付け(ステップSD30)、役席者から承認要求があった場合には(ステップSD31,Yes)、ステップSD3に移行して、役席者から承認する伝票データ173aの選択を受け付ける。役席者から承認要求がなかった場合には(ステップSD31,No)、この伝票承認処理を終了する。
ステップSD7において、振込先確認画面を表示部172に表示した後、承認結果受付部174bは、伝票データ173aの画像データの金融機関名および支店名の合計文字数と、伝票データ173aの文字データの金融機関名および支店名の合計文字数とが一致するか否かを調べる(ステップSD9)。
金融機関名および支店名の合計文字数が一致する場合には(ステップSD9,Yes)、承認結果受付部174bは、ループカウンタを0に設定し(ステップSD11)、役席者が金融機関名および支店名に含まれる1文字を確認するのに最低限必要な最低確認時間を設定する(ステップSD12)。
金融機関名および支店名の合計文字数が一致しない場合には(ステップSD9,No)、承認結果受付部174bは、金融機関名および支店名の合計文字数が画像データと文字データとで異なることを示すメッセージを表示部172に表示し、図11−2のステップSD27に移行して、伝票データ173aのやり直し発生フラグおよび振込先要検査フラグをクリアし、伝票データ173aの伝票ステータスを検証者による検証待ちに更新する処理をおこなう。
図11−1のステップSD12の後、承認結果受付部174bは、正誤確認がまだおこなわれていない振込先金融機関名および振込先支店名の文字を正誤確認対象文字として設定し(ステップSD13)、文字の正誤に応じて役席者がOKボタンあるいはNGボタンをクリックするOK操作あるいはNG操作を受け付け可能に設定し(ステップSD14)、役席者が文字の正誤確認をおこなう確認時間の計測を開始する(ステップSD15)。
そして、承認結果受付部174bは、役席者からOK操作またはNG操作を受け付けたか否かを調べ(ステップSD16)、OK操作またはNG操作を受け付けていない場合には(ステップSD16、No)、OK操作またはNG操作を受け付けるのを待ち受ける。
役席者からOK操作またはNG操作を受け付けた場合には(ステップSD16,Yes)、図11−2に示すように、承認結果受付部174bは、受け付けた操作がOK操作であるか否かを調べ(ステップSD17)、OK操作でない場合には(ステップSD17,No)、ステップSD27に移行して、伝票データのやり直し発生フラグおよび振込先要検査フラグをクリアし、伝票データ173aの伝票ステータスを検証者による検証待ちに更新する処理をおこなう。
受け付けた操作がOK操作である場合には(ステップSD17,Yes)、承認結果受付部174bは、役席者の振込先金融機関名および振込先支店名に含まれる文字の確認時間が最低時間以上であるか否かを調べる(ステップSD18)。
そして、最低時間以上でない場合には(ステップSD18,No)、承認結果受付部174bは、最低確認時間を前回設定した最低確認時間より長い時間に再設定する(ステップSD19)。そして、承認結果受付部174b、確認時間が短かったことに対して注意を促すメッセージを表示し(ステップSD20)、ステップSD14に移行して、再度同じ文字に対して役席者からOK操作またはNG操作を受け付け可能に設定し、役席者による正誤確認を受け付ける。
ステップSD18において、文字の確認時間が最低時間以上である場合には(ステップSD18、Yes)、承認結果受付部174bは、ループカウンタの数字に1を加算し(ステップSD21)、役席者によりOK操作を受け付けた文字に対応付けて、その文字の正誤確認が済んだことを示す確認済インジケータを表示する(ステップSD22)。
そして、承認結果受付部174bは、ループカウンタの数字が金融機関名および支店名の合計金額より小さいか否かを調べ(ステップSD23)、ループカウンタの数字が金融機関名および支店名の合計文字数より小さい場合には(ステップSD23,Yes)、ステップS13に移行して、正誤確認がまだおこなわれていない振込先金融機関名および振込先支店名の文字を正誤確認対象文字として設定する。
ループカウンタの数字が金融機関名および支店名の合計文字数と同じになった場合には(ステップSD23,No)、承認結果受付部174bは、振込先確認画面を消去して(ステップSD24)、前述したステップSD25以降の処理を実行する。
図12は、役席者が振込先金融機関名・支店名の確認をおこなう振込先確認画面60の一例を示す図である。図12に示すように、この振込先確認画面60には、振込先金融機関名の画像データ61、振込先金融機関名の文字データ62とともに、画像データ61の1文字1文字に対応付けてインジケータ63a〜63fが表示され、また、文字データ62の1文字1文字に対応付けてインジケータ64a〜64fが表示されている。
同様に、この振込先確認画面60には、振込先支店名の画像データ65、振込先支店名の文字データ66とともに、画像データ65の1文字1文字に対応付けてインジケータ67a〜67cが表示され、また、文字データ66の1文字1文字に対応付けてインジケータ68a〜68cが表示されている。
この振込先金融機関名のインジケータ63a〜63fおよびインジケータ64a〜64fは、画像データ61の各文字と文字データ62の各文字とが一致するか否かの確認結果を役席者から1文字ずつ受け付けるたびに1文字ずつ表示色が変化して、確認が済んだ文字を識別できるようになっている。振込先支店名のインジケータ67a〜67cおよびインジケータ68a〜68cも同様に、役席者から各文字の確認結果を1文字ずつ受け付けるたびに、1文字ずつ表示色が変化して確認が済んだ文字を識別できるようになっている。
ところで、上記実施例で説明した為替データ誤り防止システムおよび為替データ誤り防止方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータシステムで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、上記実施例で説明した為替データ誤り防止システム(為替データ誤り防止方法)と同様の機能を有する為替データ誤り防止プログラムを実行するコンピュータシステムについて説明する。
図13は、本実施例に係るコンピュータシステムの構成を示すシステム構成図であり、図14は、図13に示したコンピュータシステムにおける本体部の構成を示すブロック図である。図13に示すように、本実施例に係るコンピュータシステム100は、本体部201と、本体部201からの指示によって表示画面202aに画像などの情報を表示するためのディスプレイ202と、このコンピュータシステム200に種々の情報を入力するためのキーボード203と、ディスプレイ202の表示画面202a上の任意の位置を指定するためのマウス204とを備える。
また、このコンピュータシステム200における本体部201は、図14に示すように、CPU221と、RAM222と、ROM223と、ハードディスクドライブ(HDD)224と、CD−ROM209を受け入れるCD−ROMドライブ225と、フレキシブルディスク(FD)208を受け入れるFDドライブ226と、ディスプレイ202、キーボード203並びにマウス204を接続するI/Oインターフェース227と、ローカルエリアネットワークまたはワイドエリアネットワーク(LAN/WAN)206に接続するLANインターフェース228とを備える。
さらに、このコンピュータシステム200には、インターネットなどの公衆回線207に接続するためのモデム205が接続されるとともに、LANインターフェース228およびLAN/WAN206を介して、他のコンピュータシステム(PC)211、サーバ212並びにプリンタ213などが接続される。
そして、このコンピュータシステム200は、所定の記録媒体に記録された為替データ誤り防止プログラムを読み出して実行することで為替データ誤り防止システム(為替データ誤り防止方法)を実現する。ここで、所定の記録媒体とは、フレキシブルディスク(FD)208、CD−ROM209、MOディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」の他に、コンピュータシステム200の内外に備えられるハードディスクドライブ(HDD)224や、RAM222、ROM223などの「固定用の物理媒体」、さらに、モデム205を介して接続される公衆回線207や、他のコンピュータシステム211並びにサーバ212が接続されるLAN/WAN206などのように、プログラムの送信に際して短期にプログラムを保持する「通信媒体」など、コンピュータシステム200によって読み取り可能な為替データ誤り防止プログラムを記録する、あらゆる記録媒体を含むものである。
すなわち、為替データ誤り防止プログラムは、上記した「可搬用の物理媒体」、「固定用の物理媒体」、「通信媒体」などの記録媒体に、コンピュータ読み取り可能に記録されるものであり、コンピュータシステム200は、このような記録媒体から為替データ誤り防止プログラムを読み出して実行することで為替データ誤り防止システムおよび為替データ誤り防止方法を実現する。なお、為替データ誤り防止プログラムは、コンピュータシステム200によって実行されることに限定されるものではなく、他のコンピュータシステム211またはサーバ212が為替データ誤り防止プログラムを実行する場合や、これらが協働して為替データ誤り防止プログラムを実行するような場合にも、本発明を同様に適用することができる。
上述してきたように、本実施例では、検証端末16の項目データ取得部164aが、伝票データに含まれる振込先金融機関名の正誤確認がなされた後、振込先金融機関名に関連する振込先支店名の情報を取得し、項目データ候補検索部164bが、取得された振込先支店名に関連し、振込先金融機関名の修正候補となる金融機関名を金融機関データ163bから検索し、正誤確認結果受付部164dが、検索された金融機関名の一覧を出力し、当該一覧に基づいてなされた正しい振込先金融機関名の正誤確認の結果に係る情報を受け付けることとしたので、検証者が伝票データの正誤確認をおこなう場合に、検証者に伝票データの正誤を確実に判断させ、伝票データの誤りを防止することができる。
また、本実施例では、検証端末16の正誤確認結果受付部164dが、振込先金融機関名の正誤確認の結果に基づいて、振込先金融機関名の修正を受け付けることとしたので、検証者が振込先金融機関名の誤りを容易に修正することができる。
また、本実施例では、検証端末16の類似度判定部164cが、項目データ候補検索部164bにより検索された金融機関名と伝票データの振込先金融機関名との間の類似度を判定し、類似度が高いと判定された金融機関名の一覧を出力することとしたので、類似度の高い金融機関名を抽出して出力することにより、検証者が振込先金融機関名の修正候補を容易に探し出すことができる。
また、本実施例では、検証端末16の正誤確認結果受付部164dにより、振込先金融機関名の修正が受け付けられた場合に、役席端末17の承認結果受付部174bが、修正がなされた振込先金融機関名を出力して、修正がなされた振込先金融機関名の承認結果を受け付けることとしたので、修正がなされた振込先金融機関名を役席者にもう1度確認させて承認結果を受け付けることにより、伝票データの誤りをより確実に防止することができる。
また、本実施例では、検証端末16の正誤確認結果受付部164dにより、類似度が高いと判定された金融機関名が出力され、振込先金融機関名の正誤確認の結果に係る情報が受け付けられた場合に、役席端末17の承認結果受付部174bが、振込先金融機関名あるいは修正がなされた振込先金融機関名を出力し、振込先金融機関名あるいは修正がなされた振込先金融機関名の承認結果を受け付けることとしたので、類似度が高いと判定された金融機関名がある場合に、振込先金融機関名あるいは修正がなされた振込先金融機関名を役席者にもう1度確認させて承認結果を受け付けることにより、伝票データの誤りをより確実に防止することができる。
また、本実施例では、役席端末17の承認結果受付部174bが、承認結果を受け付ける振込先金融機関名あるいは修正がなされた振込先金融機関名に係る承認者の確認時間が所定の時間に満たない場合に、承認結果を受け付ける振込先金融機関名あるいは修正がなされた振込先金融機関名を役席者に確認させる処理を再実行することとしたので、承認結果を受け付ける振込先金融機関名あるいは修正がなされた振込先金融機関名に対する役席者の確認時間が短い場合に、役席者の確認が不十分として再確認をおこなわせることにより、伝票データの誤りをより確実に防止することができる。
また、本実施例では、承認結果を受け付ける振込先金融機関名あるいは修正がなされた振込先金融機関名の役席者による正誤確認を、承認結果を受け付ける振込先金融機関名あるいは修正がなされた振込先金融機関名に含まれる文字データごとに受け付けることとしたので、承認結果を受け付ける振込先金融機関名あるいは修正がなされた振込先金融機関名の確認を役席者に1文字ずつおこなわせることにより、伝票データの誤りをより確実に防止することができる。
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、上記特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施例にて実施されてもよいものである。
例えば、本実施例では、伝票データの検証処理を検証端末が、伝票データの承認処理を役席端末が分散しておこなうこととしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、検証端末および役席端末の機能を同一装置で実現することとしてもよい。たとえば、検証者あるいは役席者が操作する端末装置からのアクセスをサーバ装置が受け付けて、上記実施例で示した検証端末および役席端末の機能をサーバ装置が実行し、その結果を検証者あるいは役席者が操作する端末装置に出力することとしてもよい。
また、本実施例では、伝票の画像データに文字認識をおこなうことにより得た伝票データの正誤確認処理の管理を検証端末および役席端末がおこなうこととしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、手作業で入力された伝票データに対する正誤確認処理の管理を検証端末および役席端末がおこなうこととしてもよい。
また、本実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
(付記1)為替取引に係る為替データに対する正誤確認の実行管理をおこなうことにより為替データの誤りを防止する為替データ誤り防止プログラムであって、
前記為替データに含まれる第1の項目データの正誤確認がなされた後、第1の項目データに関連する第2の項目データを取得する項目データ取得手順と、
前記項目データ取得手順により取得された第2の項目データに関連し、第1の項目データの修正候補となる第3の項目データをデータベースから検索する項目データ候補検索手順と、
前記項目データ候補検索手順により検索された第3の項目データの一覧を出力し、当該一覧に基づいてなされた第1の項目データの正誤確認の結果に係る情報を受け付ける正誤確認結果受付手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする為替データ誤り防止プログラム。
(付記2)前記正誤確認結果受付手順は、第1の項目データの正誤確認の結果に基づいてなされる第1の項目データの修正を受け付けることを特徴とする付記1に記載の為替データ誤り防止プログラム。
(付記3)前記項目データ候補検索手順により検索された第3の項目データと第1の項目データとの間の類似度を判定する類似度判定手順をさらに含み、前記正誤確認結果受付手順は、前記類似度判定手順により類似度が高いと判定された第3の項目データの一覧を出力することを特徴とする付記2に記載の為替データ誤り防止プログラム。
(付記4)前記正誤確認結果受付手順により第1の項目データの修正が受け付けられた場合に、前記修正がなされた第1の項目データを出力して、該修正がなされた第1の項目データの承認結果を受け付ける承認結果受付手順をさらに含んだことを特徴とする付記2または3に記載の為替データ誤り防止プログラム。
(付記5)前記類似度判定手順により類似度が高いと判定された第3の項目データが前記正誤確認結果受付手順により出力され、前記第1の項目データの正誤確認の結果に係る情報が受け付けられた場合に、前記第1の項目データあるいは前記修正がなされた第1の項目データを出力し、前記第1の項目データあるいは前記修正がなされた第1の項目データの承認結果を受け付ける承認結果受付手順をさらに含んだことを特徴とする付記3に記載の為替データ誤り防止プログラム。
(付記6)前記承認結果受付手順は、前記承認結果を受け付ける第1の項目データあるいは修正がなされた第1の項目データに係る承認者の確認時間が所定の時間に満たない場合に、前記承認結果を受け付ける第1の項目データあるいは修正がなされた第1の項目データを承認者に確認させる処理を再実行することを特徴とする付記4または5に記載の為替データ誤り防止プログラム。
(付記7)前記承認結果受付手順は、前記承認結果を受け付ける第1の項目データあるいは修正がなされた第1の項目データの承認者による正誤確認を該承認結果を受け付ける第1の項目データあるいは修正がなされた第1の項目データに含まれる文字データごとに受け付けることを特徴とする付記5または6に記載の為替データ誤り防止プログラム。
(付記8)為替取引に係る為替データに対する正誤確認の実行管理をおこなうことにより為替データの誤りを防止する為替データ誤り防止方法であって、
前記為替データに含まれる第1の項目データの正誤確認がなされた後、第1の項目データに関連する第2の項目データを取得する項目データ取得工程と、
前記項目データ取得工程により取得された第2の項目データに関連し、第1の項目データの修正候補となる第3の項目データをデータベースから検索する項目データ候補検索工程と、
前記項目データ候補検索工程により検索された第3の項目データの一覧を出力し、当該一覧に基づいてなされた第1の項目データの正誤確認の結果に係る情報を受け付ける正誤確認結果受付工程と、
を含んだことを特徴とする為替データ誤り防止方法。
(付記9)為替取引に係る為替データに対する正誤確認の実行管理をおこなうことにより為替データの誤りを防止する為替データ誤り防止装置であって、
前記為替データに含まれる第1の項目データの正誤確認がなされた後、第1の項目データに関連する第2の項目データを取得する項目データ取得手段と、
前記項目データ取得手段により取得された第2の項目データに関連し、第1の項目データの修正候補となる第3の項目データをデータベースから検索する項目データ候補検索手段と、
前記項目データ候補検索手段により検索された第3の項目データの一覧を出力し、当該一覧に基づいてなされた第1の項目データの正誤確認の結果に係る情報を受け付ける正誤確認結果受付手段と、
を備えたことを特徴とする為替データ誤り防止装置。